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プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発

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プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発
「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」
プロジェクト評価事後報告書
平成23年3月
産業構造審議会産業技術分科会
評
価
小
委
員
会
はじめに
研究開発の評価は、研究開発活動の効率化・活性化、優れた成果の獲得や社会・経済への還元
等を図るとともに、
国民に対して説明責任を果たすために、極めて重要な活動であり、このため、
経済産業省では、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成20年10月31日、内閣総
理大臣決定)等に沿った適切な評価を実施すべく「経済産業省技術評価指針」(平成21年3月
31日改正)を定め、これに基づいて研究開発の評価を実施している。
経済産業省において実施した「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」は、CO2
の固定化・有効利用の分野で、CO2 削減効果が大きいが研究期間が比較的長期となる革新的技術
について、有効な技術シーズを準備し、実用化に向けた応用・実証研究につなげていくことを目
的として平成11年度から平成21年度まで実施したものである。
今回の評価は、この「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」の事後評価であ
り、実際の評価に際しては、省外の有識者からなる『平成22年度CO2 固定化・有効利用分野評
価検討会』(座長:鈴木 胖 財団法人地球環境戦略研究機関 関西研究センター長)を開催し
た。
今般、当該検討会における検討結果が評価報告書の原案として産業構造審議会産業技術分科会
評価小委員会(小委員長:平澤 泠 東京大学名誉教授)に付議され、内容を審議し、了承され
た。
本書は、これらの評価結果を取りまとめたものである。
平成23年3月
産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会
産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会
委
委員長
平澤
泠
員
名
簿
東京大学 名誉教授
池村 淑道
長浜バイオ大学バイオサイエンス学部
大島 まり
東京大学大学院情報学環 教授
東京大学生産技術研究所 教授
太田 健一郎
横浜国立大学大学院工学研究院 教授
菊池 純一
青山学院大学法学部長・大学院法学研究科長
小林 直人
早稲田大学研究戦略センター
鈴木
政策研究大学院大学 教授
潤
教授
教授
冨田 房男
北海道大学 名誉教授
中小路
株式会社SRA先端技術研究所リサーチディレクター
森
久美代
俊介
吉本 陽子
東京理科大学理工学部経営工学科 教授
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
経済・社会政策部 主任研究員
(委員敬称略、五十音順)
事務局:経済産業省 産業技術環境局 技術評価室
『平成22年度CO2固定化・有効利用分野評価検討会』
委員名簿
座
長
鈴木
胖
財団法人地球環境戦略研究機関 関西研究センター長
上山 惟一
工学院大学工学部環境エネルギー化学科
影山 嘉宏
東京電力株式会社 執行役員
教授
環境部長兼技術開発本部(環境担当)
金子 憲治
株式会社日経BP 日経エコロジー編集部 副編集長
小島 克己
東京大学
駒田 広也
財団法人電力中央研究所
芝尾 芳昭
イノベーションマネジメント株式会社 パートナー
矢木 修身
日本大学生産工学部 応用分子化学科 教授
アジア生物資源環境研究センター 教授
地球工学研究所 研究顧問
(敬称略、五十音順)
事務局:経済産業省 産業技術環境局 環境政策課 地球環境技術室
『プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発』
プロジェクト評価に係る省内関係者
【事後評価時】
産業技術環境局 環境政策課 地球環境技術室長
産業技術環境局 産業技術政策課
小澤 典明(事業担当室長)
技術評価室長
秦 茂則
【中間評価時】
産業技術環境局 環境政策課 地球環境技術室長
産業技術環境局 技術評価調査課長
三橋 敏宏(事業担当室長)
齋藤 圭介
【事前評価時】(事業初年度予算要求時)
産業技術環境局 環境政策課長
佐藤 哲哉(事業担当課長)
『平成22年度CO2固定化・有効利用分野評価検討会』
審 議 経 過
○第1回評価検討会(平成22年11月11日)
・評価の方法等について
・プロジェクトの概要について
・評価の進め方について
○第2回評価検討会(平成23年1月25日)
・評価報告書(案)について
○産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会(平成23年3月9日)
・評価報告書(案)について
目
次
はじめに
産業構造審議会産業技術分科会評価小委員会 委員名簿
平成22年度CO2 固定化・有効利用分野評価検討会
委員名簿
「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」プロジェクト評価に係る省内関係者
「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」プロジェクト事後評価 審議経過
ページ
事後評価報告書概要
……………………………………………………………………
ⅰ
第1章 評価の実施方法
1.評価目的
………………………………………………………………………
1
…………………………………………………………………………
1
3.評価対象
………………………………………………………………………
2
4.評価方法
………………………………………………………………………
2
2.評価者
5.プロジェクト評価における標準的な評価項目・評価基準
………………
2
………………………………………………
5
……………………………………………………………
9
第2章 プロジェクトの概要
1.事業の目的・政策的位置付け
2.研究開発等の目標
3.成果、目標の達成度
………………………………………………………… 11
4.事業化、波及効果について
………………………………………………… 64
5.研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等
別紙1 基盤技術研究テーマの個別票
別紙2 特許・論文等の成果
…………………… 66
………………………………………
85
………………………………………………… 123
第3章 評価
1.総合評価
……………………………………………………………………
2.今後の研究開発の方向等に関する提言
第4章 評点法による評点結果
参考
202
…………………………………
208
……………………………………………………
221
今後の研究開発の方向等に関する提言
事後評価報告書概要
事後評価報告書概要
プロジェクト名
プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発
上位施策名
温暖化対策の推進
事業担当課
地球環境技術室
プロジェクトの目的・概要
将来において実現可能性の高い二酸化炭素固定化・有効利用技術に関する革新的な技術シーズ
を発掘し、実現可能性を確認した上で、基盤技術として確立することを目的としている。
予算額等(補助(補助率:10/10)
)
開始年
終了年
平成11年度
平成21年度
H19FY 予算額
674,000 千円
H20FY 予算額
451,500 千円
中間評価時期
平成 14,19 年度
事後評価時期
平成22年度
H21FY 予算額
180,600 千円
総予算額
5,094,100 千円
(単位:千円)
事業実施为体
RITE
総執行額
4,797,698 千円
目標・指標及び成果・達成度
(1) 全体目標に対する成果・達成度
本制度は「二酸化炭素固定化・有効利用技術に関する技術課題に関する技術課題の抽出および二
酸化炭素排出削減に資する技術の開発」を目標としている。具体的には技術戦略マップで絞り込ま
れた重要分野でのさらなるコスト低減とポテンシャル増大のための技術課題の探索、新技術の調
査、基盤技術の開発とFSを実施し、2030 年で大気中の CO2 削減量が大きくコストが 2,000~
6,000 円/t-CO2 程度に到達可能な二酸化炭素固定化・有効技術を複数準備する事としている。
要素技術
目標・指標
成果
達成度
二酸化炭素固定
化・有効利用技
術」に関する技
術課題の抽出
①CO2 固定化・有効利用
の開発を効率的に進め
るための技術戦略の作
成
・ 総合調査研究や技術戦略マップの策
定など、CO2 固定化・有効利用に関す
る技術戦略を作成した。
・ 総合調査研究において選定されたテ
ーマの基盤技術研究としての実施や
技術戦略マップに記載された分野で
のテーマ募集、技術戦略マップを指針
としたテーマ選定など、策定された技
術戦略を用いたテーマ選定・管理を行
った。
・ 技術戦略マップは平成16年度の初
版以降、毎年、国際動向の変化、技術
の進展に合わせて改訂を行った。ま
た、さらにコスト・ポテンシャル分析、
新技術調査、シナリオ分析やベンチマ
ークなどより精緻化を行い、十分なメ
ンテナンスを実施している。
・ 本技術戦略マップは本事業における
テーマ選定のツールばかりでなく、
様々なプロジェクトの研究開発指針
達成
i
②技術戦略に沿った技
術シーズの探索
・技術課題の抽出件数
・
・
・
二酸化炭素 出
削減に資する技
術の開発
①技術戦略にそった研
究を実施
・研究開発テーマの実
施件数
・
・
・
・
②研究テーマ毎に設定
された目標に対する十
・
として使用されており、多方面に利用
されている。
総合調査研究でのテーマ抽出では、2
16件のテーマを検討し、テーマ候補
16件を抽出した。
総合調査研究では、調査された技術シ
ーズについて、CO2 削減技術としての
位置付け、技術的波及効果、必要な資
源、目標、キーテクノロジー、CO2 削
減効果などの分析がなされ、重みづけ
を行った。
先端的研究でのテーマ抽出で 111
件の技術シーズ提案から有識者によ
る技術の優务、課題と解決方法の明確
さ、二酸化炭素削減シナリオ、実現性
などに関する評価が行い、39件の優
秀テーマを選抜した。これらのテーマ
については、さらに先端的研究で実際
に有効性検証のための研究を実施し
た。このように、単なるテーマ探索に
終わらず、
「有識者による評価」と「実
験による検証」という2つのプロセス
を経て、より有効な技術シーズの効率
的な探索が行った。
CO2 排出削減に資する技術開発とし
て、先端的研究39テーマ、基盤技術
研究40テーマと十分な件数の技術
シーズについて、実験による検証を行
った。
先端的研究の実施期間は1年、基盤技
術研究の実施期間は2-3年であり、
従
来の研究開発プロジェクトに対して、
比較的短い期間に並行的に多数のテ
ーマ検討実施されるよう工夫した。
研究テーマは「CO2 固定化・有効利用」
の重要分野である「分離回収」、「CO2
の隔離」、
「大規模植林とバイオマス利
用」の戦略と密接に関係しながら実施
されており、革新的研究のためのシー
ズ準備という目標によく合致するよ
うにした。
基礎研究は不確実性が高いが、本制度
ではテーマの進捗状況を中間評価や
連絡会で把握し、進捗に応じてテーマ
の中止・変更をするようになってお
り、柔軟性を高くした。また、基盤技
術研究については研究推進委員会を
設置し、効率的に目標達成ができるよ
うに専門家の助言が受けられる仕組
みとした。
実施テーマは「CO2 固定化・有効利用」
の重要分野である「CO2 の分離回収」、
ii
達成
達成
達成
分な成果の確保
・研究開発テーマの成
果
・開発された有効な技
術の件数
・
・
・
・
「CO2 の隔離」、
「大規模植林とバイオ
マス利用」、
「CO2 の有効利用」におけ
る最先端の研究であり、その成果は世
界でも注目されている。
「CO2 の分離回収」では、世界トップ
クラスの高分子膜が開発され、経済産
業省補助事業の地球環境国際研究推
進事業「分子ゲート機能 CO2 分離膜の
基盤技術研究開発」、経済産業省補助
事業「分子ゲート機能 CO2 分離膜の技
術研究開発」に発展するとともに、世
界的にその価値が認められ、米国
NETL との共同研究を実施するまでに
なっている。またセラミック膜もトッ
プクラスの性能のものが得られ、スタ
ン フ ォ ー ド 大 学 の GCEP ( Global
Climate and Energy Project)プロジ
ェクトにつながっている。このように
世界的にも評価の高い分離回収技術
が生まれている。また、高圧ガス用吸
収液・吸着剤など低消費エネルギーの
CO2 回収技術が開発された。
「CO2 の隔離」については、世界でも
例のない「蛇紋岩帯への貯留」、
「人工
湧昇流」などの革新的な隔離技術の現
場実験がなされ、有効性が確認され
た。さらに、「常設型モニタリング技
術」が開発され、現在、経済産業省補
助事業「二酸化炭素貯留隔離技術開
発」の中で本格的な試験が実施されて
いる。
「大規模植林」においては、「葉緑体
形質転換」という新手法が開発され、
経済産業省補助事業「二酸化炭素大規
模固定化技術開発」に発展するととも
に、多数のテーマを生み出している。
適用種もタバコからポプラ、アブラヤ
シと実用性の高い樹木に展開され、ま
た導入遺伝子も成長促進遺伝子から
セルラーゼ形成遺伝子・乾燥耐性遺伝
子等へと拡大されている。また、乾燥
ストレスに関する植物の耐性メカニ
ズム検討が進められ、これを応用した
選抜技術などの非遺伝子組換え手法
が形成されつつある。
バイオマス利用では微生物集団やセ
ルロソームのコリネ菌での発現、麹法
バイオマス糖化といった世界に例の
ない革新的手法が開発されている。ま
た、有用物質変換ではコハク酸、水素、
ブタノールについてのトップクラス
の研究がを進められている。特にブタ
iii
・
・
・
・
・
ノールは世界で競争が激化しつつあ
るが、従来の生産性の低い嫌気性細菌
ではなく、好気性細菌でのブタノール
変換に成功した。本研究さらに技術研
究組合による技術開発につながって
いる。
「CO2 の有効利用」では鉄鋼スラグな
らびにコンクリート廃材を利用した
CO2 の固定化・有効利用技術が完成し
た。
基盤技術研究の事後評価では、平成1
4年度開始分から平成19年度終了
分まで、24件の終了テーマがあり、
その54%の13件が事後評価で「普
通」の B 以上の評価を受けている。研
究テーマが基礎的かつ萌芽的なもの
であることを考慮すると、十分な数で
あると考えられる。
先端的研究ではテーマ終了後、基盤技
術研究に移行したものが2件、企業と
の共同研究を検討しているものが 1 件
であるが、基盤技術研究やプロジェク
ト研究でその成果を活用しているも
のが12件あり、研究成果が次の基盤
技術研究に生かされている。
基盤技術研究については、7件がプロ
ジェクト研究に移行した。
特許出願件数は先端的研究で7件、基
盤技術研究で30件であり、基盤技術
研究では約0.8件/テーマの出願とな
っている。また、論文数は先端150
件、基盤94件であり、それぞれ2.
4、2.3件/テーマの論文発表を行っ
ている。口頭発表は先端、基盤あわせ
て565件あり、平均すると7.2件
/テーマの発表数となっている。技術開
発の基礎段階であることを考慮する
と、特許出願数37件は十分大きな数
字であり、論文・口頭発表の件数も十
分なレベルにあると考えられる。
(2) 目標及び計画の変更の有無
IPCC の第四次評価報告書にみるように、地球温暖化が人為的な温室効果ガス排出に由来するも
のであり、その影響が甚大であることが認識されるにつれ、温室効果ガス削減への要求は益々大き
なものとなっている。CO2 固定化・有効利用は有望な緩和策のひとつと認識されており、このため
当該分野の動きは非常に激しい。そこで、国際動向を常に監視し、最新の動きを技術戦略マップに
反映させるようにした。また、技術開発に関しては有効な削減技術を開発するとともに、速やかに
利用できるようにすることが求められている。このため、従来の比較的広い技術範囲でのテーマ探
索、研究テーマの募集から、技術戦略マップを利用した重点テーマを絞り込んだ募集方法に変更し、
研究テーマの集中化を実施した。さらに、基盤技術研究の研究期間は通常3年であるが、成果の上
がらないものは中間評価の結果中止させ、成果が上がり研究プロジェクトに移行・吸収可能なもの
iv
は研究期間が1年であっても、次ステージに移行させることにした。
例) 中間評価によって4件が中止。
2件(うち1件はテーマの一部)をテーマ途中でプロジェクトに移行。
<共通指標>
論文数
244
特許等件数
(出願を含む)
37
評価概要
1.総合評価
CO2 固定化・有効利用技術は利益に直結しなく、しかも開発に比較的長期間を要し、投資リスク
が高い技術である。そのため、CO2 排出そのものの制限もしくはコスト化するような政策がない限
り、民間企業の技術開発競争だけで、研究・開発が進むことはほとんど期待できない課題であり、
本事業は国が積極的に関与して技術開発を推進した良い事例であると高く評価する。
本事業は、テーマの募集、取捨選択が常に技術戦略マップに照らし合わせ、実現の可能性の議論の
中で行われ、そして萌芽的な「先端的研究」に始まり、
「基盤技術研究」で実用化の可能性を確認
し、
「プロジェクト研究」につなげて実用化を目指すという3ステップの仕組みは、未踏分野に挑
む本事業にとってふさわしい研究マネジメント体制であると評価できる。
研究テーマの選定に際しては、実施者以外の有識者評価委員による客観的な審査を行い、公平か
つ効率的な制度となっている。
本事業の特性から、現時点では事業化、波及効果の具体的な成果は顕著ではないが、各分野で実
用化へのシーズが読み取れる。また、これらの成果は既存の産業(農業、鉱業、化学プラントなど)
への波及効果も十分に期待できる。不確実性はあるが大きなポテンシャルを持っている陸上固定分
野も確実に拾い上げ、先導的な研究成果を得ている。
2030 年での CO2 削減コスト、2000~6000円/t-CO2 というターゲットは、新型吸収液や
膜分離技術などによって、達成のめどが出てきている。
本事業の成果をふまえて、研究プロジェクトまで至っている7つの研究開発テーマは、低コスト
の CO2 分離・回収技術、森林による CO2 固定量の増大技術、バイオリファイナリーなど、いずれも
今後の世界的な温暖化対策の枠組みや潮流のなかで、その有効性が評価されつつあるものであり、
先見性の高い研究開発プロジェクトであったと評価できる。
一方、CO2 隔離技術および有効利用技術は具体的な数量的目標設定が困難であることは理解でき
るが、今後も重要なテーマであり目標設定にさらに工夫を凝らして継続されることを期待する。
今後、遺伝子組み換え植物・微生物などの研究では、その能力や機能とともに、生物多様性の保全
などもふまえて、環境中での影響評価も並行して取り組み、社会的受容性を高める努力が必要であ
る。
大きな成果を出すためにはポテンシャルの高いテーマや斬新的なテーマに対して失敗を覚悟し
てでも果敢にチャレンジさせる環境が不可欠である。また、重要なテーマと判断されれば思い切っ
て予算を重点配分し、テーマを絞り込むことも必要である。今後はこのような研究開発環境整備も
必要と考えられる。
2.今後の研究開発の方向等に関する提言
CO2 固定化・有効利用技術の開発は、まさに未踏分野への挑戦であり、その実用化・利用拡大に
は数十年規模の時間が必要である。
「技術戦略マップ」はその羅針盤として重要な役割を果たすも
のであり、今後とも技術の最新動向等を注視し、ローリングを行い、的確な情報を国民に与え、必
要があれば適切な研究開発投資を国が行う際の指針とすべきである。
国の関与が必要な研究開発には長期的なコミットメントのもとに継続的な事業推進を行い、事業
化においては、国際競争の中での企業の敗退は結果として国益の損失を意味することになることか
v
ら積極的に国が支援し、官民が一体となって事業化の推進を行えるような体制も必要である。
今回のプログラム方式の技術開発は、技術立国を目指すわが国の技術開発戦略として、非常に有
効なものと考える。地球温暖化対策に資する技術シーズの発掘は引き続きニーズがあるはずであ
り、このような制度は絶えず必要であると考える。また、技術戦略マップを活用した研究開発方式
は、CO2 固定化・有効利用技術分野だけでなく、広く活用すべきである。
また、CCSにおける隔離手法や遺伝子組み換え植物のように、国際的な受容性、社会的受容性
の確保が技術開発と並んで重要になる場合もある。そのため、基盤研究の段階から、オールジャパ
ン体制にこだわらず、むしろ日本が为導権をとりつつ、他国の研究機関、研究者と連携しながら、
研究・開発を共同で実施することも必要である。
評点結果
vi
第1章 評価の実施方法
第1章
評価の実施方法
本プロジェクト評価は、
「経済産業省技術評価指針」
(平成 21 年 3 月 31 日改定、以下
「評価指針」という。)に基づき、以下のとおり行われた。
1.評価目的
評価指針においては、評価の基本的考え方として、評価実施する目的として
(1)より良い政策・施策への反映
(2)より効率的・効果的な研究開発の実施
(3)国民への技術に関する施策・事業等の開示
(4)資源の重点的・効率的配分への反映
を定めるとともに、評価の実施にあたっては、
(1)透明性の確保
(2)中立性の確保
(3)継続性の確保
(4)実効性の確保
を基本理念としている。
プロジェクト評価とは、評価指針における評価類型の一つとして位置付けられ、
プロジェクトそのものについて、同評価指針に基づき、事業の目的・政策的位置付
けの妥当性、研究開発等の目標の妥当性、成果、目標の達成度の妥当性、事業化、
波及効果についての妥当性、研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等の
妥当性の評価項目について、評価を実施するものである。
その評価結果は、本プロジェクトの実施、運営等の改善や技術開発の効果、効率
性の改善、更には予算等の資源配分に反映させることになるものである。
2.評価者
評価を実施するにあたり、評価指針に定められた「評価を行う場合には、被評価
者に直接利害を有しない中立的な者である外部評価者の導入等により、中立性の確
保に努めること」との規定に基づき、外部の有識者・専門家で構成する検討会を設
置し、評価を行うこととした。
これに基づき、評価検討会を設置し、プロジェクトの目的や研究内容に即した専
門家や経済・社会ニーズについて指摘できる有識者等から評価検討会委員名簿にあ
る8名が選任された。
なお、本評価検討会の事務局については、指針に基づき経済産業省環境政策課地
球環境技術室が担当した。
-1-
3.評価対象
プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発(実施期間:平成11年度から
平成21年度)を評価対象として、研究開発実施者(財団法人地球環境産業技術研究機
構)から提出されたプロジェクトの内容・成果等に関する資料及び説明に基づき評価し
た。
4.評価方法
第1回評価検討会においては、研究開発実施者からの資料提供、説明及び質疑応答、
並びに委員による意見交換が行われた。
第2回評価検討会においては、それらを踏まえて「プロジェクト評価における標準的
評価項目・評価基準」、今後の研究開発の方向等に関する提言等及び要素技術について
評価を実施し、併せて4段階評点法による評価を行い、評価報告書(案)を審議、確定し
た。
また、評価の透明性の確保の観点から、知的財産保護、個人情報で支障が生じると認
められる場合等を除き、評価検討会を公開として実施した。
5.プロジェクト評価における標準的な評価項目・評価基準
評価検討会においては、経済産業省産業技術環境局技術評価室において平成21年6
月1日に策定した「経済産業省技術評価指針に基づく標準的評価項目・評価基準につい
て」のプロジェクト評価(中間・事後評価)に沿った評価項目・評価基準とした。
1.事業の目的・政策的位置付けの妥当性
(1)事業目的は妥当で、政策的位置付けは明確か。
・事業の政策的意義(上位の施策との関連付け等)
・事業の科学的・技術的意義(新規性・先進性・独創性・革新性・先導性等)
・社会的・経済的意義(実用性等)
(2)国の事業として妥当であるか、国の関与が必要とされる事業か。
・国民や社会のニーズに合っているか。
・官民の役割分担は適切か。
2.研究開発等の目標の妥当性
(1)研究開発等の目標は適切かつ妥当か。
・目的達成のために具体的かつ明確な研究開発等の目標及び目標水準を設定して
いるか。特に、中間評価の場合、中間評価時点で、達成すべき水準(基準値)
-2-
が設定されているか。
・目標達成度を測定・判断するための適切な指標が設定されているか。
3.成果、目標の達成度の妥当性
(1)成果は妥当か。
・得られた成果は何か。
・設定された目標以外に得られた成果はあるか。
・共通指標である、論文の発表、特許の出願、国際標準の形成、プロトタイプの
作製等があったか。
(2)目標の達成度は妥当か。
・設定された目標の達成度(指標により測定し、中間及び事後評価時点の達成す
べき水準(基準値)との比較)はどうか。
4.事業化、波及効果についての妥当性
(1)事業化については妥当か。
・事業化の見通し(事業化に向けてのシナリオ、事業化に関する問題点及び解決
方策の明確化等)は立っているか。
(2)波及効果は妥当か。
・成果に基づいた波及効果を生じたか、期待できるか。
・当初想定していなかった波及効果を生じたか、期待できるか。
5.研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等の妥当性
(1)研究開発計画は適切かつ妥当か。
・事業の目標を達成するために本計画は適切であったか(想定された課題への対
応の妥当性)。
・採択スケジュール等は妥当であったか。
・選別過程は適切であったか。
・採択された実施者は妥当であったか。
(2)研究開発実施者の実施体制・運営は適切かつ妥当か。
・適切な研究開発チーム構成での実施体制になっているか、いたか。
・全体を統括するプロジェクトリーダー等が選任され、十分に活躍できる環境が
整備されているか、いたか。
・目標達成及び効率的実施のために必要な、実施者間の連携/競争が十分に行わ
れる体制となっているか、いたか。
-3-
・成果の利用主体に対して、成果を普及し関与を求める取組を積極的に実施して
いるか、いたか。
(3)資金配分は妥当か。
・資金の過不足はなかったか。
・資金の内部配分は妥当か。
(4)費用対効果等は妥当か。
・投入された資源量に見合った効果が生じたか、期待できるか。
・必要な効果がより尐ない資源量で得られるものが他にないか。
(5)変化への対応は妥当か。
・社会経済情勢等周辺の状況変化に柔軟に対応しているか(新たな課題への対応
の妥当性)。
・代替手段との比較を適切に行ったか。
6.総合評価
-4-
第2章 プロジェクトの概要
1.事業の目的・政策的位置付け
1-1 事業目的
二酸化炭素(以下、
「CO2」と略す。
)等の温室効果ガスに起因する地球温暖化さらに
は気候変動の問題は、世界の人口問題、各国の経済活動やエネルギー政策に密接に関係
し、かつ大きな影響を与える蓋然性が高いため、この解決に当たっては、世界各国が協
調・連携し、様々な分野の知見を結集して取り組むべきとの共通認識が構築されてきた。
このような危機意識の下、1988年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が
設立され、1992年には気候変動に関する国際連合枠組み条約(UNFCC)が締結さ
れ、1997年には第3回締約国会議(COP3)において京都議定書が採択された。そ
の後、様々な地球温暖化対策が検討され、世界規模での二酸化炭素削減対策への取り組
みがなされている。
しかしながら、温室効果ガスの大半を占める大気中の CO2 濃度は、2005年では3
79ppm、2008年には385ppm と急増している。また京都議定書における第一約
束期間(2008~2012年)では、我が国は1990年に比べ6%の温室効果ガス
の削減の目標達成が求められている中、2005年度の温室効果ガス排出量は CO2 換算
13億5,900万トンで1990年に比べ7.7%増加している。
我が国はこれまで省エネルギー・代替エネルギー技術開発及びその導入を積極的・継
続的に推進してきており、これらは結果的に温室効果ガスの排出抑制につながっていた。
このため、さらなる温室効果ガスの排出抑制、削減および固定化のためには、新たな技
術的対応が不可欠となり、国の施策として研究開発を推進してきている。特に、温室効
果ガスの中でも、とりわけ排出量の多い CO2 の排出抑制、削減および固定化は、最も重
要な課題の一つである。
このような背景の下、本事業は平成11年度より平成21年度まで「地球温暖化防止
新技術プログラム」あるいは「環境安心イノベーションプログラム」の一環として取り
組んできたものである。
<本事業で実施する研究開発制度の概要>
本制度は地球温暖化防止対策の重要なポートフォリオの一つである「CO2 の固定化・
有効利用」の分野で、CO2 削減効果が大きいが研究期間が比較的長期となる革新的技術
について、有効な技術シーズを準備し、実用化に向けた応用・実証研究につなげていく
ことを目的として、
・技術シーズの探索とロードマップ等の検討
・基礎研究から実験室規模での検証
を行うことを目的とする。本制度は以下の2つの研究と研究評価から構成される。
・ 先端的研究(平成16年度~20年度)
:基礎研究シーズを基とした CO2 削減に向
けた目的基礎研究。研究期間:1年間
・ 基盤技術研究:良好なシーズの実験室規模での確証研究。研究期間:2~3 年間
・ 研究評価:先端的研究、基盤技術研究のテーマ選定・管理・評価と技術動向・技
術シーズ調査に基づく技術戦略の策定。
-5-
図 1-1-1 本制 度の概要
なお、本事業は平成11~13年度は(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(以
下「NEDO」と略す。)が、平成14年度以降は(財)地球環境産業技術研究機構(以下「RITE」
と略す。)が実施機関となり実施した。
1-2 政策的位置付け
温室効果ガスの排出削減に向けて、短期的には温室効果ガス排出削減に資する事業活
動の促進、技術の開発・普及の推進、京都メカニズムの活用等によって「京都議定書」
の6%削減約束を達成するとともに、中期的には2013 年以降の将来枠組み構築お
よび具体化に向けた国際交渉への対応ならびに中期目標(2020 年までに2005
年比15%削減)の達成、長期的には革新的な技術の開発と既存先進技術の普及を通じ
た地球全体での温室効果ガスの排出削減を実現し、将来にわたって我が国が地球温暖化
問題に着実に対応しつつ、国際的に競争力ある経済活動を持続させる必要がある。
本事業は、経済産業省の定める「温暖化対策の推進」施策の中の革新的技術開発の一
部として位置付けられている(図1-2-1)。
-6-
図1-2-1
平成 21 年度施策事前評価書に見られる温暖化対策の推進
また、経済産業省では、技術開発を推進するにあたり「技術戦略マップ」を策定して
いる。技術戦略マップは、新産業の創造やリーディングインダストリーの国際競争力を
強化していくために必要な重要技術を絞り込むとともに、それらの技術目標を示し、か
つ研究開発以外の関連施策等を一体として進めるプランを総合的な技術戦略としてと
りまとめたもので、いわば、産学官の研究開発投資の戦略的実施のナビゲーターともい
うべき俯瞰的ロードマップとなっている。
本制度は、技術戦略の元となる新技術について探索を行うものである。
-7-
CO2固定化・有効利用分野の技術ロードマップ
2010
2020
技術
▼
確立
分離コスト※1 4,200円/tCO2
分
離
・
回
収
コストダウン
・低再生エネルギー
吸収液開発
・未利用排熱利用
・システム開発
化学吸収
2030
2040
2050
CO2分離・回収本格適用
2,000円台/tCO2
分離
プロセス
の実現
更なるコストダウン
更なる適用範囲の拡大
1,000円
台/tCO2
・分離膜の大型化・連続製造
さらに分離膜の高圧ガ
ス適用で1,500円台に
物理吸収
吸着
深冷分離
更なるコストダウン
更なる適用範囲の拡大
コストダウン
大規模化
高選択性
膜開発
膜分離
更なるコストダウン
更なる適用範囲の拡大
新方式基礎研究/適用検討
分離・貯留トータルコスト※2
▼ 技術
7,300円/tCO2(新設石炭火力)
地中貯留実証試験
CO2地中貯留本格適用
確立
・地下深部塩水層貯留、廃油・ガス田貯留、炭層固定
・輸送技術
・溶解希釈、深海底貯留隔離など
大規模実証試験
CO2地中挙動の理解と予測
地
中
貯
留
・
海
洋
隔
離
地中貯留
地中貯留システムの効率化とコスト低減
地下深部
塩水層貯留
廃油・ガス田
貯留
炭層固定
貯留CO2の管理技術
実適用先の拡大
コストダウン
影響評価・安全性評価
手法の開発
貯留層賦存量調査と利用拡大
実証技術の
適用・評価
分離~貯留
プロセスの実証
CO2の海洋拡散・生物影響の科学的理解
海洋隔離
拡散シミュレーション実験によるマッチング
海洋隔離技術の
実適用
生物影響モデルと実験によるマッチング
モデル海域での実証
影響評価・安全性評価手法開発
石炭ガス複合発電(IGCC)
先進的超々臨界圧発電(A-USC)
石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)
海外植林による固定化コスト※3
1,800円~3,600円/tCO2
森林管理
CO2固定量の適
切な評価方法
大
規
模
植
林
に
よ
る
地
上
隔
離
植物の生育が
可能な土地にお
いての単位面積
あたりのCO2固
定量増大
持続可能な森林の管理技術
吸収量のモニタリングと標準化
単位面積当たりの固定量
現行の1.5倍
品種改良・土壌改良技術
の開発とフィールド実証
実適用検証
形質転換体の開発
モデル樹木→実用樹木
フィールド実証
単位面積当たりの固定量
現行の2倍
実適用検証
適応降水量
~500mm
乾燥地等不良
環境地への植
生拡大技術
産業利用の拡
大による植生
拡大
バイオマスの革
新的利用によ
る植生拡大
集水・灌漑・品種改良・
土壌改良とフィールド実証
実適用検証
環境耐性向上植物の創製
700→500→300mm適応
フィールド実証
植物の有用物質生産能向上
油脂、ワックス、ゴム、食料
セルロース、リグ
ニンの革新的変
換の開発
革新的有用物質生産
技術開発
適応降水量
~300mm
実適用の拡大とコストダウン
実適用検証
フィールド実証・実適用検討
油脂等の
生産性2倍
実用化検討
実適用の拡大とコストダウン
実適用検討とシステム構築
セルロース系のエタノール化
BTL(Biomass to Liquid)
100円/L(稲わら・林地残材等から)
40円/L(資源作物等から)
競争可能なコストでの
有用物質実用化(水素、ポリマー、化成品)
※1 分離回収:新設石炭火力(830MW)、回収量:100万t-CO2/年、7MPaまでの昇圧含む、蒸気は発電所の蒸気システムから抽気 [コストベース:2001年]
※2 地中貯留:上記分離回収コスト+パイプライン輸送20km+圧入(昇圧15MPa、10万t-CO2/年・井戸) [コストベース:2001年]
※3 植林:植林周期7年伐採+萌芽再植林、バイオマス生産量20m3/ha・年、植林管理費17-31%、用地リース費:50$/ha・年)
<出典:技術戦略マップ 2009>
図1-2-2
CO2 固定化・有効利用分野の導入シナリオ
-8-
1-3 国の関与の必要性
(1)背景
温暖化問題は、その予想される影響の大きさや深刻さに鑑み、人類の生存基盤に関わ
る最も重要な問題の一つとなっている。我が国は、平成17 年2月に発効した地球温
暖化対策のための国際的な枠組である京都議定書を締結しており、6%削減約束を達成
する国際的な責任を負っている。この約束を確実に達成するため、国は、地方公共団体、
事業者、国民、NPO等、それぞれの役割に応じた取組を促す多様な政策手段を、その
特徴を活かしながら、有効に活用する必要がある。
(2)官民の役割分担
CO2 削減技術開発の研究体制では、国が基盤的な研究支援を行い民間企業等と共同研
究を行う点など、官民の役割分担がはっきりしている。また、利用者側も鉄鋼、火力発
電所、セメント工場等と受ける側がはっきりしている点も特徴的である。ただし、CO2
削減技術開発は、利益に直結しないことから投資リスクが高く、民間単独で取り組むこ
とが困難であること、一般的に相当規模の投資と相当程度の研究期間を要する点など企
業単独では実施のインセンティブが働かない分野であり、国の積極的関与が求められる
ところであり、国の関与の必要性が大きい。
(3)本事業での国の関与の必要性
前述したように本制度は地球温暖化防止対策の重要なポートフォリオの一つである
「CO2 の固定化・有効利用」の分野で、CO2 削減効果が大きいが研究期間が比較的長期
となる革新的技術について、有効な技術シーズを準備し、実用化に向けた応用・実証研
究につなげていくことを目的とする基盤的な基礎研究であるため、国の積極的な関与が
必要である。
2.研究開発目標
2-1 研究開発目標
本事業の目標と設定根拠、指標を下記に記す。
2-1-1 全体の目標設定
表2-1-1
目標・指標
二酸化炭素固定化・有効利用技術に関す
る技術課題の抽出および二酸化炭素排
出削減に資する技術の開発
さらに具体的には技術戦略マップで絞
りこまれた重要分野でのさらなるコス
全体の目標
設定理由・根拠等
大気中の温室効果ガスとりわけ CO2 濃
度の上昇による地球温暖化は地球の
将来を脅かす重大な問題であり、CO2
のさらなる長期的、継続的な排出削減
を進めて、大気中の CO2 濃度を安定化
-9-
ト低減とポテンシャル増大のための技
術課題の探索、新技術の調査、基盤技術
の開発とFSを実施し、2030年で大
気中の CO2 削減量が大きくコストが2,
000~6,000円/t- CO2 程度に到達
可能な二酸化炭素固定化・有効利用技術
を複数準備することとした。
2-1-2
させる必要がある。このためには、
IPCC の「二酸化炭素回収・貯留特別報
告書」や IEA の「エネルギー技術見通
し2010」に述べられている様に、
省エネルギーや燃料転換、再生可能エ
ネルギーの利用のみでは十分ではな
く、CO2 の分離回収・貯留などの「二
酸化炭素固定化・有効利用」を進める
必要があることから、本目標・指標の
設定を行った。
個別要素技術の目標設定
表2-1-2 個別要素技術の目標
要素技術
目標・指標
設定理由・根拠等
「二酸化炭素固定化・有 ①CO2 固定化・有効利用 技術の選定のためには、そ
効利用技術」に関する技 の開発を効率的に進める の指針となる技術戦略が
術課題の抽出
ための技術戦略の作成
求められる。
②技術戦略に沿った技術 技術課題抽出作業では質
シーズの探索
と量が求められるが、両者
・技術課題の抽出件数
をともに評価する指標と
して、技術戦略に一致した
技術課題の抽出件数を設
定した。
二酸化炭素排出削減に ①技術戦略にそった研究 技術開発の評価としては、
資する技術の開発
を実施
その量および質の評価が
・研究開発テーマの実施 必要である。このため、実
件数
施件数、目標に対する成果
②研究テーマ毎に設定さ を指標とした。
れた目標に対する十分な
成果の確保
・研究開発テーマの成果
・開発された有効な技術
の件数
・特許・論文発表件数等
(共通指標)
- 10 -
3.成果、目標の達成度
3-1 成果
3-1-1 全体成果
本事業では「二酸化炭素固定化・有効利用技術に関する技術課題の抽出および二酸
化炭素排出削減に資する技術の開発」を目標としており、この達成のために当該分野
の「技術戦略の作成」、「技術戦略に沿った技術シーズの探索」、「技術戦略に沿った技
術開発の実施」を行った。
「技術戦略の作成」としては、CO2 固定化・有効利用分野の国際動向、技術動向、
コスト・ポテンシャル調査結果を基に、
「CO2 固定化・有効利用分野の技術戦略マップ」
を策定した。この中で、当該分野の技術リストを整備し、それぞれの技術について、
CO2 削減技術としての有効性、ポテンシャルの大きさ、現状の概算コスト、2030
年でのコスト実現性(コストが2000円~6000円に到達可能か)について評価
し、重要分野と「削減ポテンシャル・コスト両面から有効な技術および削減ポテンシ
ャル、コスト両面から可能性があり、更なる検討が進められるべき技術」を選定した。
「技術戦略に沿った技術シーズの探索」として、本事業ではこれらの技術戦略マッ
プで絞りこまれた重要分野の技術を中心に、総合調査研究や先端的研究の公募によっ
て、300件を超える技術シーズについて検討し、総合調査研究で16件および先端
的研究で39件、合計55件のさらなるコスト低減とポテンシャル増大を進めるため
の技術課題を抽出した。
「技術戦略に沿った技術開発の実施」としては、絞り込まれた39件の先端的研究
によって新技術のアイデアの実現性検証を実施し、また、40件の基盤技術研究を実
施することにより、シーズ技術の開発とその有効性確認を行った。
先端的研究によって、分離回収、CO2 隔離、大規模植林、バイオマス利用、CO2 の
有効利用に関する様々な技術アイデアが検証され、「白色腐朽菌によるリグニン分解」
などのいくつかのアイデアが基盤技術研究に移行、あるいは基盤技術研究等で利用さ
れるようになった。
また、基盤技術研究では、下記に記す技術シーズの有効性が検証され、2030年
で大気中の CO2 削減量が大きくコストが2,000~6,000円/t- CO2 程度に到達
可能な二酸化炭素固定化・有効利用技術が準備された。さらに、このうち高分子膜、
無機膜、常設モニタリング、葉緑体工学、セルロソーム糖化酵素、バイオブタノール
など7件の技術がプロジェクト研究に移行した。
・ 低コスト・低消費エネルギーで CO2 を発生源から分離回収する技術(膜分離・
吸収法等)
・ 新しいメカニズムの貯留技術やモニタリング等の地中貯留に資する革新的な要
素技術
・ 植物による CO2 固定量の増大化技術(CO2 固定量増大・植生拡大)
・ 固定されたバイオマスの有用物質変換技術(糖化、有用物質変換)
- 11 -
3-1-2 個別要素技術成果
(1)
「二酸化炭素固定化・有効利用技術」に関する技術課題の抽出
① CO2 固定化・有効利用の開発を効率的に進めるための技術戦略
技術戦略の作成としては、平成11~13年度に実施した総合調査研究での当該分野
の技術マップの作成とテーマの絞り込み、平成16年度から実施した技術戦略マップの
作成があげられる。

総合調査研究
平成11~13年度に CO2 固定化・有効利用分野において本制度で実施すべきテーマ
の絞り込みを行う総合調査研究を実施した。本調査では産官学からなるワーキンググル
ープを設置し、以下の検討を行った。
技術マップの作成
技術マップの骨格にぶら下がるテーマの文献・ヒアリング調査
調査表の作成
探索テーマの絞り込みおよび絞り込みテーマについての評価表の作成
本調査ではテーマの評価結果を基に、今後本制度で検討すべきテーマの絞り込みを実
施した。絞り込まれたテーマのうち8テーマは、平成14年度から基盤技術研究で有効
性検証が実施された。

技術戦略マップの策定
平成16年度に産官学からなる「CO2 固定化・有効利用技術検討委員会」を設置し、
「CO2 固定化・有効利用分野の技術戦略マップ」の作成のための調査を実施した。さら
に本調査は平成 16 年度以降も継続し、その結果を元に毎年技術戦略マップの見直を行
った(表3-1-1)。
具体的には CO2 固定化・有効利用分野を鳥瞰する技術マップ(技術リスト)(図3-
1-1)を作成し、その分野の技術シーズを調査した。各技術について現状の技術レベ
ル、ポテンシャルの大きさ、概算コスト、2030年でコストがモデルから計算される
限界削減費用である2,000~6,000円/t- CO2 になる可能性について調査した。
続いて CO2 固定化・有効利用技術検討委員会においてテーマ評価を行い、重要分野とし
て CO2 の分離回収、CO2 の貯留・隔離、および大規模植林等による地上隔離を選定し、
「削減ポテンシャル・コスト両面から有効な技術群で導入に向けた取り組みが進められ
るべき技術」として、海洋隔離技術、地中貯留技術(地下深部塩水層貯留、炭層固定、
EOR、枯渇油・ガス層貯留)、二酸化炭素の分離回収技術、大規模植林による地上隔離
を選定した。次にこれらのテーマについて技術課題を整理し、導入シナリオ、ロードマ
ップ(図3-1-2)および課題解決のための方策をまとめた。
- 12 -
表 3-1-1 技術戦 略マップの作成と改訂
実施年度
検討
内容
2004
技術戦略マップの策定
・技術マップ、一覧表
の作成
・技術の評価
・導入シナリオ、ロー
ドマップの作成
2005~2008
・各項目ローリング
・コスト、ポテンシャル、実用化
までのステップをより詳細に
調査(2005)
・技術課題の再整理と課題解決
のための方策の抽出(2006)
・CCSおよび大規模植林の実施
シナリオの検討(2007)
・標準化の導入シナリオ(2007)
表3-1-2
2009
・各項目ローリング
・CO2有効利用分野の調査
・研究(論文)に関する日本のポジショニ
ングの把握。(ベンチマーキング)
・CO2削減目標に対する技術ポートフォリ
オの検討
技術戦略マップに関する調査
調査内容
期間
概要
国際動向調査
H16FY~
地球温暖化防止かかわる国際動向
新技術動向調査
H16FY~
CCS、大規模植林、バイオマス利用関する文献
調査、ヒアリング調査
コスト・ポテンシャル評価
わが国での CCS のコスト・ポテンシャル調査
H17FY
大規模植林のコスト・ポテンシャル調査
シナリオ分析
CCS のシナリオ調査
H17・19FY
大規模植林・バイオマス利用のシナリオ分析
標準化導入シナリオ
H19Fy
本分野の標準化導入シナリオの検討
CO2 有効利用分野の調査
H20Fy-H21Fy
CO2 有効利用分野の最新の研究動向に関する
調査
ベンチマーク評価
H20Fy-H21Fy
研究(論文)に関する日本のポジショニング
の把握。
ポートフォリオ分析
CO2 削減目標に対する技術ポートフォリオの
H21Fy
検討
さらに、表3―1―1に示す検討および表3―1-2に示す調査を行い、これらの結
果に基づき技術戦略マップをローリングするとともに、内容の具体化をはかった。すな
わち、平成17年度には各技術の CO2 削減ポテンシャル、コストの見直しを実施、また、
平成18年度には新技術の調査とロードマップの詳細版である課題解決のための方策
の作成を行った。さらに、平成19年度には標準化導入シナリオの検討、平成20から
21年度には研究(論文)に関する日本のポジショニングを把握するベンチマークなら
びに CO2 削減目標に対する技術ポートフォリオの検討を実施した。
本技術戦略マップは本分野の動向と課題の理解、本制度におけるテーマ募集時の資料、
およびテーマ選定時の指針として十分な活用がはかられているのみならず、経済産業省
における他プロジェクトの企画および研究開発マネジメントについても利用されてい
る。
- 13 -
注)技術マップ(技術リスト)(隔離)
地下深部塩水層貯留
炭層固定
地中貯留
石油・ガス増進回収
注)技術マップ(技術リスト)(分離・回収)
枯渇油・ガス層貯留
関連技術
隔離
蛇紋岩体固定
分離・回収
高温岩体固定
海底下ハイドレート層貯留
排出削減
化学吸収
(関連技術)地中メタン変換
技術
物理吸収
溶解希釈(固定式)
膜分離
海洋隔離
溶解希釈(移動式)
物理吸着
深海底貯留隔離
深冷分離
注)技術マップ(技術リスト)(変換・有効利用)
その他
削減ポテンシャル・コスト両面から有効な技術群で
導入に向けた取り組みが進められるべきもの
大規模排出源からの
二酸化炭素の排出
化石資源
分散型排出源からの
二酸化炭素の排出
削減
化石資源→原子力・
新エネルギー
化石資源間
エネルギー変換
カーボン
への分解
プラズマ分解法
マグネタイト・Mg法
メタン利用
炭素分離埋め戻し
化学品
への変換
炭酸塩固定
超臨界CO2利用
直接水素化
高分子合成
メタンによるCO2改質
電気化学還元
光化学還元
光合成藻類・細菌類による変換
非光合成細菌による変換
変換・
有効利用
注)技術マップ(技術リスト)(吸収・固定)
大規模植林
による
地上隔離
大気中の二酸化炭素
図3-1-1
濃度低減技術
生物による
吸収固定
森林管理
CO2固定量の適切な評価方法
植物の生育が可能な土地においての単位
面積あたりの二酸化炭素固定量増大
乾燥地等不良環境地への植生拡大
産業利用による植生拡大
バイオマスの革新的利用による植生拡大
海洋・水生
植物による
吸収
植物プランクトンの増殖・沈降固定
大型海藻の育成・利用
植物プランクトン、海藻等の培養設備生産
動物による
吸収
珊瑚礁・貝による固定
CO2 固定化・有効利用分野の技術マップ(技術リスト)
- 14 -
図3-1-2
CO2 固定化・有効利用分野のロードマップ
- 15 -
②
技術戦略に沿った技術シーズ探索
技術シーズの探索としては平成11年~13年度まで実施した総合調査研究、平成1
6年度に開始した先端的研究での技術シーズ提案があげられる。

総合調査研究
平成11年から13年度まで実施した総合調査研究において、CO2 固定化・有効利用
分野のテーマ探索を実施した。本調査では二酸化炭素固定化・有効利用技術が展望でき
る技術マップを作成し、関連するテーマについて文献調査およびヒアリング調査を実施
した。調査されたテーマについては、産官学からなるワーキンググループを設置して評
価し、プログラム方式研究開発で実施すべき候補テーマが絞り込まれた(表3-1-3、
表3-1-4)。
表 3-1-3 総合調 査研究における検討テーマ数と検討を進 めるべきとされたテーマ件数
年度
平成 12 年度
平成 13 年度
合計
表3-1-4
検討テーマ数
96 件
120 件
216 件
詳細調査件数
26 件
29 件
55 件
テーマ候補
6件
10 件
16 件
総合調査研究で絞り込まれたテーマ候補
テーマ
1
反応/分離相乗効果を活用した効率的なメタノール類の合成技術の開発
2
CO2 高効率固定植物ケナフからの高性能繊維製造技術の開発
3
4
12 年度
新規幹付着光合成窒素固定菌の探索・評価とその利用による植物共生システムの開発
低リン酸・アルミニウム耐性への樹木・形質転換による熱帯雤林の再生に向けた技術開発
5
分離膜と吸収法のハイブリット化による新規な省エネ型 CO2 分離回収技術の開発
6
バイオマス利用システムによる CO2 削減効果の評価
7
微生物機能を利用したバイオマス資源からの CO2 固定グリーンプロセス基盤技術の開発
8
地中メタン生成菌による CO2 からのメタン再生技術の開発
9
植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気中 CO2 固定能増強のための基盤技術開発
10
11
12
高分子膜による CO2 分離技術の開発
13 年度
深地下・海底環境利用による CO2 地殻化学固定・ハイドレート固定技術開発
太陽光を利用した半導体光触媒・金属錯体光触媒による CO2 光還元技術の開発
13
森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性樹木の開発
14
ゼオライトの有する交換性 Ca イオンを利用した CO2 固定化・有効利用技術の開発
15
CO2 削減にむけた新規窒素固定菌の利用による植物共生システムの開発
16
脱水反応による CO2 と求核剤からの炭酸誘導体製造技術の開発
- 16 -

先端的研究募集による新規テーマの調査
平成16年度から平成19年度まで「先端的研究」のテーマ提案を募集することによ
って、「CO2 固定化・有効利用」に関する技術シーズを調査した。提案された技術シー
ズについては有識者による評価を行い、優秀なものは「先端的研究」として提案者に 1
年間の研究を委託し、アイデアの検証を実施した。
表3-1-5に分野ごとに抽出された技術シーズの件数とキーワードを示した。
表 3-1-5 先端的 研究で提案された技術シーズの一覧
平成16年度
分 類
応募件数
キーワード
・酸化物炭酸ガス吸収剤
・高温吸収分離
・選択透過型高分子膜
・溶融塩レドックス燃焼システム
・多孔質天然鉱物による高効率吸収固
定
1.分離回収
(化学吸収法、
吸着法、
膜分離法など)
5件
2.CO2隔離
(海洋、
地中、
炭酸塩固定
など)
・炭酸塩固定
・クラストレートハイドレートの熱力学的
安定性
・光合成細菌によるCO2固定量促進
・CO2海洋隔離と深海底資源開発ハイ
ブリッド化
・地中貯留モニタリング
・高CO2環境の影響評価
16 件 ・海洋物質輸送の解析
・上昇二酸化炭素液滴の溶解過程
・海中高CO2濃度領域検出
・海洋隔離モニタリング
・泥質岩のシール能力
・二酸化炭素地中溶解モデル
・石炭層流体透過性
・深地層微生物の二酸化炭素固定
・大型藻類のCO2吸収源拡大
3.大規模植林
(植物改良、
土壌改良
など)
・過酸化水素耐性APX
・高等植物のCO2固定化制御システム
・高濃度二酸化炭素溶解水施肥の応
答
・光合成能力の向上
・酵素群によるCO2光固定
・光合成CO2固定能の強化
6件
4.バイオマス利用 3 件
5.CO2有効利用
合 計
・バイオメタノール生産
・大型藻類バイオマスの高効率生産
・バイオマス資源からのエネルギー生
産
平成17年度
応募件数
3件
2件
2件
件
・フッ素化合物の光分解処理
・二酸化炭素の化学原料転換
・エチルベンゼン脱水素用触媒の高性
能化
・SiC化木の炭素永久固定
・海面活性剤の合成
・有用物質合成
・二酸化炭素の還元固定化反応
・位置選択的Kolbe-Schmitt型反応
・炭酸塩固定
21 件
・イオン性液体触媒
・二酸化炭素の高効率分解・還元
・水溶性ヒドリド触媒
・微生物の有用物質生産
・バイオポリエステル生産
・バクテリアセルロースの生産性向上
・微生物炭酸固定酵素
・リグニン分解能の強化
・乾燥強光耐性植物の遺伝資源
・微細藻類の有用物質合成
7件
51 件
14 件
キーワード
・高性能炭酸ガス吸脱着材
・多孔性バルク材料の合成
・DDRゼオライト膜
平成18年度
応募件数
キーワード
8件
・イオン液体によるCO2物理吸収
・CO2分離膜
・多孔化鉄鋼スラグの二酸化炭素吸収
固定
・吸収性液体膜
・DD3Rゼオライト膜
・金属炭酸塩吸収・固定
・高CO2分離をもつ無機材料
・炭酸塩固定
・ハイドレート海底下地中隔離
・フルボ酸鉄代替物質
・CO2地中挙動の高精度化
・CO2海洋隔離と深海底資源開発の複
・植物プランクトンへのCO2吸収
12 件 ・深部岩盤への地中貯留
合化システム
・炭酸ガス固定化
・海洋生態系影響評価のモデル化
・CO2漏洩挙動の明確化
・注入CO2の挙動予測
・光機能性導入によるCO2固定化能向
上
・環境ストレス耐性の付与
-
・水素回収型廃棄物処理システム
・CO2の化学エネルギー貯蔵
・二酸化炭素の光還元
・CO2固定化能酵素
・酸素耐性ヒドロゲナーゼ
・グリーンポリマー
6件
・高CO2固定型の植物創製
・高速生長・高CO2固定型の植物創製
・油糧作物の水面栽培
・光合成能の増強
・環境ストレス耐性の付与
・菌根菌の共生機能
3件
・高分子材料
・リグニンの水素化分解
・木質バイオマスの直製酵素糖化
6件
・二酸化炭素の直接固定化
・貝殻による二酸化炭素の永久固定
・二酸化炭素の光還元
・二酸化炭素吸収能の向上
・プラスチックの酵素分解促進
35 件
平成19年度
平成20年度
応募件数
キーワード
4件
・二酸化炭素分離用新規シリカ膜
・Polymer Inclusion Membrane(PIM)
・イオン液体物理吸収法による高圧
CO2ガス再生
・電気透析プロセス
7件
・地球炭素地下固定の衝撃波による
解明
・超臨界CO2注入に伴う多孔質砂岩
のS波速度測定
・岩石内の超臨界CO2流動現象の高
精度可視化
・発生源直下の深部岩盤を利用した
分散型地中貯留量拡大技術
・海洋貯留・吸収源の拡大におけるプ
ランクトン群集の正の安定化効果
・高精度な長期間海洋隔離シミュレー
ション
・低コストモニタリング手法
8件
・非構造性帯水層を中心としたCO2貯
留量の推定
・超臨界CO2の挙動予測
・海洋生態系の長期影響予測モデル
・CO2隔離効率評価
・軟質地盤における帯水層貯留の安全
性検討
・亀裂造成による圧入速度増大技術
・炭酸・アルカリ度現場継続技術
6件
・有用野生植物とそれらの遺伝子群を
導入した環境耐性植物
・微細藻類の培養によるCO2削減
・アルカリ性土壌での植生拡大
・光合成循環的電子伝達系の強化
・環境不良地に適応する樹種の生理
的特性に基づいたスクリーニング
・Jatropha Curcas L.の優良種の交配
及び形質転換系の作出
5件
・複数ストレス耐性野生植物による
CO2固定
・根の緑化による光合成能力向上
・C3植物の光合成能増強
・高濃度ショ糖蓄積植物の創生
・クロレラの屋外省エネ培養
4件
・足場タンパク質を用いたセルラーゼ
の固体表面への濃縮
・木質バイオマスの直接酵素糖化と残
渣リグニンの利用
・バイオマスを原料とした光駆動型バ
イオ水素生産
・木質バイオマスからの新発電燃料変
換
9件
・光触媒によるセルロース分解
・C1微生物によるCO2濃縮利用
・バイオマス原料からの水素製造
・非食植物油脂による樹脂
5件
・金属錯体触媒による二酸化炭素の
活性化
・酸化炭素からメタンへの化学的変換
・光触媒を用いた二酸化炭素還元
・オレフィンと炭酸ガスの同時転換
・天然水硬性石灰(NHL)を用いた
CO2循環型建材
5件
・光触媒によるCO2還元
・放電プラズマによるCO2リサイクル
・半導体ニッケル触媒によるCO2還元
26 件
応募件数
9件
キーワード
・膜分離による水素製造
・熱力学解析によるCO2固定吸着剤の
探索
・高温CO2分離セラミック膜
・空気中からの膜式炭酸ガス化異種
・ユビキタス元素によるCO2吸収
36 件
(2)CO2 削減に資する技術の開発
① 技術戦略にそった研究実施
CO2 削減に資する技術の開発として、平成11~平成21年度に基盤技術研究40テ
ーマを実施した。また、先端的研究は平成16年度から開始し、平成20年度までに3
9テーマを実施した(表3-1-6)。実施テーマを分野別に表3-1-7、表3-1
-8に、また年度別に表3-1-9から表3-1-11に示した。平成14年度に開始
- 17 -
の基盤技術研究8テーマは前述の総合調査研究において絞り込まれたテーマである。ま
た、その他のテーマは公募を行い、提案されたテーマから評価・選定したものである。
実施テーマ件数を分野別に整理すると表3-1-6のようになる。分離回収、CO2 隔離、
大規模植林、バイオマス利用、CO2 の有効利用の各分野でほぼ均等にテーマを実施した。
表 3-1-6 分野毎の応募および実施 テーマ数(平成 11~21 年度)
分 野
基盤技術研究
先端的研究*
合計
応募※
実施
応募
実施
応募
実施
分離回収
9
9
29
10
38
19
CO2隔離
19
7
45
7
64
14
大規模植林
11
8
25
6
36
14
バイオマス利用
9
10
21
10
30
20
CO2の有効利用
18
6
42
6
60
12
合計
66
40
162
39
228
79
※ 基盤技術研究については応募件数と実施件数の期間が一致していない。
これは平成14年度テーマを公募ではなく、総合調査研究から選定したことによる。
応募件数はH15年度からの値を示したため、応募件数<実施件数となる場合も
ある。
* 先端的研究は、平成21年度実施なし
18
表 3-1-7 基 盤 技 術 研究 実 施 テーマ(分 野 別)
テーマ名
【分離回収】
1 高分子膜によるCO2分離技術の開発
2 CO2分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオライト膜の開発
3 酸化亜鉛を活用したCO2の分離・回収技術(亜鉛法)の開発
4 高密度官能基表面を有する新規CO2分離膜の創成
5 CO2分離回収型高効率水素製造のための基盤技術開発
6 新規促進材による吸収液再生法の研究
7 高圧ガスからのCO2吸収分離技術の開発
8 省エネルギー型圧力スイング吸着法によるCO2分離技術の開発
9 分離・回収に係る基盤技術の開発
【CO2隔離】
地中メタン生成菌によるCO2からのメタン再生のための基盤技術の
1
開発
深地下・海底環境利用によるCO2地殻化学固定・ハイドレート固定のた
2
めの基盤技術の開発
3 人工湧昇流海域におけるCO2吸収量の評価技術の開発
蛇紋岩体の地化学環境を利用した原位置試験によるCO2地中鉱物
4
固定のための基盤技術の開発
5 CO2地中貯留におけるシール層の安定性評価技術の開発
6 ジオリアクターによる排ガス中CO2の地中直接固定化技術開発
CO2地中貯留のための常設モニタリングシステム構築に必要な海底計測
7
機器開発の基礎的研究
【大規模植林】
マングローブ等熱帯沿岸生態系の修復・保全による地球温暖化ガス回
1
収・放出抑制評価技術の開発
2
森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性樹木の開発
植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気中CO2固定
3
能増強のための基盤技術の開発
植物によるCO2固定能力増強をめざした光合成ソース機能改良技
4
術の開発
5 高効率エネルギー生産のための新葉緑体工学の確立
6 セルラーゼ系酵素を生産する植物の創製
7 高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発
葉緑体工学による活性酸素制御“モデル植物でのHDP-APXシステム
8
強化
【バイオマス利用】
微生物機能を利用したバイオマス資源からのCO2固定グリーンプロセスの
1
ための基盤技術の開発
微生物集団系システム創成による革新的バイオ変換プロセスのため
2
の基盤技術の開発
CO2を原料とした微生物による有用物質生産技術体系のための基
3
盤技術の開発
4
深度地下微生物生態系によるCO2固定のための基盤技術の開発
タンパク質複合体機能を利用した革新的なセルロース糖化法による
5
CO2固定化有効利用のための基盤技術開発
革新的省エネルギー水素供給ステーション実現のための基盤技術
6
研究
7 ソフトバイオマスからの次世代燃料生産基盤技術の開発
統合型水素生産システムによるバイオマスからの高収率水素変換のた
8
めの基盤技術開発
9 バイオマスからのグリーンフューエル生産基盤技術の開発
10 大規模植林による地上隔離に係る基盤技術の開発
【CO2の有効利用】
光合成機能遺伝子と有用物生産遺伝子を組み合わせた新たな代謝
1
機能の発現制御技術の開発
2 二酸化炭素の電気化学的固定化技術の開発
3
4
5
6
非光合成菌による二酸化炭素固定能の評価と利用技術の開発
ゼオライトの有する交換性Caイオンを利用したCO2固定化・有効利用
技術の開発
太陽光を利用した半導体光触媒・金属錯体光触媒によるCO2光還
元のための基盤技術の開発
アルカリ土類金属を利用した新規CO2炭酸塩固定化システムの開発
実施者
実施期間
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
RITE(化学研究G)
H14-16FY
H15-17FY
H16-17FY
H17-19FY
H17-19FY
H18-20FY
H19-20FY
H20FY
H21FY
RITE(CO2貯留研究G)
H14-15FY
RITE(CO2貯留研究G)
H14-16FY
RITE(CO2貯留研究G)
H15-17FY
RITE(CO2貯留研究G)
H16-18FY
RITE(CO2貯留研究G)
RITE(CO2貯留研究G)
H16FY
H18-20FY
RITE(CO2貯留研究G)
H19-20FY
(社)日本海洋開発産業協会
(財)電力中央研究所
RITE(植物研究G) 王子亀山分室
王子製紙(株)
H12-15FY
H14-16FY
RITE(植物研究G*)
H14-16FY
RITE(植物研究G*)
H16-18FY
RITE(植物研究G*)
RITE(植物研究G*)
RITE(植物研究G*)
H17-19FY
H17-19FY
H19-20FY
RITE(植物研究G*)
H19-20FY
RITE(微生物研究G*)
H14-15FY
*
H15-17FY
*
H16-18FY
*
RITE(微生物研究G )
H16-18FY
RITE(微生物研究G*)
H17-19FY
RITE(微生物研究G*)
H17-19FY
RITE(微生物研究G )
RITE(微生物研究G )
*
RITE(微生物研究G )
H19-20FY
RITE(微生物研究G*)
H19-20FY
RITE(バイオ研究G)
RITE(バイオ研究G)
H20FY
H21FY
RITE(植物研究G) 釜石分室
㈱海洋バイオテクノロジー研究所
RITE(化学研究G)
RITE(微生物研究G) つくば分室
(株)日本触媒
H11-14FY
H11-14FY
H13-15FY
RITE(化学研究G)
H14-15FY
RITE(化学研究G)
H14-16FY
RITE(化学研究G)
H16-18FY
*平成20年4月~ バイオ研究グループに改編
19
表 3-1-8 先 端 的 研 究実 施 テーマ(分 野 別)
テーマ名
実施者
実施期間
明治大学
H16FY
大阪府立大学
H17FY
長岡技術科学大学
H17FY
長岡技術科学大学
H18FY
大阪府立大学
H18FY
(独)産業技術総合研究所
京都大学
(独)産業技術総合研究所
熊本大学
東京大学
H18FY
H18FY
H19FY
H20FY
H20FY
分離回収
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
CO2隔離
高温高圧下でも使用可能な新規な二酸化炭素選択透過型高分
子膜の創製
粒界制御による3次元ミクロ細孔ネットワークを持つ多孔性バルク材料
の合成とCO2分離性能評価
高いCO2分離機構を有する新規のCO2/CH4,CO2/N2分離用
高性能DDR型ゼオライト膜の創製
ゼオライト膜のブレークスルーのための高性能DD3Rゼオライト膜の開発
と戦略的な新規八員環ゼオライトの膜化
3D細孔チャネルを持つ新規無機材料の薄膜化とCO2分離への応
用
イオン液体(IL)を用いるCO2物理吸収・再生プロセスに関する研究
高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発と評価
イオン液体物理吸収法による高圧CO2ガス再生に関する研究
ユビキタス元素を利用する大容量CO2ストレージ物質の開発
電気透析を用いた二酸化炭素回収法
1
帯水層に圧入された二酸化炭素挙動のモニタリングに関する実用
化技術開発の研究
京都大学
H16FY
2
海洋溶解保証による漏洩許容型CO2地下貯留技術手法の提案
東京工業大学
H16FY
静岡大学
H18FY
静岡大学
H19FY
北海道大学
H19FY
高知大学
H20FY
応用地質㈱
H20FY
3
4
5
6
7
海洋酸性化による海洋生態系影響評価のための擬似海洋実験
と生態モデルの統合化による要素技術開発
CO2の海洋貯留・吸収源の拡大におけるプランクトン群集の正の安
定化効果に関する実証 ~中規模実験と新規モデルによる検証~
高精度な長期間海洋隔離シュミレーションを可能にする計算手法の
開発
塩水中CO2モニタリングのための全炭酸・アルカリ度の現場計測技術
の開発
大規模排出源近傍の軟質地盤における帯水層貯留の遮蔽層安
全性検討
大規模植林
野生の乾燥強光耐性C3型植物に由来する有用遺伝資源を用
奈良先端科学技術大学院大学
H16FY
いた緑化展開
選択的RNAスプライシングによる植物への多面的環境ストレス耐性の
2
静岡県立大学
H17FY
付与
形質転換技術を利用したレドックスシグナルの制御による高速生長、
3
岡山県
H18FY
高CO2固定型の植物創製技術
高CO2固定植物の創製に向けた高等植物のCO2感知機構の解
4
九州大学
H18FY
明
光合成循環的電子伝達系の強化による乾燥耐性植物育種の可
5
京都大学
H19FY
能性検討
Jatropha Curcas L.の優良種の交配及び形質転換系の作出の
6
日本植物燃料(株)
H19FY
研究
バイオマス利用
バイオエタノール生産のための選択的白色腐朽菌リグニン分解系の解
1
京都大学
H16FY
析と強化
2 微生物炭酸固定酵素の特性と進化系統に関する基礎解析
東京大学
H16FY
3 再生可能な植物油脂を基盤とするグリーンポリマーの創製と応用
大阪大学
H17FY
4 木質バイオマスの直接酵素糖化と残渣リグニンの利用
名古屋大学
H19FY
足場タンパク質を用いたセルラーゼ・ヘミセルラーゼの固体表面への
5
東北大学
H19FY
濃縮技術の研究開発
6 木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発
信州大学
H19FY
温室効果ガス回収型C1微生物コンソーシアムによる in situ バイ
7
京都大学
H20FY
オマス利用の基盤技術開発
8 木質バイオマスの酵素糖化と残渣リグニンの利用
名古屋大学
H20FY
9 バイオディーゼルの高効率高速合成法の開発
福岡女子大学
H20FY
10 木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発
信州大学
H20FY
CO2の有効利用
遷移金属錯体の特性を生かした位置選択的kolbe-Schmitt型反
1
京都大学
H16FY
応の開発
2 ケイ酸ナノ多孔体に配列した酵素群によるCO2の光固定
名城大学
H16FY
3 高酸素耐性スーパーヒドロゲナーゼを用いた水素生産系の開発
京都大学
H17FY
集積型金属錯体を中核とした複合系光触媒による二酸化炭素
4
東京工業大学
H17FY
還元および水素発生に関する研究
5 プラスチックの酵素分解促進法の研究開発
東北大学
H18FY
6 膜分離を複合化した光触媒水素製造プロセスの構築
山口大学
H20FY
*平成21年度は実施なし
1
20
表 3-1-9 基盤技 術研究 採択テーマ名と実施者 (年度別)
平
テーマ名(実施箇所)
成
備 考
11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年
プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発に関する総合調査(RITE研究企画
G)
NEDOから受託
光合成機能遺伝子と有用物生産遺伝子を組み合わせた新たな代謝機能の発現制御技
術の開発(釜石分室 ㈱海洋バイオテクノロジー研究所)
二酸化炭素の電気化学的固定化技術の開発(RITE化学研究G)
H13年度までは
METI→NEDO
マングローブ等熱帯沿岸生態系の修復・保全による地球温暖化ガス回収・放出抑制評価技
術の開発((社)日本海洋開発産業協会 (財)電力中央研究所)
H14年度からは
METI→RITE
非光合成菌による二酸化炭素固定能の評価と利用技術の開発
(RITE微生物研究G つくば分室 (株)日本触媒)
総合調査研究から
選定されたテーマ
高分子膜によるCO2分離技術の開発(RITE化学研究G)
太陽光を利用した半導体光触媒・金属錯体光触媒によるCO2光還元のための基盤技術
の開発(RITE化学研究G)
中間評価により内容変更
総合調査研究から
選定されたテーマ
ゼオライトの有する交換性Caイオンを利用したCO2固定化・有効利用技術の開発
(RITE化学研究G)
中間評価により中止
総合調査研究から
選定されたテーマ
地中メタン生成菌によるCO2からのメタン再生のための基盤技術の開発(RITE CO2貯留
研究G)
中間評価により中止
総合調査研究から
選定されたテーマ
深地下・海底環境利用によるCO2地殻化学固定・ハイドレート固定のための基盤技術の開
発(RITE CO2貯留研究G)
中間評価により内容変更
総合調査研究から
選定されたテーマ
森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性樹木の開発(RITE植物研究G 王子亀
山分室 王子製紙(株))
総合調査研究から
選定されたテーマ
植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気中CO2固定能増強のための基盤
技術の開発(RITE植物研究G)
総合調査研究から
選定されたテーマ
微生物機能を利用したバイオマス資源からのCO2固定グリーンプロセスのための基盤技術の開
発(RITE微生物研究G)
総合調査研究から
選定されたテーマ
中間評価により中止
CO2分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオライト膜の開発(RITE化学研究G)
平成15年度新規
人工湧昇流海域におけるCO2吸収量の評価技術の開発(RITE CO2貯留研究グルー
プ)
平成15年度新規
微生物集団系システム創成による革新的バイオ変換プロセスのための基盤技術の開発
(RITE微生物研究G)
平成15年度新規
植物によるCO2固定能力増強をめざした光合成ソース機能改良技術の開発
(RITE植物研究G)
平成16年度新規
アルカリ土類金属を利用した新規CO2炭酸塩固定化システムの開発(RITE化学研究G)
平成16年度新規
CO2を原料とした微生物による有用物質生産技術体系のための基盤技術の開発
(RITE微生物研究G)
平成16年度新規
蛇紋岩体の地化学環境を利用した原位置試験によるCO2地中鉱物固定のための基盤
技術の開発(RITE CO2貯留研究G)
平成16年度新規
CO2地中貯留におけるシール層の安定性評価技術の開発(RITE CO2貯留研究G)
平成16年度新規
地中PJへの統合により中止
深度地下微生物生態系によるCO2固定のための基盤技術の開発
(RITE微生物研究G)
平成16年度新規
酸化亜鉛を活用したCO2の分離・回収技術(亜鉛法)の開発(RITE化学研究G)
平成16年度新規
中間評価により中止
高密度官能基表面を有する新規CO2分離膜の創成(RITE化学研究G)
平成17年度新規
CO2分離回収型高効率水素製造のための基盤技術開発(RITE化学研究G)
平成17年度新規
タンパク質複合体機能を利用した革新的なセルロース糖化法によるCO2固定化有効利
用のための基盤技術開発(RITE微生物研究G)
平成17年度新規
革新的省エネルギー水素供給ステーション実現のための基盤技術研究(RITE微生物研
究G)
平成17年度新規
高効率エネルギー生産のための新葉緑体工学の確立(RITE植物研究G)
平成17年度新規
セルラーゼ系酵素を生産する植物の創製(RITE植物研究G)
平成17年度新規
ジオリアクターによる排ガス中CO2の地中直接固定化技術開発(RITE CO2貯留研究G)
平成18年度新規
新規促進材による吸収液再生法の研究(RITE化学研究G)
平成18年度新規
高圧ガスからのCO2吸収分離技術の開発(RITE化学研究G)
平成19年度新規
平成21年度は①で実施
CO2地中貯留のための常設モニタリングシステム構築に必要な海底計測機器開発の基礎的
研究(RITE CO2貯留研究G)
平成19年度新規
高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発(RITE植物研究G )
平成19年度新規
平成21年度は②で実施
葉緑体工学による活性酸素制御“モデル植物でのHDP-APXシステム強化(RITE植物研究
G※)
平成19年度新規
ソフトバイオマスからの次世代燃料生産基盤技術の開発(RITE微生物研究G※)
平成19年度新規
平成21年度は②で実施
統合型水素生産システムによるバイオマスからの高収率水素変換のための基盤技術開発
(RITE微生物研究G※)
平成19年度新規
平成21年度は②で実施
省エネルギー型圧力スイング吸着法による新規CO2分離技術の開発(RITE化学研究G)
平成20年度新規
平成21年度は①で実施
バイオマスからのグリーンフューエル生産基盤技術の開発(RITEバイオ研究G)
平成20年度新規
平成21年度は②で実施
分離・回収に係る基盤技術の開発(RITE化学研究G)
①
※
大規模植林による地上隔離に係る基盤技術の開発(RITEバイオ研究G)
計
②
3
※平成20年4月~:バイオ研究Gに改編
21
4
5
12
13
15
15
13
14
10
2
表 3-1-10 先 端的研究テーマと実施者 (年度別)
年度
テーマ名
1
2
3
4
H16FY
5
6
7
8
実施者
遷移金属錯体の特性を生かした位置選択的
kolbe-Schmitt型反応の開発
バイオエタノール生産のための選択的白色腐朽菌リグ
ニン分解系の解析と強化
微生物炭酸固定酵素の特性と進化系統に関する
基礎解析
野生の乾燥強光耐性C3型植物に由来する有用
遺伝資源を用いた緑化展開
帯水層に圧入された二酸化炭素挙動のモニタリング
に関する実用化技術開発の研究
ケイ酸ナノ多孔体に配列した酵素群によるCO2の
光固定
Ⅰデヒドロゲナーゼの固定化と評価
Ⅱ人工酵素系構築と評価
Ⅲケイ酸多孔体に固定化された酵素の光機能評
価
海洋溶解保証による漏洩許容型CO2地下貯留
技術手法の提案
高温高圧下でも使用可能な新規な二酸化炭素
選択透過型高分子膜の創製
所属
委託金額
村上 正浩 京都大学
5,250,000
渡辺 隆司 京都大学
7,350,000
五十嵐 泰夫 東京大学
4,725,000
横田 明穂
奈良先端科学技術大学
院大学
7,350,000
松岡 俊文 京都大学
6,300,000
◎大宮 邦雄 名城大学
2,000,000
粟冠 和郎 三重大学
2,000,000
梶野 勉
㈱豊田中央研究所
1,250,000
末包 哲也 東京工業大学
6,300,000
永井 一清 明治大学
4,725,000
◎左子 芳彦 京都大学
2,100,000
1
高酸素耐性スーパーヒドロゲナーゼを用いた水素生産
系の開発
2
再生可能な植物油脂を基盤とするグリーンポリマーの
創製と応用
粒界制御による3次元ミクロ細孔ネットワークを持つ多
孔性バルク材料の合成とCO2分離性能評価
◎中平 敦 大阪府立大学
5,250,000
3
山崎 友紀 大阪高専
1,571,000
集積型金属錯体を中核とした複合系光触媒によ
る二酸化炭素還元および水素発生に関する研究
◎石谷 治 東京工業大学
4,725,000
黒川 明 (財)エンジニアリング振興協会
西川 崇範 ㈱環境総合テクノス
宇山 浩
大阪大学
1,050,000
2,100,000
7,350,000
H17FY
4
5
6
1
2
3
H18FY 4
5
6
7
8
高いCO2分離機構を有する新規の
CO2/CH4,CO2/N2分離用高性能DDR型ゼオライ
ト膜の創製
小池 和英 (独)産業技術総合研究所
姫野 修司 長岡技術科学大学
選択的RNAスプライシングによる植物への多面的環 ◎小林 裕和
境ストレス耐性の付与
重岡 成
ゼオライト膜のブレークスルーのための高性能DD3Rゼ
オライト膜の開発と戦略的な新規八員環ゼオライトの 姫野 修司
膜化
形質転換技術を利用したレドックスシグナルの制御に
小川 健一
よる高速生長、高CO2固定型の植物創製技術
3D細孔チャネルを持つ新規無機材料の薄膜化と
中平 敦
CO2分離への応用
イオン液体(IL)を用いるCO2物理吸収・再生プロセス
金久保 光央
に関する研究
高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発と
増田 俊夫
評価
海洋酸性化による海洋生態系影響評価のための
鈴木 款
擬似海洋実験と生態モデルの統合化による要素技
プラスチックの酵素分解促進法の研究開発
阿部 敬悦
高CO2固定植物の創製に向けた高等植物の
射場 厚
CO2感知機構の解明
22
525,000
6,300,000
静岡県立大学
3,825,000
近畿大学
2,475,000
長岡技術科学大学
8,900,000
岡山県立生物科学総合
研究所
8,900,000
大阪府立大学
8,900,000
(独)産業技術総合研究所
5,600,000
京都大学
6,700,000
静岡大学
7,000,000
東北大学
7,000,000
九州大学
7,000,000
表 3-1-11 先 端的研究テーマと実施者 (年度別 、続き)
年度
1
2
3
H19FY 4
5
6
7
8
1
2
3
4
H20FY
5
6
7
8
9
テーマ名
実施者
所属
委託金額
木質バイオマスの直接酵素糖化と残渣リグニンの利
福島 和彦 名古屋大学
6,500,000
用
CO2の海洋貯留・吸収源の拡大におけるプランクト
鈴木 款 静岡大学
7,600,000
ン群集の正の安定化効果に関する実証 ~中規
模実験と新規モデルによる検証~
足場タンパク質を用いたセルラーゼ・ヘミセルラーゼの固
阿部 敬悦 東北大学
7,900,000
体表面への濃縮技術の研究開発
木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発 高橋 伸英 信州大学
4,300,000
光合成循環的電子伝達系の強化による乾燥耐
遠藤 剛 京都大学
6,400,000
性植物育種の可能性検討
イオン液体物理吸収法による高圧CO2ガス再生に
金久保 光央 (独)産業技術総合研究所 7,400,000
関する研究
高精度な長期間海洋隔離シュミレーションを可能にす
山中 康裕 北海道大学
2,100,000
る計算手法の開発
Jatropha Curcas L.の優良種の交配及び形質転
三本木 一夫 日本植物燃料㈱
7,800,000
換系の作出の研究
温室効果ガス回収型C1微生物コンソーシアムに
由里本 博也 京都大学
5,700,000
よる in situ バイオマス利用の基盤技術開発
ユビキタス元素を利用する大容量CO2ストレージ
町田 正人 熊本大学
6,500,000
物質の開発
木質バイオマスの酵素糖化と残渣リグニンの利用
塩水中CO2モニタリングのための全炭酸・アルカ
リ度の現場計測技術の開発
バイオディーゼルの高効率高速合成法の開発
電気透析を用いた二酸化炭素回収法
大規模排出源近傍の軟質地盤における帯水層
貯留の遮蔽層安全性検討
膜分離を複合化した光触媒水素製造プロセスの
構築
木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開
発
福島和彦
名古屋大学
6,400,000
岡村 慶
高知大学
4,200,000
草壁 克己 福岡女子大学
柳沢 幸雄 東京大学
東 宏幸
応用地質(株)
6,700,000
6,200,000
5,400,000
田中 一宏 山口大学
4,900,000
高橋 伸英 信州大学
4,000,000
注:平成21年度は実施なし
②
研究テーマ毎に設定された目標に対する成果
各研究テーマの目標と成果は、先端的研究については表3-1-12~表3-1-2
2(先端的研究、研究概要、目標および成果)に、また基盤技術研究については別紙1
「基盤技術研究テーマの個別票」に示した。
23
表 3-1-12 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その1)
テーマ名
年度
概 要
目 標
・6-ヒドロキシ-2-ナフトイック酸をCO2と22-ナフトールとCO2から液晶材
ナフトールから合成する。
料である6-ヒドロキシ-2-ナフト
・通常、高温高圧が必須条件である
イック酸を選択的に生成する遷 Kolbe-Schmitt反応を常温常圧で行える
移金属錯体触媒を開発する。
ようにする。
成 果
終了後
・フェノキシド錯体において選択的に 5-配位錯体を形
成したDCPE配位子をもつロジウム錯体を前駆体とし
て用い、ナフトキシド錯体の合成を行ったところ、望み
の配位形式の錯体を合成することに成功。
・二酸化炭素を用いて付加価値の高い化合物(常圧で
のカルボキシル化)を合成できることを示せた。
-
1
遷移金属錯体の特性を生
かした位置選択的kolbeSchmitt型反応の開発
2
・選択的白色腐朽菌のリグニン分解機構を明らかにし
た
・C.subvemisporaのリグニン分解能を高め ・選択的にリグニン分解する遺伝子を腐朽菌に導入す
るためのベクターを開発した
バイオエタノール生産のための リグニンを酵素から離れたところ た形質転換体を作成する。
で化学的に分解する白色腐朽 ・生物模倣型リグニン分解反応系を構築 ・リグニン分解性担子菌から脂肪酸不飽和化酵素遺伝
選択的白色腐朽菌リグニン分 菌の機序を解明し、生物模倣反 する。
子のクローニングを実施
解系の解析と強化
応系を構築する。
・酵素糖化率の投入エネルギーを未処理 ・スギ材の酵素糖化率に及ぼす腐朽処理の効果を調
べた。未処理のスギ材の糖化率7.2%から腐朽処理後
に比べて15%以上軽減する。
は約7倍に相当する52%の高い糖化率を与えることが
明らかとなった
3
・H菌の還元的TCA回路に働いている4
種の炭酸固定酵素の性質、進化系統付
還元的炭酸固定の機序を解明
けを行う。
微生物炭酸固定酵素の特 して、メタボリックエンジニアリン
