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活動報告書(平成26年度・27年度) - 大学教育再生加速プログラム
目 次 はじめに 愛媛大学における高大接続の推進について 学 長 大橋 裕一 ……… 2 大学教育の到達点の高度化を目指して 副学長 壽 卓三 ……… 3 1 事業概要 ⑴ 事業の目的・目標 ………………………………………………………………… 4 ⑵ 取組内容 …………………………………………………………………………… 5 ⑶ ポンチ絵 …………………………………………………………………………… 7 ⑷ 実施体制 …………………………………………………………………………… 8 2 取組概要 ⑴ 平成26年度の取組概要 …………………………………………………………… 9 ⑵ 平成27年度の取組概要 …………………………………………………………… 10 3 アメリカにおけるアドバンスト・プレイスメント (AP) …………………………… 13 4 パイオニア・アドバンスト・プレイスメント (P-AP) プログラムの創設と 二重単位の付与 ⑴ 概要 ………………………………………………………………………………… 17 ⑵ 英語 ………………………………………………………………………………… 19 ⑶ 数学 ………………………………………………………………………………… 21 5 ルーブリック評価の開発 ……………………………………………………………… 23 6 ICT教材の活用 ………………………………………………………………………… 26 7 附属高等学校における課題研究 ……………………………………………………… 28 8 附属高等学校におけるフリーサブジェクト ………………………………………… 31 9 スーパーサイエンスハイスクール,スーパーグローバルハイスクール指定校等 との連携 ………………………………………………………………………………… 33 10 成果の公表・普及活動 ………………………………………………………………… 37 11 委員会等の開催状況 …………………………………………………………………… 39 12 参考資料 ………………………………………………………………………………… 42 愛媛大学における高大接続の推進について 中央教育審議会「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育, 大学教育,大学入学者選抜の一体的改革について(平成26年12月22日答申)」を受けて 「高大接続改革実行プラン(平成27年1月16日文部科学大臣決定)」が策定された。こ のプランは,大きく変容する新しい時代に向けて,大学教育,高等学校教育及び大学入 学者選抜について三位一体の改革を実施し,知識の獲得・再生を重視する教育から,思 考力・判断力・表現力や主体性・多様性・協働性の涵養を重視する教育へと,我が国の 初等中等教育と高等教育を抜本的に変革することを謳っている。こうした改革の中で, 大学が主体性をもって取り組むべき最優先の課題は,新時代人材の育成に向けた新しい 教育の創生とその提供,そして,高等学校や受験生への明確な情報発信を通じて,適切 な高大接続を図ることである。 愛媛大学では,文部科学省の「大学教育再生加速プログラム」に採択された事業 (テーマⅢ:高大接続)において,高校と大学が各々の教育目標や教育内容,方法につ いて相互理解を図り,高校教育と大学教育の連携を強力に進めるための新たな取組を展 開している。また,平成32年度から実施される新たな大学入学者選抜制度に即応できる よう,本学の教育コーディネーター(学部・学科の教育責任者として教育方針の立案な どを担う「教育重点型教員」)及び入試業務に関わる教職員らが,「学力の三要素(① 十分な知識・技能,②それらを基盤にして答えが一つに定まらない問題に自ら解を見い だしていく思考力・判断力・表現力等の能力,③これらの基になる主体性をもって多 様な人々と協働して学ぶ態度)」を踏まえた入学者選抜に係る評価手法の検討をすでに 開始している。今後は,「学力の三要素」を踏まえたアドミッション・ポリシー,カリ キュラム・ポリシー,ディプロマ・ポリシーの見直し作業を行う予定としている。 さらに,四国地区国立大学連合アドミッションセンター(平成25年5月に設置。愛媛 大学(幹事校),徳島大学,鳴門教育大学,香川大学,高知大学)では,インターネッ ト出願を利用して入学者選抜資料の多元化を図り,在学時の多様な活動歴等を収集する ことなどを通じて「学力の三要素」を評価する仕組みづくりを検討している。 こうした特色ある高大接続に関する取組や入学者選抜評価の仕組みづくりは我が国で はまだ緒についたばかりである。本学は,大学教育のパイオニアとして,これらの取組 の成果を愛媛県,四国,そして全国へ普及浸透させることを目指している。 平成28年3月 愛媛大学長 大 橋 裕 一 -2- 大学教育の到達点の高度化を目指して 愛媛大学では,「大学教育再生加速プログラム(テーマⅢ:高大接続)」の採択を受 け,まず,学長の強いリーダーシップが発揮できるよう学長の下に高大接続推進室を設 置(平成26年12月)し,本事業の円滑な管理運営,事業の実施,評価を実施するための 組織体制の整備を行った。 本事業においては,大学と高校との共同による高大接続教育モデルプログラムの開発 と教学IR(Institutional Research)による効果測定を行い,全国的にも数少ない大学の 附属高等学校を持つという特色を活かした新たな高大接続のモデル構築を行う。 具体的には,本学の附属高等学校をモデルとして取組んできた大学・高校教育の円滑 な接続方法の研究・開発を発展させ,高校段階で“学びへの意欲”を高めることによっ て大学における“深い学び”を確保し,大学教育の到達点の高度化を図るため,本取組 においては,次の三つの柱に取り組む。 ①パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの創設と二重 (デュアル)単位の付与, ②ルーブリック評価による「課題研究」の高度化と入試への活用, ③高大で一貫して汎用的能力を育てるICT教材の開発 この三つの取組を通して,高大接続事業による問題発見・解決力育成の成果を深化発 展させ,「幅広い教養と深い理解」, 「学び続ける意欲」, 「知の運用能力」を育成する。 さらに,教学IRによって大学入学後も接続教育の効果測定を行い,高校及び大学教育 の質的向上を図るとともに,本取組で得た知見や評価方法を,能力・意欲・適性等を多 面的・総合的に評価・判定する新入試制度の導入においても活用することとしている。 また,本取組の実施に当たっては,本学の附属高等学校だけではなく,文部科学省 のスーパーグローバルハイスクール(SGH)及びスーパーサイエンスハイスクール(S SH)指定校の生徒にも対象を拡げ,平成27年度から大学レベルの授業を高校生に公開 授業として開講したが,この授業が高校生の学ぶ意欲のモチベーション向上に繋がった と高校教員から高く評価された。また,「課題研究」に係る評価手法の開発に当たって は,高校の教員と密に連携を図り,新たなルーブリック評価尺度を開発した。開発した ルーブリック評価尺度は,今後,試行を繰り返しながら,入学者の多様な能力や資質を 評価する入学者選抜において活用できるよう見直し・改善を図る。 今後,本取組を着実に実施するため,高校と大学が互いの教育目標や教育内容につい て相互理解を図りながら,よりよい高大接続教育モデルを構築できるよう進める。 平成28年3月 (大学教育再生加速プログラム担当者) 愛媛大学副学長 壽 卓 三 -3- 大学教育の到達点の高度化 ~ 早期の “動機付け” から “深い学び” へ ~ 1 事業概要 ⑴ 事業の目的・目標 愛媛大学憲章(平成16年度策定)では,学士課程教育の目的とそのための改革方針に ついて「学生が豊かな創造性,人間性,社会性を培うとともに,自立した個人として生 きていくのに必要な知の運用能力,国際的コミュニケーション能力,論理的判断能力を 高める教育を実践する」と謳っている。さらに,愛媛大学憲章を具現化するための行動 目標である「愛大学生コンピテンシー」(平成24年度策定)によって,愛媛大学が育成 する人材像が明確にされている。この愛大学生コンピテンシーでは,本学の学生として 期待される汎用的で転移可能な能力を以下の5項目に整理した。 Ⅰ 知識や技能を適切に運用する能力 Ⅱ 論理的に思考し判断する能力 Ⅲ 多様な人とコミュニケーションする能力 Ⅳ 自立した個人として生きていく能力 Ⅴ 組織や社会の一員として生きていく能力 しかしながら,これらの汎用的能力は大学入学以前から育成が可能であり,むしろ大 学入学後に開始したのでは遅きに失する。社会が求める汎用的能力の育成には,高校生 の時期から,いわゆる“受験教育”とは異なる,大学でのより深い学びに向けた準備教 育を始めることが効果的である。高校生一人一人の能力や資質,志向やモチベーション に即しつつ,密接な高大接続による「7年間の一貫教育」によって,発達段階に応じた 知的トレーニング(例えば言語の運用能力やICTリテラシーに関する教育)を長期間に わたって段階的に実施することにより,学生は大学入学直後から高等教育本来の教育内 容に容易に移行でき,“深い学び”によって大学教育の到達点をより高度化することが できると期待される。 効果的な高大接続のためには,愛媛大学憲章や本学のアドミッション・ポリシーを十 分に理解し,確かな学力と学びに対する高いモチベーションを持って入学する新入生の 確保が欠かせない。そのための方略の一つとして,本事業では愛媛大学附属高等学校 (総合学科,学年定員120名)を高大接続の格好のモデルと位置付ける。愛媛大学は, 平成20年4月に農学部附属農業高等学校を愛媛大学附属高等学校(以下,附属高校)に 改組した。改組以来実施されてきた課題発見・解決型学習による高大接続教育プログラ ムは,大学が必要とする「学びに対する高いモチベーション」「確かな学力」「地域を 担う意欲」を持ち合わせた生徒を育成することを目指している。「地域にあって輝く大 学」として地域の発展に貢献することを謳う愛媛大学の理念に一致する教育目標を掲げ る附属高校においては,将来は地元愛媛でリーダーとして活躍したいと考えている生徒 が多いため,愛媛大学への進学を希望する生徒の割合が極めて高い(高校入学時には -4- 90%)。しかし愛媛大学は国立大学として,附属高校の生徒を優先した入試枠を設定す ることはせず,公平公正な入学者選抜を行っており,附属高校からの入学者は例年60人 前後である。 以上の実績を踏まえつつ,本事業では以下の3つの取組によって,より高度な高大接 続教育のモデルを構築する。そして,大学と附属高校との協働で高大接続教育プログラ ムを開発するだけではなく,教学IR(インスティテューショナル・リサーチ)によっ て接続教育の効果を測定・実証することによって,汎用性の高い高大接続教育プログラ ムを研究・開発する。 ⑵ 取組内容 ① パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの創設と二重 (デュアル)単位の付与 昨今の大学生の問題点として,学問への興味の幅が狭く,大学入学直後の共通教育 (教養教育)課程でも同じような科目ばかりを履修してしまう傾向が指摘されてい る。そこで大学入学後だけではなく,入学前の時期も含めて幅広い分野の基礎を学ぶ ために,附属高校生は高校の正規科目「フリーサブジェクト」において3年次に120 人全員が,週1コマ愛媛大学のキャンパスに通って大学生とともに共通教育科目を受 講している。大学進学へのモチベーションを高めるため,本事業ではさらに,大学生 に匹敵する学修成果をあげた場合には入学後に大学の正規の単位として認定するなど 高大接続を実質化する措置をとる(二重(デュアル)単位の付与)。これにより,対 象学生は,既に修得した分野以外の教養科目を履修することにより,一般の学生より もより幅広い分野の教養科目の履修が可能となる。また,新規事業として,意欲と能 力の高い高校生向けに大学の教育内容を先取りした,数学と英語のパイオニア・アド バンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムを開発する。これを受講し,一定以 上の成績で修了した生徒が愛媛大学に進学した場合には,該当する内容の基礎科目の 受講は既修得単位として免除し,興味関心に従ってより幅広い教養科目等の受講を認 めて,大学における学びの幅を広げる。 ② ルーブリック評価による「課題研究」の高度化と入試への活用 附属高校3年次の「課題研究」では,生徒120人全員が約50人の本学教員から直接 指導を受けることで,課題発見・解決能力を伸ばし,大学進学へのモチベーションを 高めるとともに「地域を担う意欲」を養っている。また,愛媛県立松山東高等学校に 対しては,300人以上の生徒に対する「課題研究」を本学教員が指導している。 本事業では,「課題研究」で培われた「確かな学力」の測定のため「愛大学生コン ピテンシー」の各項目(情意領域を含む)に対応したルーブリックを新規に開発す る。このルーブリックは,評価の妥当性・客観性を向上させるだけでなく,「課題研 究」自体の高度化を促すものである。また,開発するルーブリックを,スーパーグ ローバルハイスクール(SGH)やスーパーサイエンスハイスクール(SSH)など他の 制度に基づいた「課題研究」にも応用可能なものとして設計することで,教育再生実 行会議や中央教育審議会高大接続答申等が述べる「能力・意欲・適性を多面的・総合 -5- 的に評価・判定する入学者選抜」のための,汎用性の高い“評価ツール”を提供する ことができる。 ③ 高大で一貫して汎用的能力を育てるICT教材の開発 高校から大学への教育の一貫性を高め,汎用的能力を育成するために,愛媛大学で 初年次の基礎教育科目として既に開設されている「日本語リテラシー入門」や「情 報リテラシー入門」について,附属高校での早期履修が容易になるよう,高校生の レベルにあった大学入学前教育のためのICT教材を新たに開発する。附属高校でも タブレット端末を用いた教育手法を既に試行的に導入して成果を上げつつあるが, 本事業では,課題提示やレポート提出では愛媛大学が導入している学習支援ツール (Moodle)を活用して高度化を図る。プログラムの開発は,FD・SD活動の一貫と して愛媛大学と附属高校の教員及び学生・生徒が協働で行うこととし,互いの認識共 有を深める。大学と附属高校が連携することにより,受講開始時期についても大学入 試の合格時期に合わせた柔軟な対応が容易である。 本事業が深化させようとしている附属高校をモデルとして活用した高大接続教育プ ログラムは,高校と大学との学修面におけるギャップを解消し,いずれの高校から進 学してくる学生でもスムーズに大学教育に適応し,卒業時の学修達成度をより高度な ものにすることができるように導くための,多くの手がかりを提供する。例えば,現 在でも附属高校出身者は,日本語リテラシー教育やリーダーシップ教育などの愛媛大 学が得意とする教育プログラムを早期(高校2年次)に履修し,その学修成果を身に つけて大学に入学するため,学修において困難を感じることが少なく,学修面や生活 面でとまどいを感じ孤立感を深めかねない大学生同士のつなぎ役としての力を発揮す ることが多いと言われている。このような高校段階でのリテラシー教育(言語,情報 等)の効果は,大学入学後に全学生を対象として行う日本語能力試験や英語能力試験 (両者の併用によって総合的な言語運用能力を測定する)等によって,定量的に分析 可能である。