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一家に 1枚 「 動く!タンパク質 - 科学技術週間

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一家に 1枚 「 動く!タンパク質 - 科学技術週間
※ 細胞やタンパク質などの図は、色などを脚色しています。またタンパク質の立体構造の
※1.
図は科学的なデータをもとにしていますが、
、
見やすくするために一部作り替えています。
※2. タンパク質は黄色の名札、細胞小器官はピンク色の名札で表示されています。
※3. イラストでは動きが面白い一部のタンパク質をキャラクター化して描きました。キャ
ラクターは実物よりも大きめに描かれています。
※4.「タンパク質のダイナミックな折りたたみ」では、アミノ酸の鎖が折りたたまれ
る様子をコンピューターシミュレーションで再現しました。
੧ၲ
V
H
H V V B H B
V
V
H
B
H
B
B
B B
ジ体
ゴル
V
V H
タンパク質製造マシー
ン のリボソーム が 伝 令
RNAに記録された情報に
従って、アミノ酸を順番につ
なぎます。アミノ酸は運び屋である運
搬RNAが持ってきます。
B
H B
H B
B
B
B
B
H
V
V
B D B
B
H
ゴルジ体 細胞外に出すタンパク質をパッキングする
細胞膜 細胞と外界との境界
V V V
リソソーム 取り込まれた栄養などを消化する
B H B
B
B D
V H V
B B
B
V
H V
B
H
B
V
D V V
H B B
H V
V
B
キネシンとダイニンによっていろいろな場所に運ばれる
(
「歩く!」
参照)
A
RN
運搬
H
B B B
V H V
B H B
微小管 タンパク質製の道路
(
「歩く!」
参照)
伝令RNAの化学式
リボソームによってつなげられたアミノ
酸の鎖は、
折りたたまれ、
それぞれのタ
ンパク質の働きに合った形になります。
੧ၲɈෂɁລȩʗˋʩʇଋ
ム
ソー
リボ
NH₂
N
O
O P O
キネ
キネシ
キ
キネシン
ネシ
ネ
シン
B
B H
A
RN
伝令
V D! V
ふくろ
エンドソーム 栄養素などを膜で包んだ袋
シン
キネ
V
H
DNA デオキシリボ核酸(DNA)。遺伝情報をもった分子
核 DNAをしまっておく場所
町なかに道路が張りめぐらされているのと同じように、細胞
内にもタンパク質でできた微小管という道路があります。そ
の上を、キネシンやダイニンというタンパク質がミトコンドリ
アやエンドソームなどを背負って活発に行き来しています。
H
B
∼
∼
合図を送る
ム
ソー
リボ
ミトコンドリア
ア アデノシン三リン酸(ATP)の生産工場
(
「回る!」
参照)
ංƄ
B
B
H
B
アミノ酸
ム
ソー
リソ
A
DN
A
RN
伝令
B
管
微小
ア
ドリ
コン
ト
ミ
て
任せ
DNA
H
私たちの体は、目、脳 、心臓
心 臓 、筋肉など、いろいろな器官が集まってできています。
器官をつくっているのは多数の細胞です。
す 細胞を拡大してみましょう。その中にはタ
ンパク質がいっぱいつまっています。タンパク質の大きさはわずか10万分の1㎜です。
酵素
合成
A
RN
よし
よし
V
核
素
成酵
A合
RN
DNA
B
心臓
臓
H
ーム
ドソ
エン
V
目
違いで、いろいろなタンパク質ができます。アミノ酸の種類と順番は、
デオキシリボ核酸
(DNA)に、化学的な性質が少しずつ違う分子の並び方(核酸の塩基配列)
として指示さ
てん しゃ いん し
れています。それを、転写因子というタンパク質が、DNAの上を動いて設計図(遺伝子)