・H菌の炭酸固定への還元力の供給方法
性と進化系統に関する基礎 グ手法で炭酸固定の代謝を改
変し、CO2から有機酸、アミノ酸 を明らかにする。
解析
・C3-C4の炭酸固定酵素に還元力を供給
の効率的発酵生産法を見出す。
して、炭酸固定発酵が可能なことを検証
する。
・H菌の持つ炭酸固定経路である還元的TCA回路に
おける4カ所の炭酸固定反応に関わる炭酸固定酵素
を全て完全精製、それぞれに対応する脱炭酸酵素系
に新たな炭酸固定因子(CF)が付加することによって、
炭酸固定能を獲得したことを初めて明らかにした
・リセロール等の還元型基質の利用、または水素等の
外部エネルギーの供給によって、従来の有機酸・アミノ
酸発酵の炭酸固定反応部分を強化して、炭酸固定発
酵またはより炭酸ガスの排出の尐ない発酵法が可能
であることを示した
■基盤技術研究にて利用
得られた知見を基盤技術研
究「CO2を原料とした微生物
による有用物質生産技術」
の中で利用
4
野生の乾燥強光耐性C3型 野生生物の悪環境耐性遺伝子
を探索して一般植物に導入し耐 ・野生スイカを対象として、乾燥強光スト
植物に由来する有用遺伝 性評価を行ってストレス耐性の レス耐性の有用遺伝子を取得する。
資源を用いた緑化展開
最適化を図る。
・野生スイカがストレス下に発現させる特異な遺伝子
群を同定
・乾燥強光ストレスを受けている野生スイカの葉では、
非常に多種類のヒートショックタンパク質やRuBisCOア
クティベース、small Gタンパク質などの発現が見られ
た。
■基盤技術研究にて利用
得られた知見を基盤技術研
究「高ストレス耐性ユーカリ
の迅速選抜法の開発」の中
で利用
5
・レア砂岩のコアを用い液体CO2と気体CO2の圧入を
行い、その時の比抵抗変化を計測した結果、CO2の圧
入に伴い比抵抗値が変化し、その変化の様子はCO2
帯水層に圧入された二酸化 地下CO2の実用的モニタリング
方法として流電電位法の可能性 ・流電電位法をベースとしたモニタリング の相状態に依存していることが分かった。
炭素挙動のモニタリングに関す
・比抵抗トモグラフィ解析に必要なプログラムの開発お
を実験室レベルで確立し、フィー 手法の可能性を見出す。
る実用化技術開発の研究 ルドで検証する。
よび流電電位法解析システムをシミュレーションを行っ
た。
・比抵抗については、岩野原においてフィールド実験を
行い、CO2の挙動の把握の可能性が有ることが示唆
■基盤技術研究にて利用
得られた知見を基盤技術研
究「CO2地中貯留のための
常設モニタリングシステム
構築に必要な海底計測機
器開発の基礎的研究」の中
で利用
H16FY
24
■基盤技術研究へ移行
平成17年度基盤技術研究
「タンパク質複合体機能を
利用した革新的なセルロー
ス糖化法」で実施
表 3-1-13 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その2)
テーマ名
年度
概 要
目 標
成 果
終了後
■技術のウォッチング
ケイ酸ナノ多孔体に配列した
光エネルギーを利用して
酵素群によるCO2の光固定
・ドックリンを導入した NADHデヒドロゲナーゼおよびギ
NADHを合成することができ
Ⅰデヒドロゲナーゼの固定化と
・NADHデヒドロゲナーゼおよびギ酸デヒ 酸デヒドロゲナーゼを構築し、キメラ酵素の活性を確認
酵素複合体とクロロフィルをケイ
ることが確認され、酵素複
評価
ドロゲナーゼよりドックリンを導入したキメ ・結合特異性が異なる2種のコヘシンを大腸菌で産生
6
Ⅱ人工酵素系構築と評価
酸ナノ多孔体に固定化して光エ
ラ酵素を構築する。
ネルギーで補酵素再生系を動
・構築された酵素複合体とクロロフィルを
かしてCO2から有用物質を生産
ケイ酸ナノ多孔体に固定化し、光機能の
する。
評価を行う。
Ⅲケイ酸多孔体に固定化さ
れた酵素の光機能評価
H16FY
し、結合特異性を確認した。同様に3種コヘシンのキメ
ラ遺伝子を構築し、カイコで発現精製
・クロロフィルとNADHデヒドロゲナーゼをケイ酸ナノ多
孔体に共固定し、電子媒体なしでNADHの光合成を確
認
合体構築に必要なパーツ
(キメラ酵素およびキメラコ
ヘシン)を調製できた。長期
的なテーマであり、さらに開
発元にて調査を継続する。
RITEでは関連する技術を継
続してウォッチする。
7
・温度7.6℃、圧力5.0MPaの液体CO2ハイドレートの場
合、温度7.6℃、圧力3.2MPaのガスハイドレートの場合
・多孔質内CO2と外部流れの物質輸送現 ともに、1.5MPaの差圧においても漏洩は全く観察され ■プロジェクト研究にて利
CO2貯留層から海洋へのCO2の
海洋溶解保証による漏洩許
象を解明する。
ず、 ハイドレート層によるCO2貯留が可能であることが 用
輸送現象を解明して、漏洩を考
得られた知見を基盤技術研
容型CO2地下貯留技術手 慮したCO2の隔離手法を提案す ・貯留層構造の有するべき条件(キャップ 示された。
ロックの透過率、厚さなど)を定量的に明 ・多孔質内におけるCO2の水への溶解速度を液体,ガ 究「地中貯留プロジェクト」
法の提案
る。
らかにする。
ス,超臨界の状態において計測し、CO2の水への溶解 の中で利用
は極めて早く、特に液体の場合、溶解速度が大きくな
ることが分かった。
8
・分子シミュレーションにより高分子ネットワークセグメ
ントと架橋点の最適化構造を研究し、ネットワークを気
体分子サイズに規則的に制御することが可能であるこ
高温高圧下でも使用可能な 高分子鎖を膨潤・可塑化させな ・高温(<150℃)高圧(40気圧)条件下 とを明らかにした。
い合成法により、高温・高圧下で
・気体分子サイズ(オングストロームレベル)でネット
新規な二酸化炭素選択透 も、CO2を選択透過できる高分 で膨潤・可塑化が制御されたネットワーク ワーク化した6FDA-FDA-PEPA膜は、脆く測定に供す
型高分子膜を創製する。
過型高分子膜の創製
子膜を創製する
ることはできなかったが、ネットワーク間距離を広げた
膜に対し実験を行った結果、規則的なネットワーク化
により可塑化を抑制することが可能であることを明らか
にした。
1
高酸素耐性スーパーヒドロゲ
ナーゼを用いた水素生産系
の開発
・超好熱古細菌A.caminiヒドロゲナーゼの
水素生産反応特性(適用範囲、酸素耐久
電子供与体、メディエーター、
性、水素生産能)を把握する。
スーパーヒドロゲナーゼを用い ・A.caminiヒドロゲナーゼを用いた水素生
た光駆動水素発生システムを構 産評価システムで7.4μ mol-H2/min/mg
築する。
以上の生産能を得る。
・新規の高活性・高酸素耐性ヒドロゲナー
ゼを1件以上取得する。
・超好熱古細菌A.camini H2aseは、優れた酸素耐性お
よび耐熱性を有することが明らかとなった。
・九州沿岸熱水環境より分離された計25株の好気性
好熱古細菌A.pernixについてH2aseスクリーニングを
行ったところ、A.camini H2aseと比較して7倍の活性を
有するTB5株H2aseを確認
-
再生可能な植物油脂を基
盤とするグリーンポリマーの創
製と応用
・リパーゼ触媒を用いたエステル交換反
応により、エポキシ化油脂誘導体を合成
エポキシ化植物油脂から農業用 する。
フィルムに利用可能な新規生分 ・多様な物性・機能をもつ油脂ポリマーラ
解性ポリマーを開発する。
イブラリーを構築する。
・生分解性ポリエステルとのセミIPN化に
よる高性能油脂複合材料を開発する。
・エポキシ化大豆油と中鎖脂肪酸トリグリセリドを
Mucor javanicus由来のリパーゼ処理したところ、エス
テル交換反応が進行し、エポキシ化油脂誘導体が得
られることを見出した。
・エポキシ化大豆油とエポキシ化亜麻仁油の共重合
し、その共重合体の塗膜物性(硬度)と動的粘弾性挙
動を評価した結果、エポキシ化亜麻仁油の混合比が
増えるにつれ、硬度、ガラス転移温度の直線的な増大
が見られた。
-
H17FY
2
■プロジェクト研究にて利
用
得られた知見を「分子ゲート
機能CO2分離膜の技術開
発」の中で利用
25
表 3-1-14 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その3)
テーマ名
年度
成 果
終了後
3
・各種ゼオライトの粒界制御による3次元
粒界制御による3次元ミクロ
水熱ホットプレス法を用いてミク ミクロ細孔ネットワークをもつ多孔性バル
細孔ネットワークを持つ多孔性 ロ細孔ネットワークを持つ無機
ク材料の合成を水熱ホットプレス(HHP)
バルク材料の合成とCO2分 CO2分離膜材料を開発する。 にて行い、それらバルク試料の特性評
離性能評価
価、さらに、CO2分離性能の評価を行う。
市販のY型ゼオライトを中心に水熱ホットプレス処理に
よりゼオライトバルク体の作成を試み、最適な条件を
見出した。
・それにより得られたゼオライトバルク体の性能評価を
行った結果、微細組織が構成されているとともに、CO2
分離性能は、膜厚1mm程度の厚膜ながら、これまで報
告されていたCVD法によるゼオライト薄膜と同等以上
の高い分離性能を示した。
-
4
集積型金属錯体を中核とし Ru-Re集積錯体を半導体と連結 ・量子収率25%を目標とした、CO2の還
た複合系光触媒による二酸 し水の酸化とCO2還元・水素発 元と水素を発生するRu-Re集積型錯体光
化炭素還元および水素発 生が同時進行可能な光触媒を 触媒を開発する。
・水を還元剤とした二酸化炭素の光還元
開発する。
生に関する研究
および水の完全光分解を達成する。
・ルテニウム(Ru)-レニウム(Re)超分子錯体光触媒
のレニウム側Cl-アニオンをP(OEt)3に変えることによ
り、CO生成のターンオーバーナンバーは232に、CO生
成の量子収率は21 %にまで向上させる事に成功
・CO2を電気化学的に生成することが知られている
[Ru(tpy)(bpy)(CO)]2+型錯体を触媒として組み込んだ
Ru-Ru型超分子錯体の合成に成功
□技術のウォッチング
開発元にて調査を継続する
とともに、関連する技術情報
は継続してウォッチする。
5
高いCO2分離機構を有する
アルミナ支持体の改良により、
新規のCO2/CH4,CO2/N2分
CO2分離能にすぐれたDDR型
離用高性能DDR型ゼオライト ゼオライト膜を開発する。
膜の創製
6
選択的RNAスプライシングによ 選択的RNAスプライシングを利 ロイヌナズナで強制発現させ、複数の環
境ストレス耐性になることを証明する。
る植物への多面的環境ストレ 用した植物への多面的環境スト ・選択的スプライシングと関連するSR41.2
レス耐性の付与法を開発する。
ス耐性の付与
などをシロイヌナズナに強制発現させ、
1
平成17年度先端的研究で得ら
れた成果(CO2/CH4分離係数
356、CO2透過速度5×107mol/m2/s/PaのDD3R膜の開発
ゼオライト膜のブレークスルーのた に成功-これまでの10倍の透過
めの高性能DD3Rゼオライト膜 速度を実現)を踏まえ、更なる性
の開発と戦略的な新規八員 能向上のためのゼオライト-支
環ゼオライトの膜化
持体複合膜の制御を図るため、
DD3Rゼオライト結晶の形状制
御、コーティング条件の検討と他
の八員環ゼオライトの膜化を検
討
H17FY
H18FY
概 要
目 標
・現状のDDR型ゼオライト膜(CH4/CO2
分離係数600、CO2透過速度8×10・分離係数200以上でCO2透過速度1×10-7mol/m2/s/Pa ■先端的研究で継続
8mol/m2/s/Pa)を改良し、CO2透過速度を
以上のこれまで報告されているCO2分離膜の性能を 成果を踏まえ平成18年度
10倍程度向上させる。
先端的研究で研究を実施
陵駕したDD3Rゼオライト膜の開発に成功
・現状のCO2/N2分離係数を約2倍、CO2
透過速度を約10倍向上させる。
・選択的スプライシング産物のcDNAをシ ・塩ストレスにより、この遺伝子からは新たな転写産物
(RNA) が生じた。この転写産物の塩基配列を決定した
結果、これは選択的スプライシングによるものであるこ
とが判明
・強光応答性SRタンパク質 “SR41a”は、 RNAスプライ
塩、強光等のストレス耐性を評価する。 シング因子として核内で機能していることが示唆
・DDR3型ゼオライト膜の製膜条件を種々検討した結
果、支持体細孔径、水熱合成時間などにより分離性
能、透過速度に影響を与えることがわかり、本研究に
・CO2/CH4分離係数を400-500、CO2/N2 おいてCO2/CH4分離係数が500以上、透過速度が3×1
分離係数を50-100、CO2透過速度を1×
0-7mol/m2/s/Pa以上の性能の膜化に成功した。
10-6mol/m2/s/Paとして実用化が可能なレ
・CO2分離に適した新規なゼオライトとしてRHOゼオラ
ベルへシフトアップする。
イトの膜化を行い、RHO結晶の合成および支持体へ
の合成は成功したが、高い分離性能は示さず、今後最
適化を目指す。
26
■基盤技術研究にて利用
得られた知見を基盤技術研
究「高ストレス耐性ユーカリ
の迅速選抜法の開発」の中
で利用
表 3-1-15 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その4)
テーマ名
年度
目 標
成 果
終了後
2
酸化還元機構(レドックストリペ
プチドであるグルタチオンが高
形質転換技術を利用したレ 成長の制御因子であることを解
ドックスシグナルの制御による 明)の完全解明により、形質転
高速生長、高CO2固定型の 換技術を利用して高速成長、高
CO2固定型の植物を創製するた
植物創製技術
めの技術を開発および樹木へ
の遺伝子導入を目指す
・ストレス条件下で野生型シロイヌナズナ
の成長を2倍以上向上させる。
・半砂漠・ステップ気候に自生する
Eustoma grandiflotumの成長性を2倍以
上に向上させる。
・高速生長、高CO2固定型の植物として
有望な樹木(ポプラ)の幼木を育成する。
・バイオマス生産量が2倍以上に増強できる高速成長・
高CO2固定型の植物創製を目指し、そのメカニズムに
ついて検討した結果、生育光強度が尐なくとも300μ
Em-2s-1が必要であり、特定のシステイン残基が置換
されたFBA1を発現させることが良い結果となった。
・また、乾燥ストレスによる成長抑制を軽減するための
コンストラクトを見出した。
■基盤技術研究にて利用
得られた知見を基盤技術研
究「高ストレス耐性ユーカリ
の迅速選抜法の開発」の中
で利用
3
平成17年度先端的研究におい
て、HHP(ホットプレス)法を用い
たバルク状ゼオライトの合成を
行い、良質で緻密質な無機膜材
3D細孔チャネルを持つ新規無 料の開発に成功、さらにはバル
ク体全体にわたって3次元的に
機材料の薄膜化とCO2分離 細孔ネットワークが連結。これら
への応用
を踏まえて、高CO2分離能を持
つ無機ゼオライトおよびメソポー
ラス材料の開発と実用化向けた
無機膜の開発(量産化)を目指
す
市販のY型ゼオライトを中心に水熱ホットプレス処理に
・ゼオライトバルク体のCO2分離評価を行
よりゼオライトバルク体の作成を試み、最適な条件を
う。
見出した。
・ゼオライトバルク体で最適なCO2分離能 ・それにより得られたゼオライトバルク体の性能評価を
を持つ候補材料を開発し、薄膜化を試み 行った結果、微細組織が構成されているとともに、CO2
る。
分離性能は、膜厚1mm程度の厚膜ながら、これまで報
・量産化に向けた無機膜の合成プロセス
告されていたCVD法によるゼオライト薄膜と同等以上
を確立する。
の高い分離性能を示した。
4
イオン液体(IL)を用いるCO2
物理吸収・再生プロセスに関
する研究
室温付近以下の融点・不揮発
性・不燃性の性質を有し、二酸
化炭素を選択的に物理的に溶
解する性質を有するイオン液体
を利用し、化学吸収法から物理
吸収法への転換および回収状
態をガスから液化状態へ変換
し、吸収液の再生エネルギーを
低減する技術の開発
5
アセチレン類の重合によって得
られる球状の置換基を有するポ
リアセチレンを活用(1.極性基を
高透過性・高選択性二酸化 有するポリ(ジフェニルアセチレ
炭素分離膜の開発と評価 ン、2.極性を規制したセルローズ
誘導体の創製)し、あらたなCO2
分離膜の設計・合成および分離
性能の評価を実施
H18FY
概 要
-
・吸収工程では、吸収速度が1kg/dm3h以
上の選別とヘンリー定数が100bar以下の
探索・新規合成を行う。
・回収工程では、1.2g cm-3以上を有する
イオン液体を識別する。
・高温でも長時間安定なイオン液体を選
別する。
・イミダゾール系イオン液体のCO2吸収量は、アニオン
の分子構造の違いにより敏感であることが分かった。
また、CO2吸収速度については、高粘性のイオン液体
でかなり低下し、吸収液の粘性率が重要な因子である
■先端的研究で継続
ことが分かった。
成果を踏まえ平成19年度
・イオン液体とCO2の分離については、溶解度データ
先端的研究で研究を実施
に基づき、温度、圧力条件などによりCO2の回収量を
試算した結果、従来法(アミン)と同程度の回収量でさ
らに消費エネルギーが大幅に削減されることが見出さ
れた。
①CO2透過係数が約100barrerで、N2お
よびCH4に対するCO2の透過選択性が
100以上、H2との透過選択性が10以上、
あるいは、②CO2透過係数が約30barrer
で、N2およびCH4に対するCO2の透過選
択性が200以上、H2との透過選択性が20
の分離膜材料を開発する。
・ポリマーの水酸基の存在しない方のフェニル基上に、
種々の大きさの球状置換基を有するポリマーを合成
し、気体透過性について評価した結果、置換基のサイ
ズを変更することにより選択性はやや低下するもの
の、透過性を向上(CO2/N2:110から150~280)するこ
とが明らかになった。
27
■プロジェクト研究にて活
用
得られた知見を「分子ゲート
機能CO2分離膜の技術開
発」の中で利用
表 3-1-16 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その5)
テーマ名
年度
目 標
成 果
終了後
6
大気中の二酸化炭素の海洋へ
の注入と栄養塩の濃度の変化
海洋酸性化による海洋生態 に伴う生態系変化(植物プランク
系影響評価のための擬似 トン等の存在量、種組成、バイ
海洋実験と生態モデルの統 オマス量の変化、栄養塩濃度の
合化による要素技術開発 変化など)について検証し、影響
評価のためのパラメータの相互
関係をモデル化する研究
・800~1000ppmの高濃度CO2下で炭酸カルシウムの
殻をもつココリスについて、その生態を調査した結果、
・海洋酸性化が生物生産量と植物プラン
これまで考えられていたモデル計算による高濃度の
クトンの種組成に与える影響を定量化す
CO2の増加による炭酸カルシウムが溶解するというシ
る。
ミュレーションは正しくない可能性があることが分かっ
・栄養塩の再生速度を明確にする。
た。
・二酸化炭素の注入量と生態系応答速度
・また高濃度のCO2下で珪藻、鞭毛虫、ピコプランクト
の比が1になる条件を明確にする。
ン、動物プランクトン、微生物のすべてのバイオマスは
・海洋生態系影響評価のモデルと評価要
2倍に増加することが分かった。CO2の増加はプランク
素を明確する。
トン、微生物を増加する方向に働くことを見出し、この
結果もモデル計算では予測できなかったことである。
7
疎水固体-液体界面での酵素
反応によるプラスチック分解率
プラスチックの酵素分解促進法 の向上を目指し、疎水性固体表
面に分解酵素を濃縮する分子
の研究開発
機構を解明し、分解率の向上に
関する知見を見出す
・両親媒性タンパク質ハイドロフォビン
RolAと酵素クチナーゼCutL1の結合部位
を決定する。
・両親媒性タンパク質群と相互作用する
固体高分子分解酵素群を探索する。
・酵素とは別のタンパク質性のプラスチック分解促進因
子の探索を実施した結果、糸状菌がプラスチック固体
表面に生育する際に複数の両親媒性タンパク質が菌 ■先端的研究で継続
体より分泌され、疎水固体表面に吸着してコンフォー 成果を踏まえ平成19年度
メーションが変化した後にプラスチック分解酵素クチ
先端的研究で研究を実施
ナーゼを特異的にリクルートすることでプラスチック分
解を促進する、新規な分解機構を見出した。
8
高CO2固定植物の創製に
向けた高等植物のCO2感
知機構の解明
気孔開度が光合成の律速段階
となるメカニズムをサーモグラ
フィーを用いた葉面温度測定に
よりモニタし、CO2応答に異常を
持つ突然変異体を網羅的にスク
リーニングする手法を確立
・高等植物のCO2センサーおよびその下
流のシグナル伝達経路を統御する因子
を同定し、それらの遺伝子をクローニング
する。
・その遺伝子を活用し、高CO2環境で効
率的にCO2吸収・固定化を行う植物開発
への道筋を見出す。
■基盤技術研究にて利用
・植物におけるCO2センシングの機構を解明することを
得られた知見を基盤技術研
目的として、CO2応答性突然変異体を単離し、原因遺
究「高ストレス耐性ユーカリ
伝子の解析からCO2シグナル伝達に係わるキナーゼ
の迅速選抜法の開発」の中
を同定した。
で利用
1
スギ間伐材などの未利用木質
バイオマスから、直接酵素糖化
により、バイオエタノールを安定
して供給する新技術を開発す
る。 本研究開発は以下の3項目
に分類される。
木質バイオマスの直接酵素糖 1.多糖成分とリグニンの結合を
ピンポイントで切断・剥離する前
化と残渣リグニンの利用
処理技術開発。
2.高結晶セルロースやヘミセル
ロースを加水分解できるような
オーダーメード麹菌作出。
3.残渣リグニンの誘導体化に
よる新規機能物質への変換
・木質バイオマス資化に適した組換え麹
菌の作出および酵素大量生産技術の確
立
・木質の軽微前処理により、糖成分の
80%程度を加水分解する菌の作出(最終
的には90%程度)
・残渣リグニンの水質浄化剤や遅効性土
壌改良剤などの機能性物質への変換
・酵素のみによる前処理では期待した効果は上がらな
かったため、水熱処理を応用した軽微前処理法を開発
したことにより、スギ木部50マイクロメートル厚切片よ
り、約25%の収率で六炭糖を生成させることができた。
・高結晶セルロース・ヘミセルロースの加水分解可能
■先端的研究で継続
な麹菌の作出では、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナ
成果を踏まえ平成19年度先
ナーゼの添加によって分解の相乗効果が見られた。し
端的研究で研究を実施
たがって、オーダーメード麹菌の作出にはこれらの酵
素遺伝子を増強する必要があることを示され、麹菌育
種の方向性が明らかとなった。これらの結果を受け
て、遺伝子組換えによりセルラーゼ(セロビオハイドロ
ダーゼ)活性が増強された複数の麹菌株を作製した。
H18FY
H19FY
概 要
28
■プロジェクト研究にて利
用
得られた知見を基盤技術研
究「地中貯留プロジェクト」
の中で利用
表 3-1-17 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その6)
テーマ名
年度
2
H19FY
概 要
「海洋酸性化による海洋生態系
影響評価のための擬似海洋実
験と生態系モデルの統合化によ
る要素技術開発(RITE先端的研
CO2の海洋貯留・吸収源の 究)」により 確立した擬似培養実
拡大におけるプランクトン群集 験・研究手法をスケールアップし
て、二酸化炭素の注入による海
の正の安定化効果に関す 洋の酸性化による生物群集の
る実証 ~中規模実験と新 正の安定化効果 (生産・分解・
規モデルによる検証~
捕食・溶解の生物過程の平衡)
と二酸化炭素の吸収量の増加
の条件の確定と生態系モデルに
よる影響評価の最適評価システ
ムの提言を行う。
目 標
成 果
・海洋の酸性化による生態系の影響評価
における培養実験の適切な条件の評価
を行う。
・海洋の二酸化炭素の増加による海洋酸
・実際の海洋では二酸化炭素の海洋への吸収は非常
性化が海洋生態系の光合成に及ぼす生
にわずかであり、本実験のような急速な状況ではな
物安定化効果、すなわち平衡・安定化の
い。それ故に海洋生態系の酸性化への適応・安定化
時間の確認を行う。
効果は非常に優れている可能性がある。
・生物安定化時間と二酸化炭素の注入速
・海洋への二酸化炭素の貯留と二酸化炭素の吸収源
度とのバランスを新規生態系モデルによ
の拡大がココリスの生物機能を利用してより可能性が
り最適速度、最適条件をシミュレーション
あることをより定量的に示した。
し確定する。その条件を用いて、海洋貯
留による二酸化炭素の生態系への影響
効果と海洋への吸収効果についてまとめ
る。
3
麹菌の産生する両親媒性タンパ
ク質RolAを用いたセルラーゼ及
びヘミセルラーゼの固相表面へ
の 濃縮技術の開発を検討す
足場タンパク質を用いたセルラー る。固体セルロース表面にRolA
ゼ・ヘミセルラーゼの固体表面 を結合させ、RolAに結合するセ
ルラーゼまたはヘミセルラーゼ
への
を探索する。 また、セルラーゼ
濃縮技術の研究開発
の分子表面に、CutL1で同定し
たRolAへの結合部位の導入に
よりRolA結合型セルラーゼの造
成を試みる。
・RolAに結合する糸状菌セルラーゼ、ヘミ
セルラーゼを探索し、候補の組み換え体
にて酵素を生産し、RolAとの結合実験を
行う。
・複数の糸状菌酵素剤中にRolAと結合す
るセルラーゼ、ヘミセルラーゼをテフロン
粒子-RolA複合体吸着法で探索・同定
し、RolAとの相互作用を評価する。
・糖鎖結合部位を持たないセルラーゼに
RolA結合モチーフを導入し、RolAへの結
合能を評価する。
4
木質系バイオマスの高エネル
ギー密度固体への変換を目指
し、炭化時の炭素残留率向上の
ための触媒技術の確立、 炭素
固定化率の向上のためのター
木質バイオマスからの新発電 ル回収プロセスの開発、密度増
大のための粉砕、成形プロセス
燃料変換技術の開発
の開発を行う。 また燃料使用時
に問題となるアルカリ金属除去
法の開発、さらにはバイオコー
ル連続製造システムの設計を行
う。
・バイオコールの熱量目標値を石炭の熱
量の28.9MJ/kgとする。
・製造時目標として、原料木質バイオマス
に対し、①バイオコールの炭素転換率を
75%、②副生する有機酸などの液体成
分への炭素転換率を10%、③副生する
可燃性ガス、液体の熱回収により60%以
上のエネルギー回収率を達成する。
29
終了後
-
・フスマ、米ぬかなどの植物系バイオマス基質に麹菌
を生育させ、DNAマイクロアレイによる転写解析を行
い、バイオマス分解時にセルラーゼ・ヘミセルラーゼ系
遺伝子群の転写上昇を確認した。特にセルラーゼ・ヘ
ミセルラーゼ系遺伝子の発現に優れていたフスマ麹を
作製してフスマ酵素を抽出し、RolAとの相互作用解析
に用いることとした。
・RolAに吸着する酵素について、XlnR高発現麹菌酵素
液、市販酵素剤、フスマ麹抽出液などの酵素剤から探
-
索したが、残念ながらセルラーゼ・ヘミセルラーゼ系で
吸着するものは無かった。しかし、麹菌アルカリプロテ
アーゼとPenicilliumリパーゼがRolAに特異的に結合す
ることを見出した。プロテアーゼは羽毛ケラチン等難分
解性タンパク質系バイオマスのペプチド化に応用可能
であり、リパーゼはRolAを介した微粒子触媒による工
業的リパーゼ反応(バイオディーゼル製造)への応用が
期待される。
・ヒノキの木片原料に対して、Ca(OH)2を用いることに
より、炭化物とタール成分で60%近い質量収率を達成
できることを明らかにした。
・炭素収率向上のためのタール成分吸着回収法の最
適化を行った結果、総熱量収率は71%となり、燃料と
して高い変換効率を達成できることを実証した。アルカ ■先端的研究で継続
リ金属除去法の開発を検討し、Na、Kともに約5割を除 成果を踏まえ平成19年度先
去できることを明らかにした。
端的研究で研究を実施
・発生するガスや液体成分の熱源利用の可能性評価
とプロセスの熱効率評価を行い、炭化物とタールによ
り原料の熱量の72%を燃料として、木酢液とガスによ
り原料の熱量の11%をプロセスの熱源として利用可能
であることを示した。
表 3-1-18 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その7)
テーマ名
年度
H19FY
概 要
目 標
・シアノバクテリアからdrgA遺伝子をクローニングし、タ
バコに導入した。
・タバコおよびシロイヌナズナにシアノバ ・形質転換体では、drgA遺伝子由来のタンパク質が多
クテリア由来の単量体NAD(P)Hデヒドロ 量に検出され、遺伝子の導入と発現に成功した。
ゲナーゼ遺伝子drgAを導入し、高発現さ ・大量発現株には、親株に比べて大きなNPQ(チラコイ
せる。
ド膜内外のpHこう配の指標)を誘導する株があり、生
・得られた形質転換植物における乾燥等 育条件により、高い循環的電子伝達活性を誘導できる
ストレス耐性を評価する。
可能性が示された。
・野生型を超える耐性をもつ植物を得る。 ・除草剤Dinosebを還元無毒化する強い活性が見いだ
されたことから、除草剤耐性植物育種の可能性が示さ
れた。
5
NDH循環的電子伝達活性の増
強のためモノマーでNDH活性を
もつシアノバクテリアのDrgAの
光合成循環的電子伝達系 遺伝子を、タバコに導入、高発
現させる。
の強化による乾燥耐性植物 具体的には、当該遺伝子をサブ
育種の可能性検討
クローニングして、高発現プロ
モーター下流に導入し、アグロ
バクテリウム法にて形質転換を
行う。
6
イオン液体が二酸化炭素を選択
的かつ極めて顕著に物理的に
吸収する性質をもつことに注目
し、 “イオン液体(IL)によるCO2
物理吸収・再生プロセス”の開発
を行っており、本プロセスは、 燃
焼ガスなどの原料を加圧してイ ・従来の化学吸収法と比較し、①吸収体
イオン液体物理吸収法による オン液体に二酸化炭素を選択的 積当り~1.5倍以上の回収量向上と、②
高圧CO2ガス再生に関する に吸収させ、その吸収液を取り 吸収・再生エネルギーの~1/4以下の節
出して二酸化炭素を再生するも 約を図り、トータルエネルギーの大幅な
研究
のである。 この方法は、イオン 低減を目指す。
液体の優れた二酸化炭素物理
吸収能力と蒸気圧が極めて低く
ガス相へ溶出しないことを利用
して、 室温近辺における圧力操
作のみで二酸化炭素を吸収・回
収可能とするものである。
7
高精度な長期間海洋隔離
シュミレーションを可能にする計
算手法の開発
海洋隔離技術における、数百年
間の大気からの隔離効率を評
価する高解像度モデル(水平解
像度1/10x1/10度)を開発する。
そのために、オフライン計算を高
度化する技術開発を行う。開発
は日本近海モデル(120E~
180E、10N~50N)を用いて行
う。
終了後
・アミン法や従来の物理吸収液と比較して、イオン液体
の優位性について明らかとした。イオン液体法の二酸
化炭素回収量はアミン法に匹敵するが、アミン法で必
要な二酸化炭素再生エネルギー(~120 ℃)を省略で ■基盤技術研究へ移行
き、消費エネルギーの低減が可能である。
平成20年度基盤技術研究
・さらに、実際にガス分離装置を用いて行なった二酸化 「高圧ガスからのCO2吸収
炭素の分離回収試験では、従来の吸収液(PEG400) 分離技術の開発」で実施
を用いた場合と比べて、イオン液体を用いた物理吸収
法は、30%以上も多く二酸化炭素を回収できることが
明らかとなった。
・CO2濃度の計算間隔延長による計算量軽減や、計算
量の各cpuへの均等割付けによる計算時間短縮によ
り、計算精度を下げることなく、モデルの高速化(従来
・計算時間を1/100程度に短縮する。
の1/2に短縮)を達成することができた。
・オフライン計算の結果と比較し、CO2濃 ・高解像度オフラインモデルを用いて200年計算を行っ
度最大値の誤差を6~7%以内、濃度分 た結果、隔離効率は99.6%(速報値)となった。今後の
布の誤差を6~7%以内に収める。
研究によって、隔離効率が従来研究の予測より遥かに
高くなれば、海洋隔離の実施意義が増すものと考えら
れる。
30
-
-
表 3-1-19 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その8)
テーマ名
年度
概 要
目 標
成 果
終了後
・優良種の評価と交配種の作出では、①
優良種30の収集、②年間降水量500mm
以下でも成長速度が早い種の確保、③
高含油・高生産種の確保、④1種類の交
配方法、⑤10通りの組み合わせの交配
を行う。
・遺伝子組み換え方法の検討では、①組
織培養1方法の確立、②遺伝子導入可否
検討 を行う。
・世界各地(アジア、中米、アフリカ等のほとんどの
Jatropha産地)からJatrophaの優良種を積極的に収集し
た。この中から、生産性が高い品種、油含量が高い品
種、また成長速度が早い品種などを、基本データの測
定結果及び比較栽培実験の結果に基づいて選抜し
た。
・また、Jatropha組織培養法や遺伝子組み換え法に関
する実験を行うことで、分子育種法の確立のための知
見及び基本データが蓄積された。
-
1
・10種の植物種からメタン資化性C1微生
物コンソーシアムを分離し、そこからメタ
ン資化性菌およびメタノール資化性菌を
植物から放出されているメタン それぞれ1株以上単離・同定する。
やメタノールを植物表層に棲息 ・C1微生物コンソーシアムの再構築によ
するC1微生物により、植物体上 るメタン酸化能を評価する。
(in situ)で効率的に回収・利用 ・また、尐なくとも5種類のメタノール資化
温室効果ガス回収型C1微 することを目的とし、温室効果ガ 性酵母由来メタノール誘導性プロモー
生物コンソーシアムによ ス回収型C1微生物コンソーシア ターを利用した蛍光タンパク発現株を作
るin situバイオマス利用の ムの最適化と、植物表層のC1化 成し、最適なプロモーターの選抜と定量
合物の測定技術の開発、さらに 性の評価、植物体でのメタノールの検出
基盤技術開発
ペクチンのメチルエステル基な を行う。
どのC1化合物をターゲットとした ・さらに、コドンを最適化した合成遺伝子
バイオマス増産技術の開発を行 の作成と2種類の発現プラスミドを構築
う。
し、酵母での発現を確認する。尐なくとも1
種類の発現プラスミドを持つ株について
は、植物体上でのPME発現効果の検証
を行う。
・様々な植物種からのC1微生物コンソーシアムを分離
し、コンソーシアム中のメタン資化性菌およびメタノール
資化性菌を同定。
・メタン酸化を促進するヘテロトローフを含むコンソーシ
アムを再構築できた。
・酵母メタノール誘導性プロモーターを利用して、メタ
ノール検出酵母を開発、実際に植物葉上でのメタノー
ルの検出・定量に成功。
・糸状菌由来PME発現メタノール資化性酵母株を作
成。
-
2
・K-Fe-O系複合酸化物が最も高い性能と安定性を示
すことが分かった。また、水蒸気処理後に高いCO2吸
収特性を示し、KHCO3/FeOxを生成することが明らか
となった。
Na、K、Fe、Ca、Mgなどクラーク ①大容量:1mol/mol以上のCO2吸蔵量
・水蒸気はCO2脱離には影響せず、水蒸気をキャリアと
数上位のユビキタス元素のみか ②高速:吸蔵1mol/mol?h以上、放出
するCO2濃縮に有利であることが分かった。
ら構成される塩基成分が細孔に 10mol/mol?h以上(温度スウィングプロセ
・CO2吸収の進行とともにKHCO3が細孔内に析出し複
高分散した試料を用いて、重炭 スを適用)
合酸化物の多孔性が消失し、CO2放出後は多孔構造
ユビキタス元素を利用す 酸塩形成/熱分解に伴うCO2吸 ③温度:吸蔵RT~500℃、放出200~
が再生されることが明らかとなった。
る大容量CO2ストレージ 収(常温)および放出(高温)を実 600℃
・室温と700℃の間で温度スウィングによって吸収放出
現する大容量CO2ストレージ物
④共存ガス:水蒸気、O2、NOx、SOx
物質の開発
を安定に繰り返すことが可能であることが明らかになっ
質を開拓し、本系に温度スウィン ⑤繰り返し耐久性:1000サイクル以上(温
た。RT-700℃のサイクル進行とともに放出温度が低下
グ法を適用して、低コストなCO2 度スウィングプロセスを適用)
し、120サイクル後はRT-300℃の温度スウィングでも吸
分離回収プロセスへの構築を検 ⑥コスト:1000円/t-CO2
収放出が可能となる現象を見出した。粒子成長が認め
討する。
⑦消費エネルギー:1.8GJ/t-CO2
られるが、放出速度は逆に向上することが明らかになっ
た。
・温度変化速度が速いほどCO2脱離速度が高く濃縮率
が高まることが分かった。
-
Jatrophaの基礎的な栽培データ
H19FY
8
Jatropha Curcas L.の優良種 の収集を行うと同時に、優良種
の交配及び形質転換系の の選定、交配方法、組織培養方
法、遺伝組み換え方法の検討を
作出の研究
行う。
H20FY
31
表 3-1-20 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その9)
テーマ名
年度
成 果
終了後
・広葉樹について前処理技術の検討を行ったところ、
針葉樹と同様に水熱処理の顕著な効果が見られた。
また、二酸化炭素を添加しない場合でも、条件次第で
充分な効果が得られることが判明した。これにより、酵
素糖化にて1トンのユーカリから256Lのエタノールが得
られる糖を生産できるとの計算結果を得た。
・キシラナーゼ高発現麹菌を用いて生産条件の検討を
行ったところ、カルボキシメチルセルロースを炭素源と
して用いることにより、セルラーゼの比活性を約5倍増
強した。また、この過程でT. reeseiと比較して10倍程度
高活性のエンドグルカナーゼを発見した。
-
4
塩水中CO2モニタリングの
ための全炭酸・アルカリ度
の現場計測技術の開発
・海底下に地中貯留されたCO2の海底面
での監視や、周辺環境中のCO2濃度の
長期モニタリングを目的とした計測システ
ムの開発を目指す。
・最終的には海底の現場で全炭酸・アル
カリ度が同時に測定可能かつ、測定誤差
は1%未満のシステム設計を行なうことを
目標とする。
・陸上において0.1%未満の精度を持つ
オープンセル式の全アルカリ度計測法を
基に、クローズドセルによる全炭酸・アル
カリ度同時滴定法及び、吸光光度法や電
極による現場終点決定法についての基
礎検討を行なう。
・PH電極と比色指示薬による終点決定法について検
討した結果、終点判定法には比色指示薬を用いる方
法が有効であること、分析精度はpH電極と比較して最
低でも2倍程度の向上が見込まれること、温度範囲は5
– 85℃で可能となりpH電極より広範囲で分析可能であ
ることが明らかとなった。
・比色指示薬を用いた終点判定を実施するため、分光
光度計から市販の光ファイバを用いて溶液中の吸光
度を計測する手法を検討したところ、陸上で光ファイバ
を完全に固定すれば測定は可能であったが、実際の
現場での使用は困難であることが明らかとなった。ク
ローズドセル化には、光源を小型化し、光ファイバを用
いることなく直接光学系をくみ上げる手法が有効であ
ることが分かった。
■プロジェクト研究にて利用
得られた知見を「二酸化炭
素地中貯留技術研究開
発」、「二酸化炭素貯留隔離
技術研究開発」プロジェクト
の中で利用
5
①微細液滴形成による界面積増大効果
およびマイクロチューブ内循環流による
攪拌効果により、従来の攪拌槽型反応器
に比べて10倍以上の反応速度を達成す
る。
②ジメチルエーテルを用いた塩基触媒下
のBDF合成における反応速度加速効果
植物油あるいは廃食用油からの
はすでに学術誌に発表、本研究では塩
バイオディーゼル合成を高効
バイオディーゼルの高効率
基触媒に比べて反応速度が1/1000であ
率、高速で行うため、マイクロリ
る酸触媒系に適用し、従来、10時間以上
合成法の開発
アクタ、均相反応法およびメンブ
の反応時間が必要であったものを数時間
レンリアクタを開発する。
に短縮
③メタノール/水系で水を選択的に除去
するゼオライト膜を作製し、浸透気化分
離条件で分離係数100以上を目標とす
る。
④ゼオライト膜を用いメンブレンリアクタ
の実験を開始する。
・ステンレス製マイクロチューブリアクタを用いたKOH触
媒下BDF合成では、油・メタノール相の微細化・内部循
環流により物質移動速度が増大するため、均相系に
匹敵する反応速度で反応が進行することを明らかにし
た。
・アルカリ触媒系では各種液体系エーテルと比較して、
ジメチルエーテルを共溶媒として用いた時、最も高い
反応率を得た。酸触媒としてp-トルエンスルホン酸を
用いた場合、反応温度80℃では2時間反応すると、ヒ
マワリ油の反応率は100%に達した。
・廃食用油用の新規固体アルカリ触媒としてリン酸カリ
ウム触媒を提案した。
・水選択透過性分離膜としてA型およびY型ゼオライト
膜を合成した。合成したA型およびY型ゼオライト膜を
設置したメンブレンリアクタ内で、KOH触媒下でブタノー
ルを共溶媒としてBDF合成を行った結果、反応場から
BDF合成を阻害する水分を除去できるので、膜を設置
しない場合に比べて反応率が増大した。
-
3
H20FY
概 要
目 標
ハードバイオマスの酵素糖化において世
未利用木質バイオマスから、軽 界をリードする革新的な技術開発を目標
微前処理と酵素糖化により、バ とする。
イオエタノールを安定して供給す ①木質バイオマス資化に適したオーダー
るための新規要素技術を開発す メード麹菌の作出および酵素大量生産技
る。
術を完成させること
木質バイオマスの酵素糖化 1) 酵素糖化における前処理技 ②軽微前処理法の改良により、木粉に含
術の開発
まれる糖成分の80%程度を加水分解す
と残渣リグニンの利用
2) 高結晶セルロースやヘミセル る酵素糖化法の確立
ロースを加水分解できるような ③残渣リグニンの機能性物質(水溶性抗
オーダーメード麹菌作出
菌剤など)への変換とその性能評価
3) 残渣リグニンの誘導体化によ ④ラボスケールのデータ解析によるエネ
る新規機能物質への変換
ルギー回収率、製造原価の試算
CO2関連の4成分(二酸化炭素
分圧(pCO2)、全炭酸、アルカリ
度、pH)のうち任意の2成分の
データを取得することで、他の2
成分は化学平衡式を用いて正
確に算出することが可能であ
る。本研究ではこのうち、アルカ
リ度・全炭酸に着目し、地下貯
留におけるCO2濃度の観測のた
めに、大深度水中におけるク
ローズドセル型現場滴定法の開
発を行う。
32
表 3-1-21 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その10)
テーマ名
年度
6
7
H20FY
8
電気透析を用いた二酸化
炭素回収法
概 要
目 標
成 果
・二酸化炭素回収法の実用化を目指し
て、消費エネルギー、コストの大幅低減 ・回収室の供給液濃度が高い条件、電流密度が小さ
のためのプロセス改良、最適化を行うこと い条件、透析セル数が多い条件でエネルギー所要量
を目的とする。
は低減されることが分かった。また、同じ経過時間での
バイポーラ膜を用いた電気透析
・本研究では、電気透析法による二酸化 電流効率は電流密度が大きいほど高かった。アルカリ
法によるCO2回収法に関し、
炭素回収実験を行い、各種の不可逆過 塩水溶液への吸収塔でのCO2の吸収割合が大きい条
CO2分離プロセスまで含めたコ
程の影響を定量的に明らかにし、その影 件のほうがエネルギー所要量は低く、電流効率が高い
スト面からの実用可能性の評価
響を低減するための方策の提案、実証を 傾向が見られた。
を行う。
行う。さらに吸収プロセスも含めた全プロ ・CMV, CMD, CSOの三種の陽イオン交換膜のうち、
セスの運転条件の最適化を行い、エネル CSO膜を用いたときに最も電流効率が高く、エネル
ギー、コスト面でのプロセス評価を行い、 ギー消費が小さくなった。
既存法と比較する。
更新統などの軟らかい地盤「軟
質地盤」は、わが国のCO2大規
模排出源近傍に広く存在してい
る。わが国のCO2貯留量ポテン
大規模排出源近傍の軟質 シャル増大のためには「軟質地
盤」への貯留を考える必要があ
地盤における帯水層貯留の り、とくに遮蔽層としての能力を
遮蔽層安全性検討
検討することが重要である。本
研究では、遮蔽層のCO2圧入時
及び貯留時の「力学的安定性」
および「シール能力(浸透性)」
の検討を行う。
水の完全分解により水素ガス
(H2)と酸素ガス(O2)の比が2:1
の混合ガスを発生する光触媒反
膜分離を複合化した光触媒 応器に水素分離膜を複合化し、
爆発限界の上限濃度を超える
水素製造プロセスの構築 高濃度の水素ガスを安全に製
造できる、化石資源によらないク
リーンで安全な水素製造プロセ
ス構築の基礎研究を行う。
CO2圧入時の軟質地盤の遮蔽層の安定
性検討実現のために
・わが国におけるCO2地中貯留可能な
「軟質地盤(第四系)」が分布する地域整
理
・遮蔽層、貯留層の関係する諸物性把握
・圧入の諸特性把握---(海外を含む)
・軟質地盤を対象にしたシミュレーション
による圧入諸条件,地盤への影響の検
討
・「軟質地盤」へのCO2地中貯留の成立
条件(遮蔽層(厚さ,強度,浸透性)の提
示
・実際のフィールドを想定した「軟質地盤」
の評価法(概略判定)の提示
・爆発限界の上限濃度(95%)を超える高
い濃度の水素ガスを製造できる光触媒-
膜分離複合化プロセスの開発を第一の
目標とする。
・光触媒による水の完全分解が、化石資
源によらないクリーンなエネルギー源とし
て実用化可能であることを実証する。
・複合化プロセスに用いる分離膜モ
ジュールの必要性能を明らかにする。
・H2/O2混合ガスの分離に適した膜素
材の設計指針も明らかにする。
33
終了後
-
・水-応力連成解析により、遮蔽層内部に発生する最
大せん断応力は数10 kPa程度であった。また、圧密降
伏応力は1000 m付近では12.5 MPa程度になっており、
今回の計算で得られた応力0.28 MPaの40倍程度で
あった。よって、CO2地中貯留に関して、この軟質地盤
の遮蔽層としての力学的安定性は十分であるとの結
論を得ることができた。
・地表面の隆起が起こることがシミュレーションの結果
で示され、その量は地表で10 cm程度であった。拡散
後、隆起は元に戻り弾性的変形であることが分かっ
た。
・ブレークスルー圧力を求めた結果、0.13 MPaとなっ
た。この値は今回の浸透流解析で得られた遮蔽層に
かかる圧力を下回る結果となった。しかしながら、地盤
の不均質性を粒度分布のバラツキから評価し確率的
考え方を用いると、遮蔽層の厚さが2 m程度あれば、
CO2は通過しないことを示すことができた。
■プロジェクト研究にて利用
得られた知見を「二酸化炭
素地中貯留技術研究開
発」、「二酸化炭素貯留隔離
技術研究開発」プロジェクト
の中で利用
・酸化ガリウム光触媒の水の完全分解反応の活性を
500倍近く向上させ、紫外光照射下ではあるが、H2と
O2の混合ガスを1時間当たり0.8リットル発生させること
が出来た。タンタル系複合酸化物光触媒も酸化ガリウ
ムと同様にまで高活性化できた。
・水を共存させたH2とO2の混合ガスに対する分離係数
は、炭素膜で14、ポリイミド中空糸膜で10であった。試
験用の分離膜のため、水素の回収率は1%であった
が、透過ガス中のH2濃度は、炭素膜の場合96%、ポリ
イミド膜の場合95%であった。
・分離膜を複合化した光触媒反応システムを作製し
た。回収率は1%未満であったが、炭素膜ではH2濃度
99%以上、ポリイミド中空糸膜ではH2濃度96%の透過ガ
スをそれぞれ得ることができた。光触媒反応器と分離
膜を複合化することで、爆発および燃焼の心配のない
H2濃度94%を越える水素ガスを安全に製造できること
を実証できた。
-
表 3-1-22 先 端的研究 研究概 要、目 標、および成果(その11)
テーマ名
年度
H20FY
9
概 要
目 標
成 果
終了後
・吸着層の高さや位置、ファンによる冷却の有無を変
え、吸着層の温度範囲を制御することにより、タール回
収率を変更可能であることを示した。総炭素収率は
・製造されるバイオコールの熱量の目標
74%、総熱量収率は71%となり、燃料として高い変換
値を石炭の熱量の28.9MJ/kgとする。ま
効率を達成できることを実証した。
た比重としては石炭の比重(1.5)と同程
木質系バイオマスを炭化する
・タールを全て回収できれば、炭化物とタールを合わせ
度を目標とする。
と、通常、原料中の炭素、熱量
た炭素収率は71%、熱量収率は72%を達成できる。ま
・既存の火力発電所で燃焼可能とするこ
の多くが失われる。これらの収
た、木酢液とガスにより原料の熱量の11%をプロセス
とにより、化石燃料に対しても経済的で
率を上げるために、炭化時の触
の熱源として利用可能であることを示した。
かつ大きなインパクトを与えられる規模の
媒技術の開発、炭化時に生成す
・ヒノキの木片原料に対してNaを約2wt%添加した場
バイオマス利用システムとする。
木質バイオマスからの新発 るタールを炭化物を用いて回収
合、触媒無添加に比べて炭化物収率が16%増加し、 ■企業との共同研究を検討
・バイオコールの製造時の目標としては、
し燃料利用する方法を検討す
タールと合計した炭素収率、熱量収率はそれぞれ
中
電燃料変換技術の開発
原料木質バイオマスに対して、製造され
る。また、発電時に問題となるア
11%、7%増加した。一方、Caを1wt%添加した場合、炭化
たバイオコールの炭素転換率を75%とす
ルカリの除去法の開発、炭化反
物収率は6%程度増加し、タールと合わせた炭素収率、
る。また副生する有機酸などの液体成分
応の物質収支・熱収支の解明お
熱量収率もそれぞれ約7%、約6%増加した。1wt%の同
への炭素転換率を10%とする。
よびプロセスの熱効率に関する
じ添加率ではCaの方が炭素収率、熱量収率増加に有
・さらに副生する可燃性ガス、液体の熱
検討を行う。
効であることを示した。
回収により、60%以上のエネルギー回収
・Naは炭化時にすでに原料中の4割が揮散し、粉砕し
率を達成することを目標とする。
てからの洗浄によりさらに1割を溶脱でき、合計で約5
割を除去できる。一方、Kは炭化時にほとんど揮散せ
ず、粉砕後の溶脱により5割程度を除去できることを明
らかにした。
34
A 成果の概要説明
つぎに、先端的研究および基盤技術研究の成果の概要について、CO2 の分離回収、CO2
の隔離、大規模植林とバイオマス利用、CO2 有効利用の各分野の戦略と合わせて以下に
説明する。
ⅰ CO2 の分離回収技術
<分野の動向と戦略>
技術戦略マップに示す様に「CO2 の分離回収・貯留技術(CCS)」は CO2 削減の重要
なオプションであるが、「分離回収工程」での消費エネルギーおよびコストが大きいこ
とが最大の課題である。現状での CO2 の分離回収コストは4,200円/t- CO2 程度(新
設石炭火力適用)であり、これを2,000円/t- CO2 にすることを目標とする研究開発
プロジェクトが実施されている。回収コスト2,000円/t- CO2 は十分に挑戦的な目標
であるが、この場合でも輸送・貯留を含めた CCS 全体のコストは排出源近傍の貯留層
が使用できたとしても3,000円/t- CO2 以上となることから、CCS の CO2 の削減策と
しての普及度を向上させるためには、さらなるコストダウンが必要となる。そこで、本
制度では、分離回収コストを2,000円/t- CO2 以下(さらに好ましくは1,000円
/t- CO2)とするような革新的技術の開発を狙った。CO2 の分離回収については世界中で
活発に研究がなされているが、本分野は我が国が得意な技術領域であり、今後世界をリ
ードできる可能性があることから、革新的技術の開発に注力すべきと考えた。
CO2 の分離回収技術としては、吸収剤(液体・固体)を用いて CO2 を吸収させる吸収
法や膜分離法がある。吸収法はすでに天然ガス、合成ガスからの CO2 分離法として実用
化されているものであるが、CO2 削減対策としては消費エネルギーやコストが大きいこ
とが問題であり、改善が必要である。一方、膜分離は圧力差を駆動力として分離を行う
方法であり、石炭ガス化複合発電(以下「IGCC」と略す。)などの圧力を持つガスに適
用すれば、消費エネルギー・コストを小さくできる可能性がある。このためには高透過
性・高選択性の分離膜の開発が必要である。このような状況を踏まえて、本制度では吸
収法、膜分離法を中心に様々な分離回収のシーズ技術の開発を行ってきた。本制度の成
果は研究開発プロジェクトとして発展している。(図3-1-3)
35
目標
研究開発目標
<
<現状>
現状>
化学吸収法では再生時の消費熱量が大きくコスト高
化学吸収法では再生時の消費熱量が大きくコスト高
分離回収コスト:4,200円/t-CO
分離回収コスト:4,200円/t-CO2(新設石炭火力)
(新設石炭火力)
2
分離回収
分離回収
コスト目標
コスト目標
2,000円/t-CO
2,000円/t-CO2
研究開発プロジェクト
長期目標
1,000円/t-CO
1,000円/t-CO2 2
台に
台に
2
次段階の開発
◆COCSプロジェクト(15~20年度)
吸収法 ・対象:製鉄所高炉ガス
・吸収液の探索、新規吸収液の開発
・実ガスを用いた耐久性能の確認 ・製鉄所廃熱利用システムの立案
◆分子ゲート膜 (18~22年度)
膜分離
・高CO2/H2選択性素材の開発
・低価格膜モジュール化技術
製鉄所からの
CO2回収プロジェクト
COURSE50
・耐圧性膜構造の構築
・膜の耐久性の確認
プログラム研究開発
革新的なCO2分離回収技術の開発(長期目標達成を狙う)
◆革新的な吸収法(化学吸収・物理吸収・物理吸着)
◆膜分離技術(高分子膜・セラミック膜)
研究開発
プロジェクト
図 3-1-3 CO 2 分離 回収分 野の戦略
イ
吸収法
分離回収時の消費エネルギーおよびコストの大幅低減のために、本制度ではこれまで
にないタイプの吸収法の検討を実施した(図3-1-4)。
すなわち、従来の吸収法では、
化学吸収法:常圧ガスからの吸収―加熱による CO2 再生
物理吸収法:圧力ガスからの吸収―減圧による CO2 再生
が中心であるが、本制度ではこれまでに検討されていない
液/液分離による再生
:イオン液体(先端的研究・基盤技術研究)
低温での減圧再生
:新規吸収促進剤(基盤技術研究)
圧力ガスの吸収―加熱再生:高圧ガスからの CO2 分離回収技術(基盤技術研究)
について検討した。また、イオン性液体の CO2 吸収剤としての可能性についても検討し
た。
なお、以降、基盤技術研究はテーマ名のみを示し、先端的研究はテーマ名とともに「先
端的研究」と記述した。
36
吸収法によるCO2分離の概念
吸収剤
+CO2
CO2 回収
吸収剤
吸収法と再生法の組み合わせ
CO2
吸収法
再生法
化学吸収液
加熱再生
B 化学吸収液
減圧再生
A イオン液体
冷却・液/液分離
ガス
吸収剤/吸着剤
再生
常圧
CO2を含ん
加熱
減圧
だガス
通常は 化学吸収法⇒加熱再生
物理吸収法⇒減圧再生
圧力
物理吸収液
減圧再生
C 化学吸収液
加熱再生
☆プログラム研究で従来にない吸収/再生法を検討しさらなる低コスト化を狙う
A. イオン液体(18~19年度) 先端的研究((独)産業技術総合研究所)
・新型吸収液であるイオン液体 (常温溶融塩)の検討 ・CO2と 吸収液を液/液分離
・消費エネルギーが従来の化学吸収法の1/3に削減できる可能性
B. 新規促進材による 吸収液再生法 (18~20年度)
・化学吸収液を用いて圧力差でCO2を回収
・CO2再生速度の高い促進材の開発
・低温で再生を行うため未利用の低温廃熱の利用が可能となり、エネルギー消費を削減できる
C. 高圧ガスからの CO2吸収分離技術 (19~21年度)
・化学吸収液/加熱再生による分離回収
・イオン液体比較検討を含む
・分離回収後ガス圧を維持できるので、昇圧工程でコストダウン
図 3-1-4 CO 2 分離 回収技 術の展開(吸 収法)
先端的研究「イオン液体を用いる CO2 物理吸収・再生プロセスに関する研究」(平成
18・19年度)では、常温で液体の塩であり、高いイオン伝導性を持つイオン液体の CO2
吸収剤としての適性を調査した。イミダゾール系イオン液体の CO2 吸収量がアニオンの
分子構造の違いにより敏感であること、CO2 吸収速度がイオン液体の粘性が大きくなる
と低下することから吸収時の粘性が重要な因子であることを明らかにし、再生工程を
「液/液分離」で行うことにより消費エネルギーを従来の化学吸収法の1/3に削減でき
る可能性があることを見いだした。本技術はさらに平成20・21年度に基盤技術研究
「高圧ガスからの CO2 吸収分離技術」の中で、イオン液体の改良と高圧条件での性能評
価試験を行うとともに、化学吸収法や吸着法とのエネルギー・コストの比較検討を行う
予定であったが、イオン液体の改良、性能評価試験は実施できたものの、エネルギー・
コストの算出には至らなかった。
「新規促進材による吸収液再生法の研究」(平成18年度~20年度)は、従来の加熱
再生を行う化学吸収法に対して、減圧再生を行うプロセスであり、再生温度が従来法に
比べて低下するため、これまで廃棄されてきた低品位の熱エネルギーの利用が可能とな
り、エネルギー消費を従来の1/3以下に低減できる可能性があることをを明らかにし
た。
「高圧ガスからの CO2 吸収分離技術の開発」(平成19年度~21年度)は、高圧条件
に適した新化学吸収液を開発して低エネルギー・低コストで分離回収するとともに、高
37
圧ガスのもつ圧力エネルギーの最適利用システムの開発により、CCS における分離回
収・圧縮工程の大幅なコスト低減を図るものであり、平成20年度には反応熱45
kJ/molCO2 を満足する低反応熱アミンを3種見出した。また、本アミンを用いた高圧ガ
ス(CO2 分圧:1.6MPa)からの CO2 分離回収時の圧縮工程込みの消費エネルギー試
算を行い、現状技術である MDEA 使用時の13%までエネルギーが削減される結果を得
た。さらに、平成21年度には放散圧4MPa では分離回収コスト1,500円/tCO2
時の圧縮含む想定分離回収エネルギー1.5GJ/t-CO2 にほぼ等しくなること、また、IGCC
の実ガス試験(4 日間)を行い液务化のないことを確認した。
ロ
膜分離法
本制度では将来に向けた分離技術として膜の優位性に着目し、高分子膜およびセラミ
ック膜に関して先端的研究、基盤技術研究を実施した。
平成14~16年度に「高分子膜による CO2 分離技術の開発」を行った。これは、
「既
存の支持膜の表面にアミノ基を持つ分離機能層を in situ に付着させる」という画期的な
アイデアである。本研究では、ピンホールフリーの分離機能層を形成する製膜技術が開
発 さ れ た 。複合膜の CO2 分離性能は、 圧力差あたりの透過流束( Permeance) が
3.5-7.5x10-10m3(STP)/(m2 s Pa)、CO2/N2 選択性が 100 以上と従来の高分子膜(同程度の
Permeance で選択性 35)に対して、極めて分離性能が高いものであった(図3-1-5)。
PG 高分子膜(14~16年度)
既存の支持膜に分離機能層をin situ複
合化→高機能で安価な分離膜を開発
METI補助地球環境国際研
究推進事業「分子ゲート機能
CO2分離膜の基盤技術研究
開発」 (14~17年度)
METI補助事業「分子ゲート機
能CO2分離膜の技術研究開
発」(18年度~22年度)
・分子ゲート機能を有す
る 高分子膜素材の開発
・製膜技術の開発
・米NETL共同研究
・高CO2/H2選択性素材の開発
・耐圧性膜構造の構築
・低価格膜モジュール化技術
・膜の耐久性の確認
PG 高密度官能基(17~19年度)
・表面にアミンを高密度化し、薄膜で分離効率アップ
-10
3
Permeance:3800 x10-10m3(STP)/(m2 s Pa)
CO2/N2選択性:740 (素材)
2
Permeance:3.5-7.5x10 m (STP)/(m s Pa)
CO2/N2選択性:100以上
(従来の高分子膜の選択性:35程度)
膜素材の研究
【先端的研究】(明治大)
高温高圧下でも使用可能な新規な二酸化炭素
選択透過型高分子膜の創製(16年度)
【先端的研究】(京大)
高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発
と評価(18年度)
図 3-1-5 CO 2 分離 回収技 術の展開(高 分子膜)
本テーマはその後、経済産業省補助事業の地球環境国際研究推進事業「分子ゲート機
能 CO2 分離膜の基盤技術研究開発」(平成14~17年度)での分離機能層の素材に関
38
する検討を経て、経済産業省補助事業「分子ゲート機能 CO2 分離膜の技術研究開発」
(平
成18年度~22年度)での分離膜モジュールの技術検討の段階まで到達している。ま
た、本技術は海外でも高く評価されており、CSLF(Carbon Sequestration Leadership Forum)
認定の研究プロジェクトに採用されており、米国エネルギー省傘下の NETL(国立エネ
ルギー技術研究所)と共同研究を実施している。
分離機能層の性能はアミノ基の密度と関係がある。「高密度官能基表面を有する新規
CO2 分離膜の創成」(平成17~19年度)では、分離性能を飛躍的に向上させるため
に、分離機能層の表面にアミノ基を高濃度化させる技術を検討した。従来のポリアミド
アミン(PAMAM)デンドリマーはアミノ基密度が12%であるのに対し、デンドリマー溶
液の液面にステアリン酸を展開し固定することで、アミノ基の密度を25%に向上させ、
素材の CO2 Permeance:3,800×10-10m3(STP)/(m2 s Pa)、CO2/N2 分離係数:740と大幅
な性能向上となった。
このほか、先端的研究「高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発と評価」(平成
18年度)ではポリ(ジフェニル)アセチレン系の膜素材の研究を実施しており、通常の高
分子膜の性能限界(Robeson の上限)を超える性能を得ている。これらの成果も取り入
れ、より分離性能の高い高分子膜の開発が実施されている。
セラミック膜は、高分子膜に比し強度が大きく、高温で使用できるという特長を持つ
ことから、高分子膜と並行して開発を進めてきた。
「CO2 分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオライト膜の開発」(平成15
~17年度)では配向性の優れたゼオライト膜の製膜技術を開発し Y 型ゼオライト膜で
CO2/N2 選択性が69と有機系のカルド型ポリイミドを凌駕する性能を達成した。また、
シリカ膜にアミン処理することで、100℃で CO2/N2 選択性が50~800となるシ
リカ-有機複合膜も開発した。透過率/選択性の性能はセラミック膜では世界のトップク
ラスにある。本テーマはスタンフォード大学の GCEP(Global Climate and Energy Project)
(平成17~22年度)のテーマとして採択された。
ゼオライト膜については先端的研究「高い CO2 分離機構を有する新規の CO2/CH4、
CO2/N2 分離用の高性能 DDR ゼオライト膜の創製」(平成17・18年度)が研究され
ており、CO2/CH4 分離係数が500以上、Permeance が 62×10-10m3(STP)/(m2 s Pa)以上と
セラミック膜でトップクラスの性能を示す膜が開発された。
膜分離では圧力差を駆動力として分離を行うため、石炭等のガス化後の圧力ガスから
CO2 を分離する「燃焼前回収」に用いるとよりその利点が活かせる。この場合の対象ガ
スは H2/ CO2 である。CO2 を分離回収するという方法とともに、水素分離膜で H2 を分離
するという選択肢もある。
「CO2 分離回収型高効率水素製造のための基盤技術開発」
(平
成17-19年度)では、石油の改質ガスから水素を分離する水素分離膜と水素分離後の
ガスから CO2 を吸着分離し改質器にリサイクルするシステムを検討した。水素分離膜と
してはパラジウム圧延膜が知られているが、高価なパラジウムを使用するため非常に高
価である。そこで、本研究ではパラジウムをアルミナに高分散し、使用量を削減するこ
39
とを検討した。本研究では、パラジウム使用量を従来型パラジウム圧延膜の1/100に
削 減 し た 膜 厚 5 00 nm の パ ラジ ウム - シ リ カ 複 合 薄膜 で 、 圧 延 膜 と 同程 度の
Permeance:4.6×10-8 m3(STP)/(m2 s Pa)、H2 分離係数:610の性能が得られ、また
100時間の耐久性も確認した。
CO2分離膜
ナノ制御膜開発(GCEP)
17~22年度
PG 配向性ゼオライト膜の開発(15~
~17年度)
)
・100℃以上の高温でCO2選択性を発現するシリカ-
有機複合膜を開発。
・CO2/N2選択性:50~800
より微細に構造を制御した無機製膜
の可能性
・分離素材の検討
・支持膜素材の検討
無機(-有機ハイブリッド)膜
(表面修飾) 膜
剛直な無機細孔壁
【先端的研究】(長岡技科大)
DDRゼオライト膜 (17・18年度)
CO2親和性の向上
大型化
耐久性
検討
塩基性サイト
Si(OCH2CH3) 3 NH2
H2N
Si
OH
OH
APS : NH 2
O
【先端的研究】(大阪府大)
ミクロ細孔ネットワークバルク材
(17・18年度)
NH2
O
Si
O
Si(OCH 3)3
CO2分離型水素製造向け水素分離膜
PG 水素分離膜(17~
~19年度)
)
Pd
・多孔質アルミナのメソ細孔
薄膜細孔内にPdを高密度
充填した新コンセプトの
Pd膜
・Pd使用量がPd圧延膜
の1/100で同等性能
大型化
耐久性
検討
ガス化炉
シフト反応への適用
図 3-1-6 CO 2 分離 回収技 術の展開(セラミック膜)
膜分離では透過ガスの透過性(Permeance)と選択性(分離係数)が重要である。選択性
は分離後のガスの純度に関係し、透過性は処理能力(すなわち、必要な膜面積)を決定
し、コストに大きな影響を与える。CO2 濃度40%で4MPa のガスを Permeance :7.5x10-10
m3(STP)/(m2 s Pa)、CO2 分離係数:100、膜単価が5万円/m2 の分離膜で一段分離する
とき、分離後の CO2 純度が94%となり、分離回収コストは2,000円/t- CO2 を切る
という計算結果があることから、コスト目標到達のためにはこれ以上の分離性能(図3
-1-7の期待される領域)が必要であると考えられる。開発した高分子膜(デンドリマ
ー)はこの性能に届いているが、無機膜は選択性の向上が必要である。また、アミノ基を
高密度化させた高分子膜は素材として極めて優れた性能を持っていることがわかる。
40
1000
期待される
領域
CO 2 selectivity
100
10
1
○ Zeolite T ( Cui et al (2004)
△ Na-Y Kusakabe et al (1997)
□ K-Y Kusakabe et al (1999)
Cs/Na-Y Kusakabe et al (2002)
◇ SAPO-34 Poshuta et al (2000)
▽ Silicalite (303K, 10/90) Ando et al (1998)
× K-ZSM-5 (323K, 50/50) Masuda et al (1998)
× B,Na-ZSM-5 (300K, 86/14) Bernal et al (2004)
□ Cardo polyimide (298K, 20/80) Kazama et al (2002)
□ dendrimer (313K, 5/95)
○ Na-Y This study
○ APS-MCM-48/Al2O3(spin) (313K, 20/80) This study
0.1
10-13 10-12 10-11 10-10 10-9 10-8 10-7 10-6
zeolite T (Cui et al. (2004))
Na-Y zeolite (Kusakabe et al. (1997))
K-Y zeolite (Kusakabe et al. (1999))
Cs-Y zeolite (Kusakabe et al. (2002))
SAPO-34 (Poshuta et al. (2000))
silicalite (Ando et al. (1998))
K-ZSM-5 (Masuda et al. (1998))
B-, Na-ZSM-5 (Bernal et al. (2004))
Cardo polyimide (Kazama et al. (2002))
Dendrimer (高分子膜)
Silicalite (配向性)
Na-Y zeolite (配向性)
TA-MCM-48/Al2O3 (in-situ) (配向性)
APS-MCM-48/Al2O3 (spin) (配向性)
DDRゼオライト
高密度表面
CO2 permeance (m3(STP)·m-2·s-1·Pa-1)
図 3-1-7 本制 度で開発 した分離 膜の性能比較(CO 2 /N 2 )
ハ
吸着法
省エネルギー型圧力スイング吸着法による新規 CO2 分離回収技術の開発(平成20・
21年度)では、高圧ガスからの吸着分離法による省エネルギー型の CO2 分離回収技術
の開発をめざし、プロセスガス中に含まれる水蒸気の影響を受けにくい、高圧ガスから
の分離に適用可能な新規 CO2 吸着剤の開発をめざした。平成20年度には水分の影響を
受けず高圧条件下に適した疎水性吸着剤を開発でき、本吸着剤の物性値を元に、IGCC
の CO2 回収に適用する場合の消費エネルギーの算出を行った結果、分離回収エネルギー
およそ0.5GJ/t- CO2 と極めて省エネルギーのプロセスになりうることが示された(図
3-1-8)。また、平成21年度には、水蒸気の共存下で CO2 回収量3.6mol/kg を
達成。さらに、小型 2 塔式連続吸着試験装置で数十回の繰り返しレベルで安定性を確認
した。本技術による CO2 分離回収時の所要エネルギーは0.46GJ/t-CO2 と計算され、
このときの分離回収コストは昇圧こみ1,813円/t CO2、昇圧なし719円/t CO2 と試
算された。
41
• H2Oを吸着することなくCO2を吸着する吸着剤を開発 →
プロセス成立性の検証 目標: <1,500円/t-CO2, <1GJ/t-CO2
従来型lCO2-PSA
提案法:省エネ型 CO2-PSA
N2, O2
燃焼
排ガス
(常圧)
H2, CH4, H2O
疎水性
吸着剤
ゼオライト13X
(親水性)
除湿塔
CO2
真空ポンプ
CO2
除湿塔・真空ポンプが不要
→ 省エネルギー型CO2分離回収技術
多大なエネルギーの消費
6
Adsorbed CO2 [mol/kg]
高圧ガス
(IGCC,
天然ガス)
RITEsorb-1
5
CO2ローディング差:3.6 mol/kg
4
RITEsorb-2
3
DDR
Silicalite
2
1
分離回収
エネルギー試算
0.5 GJ/t-CO2
(動力+降圧分)
13Xゼオライト
0
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
CO2 partial pressure [kPa] Temp: 313 K
図3-1-8
新規 CO2 分離回収吸着剤の開発
そのほかに固体の化学吸収剤として酸化亜鉛の利用(「酸化亜鉛を活用した CO2 分
離・回収技術(亜鉛法)の開発」)を検討(平成16・17年度)したが、アミン吸収法に
対する優位性が見いだせないため断念した。また、セラミック膜の新製造法として先端
的研究「粒界制御による 3 次元ミクロ細孔ネットワークを持つ多孔体バルク材料の合成
と CO2 分離性能評価」
(平成17・18年度)では水熱プレス法を検討したが、得られ
た膜の CO2 分離特性が低く開発を断念した。
ⅰⅰ CO2 隔離技術の開発
<分野の動向と戦略>
本分野においては、削減ポテンシャルの大きく、かつ低コストで安全な CO2 の隔離技
術の開発が重要である。本事業の実施期間においては、すでに CO2 海洋隔離と地中貯留
の技術開発が実施されていた。
海洋隔離は、その有効性と安全性について国際的な理解を得ることが急務であり、経
済産業省補助事業「二酸化炭素の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発」において海洋
生物などの環境への影響についての科学的な知見が集積されたが、実施にはまだ相当の
42
時間がかかることから、技術戦略マップでは CO2 の地中貯留を優先して進めるべきとさ
れた。
地中貯留では「2020年に帯水層(地下深部塩水層)貯留の本格適用のための技術
確立を行う」という目標が掲げられ、これに向けて経済産業省補助事業「二酸化炭素地
中貯留技術研究開発」や「二酸化炭素貯留隔離技術研究開発」において帯水層での CO2
貯留試験、貯留層探査、モニタリング、長期挙動シミュレーションなどの研究が実施さ
れている。
そこで基盤技術開発を目的とする本事業では、上記の研究開発の状況を鑑み、2つの
アプローチで技術開発を実施することとした(図3-1-9)。第一は2020年の帯
水層貯留の本格適用以降に実現する長期的なテーマであり、従来の地中貯留や海洋隔離
とは異なる隔離メカニズムを有する隔離技術を開発することである。第二は先進的なモ
ニタリング技術などの、現行の地中貯留に直結できる革新的な要素技術の開発である。
イ
新概念の CO2 隔離技術の開発
「深地下・海底環境利用による CO2 地殻化学固定・ハイドレート固定のための基盤
技術の開発」(平成14~16年度)では、海底の環境が高圧かつ低温であり、CO2 が
周辺水と化合してハイドレート化する環境であることに着目し、海底面下の軟弱な堆積
層に液体 CO2 を注入・ハイドレート化させ、堆積層の間隙を閉塞させることにより、人
工的に天盤被覆層を形成させる技術について検討を行った。その結果、水深500m、
温度4℃、地温勾配0.03℃/mの海底では、ハイドレート生成領域が海底面から深度
170mの範囲にあり、CO2 の注入を 1 万トン/日で行うときの CO2 の海底面への到達
時間(約330時間)がハイドレート化による流動停止時間(3時間)より充分大きく、
天盤被覆層が形成可能と判断された。また、本技術が適用可能な沿岸海域(水深500
m以上、海底温度4℃以下、堆積層の厚さ1000m以上)は、日本海及び北海道・東
北の太平洋沿岸に広く存在していることを明らかにした。
43
2020
帯水層(地下深部塩水層)貯留開発
本格適用
帯水層への貯留拡大
と他の地下利用適用
帯水層貯留に関わる革新的な要素技術の開発
・【先端的研究】(京大)流動電位法モニタリング(H16FY)
・PG シール層安定評価技術の開発(H16FY)
・PG 常設モニタリングシステムの開発(H19-20FY)
新概念のCO2隔離技術の開発
PG ハイドレート固定
(15~17年度)
PG 蛇紋岩体固定
(16~18年度)
蛇紋岩体
CO2圧入
・海底下にCO2を圧入
しハイドレートを
形成させてCO2を固定
透水性計測
水質分析
PG ジオリアクター
(18~20年度)
・Mgを多く含む
蛇紋岩帯に
CO2を注入し
鉱物固定。
・葉片状蛇紋
岩では13,000
トン/年、塊
状蛇紋岩では
138,000トン/
年のCO2の圧
入が可能
PG人工湧昇流海域に
おけるCO2吸収量評価
(15~17年度)
【ジオリアクターを用いた貯留法】
ジオリアクターを用いた貯留法】
蒸気+N2など
丌飽和CO2溶解水
リサイクルライン
気液分離装置
注入井
大規模排出源
地下水面
パイプライン
輸送
自然注入
自然上昇
N2+
丌飽和CO
丌飽和CO2水
(二相流)
排ガス+
排ガス+水
~100℃
100℃
人工キャップロック形成
(方解石等)
岩石+CO
岩石+CO2
→方解石
熱
~200℃
200℃
・地熱地帯でCO2を岩石
と反応させ鉱物固定
・人工湧昇流にともなう
植物プランクトン増殖に
よるCO2吸収・固定量を
算出する評価技術の開発
図 3-1-9 CO 2 隔離 技術の展 開
「蛇紋岩体の地化学環境を利用した原位置試験による CO2 地中鉱物固定のための基
盤技術の開発」
(平成16~18年度)では、MgO を含む蛇紋岩帯に CO2 を圧入し、化
学反応によって CO2 を固定する可能性について検討した。北海道日高町岩内岳で圧入試
験を実施した結果、蛇紋岩体内部で CO2 が固定されている直接の証拠が得られた。また、
物質移行を計算し、CO2 貯留評価モデルを構築し、7,000~71,000トン/年の
速度で CO2 圧入が可能であることが算出された。本結果から CO2 の圧入年数を20年間
と想定したときの CO2 貯留ポテンシャルは11億1千万~14億7千万トンと計算さ
れた。
また、
「ジオリアクターによる排ガス中 CO2 の地中直接固定化技術開発」(平成18年
度~20年度)では、排ガスと水を地熱岩盤中へ注入し、CO2-水-岩石の反応により、
CO2 の貯留及び炭酸塩固定化することを現地実験によって実証した。また、年間 1 万ト
ン規模の CO2 圧入時のシミュレーション解析を行い50年で圧入 CO2 の40%、数百年
でほぼ100%が炭酸塩固定することを確認した。さらに、同規模30年間圧入する場
合の概念設計を実施した。
一方、
「人工湧昇流海域における CO2 吸収量の評価技術の開発」
(平成15~17年度)
では、海底に設置された構造物によって引き起こされる人工湧昇流によって、下層の栄
養塩が上層に移行し、これに伴って植物プランクトンが増殖し、CO2 吸収・固定すると
いう新しい CO2 固定システムについて、CO2 固定量を算出する評価技術を開発した。長
崎県生月島沖の構造物を設置した海域について現地調査、水槽実験、モデル計算を行い、
120×60×12mの構造体につき CO2 固定量が約900~約5,000t- CO2/年と試算した。
44
表 3-1-23 新 概念の CO 2 隔 離技術の比較
テーマ名
貯留場所
貯留メカニズム
深地下・海底環境利用に
水深500m 以上、海
キャップロックに不備の
CO2 地 殻 化 学 固 底温度4℃以下、堆積
ある場所でもハイドレー
ポテンシャル評価に
は至らず
よる
定・ハイドレート固定の
層の厚さ1000m
ト形成によってシール層
ための基盤技術の開発
以上の海底下の地中
を形成
ポテンシャル
蛇紋岩体の地化学環境
を利用した原位置試験
による
CO2 地中鉱物固
蛇紋岩帯
定のための基盤技術の
蛇紋岩帯と MgO 等と反応
11億1千万~14
して化学的に固定
億7千万 t- CO2 程度
開発
ジオリアクターによる
排ガス中
CO2 の地中直
接固定化技術開発
高温岩体
岩体の成分と反応して化
地熱帯
学的に固定
人工湧昇流海域におけ
る
CO2 吸収量の評価技
表層に栄養供給してプラ
海底
ンクトン増殖、プランクト
術の開発
ンが海底に沈降して隔離
11.8億 t- CO2
120×60×12m
の構造体につき約9
00~約5000t-
CO2/年
これらの技術シーズは、その有効性が本基盤技術によって明らかにされたが、実施ま
でには実証試験を含めた多数の検討が必要である。これらの技術は。まずシーズとして
確保しておき、今後の地中貯留の実施展開状況を見据えた上で、本格的な研究実施の検
討に着手すべきものと考える。
ロ
CO2 貯留の革新的な要素技術の開発
常設型モニタリングシステムの開発:地中に貯留された CO2 の挙動を長期にわたって
継続的に、精度よく監視することは、貯留の安全管理の面から重要である。現在のモニ
タリング手法は観測時に震源とセンサーを設置するもので、常時モニタリングが実施で
きるものではない。先端的研究「帯水層に圧入された二酸化炭素挙動のモニタリングに
関する実用化技術開発の研究」(平成16年度)は流電電位法を用いた常設モニタリング
の提案である。また、「CO2 地中貯留のための常設モニタリングシステム構築に必要な
海底計測機器開発の基礎的研究」(平成19・20年度)は海底に地震センサーを常設
するシステムの構築を行うものである。本基盤技術においては、常設モニタリングシス
テムの概念、必要精度、必要機器、解決すべき課題などが検討され、また野外実験によ
って発震位置の高精度の再現が可能であることを確認された。また貯留層変化の観測精
度と発震点数、受信点数との関係を求められた。基盤技術研究において概念設計が可能
となったことから、経済産業補助事業「二酸化炭素貯留隔離技術研究開発」に移行し、
本格的な検証試験を実施中である。
45
ⅰⅰⅰ 大規模植林とバイオマス利用
<分野の動向と戦略>
CO2 の分離回収・貯留(CCS)と並んで重要な CO2 削減技術は「大規模植林による CO2
の吸収固定」である。植林による炭素固定のポテンシャルは世界で6,170億 t- CO2
あり、現状での固定化コストは1,800~3,600円/t- CO2 程度である。一方、大
規模植林は食料生産等と土地利用において競合するので、「単位面積あたりの固定量の
増大」と「これまで植生のなかった土地への植生拡大」の技術開発が必要である。この
ため、技術戦略マップでは「2015年に単位面積あたりの固定量を現状の1.5倍、
適用降水量500mm にする」ことを目標においたロードマップを示している。
植林により CO2 を土地に固定するとともに、固定されたバイオマスをエネルギー等と
して利用することも、CO2 削減量増大のために極めて重要である。利用可能な土地は限
られており、土地に CO2 を固定するだけでは CO2 固定量に限界があるが、バイオマスと
して固定された炭素をエネルギー等に利用することができれば、継続的な化石資源の削
減が可能となるからである。
植物によるCO2の吸収・固定は
CCSとならぶ重要なCO2削減策
・炭素固定ポテンシャル:6,170億t-CO2
・固定化コスト:1,800~3,600円/t-CO2
エネルギー等
への利用
土地への固定化
単位面積あたりの
CO2固定量の増大
乾燥地等への
植生の拡大
産業利用の拡大
による植生拡大
バイオマスの
革新的利用
2015年に
固定量1.5倍
2015年に適用降水
量500mm
油糧植物その他
糖化技術
変換技術
基礎技術開発
基礎技術開発
プロジェクト研究
企業との共同研究
プロジェクト研究
西オーストラリア
等での検証
企業との共同研究
ベンチ・パイロット
例)ホンダ等
(バイオエタノール等)
図 3-1-10 大 規模植林・バイオマス利 用の戦略
バイオマス利用としては発電や熱エネルギー利用とともに、「液体エネルギーへの変
換」が積極的に検討されている。発酵法によるエタノール生産(バイオエタノール)はそ
の中心となるもので、世界で活発な開発がなされている。一方で、従来のトウモロコシ
やサトウキビなどの食料となるバイオマスを利用したエタノール生産には、食料供給を
46
逼迫させ価格高騰を引き起こすなどの問題が指摘されている。これらの観点から技術戦
略マップには「食料と競合しないバイオマスからの革新的なエネルギー・有用物資生産
技術」の必要性が示され、本制度の中でも様々な革新的技術の検討を実施した。
本制度によって開発された技術は経済産業省補助事業の地球環境国際研究推進事業
「多様生物ゲノム高度利用による植生(CO2 吸収源)拡大基盤技術開発」(平成15~1
9年度)、NEDO 微生物機能を活用した高度製造基盤技術開発「バイオリファイナリー技
術の開発」(平成18~22年度)等のプロジェクト研究や企業との共同研究に展開され
ている。後述の大規模植林では西オーストラリアでの植林地での実証試験を実施した。
また、バイオマス利用ではコハク酸、エタノール、水素、ブタノールについて企業との
共同研究が実施されている。
イ
大規模植林
「2015年に単位面積あたりの固定量を現状の1.5倍、適用降水量500mm に
する」という目標を達成するためのアプローチとしては、「遺伝子組換え手法」と、挿
し木などのクローン化や土壌改良などの「非遺伝子組換え手法」がある。遺伝子組換え
手法は植物の大幅な改良が可能であるが、一方環境安全面での危惧から抵抗も大きく、
実用化までに相当の時間がかかることが予想される。そこで、早期実現のために、「非
遺伝子組換え手法」の研究を並行して実施した。
二酸化炭素大規模固定化技術開発(15~19年度)
(19・20年度)
(19・20年度)
図 3-1-11 大 規模植林関 連テーマの展開(1)
47
平成14~16年度に「遺伝子組換え(形質転換)」による単位面積あたりの CO2 固
定量の増大、乾燥地等への植生拡大の手法として、「植物葉緑体の異種蛋白質大量発現
系利用による大気中 CO2 固定能増強のための基盤技術の開発」を実施した。本技術は従
来の核での形質転換ではなく、植物の葉緑体での形質転換を行うもので、「導入遺伝子
が安定的に発現できる制御技術を開発」、「ラン藻 FBP/SBPase 遺伝子をタバコ葉緑体に
形質転換させ CO2 固定能1.8倍、生長量1.5倍の能力を有する植物を創生」、
「ポプ
ラの葉緑体形質転換の成功」などの成果を得た。
本基盤技術研究の成功によって、本技術は経済産業省補助事業「二酸化炭素大規模固
定化技術開発」 (平成15~19年度)に発展するとともに、その後、本事業の多くの基
盤技術研究に利用されていった。
「植物による CO2 固定能力増強をめざした光合成ソース機能改良技術の開発」(平成
16~18年度)は、植物の生長増大のために、生長をつかさどる「光合成機能の増強」
を「葉緑体形質転換」で行おうというものである。光合成能力の高い Pyrococcus
kodakaraensis 由来のルビスコ遺伝子を植物の生育温度領域でも性質が発揮できるよう
に改変し、葉緑体に導入した。また、ルビスコ周辺の CO2 濃度を高める代謝系の導入に
ついても検討した。改変ルビスコ導入については、ルビスコ改変・形質転換体の作出に
時間がかかり、性能評価までは至らなかったが、CO2 濃度向上のためホスホエノールピ