さらに高度化を図ったこれらの高大接続教育プログラムの教育効果を教 学IRによって実証することにより,データに裏付けられた信頼性の高い大学教育改 革を推進することができる。 -6- ⑶ ポンチ絵 -7- ⑷ 実施体制 高大接続に関して,学長のリーダーシップにより実効性のある事業を推進するため, 学長の下に「高大接続推進室」(以下「推進室」という。)を設置し,推進室は,室長 (理事・副学長(教育担当)),副室長(学長が指名する理事,副学長又は学長特別補 佐),室員及び事務職員で構成する。 本推進室は,高大接続に関する包括的な全学組織であり,愛媛県内のSGH,SSH指定 校に対する全学的な協力の核となっている。大学教育再生加速プログラム(AP)の採 択を受け,本推進室に大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会を設置し,その 委員会の下に三つのワーキンググループを設置した。 「P-APプログラム開発ワーキンググループ」では,パイオニア・アドバンスト・プレ イスメント(P-AP)プログラムの創設と二重単位の付与に関する検討を行う。「「課題 研究」評価ワーキンググループ」では,「課題研究」の高度化を図るためのルーブリッ ク評価等の開発を行う。「ICT教材開発ワーキンググループ」では,高大で一貫した汎 用的能力を育てるICT教材の開発を行う。 推進室及びこれらのワーキンググループにおける円滑な検討及び実施を図るため,大 学と高校の教育目標や内容を相互に理解して進める必要があることから,大学教員だけ ではなく,高校教員を構成員として配置し,検討を行う体制を構築した。 一方,本取組の評価体制としては,学内に「自己点検・評価委員会」を設置するほ か,第三者評価として,学外者による「外部評価委員会」を設置し,これらの評価結果 を踏まえて,本事業の取組の改善を行う体制を構築している。 【実施体制図】 -8- 2 取組概要 ⑴ 平成26年度の取組概要 本事業の取組は,平成26年度が初年度であることから,本取組を推進するための準備 期として位置付け,学内関係組織の整備,評価体制の構築などが中心となった。 ① 組織体制の整備 本事業を学長のリーダーシップの下で円滑に運営・実施するため,本学の高大接続 関係事業の組織体制を見直した。大学教育再生加速プログラム(AP)による取組と これまで実施してきた高大連携プログラムとの連携及び機能強化を図り,全学体制に よる運営体制とするため,12月10日に「高大接続推進室」を新設し,併せて学内複数 部署の支援体制を構築した。 また,大学教育の高度化,大学教育の先取りを促進するため,高大接続推進室に教 員(1名)及び職員(1名)を採用した。 本事業の推進に当たっては,①パイオニア・アドバンスト・プレイスメント (P-AP)プログラムの創設と二重(デュアル)単位の付与,②ルーブリック評価に よる「課題研究」の高度化と入試への活用,③高大で一貫して汎用的能力を育てるI CT教材の開発,の各取組が組織横断的なプロジェクトとして総合的に取り組めるよ う企画立案及び効率的に事業を推進するため,高大接続推進室に「大学教育再生加速 プログラム推進委員会」を設置した。 ② 自己点検・評価,外部評価実施体制の整備 本事業の自己点検・評価を実施するため,「大学教育再生加速プログラム自己点 検・評価委員会」を設置した。さらに,外部の有識者等による第三者評価を実施する ため,「大学教育再生加速プログラム外部評価委員会」を設置した。外部評価委員と して,国内外の高校・大学教育政策や各種取組等に関して幅広い知見や豊富な経験を 有する者を外部評価委員として委嘱し,3月に同事業の取組や今後の方向性等につい ての意見交換などを行った。 ③ パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの創設と二重単 位の付与 パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの創設と二重単 位の付与に当たり,愛媛大学附属高等学校における高大連携プログラム,課題研究及 びフリーサブジェクトに関する取組について意見交換を行った。 アメリカ合衆国におけるアドバンスト・プレイスメント(AP)は,高大接続の代 表的な事例であることから,現地を訪問し,アドバンスト・プレイスメント(AP) を経験し,ハーバード大学に入学した学生(日本の教育事情にも精通している日本人 学生を含む)との意見交換や高校・大学の訪問を行った。 また,国内における高大連携教育に関する取組を実施している大学に訪問調査を実 施し,単位付与の方針等に関して検討を開始した。 -9- ④ ルーブリック評価による「課題研究」の高度化と入試への活用 ルーブリック評価の開発に当たり,大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員 会において,文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH),スーパーグ ローバルハイスクール(SGH)に指定された高等学校における課題研究の研究テーマ の設定,研究活動における指導,成果発表方法等について関係者から説明を受け意見 交換を行うとともに,ルーブリック評価に関する文献調査を行った。 また,生徒の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する選抜方法を検 討するため,「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育,大学 教育,大学入学者選抜の一体的改革について」(平成26年12月22日中央教育審議会答 申。以下「高大接続答申」という。)を踏まえて,「四国地区国立大学における今後 の入学者選抜の在り方に関する方向性」(平成27年2月17日愛媛大学教育学生支援会 議了承)をまとめ,ルーブリックによる評価方法に関する検討を開始した。 また,平成27年3月に開催した平成26年度愛媛大学「教育改革シンポジウム」(愛 媛大学教育改革促進事業(愛大GP)成果発表会)において,本事業の概要等につい て報告を行い,学内外の関係者と意見交換の上,今後の入学者選抜の在り方について 全学的な検討を開始した。 ⑤ 高大で一貫して汎用的能力を育てるICT教材の開発 ICT教材の開発・活用に当たり,情報端末機を利用した授業実施やICT教材の開 発・運用を踏まえた検討,国内の先進事例等の調査を行った。 また,学校内に情報端末機のネットワーク接続の環境整備を行い,情報端末機 (iPad)を購入した。使用環境の整備と合わせて,平成27年4月からの本格的な運用 に向けて試行テストを実施するほか,iPadを活用した授業の実施方法や使用教材の検 討・開発を進めるため,iPadを利用した実践的な授業に関する説明会や研究授業を行 い,教授法や活用方法を確認した。 ⑵ 平成27年度の取組概要 平成27年度は,前年度の調査等を踏まえて,本補助事業の目的を達成するため,本取 組の中核となる①パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの 創設と二重単位の付与,②ルーブリック評価による「課題研究」の高度化と入試への 活用,③高大で一貫して汎用的能力を育てるICT教材の開発の取組を促進するための検 討・準備を行った。 ① パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの創設と二重単 位の付与 前年度の検討において課題とされた学習内容や実施方法等について,平成28年度か らの導入に向けた検討を行った。 学内及び愛媛県教育委員会や文部科学省からSSH,SGHに指定された愛媛県内の高 校と意見交換等を行い,10月から愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」(リーディングを ベースとしたテキストを使用し,授業はネイティブ教員が担当。4技能(聞く,話 -10- す,読む,書く)をバランスよく学ぶ内容)を開講し,愛媛大学近郊に所在する愛媛 県立松山東高等学校,愛媛県立松山南高等学校,愛媛大学附属高等学校の3校の生徒 が放課後の時間を利用して大学レベルの授業を受講した。授業は全15回の日程で,本 学の成績評価基準による評価を行い,修了証書を授与した。 なお,本学・関係高等学校教職員を対象とした授業参観を実施し,生徒の活動や授 業担当教員の指導法を実際にみてもらい,今後の授業改善に活かすための意見交換を 行った。高校教員からは,アクティブ・ラーニングを取り入れた能動的な授業で,生 徒の行動や発言が活性化し,リスニング・スキルの向上や高校の授業においても学習 意欲や学ぶ姿勢に変化が見られるようになったなどの意見があり,次年度の開催を望 む意見が多かった。 さらに,公開授業の効果検証を行うため,受講生に対するアンケート調査を実施し た(回収率92%)。「この授業の修了者レベルを対象として別の授業があるとしたら受 講したいか」という質問には,回答者の全員が「受講したい」又は「条件が合えば受 講したい」と回答するなど,本公開授業への満足度は非常に高い。自由記述として は,「回数を増やして欲しい」, 「とてもおもしろく,充実した水曜日だった」など, 好意的な感想が圧倒的に多かった。今後,本取組による高大接続事業及び成果等を関 係学会やセミナー等で公表する。 ② ルーブリック評価による「課題研究」の高度化と入試への活用 SSH,SGH指定校等において実施されている「課題研究」について,ルーブリック を用いて評価する試みを行っている。平成27年度は,高校教員との意見交換を行うな どして,「課題研究」評価に係るルーブリックの開発を行った。 具体的には,5領域,15規準を考案し,5つのチェック規準を追加した。15規準の それぞれについて,1~5の段階を設定し,各段階のパフォーマンスの達成状況を表 す評価基準を考案した。開発したルーブリックは愛媛県立松山東高等学校において, 課題研究の評価ツールとして試行(平成28年3月)した。 28年度には,この結果を基にしてルーブリック評価スケールの改訂を行うととも に,試行を行う高等学校を増やして「課題研究」ルーブリックを完成させることを目 指している。 ③ ICT教材の開発 大学教員及び高校教員が協働して,ICT教材の開発・運用を行い,高大接続プログ ラム「日本語リテラシー」におけるeラーニング教材の活用,高大接続プログラム 「伊豫学」及び「課題研究」におけるICT教材の活用,教職員を対象としたICT活用 に関する研修会を実施した。 「日本語リテラシー」における授業では,自己の表現能力を高め,コミュニケー ションに不可欠な日本語運用能力のスキルアップを図ることを目的として,生徒一人 ひとりがiPadを使用し,eラーニング教材等を利用してすすめた結果,平成27年度第 1回日本語検定3級(高校卒業程度レベル)では,認定率(認定・準認定の合計)が 高校生平均を30%上回る成績を収め,全国高等学校国語教育研究連合会賞優秀賞を受 -11- 賞し,教育効果があることが確認できた。 また,「伊豫学」では,「キャンパスIT教室」として,愛媛大学の総合情報メディ アセンターにて,愛媛大学の教員指導の下,ICT活用に関する基礎的事項についてパ ソコンを使って学習を行った。「課題研究」では,愛媛大学の教員指導の下,ICT教 材を活用して調査を行い,その成果をポスターにて発表を行い,さらに,まちづくり をテーマに,街頭調査を行い,iPadを利用して撮影し,それらの動画・画像を用いて まちづくりの問題点及び問題点の解決方法を考察した。 その他,国際交流協定校のルーマニアのクレアンガ高校とスカイプによる交流を行 うとともに,アメリカ合衆国のジョン・F・ケネディ高校との交流の際にiPadを使用 するなど,ICT活用による新たな交流を実践し,情報技術の向上にもつながった。 -12- 3 アメリカにおけるアドバンスト・プレイスメント (AP) 1 概要 APとは,高校生向けに大学レベルの教育を提供するプログラムで,非営利団体であ るCollege Boardが運営している。高校はCollege Boardの認証を受け,AP科目を開設 する。College Boardのウェブサイトによると,現在,37科目が提供されている。2014 年秋からは,「セミナー」や「課題研究」を核とし,他の4つのAP科目を併せてAP Capstone Diplomaを授与するプログラムを開始するなど,拡大が続いている。 College Boardは各AP科目について,統一試験を行う。これは米国はもとより,世界 各地で受験できる。この統一試験の成績により,各大学は自大学の1年次配当科目を受 講済みとしたり,単位認定を行ったりする。College Boardのウェブサイトでは,次の ように説明されている。 Offering more than 30 subjects, the College Board’ s Advanced Placement program enables students to pursue college-level studies — with the opportunity to earn college credit, advanced placement or both — while still in high school.(下線引用者) APとはアドバンスト・プレイスメント(Advanced Placement)の略である。しか し,ここに示されているように,小文字のadvanced placementとは区別される。後者 については,「上級学年(科目)への配置」という意味あいになる。事実,ある英和辞 典には「飛び級」という訳語がある。つまり,小文字のadvanced placementはCollege BoardのAPに限定されない。一方,APは,当のCollege Boardが随所で「AP®」と表 示しているとおり,College Boardが運営する当該プログラムに限られる。 本補助金事業で本学が行う「パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)」 はいわば,小文字のadvanced placementであり,College Boardの「AP」とは別物であ る。 2 高校にとってのAP 米国の公立高校のほとんどは総合高校である。普通科高校・専門高校等の制度化され た区分,さらに進学校と非進学校という事実上の区分が存在する日本とは異なり,米国 では進路希望や学力の点で多様な生徒が同じ高校で学ぶ。そのため,レベル別の授業が 不可避である。 たとえば,平成26年度末に訪問調査を行ったボストン近郊のNewton North High Schoolでは,体育や芸術など,レベル分けが行われない一部の科目を除き,授業科目名 には,①H(Honors/AP course),②ACP(Advanced College Prep),③CP(College Prep)というレベルが付記されている。数学を例に取れば,9年生は「数学1」,10年 生は「数学2」,11年生は「数学3」を履修する。これらの科目は①~③の3つのレベ ルで開講される。12年生向けの「数学4」は①しかなく,AP科目である。 化学には「化学」「上級化学」「AP化学」の3科目がある。そのうち①~③のレベル が設定されているのは「化学」に限られる。「上級化学」の講座は②のみ,「AP化学」 の講座は①以外にはない。 