の位置を探しだして、
タンパク質をつくる合図を送りま
発見
す。次に、
リボ核酸(RNA)合成酵素というタンパ
探しまわる
ク質が、転写因子が見つけた場所のDNAに
因子
転写
記されているタンパク質の情報を伝
令RNAに写しとります。
B
ࡉࠋ
௘Ƅ ǧțǹǗ࠽
アミノ酸がつながってで
ʗˋʩʇଋɬȾȩɥ タンパク質は、
きています。アミノ酸の種類や順番の
H
2
‫ݦێ‬Ʌ!āā
Ⴓ
脳
体の中で、
体
タンパク質は忙しく動き回って
い
います。
くるくる回ってエネルギーをつくっ
たり、
た
道路を走って栄養を届けたり、
光の
情報を感じて隣のタンパク質とドッキン
情
グ。動く
グ
!タンパク質がいることで、
私たち
は
は生きているのです。
V
ൌɈ
Ĥ
ɂ
੧ȥȩॽɀ
ɭɃɭ
Ȟȩ
Ƀ
ɬ
ෂ
O
O
N
N
アデニン
A
N
A
RN
運搬
O
O P
塩基
O
O
O
₂
O
੧ၲႸ
管
微小
荷物を運ぶキネシン(透過型電子顕微鏡写真)
膜
細胞
®
Ӄǀ
ʗˋʩʇଋɈ
ʘɼʢʷʛʇɄಠɤȹȹə
など
栄養
ーム
ドソ
エン
ミトコンドリアの膜の中では、
ATP合成酵素というタンパ
ク質がくるくる回り、
タンパク質が働くためのエネルギー
源であるアデノシン三リン酸
(ATP)
をつくっています。
チン
アク
O P
ウラシル
O
O
O
U
O
ニン
ダイ
ン
ペロ
シャ
細胞内のカルシウム
イオンの量を測り
細胞の調子を整える
折りたた
折りたたみはシャペロンに助けら
れることも
もあります。
ྫழࠣ
B
長いDNAを
巻き取って収納する
H B
H
H
V
ム
ソー
リボ
B B
B
H
B
H
B
V H V
H
B
B
素
成酵
A合
N
R
B
H V
B
V
B H B
ATPなどの 細 胞 内 のエネル
ギーを使ってイオンを細胞
の内や外に運ぶ
®
ƧƘƦǀ
筋肉の中では、
ミオシンとアクチンというタンパク質が働いてい
せん い
ます。多数のミオシンが綱引きをするようにアクチン繊維をひっ
ぱると筋肉が縮みます。また、細胞の中では、
ミオシン(赤)が
骨 組 み(緑)をひっぱって細 胞 の 形を保っています(写 真)。
1つ1つのミオシンは小さな力しか出せませんが、多数で一緒に
働くと大きな力になります。
チン
アク
アクチン繊維を
ひっぱる
CR
GP
ク質
ンパ
Gタ
ミオシン繊維
し げき
シン
ミオ
௘Ƅ ǧțǹǗ࠽
文部科学省
制作協力
一般社団法人
日本生物物理学会
ク質
ンパ
Gタ
細胞膜には、光・味・におい・ホルモンなどの刺激を受けと
激を受けとる
センサータンパク質が埋まっています。刺激は2つのタンパク質が
ンパク質が
繰り返し合体することで、細胞の中に伝わります。刺激がなくなれば
なく
元の状態に戻ります。
一家に1枚「 動く!タンパク質 」
B
H H V
いらなくなった
タンパク質を壊す
細胞の内や外に
ネル
イオンや水分子を輸送
チャ
して正しい量に調整する
鎌形清人(東北大学)、福岡 創(東北大学)、鈴木博文
(大阪大学)、
井上圭一
(名古屋工業大学)
いろいろな幹細胞
分化した細胞
かん さい ぼう
受精卵
受精卵は、
組織や臓器の元となる幹細胞を経て、神経細胞、赤血球、視細胞などの様々な
細胞に
細胞に分かれていきます。この過程を分化といいます。分化の過程で、細胞はどんな細
胞にも
胞にもなれる性質を失うとされてきましたが、山中伸弥博士らは分化した細胞に4つの遺
伝子を
伝子を入れて、様々な細胞になれるiPS 細胞をつくり出しました。iPS 細胞のこの性質を
使って
使って、
うまく働けなくなった臓器を別の細胞から新しくつくる医療の研究も進んでいま
す。山