ルビン酸カルボキシキナーゼの発現では野生型と比較して2倍程度の成長増大が観察
された。
乾燥地等への植生拡大のためには、乾燥等の環境ストレスに対する植物の応答を解明
し、それを利用するというアプローチがとられる。植物の環境ストレス応答のメカニズ
ムにはいろいろなものがあり、先端的研究でいくつかのメカニズムの検討とその有効性
検証を実施してきた(表3-1-24)。
48
表 3-1-24 遺 伝子組換 えによる乾燥等のストレス耐性(先端 的研究)
テーマ名
実施
年度
ストレス耐性
メカニズム
検討結果
アフリカ・ボツアナで乾燥強光
下の野生スイカを調査
H16FY
・メタロチオネイン(CLMT3)の
蓄積
・熱ショックプロテインの増加
選択的 RNA スプライシ
環境ストレス下で 選択的 RNA スプライシング産
ングによる植物の多面
引き起こされる選 物を強制発現させ環境ストレ
H17FY
的環境ストレス耐性の
択的 RNA スプラ ス耐性植物を産出
付与(先端)
イシング*
・本検討の範囲では効果なし。
形質転換技術を利用し
フルクトースビストリン酸アルドラーゼ
たレドックスシグナル
活性酸素を消去す (FBA1)がグルタチオンと結合
の制御による高速生長、 H18FY
る酵素グルタチオ して植物の生長を促進。
高 CO2 固定型の植物創製
ン
・FBA1 の導入によりバイオマ
技術(先端)
ス量および種子収穫量が増加。
CO2 応答性突然変異株の動作を
乾燥ストレス下で
高 CO2 固定植物の創製に
検討
の気孔閉塞メカニ
向けた高等植物の CO2 感 H18FY
気孔開閉にはプロトン-ATase
ズム -シグナル伝
知機構の解明(先端)
の活性化が関与
達経路の解明
変異体のキナーゼが鍵酵素
*m-RNA 前駆体から異なった組み合わせ配列を持つ m-RNA が作られること
野生の乾燥強光耐性 C3
型植物に由来する有用
遺伝子資源を用いた緑
化展開(先端)
環境ストレス下で
増加する遺伝子を
同定
また「葉緑体工学による活性酸素制御モデル植物での HDP-APX システム強化」(平
成19・20年度)では、乾燥ストレス応答の一つである活性酸素生成を緩和する2つ
のメカニズム(熱散逸とアスコルビン酸ペルオキシターゼによる活性酸素消去)を強化
して、乾燥耐性の向上を検討したが、植物の明確な性能改良には至らなかった。
遺伝子組換えによらない植生拡大のための技術開発として、「高ストレス耐性ユーカ
リの迅速選抜法の開発」(平成19~21年度)では、西オーストラリアの半乾燥のユ
ーカリ植林地における生育の個体差に着目し、これまでに検討した環境ストレス応答メ
カニズム解析の結果を利用して乾燥に対する優良種を迅速に選び出すマーカーを開発
しようというものであった。本テーマではこれまでに先端的研究等で実施してきたスト
レス耐性のメカニズムや遺伝子に関する知見の十分な活用をはかった。自然界より単離
されたストレス耐性ユーカリを用い、精英候補3系統の耐乾燥性、水利用効率等の違い
を見出した。これらの違いについて、炭素安定同位体比の違いにより説明できることが
でき、精英樹探索のマーカーとなりうることを示した。平成21年度には DNA マーカ
ーの検討を行った結果、31種類のプライマーにおいて再現性のある遺伝子増幅が確認
された。うち13種類のプライマーにおいて系統間で異なる遺伝子増幅が確認され尐な
くとも 3 系統の系統識別が可能な RAPD マーカーが単離した。
また、
「森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性樹木の開発」
(平成14
49
~16年度)では、樹木に施肥や薬剤散布を行うことによって簡便に環境ストレス耐性
を付与する技術を開発した。薬剤(シトクロム450)および CO2 溶解水、重炭酸イオ
ン水の灌漑施肥により樹木(ユーカリ)に環境ストレス耐性を付与できることが判明し、
ウニコナゾール-P処理により強光乾燥擬似環境下で初期成長量増加を確認した。これら
の方法は効果が確認されたが、継続的に施肥を行うことは、コスト面で問題があるため、
苗作成時の利用を検討している。
ロ
エネルギー・産業利用を容易にする樹木の改良技術
植林による CO2 の固定の他に、油糧植物の成長増大、油糧量の増大、セルロース利用
性の向上等のエネルギー・産業利用を容易にする植物の改良技術も重要である。これら
は技術戦略マップに「産業利用の拡大による植生拡大」として位置づけられている。
大規模植林関連テーマの展開(2)
植林にインセンティブを与える産業利用の拡大をはかる。
遺伝子組換えによる新植物の創製
遺伝子組換えによる新植物の創製
クローン化・栽培技術
クローン化・栽培技術
PG 葉緑体工学
PG セルラーゼ系酵素合成植物の創製
(17~19年度)
・植物でセルロース分解酵素(セルラーゼ)を生産
・破砕するだけで糖化する自己バイオマス糖化シス
テムを構築する
産業利用
産業利用
の拡大
の拡大
【先端的研究】(日本植物燃料)
Jatrophaの優良種交配・形質転換
植物の創成 (19年度)
・油糧植物であるJatropha優良種選抜
・形質転換のための基礎データ採取
PG 高効率エネルギー変換のための葉緑体
工学 (17~19年度)
・アブラヤシの油脂量
増大を狙う
・葉緑体工学をアブラ
ヤシに適用
・油脂量増大に寄与す
る遺伝子を決定
図 3-1-12 大 規模植林関 連テーマの展開(2)
「高効率エネルギー生産のための新葉緑体工学の確立」
(平成17~19年度)では、
アブラヤシの油糧増産をはかる目的で、「葉緑体形質転換」をアブラヤシに適用する検
討を行った。アブラヤシ細胞への遺伝子導入条件を決定し、遺伝子組換え細胞の選抜の
ための培養条件も決定した。現在、ベクターを導入した未熟胚を組織培養した。
また、先端的研究「Jatropha Curcas. L の優良種交配及び形質転換系の作出の研究」
(平
成19年度)では通常の穀物が育たない荒れ地や乾燥地で容易に栽培できる油糧植物と
して注目されている Jatoropha の優良種選抜、クローン化、形質転換の基礎技術開発を
行った。
「セルラーゼ系酵素を生産する植物の創製」(平成17~19年度)は「葉緑体形質
転換技術」によって、セルロース分解酵素であるセルラーゼを植物内に生産させ、粉砕
操作だけで糖化する植物を創製することを目指している。セルラーゼ系酵素(EGIII(エン
ド型グルカナーゼ)、XynA(キシラナーゼ A), XynB)をそれぞれ生産するタバコ葉緑体形
50
質転換植物を作出し、生産酵素を利用した再構成セルラーゼによってセルロースの糖化
が起こることを確認した。
ハ
バイオマスの革新的利用
大規模植林によって生産されたバイオマスのエネルギー等への利用技術としては「熱
利用」、
「混焼発電」、
「ガス化」などが現状技術としてある。また、アルコール等の生産
では、トウモロコシ・糖蜜などの糖を原料とした「発酵技術」が開発されている。本制
度ではさらに進んだ「食料として使用されないバイオマス資源を原料としたエネルギー
効率のよい革新的変換技術」を狙っている。
「食料として使用されないバイオマス資源」としては草本類や樹木があり、「エネル
ギー効率のよい変換技術」としては微生物変換技術がある。バイオマスを微生物変換さ
せるためには、バイオマス中のセルロース、ヘミセルロースを分解して糖とする「前処
理・糖化」技術と、糖からエタノール、水素などの様々な有用物質への変換を行う「有
用物質変換」技術の開発がポイントとなる。
バイオマスの前処理・糖化の従来法は硫酸を用いた加水分解処理である。しかしなが
ら、酸処理においては廃酸が生じ、リサイクル時に多量のエネルギーを消費する。この
ため、酵素による低消費エネルギー型の糖化法が検討されており、草本類については
DOE が多大な資金を酵素メーカーに提供し、工業的なセルラーゼ(セルロース分解)酵素
の開発が行われた。一方、樹木等のリグニンを多量に含むバイオマスについては世界的
でもまだ基礎研究の段階にある。以上の様に、前処理・糖化の課題は「酸を使用せずに、
いかに効率よく糖化を行うか」であって、草本類等のソフトバイオマスから樹木等のハ
ードバイオマスに次第に研究が移っていくと考えられる。
本制度では平成15~18年度に「微生物集団系システム創製による革新的バイオマ
ス変換プロセスのための基盤技術研究」を実施した。本テーマは自然界では多数の微生
物の協同作用によりバイオマスの分解が効率的に行われていることに着目し、微生物集
団系を人工的に構築しバイオマスの糖化を行うもので、従来の単一微生物による微生物
プロセスとは一線を画すものである。稲わらを高速で分解する微生物集団を選び、その
中の微生物を単離・同定・各微生物の機能検討後、単離した微生物を再構成しセルロー
スを安定かつ効率的に分解できる人工微生物集団を世界ではじめて作り上げた。メタン
菌や遺伝子改良したコリネ型細菌を微生物集団に導入すると、稲わらからのメタンやエ
タノールの生産性向上を確認した。工業的に利用するためには生産物質の単一化が必要
であるが、現状ではまだコントロールが難しい。
51
有用物質変換
有用物質変換
(有機酸、ブタノール、水素等の合成の革新的手法)
(有機酸、ブタノール、水素等の合成の革新的手法)
バイオマスの前処理・糖化
バイオマスの前処理・糖化
(ソフト・ハードバイオマスから糖変換の革新的手法)
(ソフト・ハードバイオマスから糖変換の革新的手法)
◆有機酸合成から水素やブタノール合成へ
◆ソフトバイオマスからハードバイオマス処理へ
ソフトバイオマス(稲わら等)
PG 微生物集団系システム創成
(15~17年度)
・バイオマス分解に際しての、
微生物集団の機能の解明
と利用方策の検討
ソフト+ハード
CO2の固定(有機酸)
【先端的研究】東大 16年度
微生物炭酸固定酵素の基礎解析
ハードバイオマス(樹木)
【先端的研究】京大 16年度
白色腐朽菌によるリグニン分解
PG CO2を原料とした微生物によ
る有用物質変換(16~18年度)
・CO2固定の効率アップ
水素
PG 革新的セルロース
糖化法(17~19年度)
・セルロソームによるソフトバイ
オマス分解
・リグニン分解
・ハードバイオマス用セルラーゼ
PG バイオシフト
(17~19年度)
・シフト反応の微生物触媒
PG バイオマスからの統合的
水素生産(19年度~)
(19・20年度)
・グルコースから12モルの水素
生産を狙う
【先端的研究】東北大 18/19年度
麹菌による分解・糖化技術
バイオリファイナリープロジェクト (NEDO)
・ソフトバイオマスの革新的糖化技術の開発
PG 深度地下微生物探索
(16~18年度)
・深度地下での菌探索
・糖、有機酸からの有用物質生産体系の確立
・石化プロセスを代替し、新規有用物質を生み出すシステムの実現
ブタノール
PG 次世代バイオ燃料製造
技術(19年度~)
(19・20年度)
・大腸菌組換えによるブタ
ノール生産
企業との共同研究
バイオエタノール:ホンダ
バイオエタノール:ホンダ
コハク酸:昭和高分子
バイオ水素:シャープ、ブタノール:出光興産
バイオ水素:シャープ
図 3-1-13 バイオマスの革新 的変換技術の展開
樹木ではセルロースがリグニンと極めて強固な結合を作っており、酵素がセルロース
に接触でないため、酸を使用しないで樹木の前処理・糖化を行うことは極めて困難であ
る。先端的研究「バイオエタノール生産のための選択的白色腐朽菌リグニン分解系の解
析と強化」(平成16年度)では、リグニンを分解させる能力のある白色腐朽菌で樹木
を処理したのち酵素糖化することを検討した。スギ材のエタノール分解率は腐朽菌処理
によって7→51%に向上し、リグニン分解によってセルロースがより分解されやすい
形に変化していることが検証された。
平成17年度には革新的なバイオマスの前処理・糖化技術を開発するために「タンパ
ク質複合体を利用した革新的なセルロース糖化法による CO2 固定化・有効利用のため
の基盤技術開発」を開始した。本テーマでは、既存のセルラーゼに比較して極めて高い
糖化能力を持つセルロソームを遺伝子組換え技術により物質生産能力に優れたコリネ
菌に移植し、効率的な糖化法を創出すること、またハードバイオマスについても、先端
的研究で実施した白色腐朽菌の研究を展開させ、効率的な糖化法を構築することを目的
としている。セルロソーム遺伝子のコリネ菌への組換えについては、基礎技術の検討が
終了し、NEDO 微生物機能を活用した高度製造基盤技術開発「バイオリファイナリー技
術の開発」(平成18~22年度)に移行した。
「バイオマスからのグリーンフューエル生産基盤技術の開発」
(平成20年度)では、
ハードバイオマス(木質系)や低品位バイオマス(食糧廃棄物等)、栽培系バイオマス(海藻
等)を効率的に低分子化し、代謝物をバイオ燃料に変換するバイオプロセスの基盤技術開
発を行った。先端研究で得られた白色腐朽菌による選択的なリグニン分解技術をさらに
52
発展させ、分解を制御する重要な鍵代謝物としてセリポリック酸の新規な誘導体を見出
し、脂質代謝物を合成するアシル CoA 合成酵素(ACS)遺伝子をクローニングし大腸菌
を宿为とした発現系を構築した。木質バイオマスの利用法としてはガス化法も一般的で
あるため、反応ガスからのバイオ法での燃料転換手法を検討した。バイオマスガス化成
分(CO)の代謝微生物の単離のためにスクリーニングを行い、5種類程度が集積し。
遺伝子の解析により嫌気性細菌を取得した。さらにこれらの培養代謝物から培養液中に
代謝されたエタノールを確認した。海藻の分解については、コリネ菌にアルギン酸代謝
系の遺伝子を入れた結果、オキシドリダクターゼ遺伝子を導入するとコリネ菌 R 株はア
ルギン酸での生育能を獲得することが分かった。
また、先端的研究「足場タンパク質を用いたセルラーゼ、ヘミセルラーゼの固体表面
への濃縮技術の開発」(平成19年度)を実施している。平成18年度の先端的研究に
おいて、麹菌の両親媒性タンパク質 RolA が生分解プラスチックなどの疎水性表面に結
合し、ポリエステル分解酵素を結合濃縮してプラスチック分解を促進する分解機構を見
出した。本技術をさらに発展させ、RolA を用いてセルロース分解系酵素をセルロース
系固体表面に濃縮することを検討したが、セルロース分解酵素で RolA に吸着するもの
は見いだせなかった。
つぎに、バイオマス糖化後の有用物資変換については、コハク酸、水素、ブタノール
などの有用物質の革新的変換技術の開発を実施してきた。
コハク酸は糖および CO2 を原料として微生物によって生産される。「CO2 を原料とし
た微生物による有用物質生産技術体系のための基盤技術の開発」
(平成16~18年度)
では、CO2 および糖の利用効率をあげることを狙った。CO2 組み込み機構の効率化によ
って、コリネ型細菌の細胞当たりの CO2 固定速度を従来コリネ型細菌の1.5倍に増加
させることに成功し、面積当たりでの従来光合成微生物バイオプロセスの50g CO2/m2/
day より格段に高い30,000 g- CO2/m3/day の CO2 固定速度を達成した。本成果は
NEDO 微生物機能を活用した高度製造基盤技術開発「バイオリファイナリー技術の開
発」に利用されている。なお、本研究では、先端的研究「微生物炭酸固定化酵素の特性
と進化系統に関する基礎解析」(平成16年度)で実施した CO2 固定に関する反応機構
解析の成果を利用している。
バイオマスからの水素製造については、バイオマスをガス化後、水性ガスシフト反応
によって水素と CO2 にする方法および微生物の糖代謝を利用して、ギ酸を経由して発生
させる方法がある。「革新的省エネルギー水素供給ステーション実現のための基盤技術
開発」(平成17~19年度)では、前者の水性ガスシフト反応を理論的に水素収率が
高い常温・常圧条件下で微生物を用いて行うものである。バイオシフト反応に優れた微
生物を選定し、関与する遺伝子を同定、大量培養条件を確定したが、活性安定性・反応
速度がまだ低いため、シフト反応制御因子として CO ガスによる水素生成誘導や制御に
関連すると予想されるタンパク質を見出した。また、「統合型水素生産システムによる
バイオマスからの高効率水素変換のための基盤技術開発(平成19年度~平成21年
53
度)では、糖からの「嫌気水素生産」とその代謝物である有機酸からの「高効率光水素
生産」を組み合わせた複合システムを構築した。従来の嫌気水素生成法のみでは、理論
最大水素収率はグルコース1モルから4モルであるが、本法では12モルとなる。20
年度には大腸菌への異種ヒドロゲナーゼ遺伝子の導入による水素生成能の増加が確認
された。また、光合成細菌の乳酸からの水素生成能は大きいが、酢酸からはほとんど生
成されず、乳酸については生成に至らないことが確認された。21年度には大腸菌に異
種起源のヒドロゲナーゼを導入し、セルロース系バイオマスなどからの水素生産に関わ
る遺伝子の最適発現条件を検討した。
ブタノールはエタノールに比べて高熱含量(ガソリン=1とした時、エタノール0.
61、ブタノール0.91)、低腐食性、低水溶性、ガソリンへ易混合性、及びディー
ゼルに利用可能などの多くの利点を有しているため次期バイオ燃料として最近注目を
集め、開発競争が激化している。嫌気性の Clostridium 属細菌によるブタノール生産が
古くから知られているが、Clostridium 属細菌は絶対嫌気性条件を必要し、かつ増殖速度
が極めて低いため工業的な利用は非常に困難である。そこで「次世代バイオ燃料製造技
術研究」
(平成19年度~平成20年度)では、高増殖速性の好気性微生物に、Clostridium
属の遺伝子情報を導入し、高生産性ブタノール製造プロセスの開発を行った。嫌気性の
Clostridium 属のブタノール生産株よりブタノール生成経路 6 段階の反応に関連する酵
素遺伝子(7 遺伝子)の単離を試み、全遺伝子の断片を含むプラスミド pBUT1 を構築し
た。ブタノール生成系遺伝子を含むプラスミドを導入する宿为(大腸菌)について、副
生成物を抑制し、ブタノール収率を向上集中的に研究を進めた結果、基礎プロセスが完
成し世界に先んじて基本特許を出願した。本研究はさらに RITE、出光興産からなる技
術研究組合による技術開発に移行している。
そのほか CO2 固定を行う新しい遺伝子資源探索のため、「深度地下微生物生態系によ
る CO2 固定のための基盤技術研究」(平成16~18年度)を実施した。新潟県油田、
茂原ガス田の地下から CO2 固定を行う55個の遺伝子を取得できた。これらの遺伝子情
報は NEDO 微生物機能を活用した高度製造基盤技術開発「バイオリファイナリー技術の
開発」等で利用した。
また、先端的研究で「木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発」(平成20
年度)を実施した。本技術は樹木から石炭相当の熱量値を持つ炭化燃料をを作ろうとい
うもので、バイオマス利用における輸送コストの増大、混焼比率が大きくできない欠点
を、解決しようというものである。ヒノキの木片を原料とした燃料化時の炭素収率向上
へ向けたタール成分吸着回収法の最適化を行った結果、総熱量収率は71%となり、燃
料として高い変換効率を達成できることを実証した。また実用化に向けて障害となりう
る木材含有のアルカリ金属についてその除去法の開発を検討し、Na、K ともに約 5 割を
除去できることを明らかにした。
ⅰⅴ CO2 の有効利用技術
<分野の動向と戦略>
54
CO2 の有効利用では、CO2 を反応させて有用物質に変換を行うが、炭素の最安定系で
ある CO2 を有用物質に変換するには、一部の反応を除いて大量のエネルギーが消費され
る。このため、真に CO2 削減技術として有効かについて十分検討する必要がある。エネ
ルギーとして自然エネルギーを利用できれば、エネルギー的には意味を持つが、この場
合には自然エネルギーをそのまま利用するのに対しどのような意味を持つかについて
検討する必要がある。また、化学品の製造などでは削減できる CO2 量もそれほど大きい
とは言えない。
このような観点から、テーマを選定した結果、アルカリ土類金属類の炭酸塩化および
人工光合成に関する先端的研究がテーマとして選ばれた。前者は反応が自発的に進み、
かつ鉄鋼スラグ等を原料とするため削減量が期待できる。後者は太陽光を利用して水素
やアルコール等の燃料生産を狙うものであり、技術のハードルは高いが変換効率を大き
くすることができれば、エネルギーおよび量的にも可能性がある技術である。
イ
炭酸塩固定
「アルカリ土類金属を利用した新規 CO2 炭酸塩固定化システムの開発」(平成16~
18年度)は「ゼオライトの有する交換性 Ca イオンを利用した CO2 固定化・有効利用
技術」(平成14~15年度)の発展版であり、スラグや廃コンクリート等の廃材や天然
鉱物に含まれるアルカリ土類イオンと炭酸イオンの反応を促進し、安定なアルカリ土類
炭酸塩(たとえば炭酸カルシウム)として CO2 を有効利用しようとするものである。プ
ロセスコストは地中貯留相当の7,200円/t- CO2 となった。
① 4NH 4Cl+2CaO·SiO2→2CaCl2 +SiO 2↓+4NH3 .
..酸性→塩基性
② 2NH 3+CO2+H2O→(NH4)2 CO3
③ (NH 4)2CO3+CaCl2→2NH4Cl+CaCO3 ↓
図 1
...
.塩基性→酸性
新規 CO 2 炭酸塩固定化プロセスのフロー
図 3-1-14
ロ
炭酸塩固定
CO2 の光還元
CO2 を光還元して有用物質に導くいわゆる「人工光合成」は、古くからか科学者の夢
であり、本制度においてもいくつかのテーマを検討している。
「太陽光を利用した半導体光触媒・金属錯体光触媒による CO2 光還元のための基盤
技術の開発」(平成14~16年度)
先端的研究「ケイ酸ナノ多孔体に配列した酵素群による CO2 の光固定」(平成 16 年
度)先端的研究「集積型金属錯体を中核とした複合系光触媒による二酸化炭素還元
および水素発生に関する研究」(平成16年度)
55
これらの検討により技術は確実に進歩したが、まだ CO2→CO の還元レベルの基礎研
究にとどまっており、実用化には相当の時間がかかると考えられる。
B 事後評価結果およびプロジェクトへの移行
つぎに本制度の成果の指標のひとつとして、各テーマの事後評価結果および次ステー
ジの研究プロジェクトへの移行状況について述べる。
ⅰ
先端的研究
先端的研究は平成16年度に開始し、平成20年度の終了までに39テーマを実施し
た。テーマ終了後、基盤技術研究に移行したものが2件、基盤技術研究やプロジェクト
研究でその結果を活用しているものが12件、企業との共同研究を現在検討しているも
のが1件ある。


基盤技術への移行:
・ 「バイオエタノール生産のための選択的白色腐朽菌リグニン分解系の解析と強
化」
(平成16年度)が「タンパク質複合体を利用した革新的なセルロース糖化
法による CO2 固定化・有効利用のための基盤技術開発」(平成17~19年度)
へ移行
・ 「イオン液体(IL)を用いる CO2 物理吸収・再生プロセスに関する研究」
(平成
18・19年度)が「高圧ガスからの CO2 吸収分離技術の開発」
(平成20年度)
へ移行
基盤技術研究・プロジェクトでの利用:
・ 「高圧高温下でも使用可能な新規な二酸化炭素選択透過型高分子膜の創製」
(平
成16年度)および「高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発と評価」(平
成18年度)→経済産業省補助事業「分子ゲート機能 CO2 分離膜の技術開発」で
利用
・ 「帯水層に圧入された二酸化炭素挙動のモニタリングに関する実用化技術開発
の研究」(平成16年度)→「CO2 地中貯留のための常設モニタリングシステム構
築に必要な海底計測機器開発の基礎的研究」で利用
・ 「海洋溶解保証による漏洩許容型 CO2 地下貯留技術手法の提案」(平成16年度)
→経済産業省補助事業「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」で利用
・ 「海洋酸性化による海洋生態系影響評価のための擬似海洋実験と生態モデルの
統合化による要素技術開発」(平成18年度)→経済産業省補助事業「二酸化炭素
の海洋隔離に伴う環境影響予測技術開発」で利用
・ 大規模排出源近傍の軟質地盤における帯水層貯留の遮蔽層安全性評価」
(平成1
0年度)および塩水中 CO2 モニタリングのための全炭酸・アルカリ度の現場計
測技術の開発→経済産業省補助事業「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」で利
用
・ 「野生の乾燥強光耐性 C3 型植物に由来する有用遺伝資源を用いた緑化展開」
(平成16年度)、
「選択的 RNA スプライシングによる植物への多面的環境スト
56

レス耐性の付与」
(平成17年度)、
「形質転換技術を利用したレドックスシグナ
ルの制御による高速生長、高 CO2 固定型の植物創製技術」
(平成18年度)、
「高
CO2 固定植物の創製に向けた高等植物の CO2 感知機構の解明」(平成18年度)
→「高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発」
(平成19~20年度)で利
用
・ 「微生物炭酸固定酵素の特性と進化系統に関する基礎解析」
(平成16年度)→
「CO2 を原料とした微生物による有用物質生産技術」
(平成17~19年度)で
利用
企業との共同研究を検討中:
「木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発」
(平
成20年度)
<基盤技術研究>
基盤技術研究は、40件のテーマが採択された。(表3-1-9)。
基盤技術研究では開始から2年目に中間評価を実施し、テーマの継続・中止・変更の
判断を行った。また、テーマ終了後に、有識者による事後評価を実施し、4段階評価(A:
優れている、B:普通である、C:やや务っている、D:务っている)を実施している。
基盤技術研究の各テーマ進展を分野別に表3-1-25に示す。40テーマのうち、
最終的な評価まで行ったテーマが24あり、このうち、中間評価時に中止あるいは他の
テーマに移行したものが5件、残りの19件が3年間研究を実施した。事後評価まで行
ったのテーマのうち、評価が B(普通である)以上のものが13件ある。
57
表 3-1-25 実 施テーマの評価とその後のフォロー(数字は件 数)
(平 成 14 年 度開始~19 年度 終了テーマ)
終了テーマ数
中間評価時
事後評価
終了
B+:2
分離回収
5
中止:1
B :1
C+:1
CO2 隔離
5
次テーマ移行:1
中止:1
A :1
B+:1
B-:1
B+:1
大規模植林
B :1
5
B-:2
C :1
バイオマス利用
6
中止:1
有効利用
3
次テーマ移行:1
A :4
B :1
B :1
B-:1
A :5
継続:19
合計
24
次テーマ移行:2
中止:3
B+:4
B :4
B-:4
C+:1
C :1
また、40テーマのうち、以下の7件のテーマが次ステージ(プロジェクト研究または
プロジェクト研究の一部)へ移行した。
・ 「高分子膜による CO2 分離技術の開発」
(平成14~16年度)→経済産業省補助事
業の地球環境国際研究推進事業「分子ゲート機能 CO2 分離膜の基盤技術研究開発」
(平成14~17年度)→経済産業省補助事業「分子ゲート機能 CO2 分離膜の技術
開発」(平成18~22年度)
・ 「CO2 分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオライト膜の開発」(平成15
-17年度)→GCEP ナノ制御膜開発(平成17~22年度)
・ 「CO2 地中貯留におけるシール層の安定性評価技術の開発」(平成16年度)→経済産
業省補助事業「二酸化炭素地中貯留技術研究開発」(平成17~19年度)
・ 「植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気中 CO2 固定能増強のための基
盤技術の開発」
(平成14~16年度)→経済産業省補助事業「二酸化炭素大規模固
58
定化技術開発」(平成15~19年度)
・ 「タンパク質複合体機能を利用した革新的なセルロース糖化法による CO2 固定化・
有効利用のための基盤技術開発」
(平成17~19年度)→NEDO 微生物機能を活用
した高度製造基盤技術開発「バイオリファイナリー技術の開発」
(平成18~22年
度)
・ 「CO2 地中貯留のための常設モニタリングシステム構築に必要な海底計測機器開発
の基礎的研究」
(平成19年度~平成20年度)→経済産業省補助事業「二酸化炭素
貯留隔離技術開発」(平成12年度~24年度)
・ 「ソフトバイオマスからの次世代バイオ燃料生産基盤技術の開発」
(平成19・20
年度)→NEDO 戦略的バイオマスエネルギー利用技術開発「非可食バイオマス由来
混合糖からのバイオブタノール生産に関わる基盤技術開発」(平成22~23年度)
3-1-3 特許出願状況等
成果評価の共通指標である特許・論文等の発表件数を分野毎に表3-1-26に示す。
また、論文、投稿、発表、特許リストを別紙2に示す。
表 3-1-26 実 施テーマ件数と成果まとめ(平成 14~21年度)
研究名
実施件数
特許出願
論文
口頭発表
新聞・雑誌
掲載
先端的研究
分離回収
39
7
150
297
35
10
3
46
55
2
11
13
5
CO2 隔離
7
大規模植林
6
1
16
62
15
10
2
42
80
3
6
1
35
87
10
40
30
94
268
21
9
16
28
56
3
CO2 隔離
7
1
7
48
3
大規模植林
8
5
16
54
1
10
5
31
66
10
6
3
12
44
4
79
37
244
565
56
バイオマス利用
有効利用
基盤技術研究
分離回収
バイオマス利用
有効利用
合計
特許出願件数は先端的研究で7件、基盤技術研究で30件であり、基盤技術研究では
約0.8件/テーマの出願となっている。また、論文数は先端150件、基盤94件であ
り、それぞれ2.4、2.3件/テーマの論文発表を行っている。口頭発表は先端、基盤
あわせて565件あり、平均すると7.2件/テーマの発表数となっている。
59
3-2 目標の達成度
本事業の成果は目標である「二酸化炭素固定化・有効利用技術に関する技術課題の抽
出および二酸化炭素排出削減に資する技術の開発」に対し、表3-2-1に示すように
十分な達成状況にある。
表3-2-1.目標に対する成果・達成度の一覧表
要素技術
目標・指標
成果
達成度
二酸化炭素固定
①CO2 固定化・有効利
・ 総合調査研究や技術戦略マップの策定な
達成
化・有効利用技
用の開発を効率的に進
ど、CO2 固定化・有効利用に関する技術戦
術」に関する技
めるための技術戦略の
略を作成した。
術課題の抽出
作成
・ 総合調査研究において選定されたテーマ
の基盤技術研究としての実施や技術戦略
マップに記載された分野でのテーマ募集、
技術戦略マップを指針としたテーマ選定
など、策定された技術戦略を用いたテーマ
選定・管理を行った。
・ 技術戦略マップは平成16年度の初版以
降、毎年、国際動向の変化、技術の進展に
合わせて改訂を行った。また、さらにコス
ト・ポテンシャル分析、新技術調査、シナ
リオ分析やベンチマークなどより精緻化
を行い、十分なメンテナンスを実施してい
る。
・ 本技術戦略マップは本事業におけるテー
マ選定のツールばかりでなく、様々なプロ
ジェクトの研究開発指針として使用され
ており、多方面に利用されている。
②技術戦略に沿った技
・ 総合調査研究でのテーマ抽出では、216
術シーズの探索
件のテーマを検討し、テーマ候補16件を
・技術課題の抽出件数
抽出した。
・ 総合調査研究では、調査された技術シーズ
について、CO2 削減技術としての位置付
け、技術的波及効果、必要な資源、目標、
キーテクノロジー、CO2 削減効果などの分
析がなされ、重みづけを行った。
・ 先端的研究でのテーマ抽出では111件
の技術シーズ提案から有識者による技術
60
達成
の優务、課題と解決方法の明確さ、二酸化
炭素削減シナリオ、実現性などに関する評
価が行い、39件の優秀テーマを選抜し
た。これらのテーマについては、さらに先
端的研究で実際に有効性検証のための研
究を実施した。このように、単なるテーマ
探索に終わらず、「有識者による評価」と
「実験による検証」という2つのプロセス
を経て、より有効な技術シーズの効率的な
探索が行った。
二酸化炭素排出
①技術戦略にそった研
削減に資する技
究を実施
端的研究39テーマ、基盤技術研究40テ
・研究開発テーマの実
ーマと十分な件数の技術シーズについて、
施件数
実験による検証を行った。
術の開発
・ CO2 排出削減に資する技術開発として、先
達成
・ 先端的研究の実施期間は1年、基盤技術研
究の実施期間は2-3年であり、従来の研
究開発プロジェクトに対して、比較的短い
期間に並行的に多数のテーマ検討実施さ
れるよう工夫した。
・ 研究テーマは「CO2 固定化・有効利用」の
重要分野である「分離回収」、「CO2 の隔
離」
、
「大規模植林とバイオマス利用」の戦
略と密接に関係しながら実施されており、
革新的研究のためのシーズ準備という目
標によく合致するようにした。
・ 基礎研究は不確実性が高いが、本制度では
テーマの進捗状況を中間評価や連絡会で
把握し、進捗に応じてテーマの中止・変更
をするようになっており、柔軟性を高くし
た。また、基盤技術研究については研究推
進委員会を設置し、効率的に目標達成がで
きるように専門家の助言が受けられる仕
組みとした。
②研究テーマ毎に設定
・ 実施テーマは「CO2 固定化・有効利用」の
された目標に対する十
重要分野である「CO2 の分離回収」、
「CO2
分な成果の確保
の隔離」、
「大規模植林とバイオマス利用」、
・研究開発テーマの成
「CO2 の有効利用」における最先端の研究
果
であり、その成果は世界でも注目されてい
・開発された有効な技
る。
61
達成
術の件数
・ 「CO2 の分離回収」では、世界トップクラ
スの高分子膜が開発され、経済産業省補助
事業の地球環境国際研究推進事業「分子ゲ
ート機能 CO2 分離膜の基盤技術研究開
発」、経済産業省補助事業「分子ゲート機
能 CO2 分離膜の技術研究開発」に発展する
とともに、世界的にその価値が認められ、
米国 NETL との共同研究を実施するまで
になっている。またセラミック膜もトップ
クラスの性能のものが得られ、スタンフォ
ード大学の GCEP(Global Climate and
Energy Project)プロジェクトにつながっ
ている。このように世界的にも評価の高い
分離回収技術が生まれている。また、高圧
ガス用吸収液・吸着剤など低消費エネルギ
ーの CO2 回収技術が開発された。
・ 「CO2 の隔離」については、世界でも例の
ない「蛇紋岩帯への貯留」
、「人工湧昇流」
などの革新的な隔離技術の現場実験がな
され、有効性が確認された。さらに、「常
設型モニタリング技術」が開発され、現在、
経済産業省補助事業「二酸化炭素貯留隔離
技術開発」の中で本格的な試験が実施され
ている。
・ 「大規模植林」においては、「葉緑体形質
転換」という新手法が開発され、経済産業
省補助事業「二酸化炭素大規模固定化技術
開発」に発展するとともに、多数のテーマ
を生み出している。適用種もタバコからポ
プラ、アブラヤシと実用性の高い樹木に展
開され、また導入遺伝子も成長促進遺伝子
からセルラーゼ形成遺伝子・乾燥耐性遺伝
子等へと拡大されている。また、乾燥スト
レスに関する植物の耐性メカニズム検討
が進められ、これを応用した選抜技術など
の非遺伝子組換え手法が形成されつつあ
る。
・ バイオマス利用では微生物集団やセルロ
ソームのコリネ菌での発現、麹法バイオマ
ス糖化といった世界に例のない革新的手
62
法が開発されている。また、有用物質変換
ではコハク酸、水素、ブタノールについて
のトップクラスの研究がを進められてい
る。特にブタノールは世界で競争が激化し
つつあるが、従来の生産性の低い嫌気性細
菌ではなく、好気性細菌でのブタノール変
換に成功した。本研究さらに技術研究組合
による技術開発につながっている。
・ 「CO2 の有効利用」では鉄鋼スラグならび
にコンクリート廃材を利用した CO2 の固
定化・有効利用技術が完成した。
・ 基盤技術研究の事後評価では、平成14年
度開始分から平成19年度終了分まで、2
4件の終了テーマがあり、その54%の1
3件が事後評価で「普通」の B 以上の評価
を受けている。研究テーマが基礎的かつ萌
芽的なものであることを考慮すると、十分
な数であると考えられる。
・ 先端的研究ではテーマ終了後、基盤技術研
究に移行したものが2件、企業との共同研
究を検討しているものが 1 件であるが、基
盤技術研究やプロジェクト研究でその成
果を活用しているものが12件あり、研究
成果が次の基盤技術研究に生かされてい
る。
・ 基盤技術研究については、7件がプロジェ
クト研究に移行した。
・ 特許出願件数は先端的研究で7件、基盤技
術研究で30件であり、基盤技術研究では
約0.8件/テーマの出願となっている。
また、論文数は先端150件、基盤94件
であり、それぞれ2.4、2.3件/テー
マの論文発表を行っている。口頭発表は先
端、基盤あわせて565件あり、平均する
と7.2件/テーマの発表数となっている。
技術開発の基礎段階であることを考慮す
ると、特許出願数37件は十分大きな数字
であり、論文・口頭発表の件数も十分なレ
ベルにあると考えられる。
注)
「達成度」の欄には、達成、一部達成、未達成、を選択して記述。
63
4.事業化、波及効果について
4-1 事業化の見通し
本制度の成果は次のステージの応用研究を経て、2015年以降に実用化が期待され
る。将来の事業化イメージをまとめると表4-1-1のようになる。
表 4-1-1 本制度に関係する分野の事 業イメージ
分野名
CO2 の分
離回収
CO2 の隔
離
大規模植
林
バイオマ
ス利用
技術導入
後の社会
的効果・
経済的効
果・市場
創出効果
将来にお
実用化に向けて
けるコス
克服すべき
想定される
トダウン
実用化为体
ユーザー
市場規模
技術的課題・社会 実用化時期
の見込み
的課題
あるいは
安全性
技術開発
・ コストダウン
・ 2015 年 ま エンジニア 排出源
分離回収 による大
・ 消費エネルギ
でに実用化 リング
電力、鉄鋼、
技術の海 幅コスト
ーの削減
・ さらなる技 素材メーカ セメントな
外輸出
ダウン期
・ 大型化
術適用
ー
ど
待
・貯留された
CO2 の挙動
・ 地下深部塩
理解
エンジニア 排出源
水層貯留は
・ 貯留 CO2 の適
リング
電力、鉄鋼、
貯留産業 貯留の信
2015 年
切な管理法
石油資源開 セメントな
の創出
頼性向上
・ 他技術はそ
・ コストダウン
発
ど
温暖化防
れ以降
・ 社会受容性の
止のため
向上
の世界の
全環境投
・ 利用できる土
資額23 海外
地の拡大
製紙会社
製紙会社
・ 他の土地利用
CDM と し 兆 円 / 国 貧困地域
・ できるとこ CDM を 期
遺伝子組
連推定
との競合
て排出源
の雇用確
ろから順次 待 す る 商
換えの安
・ 遺伝子組換え
電力、鉄鋼、
保
実用化
社・メーカ
全性確保
手法の認知
セメントな
産業の創
ー
・ 産業としての
ど
出
形成
・ バイマスの収
石油にか
技術開発
集・貯蔵・輸送
わる新エ
・ できるとこ 製紙会社
自動車
による大
システム構築
ネルギー
ろから順次 化学会社な 電力、鉄鋼
幅コスト
・ 高効率変換法
確保、新
実用化
ど
など
ダウン期
の確立
産業の創
待
・ 大型化
出
64
4-2 波及効果
本制度は基礎的研究が中心であり、現段階で成果の波及効果が明らかになっているも
のはないが、将来、次のような波及効果が期待される。
・ 膜技術の展開:他のガス分離膜やアルコール分離膜への展開
・ 人工湧昇流:プランクトン富化の漁業利用
・ 植物改良技術:農作物の改良技術への展開
・ バイオマス変換技術:エネルギー以外の工業製品への展開
65
5.研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等
5-1 研究開発計画
本制度は平成11から13年度は NEDO が、また平成14年度から21年度は RITE
が国の補助を受け実施した。研究開発計画を図5-1-1に示す。
表 5-1-1 研究開 発計画
11
12
13
15
16
17
18
19
20
21
6.7
4.5
1.8
RITE
NEDO
実施主体
5.4
予算(億円)
二酸化炭素
固定化・有
効利用技
術」に関する
技術課題の
抽出
14
5.1
6.8
6.7
6.9
総合調査研究
技術戦略マップの策定
先端的研究
二酸化炭素
排出削減に
資する技術
の開発
テーマ数
テーマ数
8
先導研究
3
4
6
8
8
9
14
10
基盤技術研究
5
12
13
15
15
13
2
本事業は平成11年度に NEDO を実施者とし、先導研究(基盤技術研究)を実施する
内容で開始された。平成14年度からは実施者が NEDO から RITE に変更となった。
本事業のスキームは本事業の目標をより効率的に達成するために、戦略的かつ効率的
な形に変遷してきた。
・ 平成11年度の本事業の開始時点では戦略形成のための総合調査研究と先導研究
(基盤技術研究)を実施。
・ 平成13年度には総合調査研究が終了。
・ 平成14年度に総合調査研究で絞られた8テーマを基盤技術研究で実施。
・ 平成15年度からは総合調査研究の成果を踏まえ、基盤技術研究のテーマを公
募・実施。
・ 平成16年度には広く技術シーズを探索するために先端的研究が開始。また当該
66
分野の全体戦略を構築する技術戦略マップの作成のための調査が開始された。
・ 平成20年度には、先端的研究と研究評価が終了。
・ 平成21年度を以って全事業が終了。
平成16~20年度の期間は、
・ CO2 固定化・有効利用に関する動向調査と分析
・ 当該分野の技術戦略の策定(技術戦略マップ)
・ 当該分野における革新的な技術シーズの探索と検証(先端的研究)
・ 良好な技術シーズの実験室規模での確証研究(基盤技術研究)
と、CO2 固定化有効利用分野の戦略策定と革新的技術の探索、絞り込み、検証を効率
的に行う一貫システムが形成されていた。
5-2 研究開発実施者の実施体制・運営
(1)事業のスキーム
事業のスキームを図5-2-1に示す。RITE(平成11~13年度は NEDO)は二酸
化炭素固定化・有効利用技術に関する技術課題の抽出を行い、二酸化炭素排出削減に資
する技術の開発についてテーマを公募し、RITE 自身および大学・民間企業等との委託・
共同研究によって開発を実施するスキームとなっている。研究開発は先端的研究と基盤
技術研究の2つからなり、下記の様なスキームで実施した。
・ 先端的研究:RITE はテーマを公募し、委員会による審査を経てテーマおよび実施
者を決定し、研究を委託。
・ 基盤技術研究:RITE はテーマを公募し、委員会による審査を経てテーマを決定し、
大学・民間企業との共同・委託研究を含めた研究体制を構築し、研究を実施。
委員会
大学・民間企業等
研究推進委員会
一部共同実施
(共同・委託研究等)
実施
基盤技術研究
テーマ公募
国
(経済産業省)
補助
(財)地球環境産業技術
研究機構(RITE)
国家プロジェクト等
補助率10/10
委託
大学・国研等
委員会
プログラム研究部会
・CO2固定化・有効利用技術検討委員会
図 5-2-1 事業のスキーム(平成14年度以降)
67
先端的研究
<事業のスキームの妥当性>
先に述べたように本制度は CO2 固定化・有効利用分野の戦略策定と革新的技術の探索、
絞り込み、確証を効率的に行う一貫システムである。これによって、
・ 技術戦略に沿った革新的技術シーズの発掘
・ 技術シーズの可能性の検証
・ 技術シーズの CO2 削減技術としての有効性の検証
・ 技術シーズの基盤技術までのスムーズな移行
が行われ、十分に価値のある技術テーマが生み出された。
革新的技術の基礎研究は不確実性が大きく、自発的な技術形成にまかせると非常に長
期間となることが多い。本事業は効率よく目的に合った基礎技術開発を行うものであり、
従来の研究開発においてありがちな
・ 明確な技術戦略なしに技術シーズ探索を行ったため、選び出された技術シーズが目
的に合わない。
・ アイデアレベルで十分な有効性検討を行わず研究を開始したため途中で挫折、ある
いは計画変更を余儀なくされる。
・ テーマの有効性検証を十分に行わずに多額の投資を行ったため、目的に合う研究成
果が得られない、あるいは研究のための研究となってしまう。
・ 技術アイデアから研究プロジェクト形成までの明確な道筋が不明で、せっかくの良
いアイデアが十分に利用できない
を克服でき、非常に研究効率が高いスキームであった。
(2)事業の体制
本制度の実施体制を図5-2-2に示す。事業の概略は以下の通りである。
・ 本事業は RITE が経済産業省(METI)から補助を受け実施したものである。
・ RITE は先端的研究および基盤技術研究の公募・選定を行い、先端的研究では大学
等の研究機関に研究を委託し、基盤技術研究では共同実施者に研究委託するととも
に自ら研究を実施した。
・ 本事業の運営(テーマの選定、評価を含む)は RITE が有識者からなるプログラム
研究部会の助言受けながら実施した。また、技術戦略マップの作成はプログラム研
究部会の下部に設置した CO2 固定化・有効利用技術検討委員会での議論のもと行わ
れた。
・ 基盤技術研究の実施に際しては、テーマ毎に研究推進委員会を設置し助言を受けた。
68
制度の体制
委員会
・プログラム研究部会
・CO2 固定化・有効利
用技術検討委員会
経済産業省
交付決定
確定検査
補助金交付申請、
実績/成果報告等
運営に関する助言
テーマ選定・評価
RITE
公募、審査、進捗管理、成果報告会開
事務局(研究企画グループ)
催、成果・取得財産管理、広報等
基盤技術研究C
基盤技術研究C
プログラムディレクター
計画書提出
基盤技術研究B
岡村繁寛 GL(-2009,7)
進捗報告等
基盤技術研究A(研究グループ)
上林 匡 GL(2009.7-)
本表書き換
研究責任者
プログラムオフィサー
高木正人 専門役
高木
資金
確定検査
研究支援
等
実績・成果
の報告
え未研究従事者(研究員等)
資金
確定検査
先端的研究C
先端的研究B
先端的研究A(大学・研究機
関等)
研究開発全体総括
研究責任者
実績・成果
の報告
委託研究C
委託研究B
委託研究A(大学・民間企業
等)
研究開発全体総括
業務管理者
研究従事者(研究員等)
研究員
経理責任者
経理責任者
経理面からの推進
経理面からの推進
報告
助言
研究推進委員会 C
研究推進委員会 B
研究推進委員会 A
図 5-2-2 事業の実 施体制
69
(3) 事業の運営
<制度の流れ>
公募からテーマ実施・評価に至る制度の流れを図5-2-3および図5-2-4に示
す。以下、先端的研究および基盤技術研究の流れを説明する。全般的には、下記の通り
であった。
・ 毎年秋に次年度のテーマの公募を行い、一次審査、二次審査を経てテーマが選定。
・ RITE は実施テーマを決定。
・ RITE はそれぞれのテーマの予算額を決定し、研究計画を作成後、交付申請書を
METI に申請し、METI は研究計画を決定。
・ 研究計画に従って、先端的研究、基盤技術研究を実施。
・ 各研究年度の終了時に RITE からの委託先は実績報告書・成果報告書を RITE に提
出し、これに基づき RITE は委託先の確定検査を行い、補助金の交付金額を決定。
・ 各研究年度の終了時点に RITE は実績報告書・成果報告書を METI に提出し、METI
は確定検査を行い補助金額を確定。
研究実施者
RITE
研究開始前年度
10、11月
テーマ募集開始
テーマ提案(応募)
12、1月
一次審査(書面)/二次審査(プレゼン)
2月
テーマ決定
実施年度
4,5月
連絡会(計画ヒアリング
・運用説明)
・研究契約
・研究開始
11月
中間検査
2月
報告会
3月
確定検査
成果報告
成果報告
研究終了翌年度
11月
成果報告会
図 5-2-3 先端的 研究の流れ
70

先端的研究の流れ
・ 4 月に選定テーマの実施者と RITE が研究委託契約を締結し、委託研究が開始。
・ 委託期間中に RITE は先端的研究実施者と定期的に連絡会を実施し、研究進捗状況
をチェックするとともに、研究の方向性についての助言を実施。
・ また、実施者はその成果を「研究成果報告会」で発表するとともに、研究終了後
の取り扱いについて RITE と協議を実施。

基盤技術研究の流れ
・ 基盤技術研究では、3 年間の基本計画、その年度の実施計画が事務局に提出さ
れ、研究を開始。
・ テーマ毎に有識者からなる研究推進委員会(原則 2 回/年開催)を開催し、研究
の進め方に関する助言を実施。
・ 中間段階(2 年目、秋)に有識者による中間評価が実施され、テーマの継続、
中止、変更が決定。
・ 事業終了後、有識者による事後評価が実施され最終的なテーマ評価を実施。
テーマの審査方法に関しては表5-2-1にまとめた。
71
研究実施者
RITE
研究開始前年度
10、11月
テーマ公募
テーマ提案(応募)
12、1月
一次審査(書面)/二次審査(プレゼン)
2月
テーマ決定
1年目
4月
・計画提出
(基本・実施)
・研究開始
2回/年
研究推進委員会
10,11月
進捗評価[一次審査(書面)/二次審査(プレゼン)]
3月
成果報告
成果報告
2年目
4月
・実施計画提出
・研究開始
2回/年
研究推進委員会
10,11月
中間評価[一次審査(書面)/二次審査(プレゼン)]
3月
成果報告
成果報告
3年目
4月
・実施計画提出
・研究開始
2回/年
研究推進委員会
3月
成果報告
成果報告
研究終了翌年度
7,8月
事後評価[書面評価]
図 5-2-4 基盤技 術研究の流れ
72
表 5-2-1 テーマの審査方 法
審査方法
内容
H17FY
開始
テーマ
以降
【先端的研究】
①一次審査(書面審査)
:評価委員・RITE 代表者による審査
・応募テーマの分野に応じて1テーマ4~5名の評価委員(うち、1名は RITE
研究グループ)により審査
・評価基準(評価委員;80 点満点)
-提案内容に優れている点はあるか
-技術課題は明確で、その解決手法は具体的に示されているか
-CO2 固定化技術として有効であるか
・評価基準(RITE 研究グループ;80 点満点)
-提案内容に優れている点はあるか
-技術課題は明確で、その解決手法は具体的に示されているか
-CO2 固定化技術として有効であるか
-RITE の基盤技術強化になる可能性はあるか
②二次審査(プレゼン審査):全分野一括の評価委員会による審査
・評価委員および事務局による一次審査合格テーマの審査
・一次審査合格テーマ提案者によるプレゼンテーションおよび質疑・応答
・評価基準(評価委員;80 点満点)
-提案内容の優位性
-技術課題・解決手法の具体性
-CO2 固定化技術の有効性
・評価基準(事務局;20 点満点)
-RITE の基盤技術強化になる可能性
【基盤技術研究】
①一次審査(書面審査)
:評価委員・事務局による審査
・応募テーマの分野に応じて1テーマ3名の評価委員および事務局により審
査
・評価基準(評価委員;80 点満点)
-提案内容に優れている点はあるか
-技術課題は明確で、その解決手法は具体的に示されているか
-CO2 固定化技術の実用化として有効であるか
・評価基準(事務局;20 点満点)
-RITE の基盤技術強化になる可能性
-次のステップとしてプロジェクト研究をイメージしていること
②二次審査(プレゼン審査):全分野一括の評価委員会による審査
・評価委員および事務局による一次審査合格テーマの審査
・一次審査合格テーマ提案者によるプレゼンテーションおよび質疑・応答
・評価基準(評価委員;80 点満点)
-提案内容の優位性
-技術課題・解決手法の具体性
-CO2 固定化技術の実用可能性
・評価基準(事務局)は一次審査と同様
採択テーマ ・予算枠を勘案した上で、原則として評価点合計の上位順に選定し、採択テーマを決定す
の選定
る。
73
<制度関係者の連携>
制度関係者は下記のように十分に連絡をとりながら、研究開発を実施した。
 先端的研究の連絡会
・ 先端的研究の実施者と関係する RITE の研究グループとの連絡会を開催し、研究成
果について議論するとともに、実用化に向けての方向を両者で検討。
 先端的研究の成果発表会
・ 毎年2月に先端的研究の成果報告会を実施。先端的研究の成果が報告され、その成
果の展開の仕方について、RITE/実施者で議論した。
 合同成果報告会
・ 毎年11月頃に前年度の成果を公開する合同成果報告会(革新的環境技術シンポジ
ウム)を実施。研究成果を発表し、大学、研究所、企業などの参加者間で議論及び
交流する場として活用した。
<進捗の把握・管理システムおよびその実績>
採択テーマの進捗および予算執行状況の把握および管理は下記の様に実施した。
 採択テーマの進捗状況の把握
・ 日々の進捗については、適宜電子メール、電話等により確認。
・ 基盤技術研究については、テーマ毎に原則 2 回/年の研究推進委員会を開催してお
り、研究成果の報告とともに、推進委員による進捗状況の評価と研究計画への助言
を実施。
・ 先端的研究については、研究期間が 1 年と短くかつアイデアの検証が目的であるた
め研究推進委員会は設置せず、代わりに前述の RITE との連絡会や研究成果の報告
会を実施し、成果の報告とともに今後の展開について RITE との議論を実施。
・ また、年度終了時にテーマ毎に成果を報告書にまとめ RITE 事務局に提出すること
とした。
 採択テーマの進捗・予算執行状況の管理
・ テーマ毎に、基盤技術研究については業務管理者を、先端的研究については研究責
任者を置き、研究開発の全体取りまとめを実施。両者を置くことにより、研究開発
を推進するための責任の所在を明確にし、計画性をもって研究開発を進めることを
可能とした。また、補助金の適正な執行という観点から、 経理責任者を置き、研
究と経理の両面から円滑な研究開発と適正な予算執行を行った。
<計画の見直しシステムおよびその実績>
・ 研究開始時点で、研究実施者より提出される研究計画書と研究実施計画書を確認
し、必要に応じ計画の見直しを行った。
・ 革新的技術の基礎研究であるため、不確実性が大きい。このため、年度途中にお
いても、研究の進捗状況、情勢変化等によって、研究計画や予算執行の面から見
直しの必要があれば、十分な理由のあることを確認の上、制度内での資金の融通
を含めた変更処置をとることとした。
74
・ 基盤技術研究においては、開始2年次となる研究テーマを対象として、それぞれ
のテーマの進捗状況を把握し、基盤技術研究の趣旨に沿って研究が実施されてい
るか、次の研究フェーズ(先導研究、研究開発プロジェクト、実用化研究等)へ
移行するために必要な成果が得られているかを確認した上で、次年度の継続・変
更・中止などの見直しを行う中間評価を実施。その手順としては、一次審査とし
て学識経験者からなる評価委員による書面審査、続いて、二次審査としてテーマ
実施者によるプレゼン審査を行ったうえで審議を行い、実施テーマの継続・変更・
中止を決定した。
<成果の普及のための広報活動>
成果の普及のために、下記のような広報活動を実施した。
 合同成果報告会(革新的環境技術シンポジウム)
・ 毎年 11 月に前年度の成果を報告する合同成果報告会を実施。本制度の開発技術の
利用者である電力、鉄鋼、製紙、セメント、エンジニアリング等の会社が参加し、
実施テーマに関する議論と交流が行われた。
 ホームページでの広報
・ RITE ホームページに本制度の研究成果を掲載している。技術戦略マップとともに
成果報告書も掲載し、広く利用可能な形とした。
 その他の広報
・ 合同成果報告会時にアピールしたい技術を新聞に対してリリース。
・ その他、RITE 来訪の企業等にも本制度を PR した。
<制度の中間評価等における指摘事項とその対応>
・ 平成 14 年度に行われた中間評価の指摘内容(個別テーマに関する指摘は除く)と
その対応を表5-2-4にまとめた。指摘の大部分は「CO2 固定化・有効利用」
についての戦略の欠如に起因しているといえる。この中間評価を受けて、総合調
査研究の結果に基づくテーマ実施や「技術戦略マップ」の策定、技術戦略マップ
に沿った技術シーズの募集・選定・実行を行う様に制度の変更を行った。現在の
制度においては、中間評価における指摘内容は十分解決していると考えられる。
・ さらに、平成 19 年度に行われた中間評価とその対応を表5-2-5にまとめた。
75
表 5-2-4 中間評 価(平成 14 年度 )での指摘事項 と対応
項目
総合評価
指摘事項
対応
「プログラム方式」が短期(といっても5年は結構長い)のシーズ作りの基礎研究というだ
テーマの実施期間を 3 年にし、2 年次に中間評価
けでは中長期の見通しとシナリオが不明確になり易い。
を行い、継続・中止・変更を決定することとした。
成果は、全般的に当初から予想された結果の範囲内であり、着実な進歩は見られても画期的
総合調査研究に基づいて基本方針を作成した。ま
な新発見はなされていない。これは、プロジェクト決定時の基本方針が十分でなく、全体的
た、「技術戦略マップ」を作成し、これに基づく
な目標設定や個々の技術開発の評価の方針が未だ手さぐりの状況であることに由来する。さ
研究テーマの募集・採択・進捗評価・成果評価を
らに、サブプロジェクトを機軸とした妥当性を明確にすべきであったが、今回の3件がすべ
実施するようにした。
て妥当とは判断し難い。
分離回収、微生物利用の分野で画期的な成果を収
めつつある。
今後の研究開
技術シーズの理論的効果と制約、問題解決への期待効果、産業技術として成立するための経
「技術戦略マップ」の策定において、CO2 固定
発の方向性等
済的・制度的条件等を検討して技術シーズを抽出後、さらに研究資金の投入基準を明確化し
化・有効利用に関係する技術シーズを整理し、コ
に関する提言
て投入するという「長期的視点に立脚した基礎技術研究の推進方針」を早急に策定する事を
スト、ポテンシャル、実現性の観点から有効な技
望む。それに基づいて技術シーズを絞り込み、個別の基礎研究技術の研究マネジメントの方
術群を選択し、それらについて課題を整理し、ロ
向を明確化し、トータルシステムの中での位置付けに意義があるものに優先して研究費の配
ードマップ化した。現在は技術戦略マップに照ら
分の強弱をつけるべきである
して有効な技術を選定、実施している。また評点
に応じて資金配分の強弱をつけている。
事業の政策的
二酸化炭素削減技術に関わる政策と「プログラム方式」の位置付けが戦略として明確でない。 技術戦略マップに記載しているように、プロジェ
位置付けにつ
すなわち、国益に資するプロジェクト課題の具体的設定についての理念と戦略が単に「シー
クトの形成を行うための「CO2 固定化・有効利
いて
ズ作り」だけでは見えてこない。また、各サブプロジェクトが選択された経緯や決定方法等
用に関する新技術の探索」として位置づけられて
が不明であるため、プログラム方式下での試行錯誤的研究開発の感をまぬがれない。たとえ
いる。「技術戦略マップ」における有効な技術と
シーズを生むためとせよ、先があまり見えない非現実的な研究開発は早期に淘汰すべき事業
しているテーマを中心にして革新的技術を探
政策が要求される。
索・実施できる制度となっている。
シーズ作りの基礎研究で明確な実用化戦略が立てにくいものがあり、つまりは、長期的なシ
技術戦略マップに長期的なシナリオを示し、ロー
研究開発マネ
76
ジメントにつ
ナリオを描いて、現在の研究がその中でどの位置にあり、短・中期的な目標設定とマネジメ
ドマップにそれぞれの研究の位置付けを示して
いて
ントをどう行うかを明確にされてない。また、研究開発計画においては、ただサブテーマを
いる。その上に各テーマが位置づけられている。
並べただけで、本気で横断的なマネジメントを行っているという感じを受けず、研究開発運
技術戦略マップの作成・改訂において、国際動向、
営の曖昧さ、基礎的な知識獲得とトータルシステムという実用化を意図したものの同居、成
技術動向を調査するとともに、わが国の技術戦略
果に対して誤解を生む可能性がある为張、野心的なチャレンジが目立たない各要素研究、将
の策定を行い、先端的研究で有効な技術シーズの
来実用化を目指す連携がとれていない偏りが見られる事業体制等々、改善の余地が多い。
探索とアイデアを検証し、基盤技術研究での実験
室規模で有効性を確証するというシステマティ
ックな研究開発制度となっている。
研究成果につ
目標を技術開発基盤(シーズ)作りとした場合でも、残された研究期間から考えると「植林」 技術戦略マップの技術戦略に照らして、研究開発
いて
を除き「バイテク」も「化学的手法」も FS の確認をするという目的に対し不安が残る達成
がシステマティックに実施されており、世界的に
度と判断するので、早急な説得材料が必要となる。また、個々の要素技術の成果がでている
も注目される十分な研究成果があがっていると
にもかかわらず、全体としての研究開発のシナリオとマネジメントの枠組みがしっかりして
考える。
いないために、付加価値を正当に評価されない。さらに実用化或いはシーズに向けた、時間
軸を考慮した説得力ある成果としては現れていないものもある。各サブテーマの問題点・課
題とその解決のための具体的戦略を時間軸と共に明確化すべきである。
77
表5-2-5
項目
総合評価
中間評価(平成 19 年度)での指摘事項と対応
指摘事項
○
○
対応
本事業は極めて重要な目的及び政策意義を持っており、適切な研究開発マネ
○
サミット(G8)等にて温室効果ガス削減の中・長期目
ジメントのもとで研究開発の目標に照らして十分な成果が得られていると
標が示されるようになり、また、わが国においても
評価できる。技術マップおよび技術戦略マップが作られ、ローリングが行わ
平成 21 年 6 月以降政府の 2020 年に向けた中期目標
れ、これが政策立案、事業遂行に反映されるようになたことは極めて大きい
が示されていることから、それに応じた技術戦略マ
進展と評価する。
ップ策定が進められている段階にある。
「技術戦略マップ」に従い、テーマの絞り込み、技術シーズの探索、技術開
○
「技術戦略マップ」のローリングを継続し、最新の
発、プロジェクトの移行が比較的順調に推移しており、基礎研究に属するプ
技術戦略マップを活用したテーマの選択と集中を
ロジェクトとして満足できる。今後も最新の技術戦略マップを的確に活用
実施した。
し、選択と集中を十分に行うべき。
○
○
本事業は国の温暖化対策の枠組みに左右されるものであり、民間だけでは事
○
19 年度の先端的研究のうち、1 件を基盤技術研究に
業リスクが高く、国により後押しが不可欠なものである。特に遺伝子組み換
取り込んだ。本事業の予算が 20、21 年度と減尐し
えによる植物や微生物の研究分野は我が国が出遅れている分野であり、国が
たため、基盤技術研究を十分に進められず、20 年度
後押しすることは産業的にも意味があるものである。ただし、先端的研究か
の先端的研究の成果は他のプロジェクト研究で活
ら基盤技術研究への移行は、数量的にはもう尐し加速も考えるべきである。
かすこととした。
国が関与する事業として、全体として優れたものと言えるが、改善すべき点
○
分野・技術によってCO 2削減のスキームが異なる
として、技術の有効性を評価する際、コスト評価のみならず、技術の実施に
ので、スキームを明瞭化させる作業を20年度に実
伴うCO2発生量を勘案した上で、実際の削減CO2量を評価することを事業
施した。テーマ評価で利用するを検討していたが、
全体で徹底すべきであると考える。
21年度は新テーマ公募を行わないこととなった
ため、中断した。
○
また、個々のテーマでなく、事業全体の進捗管理システムが有効に機能する
○
技術戦略マップ・技術ロードマップにより、各分野
かどうかが一つの重要なポイントになると考えられる。時間軸の観点から効
における開発フェーズの時間軸を示して基礎研究
果がすぐ出るもの、時間がかかるものをバランスよく並行させることで、事
分野・基盤研究分野を管理するとともに、実証段階
業としての時間軸の観点から早い時点から徐々に成果を出せるようにコン
へ 進むべ き技術 につい てはプ ロジェ クトへ の移
トロールするべきである。
行・利用を図った。
78
今後の研究開発の方向等
○
に関する提言
○
本事業が長期的計画であることの基本的理解を得る努力をすべき。そのため
○
毎年、技術戦略マップのローリングを行っており、
にも、技術戦略マップの充実及び見直しは重要であり、二酸化炭素の総量を
最新情報を踏まえた充実化・見直しを行った。よう
想定した導入ロードマップに基づいて技術戦略マップを見直し、本事業の遂
やく、短期・長期の削減目標が提示され、目標達成
行の基本とすべきである。
のための方策が議論されているところである。
二酸化炭素削減量及び削減コストの評価にあたり、技術の実施にともなうC
○
総合評価の項の記述と同じ。
○
戦略マップの策定・技術開発課題の評価に際し、ユ
O2発生量を勘案した上で、実際に削減可能なCO2量を用いることを厳しく
徹底すべきである。
○
○
技術戦略マップは的確に活用されており、実用化に向けた展開は明確であ
り、本制度における国の関与は概ね妥当と判断できる。今後はこの仕組みを
ーザーサイドの委員が参加。基盤技術研究の後継と
活用し、ユーザーの運用を視野に入れた温暖化対策技術の開発を進めるべき
して、ユーザーの運用を視野に入れた開発スキーム
である。
を検討したが、本事業の終了とともに中断した。
ポスト京都議定書では、二酸化炭素を固定する植林のインセンティブが高ま
○
「遺伝子組み換え」の社会受容性の向上について
り、植林プロジェクトが活発になると予想される。遺伝子組み換え植物は、
は、技術戦略マップにも記載しており、技術戦略マ
森林認証などでは認められていないのが現状で、普及には社会的受容性とい
ップにおける講演においても強調してきた。
う壁があるため、今後は、国際世論を説得できる環境アセスメントの必要性
が高まると考えられる。
○
事業全体の進捗管理システムが有効に機能することが最も重要となるため、
その分野への更なる人材(専任)の集中と権限の強化が必要である。
○
現行の研究開発マネジメントのスキームは崩さずに成果を確実に獲得して
いくためにも、各研究テーマの研究段階ごとの評価項目と評価基準をさらに
整備し、透明性と客観性をもった意志決定ができる仕組みを整備し運用の質
をたかめるべきである。
79
○
専任者によるマネジメントを実施した。
5-3 資金配分
<資金の過不足>
先端的研究では平均 630 万円/件、基盤技術研究では平均 4,200 万円/件/年の予
算を活用した。
<採択テーマへの資金配分>
資金は毎年実施計画の作成前に事務局が実施者に進捗度、必要設備等をヒアリ
ングし、全体予算、重要度、必要性を勘案して決定した。また、テーマ選定時
の評点や中間評価の結果は予算配分時に考慮された。
毎年、年度途中において、各テーマの進捗を勘案しながら、予算的余裕が発生
した場合には、増額により技術開発により大きな効果が期待されるテーマへの
配分調整を行った。
本制度は革新的技術について広く技術シーズの発掘と実験室での有効性の検
証を行うものである。このような为旨から、成果があがり研究プロジェクトで
その成果を吸収できるものは、たとえ研究期間が 1 年であっても、研究プロジ
ェクトに移管することにより、資金をより有効に使うように配慮した。
テーマ毎の資金の年度配分を表5-3-1、表5-3-2に示す。また、分野
毎に整理したものを表5-3-3に示す。
分野別整理に示す様に、初期は CO2 の有効利用についての資金配分が多く、次
第に分離回収、CO2 隔離、バイオマス利用の費用配分が増加している。これは技
術戦略マップにおいて「ポテンシャル・コスト両面から有効な技術群で導入に
向けた取り組みが進められるべきもの」として、分離回収、大規模植林、バイ
オマス利用が選定されたことによる。
表 5-3-1 分野別の資金の年 度配分
(単位:千円)
H14FY
先端的研究
分離回収
CO2隔離
大規模植林
バイオマス利用
有効利用
小計
基盤技術研究
分離回収
CO2隔離
大規模植林
バイオマス利用
有効利用
その他
小計
研究評価
合計
H15FY
H16FY
H17FY
4,725
12,600
7,350
12,075
10,500
47,250
14,171
5,250
5,250
12,600
37,271
H18FY
30,100
7,000
15,900
7,000
60,000
H19FY
7,400
9,700
14,200
18,700
H20FY
50,000
12,700
9,600
0
22,800
4,900
50,000
36,300
80,000
127,800
60,000
214,600
74,900
106,480
112,770
88,240
107,755
126,100
152,100
126,000
130,500
67,200
158,510
79,540
126,810
195,050
37,080
194,477
85,770
101,415
167,032
44,500
162,300
83,500
161,000
180,500
110,001
73,340
62,814
124,035
518,700
18,435
537,135
490,145
17,455
507,600
601,900
25,850
675,000
596,990
32,139
666,400
593,194
40,008
693,202
587,300
36,700
674,000
370,190
31,310
451,500
80
H21FY
78,742
78,742
157,484
合計
147,838
38,900
42,700
137,567
35,000
194,521
862,588
660,730
818,609
945,357
471,135
0
0 3,758,419
23,116 225,013
180,600 4,385,437
表 5-3-2 平成 14 年度以 降のテーマの年度配分(その1)
(単位:千円)
テーマ名
光合成機能遺伝子と有用物生産遺伝子を組み合わせ
た新たな代謝機能の発現制御技術の開発(釜石分室
㈱海洋バイオテクノロジー研究所)
二酸化炭素の電気化学的固定化技術の開発(化学研
究G)
マングローブ等熱帯沿岸生態系の修復・保全による地球温
暖化ガス回収・放出抑制評価技術の開発((社)日本海
洋開発産業協会 (財)電力中央研究所)
非光合成菌による二酸化炭素固定能の評価と利用技術
の開発(微生物研究G つくば分室 (株)日本触媒)
分類
H14FY
H15FY
H16FY
H17FY
H18FY
H19FY
20FY
21FY
合計
基盤
42,300
42,300
基盤
40,000
40,000
基盤
46,700
40,770
87,470
基盤
46,000
37,500
高分子膜によるCO2分離技術の開発(化学研究G)
基盤
36,300
36,900
44,100
117,300
太陽光を利用した半導体光触媒・金属錯体光触媒によ
るCO2光還元のための基盤技術の開発(化学研究G)
基盤
50,000
35,355
20,700
106,055
基盤
36,300
34,900
基盤
40,000
35,605
基盤
40,000
33,525
22,500
基盤
31,100
28,800
31,500
91,400
基盤
50,000
43,200
45,000
138,200
基盤
60,000
51,300
ゼオライトの有する交換性Caイオンを利用したCO2固定
化・有効利用技術の開発(化学研究G)
地中メタン生成菌によるCO2からのメタン再生のための
基盤技術の開発(貯留研究G)
深地下・海底環境利用によるCO2地殻化学固定・ハイド
レート固定のための基盤技術の開発(貯留研究G)
森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性樹木
の開発(植物研究G 王子亀山分室 王子製紙(株))
植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気
中CO2固定能増強のための基盤技術の開発(植物研究
G)
微生物機能を利用したバイオマス資源からのCO2固定グ
リーンプロセスのための基盤技術の開発(微生物研究G)
CO2分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオ
ライト膜の開発(化学研究G)
人工湧昇流海域におけるCO2吸収量の評価技術の開
発(CO2貯留研究グループ)
微生物集団系システム創成による革新的バイオ変換プ
ロセスのための基盤技術の開発(微生物研究G)
植物によるCO2固定能力増強をめざした光合成ソース
機能改良技術の開発(植物研究G)
アルカリ土類金属を利用した新規CO2炭酸塩固定化シ
ステムの開発(化学研究G)
CO2を原料とした微生物による有用物質生産技術体系
のための基盤技術の開発(微生物研究G)
蛇紋岩体の地化学環境を利用した原位置試験による
CO2地中鉱物固定のための基盤技術の開発(CO2貯留
研究G)
CO2地中貯留におけるシール層の安定性評価技術の
開発(CO2貯留研究G)
深度地下微生物生態系によるCO2固定のための基盤技
術の開発(微生物研究G)
酸化亜鉛を活用したCO2の分離・回収技術(亜鉛法)の
開発(化学研究G)
高密度官能基表面を有する新規CO2分離膜の創成(化
学研究G)
CO2分離回収型高効率水素製造のための基盤技術開
発(化学研究G)
タンパク質複合体機能を利用した革新的なセルロース
糖化法によるCO2固定化有効利用のための基盤技術開
発(微生物研究G)
革新的省エネルギー水素供給ステーション実現のため
の基盤技術研究(微生物研究G)
高効率エネルギー生産のための新葉緑体工学の確立
(植物研究G)
83,500
71,200
75,605
96,025
111,300
基盤
38,000
44,100
43,570
125,670
基盤
37,350
43,200
39,770
120,320
基盤
36,940
43,200
39,770
基盤
49,500
45,420
27,113
122,033
基盤
46,500
37,080
44,500
128,080
基盤
44,100
39,770
39,299
123,169
基盤
43,200
39,770
42,750
125,720
基盤
43,200
基盤
43,200
39,770
47,144
130,114
基盤
37,900
33,370
119,910
43,200
71,270
基盤
42,640
94,592
50,000
187,232
基盤
38,930
43,900
40,000
122,830
基盤
39,770
40,313
36,400
116,483
基盤
35,970
40,276
36,200
112,446
基盤
35,970
36,665
42,200
114,835
セルラーゼ系酵素を生産する植物の創製(植物研究G)
基盤
45,420
37,637
31,000
ジオリアクターによる排ガス中CO2の地中直接固定化技
術開発(CO2貯留研究G)
基盤
43,020
42,500
36,469
121,989
新規促進材による吸収液再生法の研究(化学研究G)
基盤
55,985
41,600
30,000
127,585
高圧ガスからのCO2吸収分離技術の開発(化学研究
G)
基盤
30,700
40,000
70,700
CO2地中貯留のための常設モニタリングシステム構築に必要
な海底計測機器開発の基礎的研究(CO2貯留研究G)
基盤
41,000
36,871
77,871
高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発(植物研究
G)
基盤
45,100
41,806
86,906
81
114,057
表 5-3-2 平成 14 年度以 降のテーマの年度配分(その2)
(単位:千円)
テーマ名
野生の乾燥強光耐性C3型植物に由来する有用遺伝資
源を用いた緑化展開
バイオエタノール生産のための選択的白色腐朽菌リグニ
ン分解系の解析と強化
帯水層に圧入された二酸化炭素挙動のモニタリングに
関する実用化技術開発の研究
海洋溶解保証による漏洩許容型CO2地下貯留技術手
法の提案
ケイ酸ナノ多孔体に配列した酵素群によるCO2の光固
定
遷移金属錯体の特性を活かした位置選択的KolbeSchmitt型反応の開発
高温高圧下でも使用可能な新規な二酸化炭素選択透
過型高分子膜の創製
微生物炭酸固定酵素の特性と進化系統に関する基礎
解析
粒界制御による3次元ミクロ細孔ネットワークを持つ多孔
性バルク材料の合成とCO2分離性能評価
高いCO2分離機構を有する新規のCO2/CH4,CO2/N2
分離用高性能DDR型ゼオライト膜の創製
集積型金属錯体を中核とした複合系光触媒による二酸
化炭素還元および水素発生に関する研究
高酸素耐性スーパーヒドロゲナーゼを用いた水素生産
系の開発
再生可能な植物油脂を基盤とするグリーンポリマーの創
製と応用
選択的RNAスプライシングによる植物への多面的環境ス
トレス耐性の付与
ゼオライト膜のブレークスルーのための高性能DD3Rゼ
オライト膜の開発と戦略的な新規八員環ゼオライトの膜
化
形質転換技術を利用したレドックスシグナルの制御によ
る高速生長、高CO2固定型の植物創製技術
3D細孔チャネルを持つ新規無機膜の合成とCO2分離
への応用
イオン液体(IL)を用いるCO2物理吸収・再生プロセス
に関する研究
分類
H14FY
H15FY
H16FY
H17FY
H18FY
H19FY
20FY
21FY
合計
先端
7,350
7,350
先端
7,350
7,350
先端
6,300
6,300
先端
6,300
6,300
先端
5,250
5,250
先端
5,250
5,250
先端
4,725
4,725
先端
4,725
4,725
先端
6,821
6,821
先端
7,350
7,350
先端
6,300
6,300
先端
6,300
6,300
先端
5,250
5,250
先端
5,250
5,250
先端
8,900
8,900
先端
8,900
8,900
先端
8,900
8,900
先端
5,600
5,600
高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発と評価
先端
6,700
6,700
海洋酸性化による海洋生態系影響評価のための擬似
海洋実験と生態系モデルの統合化による要素技術開発
先端
7,000
7,000
プラスチックの酵素分解促進法の研究開発
先端
7,000
7,000
先端
7,000
高CO2固定植物の創製に向けた高等植物のCO2感知
機構の解明
足場タンパク質を用いたセルラーゼ・ヘミセルラーゼの
固定表面への濃縮技術の研究開発
イオン液体物理吸収法による高圧ガス再生に関する研
究
Jatropha Curcas Lの優良種の交配及び形質変換系の
作出の研究:中規模実験と新規モデルによる検証
CO2の海洋貯留・吸収源の拡大におけるプランクトン群
集の正の安定化効果に関する実証
高精度な長期間海洋隔離シミュレーションを可能にする
計算手法の開発
7,000
先端
7,900
7,900
先端
7,400
7,400
先端
7,800
7,800
先端
7,600
7,600
先端
2,100
2,100
木質バイオマスの直接酵素糖化と残渣リグニンの利用
先端
6,500
6,500
木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発
先端
4,300
4,300
光合成循環的電子伝達系の強化による乾燥耐性植物
育種の可能性検討
先端
6,400
ユビキタス元素を利用する大容量CO2ストレージ物質の開発
先端
6,500
6,500
電気透析を用いた二酸化炭素回収法
先端
6,200
6,200
4,200
4,200
5,400
5,400
5,700
5,700
6,400
6,400
塩水中CO2モニタリングのための全炭酸・アルカリ度の現場計
先端
測技術の開発
大規模排出源近傍の軟質地盤における帯水層貯留の
先端
遮蔽層安全性検討
温室効果ガス回収型C1微生物コンソーシアムによる in
先端
situ バイオマス利用の基盤技術開発
木質バイオマスの酵素糖化と残渣リグニンの利用
先端
82
6,400
表 5-3-3
費用
/千円
分野毎の費用 と成果(平成 14 年度開 始テーマ~21 年 度)
共通指標/件
実施
件数
出願
論文
口頭発表
終了テーマ評価/件
次ステージ
移行
成 果
件数 評価B以上
先端的研究
分離回収
147,838
10
3
46
55
7
3
・2件を基盤技術研究・プロジェクトで利用
・1件を基盤技術研究へ以降
CO2隔離
38,900
7
0
11
13
3
3
・3件をプロジェクトで利用
大規模植林
42,700
6
1
16
62
4
4
・4件を基盤技術研究・プロジェクトで利用
137,567
10
2
42
80
3
4
・2件を基盤技術研究・プロジェクトで利用
・1件を基盤技術研究へ移行
・1件で企業との共同研究を検討中
35,000
6
1
35
87
5
402,005
39
7
150
297
22
分離回収
862,588
9
16
28
56
5
3
2
・世界トップクラスの分離性能の膜を開発
・高分子膜/高密度官能基はMETIプロジェクトかつCSLFテーマに発展
・セラミック膜はGCEPテーマに発展
CO2隔離
660,730
7
1
7
48
5
2
2
・革新的隔離シーズ3件を開発。
・2テーマが地中貯留プロジェクトに移行
大規模植林
818,609
8
5
16
54
5
2
1
・「葉緑体形質転換技術」を確立し、METI植生拡大プロジェクトに発展。
バイオマス利用
945,357
10
5
31
66
6
5
2
・世界で例のない微生物集団
・コハク酸生産速度向上
・コリネ菌でのセルロソーム発現はNEDOバイオリファイナリープロジェクトに移行
・セルロース糖化法/新葉緑体工学はプロジェクトに移行
有効利用
471,135
6
3
12
44
3
1
0
・炭酸塩固定技術を完成
3,758,419
40
30
94
268
24
13
7
バイオマス利用
有効利用
小計
14
基盤技術研究
小計
研究評価
合計
225,013
4,385,437
1
79
37
245
・技術戦略マップを作成
565
5-4 費用対効果
表5-3-3に分野毎に平成14年度開始テーマから平成21年度までの累
計費用と共通指標数、事後評価結果、おもな成果を示した。我が国における本
分野の技術戦略が示されるとともに、分離膜、葉緑体形質転換、バイオマス変
換技術など世界的にもトップクラスの成果が得られており、その成果は特許・
論文化されている。十分な費用対効果が得られていると考えられる。
5-5 変化への対応
IPCC の第四次評価報告書にみるように、地球温暖化が人為的な温室効果ガス
排出に由来するものであり、その影響が甚大であることが認識されるにつれ、
温室効果ガス削減への要求は益々大きなものとなっている。CO2 固定化・有効利
用は有望な緩和策のひとつと認識されており、このため当該分野の動きは非常
に激しい。そこで、国際動向を常に監視し、最新の動きを技術戦略マップに反
映させるようにした。また、技術開発に関しては有効な削減技術を開発すると
ともに、速やかに利用できるようにすることが求められている。このため、従
来の比較的広い技術範囲でのテーマ探索、研究テーマの募集から、技術戦略マ
83
ップを利用した重点テーマを絞り込んだ募集方法に変更し、研究テーマの集中
化を実施した。さらに、基盤技術研究の研究期間は通常3年であるが、成果の
上がらないものは中間評価の結果中止させ、成果が上がり研究プロジェクトに
移行・吸収可能なものは研究期間が1年であっても、次ステージに移行させる
ことにした。
例) 中間評価によって4件が中止。
2件(うち1件はテーマの一部)をテーマ途中でプロジェクトに移行。
84
別紙1
基盤技術研究テーマの個別票(1)
テーマ名:マングローブ等熱帯沿岸生態系の修復・保全による 期間:H12~H15FY
地球温暖化ガス回収・放出抑制評価技術の開発
実施者:(社)日本海洋開発産業協会
一部委託:(財)電力中央研究所
目
的
・
位
置
付
け
目
標
と
成
果
目的:マングローブ沿岸生態系の温暖化ガス回 位置付け(CO2 削減効果)
:
収・放出抑制量評価技術を確立。
マングローブ林の修復によって、CO2 吸収量を
増大させる。
修復可能面積:3,330 千 ha
CO2 吸収量:640~1,930 百万 t-C
目標:
①マングローブ群落地上部・地下部:
衛星画像解析によるマングローブ群落
広域炭素貯蔵量の定量評価ができるこ
と。
②マングローブ等熱帯沿岸生態系堆積
物: CO2・N2O 等温暖化ガス放出量が
定量評価できること。
③マングローブ沿岸水: CO2 吸収・放
出量と炭素貯蔵量、有機物の水中での
隔離貯蔵期間が定量評価できること。
④マングローブ等熱帯沿岸生態系全
体:汎用性のある定量評価ができ、
CDM への提言可能な技術であること。
成果:
達成度:
①マングローブの総炭素量を算出可能に 達成
し、衛星データによる植生指数と現地実
測との相関データの蓄積により、CO2 吸
収量の定量評価手法を確立。
②土壌呼吸速度計と鉛-210 による有機 C
堆貯蔵速度の評価法、および N2O 放出フ
ラックスの評価手法を確立。
③水中チャンバー式計測器、閉鎖系止水中溶
存 O2 濃度測定評価法などによる CO2 吸
収・放出量と C 貯蔵量評価手法を確立。
④生態系修復による CO2 固定量から植林
事業の CO2 放出約 1%が相殺。大規模化
と高効率化により、CO2 回収コストを0.
