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9月30日 - 府中市立 府中第二小学校
平成28年度 平成28年 No.8 9月30日 府中市立府中第二小学校 校 長 活字を読もう 電 話 山 田 順 子 042-361-9002 361-9002 副校長 柏原 学 29002 季節は秋。スポーツの秋、食欲の秋、勉強の秋。などなど。その中でも私は読書の秋を 推薦したいと思います。 先日書店に行ったところ、所狭しとおすすめの本が置いてあり、どれも面白そうだなあ、 欲しいなあと思って見ていました。新刊の中に目に止まった本がありました。あれ、この 本新刊なのかなあ。小学生の頃、読んだことがあるんだけれどなあ。その本の名は「星の 王子様」 。子どものころ読んで、何が言いたいのかさっぱり分からなかった本。懐かしく思 い、思い切って買ってみました。 そして、久しぶりに「星の王子様」を読み直してみました。今読んでみると、この本に 対する印象が全く変わりました。 「星の王子様」のあらすじは…。「パイロットである主人公のぼくは、あ る日小さな星の王子様と出会う。王子様はぼくに色々な星の話をしてくれて、 ある目的があって地球に来たことが分かった。物語の最後、ぼくと王子様は 一つだけ約束をして、別れた。 」 短いけれど、内容が全然伝わらないような気がします。では、もう少し分かるように。 「子どもの頃に描いた傑作の絵を大人達に全く理解されなかった飛行機乗り。大人達は 何も分かっていない。そんな思いを抱えたぼくは、不時着した砂漠で星の王子様と出会う。 王子様はぼくの絵を理解する不思議な少年だった。二人は砂漠で話をし、絆を深める。王 子様はもともと地球ではない星に住んでいた。よその星から買ってきた種から咲いた一輪 のバラとのけんかをきっかけに、星を出ることになり、地球まで旅をしてきたのだ。旅を する途中でバラがかけがえのないものであったことを理解し、星に帰ることを決める。そ の途中、砂漠を歩いているところでぼくと出会った。最後、王子様は星に帰り、消えてな くなる。 」キーワードがたくさん欠けている感じがします。3つの火山、バオバブの芽、王、 自惚れ屋、飲んべえ、実業家、点灯夫、地理学者、ヘビ、キツネなど。でも入れるともっ と長くなってしまいます。人に伝わるように分かりやすくまとめるのは難しいです。 こんなことを書いていると、最近読んだ「3月のライオン」という将棋の漫画にあった ある言葉を思い出しました。それはこんな言葉でした。 「信じれば夢は叶う」それはたぶん本当だ。ただし一文が抜けている。 「信じて努力を続 ければ夢は叶う」これが正解だ。さらに言えば「信じて他のどのライバルよりも一時間長 く毎日努力を続ければある程度までの夢はかなりの確率で叶う」だ。キャッチコピーとい うものは、短い方がいい。でもこれはあまりにもはしょり過ぎだと思う。 本はまとめるためや感想文を書くために読むのではありません。それでは本を読む楽し みが半減してしまいます。求められたときに分かりやすく文章や口頭で説明できる力を日 頃の授業や学習を通して付けていければいいなと思います。 ぜひ子どもの頃から本に親しむことにより、読書の喜びや楽しみを味わわせ、読書の習 慣を身につけて行ってほしいです。絵のある漫画も面白いし、分かりやすいです。しかし 本は、活字を読んでそのシーンを想像することができます。それがまた面白いのではない でしょうか。最近私は、本を読んだ後、その作品が映像化されたものを見て、比べて、楽 しんでいます。 ゲームやインターネットが普及し、なかなか本を読む時間や機会が失われているように 感じます。最新の情報を速く手に入れるための手段としてインターネットやテレビは欠か せませんが、ディスプレイではなく、子どもも大人も活字を読み、想像をめぐらせる時間 も大切だと思っています。 -1-