米国の高校でAPが普及した一因として,このようにレベル別の講座編成が普通であ -13- るという背景をあげることができよう。とはいえ,単に上級者用の科目を開設すると いうだけであれば,学校の裁量で済むが,AP科目の開設に必要なCollege Boardの認証 を得るにはコストがかかる。また,大学レベルの授業を担当できる高校教員を確保する ためには,人事上の問題も生じる。つまり,高校にとっては,何等かの強力なインセン ティブが働いて初めて,AP科目を開設するということになる。 そのインセンティブとは,外部からの評価である。AP科目を開設しているというこ とは,生徒や教員が一定のレベル以上にあることを意味する。後に述べるように,大学 進学の選抜資料にもなるため,AP科目を開設しないとすれば,生徒の大学進学にとっ て不利に働く可能性もある。このため,APが普及し始めると,高校はこぞってAP科目 を開設し, 2013年には,全米の公立学校の100万人が,平均3.1科目のAP試験を受験す るまでになっている1)。 3 AP試験 前述したとおり,College Boardsは世界各地で科目ごとにAP試験を行う。2015年は 全世界で250万人が1900校で受験したという2)。ただし,この試験の作問や実施はETSに 委託されている。ETSはTOEIC,TOEFL,GTECなどの作問も行っている米国のテス ト機関(非営利団体)である。 時期は毎年5月の2週間である。2016年は,5月2日開始で,午前と午後に1科目ず つ受験する。「日本語」と「物理2」,「中国語」と「セミナー」などは,同じ時間帯 に実施されるが,両科目の受験が不可能というわけではなく,ある程度の柔軟性を受験 会場に認めている。 この試験は多くの場合,高校で受験する。受験料は1科目あたり92ドル(米国外は 122ドル)と高額であるが,割引や公的補助の制度もある。「美術」を除き,選択式の 客観問題と自由記述の問題が組み合わせられている。記述問題の採点は大学教員及び高 校教員が当たる。 結果は7月に1から5(5が最良)の5段階で本人等に通知される。本人の要請に より大学にはCollege Boardから直接試験結果が報告されるが,特定科目のスコアを大 学に対して非通知とする有料サービス等がある。3の評価が「Qualified」であるため, 大学入学後にAPの成果が考慮されるのは3以上とされる。合否を決する試験ではない が,3以上が事実上,「合格」であり,高校はこの「合格」率を科目ごとに公表するの が普通である。例えば,先に述べたNewton North High Schoolでは,2014年に21のAP 科目を開設し,延べ766名がAP試験を受験し,全科目を通算すると5が45パーセント, 4が32パーセント,3が18パーセントであるとされている。 このスコアはAP試験の受験成績を示すものであり,高校が開設するAP科目としての 学習成績とは別である。当然ながら,AP科目の履修者とAP試験の受験者は一致しな い。事実,AP科目の履修歴とは無関係にAP試験を受験することができる。大学入学後 に,大学の単位付与の根拠となるのは,AP試験の成績である。一方,AP科目の履修歴 や高校が認定するAP科目の学習成績は入学者選抜で考慮されることがある。 -14- 4 大学にとってのAP AP試験のスコアを所持している学生をどう扱うかについて,各大学はAPポリシーな どと呼ばれる基準を定めている。また,大学入学前の履修に対して単位を付与するなど の措置は,AP試験に限らない。国際バカロレア試験(IB),英国のAレベルなどがAP 試験と同列に扱われているケースが多い。以下,平成26年度末に訪問したボストン地区 の3大学を取り上げる。 ⑴ Boston College この総合大学はリベラルアーツを重視し,15科目が卒業要件(=コア課程)とな る。多くの場合,AP試験のスコアが4以上であれば,コア課程の相当科目を充足し たことになる。例えば「AP化学」のスコアが4以上の場合,コア課程の一部である 自然科学の2科目は習得済みと見なされる。また,教育学部と看護学部を除き,外 国語の習得も卒業要件となる。「APフランス語」など西欧現代語はスコア3で,「A P日本語」「APラテン語」「AP現代ヘブライ語」等はスコア4でこの要件を充足した ものとされる。いずれの場合も大学で習得するべき単位数(120)にはカウントされ ない。 通常の単位とは別に,AP試験等に対してはAP単位が設定されている。AP単位数 が24(大学の8科目分に相当)以上であれば,3年間での卒業が可能となる。つま り,AP試験は早期卒業対象者の判定に使われているということになる。 例えば,「AP生物」はスコア4以上で6AP単位,「AP物理1」はスコア4以上 で3AP単位,「AP音楽理論」はスコア5で3AP単位,「AP人文地理」や「APセミ ナー」は対象外などとなっている AP単位は,AP試験だけでなく,IB試験等でも加算できる。例えば,スコア6以上 で「IB経済学」は6AP単位,「IB哲学」は3AP単位となる。他に英国,フランス, イタリア,ドイツ,スイスにおける上級者向け中等教育の試験結果等も加算基準が 決められている。うち,英国のAレベルの「数学」「化学」「生物」等はそれぞれA 又はBの評価で6AP単位,Cの評価で3AP単位になる。また,「古代史」「心理学」 「演劇」等はC以上の評価で3AP単位となる。「会計」「音楽」「イスラム研究」等 はいかなる評価であってもAP単位にはカウントされない。 さらに,高校在学中の学期中又は夏期に大学が開講した正規科目(大学生と一緒に 授業を受ける)の履修に対してもAP単位が付与される。3~4単位(大学)の科目 かつB以上の成績で3AP単位となる。ただし,この場合は自動的にAP単位が確定す るのではなく,学生からの申し出を受けて,認定/不認定を決定しているようであ る。 最後に,外国語のAP試験のスコアによって,プレイスメントテストが免除される 場合がある。「APフランス語」のスコアが3の場合,大学での初修科目が指定され ている。4以上なら,担当教員と相談することとされている。3未満なら,プレイス メントテストを受ける。イタリア語ではプレイスメント試験そのものが実施されない が,「APイタリア語」のスコアが3以上の場合,フランス語と同様の扱いとなり, AP試験はプレイスメントテストの代替となっている。 -15- 以上をまとめると,同大学では3つの目的でAP試験が利用されており,それら は,卒業要件であるリベラルアート科目の代替,早期卒業予定者の認定,外国語にお けるプレイスメントテストの代替である。 ⑵ Boston University 前述のBoston Collegeとは別の大学である。学生数は3万人で,全米で第4位の大 規模大学である。キング牧師やネルソン・マンデラの出身校としても知られる。 入学前に得たAP試験やIB試験等のスコアによって特定の科目(一般教育,主専 攻・副専攻,選択科目)の単位が認定される。読み替え科目も決まっており,例え ば,「AP生物」では次の扱いとなる。 学 部 AP試験のスコア 付与する単位数 教育 工 BI107 4 4 上記以外 文理,経営,健康 上記以外 対応科目 B108 BI105,BI107,B108 5 8 [BI105・BI107] [BI107・B108] [BI107・B109] また,「AP統計学」は工学部を除き,スコア4以上で4単位,「AP音楽理論」は 音楽専攻を除きスコア3以上で4単位である。 ⑶ Harvard University AP試験等は,少なくとも次の3つの利用方法がある。第一にAP試験のスコア5を もって,初級科目を履修済みとする扱いがされている。従って,初年次から上級科目 を履修することができる。第二に,「APフランス語」「APスペイン語」等のスコア が5であることをもって,全学生の卒業要件である外国語の習得を充足したものとさ れる。第三に,早期卒業等の資格であるAdvanced Standingの認定を受けるのに最も 一般的なのがAP試験のスコアである。すなわち,少なくとも4つの指定科目(通年 科目換算)のAP試験でスコア5を取得していれば,本人の申し出により,Advanced Standingが認定される。 この際,「AP人文地理」「APコンピュータ科学A」等のように対象外となる科目 がある。また,「AP微積分AB」「APミクロ経済学」などは,半年分の履修量とみ なされるため,0.5科目とカウントされる。Advanced Standingの認定はIB試験等に よっても可能であるが,AP試験とIB試験というような組み合わせは認められない。 以上,入学後の措置について述べてきたが,選抜性の高い大学は,入学者選抜におい て,高校のGPAの値だけではなく,難易度の高い科目を選択しているかどうかにも注 目するとされる。事実,上の3大学のうち,Harvard Universityを除く2大学は,HP 上で,AP科目等の履修を奨励している。 1)http://media.collegeboard.com/digitalServices/misc/ap/rtn/10th-annual/10th-annual-ap-report-appendix-c.xls 2)https://professionals.collegeboard.com/testing/ap -16- 4 パイオニア・アドバンスト・プレイスメント (P-AP) プログラムの創設と二重単位の付与 ⑴ 概要 ① 高大接続の仕組みに乏しい我が国の状況 米国の高校生は,大学レベルの教育を受ける機会が多い。大学に通って大学生と一 緒に授業を受けるケースもあるが,より普及しているのは,高校において高校の科目 として大学レベルの授業を開設する方式である。この方式で最も知られているのは AP(Advanced Placement)プログラムであり,世界各国で統一試験が実施される。 実はAPと並んで,国際バカロレアのDP(ディプロマプログラム)も大学レベルとさ れる場合がある。APについては別に述べたので,ここでは国際バカロレアについて 概観する。 国際バカロレアのDPは16~19歳を対象とする2年間のプログラムで,大学進学の 準備課程とされている。この意味では,このプログラムに準拠する授業を大学レベル とすることはできない。しかし,同プログラムは一般的な高校生にとっては難易度が 高い。また,DPでは6つの教科群のうち,3科目を標準レベル,残りの3科目を高 度レベルで履修することとされ,その成果は内部評価と共通のDP試験で総合的に評 価されるため,DP試験(特に高度レベル)の上位者は大学レベルに相当するものと して捉えられている。扱いは大学によって様々だが,ハーバードやイェールのような 名門大学であっても,DP試験のスコアによって,大学の単位を与えるなど何等かの 制度を有している。 つまり,米国では,高校の成績上位者に対してAPや国際バカロレアなどのプログ ラムが普及し,統一試験で質が担保されている。これは,成績上位者にとって高大接 続が充実していることを意味する。一方,我が国の大学では,リメディアル教育や入 学前教育等として下位者に対する教育接続の配慮を行うことが一般化しているのに比 較すると,上位者に対する措置は少ない。より正確には,上位者を認定する仕組み自 体が欠けているので,上位者への措置を議論できる状況にない。そして,高校側も上 位者の高大接続にはあまり注目してこなかった。おそらく,学習指導要領によって高 度な内容を扱うことが抑制されたこと,大学入試突破が優先されるあまり高校で入試 を超える事項を扱うことに消極的であったことが原因の一部であろう。 しかし,高校も大学も多様化が進み,高校生に習得が期待される事項と大学のそれ との間の境界線はますます薄れてきている。境界線はすでに喪失し,高大接続帯とで もいうべきオーバーラップする部分が拡大していると見ることもできる。あるいは, オーバーラップするのが当然であるはずなのに,それに目を閉ざし,便宜上,高大に クリアな境界があるかのような制度を作り上げてきたのかもしれない。 「P-APプログラム」の創設 ② 高大接続を充実させる取組1 ― 本取組は,この高大接続帯つまり,オーバーラップする部分に注目し,高校生が大 学レベルの授業科目を継続的に履修する制度を創設しようとするものである。 モデルとなるのは米国のAPプログラムや国際バカロレアのDPプログラムである。 -17- これらは高校側からこの高大接続帯へアプローチするもの,つまり,高校が開設する プログラムであり,授業は高校教員が担当する。大学教員はシラバスの開発,高校教 員のトレーニング,プログラムの認証等で大きく関与するとされるが,この場合,大 学教員はプログラムの実施主体であるCollege Boardや国際バカロレアに協力してい るのであって,直接的に個別高校と連携しているのではない。この意味で,我が国の 高大連携が基本的に個別大学対個別高校の関係であるのとは全く異なる。 このような違いや,日米の教育環境が大きく異なることから,米国の仕組みをその まま導入できる状況にないのは明白であるが,参考にすることはできる。そこで,本 取組として,本学と附属高校とで実施可能な形態により,先導的にAPに近いプログ ラムを創設することし,これを「パイオニア-APプログラム」(P-APプログラム)と 名付ける。具体的には,数学と英語の2科目で,高校生に対して大学レベルの授業を 提供する。数学と英語とでは授業形態は異なるが,両科目について,本学の単位を認 定する制度を検討し,平成28年度以降,科目等履修生として扱うこととした。 「フリーサブジェクト」の二重単位化 ③ 高大接続を充実させる取組2 ― 本学は附属高校を有している。詳しくは別の項目で述べるが,附属高校の1期生が 3年生となった平成22年度以降,3年生は全員,本学の共通教育科目(指定した学問 分野別科目)から1科目を選択し,半年間にわたり,大学生とともに全15回の授業を 受講している。曜日・時限は全員が共通で(高大が協議して特定の曜日・時限を指 定),多くの生徒は約3.5キロ離れた高大のキャンパス間を自転車で行き来している。 これらの科目には,それぞれ授業科目名が付されているが,高校ではこれらを総称し て「フリーサブジェクト」と呼んでいる。 これらの科目は,大学の正規科目であり,主に大学1回生向けである。授業担当者 は,附属高校生が受講者に含まれていることを意識しつつも(制服を着用しているた め,高校生であることは誰の目にも明白),大学レベルの教育を行う。大学が行う評 価においても,大学生と高校生とでは同一の基準でなされる。しかし,これらの科目 は,「フリーサブジェクト」という名称の高校の正規科目でもあるため,大学側の評 価とは別に,高校としての評価も行う。高校が出欠管理を行うので遅刻・欠席は非常 に少ない。欠席数が多いことが理由で,大学側の評価対象とならないという事例もま ずない。 「フリーサブジェクト」の履修に対し,高校は1単位を与える。先に述べたよう に,3年生の全員が受講するため,この科目の単位が与えられないで高校を卒業した 例はない。また,大学側の評価が「可」の下限である60点を下回る生徒も非常に少な い。 そこで本取組においては,このような附属高校在学中の学修成果に対して,当該生 徒が本学に進学した場合,本学の単位を授与する方法を一つの選択肢として,当該科 目を既修と見なす制度を検討してきた。その結果,平成28年度からはフリーサブジェ クトを履修する附属高校の生徒を本学の科目等履修生とすることが決定し,対象者が 本学に進学した場合は,入学前の既修得単位として認定する制度を適用することとし た。 -18- ⑵ 英語 本事業の計画調書では,次の項目で述べる「数学」と同様に,本学教員が附属高校に おいて英語の習熟度が高い生徒に対して,大学1回生レベルの講座を開講する予定とし ていた。しかし,この原計画では,対象となる高校は本学附属高校に限定されてしま う。そこで,附属高校ではなく,本学において授業を行うことに変更し,他の高校から の参加が可能な制度とした。 本英語講座の開設に当たっては,学内及び愛媛県教育委員会と意見交換を行い,当面 は文部科学省からSSH,SGHに指定された愛媛県内の高校を対象とすることにした。い ずれかの指定を受けた学校は県内に5校存在するが,地理的事情から,松山市内に所在 する愛媛県立松山東高等学校(SGH),愛媛県立松山南高等学校(SSH)及び本学附属 高等学校(SGH)の3校に絞られるため,平成27年8月以降,この3校との調整を行 い,以下のように実施した。 ① 概要 高校生専用講座として,本学の1回生向けの共通教育科目「総合英語B」と同等の 授業を,本学教員が本学において「英語総合Ⅰ」という名称で15回実施。受講料は徴 収せず,テキスト代等の実費のみを負担させる。 ② 授業内容 テキストとして,大学生と同一の「Skills That Thrill, Strategies for Real-World Reading」(センゲージラーニング)を使用。これはリーディングの教材ではある が,ネイティブ教員の指導で,4技能(聞く,話す,読む,書く)をバランスよく学 習する。 ③ 開講時期・時間帯等 10月14日から2月10日までの毎週水曜日(12/23,12/30,1/6を除く。)に,大学の 6時限目(18:00~19:30)の授業として,全部で15回の授業を実施。ただし,うち1 回はTOEIC Bridge(IP)試験に充てる(本学学生向けの授業で,外部試験を受験さ せていることから,同様に扱う。 ) 。 ④ 担当教員 本学の英語教育センターの協力により,ネイティブスピーカーの専任教員を充てる こととし,英国出身のクリストファー・コネリー助教が担当。内容や授業運営につい ては,同センターの2名の日本人教員と協議のうえ実施。 -19- ⑤ 受講者 受講条件として,「SGH校又はSSH校の2年生以上で,英検2級程度以上の英語力 があり,継続的な出席が確約できること」「高等学校における学修との両立,本学へ の安全な通学手段の確保等の点で,保護者及び高等学校長が同意していること」の2 点を挙げた。定員は,約30名としたが,結果として,3高校から合わせて25名の推薦 があり,この全員の受講を許可した。 このように本学学生に対する授業と 同じテキストを使用し,同等の外部テ ストを受験させることにより,本学の 正規科目と同等の評価が可能となる。 合格水準に達した受講者には修了証書 を授与することとした。結果的に受講 者25名の出席及び授業への参加状況は 非常に良好で,外部テストの成績も正 規科目の受講学生と遜色がなかったた め,全員に学長名の修了証書を授与し た。 また,12月には,本学・関係高等学 校教職員を対象とした授業参観を実施 し,生徒の活動や授業担当教員の指導 法を実際にみてもらい,今後の授業改 善に活かすための意見交換を行った。 高校教員からは,アクティブ・ラーニ ングを取り入れた能動的な授業で,生 徒の行動や発言が活性化し,リスニン グ・スキルの向上や高校の授業におい ても学習する意欲や姿勢に変化が見られるようになったなどの意見があり,次年度の開 催を望む意見が多かった。 さらに,公開授業の効果検証を行うため,受講生に対するアンケート調査を実施した (回収率92%)。「この授業の修了者レベルを対象として別の授業があるとしたら受講し たいか」という質問には,回答者の全員が「受講したい」又は「条件が合えば受講した い」と回答するなど,本公開授業への満足度は非常に高い。自由記述としては,「回数 を増やして欲しい」, 「とてもおもしろく,充実した水曜日だった」など,好意的な感想 が圧倒的に多かった。 -20- ⑶ 数学 ① 附属高校において3年生を対象に4月から実施した授業 パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)は,高校生に対して,大学 レベルの授業を行う試みである。しかし,高校3年生の4月から,いきなり大学レベ ルの内容を扱うことはできない。というのは,生徒たちは高校2年生の3月まで,通 常の高等学校の教育課程に沿って学習を進めてきたのであり,高校3年生に配当され ている「数学Ⅲ」は履修していないからである。 そのため,附属高校3年生を対象とする数学に関しては,平成27年4月の年度開始 時点では,高等学校の「数学Ⅲ」の内容で授業を実施した。その後,生徒の習熟度に 合わせて,高校数学としては発展的な内容についても扱った。 しかしながら,平成28年1月,つまり高校3年生にとっての事実上の年度末の時点 においても,高等学校「数学Ⅲ」等を大きく超える内容は扱っておらず,平成27年度 の本授業は,大学数学の基礎を培うという位置づけとなった。本科目について附属高 校が高校の科目として単位認定を行ったのは当然であるが,全体としては大学レベル とは認めがたいため,大学の単位認定の対象とはなりえない。 本科目の概要は次のとおりである。 【授業科目】 大学数学への基礎(高等学校 「数学Ⅲ」・「数学活用」) 【授業内容】 高等学校「数学Ⅲ」及び「数学 活用」に相当する内容(大学初 年度程度の解析学の内容を含 む。) 【担当者】 野倉嗣紀(愛媛大学高大接続推進室,教授) 彦田順也(附属高校副校長,数学教諭) 【対象生徒】 附属高校3年生(18名) 【授業期間・時間】 平成27年4月~12月。月曜日は10:45~12:25,火曜日・木曜日は14:20~ 15:50(合計毎週6時間,期間中の合計授業時間180時間。 ) 。 【使用教科書・参考書】 教科書:「高等学校数学Ⅲ」(数研出版)著作者・編集委員 阿部恒治他17名 参考書:1 「微分積分学」(学術図書出版社)著者 岩谷輝生,田中正紀 2 「クリアー数学Ⅲ」(数研出版編集部編) 3 「ニューアクション数学Ⅲ」(東京書籍) 参考書1は,愛媛大学の初年次理系学生に対して使用している微積分の教科書であ る。2は,高校教科書数学Ⅲに対応した問題集であり,3は高校生向け「数学Ⅲ」の 解説書である。 -21- 授業の形態上は,高校3年生の数学の授業である「数学Ⅲ」, 「数学活用」に大学派 遣教員が参加し,高校数学授業の自然な流れの中で,補足する形で大学数学の基礎を 扱った。最終的には,以下のような特徴を持つ授業となった。 ア)大学からの派遣教員(野倉),高校教員(彦田)が毎回授業に参加し,2名体制 で授業を行なった。 イ)高校3年数学の内容(関数,極限,微分法,微分法の応用,微分法とその応用, 複素平面,式と曲線)は「数学Ⅲ」, 「数学活用」としてすべて網羅した。また,対 象学年が3年生であることから大学受験にも対応できるように,綿密な意見交換を 行い,授業内容を精選した。 ウ)大学初年次前期の理系学生の微積分の学習内容に含まれ,高校「数学Ⅲ」に含ま れていない内容は,①テイラーの定理,②コーシの平均値の定理とロピタルの定 理,③広義積分(無限積分)であり,このうち①,②については関連する高校数学 の授業の流れの中で解説した。 エ)数学の歴史的な流れ,論理的な必然性を意識し,高校教科書の各単元間の関連を 詳しく解説し,生徒のモチベーションの維持,興味の喚起に務めた。 オ)評価に関しては,通常の高校での中間テスト,期末テストに合わせ,大学数学基 礎レベルの理解度を確認するため,15分程度の小テストを合計25回実施した。 ② 愛媛大学において附属高校卒業生を対象に3月に実施した授業 平成28年3月には,上記の授業の受講を終えた附属高校卒業生を対象に,論理的な 思考に慣れ,論理の数理的な構造を理解させるため,愛媛大学公開授業「数理論理 学」(90分授業,全8回)を集中的に実施した。内容の詳細は下記のとおりである。 大学数学基礎 ―論理・集合・パラドックス・無限― 「論理学,集合論」は数学, 情報科学における言語であり, 大学教育では必要に応じて導入 される。本授業ではこれらを体 系的に解説し,大学における講 義にスムーズに移行できること を目指す。更に,それらの発展 として,古来から現代にわたる 様々なパラドックスが論理学の 範囲で解消されていく過程を解 説する。 授業参加者は11名であった。次年度以降は,本科目を大学の授業科目として開講 し,大学入学前の受講者を科目等履修生とする予定である。 -22- 5 ルーブリック評価の開発 近年,SSH・SGH指定校では,「課題研究」と呼ばれるプロジェクト型の授業が工夫さ れるようになってきた。 この「課題研究」では,一人一人の生徒が取り上げるテーマが異なり,また個々の生徒 が用いる研究手法も必ずしも同じとは限らない。そのため,「課題研究」の成果の成功の 程度を測定することは簡単ではない。「課題研究」のようなパフォーマンス課題の場合, 最近試みられることが多くなってきたルーブリック評価を用いることによって,公平性や 客観性のある評価を行うことができると言われている。 ルーブリック評価は,ある学習課題に含まれる複数の学習目標を示す評価「規準」と, 学習の結果到達しているレベルの特徴を示す評価「基準」からなり,多くの場合,評価 「規準」と評価「基準」がマトリクス形式で示される。パフォーマンス課題を評価する場 合や,既存の教科であっても思考・判断・表現のレベルを評価する場合など,従来用いら れてきた客観テストでの評価を行うことが難しいとき,ルーブリックを用いた評価が効果 的である。 この「課題研究」評価に係るルーブリックの開発を行うためのワーキングとして,大学 教育再生加速プログラム高大接続推進室の下に専門的な事項を検討するための「「課題研 究」評価ワーキンググループ」を設置した。開発に当たっては,「新しい時代にふさわし い高大接続の実現に向けた高等学校教育,大学教育,大学入学者選抜の一体的改革につ いて」(平成26年12月22日中央教育審議会答申)を踏まえ策定された「高大接続改革実行 プラン」(平成27年1月16日文部科学大臣決定) , 「高大接続システム改革会議(中間まと め) 」(平成27年9月)も考慮しながら開発を行った。 ワーキングでは,現在「課題研究」を行っている高校の教諭2名をメンバーに加え, 現行の課題研究の実施実態を踏まえて,課題研究を評価するのに必要な評価「規準」を 論議した。その結果,「テーマ設定」(先行研究と調査内容,課題意識とテーマ設定) , 「研 究手法」(計画・準備と進捗状況,研究方法の妥当性) , 「取組状況」(好奇心・興味関心・ 探究心,創意工夫・オリジナリティ) , 「グループ」(役割分担と協力) , 「発表(ポスター発 表・プレゼンテーション・論文)」(目的と仮説,方法,分析と結果,考察,表示方法と 文体,発表の内容,発表態度,質疑応答)の5領域,15規準を考案し,さらに,(論文) 文字数,(ポスター発表)紙面の活用,提出期限,引用文献,提出物の5つのチェック規 準を追加した。 また,「課題研究」における,生徒の学習成果の状況を念頭に置きながら,これらの15 個の基準それぞれについて,パフォーマンスの達成状況の程度を具体的に評価する「1」 ~「5」の5段階評価基準を作成した(24~25ページ参照) 。 このようにして作成したルーブリック評価スケールを,SGH指定校でもある愛媛県立松 山東高等学校において試用(平成28年3月)した。平成28年度には,この試用結果を踏ま え,作成したルーブリック評価スケールのさらなる見直しの検討を重ねる。また,見直し たルーブリック評価については,愛媛大学附属高校ほかのSGH・SSH指定校にも波及させ ることとしている。 -23- 「課題研究」ルーブリック評価スケ-ル 領域 評 価 項 目 5(S) 4(A) テーマ設定 研究手法 取組状況 グループ 発表(ポスター発表・プレゼンテーション・論文) 先行研究と調査内容 研究テーマに関連する先行研究の文献や資 研究テーマに必要な先行研究の文献や資料 料を期待される以上の範囲で調べ,その結 が調べられており,研究すべき項目や問題 果に基づいて研究すべき項目や問題点を明 点に関連づけている。 確にしている。 課題意識とテーマ設定 先端的/現代的な課題意識でテーマ設定が 学術的・社会的な課題意識をもとにテーマ なされており,今後の研究により学術的・ が考案されており,今後の研究により課題 社会的な問題解決へと発展していく可能性 解決に結びつくことが期待される。 が高い。 計画・準備と進捗状況 データ収集,分析,原稿作成などの実施時 データ収集,分析,原稿作成などの実施時 期や方法を進んで担当教員に相談・報告 期や方法を担当教員に相談・報告し,計画 し,研究を主体的に進捗させている。 どおりに進めることができている。 研究方法の妥当性 研究目的を達成するための,緻密で発想に 研究目的を達成するのに,現実性のある研 富んだ研究方法が考案されている。 究方法が具体的に考えられている。 好奇心・興味関心・探究心 明確な課題意識から研究に着手し,強い好 自らの課題意識から研究に着手し,興味が 奇心で研究を進めている。研究テーマを深 さらに深まった。研究テーマの探究を行っ く探究し,関連事項にも課題意識が広がっ たことで関連事項にも興味が広がった。 た。 創意工夫・オリジナリティ 豊富な先行研究をふまえた上で,調べた資 先行研究をふまえながら,調べた資料や 料やデータから独創性のあるアイディアを データを自分なりに解釈しようとしてい 導き出している。 る。 役割分担と協力 自分の役割を積極的に果たしながら,他の 自分の役割を十分果たすとともに,建設的 メンバーの手助けを行っている。グループ な意見を出すなど,グループ研究に貢献し 研究で行う優れた研究をリードしている。 ている。 目的と仮説 豊富な先行研究等から研究目的や仮説が論 研究目的や仮説が,先行研究を踏まえなが 理的に導き出されている。目的を探究する ら述べられている。それらの設定理由や目 意義が高く,具体的な検証が可能である。 的を検証する意義についてよく分かる。 方法 研究目的に即した,労を惜しまない研究方 目的に沿った研究方法が採用され,適切に 法が採用されている。実行した方法を再現 表現されている。 可能な表現がなされている。 分析と結果 豊富な資料やデータをもとに優れた分析が なされている。必要な場合には手の込んだ 図,表,グラフ等が作成・配置されてい る。 考察 目的で述べた課題意識に対する考察が,研 考察は研究結果にもとづいて考えられてい 究結果にもとづき発展的に考えられてい る。目的で述べた課題意識との整合性もあ る。今後の研究の展望が示されている。 る。 表示方法と文体 統一された表示と文体で,専門的用語もふ 統一された表示と文体で必要な専門的用語 んだんに用いられている。文章構成が論理 が用いられている。文章は論理的に述べら 的で説得力に富んでいる。 れている。 発表の内容 レベルの高い情報が明快な論理にもとづい 調査した内容が論理的な構成で述べられて て構成されており,読み手/聞き手が内容 おり,読み手/聞き手が理解しやすい表現 を的確に理解することができる。 となっている。 発表態度 原稿に頼らず自分の言葉で研究内容を説明 している。自信に満ちあふれた説得力のあ るプレゼンテーションで,聞き手を魅了し ている。 質疑応答 質問者の質問意図を的確に把握し,専門的 質問者の質問に対して,研究した内容に基 な質問にも簡潔かつ的確に答えられてい づいた的確な応答ができている。 る。 チェック 項 目 (論文)文字数等 必要とされる資料やデータを得て,適切な 分析がなされている。