1万円/t-C 以下にできれば CDM 提言可
能。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
7件
学会発表:
新聞雑誌等:
特記事項:
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
事後・中間評価結果:
(NEDO 中間評価)
初年度:予算
千円
二年目:予算
千円
三年目:予算
46,700 千円
四年目:予算
40,770 千円
終了後のフォロー:―
・ CO2 固定量とコスト等の分析手法の確立に
向けた研究意義は大で、すでに要素技術と
しての確立性は高いため、実用化への FS
が強化されれば、さらなる発展が期待がで
きる。
- 85 -
20 件
0件
基盤技術研究テーマの個別票(2)
テーマ名:非光合成菌による二酸化炭素固定能の評価と利用技術 期間:H13~H15FY
実施者:RITE 微生物研究 G、
の開発
つくば分室((株)日本触媒)
一部委託:京都大学
目 目的:微生物による光合成によらない二酸化炭 位置付け(CO2 削減効果)
:
的
素固定経路の機構解明と有用物質変換の基礎
非光合成微生物が行う CO2 固定反応・経路につ
・
いては、メタン菌を除いては殆ど検討が行われ
位 技術を確立。
ていないため、CO2 固定経路の機能を解明しエ
置
付
ネルギー利用効率の評価を行う。
け
目標:
成果:
達成度:
① 高効率な非光合成二酸化炭素固定 ① 新規非光合成微生物を分離培養し、 一部達成
微生物が保有する二酸化炭素固定
メタン菌用培地、始原菌用培地、硫
関連遺伝子群を利用した、非光合
酸還元菌用培地、イオウ酸化菌用培
成微生物による高効率二酸化炭素
地でサンプルを取得。超好熱始原菌
固定システムの構築
KOD1 株のゲノム解析を行い、炭酸
② 二酸化炭素からの有用物質生産シ
固定代謝関連酵素遺伝子を確認。
ステム構築に必要な基礎技術の確
Rubisco、 Formate dehydrogenase を中
立。
心に機能解析を進めた。
③ 非光合成二酸化炭素固定微生物の ② 高速メタン生成システムの可能性検
二酸化炭素固定関連遺伝子群を光
討を進めたが、超高温メタン菌は有
目
合成生物に導入し、光合成機能と
機物が大量存在下では生育が認めら
標
高効率な二酸化炭素固定能を併せ
れなかった。
と
持った新規ハイブリッド生物創成 ③ 高温下で高比活性の Tk-Rubisco を植
成
のための要素技術の確立を目指
物に導入し炭酸固定能の向上をはか
果
す。
るため、常温域高活性化を検討。
Rubisco 破壊紅色非硫黄細菌菌体内
で Tk-Rubisco の活性型発現に成功し
た。
共通指標
説明図表:
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
7件
学会発表:
18 件
新聞雑誌等:
3件
特記事項:
予算
波及効果:
予
初年度:予算
千円
算
二年目:予算
46,000 千円
等
三年目:予算
37,500 千円
評 事後・中間評価結果:
終了後のフォロー:
価
中間・事後評価開始前のテーマ
Rubisco を常温下、植物体内で高活性な状態で
結
の発現については、基盤技術研究「植物による
果
CO2 固定能力増強をめざした光合成ソース機能
と
現
改良技術の開発」に移行。
状
- 86 -
基盤技術研究テーマの個別票(3)
テーマ名:高分子膜による CO2 分離技術の開発
期間:H14~H16FY
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:明治大学、産総研
目
的
・
位
置
付
け
目的:CO2 排出量削減に即効性を有する固定発
位置付け(CO2 削減効果)
:
生源からの CO2 分離・回収・貯留における分離 分離膜を用いて分離回収した CO2 を、別途研究
回収コストを低減させる。
開発中の貯留技術等を用いて、海中、地中に貯
概要:機械強度に優れた安価な支持層上に分離 留することにより CO2 を削減。
性能に優れた分離機能層を in-situ で形成する
CO2 分離性能に優れた高分子膜の製造技術を開
発。
目標:
成果:
達成度:
分離機能層の実効膜厚(気体透過速度
・ピンホールフリーの分離機能層を形成
達成
から算出)が100nm 程度であり、分 する製膜技術を開発。複合膜の CO2 分離
目
標
と
成
果
離係数が分離機能素材に固有の値の9
性能は、QCO2 が 3.5 - 7.5x10-10 Nm3/(m2 s
0%以上である気体分離複合膜を製造
Pa)、αCO2/N2 が 100 以上で素材固有値の
する方法を開発する。
90%を達成。
乾式法で製造した支持膜を用いて、分
・有機溶剤を使用しない CO2 分離複合膜
離性能を有する複合膜を得る。
の製造方法を開発。
・分離膜モジュールの性能を高精度にシ
ミュレーションするための膜モジュール
シミュレータを開発。
説明図表:
共通指標
減圧
分離機能素材の
希薄溶液
市販:
UF、ROモジュール
送液
ポンプ
分離機能
素材
濃度
勾配
処理溶液
図 In-situ 複合膜化技術
支持膜
1件
登録
0件
論文:
3件
学会発表:
1件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
減圧
波及効果:
溶媒分子が透過
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
特許: 出願
初年度:予算
36,300 千円
二年目:予算
36,900 千円
三年目:予算
44,100 千円
事後評価結果:B+
終了後のフォロー:
・ ガス分離膜の基礎技術として有用であり波
一部を METI 国際共同研究「分子ゲート膜」
及効果も期待できる。
(H14-17FY)に移行。METI 分子ゲート膜 PJ
・ 分離係数より透過速度が重要であり、その
検討がないと実用化が困難である。さらに
(H18-22FY)に展開し、モジュール化検討中。
認定 CSLF プロジェクトに活用され、米国 DOE
実用化には膜強度、安定性等の検討が必要。 傘下の NETL で試験を実施。
- 87 -
基盤技術研究テーマの個別票(4)
テーマ名:太陽光を利用した光半導体光触媒・金属錯体光触媒に 期間:H14~H16FY
よる CO2 光還元のための基盤技術の開発
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:東京工業大学、産総研
目
的
・
位
置
付
け
目
標
と
成
果
目的:太陽光を利用して CO2 をメタノールに還 位置付け(CO2 削減効果)
:
元する触媒を開発する。
目標とする 100 万トン⁄年の CO2 削減であれば
7.50 平方キロメートルのリアクター(2.74 キロ
概要:半導体光触媒・金属錯体光触媒による太 メートル四方の装置1基)で可能となる。
陽光を利用した CO2 光還元のための基盤技術を
開発。
目標:
成果:
達成度:
300-550 nm の波長域の太陽光が使用可
・ルテニウム-レニウム多核金属錯体にお 一部達成
能な半導体光触媒、多核金属錯体を開
ける光触媒反応メカニズムと触媒活性向
メタノール
発し、CO2 還元システムのモデルを作
上機構を解明
までの還元
製する。CO2 からメタノールへの還元
・半導体に接合可能な金属錯体と酸化タ
には至らず
が入射光の量子収率を 100%にまで近
ングステンに結合した複合系光触媒を合
づけるよう設計されたシステムの基本
成
設計を行う。システムに想定する CO2
・触媒活性が最も高くなる最適な色素吸
還元量は 100 万トン⁄年とする。
着量を明確化
※中間評価の結果、テーマを多角金属錯
体に集中することになった。
説明図表:Ru-Re 二核錯体の CO2 光還元光触媒能
共通指標
250
特許: 出願
0件
登録
0件
3+
N
Φ = 0.21
200
N
N
N
Ru
N
TNco
CO
N
CO
Re
CO
N
P(OEt)3
150
N
OH
論文:
2件
-1.77 V
学会発表:
-1.58 V
Φ = 0.12
100
17件
2+
N
N
N
N
50
Ru
N
N
OH
CO
N
CO
Re
N Cl CO
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
0
0
5
10
15
20
Irradiation time / h
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
初年度:予算
50,000 千円
二年目:予算
35,355 千円
三年目:予算
20,700 千円
■中間評価結果:研究項目一部終了
終了後のフォロー:
・金属錯体中心に研究を集中すること
長期間を要するテーマであるため、大学での研
■事後評価結果:B-
究を継続。RITE は、技術開発状況をウォッチ
・連結型錯体という新しい光触媒の方向性が示 グ。
され、多核金属錯体を使用し CO2 光還元能の向
上が確認できたことは一定の評価をする。
・基礎研究としての意義は認めるものの、実用
化の視点を盛り込んでいく必要がある。
- 88 -
基盤技術研究テーマの個別票(5)
テーマ名:ゼオライトの有する交換性 Ca イオンを利用した CO2 期間:H14~H15FY
固定化・有効利用技術の開発
目
的
・
位
置
付
け
実施者:RITE 化学研究 G
目的:CO2 を安定なアルカリ土類炭酸塩として
位置付け(CO2 削減効果)
:
CO2 を固定化
ゼオライト 5t(およそ 2m角程度)の交換器を
概要:ゼオライトの有するカチオン交換性を利 備えた処理システムで1ゼオライトイオン交
用し、廃コンクリート等の廃材あるいは天然鉱 換サイクルが 36 回/日程度とすると 3.168t/
物に含まれるアルカリ土類イオンと炭酸イオ
日の CO2 処理が可能となる。これは 600m3・N/h
ンの反応を促進し、安定なアルカリ土類炭酸塩 (200kw 相当レベル)の排ガス処理に相当
として CO2 を固定化・有効利用を図る。
目標:
成果:
達成度:
平成 16 年度までにイオン交換容量
・ゼオライトを用いてスラグや廃コンク
未達成
80meq/100g の材料開発を達成し、およ
リートから容易に Ca イオンを選択的に
→別テーマ
抽出できる技術を開発。
に引き継ぐ
3
そ 600m ・N/h(200kw 相当レベル)の
排ガス処理(CO2 処理量 3 ton/day 程度) ・プロセスを改良し、省エネルギー型の
を想定した小型のテストプラントレベ
新規 CO2 炭酸塩固定化プロセスを開発
ルでのフィージビリティースタディー
を終了し、固定化に必要な要素技術開
発を終了する。
目
標
と
成
果
説明図表:強酸・弱塩基の塩を用いた新規炭酸ガスの固定化
システム
共通指標
特許: 出願
2件
登録
1件
論文:
1件
学会発表:
3件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
波及効果:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
予算
初年度:予算
36,300 千円
二年目:予算
34,900 千円
三年目:中止
中間評価結果:中止
終了後のフォロー:
・成功裡に終了し、新テーマで成果を引き継ぐ ■ゼオライトを用いない別テーマに移行
基盤技術研究(炭酸塩固定)で H16-18 年度に
検討。
- 89 -
基盤技術研究テーマの個別票(6)
テーマ名:地中メタン生成菌による CO2 からのメタン再生のため 期間:H14~H15FY
の基盤技術の開発
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
一部委託:NPO シンクタンク京都自然史研究所
目
的
・
位
置
付
け
目的:地中貯留した CO2 のメタン生成菌による 位置付け(CO2 削減効果)
:
還元の可能性を検討。
本技術が 2010 年以降実用化され、水溶性ガス
概要:メタン生成菌の活動環境や生物学的特性 層の 10%を 50 年かけて CO2 に置換すると仮定
を明らかにするとともに、メタン生成堆積盆中 した場合、CO2 固定量は炭素換算で 1,400 万ト
に CO2 を圧入し、メタン生成菌等の微生物の活 ン/年となる。合わせて、CO2 からメタンエネ
動により圧入された CO2 や有機物等からメタン ルギーが回収できるため、本技術による CO2 削
資源を再生する。
目
標
と
成
果
減効果はさらに大きくなる。
目標:
成果:
達成度:
メタン生成菌による CO2 から CH4 への
・技術の中核をなす微生物による CO2 の
未達
変換を実験的に確認することにより、
メタン変換に関する基礎的な知見を得る
CO2 圧入-メタン採取システムの基盤
には相当の期間を要するため中止。
技術を開発する。また、適用可能な国
・メタン胚胎層は沈降速度が速い基盤岩
内のメタン生成盆の分布状況を調べる
の窪地、かつ地下水流動が抑えられた地
とともに、CO2 圧入及びメタンガス採
域を中心に存在
取の技術的可能性を示すことにより、
・水溶性天然ガスに関するデータ収集に
実現性を明らかにする。
より、ガス埋蔵量を把握
・メタン生成菌調査ではバクテリア(真
性細菌)とメタン生成菌が属するアーキ
ア(古細菌)双方が存在することが示唆
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
0件
学会発表:
1件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
波及効果:
予算
予
算
等
初年度:予算
40,000 千円
二年目:予算
35,605 千円
三年目:中止
評
価
結
果
と
現
状
中間評価結果:中止
目標に対する達成度が低い。
終了後のフォロー:
長期間を要するテーマで大学等でも検討され
・技術の確立の可能性について、見通しがたっ ていることから、RITE は、技術開発状況をウ
ォッチング。
ていない。
・外注先への依存度が高く、RITE の基盤技術
強化になっていない。
- 90 -
基盤技術研究テーマの個別票(7)
テーマ名:深地下・海底環境利用による CO2 地殻化学固定・ハイ 期間:H14~H16FY
ドレート固定のための基盤技術の開発
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
一部委託:産総研
目
的
・
位
置
付
目的:CO2 の地殻化学固定およびハイドレート固定
位置付け(CO2 削減効果)
:
の可能性を明らかにする。
国内の海底堆積層での CO2 の貯留可能量の総量
概要:深海底での CO2 ハイドレート化および蛇紋
は約 2 兆トンと評価。
岩・かんらん岩・玄武岩などの苦鉄質・超苦鉄質岩
を利用した CO2 固定化技術を開発。
目標:
・海底の堆積層中に CO2 ハイドレー
成果:
達成度:
・
達成
水深 500m、温度 4℃、地温勾配 0.03℃/m
の海底を仮定すると、ハイドレート生成
ト天盤被覆層形成のための基盤技術
領域は海底面から深度 170m までであり、
検証とともに、適用可能な海底領域
液体 CO2 を 1 万トン/日注入時、液体
を抽出し、CO2 を 300 万トン/年(炭
CO2 の海底面到達までの時間(約 330 時
素換算)規模で安定貯留するシステ
間)はハイドレート化による流動停止時
ムの実現性について評価する。
間(3 時間)より充分大きいため、天盤
被覆層形成の可能性ありと判定。
・苦鉄質岩体を用いた CO2 固定技術
目
標
と
成
果
・ 本技術が適用可能な沿岸海域(水深 500m
の実現性を明らかにする。また国内
以上、海底温度 4℃以下、堆積層の厚さ
の苦鉄質岩体等の分布状況を調べ、
1000m 以上)は、日本海及び北海道・東
実用性及びポテンシャルを評価。
北の太平洋沿岸に広く存在しているた
め、実用性も期待。
説明図表:CO2 ハイドレートによる天盤被覆層の形成概念と温度圧力
温度 (℃)
CO2圧入
0
4
8
水(L)+CO2 (G)
6
8
地層温度-圧力
10
プロフィル
600
800
海水面からの深度(m)
400
CO2 (H)+CO2(L)
水(L)+CO2 (L)
ハイドレート
4
圧力 (MPa)
D
200
CO 2(H)+CO2(G)
海底
0件
登録
0件
0
2
生成域地層
特許: 出願
12
0
ハイドレート
共通指標
論文:
0件
学会発表:
4件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
1000
液体CO2
12
予
算
等
1200
波及効果:
予算
中間評価結果:研究項目一部終了
評
価
結
果
と
現
状
初年度:予算
40,000 千円
二年目:予算
33,525 千円
三年目:予算
22,500 千円
終了後のフォロー:
蛇紋岩は別テーマ化し、それぞれ詳細に検討。 ・将来技術としての活用を期待されることから
事後評価結果:B-
本研究で得られた知見を地中貯留研究で活用。
・ハイドレート生成条件の抽出については評価。ま
・蛇紋岩帯を利用した固定については基盤技術
だ基礎研究の段階で、プロジェクト研究への移行を
研究「蛇紋岩」で H16-18 年度に検討。
評価できるレベルにはない。
・CO2 を 300 万トン/年規模で安定的に貯留するシステ
ムの実現性評価にはそぐわない計画
- 91 -
基盤技術研究テーマの個別票(8)
テーマ名:森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性 期間:H14~H16FY
樹木の開発
実施者:RITE 植物研究 G、
王子亀山分室(王子製紙㈱)
一部委託:名古屋大学、京都大学 他
目
的
・
位
置
付
け
目
標
と
成
果
目的:即効性のある森林再生技術として、樹木 位置付け(CO2 削減効果)
:
に施肥や薬剤散布によって簡便に環境ストレ
乾燥ストレスの厳しい地域で年平均成長量プラ
ス耐性を付与する技術を開発。
ス 10m3/ha・年の森林を再生することにより、2010
年には 30 万 ha の森林再生でプラス 522 万トン
CO2/年の固定を目指す(10 m3×30 万 ha×0.5[容
積重]×1.9[拡大係数]×0.5[炭素量]×44/12)。
目標:
成果:
達成度:
環境ストレスの厳しい地域に、早期に森林
再生を可能にする植林技術を開発する。具
体的には、H15 年度までの研究によってそ
の有効性が科学的に裏付けされた技術を用
いた試験植林を行って、活着率や生存率の
向上、並びに初期成長量の増大といった効
果(二酸化炭素固定量増大につながる)を
証明する。
これを数値で示すと、年平均成長量プラス
10m3/ha・年の森林を再生することにより、
プラス 17.4 トン CO2/年/ha の二酸化炭素固定に
繋がることを目指す(10 m3×0.5[容積重]×
1.9[拡大係数]×0.5[炭素量]×44/12)。
さらには、実地で有効性が証明された技
術は、周辺地域への拡大を図る。
・薬剤(シトクロム 450)および CO2 溶
達成
解水、重炭酸イオン水の灌漑施肥により
樹木(ユーカリ)に環境ストレス耐性を
付与
・ウニコナゾール-P処理により環境スト
レス応答のひとつである茎内流量を減尐
させるとともに、葉緑体が受光する光エ
ネルギーの減尐により環境ストレスを緩
和
・植林苗の環境ストレス耐性を最も効果
的に付与するための条件、効率的な薬剤
散布方法の手法を確立
説明図表:
ウニコナゾール-P 処理(UNI-0.025mg/本)ユーカリは強光乾燥擬
似環境下での植林の初期成長量(乾物重量)が増加
共通指標
300
特許: 出願
1件
登録
0件
乾物重量(g)
250
Stem
Leaf
Branch
Root
200
150
100
50
0
Control UNI-0.025 UNI-0.25 UNI-2.5
Control UNI-0.025 UNI-0.25 UNI-2.5
pF2.5(通常条件)
pF3.0(乾燥条件)
評
価
結
果
と
現
状
波及効果:
0件
学会発表:
2件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
処理
予
算
等
論文:
予算
事後評価結果:B
初年度:予算
31,100 千円
二年目:予算
28,800 千円
三年目:予算
31,500 千円
終了後のフォロー:
・遺伝子組換えによらない化学的根拠(施肥お 乾燥地へ適応する苗作りおよび実用化への可
よび薬剤散布)による環境ストレス耐性の付与 能性については開発元にて調査。
は基礎研究として評価できる。
・CO2 溶解水については、植物の生長促進には
有効であるが、効果の持続性という面では一過
的であり、課題を残した。
- 92 -
基盤技術研究テーマの個別票(9)
テーマ名:植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気中 期間:H14~H16FY
CO2 固定能増強のための基盤技術の開発
実施者:RITE 植物研究 G
一部共同:北里大学、一部委託:京都大学
目
的
・
位
置
付
け
目的:タバコ葉緑体形質転換系を用いて葉緑体 位置付け(CO2 削減効果)
:
ゲノムへ導入された遺伝子の安定発現制御技
1 年間で 1 ヘクタールあたり3〜6トンC(炭
術の確立を行い、この系を用いて葉緑体内光合 素換算)の CO2 固定が上乗せされる。また、CO2
成代謝系の改良により植物の CO2 固定能を従来 固定上昇にともなう生産性の増大分を工業原
の2倍程度に引き上げるための基盤技術を開
料生産に利用すれば、1 年間で 1 ヘクタールあ
発。
たり 3 トンC(炭素換算)の石油代替効果が期
待できる。
目
標
と
成
果
目標:
①根(プラスチド)で発現可能なプロ
成果:
達成度:
・導入遺伝子が安定的に発現できるよう
達成
モータの取得および利用法の確立
制御技術を開発し目的遺伝子を発現させ
②モデル植物において、CO2 固定能を
るプロモータ機能を確認
従来の2倍程度に引き上げる
・ラン藻 FBP/SBPase 遺伝子をタバコ葉緑
③実用植物(樹木)の葉緑体形質転換
体に形質転換させ CO2 固定能 1.8 倍、生
系の確立
長量 1.5 倍の能力を有する植物を創生
④産業利用可能な蛋白質(複数個)の
・ポプラの葉緑体形質転換に成功。
大量発現
説明図表:
左:形質転換体 右:非形質転換体 形質転換ポプラ
共通指標
特許: 出願
4件
登録
0件
論文:
5件
学会発表:
12件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
事後評価結果:B+
初年度:予算
50,000 千円
二年目:予算
43,200 千円
三年目:予算
45,000 千円
終了後のフォロー:
・葉緑体形質転換技術による生長促進効果の実 二酸化炭素大規模固定化技術開発プロジェク
証および実用植物としてポプラの葉緑体形質 ト(平成 15~19 年度、RITE/王子製紙/日本製紙)
転換に成功したことは高い成果を上げている。 に展開。
・植物が世代交代した場合でも遺伝子発現を認
めることができたことは高く評価する。
- 93 -
基盤技術研究テーマの個別票(10)
テーマ名:微生物機能を利用したバイオマス資源からの CO2 固定 期間:H14~H15FY
グリーンプロセスのための基盤技術の開発
実施者:RITE 微生物研究 G
一部委託:大阪府立大学
目的:リグノセルロースの分解・糖化と有用化 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
学品に変換する高効率バイオプロセスの構築
・現行、化学合成法によるリンゴ酸、フマル酸
概要:増殖抑制微生物細胞を反応器に高密度に 製造は化石原料を用いており、その必要原油量
充填し「触媒」として機能させ連続反応を可能 180,000T(炭素換算)分が CO2 削減量となる。
とする新規バイオプロセス確立するとともに、
遺伝子レベルによる細胞増殖抑制法の開発に
より、多様な物質生産に適用可能とする汎用型
新規高効率バイオプロセス開発に関する基盤
技術を開発。
目
標
と
成
果
目標:
成果:
達成度:
・カビに複数(5種以上)のセルロー
・木質系バイオマスの分解に必須な糸状
未達
ス類分解遺伝子を導入することによ
菌ヘミセルロース分解酵素をクローニン
り、多種類のセルロース類を同時に分
グするとともに、分解酵素の高発現株の
解することができる組換え体を育種
分子育種を行った。
し、セルロース分解効率向上効果との
・高効率バイオ変換プロセス(RITE プロ
相関を明らかにする。
セス)の増殖抑制機構についてモデルを
・为要代謝系機能を保持した状態にて
たて遺伝子破壊株等で検証を行った。
増殖抑制を可能とする人為的制御法を
・バイオマスの糖化~有用物質変換に関す
構築する。
る非常に広範囲な領域のテーマであるた
・当該人為的制御方法を利用した高効
め、研究の的が絞れず一旦中止としたうえ
率物質生産システムを検証する。
で、より具体的なテーマの提案を待つ。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
3件
学会発表:
8件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
予
算
等
波及効果:
予算
初年度:予算
60,000 千円
二年目:予算
51,300 千円
三年目:
評
価
結
果
と
現
状
中間評価結果:継続中止
・目標に対する達成度が低い。
終了後のフォロー:
・CO2 固定の具体性が見えない。
複合体機能を利用した革新的なセルロース糖
・研究の新規性が不明確である。
化法による CO2 固定化有効利用のための基盤技
研究テーマを絞り別テーマへ移行:タンパク質
術開発
- 94 -
基盤技術研究テーマの個別票(11)
テーマ名:CO2 分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオ 期間:H15~H17FY
ライト膜の開発
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:岐阜大学、東京大学他
目
的
・
位
置
付
け
目的:CO2 の分離性能に優れたセラミック膜の
位置付け(CO2 削減効果)
:
開発
無機分離膜のメリットである高温での分離が
概要:ゼオライトなどの無機ナノ多孔質材料の 可能になれば、高温で分離した CO2 を廃コンク
高配向薄膜成型を試み、新規な CO2 分離回収・ リートやスラグ等、Ca や Mg を含む廃材、ある
排出削減プロセスへ適用可能な高選択的分離
いは天然鉱物との高温反応により、生態系に影
膜製造のための技術を確立。
響を与えない安定な化合物として直接固定化
できる可能性がある。
目
標
と
成
果
目標:
成果:
達成度:
平成 17 年度(2006 年)までに、ガス分離
・ ゼオライト膜では膜圧 2μm 程度が
達成
膜のナノメートルレベルの局所構造と
製膜できる技術を完成。NaY 膜での
表面反応を制御し、さらに、微細領域
選択性は CO2/N2 は 69 と目標達成し
での結晶化挙動を明らかにしてピンホ
た。
ールのない、緻密な配向性のそろった
・ シリカ膜にアミン処理することで、
分離膜の作製技術を構築し、CO2 ある
100℃以上の高温で CO2/N2 選択性 50
いはエタノールの高選択的分離機能を
~800 を発現するシリカ-有機複合
有するゼオライト薄膜の製造に関する
膜を開発。
基盤技術を確立することを最終目標と
・ 透過率/選択性の性能は世界のトップ
する。
(目標値:膜厚 2μm 程度、CO2/N2
レベルだが、他者を凌駕する性能で
透過係数α>35)
はない。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
2件
登録
1件
論文:
6件
学会発表:
13件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
事後評価結果:C+
初年度:予算
38,000 千円
二年目:予算
44,100 千円
三年目:予算
43,570 千円
終了後のフォロー:
・従来材料の延長線上である.また,アミン修 ■プロジェクトに展開
飾では耐熱性に疑問がある
GCEP プロジェクト(H15-17 年度)でさらに要素
・他技術を超える実用レベルの性能(透過速度 技術開発を継続。
+選択比)は得られていないが、配向性のそろ
った緻密な薄膜を製造する技術等は今後の展
開に期待を持たせる。
- 95 -
基盤技術研究テーマの個別票(12)
テーマ名:人工湧昇流海域における CO2 吸収量の評価技術の開発
期間:H15~H17FY
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
一部委託:東京大学、東京海洋大学
目
的
・
位
置
付
け
目
標
と
成
果
目的:海洋領域における CO2 吸収能力の予測
位置付け(CO2 削減効果)
:
・本テーマは森林と同様に CO2 吸収源拡大に位
概要:湧昇渦発生構造物設置海域における海域 置付けられ、既存の海底構造物を対象とした湧
調査、室内実験およびモデル計算を行い、人工 昇による年間の CO2 固定量は約 1,700tonC/yr と
湧昇渦を利用した効率的な CO2 吸収方策提案の 予想される。
ための CO2 吸収量評価技術を開発する。
目標:
成果:
達成度:
・観測・実験により把握された海底マ
・ 生月島の構造物設置海域における海
達成
ウンドによる湧昇渦発生機構(上下層
域調査、生物生産性の室内実験、湧
の海水混合機構)とモデルによる予測
昇流メカニズム検討実験、湧昇流モ
から、海底マウンドの設置海域選定に
デル計算等を実施し、CO2 吸収量を
関する検討を行う。
実験とモデルの両面から整合性があ
・上記機構に基づく CO2 吸収モデルを
る評価技術を開発した。
開発し、海域調査および室内実験によ
・ 120×60×12mの構造体設置で約 900
り得られたパラメータを用いた CO2 吸
~約 5,000tonCO2/yr が固定できると
収量の予測を行い、効率的な CO2 吸収
試算
方策としての人工湧昇流を利用した
CO2 吸収量の評価技術を開発する。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
3件
学会発表:
15件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
波及効果:
予
算
等
予算
(社)水産土木建設技術センターで「湧昇マウンド礁 初年度:予算
37,350 千円
の CO2 固定効果等把握検討調査」が開始
二年目:予算
43,200 千円
(H19-21FY)
三年目:予算
39,770 千円
事後評価結果:B+
終了後のフォロー:
評 ・潮流・海流を利用のためエネルギー的に有利、 ■他の研究調査に利用
価 かつ初期建設コストのみで維持費がかからな 水産庁委託調査「湧昇マウンド礁の CO2 固定効
結
いという利点をもち、長期的に相当量の CO2 固 果等把握調査」
(平成 19-21 年度)にて研究成果
果
の一部を利用。
と 定が期待できる。
現 ・有機物が難分解性溶存有機物に進む経路を明
状 らかにし海洋中での有機炭素の固定効果を評
価することが望まれる。
- 96 -
基盤技術研究テーマの個別票(13)
テーマ名:微生物集団系システム創成による革新的バイオ変換プ 期間:H15~H17FY
ロセスのための基盤技術の開発
実施者:RITE 微生物研究 G
一部委託:東京大学
目的:バイオマスの効率的な前処理・糖化法を 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
構築
・10 年後のガソリン需要を約 600 万 kL、10%
概要:バイオマスを安定かつ効率的に分解する エタノール混合燃料の市場普及率を 20%とす
複合微生物集団を自然界から単離・解析し、人 れば、120 万 kL のガソリン消費削減量となる。
為的制御が可能な人工微生物集団を創製する。 す な わ ち 、 ガ ソ リ ン か ら の CO2 排 出 係 数
さらに遺伝子組換え等により微生物集団への
(2.31kG- CO2/L)を考慮すると、約 280 万トン
有用物質生産株の導入等により、新規な革新的 の CO2 削減が可能となる。
バイオ変換プロセスの基盤技術を開発。
目標:
・100g/Lの稲わらを4日間で 50%以
成果:
達成度:
・ソフトバイオマス(稲わら)を高速で
達成
上分解する人工生態系(一度単離した
分解する微生物集団を創製し、その集団
微生物からの再構成系)を構築する。
中の微生物を単離・同定した。
・その他のバイオマス、蛋白・脂肪系
・単離した微生物を再構成し、セルロー
廃棄物分解微生物集団を構成する为要
スをさらに効率的に分解する人工微生物
微生物を単離し、再構成系を構築する。 集団を創製した(世界で初めての成果)
・稲わら分解微生物集団内で、高効率 ・メタン菌や遺伝子改良したコリネ型細
目
標
と
成
果
有用物質生産能を有し、集団内で安定
菌を微生物集団に導入し、稲わらからの
定着が可能な微生物を改良・創製し、
メタンやエタノールの生産性を高めた。
システムの最適化を図る。
説明図表:
共通指標
評
価
結
果
と
現
状
波及効果:
0件
登録
0件
論文:
5件
学会発表:
9件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
再構成微生物によるロ紙分解
予
算
等
特許: 出願
予算
事後評価結果:A
初年度:予算
36,940 千円
二年目:予算
43,200 千円
三年目:予算
39,770 千円
終了後のフォロー:
・微生物集団系では、各微生物の生理活性を保 有機物の効率的な廃棄物処理法として、バイオ
ったまま維持することは極めて難しいが、本研 リファイナリPJで利用
究では自然共生系を凌駕する人工微生物集団
を創成しており、非常に高く評価できる。
・バイオマス種の拡大、処理量の向上と単一生
産物への絞り込みが課題。
- 97 -
基盤技術研究テーマの個別票(14)
テーマ名:植物による CO2 固定能力増強をめざした光合成ソース 期間:H16~H18FY
機能改良技術の開発
実施者:RITE 植物研究 G
一部共研:京都大学、奈良先端大学他
目的:植物による単位面積あたりの CO2 固定量 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
増大
本提案技術により、3~6t-C/ha/yr の CO2 固定が
概要:優良ルビスコおよびその改良ルビスコを 上乗せされる。
環境ストレス耐性等他の PJ の成
作製し、タバコ葉緑体形質転換系を用い光合成 果の統合により、砂漠などで利用した場合、10
ソース機能改良植物を作出し、そこで得られた ~12t-C/ha/yr の CO2 固定と試算される。また、
光合成ソース機能改良植物の機能評価を行う。 CO2 固定上昇にともなう生産性の増大分を工業
原料生産に利用すれば、3t-C/ha/yr の石油代替効
果が期待できる。
目標:
成果:
達成度:
通常の植物に比べ2倍以上の生長量
・光合成能力の高い Pyrococcus
一部達成
(生産性)を示す改良植物の創製をめ
kodakaraensis 由来のルビスコ遺伝子を植
ざす。
物の生育温度領域でも性質が発揮できる
ように改変し葉緑体に導入した。ルビス
コ改変・形質転換体の作出に時間がかか
り、性能評価までは至らなかった。
・ルビスコ周辺の CO2 濃度を高める代謝
目
標
と
成
果
系の導入について検討した。ホスホエノ
ールピルビン酸カルボキシキナーゼの発
現体では野生型と比較して2倍程度の生
育が観察された。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
2件
学会発表:
9件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
初年度:予算
49,500 千円
二年目:予算
45,420 千円
三年目:予算
27,113 千円
事後・中間評価結果:C
終了後のフォロー:
・
“技術の開発”の視点ではほぼ目標を満たし
・大規模固定 PJ で利用
ているが、
”光合成機能の改良”の視点では、
未だ基礎的な初期段階にとどまっている。
・ルビスコのタンパク質工学的改良とタバコ葉
緑体への遺伝子導入技術が構築されたことは
評価できる。
- 98 -
基盤技術研究テーマの個別票(15)
テーマ名:アルカリ土類金属を利用した新規 CO2 炭酸塩固定化シ 期間:H16~H18FY
ステムの開発
実施者:RITE 化学研究 G
目的:CO2 を炭酸塩として固定化する技術
位置付け(CO2 削減効果)
:
①廃コンクリートは年間 3,500 万トン(平成 13
目
的
・
位
置
付
け
概要:CO2 固定化・有効利用技術として、スラ
年度)
、これを利用した場合には、最大で 348
グ・廃コンクリート等の廃材や天然鉱物に含ま 万 t-CO2 程度の固定が可能であると見積もられ
れるアルカリ土類イオンと炭酸イオンの反応
る。
を促進し、安定なアルカリ土類炭酸塩として
②鉄鋼スラグのうちリサイクルが困難とされ
CO2 を固定化・有効利用する技術を開発する。
ている製鋼スラグは 1,217 万トン(平成 14 年)
とされており、その 1/10 を固定化に使用した
場合でも、およそ 100 万トン/年の CO2 排出削
減が可能である。
目標:
成果:
達成度:
平成 18 年度までに廃コンクリートある ・粉砕工程でのエネルギー低減のため、
目
標
と
成
果
いは鉄鋼スラグに含まれるアルカリ土
反応液を添加し粉砕と抽出反応を同時進
類金属の 58%以上を 100℃以下程度の
行させ、スラグの脆化を促進させ、粉砕
マイルドな反応温度条件下で抽出し、
動力を 3 割削減した。
炭酸塩としての固定化に必要な要素技
・固液分離動力の低減方法について検討
術開発を終了する。
した結果、装置形状の変更が必要である
ことが明らかとなった。
・プロセスコストは本研究の目標値であ
る 7200 円/t-CO2 を達成した。
説明図表:CO2 の Mineralization 固定化隔離技術の概念図
Industry
(Storage)
・製鐵所
・セメントプラント
・製紙工場
Capture & Separation
沈殿(炭酸塩)
Ca2+抽出
Ca2+ and/or Mg2+
containing solution
アルカリ土類金属源
・鉄鋼スラグ
・廃コンクリート
・ペーパースラッジ焼却灰
(・天然鉱物)
<Mineralization>
<Industrial use>
SiO2 rich
residual solid
評
価
結
果
と
現
状
共通指標
特許: 出願
1件
登録
0件
<Industrial use>
CO2
Waste
予
算
等
達成
論文:
2件
学会発表:
6件
新聞雑誌等:
1件
CaCO3 and/or MgCO3
・固形化
漁礁、海洋構造物
特記事項:
・ゼオライト化
・肥料、土壌改良剤
・白色化
製紙填料
波及効果:
予算
事後・中間評価結果:B
初年度:予算
46,500 千円
二年目:予算
37,080 千円
三年目:予算
44,500 千円
終了後のフォロー:
・炭酸塩化を利用した新しい CO2 固定化技術に 産業との連携により実用化技術の確立を目指
関する研究で、ほぼ当初の予定通り進んだと判 した検討を模索したが、未達成。
断される。
・実プラントを意識して実現の可能性と課題を
明らかにしており、優れた取り組みである。
- 99 -
基盤技術研究テーマの個別票(16)
テーマ名:CO2 を原料とした微生物による有用物質生産技術体系 期間:H16~H18FY
のための基盤技術の開発
実施者:RITE 微生物研究 G
目的:微生物への CO2 取り込み能を増加
目
的
・
位
置
付
け
位置付け(CO2 削減効果)
:
本提案技術により、有価化学品の化石原油資源
概要:コリネ型微生物の特性を利用し、バイオ 由来の原料を、CO2とバイオマス由来の有機物
マス由来の糖類と CO2 からコハク酸を生成する 原料へ転換することにより、直接的に化石原油
RITE プロセスにおいて、CO2 利用率の向上を狙 資源を削減できる。
う
2030 年において、現状の国内生産量年間 500 万ト
ンの 10%を占めた場合、有価化学品合成に必要
な原油量は 120 万トンと試算され、これにより約
300 万トンの CO2 排出削減量となる。
目標:
①コリネ型微生物の CO2 取り込み機構
成果:
達成度:
・CO2 の取り込み、組み込み、糖利用に
達成
を酵素レベルにて解明し、CO2 取り込
関するメカニズムを明らかにした。
み能の強化技術を確立する。
・CO2 Integration 機構の効率化によって、
②为要な CO2Integration (組み込み)反応
コリネ型細菌の細胞当たりの CO2 固定速
酵素群について、遺伝子工学的手法を用 度の増加(従来コリネ型細菌と比較して
1.5 倍)に成功し、面積当たりでの従来光
いて酵素活性を数倍に増大する。
目
標
と
成
果
③コリネ型微生物の PTS(ホスホトラン 合成微生物バイオプロセスの CO2 固定速
度 50 g CO2/m2/ day より格段に高い 30,000
スフェラーゼシステム)を遺伝子レベ
ルにて改良し、新規な糖類同時資化機
g- CO2/m3/day の CO2 固定速度が示され
構および高効率糖類取り込み機構を構
た。
築する。
説明図表:
共通指標
光合成微生物プロセス
光供給
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
必要
2
コリネ型細菌プロセス
登録
0件
不必要
論文:
1件
学会発表:
5件
新聞雑誌等:
0件
50 g CO2/m /d (単位面積当たり)
30,000 g CO2/m /d(単位容積当たり)
CO2 からの生産物
微生物体
コハク酸
生産物の利用用途
家畜飼料、肥料、建材
事後評価結果:A
3件
3
CO2 固定速度
波及効果:
特許: 出願
有用化学品
(生分解性プラスチック原料等)
特記事項:
予算
初年度:予算
44,100 千円
二年目:予算
39,770 千円
三年目:予算
39,299 千円
終了後のフォロー:
実施内容は計画どおり達成され、基礎的に興味 グルコースから有用物質への変換効率を高め
深い成果が得られている。革新的な CO2 固定化 る基盤技術としてバイオリファイナリ PJ で利
技術の基盤として、実用化を含め、今後さらな 用
る進展が期待される。
- 100 -
基盤技術研究テーマの個別票(17)
テーマ名:蛇紋岩体の地化学環境を利用した原位置試験による
期間:H16~H18FY
CO2 地中鉱物固定のための基盤技術の開発
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
目
的
・
位
置
付
け
目的:CO2 地中鉱物固定技術の開発
位置付け(CO2 削減効果)
:
概要:超苦鉄質岩の一種である蛇紋岩体での原 本技術により、合計 16 億トンの CO2 が蛇紋岩
位置 CO2 圧入試験と室内試験を実施し、試験サ 体内に固定・貯留が可能と推定される。
イトでの CO2 貯留可能量の試算およびコスト構 ①国内の蛇紋岩体に存在するブルーサイトへ
造の把握によって、効率的な固定化システムの
の CO2 固定:約 9 億トン
構築を行う。
②蛇紋岩体のシール性能の向上による、孔隙へ
の超臨界 CO2 の貯留:約 7 億トン
目標:
成果:
達成度:
蛇紋岩体における原位置 CO2 圧入試験
・ 北海道日高町岩内岳で圧入試験を実施し、
達成
および反応と物質移行に関するモデル
蛇紋岩体内部で CO2 が固定された直接の証
の結果から、固定システムにおいてポ
拠を得た。
イントとなる工学プロセスを抽出す
目
標
と
成
果
・ 物質移行を計算して CO2 圧入量を評価する
る。これらを基に高効率な固定化シス
モデルから 7,000~71,000 トン/年の速度の
テム設計技術を開発し、国内の蛇紋岩
CO2 圧入が可能であると計算された。
体における CO2 貯留可能量の試算を行
・ 本結果を用い CO2 の圧入年数を 20 年間と
い、圧入コストが 1000 円/t-CO2 程度の
想定した場合、国内で 11 億 1 千万~14 億 7
CO2 固定化システムを構築する。
千万トンの CO2 ポテンシャルがある計算さ
れた。
説明図表:原位置試験概念図
ポンプ
制御
装置
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
圧入性の計測
蛇紋岩体
論文:
1件
学会発表:
7件
新聞雑誌等:
2件
特記事項:
電源部
上部パッカー
CO2 圧入
ポンプ
下部パッカー
反応後
コア採取
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
事後評価結果:A
初年度:予算
43,200 千円
二年目:予算
39,770 千円
三年目:予算
42,750 千円
終了後のフォロー:
・地化学的側面に関する研究は原位置、室内バ 帯水層貯留の補完技術として確立
ッチ試験により一定の成果が認められる。
・一方で、移行に関しては不十分。CO2 圧入可
能量算定に用いられている設定(仮定)の根拠
に活かせる研究が必要。
- 101 -
基盤技術研究テーマの個別票(18)
テーマ名:CO2 地中貯留におけるシール層の安定性評価技術の開 期間:H16FY
発
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
一部委託:(財)電力中央研究所
目
的
・
位
置
付
け
目的:地層の特性に対する長期的な影響評価技 位置付け(CO2 削減効果)
:
実用化段階の地中貯留(帯水層貯留)可能量の
術を開発。
うち、本研究により以下の貯留容量を確実化す
概要:CO2 の隔離性能は、貯留層上部の地層(シ
るための技術的な基礎の提供と、二酸化炭素削
ール層)のシールの性能に大きく依存するた
減のより長期的な視点での計画が可能となる。
め、CO2 との化学反応を考慮した長期安定性の ①陸域で確認されている堆積盆地内の背斜構
評価が、重要な課題となっている。貯留層上部
造を伴わない帯水層
15,847 百万 t-CO2
のシール層と CO2 の反応性を調べるとともに、 ②海域の堆積盆地内の背斜構造を伴わない帯
水層
72,042 百万 t-CO2
(二酸化炭素地中貯留技術開発 H12 年度成果
報告書より)
長期的な安定性評価技術を開発する。
目標:
成果:
達成度:
国内のシール層として期待できる地層
・シール層岩石についてシール性能や浸
達成
について、長期安定性に対する CO2 の
透率への影響を評価する実験システムを
影響評価モデルを構築するとともに、
開発・完成
その評価技術を提案する。
・長岡実証試験サイト(岩野原)での試
料を用いて予備実験を行い、シール性を
確認することができた。
目
標
と
成
果
説明図表:CO2 の長期隔離性能に影響を及ぼす因子
CO2の圧入(貯留層)
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
シール層への移行
シール層との化学反応
(鉱物溶解/再沈殿反応)
浸透率の変化
安定性評価
技術の開発
論文:
0件
学会発表:
2件
新聞雑誌等:
0件
力学的強度の変化
特記事項:
(地層構造の変化)
CO2の保持性能の変化
(漏洩率の変化)
波及効果:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
予算
初年度:予算
事後・中間評価結果:-
43,200 千円
終了後のフォロー:
■プロジェクトに展開
破過圧力測定実験システムの開発に目途が早
期に付いたため、システム開発の探索研究を終
了し、地中貯留PJの中での実試料測定に移行
- 102 -
基盤技術研究テーマの個別票(19)
テーマ名:深度地下微生物生態系による CO2 固定のための基盤技 期間:H16~H18FY
術の開発
実施者:RITE 微生物研究 G
目的:深度地下に存在する微生物生態系に注目 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
し、その性質と機能を解明して、CO2 固定への
深度地下微生物のバイオマスは炭素換算で 2×
応用を目指す。
1014t にものぼり、地上の全バイオマスの 100 倍
概要:深度地下微生物の還元力と炭素の由来な も存在すると報告がある。仮にこれを地上で発
どを解明し、CO2 固定法の可能性とその方法を
生する CO2 を固定することで 1%増加させるこ
検討する。また、深度地下サンプルから抽出し とができれば、2×1012t の炭素を地中に固定で
た DNA 中から有用遺伝子を探索し、CO2 固定
きると見込まれる。
等への利用可能性を検討する。
目標:
成果:
達成度:
・微生物学的な解析や探索と共に、地
・新潟県油井から OFOR に関しては 12
達成
下環境における還元力と炭素の由来に
個、IDH に関して 7 個、Rubisco に関して
ついて調べ、深度地下微生物による新
13 個、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FDH)に
たな CO2 固定化法の有効性を確認す
関して 11 個、CO デヒドロゲナーゼ
る。
(CODH)に関して 5 個、合計 48 個の
CO2 固定遺伝子がクローニングされた。
目
標
と
成
果
・茂原天然ガス井戸地層水からは OFOR
に関しては3個、IDH に関して4個の遺
伝子がクローニングされた。
説明図表:深度地下微生物による CO2 固定の概念
CO2
光合成
炭素循環
植物
CO2隔離
深度地下微生物
波及効果:
予
算
等
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
呼吸
動物
無尽蔵の還元力を
論文:
0件
学会発表:
5件
新聞雑誌等:
4件
特記事項:
CO2固定に利用
予算
初年度:予算
43,200 千円
二年目:予算
39,770 千円
三年目:予算
47,144 千円
事後評価結果:A
終了後のフォロー:
評
価 ・大深度地下に生息する微生物および CO2 固定 メタゲノム法の確立を踏まえた、バイオマス利
結 関連酵素遺伝子に関する情報が大量に得られ 用 PJ 等の基盤技術のひとつとして利用
果 ている。大深度地下環境 DNA の遺伝子資源と
と しての可能性は十分に示すことができた。
現
・有用酵素タンパク質の機能改良に結びつく可
状
能性がある。
- 103 -
基盤技術研究テーマの個別票(20)
テーマ名:酸化亜鉛を活用した CO2 の分離・回収技術(亜鉛法)の 期間:H16~H17FY
開発
目
的
・
位
置
付
け
実施者:RITE 化学研究 G
目的:酸化亜鉛を活用した CO2 の分離・回収技 位置付け(CO2 削減効果)
:
術の確立
1,000MW 級石炭火力に本技術を適用した場合、
概要:アミン法より CO2 固定能力が高く、CO2
脱炭率 50%とすると、年間 CO2 分離・回収量は
分離・回収エネルギー消費が低いことが予想さ 約 100 万 t-C と見込まれる。
れる酸化亜鉛を活用した CO2 の分離・回収技術
(亜鉛法)の開発を行う。
目標:
酸化亜鉛を活用した CO2 分離・回収技術を
確立し、以下3つの目標を達成する。
1.亜鉛利用率:55%以上;
但し、
成果:
達成度:
・吸収液組成と CO2 吸収速度の関係
未達
亜鉛利用率=
ニアの損失の問題を解決
回収前炭酸亜鉛モル数-回収後炭酸亜鉛モル数
・CO2 吸収速度と ZnO の粒子形状の
を明らかにした。アンモニアを使用
せず CO2 吸収が可能であり、アンモ
関係を明らかにした。
亜鉛モル数
目
標
と
成
果
 100%
・炭酸亜鉛沈殿物の分解反応のモデ
2.エネルギー消費:アミン法(MEA 法) ル化
の 50%以下;
・エネルギー収支面でアミン法に比
3.アンモニア再利用率:99%以上(但し
べた優位性が見出せないことから中
アンモニア使用場合に限る)
。
4.装置コスト:アミン法の装置コスト以下 止とした。
説明図表:
共通指標
ZnO
CO2吸収剤として再利用
ZnO・NH3水溶液
特許: 出願
1件
登録
0件
清浄ガス
燃焼排ガス
NH3
ZnCO3-NH3
吸収液ろ過
(再循環)
CO2貯槽
ZnCO3結晶
水蒸気
図1
予
算
等
0件
学会発表:
2件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
ZnO
固液分離装置
NH3ストリッピング
装置
論文:
CO2
ZnO貯槽
熱分解装置
酸化亜鉛・アンモニア錯体を介した液体型CO2分離・回収
プロセスフロー
波及効果:
予算
初年度:予算
37,900 千円
二年目:予算
33,370 千円
三年目:
評
価
結
果
と
現
状
中間評価結果:中止
終了後のフォロー:-
・提案のプロセスの位置付けは、アミン法等に
代替する新たな吸収プロセスの開発にある。
・提出されたプロセスフロー、物質収支、熱収
支からはこれまでの方法と比較して優位性を
見出すことは出来ない(高温での CO2 脱離、ス
ラリー乾燥でのエネルギー消費の大など)
。
- 104 -
基盤技術研究テーマの個別票(21)
テーマ名:高密度官能基表面を有する新規 CO2 分離膜の創成
期間:H17~H19FY
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:京都大学
目的:CO2 の膜分離における CO2 分離性能の向 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
上。
本技術の実用化により、圧力を有する CO2 ガス
概要:CO2 と親和性を持つ官能基を高密度に有
源から従来技術の 1/2~1/3 のコスト・動力で
する膜表面を、成長核の導入、分岐構造の構築、 CO2 を分離することが可能となる。2030 年にお
末端官能基の導入等より創出すると共に、本技 ける地中貯留と海洋隔離を合わせた 3,000 万 t術を用いて CO2 分離性能に優れる分離膜を開発 CO2/年のうち、研究開発であることを考慮し
する。
10%に貢献すると仮定すると、300 万 t- CO2/年
の削減に貢献する。
目標:
成果:
・CO2 親和性官能基の膜表面密度が2 ・デンドリマーのアミノ基密度向上を目
5%である表面構造を創出する。
達成度:
達成
指し、デンドリマー溶液の液面にステア
・CO2/N2 選択性が300以上である高 リン酸を展開し固定することで密度を目
密度官能基表面を有する CO2 分離膜を 標の 20%に対し 25%を達成した。
・デンドリマー分離機能層を有する複合
開発する。
膜を作成し、膜厚 20nm で CO2 透過速度
目
標
と
成
果
が 3.8×10-7m3/m2/s/Pa、CO2/N2 分離係数が
740 を達成した。
説明図表:高密度表面膜の意義と有効性
共通指標
官能基(アミノ基)の占有面積
理論上
12 %
> 50 %
現行最高レベル
官能基
(アミノ基)
ポリアミドアミン(PAMAM)
デンドリマー(0世代)
CO2
CO2
薄膜でもCO2と-NH2基が
高い確率で相互作用
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
1件
学会発表:
2件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
・CO2選択性の向上
・超薄膜で高CO2透過速度
波及効果:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
事後評価結果:B
予算
初年度:予算
42,640 千円
二年目:予算
94,592 千円
三年目:予算
50,000 千円
終了後のフォロー:
・LB 法を利用して目標の CO2 親和性官能基密 ■プロジェクトに展開
度 25%を達成。グラフトポリマーで萌芽的な結 本研究の成果は、分子ゲート膜プロジェクトに
果が得られているため今後に期待したい。
引継ぎ、膜モジュールメーカー4 社の協力を得
・目指す膜開発とその基礎性能は優れており高 て、実用化を視野にポリマーの開発とモジュー
く評価できるが、膜モジュール化が遅れている ル化を進めている。
のが残念である。
- 105 -
基盤技術研究テーマの個別票(22)
テーマ名:CO2 分離回収型高効率水素製造のための基盤技術開発
期間:H17~H19FY
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:東北大学
目
的
・
位
置
付
け
目的:水素製造を可能とする分離膜の開発
位置付け(CO2 削減効果)
:
概要:水素分離膜に CO2 の吸着分離を組み合わ 30%のリファイナリーで本プロセスが適用さ
せて化学平衡をずらすことを特徴とする CO2 分 れたとすると、400×103kl/年の原油使用が低減
離回収型高効率水素製造技術の確立に向けて、 可能であると試算され、プロセス改善のみの効
長寿命かつ安価な新しい水素分離膜の開発と
果として 300,000ton-C/yr の CO2 排出削減が見込
耐水蒸気性に優れた化学吸着剤の開発を行う。 まれる。
目標:
成果:
達成度:
金属 Pd の使用量を 10 分の 1 以下に抑
・大口径メソ細孔シリカを用いることで
-7
3
達成
2
えた新しい水素分離膜を作製し、分離
水素パーミアンス 1.8×10 Nm /m /s/Pa
性能としては、従来の 20μm の膜厚の
を得た。
Pd 膜の水素透過速度が2倍程度でα
・Pd による細孔内緻密化を行ったところ、
(H2/COx)>1000 を有し、かつ従 水素選択性 10,000 程度、水素パーミアン
目
標
と
成
果
来型の膜と比較して長寿命が見込める
ス約 1×10-9 Nm3/m2/s/Pa となった。
高効率水素分離膜の開発を目指すとと
・アルミナ基板上の Pd/Si 層上にメソ細孔
もに、トータルシステムの省エネ効果
シリカ薄膜と無電解めっきを施すことに
を評価する。
より、水素選択性 1460、水素パーミアン
ス 4.7×10‐9 Nm3/m2/s/Pa と高い水素選
択性と熱的安定性を示した。
説明図表:複合構造の概念図 シリカ膜のアルミナ支持体形成
共通指標
特許: 出願
4件
登録
0件
論文:
膜厚300nm
多孔質アルミナ
支持体
Pdナノ粒子
学会発表:
14件
新聞雑誌等:
特記事項:
メソ細孔シリカ膜
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
4件
事後評価結果:B+
初年度:予算
38,930 千円
二年目:予算
43,900 千円
三年目:予算
40,000 千円
終了後のフォロー:
・優れた構想と展開により着実に水素選択透過 □別テーマへ移行・展開を検討中
膜の性能を向上させている。
・Pd 使用量大幅低減の可能性を示す成果を得
た。
・水素分離膜だけでなく、触媒膜作製の基盤技
術として可能性が期待できる。
- 106 -
0件
基盤技術研究テーマの個別票(23)
テーマ名:タンパク質複合体機能を利用した革新的なセルロース 期間:H17~H19FY
糖化法による CO2 固定化有効利用のための基盤技術開発
実施者:RITE 微生物研究 G
一部委託:京都大学、長岡技術科学大学他
目的:バイオマスの高効率の前処理・糖化法を 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
確立する。
本技術により、ブタノール、アセトン等の化学
概要:高い糖化能力を持つ蛋白質複合体セルロ 品がバイオマス資源から生産された場合、これ
ソームを遺伝子組み換え技術により増殖速度
まで原料生産のために消費されてきた化石資
の高いコリネ型細菌に生成させ、バイオマスの 源の使用量低減が見込め、これにより年間約
糖化―有用物質変換プロセスの高速化を計る。 444 万トンの CO2 排出削減効果が期待できる。
また、白色腐朽菌のリグニン分解機構を解析
し、リグノセルロース利用のための基礎研究を
実施する。
目標:
1)Clostridium 属細菌由来のセルロソ
ーム機能を発現する C. glutamicum 細胞
を作成する。これにより C. glutamicum
によるセルロース糖化を可能にする。
成果:
達成度:
・ハードバイオマスを生物分解可能な白
達成
色腐朽菌 C.subvermispora の所持するリグ
ニン分解機構の解明を行い、リグニン分
2)C. subvermispora の選択的リグニン 解性ラジカル種の同定を行った。
分解に関与する遺伝子の絞り込みを行 ・白色腐朽菌のリグニン分解機能を強化
目
標
と
成
果
い、機能強化のための分子基盤を構築
するため、組換え遺伝子発現系を用いた
する。
育種システムの開発を行い、C.subvermispora
のβチューブリン遺伝子のプロモータ
ー、ターミネーター領域を利用した形質
転換ベクターを作製した。
説明図表:概念図
共通指標
稲わら
酵素糖化
セルラーゼ
グルコース
ソフトバイオマス
木材
エネルギー
化成品
の生産
波及効果:
0件
登録
0件
論文:
11 件
学会発表:
15 件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
ハードバイオマス
予
算
等
特許: 出願
予算
事後評価結果:A
評
価 ・セルロソーム機能発現 C. glutamicum 菌作製は
結 実用化プロジェクト研究へと移行しており、技
果 術の実現可能性が十分示されている。木質バイ
と オマス利用を見据えて、白色腐朽菌のリグニン
現
分解機構解明に着手したことも時宜を得てい
状
る。
初年度:予算
39,770 千円
二年目:予算
40,313 千円
三年目:予算
36,400 千円
終了後のフォロー:
■プロジェクトに展開
・H17年度まで成果をバイオリファイナリー
PJへ展開。
・プログラム研究グリーンフューエルにおい
て、担子菌による選択的リグニン分解の解明と
分子育種の研究を利用。
- 107 -
基盤技術研究テーマの個別票(24)
テーマ名:革新的省エネルギー水素供給ステーション実現のため 期間:H17~H19FY
の基盤技術研究(副題)バイオシフト反応による高効率水素製造 実施者:RITE 微生物研究 G
システム
一部委託:大阪大学
目
的
・
位
置
付
け
目的:バイオマスからの効率的な水素の生産
位置付け(CO2 削減効果)
:210 万 kW 級燃料
概要:バイオマスのガス化による水素製造にお
電池用の水素製造において、バイオシフト反
いて、水素収率の高い常温・常圧でのシフト反
応による水素製造技術を現行の石炭ガス化水
応を触媒する微生物を用いた高効率水素製造
素製造の 10%に対して導入することにより、
システムを確立する。シフト反応触媒活性の人
年間約 300 万トンの CO2 削減が期待される。
為的な誘導と、触媒菌体の大量調製に関する基
さらに、常温・常圧で進行するシフト反応に
盤技術の開発を行う
より投入エネルギーが 10~20%削減され、約
30~60 万トンの CO2 削減が可能となる。
目標:
1. 遺伝子組み換えによる光非依存的な
成果:
達成度:
・常温・常圧で進行する微生物触媒を用
達成
大量触媒製造法(菌体調製法)の確立
いたシフト反応(バイオシフト)への関
2. 連続反応時における反応速度低下要
与が推測される遺伝子を複数同定した。
因の特定
・シフト反応制御因子として CO ガスに
よる水素生成誘導や制御に関連すると予
想されるタンパク質を見出した。
目
標
と
成
果
説明図表:システム概念図
共通指標
バイオシフト反応
(特徴;常温、常圧)
バイオマス
ガス化
( 800~1000℃)
H2 CO2
CO + H2O
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
0件
学会発表:
1件
新聞雑誌等:
4件
特記事項:
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
事後評価結果:B
初年度:予算
35,970 千円
二年目:予算
40,276 千円
三年目:予算
36,200 千円
終了後のフォロー:
・遺伝子発現解析による水素生成系機能の解明 □要素技術を基盤研究等に利用。
と菌体の調整法については、特に評価すべき成
果が得られている。
- 108 -
基盤技術研究テーマの個別票(25)
テーマ名:高効率エネルギー生産のための新葉緑体工学の確立
期間:H17~H19FY
実施者:RITE 植物研究 G
一部委託:京都大学
一部共同:インドネシア技術評価応用庁 他
目
的
・
位
置
付
け
目的:油糧作物として首位の座にあるアブラヤ 位置付け(CO2 削減効果)
:アブラヤシで実用化
シの油脂生産性改良を目指す。
する場合、油脂部の生産量を 6t/ha/yr と想定し
概要:高速バイオマス生産をめざし、葉緑体工 既存の石油代替エネルギー生産のための原材
学を利用した高成長ポプラ、アブラヤシの作出 料として利用すると、12 万 ha 程度の植林で 16
のための葉緑体形質転換系の確立を行う。
万 t-C/yr と予想。一方、油脂部以外の生産量を
38t/ha/yr と想定しメタノールとして利用する
と、114 万 t-C/yr と予想。
目標:
成果:
・ アブラヤシの葉緑体形質転換手法の ・アブラヤシ細胞への遺伝子導入条件を
確立
決定し、遺伝子組換え細胞の選抜のため
・ 脂肪酸合成酵素(FAS)導入タバコ
の培養条件も決定した。
の油脂生産性評価と生育解析
・タバコの油脂生合成系遺伝子導入株を
達成度:
達成
取得した。
・フェレドキシンが脂肪酸成分の不飽和
度制御に関与することを明らかにすると
目
標
と
成
果
ともに、葉緑体形質転換技術を用いて脂
質組織を改変することに成功した。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
1件
学会発表:
5件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
不定胚様組織(左)から緑葉組織(右)を形成するアブラヤシ
波及効果:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
初年度:予算
35,970 千円
二年目:予算
36,665 千円
三年目:予算
42,200 千円
事後評価結果:B-
終了後のフォロー:
・ポプラにおいて FBP/SBPase を導入したにも
■プロジェクトに利用
かかわらず、その効果が認められなかったのは 葉緑体工学については、環境安心イノベーショ
残念である。要因の解析が不可欠。
ンプログラム/植物機能を活用した高度モノ
・世界で成功例のない課題であったがポプラの づくり基盤技術:開発/植物の物質生産プロセ
葉緑体形質転換に成功など、注目すべく成功例 ス制御基盤技術開発に成果を利用。
も含まれている。
- 109 -
基盤技術研究テーマの個別票(26)
テーマ名:セルラーゼ系酵素を生産する植物の創製
期間:H17~H19FY
実施者:RITE 植物研究 G
一部委託:三重大学、長岡技術科学大学
目
的
・
位
置
付
け
目的:再生可能な植物バイオマス資源の利用促 位置付け(CO2 削減効果)
:①葉緑体形質転換技
進を進める。
術で創製した植物の作付けにより、緑化面積
概要:葉緑体形質転換技術によって、木質バイ 100ha 規模で 5,000 トン程度の炭素固定量が見
オマス分解酵素であるセルラーゼ酵素を植物
込まれる。②廃棄・焼却により CO2 化している
内に生産させ、粉砕操作だけで糖化する植物を 利用可能なバイオマス資源の 1%を石油代替資
創製。
源として高度利用した場合、32 万トン相当の
CO2 排出削減効果が見込まれる。
目
標
と
成
果
目標:
成果:
達成度:
植物バイオマスの直接糖化に必要なセ
・セルラーゼ系酵素(EGIII(エンド型グル
一部達成
ルラーゼ系酵素群を生産する組み換え
カナーゼ), XynA(キシラナーゼ A), XynB)
植物(5種類程)を得ること、酵素を
をそれぞれ生産するタバコ葉緑体形質転
生産する組み換え植物の破砕物あるい
換植物を作出した 。
は抽出物を組み合わせて作用させるこ
・生産酵素を利用した再構成セルラーゼ
とで木質バイオマスあるいはセルロー
によるろ紙の糖化能を検出した 。
スからグルコースを製造すること。
・生産した各酵素(EGIII, XynA, XynB)が
活性を示すことを確認した。
説明図表:
共通指標
図4 キシラナーゼ活性の検出
XynAおよび XynBを生産タバコについてヘミセルロース
分解活性の検出を行った。活性を示すと青色に呈色する。
波及効果:
0件
登録
0件
論文:
1件
学会発表:
3件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
予算
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
特許: 出願
事後評価結果:B-
初年度:予算
45,420 千円
二年目:予算
37,637 千円
三年目:予算
31,000 千円
終了後のフォロー:
・葉緑体工学により植物バイオマス分解のため □技術のウォッチング
のセルロース分解酵素等の多量生産を図る試
みはよかったが、3 つのプロジェクトが最後ま
でいかなかったことは残念である。
・植物の葉緑体工学でセルラーゼ系酵素の生産
を図る試みは新奇性があり、意義深い。
- 110 -
基盤技術研究テーマの個別票(27)
テーマ名:ジオリアクターによる排ガス中 CO2 の地中直接固定化 期間:H18~H20FY
技術開発
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
一部共同:(財)電力中央研究所、京都大学
目的:発電所等の排ガスに含まれる CO2 を地下 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
に注入し、炭酸塩鉱物等として固定化すると共 これまで、CO2 の大規模排出源近傍で実用性の
に、CO2 が除去されたガスを回収し大気に放出
高いと評価される地中高温地域は、北陸、九州
するシステムを開発する。
地域を中心に多数存在していると報告されて
概要:排ガスと水を地熱岩盤中へ注入し、CO2
おり、その CO2 の貯留可能量の総量は約 11.8
-水-岩石の反応により、CO2 の貯留及び炭酸
億トンと評価されている。
塩固定化するための基盤技術を開発する。原位
置試験、室内試験、シミュレーション解析、実
用性評価を実施する
目標:
成果:
達成度:
排ガス中の CO2 を地下へ固定化する技
・ 原位置試験によって CO2 溶存濃度が 達成
術的基盤を得る。具体的には、排ガス
0.8w%の場合、注入した CO2 の大半
中に含まれる 10~20 体積%の CO2 の
が 2-3 日以内に鉱物固定されること
80%以上を除去し、その経済性が 2,000
が判明。
円/トン CO2 程度である処理システム
・ 年間 1 万トン規模の CO2 圧入時のシ
を開発する。
ミュレーション解析を行い 50 年で圧
入 CO2 の 40%、数百年でほぼ 100%
目
標
と
成
果
が炭酸塩固定。また、同規模 30 年間
圧入の概念設計を実施。海外事例か
ら処理コストは 2800 円/tCO2 と推
定。
説明図表:ジオリアクター概念図
【ジオリアクターを用いた貯留法】
ジオリアクターを用いた貯留法】
蒸気+N2など
丌飽和CO2溶解水
リサイクルライン
注入井
大規模排出源
共通指標
気液分離装置
特許: 出願
1件
登録
0件
地下水面
パイプライン
輸送
自然注入
自然上昇
N2+
丌飽和CO
丌飽和CO2水
(二相流)
排ガス+
排ガス+水
~100℃
100℃
論文:
3件
学会発表:
16件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
人工キャップロック形成
(方解石等)
岩石+CO
岩石+CO2
→方解石
~200℃
200℃
熱
予
算
等
波及効果:
予算
初年度:予算
二年目:予算
三年目:予算
評
価
結
果
と
現
状
中間評価結果:継続
終了後のフォロー:
43,020 千円
42,500 千円
36,469 千円
・断片的ではあっても地下サイトでのいくつか 平成 22 年度 NEDO「クリーンコール技術に関
の観察がシミュレーションと矛盾していない
する基盤的国際共同研究」にて成果が引き継が
ことが確認されている。次のステップへの移行 れる。
も考えたい。
・実証化の可能性評価が今後重要
- 111 -
基盤技術研究テーマの個別票(28)
テーマ名:新規促進材による吸収液再生法の研究
期間:H18~H20FY
実施者:RITE 化学研究 G
目
的
・
位
置
付
け
目
標
と
成
果
目的:低エネルギー・低コストの CO2 分離回収 位置付け(CO2 削減効果)
:
技術を開発。
CO2 吸収量(CO2 回収率 90%)は、100 万 kW
概要:化学吸収法における CO2 吸収液の圧力差 級石炭火力 1 基で 600 万トン、100 万 kW 級天
再生プロセスとそれを促進する材料を開発し、 然ガス火力 1 基で 350 万トンが期待される。
低エネルギー消費、低コストの新しい CO2 分離
回収技術を確立する。
目標:
成果:
達成度:
CO2 吸収液の圧力差による CO2 放散 ・吸収液再生促進材料としてアルミナ多 達成
を促進する材料の開発および吸収液と
孔質体、吸収液として、二級アミンま
の最適組み合わせを提出し、実用化を
たは三級アミン+吸収促進剤が有用で
想定した CO2 分離回収システムにおい
あることを見出した。
て、
エネルギー消費 0.1kWh/kg-CO2 以
・アルミナ多孔質膜を用いた膜フラッシ
下(既存化学吸収法 0.4kWh/kg-CO2)
ュ方式に、現状廃棄されている低品位
コスト
2,000 円/t-CO2 以下
の熱エネルギーを活用できる新プロセ
(*)(既存化学吸収法 3,900 円/t-CO2)
スを開発した。製油所での水素製造時
となることを示す。
(*) EU プロジェクトのコスト目標
の PSA オフガス適用で、消費エネルギ
20 ユーロ/t-CO2 に対抗し得る値
ー:0.1 kWh/kg-CO2(廃熱利用時)
、回
(前提電力単価 6 円/kWh)
収コストは 3000 円/tCO となった。膜
2
コスト低減等でさらなるコストダウン
可能。
説明図表:プロセスの概念図
共通指標
特許: 出願
2件
登録
0件
論文:
6件
学会発表:
6件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
初年度:予算
55,985 千円
二年目:予算
41,600 千円
三年目:予算
30,000 千円
終了後のフォロー:
・計画通りに進んでおり、目標達成の可能性も 企業との連携を模索中。
十分に期待できる。
・無効低温エネルギーの所在を確認していただ
きたい。
- 112 -
基盤技術研究テーマの個別票(29)
テーマ名:高圧ガスからの CO2 吸収分離技術の開発
期間:H19~H20FY
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:産総研
目的:化学吸収法による高圧ガスからの低コス 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
ト CO2 分離技術を開発する。
500MW 級 IGCC 発電所において、水性ガスシ
フト反応により炭素は全量 CO2 として排出さ
概要:高圧条件に適した新化学吸収液を開発し れ、その全量を分離回収し貯留した場合、約 400
て低エネルギー・低コストで分離回収するとと 万トン/年の CO2 の大気中への放散を抑制でき
もに、高圧ガスのもつ圧力エネルギーの最適利 る。
用システムの開発により、CCS における分離回
収・圧縮工程の大幅なコスト低減を図る。
目標:
成果:
達成度:
圧縮を含む分離回収コスト 1,500 円
①反応熱 45kJ/molCO2 を満足する低反応
達成
/ton-CO2 を目指す。
熱アミンを 3 種見出した。
-反応熱 45kJ/mol-CO2 程度の高圧用新
吸収液の開発
②本アミンを用いた高圧ガス(CO2 分
圧:1.6MPa)からの CO2 分離回収時の
-高圧ガス吸収シミュレータの構築と
CO2 分離エネルギー・コストの評価
圧縮工程こみの消費エネルギーは
MDEA 使用時の 13%まで削減されると
試算された。
目
標
と
成
果
説明図表:高圧ガスからの CO2 吸収分離技術の概念図
高圧
ガス
分離回収
圧縮
輸送
圧入
高圧CO2 ➜ 圧縮費省略
処理済ガス
高圧化学吸収法の特長
CO2
フラッシュ
ドラム
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
特許: 出願
2件
登録
0件
論文:
2件
学会発表:
5件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
②CO2を高圧で回収
➜圧縮コスト低減
IGCC等の
高圧ガス
吸収塔(40℃ )
①高PCO2のため吸収量、
吸収速度向上
➜常圧で低反応性の低
反応熱3級アミンの活用
共通指標
再生塔(70-120℃ )
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
初年度:予算
30,700 千円
二年目:予算
40,000 千円
終了後のフォロー:
・研究は計画通り進めてよいと判断できる。化 H21FY は「分離・回収に係る基盤技術の開発」
学吸収、物理吸収法の他の方法との差別化、特 の中で実施。
徴づけをして頂きたい。
・化合物合成のコスト、再生処理も含めた経済
性なども考慮されるべきである。
- 113 -
基盤技術研究テーマの個別票(30)
テーマ名:CO2 地中貯留のための常設モニタリングシステム構築 期間:H19-20FY
に必要な海底計測機器開発の基礎的研究
実施者:RITE CO2 貯留研究 G
目的: 地中貯留における CO2 挙動モニタリン
目
的
・
位
置
付
け
位置付け(CO2 削減効果)
:
グに適した「海底常設型受振システム」の開発 安全管理上重要なモニタリング手法を開発す
を目指す。
ることによる、有効かつ安定した地中貯留に寄
与。
概要:地中における CO2 の挙動をモニタリング
するツールとして、石油探査に用いられる常設
型海底受振システムを応用した、低コストで長
期間の繰り返し観測が可能な装置および解析
手法の構築を目指す。
日本における CO2 地中貯留可能量
カテゴリーA
カテゴリーB
(背斜構造への貯留) (層位トラップなどを有
する地質構造への貯留)
坑井・震探データ
A1
油ガス田
が豊富
35 億トン CO2
B1
275 億トン CO2
坑井・震探データ
A2
基礎試錐
あり
52 億トン CO2
坑井データなし、
A3
B2
基礎物探
震探データあり
214 億トン CO2
885 億トン CO2
合計
301 億トン CO2
1,160 億トン CO2
地質データ
目標:
成果:
達成度:
CO2 地中貯留モニタリングに特化した
・ OBC 機材 2 ラインによる野外実験を
達成
海底常設型受振システムの試験機の開
行い、レコーダシステムの安定稼働、
発および評価を行い、基本性能(感度、
埋設によるモジュール移動の防止、
再現性等)を把握する。
GPC ナビ発震システムによる発震位
置の高精度の再現が可能であること
を確認。
目
標
と
成
果
・ また貯留層変化の観測精度と発震点
数、受信点数との関係を求めた。
説明図表:システム概念図
データ収録装置
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
電源/クロック信号
連続データ
海底敶設
ケーブル
水深約30m
センサー
アンプ/AD変換装置
データ伝送装置
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
論文:
0件
学会発表:
3件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
分岐装置
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
初年度:予算
41,000 千円
二年目:予算
36,871 千円
終了後のフォロー:
・海底での使用形態、検討点を示した点で、現 H21FY から二酸化炭素貯留隔離 PJ の中で実施
時点の成果や目的を示すことが必要。
・モニターの必要性は疑いないが、モニター機
能の検証として、実用化を目指す実海域との条
件の差は大きく、今後より現実的な解析、ある
いはそのための計画が不可欠。
- 114 -
基盤技術研究テーマの個別票(31)
テーマ名:高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発
期間:H19~H20FY
実施者:RITE 植物研究 G
一部委託:大阪大学、京都大学、日本製紙㈱
目的:乾燥地・塩害地などの不良環境地で効率 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
的な植林を行うための技術を開発し、CO2 吸収
塩性害地域のユーカリによる炭素固定量を
源としての植生拡大を目指す。
2.2Ct/ha/yr とすると、本技術の適用により生育
量 1.5 倍として 3.3Ct/ha/yr の固定量が期待され
概要:これまで成果が期待できなかった半乾燥 る。実施対象地を乾燥害、塩性害が発生してい
地や塩害地などの未利用地への植林の拡大を
る务化農耕地、放牧地の 10 万 ha とすると、見
図るため、既存の植林事業地から早期に実用化 込まれる炭素固定量は年間 33 万 Ct と期待され
が可能なストレス耐性木選抜技術の開発を目
る。
指す。
目標:
成果:
達成度:
・ストレス耐性候補ユーカリの利用
・自然界より単離されたストレス耐性ユ
達成
約 70 系統のストレス耐性候補木を選 ーカリを用い、精英候補3系統の耐乾燥
抜し、クローン化する。
性、水利用効率等の違いを見出した。
・ストレス耐性木の迅速選抜技術の開発 ・これらの違いについて、炭素安定同位
ストレス耐性メカニズムを解明する
目
標
と
成
果
体比の違いにより説明できることがで
ことによりストレス耐性木を迅速に選
き、精英樹探索のマーカーとなりうるこ
抜するための技術を開発する。
とを示した。
説明図表:高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
0件
学会発表:
3件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
初年度:予算
45,100 千円
二年目:予算
41,806 千円
終了後のフォロー:
・実験室レベルの解析の深化、たとえばマイク 21 年度「大規模植林による地上隔離に係る基盤
ロアレー等の利用と、現地での栽培実験の結果 技術の開発」の中で実施。
の統合を図ることが不可欠。
・実験系で指標がみつかっており、現地での解
析に期待。
- 115 -
基盤技術研究テーマの個別票(32)
テーマ名:葉緑体工学による活性酸素制御“モデル植物での 期間:H19~H20FY
HDP-APX システム強化”
実施者:RITE 植物研究 G
目的:乾燥地等の生育不適地での植生拡大を可 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
能とするため、乾燥地等で植物を枯死させる原 ・半乾燥地バイオマス生産量の 2 倍の成長量が
因となる活性酸素による酸化障害に強い植物
期待できれば、西豪州の約 10 万 ha の半乾燥
を葉緑体工学により創生する技術を開発する。
地放牧地で、年間 60 万 tDW のバイオマス獲
得が見込まれる。
概要:葉緑体工学によるストレス耐性植物の創 ・イネの年間エタノール生産量は 160 万 kℓ(原
製のために、HDP システムおよび APX システ
油換算 96 万 kℓ)見込まれるため、なるエタ
ムの強化を図る。
ノールの収量増が期待できる。
目標:
成果:
達成度:
葉緑体での余剰な光エネルギーを熱に
・葉緑体形質転換により、モデル植物タ
一部達成
変換し、消費する熱散逸(HDP)シス
バコへ過酸化水素消去酵素 APX 遺伝
テム強化による活性酸素生成抑制と、
子を導入し、葉緑体での APX タンパク
APX システム強化による活性酸素消去
質の蓄積に成功した。
の強化により回避することを、タバコ
・葉緑体形質転換により、モデル植物タ
およびシロイヌナズナのモデル植物で
バコへ APX 遺伝子と熱散逸能を増強
実証する。
するフェレドキシン(Fd)遺伝子の多
重遺伝子導入に成功した。
・モデル植物シロイヌナズナ変異株のス
目
標
と
成
果
クリーニングにより、熱散逸システム
を欠損した変異株 1 株を取得し、熱散
逸システムに関与する新規遺伝子の同
定を行った。
説明図表:
共通指標
SUN
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
0件
学会発表:
0件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
初年度:予算
42,700 千円
二年目:予算
21,008 千円
終了後のフォロー:
・実験は着実に進展しているが、目標の結果に 技術のウォッチング
は達していないのが残念。これまでの形質転換
体での比較をしてほしい。
・目標の設定が不明確な部分があり、やや研究
の進行に遅れがある。
- 116 -
基盤技術研究テーマの個別票(33)
テーマ名:ソフトバイオマスからの次世代バイオ燃料生産基盤技 期間:H19~H20FY
術の開発
実施者:RITE 微生物研究 G
目的:食糧資源と競合しないソフトバイオマス 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
を利用した高生産性のブタノール生産プロセ
現在のガソリン消費量約 6,000 万 kℓの 3%をブ
スの基盤技術の開発を行う。
タノールで代替することにより、年間約 370 万
トンの CO2 削減効果が期待できる。
概要:高増殖速度の好気性微生物をブタノール (ガソリンの CO2 排出係数:2.36kg- CO2/ℓ、ガ
生産に応用し、高生産性ブタノール生産プロセ ソリンおよびセルロース由来バイオ燃料の熱
スの基盤技術の開発を行う。
量あたりの CO2 発生量:94g- CO2MJ、11gCO2/MJ)
目標:
成果:
達成度:
従来の嫌気性細菌を利用したブタノー
・ブタノール生産好気性株(E.Coli
達成
ル生産と比較して、数倍以上の高生産
BUT2)を構築するとともに、副生成物
性のブタノール生産プロセスを構築す
を抑制し、ブタノール収率を向上する
る。
ための酸化還元酵素遺伝子の導入を試
-嫌気性細菌のブタノール生産遺伝
みた結果、副産物であるギ酸生成が完
子、酵素の解析
全に抑制され、ブタノール生産性が向
-新規ブタノール生産好気性微生物の
目
標
と
成
果
上した。
構築
-新規ブタノール生産微生物を用いた
バイオプロセスの構築
説明図表:
共通指標
1. ブタノール生産遺伝子、酵素の解析
特許: 出願
0件
登録
0件
既存ブタノール生産微生物
(Clostridium属細菌)
2. 新規ブタノール生産微生物の構築
好気性(通性嫌気性)
工業微生物
3. 新規ブタノール生産プロセスの構築
1件
学会発表:
1件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
高生産性(数 g/l/h 以上)
ブタノール生産プロセスの開発
予
算
等
論文:
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
評
価 ・10g/L/h までの道のりは遠いが、大腸菌におい
結 てブタノール生産が可能になったことに期待
果 したい。
と ・ブタノール生産技術向上への期待は大きい。
現
化学用途と大量の燃料用途で目標コストが変
状
わると思うが、進展に期待する。
初年度:予算
65,500 千円
二年目:予算
43,308 千円
終了後のフォロー:
21 年度「大規模植林による地上隔離に係る基盤
技術の開発」の中で実施。
22 年度 NEDO 「戦略的バイオマスエネルギー
利用技術開発」へ利用
- 117 -
基盤技術研究テーマの個別票(34)
テーマ名:統合型水素生産システムによるバイオマスからの高収 期間:H19~H20FY
率水素変換のための基盤技術の開発
目
的
・
位
置
付
け
実施者:RITE 微生物研究 G
目的:嫌気/光を利用する微生物の水素代謝機 位置付け(CO2 削減効果)
:
能を解析・機能改変により、効率的な水素生産 ・バイオマスを用いた水素製造技術を石炭ガス
を目指す。
化水素製造の 10%に対して導入すると、年間
約 300 万トンの CO2 削減が期待される。
概要:光合成細菌および嫌気性細菌の水素生産 ・セルロース系未利用廃棄物のうちの 5%が回
に関する研究を行い、最終的二つの微生物を統
収され本法で水素が生産されたとすると、年
合したトータルな水素収率の向上を図る。
間約 300 万トンの CO2 削減が期待される。
目標:
成果:
達成度:
・嫌気性細菌による糖類からの水素収
・大腸菌への異種ヒドロゲナーゼ遺伝子
達成
率の向上
・光合成細菌の光水素生成経路解明と
水素生産の効率化
・嫌気性細菌・光合成細菌による統合
水素生産システムの開発
の導入による水素生成能の増加が確認
された。
・光合成細菌の乳酸からの水素生成能は
大きいが、酢酸からはほとんど生成さ
れず、乳酸については生成に至らない
ことが確認された。
目
標
と
成
果
説明図表:統合型水素生産システム
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
0件
学会発表:
2件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
予
算
等
評
価
結
果
と
現
状
波及効果:
予算
中間評価結果:継続
初年度:予算
42,400 千円
二年目:予算
37,213 千円
終了後のフォロー:
・微生物による水素生産の試みとして着実に進 21 年度「大規模植林による地上隔離に係る基盤
展。実際のシステム化においては大腸菌と光合 技術の開発」の中で実施。
成細菌の複合系を如何に維持するか、また基質
の幅を広げるなど課題は多い。
・H2 生産の実用化は困難な課題であるが、是
非頑張って欲しい。
- 118 -
基盤技術研究テーマの個別票(35)
テーマ名:省エネルギー型圧力スイング吸着法による新規 CO2 分 期間: H20FY
離回収技術の開発
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:九州大学
目的:石炭ガス化生成ガスや採掘天然ガス等の 位置付け(CO2 削減効果)
:
目
的
・
位
置
付
け
高圧ガスからの吸着分離法による省エネルギ
本技術開発によって、分離回収コスト 1500 円/
ー型の CO2 分離回収技術の開発
tCO2 以下を狙う。
概要:
(1)高圧ガスからの分離に適用可能な
新規 CO2 吸着剤の開発
(2)上記吸着剤の水蒸気影響低減方法の検討
(3)新規吸着剤を用いた分離プロセスのエネ
ルギー・経済性評価
目標:
成果:
達成度:
新吸着材性能;水蒸気共存条件下にお
①水分の影響を受けず高圧条件下に適し
達成
いてモレキュラーシーブ13X に匹敵
た疎水性吸着剤を開発した。
する CO2 吸着性能と、低脱着エネルギ ②本吸着剤の物性値を元に、IGCC の
目
標
と
成
果
ー化が可能な高性能吸着剤の開発:
CO2 回収に適用する場合の消費エネ
高圧(1.5MP)吸着 → 常圧(1Mpa)
ルギーの超概算を行った結果、分離回
脱着による真空ポンプ動力の削減
収エネルギーおよそ 0.5GJ/t-CO2 と極
CO2 吸着量目標値:3 mol/kg 以上
めて省エネルギーのプロセスになりう
分離回収エネルギー 1.5 GJ/t-CO2(=
ることが示された。
SELEXSOL 法) 以下
分離回収コスト 1,500円/t-
CO2 吸以下
説明図表:
共通指標
従来法PSA(常圧燃焼排ガス)
提案法(高圧ガスからの
CO2分離に適用)
除
湿
塔
吸
着
塔
吸
着
塔
吸
着
塔
CO2
分離回収エネルギーの30%
評
価
結
果
と
現
状
吸
着
塔
高圧ガス
(IGCC、天然ガス)
CO2
真空ポンプ
吸着剤・・・ゼオライト13 X,5A
⇒水蒸気により CO 2吸着量が低下
予
算
等
2件
登録
0件
H2, CH4, H2O
N2, O2
排ガス
特許: 出願
・ 高圧ガスへの適用による動力低減
論文:
2件
学会発表:
5件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
・ 除湿塔省略による省エネ・簡略プロセス
波及効果:
予算
初年度:予算
中間評価結果:継続
40,001 千円
終了後のフォロー:
・吸着の务化による低下が尐ないと予想される 21 年度「分離・回収に係る基盤技術の開発」の
ことは魅力的。
中で実施。
・綿密なコスト計算も行われており、実現への
可能性も高い。
・H2O 存在下で使える吸着剤を開発は成果大。
- 119 -
基盤技術研究テーマの個別票(36)
テーマ名:バイオマスからのグリーンフューエル生産基盤技術の 期間: H20FY
開発
実施者:RITE バイオ研究 G
一部委託:京都大学
目
的
・
位
置
付
け
目的:ハードバイオマス(木質系)や低品位バイオマス 位置付け(CO2 削減効果)
:
(食糧廃棄物等),栽培系バイオマス(海藻等)を効率
わが国でバイオ燃料の減量として利用可能と
的に低分子化し,代謝物をバイオ燃料に変換する
考えられるバイオマス資源約 6,000 万トンのう
バイオプロセスの基盤技術開発を行い,バイオマス資
ち半数以上を占めるハードバイオマスや低品
源の拡大,国産バイオマスからのバイオ燃料(グリー
位バイオマス等の現在廃棄されている資源の
ンフューエル)生産技術の確立を図る。
有効利用。
目標:
成果:
達成度:
① ハードバイオマス(木質系)の利
① 白色腐朽菌による選択的なリグニン分解
達成
用技術の開発: 担子菌による前
を制御する重要な鍵代謝物としてセリポリ
処理と木質セルロース分解に用い
ック酸の新規な誘導体を見出した。また、
る糖化酵素の最適化
脂質代謝物を合成するアシル CoA 合成酵素
② バイオマスガス化成分(CO)高効率
変換技術の開発: 高圧ガス炉で
合成ガスに転換した後の CO ガス
目
標
と
成
果
(ACS)遺伝子をクローニングし大腸菌を宿
为とした発現系を構築した。
②バイオマスガス化成分(CO)の代謝微生物
の変換に微生物を利用する。
の単離のためにスクリーニングを行い、5種
③ 海藻成分からのバイオ燃料生産技
類程度が集積。遺伝子の解析により嫌気
術の開発: アルギン酸やマンニ
性細菌が検出され、培養代謝物から培養
トールを資化する代謝経路の解
液中に代謝されたエタノールを確認。
明。
③コリネ菌にアルギン酸代謝系の遺伝子を入
れた結果、オキシドリダクターゼ遺伝子を導
入するとコリネ菌 R 株はアルギン酸での生
育能を獲得することが分かった。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
0件
登録
0件
論文:
2件
学会発表:
13件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
RNAi ベクターの共形質転換と PCR による導入 DNA の確認
予
算
等
波及効果:
評
価
結
果
と
現
状
事後・中間評価結果:継続
予算
初年度:予算
43,514 千円
終了後のフォロー:
・非食料からのバイオエタノール生産技術は重 21 年度「大規模植林による地上隔離に係る基盤
要であり、方向性を明らかにして是非継続いた 技術の開発」の中で実施。
だきたい。
・燃料のニーズと研究実用化の時期を見極める
ことが必要(研究のしぼり込み)
。
- 120 -
基盤技術研究テーマの個別票(37)
テーマ名:分離・回収に係る基盤技術の開発
期間: H21FY
実施者:RITE 化学研究 G
一部委託:岐阜大学、九州大学、産総研
目
的
・
位
置
付
け
目的:高圧ガスに適用し CO2 回収エネルギー・ 位置付け(CO2 削減効果)
:
コストの小さな分離回収技術を開発する
本技術開発によって、分離回収コスト 1500 円/
概要:①高圧用化学吸収液の開発、②イオン液 tCO2 以下達成を狙う。
体の開発、③高圧条件に適した水蒸気の影響阻
害のない物理吸着法の開発
目標:
成果:
達成度:
高圧ガス(4MPa,CO2 濃度 40%)に適用 ① 高吸収速・高放散速度を示すアミン
し、CO2 回収エネルギー・コストの小
を見出し、分離回収エネルギーを算
さな化学吸収法、イオン液体、物理吸
出。放散圧 4MPa では分離回収コス
着法を開発するとともに、経済性評価
ト 1500 円/tCO2 時の圧縮含む想定分
を行い分離回収コストが 1,500 円/t-CO2
離回収エネルギー1.5GJ/t-CO2 にほぼ
以下となる可能性を検証する。
等しくなる。また、IGCC の実ガス試
達成
験(4 日間)で液务化のないことを確
認。
② 低粘度化にとりくみ粘性率 20%低
減。コスト算出は未達。
③ 水蒸気の共存下で CO2 回収量
3.6mol/kg を達成。小型 2 塔式連続吸
目
標
と
成
果
着試験装置で数十回の繰り返しレベ
ルで安定性を確認。所要エネルギー
は 0.46GJ/t-CO2 と計算され、このとき
のコストは昇圧こみ 1813、昇圧なし
719 円/tCO2 となった。
説明図表:
高圧吸収剤使用時
のエネルギー消費
共通指標
特許: 出願
2件
登録
0件
の算出結果
物理吸着剤の連続
論文:
4件
学会発表:
8件
新聞雑誌等:
0件
特記事項:
試験結果
予
算
等
波及効果:
初年度:予算
- 121 -
78,742 千円
基盤技術研究テーマの個別票(38)
テーマ名:大規模植林による地上隔離に係る基盤技術の開発
期間: H21FY
実施者:RITE バイオ研究 G
一部委託:京都大学
目
的
・
位
置
付
け
目的:木質バイオマスや低品位バイオマス、海 位置付け(CO2 削減効果)
:
洋バイオマスを効率的に低分子化し、代謝物を 大規模 CO2 固定に資するユーカリ優良種選抜の
バイオ燃料に変換する基盤技術を確立し、資源 迅速化、ブタノール・水素等のバイオ燃料製造
の拡大を図る。また、ユーカリの育種法として 原料となるバイオマス資源の拡大。
遺伝子操作によらない耐環境性ユーカリ選別
法を開発する。
目標:
成果:
① CO2 の大規模固定法として注目さ
③ DNA マーカーの検討を行った結果、 達成
れている乾燥などに強い耐環境性
31 種類のプライマーにおいて再現性
ユーカリの選抜について、ユーカ
のある遺伝子増幅が確認された。う
リ精鋭樹選択マーカーの探索
ち 13 種類のプライマーにおいて系統
② 木質のセルロースを利用するため
間で異なる遺伝子増幅が確認され尐
の白色腐朽菌による選択的リグニ
なくとも 3 系統の系統識別が可能な
ン分解プロセスの解明ならびに白
RAPD マーカーが単離された。
色腐朽菌育種システムの開発
④ 選択的リグニン分解菌における安定
③ セルロース系バイオマスを原料と
な形質転換系の開発に初めて成功し
した統合型水素生産技術の確立。
た。また、マンニトールからのエタ
④ 次世代バイオ燃料としてのバイオ
ブタノール生産大腸菌の生産性向
目
標
と
成
果
達成度:
上
ノール生産も確認された。
⑤
大腸菌に異種起源のヒドロゲナー
ゼを導入し、セルロース系バイオマ
スなどからの水素生産に関わる遺伝
子の最適発現条件を検討した。
⑥ 大腸菌などの工業微生物でブタノー
ルを生産するための、大腸菌で発現
可能な高機能な酵素遺伝子を見出し
た。
説明図表:
共通指標
特許: 出願
2件
登録
0件
論文:
8件
学会発表:
7件
新聞雑誌等:
1件
特記事項:
RAPD マーカー候補に
よる3系統のフィン
ガープリント
予
算
等
波及効果:
各ブタノール濃度
下における大腸菌
の増殖挙動
予算
初年度:予算
- 122 -
78,742 千円
別紙2
特許・論文等の成果
(先端的研究)
【1】遷移金属錯体の特性を活かした位置選択的 Kolbe-Schmitt 型反応の開発(京都大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Masahiro Murakami, Naoki Ishida, and Tomoya Miura, “Solvent and Ligand Partition
Reaction Pathways in Nickel-Mediated Carboxylation of Methylenecyclopropanes”
Chemical Communications 2006, 643-645.
2) Masahiro Murakami, Naoki Ishida, and Tomoya Miura, “Synthesis of β-Amino Acid
Derivatives by Nickel(0)-mediated Sequential Addition of Carbon Dioxide and
Dibenzoyldiazene onto Unsaturated Hydrocarbons”, Chemistry Letters 2007, 476-477.
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 村上正浩他、ニッケル(0)錯体と二酸化炭素によるメチレンシクロプロパンのカルボキシル
化反応、日本化学会第 86 春期年会 2006/03/30
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【2】バイオエタノール生産のための選択的白色腐朽菌リグニン分解系の解析と強化(京
都大学)
(1) 査読のある原著論文
なし
(2) その他の論文
1) 渡辺隆司、温古知新, 2004 年 7 月 15 日, 白色腐朽菌の生物機能を利用した木質バイオ
マスリファイナリー
(3) 口頭・発表
1) 渡辺隆司, “Interaction between lignin and polysaccharides, and free radical-mediated wood
biodegradation by selective white rot fungi”, 第 229 回アメリカ化学会, 平成17年3月
12日, Convention center, San Diego, USA.
2) 渡辺隆司, “Free radical-mediated lignin biodegradation by selective white rot fungi and its
potential use in wood biomass conversion”, RITE International Symposium on Biorefinery, 平
成17年2月 10日, 京都市、センチュリーホテル.
3) 渡辺隆司, “Free radical-mediated degradation of polymeric substances by lignin-degrading
basidiomycetes”, The IV Asia-Pacific Mycological Congress, 平成16年11月 15日,
Rotus Hotel, Chaing Mai, Thailand.
4) 渡辺隆司, 「リグニンを溶かすキノコを利用した木質バイオマス変換」, 木竹材用途拡
大研究会講演会, 平成17年2月3日, 大分県日田市、日田市中央公民館.
5) 渡辺隆司、渡邊崇人、本田与一, 「選択的白色腐朽菌の生物機能を利用した木質バイ
- 123 -
オマス変換,日本農芸化学会大会」, 平成17年3月30日, 札幌市、札幌コンベンシ
ョンセンター
6) 渡辺隆司、渡邊崇人、本田与一、他 5 名, “A selective white rot fungus Ceriporiopsis
subvermispora produces extracellular metabolites that suppress cellulose degradation by the
Fenton reaction, 9th International Conference on Biotechnology in the Pulp and Paper
Industry”, 平成16年10月10日, Durban, South Africa.
7) 大橋康典、渡辺隆司、渡邊崇人、本田与一、他 5 名, “Physicochemical properties of ceriporic
acid B, an extracellular metabolite of Ceriporiopsis subvermispora, 9th International
Conference on Biotechnology in the Pulp and Paper Industry”, 平成16年10月10日
8) 大橋康典、寺西紘子、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「白色腐朽菌 Ceriporiopsis
subvermispora の菌体外代謝物 ceriporic acid B の物理化学的性質」, 第 49 回リグニン
討論会, 平成16年11月18日, 筑波、筑波大学.
9) 菅祥彦、大橋康典、渡邊崇人、本田与一, 「白色腐朽菌 Ceriporiopsis subvermispora の
産生するジカルボン酸 ceriporic acid B アナログの合成と機能解析,渡辺隆司第 49 回リ
グニン討論会」, 平成16年11月18日, 筑波、筑波大学
10) 菅、大橋、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司, 「白色腐朽菌 Ceriporiopsis subvermispora の
産生するジカルボン酸 ceriporic acid B アナログの合成と機能解析」,日本生物工学会平
成 16 年度大会, 平成16年9月21日, 名古屋市、名城大学
11) 扇剛士、R. Amirta、西村裕志、川崎優子、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司, “Ceriporic Acids
Produced by a Lignin-degrading Fungus, Ceriporiopsis subvermispora”, The Fifth Intern.
Wood Sci. Symp, 平成16年9月17日, 京都大学
12) 西村裕志、扇剛士、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司, “A Selective Lignin-degrading Fungus,
Ceriporiopsis subvermispora, Produces Extracellular Amphipathic Metabolites”, The Fifth
Intern. Wood Sci. Symp, 平成16年9月17日, 京都大学
13) 田邊俊朗、馬場保徳、三谷友彦、篠原真毅、本田与一、渡辺隆司, “A Selective
Lignin-degrading Fungus, Ceriporiopsis subvermispora, Produces Extracellular Amphipathic
Metabolites”, The Fifth Intern. Wood Sci. Symp, 平成16年9月17日, 京都大学
14) 田邊俊朗、馬場保徳、三谷友彦、篠原真毅、本田与一、渡辺隆司, “Conversion of Japanese
cedar to ethanol by pretreatments with white rot fungi and microwave irradiation”, The 2nd
International Symposium on Sustainable Energy System, 平成16年12月17日, 京都大
学
15) 西村裕志、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司, 「選択的リグニン分解性担子菌の産生す
る両親媒性代謝物」, 第55回日本木材学会大会, 平成17年3月 16日, 京都大学
16) 渡邊崇人、津田冴子、川崎優子、扇剛士、西村裕志、本田与一、渡辺隆司, 「白色腐
朽菌の脂肪酸不飽和化酵素遺伝子のクローニング」, 第55回日本木材学会大会, 平成
17年3月 16日, 京都大学
17) 渡利純子、本田与一、渡邊崇人、渡辺隆司, 「選択的リグニン分解菌 Ceriporiopsis
subvermispora の gpd 遺伝子の単離」, 第55回日本木材学会大会, 平成17年3月 1
6日, 京都大学
18) 渡邊崇人、津田冴子、川崎優子、扇剛士、西村裕志、本田与一、渡辺隆司, 「リグニ
ン分解性担子菌の不飽和化酵素遺伝子のクローニング」, 2005 年度日本農芸化学会大
会, 平成17年3月30日, 札幌市、札幌コンベンションセンター
- 124 -
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【3】微生物炭酸固定酵素の特性と進化系統に関する基礎解析(東京大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Miho Aoshima, “A novel biotin protein required for reductive carboxylation of 2-oxoglutarate
by
isocitrate dehydrogenase in Hydrogenobacter thermophilus TK-6”, Molecular
Microbiology 2004 年51巻第3号
2) Miho Aoshima, “A novel enzyme, citryl-CoA lyase, catalysing the second step of the citrate
cleavage reaction in Hydrogenobacter thermophilus TK-6”, Molecular Microbiology 2004 年
52巻第3号
3) Takeshi IKEDA, Masahiro YAMAMOTO, Hiroyuki ARAI, Daijiro OHMORI, Masaharu
ISHII and Yasuo IGARASHI, “Two Tandemly Arranged Ferredoxin Genes in the
Hydrogenobacter thermophilus Genome: Comparative Characterization of the Recombinant
[4Fe-4S] Ferredoxins”, Biosci. Biotech. Biochem., 69 (6): 1172-1177 (2005)
4) Koichi Toyoda, Yoichi Yoshizawa, Hiroyuki Arai, Masaharu Ishii, and Yasuo Igarashi, “The
role of two CbbRs in the transcriptional regulation of three ribulose-1,5-bisphosphate
carboxylase/oxygenase genes in Hydrogenovibrio marinus strain MH-110”, Microbiology, 151,
3615-3625 (2005)
5) Takeshi Ikeda, Toshihiro Ochiai, Susumu Morita, Ayako Nishiyama, Eio Yamada, Hiroyuki
Arai, Masaharu Ishii, and Yasuo Igarashi, “Anabolic five subunit-type pyruvete:ferredoxin
oxidoreductase from Hydrogenobacter thermophilus TK-6”, Biochem. Biophys. Res.
Commun., 340, 76-82 (2006)
6) Miho Suzuki, Tadao Hirai, Hiroyuki Arai, Masaharu Ishii, and Yasuo Igarashi, “Purification,
characterization, and gene cloning of thermophilic cytochrome cd1 nitrite reductase from
Hydrogenobacter thermophilus TK-6”, J. Biosci. Bioeng., 101 (5), 391-397 (2006)
(他12報)
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 酒井由紀子, 「Hydrogenophilus thermoluteolus TH-1 由来の NAD 還元型ヒドロゲナーゼ
の性質と遺伝子解析」, 日本農芸化学会, 2005年3月29日, 札幌コンベンション
センター
2) 浦崎 尚, 「好熱性水素細菌 Hydrogenobacter thermophilus TK-6 株由来の膜結合型ヒド
ロゲナーゼの特性解析」, 日本農芸化学会, 2005年3月29日, 札幌コンベンショ
ンセンター
3) 池田 丈,「好熱性水素細菌 Hydrogenobacter thermophilus TK-6 株の2種類の ferredoxin
遺伝子の発現解析」, 日本農芸化学会, 2005年3月29日, 札幌コンベンションセ
ンター
(他多数)
- 125 -
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
3回
【4】野生の乾燥強光耐性 C3 型植物に由来する有用遺伝資源を用いた緑化展開(奈良先
端科学技術大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Akashi, K., Morikawa, K., Yokota, A, “Agrobacterium-mediated transformation system for
the drought and excess light stress-tolerant wild watermelon (Citrullus lanatus)”, Plant
Biotechnology, March, 2005
2) Akashi, K., Nishimura, N., Ishida, Y., Yokota, A., “Potent hydroxyl radical - scavenging
activity of drought-induced type-2 metallothionein in wild watermelon”, Biochem. Biophys.
Res. Commun, September, 2004
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 吉田 和生、明石 欢也、横田 明穁, 「乾燥・強光耐性の野生種スイカを用いたプ
ロテオーム解析:葉におけるストレス応答性タンパク質」, 日本農芸化学会年会,
2005 年 3 月 29 日, 札幌コンベンションホール
2) 吉村 和也、増田 明子、明石 欢也、横田 明穁, 「強光・乾燥ストレスに対する
野生種スイカの根の応答」, 日本農芸化学会年会, 2005 年 3 月 29 日,札幌コンベン
ションホール
3) 吉田 和生、明石 欢也、横田 明穁, 「野生種スイカの葉における乾燥・強光ストレ
ス応答のプロテオーム解析」, 日本植物生理学会年会, 2005 年3月 24 日, 新潟朱鷺メ
ッセ
4) 吉村 和也、増田 明子、明石 欢也、横田 明穁, 「プロテオーム解析による野生種
スイカの根における強光・乾燥ストレス応答タンパク質の同定」, 日本植物生理学会
年会, 2005 年3月 24 日, 新潟朱鷺メッセ
5) 高原 健太郎、明石 欢也、横田 明穁, 「乾燥強光下で野生スイカに蓄積するシトル
リンの生合成系酵素 gultamate N-acetyltransferase の機能解析」, 日本植物生理学会年会,
2005 年3月 24 日, 新潟朱鷺メッセ
6) 七里 吉彦、明石 欢也、横田 明穁, 「野生種スイカの葉組織において強光・乾燥ス
トレスにより誘導される細胞膜局在型のシトクロム b561」, 日本植物生理学会年会,
2005 年3月 24 日, 新潟朱鷺メッセ
7) 明石 欢也、横田 明穁, 「野生植物の悪環境耐性を担う分子生理メカニズム」, 近畿
大学農学部第 1 回学術フロンティアシンポジウム, 2005 年 1 月 22 日, 近畿大学農学部
8) 明石 欢也, 「アフリカ原産野生スイカの乾燥強光ストレス耐性を担う分子機構」
、石
川県農業短期大学農業資源研究所研究交流講演会, 2005 年 1 月 21 日, 石川県農業短期
大学農業資源研究所
9)
明石 欢也、「アフリカ原産の野生スイカ・シトルリンの研究と産業への応用」、奈
良県中小企業支援センター第 3 回産学交流会、2004 年 11 月 26 日、奈良先端大学
- 126 -
明石 欢也、横田 明穁, “Unique responses of a C3-type xerophyte, wild watermelon, to
drought/excess light stresses: Transcriptomic and proteomic studies,
Japanese-Finnish
Seminar. Molecular Mechanisms of Regulation of Photosynthesis by Environments.”, 2004
年 11 月 2 日, Turku, Finnland
11) 上妻 馨梨、明石 欢也、久掘 徹、中西 華代、稲垣 直之、横田 明穁, “A novel
behavior of ε-subunit of chloroplast ATP synthase, The 13th International Congress of
Photosynthesis”, 2004 年 8 月 29 日, Convention hall, Montreal, Canada
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1) 朝日新聞, 2005 年 3 月 3 日, 酷暑に強いスイカは葉の天然アミノ酸の働き, 明石欢也、
横田明穁
2) 奈良新聞, 2005 年 3 月 3 日, 野生スイカの耐性を解明へ, 明石欢也、横田明穁
3) 毎日新聞, 2005 年 3 月 10 日, 野生スイカで共同研究, 明石欢也、横田明穁
4) 共同通信配信、京都新聞、河北新聞、神戸新聞、山陽新聞、中国新聞、熊本日日新聞、
東奥日報、秋田魁新報、岩手日報、徳島新聞の9紙に掲載, 2005 年 3 月 3 日, アミノ
酸で身を守るアフリカ砂漠の野生スイカ, 明石欢也、横田明穁
5) 産経新聞, 2005 年 3 月 12 日, 活性酸素撃退のスイカ, 明石欢也、横田明穁
6) NHK ニュースなら 610, 2005 年 3 月 2 日, 先端大、ボツアナと共同研究, 明石欢也、横
田明穁
7) NHK 番組「お元気ですか、日本列島」, 2005 年 3 月 9 日, 古都奈良から最先端技術を発
信, 明石欢也、横田明穁
8) NHK ニュースなら 610, 2005 年 3 月 9 日, 奈良先端大、砂漠で育つスイカを研究, 明石
欢也、横田明穁
10)
【5】帯水層に圧入された二酸化炭素挙動のモニタリングに関する実用化技術開発の研究
(京都大学)
(1) 査読のある原著論文
1) 中塚 善博,尾西 恭亮,山田 泰広,薛 自求,松岡 俊文、
「比抵抗実験による超臨界
CO2 流動挙動の推定」
、第37回岩盤力学に関するシンポジウム審査付論文、2008年1月
10-11日、pp343-346
2) 薛自求・松岡俊文、
「長岡プロジェクトからみた二酸化炭素地中貯留技術の現状と課題」
、
地学雑誌、Vol.117,No.4 734-752(2008)
3) K. Onishi, T. Ueyama, T. Matsuoka, D. Nobuoka, H. Saito, H. Azuma, Z Xue, “Application of
crosswell seismic tomography using difference analysis with data normalization to monitor
CO2 flooding in an aquifer.”, International Journal of Greenhouse Gas Control 3, 31 1 – 32
1(2009)
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 石川慶彦, 「CO2 地中貯留モニタリングのための基礎実験」, 資源素材学会関西支部
若手研究者のための研究発表会, 平成 16 年 10 月 26 日, 関西大学
- 127 -
2) 松岡俊文, “Tomographic imaging of injected CO2 migration in a porous sandstone”,The 6th
International Workshop on the Application of Geophysics to Rock Engineering, 平成 16 年 11
月 29 日, 京都国際ホール
3) 山田泰広, 「超臨界二酸化炭素による地層バリアの务化実験(その1)」,地球惑星科学
関連学会合同大会球惑星合同学会, 平成 17 年 5 月 25 日, 幕張メッセ
4) 村田澄彦, , 「超臨界二酸化炭素による地層バリアの务化実験(その2)」, 地球惑星科
学関連学会合同大会球惑星合同学会, 平成 17 年 5 月 25 日, 幕張メッセ
5) K. ONISHI, Y. ISHIKAWA, Y. YAMADA and T.MATSUOKA, “Measuring electric resistivity
of rock specimens injected with gas, liquid and supercritical CO2”, SEG/New Orleans 2006
Annual Meeting、p1480-1484 (2006)
6) T Matsuoka and K Onishi, “Geophysical Monitoring for CO2 Sequestration”, 11th Congress of
the International Society for Rock Mechanics, Lisbon, Portogal, 8-14 June 2007
7) Onishi, K., Ueyama, T., Matsuoka, T., Nobuoka, D., and Saito, H., “Applying differential
analysis to cross-well seismic survey for monitoring CO2 sequestration”, SEG/San Antonio
2007 Annual Meeting, pp.2832-2836 (2007)
8) Ziqiu Xue, Saeko Mito, Keigo Kitamura, and Toshifumi Matsuoka, “Case Study: Trapping
Mechanisms at the Pilot-scale CO2 Injection Site, Nagaoka, Japan”, GHGT-9, Nov. 2008
9) Yoshihiro Nakatsuka, Ziqiu Xue, Yasuhiro Yamada, Toshifumi Matsuoka and Kyosuke Onishi,
“Experimental Study on Monitoring and Quantifying of Injected CO2 from Resistivity
Measurement in Saline Aquifer Storage”, GHGT-9, Nov. 2008
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【6】ケイ酸ナノ多孔体に配列した酵素群による CO2 の光固定(名城大学、三重大学、豊
田中央研究所)
(1) 査読のある原著論文
1) Sakka, M., Kimura, T., Sakka, K. and Ohmiya, K., “Hydrogen Gas Generation from
Refuse-derived Fuel (RDF) under Wet Conditions.”, Biosci. Biotechnol. Biochem.
68(2):466-467 (2004).
2) Suryani, Kimura, T., Sakka, K. and Ohmiya, “Sequencing and expression of the gene encoding
the Clostridium stercorarium -xylosidase Xyl43B in Escherichia coli”, Biosci. Biotechnol.
Biochem. 68(3):609-614(2004)
3) Araki, R., Ali., M. K., Sakka, M., Kimura, T., Sakka, K. and Ohmiya, K, “Essential role of the
family-22 carbohydrate-binding modules for
1,3-1,4-glucanase actibity of Clostridium
stercorarium Xyn 10B”, FEBS Letters 561:155-158. (2004)
4) Saikat Chakraborty, Makiko Sakka, Tetsuya Kimura, Kazuo Sakka, “Cloning and expression of
a Clostridium kluyveri gene responsible for diaphorase activity”, Biosci. Biotechnol. Biochem.,
72 (3), 735-741 (2008).
5)
Saikat Chakraborty, Makiko Sakka, Tetsuya Kimura, and Kazuo Sakka, ”Two proteins
with diaphorase activity from Clostridium thermocellum and Moorella thermoacetica”, Biosci.
- 128 -
Biotechnol. Biochem., 72 (3), 877-879 (2008).
6) Saikat Chakraborty, Makiko Sakka, Tetsuya Kimura, and Kazuo Sakka, ”Characterization of a
dihydrolipoyl dehydrogenase having diaphorase activity of Clostridium kluyveri”, Biosci.
Biotechnol. Biochem., 72 (4), 982-988 (2008)
(2) その他の論文
1) 大宮邦雄, 「嫌気性細菌の機能を駆使したバイオマスの有効利用」, 生物工学会誌(2005)
(3) 口頭・発表
1) 植田直人、梶野勉、田村廣人、市原茂幸、大宮邦雄, 「Anabaena variabilis PCC7120 株
由来の NADH デヒドロゲナーゼ遺伝子のクローニング及び発現」, 日本農芸化学会,
2005.3.29, 札幌コンベンションセンター
2) 駒澤久美、浅野裕子、植田直人、梶野 勉、市原茂幸、大宮邦雄, 「lostridium kluyveri
由来のジアフォラーゼのケイ酸ナノ多孔体への固定化」, 日本農芸化学会, 2005.3.29,
札幌コンベンションセンター
3) 杉原由香、粟冠真紀子、木村哲哉、大宮邦雄、粟冠和郎, 「Clostridium thermocellum お
よび Clostridium josui におけるコヘシンードックリン結合特性の解析」, 日本農芸化
学会, 2005.3.29, 札幌コンベンションセンター
4) 梶野勉、伊藤徹二、矢野一久、福嶋喜章, 「シリカ多孔体によるクロロフィルの安定
化と光機能」, 日本農芸化学会, 2005.3.29, 札幌コンベンションセンター
(4) 出願特許
1) 特許公開2009−89649、クロストリジウム・クルベリのジアホラーゼ遺伝子
およびその利用
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【7】海洋溶解保証による漏洩許容型 CO2 地下貯留技術手法の提案(東京工業大学)
(1) 査読のある原著論文
なし
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 末包哲也, 「地中隔離における多孔質内 CO2 溶解特性の解明」, 第 24 回エネルギー・
資源学会 研究発表会, 平成 17 年 6 月 9-10 日, 虎ノ門パストラル
2) 山崎光潔, 「CO2 地中隔離における多孔質内溶解特性」
、日本機械学会 2005 年度年次
大会, 平成 17 年 9 月 19-22 日, 電気通信大学
(3) 出願特許
なし
(4) 新聞・雑誌掲載
なし
【8】高温高圧下でも使用可能な新規な二酸化炭素選択透過型高分子膜の創製(明治大学)
(1) 査読のある原著論文
1) S. Kanehashi, T. Nakagawa, K. Nagai, X. Duthie, S. Kentish, G. Stevens, “Effects of carbon
dioxide-induced plasticization on the gas transport properties of glassy polyimide membranes”,
- 129 -
J. Membrane Sci., 298, 147–155 (2007).
2) X. Duthie, S. Kentish, C. Powell, K. Nagai, G. Qiao, G. Stevens, “Operating temperature
effects on the plasticization of polyimide gas separation membranes”, J. Membrane Sci., 294,
40–49 (2007).
3) X. Duthie, S. Kentish, C. Powell, G. Qiao, K. Nagai, and G. Stevens, “Plasticization
suppression in grafted polyimide-epoxy network membranes”, Ind. Eng. Chem. Res., Ind. Eng.
Chem. Res., 46, 8183-8192 (2007).
4) S. Miyata and K. Nagai, “Block copolymerization of methyl methacrylate from
fluorine-contained polyimide macroinitiator by atom-transfer radical polymerization”, Chem.
Lett., 36, 1114-1115 (2007).
5) X. Duthie, S. Kentish, J. Pas, A. J. Hill, C. Powell, K. Nagai, G. Stevens, and G. Qiao,
“Thermal treatment of dense polyimide membranes”, J. Polym. Sci.: Part B: Polym. Phys., 46,
1879-1890 (2008).
6) S. Miyata, S. Sato, K. Nagai, T. Nakagawa, and K. Kudo, “Relationship between gas transport
properties and fractional free volume determined from dielectric constant in polyimide films
containing the hexafluoroisopropylidene group”, J. Appl. Polym. Sci., 107, 3933–3944 (2008).
7) T. Komatsuka, A. Kusakabe, and K. Nagai, “Characterization and gas transport properties of
poly(lactic acid) blend membranes”, Desalination, 234, 212–220 (2008).
8) S. Miyata, H. Shirokura, and K. Nagai, “Preparation of porous structure from ABA-type
triblock copolymer derived from 6FDA-TeMPD polyimide macroinitiator”, Japanese J. Polym.
Sci. Tech., 66, 170-178 (2009).
9) S. Miyata, K. Yoshida, H. Shirokura, M. Kashio, and K. Nagai, “Solid and thermal properties
of ABA-type triblock copolymers designed using a difunctional fluorine-contained polyimide
macroinitiators with methyl methacrylate”, Polym. Int., 58, 1148–1159 (2009).
10)
T. Komatsuka and K. Nagai, “Temperature dependence on gas permeability and
permselectivity of poly(lactic acid) blend membranes”, Polym. J., 41, 455-458 (2009).
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 恩田将樹、兼橋真二、風間伸吾、永井一清、
「地球温室化ガス分離除去のための新規
なネットワーク型ポリイミド膜の創製」
、第 55 回高分子年次大会、名古屋国際会議場、
2006/5/24
2) 恩田将樹、兼橋真二、風間伸吾、永井一清、
「高温高圧下でも使用可能な新規なネッ
トワーク型ポリイミド膜の創製」、第 55 回高分子討論会、富山大学、2006/9/22
(4) 出願特許
1) 特願 2005-233321、特開 2007-044653、架橋された気体分離膜
(5) 新聞・雑誌掲載
1) 高温高圧下でCO2分離〜明大とRITE、膜を開発、日本経済産業新聞、2006 年 9 月
【9】高酸素耐性スーパーヒドロゲナーゼを用いた水素生産系の開発(京都大学、環境総
合テクノス、エン振協)
(1) 査読のある原著論文
1) Hiroshi Nishimura, Eri Iwata, Yoshiko Nomura, and Yoshihiko Sako, “Study of
- 130 -
thermo-oxygen tolerance H2ases from Marine (hyper) thermophiles”, Proceedings of World
Fishery Congress, 5: 11177 (2008)
2) Hiroshi Nishimura and Yoshihiko Sako, “Purification and characterization of the
oxygen-thermostable hydrogenase from the aerobic hyperthermophilic archaeon Aeropyrum
camini”, Journal of Bioscience and Bioengineering, 108: 299–303 (2009)
3) Hiroshi Nishimura , Yuki Kitano, Takahiro Inoue, Keigo Nomura, Yoshihiko Sako,
“Purification and characterization of membrane-associated hydrogenase from the deep-sea
Epsilonproteobacterium Hydrogenimonas thermophila”, Bioscience, Biotechnology, and
Biochemistry, 74 (2010), in press
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 西村宏、中川聡、左子芳彦, 「深海熱水孔由来の好気性超好熱菌 Aeropyrum camini の
ヒドロゲナーゼに関する研究」, 平成 17 年度日本水産学会大会, 2005 年 4 月 2 日, 東
京海洋大学品川キャンパス
2) 西村宏、中川聡、田中礼二、野村紀通、左子芳彦, 「海洋性好熱菌からの酸素耐性
H2ase のスクリーニングに関する研究」, 第 8 回 マリンバイオテクノロジー学会,
2005 年 5 月 30 日, 熊本県立大学新講義棟
3) 西村宏、西川崇範、片岡毅、林正敏、左子芳彦, 「深海熱水孔由来の好気性超好熱菌
Aeropyrum camini –ヒドロゲナーゼを用いた水素生産系の開発研究」, 平成 18 年度日本
水産学会大会, 2006 年 3 月 30 日, 高知大学朝倉キャンパス
4) 西村 宏・岩田恵里・左子芳彦、「海洋性超好熱菌 Aeropyrum-ヒドロゲナーゼの固定化
による水素生産能の耐久性向上」、2008/5/24~25 第 11 回マリンバイオテクノロジー
学会大会、京都大学 《学生ポスター賞受賞》
5) 岩田恵理・西村宏・左子芳彦、「海洋性超好熱菌 Aeropyrum-ヒドロゲナーゼを用いた
光水素生産系の開発」、2008/5/24~25 第 11 回マリンバイオテクノロジー学会大会、
京都大学
6) Hiroshi Nishimura, Eri Iwata, Yoshiko Nomura, and Yoshihiko Sako,
“Study of
thermo-oxygen tolerance H2ases from Marine (hyper) thermophiles”, 2008/10/20~24, 5th
World Fishery Congress, Yokohama
7) 北野祐樹・井上喬裕・西村宏・吉田天士・左子芳彦, 「Hydrogenimonas thermophila ヒ
ドロゲナーゼ遺伝子群構造に関する研究」、2008/11/25~28 第 24 回日本微生物生態学
会、北海道大学
8) 西川崇範, 「生物触媒を用いた水素生産システムに関する調査研究」
、2008/7/9~11 エ
ン振協研究成果発表会 2008、エンジニアリング振興協会
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
1) 朝日新聞 2008 年4月7日朝刊 「生命38億年の起源に挑む」
【10】再生可能な植物油脂を基盤とするグリーンポリマーの創製と応用(大阪大学)
(1) 査読のある原著論文
- 131 -
なし
(2) その他の論文
1) 宇山 浩、
「再生可能なグリーンポリマーの開発」
、接着、50, 103-106 (2006).
2) 宇山 浩、
「再生可能な植物油脂ベースポリマーの開発」、日本接着学会誌、42, 292-298
(2006).
3) 宇山 浩、
「植物油脂からつくるグリーンプラスチック」、グリーンプラジャーナル、
23, 14-20 (2006).
4) 宇山 浩、
「植物油脂からつくる高性能複合材料」
、現代化学、429, 43-49 (2006).
(3) 口頭・発表
1) 上田 拡充、景山 弘、宇山 浩, 「植物油脂を基盤とする環境調和型高分子材料の
開発(1)エポキシ化大豆油-ロジン変性フェノール樹脂系」, 第 54 回高分子学会年
次大会, 平成 17 年 5 月 26 日, 横浜パシフィコ
2) 景山 弘、宇山 浩, 「植物油脂を基盤とする環境調和型高分子材料の開発(2)エ
ポキシ化大豆油-ノボラック系」, 第 54 回高分子学会年次大会, 平成 17 年 5 月 26
日, 横浜パシフィコ
3) 高山 猛、景山 弘、宇山 浩, 「植物油脂を基盤とする環境調和型高分子材料の開
発(3エポキシ化大豆油-エポキシ化脂肪酸エステル系), 第 54 回高分子学会年次大
会, 平成 17 年 5 月 26 日, 横浜パシフィコ
4) 宇山 浩, 「再生可能なグリーンポリマーの開発」, 第 43 回日本接着学会年次大会,
2005 年 6 月 24 日, 関西大学
5) 宇山 浩, 「バイオ関連高分子新素材の開発」, 第 14 回近畿バイオインダストリー振
興会議技術シリーズ公開会, 2005 年 9 月 5 日, 大阪科学技術センター
6) 高山 猛、景山 弘、宇山 浩, 「植物油脂を基盤とする環境循環型高分子材料の開
発」, 第 54 回高分子討論会, 2005 年 9 月 21 日, 山形大学
7) 宇山 浩、”Development of Plant Oil-Based Composite Materials”、第 10 回大阪大学-上
海交通大学学術交流セミナー、平成 17 年 11 月 24 日、上海交通大学(中国)
8) 宇山 浩、「バイオマスからの高分子材料-循環型社会構築に向けて-」、理科と情報
数理のセミナー、平成 17 年 12 月 10 日、大阪大学
9) 宇山 浩、「植物油脂を基盤とするバイオベース高分子材料」、21 世紀 COE シンポジ
ウム「自然に学ぶものづくりの新展開」
、平成 18 年 8 月 16 日、名古屋大学
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【11】粒界制御による3次元ミクロ細孔ネットワークを持つ多孔性バルク材料の合成と
CO2 分離性能評価(大阪府立大学)
(1) 査読のある原著論文
1) S.Takezoe, Y.Yamasaki, A.Nakahira, “Synthesis and Evaluation of Bulky Y-zeolites by
Hydrothermal Hot-pressing Method”, J. of American Ceramic Society(2006)
2) S. Takezoe, K. Hosoi, M. Tajika, Y. Yamasaki, and A. Nakahira, “Syntheses of bulky Y-zeolite
by hydrothermal hot-pressing(HHP) technique”, Key Engineering Material, Vols.317-318,
- 132 -
97-100(2006)
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 竹添真一、山崎友紀、中平 敤, 「新規ゼオライト構造体の合成と評価」, セラミッ
クス基礎科学討論会, 2006/1/19, 高知市文化プラザかるぽーと
2) 竹添真一、山崎友紀、鈴木敏之、佐々木優吉、幾原雄一、中平 敤, 「水熱ホットプ
レス法によるゼオライトバルク体の合成と微細構造組織評価」, 日本セラミックス協
会2006年年会, 2006/3/16, 東京大学
3) 佐々木優吉、田中久美子、中平 敤、竹添真一、山崎友紀, 「水熱ホットプレス法に
よって作製された透明ゼオライト多結晶体の微構造」, 日本セラミックス協会200
6年年会, 2006/3/16, 東京大学
4) 永田英純、小野木伯薫、橋田俊之、中平 敤, 「DCHHP法による支持体上へのゼ
オライトコーティングの試み」、日本セラミックス協会2006年年会, 2006/3/16, 東
京大学
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【12】集積型金属錯体を中核とした複合系光触媒による二酸化炭素還元および水素発生に
関する研究(東京工業大学、産総研)
(1) 査読のある原著論文
1) B. Gholamkhass, H. Mametsuka, K. Koike, M. Furue, and O. Ishitani, “Architecture of
Supramolecular Metal Complexes for Photocatalytic CO2 Reduction: Ruthenium-Rhenium Biand Tetranuclear Complexes”, Inorg. Chem., 44, 2326 (2005).
2) H. Tsubaki, S. Tohyama, K. Koike, and O. Ishitani, “Effect of intramolecular π-π and CH-π
interactions between ligands on structure, electrochemical and spectroscopic properties of
fac-[Re(bpy)(CO)3(PR3)]+ (bpy = 2,2'-bipyridine; PR3 = trialkyl or triarylphosphines)”, Dalton
Transactions, 385-395(2005).
3) H. Tsubaki, A. Sekine, Y. Ohashi, K. Koike, H. Takeda, and O. Ishitani, “Control of
photochemical, photophysical, electrochemical, and photocatalytic properties of rhenium(I)
complexes using intramolecular weak interactions between ligands”, J. Am. Chem. Soc. 127,
15544-15555(2005)
4) Sato, S.; Koike, K.; Inoue, H.; Ishitani, O.,"Highly efficient supramolecular photocatalysts for
CO2 reduction using visible light", Photochem. Photobiol. Sci. 2007, 6, 454-461
5) Tsubaki, H.; Sugawara, A.; Takeda, H.; Gholamkhass, B.; Koike, K.; Ishitani, O.,
"Photocatalytic reduction of carbon dioxide using cis,trans-[Re(dmbpy)(CO)2(PR3)(PR'3)]+
(dmbpy = 4,4'-dimethyl-2,2'- bipyridine)", Research on Chemical Intermediates 2007, 33,
37-48.
6) Bian, Z.-Y.;Sumi, K.; Furue, M.; Sato, S.; Koike, K.; Ishitani, O. ,"A Novel Tripodal Ligand,
Tris[(4'-methyl-2,2'-bipyridyl-4-yl)-methyl] carbinol and Its Trinuclear RuII/ReI Mixed-Metal
- 133 -
Complexes: Synthesis, Emission Properties, and Photocatalytic CO2 Reduction", Inorg. Chem.
2008, 47, 10801-10803.
7) Takeda, H.; Koike, K.; Inoue, H.; Ishitani, O., "Development of An Efficient Photocatalytic
System for CO2 Reduction Using Rhenium(I) Complexes Based on Mechanistic Studies", J.
Am. Chem. Soc. 2008, 130, 2023-2031.
8) Koike, K.; Naito, S.; Sato, S.; Tamaki, Y.; Ishitani, O., "Architecture of supramolecular metal
complexes for photocatalytic CO2 reduction, III: effects of length of alkyl chain connecting
photosensitizer to catalyst", J. Photochem. Photobiol. A: Chem. 2009, 207, 109-114.
9) Bian, Z.-Y.; Sumi, K.; Furue, M.; Sato, S.; Koike, K.; Ishitani, O., "Synthesis and properties of
a novel tripodal bipyridyl ligand tb-carbinol and its Ru(II)-Re(I) trimetallic complexes:
investigation of multimetallic artificial systems for photocatalytic CO2 reduction", Dalton
Trans., 2009, 983-993.
10) Takeda, H.; Ishitani, O., "Development of Efficient Photocatalytic Systems for CO2 Reduction
Using mononuclear and multinuclear Metal Complexes Based on Mechanistic Studies", Coord.
Chem. Rev. 2010, 254, 346-354.
(2) その他の論文
1) 佐藤 俊介, 石谷 治, 「Ru-Re 超分子錯体を光触媒とした高効率 CO2 還元反応」,触媒
2006, 49, 48-53.
2) 由井樹人、石谷治、「太陽光による二酸化炭素の資源化」,未来材料 2009, 12, 8-14.
3) 石谷治、佐藤俊介、
「光触媒を用いた人工光合成の現状」
、光技術コンタクト、 2009, 47,
22-26.
4) 竹田浩之、石谷治、
「金属錯体を光触媒として用いた二酸化炭素の高効率還元」
、有機
合成化学協会誌, 2009, 67, 486-493.
5) 竹田浩之、石谷治, 「人工光合成研究の最前線 太陽光により二酸化炭素を資源化す
る」, 現代化学, 2009, 9, 54-59.
(3) 口頭・発表
1) Osamu Ishitani, “Photochemical ligand substitution reactions of fac-[Re(bpy)(CO)3Cl]”, 16th
ISPPCC, 7 月(2005), Carifornia, USA
2) Shunsuke Sato,” Architecture Efficient Photocatalytic Reduction of CO2 with Visible Light
using Binuclear Ruthenium-Rhenium Complexes”, 16th ISPPCC, 7 月(2005), Carifornia,
USA
3) Youhei Yamamoto, “Synthesis of luminescent linear-, square-, and ring-shapedpolynuclear
rhenium(I) diimine complexes”, 16th ISPPCC, 7 月(2005), Carifornia, USA
4) 山本洋平, 「直鎖状及び環状レニウム(I)ビピリジン多核錯体の合成とその光物性」, 第
18 回配位化合物の光化学討論会, 8. 2005, 宮城県松島市
5) 佐藤俊介, 「光増感部と触媒部を連結した超分子錯体による CO2 還元反応」, 第 18 回
配位化合物の光化学討論会, 8. 2005, 宮城県松島市
6) 石谷 治, 「配位空間で働く弱い相互作用を利用した金属錯体の光機能制御」, 第 18
回配位化合物の光化学討論会, 8. 2005, 宮城県松島市
7) 山本洋平, 「2 座リン配位子を用いた直鎖状レニウム多核錯体の合成とその光物性」,
第 55 回錯体化学討論会, 9. 2005, 新潟県新潟市
8) 石附直弥, 「ビスジイミン配位子で架橋したルテニウム(II)2核錯体の光触媒特性」, 第
- 134 -
55 回錯体化学討論会, 9. 2005, 新潟県新潟市
9) 佐藤俊介, 「超分子錯体を用いた可視光による CO2 還元反応とその機構」, 光化学討
論会, 9. 2005, 福岡県博多市
10) Osamu Ishitani, “Architecture of supramolecular metal complexes for photocatalytic CO2
reduction: ruthenium-rhenium bi- and tetranuclear complexes”, 2005 Korea-Japan Symposium
on Frontier Photoscience "Photochemistry and Nanotechnology",10. 2005, Busan, Korea
11) Osamu Ishitani, “Architecture of supramolecular metal complexes for photocatalytic CO2
reduction”, International Mini-Symposium on Coordination Chemistry for Advanced Materials,
11. 2005, Tokyo, Japan
12) Osamu Ishitani, “Control of photochemical, photophysical, electrochemical, and photocatalytic
properties of rhenium(I) complexes using intramolecular weak interactions between ligands”,
First International Symposium on Chemistry of Coordination Space, 11. 2005, Okazaki, Japan
13) Youhei Yamamoto, “Luminescent Linear-Shaped Polynuclear Rhenium(I) Diimine Polymers
Bridged with Bidentate Phosphorous Ligands”, First International Symposium on Chemistry of
Coordination Space, 11. 2005, Okazaki, Japan
14) Osamu Ishitani, “Architecture of supramolecular metal complexes for photocatalytic CO2
reduction”, Pacifichem 2005, 12. 2005, Honolulu, Hawaii, USA
15) Naoya Ishizuka, “Photocatalytic reduction of CO2 using a Ru(II) bimetallic complex”,
Pacifichem 2005, 12. 2005, Honolulu, Hawaii, USA
16) Youhei Yamamoto, “Various-shaped of luminescent polynuclear rhenium(I) diimine complexes
bridged with bidentate phosphorous ligands”, Pacifichem 2005, 12. 2005, Honolulu, Hawaii,
USA
17) 石谷 治, 第1回分子理工学センター公開シンポジウム, 11. 2005, 東京
18) 澤脩平;竹田浩之; 石谷治、「直鎖状 Re(I)多核錯体を光触媒として用いた CO2 還元反
応とその機構」, 日本化学会第86春季年会, 2006/03/29; 日本大学理工学部船橋キャン
パス, 2006; pp 3F1-19.
19) 佐藤俊介; 小池和英; 石谷治、「超分子錯体光触媒を用いた可視光による CO2 還元反
応とその機構」, 2006年 光化学討論会, 2006/09/12; 東北大学, 2006; p 3C09
20) 佐藤俊介、「人工 Z スキームの構築を目指した半導体‐錯体複合材料の研究」, 21
世紀 COE2研究教育拠点間交流合同セミナー, 2006/09/26; アクトシティー浜松, 2006
21) Sato, S.; Gholamkhass, B.; Koike, K.; Ishitani, O. “Visible-light Driven Photocatalytic
Reduction of Carbon dioxide using Binuclear Ruthenium-Rhenium Complexes”, Symposium
for Graduate Course Students MIYAZAKI, Library Hall, 2006/09/16, 2006.
22) Sato, S.; Gholamkhass, B.; Koike, K.; Ishitani, O. “Architecture Efficient Photocatalytic
Reduction of CO2 with Visible Light using Binuclear Ruthenium-Rhenium Complexes”, First
France-Japan Advanced School on Chemistry and Physics of Molecular Materials University
of Rennes 1 Campus de Beaulieu, Rennes, France., 06/03/19~06/03/23, 2006
23) 関広貴; 山本洋平; 小池和英; 石谷治、「リング状 Re(I)多核錯体を光触媒として用い
た CO2 還元反応」
, 日本化学会第 88 春季年会, 立教大学池袋キャンパス, 2008/03/26-30,
2008
24) 渡部克宏; 佐藤俊介; 小池和英; 石谷治、「超分子錯体光触媒(2):ルテニウム(II)-レニ
ウム(I)ビスカルボニル錯体の合成と光触媒特性」, 日本化学会第 87 春季年会, 関西大
- 135 -
学千里山キャンパス, 2007/03/25-28, 2007
25) 渡部克宏; 佐藤俊介; 小池和英; 石谷治、「高い CO2 還元能を有するルテニウム(II)レニウム(I)複核錯体光触媒の開発」, 日本化学会第 88 春季年会, 立教大学池袋キャン
パス, 2008/03/26-30; 2008
26) 内藤小容子; 佐藤俊介; 小池和英; 石谷治、「超分子錯体光触媒(1):結合間距離を
変えたルテニウム(II)-レニウム(I)トリカルボニル錯体の合成とその CO2 光触媒
還元特性」, 日本化学会第 87 春季年会, 関西大学千里山キャンパス, 2007/03/25-28,
2007
27) 澤脩平; 山本洋平; 小池和英; 石谷治、 「直鎖状 Re(I)ビピリジン多核錯体を用いたシ
ャトル型光触媒 CO2 還元反応」, 日本化学会第 87 春季年会, 関西大学千里山キャンパ
ス, 2007/03/25-28, 2007.
28) 中川優樹; 山本洋平; 小池和英; 森本樹; 石谷治、「リング状レニウム(I) 4 核錯体の選
択的合成と CO2 還元光触媒能」, 日本化学会第 89 春季年会(2009), 日本大学理工学部
船橋キャンパス 平成 21 年 3 月 27 日(金)~30 日(月) 2009.
29) 石谷治、 「金属錯体を中核とした光反応化学および光触媒化学に関する研究」, 2008
年光化学討論会, 大阪府立大学 中百舌鳥(なかもず)キャンパス(大阪府堺市), 2008
年 9 月 11 日~13 日, 2008 《受賞講演》
30) 石谷治、「Architecture of highly efficient photocatalysts for reduction of carbon dioxide」, 第
58 回錯体化学討論会, 金沢大学角間キャンパス(石川県金沢市), 2008 年 9 月 20 日~
22 日, 2008
31) 石谷治、 「光エネルギーを用いた CO2 還元」, 第 50 回マテリアルズ・テーラリング
研究会プログラム, (財) 加藤科学振興会軽井沢研修所(長野県佐久郡軽井沢町), 2008
年 7 月 24 日-7 月 26 日(土), 2008
32) 石谷治, 「金属錯体を中核とした人工光合成システムの開発」, 第4回筑波大学学際物
質科学研究センター機能性分子シンポジウム, 筑波大学総合研究棟 B0110 号室, 2008
年 12 月 20 日, 2008
33) 石谷治, 「超高機能二酸化炭素還元光触媒の開発」, 日本化学会東海支部講演会, 信州
大学(長野県上田市), 2008 年 10 月 9 日
34) 玉置悠祐; 石附直弥; 小池和英; 石谷治、 「光増感部と触媒部を併せ持つルテニウム
(II)多核錯体の CO2 還元光触媒特性」, 日本化学会第 89 春季年会(2009), 日本大学理
工学部 船橋キャンパス 平成 21 年 3 月 27 日(金)~30 日(月), 2009
35) 玉置悠祐; 石附直弥; 小池和英; 石谷治、 「ビスジイミン配位子で架橋したルテニウ
ム(II)2 核錯体の光触媒特性」, 第 58 回錯体化学討論会, 金沢大学角間キャンパス(石
川県金沢市), 2008 年 9 月 20 日~22 日, 2008.
36) 玉置悠祐; 小池和英; 石谷治、 「CO2 からギ酸を選択的に生成する Ru(II)多核錯体光
触媒の高機能化」, 日本化学会第 90 春季年会(2010) 近畿大学本部キャンパス(大阪府
東大阪市), 2010 年 3 月 26-29 日(29 日), 2010
37) 玉置悠祐・小池和英・石谷治、 「ルテニウム(II)多核錯体の CO2 還元光触媒特性
Photocatalytic Properties of Ruthenium(II) Multinuclear Complexes for CO2 reduction」,
2009 年光化学討論会, 群馬県桐生市市民文化会館(群馬県桐生市), 2009 年 8 月 2 日-8
月 7 日, 2009
38) 石谷治、 「レニウム錯体を中核とした二酸化炭素還元光触媒の開発」, 第 28 回光が
- 136 -
かかわる触媒化学シンポジウム, 東京工業大学 大岡山キャンパス, 2009 年 6 月 5 日,
2009.
39) 石 谷 治 , “Architecture of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction based on
mechanistic studies”, 2009 International Forum on Photoenergy Future (2009IFPF), Sangnok
Hotel, Chungnam, Korea, 2009 年 12 月 11 日-12 月 13 日, 2009
40) 石谷治, 「太陽エネルギーによる二酸化炭素資源化の重要性と現状(招待講演・特別講
演)), 日本化学会第 90 春季年会(2010) 近畿大学本部キャンパス(大阪府東大阪市),
2010 年 3 月 28 日, 2010.
41) 石谷治, “Architecture of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction”, Post-Symposium
of 2009 Asian Symposium on Organic Materials for Electronics and Photonics(ASOMEP
2009), National Tsing-Hua University(台湾台北市), 2009 年 12 月 16 日, 2009
42) 石谷治, “Development of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction”, 日本化学会第
90 春季年会(2010) :国際シンポジウム「光エネルギーと物質変換:人工光合成の未来」,
近畿大学本部キャンパス(大阪府東大阪市), 2010 年 3 月 28 日
43) 石谷治, “Architecture of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction”, New Zealand Tokyo Institute of Technology Seminar on Nanotechnology, Tokyo Institute of Technology,
2009 年 1 月 30 日.
44) 石谷治, “Artificial photosynthesis/photocatalytic water splitting/CO2 fixation”, Chemical
Sciences and Society Symposium 2009, Kloster Seeon/Germany, 2009 年 7 月 23 日-7 月 25
日
45) 石谷治, “Architecture of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction”, KJFP2009 The
6th Korea-Japan Symposium on Frontier Photoscience, Korea University(Sejong Campus),
Chungnam, Korea, 2009 年 10 月 30 日-11 月 3 日
46) 石 谷 治 , “Architecture of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction based on
mechanistic studies”, 42nc IUPAC Congress, The Scottish Exhibition and Conference Centre
(SECC) グラスゴー(Glasgow UK), 2009 年 8 月 2 日-8 月 7 日
47) 中川優樹; 山本洋平; 小池和英; 森本樹; 石谷治、「リング状レニウム(I) 4 核錯体の合
成と CO2 還元光触媒能」, 第 59 回錯体化学討論会, 長崎大学文教キャンパス(長崎県
文教市), 2009 年 9 月 25 日-9 月 27 日(26 日), 2009
48) 石谷治、 「二酸化炭素の光化学的資源化の重要性と現状,」 R&D 懇話会(第 152 回),
化学会館、 日本化学会産学交流委員会, 平成 22 年 7 月 2 日(金), 2010.
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
1) 2010/05/31 BIGLOBE 会員情報誌『サーイ・イサラ』 2010 年 6 月号分掲載
2) 2010/03/06 BS JAPAN NIKKEI eco×eco 掲載
3) 2010/01/17 テレビ朝日 奇跡の地球物語 放送 番組内容:大気 目には見えない生
命維持装置
4) 2009/10/05 日本電気協会 電気新聞 掲載 紹介タイトル:人工光合成技術で二酸化
炭素をエネルギー資源に
5) 2009/09/04 テレビ朝日 スーパーモーニング 放送 紹介タイトル:一酸化炭素で油
を製造
- 137 -
6) 2009/07/20 日本科学未来館「deep science」 掲載 紹介タイトル:人工光合成 太
陽をエネルギー源にする
7) 2008/12/22 日経 BP Web サイト 掲載 紹介タイトル:東工大,CO2 を CO に高効
率で還元する Ru-Re 超分子錯体型光触媒を開発
8) 2008/05/16 日経産業新聞 掲載 紹介タイトル:可視光で CO2 分解 東工大,CO
に変え再利用
9) 2008/05 日経サイエンス 2008 年 4 月号掲載 紹介タイトル:人工合成を実現し地球
規模の課題を克服する
【13】高い CO2 分離機構を有する新規の CO2/CH4、CO2/N2 分離用高性能 DDR 型ゼオライト膜
の創製(長岡技術科学大学)
(1) 査読のある原著論文
1) S. Himeno, T. Tomita, K. Suzuki, S. Yoshida, “Characterization and Selectivity for Methane
and Carbon Dioxide Adsorption on the All-Silica DD3R Zeolite”, Micropor. Mesopor. Mater.,
submitted.(2005)
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 小松隆宏,姫野修司,藤田昌一, 「DDR 型ゼオライトに対する CH4,CO2 の吸着平衡」,
第 19 回日本吸着学会研究発表会(2005), 京都大学
2) 志村俊輔,姫野修司,藤田昌一, 「DDR 型ゼオライトの吸着等温線による細孔特性」,
第 19 回日本吸着学会研究発表会(2005), 京都大学
3) 小松隆宏,姫野修司,藤田昌一,鈴木憲次,富田俊弘,吉田修一, 「DDR 型ゼオライ
ト膜の CH4/CO2 透過特性の解析」, 第 21 回日本ゼオライト研究発表会(2005), 豊橋
商工会議所
4) 志村俊輔,姫野修司,藤田昌一,鈴木憲次,富田俊弘,吉田修一, 「DDR 型ゼオライ
トの吸着特性の解析」, 第 21 回日本ゼオライト研究発表会(2005), 豊橋商工会議所
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【14】選択的 RNA スプライシングによる植物への多面的環境ストレス耐性の付与(静岡県
立大学、近畿大学)
(1)査読のある原著論文
1) Aftab Ahmad, Yasuo Niwa, Maho Hatakeyama, Shingo Goto, Kyoko Kobayashi, Masanori
Shimizu, Sohei Ito, Yumiko Usui, Tsutomu Nakayama and Hirokazu
Kobayashi, ”Myo-inositol-1-P-synthase detected by chromosome scanning with activation
tagging for salt tolerance in fundamental dedifferentiated cells of Arabidopsis.” 投稿準備中.