図,表,グラフ等が 用いられている場合,それらが適切に作 成・配置されている。 一部原稿を参照する場面も見られつつも自 分の言葉で発表している。言葉遣い,声の 大きさ,話す速度は適切であり,分かりや すい。 □ 指定文字数等に達している。 □ 指定文字数等に達していない。 提出期限 □ 提出期限と提出方法を守っている。 □ 提出期限と提出方法を守っていない。 提出物 □ 提出すべきものが全て揃っている。 □ 提出すべきものに不足がある。 -24- 3 (B) 2(C) 1(D) 研究テーマに必要な先行研究の初歩的な文 研究テーマに必要な先行研究を多少調べた 研究テーマに必要な先行研究を調べていな 献や資料を調べ,何が研究されているのか ものの,これまで研究されてきた内容を十 い。 をおおよそ把握している。 分把握できていない。 学術的・社会的な課題意識をもとにテーマ 学術的・社会的な課題意識から考えたとい を考えようとしているが,目新しい発想と うよりも,表面的な発想からテーマ設定を 単なる思いつきによるテーマ設定である。 いうわけではない。 行っている。 データ収集,分析,原稿作成などの実施時 実施上の日程計画や方法に関する検討や担 実施上の日程計画や方法を持ち合わせてい 期や方法を担当教員と検討し,若干の遅れ 当教員との打ち合わせが十分ではなく,計 ないため,見通しを持たないままその場の はあってもおおむね計画どおりに進めてい 画どおりに進めることができていない。 成り行きで行っている。 る。 研究目的に照らして研究方法を検討してい 研究方法は考えているが,研究目的を達成 る。方法の実行可能性については,さらに 研究方法を自分で考えようとしていない。 するためには検討が不十分である。 検討していく必要がある。 研究を進めるにつれて興味を抱く事柄に出 研究を進めるにつれて興味を抱く事柄も 研究を進める中で,自分が興味を抱く事柄 会えたため,関心をもって研究テーマに取 あったが,進んで研究テーマを深めるとこ を見出すことができていない。研究テーマ り組んでいる。 ろまで行っていない。 を探究する意欲に欠ける。 調べた資料やデータを自分なりに解釈しよ 調べた資料やデータに独りよがりな解釈を 調べた資料やデータの単なる羅列であった うとしているが,解釈が先行研究に引きず していたり,先行研究と無理やり関連づけ り,先行研究のまる写しであったりする。 られている面もある。 たりしている。 自分の役割はおおむね果たしているもの 自分の役割は自覚しているものの,それを 自分の役割を果たそうとせず,グループの の,他のメンバーへの寄与は大きくない。 十分果たせていない。 他メンバーに頼りきりである。 研究目的や仮説は述べられているが,それ 研究目的や仮説は述べられているが,それ 研究目的や仮説が述べられていないか,研 らの設定理由や検証をするための意義につ らを設定した理由が分からない。また,目 究目的として不適切である。 いては,より明確にする必要がある。 的を検証をする意義が分からない。 研究方法は初歩的なものであるが,研究目 研究方法は研究目的を達成するために十分 研究方法が述べられていないか,研究方法 的におおむね沿った方法が述べられてい とは言えない。 として不適切である。 る。 資料やデータの分析は,おおむね適切と言 える。図,表,グラフ等が用いられている 場合,初歩的ながらもおおむね適切に作成 されている。 資料やデータが不足していたり,分析が適 資料やデータの調べ方が不適切である。必 切さを欠いたりしているところがある。 要と思われる図,表,グラフ等が作成され 図,表,グラフ等が用いられている場合, ていない。 適切に作成されていない。 研究結果をふまえた考察としておおむね妥 研究結果に対する考察として飛躍しすぎて 考察が述べられていないか,考察として不 当ではあるが,目的で述べた課題意識との いるか,単なる結果の要約である。目的で 適切である。 関連は明確ではない。 述べた課題意識との関連がない。 表示と文体の統一感はあり,文章の構成も 表示と文体に統一感がなかったり,文章構 文章表現に著しい難があったり,誤字脱字 おおむね論理的であるが,専門的用語を用 成に論理的でないところがある。誤字脱字 等が多数見られたりする。 いるなど,より専門的な表現が望まれる。 等が数カ所ある。 形式的には定型的な構成をなぞっている 内容構成が適切に配置されていない。提供 定型的な構成でおおむね論理的に述べられ が,論理性に難があったり,情報が不足し される情報が不足しており,読み手/聞き ているが,若干情報不足の箇所がある。 ていたりして,読み手/聞き手が内容を理 手は内容を理解できない。 解しにくい。 言葉遣い,声の大きさ,話す速度が適切で 半分程度は原稿を見ながら発表している はなく聞き取りにくい。終始原稿を見なが が,言葉遣い,声の大きさ,話す速度につ 声が小さく発表内容が聞き取れない。 ら発表し,自分の言葉で発表できていな いては,おおむね適切である。 い。 質問内容を把握して応答できているが,余 質問内容を把握できないまま応答している 無言やあいまいな答えに終始し,質問に答 分な内容が多くなったり情報が不足したり ため,質問と答えとが対応していない。 えられていない。 しているところもある。 (ポスター発表)紙面の活用 引用文献 □ 紙面を最大限に活用している。 □ 紙面を最大限に活用していない。 □ 引用文献が正しく表記されている。 □ 引用文献が正しく表記されていない。 -25- 6 ICT教材の活用 高校から大学への教育の一貫性を高め,汎用的能力を育成するために,愛媛大学で初年 次の基礎養育科目として開設している「日本語リテラシー入門」や「情報リテラシー入 門」について,附属高校での早期履修が容易になるよう,高校レベルにあった大学入学前 教育のためのICT教材を開発・運用するためのワーキンググループ(ICT教材開発ワーキ ンググループ)を設置した。 同ワーキンググループは,愛媛大学教員と附属高校教員で構成されており,大学教員お よび高校教員が協働して,ICT教材の開発・運用にあたっている。平成27年度では,次の ⑴~⑶の取組を実施した。 ⑴ 高大接続プログラム「日本語リテラシー」におけるeラーニング教材の活用 高校2年次に受講する高大接続プログラム「日本語リテラシー」(6回,14時間, 120人)において,時間外学習としてeラーニング教材を導入した。本プログラムの教 授法・教材については,従来より,本プログラムを担当する大学教育と附属高校の国語 教育からなるプロジェクトチームが中心となって開発・運用しているが,eラーニング 教材を導入するにあたって,同プロジェクトチームと,本ワーキンググループ,さらに 本学の教育デザイン室が連携した。 eラーニング教材については,すでに愛媛大学で初年次の基礎教養科目として開設し ている「日本語リテラシー入門」で使用しているeラーニング教材をもとに,教材を選 定した。「日本語リテラシー入門」で使用しているeラーニング教材は,大学生向けの ものであるため,高校生向けに改訂が必要なものについては,適宜改訂を行った。本プ ログラムで取り組んだeラーニング教材は,以下のとおりである。 1) 前提テスト(学習開始時の日本語力を測定するためのプレイスメントテスト。 高校卒業程度レベル)および前提テストに関するアンケート 2) 日本語eラーニング教材(漢字分野・語彙分野・文法分野・読解分野の各分野 1~3レベル(高校卒業程度レベル)の問題) ※文部科学省・大学間連携共同教育推進事業「学士力育成のための共同基盤シス -26- テムを活用した主体的学びの促進」(代表校:千歳科学技術大学)において, 日本語WGが開発した教材をもとに,高校生向けに改訂したもの。 3) 到達度テスト(eラーニング教材に取り組んだ成果を検証するためのテスト。 大学卒業程度レベル) 4) 「日本語リテラシー」プログラム受講に関するアンケート 上記4)の「『日本語リテラシー』プログラム受講に関するアンケート」によれば, 「eラーニング教材に取り組むことで日本語力が向上した」と回答した比率が79%, 「eラーニングによる学習が良かった」と回答した比率が76%という結果が得られてお り,eラーニング教材の活用に対して肯定的に捉えていることが確認された。また,同 アンケートによれば,「本プログラムを受講して今後さらに日本語力を伸ばしていきた い」と回答した比率が85%,「本プログラムが有意義である」と回答した比率が85%と いう結果が得られており,eラーニングを含めた本プログラムが,生徒の日本語リテラ シーの育成に有効に機能していることが確認された。 さらに,本プログラムの成果検証として,受検した日本語検定3級(高校卒業程度レ ベル。平成27年度第1回)では,認定率(認定・準認定の合計)が高校生平均を30%上 回る成績を収め,全国高等学校国語教育研究連合会賞優秀賞を受賞した。このことから も,本プログラムに高い教育効果があることが確認された。 なお,本取組の一部については,平成27年9月4日に明星大学で開催された初年次教 育学会第8回大会において研究発表(秋山英治・仲道雅輝「高大連携によるeラーニン グの導入について」)を行った。 ⑵ 高大接続プログラム「伊豫学」および「課題研究」におけるICTの活用 高校1年次に受講する「伊豫学」,高校3年次に受講する「課題研究」において,IC Tを活用した学習を行った。「伊豫学」では,「キャンパスIT教室」として,本学の総 合情報メディアセンターにて,大学教員の指導のもと,ICT活用に関する基礎的事項に ついて,実際にパソコン等を使って学習した。また,街作りをテーマに,街頭調査を 行った際,街の様子をiPadに撮影し,それらの動画・画像を用いて街作りの問題点およ び問題点の解決方法を考察した。「課題研究」では,大学教員の指導のもと,各自設定 したテーマについて,ICTを活用して調査を行い,その成果をポスターにて発表した際 には,iPadを使用するなどICTを用いた。 その他,協定校のルーマニアのクレアンガ高校とスカイプによる交流を行うととも に,アメリカのジョン・F・ケネディ高校との交流にiPadを使用するなど,国際交流に おいてもICTを活用した。 ⑶ 教職員を対象としたICT活用に関する研修会 附属高校では,ICTを活用した教育を行うために,教職員全員にiPadを貸与してい る。教職員のICT活用能力を向上させるために,ICT活用に関する研修会を年度当初に 2回行った。その他,ICTを活用した教員の授業について,研究授業として,先進的な 取組を教職員全体に周知するなど,教職員のICT活用能力向上に努めている。 -27- 7 附属高等学校における課題研究 ⑴ 「課題研究」の目的と到達目標 高大接続教育プログラムの集大成である「課題研究」は,大学教員を指導者,高等学 校教員をアドバイザーとして,附属高校生徒が,多様な教科・科目の選択履修によって 深められた興味・関心や進路希望に応じて,実践的な課題を設定し,その課題の解決を 図る学習を行う。これらの学習を通して,課題解決能力や自発的,創造的な学習態度を 養い,研究能力の基礎を涵養することにより,「課題を発見し立ち向かう力」「多様な 価値を理解し対話する力」「論理的に思考し判断する力」「知識や技能を適切に運用す る力」等を身に付け,自己の将来の進路選択を含め人間としての在り方や生き方につい て考えることを目的とする科目である。 【目的】 ○課題発見能力,課題解決能力の育成 ○自発的,創造的学習態度の育成 ○自らの将来像の形成 【到達目標】 ○自らの関心に基づいて課題を設定できる ○課題に主体的に取り組み,その解決を図ることができる ○課題解決の方法を自ら工夫することができる ○なりたい自分を明確に示すことができる ⑵ 実施体制 ① 附属高等学校側の体制 1)各学部担当教員7人(総政,人文,教育,理,医,工,農,各1名)を決定す る。 2)附属高校主幹教諭は,各学部担当教員の総括を担当する。 -28- ② 大学側の体制 1)各学部に附属高校課題研究コーディネーター(以下「課研コーディネーター」と いう。)1名を置く。各学部教育コーディネーターが兼務することが望ましい。 2)大学に附属高校課題研究統括者(以下「課研統括者」という。)を置く。課研統 括者は必要に応じて,愛媛大学教育・学生支援機構附属高等学校連携委員会の下に 設置する課研コーディネーター会議を開催し,議長となる。また,附属高校側の総 括担当である主幹教諭と「課題研究」全般にわたる協議を行い,指導方法や研究方 法等について,学部間の調整や本プログラム実施に関する課題の検討・解決を行 う。 ⑶ 研究テーマ(平成27年度) ■法文学部人文学科 ■教育学部 研 究 テ ー マ ■工学部 研 究 テ ー マ 【法・人001】 『車引』から考える梅王丸の魅力 【法・人002】 高校生のことばに対する意識の研究 【教・039】 ポーランドの言語と文化 【教・040】 ポーランドの言語と文化 【法・人003】 高校生の伊予弁に対する意識の研究 古い日本語にみる色の感覚 【法・人004】 ~日本人のこころ~ ムソルグスキーの《展覧会の絵》における作品 【法・人005】 描写 【教・041】 ポーランドの言語と文化 【教・042】 運動条件における時間感覚の違い 【教・043】 幼年期の生活習慣と体力との関係 【教・044】 ランニングの魅力を探る 【教・045】 東京ディスニーリゾートの企業戦略 【教・046】 外国のテロが日本の経済に与えた影響 【法・人006】 松山市興居島における船踊りの文化と継承 【法・人007】 いじめを受けたことのある人の効果的なケア 【法・人008】 船,人,海,山~今治の造船業の変遷~ 【法・人009】 いじめについて~いじめの原因と対策~ 【法・人010】 ドイツ人と日本人は似ていなかった!? ディズニープリンセスの幸せのつかみかた ~理想の女性像はなにか~ 【法・人012】 グリム童話とディズニー映画を比較して 字幕に隠された映画の魅力 【法・人013】 ~『オペラ座の怪人』の字幕翻訳を通して~ 【法・人014】 英語の不思議 【法・人015】 How do you count it? 日本とインドネシアの関係~スカルノと,賠償 【法・人016】 期の交流を支えた日本人~ 【法・人011】 ■法文学部総合政策学科 研 究 テ ー マ 【法・総018】 コンビニスイーツが売れる理由 シーブリーズが高校生に愛される理由 【法・総019】 ~人気NO.1ブランドの経営戦略~ 【法・総020】 セブンイレブンはなぜ人気なのか 【法・総021】 【法・総022】 【法・総023】 【法・総024】 【法・総025】 【法・総026】 なぜ売れ続ける,うまい棒 ~ロングセラー商品にひそむ企業戦略~ 聴覚障害者が抱える困難について ~中途失聴者を中心に~ 高校生とスポーツ施設をつなぐ ~スポーツをより身近なものに~ 大街道をどう活性化するか ~高校生にできること~ カジノによる経済への影響とそれから 株主優待で人は生活できる 【教・047】 東京ディスニーリゾートの経営戦略について 【教・048】 俳句甲子園における開成高校の俳句 【教・049】「赤い鳥」から始まる童話 【教・050】 鴎外の「永遠の恋人」だったエリス 【教・051】 京極夏彦の特異性 【教・052】 光と彫刻の関係 【教・053】 空間と彫刻 ~作品から学ぶ空間の活用法~ 【教・054】 子どもの描画活動における発達段階 【教・055】 ああ,お母さん,あなたに申しましょう ~モーツアルトの音楽の魅力~ 【教・056】 ショパンの求める音楽とは何か ~華麗なる大円舞曲から~ 【教・057】 バロック音楽の魅力 ~バロック時代とは~ 【教・058】 大規模な描画活動を通した問題解決力の育成 インクルージブ教育における教員の合理的配慮 【教・059】 とは? 