2) Masanori Shimizu, Takeshi Ogawa, Kosuke Fukuya, Mami Nakamura, Tatsuya Sawasaki,
Yaeta Endo and Hirokazu Kobayashi, “Participation of transcription factor AtbHLH19 in salt
tolerance in Arabidopsis.” 投稿準備中.
- 138 -
3) Aftab Ahmad, Izumi Kaji, Yukiko Murakami, Nana Funato, Takeshi Ogawa, Masanori
Shimizu, Yasuo Niwa and Hirokazu Kobayashi, “Transformation of Arabidopsis with
plant-derived DNA sequences necessary for selecting transformants and driving an objective
gene.”, Biosci. Biotechnol. Biochem., 73, 936-938, 2009.
4) Masanori Shimizu, Maki Goto, Moeko Hanai, Ttutomu Shimizu, Norihiko Izawa, Hirosuke
Kanamoto, Ken-Ichi Tomizawa, Akiho Yokota and Hirokazu Kobayashi, “Selectable
tolerance to herbicides by mutated acetolactate synthase genes integrated into the chloroplast
genome of tobacco.”, Plant Physiol., 147, 1976-1983, 2008.
5) Tanabe N, Kimura A, Yoshimura K, Shigeoka S., ”Plant-specific SR-related protein atSR45a
interacts with spliceosomal proteins in plant nucleus.”, Plant Mol. Biol. 70: 241-252(2009)
6) Tanabe N, Yoshimura K, Kimura A, Yabuta Y, Shigeoka S., “Differential expression of
alternatively spliced mRNAs of Arabidopsis SR protein homologs, atSR30 and atSR45a, in
response to environmental stress.” , Plant Cell Physiol. 48: 1036-49(2007)
(2)その他の論文
1) 田部 記章、吉村 和也、重岡 成、
「選択的スプライシングを介した植物の環境ストレ
ス応答/耐性機構 -セリン/アルギニンリッチ(SR)タンパク質の関与」 化学と生
物 46,224-226 (2008)
(3)口頭・発表
1) Aftab Ahmad, and Hirokazu Kobayashi, “Genes involved in maintenance of plant productivity
on salt-accumulating land as required for human subsistence.”, 2nd International Conference
of Health and Longevity Sciences (静岡), Abstracts, p. 28, 2009 年 10 月.
2) Aftab Ahmad, Yasuo Niwa and Hirokazu Kobayashi, ” bHLH106 found by activation tagging
confers salt tolerance on Arabidopsis.”, 第 50 回日本植物生理学会年会 (名古屋), プログ
ラム・要旨集, p. 246 [4aI03(536)], 2009 年 3 月. Plant Cell Physiol., 50, 0536, 2009.
3) 小川剛史, 清水正則, 福谷孝介, 中村麻美, 澤崎達也, 遠藤弥重太, 小林裕和, 「シロイ
ヌナズナ転写因子 AtbHLH19 を介した耐塩機構」. 第 48 回日本植物生理学会年会 (松
山), プログラム・要旨集, p. 216 [3aW10(495)], 2007 年 3 月.
4) Takeshi Ogawa, Masanori Shimizu, Kosuke Fukuya, Mami Nakamura, Tatsuya Sawasaki,
Yaeta Endo and Hirokazu Kobayashi, “Participation of transcription factor AtbHLH19 in salt
tolerance in Arabidopsis.”, Plant Cell Physiol., 48, S140, 2007.
5) Aftab Ahmad, Yasuo Niwa, Maho Hatakeyama, Shingo Goto, Kyoko Kobayashi and Hirokazu
Kobayashi, “Saturated activation tagging for hunting salt-tolerant genes in Arabidopsis.” 第
48 回日本植物生理学会年会 (松山), プログラム・要旨集, p. 216 [3aW11(496)], 2007 年 3
月. Plant Cell Physiol., 48, S140, 2007.
6) Aftab Ahmad, Yasuo Niwa, Maho Hatakeyama, Shinga Goto, Kyoko Kobayashi and Hirokazu
Kobayashi, “Intensive search of novel genes for salt-tolerance in Arabidopsis via activation
tagging.”, 日中健康科学シンポジウム/The Seventh Japan-China International
Symposium on Health Sciences (静岡), 2006 年 11 月.
7) 小川剛史, 清水正則, 福谷孝介, 小林裕和、「シロイヌナズナ耐塩突然変異系統特異的
に高発現している bHLH19 の機能解析」
、 第 46 回日本植物生理学会年会 (新潟), 講
演要旨集, p. 319, 2005 年 3 月
8) Takeshi Ogawa, Masanori Shimizu, Kosuke Fukuya and Hirokazu Kobayashi, “Functions of
- 139 -
bHLH19 expressed higher distinctively in an Arabidopsis mutant of photoautotrohic salt
tolerance.”, Plant Cell Physiol., 46, S238, 2005.
9) 森達也、森雅揮、横山国大、田部記章、丸田隆典、佐藤信雄、高橋広夫、吉村和也、
重岡 成、
「タイリングアレイを用いた強光応答性シロイヌナズナ SR タンパク質、
atSR45a の選択的スプライシング制御機構の解析」
、 日本農芸化学会 2010 年度大会
(東京)
10)
石川裕基、吉村和也、森達也、田部記章、丸田隆典、佐藤信雄、高橋広夫、重岡
成、
「強光ストレス応答性 SR タンパク質、atSR30 による選択的スプライシング制御
機構の解析」
、 第 51 回日本植物生理学会(熊本)横山国大(2010)
11)
森達也、田部記章、丸田隆典、吉村和也、重岡 成、「植物の選択的スプライシ
ング制御因子 atSR30 および atSR45a による強光ストレス応答」
、第 32 回日本分子生
物学会(横浜)(2009)
12)
田部記章、森達也、木村彩子、吉村和也、重岡成、「強光応答性 SR タンパク質
atSR45a のスプライソソーム形成に果たす役割」、日本農芸化学会 2009 年度大会(福
岡)(2009)
13)
田部記章、吉村和也、木村彩子、森達也、重岡成、「選択的スプライシング制御
機構におけるストレス応答性 SR タンパク質 atSR30 および atSR45a の機能解析」第 50
回日本植物生理学会年会(名古屋)(2009)
14)
田部記章、吉村和也、木村彩子、重岡成、「強光応答性 SR タンパク質 atSR45a
の pre-mRNA スプライシングにおける役割」 第 31 回日本分子生物学会年会(神戸)
(2008)
15)
田部記章、浦野由佳、吉村和也、重岡成、「グルタレドキシン atGRX S13 の選択
的スプライシング産物の生理機能の解析」
、農芸化学会 2008 年度大会(名古屋)
(2008)
16)
木村 彩子、高橋 香織、田部 記章、吉村 和也、重岡 成、「強光ストレス応答
性 SR タンパク質, atSR30, atSR45a による選択的スプライシング制御機構の解析」
農芸化学会 2008 年度大会 (名古屋)(2008)
17)
田部記章、木村彩子、高橋香織、吉村和也、重岡成、「強光応答性 SR タンパク
質 atSR45a のスプライセオソーム形成における役割」 第 49 回日本植物生理学会年
会(札幌)(2008)
18)
田部記章、木村彩子、吉村和也、重岡成、「強光応答性 SR タンパク質 atSR45a
による選択的スプライシング制御機構の解析」、第 30 回日本分子生物学会年会・第
80 回日本生化学会大会 合同大会(神戸)(2007)
19)
田部記章、 木村彩子、高橋香織、吉村和也、重岡成、「強光応答性スプライシ
ング制御因子 atSR45a の相互作用因子の同定」 、日本農芸化学会 関西支部中部支部
合同大会(愛知)(2007)
20)
吉村和也、田部記章、木村彩子、重岡成、「選択的スプライシングによる植物の
環境ストレス応答」(シンポジウム)日本進化学会第 9 回大会(京都)(2007)
21)
木村彩子、大塚智弘、田部記章、吉村和也、重岡成、「強光応答性 SR タンパク
質 atSR45a の相互作用因子の同定」 第 48 回日本植物生理学会年会(松山)(2007)
22)
田部 記章、木村 俊太、木村 彩子、吉村 和也、重岡 成、「ストレス応答性 SR
タンパク質 atSRp30 が関与する選択的スプライシング制御機構の解析」農芸化学会
2007 年度大会(東京)(2007)
- 140 -
23)
田部 記章、吉村 和也、木村 彩子、重岡 成、「シロイヌナズナにおける強光応
答性 SR タンパク質 atSR45a が関与する選択的スプライシング機構の解析」日本分子
生物学会 2006 フォーラム(名古屋)(2006)
24)
田部記章、木村彩子、朝野未奈子、吉村和也、石川孝博、重岡成、「シロイヌナ
ズナの低温応答性 SR タンパク質の機能解析」 日本植物生理学会 2006 年度大会(筑
波)(2006)
25)
木村彩子、田部記章、朝野未奈子、吉村和也、石川孝博、重岡成、「強光応答性
シロイヌナズナ SR タンパク質 SR41a の生理機能の解析」日本植物生理学会 2006 年
度大会(筑波)(2006)
(4)出願特許
1) 小林裕和,丹羽康夫,Aftab Ahmad (出願者: 財団法人 浜松科学技術研究振興会): 塩
耐性形質転換植物体の製造方法. 特許出願番号: 2007-065450, 出願日: 2007 年 3 月 16
日.
(5)新聞・雑誌掲載
1) 小林裕和: 研究進む遺伝子組換え植物. 中日新聞, 2007 年 11 月 6 日.
2) 後藤新悟, 丹羽康夫, 小林裕和: アクティベーションタギングと葉緑体機能発現. 蛋
白質核酸酵素, 50, 1921-1922, 2005.
【15】ゼオライト膜のブレークスルーのための高性能 DD3R ゼオライト膜の開発と戦略的
な新規八員環ゼオライトの膜化(長岡技術科学大学)
(1) 査読のある原著論文
1) S. Himeno, T. Tomita, K. Suzuki, S. Yoshida,”Characterization and Selectivity for Methane
and Carbon Dioxide Adsorption on the All-Silica DD3R Zeolite”,Micropor. Mesopor. Mater.,
98, 62-69,2005
2) 姫野修司, 小松隆宏, 藤田昌一, 富田俊弘, 鈴木憲次, 吉田修一,
「新規 DD3R ゼオライ
ト膜の CO2 /CH4 透過特性の解析」,化学工学論文集,印刷中,2007
3) 小松俊哉, 工藤恭平, 姫野修司, 「酵素可溶化処理を施した稲わらの下水汚泥との混合
嫌気性消化に関する研究」, 下水道協会誌, 44, No.531,139-150, 2007
4) 松本拓郎, 小松俊哉, 姫野修司, 田村佳之, 藤田昌一, 「一槽間曝気欠式膜分離法にお
ける担体投入効果」, 浄化槽研究, 18, 1-10, 2006
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) S. Himeno, T. Komatsu, T. Tomita, K. Suzuki and S. Yoshida, “Synthesis and CO2/CH4 Gas
Permeation Characteristics of DD3R Zeolite Membrane”, International Symposium on Zeolites
and Microporous Crystals, CD-ROM, Yonago, 2006.
2) S. Himeno, S.Shimura, T. Tomita, K. Suzuki and S. Yoshida, “Methane and Carbon Dioxide
Adsorption on the All-Silica DD3R Zeolite”, International Symposium on Zeolites and
Microporous Crystals, CD-ROM, Yonago, 2006.
3) 阿部隼人, 志村俊輔, 姫野修司, 小松俊哉, 藤田昌一, 「膜分離によるバイオガスからの
メタン, 二酸化炭素同時製造技術の検討」, 第 43 回下水道研究発表会講演集, 49-51,
2006
- 141 -
4) 阿部隼人, 芥川至, 桜井聡一郎, 姫野修司, 富田俊弘, 鈴木憲次, 谷島健二, 中山邦雄,
吉田修一, 「DDR 型ゼオライト膜の気体透過特性」, 第 22 回ゼオライト研究発表会講
演予稿集, 50, 2006
5) 芥川至, 姫野修司, 藤田昌一, 鳥井淳史, 山本昌幸, 吉田修一,「DD3R ゼオライト膜に
よる消化ガスからの高純度 CO2, CH4 同時回収技術の開発」, 第 43 回下水道研究発表会
講演集, 46-48, 2006
6) 志村俊輔, 姫野修司, 「All silica DD3R ゼオライトの吸着機構の解析」, 第 20 回日本吸
着学会研究発表会講演要旨集, 15, 2006
(4) 出願特許
1) 特願 2004-299105 下水汚泥由来のメタン濃縮方法及びメタン貯蔵装置
(5) 新聞・雑誌掲載
1) 日本下水道新聞 2006 年 11 月 26 日
【16】形質転換技術を利用したレドックスシグナルの制御による高速生長、高 CO2 固定
型の植物創製技術(岡山県生物科学総合研究所)
(1) 査読のある原著論文
なし
(2) その他の論文
1) Henmi, K. Yanagida, M. and Ogawa, K. 、”Roles of reactive oxygen species and glutathione in
plant development.”, Int. J. Plant Dev. Biol. 1(2): 185-193(2007)
2) Hatano-Iwasaki, A. and Ogawa, K. , “Redox metabolism in response to environmental stimuli
for flowering.”, Funct. Plant Sci. Biotechnol. 1(2): 246-253(2007)
3) 小川健一 (2009) 作物の収量品質向上を果たすグルタチオンの機能解明. Research
Journal of Food and Agriculture 32: 44-47.
4) Matsumoto, M. and Ogawa, K. , ”New insight into the Calvin cycle regulation Glutathionylation of fructose bisphosphate aldolase in response to illumination.”, In
Photosynthesis 2007: Energy from the Sun (Allen, J.F., Osmond, B., Bolbeck, J.H., Gantt, E.
Eds), pp.877-880. Springer, Heidelberg, Germany.
(3) 口頭・発表
1) 小川健一, 「レドックスによる植物の生長・生理制御」, ダイズ研究会, 2006 年 12 月
15 日, 東京農業工業大学
2) 小川健一, 「モデル植物から植物の共通原理をつかむ―酸化還元制御から見た普遍性
とその制御の農産業への応用」, NDS セミナー, 2006 年 9 月 13 日, 九州大学農学部
3) 小川健一, ” Differential regulation of fructose-bisphosphate aldolase isozymes by glutathione
and thioredoxin in Arabidopsis chloroplasts”, International Society for Free Radical Research,
2006 年 12 月 15 日, Davos Conference Center (Switzerland)
4) Ogawa, K., “New insight into the Calvin cycle regulation - Glutathionylation of fructose
bisphosphate aldolase in response to illumination.”, The 14th International Congress on
Photosynthesis Research 2007, Jul 22-17, 2007, Glasgow, United Kingdom.
5) Ogawa, K. (Plenary lecture) “Regulation of the Calvin cycle by glutathione.”, The annual
symposium of the Korean Society of Photoscience, Pusan National University, Jun 7-8, 2007,
Pusan, Korea.
- 142 -
6) Ogawa, K. (Invited), “The redox regulation of fructose-1,6-bisphosphate aldolase in the
Calvin cycle.”, BMB2008, Dec 10-14, 2008, Kobe.
7) Ogawa, K. (Invited Speaker), “The master tripeptide glutathione: Beyond a simple
antioxidant.”, NAIST Global COE International Symposium 2009 Environmental Adaptation.
Nov 12-13, 2009, Nara
8) 小川健一(招待講演),「グルタチオンの合成場所はなぜ葉緑体になったのだろうか?」
東北大学農学部植物栄養学セミナー。2007 年 1 月 25 日、仙台
9) 小川健一(招待講演)
、
「ストレスによる生育、開花・結実の制御機構とレドックス制
御。
」
、北海道大学農学部植物分子遺伝学セミナー。 2007 年 5 月 31 日、札幌
10) 小川健一、松本雅好(为催者)
、
「カルビン回路におけるフルクトース- 1,6 -ビスリ
ン酸アルドラーゼのレドックス制御.
」、第 49 回日本植物生理学会年会、2008 年 3 月
20-22 日、札幌コンベンションセンター、札幌.
11) 小川健一(招待)
、「収穫量および果実の糖度を飛躍的に向上させる.
」、JST シンポジ
ウム CREST12 -科学技術イノベーションを目指す CREST の挑戦-、2008 年 5 月 27 日、
東京フォーラム、東京.
12) 小川健一(为催者)
、
「収量性・成長性、耐病性の向上を可能にするための RIBS 技術」
、
第 10 回 RIBS バイオサイエンスシンポジウム「食糧・バイオマス生産性の飛躍的向上
に向けて」、2008 年 10 月 31 日、岡山県国際交流センター、岡山市.
13) 小川健一(招待講演)
、
「グルタチオンの新たな機能の発見と作物の収穫量・品質向上
技術への応用の展望」
、第46回近畿アグリハイテクシンポジウム 「生産現場におけ
るイノベーションに向けて(2)
」、2009 年 2 月 24 日、キャンパスプラザ京都、京都
市
14) 小川健一(招待講演)
、
「食糧・バイオマス増産及び品質向上を可能にするグルタチオ
ンの生理機能とその応用展開」、日本農芸化学会中四国支部「農芸化学の未来開拓セ
ミナー」5 月 8 日-9 日、岡山大学ベンチャー棟大講義室、岡山市.
15) 小川健一(为催者)、「グルタチオンによる CO2 固定回路の制御と収量性.光合成学
会シンポジウム」
、2009 年 5 月 29 日-30 日、東京大学駒場キャンパス、目黒区
16) 小川健一(招待講演)、「グルタチオンの分子・生理機能の解明とその応用展望」、
興人講演会.2009 年 6 月 5 日、大分工場、佐伯市
17) 小川健一(为催者)、「食糧増産をかなえる遺伝子組換え技術」、サイエンスサロン.
2009 年 11 月 7 日、津山市立図書館、津山市
18) 小川健一(招待講演)
、
「生きるか死ぬか,グルタチオンが問題だ」
、第 13 回植物バイ
テクシンポジウム「 植物の細胞死-その動態と要因」
.2009 年 9 月 26 日、京都府立
大学大学会館、京都市.
19) 小川健一(招待講演)、
「グルタチオン農業を目指して」、2009 年植物科学シンポジウ
ム「ひき出そう植物科学の潜在力:日本発 GM 植物実現を目指し」
.2009 年 12 月 1 日、
コクヨホール、港区
20) 小川健一(招待講演)、特別講演2「新規な植物生産性向上技術」.日本応用細胞生
物学会 第7回大会.2009 年 12 月 12 日、京都大学木質ホール、宇治市
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
- 143 -
1) 小川健一 第 4 回若手農林水産研究者賞(農林水産技術会議会長賞&甕記念賞)受賞
2) JST の CREST 事業 12 年間の成果のうち、特に顕著な成果として選出される(CREST12
シンポジウムでのブース展示)
3) JST の CREST 宣伝活動として、
「企画未来をかなえる科学技術」の4つの技術の1つに
選出される(DVD ビデオ化)
4) 山陽新聞や読売新聞等地域版に掲載されたほか、産経ビジネスアイ、 日経バイテク
等に記事の掲載。
5) JST の一般向けパンフレットに代表的成果として掲載
【17】3D細孔チャネルを持つ新規無機材料の薄膜化と CO2 分離への応用(大阪府立大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Hidezumi Nagata, Takamasa Onoki,Yuki Yamasaki,Toshiyuki Hashida and Atsushi Nakahira,
“Synthesis and Characterization of Dense Y-zeolites Membrane Using an Improved
Hydrothermal Hot-pressing (HHP) Method”, Vol. 33, No.10, 1400-1401(2007).
2) Hidezumi Nagata, Takashi Kubo, and Atsushi Nakahira,Takamasa Onoki,Yuki Yamasaki,
“Synthesis of Bulk Zeolite by Modified Hydrothermal Process and Its Characterization”, J. Ion
Exchange, 18, 4,594-597 (2007).
3) A. Nakahira, S. Takezoe, Y.Yamasaki, Y. Sasaki, and Y. Ikuhara, “Synthesis and Evaluation of
Bulky Y-zeolites by Hydrothermal Hot-pressing Method”, J. Am.Ceram.Soc., Vol 90, Issue 8,
2322-2326(2007)
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 中平 敤、「ミクロ・ナノポーラス材料のバルク化の試みと評価」、日本化学会 2007
年会、2007/3/26、関西大学
2) 永田英純、小野木伯薫、山崎友紀、橋田俊之、中平敤、
「改良水熱法によるゼオライト
コーティングの合成と評価」、日本セラミックス協会 2007 年会、2007/3/23、武蔵工業
大学
3) H. Nagata, T. Kubo, T. Onoki, Y. Yamasaki and A. Nakahira, “Synthesis of Bulk Zeolite by
Modified Hydrothermal Process and Its Characterization”, 4th International Conference
ICIE’07 (Chiba University)(2007/10/15-19),
4) 永田英純,山崎友紀,中平敤, 「水熱ホットプレス法によるゼオライト緻密体の合成
と評価」,鉄鋼協会春季シンポジウム (千葉工業大学)(2007/3/27-29)
5) 永田英純, 脇原徹, 佐々木優吉, 山崎友紀, 中平敤, 「水熱ホットプレス法による A 型
ゼオライト緻密体の作製」 , 第 20 回秋季シンポジウム (名古屋工業大学)
(2007/9/12-14).
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【18】イオン液体(IL)を用いる CO2 物理吸収・再生プロセスに関する研究(産総研)
- 144 -
(1) 査読のある原著論文
1) Kenneth R. Harris, Mitsuhiro Kanakubo, Lawrence A. Woolf, “Temperature and Pressure
Dependence of the Viscosity of the Ionic Liquids 1-Methyl-3-octylimidazolium
Hexafluorophosphate and 1-Methyl-3-octylimidazolium Tetraborate”, Journal of Chemical &
Engineering Data, 2006 年 5 月
2) Mitsuhiro Kanakubo, Yusuke Hiejima, Kimitaka Minami, Takafumi Aizawa, Hiroshi Nanjo,
“Melting point depression of ionic liquids confined in nanospaces”, Chemical Communications,
2006 年 4 月
3) Mitsuhiro Kanakubo, Kenneth R. Harris, Noriaki Tsuchihashi, Kazuyasu Ibuki, Masakatsu
Ueno, “Effect of Pressure on Transport Properties of the Ionic Liquid
1-Butyl-3-methylimidazolium Hexafluorophosphate”, Journal of Physical Chemistry B, 2007
年3月
(2) その他の論文
なし
(3) 口頭・発表
1) 金久保光央, 2006 年 11 月 21 日, 「極端条件下におけるイオン液体---高圧特性とガス溶
解性を中心として」, 第 29 回溶液化学シンポジウムプレシンポジウム, 山形市遊学館
2) 金久保光央、Kenneth R. Harris、土橋倫昭、伊吹和康、上野正勝, 「イミダゾール系イ
オン液体の輸送現象における圧力効果」, 第 29 回溶液化学シンポジウムプレシンポジ
ウム, 2006 年 11 月 21 日, 山形市遊学館
3) Kenneth R. Harris、金久保光央, “Transport Properties of Ionic Liquids at High Pressure”,
Organic & Physical Chemistry Conference 2007, 2007 年 2 月 1 日, National Wine Centre,
Adelaide, Australia
4) 金久保光央, “Fluids Confined in Nanospaces --- Development of Green Solvent Processes”,
Bangalore JNCASR-AIST Joint Symposium 2007, Nano & Soft Matters, 2007 年 2 月 8 日,
JNCASR, Bangalore
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【19】高透過性・高選択性二酸化炭素分離膜の開発と評価(京都大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Yanming Hu, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, and Toshio Masuda,
"Synthesis and Gas Permeation Properties of Poly(diphenylacetylenes) Having Bulky
Alkyl/silyl and Hydroxy groups", J. Membr. Sci. 282, 423-429 (2006)
2) Yanming Hu, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, and Toshio Masuda,
"Synthesis and Characterization of Poly(diphenylacetylenes) Containing both Hydroxy and
Halogen/alkyl Groups as Gas Separation Membranes". J. Membr. Sci. 285, 412-419 (2006)
3)
Yanming Hu, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, and Toshio
Masuda,."Synthesis and Properties of Poly(diphenylacetylenes) Containing Siloxy and
Halogen/methyl Groups and Their Desilylated Membranes", Polymer 48, 43-49 (2007)
- 145 -
4)
Toshiki Kono, Toshikazo Sakaguchi, Yanming Hu, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, and
Toshio Masuda,"Synthesis and Properties of Poly(phenylacetylenes) Having Two Polar Groups
or One Cyclic Polar Group on the Phenyl Ring", J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 44,
5943-5953 (2006)
5)
Fareha Zafar Khan, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Yoshiyuki Nishio, Toshio
Masuda,"Synthesis, Characterization, and Gas Permeation Properties of Silylated Derivatives
of Ethyl Cellulose", Macromolecules 39, 6025-6030 (2006)
6)
Fareha Zafar Khan, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Yoshiyuki Nishio, Toshio
Masuda,"Perfluoroacylated Ethyl Cellulose: Synthesis, Characterization, and Gas Permeation
Properties", Macromolecules 39, 9208-9214 (2006)
7) F. Z. Khan, M. Shiotsuki, Y. Nishio, T. Masuda, “Synthesis and Properties of Amidoimide
Dendrons and Dendronized Cellulose Derivatives,” Macromolecules, 40, 9293 -9303 (2007).
8) Y. Hu, M. Shiotsuki, T. Masuda, “Synthesis and Properties of Various Poly(diarylacetylenes)
Containing Siloxy and Hydroxy Groups,” J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem., 45, 4487-4495
(2007).
9) R. Morita, F. Z. Khan, T. Sakaguchi, M. Shiotsuki, Y. Nishio, T. Masuda, “Synthesis,
Characterization, and Gas Permeation Properties of the Silyl Derivatives of Cellulose Acetate,”
J. Membr. Sci., 305, 136-145 (2007).
10) F. Z. Khan, M. Shiotsuki, F. Sanda, Y. Nishio, T. Masuda, “Synthesis and Properties of Amino
Acid Esters of Hydroxypropyl Cellulose,” J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem., 46,
2326-2334 (2008).
11) T. Katsumata, M. Maitani, C. Huang, M. Shiotsuki, T. Masuda, “Synthesis and Properties of
Various Poly(diphenylacetylenes) Containing tert-Amine Moieties,” Polymer, 49, 2808-2816
(2008).
12) F. Z. Khan, M. Shiotsuki, Y. Nishio, T. Masuda, “Synthesis, Characterization, and Gas
Permeation Properties of t-Butylcarbamates of Cellulose Derivatives,” J. Membr. Sci., 312,
207-216 (2008).
13) I. Saeed, F. Z. Khan, M. Shiotsuki, T. Masuda, “Synthesis and properties of carbamate- and
amine-containing poly(phenylacetylenes),” J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 47,
1853-1863 (2009).
14) Y. Ikeuchi, F. Z. Khan, N. Onishi, M. Shiotsuki, T. Masuda, Y. Nishio, F. Sanda, “Amino
Acid-Functionalized Ethyl Cellulose: Synthesis, Characterization,and Gas Permeation
Properties,” J. Polym. Sci., Part A, Polym. Chem., 48, 3986–3993 (2010).
(2) その他の論文
1) Toshio Masuda, Fumio Sanda, and Masashi Shiotsuki,“Polymerization of Acetylenes”, in
Comprehensive Organometallic Chemistry III, R. H. Crabtree, D. M. P. Mingos, Eds., Elsevier,
Oxford, Chapter 11.16 (2007)
2) Toshio Masuda and Kazukiyo Nagai ,“Synthesis and Permeation Properties of Substituted
Polyacetylenes for Gas Separation and Pervaporation”, in Materials Science of Membranes, Yu.
Yampolskii, I. Pinnau, B. D. Freeman, Eds., Wiley, Chichester, Chapter 8 (2006)
3) Toshikazu Sakaguchi, Ken-ichi Yumoto, Yuichi Shida, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, and
ToshioMasuda, “Synthesis, Properties, and Gas Permeability of Novel Poly(diarylacetylene)
- 146 -
Derivatives”, J. Polym. Sci, Part A Polym. Chem., 44, 5028-5038 (2006)
4) 増田俊夫, 阪口壽一,「気体透過材料としての置換ポリアセチレンの合成と特性」, 未
来材料, 6, 26-31, 5 月号 (2006)
5) T. Masuda, “Substituted Polyacetylenes,” J. Polym. Sci, Part A Polym. Chem., 45, 165-180
(2007).
6) K. Nagai, Y.-M. Lee, T. Masuda, In “Macromolecular Engineering,” K. Matyjaszewsky, Y.
Gnanou, L. Leibler, Eds., Wiley-VCH, Weinheim, Part 4, Chapter 12, “Polymeric Membranes
for Gas Separation, Water Purificatioon and Fuel Cell Technology” (2007).
7) T. Masuda, M. Shiotsuki, F. Sanda, “Science of Synthesis,” Vol45, Chap. 31 (pp1421- 1439),
Eds. J.S. Siegel, Y. Tobe, Thieme, Dec., 2009
(3) 口頭・発表
1) Yanming Hu, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Toshio Masuda, “Synthesis and Gas
Permeation Properties of Poly(diphenylacetylenes) Having Hydroxy and Other Groups”, 第5
5回高分子年次大会、2Pa117、名古屋(2006 年 5 月 24-26 日)
2) Fareha Zafar Khan, Toshikazu Sakaguchi, Yoshiyuki Nishio, Toshio Masuda, “Synthesis,
Characterization, and Gas Permeability of Perfluoroacylated Ethyl Cellulose”, 第55回高分
子年次大会、2Pa117、名古屋(2006 年 5 月 24-26 日)
3) 森田竜平,Fareha Zafar Khan,阪口壽一,増田俊夫,西尾嘉之, “アセチルセルロースの
シリル化および生成ポリマー膜の気体透過性”, 第55回高分子年次大会、2Pa117、名
古屋(2006 年 5 月 24-26 日)
4) 米谷昌樹, 勝又 徹, 阪口壽一, 塩月雅士, 増田俊夫, “窒素含有ポリ(ジフェニルアセ
チレン)の合成と気体選択透過性”, 第52回高分子研究発表会、Pb-24、神戸(2006 年
7 月 21 日)
5) 米谷 昌樹, 勝又 徹, 黄 慶成, 塩月 雅士, 増田 俊夫, “窒素含有ポリ(ジフェニ
ルアセチレン)の合成と特性”, 第55回高分子討論会、2Pa015、富山(2006 年 9 月 20-22
日)
6) Yanming Hu, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Toshio Masuda, “Synthesis and
characterization of poly(diphenylacetylenes) containing both halogen/alkyl and hydroxy
groups as gas separation membranes”, 第55回高分子討論会、2Pb122、富山(2006 年 9
月 20-22 日)
7) Fareha Zafar Khan, Toshikazu Sakaguchi, Yoshiyuki Nishio, Toshio Masuda,
“Perfluoroacylated Ethyl Cellulose: Synthesis, Characterization, and Gas Permeation
Properties”, 第55回高分子討論会、2Pb122、富山(2006 年 9 月 20-22 日)
8) Yanming Hu, Toshikazu Sakaguchi, Masashi Shiotsuki, Toshio Masuda, “Synthesis and
properties of poly(diphenylacetylenes) containing siloxy and halogen/methyl groups and their
desilylated membranes”, 第56回高分子年次大会、京都(2007 年 5 月 29-31 日)
9) Fareha Zafar Khan, Masashi Shiotsuki, Toshio Masuda, Yoshiyuki Nishio, “Synthesis of
Amide-Containing Dendrons and their Dendronized Cellulose Derivatives”, 第56回高分子
年次大会、京都(2007 年 5 月 29-31 日)
10) Fareha Zafar Khan, Masashi Shiotsuki, Fumio Sanda, Toshio Masuda, Takahiro Ohno,
Yoshiyuki Nishio, “Amino Acid Esters of Hydroxypropyl Cellulose: Synthesis,
Characterization, and Study of Various Properties”, 第56回高分子年次大会、京都(2007
- 147 -
年 5 月 29-31 日)
11) 池内 義貴、森田 竜平、ハン ファリハ ザファル、三田 文雄、増田 俊夫、西尾 嘉之,
“アミノ酸含有エチルセルロース膜の合成、特性および気体透過性”, 第56回高分子
年次大会、京都(2007 年 5 月 29-31 日)
12) Toshio Masuda, “Synthesis and Properties of Novel Gas-Permeable Polyacetylenes”, MACRO
2006 – WORLD POLYMER CONGRESS (Rio de Janeiro, Brazil, July 16 – 21, 2006)
13) T. Masuda, “Design and Functions of Substituted Polyacetylenes”, HIPF2007, May 13 – 17,
2007 (Hanzhou, China)
14) T. Masuda, “Synthesis of Functional Polyacetylenes and Polynorbornenes by Metathesis
Methodology” ISOM 17, July 29 – August 3, 2007 (Pasadena, USA)
15) T. Masuda, “Synthesis and Properties of Substituted Polyacetylenes: Recent Advances”, ACS
2007 Fall Meeting, August 19 – 23, 2007 (Boston, USA)
16) T. Masuda, “Synthesis and Functions of Substituted Polyacetylenes”, Chem05, March 2 - 5,
2008 (Cairo, Egypt)
17) T. Masuda, “Design and Functions of Novel Substituted Polyacetylenes”, MACRO 2008 WORLD POLYMER CONGRESS, June 29 – July 4, 2008 (Taipei, Taiwan)
18) T. Masuda, “Highly Gas-Permeable Substituted Polyacetylenes: Recent Advances”, ICOM
2008, July 12 - 18, 2008 (Honolulu, USA)
19) T. Masuda, “Synthesis Development of Novel Functional Conjugated Polymers”, 2008
Japan-USA Seminar on Polymer, October 21 - 23, 2008 (Awaji, Japan)
20) T.Masuda, “Metathesis Polymerization of Novel Norbornene and Acetylene Derivatives”,
ISOM18 August 2 – 7 (Leipzig, Germany)
21) 増田俊夫、
「置換ポリアセチレンの合成と特性 ー 最近の進歩」、第 58 回高分子討論会
2009 年 9 月 16 日-18 日(熊本)
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【20】海洋酸性化による海洋生態系影響評価のための擬似海洋実験と生態系モデルの統合
化による要素技術開発(静岡大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Niraula Mohan P., Casareto, B. E., Smith Lan S., Hanai,T. and Suzuki Y., “Examining the
effects of nutrients on the composition and size of phytoplankton using unaltered sea waters”,
Journal of Experimental Marine Biology and Ecology
2) Smith, L., Casareto, B. E., Niraula, M. P., Suzuki, Y., Hargreaves, J. C.,Annan, J. D. and
Yamanaka, “Examining the regeneration of nitrogen by assimilating data from incubations
into a multi-element ecosystem model”, Y. Journal of Marine Systems 64, pp 135-152, 2007
3) Uta Natori, Aya Haneda and Yoshimi Suzuki, “Vertical and seasonal differences in biogenic
silica dissolution in natural seawater in Suruga bay, Japan: Effects of temperature and organic
matter”, Marine Chemistry, 102 ,230-241, 2006
(2) その他の論文
- 148 -
なし
(3) 口頭・発表
1) 鈴木 款, Beatriz CASARETO, Yoshiko SHINOMURA, Hiroyuki FUJIMURA, Loic
CHARPY, Takuji ITOU, “Linkage between Organic Flow and Micro Ecosystem in Coral
Reef”, ヨーロッパサンゴ礁国際会議, 2006.9.20, ドイツ、ブレーメン
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
1) 宮古新報, 2006.5.24, 海洋酸性化、予測実証へ、CO2 増の影響研究、浦底
漁 港静大の鈴木款博士ら
2) 宮古毎日新聞,2006.5.24,50年後サンゴ消える?科学者らが海の酸性化予
測、静岡大大学院教授らプロジェクトチーム、否確かめる実証実験開始、城辺、浦底
3) 化学工業日報,2006.10.17,深層水と微生物藻類活用,ビタミン類など産生,
鈴木静岡大学創造科学技術大学院教授ら培養実験に成功
4) 宮古新報,2006.12.12,宮古の研究成果報告,海洋酸性化予測実証,鈴木博士
(静岡大学)ら再実験
5) 宮古毎日新聞,2006.12.13,海水酸性化予測で実験,静岡大教授グループ
【21】プラスチックの酵素分解促進法の研究開発(東北大学)
(1) 査読のある原著論文
なし
(2) その他の論文
1) Abe K., K. Gomi, F. Hasegawa and M. Machida, “Impact of Aspergillus oryzae genomics on industrial
production of metabolites.”, Mycologia, 162, 143-153 (2006)
2) Abe K., K. Furukawa, T. Fujioka, D. Hagiwara, H. Maeda, J. Marui, O. Mizutani, T. Takahashi, A.
Yoshimi, Y. Yamagata, K. Gomi, F. Hasegawa, Novel Industrial Applications of Aspergillus oryzae
Genomics. Aspergillus: Molecular Biology and Genomics, Chapter 10 pp. 199-227, Machda M and
Gomi K. edts., Caister Academic Press (2009)
3) 阿部敬悦, 上原健二, 高橋徹, 大滝真作, 前田浩, 山形洋平, 五味勝也, 長谷川史彦, 「麹
菌固体発酵システムによる新規バイオプロセスへの挑戦-生分解性プラスチックのバイオケ
ミカルリサイクル-」, 日本醸造協会誌 104(1): (2009)
4) 阿部敬悦, 高橋徹, 基礎編 11.3.1 菌体による固体基質表面への接着と固体基質分
解による栄養素の供給, 「菌類の事典」朝倉書店 in press (2010)
(3) 口頭・発表
1) 阿部敬悦、「産業用糸状菌-麹菌を用いた生分解性プラスチックのバイオケミカル、
高分子討論会(2006 年 9 月 20 日_- 2006 年 9 月 22 日, 富山) シンポジウム· ワーク
ショップ· パネル(指名)
2) 上原ら、”Assignment of the binding region of Aspergillus oryzae hydrophobin
RolA to hydrophobic surfaces.”, [日本生物工学会 2007 年大会] (2007 年 9 月 25
日- 2007 年 9 月 27 日, 広島) 口頭(一般)
3) Abe K., “Novel functions of fungal biosurfactant proteins in degradation of biopolymers:
Aspergillus oryzae hydrophobin RolA laterally moves on hydrophobic surfaces and recruits
- 149 -
polyesterases”, Korean Fungal Genetics and Biology Conference, January 14-15, Seoul
National University, Korea (2009) Invited Lecture
4) Abe K., and T. Takahashi, “Novel functions of the fungal biosurfactant protein in degradation
of biopolymers: Aspergillus oryzae hydrophobin RolA laterally moves on hydrophobic
surfaces and recruits polyesterases.” The 17th Congress of the International Society for Human
and Animal Mycology, May 25-29, Keio Plaza Hotel, Tokyo, Japan (2009) Invited
lecture
5) 阿部敬悦、
「麹菌の生産する hydrophobin RolA の疎水表面における水平方向可動性」、
日本農芸化学会 2009 年度大会、(2009 年 3 月 27 日_- 2009 年 3 月 29 日, 日本国, 福
岡) ポスター(一般)
6) 村垣ら、「麹菌 cutinase CutL1 の分子表面負電荷アミノ酸による hydrophobin RolA
との相互作用」、日本農芸化学会 2010 年度大会(2010 年 3 月 27 日_- 2010 年 3 月 30
日, 日本国, 東京) 口頭(一般)
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
【22】高 CO2 固定植物の創製に向けた高等植物の CO2 感知機構の解明(九州大学)
(1) 査読のある原著論文
1) Mimi Hashimoto, Juntaro Negi, Jared Young, Maria Israelsson, Julian I. Schroeder, Koh Iba,
“Arabidopsis HT1 kinase controls stomatal movements in response to CO2”, Nature Cell
Biology, 平成18年4月7日
(2) その他の論文
1) 橋本 美海、射場 厚, 「植物の CO2 感知機構解明に向けて」, ブレインテクノニュー
ス, 平成 18 年 7 月 15 日
2) Israelsson, M., Siegel, R.S., Young, J., Hashimoto, M., Iba, K. and Schroeder, J.I, “Guard cell
ABA and CO2 signaling network updates and Ca2+ sensor priming hypothesis”, Current
Opinion in Plant Biology, 平成 18 年 10 月 16 日
(3) 口頭・発表
1) Mimi Hashimoto, Juntaro Negi, Jared Young, Maria Israelsson, Julian I. Schroeder, Koh Iba,
“Characterization of HT1 protein kinase essential for CO2 signalling, American Society of
Plant Biologists Meeting, The Biology of Transpiration: From Guard Cells to Globe”, October
14, 2006, Snowbird Mountain Resort, Snowbird, Utah USA
2) 橋本 美海、湯田園 拓郎、祢宜 淳太郎、Jared Young, Maria Israelsson, Julian
Schroeder, 射場 厚, 「気孔の CO2 応答に関与するシロイヌナズナタンパクキナーゼ
HT1 の機能解析」, 第 48 回日本植物生理学会年会, 2007 年 3 月 28 日, 愛媛大学(松
山)
(4) 出願特許
なし
(5) 新聞・雑誌掲載
なし
- 150 -
【23】木質バイオマスの直接酵素糖化と残渣リグニンの利用(名古屋大学)
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
なし
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【24】CO2 の海洋貯留・吸収源の拡大におけるプランクトン群集の正の安定化効果に関する実
証 ~中規模実験と新規モデルによる検証~(静岡大学)
(1) 査読のある原著論文
なし
(2) その他の論文
1) Sylvain AGOSTINI, Yoshimi SUZUKI, Beatriz E. CASARETO, Yoshikatu NAKANO,
Michio HIDAKA and Nesa BADRUN “Coral symbiotic complex: Hypothesis through
vitamin B12 for a new evaluation”, Galaxea, Journal of Coral Reef Studies,11:1-11(2009).
2) Beatriz E. CASARETO, Mohan P. Nilaula, Hiroyuki Fujimura, Yoshimi Suzuki, “Effects of
carbon dioxide on the coccolithophorid Pleurochrysis carterae in incubation experiments”,
AQUATIC BIOLOGY Aquat Biol, 7:59-70(2009).
3) Mohan P. Nilaura, Beatriz E. Casareto, Lan Smith, Takayuki Hanai, Yoshimi Suzuki,
“Examining the effects of nutrients on the composition and size of phytoplankton using
unaltered deep-sea waters”, Jounal of Experimental Marine Biology and Ecology, 348,
23-32(2007).
4) Lan Smith, Beatriz E. Casareto, Mohan P. Nilaura, Yoshimi Suzuki Juli C. Hargreaves, Juan D.
Annan and Yasuhiro Yamanaka, “Examining the regeneration of nitrogen by assimilating data
from incubations into a multi-element ecosystem model”, J. Marine Systems, 64, 135-152
(2007).
(3)口頭・発表
なし
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【25】足場タンパク質を用いたセルラーゼ・ヘミセルラーゼの固体表面への濃縮技術の研究開発(東北
大学)
(1)査読のある原著論文
- 151 -
なし
(2)その他の論文
1) Abe K., K. Furukawa, T. Fujioka, D. Hagiwara, H. Maeda, J. Marui, O. Mizutani, T. Takahashi, A.
Yoshimi, Y. Yamagata, K. Gomi, F. Hasegawa, Novel Industrial Applications of Aspergillus oryzae
Genomics. Aspergillus: Molecular Biology and Genomics, Chapter 10 pp. 199-227, Machda M and
Gomi K. edts., Caister Academic Press (2009)
2) 阿部敬悦, 上原健二, 高橋徹, 大滝真作, 前田浩, 山形洋平, 五味勝也, 長谷川史彦, 麹菌
固体発酵システムによる新規バイオプロセスへの挑戦-生分解性プラスチックのバイオケミ
カルリサイクル-, 日本醸造協会誌 104(1): (2009)
3) 阿部敬悦, 高橋徹, 基礎編 11.3.1 菌体による固体基質表面への接着と固体基質分
解による栄養素の供給, 「菌類の事典」朝倉書店 in press (2010)
(3)口頭・発表
1) 上原ら、”Assignment of the binding region of Aspergillus oryzae hydrophobin RolA to
hydrophobic surfaces.”[日本生物工学会 2007 年大会] (2007 年 9 月 25 日_- 2007 年 9 月
27 日, 広島) 口頭(一般)
2) Abe K., “Novel functions of fungal biosurfactant proteins in degradation of biopolymers:
Aspergillus oryzae hydrophobin RolA laterally moves on hydrophobic surfaces and recruits
polyesterases”, Korean Fungal Genetics and Biology Conference, January 14-15, Seoul
National University, Korea (2009) Invited Lecture
3) Abe K., and T. Takahashi, “Novel functions of the fungal biosurfactant protein in degradation
of biopolymers: Aspergillus oryzae hydrophobin RolA laterally moves on hydrophobic
surfaces and recruits polyesterases.”, The 17th Congress of the International Society for
Human and Animal Mycology, May 25-29, Keio Plaza Hotel, Tokyo, Japan (2009) Invited
lecture
4) 阿部他、
「麹菌の生産する hydrophobin RolA の疎水表面における水平方向可動性」[日
本農芸化学会 2009 年度大会] (2009 年 3 月 27 日_- 2009 年 3 月 29 日, 日本国, 福岡) ポ
スター(一般)
5) 村垣ら、麹菌 cutinase CutL1 の分子表面負電荷アミノ酸による hydrophobin RolA との
相互作用[日本農芸化学会 2010 年度大会] (2010 年 3 月 27 日_- 2010 年 3 月 30 日, 日本
国, 東京) 口頭(一般)
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【26】木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
なし
- 152 -
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【27】光合成循環的電子伝達系の強化による乾燥耐性植物育種の可能性検討
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
なし
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【28】イオン液体物理吸収法による高圧 CO2 ガス再生に関する研究
(1)査読のある原著論文
1) Mitsuhiro Kanakubo, Kenneth R. Harris, Noriaki Tsuchihashi, Kazuyasu Ibuki, and
Masakatsu Ueno, “Temperature and pressure dependence of the electrical conductivity of the
ionic
liquids
1-methyl-3-octylimidazolium
hexafluorophosphate
and
1-methyl-3-octylimidazolium tetrafluoroborate,” Fluid Phase Equilibria, 261, 414-420, 2007.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) Mitsuhiro Kanakubo, Kenneth R. Harris, Noriaki Tsuchihashi, Kazuyasu Ibuki, and
Masakatsu Ueno, “The effect of pressure on transport properties of the imidazolium-based
ionic liquids,” PPEPPD 2007, 2007 年 5 月 25 日.
2) Mitsuhiro Kanakubo, Kenneth R. Harris, Noriaki Tsuchihashi, Kazuyasu Ibuki, and
Masakatsu Ueno, “High-Pressure Transport Properties of Imidazolium-based Ionic Liquids,”
2nd International Congress on Ionic Liquids, 2007 年 8 月 6 日.
3) 金久保光央, 相田努, 相澤崇史, 南條弘, 亀田恭男, 「イミダゾール系イオン液体におけ
る二酸化炭素の溶解挙動」, 化学工学会第 39 回秋季大会, 2007 年 9 月 13 日.
4) Mitsuhiro Kanakubo and Yasuo Kameda, “Ionic liquids as gas absorption media,”
JMLG/EMLG Joint Conference 2007, 2007 年 11 月 22 日.
(4)出願特許
1) 特願 2008-119322, ガス分離精製ならびに回収方法及びその装置, 2008 年 4 月 30 日(優
先権为張:特願 2007-121980, 2007 年 5 月 2 日)
(5)新聞・雑誌掲載
なし
- 153 -
【29】高精度な長期間海洋隔離シュミレーションを可能にする計算手法の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
(1件)
(3)口頭・発表
なし
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【30】Jatropha Curcas L.の優良種の交配及び形質転換系の作出の研究
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) Toru Usami, “NBF and its Jatropha Development Project”, 2nd Meeting of International
Society for Environmental Bio-Resources, 2008/12/05.
2) 合田 真, 「ヤトロファオイルの生産」, 第 1 回グリーン燃料シンポジウム,
2008/12/16.
3) 宇佐美 徹, 「NBF によるジャトロファ開発プロジェクトの紹介」, 第 61 回日本生
物工学会大会, 2009/09/25.
4) 合田 真, 「見えてきたヤトロファバイオ燃料ビジネス成功のポイント」, バイオ燃
料セミナー, 2009/12/21.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【31】温室効果ガス回収型 C1 微生物コンソーシアムによる in situ バイオマス利用の基
盤技術開発
(1)査読のある原著論文
1) Hiroya Yurimoto, Nobuo Kato, and Yasuyoshi Sakai, “Genomic organization and
biochemistry of the ribulose monophosphate pathway and its application in biotechnology.”,
Appl. Microbiol. Biotechnol., 84, 407-416, 2009.
2) Li-mei Chen, Hiroya Yurimoto, Kun-zhi Li, Izumi Orita, Motomu Akita, Nobuo Kato,
Yasuyoshi Sakai, and Katsura Izui, “Assimilation of Formaldehyde in Transgenic Plants Due
to the Introduction of the Bacterial Ribulose Monophosphate Pathway Genes.”, Biosci.
Biotechnol. Biochem., 74, 627-635 2010.
3) Hiroyuki Iguchi, Hiroya Yurimoto, and Yasuyoshi Sakai. Methylovulum miyakonense gen.
- 154 -
nov., sp. nov., a novel type I methanotroph from a forest soil in Japan. Int. J. Syst. Evol.
Microbiol., in press (doi: 10.1099/ijs.0.019604-0), 2010,
4) Zhongbang Song, Izumi Orita, Fei Yin, Hiroya Yurimoto, Nobuo Kato, Yasuyoshi Sakai,
Katsura Izui, Kunzhi Li, and Limei Chen, “Overexpression of an HPS/PHI fusion enzyme
from Mycobacterium gastri in chloroplasts of geranium enhances its ability to assimilate and
phytoremediate formaldehyde.”, Biotechnol. Lett., in press (doi: 10.1007/s10529-010-0324-7),
2010.
5) Hiroyuki Iguchi, Hiroya Yurimoto, and Yasuyoshi Sakai, “Soluble and particulate methane
monooxygenase gene clusters of the type I methanotroph Methylovulum miyakonense HT12.”,
FEMS Microbiol. Lett., in press, 2010.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) Hiroya Yurimoto, “C1-microorganisms utilizing methane and methanol emitted from plants.”,
Asian Core Program Joint Seminar on Capacity Building and Development of Microbial
Potential and Fermentation Technology towards New Era. 2009/3/20.
2) 由里本博也、「C1 微生物の細胞機能とその利用:循環型物質生産体系の構築に向けて」、
日本微生物資源学会第 16 回大会シンポジウム「モデル生物、ものづくりとしての微生物パ
ワー」 2009/6/26.
3) Hiroya Yurimoto, “Biotechnological application of metabolic functions in
C1-microorganisms.”, The 5th Japan−Finland Biotechnology Symposium. 2010/6/10.
(4)出願特許
1) 特願 2010-183287、メタン酸化菌に対して用いられるメタン酸化活性向上剤、及びそ
の利用、2010/8/18
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【32】ユビキタス元素を利用する大容量 CO2 ストレージ物質の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 中川誠也・張東杰・池上啓太・町田正人、「Fe 系複合酸化物の CO2 吸収放出特性」、
第 47 回セラミックス基礎科学討論会, 2008/01/06.
2) 町田正人、「ユビキタス元素を利用する大容量 CO2 ストレージ物質の開発」、平成 21
年 11 月 4 日「RITE 革新的環境技術シンポジウム」
3) Seiya Nakagawa, Keita Ikeue, Masato Machida, “Carbon dioxide capture by K-based metal
oxides”, The 2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies
(PACIFICHEM), 2010/12/17.
(4)出願特許
なし
- 155 -
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【33】木質バイオマスの酵素糖化と残渣リグニンの利用
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
1) 福島和彦 グリーンバイオケミスリーの最前線第Ⅱ編第 4 章「リグニン」(CMC 出版)
pp51-61(2010)
(3)口頭・発表
1) 松下泰幸,「木質バイオマスの酵素糖化における新規前処理技術の開発」,JST 新技術説
明会,2009 年 8 月 5 日,東京
2) 松下泰幸、「酵素により木質バイオマスから効率的に糖を生産する!」,北陸・東海 8 大学
特許・研究シーズ発表・展示会,2009 年 10 月
3) Kazuhiko Fukushima,“Development of highly efficient saccharification of unused woody
biomass”, IFPU 2009 Doctoral School, AGROENERGY AND SUSTAINABILITY, 2009 年 7
月 18 日~28 日、ブラジル サンパウロ大学ピラシカバキャンパス
4) 福島和彦, 日本応用細胞生物学会第7回大会「木質バイオマスの酵素糖化」2009 年
12 月 12 日 京都大学生存圏研究所
5) 福島和彦 「木質バイオマスの酵素糖化と TOF-SIMS 法による木質成分の解析」セル
ロース学会第 14 回ミクロシンポジウム「バイオリファイナリー」国際高等研究所、
木津川市、2009 年、1 月 26 日
(4)出願特許
1) 松下泰幸、福島和彦:木材の糖化方法. 特開 2010-094095(特願 2008-268973)出願
日:2008 年 10 月 17 日
(5)新聞・雑誌掲載
1) 研究室探訪:未利用木質バイオマスを研究(読売新聞 2009 年7月3日朝刊)
【34】塩水中 CO2 モニタリングのための全炭酸・アルカリ度の現場計測技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
なし
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【35】バイオディーゼルの高効率高速合成法の開発
(1)査読のある原著論文
- 156 -
1) G. Guan, M. Teshima, C. Sato, S.M. Son, M.F. Irfan, K. Kusakabe, N. Ikeda, T.-J. Lin,
“Two-phase flow behavior in microtube reactors during biodiesel production from waste
cooking oil”, AIChE Journal, 56, 1383-1390 (2010).
2) G. Guan, K. Kusakabe, K. Moriyama, N. Sakurai, “Transesterification of Sunflower Oil with
Methanol in a Microtube Reactor”, Industrial & Engineering Chemistry Research, 48,
1357-1363 (2009)
3) G. Guan, K. Kusakabe, “Synthesis of Biodiesel Fuel Using an Electrolysis Method”, Chemical
Engineering Journal, 153, 159-163 (2009)
4) G. Guan, K. Kusakabe, S. Yamasaki, “Tri-potassium Phosphate as a Solid Catalyst for
Biodiesel Pproduction from Waste Cooking Oil”, Fuel Processing Technology, 90, 520-524
(2009)
5) G. Guan, N. Sakurai, K. Kusakabe, “Synthesis of Biodiesel from Sunflower Oil at Room
Temperature in the Presence of Various Cosolvents”, Chemical Engineering Journal, 146,
302-306 (2009)
6) G. Guan, K. Kusakabe, N. Sakurai, K. Moriyama, “Transesterification of Vegetable Oil to
Biodiesel Fuel Using Acid Catalyst in the Presence of Dimethyl Ether”, Fuel, 88, 81-86 (2009)
7) G. Guan, K. Kusakabe, K. Moriyama, N. Sakurai, “Continuous Production of Biodiesel Using
a Microtube Reactor”, Chemical Engineering Transaction, 14, 237-244, 2008
(2)その他の論文
1) 官 国清、孫 誠模、草壁克己、
「バイオディーゼル合成プロセスの最近の進歩」
、環
境浄化技術、第8巻第7号、29-34、2009
2) 官 国清、草壁克己、
「バイオディーゼル油の触媒合成に関する最近の研究」
、化学装
置、第 50 巻第 10 号、29-45、2008
(3)口頭・発表
1) 草壁克己、官 国清、「電解法を用いたバイオディーゼル油の合成」、化学工学会第 75 年
会、2010
2) 孫 誠模、木村紘子、官 国清、草壁克己、「還流条件での CaO 触媒を用いたバイオディー
ゼル油の合成」、化学工学会第 75 年会、2010
3) Sung Mo Son and Katsuki Kusakabe, “Biodiesel production from sunflower oil in counter
current trickle bed reactor packed with CaO catalyst”, 4th International Symposium on Novel
Carbon Resources Sciences, Parth, Australia, 2010
4) 木村紘子、孫 誠模、草壁克己、「イオン交換樹脂充填層を用いたバイオディーゼルの合
成」、化学工学会第 21 回九州地区若手ケミカルエンジニアリング討論会、熊本、2010
5) Sung Mo son and Katsuki Kusakabe, “Transesterification of Sunflower Oil in Countercurrent
Trickle-bed Reactor Packed with CaO Catalyst”, The 5th SBE International Conference on
Bioengineering and Nanotechnology, Biopolis, Singapore, 2010
6) Hiroko Kimura, Sungmo Son and Katsuki Kusakabe, “Biodiesel Synthesis in a Fixed-bed
Reactor Packed with a Cation Exchange Resin Catalyst”, The First Biofuel/Biochemical
Center Seminar, Ipoh, Malaysia, 2010
7) Katsuki Kusakabe, Guoqing Guan, and SungMo Son, “Transesterification of waste cooking
oil to biodiesel fuel using K3PO4 catalyst”, 2009 KIChE Annual Meeting, Gwangju, 2009
8) 草壁克己、「FAME の高効率高速合成」、環境科学会 2009 年会、札幌、2009
- 157 -
9) 草壁克己、官 国清、孫 誠模、「K3PO4 触媒を用いたバイオディーゼル合成」、化学
工学会第 41 回秋季大会、広島、2009
10)
草壁克己、官 国清、孫 誠模、山崎智子、「バイオディーゼル合成時の界面反
応挙動」
、化学工学会第 41 回秋季大会、広島、2009
11) Norihiro Ikeda, Guoqing Guan and Katsuki Kusakabe, “Interfacial Phenomena in the
Processes of Biodiesel Productions from Sunflower Oil and Waste Cooking Oil in Alkaline
Methanol Phase”, World Congress on Oils and Fats 2009, Sydney, 2009
12) Katsuki Kusakabe, Guoqing Guan and Norihiro Ikeda, “Biodiesel Production from Sunflower
Oil and Waste Cooking Oil in Microtube Reactors”, World Congress on Oils and Fats 2009,
Sydney, 2009
13) Sung Mo son and Katsuki Kusakabe, “Transesterification of Sunflower and Waste Cooking
Oils Using CaO Catalyst Under Reflux Condition”, 3rd International Symposium on Novel
Carbon Resources Sciences, Fukuoka, 2009
14)
Sung Mo son and Katsuki Kusakabe, “Synthesis of BDF From Sunflower Oil and Waste
Cooking Oil Under Reflux Condition with CaO”, 2009 AIChE Annual Meeting, Nashville,
2009
15) 草壁克己、孫 誠模、木村紘子、「CaO 触媒を用いた還流条件下における廃食用油からの
バイオディーゼルの合成」、第 46 回石炭科学会議、鹿児島、2009
16) Satoko Yamasaki, Sung Mo Son, Katsuki Kusakabe and Norihiro Ikeda, “Interfacial
Behaviors in the Transesterification of Oils with Methanol”, 22nd International Symposium
on Chemical Engineering, Daejeon, 2009
17)
Kaori Tokunaga, Junko Mizuno, Sung Mo Son and Katsuki Kusakabe, “Biodiesel
Production by Using Calcium Oxide Catalyst at High Temperature”, 4th International
Symposium on Novel Carbon Resources Sciences, Shanghai, 2009
18) Junko Mizuno, Kaori Tokunaga, Sung Mo Son and Katsuki Kusakabe, “Biodiesel Production
from Various High-fat Food Products with Methanol”, 4th International Symposium on Novel
Carbon Resources Sciences, Shanghai, 2009
19) 官 国清、櫻井 希、森山希実子、草壁克己、「ジメチルエーテルを用いたバイオディーゼ
ルの高速合成」、化学工学会第 73 年会、静岡、2008
20) 官 国清、森山希実子、櫻井 希、草壁克己、「マイクロリアクターを用いたバイオディーゼ
ルの高速合成」、第 17 回化学とマイクロ・ナノシステム研究会、福岡、2008
21) Guoqing Guan, Katsuki Kusakabe, Kimiko Moriyama and Nozomi Sakurai, “Continuous
Production of Biodiesel Using a Microtube Reactor”, 1st Industrial Biotechnology
International Conference, Napoli, 2008
22) 櫻井 希、官 国清、草壁克己、「エーテル類を共溶媒としたバイオディーゼルの均相合成」、
第 45 回化学関連支部合同九州大会、北九州、2008
23) 井上りえ、手島麻梨音、板東由里子、官 国清、草壁克己、「マイクロリアクターによるバイ
オディーゼルの連続合成」、第 45 回化学関連支部合同九州大会、北九州、2008
24) 山崎智子、官 国清、草壁克己、菅野憲二、河濟博文、「廃食用油の均相バイオディーゼ
ル化」、化学工学会沖縄大会、那覇、2008
25) 手島麻梨音、官 国清、草壁克己、「マイクロチューブリアクタによるバイオディーゼル合
成」、化学工学会沖縄大会、那覇、2008
- 158 -
26) 官 国清、草壁克己、櫻井 希、「ジメチルエーテルを共溶媒とした酸触媒によるバイオディ
ーゼルの合成」、化学工学会新潟大会、新潟、2008
27)
Guoqing Guan, Nozomi Sakurai and Katsuki Kusakabe, “Microtube Reactor for
Biodiesel Production –Synthesis of Biodiesel from Sunflower Oil at Room Temperature in the
Presence of Various Cosolvents-“, Innovative Energy & Environmental Chemical Engineering
2008 (ASCON-IEEChE 2008), Sapporo, 2008
28) Katsuki Kusakabe, Guoqing Guan, Marion Teshima and Nozomi Sakurai, Flow Visualization
in the Microtube Reactors for Biodiesel Production, Int. Symp. on Micro Chemical Process
and Synthesis, Kyoto, 2008
29) 草壁克己、官 国清、櫻井 希、井上りえ、手島麻梨音、「バイオディーゼル合成時のマイク
ロチューブ内の流動パターン」、化学工学会第 40 回秋季大会、仙台、2008
30)
櫻井 希、官 国清、草壁克己、「エーテル類を共溶媒とした塩基触媒によるバ
イオディーゼルの合成」
、化学工学会第 40 回秋季大会、仙台、2008
31)
草壁克己、官 国清、森山希実子、櫻井 希、板東由里子、「マイクロデバイス
を用いたバイオディーゼルの合成」、化学工学会第 40 回秋季大会、仙台、2008
32) Katsuki Kusakabe, Guoqing Guan, Marion Teshima and Nozomi Sakurai, “Two-phase Flow
Behaviors in Microtube Reactors during Biodiesel Production”, 2008 AIChE Annual Meeting,
Philadelphia USA, 2008
(4)出願特許
1) なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【36】電気透析を用いた二酸化炭素回収法
(1)査読のある原著論文
1) Hiroki Nagasawa, Akihiro Yamasaki, Atsushi Iizuka, Kazukiyo Kumagai, and Yukio
Yanagisawa, “A New Recovery Process of Carbon Dioxide from Alkaline Carbonate Solution
via Electrodialysis”, AIChE Journal, 55(12), pp. 3286-3293, 2009.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 橋本 佳奈, 長澤 寛規, 飯塚 淳, 山崎 章弘, 柳沢 幸雄, 「電気透析を用いた二酸化炭
素分離・回収法の実用可能性の評価」, 化学工学会, 第 74 年会, 横浜国立大学, 横浜,
2009/03/18-20
2) Kana Hashimoto, Atsushi Iizuka, Hiroki Nagasawa, Kazukiyo Kumagai, *Akihiro Yamasaki,
and Yukio Yanagisawa, “Recovery of CO2 From Carbonate Solutions with Electrodialysis”,
AIChE, Gaylord Opryland Hotel, Nashville, TN, US, 2009/11/08-13.11/12.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
- 159 -
【37】大規模排出源近傍の軟質地盤における帯水層貯留の遮蔽層安全性検討
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 東宏幸,大岡政雄;「革新的環境技術シンポジウム(京都)」,財団法人地球環境産
業技術研究機構(RITE),2009.11.4
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【38】膜分離を複合化した光触媒水素製造プロセスの構築
(1)査読のある原著論文
1) M. Yoshida, Kazuhiro Takanabe, Kazuhiko Maeda, Akio Ishikawa, Jun Kubota, Yoshihisa
Sakata, Yasunari Ikezawa, and Kazunari Domen、”Role and Function of Noble-Metal/Cr-Layer
Core/Shell Structure Cocatalysts for Photocatalytic Overall Water Splitting Studied by Model
Electrodes”, J. Phys. Chem. C 113, 10151–10157 (2009)
2) T. Hisatomi, K. Miyazaki, K. Takanabe, K. Maeda, J. Kubota,a Y. Sakata, and K. Domen,
“Isotopic and Kinetic Assessment of Photocatalytic Water Splitting on Zn-added Ga2O3
Photocatalyst Loaded with Rh2-yCryO3 Cocatalyst,” Chem. Phys. Lett., 486、144-146, (2010)
(2)その他の論文
1) 酒多喜久、「水分解反応による水素製造を目指した光触媒開発」、建設環境マネージ
メント講演会論文集、1-20 山口大学 (2010)
2) Y.Sakata, K.Yoshimoto, K. Kawaguchi, H. Imamura, and S. Higashimoto、”Photocatalytic
Property of a Semiconducting Compound Prepared from Urea under Visible light Irradiation”、
Proc. 6th Europian Meeting on Solar Chemistry and Photocatalysis: Environmental
applications, P.169-P.170, Institute of Chemical Technology Prague, (2010)
(3)口頭・発表
1) 飯田高史、植村一広、喜多英敏、田中一宏, 「光触媒を用いた水の完全分解による水
素製造への膜分離の応用」, 化学工学会第 74 年会, 2009/3/20, 横浜
2) 田中一宏、飯田高史、喜多英敏、杉山未希、酒多喜久、今村速夫, 「光触媒水素製造
プロセスへの膜分離の応用」, 日本膜学会 31 年会, 2009/5/21, 東京
3) 飯田高史、田中一宏、喜多英敏、杉山未希、酒多喜久、今村速夫, 「膜分離と光触媒
の複合化による水素製造プロセスの検討」
, 化学工学会第 41 回秋季大会, 2009/9/16, 広
島
4) 吉本和喜、川口恵亮、田中亜紀子、酒多喜久、今村速夫, 尿素由来化合物光触媒の調製
とその特性、第 104 触媒討論会、2009/9/27、宮崎
5) 杉山未希、酒多喜久、今村速夫、飯田高史、田中一宏、喜多英敏、「気体分離膜を用
いて光触媒による水の完全分解反応により生成された H2 と O2 の効率的分離」、第
104 触媒討論会、2009/9/27、宮崎
- 160 -
6) 中川貴喜、松田雄太、酒多喜久、今村速夫、「水酸化物前駆体より調製した Ga2O3
光触媒の水の完全分解反応に対する特性」、第 104 触媒討論会、2009/9/27、宮崎
7) 池田俊徳、山崎祐樹、酒多喜久、今村速夫、「水の完全分解反応に効率よく作用する
Ba-Nb 光触媒の調製条件の検討」、第 104 触媒討論会、2009/9/27、宮崎
8) 田中一宏、飯田高史、喜多英敏、杉山未希、酒多喜久、今村速夫、木村紗有佳、野村
幹弘, 「水素分離膜の光触媒水素製造プロセスへの応用」, 膜シンポジウム 2009,
2009/11/19, 広島
9) 酒多喜久、「水の完全分解反応に有効に作用する酸化ガリウム光触媒の開発」、第 8
回太陽エネルギー化学センターシンポジウム(大阪大学)、2010/2/1、大阪、依頼講
演
10)
酒多喜久、
「水の完全分解反応による水素製造を目指した光触媒開発」
、第 11 回建
設・環境マネジメント講演会、2010/2/8、宇部【依頼講演】
11)
白井聡太, 飯田高史, 田中一宏, 喜多英敏, 木村紗有佳, 野村幹弘,杉山未希,酒多
喜久, 今村速夫, 「光触媒を用いた水の分解により生成する水素/酸素混合ガスの膜
分離」, 化学工学会第 75 年会, 2010/3/18, 鹿児島
12)
中川貴喜、安永怜、酒多喜久、今村速夫、「Ga2O3 光触媒の水の完全分解反応に
対する調製条件の影響」
、第 105 触媒討論会、2010/3/26 京都
13)
吉本和喜、酒多喜久、今村速夫、東本慎也、「炭素-窒素-酸素から構成される
化合物半導体の調製とその光触媒特性」
、第 105 触媒討論会、2010/3/26 京都
14)
久富隆史、宮崎和雄、高鍋和広、前田和彦、久保田純、酒多喜久、堂免一成、
「亜
鉛添加酸化ガリウムによる水の分解反応の速度論的検討」
、
日本化学会第 90 春季年会、
2010/3/28 大阪
15)
飯田高史、白井聡太、田中一宏、喜多英敏、杉山未希、酒多喜久、今村速夫、野
村幹弘, 「光触媒水素製造プロセスに用いる光架橋ポリイミド複合膜の作製と性能評
価」, 日本膜学会 32 年会, 2010/5/13, 東京
16)
Takashi Iida, Kazuhiro Tanaka, Hidetoshi Kita, Miki Sugiyama, Yoshihisa Sakata, Hayao
Imamura, “Application of membrane separation to hydrogen production from water using
photocatalysts”, The fifth conference of Aseanian Membrane Society, 2009/7/13, Kobe
17)
Y. Sakata, T. Nakagawa, Y. Matsuda, H. Imamura and K. Teramura、”Photocatalytic
Property of Ga2O3 Prepared from Gallium Hydroxide Precursor on the Overall Splitting of
H2O”, Europa-Cat 9、September 2009、Salamanca、Spain
18)
Y.Sakata, K.Yoshimoto, K. Kawaguchi, H. Imamura, and S. Higashimoto、”Photocatalytic
Property of a Semiconducting Compound Prepared from Urea under Visible light Irradiation”、
SPEA-6(6th Europian Meeting on Solar Chemistry and Photocatalysis、June 2010, Praha、
Czech Rep.
19)
T. Kamigouch, H. Kamioka, H. Fujimori, Y. Sakata, and H. Imamura、”Influences of the
preparation condition of a barium tantalate photocatalyst on the photocatalytic activity of
overall splitting of H2O”、TOCAT6/APCAT5、July 2010、Sapporo、Japan
20)
H. Hisatomi, K. Miyazaki, K. Takanabe, K. Maeda, J. Kubota, Y. Sakata, and K.
Domen、”Kinetic aspects of water splitting reaction on Heterogeneous photocatalysts”、
TOCAT6/APCAT5、July 2010、Sapporo、Japan
(4)出願特許
- 161 -
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【39】木質バイオマスからの新発電燃料変換技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
1) 高橋伸英, 「木質バイオマスの炭化による高密度発電燃料製造プロセスの開発」, ケ
ミカルエンジニアリング, Vol. 55, No. 2、113-118 ,2010
(3) 口頭・発表
1) 高橋伸英, 小玉聡, 藤岡祐一, 「木質バイオマスの炭化による新発電燃料の開発」,
第 18 回日本エネルギー学会大会, 2009/07/30-31
2) 高橋伸英, 小玉聡, 藤岡祐一, 「木質バイオマスの炭化を利用した新発電燃料製造
プロセスの開発」, 化学工学会第41回秋季大会, 2009/09/16-18
3) 高橋伸英, 小玉聡, 藤岡祐一, 「木質バイオマス炭化発電燃料のアルカリ金属除
去」, 化学工学会第 75 年会, 2010/03/18-20
4) 高橋伸英, 小玉聡, 藤岡祐一, 「木質バイオマスからの高効率な高密度発電燃料製
造における触媒添加の影響」, 第 19 回日本エネルギー学会大会, 8 月 2-3 日,
2010/08/02-03
5) 高橋伸英, 小玉聡, 藤岡祐一, 「木質バイオマス炭化発電燃料製造における触媒添加の
影響」, 化学工学会第42回秋季大会, 2010/09/06-08
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
- 162 -
(基盤技術研究)
【1】 マングローブ等熱帯沿岸生態系の修復・保全による地球温暖化ガス回収・放出抑
制評価技術の開発
(1) 査読のある原著論文
1)
立田穣,「マングローブ沿岸堆積物への有機炭素供給と堆積 」、日本水産学会
誌,68(5):736-737,2002 年 9 月
2)
沖元洋介、「マングローブ生態系の光合成CO2吸収」、日本水産学会
誌,68(5):734-735,2002 年 9 月
3)
深見公雄、
「マングローブ生態系から潮汐により沿岸海域へ運搬される微生物バイオ
マスの輸送フラックス」
、日本水産学会誌,68(5):738-739,2002 年 9 月
4)
大森浩二、「生物攪拌による温暖化ガス放出」、日本水産学会誌,68(5):740-741,2002
年9月
5)
今村正裕、
「マングローブ域からの N2O 放出」、日本水産学会誌,68(5):742-743,2002
年9月
6)
今村 正裕他「マングローブ水域と林内堆積物における微量温暖化ガス(N2O)の
挙動海岸工学論文集 2002 年 10 月号:1366-1370
7)
Katsuhiko Kurosawa 他, “Nitrogen model and export flux in Fukido mangrove in Ishigaki
Island”, Journal of Chemical Engineering of Japan、36(4):411-416.2003 年 4 月
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1)
吹通川マングローブから海洋への栄養塩フラックス、2000 年度日本海洋学会春季
大会,H12.3.30.
2)
石垣島のマングローブ生態系で生産され外洋海域へ運搬される細菌生物量の見積
もり 2000 年度日本海洋学会春季大会,H12.3.30.
3)
Carbon sequestration by mangrove ecosystem as means of mitigating greenhouse gas
emission. Brackish Water Mangrove Ecosystems - Productivity and sustainable
utilization.H12.3.1.
4)
Green house gas balance in mangrove coastal ecosystem, International Symposium on
Mangroves, Research Center for Advanced Science and Technology (RCAST) The
University of Tokyo H13.7.10.
5)
An Estimation of CO2 balance of Rhizophora stylosa forest in the mouth of Fukido River,
Ishigaki Island, JapanInternational Symposium on Mangroves H13.7.10.
6)
Fluxes of inorganic/organic matter in Fukido mangrove creek in Ishigaki Island
International Symposium on Mangroves H13.7.10.
7)
210Pb BALANCE IN MANGROVE COASTAL WATER AND SEDIMENT, International
congress on the radioecology-exotoxicology of continental and estuarine environment
ECORAD2001, H13.9.3.
- 163 -
マングローブ等熱帯沿岸生態系における CO2 吸収・放出抑制量評価, 化学工学会
8)
第34回秋季大会、 H13.9.29.
石垣島マングローブ沿岸水中光合成・呼吸・有機物分解による CO2 吸収・放出量
9)
第7回日本マングローブ学会、 H13.11.11.
マングローブ域における地球温暖化ガス N2O の挙動第7回日本マングローブ学会
10)
H13.11.11.
11)
マングローブ生態系の水中部における有機・無機物質濃度第7回日本マングロー
ブ学会 H13.11.11.
衛星データによるマングローブ林葉量の推定第7回日本マングローブ学会
12)
H13.11.11.
マングローブ沿岸堆積物への有機炭素供給と堆積, 平成14年度日本水産学大会
13)
H14.4.5.
タイ・トラート・マングローブ沿岸水中有機物分解による CO2 放出量評価, 第8回
14)
日本マングローブ学会 H14.11.9
ベトナム、マングローブ生態系の水中部における有機/無機窒素濃度第8回日本マ
15)
ングローブ学会 H14.11.9
16)
マングローブ生態系の水中部における有機・無機物質フラックス第8回日本マン
グローブ学会 H14.11.9
17)
タイ・トラート・マングローブ沿岸水中有機物分解による CO2 放出量評価, 第 9 回
日本マングローブ学会 H15.11.9
18)
石垣島、吹通川河口域とマングローブクリーク内の無機態、有機態窒素濃度第9回
日本マングローブ学会 H15.11.9
19)
吹通川マングローブによる沿岸生態系の有機炭素の供給量, 日本海洋学会 H16.3.28
20)
マングローブ植林域(ベトナム)における N2O の挙動について日本海洋学会秋季大
会 H16.3.28
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【2】 非光合成菌による二酸化炭素固定能の評価と利用技術の開発
(1)査読のある原著論文
1)
Sato T., Fukui T., Atomi H., Imanaka T.,
“Targeted gene disruption by homologous
recombination in the hyperthermophilic archaeon Thermococcus kodakaraensis KOD1”,
J
Bacteriol. 2003 Jan;185(1):210-20.
2)
Kanamori T., Rashid N., Morikawa T., Atomi H., Imanaka T.,
“Oleomonas sagaranensis
gen. nov., sp. nov., represents a novel genus in the alpha-Proteobacteria. FEMS “, Microbiol
Lett. 2002 Dec 17;217(2):255-61.
- 164 -
3)
Maeda N., Kanai T., Atomi H., Imanaka T., “The unique pentagonal structure of an
archaeal Rubisco is essential for its high thermostability”, J Biol Chem. 2002 Aug
30;277(35):31656-62.
4)
Takeshi Kanamori, Norihisa Kanou, Haruyuki Atomi, and Tadayuki Imanaka,
“Enzymatic
characterization of a prokaryotic urea carboxylase”, J. Bacteriol., 186(9), 2532-2539, 2004.
5)
Haruyuki Atomi, Toshiaki Fukui, Tamotsu Kanai, Masaaki Morikawa and Tadayuki
Imanaka, Archaea “Description of Thermococcus kodakaraensis sp. nov., a well studied
hyperthermophilic archaeon previously reported as Pyrococcus sp. KOD1”, in press.
6)
Wakao Fukuda, T. Fukui, H. Atomi, and T. Imanaka, “The First Characterization of an
Archaeal GTP-dependent Phosphoenolpyruvate Carboxykinase from the Hyperthermophilic
Archaeon, Thermococcus kodakaraensis KOD1”, J. Bacteriol., in press.
7)
N. Rashid, H. Imanaka, T. Fukui, H. Atomi and T. Imanaka, “Presence of a novel
phosphopentomutase and a 2-deoxyribose 5-phosphate aldolase reveals a metabolic link
between pentoses and central carbon metabolism in the hyperthermophilic archaeon
Thermococcus kodakaraensis”, J. Bacteriol., in press.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1)
Imanaka T., Fukui T., Kanai T., Fujiwara S., Atomi H., “Complete genome analysis of the
hyperthermophilic archaeon, Thermococcus kodakaraensis KOD1”,The 4th international
congress on extremophiles 2002, Sep., Naples, Italy.
2)
Atomi H., Maeda N., Kanai T., Imanak T.,”Unique pentagonal structure of an archaeal
Rubisco is essential for its high thermostability”. ,The 4th international congress on
extremophiles 2002, Sep., Naples, Italy.