【教・060】 自閉症の子どもに対する親の教育 【教・061】 読み書き障害(ディスレクシア)と社会のつな がり 【教・062】 ペルチェ素子を用いた低温生成の挑戦 【教・063】 子どもの自然観 小学校低学年での学習方法の身に付けさせ方 【教・064】 ~小学校高学年での学力低下を防ぐために~ 現代のこどもたちの遊び 【教・065】 ~性別と遊ぶ場所を手掛かりにして~ 【教・066】 不登校 ~そのタイプと対応について~ 【教・067】 学習意欲を引き出す要因を考える ■理学部 研 究 テ ー マ 【法・総027】 インフレーションで得する企業と損する企業 【法・総028】 集団的自衛権と日米安全保障条約 【理・068】 黄金比とフィボナッチ数列の関連性 【法・総029】 領土問題 ~竹島~ 【法・総030】 アベノミクスのねらいと成果 【法・総031】 アベノミクス入門 【理・069】 巨大ブラックホール天体の観測的研究 【理・070】 なわばりの幾何とポストの配置(ボロノイ図) 【理・071】 ラングレーの問題の証明 【法・総032】 尊厳死 ~法制化への道~ 【法・総033】 精神障害者事件 ~被害者救済のために~ 【法・総034】 いじめ被害者の権利を守るために 【法・総035】 DV防止法 ~法律・警察権限の限界~ 松山駅の将来のビジョン 【法・総036】 ~運転所移設による周辺への影響~ グリーンツーリズムから地域活性化 【法・総037】 ~新しいまちづくりを考える~ 松山環状道路の開発による周辺地域への影響 【法・総038】 ~多世代共生のまちづくりをめざして~ 【理・072】 シャチの皮下脂肪に残留する有機ハロゲン化合 物の網羅分析 ~有機塩素化合物について~ 【理・073】 シャチの脂皮に残留する有機ハロゲン化合物の 網羅分析 ~臭素系難燃剤による汚染実態~ 【理・074】 コンドライト隕石の構成物の化学組成と結晶構 造 研 究 テ ー マ 【工・075】 メイラード反応と発生する??成分の関係性 【工・076】 アクセス速度の高速化 ~DNSの速度比較~ 【工・077】 ダイヤモンドを合成できる原料液体の探求 【工・078】 教材用ハイブリッドロケットの基礎的研究 【工・079】 インフラの老朽化による地震への影響とその対策 【工・080】 地震火災から身を守るために 【工・081】 自転車の仕組み 【工・082】 しりとりのアルゴリズムの構築 【工・083】 しりとりアルゴリズムの構築 ■農学部 研 究 テ ー マ 【農・084】 アポイカラマツの再生条件 【農・085】 簡易農薬検査による農作物の安全確保 【農・086】 ヒナノキンチャクの試験管内開花条件及び繁殖条 件の研究 【農・087】 学校にいる酵母でパンを作ろう 【農・088】 木本植物の電子標本庫の作成 【農・089】 学校周辺の植物体からの高発酵性酵母株の単離 【農・090】 裸麦の特性を考慮した食品加工について 【農・091】 学校給食 ~栄養バランスと自給率~ 【農・092】 災害食について 【農・093】 温泉水を用いた水耕栽培がトマト果実の品質に及 ぼす影響 【農・094】 出芽酵母トランスポーターの機能解析 温泉水を用いた水耕栽培がトマトの生育に及ぼす 【農・095】 影響 ■医学部 研 究 テ ー マ 【医・096】 成人T細胞白血病・リンパ腫の特性 【医・097】 iPS細胞・ES細胞 ~再生医療が未来を変える~ 【医・098】 80歳20本!! ~オーラルケアの考え方~ 【医・099】 人として死を迎えるには ~尊厳死・安楽死が認められにくい理由~ 【医・100】 がん緩和ケア ~日本の超高齢社会を見据えて~ 【医・101】 現代の糖尿病 ~高校生の知識と生活習慣~ 生命の誕生を迎える支援 ~妊娠中のつわりにつ 【医・102】 いて~ 【医・103】 新型出生前診断の現状からみる生命のとらえ方 【医・104】 自己効力感を高められたサルコイドーシス患者の 体験の分析 ~バンデュラの理論を用いた考察~ 【医・105】 ひとり親家庭の仕事と育児 【医・106】 子宮頸がんへの関心と予防 ~海外と日本の比較~ 【医・107】 生活習慣と健康 生活習慣病とその予防 ~高校生からできる予防 法~ 【医・109】 ダウン症患者の職業的自立 【医・108】 【医・110】 糖尿病について ~裕福な生活が糖尿病を招くの か?~ 【医・111】 花粉症と生活習慣の関連性について ■附属高校 研 究 テ ー マ 【高・112】 多くの友人関係を築くには 【高・113】 100年も続く宝塚歌劇の魅力 【高・114】 ブラック企業 【高・115】 消費者金融について ~消費者金融の有効利用~ 【高・116】 様々な図形とベクトル -29- ⑷ 活動計画の概要 ① 課題発見準備期間(10月~11月) 愛媛大学が選定した課題図書100選を参照し,課題発見の糸口を掴む。 ② テーマ設定期間(12月) 指示された研究課題例を参考に,希望テーマと大学担当教員を選択し,研究内容を 検討する。 ③ 資料作成期間(1月) 選択した研究課題例に沿って,高校側担当教員と大学担当教員との打合せ資料を作 成する。 ④ 指導者決定期間(2月) 作成した原案をもとに,各学部担当の附属高校教員と課題研究コーディネーターと の協議により,生徒一人一人に対し指導担当大学教員を決定する。 ⑤ テーマ検討・計画作成期間(3月) 高校側担当教員が,事前に指導担当大学教員と連絡,打合せを行った後,生徒は, 指導担当となった大学教員との面談を行い,指導・助言を受け研究課題及び内容の修 正を行った上で,課題研究計画書を作成する。 ⑥ 研究期間(4月~9月) 研究計画に沿い,調査・研究を実施する。 ⑦ 成果発表会(9月) ポスターセッションによる成果発表会(全生徒発表,一般公開)を愛媛大学ミュー ジアムにおいて,開催する。 ⑧ 代表者発表会(2月) 各学部より優秀者1名を選出し,オーラルセッションによる代表者発表会(一般公 開)を愛媛大学南加記念ホールにおいて,開催する。 ⑸ 評価の在り方についての検討 現在,ワーキング・グループを組織し,課題研究に関する評価の在り方について検討 しているところである。既に取組の報告がなされている「ルーブリック評価」「ポート フォリオ評価」「パフォーマンス評価」等に加え,実際に身についた課題発見・問題解 決力やクリティカルシンキング,レジリエンス等の力について評価を行うことのできる 指標の作成についても検討・審議を行っているところである。 今後,これらの評価が大学の入学者選考資料としての活動報告書等として活用するに 値するものとなることを考慮し,評価の妥当性等に関する調査・研究も併せて実施して いかなければならないと考えている。 今年度の取組においても,生徒たちの取り組む姿勢から,決してだれかから強制され ているというのではなく,自分の意思で自分の将来のために学んでいる気迫のようなも のを感じ取ることができるが,このようなことをどう評価に生かしていくことができる かが,課題となっている。 -30- 8 附属高等学校におけるフリーサブジェクト ⑴ 概要 愛媛大学1回生対象の共通教育科目(火曜日1限)を附属高校3年生120名全員が, 大学生と一緒に受講することで,大学の授業がどのようなものであるかを理解させ,最 終的に進路を決める一助とする。高等学校学習課程の範囲を超えて,広い視野で学問を 学ぶことができ,大学入学後のミスマッチを防ぐことにもなる。 前期は,大学1回生対象に開設されている共通教育科目を履修させる。単位の重複修 得(高等学校での単位認定及び大学入学後の大学での単位認定)について,海外の例を 参考に,その可能性を探る。後期は,「課題研究」との連関性を柔軟に捉えて,内容の 相互乗り入れを可能にするとともに,入学前教育にも繋がる「確かな学力」の担保を目 指し,自学力を養うための独自プロジェクトを実施している。 ⑵ 実施体制 ① 附属高等学校側の体制 1)3年学年部教員8名が担当し,出欠確認,巡視,家庭学習課題の確認及びフォ ロー等を行う。 2)附属高校主幹教諭は,共通教育センター長と協議し,附属高校生受講可能科目, 各科目受入可能人数等の決定を行った後に,附属高校生へのシラバスの提供,科目 選択希望調査,受講科目の決定等の総括を担当する。 ② 大学側の体制 1)共通教育センター長は,附属高等学校連携委員会からの依頼により,附属高校生 受講可能科目の選定を行う。 2)共通教育科目(附属高校生受講科目)担当教員は,普段の座席やグループワーク -31- 等において,大学生と高校生が混在するよう配慮する。講義内容や課題・試験等に ついては,高校生受講に伴う配慮・変更を行う必要はない。 ③ 事務部の体制 1)教育センター事務部共通教育担当者は,附属高校生向けに「共通教育受講の注意 事項」を作成し,説明を行うとともに,シラバスを提供することにより,円滑な受 講の補助を担う。 2)教育センター事務課共通教育担当者は,附属高校生を含む受講生名簿の作成,出 欠管理,成績処理,欠講連絡等について,附属学校園事務課担当者及び3年学年部 教員と協働で行う。 ⑵ 受講科目(平成27年度) 愛媛大学は,平成28年度からクォーター制(4学期制)を導入する。平成27年度は, 移行期・準備期間ということもあり,附属高校生の受講科目が3科目(平成25年度以前 は,約10科目)に限られた。 ① 生活科学入門[Introduction to Life Science] ② 考古学入門[Introduction to Archeology] ③ 工学入門[Introduction to Engineering] また,各講座とも附属高校生の受講者は約40名という制限が設けられた。 高校3年次での履修であること,大学生との関わりの中で様々な学びの経験をさせた いこと等から,今年度のような学問分野別科目ではなく主題探求型科目を履修させるこ とが望ましいと考えている。 -32- 9 スーパーサイエンスハイスクール,スーパーグローバル ハイスクール指定校等との連携 ⑴ 愛媛スーパーハイスクールコンソーシアムとの連携 愛媛県教育委員会は,文部科学省からSSH,SGHに指定された県内高等学校及び中等 教育学校を支援・協力するため,愛媛スーパーハイスクールネットワーク構想を構築し た。(34ページ参照) 愛媛スーパーハイスクールコンソーシアムは,愛媛県教育委員会,愛媛県総合教育セ ンター,愛媛県高等学校教育研究会数学部会・理科部会・英語部会等,県内企業,総合 科学博物館,農林水産研究所,産業技術研究所等が連携を図り,日本を支え,世界に翔 ばたくグローバル人材の育成を目指すものである。 本学においては,高校段階から生徒の幅広い教養と深い理解,課題発見・解決力,学 び続ける意欲を育てるためのさまざまな取組を実施し,学びのモチベーションを高めさ せるため,平成27年度から同コンソーシアムに参加した。これにより,本事業の取組を 附属高校だけではなく,複数の県内高校において実践し,成果を他校にも幅広く波及さ せることができた。 また,附属高校においては,関係機関からの支援・協力を受けることができるように なり,教育機関だけではなく,企業等からの協力が得られる体制となった。 愛媛県内のSSH,SGH指定校におけるグローバル人材の育成やサイエンススキルの向 上に向けて取り組んだ成果については,各校のホームページ,情報紙や新聞等でも取り 上げられたほか,各校の生徒・教職員,一般の方向けの成果発表会を開催するなどして 成果の普及が図られた。 ⑵ スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校との連携 ① 愛媛県立松山南高等学校 愛媛県立松山南高等学校は,平成14年度から4期にわたってSSHに指定されてい る。第1期は「高大連携」をテーマに掲げ,本学は研究室体験の機会を提供するなど 幅広い協力を行ってきた。平成27年度からの第4期は「持続可能な発展のための科学 教育SESD(SESD:Science Education for Sustainable Development) 」を構想に掲げ ている。同構想は,高いレベルの科学的探究能力を高めるため,大学との連携による 課題研究等の実施を行い,社会・地球の発展に科学技術で貢献することができる人材 の育成を目指している。 本学では,この高大連携の取組として,理数,医療,農学など科学的スキルを高め るための授業に理系学部教員を派遣している。また,フィールドワークや英語プレゼ ン研究発表会等でも,生徒の知的探究心を高めさせたり,課題発見・課題解決を図る ことができるよう専門的な知識を深めたりすることに留意して指導等を行った結果, 全国規模のコンテストである東京理科大学理窓会「第7回坊っちゃん科学賞」におい て優秀賞を受賞したり,愛媛県総合科学博物館「中高生のためのかはく科学研究プレ ゼンテーション大会」において,ステージ部門の最優秀賞を受賞したりするなど,高 大連携による支援の成果が報告されている。また,平成27年度から本取組の一つとし -33- 愛媛スーパーハイスクールネットワークの構築 -34- て,愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」(リーディングをベースとしたテキストを使用 し,授業はネイティブ教員が担当,4技能(聞く,話す,読む,書く)をバランスよ く学ぶ内容)を開講し,同高校の生徒が大学レベルの授業を受講した(19~20ペ-ジ 参照)。 ② 愛媛県立宇和島東高等学校 愛媛県立宇和島東高等学校は,「リージョナルサイエンス(Regional Science)~ 地域からの挑戦~」を構想に掲げ,平成25年度にSSHに指定された。同構想は,地域 の自然や文化・産業を素材として,体験的・問題解決学習を進め,豊かな創造性や科 学的思考力を育成するため,大学と連携し科学技術の発展に貢献できる人材育成を目 指している。 本学における高大連携の取組として,理系学部教員による理数など科学的スキルを 高めるための授業を担当している。授業での講義・実験,合宿研修では工学の基礎や 環境問題に関する実験を行い,合宿研修の最終日には生徒が成果発表を行った。高校 の「課題研究」では,中間発表会や最終発表会で本学の教員が助言したり,講評を述 べたりするなど生徒の知的探究心を高めさせ,課題発見・課題解決を図ることができ るよう専門的な知識を深めさせることができた。 ⑶ スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校との連携 ① 愛媛県立松山東高等学校 愛媛県立松山東高等学校は,「東高がんばっていきましょい-ALL愛媛で育てる世 界に羽ばたく人材-」を構想に掲げ,平成26年度にSGHに指定された。同構想は,行 政,企業,国内外の大学等と連携を図り,課題研究のための資質・能力育成カリキュ ラム開発,グローバル・リーダーを育成するための課題研究プログラムの開発を行 い,輝かしい伝統を受け継ぎ,新たな創造を切り開く,人間的魅力のあるグローバ ル・リーダーの育成を目指している。 同校では,文化,経済,芸術,科学,医療,環境,社会問題等の幅広い学問領域に ついて,「課題研究」として1年生全員に週2時間の授業を行い,2年生では78名の SGコースの生徒に対して引き続き「課題研究」を行っている。「課題研究」は,本学 のすべての学部から26人の教員(平成27年度)が継続的に生徒を直接指導することに より,生徒の興味や関心を高め,より質の高いあらゆる分野の「課題研究」の実施を 可能にしている。