3)
今中忠行、福居俊昭、跡見晴幸、金井保、藤原伸介、高木昌宏,「超好熱始原菌
Thermococcus kodakaraensis KOD1 株のゲノム解析」、日本生物工学会(大阪)2002
年 10 月
4)
大渕勝也、金井保、跡見晴幸、今中忠行、
「超好熱始原菌 Thermococcus kodakaraensis
KOD1 株のギ酸:メチルビオロゲン参加還元酵素の解析」 、日本生物工学会(大阪)
2002 年 10 月
5)
佐藤喬章、福居俊昭、跡見晴幸、今中忠行、
「超好熱始原菌 Thermococcus kodakaraensis
KOD1 株の遺伝子破壊系の構築」
6)
、日本生物工学会(大阪)2002 年 10 月
金森武、森川正章、跡見晴幸、今中忠行、
「炭素資化細菌 HD-1 株の解析と同定
ラ
シドナイーム」 、日本生物工学会(大阪)2002 年 10 月
7)
今中忠行、福居俊昭、金井保、藤原伸介、跡見晴幸、
「超好熱始原菌 Thermococcus
kodakaraensis KOD1 株のゲノム解析」、 日本化学会 2003 年 3 月
8)
福居俊昭、佐藤喬章、跡見晴幸、今中忠行、
「超好熱始原菌 Thermococcus kodakaraensis
KOD1 株の遺伝子破壊系の構築」日本化学会 2003 年 3 月
9)
Haruyuki Atomi, “Microbial enzymes involved in carbon dioxide fixation”, Second Gratama
- 165 -
Workshop, Utrecht, Netherlands, May 13, 2003
Haruyuki Atomi “A structurally novel Rubisco from the hyperthermophilic archaeon,
10)
Thermococcus kodakaraensis KOD1”, Marine Biotechnology Conference 2003, September
21-27, 2003.
11)
Tadayuki Imanaka “Novel CO2-fixing bacteria and their application”, 11th European
Congress on Biotechnology, August 24-29, 2003, Convention Center, Basel, Switzerland.
12) Takeshi Kanamori, Naeem Rashid, Masaaki Morikawa, Haruyuki Atomi, andTadayuki
Imanaka,
“Oleomonas sagaranensis gen. nov., sp. nov., represents a novel genusin the ・
-Proteobacteria”,103rd ASM General Meeting 2003, May 18 - 22, 2003, Washington DC,
USA.
13) Takeshi Kanamori, Haruyuki Atomi, and Tadayuki Imanaka, “Purification and
characterization of a bacterial urea carboxylase fromOleomonas sagaranensis strain HD-1”,
Japanese-German Biochemistry Meeting, September 29-30, 2003, Marburg, Germany.
14)
Takeshi Kanamori, Naeem Rashid, Masaaki Morikawa, Haruyuki Atomi, and Tadayuki
Imanaka, “Oleomonas sagaranensis gen. nov., sp. nov., represents a novel genusin the ・
-Proteobacteria”,Japanese-German Biochemistry Meeting, September 29-30, 2003, Marburg,
Germany,
15) Wakao Fukuda, Toshiaki Fukui, Haruyuki Atomi and Tadayuki Imanaka, “Characterization of
Phosphoenolpyruvate Carboxykinase fromHyperthermophilic Archaeon Thermococcus
kodakaraensis KOD1”, 第 76 回 日本生化学会 2003 年 10 月 15-18 日パシフィコ横浜
16) Takaaki Sato, Toshiaki Fukui, Haruyuki Atomi and Tadayuki Imanaka, “Construction of a
gene disruption system by homologous recombinationin the hyperthermophilic archaeon,
Thermococcus kodakaraensis KOD1”,第 76 回 日本生化学会 2003 年 10 月 15-18 日パ
シフィコ横浜
17) Takaaki Sato, Toshiaki Fukui, Haruyuki Atomi and Tadayuki Imanaka, 「超好熱始原菌
Thermococcus kodakaraensis KOD1 株における遺伝子破壊系の構築」, 日本 Archaea 研
究会 2003 年 6 月 13 日 横浜
18) Takaaki Sato, Toshiaki Fukui, Haruyuki Atomi and Tadayuki Imanaka “Construction of a gene
disruption system by homologous recombination in the hyperthermophilic archaeon,
Thermococcus kodakaraensis KOD1”, Thermophiles 2003, September 16, 2003, Exeter, UK.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1)
「超好熱菌の遺伝子操作」 跡見晴幸、福居俊昭、今中忠行、バイオサイエンスと
インダストリー、61 巻、7 号、23-26、2003.
2)
「超好熱菌の高温環境適応戦略」
跡見晴幸、今中忠行、生化学、75 巻、7 号、
561-575、2003.
3)
「極限環境微生物の産業利用への展開」 今中忠行、跡見晴幸、微生物の取扱い
と利用・応用技術、情報機構、第 6 節、199-212、2003.
- 166 -
【3】 高分子膜による CO2 分離回収技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) S. Kazama and M. Sakashita, “Gas separation properties and morphology of asymmetric
hollow fiber membranes made from cardo polyamide”, J. Membrane Sci 243 (2004) 59
2) Kazukiyo Nagai, Akihito Sugawara, Shingo Kazama and Benny D. Freeman, “Effects of
Physical Aging on Solubility, Diffusivity, and Permeability of Propane and n-Butane in
Poly(4-methyl-2-pentyne)”, J. Polym. Sci.; Part B: Polym. Phys. 42, 2407 (2004)
(2)その他の論文
1) 風間伸吾、温暖化ガス削減技術と膜利用「カルド型ポリマーを用いる二酸化炭素分離
膜の開発」、膜(Membrane)、29 (5) 250-257 (2004)
(3)口頭・発表
1) 風間伸吾、全体シンポジウム「環境・エネルギー問題と膜」温暖化ガス削減技術と膜
利用、日本膜学会第 26 年会、東京(2004)2004/05/20
(4)出願特許
1) 風間伸吾、永井一清、改質多孔質支持膜及びその製造方法
特願 2005-233358
(5)新聞・雑誌掲載
1) 風間伸吾、分離膜-カルド型ポリマー膜を中心に-、CO2 固定化・削減・有効利用技
術の最新技術、湯川英明監修、シーエムシー出版 (2004)
【4】 太陽光を利用した半導体光触媒・金属錯体の光触媒による CO2 光還元のための基
盤技術研究
(1)査読のある原著論文
1) Bobak Gholamkhass、Hiroaki Mametsuka,Kazuhide Koike,Toyoaki Tanabe,Masaoki Furue,
Osamu Ishitani,”Architecture of Supramolecular Metal Complexes for Photocatalytic CO2
Reduction: Ruthenium-Rhenium Bi- and Tetranuclear Complexes”,Inorganic Chemistry,
2005,44(7),2326-2336.
(2)その他の論文
1) H. Tsubaki, A. Sugawara, H. Takeda 他、 “Photocatalytic Reaction of Carbon Dioxide Using
cis, trans [Re(dmbpy)(CO)2(PR3)(PR`3)]”, Research on Chemical Intermediates 33(1-2),
37-38(2007).
(3)口頭・発表
1) 伊藤省吾、山田羊冶、田畑研二、八島建明、森崎宏幸、「CO2 の種々金属表面吸着及
び反応特性の XPS 評価」、日本化学会第 83 春季年会(早稲田大学早稲田キャンパス、
3/18-21、2003)
2) 伊藤省吾、山田羊冶、田畑研二、八島建明、久世征史、
「WO3 による水の光酸化特性」、
日本化学会第 83 春季年会(早稲田大学早稲田キャンパス、3/18-21、2003)
3) 伊藤省吾、山田羊冶、田畑研二、八島建明、「Sb-SnO2 透明導電性多孔質膜の作製」、
日本化学会第 83 春季年会(早稲田大学早稲田キャンパス、3/18-21、2003)
- 167 -
4) 伊藤省吾、山田羊冶、田畑研二、八島建明、小西晃雄、「疎水性イオン性液体を添加
した燃料電池高分子電解質膜の検討」、日本化学会第 83 春季年会(早稲田大学早稲田
キャンパス、3/18-21、2003)
5) ボーバク・ゴランカス、豆塚廣章、石谷治、小池和英、古江正興、「ルテニウムーレ
ニウム多核錯体を光触媒として用いた高効率 CO2 還元」
、日本化学会第 83 春季年会(早
稲田大学早稲田キャンパス、3/18-21、2003)
6) ボーバク・ゴランカス、豆塚廣章、石谷治、小池和英、古江正興、
「Efficient Photocatalytic
Reduction of CO2 Using Binuclear Ruthenium-Rhenium Complexes」、Nano-Science of
Advanced Metal Complexes(分子化学研究所、3/22-24、2003)
7) 保坂 大祐、石谷 治、
「Photochemical and electrochemical properties of linear shaped
multinuclear rhenium(I) bipyridine complexes bridged with bidendate phosphorous ligands.」
(第 21 回国際光化学会議、平成 15 年 7 月)
8) 石谷 治、ボーバク・ゴランカス、小池和英、
「Synthesis, Properties and Photocatalyses of
Linear-Shaped Oligomers of Re(I) Diimine Complexes.」(第 21 回国際光化学会議、平成
15 年 7 月)
9) Gholamkhass Bobak, 古江正興, 小池和英, 豆塚廣章, 石谷治、「Efficient photocatalytic
reduction of CO2 using binuclear ruthenium-rhenium complexes.」
(第 21 回国際光化学会議
サテライトシンポジウム
複合体の光化学と光生物学、平成 15 年 8 月)
10) ボーバク・ゴランカス、豆塚廣章、石谷治、小池和英、古江正興、
「Efficient photocatalytic
reduction of CO2 using binuclear ruthenium-rhenium complexes.」(International Symposium
on Photochemistry in Supra-molecular Environment for Artificial Photosynthesis.平成 15 年
8 月)
11) 椿
英明、豆塚廣章、石谷
治、
「Photocatalytic Reduction of CO2 using Mononuclear and
Supramolecular Rhenium(I) Complexes.」(International Symposium on Photochemistry in
Supra-molecular Environment for Artificial Photosynthesis.平成 15 年 8 月)
12) Gholamkhass Bobak, 古江正興, 小池和英, 豆塚廣章, 石谷治、
「高効率に CO2 を還元す
るルテニウム-レニウム多核錯体の光触媒反応機構」(日本化学会
第 84 春季年会
平成 16 年 3 月)
13) Hiroaki Mametsuka, Bobak Gholamkhass、Kazuhide Koike,Masaoki Furue,Osamu Ishitani,
“Efficient Photocatalytic Reduction of CO2 Using Binuclear Ruthenium-Rhenium”
(Complexes, XXth IUPAC Symposium on Photochemistry, Spain, 平成 16 年 7 月)
14) 豆塚廣章、小池和英、保坂大祐、上村直弥、石谷治、「直鎖状多核レニウム錯体のエ
ネルギー・電子移動過程」(第 17 回配位化合物の光化学討論会、平成 16 年 8 月)
15) 豆塚廣章、小池和英、古江正興、石谷治、「ルテニウム-レニウム系超分子錯体を用い
た二酸化炭素光還元反応」(第 54 回錯体化学討論会、平成 16 年 9 月)
16) 佐藤俊介, Gholamkhass Bobak, 古江正興, 小池和英, 豆塚廣章, 石谷治、「Ru-Re2 核錯
体を用いた可視光による高効率 CO2 の還元」
(日本化学会春季年会、平成 17 年 3 月)
17) 石附直弥, 佐藤俊介, 古江正興, 小池和英, 豆塚廣章, 石谷治、「超分子錯体光触媒
(2):ビスジイミン配位子で架橋したルテニウム(II)2核錯体の光触媒特性」(日
- 168 -
本化学会春季年会、平成 17 年 3 月)
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【5】 ゼオライトの有する交換性 Ca イオンを利用した CO2 固定化・有効利用技術の開
発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
1) Katsunori YOGO*, Yonghong TENG, and Tatsuaki YASHIMA,"Development of a New CO 2
Fixation/Utilization Process (1): Recovery of Calcium form Steelmaking Slag and Chemical
Fixation of Carbon Dioxide by Carbonation Reaction" GHGT-7 (Canada) 2004.
(3)口頭・発表
1) 余語克則、滕 永紅、平野
志麻子、田畑研二、八嶋建明、
「新規 CO2 固定化・有効
利用技術の開発(1)ゼオライトのイオン交換能を利用した新規 CO2 固定化プロセス
の検討」、日本化学会第83春季年会、東京 2003 年 3 月 18 日.
2) 滕 永紅、余語克則、平野
志麻子、田畑研二、八嶋建明、
「新規 CO2 固定化・有効
利用技術の開発(2)廃棄物からの Ca イオン溶出法の検討」、日本化学会第83春季
年会、東京 2003 年 3 月 18 日.
3) 滕 永紅, 余語克則, 八嶋建明, “ゼオライトによるスラグからの Ca の抽出”、第 19
回イオン交換研究発表会、東京 2003 年 11 月 6 日.
(4)出願特許
1) 余語克則、滕 永紅、八嶋建明、
特願 2003-307514 アルカリ土類金属の回収方法および炭酸ガスの固定化方法(2003
年 8 月 29 日出願済み)審査請求中
特開 2005-74310(P2005-74310A)(公開日 2005.3.24)
2) 余語克則、滕 永紅、八嶋建明、
特願 2003-390304 炭酸ガスの固定化方法(2003 年 11 月 20 日出願済み)
審査請求中(特願 2003-294559 に基づく優先権为張を伴う出願)
特開 2005-97072(P2005-97072A)(公開日 2005.4.14)
特許第 3954009 号
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【6】
地中メタン生成菌による CO2 からのメタン再生のための基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
- 169 -
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 西村進,
桂郁雄,
西田潤一,
矢島達哉,
二酸化炭素の湖底堆積物中固定の研究-2
-琵琶湖周辺のメタン生成堆積盆の探索-, 地球惑星科学関連学会 2003 年合同大会,
2003/05/27.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【7】 深地下・海底環境利用による CO2 地殻化学固定・ハイドレート固定のための基盤
技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 李小春,
矢島達哉,
大隅多加志,
小出仁,
海底堆積層中における CO2 ハイドレー
ト貫入技術の検討, 日本機械学会 2003 年度年次大会,
2) 水落幸広,
二ノ宮淳,
加藤孝幸,
矢島達哉,
2003/08/07.
蛇紋岩地域における炭酸塩沈殿現象
-蛇紋岩体への CO2 固定にむけてのナチュラルアナログ研究-, 資源素材学会平成
16 年度(2004 年)春季大会,
2004/03/30.
3) Tatsuya Yajima, Takashi Ohsumi, Yukihiro Mizuochi, Atushi Ninomiya, and Takayuki Kato,
Field Study on CO2 Fixation by Serpentinite Rock-bed, GHGT-7, 2004/09/07.
4) 李小春,
矢島達哉,
ファレンス 2004,
ハイドレート生成に伴う液体 CO2 の流動性変化,
熱工学コン
2004/11/13.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【8】 森林再生に向けた施肥・薬剤による環境ストレス耐性樹木の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 本間 環ら、
「,ジベレリン生合成阻害剤処理後のユーカリ苗木における内生 ABA 含有
- 170 -
量」
(第 144 回日本林学会大会、平成 15 年 3 月発表)
2) 佐々木桃子、早川雅納、Shahanara Begum、浅田隆之、本間
環、富澤健一、久保隆文、
船田 良 Eucalyptus camaldulensis の成長と組織構造に及ぼすジベレリンおよびその生
合成阻害剤処理の影響, 第 55 回日本木材学会(2005 年 3 月京都大学)
(4)出願特許
1) 植林方法(平成 14 年 5 月出願)
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【9】 植物葉緑体の異種蛋白質大量発現系利用による大気中 CO2 固定能増強のための基
盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Sakihito Kitajima, Ken-Ichi Tomizawa, Shigeru Shigeoka and Akiho Yokota
An inserted
loop region of stromal ascorbate peroxidase is involved in its hydrogen peroxide-mediated
inactivation.
FEBS J.
Jun;273(12):2704-2710. (2006)
2) Chikahiro Miyake, Yuki Shinzaki, Minori Nishioka, Sayaka Horiguchi and Ken-Ichi
TomizawaPhotoinactivation of ascorbate peroxidase in isolated tobacco chloroplasts:
Galdieria partita APX maintains the electron flux through the water-water cycle in
transplastomic tobacco plants.
Plant & Cell Physiol.
Feb;47(2):200-210. Epub 2005 Dec
7. (2006)
3) Yuji matsuda, Hitoshi Yoshimura, Hirosuke Kanamoto, Tomomi Ujihara, Ken-Ichi Tomizawa,
Yukio Sugimura and Sakihito Kitajima
chloroplast genome of Moraceae.
Sequence variation in the rbcL-accD region in the
Plant Biotechnol. 22(3): 231-233 (2005)
4) Hidenobu Uchida, Kyoichi Isono, Ken-Ichi Tomizawa, Megumi Iwano, Hirofumi Yamashita,
Hideya fukuzawa, kanji Ohyama and Akiho Yokota
Synthesis of Rubisco gene products is
upregulated by increasing the copy number of rbcL gene in Chlamydomonas Chloroplast
genome, without increased accumulation of the two Rubisco subunits.
Plant Biotechnol.
22(2): 145-149 (2005)
5) Chikahiro Miyake, Sayaka Horiguchi, Amane Makino, Yuki Shinzaki, Hiroshi Yamamoto and
Ken-Ichi Tomizawa
Effects of light intensity on cyclic electron flow around PSI and its
relationship to non-photochemical quenching of Chl fluorescence in tobacco leaves.
Plant &
Cell Physiol. Nov;46(11):1819-1830. Epub 2005 Sep 2. (2005)
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 北島佐紀人、嶋岡泰世、富澤健一、横田明穁.
パーオキシダーゼの失活に伴う活性部位の変化
H2O2 による葉緑体アスコルビン酸
日本植物生理学会 2004 年度年会お
よび第 44 回シンポジウム(2004)
2) 嶋岡泰世、大西美輪、三橋尚登、横田明穁、富澤健一、三村徹郎 シロイヌナズナ培
- 171 -
養細胞から純化した液胞膜のプロテオーム解析
日本植物生理学会 2004 年度年会お
よび第 44 回シンポジウム(2004)
3) Hirosuke Kanamoto, Atsushi Yamashita, Satoru Okumura, Masahira Hattori2
Tomizawa
and Ken-Ichi
The complete genome sequence of the Lactuca sativa (lettuce) chloroplast
日
本植物生理学会 2004 年度年会および第 44 回シンポジウム(2004)
4) Masaki Shimamura, Ken-Ichi Tomizawa
Visualization of a single plastid genome for
日本植物生理学会 2004 年度年会および第 44 回シンポジウ
fluorescence microscopy.
ム(2004)
5) Masaki Shimamura, Koichi Mizuno, Ken-Ichi Tomizawa, Tetsuya Horio, and Yoshinobu
Mineyuki
Microtubule organizing centers on the plastid and nuclear surface of bryophytes
日本植物生理学会 2004 年度年会および第 44 回シンポジウム(2004)
6) 奥村暁、山下敤士、金本浩介、服部正平、富澤健一
ポプラ(Populus alba)の葉緑体
全ゲノム配列の解析. 日本植物生理学会 2004 年度年会および第 44 回シンポジウム
(2004)
7) Hisabumi Takase, Takashi Adachi, Ken-ichi Tomizawa, Kazuyuki Hiratsuka
properties of chloroplast-targeted RecA homologue
.
Enzymatic
日本植物生理学会 2004 年度年会
および第 44 回シンポジウム(2004)
8) Takashi Adachi, Hisabumi Takase, Tomoko Iwamae, Atsuhiko Shinmyo, Shuzo Kumazawa,
Ken-ichi Tomizawa
Organization of nitrogen-fixation genes in marine unicellular
nitrogen-fixing cyanobacterium Cyanothece sp. TU126.
日本植物生理学会 2004 年度年会
および第 44 回シンポジウム(2004)
9) 新井伸吾
嶋岡泰世
富澤健一
横田明穁
ける RuBisCO 大サブユニットの挙動.
植物葉粗抽出液の二次元電気泳動にお
日本植物生理学会 2004 年度年会および第 44
回シンポジウム(2004)
10) 小川太郎
兵頭秀貴
高瀬尚文
富沢健一
横田明穁
植物代謝に基づいた
RuBisCO 生合成突然変異体選抜法の確立 日本農芸化学会大会(2004)
11) 上妻馨梨 明石欢也 三宅親弘 富澤健一 葉緑体 ATP 合成酵素 ε-サブユニットの
解離による光化学系Ⅱ過還元回避の可能性 日本農芸化学会大会(2004)
12) 富澤健一:
「近畿バイオインダストリー振興会議、第 6 回技術シーズ公開会」、平成 14
年 2 月 15 日
近畿バイオインダストリー振興会議
(4)出願特許
1) 特願 2004-059513、葉緑体工学による植物の生産性を向上させる方法、2001 年 3
月 22 日
2) 特願 2004-262632 キク科植物の葉緑体の形質転換方法 2004 年 9 月 9 日
3) 特願 2005-117968
変異型アスコルビン酸パーオキシダーゼ 2005 年 4 月 15 日
4) 特願 2005-143275
長鎖 DNA 断片導入葉緑体形質転換用ベクター 2005 年 5 月 16 日
(5)新聞・雑誌掲載
1) 富澤健一,三宅親弘
非組換え樹木による実証試験
- 172 -
電気評論 6:58-59 (2006)
【10】 微生物機能を利用したバイオマス資源からの CO2 固定グリーンプロセスのため
の基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Yasuya Fujita, Shouji Takahashi, Mitsuyoshi Ueda, Atsuo Tanaka, Hirofumi Okada, Yasushi
Morikawa, Takashi Kawaguchi, Motoo Arai, Hideki Fukuda, Akihito Kondo. Direct and
efficient production of ethanol from cellulosic material with a yeast strain displaying
cellulolytic enzymes. Applied and Environmental Microbiology. Vol.68, No.10, 5136-5141,
2002.
2) Goro Takada, Masatoshi Kawasaki, Maki Kitawaki, Takashi Kawaguchi, Jun-ichi Sumitani,
Motoo Arai. Cloning and transcription analysis of the Aspergillus aculeatus No. F-50
endoglucanase 2 (cmc2) gene. Journal of Bioscience and Bioengineering. Vol.94, No.5,
482-485, 2002.
3) Shin Kanamasa, Kana Yamaoka, Takashi Kawaguchi, Jun-ichi Sumitani, Motoo Arai.
Transformation of Aspergillus aculeatus using the drug resistance gene of Aspergillus oryzae
and the pyrG gene of Aspergillus nidulans. Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry.
Vol.67, No.12, 2661-2663, 2003.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 加藤明子, 北脇麻紀, 高田悟郎, 川口剛司, 炭谷順一, 荒井基夫, Aspergillus aculeatus
由来 creA 遺伝子の発現、およびセロビオハイドロラーゼⅠ遺伝子(cdhⅠ)上流域にお
ける結合部位の解析, 日本農芸化学会 2002 年度大会, 2002/03/26.
2) 土屋尊子, 金澤成俊, 高田悟郎, 川口剛司, 荒井基夫, 何森健, Aspergillus aculeatus に
おける 2 種類のセロビオハイドロラーゼ遺伝子(cdhⅠ)の発現制御について, 日本農
芸化学会 2002 年度大会, 2002/03/26.
3) 川又宏之, 西真由子, 川口剛司, 炭谷順一, 荒井基夫, Aspergillus niger van Tieghem
KF-267 由来 endo--D-1,4-galactanase 遺伝子のクローニングおよび Aspergillus oryzae に
おける発現, 日本農芸化学会 2002 年度大会, 2002/03/27.
4) Effect of carbon sources on the expression of two cellobiohydrolase genes of Aspergillus
aculeatus, 第 17 回セルラーゼ研究会.
5) Aspergillus niger 由来の galactanase 遺伝子のクローニングおよび Aspergillus oryzae にお
ける高発現, 第 17 回セルラーゼ研究会.
6) 松村泰憲,
赤羽和, 川口剛司,
炭谷順一, 荒井基夫, Aspergillus aculeatus 由来 Fib-
キシラナーゼ遺伝子のクローニングおよび Saccharomyces cerevisiae における発現, 平
成 14 年度日本生物工学会,
7) 荒井基夫,
川口剛司, 炭谷順一,
本生物工学会,
8) 金政真,
2002/10/29.
セルロース分解酵素の開発と活用, 平成 14 年度日
2002/10/30.
川口剛司, 炭谷順一,
荒井基夫, Aspergillus aculeatus の形質転換系の開発,
第 2 回糸状菌分子生物学コンファレンス, 2002/11/11.
- 173 -
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【11】 CO2 分離回収・排出削減プロセスのための配向性ゼオライト膜の開発
(1)査読のある原著論文
1) N. Hiyoshi, K. Yogo and T. Yashima, “Adsorption of Carbon Dioxide on Modified SBA-15 in
the Presence of Water Vapor”, Chem. Lett, 33(5) (2004) 510.
2) Norihito Hiyoshi, Katsunori Yogo and Tatsuaki Yashima, Adsorption of Carbon Dioxide on
Aminosilane Modified Mesoporous Silica, Journal of the Japan Petroleum Institute, 2005,
48(1) 29-36.
3) “Adsorption Characteristics of Carbon Dioxide on Organically Functionalized SBA-15”,
Norihito Hiyoshi, Katsunori Yogo and Tatsuaki Yashima, Microporous and Mesoporous
Materials, 84(2005) 357-365.
4) S. Uemiya, A. Tanigawa, T. Koike, Y. Sasaki, T. Ban, Y. Ohya, R.Yoshiie, M. Nishimura, N.
Yamamoto, K. Yogo, and K. Yamada,"Microstructures formed by secondary growth of fired
ZSM-5 seedcrystals," J. Porous Mater. 15(405-410) (2008).
5) M. Miyamoto, A. Takayama, S.Uemiya, and K. Yogo, “Gas permeation property of amine
loaded mesoporous silica membranes for CO2 separation”, Desalination and Water treatment,
submitted for publication.
(2)その他の論文
1) Naoki Yamamoto*, Norihito Hiyoshi, Katsunori Yogo and Tatsuaki Yashima、“Development
of Novel Nano/Meso-porous Materials for CO2 Capture & Separation”GHGT-7 (Canada)
2004.
(3)口頭・発表
1) 坂本 謙、辻本晶子、余語克則、山田興一、”メソ細孔シリカのアミン修飾による新
規 CO2 吸着剤の開発”、第 20 回ゼオライト研究発表会、東京、2004 年 11 月 30-12 月
1.
2) 山本尚毅、佐々木寛子、上宮成之、伴隆幸、大矢豊、余語克則、山田興一、”種結晶
二次成長を利用した配向性ゼオライト膜の合成と CO2 分離特性”、第 20 回ゼオライ
ト研究発表会、東京、2004 年 11 月 30-12 月 1.
3) 辻本晶子、坂本
謙、余語克則、山田興一、”メソ多孔体の化学的表面修飾による新
規 CO2 吸着剤の開発”、石油学会関西支部大 13 回研究発表会、関西大学、2004 年 12
月 3 日.
4) 佐々木寛子、山本尚毅、上宮成之、伴隆幸、大矢豊、余語克則、山田興一、”種結晶
二次成長による配向ゼオライト膜の合成とガス分離特性”、石油学会関西支部大 13 回
研究発表会、関西大学、2004 年 12 月 3 日.
5) 山崎俊祐,谷川
篤, 守富
寛, 義家
亮, 西村
- 174 -
誠,上宮成之, 伴
隆幸, 大矢
豊,
余語克則, 山田興一, "Y 型ゼオライト膜の作製と CO2 分離性能評価", 化学工学会沖
縄大会、琉球大学、2004 年 11 月 20 日~22 日.
6) 谷川 篤, 荒井一心, 山崎俊祐, 義家
亮,西村
誠,上宮成之, 伴
隆幸, 大矢
豊,余
語克則, 山田興一,"ガス分離への適応に向けたゼオライトの配向薄膜化", 化学工学会
第 70 年会、名古屋大学、2005 年 3 月 22 日~24 日.
7) 辻本晶子、坂本謙、余語克則、山田興一 ,”各種アミン修飾メソ多孔体の CO2 吸着
特性”,日本化学会第 85 会春季年会 2004 年 3 月 26 日~29 日.
8) 坂本 謙、辻 本晶 子、余 語克 則、山 田興 一 ,”多 孔質 アルミナ基板 を支 持体とするメソ
細孔シリカ薄膜の合成とガス分離特性 “, 日本化学会第 85 会春季年会 2004 年 3
月 26 日~29 日.
9) 山 本 尚 毅 、佐 々木 寛 子 、上 宮 成 之 、伴 隆 幸 、大 矢 豊 、余 語 克 則 、山 田 興 一 ,”種 結
晶 -二 次 成 長 法 によるゼオライト配 向 膜 の合 成 と気 体 透 過 特 性 “, 日 本 化 学 会 第
85 会春季年会 2004 年 3 月 26 日~29 日.
10) 佐 々木 寛 子 、山 本 尚 毅 、上 宮 成 之 、伴 隆 幸 、大 矢 豊 、余 語 克 則 、山 田 興 一 ,”種 結
晶二次成長による A 型ゼオライト配向膜の合成とキャラクタリゼーション“,日本化学
会第 85 会春季年会 2004 年 3 月 26 日~29 日.
11) 依頼講演
余語克則、「二酸化炭素の分離回収・隔離技術開発の動向」、日本セラミックス協会
関西支部、平成 17 年度支部セミナー、大阪 2005、12 月1日.
12)
依頼講演
Katsunori Yogo, "Inorganic and Organic membrane development", Australia-JapanWorkshop
- CO2 Capture Enabling Technologies for Coal-fired Power Generation -, 16, September,
2005 Australian Pavilion Aichi Expo Site, Nagoya.
13)
依頼講演
Yuzuru Sakamoto, Kensuke Nagata, Katsunori Yogo, Koichi Yamada, “Preparation and CO2
separation properties of amine modified mesoporous silica membrane”, ZMPC 2006, July
30-Aug 2, Tottori.
(4)出願特許
1) 余語克則、坂本 謙、山田興一
特願 2005-234753
CO2 分離用メソポーラス複合体およびそれを用いる CO2 分離法
(平成 17 年 8 月 12 日出願)特許 4212581
2) 高羽洋充、中尾真一、余語克則、山田興一 特願 2006-154070
分離膜のシミュレーション方法、シミュレーション装置、プログラムおよびプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体ならびに分離膜
(平成 18 年 6 月 1 日出願済み)
(5)新聞・雑誌掲載
1) 週間ナノテク、2006 年 12 月 18 日号、ナノテクキーパーソンインタビュー
余語克則・日吉範人、他(共著)「CO2 固定化・削減・有効利用の最新技術」-第1編第 2 章-3”吸着技術”、CMC, (2004).
- 175 -
【12】
人工湧昇流海域における CO2 吸収量の評価技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Michimasa Magi, Beatriz E. Casareto, Tatsuo Suzuki, Yoichi Honda, Yoshimi Suzuki, and
Mohan P. Niraula, Evaluating The Effectiveness of Artificial Marine Structures as
Upwelling-Generators to Enhance Oceanic CO2 Sinks,
Proceedings of the 7th International
conference on Greenhouse Gas Control Technologies, Vol.1, pp.791-799, 2005.
2) 間木道政, 人工湧昇流海域における二酸化炭素吸収量の評価技術の開発, 海洋開発論
文集, 第 23 巻, pp.17-22, 2007.
(2)その他の論文
1) 本田陽一, 間木道政, 鈴木達雄,
混合量の試算,
人工マウンド構造物による鉛直混合現象の観測と
海岸工学論文集, 第 51 巻, pp.1151-1155, 2004.
(3)口頭・発表
1) 間木道政,
大隇多加志
,鈴木達雄,
本田陽一,
海底構造物による上下層海水の湧
昇・混合現象の観測, 2003 年度日本海洋学会秋季大会,
2) 本田陽一, 間木道政, 鈴木達雄,
レーションによる再現,
2003/09/24-26.
人工海底構造物による鉛直混合現象の数値シミュ
平成 16 年度日本水産工学会学術講演会, 2004/05/30.
3) Michimasa Magi, Beatriz E. Casareto, Tatsuo Suzuki, Yoichi Honda, Yoshimi Suzuki, and
Mohan P. Niraula, Evaluating The Effectiveness of Artificial Marine Structures as
Upwelling-Generators to Enhance Oceanic CO2 Sinks, GHGT-7, 2004/09/06.
4) 間木道政,
本田陽一, 東健一,鈴木達雄, 人工湧昇流の測定手法の検討,
2006 年度
日本海洋学会春季大会, 2006/03/27-29.
5) Beatriz E. Casareto, Yoshimi Suzuki, Mohan P. Niraula, Michimasa Magi, and Koichi
Yamada, International standard for CO2 sequestration using marine biological system: effect
and influence of fertilization, GHGT-8, 2006/06/21.
6) Beatriz E. Casareto, Michimasa Magi, Mohan P. Niraula, Katsuhiko Kurosawa, and Toshimi
Suzuki, Role of marine ecosystem for increasing CO2 sinks, GHGT-8, 2006/06/21.
7) Michimasa Magi, Kenichi Azuma, Tatsuo Suzuki, Beatriz E. Casareto, and Yoshimi Suzuki,
Evaluation of CO2 budgets to increase of oceanic CO2 sinks using an Artificial Upwelling
System, GHGT-8, 2006/06/21.
8) Michimasa Magi, Yoichi Honda, Kenichi Azuma, Tatsuo Suzuki, Beatriz E. Casareto, and
Yoshimi Suzuki, Role of Physical Process for Increasing of CO2 Sinks using Artificial
Upwelling System, GHGT-8, 2006/06/21.
9) 間木道政, 人工湧昇流域における二酸化炭素吸収量の評価技術の開発, 第 32 回 海
洋開発シンポジウム, 2007/7/10.
10)
本田陽一, 間木道政, 海底設置型人工湧昇発生構造物の効果に関する研究, 地球
惑星科学連合大会 2007, 2007/5/23.
11)
Beatriz Estela Casareto, Michimasa Magi, Mohan Prasad Niraula, Katsuhiko Kurosawa,
Yoshimi Suzuki, Role of marine ecosystem for increasing CO2 sequestration: effect of a
- 176 -
semi-artificial upwelling system, 地球惑星科学連合大会 2007, 2007/5/23.
間木道政, 東健一, Casareto Beatriz Estela, 人工湧昇流海域の CO2 吸収量評価と
12)
実用化の課題, 地球惑星科学連合大会 2007, 2007/5/23.
13)
Shinichiro Hirabayashi, Toru Sato, Michimasa Magi, Enhancement of vertical mixing
and upwelling by artificial mound in the shallow ocean, 地球惑星科学連合大会 2007,
2007/5/23.
鈴木達雄, 間木道政, 本田陽一, 東健一, 人工湧昇流海域の物理観測, 地球惑星科
14)
学連合大会 2007, 2007/5/23.
15)
Mohan Prasad Niraula, Beatriz Estela Casareto, Yoshimi Suzuki, Michimasa Magi,
Katsuhiko Kurosaw International standard for CO2 sequestration using marine biological
system: effect and influence of nutrient fertilization, 地 球 惑 星 科 学 連 合 大 会 2007,
2007/5/23.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1) 日経新聞,「RITE
【13】
CO2 海中で吸収」, 2007/6/4
微生物集団系システム創成による革新的バイオ変換プロセスのための基盤技術
の開発
(1)査読のある原著論文
1) Haruta,
S.,
and
Y.Igarashi
Bio-degradation
and
re-utilization
of
organic
solid
wastes .functional analysis and development of microbial community–. J. Environ,
Biotechnol., 4: 29-39 (2004).
2) Kato, S., S. Haruta, Z.J. Cui, M. Ishii, and Y. Igarashi. Effective cellulose degradation by a
mixed-culture system composed of a cellulolytic Clostridium and aerobic non-cellulolytic
bacteria. FEMS Microbiol. Ecol., 51: 133-142 (2004).
3) Kato, S., S. Haruta, Z. J. Cui, M. Ishii, A. Yokota, and Y. Igarashi. Clostridium
straminisolvens sp. nov., a moderately thermophilic, aerotolerant and cellulolytic bacterium
isolated from a cellulose-degrading bacterial community. Int. J. Syst. Evol. Microbiol., 54:
2043-2047 (2004).
4) Kato, S., S. Haruta, Z.J. Cui, M. Ishii, and Y. Igarashi. Stable coexistence of five bacterial
strains as a cellulose-degrading community. Appl. Environ. Microbiol., 71: 7099-7106
(2005).
5) Haruta, S., S. Kato, Z.J. Cui, M. Ishii, and Y. Igarashi. Combination of anaerobic
and
aerobic microorganisms for effective bio-degradation of organic substances. Journal of
Environmental Biotechnology 5 91-95 (2006)
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
- 177 -
1) Kato, S., S. Haruta, Z. J. Cui, M. Ishii, and Y. Igarashi. Knockout studies on a model
community of defined bacteria. 10th International Symposium on Microbial Ecology, Book
of Abstracts, p.88, Cancun, Mexico (2004).
2) 春田伸、加藤創一郎、崔宗均、五十嵐泰夫 嫌気、好気微生物の混合培養による効率
的有機物分解 日本生物工学会大会、シンポジウム「嫌気微生物の新展開と産業応用
-微生物工学の新たな切り口を目指して-」、講演要旨集 p.29、名古屋(2004)
3) 加藤創一郎、春田伸、崔宗均、石井正治、五十嵐泰夫 混合培養による安定な微生物
群集の構築と各微生物の機能解析 第 20 回日本微生物生態学会、講演要旨集 p.123、
仙台(2004)
4) 成澤直規、春田伸、崔宗均、石井正治、五十嵐泰夫 外来微生物導入による微生物集
団の機能解析 日本農芸化学会 2004 年度大会、講演要旨集 p.215、札幌(2005)
5) 加藤創一郎、春田伸、崔宗均、石井正治、五十嵐泰夫 安定なセルロース分解細菌群
集における異種細菌間相互作用の解析 日本農芸化学会 2005 年度大会、講演要旨集
p.216、札幌(2005)
6) 堺繁嗣、春田伸、加藤創一郎、崔宗均、石井正治、五十嵐泰夫 稲ワラ分解微生物集
団におけるセルロース分解細菌の挙動 日本農芸化学会 2005 年度大会、講演要旨集
p.216、札幌(2005)
7) Kato, S., S. Haruta, Z.J. Cui, M. Ishii, and Y. Igarashi. Positive and negative interspecies
relationships in a stable bacterial community degrading cellulose. XI International congress
of bacteriology and applied microbiology -Microbes in a changing world- p.36, SanFrancisco,
USA (2005)
8) 春田伸、加藤創一郎、石井正治、五十嵐泰夫 安定な微生物集団によるセルロースの
効率的分解 日本生物工学会、シンポジウム「環境バイオに有用な新たな生物機能解
明」
、講演要旨集 p.10 つくば(2005)
9) 加藤創一郎、春田伸、崔宗均、石井正治、五十嵐泰夫 セルロース分解共培養系のプ
ロテオミクス解析 第 21 回日本微生物生態学会、講演要旨集 p.154 福岡(2005)
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【14】 植物による CO2 固定能力増強を目指した光合成ソース機能改良技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Sato, T. Fukui, H. Atomi, and T. Imanaka,"Improved and versatile transformation system
allowing multiple genetic manipulations of the hyperthermophilic archaeon Thermococcus
kodakaraensis", T. Appl. Environ. Microbiol., 71(7), 3889-3899 (2005).
2) S. Yoshida, M. Inui, H. Yukawa, T. Kanao, K. Tomizawa, H. Atomi, and T. Imanaka,
"Phototrophic growth of a Rubisco-deficient mesophilic purple nonsulfur bacterium harboring
a Type III Rubisco from a hyperthermophilic archaeon.", J. Biotechnol., 124(3): 532-544
- 178 -
(2006).
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 堀口清華、三宅親弘、新崎由紀、山本宏、加藤秀起、宮田桃子、鹿内利治、牧野周、
富澤健一.
光合成制御要因の調節因子探索を目的としたシロイヌナズナ A/Ci 変異
株のスクリーニング法の確立と現状
日本植物生理学会 2005 年度年会および第 45 回
シンポジウム(2005)
2) 三宅親弘、堀口さやか、新崎由紀、山本宏、加藤秀起、富沢健一
の PSI 循環的電子伝達反応(CEF-PSI)の光および CO2 応答
役である
高等植物生葉で
-CEF-PSI は NPQ 誘導の为
日本植物生理学会 2005 年度年会および第 45 回シンポジウム(2005)
3) 山本宏、鹿内利治、宮田桃子、新崎由紀、堀口清華、加藤秀起、三宅親弘、富澤健一
Arabidopsis CRR7 相同遺伝子を欠損したシアノバクテリア Synechocystis sp. PCC 6803
変異株の解析
日本植物生理学会 2005 年度年会および第 45 回シンポジウム(2005)
4) 角山雄一、嶋岡泰世、富澤健一、椎名隆
オーム解析
コムギ葉緑体転写酵素 PEP 画分のプロテ
日本植物生理学会 2005 年度年会および第 45 回シンポジウム(2005)
5) Tomizawa, Ken-Ichi (Invited Lecture) The forest formation as biomass reproduction system
The Second Biomass- Asia Workshop December 13~15, 2005, Bangkok, Thailand
6) 高瀬晶子、西岡美典、高瀬尚文、富澤健一、葉緑体ゲノムへの多重遺伝子導入技術の
構築
日本農芸化学会大会(2005)
7) 金本浩介、山下敤士、奥村暁、浅尾浩史、服部正平、富澤健一、レタス葉緑体形質転
換法の開発 日本農芸化学会大会(2005)
8) 足立崇、高瀬尚文、富澤健一
長鎖 DNA 導入葉緑体形質転換ベクターの開発
日本
農芸化学会大会(2005)
9) 富澤 健一 招待講演「地球温暖化対策としての光合成能力強化」公開講演会「光合成
研究入門:地球の未来を語ろう!」2005 年 5 月 29 日 名古屋大学 野依記念学術交流
館
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【15】 アルカリ土類金属を利用した新規 CO2 炭酸塩固定化システムの開発
(1)査読のある原著論文
1) Satoshi Kodama, Taiki Nishimoto, Naoki Yamamoto, Katsunori Yogo and Koichi Yamada,
“Development of a new pH-swing CO2 mineralization process with recyclablereaction
solution” Energy,in press.
(2)その他の論文
1) 余語克則、他(共著: Lead Author: Marco Mazzotti, Juan Carlos Abandades, Rodney Allam,
- 179 -
Klaus S. Lackner, Francis Meunier, Edward Rubin, Juan Carlos Sanchez, Katsunori Yogo,
Ron Zevenhoven)"IPCC Special Report on Carbon Dioxide Capture and Storage: Chapter 7,
Mineral carbonation and industrial uses of carbon dioxide", IPCC, Cambridge University
Press (2005).
(3)口頭・発表
1) 小玉 聡,西本太紀,滕 永紅,余語克則,山田興一,“新規 CO 2 固定化・有効利
用技術の開発(3) 廃棄物から選択的に溶出させたカルシウムによる CO 2 の炭酸塩
化固定」)”,日本化学会第85春期年会 東京 2005 年 3 月.
2) 小玉 聡,西本太紀,余語克則,山田興一
「廃棄物から選択的に溶出させた Ca による CO2 炭酸塩固定化システムの開発」,化
学工学会 第 37 回秋季大会,2005 年 9 月 15 日~17 日,岡山大学
3) 西本太紀,小玉 聡,余語克則,山田興一
「廃棄物から選択的に溶出させた Ca による CO2 炭酸塩固定化システムの開発」,
日本エネルギー学会関西支部第 50 回研究発表会
大阪科学技術センター
2005
年 12 月 2 日
4) 小玉
聡,西本太紀,余語克則,山田興一
「pH スイングを利用した CO2 炭酸塩固定化プロセスにおけるアルカリ土類金属抽
出条件の検討」化学工学会 第71年会,2006 年 3 月 28 日~30 日,東京工業大学
5) Satoshi Kodama, Taiki Nishimoto, Katsunori Yogo, Koichi Yamada, ”Design and evaluation
of a new CO2 fixation process using alkaline-earth metal wastes” 8th International
Conference on Greenhous Gas Control Technologies(GHGT-8), 19-22 June 2006 Trondheim,
Norway.
6) 小玉 聡、余語克則、藤岡祐一、山田興一、
「pH スイングを利用した新規 CO2 炭酸塩
固定化プロセスにおける経済性評価」、化学工学会 第 38 回秋季大会,2006 年 9 月 16
日~18 日,福岡大学
(4)出願特許
1) 余語克則、小玉聡、山本尚毅、山田興一, 特願 2005-333401
ゼオライトの製造方法
(平成 17 年 11 月 17 日出願)審査請求中
(5)新聞・雑誌掲載
1) 余語克則 CO2 の炭酸塩固定化技術
【16】
電気評論(Electrical Review) 2005(12)54-55.
CO2 を原料とした微生物による有用物質生産技術体系のための基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) S. Okino, M. Inui and H. Yukawa., Production of organic acids by Corynebacterium
glutamicum under oxygen deprivation, Appl. Microbiol. Biotechnol. 68 475-480 (2005)
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 村上賜希子、沖野祥平、川口秀夫、乾将行、「酸素抑制条下におけるコリネ型細菌の
- 180 -
糖代謝経路の解析」、日本農芸化学会 2004 年度大会、平成17年4月
2) 岡井直子、鈴木伸昭、池田洋子、野中寛、乾将行、湯川英明、「コリネ型細菌の糖輸
送系( PTS )遺伝子破壊株の解析」、日本農芸化学会 2004 年度大会、平成17年4月
3) 沖野祥平、乾将行、湯川英明、「コリネ型細菌を用いた有機酸生産バイオプロセスの
構築に関する基礎的検討」
、日本農芸化学会 2004 年度大会、平成17年4月
4) 乾将行、湯川英明、「コリネ型細菌を用いたラセミ体化合物の光学分割」、日本農芸
化学会 2004 年度大会、平成17年4月
5) 岡井直子、鈴木伸昭、池田洋子、野中 寛、乾 将行、湯川英明、「コリネ型細菌の糖
輸送系( PTS )遺伝子破壊株の解析」、日本農芸化学会(京都)2006 年 3 月
(4)出願特許
1) 出願番号:2005-148053、発明の名称:コリネ型細菌による高効率なジカルボン酸の
製造方法、出願日:2005/5/20、特開:2006-320278
2) 出願番号:2005-231399、発明の名称:コリネ型細菌を用いる還元条件下でのアミノ
酸の製造方法、出願日:2005/8/9、特開:2007-043947
3) 出願番号:2006-124440、発明の名称:コリネ型細菌形質転換体による高効率な有機
物の製造方法、出願日:2006/4/27、特開番号:2007-295809
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【17】 蛇紋岩体の地化学環境を利用した原位置試験による CO2 地中鉱物固定のための
基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
1) 二ノ宮淳,
水落幸広,
加藤孝幸,
利用した CO2 固定化研究,
岡本征雄,
粘土科学
矢島達哉, 蛇紋岩体の地化学環境を
日本粘土学会誌, Vol.46, No.1, 28-32, 2007.
(3)口頭・発表
1) 岡本征雄,
矢島達哉,
水落幸広,
おける CO2 固定原位置試験,
2) 岡本征雄,
矢島達哉,
加藤孝幸,
二ノ宮淳,
大隅多加志,
地球惑星科学関連学会 2005 年合同大会,
水落幸広,
加藤孝幸,
二ノ宮淳,
大隅多加志,
よる CO2 鉱物固定の可能性-北海道岩内岳における原位置試験-,
平成17 年度(2005 年)秋季大会,
3) 岡本征雄,
二ノ宮淳,
蛇紋岩体に
2005/05/25.
蛇紋岩体に
資源素材学会
2005/09/25.
水落幸広,加藤孝幸,
矢島達哉,
大隅多加志,
蛇紋岩体を用
いた CO2 鉱物固定システムにおける物質移行, 日本地球惑星科学連合 2006 年大会,
2006/05/16.
4) Tatsuya Yajima, Ikuo Okamoto, Takashi Ohsumi, Atushi Ninomiya, Yukihiro Mizuochi, and
Takayuki Kato, Experimental Studies of CO2 Fixation by Serpentinite, GHGT-8, 2006/06/21.
5) Ikuo Okamoto, Tatsuya Yajima, Yukihiro Mizuochi, Takayuki Kato, Atsushi Ninomiya, and
Takashi Ohsumi, In-situ Test on CO2 Fixation by Serpentinite Rock Mass in Japan, GHGT-8,
- 181 -
2006/06/21.
6) 二ノ宮淳,
水落幸広,
加藤孝幸,
利用した CO2 固定化研究,
7) 岡本征雄,
加藤耕一,
岡本征雄,
矢島達哉,
第 50 回粘土科学討論会,
水落幸広,
物固定技術開発とその将来展開,
加藤孝幸,
蛇紋岩体の地化学環境を
2006/09/08.
大隅多加志, 蛇紋岩体による CO2 鉱
資源素材学会平成 19 年度(2007 年)春季大会,
2007/03/31.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1) 2005/01/05, 日高山脈で CO2 密封実験,
2) 2007/01/05, CO2 地中に安定貯蔵
【18】
北海道新聞
岩石との反応使う新技術, 日本経済新聞
CO2 地中貯留におけるシール層の安全性評価技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 矢島達哉,
大隅多加志, 中田英二,
CO2 溶解水による解析岩中の灰長石の溶解速度,
資源素材学会平成17 年度(2005 年)秋季大会,
2) 中田英二,
2005/09/25.
矢島達哉, CO2 地中貯留における岩盤の溶解-CO2 溶解水による擬灰質
砂岩の溶解-,
日本地質学会第 113 年学術大会
高知大会,
2006/09/16.
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【19】
深度地下微生物生態系による CO2 固定のための基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 石井 翔、稲富健一、乾
将行、湯川英明(RITE)、
「新潟県油井から採取した地
層水中の環境 DNA 分析」
、日本農芸化学会、2005 年 3 月、札幌、日本農芸化学会 2005
年度大会講演要旨集、p.50
2) 石井 翔、稲富健一、乾 将行、湯川英明 (RITE)、
「深度地下微生物生態系の菌
相解析とメタゲノム法による CO2 固定遺伝子のクローニング」、日本農芸化学会、2006
年 3 月、京都、日本農芸化学会 2006 年度大会講演要旨集、p.38
- 182 -
3) 大森 彬史、稲富 健一、乾 将行、湯川 英明(RITE)、
「深度地下微生物生態系に
よる CO2 固定のための基盤技術開発」
、日本農芸化学会、2007 年 3 月、京都、日本農
芸化学会 2007 年度大会講演要旨集、p.164
4) 大森 彬史, 稲富 健一, 乾
将行, 湯川 英明、
「深度地下環境中の微生物相解析と
CO2 固定遺伝子の探索」、日本農芸化学会 / 2008 年 3 月, 名古屋, 日本農芸化学会
2008 年度大会講演要旨集, p.95
5) Ken-ichi
Inatomi, Sho Ishii, Masayuki
Inui
and Hideaki
Yukawa,
Characterization of Microbial Communities in a Niigata Oil Well”
”Molecular
American Society for
Microbiology/2006 年 5 月、Orlando、106th General Meeting
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1) 「CO2固定化・削減・有効利用の最新技術」 監修: 湯川
英明
シーエムシー 2004 年 執筆箇所: 1 編 1 章「4.地下生物圏利用」P34-41
稲富健
一、湯川英明
2) シーエムシー/2006 年
第2章
複合微生物系高効率制御技術
「2ゲノム情報による新展開」
稲富 健一、湯川 英明
3) 生物工学会誌 86 巻 9 号 2009
p444
「メタンの消滅 (Sink) と微生物」、稲富 健一
4) 電気評論 11月号 2010 年
「地下微生物とエネルギー」印刷中、稲富健一、湯川英明
【20】 酸化亜鉛を活用した CO2 分離・回収技術(亜鉛法)の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 姚水良,加島由加梨,峰智恵子,山田興一,NaHCO3 添加による ZnO の CO2 吸収反応
の促進,化学工学会 第 37 回秋季大会,2005/9/17.
2) S. Yao, Y. Kashima, C. Mine, and K. Yamada, Kinetic Study of ZnO Carbonation,
China/USA/Japan Joint Chemical Engineering Conference, Beijing, 2005/Oct./12.
(4)出願特許
1) 出願番号、発明の名称、出願日
姚水良、加島由可梨、山田興一、伊藤琢也、丹羽宣治、中西敤彦、
「炭酸ガスの分離
回収方法」、特願 2004-281241、2004 年 9 月 28 日
(5)新聞・雑誌掲載
- 183 -
なし
【21】 高密度官能基表面を有する新規 CO2 分離膜の創成
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
1) 松井誉敏、風間伸吾、気体分離膜材料、pp. 60-70、永井一清監修『気体分離膜・透過
膜・バリア膜の最新技術』シーエムシー出版(2007)
(3)口頭・発表
1) 杉村博之、六角直哉、李庚晃、邑瀬邦明、風間伸吾、光活性化処理とアミノシランカ
ップリングによる高分子基材表面へのアミノ基導入、高分子学会年次大会、名古屋
(2006)2006/2/24
2) 髙島悠司、纐纈貴之、松井誉敏、風間伸吾、藤岡祐一、LB 法による PAMAM デンド
リマー単分子膜の作製と CO2 分離膜への適用、日本化学会第85春季年会、大阪
(2007)2007/03/25
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【22】 CO2 分離回収型高効率水素製造のための基盤技術開発
(1)査読のある原著論文
1) Yuzuru Sakamoto, Kensuke Nagata, Katsunori Yogo and
Koichi Yamada, “Preparation and
CO2 separation properties of amine modified mesoporous silica membrane” Microporous
and Mesoporous Materials, vol101(1-2) 303-311.
2) N. Hiyoshi, K. Yogo and T. Yashima, “Adsorption of Carbon Dioxide on Amine-modified
MSU-H Silica in the Presence of Water Vapor” Chemistry Letters 37(12), 1266-1267 (2008).
3) K. Nagata, M. Miyamoto, Y. Fujioka, K.Yogo, “Hydrogen Separation Membrane
Encapsulating Pd Nanoparticles in a Silica Layer” Desalination and Water treatment,
17(2010)233-241.
4) Kensuke Nagata, Manabu Miyamoto, Tsuyoshi Watabe, Yuichi Fujioka, and Katsunori Yogo,
“Preparation of Pore-fill-type Palladium–Porous Alumina Composite Membrane for
Hydrogen Separation”, Chem.Lett. submitted for publication.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 坂本謙、余語克則、山田興一、「アミン修飾メソポーラスシリカ薄膜の合成とガス分
離特性」、第 96 回触媒討論会, 熊本, 2005 年 9 月 20 日~23 日.
2) 坂本 謙、永田 健祐、余語
克則、山田 興一
- 184 -
「アミン修飾メソ細孔シリカ薄膜の合成と CO2 分離特性」
膜シンポジウム 2005、京都大学、2005 年 11 月 24 日~25 日.
3) 坂本 謙、永田 健祐、余語
克則、山田 興一
「アミン修飾メソ細孔シリカ薄膜の合成、構造および CO2 分離特性」
化学工学会 第71年会,2006 年 3 月 28 日~30 日,東京工業大学
4) Yuzuru Sakamoto, Kensuke Nagata, Katsunori Yogo and Koichi Yamada, “Preparation and
CO2 separation properties of amine-modified mesoporous silica membranes”, ZMPC 2006,
米子市, 2006 年 7 月 30 日~8 月 2 日.
5) 坂本謙、永田健祐、余語克則、藤岡祐一、”Pd 複合化メソ細孔シリカ薄膜の合成と水
素分離特性“、化学工学会第 72 年会、京都市、2007 年 3 月 19 日~3 月 21 日.
6) 坂本謙、永田健祐、余語克則、藤岡祐一、”メソ細孔シリカ薄膜内 Pd ナノ粒子の鋳
型合成と水素分離特性”、日本化学会第 87 春季年会、吹田市、2007 年 3 月 25 日~3
月 28 日.
7) 坂本謙, 永田健祐, 余語克則, 藤岡祐一, “メソ細孔シリカ薄膜内 Pd ナノ粒子の鋳
型合成と水素分離特性”, 日本化学会第 87 春季年会
関西大学 2007 年 3 月 28 日
8) 宮本学、永田健祐、余語克則、藤岡佑一、“表面保護層を有する細孔充填型パラジウ
ム水素分離膜の開発”、化学工学会第 73 年会、静岡大学、2008 年 3 月 17~19 日(17
日)
9) K. Nagata, M. Miyamoto, K. Yogo, Y. Fujioka, “Preparation and H2 separation Properties of
palladium-Mesoporous Silica Composite membrane” Nanoporous Materials-5
ブリティッ
シュコロンビア大学 2008 年 5 月 27 日
10)
M. Miyamoto, K. Nagata, K. Yogo, Y. Fujioka,
“Hydrogen separation membrane
encapsulating Pd nanoparticles in a silica layer”, 10th International Conference on Inorganic
Membranes
11)
早稲田大学
2008 年 8 月 19 日
永田 健祐, 宮本 学, 余語 克則, 藤岡 祐一, “細孔内充填型パラジウム-無機多
孔質複合膜の作製と水素分離特性の評価”, 化学工学会第 74 年会
横浜国立大学
2009 年 3 月 20 日
12)
永田 健祐, 宮本 学, 余語 克則, 藤岡 祐一, “細孔内充填型パラジウム―無機
多孔質複合膜の作製と水素分離特性”金属学会 2009 年春季大会
東京工業大学
2009 年 3 月 30 日
13)
K. Nagata, M. Miyamoto, Y. Fujioka, K. Yogo, “Hydrogen separation membrane
encapsulating Pd nanoparticles in a mesoporous silica layer”,
Aseanian Membrane Society 神戸ポートピアホテル
14)
The fifth conference of
2009 年 7 月 13~14.
永田 健祐,余語 克則, 細孔内充填型 Pd/多孔質 α-アルミナ複合膜の作製と水素
分離特性の評価、化学工学会関西支部 第 42 回秋季大会、2010 年 9 月7日.同志社
大学
(4)出願特許
1) 余語克則、坂本 謙、山田興一
メソポーラス複合体およびその製造方法
- 185 -
(特願 2005-23473、平成 17 年 8 月 12 日出願)審査請求中
2) 余語克則、魚江康輔、坂本謙、藤岡祐一
水素分離膜複合体の製造方法およびそれを用いる水素分離方法
特願 2007-010167(平成 19 年 1 月 19 日出願)
3) 宮本 学、余語克則、藤岡祐一
複合体およびその製造方法
(特願 2008-32215、平成 20 年 2 月 13 日出願)
4) 余語克則、藤岡祐一
複合体の製造方法
(特願 2009-288496、平成 21 年 12 月 18 日出願)
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【23】 タンパク質複合体機能を利用した革新的なセルロース糖化法による CO2 固定化有
効利用のための基盤技術開発
(1)査読のある原著論文
1) Y. Morikawa et al., Directed evolution of cellulases from Trichoderma reesei, 15th European
Biomass Conference & Exhibition -from Research to Market Deployment-, 09 May 2007,
International Congress Center, Berlin, Germany.
2) Ohashi, Y., Y. Kan, T. Watanabe, Y. Honda, T. Watanabe: Redox silencing of the Fenton
reaction system by an alkylitaconic acid, ceriporic acid B produced by a selective
lignin-degrading fungus, Ceriporiopsis subvermispora, Org. Biomol. Chem., 5, 840 – 847
(2007).
3) Tsukihara, T., Y. Honda, R. Sakai, T. Watanabe, T. Watanabe: Exclusive overproduction of
recombinant versatile peroxidase MnP2 by genetically modified white rot fungus,
Pleurotusostreatus, J. Biotechnol., 126, 431-439 (2006).
4) Amirta R., T. Tanabe, T. Watanabe, Y. Honda, M. Kuwahara and T. Watanabe: Methane
fermentation of Japanese cedar wood pretreated with a white rot fungus, Ceriporiopsis
subvermispora, J. Biotechnol., 123, 71-77 (2006).
5) Tsukihara, T., Y.Honda, T.Watanabe and T. Watanabe: Molecular breeding of white rot fungus,
Pleurotus ostreatus, by homologous expression of its versatile peroxidase MnP2, Appl.
Microbiol. Biotechnol., 71, 114-120 (2006).
6) 渡辺隆司:バイオリファイナリーの最近の展開と白色腐朽菌によるリグノセルロース
の前処理、木材学会誌、53、1-13 (2007).
7) Watanabe, T., Y. Ohashi, T. Tanabe, T. Watanbae, Y. Honda and K. Messner: Lignin
biodegradation by selective white rot fungus and its potential use in wood biomass conversion,
73 In ACS Symposium Series 954, Materials, Chemicals and Energy from Forest Biomass,
American Chemical Society, pp. 409-421 (2006).
8) Arai, T., Kosugi, A., Chan, H., Koukiekolo, R., Yukawa, H., Inui, M. and Doi, R.H.:
- 186 -
Properties of
cellulosomal family 9 cellulases from Clostridium cellulovorans.
Appl.
Microbiol Biotechnol., 71:654-660 (2006).
9) Han, S.-O., Yukawa, H., Inui, M. and Doi, R.H.: Molecular cloning, transcriptional and
expression analysis of engO, encoding a
non noncellulosomal family 9 enzyme from
Clostridium cellulovorans. J. Bacteriol. 187:4884-4889 (2005).
10)
Han, S.-O., Yukawa, H., Inui, M. and Doi, R.H.
Effect of carbon source on the
cellulosomal subpopulations of Clostridium cellulovorans.
Microbiology 151:1491-1497
(2005).
11)
Koukiekolo, R.,
Cho, H-Y., Kosugi, A.,
Inui, M., Yukawa, H.
and
Doi, R.H.:
Degradation of corn fiber by Clostridium cellulovorans cellulases and hemicellulases and
contribution of scaffolding protein, CbpA. Appl. Environ. Microbiol 71:3504-3511 (2005).
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) Sung Ok Han, 乾 将行, 湯川 英明 “Regulation of Expression
of Cellulosomes
in
Clotriduim cellulovorans During growth of Different Carbon Sources “ 2006 年度日本農芸
化学会大会(平成 18 年 3 月 25 日-28 日、京都)
2) 本田与一、酒徳尚文、渡邊崇人、渡辺隆司 「Pleurotus ostreatus (ヒラタケ)における
一過性形質転換系」日本菌学会50 周年記念大会(平成18 年6 月2-4 日、千葉)
3) 月原多佳久、本田与一、坂井亮太、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「ヒラタケにお
ける組換え多機能型ペルオキシダーゼ(MnP2)の高発現」日本菌学会50 周年記念大会
(平成18 年6 月2-4 日、千葉)
4) 月原多佳久、本田与一、渡邊崇人、渡辺隆司、「多機能型ペルオキシダーゼMnP2 の
部位特異的変異体によるPoly R-478 の脱色」、第56 回日本木材学会大会(平成18 年8
月8-10 日、秋田)
5) 大 橋 康 典 、 渡 邊 崇 人 、 本 田 与 一 、 渡 辺 隆 司
「 選 択 的 白 色 腐 朽 菌 Ceriporiopsis
subvermispora の産生する脂質関連代謝物のラジカル制御機構」、日本きのこ学会第10
回大会(平成18 年9 月20-21 日、秋田)
6) 川辺陽文、本田与一、渡利純子、渡達崇人 、渡辺隆司
「担子菌Ceriporiopsis
subvermispora のβ-tubulin 遺伝子のクローニング」、日本きのこ学会第10 回大会(平
成18 年9 月20-21 日、秋田)
7) Takahisa Tsukihara, Yoichi Honda, Takahito Watanabe, Takashi Watanabe, ”Overproduction
of versatile peroxidase MnP2 by genetically modified Pleurotus ostreatus”, きのこの科学
に関する国際シンポジウム(平成18 年9 月21-22 日、秋田)
8) Takashi Watanabe, Toshiaki Tanabe, Rudianto Amirta, Kenta Yano, Masafumi Oyadomari,
Takahito Watanabe, Yoichi Honda, Masaaki Kuwahara 、「 Lignin-degrading fungi as
biotechnological tool for biomass conversion」、きのこの科学に関する国際シンポジウム
(平成18 年9 月21-22 日、秋田)
9) 大橋康典、宇野由紀子、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「高速フローESR 法を用い
- 187 -
たリグニンモデル化合物に対するラジカル種の反応性に関する研究」
、第51 回リグニ
ン討論会(平成18 年10 月26-27 日、北海道)
10)
Takashi Watanabe, Takeshi Ougi, Hiroshi Nishimura, Takahito Watanabe, Yoichi Honda,
Kanji Okano “Free Radical-Mediated Lignin Biodegradation by Selective White Rot Fungi
And Its Potential Use In Wood Biomass Conversion”, 3rd ISETPP, (平成18 年11 月8-10 日、
広州、中国)
11)
Hiroshi
Nishimura,
Takahito
Watanabe,
Yoichi
Honda,
Takashi
Watanabe
“Characterization of Extracellular Amphipathic Metabolites Produced by Selective White Rot
Fungi”,3rd ISETPP, (平成18 年11 月8-10 日、広州、中国)
12)
Takeshi Ougi, Yuko Kawasaki, Takahito Watanabe, Yoichi Honda, Takashi Watanabe,
“Lipid Metabolites Produced By Selective White Rot Fungi”, 3rd ISETPP, (平成18 年11 月
8-10 日、広州、中国)
清水仁恵、大橋康典、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「白色腐朽菌Ceriporiopsis
13)
subvermispora の菌体外代謝物ceriporic acid B によるヒドロキシライカル生成抑制効
果」、日本農芸化学会2007年度(平成19 年度)大会(平成19年3月25-27日、東京)
大橋康典、宇野由紀子、Amirta Rudianto、清水仁恵、渡邊崇人、本田与一、渡辺
14)
隆司、「選択的白色腐朽の機構解明を目的とした単一ラジカル発生系による非フェノ
ール性リグニンモデル化合物分解(2):フローESR 法による研究」、日本農芸化学会
2007年度(平成19 年度)大会(平成19年3月25-27日、東京)
月原多佳久、坂井亮太、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「担子菌Pleurotus ostreatus
15)
多機能夥型ペルオキシダーゼMnP2 における高分子基質酸化機構の解明」、日本農芸
化学会2007年度(平成19 年度)大会(平成19年3月25-27日、東京)
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【24】 革新的省エネルギー水素供給ステーション実現のための基盤技術研究
-バイオシフト反応による高効率水素製造システム
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) Hideo Kawaguchi, Akihito Yoshida, Taku Nishimura, Masayuki Inui, and Hideaki Yukawa,
「High-efficiency hydrogen production from formate」 RITE 国際シンポジウム、2005 年
2 月、京都、International Workshop on Biorefinery
(4)出願特許
- 188 -
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1) 川口秀夫、湯川英明 「バイオ法水素生産の新展開」2005年
“CO2固定化・削減・有効利用の最新技術”p.220-225. 湯川英明 監修、CMC出版
2) 川口秀夫 2007年「バイオマスから水素生産‐新規バイオプロセスの利用」セラミッ
クス 41:312.
3) 川口秀夫、湯川英明
2007年 「バイオマスから水素生産‐新規バイオプロセスの利
用」
燃料電池 5:83-85.
4) 川口秀夫、湯川英明 2007年「バイオ水素研究の展開」
電気評論 91:62-63.
【25】 高効率エネルギー生産のための新葉緑体工学の確立
-バイオマス高速生産技術開発と化学的変換技術-
(1)査読のある原著論文
1) Okumura, S., Sawada, M., Park, Y.W., Hayashi, T., Shimamura, M., Takase, H. and Tomizawa,
K. (2006): Transformation of poplar plastid genome and expression of foreign proteins in tree
chloroplasts. Transgenic Res (2006) 15:637-646
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 奥村暁、澤田真千子、Yong Woo Park、林隆久、富澤健一, ポプラ葉緑体形質転換法の
開発, 日本植物生理学会 2005 年度年会および第 45 回シンポジウム
2) Okumura, S., Sawada, M., Park, Y.W., Hayashi, T., Yamashita, A., Hattori, M., Kanamoto, H.,
Shimamura, M., Takase, H., Miyake, C., and Tomizawa, K. (2006): A strategy for desert
afforestation using plastid transformation technique for CO2 sequestration. J. Arid Land
Studies,
3) Masaki Shimamura, Tatsuwo Furuki, and Hironori Deguchi. (2005). Sporophyte anatomy of
Cavicularia densa Steph. (Blasiaceae).
Bryologist 108: 420-426
4) Masaki Shimamura and Yoshinobu Mineyuki. (2006). Diversity and evolution of microtubule
organizing centers in basal land plants. International Review of Cytology
5) 富澤健一(招待講演) Profile of chloroplast gene expression and metabolic engineering of
chloroplast
国際ワークショップ「工業原料生産のための植物バイオテクノロジー」
2006 大阪大学中ノ島センター
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
- 189 -
【26】 セルラーゼ系酵素を生産する植物の創製
(1)査読のある原著論文
1) Hisabumi Takase, Ken-Ichi Tomizawa, Improvement of plants for sustainable society based
on biomass mediated carbon-cycle., global Renaissance by Green Energy Revolution
Proceedings (2006) pp150-152.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 高瀬尚文,岩前智子,西岡美典,高瀬晶子,足立崇,富滞健一 植物によるエンドグルカナゼの生産。 日本農芸化学会平成 1 7 年度年会(札幌)
2) 高瀬尚文,岩前智子,富津健一
構築を目指した植物の創製
(招待講演)
バイオマスを媒体とした炭素循環社会の
平成 17 年度第 1 回 RSP 専門部会バイオマスインダスト
リアルコンプレックス
3) Takase ・ Tomoko lwamae, Minori, Nishioka, Akiko Takase, Takashi Adachi, Ken-ichi
Tomizawa, Cellulase Production by Phytofactory., CORDON RESEARCfl CONFERENCE
on CELLULASE and CELLULOSOME 2005 (米国)
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【27】
ジオリアクターによる排ガス中 CO2 の地中直接固定化技術開発
(1)査読のある原著論文
1) 上田
晃,黒田佳宏,山田達也,加藤耕一,矢島達哉,佐藤久夫,杉山和稔,小澤晃
子,小田島吉次,海江田秀志,伊藤久敏,窪田健二,戸高法文,阿島修司,佐藤龍也,
鍜治義和,大隅多加志,若濱
洋,三戸彩絵子, 「ジオリアクターによる CO2 固定
化試験:雄勝高温岩体での注入試験」、岩石鉱物科学 38,220-231,2009
(2)その他の論文
1) Wakahama,H., Mito,S., Ohsumi,T., Ueda,A., Yajima,T., Satoh,H., Sugiyama,K., Ozawa,A.,
Ajima,S., Todaka,N., Sato,T., Kato,M., Kaji,Y., Tokumaru,T., Kaieda,K. and Kubota,K., ”A
concept of CO2 Georeactor sequestration at the Ogachi HDR site, NE Japan.”,
GHGT-9,Energy Procedia,1.3683-3689(2009).
2) Kaieda,H., Ueda,A., Kubota,K., Wakahama,H., Mito,S., Sugiyama,K., Ozawa,A., Kuroda,Y.,
Sato,H., Yajima,T., Kato,K., Ito,H., Ohsumi,T., Kaji,Y. and Tokumaru,T., ”Field Experiments
for studying on CO2 sequestration
in solid minerals
at the Ogachi HDR geothermal site,
Japan”, proceedings, Thirty-Fourth Workshop on Geothermal Reservoir Engineering Stanford
University, Stanford, California, February 9-11, 2009,SGP-TR-187(2009).
(3)口頭・発表
1) 加藤耕一,
大隅多加志,
海江田秀志, 伊藤久敏,
- 190 -
上田晃,
矢島達哉,
佐藤久夫,
小澤晃子,
鍛治義和,
徳丸哲義,
鈴木丙午,
CO2 地中固定化への雄勝現場予察試験 ,
佐藤龍也,
ジオリアクターによる
日本地熱学会平成 18 年度天栄大会,
2006/11/22.
2) 小澤晃子,
上田晃,
矢島達哉,
佐藤久夫,
加藤耕一,
大隅多加志,
ジオリアクターCO2 固定化現場試験:地球化学的予察研究,
年度天栄大会,
3) 矢島達哉,
日本地熱学会平成 18
2006/11/20.
上田晃,
小澤晃子,
加藤耕一,
大隅多加志,
ジオリアクターによる
CO2 地中固定化の実験的研究(1), 日本地熱学会平成 18 年度天栄大会,
4) 伊藤久夫,
加藤耕一,
大隅多加志,
上田晃,
矢島達哉,
加藤雅士,
鍛治義和, 排ガス注入方式 HDR 発電の提案,
天栄大会,
2006/11/22.
5) 佐藤久夫,
雄勝での
上田晃,
矢島達哉,
塚本勝男,
加藤耕一,
小澤晃子,
2006/11/22.
佐藤龍也,
日本地熱学会平成 18 年度
高温高圧セルを用いた、ス
メクタイト共存下でのカルサイト結晶成長の位相シフト干渉計“その場”測定,
地熱学会平成 18 年度天栄大会,
日本
2006/11/22.
6) 加藤耕一,
大隅多加志,
三戸彩絵子,
海江田秀志,
佐藤久夫,
小田島吉次,
杉山和稔,
加藤雅士,
ジオリアクターによる CO2 地中固定化技術の開発,
小澤晃子,
伊藤久敏,
鍛治義和,
上田晃,
徳丸哲義,
矢島達哉,
佐藤龍也,
資源素材学会平成 19
年度(2007 年)春季大会, 2007/03/31.
7) 矢島達哉,
上田晃,
佐藤久夫,
小田島吉次,
加藤耕一,
小澤晃子,
ジオリアクタ
ーによる CO2 地中固定化の地化学的トラップの実験的研究~CO2-水-岩石反応に
係る室内実験~, 資源素材学会平成 19 年度(2007 年)春季大会, 2007/03/31.
8) 佐藤久夫,
上田晃, 矢島達哉,
加藤耕一, 小澤晃,
ジオリアクターによる CO2 地
中固定化の地化学的トラップの実験的研究~位相シフト干渉計による方解石の沈殿
/溶解速度評価~, 資源素材学会平成 19 年度(2007 年)春季大会, 2007/03/31.
9) 佐藤龍也,
加藤雅士,
加藤耕一,
上田晃,
る地熱貯留内の水理シミュレーション,
会,
10)
矢島達哉,
ジオリアクター研究におけ
資源素材学会平成 19 年度(2007 年)春季大
2007/03/31.
Kaieda,H., Kubota,K., Wakahama, H., Mito,S., Ueda,A., Ohsumi,T., Yajima,T., Satoh,H.,
Kaji,Y., Sugiyama,K. and Ozawa,A, “Experimental Study on CO2 Injection
Into HDR
Geothermal Reservoir”, Abst. 2008 Australian Geothermal Energy Conference.
11)
Ueda,A.
,Nakatsuka,Y.,
Kunieda,M.,Kuroda,Y.,
Kato,K.,
Yajima,Y.,
Satoh,H.,
Sugiyama,K., Ozawa,A., Ohsumi,T., Wakahama,H., Mito,S., Kaji,K. and Kaieda,H.,
“Geochemical results on the CO2 Georeactor sequestration tests at the Ogachi hot dry rock
site, NE Japan”, Abst. Goldschmidt
12)
2008.
Hase,H., Kubota,K., Ito.H., Suzuki,K., Kaieda,H. and Wakahama,H., Verification and
monitoring of CO2 storage by using self-potential method”, Abst. AGU 2008 Fall Meeting.
13)
長谷英彰, 窪田健二, 伊藤久敏, 鈴木浩一, 海江田秀志, 若濵 洋, 「自然電位法を
用いた CO2 地中貯留モニタリングの検証」, 平成 20 年度日本地熱学会学術講演会
P17,2008/10/31.
- 191 -
佐藤龍也, 加藤雅士, 上田 晃, 若濵
14)
洋, 「雄勝高温岩体地域でのジオリアクタ
ーCO2 固定化研究における原位置試験シミュレーション」, 平成 20 年度日本地熱学
会学術講演会 A27,2008/11/01.
上田
15)
晃, 黒田佳宏, 杉山和稔, 小澤晃子, 海江田秀志, 窪田健二, 鍛冶義和, 若
濱 洋, 三戸彩絵子, 「雄勝高温岩体でのCO2注入試験:H20 年度地化学モニタリ
ング(速報)
」, 平成 20 年度日本地熱学会学術講演会 A34,2008/11/01.
若濵
16)
洋, 「雄勝高温岩体地域におけるジオリアクターCO2 固定化研究」, 資
源・素材学会平成 21 年度春季大会 A-12,2009/3/26.
(4)出願特許
1) 地熱発電方法並びにシステム、出願番号:2007-092832、出願日:2007/3/30
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【28】 新規促進材による吸収液再生法の研究
(1)査読のある原著論文
1) Kazuhiro Okabe, Miho Nakamura, Hiroshi Mano, Masaaki Teramoto, Koichi Yamada, CO2
separation by membrane/absorption hybrid method, Studies in Surface Science and Catalysis,
159, 409-412 (2006)
2) Kazuhiro Okabe, Hiroshi Mano, Yuichi Fujioka, Separation and recovery of carbon dioxide
by a membrane flash process, International Journal of Greenhouse Gas Control, 2, 485-491
(2008)
3) Kazuhiro Okabe, Satoshi Kodama, Hiroshi Mano, Yuichi Fujioka, Separation and recovery of
carbon dioxide by a membrane flash process utilizing waste thermal energy, Energy Procedia,
1, 1281-1288 (2009)
4) Kazuhiro Okabe, Hiroshi Mano, Yuichi Fujioka, Preliminary estimations of energy and cost
for CO2 recovery by a membrane flash process utilizing waste thermal energy, International
Journal of Greenhouse Gas Control, 4, 597–602 (2010)
(2)その他の論文
1) 真野 弘, 膜・吸収ハイブリッド法による CO2 分離回収技術, 電気評論, Vol.91, No.4,
56-57, 2006
2) 真野 弘,キャリア輸送膜,気体分離膜・透過膜・バリア膜の最新技術, シーエムシ
ー出版,p. 41-45, 2007 年 4 月発行
(3)口頭・発表
1) Kazuhiro Okabe, Miho Nakamura, Hiroshi Mano, Masaaki Teramoto and Koichi Yamada,
Separation and recovery of CO2 by membrane/absorption hybrid method, 8th International
Conference on Greenhouse Gas Control Technologies (GHGT-8), 2006/06/20
2) Kazuhiro Okabe, Hiroshi Mano, Koichi Yamada, Regeneration of CO2 absorbent solution by
accelerated desorption method, 17th International Congress of Chemical and Process
Engineering (CHISA 2006), 2006/08/29
- 192 -
3) Kazuhiro Okabe, Hiroshi Mano, Yuichi Fujioka, Separation and recovery of carbon dioxide
by a membrane flash process, The 4th Trondheim Conference on CO2 Capture, Transport and
Storage, October 2007, Trondheim, Norway
4)
岡部和弘,真野 弘,藤岡祐一,膜フラッシュ法による CO2 分離回収技術の開発,
化学工学会 第 73 年会, 2008 年 3 月, 浜松
5) Kazuhiro Okabe, Satoshi Kodama, Hiroshi Mano, Yuichi Fujioka, Separation and recovery of
carbon dioxide by a membrane flash process utilizing waste thermal energy, GHGT-9,
November 2008, Washington, D.C., USA
6)
岡部和弘,小玉
聡,真野
弘,藤岡祐一, 低温廃熱を利用した膜フラッシュ法に
よる CO2 分離回収技術の開発, 化学工学会 第 74 年会, 2009 年 3 月, 横浜
(4)出願特許
1) 特願 2006-290348, ガス分離方法及びガス分離装置, 2006/10/25
2) 特願 2008-32060, ガス分離方法及びガス分離装置, 2008/02/13
(5)新聞・雑誌掲載
1) CO2 回収コスト半減 排ガス分離 地中化処理に活用
地球環境機構 2 年メド確立,
日経, 2007/08/10 朝刊 15 面
【29】 高圧ガスからのCO2吸収分離技術の開発
(1)査読のある原著論文
1)
Tomizaki, K.-Y.; Shimizu, S; Onoda, M.; Fujioka, Y., “An acid dissociation constant
(pKa)-based screening of chemical absorbents that preferably capture and release pressurized
carbon dioxide for greenhouse gas control” Chemistry Letters 2008 37 巻、5 号 516–517
(2)その他の論文
1) 金久保光央, イオン液体を用いたガス分離・精製技術の開発, ケミカルエンジニアリ
ング、2009、54 巻、4 号、46-50.
(3)口頭・発表
1) 富崎欢也・清水信吉・小野田正巳・藤岡祐一, 高圧ガスから二酸化炭素を分離回収す
る化学吸収液スクリーニング, 日本化学会第 88 春季年会(2008)、平成 20 年 3 月 26 日、
立教大学 池袋キャンパスおよび立教池袋中学校・高等学校(東京)
2) 富崎欢也・清水信吉・小野田正巳・藤岡祐一, 高圧力条件において低熱量二酸化炭素
回収を可能とする高圧用化学吸収剤の開発, 化学工学会第 40 回秋季大会、平成 20 年
9 月 25 日、東北大学 河内キャンパス
3) 金久保光央・Sun JiaLong・清水信吉・川﨑慎一朗・川波肇・横山敏郎・南條弘, イオ
ン液体物理吸収法による二酸化炭素の分離・回収技術の開発, 化学工学会第 40 回秋季
大会、平成 20 年 9 月 25 日、東北大学
河内キャンパス
4) 富崎欢也・清水信吉・小野田正巳・藤岡祐一, 高圧ガスからの CO2 吸収分離技術の開
発, 革新的環境技術シンポジウム(プログラム研究開発報告会)、平成 20 年 10 月 21 日、
メルパルク京都 6 階(京都)
5) 金久保光央・川波肇・横山敏郎・南條弘, イオン液体物理吸収法による高圧 CO2 ガス
- 193 -
再生に関する研究, 革新的環境技術シンポジウム(プログラム研究開発報告会)、平成 20
年 10 月 21 日、メルパルク京都 6 階(京都)
(4)出願特許
1)
高圧ガスから二酸化炭素を回収する方法及び水性組成物
PCT/JP2008/071203
2)
2008 年 11 月 21 日出願、優先日:2007 年 11 月 22 日
イオン液体を用いた物理吸収法による二酸化炭素分離回収方法
特願 2009-102472
2009 年 4 月 20 日出願
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【30】 CO2地中貯留のための常設モニタリングシステム構築に必要な海底計測機器開発の基礎
的研究
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 平成 20 年 10 月 21 日 「革新的環境技術シンポジウム (プログラム研究開発報告会)」に
おいて、「常設 CO2 モニタリングシステム構築に係る海底計測機器開発の基礎的研究」と
して発表
2) 平成 21 年 11 月 4 日「 革新的環境技術シンポジウム」において、「海底常設ケーブルによ
る CO2 モニタリング技術」として発表
3) 平成 22 年 5 月 26 日 「日本地球惑星科学連合 2010 年大会」において、
「Numerical study
of time-lapse monitoring of CO2 injection by permanent OBC」として発表
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【31】 高ストレス耐性ユーカリの迅速選抜法の開発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 齋藤隆実、曽根恒星、栗本耕平、林和典、野口航、寺島一郎「西オーストラリアの塩
害地に植林されたユーカリ乾燥耐性系統の葉の水分特性」日本植物学会第71回大会、
野田、2007年9月、ポスター発表
2) 齋藤隆実、曽根恒星、栗本耕平、林和典、野口航、寺島一郎「西オーストラリアの塩
- 194 -
害地におけるユーカリ植林木の葉の水分特性」第 55 回日本生態学会大会、福岡、2008
年 3 月、口頭発表
3) 齋藤隆実、曽根恒星、野口航、寺島一郎、宮澤真一、林和典「西オーストラリアの塩
害地におけるユーカリ植林木の成長と葉の水分特性」第56回日本生態学会大会、盛岡、
2009年3月、ポスター発表。
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【32】 葉緑体工学による活性酸素制御“モデル植物での HDP-APX システム強化
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
なし
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【33】 ソフトバイオマスからの次世代燃料生産基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) M. Inui, M. Suda, S. Yamamoto, S. Okino, N. Suzuki and H. Yukawa, “Expression of
Clostridium acetobutylicum butanol synthetic genes in Escherichia coli.”, Appl. Microbiol.
Biotechnol. 77: 1305-1316. 2008.
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 山本 省吾, 須田
雅子, 沖野
祥平, 鈴木
伸昭, 乾
将行, 湯川
英明, 「遺伝子
組換え大腸菌によるブタノールの生産」,日本農芸化学会 / 2008 年 3 月, 名古屋, 日本
農芸化学会 2008 年度大会講演要旨集, p.268
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
1) 「非食料資源からのバイオ燃料製造」, 環境バイオテクノロジー学会誌
2009. 乾 将行, 湯川 英明
- 195 -
9: 76-79.
【34】 統合型水素生産システムによるバイオマスからの高収率水素変換のための基盤技術開
発
(1)査読のある原著論文
なし
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 日本農芸化学会(平成 20 年 3 月 28 日、名古屋)
太田 淳、吉田 章人、田島 誉久、稲富 健一、乾 将行、湯川 英明:ヒドロゲナーゼ
遺伝子 hydA の導入による高効率水素生成株の構築
2) 統合型水素生産システムによるバイオマスからの高収率水素変換
プログラム研究成果報告会:革新的環境技術シンポジウム
平成20年10月21日(火)、メルパルク京都
発表者
稲富 健一
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【35】 省エネルギー型圧力スイング吸着法による新規CO2分離技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Katsunori Yogo, Manabu Miyamoto, Hidenao Nakatani, Yuichi Fujioka, “CO2 adsorption
properties of pure silica CHA zeolite in the presence of water vapor”in preparation.
(2)その他の論文
1) Katsunori Yogo, Tsuyoshi Watabe, Yuichi Fujioka,Yosuke Matsukuma, Masaki Minemoto,
“Development of an energy-saving CO2-PSA process using hydrophobic adsorbents” Energy
Encycropedia submitted for publication.
(3)口頭・発表
1) 魚江康輔、中谷剛尚、余語克則、藤岡祐一“Pure Silica CHA/STT 型ゼオライトの合
成とキャラクタリゼーション”第 23 回ゼオライト研究発表会(ゼオライト学会)、秋
田キャッスルホテル 2007 年 11 月 7~8 日.
2) 宮本学、加藤美奈子、余語克則、藤岡佑一、「省エネルギー型圧力スイング吸着法による新規
CO2 分離回収技術の開発」
化学工学会第 74 年会、神奈川県、2009 年 3 月
3) 加藤美奈子、宮本学、余語克則、藤岡佑一、「疎水性ゼオライトの合成と省エネルギー型
CO2-PSA法への適用」 日本化学会第 89 春季年会、東京都、2009 年 3 月
4) (依頼講演)余語克則、「二酸化炭素の分離回収・貯留技術開発の現状」、第 15 回 関
西地区分離技術見学討論会、2009 年 8 月 5 日、神戸製鋼所株式会社(分離技術研究
会)
5)
二酸化炭素の吸着分離装置に温度・圧力が及ぼす影響の数値的検討」、松隇洋介、
峯元 雅樹、余語克則、藤岡祐一、化学工学会第 75 年会(2010 年 3 月 18~20 日)
- 196 -
(4)出願特許
1) 魚江康輔、余語克則、宮本
学、藤岡祐一、「ピュアシリカゼオライトの製造方法」、
特願 2007-286783、平成 19 年 11 月 2 日出願.
2) 余語克則、宮本
学、藤岡祐一、「吸着剤およびこの吸着剤を用いた高圧ガスの処理
方法」
、特願 2008-33674、平成 20 年 2 月 14 日出願.
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【36】 バイオマスからのグリーンフューエル生産基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Tsukihara, T., Y. Honda, R. Sakai, T. Watanabe and T. Watanabe: Mechanism for oxidation of
high-molecular-weight substrates by a fungal versatile peroxidase, MnP2. Appl. Environ.
Microbiol., 74, 2873-2881 (2008).
2) Nishimura, H., S. Tsuda, H. Shimizu, Y. Ohashi., T. Watanabe, Y. Honda and T. Watanabe: De
novo synthesis of (Z)- and (E)-7-hexadecenylitaconic acids by a selective lignin-degraing
fungus, Ceriporiopsis subvermispora. Phytochemistry, 69, 2593-2602 (2008).
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 西村裕志、村山京子、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「選択的リグニン分解菌が産
生する菌体外脂質関連代謝物の構造解析」
、第 53 回リグニン討論会、東京
平成 20
年 10 月 30 日
2) 鈴木大介、西村裕志、吉村康一、渡邊崇人、本田与一、海田るみ、林隆久、高部圭司、
渡辺隆司、
「選択的白色腐朽菌 Ceriporiopsis subvermispora が産生する sheath に関する
研究」
、第 59 回日本木材学会大会
松本、平成 21 年 3 月 15 日
3) 和泉千尋、津田冴子、渡邊崇人、西村裕志、本田与一、渡辺隆司、「リグニン分解性
担子菌 Ceriporiopsis subvermispora の長鎖アシル CoA シンテターゼ遺伝子の単離・解
析」
、第 59 回日本木材学会大会
松本、平成 21 年 3 月 16 日
4) 谷川瑛二、川辺陽文、松山拓郎、福薗由崇、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「白色
腐朽菌 Pleurotus ostreatus(ヒラタケ)のアグロバクテリウムによる形質転換系の開発」、
第 59 回日本木材学会大会
松本、平成 21 年 3 月 16 日
5) 西村裕志、村山京子、鈴木大介、瀬戸川雄一、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「選
択的リグニン分解菌が生産する新規過酸化代謝物」、日本農芸化学会 2009 年度大会
福岡、平成 21 年 3 月 28 日
6) 村山京子、西村裕志、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「選択的リグニン分解条件下
における菌体外代謝物プロファイルと新規代謝物の同定」、日本農芸化学会 2009 年度
大会 福岡、平成 21 年 3 月 28 日
7) 谷川瑛二、川辺陽文、酒徳尚文、渡利純子、菅祥彦、佐藤秀昭、月原多佳久、矢野成
和、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「選択的リグニン分解菌 Ceriporiopsis subvermispora
- 197 -
における形質転換系の開発」、日本農芸化学会 2009 年度大会 福岡、平成 21 年 3 月
29 日
8) 津田冴子、和泉千尋、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「選択的白色腐朽菌 Ceriporiopsis
subvermispora の脂質代謝関連酵素遺伝子の代謝と転写解析」、日本農芸化学会 2009
年度大会 福岡、平成 21 年 3 月 29 日
9) 安東大介、大橋康典、石塚賢太郎、高谷光、中村正治、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆
司、
「フリーラジカルによるリグニンモデル化合物の立体選択的分解」
、日本農芸化学
会 2009 年度大会 福岡、平成 21 年 3 月 29 日
(講演)
渡辺 隆司、大橋 康典、月原 多佳久、渡邊 崇人、本田 与一、「木質バイオマ
10)
ス変換のための酵素的および非酵素的リグニン分解ラジカル反応」、第 60 回生物工
学会大会 仙台、平成 20 年 8 月 8 日
11)
T. Watanabe, H. Nishimura, S. Tsuda, R. Amirta, Y. Ohashi, M. Oyadomari, T. Watanabe,
Y. Honda, “Lignin biodegradation by selective white rot fungi as biotechnological tool for
lignocellulosic biorefinery”, MIE BIOFORUM 2008 Biotechnology of lignocellulose
degradation, Mie, 2008.9.1-5
渡辺隆司、大橋康典、西村裕志、津田冴子、月原多佳久、渡邊崇人、本田与一、
12)
「木質バイオリファイナリーに向けての担子菌リグニン分解系の解析と応用」、2008
年度日本農芸化学会関西支部大会シンポジウム 亀岡
平成 20 年 9 月 12-13 日
渡辺隆司、
「セルロース系バイオリファイナリーに向けてのリグニン分解系の開
13)
発」、応用糖質学会 第 28 回近畿支部シンポジウム
京都
平成 20 年 10 月 31 日
(4)出願特許
なし
(5)新聞・雑誌掲載
なし
【37】 分離・回収に係る基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Kin-ya Tomizaki, Shinkichi Shimizu, Masami Onoda and Yuichi Fujioka, “Heats of Reaction
and Vapor−Liquid Equilibria of Novel Chemical Absorbents for Absorption/Recovery of
Pressurized Carbon Dioxide in Integrated Coal Gasification Combined Cycle−Carbon Capture
and Storage Process”, Ind. Eng. Chem. Res., 2010, 49 (3), pp 1214–1221
2) Kin-ya Tomizaki, Mitsuhiro Kanakubo, Hiroshi Nanjo, Shinkichi Shimizu, Masami Onoda and
Yuichi Fujioka, “13C NMR Studies on the Dissolution Mechanisms of Carbon Dioxide in
Amine-Containing Aqueous Solvents at High Pressures toward an Integrated Coal Gasification
Combined Cycle---Carbon Capture and Storage Process”,
Ind. Eng. Chem. Res., 2010, 49 (3), pp 1222–1228.
(2)その他の論文
1) 金久保光央、
「イオン液体物理吸収法による CO2 の分離・回収技術」、未来材料、2010、
- 198 -
10 巻、7 号、41-45.
2) Katsunori Yogo, Tsuyoshi Watabe, Yuichi Fujioka, Yosuke Matsukuma, Masaki Minemoto,
“Development of an energy-saving CO2-PSA process using hydrophobic adsorbents”, Energy
Encyclopedia submitted for publication.
(3)口頭・発表
1)
町田 洋、山本 信、岡部
弘道、東井 隆行、藤岡 祐一、風間
CO2 化学吸収液の開発」、
伸吾、「高圧用
化学工学会第 42 回秋季大会、2010 年 9 月 6 日~8 日、
同志社大学今出川キャンパス
2) Hiroshi Machida, Shin Yamamoto, Satoshi Kodama, Kazuya Goto, Shinkichi Shimizu,
Hiromichi Okabe, Yuichi Fujioka, “High efficiency CO2 capture with amine solution from
high pressure gas.”, GHGT10 19-23 September(2010), RAI Amsterdam, The Netherlands.
3) Mitsuhiro Kanakubo, Fujimi Yamazaki, JiaLong Sun, Shin-ichiro Kawasaki, Hiroshi Nanjo,
Shinkichi Shimizu, Kin-ya Tomizaki, Masami Onoda, and Yuichi Fujioka,”CO2 Separation
from Gas Mixtures by Physical Absorption Using Ionic Liquids”5th Molecular
Thermodynamics and Molecular Simulation (MTMS2009), Oct 2-5, Kanazawa, Japan
4) Mitsuhiro Kanakubo, Fujimi Yamazaki, JiaLong Sun, Shin-ichiro Kawasaki, Hiroshi Nanjo,
Shinkichi Shimizu, Kin-ya Tomizaki, Masami Onoda, and Yuichi Fujioka, “Development of
Zero Emission CCS (CO2 Capture and Storage) by Ionic Liquid Physical Absorption
Techniquie” Supergreen 2009, Oct 15-17, Sendai, Japan
5) Shin Yamamoto, Hiroshi Machida, Hiromichi Okabe, Yuichi Fujioka, “Novel amine solution
development for high pressure CO2 capture and application examination to IGCC gas”
Pacifichem 2010 Honolulu, Hawaii, USA, December 15-20, 2010
6) 山﨑ふじみ・金久保光央・南條弘・清水信吉・町田洋・山本信・岡部弘道・藤岡祐一、
「イオン液体物理吸収法による 3 成分系混合ガスからの CO2 分離回収」、化学系学協
会北海道支部 2010 年冬季研究発表会、2010 年 1 月 25~27 日、北海道大学
7) 金久保光央・山﨑ふじみ・新妻依利子・南條弘・清水信吉・町田洋・山本信・岡部弘
道・藤岡祐一、「イオン液体物理吸収法による CO2 分離回収技術の開発---IGCC プロ
セスへの応用に向けて」、化学工学会第 75 年会、2010 年 3 月 18~20 日、鹿児島大学
8)
松隇洋介、峯元 雅樹、余語克則、藤岡祐一、「二酸化炭素の吸着分離装置に温度・
圧力が及ぼす影響の数値的検討」、化学工学会第 75 年会、2010 年 3 月 18~20 日、鹿
児島大学
(4)出願特許
1) 高圧用二酸化炭素吸収剤並びに高圧二酸化炭素吸収及び回収方法
特願 2009-281285 平成 21 年 12 月 11 日出願
2)
CO2 分離剤および CO2 の選択的分離方法
特願 2009-32551
平成 21 年 2 月 16 日出願(特願 2008-33674 に関わる国内優先出願).
(5)新聞・雑誌掲載
なし
- 199 -
【38】 大規模植林による地上隔離に係る基盤技術の開発
(1)査読のある原著論文
1) Xue Peng, Naoko Okai, Kenichi Inatomi, Masayuki Inui, Hideaki Yukawa*
“Characterization of the mannitol catabolic operon of Corynebacterium
glutamicum” (to be submitted)
2) M. Inui, M. Suda, S. Kimura, K. Yasuda, H. Suzuki, H. Toda, S. Yamamoto, S.
Okino, N. Suzuki and H. Yukawa., “Expression of Clostridium acetobutylicum
butanol synthetic genes in Escherichia coli.”,Appl. Microbiol. Biotechnol. 77:
1305-1316. 2008.
3) Masako Suda, Sakurako Kimura, Kaori Yasuda, Hiroaki Suzuki, Hiroshi Toda,
Shogo Yamamoto, Shohei Okino, Nobuaki Suzuki, Masayuki Inui and Hideaki
Yukawa., “Expression of Clostridium acetobutylicum butanol synthetic genes in
Escherichia coli”, BIO, ACS, NABC, DOE / 2008 年 4 月, Chicago, 5th Annual
Program & Abstracts The World Congress on Industrial Biotechnology and
Bioprocessing, p.21
4) Nishimura H., K. Murayama, T. Watanabe, Y. Honda, and T. Watanabe, “Absolute
configuration of ceriporic acids, the iron redox-silencing metabolites produced by
a selective lignin-degrading fungus”, Ceriporiopsis subvermispora. Chem. Phys.
Lipids, 159, 77-80 (2009)
5) Sato S., Y. Ohashi, M. Kojima, T. Watanabe, Y. Honda, and T. Watanabe,
“Degradation of sulfide linkages between isoprenes by lipid peroxidation
catalyzed by manganese peroxidase”, Chemosphere, 77, 798-804 (2009).
6) Watanabe T., S. Tsuda, H. Nishimura, Y. Honda, and T. Watanabe,
“Characterization of a Δ12-fatty acid desaturase gene from Ceriporiopsis
subvermispora, a selective lignin-degrading fungus.”, Appl. Microbiol. Biotech.
DOI: 10.1007/s00253-010-2438-1 (2010)
7) Nishimura H., T. Watanabe, Y. Honda, and T. Watanabe, “Structural and
functional analysis of secondary metabolites involved in extracellular glucan
sheath produced by Ceriporiopsis subvermispora.”, LIGNOBIOTECH ONE,
Reims, France, 29, Mar. 2010.
8) Honda Y., E. Tanigawa, H. Kawabe, J. Watari, T. Watanabe, and T. Watanabe,
"Genetic transformation and promoter assay systems in selective lignin degrader,
Ceriporiopsis subvermispora.”,LIGNOBIOTECH ONE, Reims, France, 30, Mar.
2010(予定)
(2)その他の論文
なし
(3)口頭・発表
1) 吉岡康一、安東大介、西村裕志、岸本崇生、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「レー
ザー脱離イオン化法によるリグニンの質量分析」、第 54 回リグニン討論会、静岡 平
成 21 年 10 月 30 日
2) 大橋康典、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「マイクロ波増感触媒反応を利用したバ
イオリファイナリーシステムの開発」、第 54 回リグニン討論会、静岡 平成 21 年 10
月 30 日
3) 大橋康典、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「フリーラジカルによるリグニンモデル
化合物の反応部位に関する研究(2)」、第 54 回リグニン討論会、静岡 平成 21 年 10
月 30 日
4) 西村裕志、佐々木碧、瀬戸川雄一、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「選択的白色腐
- 200 -
朽菌が産生するエポキシ化セリポリック酸関連代謝物の同定」、第 60 回日本木材学
会大会、宮崎,平成 22 年 3 月 17 日
5) 吉岡康一、岸本崇生、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、
「MALDI-TOF MS によるリ
グニンの質量分析」
、第 60 回日本木材学会大会、宮崎,平成 22 年 3 月 18 日
6) 谷川瑛二、川邊陽文、渡利純子、 渡邊崇人、本田与一、 渡辺隆司、
「選択的リグニ
ン分解菌 Ceriporiopsis subvermispora の安定形質転換系とプロモーターアッセイ
系の開発」第 60 回日本木材学会大会、宮崎,平成 22 年 3 月 18 日
7) 吉岡康一、岸本崇生、渡邊崇人、本田与一、渡辺隆司、「マトリックス支援レーザー
脱離イオン化法によるリグニンの質量分析」日本化学会第 90 春季年会(2010)、大阪,
平成 22 年 3 月 28 日
(4)出願特許
1) 特開 2009-039031、ブタノール生産能を有する形質転換体
2) 特開 2009-183259、形質転換体及びそれを用いるブタノールの製造方法
(5)新聞・雑誌掲載
1) 非食料資源からのバイオ燃料製造
乾将行、湯川英明、
環境バイオテクノロジー学会誌 Vol.9, No2, 75-79, 2009
以上
- 201 -
第3章 評価
第3章
評価
1.総合評価
CO2固定化・有効利用技術は利益に直結しなく、しかも開発に比較的長期間を要し、
投資リスクが高い技術である。そのため、CO2排出そのものの制限もしくはコスト化す
るような政策がない限り、民間企業の技術開発競争だけで、研究・開発が進むことは
ほとんど期待できない課題であり、本事業は国が積極的に関与して技術開発を推進し
た良い事例であると高く評価する。
本事業は、テーマの募集、取捨選択が常に技術戦略マップに照らし合わせ、実現の
可能性の議論の中で行われ、そして萌芽的な「先端的研究」に始まり、「基盤技術研
究」で実用化の可能性を確認し、「プロジェクト研究」につなげて実用化を目指すと
いう3ステップの仕組みは、未踏分野に挑む本事業にとってふさわしい研究マネジメ
ント体制であると評価できる。
研究テーマの選定に際しては、実施者以外の有識者評価委員による客観的な審査を
行い、公平かつ効率的な制度となっている。
本事業の特性から、現時点では事業化、波及効果の具体的な成果は顕著ではないが
、各分野で実用化へのシーズが読み取れる。また、これらの成果は既存の産業(農業
、鉱業、化学プラントなど)への波及効果も十分に期待できる。不確実性はあるが大
きなポテンシャルを持っている陸上固定分野も確実に拾い上げ、先導的な研究成果を
得ている。
2030年でのCO2削減コスト、2000~6000円/t-CO2というターゲットは、新
型吸収液や膜分離技術などによって、達成のめどが出てきている。
本事業の成果をふまえて、研究プロジェクトまで至っている7つの研究開発テーマ
は、低コストの CO2 分離・回収技術、森林による CO2 固定量の増大技術、バイオリフ
ァイナリーなど、いずれも今後の世界的な温暖化対策の枞組みや潮流のなかで、その
有効性が評価されつつあるものであり、先見性の高い研究開発プロジェクトであった
と評価できる。
一方、
CO2隔離技術および有効利用技術は具体的な数量的目標設定が困難であること
は理解できるが、今後も重要なテーマであり目標設定にさらに工夫を凝らして継続さ
れることを期待する。
今後、遺伝子組み換え植物・微生物などの研究では、その能力や機能とともに、生
物多様性の保全などもふまえて、環境中での影響評価も並行して取り組み、社会的受
容性を高める努力が必要である。
大きな成果を出すためにはポテンシャルの高いテーマや斬新的なテーマに対して
失敗を覚悟してでも果敢にチャレンジさせる環境が不可欠である。また、重要なテー
マと判断されれば思い切って予算を重点配分しテーマを絞り込むことも必要である。
今後はこのような研究開発環境整備も必要と考えられる。
- 202 -
【肯定的意見】
○2009年12月にコペンハーゲンで開かれたCOP15では、拘束力はないものの、産業革
命以前からの世界の気温上昇を2度以下に抑制するという目標について合意がなされ
た。大気中の等価 濃度を450ppm以下に抑えることができれば、この目標の達成が可
能であると推定されている(IPCC第4次評価書)。「IEAエネルギー技術展望2010」は
、この方向に沿って、エネルギー消費に起因するCO2排出量を2050年までに2005年比で
半減させるための技術戦略シナリオ「ブルーマップ・シナリオ」を示している。この
中でCCS(CO2の回収・貯留)は必須の技術とされ、2050年時点では必要なCO2削減量4
3Gtのうち19%を担うことになると分析されている。「プログラム方式二酸化炭素の
固定化・有効利用技術開発」は、10年以上前の平成11年度より取り組まれてきた世界
でも例のない事業であり、まずその先見性を高く評価したい。
○CO2固定化・有効利用技術は利益に直結しなく、しかも開発に比較的長期間を要し、
投資リスクが高いことから、民間単独で取り組むことが困難な開発課題である。技術
開発には国による後押しが不可欠である。当制度は国が積極的に関与して技術開発を
推進した良い事例であると高く評価する。
○二酸化炭素固定化は、大気というグローバルな公共財の管理に欠くことのできない
重要な部分を担っている。グローバルな公共財の管理のあり方について国際社会にお
いて合意形成を進める責務は、民間や市場ではなく国にあり、そのグローバルな公共
財の管理技術に直接関わる二酸化炭素固定化の新技術開発は国が関与して行うべき
事業である。国際的合意の有り様によって技術開発の方向が大きく変わりうるもので
あり、また、技術開発の結果が政策に大きな影響を与えるという点において、二酸化
炭素固定化は国が実施を主導する必然性がある。
○CO2の分離・固定・吸収は、省エネのようにコスト削減インセンティブがまったく働
かず、また新エネのように企業イメージの向上や資源セキュリティ上のメリットもな
い。CO2排出そのもの制限もしくはコスト化するような政策がない限り、民間企業の技
術開発競争だけで、研究・開発が進むことはほとんど期待できない。その意味で、ま
ず国が率先して、この分野にかかわる多様な技術を戦略マップという形で整理し、先
端的な研究テーマを募り、その中から有望な分野を基盤研究テーマとして絞り込み、
成果を見ながら、最終的に研究プロジェクトに移していくという手順は、研究テーマ
の“漏れ”を防ぎつつ、限られた研究・開発の資金・リソースを最大限に有効に配分
する手段として優れたものと言えよう。結果的に研究プロジェクトに残った7つのテ
ーマは、低コストのCO2分離・回収・隔離(CCS)や植物によるCO2固定量の増大技術、
バイオリファイナリーなど、いずれも今後の世界的な温暖化対策の枞組みや潮流のな
かで、その有効性が評価されつつあるもので、先見性の高い研究開発プロジェクトで
あったと評価できる。
○事業の当初は、全体的な目標設定や基盤技術研究(シーズ技術の有効性を実験室規
模で確認する)の選択は手探りの状況であった。平成16年度より「技術戦略マップ」
が策定され、広くアイデアを募り、可能性のある技術を探索する「先端的研究」が組
- 203 -
み入れられた。全体を俯瞰する戦略のもと、萌芽的な「先端的研究」に始まり、「基
盤技術研究」で実用化の可能性を確認し、「プロジェクト研究」につなげて実用化を
目指すという3ステップの仕組みは、未踏分野に挑む本事業にとってふさわしい研究
マネジメント体制であると評価できる。
○2030年における削減コストが2000~6000円/t-CO2を目標とし、さらに
、分離・回収に対して2020年頃までに2000円/t-CO2とより具体的に設定され
たのは評価したい。これらテーマでは、目標に対する現状での成果も顕著に現れてい
る。
○中間評価の指摘を受けて早い段階で技術戦略マップを作成し、以後毎年度ローリン
グアップしたのは非常に良い進め方であった。
○本事業の開始当初は、二酸化炭素固定化の新技術開発の必要性は認識されていたも
のの、国際的合意や国の政策の方向が明らかでない中、先導的に技術のシーズを蓄積
することに注力し、成果を得てきた。プログラム方式は本事業にとって最適な実施体
制であったといえる。さらに中間評価を経て効率化を進め、技術戦略マップを作成、
改訂して事業を推進することにより、実現可能性と社会的意義、政策的意義のある先
導的な技術が選択され重点化される仕組みを構築し、成果を得たことが高く評価でき
る。
○プログラム方式による事業推進は、これまでの事業推進に比べて大きな進歩があっ
たと評価できる。これまでは、テーマ取捨選択において明確な軸が存在しないために
、なぜそのテーマが選択されたのかどうしても不透明感がぬぐえず、過去の他の評価
委員会においても、なぜそのテーマが選択されたのか疑問を抱くケースもよく見かけ
た。だが、今回の技術戦略マップをもとにしたプログラム方式においては、テーマの
取捨選択が常に技術戦略マップに照らし合わせて行われるようになり、戦略実現の可
能性の議論の中でテーマの取捨選択が行われるようになったこととは大きな前進で
あり、尐なくとも疑問を抱くようなテーマ選択が無くなったことはおおいに評価でき
る。
○戦略実現のために全体の取り組みが見えるようにした意義は非常に大きい。戦略実
現のための技術課題を明確にし、その課題ごとにテーマを募集し実現性を検証してい
く手順を確立することで、今まで以上に無駄なテーマを排除し意味あるテーマを確実
に選定することで事業全体の成果を高めることができたと信じている。さらに、個別
テーマに対しては、プログラムにおける目標を示すことによってテーマの達成レベル
を提示できたことも意義あることである。これまでは、達成目標が不透明なため結果
評価に対しても基準もあいまいであり、それがどのような価値に貢献するのか出口の
イメージも見えないことも多かった。そのため、テーマで実現できた成果をもとにそ
の成果を正当化しようとする議論も行われ、正しい評価を行うことさえ難しい場合も
多かったが、それに比べる非常に大きな進歩であるということができる。プログラム
方式により、各テーマの位置づけ、期待されている目標などが明確になり、各テーマ
の研究の方向性が提示された意義は非常に大きいと考えられる。
- 204 -
○テーマ発掘から実現性確認まで一貫体制で行われ、1~3年という比較的短期間で
複数の研究テーマを並列的に走らせたプログラム方式については、中長期的な観点か
ら革新的な技術シーズを複数準備することを目的とした本事業に適した制度であり
評価できる。
○研究テーマの選定に際し、大学や民間企業等から広く提案を募集すること、技術戦
略マップに基づき重点テーマと一般テーマに分けて募集すること、また実施者以外の
評価委員による客観的な審査を行うことについては、公平かつ効率的な制度であり評
価できる。
○比較的予算額の大きい基盤技術研究について、開始2年目に有識者による中間評価
を行い実施テーマの継続・変更・中止を行うことは、限られた予算の中で実現可能性
の高い技術を取捨選択するのに適した制度であり評価できる。
○本事業で用いられたプログラム方式による技術開発は、先端的研究、さらに発展さ
せた基盤技術研究 その後プロジェクトへと発展させるものであり、民間では実施困
難な課題に対し国が中心となって実施する手法の大変良いケーススタディを作り上
げることができたと評価できる。総合的には高く評価できる。
○「先端的研究」(研究期間は1年)は平成20年度までに162件の応募があり、39件が
採択され、CO2分離回収、CO2隔離、大規模植林、バイオマス利用、CO2の有効利用等に
関する様々な技術アイデアが検証されている。39件のうち、基盤技術研究へ移行した
もの2件、成果が基盤技術研究で利用されたもの6件、研究プロジェクトで利用された
もの6件であり、萌芽的研究としての役割を十分に果たしたと評価できる。
○基盤技術研究(研究期間は標準3年)は平成11~21年度にわたる本事業期間に40件
が実施された。平成14年度開始分から平成19年度終了分まで24件の終了テーマについ
て事後評価が行われており、13件(54%)がB(普通)以上の評価を受けている。次
のステップすなわち実用化を目指す研究プロジェクトに移行したものは7件あり、実
験室規模という基盤研究の特性から考えて相当な成果をあげたと評価できる。○技術
戦略ロードマップのローリングを毎年実施し、これらの目標に対して、大枞としては
成果が得られたと判断する。 特に、分離回収には具体的数値の成果が得られ、プロ
ジェクト開発研究に移行し、実用化が大いに期待できる。
○本事業の特性から、現時点では事業化、波及効果の具体的な成果は顕著ではないが
、各分野で実用化へのシーズが読み取れる。 また、これらの成果は既存の産業(農
業、鉱業、化学プラントなど)への波及効果も十分に期待できる。
○毎年、最新情報を踏まえて技術戦略マップのローリングを行って、目標を明確にし
たテーマが選択されたことは大きな成果に値する。
○個別分野において、分離・回収、地中貯留、大規模植林による地上隔離の分野が選
定され重点化されているが、不確実性はあるが大きなポテンシャルを持っている陸上
固定分野を確実に拾い上げ、先導的な研究成果を得ていることは特に評価できる。ま
た、バイオマス利用、CO2有効利用という固定されたCO2の利用が一体的に進められて
いることも、
CO2の分離回収や陸上固定の技術の実用化の推進に大きく貢献するもので
- 205 -
あり、高く評価できる。
○個別の研究テーマについては、今回の研究・開発事業の全体を通した目標となった
CO2削減コスト、2000~6000円というターゲットは、新型吸収液や新促進材による吸収
液再生法などによって、達成のめどが出てきた。また、膜分離技術でも、高分子膜と
ゼオライト膜の双方で、海外研究機関との共同研究に発展する成果を得た。さらに新
材料や遺伝子組み換えなどは、他の産業分野への応用という面からも有望なものと評
価できる。
○また、バイオリファイナリー分野でも、より実用に近い開発を目指すNEDOのプロジ
ェクトや、企業との共同研究につながる基盤技術を見出すことができた。これらの成
果は、民間企業に対しても、技術開発の中長期的な方向性を示した点でも意義が大き
い。
○現在、ポスト京都議定書の国際的な枞組みは不透明であるが、2050年に先進国はCO
わが国でもエネルギー基本計画で2030年に
2を80%削減する長期目標で同意しており、
CO2排出30%削減の方向性は定まっている。研究プロジェクトの成果であるCCSや植林
によるCO2吸収、バイオリファイナリーなどは、こうした長期目標達成の技術オプショ
ンになりえるものだ。
【問題点・改善すべき点】
●CO2隔離技術および有効利用技術には具体的な目標値が設定されず、実施したテーマ
数そのものが成果に終了した感がある。これらの分野での具体的な数量的目標設定は
困難であるが、今後も重要なテーマであり、目標設定をさらに工夫を凝らして継続さ
れることを期待する。
●事業者である地球環境産業技術研究機構の評価用資料には、成果、目標の達成度に
対する自己評価と反省点の記述が研究テーマ毎に欲しかった。研究推進した当事者の
今後への思いこそが今後の研究成果の実用化につながるものである。
●資金配分年度毎総額がH14からH19にかけて漸増して約6.7億円となったあと、H20に
4.5億円、H21に1.8億円と減額されている最終年度はまとめの年度として大幅減額が
むしろ妥当と思われるが、H20年度は仕上げの年度として前年度と同額以上の配分と
なり得るプログラムを考えても良いのではないか。
●目標設定について感じるところであるが、国の事業であるがゆえに成果を確実に示
せる必要もあろうとは思われるが、確実な成果を求めすぎるとどうしてもチャレンジ
的な目標設定は出しにくく、確実性のための時間を要し研究のスピードも出ないとい
う傾向に陥りがちになる。これはある意味では、イノベーションを阻害する要因にも
なりかねない。大きな成果を出すためにはポテンシャルの高いテーマや斬新的なテー
マに対しては、失敗を覚悟してでも果敢にチャレンジさせる環境が不可欠であり、特
に早期の研究テーマに対しては失敗に対しての考え方を明確にし、低い成功確率と同
時に高い目標設定を設定し合意できるようにする制度が不可欠のように思われる。今
- 206 -
後、環境技術の差別化がわが国の競争力の源泉となる事を考えると、より失敗を恐れ
ずに積極的にチャレンジできるプログラム推進の環境整備が必要と思われる。
●テーマ選定における改善として、プロジェクトポートフォリオマネジメントの概念
を取り入れるべきであり、テーマ(プロジェクト)はハイリスク・ハイリターンのテ
ーマとローリスク・ローリターンのテーマをバランスよく選択することで、プログラ
ム全体の成果の最大化とリスクの最小化を検討する必要がある。そのためにも、評価
軸(戦略への適合性、技術の難易度、技術の新規性、技術成果のポテンシャル価値、
他技術とのシナジー価値等)をもっと明確にして、それぞれのテーマを評価し、さら
にはそれぞれのテーマに戦略性、リスク、価値について考えさせてテーマ提案をさせ
るプロセスを組み込むことで、より練られたテーマが提案される可能性が高まってく
る。そして、重要なテーマと判断されれば思い切って予算を重点配分し、テーマを絞
り込むことも必要である。
●総合的には高く評価できるが、大変成果の出たものと、あまり成果の出なかったも
のが混在している。先端的研究、基盤技術研究の課題選定にあたり、先端的研究は基
盤研究へ発展しなくてもよいが何らかの成果が反映されるよう、また、基盤技術研究
では研究プロジェクトへ行かなくてもよいが、十分な基盤的成果が出ることを、十分
考慮しなくてはならない。その仕組みをつくるべきである。たとえば、課題選定にあ
たり、十分理解した外部の専門家を交えて課題の選定をすること、研究を推進すべき
よきアドバイザーの参加等が必要であろう。
●事業者にとって、CCS自体の経済的効果は尐ないので、事業者にとってインセン
ティブが働くような事業化イメージの形成が重要である。今後、機会を見つけて事業
者参加のもとに、具体的な事業化イメージを形成していくことを期待したい。
●遺伝子組み換え植物による CO2 の効率的な吸収に関しては、長期的には意義のある
研究成果ではなるが、温暖化問題とともに重要性が増している生物多様性の保全、つ
まりその土地の固有種を植えるべきという考え方といかに折り合いを付けるかとい
う問題意識が薄いように思える。今後、遺伝子組み換え植物・微生物などの研究では、
その能力や機能とともに環境中でも影響評価にも並行して取り組み、社会的受容性を
高める努力が必要だろう。
●人工光合成と藻による炭化水素製造に関しては、今回の研究事業では、実用化が遠
いとして、研究プロジェクトにまで進まなかった。しかし、国内の一部研究者が際立
った成果を発表し、民間企業も交えて、研究が活発化し始めた。研究事業における初
期の研究シーズの発掘に問題はなかったか、先端研究から基盤、プロジェクトにテー
マ選定する過程で問題がなかったかなど、検証が必要かもしれない。
●技術マップ、技術戦略マップ、導入シナリオ、ロードマップなど互いに関連性のあ
る述語が並行して使われていて分かり難い。文脈からすると、技術戦略マップという
述語は技術マップからロードマップにいたる全体を指しているように思える。ロード
マップと導入シナリオの使い分けも定かでない。報告書の質にも関わるので、この例
に限らず、紛らわしい述語はできるだけ定義を明確にして使用すべきである。
- 207 -
2.今後の研究開発の方向等に関する提言
CO2 固定化・有効利用技術の開発は、まさに未踏分野への挑戦であり、その実用化・
利用拡大には数十年規模の時間が必要である。「技術戦略マップ」はその羅針盤とし
て重要な役割を果たすものであり、今後とも技術の最新動向等を注視し、ローリング
を行い、的確な情報を国民に与え、必要があれば適切な研究開発投資を国が行う際の
指針とすべきである。
国の関与が必要な研究開発には長期的なコミットメントのもとに継続的な事業推
進を行い、事業化においては、国際競争の中での企業の敗退は結果として国益の損失
を意味することになることから積極的に国が支援し、官民が一体となって事業化の推
進を行えるような体制も必要である。
今回のプログラム方式の技術開発は、技術立国を目指すわが国の技術開発戦略とし
て、非常に有効なものと考える。地球温暖化対策に資する技術シーズの発掘は引き続
きニーズがあるはずであり、このような制度は絶えず必要であると考える。また、技
術戦略マップを活用した研究開発方式は、CO2 固定化・有効利用技術分野だけでなく、
広く活用すべきである。
また、CCSにおける隔離手法や遺伝子組み換え植物のように、国際的な受容性、
社会的受容性の確保が技術開発と並んで重要になる場合もある。そのため、基盤研究
の段階から、オールジャパン体制にこだわらず、むしろ日本が主導権をとりつつ、他
国の研究機関、研究者と連携しながら、研究・開発を共同で実施することも必要であ
る。
【各委員の提言】
○人類がこれまでに野放図に大気中に排出してきた大量のCO2固定化・有効利用技術の
開発は、まさに未踏分野への挑戦であり、その実用化・利用拡大には数十年規模の時
間が必要である。「技術戦略マップ」はその羅針盤として重要な役割を果たすものと
期待される。そのためには、今後とも技術の動向や新たな課題を注視し、内容を絶え
ず時代の流れに即したものに充実していく努力が必要である。
○また、本事業で策定した技術戦略マップの有効性は極めて高く、国の政策の決定や
企業の方針の策定等様々な場面で大きな役割を果たしているものと評価できる。今後
も、実証段階に入った分野も含め、技術戦略マップのローリングを行い、的確な情報
を国民に与え、必要があれば適切な研究開発投資を国が行う際の指針とすべきである
。
○現代は、地球温暖化対策とエネルギー・資源の安全保障、加えて、雇用や経済活性
化など産業政策的な観点からも、次世代のエネルギー基盤、そしてエネルギー社会シ
ステムのあり方を巡って、様々な考え方が錯綜している。複数の有望技術が並立しつ
つ、本命技術を見定めにくい技術的多様性の時代が続くと思われる。そんななか、今
- 208 -
回のプログラム式の技術開発は、技術立国を目指すわが国の技術開発戦略として、非
常に有効なものと考える。CO2 固定化・有効利用技術分野だけでなく、広くこの方式
を適用してもらいたい。また、CO2 固定化・有効利用分野に関しても、定期的に技術
マップの見直しを行って有望なテーマを発掘、支援していくことが望ましい。
○プログラム方式によって、広くアイデアを募り、可能性を検証しつつ、実用化につ
ながりそうな基礎研究を実施し、重要な技術を絞り込んでいくという研究開発のやり
方は、多額の資金を要する実用化研究の前段階として有効に機能したと評価できる。
長期に及ぶ研究開発においては、適宜、このような前段階の研究開発を織り込んでい
くことが有効と考える。
○プログラム方式の研究開発は大学や研究機関の研究者に対し強力なメッセージを
発したことになり、研究者の当該分野に対する関心を高めたと予想される。地球温暖
化対策をどのように展開していくかは人類の将来に関わる喫緊の課題であり、研究者
の関心を高め、この課題に挑戦する研究者を海外も視野に入れて増やしていく工夫が
必要である。
○民間単独で取り組むことが困難な開発課題に対して、技術開発には国による後押し
が不可欠である。当制度は国が積極的に関与して技術開発を推進した良い事例である
と高く判断したい。
○先進企業において戦略マップの活用が徐々に浸透している現状において、国の政策
実現にもこの戦略マップを活用したプログラム方式の事業推進方法は、成果を確実に
していくためにも不可欠の仕組みであると考える。今後は、ある程度の規模の事業に
は全て戦略マップを活用したプログラム方式の適用を義務付けるように制度化して
頂きたい。
○プログラム方式の技術開発は戦略の透明性を増すことにつながるが、この方式を他
の施策にも幅広く適用することで、より施策の内容を透明化させ施策間の重複を減ら
したたり、施策間のシナジーを創出したり、アウトプットやアウトカムベースで施策
間の優先順位を見直し、柔軟に予算配分する仕組みを構築すれば、さらにもう一段レ
ベルアップしたプログラムマネジメントにより最適化が可能となる。そのための、施
策横断的な体制やマネジメント的な負荷は増えることになるが、それ以上の成果の獲
得が可能となるので、今までの組織の枞にとらわれず、是非ともその体制の構築につ
いての検討を行って頂きたい。
○研究開発の継続性については、もっと戦略的に進めて頂きたい。今回のプログラム
方式の事業はある程度の成果を出してくれたと評価しているが、残念ながらまだまだ
実現化に遠いステージである。国の関与についは、予算的な側面からも時間的な側面
からもいろいろと議論があることだとは思われるが、研究開発が成果を出すためには
長期的なコミットメントと継続性が不可欠である。本事業は国の関与が必要であるこ
とが明確であるならば、もっと長期的なコミットメントのもとに継続的な事業推進を
行っていただきたい。
○これは、本事業にとどまることだけではないが研究開発成果の事業展開に対しても、
- 209 -
国としての関与をもっと積極的に行って欲しい。現在の各国の新事業の推進はもはや
企業を超えて国レベルの関与が普通となってきている。これまでのように、国が企業
の事業推進を見守るだけでは国益につながらないどころか、国際競争において日本が
遅れをとることにつながりかねない。 国際競争の中での企業の敗退は結果として国
益の損失を意味することになり、その兆候がいたるところで見え始めており危機感を
強く感じる。特に事業化においては、総花的な支援ではなく、リスクを取って事業化
しようとする特定の企業に対しては積極的に国が関与し支援し、官民が一体となって
事業化の推進を行えるような体制ができるようにして頂きたい。
○本事業は平成 21 年度で終了したが、地球温暖化対策に資する技術シーズの発掘は
引き続きニーズがあるはずであり、このような制度は絶えず必要であると考える。
○このようなプログラム方式技術開発は、世界に負けない技術開発をするうえで、大
変有用な手法と考えられる。
○課題の選定に関しては、大胆にかつ柔軟に対応し、研究費の額において先端、基盤
でより幅を持たせてよいと考える。良い課題は重点化し、問題点のある場合は中止す
ることができる、しっかりとした評価・推進できるシステム・責任体制の構築が必要
であろう。
○また、CCSにおける隔離手法、遺伝子組み換え植物がそうであったように、国際
的な受容性、社会的受容性の確保が技術開発と並んで重要になる場合も増えている。
技術戦略上、一国が突出して進んだ技術を持っている場合、他国の警戒感が強くなる
こともある。こうしたことを防ぐために、基盤研究の段階から、オールジャパン体制
にこだわらず、むしろ日本が主導権をとりつつ、他国の研究機関、研究者と連携しな
がら、有望技術の選定から研究・開発を共同で実施することも必要だろう。
○今後、わが国に適用可能なCCSシステム全体すなわちCO2の分離回収、輸送、貯留
を一貫したシステムの選択枝を多く準備しておく必要がある。基盤技術研究の段階に
おいてもCCS全体システムを見通しての研究テーマの設定が必要と思われる。
○「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」は、”sustainable
development” と い う 言 葉 が 流 行 し て い た 10 年 前 に ス タ ー ト し 、 そ の 後
“development” がとれて “sustainable world” が標語となってきた今日までの
10 年間の事業としては、非常に良くマネジメントされ、妥当な成果を上げたと評価で
きる。しかし、本 「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」で浮か
び上がった新技術がすべてうまく実用化されたとしても、化石燃料起源のエネルギー
使用量が変わらないならば、現在の CO2 排出量の増加を鈍化させる程度の効果しか望
めない。
○今後 10~20 年の内に CO2 排出量を本当に 10~20 % 削減しようとするのであれ
ば、化石燃料起源のエネルギー使用量を抜本的に削減する技術の開発・実用化の為に、
本プロジェクトに倍する費用をつぎ込んで早急に取り組まなければならない。省エネ
ルギー技術の徹底的追求と、太陽光・風力・潮汐力・地熱・水力などのクリーンなエ
ネルギー源の利用技術、さらには常温核融合によるエネルギー利用技術などの開発・
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実用化が望まれる。核融合廃棄物処理には、本プロジェクトによる CO2 地中貯留技術
が応用できるのではないか。
○目標設定が困難である CO2 固定の分野において、国際的動向や政策的意図を十分に
くみ取り、先導的に技術のシーズを蓄積し、実用化に向けた方向を示し得たことは高
く評価できる。特に CO2 分離・回収分野、地中貯留分野は、実証とコストダウンの段
階に入っており、プログラム方式としての本事業は役割を終えたと考えてもよい。し
かし、大規模植林による地上隔離の分野は、実用化に向けた実証段階に達しておらず、
本事業のようなプログラム方式により今後も技術シーズの探索・抽出を継続して、技
術開発を強力に推進する必要がある。バイオマス利用分野は大きな成果を得ているが、
バイオマス利用分野だけが先行してもバイオマス生産の技術が確立しなければ陸上
固定の実用化はできない。陸上固定の分野は CO2 削減ポテンシャルが大きく、コスト
は非常に低いので、今後も重要な CO2 固定技術ポートフォリオの1つであり続けるだ
ろう。このため陸上固定分野の不確実性を解消するような技術の開発をプログラム方
式により今後も展開するべきであると考える。
○「4.事業化、波及効果について」において、CCS は 2015 年までの実用化を想定し
ていることが示されているが、実用化の見通しが明確には見えない。実用化に向けて
のシナリオ、問題点及びその解決方策等を具体化した上で今後の研究開発を進めてい
く必要があると考える。
○常にユーザー側の視点に立ち、実用化を視野に入れた研究開発を引き続きお願いし
たい。
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(個別要素技術に関するコメント)
①技術戦略マップについて
○平成 16 年度に「CO2 固定化・有効利用技術検討委員会」が設けられ、当該分野の「技
術戦略マップ」が策定された。以降毎年その内容の見直し・充実化が図られている。
この過程を通して重要分野の絞込みが行われ、「削減ポテンシャル・コストの両面か
ら有効な技術群で導入に向けた取り組みが進められるべき技術」として CO2 の分離・
回収技術、CO2 の地中貯留技術・海洋隔離技術、大規模植林による地上隔離技術が選
定され、コスト削減を主目標とした 2050 年までの技術の実用化・本格利用までの道
筋を示すロードマップが作られた。「技術戦略マップ」は「先端的研究」および「基
盤技術研究」におけるテーマ募集時の資料およびテーマの採択の指針として広く活用
された。また経済産業省における他プロジェクトの企画および研究開発マネジメント
においても利用されている。
○CO2 の分離・回収 ロードマップについて、発電だけでなく、製鉄における実用化
の道筋が分かるような工夫を望みたい。
○バイオマスの革新的利用は、カーボンニュートラルという観点から、将来大幅な CO2
排出抑制につながる。大規模植林による地上隔離 ロードマップに入れるだけでなく、
その位置付けを明確にして、別に独自のロードマップを作る必要があると考える。
○本事業が長期的計画であり、技術戦略マップを見直していくことは重要である。こ
れに対して、毎年、技術戦略マップのローリングを行い、最新情報を踏まえた充実化・
見直しを行っていることは評価できる。その結果、技術戦略マップに従い、テーマの
絞込み、技術シーズの探索、技術開発、プロジェクトへの移行と推移した結果が得ら
れている。大枞として成果が挙がったと判断できる。
○良く考えられている。大規模植林技術については、CO2 排出削減に対する寄与の定
量的評価手法の確立が技術開発ロードマップから読み取れない。今後の課題であろう。
○技術戦略マップの有効性は極めて高く、これを策定しローリングをしてきたことを
もって、本事業の成果は大きいと高く評価できる。今後も、技術戦略マップのローリ
ングを継続し、適切な研究開発投資を国が行う際の指針とすべきである。
○国として、技術戦略マップを活用しプログラム方式で技術開発を行ったはじめての
ケースかと思うが、これまでの場当たり的な技術開発にくらべて大きく前進した取り
組みであり、関係者や意思決定者に対しても全体の取り組み方や将来の成果達成シナ
リオを説明できる上でも非常に有効なツールとして機能していたと大いに評価でき
る。アウトプット・アウトカムの観点から限られた予算の中で最適なテーマを選別し
推進していったことで、より成果の期待できるテーマへの集中と選択が可能となり戦
略実現の可能性が高まったと考えられる。
○事業化のスピードに関して危惧している。もっと早く積極的な事業化を実現するに
はどうするか、技術の出口の検討をもっと積極的に議論し推進していって欲しい。
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○産官学から成る委員会により CO2 固定化・有効利用分野の技術戦略マップを作成し
たこと、また必要な調査を実施しつつ毎年ローリングが行われ、本技術戦略マップが
テーマ選定時の指針等に活用が図られたことは評価できる。今後も「新たなエネルギ
ー革新技術計画」など他の計画との整合を図りつつ毎年ローリングを継続し、CO2 固
定化・有効利用を戦略的に進めていく際の指針として引き続き活用されることが必要
であると考える。
○研究開発において、大変重要なものであり、大変良いものができ上がったと評価で
きる。マップは、1 度できたら当該期間は完成というのではなく、技術の進歩には著
しいものがあるので、既成概念にとらわれず、新しいものを取り込める余地を持たせ
ることが重要である。
○CO2 の固定化・有効利用分野を、まず「大規模排出源からの排出削減技術」と「大
気中の CO2 低減」に分け、さらに 5 分類(分離回収、隔離、変換・有効利用、生物に
より吸収固定、動物による吸収固定)に整理して、有望技術をリストアップしたこと
は、仮に気候変動がいっそう深刻化した将来、必要に迫られる対策技術に対し網羅的
に目配せし、優先順位を付けて研究開発しておく観点から大いに意義がある。民間ベ
ースで開発が進む「省エネ」
「新エネ」に比べ、
「出てしまう CO2」
「出てしまった CO2」
の削減や低減は経済的なインセンティブに乏しい一方で、それに対応する技術は多様
かつ技術の有望性の判断は難しい。この分野の技術戦略をリストアップして、幅広い
専門により議論して、国家として支援技術の優先順位を付ける作業は限られた研究資
金の有効活用・配分という点で有益だ。また、その過程で CO2 分離・回収(CCS)、大
規模植林による地上隔離の2分野に絞って研究を進めたことも、結果として妥当であ
った。CCS は、有効な温暖化対策として認知されつつあり、先進各国で実証プロジェ
クトの段階になっている。大規模所植林に関しては、REDD プラス(レッドプラス=森
林の务化抑制・炭素固定量増加による CO2 削減)という温暖化対策によるクレジット
の創出手法が国際的に定着しつつある。今回の研究テーマに関しては、遺伝子組み換
えに対する社会的受容性からすぐに応用できないまでも、大規模な植林・森林管理に
より大気中 CO2 削減の重要性が増すのは確実で、研究の方向性としては的を射ている。
ただ、今回の研究開発事業で、先端的研究のテーマとしての研究に終わった分野のな
かにも、人工光合成による水素生成、藻による炭化水素油の製造などは、海外では「ソ
ーラーフュエル」と呼ばれ、ここ数年、欧米先進国で脚光を浴び、官民で研究が活発
化している分野もある。今後は、こうした海外動向も踏まえ、技術戦略の再度の絞り
込みも必要だろう。
②分離回収技術について
○世界トップクラスの高分子膜が開発され、経済産業省補助事業の地球環境国際研究
推進事業「分子ゲート機能分離膜の基盤技術研究開発」、経済産業省補助事業「分子
ゲート機能 CO2 分離膜の技術研究開発」に発展するとともに、世界的にその価値が認
められ、米国 NETL (国立エネルギー研究所)と共同研究を実施している。またセラ
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ミック膜もトップクラスの性能のものが得られ、スタンフォード大学の GCEP(Global
Climate and Energy Project)のテーマとして採択されている。このように世界的に
も評価の高い膜分離 CO2 回収技術が生まれている。また、高圧ガス用吸収液・吸着剤
など低消費エネルギーで CO2 回収が可能な新しい液剤が開発されている。「CO2 分離回
収」技術に関しては、各技術の実用化に向けて性能向上あるいはコスト削減の目標が
設定され、着実に成果をあげていると評価できる。
○CCS全体のコスト削減に最も寄与する分離回収のコスト削減が期待されている。
本制度で実施した吸収法および膜分離法による分離回収技術の成果の一部は研究開
発プロジェクトに発展している。また、現時点で、目標とする 2000 円/t-CO2 以下と
なる試算がされている成果も出ている。技術的目標達成の可能性が高い分野である。
当分野の技術は世界をリードしている。わが国として、今後もリードを保持し世界の
市場拡大を図るためにも、長期目標達成を狙った革新的な分離回収技術の開発に着手
していることは評価できる。
○化学吸収と膜分離が残ったのは妥当な結果と思われる。ここの開発技術の進捗状況
は良好と判断する。
○様々な技術シーズを検証し、特に膜分離技術で大きな可能性を示した。実証段階に
おいてコスト削減の技術の開発を支援して、実用化を図る必要がある。
○分離回収技術については、吸収法と膜分離法の異なる方式での検討を進め、それぞ
れ目標設定された分離回収コストである 2,000 円/t-CO2 以下に目処をつけたことは評
価できる。特に膜分離においては、世界でも最高レベルの回収効率を実現したことは
すばらしい。しかし、これらの成果をどのように事業化に結び付けていくのかが見え
てこないのは残念である。例えば、2011 年 11 月 19 日(日本経済新聞記事)において
JFE エンジニアリングが 2,500 円/t-CO2 で製鉄所向けに設備販売に乗り出したとの記
事が掲載されていたが、この事業に関わっていた企業はどのような展開を行うのかが
説明されていない。新技術をはやく事業化して、実際のビジネスの中でさらにノウハ
ウを蓄積しないと他国にスピードで負けてしまうのではないかと危惧する。
○吸収法や膜分離法は有望な技術であり、実用化に向けて引き続き積極的な研究開発
の推進を期待する。
○イオン液体による液/液分離など従来検討されていなかった吸収法/再生法につ
いての検討を実施したことは、「中長期的な観点から可能性の高い技術シーズを複数
準備する」という本事業の目標にも合致しており、妥当であったと考える。
○ほとんどの課題が研究プロジェクトへと発展しており、研究成果の発表も着実に行
っており、高い成果が出ているものと評価できる。
○当初から目標に分離・回収コスト(2000 円/t-CO2、長期的に 1000 円/t-CO2)
を掲げ、革新技術を探索したことは、競争力がほぼコストで決まる同分野においては
妥当なものであった。従来のアミン吸収法の高効率化と次世代型である膜分離の双方
に取り組んだ点も、技術の多様性を保持しつつ、本命を探る現段階においては合理的
な選択であろう。
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○試算上とはいえ、分離回収コストが 2000 円/t-CO2 を下回るめどを得られたこと
は、大いに評価してよいだろう。
○吸収法では、アミン吸収液そのものの分子構造の改良による高効率化が限界に達し
ているなか、ここ数年、電気化学工学で脚光を浴びているイオン液体を使って液/液
分離を試みたり、分離時に圧力差を併用して低温排熱の活用に道を開いたりするなど、
化学エンジニアリングの側面から新しい発想で吸収液の再生エネルギーの大幅な低
減に可能性を見出したことは評価できる。
○膜分離では、高分子膜、セラミック膜の双方で、米機関・大学との共同研究にまで
発展するなど、海外からの一定の評価を得ている。高分子膜やセラミック関連の産業
技術は、日本企業の競争力の高い分野でもあり、産業政策的にも今後、日本主導での
さらなる進展が望まれる。
③CO2 隔離技術について
○「隔離 CO2」については、隔離のポテンシャルが大きく、かつ低コストで安全な技
術の開発が重要である。世界でも例のない、蛇紋岩帯に CO2 を圧入し、化学反応によ
って CO2 を固定する技術、海底に設置された構造物により引き起こされる人工湧昇流
によって、下層の栄養塩を上層に移行させ、植物プランクトンの増殖により CO2 を吸
収・固定させる技術など、革新的な隔離技術の現場実験が実施され、可能性の実証と
隔離ポテンシャルの推定が行われた。実用化までには多くの課題が残されているが、
主流の帯水層貯留の補完技術として評価できる。
○地中に貯留された CO2 の挙動を長期にわたって継続的に、精度よく監視することは、
貯留の安全管理のためである。海底に地震センサーを常設し、地中に貯留された CO2
の挙動を継続的に監視するモニタリングシステムの概念設計が可能であることが確
認され、現在、経済産業省補助事業「二酸化炭素貯留隔離技術開発」の中で本格的な
試験が実施されている。陸地に近い海底下地中貯留を実用化する場合、安全管理の面
から重要な技術になると評価できる。
○わが国でCCSを事業化する大きな壁となっているのが地中貯留のサイト選定で
ある。サイト選定には地質構造に大きく依存するので、諸外国と同じ概念のみをわが
国に適用することはサイト選定に大きな制約となる。わが国における地質構造条件、
CO2 発生源場所などを考慮した新しい貯留概念を開発し、サイト選定条件を幅広く拡
大しておく必要がある。この観点から、数種類の貯留概念を提案し、そのポテンシャ
ル量評価を含めた基盤技術研究を実施していることは評価できる。今後、これらの貯
留概念による貯留ポテンシャルに対して、事業化可能なレベルに限定したでの貯留ポ
テンシャル量の評価を期待したい。
○地中貯留の信頼性向上には、信頼できる CO2 地中挙動のモニタリングシステムの開
発は不可欠である。本制度での成果の一部は現在実施中の研究プロジェクトに反映さ
れているが、今後もさらに研究シーズを吸い上げる余地は多く残っていると思われる。
当プログラム方式を踏襲して、CO2 地中挙動のモニタリング技術のシーズを広く吸い
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上げていくことは有効である。
○海洋隔離の溶解希釈法については、生態系への影響の見積もり、吸収された CO2 の
大気への再放散見積もりの精度、など今後越えなければならないハードルが高いと思
われる。
○海洋隔離を含めて検証したが、最終的には地中貯留を優先するという判断は適切だ
ろうと考える。地中貯留は実証段階にあるが、地中貯留は CO2 固定の最終オプション
であり、国際的な約束を果たすために国が決断して実施する事業であり、冷静な見通
しをもって推進すべきである。
○CO2 隔離技術においては、海洋隔離や地中貯留が並行して進められ、ポテンシャル
が最も大きい海洋隔離がその有効性と安全性に対して国際的な同意を得ることが難
しいと判断され、海洋隔離技術の推進が中断された、その判断が行えたこと自体がプ
ログラム方式の成果であると評価できる。技術開発においては、外部状況の変化を把
握することは重要であり、たとえ技術が優れていてもその技術を受け入れる環境にな
ければ技術開発そのものが無駄になることも考えられる。そのリスクを高度的に判断
し、有効性は認めながらも時期的には早すぎるとの判断を行い、技術開発の方向性を
途中で変更したことは正しい意思決定であると評価できる。
○海洋隔離や地中貯留以外の新しい CO2 隔離技術の開発にもチャレンジし、その可能
性を広げていることも技術ポートフォリオの充実を図り戦略実現のオプションを拡
充している行為であり、良いアプローチであると評価できる。
○帯水層への地中貯留は、2020 年の本格適用を目指して引き続き積極的な研究開発の
推進を期待する。
○ハイドレート固定、蛇紋岩体固定等の新概念の CO2 隔離技術については、シーズ技
術としての有効性が確認され一定の成果を上げたことは評価できる。
○いずれの課題も研究プロジェクトへ進展しており、研究の進展がなされているもの
と評価できる。ただし基盤研究からの学会発表はあるが、特許、論文発表がないのは
問題である。成果を、広く知らしめる努力をしてもらいたい。
○CO2 の海洋隔離に関し、国際的な理解を得るめどが立たないなか、日本が自力で隔
離事業を行い得るのは、陸域での地中隔離か、海底下の地中隔離しかない。キャップ
ロック下への従来型地中隔離の国内でのポテンシャルやモニタリング技術について
はこれまでの研究事業で一定の成果はあったものの、狭い国土にあって陸域での地中
隔離に社会的な受容性を確保するのは簡単ではない。その点で、海底下に CO2 をハイ
ドレート形成によって固定するメカニズムや海中のプランクトン増殖・海底沈降によ
る固定メカニズムは新しい発想による隔離で、社会的受容性を得やすい手法とも言え
る。海洋国家である我が国の特性を考えれば、こうした海域を活用した隔離手法は非
常に重要だ。こうした新しい発想の隔離可能性を探り、広く公表していくことは、今
後、こうした隔離手法の研究を世界的に活発化させる上でも、意義があったといえる。
○一方で海底下での地中隔離の国内実証プロジェクトが進んでいる現在、こうした動
きをサポートして加速させるような研究も進めるべきではないか。具体的には、海底
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下地中隔離におけるもモニタリングは、陸域地中隔離とは違った手法が必要になる可
能性が高い。先進国においては石炭火力の新設には CCS 付が必須になりつつある流れ
のなか、CCS の現実味は増している。長期的に新概念の隔離手法を探索するとともに、
短期的には海底下の従来型地中隔離の実用化研究も強化すべきであろう。
④大規模植林とバイオマス利用技術について
○「大規模植林」においては、「葉緑体形質転換」という新手法が開発され、経済産
業省補助事業「二酸化炭素大規模固定化技術開発」に発展するとともに、多数のテー
マを生み出している。適用種もタバコからポプラ、アブラヤシと実用性の高い樹木に
展開され、また導入遺伝子も成長促進遺伝子からセルラーゼ形成遺伝子・乾燥耐性遺
伝子等へと拡大されている。また、乾燥ストレスに関する植物の耐性メカニズム検討
が進められ、これを応用した選抜技術などの非遺伝子組換え手法が形成されつつある。
多様な技術があるが、将来の進展が期待されているものが多いと評価できる。
○バイオマス利用では微生物集団やセルロソームのコリネ菌での発現、麹法バイオマ
ス糖化といった世界に例のない革新的手法が開発されている。また、有用物質変換で
はコハク酸、水素、ブタノールについてのトップクラスの研究が進められている。特
にブタノールは世界で競争が激化しつつあるが、従来の生産性の低い嫌気性細菌では
なく、好気性細菌でのブタノール変換に成功した。本研究はさらに技術研究組合によ
る技術開発につながっており、実用化に近づきつつあると評価できる。
○本制度によって開発された技術はプロジェクト研究に移行し、目標の成果が得られ
ていると判断する。
○大規模植林技術はバイオマス利用技術とセットで定常的に“カーボンニュートラ
ル”なエネルギーを生み出すが、“カーボンニュートラル”なエネルギーは化石燃料
との代替によって CO2 排出量の削減に寄与する。また、森林メンテナンスにもエネル
ギーを要する。このように、大規模植林技術の CO2 の排出量削減への寄与の定量的把
握は難しく、その手法の確立を意識した進行が望まれる。
○大気に拡散した低濃度 CO2 の固定は、植物の光合成による固定がほとんど唯一の方
法であり、大規模植林によるバイオマスへの CO2 固定は、そのポテンシャルが大きく、
コストが低いので、極めて重要である。本事業ではこの分野においても先導的な研究
を推進し、大きな成果を収めているが、実証の段階で尻すぼみになり、今後の展開の
方向が見出せていない。また、バイオマス利用分野との連携が明らかでなく、総合的
に見て基礎研究段階を抜け出ていないのは残念である。分野の戦略は正しく、技術シ
ーズの蓄積も進んでおり、実用化に向けた実証試験を強力に推進すべきだろう。この
分野は農水省・林野庁の所管でもあるが積極的に研究開発支援を行ってはいないため、
実用化への推進力になっていない。省庁の枞を超えて、国の事業としての支援が必要
である。
○バイオマス利用技術に関してはハードバイオマスの前処理・糖化技術等で大きな成
果を得ている。実証段階に入りコスト削減技術の開発が必要となっているが、実用プ
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ロセスが明瞭でなく、エネルギー、CO2、コストの目標が明らかでない。木質バイオマ
スからのエタノール生産に関しては、酸、アルカリ、水熱、微生物による前処理プロ
セスが考えられるが、総合的な CO2 収支を勘案した上、国が主導して前処理プロセス
の開発方向を定め、オールジャパンで取り組む必要がある。バイオリファイナリーは
有効な技術であるが、本来の CO2 固定の目標と乖離しないように CO2 収支を常に検証
し、バイオマス生産(大規模植林)分野と連携するような実行可能性の高いプロジェ
クトを、国として支援する必要がある。
○大規模植林とバイオマスの利用は、循環式の CO2 隔離・回収技術でありそのポテン
シャルも大きい。また、植物による CO2 固定だけでなくエネルギーへ等への変換も可
能であることから、一石二鳥の将来性のある技術である。その分、この分野の研究は
国内、国外において多くの研究機関で研究が進められている。本事業での課題として
は、研究自体というようよりも、他の研究機関や企業とのコラボレーションのあり方
かと思われる。その中で、NEDO や企業との共同研究も推進してきたかと思われるが、
もっと関連技術を調査し類似研究を実施している組織を調査し、他の組織とのコラボ
レーションをより積極的に推進することで、もっと成果のスピードを加速できたかと
思われる。オープンイノベーション的な発想をこのようなテーマには是非生かしてほ
しい。
○遺伝子組換え植物による大規模植林については、社会受容性の課題があることから
実用化に向けては慎重な対応が必要である。
○食料として使用されない草本類や樹木などのバイオマス資源を本事業のターゲッ
トとしたことは妥当である。また、「前処理・糖化」並びに「有用物質変換」につい
て、本事業の成果を基に実用化研究へと発展させたことは評価できる。今後の研究開
発により、食料と競合しないバイオマス資源利用の実用化を期待する。
○将来が期待される課題である。短期間で成果を出すことは容易ではない課題ではあ
るが、尐なくとも、基盤技術研究において研究の進展を周知させるため、論文発表が
できるよう努力してもらいたい
○植林や森林管理強化による CO2 の吸収・固定は重要である。京都議定書の下では、
吸収源 CDM(クリーン開発メカニズム)については追加性などの課題から普及しなか
ったが、ポスト京都議定書では、
「REDD プラス」という形で森林管理の強化による CO2
固定をクレジット化する仕組みが固まりつつある。植物による大規模な CO2 固定を温
暖化対策として再評価する動きは国際的に大きな流れと考えてよい。ただ、今回の研
究の根幹であった「遺伝子組み換えによる新植物」は、温暖化問題とともに重要性が
増している生物多様性保全による固有種の重視の考え方からは、当面、実際のフィー
ルドで導入できる状況にはない。しかし、将来的にいっそうの温暖化影響の深刻化し
た場合、一定の環境アセスメント要件を満たせば、遺伝子組み換え植物による CO2 の
効率的な固定が認められる可能性もある。また、遺伝子組み換えの技術は産業的にも
応用範囲が広く、戦略技術になりうる知的集約度の高い技術だ。そうした観点から、
光合成を増大させる遺伝子組み換え手法の基礎的な知見が得られたことは評価でき
- 218 -
る。
○また、非食用バイオマスを分解・糖化して材料として有用な物質を作る「バイオリ
ファイナリー」は、素材産業の脱化石資源化を進め、資源の安全保障の面からも、重
要性は格段に増している。すでに複数の日本企業が、ブラジル産のサトウキビ残さを
原料にしたバイオポリエチレン、バイオ PET などを採用している。国産の稲ワラや樹
木を分解・糖化する技術は、国産バイオマスの比率を高めるうえで価値が高い。遺伝
し組み替えコリネ菌による糖化、コハク酸、水素、ブタノールなど有用物質への変換
は、化学エンジニアリングとしてはまだ基礎的な段階で、商用プラントとしてはまだ
課題が多いことも確かだ。とはいえ、基盤研究から研究プロジェクトに進展し、企業
との共同研究にまで発展したことは、民間企業のバイオ素材開発への意識・意欲を高
め、素材産業の将来的なあり方、方向性を示した点でも意義深いものであった。
⑤CO2 の有効利用技術について
○CO2 は炭素の最安定系であり、を有用物質に変換するには一般に大量のエネルギー
が必要である。ある技術が候補としてあがった場合、真に CO2 削減技術として有効か
どうかを十分に検討する必要がある。「 CO2 の有効利用」では、鉄鋼スラグやコンク
リート廃材を利用し、 CO2 を安定なアルカリ土類炭酸塩(たとえば炭酸カルシウム)
として固定化し、有効利用する技術の研究が実施された。実プラントを意識して、実
現の可能性と課題を明らかにした優れた取り組みと評価されている。
○CO2 削減の理想の究極手段は CO2 有効利用である。しかし、実用化へのハードルが高
く、本制度で選定したテーマでは、有望な成果が期待出来なかったようだ。しかし今
後ブレイクスルーする可能性を秘めた分野である。長期的な視点で、有望なシーズを
見出していく制度を組織していくべきと考える。
○逆説的に申し上げる。エネルギーを消費した結果として CO2 が排出されるとしよう。
原材料から有用物質に変換する過程に要するエネルギーを消費した結果として CO2
が排出され、その CO2 を、エネルギーを使って有用物質に変換することによってトー
タルの CO2 排出が削減される技術があるとしたら、その技術を浸透させていくと CO2
の排出無しで化石燃料から我々が必要とするエネルギーが得られることになる。それ
なら、あるだけのお金をつぎ込んでもその技術開発に打ち込むべきであろう。
○単刀直入に申し上げる。CO2 の利用は CO2 の特性を利用する目的で開発された技術
に限って意味があるのであって、その技術が我々の社会生活全般に及ぼす影響は限ら
れている。CO2 の“有効”利用という概念そのものが子供だまし(一般国民だまし)
であり、真っ先に“事業仕分け”の対象となるべきと考える。
○固定 CO2 の有効利用に関しては、炭酸塩固定という大きな成果を得ている。しかし、
まだシーズ探索・抽出が可能な分野であり、プログラム方式により有効利用技術の開
発を進める必要がある。
○回収した CO2 を積極的に有効利用しようとするものであり、重要な分野である。実
用化に向けての今後の見通しが明らかでないように見受けられるが、引き続き本事業
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で得られた知見を生かしたさらなる研究開発を期待する。
○CO2 を反応させて有用物質に変換を行う際のエネルギー消費については、LCA 評価を
行い、当該技術の GHG 削減効果を見極める必要がある。
○将来が期待される課題であり、いずれも研究プロジェクトへ発展し、成果が期待さ
れる。
基盤研究課題において、大変精力的に成果を発表しているグループは高く評価できる
が、特許が絡んでいるためか判断できないが、成果発表が非常に尐ない課題も存在す
る。成果を広く知らしめる努力をしてもらいたい。
○CO2 の光還元により、水素やメタノールなどの燃料を製造する技術、いわゆる「人
工光合成」は、究極の環境技術、科学者の夢などといわれる。現在、この分野では半
導体光触媒、金属錯体触媒などの方向性があり、今回の基盤研究では、金属錯体中心
に絞って研究を集中した結果、光触媒反応メカニズムを解明し、CO2 光還元能の向上
させる可能性が見出された。基礎的な段階とはいえ、将来につながる一定の成果と言
える。限られた研究リソースを、新たな反応場として最近、注目を浴びている金属錯
体に集中したことは合理的な選択であったといえよう。
○一方で最近、人工光合成の研究では、半導体光触媒の改良により、従来、紫外線に
限定されていた水分解による水素製造を、可視光で実現する成果が出ている。こうし
たなか、米国でも人工光合成による燃料製造を「ソーラーフュエル」と呼び、研究開
発を強化する動きが出てきた。もともと光触媒は日本の研究者が見出したものでもあ
り、わが国でも半導体光触媒を使った水の分解による水素製造、その先にある CO2 還
元による燃料製造の基盤研究を強化する必要があるのではないか。
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第4章
評点法による評点結果
第4章 評点法による評点結果
「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」に係るプロジェクト評価
の実施に併せて、以下に基づき、本評価検討会委員による「評点法による評価」を実
施した。その結果は「3.評点結果」のとおりである。
1.趣 旨
評点法による評価については、産業技術審議会評価部会の下で平成 11 年度に評価
を行った研究開発事業(39 プロジェクト)について「試行」を行い、本格的導入の是
非について評価部会において検討を行ってきたところである。その結果、第 9 回評価
部会(平成 12 年 5 月 12 日開催)において、評価手法としての評点法について、
(1)数値での提示は評価結果の全体的傾向の把握に有効である、
(2)個々のプロジェクト毎に評価者は異なっても相対評価はある程度可能である、
との判断がなされ、これを受けて今後のプロジェクト評価において評点法による評価
を行っていくことが確認されている。
また、平成 21 年 3 月 31 日に改定された「経済産業省技術評価指針」においても、
プロジェクト評価の実施に当たって、評点法の活用による評価の定量化を行うことが
規定されている。
これらを踏まえ、プロジェクトの中間・事後評価においては、
(1)評価結果をできる限りわかりやすく提示すること、
(2)プロジェクト間の相対評価がある程度可能となるようにすること、
を目的として、評価委員全員による評点法による評価を実施することとする。
本評点法は、各評価委員の概括的な判断に基づき点数による評価を行うもので、評
価報告書を取りまとめる際の議論の参考に供するとともに、それ自体評価報告書を補
足する資料とする。また、評点法は研究開発制度評価にも活用する。
2.評価方法
・各項目ごとに4段階(A(優)、B(良)、C(可)、D(不可)<a,b,c,dも同様
>)で評価する。
・4段階はそれぞれ、A(a)=3点、B(b)=2点、C(c)=1点、D(d)=0点
に該当する。
・評価シートの記入に際しては、評価シートの《判定基準》に示された基準を参照
し、該当と思われる段階に○を付ける。
・大項目(A,B,C,D)及び小項目(a,b,c,d)は、それぞれ別に評点
を付ける。
・総合評価は、各項目の評点とは別に、プロジェクト全体に総合点を付ける。
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3.評点結果
評点法による評点結果
(プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発)
評
価
項
目
平 均 点
標準偏差
1.事業の目的・政策的位置付けの妥当性
3.00
0.00
2.研究開発等の目標の妥当性
2.25
0.46
3.成果、目標の達成度の妥当性
2.00
0.00
4.事業化、波及効果についての妥当性
2.00
0.53
5.研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等の妥当性
2.50
0.76
6.総合評価
2.75
0.46
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「プログラム方式二酸化炭素固定化・有効利用技術開発」事後評価
今後の研究開発の方向等に関する提言
本事業のように長期的な課題を目標としている場合にプログラム方式を使うことは適切で
あるが、もう尐し整備された方式で実施すべきであった。有望なテーマを選択していくプロ
セスを作り込むこと、可能性をいろいろ追求できるような仕組みとすること、また、コスト
評価を行う際に、計算方法や精度まで含めた妥当性が検証されるような形が維持されること
が望ましい。
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