このような大規模な高大連携は,全国のSGH指定校のなかでもほと んど例がない。平成27年度の「課題研究」の評価として,新たに開発したルーブリッ クによる評価指標に基づいて,試行的な評価を行った(24~25ペ-ジ参照) 。 また,平成27年度から本取組の一つとして,愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」 (リーディングをベースとしたテキストを使用し,授業はネイティブ教員が担当。4 技能(聞く,話す,読む,書く)をバランスよく学ぶ内容)を開講し,同高校の生徒 が大学レベルの授業を受講した(19~20ペ-ジ参照) 。 -35- ② 愛媛県立宇和島南中等教育学校 愛媛県立宇和島南中等教育学校は,「宇和島のうみ・やまから世界を考える」を構 想に掲げ,平成27年度にSGHに指定された。同構想は,行政,企業,国内外の大学等 と連携を図り,グローバル時代に対応する持続可能な地域社会を支える人材の育成の 研究を通して,グローバルな視点から地域の活性化に貢献でき,社会問題の解決に取 り組む人材,チャレンジ精神旺盛な「学びの即戦力となる人材育成」を目指してい る。 本学における高大連携の取組として,本学の教員による歴史・文化,環境,まちづ くり,農業などの講義や環境教育プログラムでの学生による実践的な指導助言等のほ か,本学附属高校の生徒との意見交換等を通して,異文化理解の増進,地域課題・地 域再発見や生徒が取り組む課題研究の支援等を行った。 また,愛媛大学改革シンポジウムへの参加を通して,愛媛県からアメリカに移民し て国際的に活躍している方や県内企業の方等から,海外勤務や海外ビジネスの現状等 について学んだ。さらに,留学生へのインタビュー調査を通して,異文化の理解増進 が図られた。 ⑷ 高等学校等における出張講義 出張講義は,愛媛大学と愛媛県教育委員会が「高大連携協力に関する協定」を締結し ており,この締結に基づき「高大連携プログラム」の一環として出張講義を実施してい る。本学の教員が県内の高等学校・中等教育学校を訪問し,多様な研究の一端を紹介す る「模擬授業」等を実施している。 模擬授業は,法文学部,教育学部, 理学部,医学部,工学部,農学部の教 員が専門的な教育研究について講義を 行うほか,現役理系女子大学生による 「女性のための理系進路選択を支援す るプログラム」などを提供している。 高等学校対象の出張講義後アンケー トの結果(平成27年9月現在)では, 出張講義を依頼した目的として,「生 徒が自己の進路・進学についてより 深く考える契機とするため」(50.0%)が最も多く,「大学で行われている教育・研究 の一端を,生徒に伝えたいため」(18.4%)が次に多い回答であり,その目的は全員が 「達成された」との回答があった。 このように,高大連携プログラムの取組は,高校生の進路選択につながったり,大学 の教育研究を知るための良い機会となっている。 -36- 10 成果の公表・普及活動 ⑴ 成果の公表・普及活動 文部科学省「大学教育再生加速プログラム(テーマⅢ:高大接続)」に採択されたこ とにより,組織体制の整備を図り,これまでの高大連携事業にはなかった教育プログ ラムの開発が進み,平成27年度から新たな事業を展開できるようになった。本学と愛 媛県教育委員会や県内高等学校との連携が不可欠で,本事業に対する理解が得られてい ることで,本取組に対する様々な支援や協力を得て推進することができたものである。 今後,取組の効果検証等を行いながらさらなる連携強化や継続した成果の普及促進を行 う。 愛媛スーパーハイスクールネットワークに参加したことにより,高大接続に関する取 組は,大学と高等学校との連携だけではなく,高等学校間の横の連携がとりやすくな り,各学校の教職員・生徒の交流促進や保護者等が高大接続に関する取組に高い関心を 示すようになった。 ① ホームページの開設 本取組の情報を発信するため,オリジナルホームページを平成27年3月2日に開設 した(URL http://ap.hi.ehime-u.ac.jp/) 。 コンテンツとしては,事業の概要,事業内容,実施体制等で,これまでの諸活動の 状況等について情報発信し,多数のアクセスが確認できた。 【トップページ画面】 -37- ② パンフレット・報告書の作成・配布 本取組の概要や取組状況に関する情報を発信するため,全国の国公私立大学等に パンフレットを配布した(平成27年3月)。また,県内外の高等学校等にも配布し, 本取組に関する意見交換などを行った。また,本取組活動を記述した本報告書を作成 し,全国の大学等に配布するほか,ホームページに掲載した(平成28年3月) 。 【パンフレット】 ③ 学会・シンポジウム等 横浜国立大学が主催した「AP推進フォーラム」において,本学はポスターセッ ションに参加し,全国から集まった教職員と意見交換を行い,多くの方の興味関心の 高さが確認できた(平成27年2月) 。 平成26年度愛媛大学教育改革シンポジウムにおいて,本取組の基調報告を行った (平成27年3月)。 本学附属高校の「課題研究」の成果発表会(年2回)等において,課題研究の成果 の発表を行った。 今後,本取組の成果等については,関係学会やシンポジウム等の機会を捉えて発表 し,本取組の成果を普及させる。 ④ その他(新聞,テレビ等) 本取組が平成26年8月20日に文部科学省「大学教育再生加速プログラム」(テーマ Ⅲ:高大接続)に選定された結果を受け,9月3日に柳澤康信学長(当時),松本長 彦(理事・副学長(教育担当)(当時) ) ,壽卓三(副学長(評価・附属学校担当) (当 時) ) ,井上敏憲(アドミッションセンター教授)による記者説明会を開催し,柳澤康 信学長(当時)から「本学では,教育再生実行会議(第四次提言)を踏まえ,これか らの入試改革や高大接続に関する取組を展開し,全国的に高大接続に関して特色ある 取組は数少なく課題となっていることから,本学附属高等学校をモデルとして,これ までの取組を発展させ,全国のパイオニアとして先導し,広く全国に普及させていき たい。」旨の説明があり,新聞等の各種メディアに取り上げられた。 愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」が「文教ニュース」(文教ニュース社。平成27 年11月16日掲載) , 「文教速報」(平成27年11月20日掲載。官庁通信社)に記事掲載し た。ほか多数。 -38- 11 委員会等の開催状況 ⑴ 高大接続推進委員会 平成27年1月16日(金) ・大学教育再生加速プログラム(高大接続)事業概要について ・平成26年度における事業実施計画について ・高大接続による大学教育の高度化について ・ICT教材(タブレット端末購入,運用計画)について ・国内外における訪問調査の実施について ・外部評価委員会委員について ・ホームページの構築について ・近畿大学附属高等学校における取組報告 ・その他 平成27年5月25日(月) ・平成26年度における事例調査報告について ・平成26年度実績報告について ・平成27年度事業計画について ・iPad利用型授業展開案と教員研修計画について ・スーパーグローバルハイスクールの指定について ・平成27年度における事業に関する意見交換について ・AP自己点検・評価委員会,AP外部評価委員会の開催について ・オリジナルホームページの開設について ・その他 国立大学法人愛媛大学高大接続推進室規程の一部改正について 平成27年8月10日(月) ・愛媛大学大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会ワーキンググループの 設置について ・愛媛大学大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会委員について ・P-AP英語実施計画について ・平成26・27年度活動報告書の作成について ・その他 平成27年8月25日(火) ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」の開講について ・その他 平成27年9月30日(水) ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」受講者の決定について -39- ・その他 平成28年2月24日(水) ・愛媛大学教育・学生支援機構高大接続科目等履修生に係る関係規程等の整備につ いて ・平成27年度愛媛大学公開授業「大学数学基礎」の実施について ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」受講修了について ・平成27年度事業報告について ・平成28年度事業計画について ・愛媛大学大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会委員(規程第3条第1 項第7号委員)について ・愛媛大学大学教育再生加速プログラム外部評価委員会委員について ・その他 ⑵ P-APプログラム開発ワーキンググループ 平成27年8月24日(月) ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」の開講について ・その他 平成27年9月4日(金) ・平成27年度「P-AP数学」の実施状況について ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」の準備状況について ・単位認定方針について ・その他 平成27年9月30日(水) ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」受講者の決定について ・その他 平成28年2月9日(火) ・愛媛大学教育・学生支援機構高大接続科目等履修生に係る関係規程等の整備につ いて ・平成27年度愛媛大学公開授業「英語総合Ⅰ」修了について ・P-AP英語,P-AP数学について ・その他 ⑶ 「課題研究」評価ワーキンググループ 平成27年10月19日(月) ・「課題研究」評価に係るルーブリックの開発について ・高等学校における多様な学習成果の評価手法に関する調査研究事業について -40- ・その他 平成27年12月10日(木) ・「課題研究」評価に係るルーブリックの開発について ・その他 平成28年1月29日(金) ・「課題研究」評価に係るルーブリックの開発及び試行について ・その他 ⑷ ICT教材開発ワーキンググループ 平成27年9月29日(火) ・附属高等学校からの要望等について ・平成27年度「ICT教材開発ワーキンググループ」の方針について ・その他 平成28年3月3日(木) ・平成28年度におけるICT教材の開発について ・その他 ⑸ 自己点検・評価委員会 平成28年2月24(水) ・大学教育再生加速プログラムの取組概要について ・活動報告について ・目標達成状況について ・今後の活動計画について ・自己点検・評価委員会委員について ・その他 ⑹ 外部評価委員会 平成28年3月10日(木) ・大学教育再生加速プログラムの取組概要について ・活動報告について ・目標達成状況について ・今後の活動計画について ・外部評価委員会委員について ・その他 -41- 12 参考資料 〇国立大学法人愛媛大学基本規則(抄) (平成20年4月1日規則第1号) 第1章 総則 第2章 役員等及び審議機関 第3章 職員及び業務組織 第4章 大学 第1節 教育研究組織 第2節 教育研究組織の長及び審議機関 第2章 (高大接続推進室) 第21条の7 本法人に,高大接続を推進するため,国立大学法人愛媛大学高大接続推進室(以 下「高大接続推進室」という。)を置く。 2 高大接続推進室に関し必要な事項は,別に定める。 附 則 この規則は,平成26年12月10日から施行する。 -42- 〇国立大学法人愛媛大学高大接続推進室規程 (平成26年12月10日規則第63号) (趣旨) 第1条 この規程は,国立大学法人愛媛大学基本規則第21条の7第2項の規定に基づき,国立 大学法人愛媛大学高大接続推進室(以下「高大接続推進室」という。)の組織及び運営に関 し,必要な事項を定めるものとする。 (目的) 第2条 高大接続推進室は,愛媛大学における円滑な高大接続を推進するための取組を適切に運 営及び実施することを目的とする。 (業務) 第3条 高大接続推進室は,前条の目的を達成するため,次の各号に掲げる業務を行う。 ⑴ 附属高等学校との高大連携教育の推進に関すること。 ⑵ 大学教育再生加速プログラム事業の推進に関すること。 ⑶ スーパーサイエンスハイスクール事業の支援に関すること。 ⑷ スーパーグローバルハイスクール事業の支援に関すること。 ⑸ その他前条の目的を達成するために必要な事業に関すること。 (組織) 第4条 高大接続推進室に,次の各号に掲げる者を置く。 ⑴ 室長 ⑵ 副室長 ⑶ 室員 ア 第7条第1項各号に規定する委員会の委員長 イ その他学長が指名する者 (職務) 第5条 室長は,高大接続推進室の業務を総括する。 2 副室長は,室長の職務を補佐し,室長が指示する業務を処理する。 3 室員は,高大接続推進室の業務に従事する。 (室長等) 第6条 室長は,教育を担当する理事をもって充てる。 2 副室長は,学長が指名する理事,副学長又は学長特別補佐をもって充てる。 (委員会) 第7条 高大接続推進室に,第3条に規定する業務を行うため,次に掲げる委員会を置く。 ⑴ 愛媛大学附属高等学校連携委員会 ⑵ 愛媛大学大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会 ⑶ 愛媛大学スーパーサイエンスハイスクール連携委員会 ⑷ 愛媛大学スーパーグローバルハイスクール連携委員会 2 前項に規定する委員会に関し必要な事項は,別に定める。 (自己点検・評価委員会及び外部評価委員会) 第8条 第3条第1項第2号に規定する業務の評価を行うため,愛媛大学大学教育再生加速プロ -43- グラム自己点検・評価委員会及び愛媛大学大学教育再生加速プログラム外部評価委員会を置 く。 2 前項に規定する委員会に関し必要な事項は,別に定める。 (事務) 第9条 高大接続推進室に関する事務は,教育学生支援部教育企画課及び附属学校園事務課にお いて処理する。 (雑則) 第10条 この規程に定めるもののほか,高大接続推進室に関し必要な事項は,別に定める。 附 則 この規程は,平成26年12月10日から施行する。 附 則 この規程は,平成27年4月1日から施行する。 -44- 〇愛媛大学大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会規程 (平成26年12月10日規則第65号) (趣旨) 第1条 この規程は,国立大学法人愛媛大学高大接続推進室規程第7条第2項の規定に基づき, 愛媛大学大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会(以下「AP推進委員会」とい う。)の組織及び運営に関し,必要な事項を定めるものとする。 (目的) 第2条 AP推進委員会は,文部科学省大学改革推進等補助金による大学教育再生加速プログラ ム(以下「AP事業」という。)の取組を推進するため,次に掲げる業務を行う。 ⑴ パイオニア・アドバンスト・プレイスメント科目の創設及び二重単位の付与に関すること (他の所掌に属するものを除く。)。 ⑵ ルーブリック評価による課題研究の高度化と入試への活用に関すること(他の所掌に属す るものを除く。)。 ⑶ 高大一貫で汎用的能力を育てるICT教材の開発に関すること。 ⑷ その他AP事業に係る重要事項に関すること。 (組織) 第3条 AP推進委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。 ⑴ 高大接続推進室副室長 ⑵ 教育・学生支援機構共通教育センター長 ⑶ 教育・学生支援機構英語教育センター長 ⑷ 教育・学生支援機構アドミッションセンター長 ⑸ 教育・学生支援機構教育企画室長 ⑹ 教育学生支援部長 ⑺ その他委員長が必要と認めた者 2 前項第7号の委員は,委員長が当該教員が所属する部局等の長の同意を得て推薦し,学長が 任命する。 3 第1項第7号の委員の任期は2年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合 の後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 (委員長) 第4条 AP推進委員会に委員長を置き,前条第1項第1号の委員をもって充てる。 2 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。 3 委員長に事故があるときは,あらかじめその指名する委員が,その職務を代理する。 (議事) 第5条 AP推進委員会は,委員(代理者を含む。以下同じ。)の過半数の出席がなければ議事 を開くことができない。 2 議事は,出席した委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによ る。 (委員以外の者の出席) 第6条 委員長が必要と認めるときは,委員以外の者をAP推進委員会に出席させ,説明又は意 -45- 見を聴くことができる。 (事務) 第7条 AP推進委員会に関する事務は,教育学生支援部教育企画課及び附属学校園事務課にお いて処理する。 (雑則) 第8条 この規程に定めるもののほか,AP推進委員会に関し必要な事項は,別に定める。 附 則 1 この規程は,平成26年12月10日から施行する。 2 この規程の施行後最初に任命される第3条第1項第7号の委員の任期は,同条第3項の規定 にかかわらず,平成28年3月31日までとする。 -46- 〇愛媛大学大学教育再生加速プログラム自己点検・評価委員会規程 (平成26年12月10日規則第68号) (趣旨) 第1条 この規程は,国立大学法人愛媛大学高大接続推進室規程第8条第2項の規定に基づき, 愛媛大学大学教育再生加速プログラム自己点検・評価委員会(以下「AP自己点検・評価委員 会」という。)の組織及び運営に関し,必要な事項を定めるものとする。 (審議事項) 第2条 AP自己点検・評価委員会は,次の各号に掲げる事項を審議する。 ⑴ 大学教育再生加速プログラム(以下「AP事業」という。)の取組内容に関すること。 ⑵ AP事業の事業計画及び実施状況に関すること。 ⑶ AP事業の効果及び普及促進に関すること。 ⑷ その他委員長から指示されたこと。 (組織) 第3条 AP自己点検・評価委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。 ⑴ 高大接続推進室長 ⑵ 高大接続推進室副室長 ⑶ 教育・学生支援機構共通教育センター長 ⑷ 教育・学生支援機構アドミッションセンター長 ⑸ 教育・学生支援機構教育企画室長 ⑹ その他委員長が必要と認めた者 2 前項第6号の委員は,委員長が当該教員が所属する部局等の長の同意を得て推薦し,学長が 任命する。 3 第1項第6号の委員の任期は2年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合 の後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 (委員長) 第4条 AP自己点検・評価委員会に委員長を置き,前条第1項第1号の委員をもって充てる。 2 委員長は,AP自己点検・評価委員会を招集し,その議長となる。 3 委員長に事故があるときは,あらかじめその指名する委員が,その職務を代理する。 (議事) 第5条 AP自己点検・評価委員会は,委員(代理者を含む。以下同じ。)の過半数が出席しな ければ議事を開くことができない。 2 議事は,出席した委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによ る。 (委員以外の者の出席) 第6条 委員長が必要と認めるときは,委員以外の者をAP自己点検・評価委員会に出席させ, 説明又は意見を聴くことができる。 (報告) 第7条 委員長は,AP自己点検・評価委員会における審議結果を速やかに学長に報告しなけれ ばならない。 -47- (事務) 第8条 AP自己点検・評価委員会に関する事務は,教育学生支援部教育企画課及び附属学校園 事務課において処理する。 (雑則) 第9条 この規程に定めるもののほか,AP自己点検・評価委員会に関し必要な事項は,別に定 める。 附 則 1 この規程は,平成26年12月10日から施行する。 2 この規程の施行後最初に任命される第3条第1項第6号の委員の任期は,同条第3項の規定 にかかわらず,平成28年3月31日までとする。 -48- 〇愛媛大学大学教育再生加速プログラム外部評価委員会規程 (平成26年12月10日規則第69号) (趣旨) 第1条 この規程は,国立大学法人愛媛大学高大接続推進室規程第8条第2項の規定に基づき, 愛媛大学大学教育再生加速プログラム外部評価委員会(以下「AP外部評価委員会」とい う。)の組織及び運営に関し,必要な事項を定めるものとする。 (審議事項) 第2条 AP外部評価委員会は,次の各号に掲げる事項を審議する。 ⑴ 大学教育再生加速プログラム(以下「AP事業」という。)の取組内容に関すること。 ⑵ AP事業の事業計画及び実施状況に関すること。 ⑶ AP事業の効果及び普及促進に関すること。 ⑷ その他委員長から指示されたこと。 (組織) 第3条 AP外部評価委員会は,次の各号に掲げる委員をもって組織する。 ⑴ 国立大学法人愛媛大学経営協議会の委員のうち,本法人の役員又は職員以外の委員のなか から愛媛大学長(以下「学長」という。)が指名する者 ⑵ 愛媛県教育委員会教育長から推薦された者 ⑶ その他学長が指名する学外の有識者 2 前項第3号の委員の任期は2年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の 後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 (委員長) 第4条 AP外部評価委員会に委員長を置き,委員の互選により選出する。 2 委員長は,学長の要請に基づきAP外部評価委員会を招集し,その議長となる。 3 委員長に事故があるときは,あらかじめその指名する委員が,その職務を代理する。 (議事) 第5条 AP外部評価委員会は,委員の過半数が出席しなければ議事を開くことができない。 2 議事は,出席した委員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによ る。 (委員以外の者の出席) 第6条 委員長が必要と認めるときは,委員以外の者をAP外部評価委員会に出席させ,説明又 は意見を聴くことができる。 (報告) 第7条 委員長は,AP外部評価委員会における審議結果を速やかに学長に報告しなければなら ない。 (事務) 第8条 AP外部評価委員会に関する事務は,教育学生支援部教育企画課及び附属学校園事務課 において処理する。 (雑則) 第9条 この規程に定めるもののほか,AP外部評価委員会に関し必要な事項は,別に定める。 -49- 附 則 1 この規程は,平成26年12月10日から施行する。 2 この規程の施行後最初に任命される第3条第1項第3号の委員の任期は,同条第2項の規定 にかかわらず,平成28年3月31日までとする。 -50- 〇大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会P-APプログラム開発 ワーキンググループ設置要項 (平成27年8月10日決定) (目的) 第1条 大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会規程第8条の規定に基づき,パイオニ ア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの創設と二重単位の付与に関す る検討を行うため,大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会(以下「委員会」とい う。)の下に,P-APプログラム開発ワーキンググループ(以下「ワーキンググループ」と いう。)を設置する。 (業務) 第2条 ワーキンググループは,次の各号に掲げる業務を行うものとする。 ⑴ パイオニア・アドバンスト・プレイスメント(P-AP)プログラムの開発に関するこ と。 ⑵ 大学生及び高校生に対する二重単位の付与の制度設計に関すること。 ⑶ その他前号の業務を達成するために必要な事項。 (委員) 第3条 ワーキンググループの委員は,次に掲げる者で組織する。 ⑴ 委員会委員の中から委員長が指名した者 ⑵ 愛媛大学附属高等学校の教諭 1人 ⑶ その他座長が必要と認めた者 若干人 2 前項第1号の委員は,委員長が推薦し,高大接続推進室長(以下「室長」という。)が任命 する。 3 第1項第2号及び第3号の委員は,当該教員が所属する部局等の長の同意を得て室長が任命 する。 4 第1項各号の委員の任期は1年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の 後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 (座長) 第4条 ワーキンググループに座長を置き,前条の委員の中から,委員長が指名する者をもって 充てる。 2 座長は,ワーキンググループの会議を招集し,その議長となる。 (委員以外の者の出席) 第5条 ワーキンググループが必要と認めるときは,委員以外の者の出席を求めて,説明又は意 見を聴くことができる。 (事務) 第6条 ワーキンググループに関する事務は,教育学生支援部において処理する。 (雑則) 第7条 この要項に定めるもののほか,ワーキンググループに関し必要な事項は,室長が別に定 める。 附 則 1 この要項は,平成27年8月10日から施行する。 2 この要項の施行後最初に任命される第3条第1項の委員の任期は,同条第4項の規定にかか わらず,平成28年3月31日までとする。 -51- 〇大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会「課題研究」評価 ワーキンググループ設置要項 (平成27年8月10日決定) (目的) 第1条 大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会規程第8条の規定に基づき,「課題研 究」の高度化を図るためのルーブリック評価等の開発を行うため,大学教育再生加速プログ ラム高大接続推進委員会(以下「委員会」という。)の下に,「課題研究」評価ワーキンググ ループ(以下「ワーキンググループ」という。)を設置する。 (業務) 第2条 ワーキンググループは,次の各号に掲げる業務を行うものとする。 ⑴ 「課題研究」に係るルーブリック評価等の開発に関すること。 ⑵ その他前号の業務を達成するために必要な事項。 (委員) 第3条 ワーキンググループの委員は,次に掲げる者で組織する。 ⑴ 委員会委員の中から委員長が指名した者 ⑵ 愛媛大学附属高等学校の教諭 1人 ⑶ その他座長が必要と認めた者 若干人 2 前項第1号の委員は,委員長が推薦し,高大接続推進室長(以下「室長」という。)が任命 する。 3 第1項第2号から第3号までの委員は,当該教員が所属する部局等の長の同意を得て室長が 任命する。 4 第1項各号の委員の任期は1年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の 後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 (座長) 第4条 ワーキンググループに座長を置き,前条第1項の委員の中から,委員長が指名する者を もって充てる。 2 座長は,ワーキンググループの会議を招集し,その議長となる。 (委員以外の者の出席) 第5条 ワーキンググループが必要と認めるときは,委員以外の者の出席を求めて,説明又は意 見を聴くことができる。 (事務) 第6条 ワーキンググループに関する事務は,教育学生支援部において処理する。 (雑則) 第7条 この要項に定めるもののほか,ワーキンググループに関し必要な事項は,室長が別に定 める。 附 則 1 この要項は,平成27年8月10日から施行する。 2 この要項の施行後最初に任命される第3条各号の委員の任期は,同条第4項の規定にかかわ らず,平成28年3月31日までとする。 -52- 〇大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会ICT教材開発ワーキング グループ設置要項 (平成27年8月10日決定) (目的) 第1条 大学教育再生加速プログラム高大接続推進委員会規程第8条の規定に基づき,高大で一 貫した汎用的能力を育てるICT教材の開発を行うため,大学教育再生加速プログラム高大接 続推進委員会(以下「委員会」という。)の下に,ICT教材開発ワーキンググループ(以下 「ワーキンググループ」という。)を設置する。 (業務) 第2条 ワーキンググループは,次の各号に掲げる業務を行うものとする。 ⑴ 高大で一貫した汎用的能力を育てるICT教材の開発に関すること。 ⑵ その他前号の業務を達成するために必要な事項。 (委員) 第3条 ワーキンググループの委員は,次に掲げる者で組織する。 ⑴ 委員会委員の中から委員長が指名した者 ⑵ 愛媛大学総合情報メディアセンターの専任教員 1人 ⑶ 愛媛大学附属高等学校の教諭 1人 ⑷ その他座長が必要と認めた者 若干人 2 前項第1号の委員は,委員長が推薦し,高大接続推進室長(以下「室長」という。)が任命 する。 3 第1項第2号から第4号までの委員は,当該教員が所属する部局等の長の同意を得て室長が 任命する。 4 第1項各号の委員の任期は1年とし,再任を妨げない。ただし,委員に欠員が生じた場合の 後任者の任期は,前任者の残任期間とする。 (座長) 第4条 ワーキンググループに座長を置き,前条第1項の委員の中から,委員長が指名する者を もって充てる。 2 座長は,ワーキンググループの会議を招集し,その議長となる。 (委員以外の者の出席) 第5条 ワーキンググループが必要と認めるときは,委員以外の者の出席を求めて,説明又は意 見を聴くことができる。 (事務) 第6条 ワーキンググループに関する事務は,教育学生支援部において処理する。 (雑則) 第7条 この要項に定めるもののほか,ワーキンググループに関し必要な事項は,室長が別に定 める。 附 則 1 この要項は,平成27年8月10日から施行する。 2 この要項の施行後最初に任命される第3条各号の委員の任期は,同条第4項の規定にかかわ らず,平成28年3月31日までとする。 -53- 文部科学省「大学教育再生加速プログラム」(テーマⅢ:高大接続) 平成28年3月発行 [編集・発行] 愛媛大学高大接続推進室(教育学生支援部教育企画課) 〒790-8577 愛媛県松山市文京町3 電話:089-927-8111 ホームページ:http://ap.hi.ehime-u.ac.jp/