す。山中博士は2012年にノーベル賞を受賞しました。
10μm
神経細胞:神経系の細
胞。神経細胞の中でも
キネシンやダイニンとい
うタンパク質がエネル
ギーや栄養を運びます。(共焦点レーザー走査型
赤 血 球:血 液 中 の
細胞。ヘモグロビン
というタンパク質に
酸素を蓄えて体中に
酸素を運びます。
(走査型電子顕微鏡写真)
顕微鏡写真)
し さい ぼう
もう まく
かん
すい
視細胞:目の網膜にある細胞で、桿体細胞と錐体細胞があり
ます。桿体細胞は薄暗いところで物の形を見るのに働き、ロド
プシンというタンパク質が光をとらえます。錐体細胞は明るい
ところで形や色を見るのに働き、3種類のタンパク質がそれぞ
桿体細胞 錐体細胞
れ、赤、緑、青の光をとらえます。
(微分干渉顕微鏡写真)
東京大学・廣川信隆研究室、理化学研究所・岡田康志研究室、学習院大学・馬渕一誠研究室、早稲田大学・石渡信一研究室、ロックフェラー大学・島本勇太、京都大学・高田彰二研究室、北海道大学電子科学研究所・根本知
己研究室、北海道大学電子科学研究所 研究支援部 ニコンイメージングセンター、認定特定非営利活動法人 綜合画像研究支援 NPO IIRS・幡場良明、大阪大学・河村悟研究室、大阪大学産業科学研究所・永井健治研究室
立体構造データ
構造データはPDBj(http://pdbj.org/)から入手、
PDBコードは、
キネシン
(3KIN, 2XRP)
、
ATP合成酵素(3ZRY, 1E1R)、
アクチン・ミオシン(4A7F, 1MMD, 1VOM, 1S5G)、
GPCR・Gタンパク質
(3NY8, 3SN6)、RNA合成 酵 素(4A3K)、
リボソーム(3U5B, 3U5C, 3U5D, 3U5E, 2Y0U)、シャペロン(4D8Q)、画像作成にQuteMol(http://qutemol.sourceforge.net/)を利用
サイテック・コミュニケーションズ / マツダオフィス、高田事務所、加藤愛一、大塚靖雄、岡崎陽子
編集・デザイン・イラスト
4つの遺伝子を分化した
細胞の中に入れる
いろいろな細胞(分化した細胞の例)
人間にはありませんが、
光るタンパク質もあります。1961年、
緑色に光る
「緑
色蛍光タンパク質
(Green Fluorescent Protein、
GFP)
」
が、
オワンクラゲから発
見されました。その後、
いろいろな色の蛍光タンパク質が開発され、
それらを
調べたいタンパク質につけて光らせ、
観察することができるようになりまし
た。GFPの発見と開発の研究で下村
脩博士らは2008年にノーベル賞を受
賞しました。
蛍光タンパク質で細胞小器官を光らせた細胞(蛍
光顕微鏡写真)
。核(青)、
ミトコンドリア
(黄)、小胞
体(水色)、微小管
(紫)
受精卵
図版・写真提供
制作ワーキンググループ/林 久美子
(代表・東北大学)
、
企画・監修
B H
iPS細胞
特殊な転
特殊な転写因子の遺伝
子を人工
子を人工的に細胞内に
入れ、
つ
つくられるタンパ
ク質を変
ク質を
ク質を変えることで、細
胞の性
胞の性質を変えることが
できま
できます。iPS細胞もそ
の1つ
の1つです。
光るタンパク質を使った細胞の観察
CR
GP
チン
アク
製作・著作
V H V
ン
イオ
シン
ミオ
筋肉が縮む
B B B
®
݉੾Ǝǀ
݉੾
筋肉が伸びる
(蛍光顕微鏡写真)
V H V
ア
ドリ
コン
ト
ミ
ン
ペロ
シャ
筋肉の中の繊維
アクチン繊維
H B B
タンパク質を中に
入れて、折りたたむ。
iPS細胞(induced Pluripotent Stem Cells 人工多能性幹細胞)
߇
H
アデノシン三リン酸(ATP)はた
くさんのタンパク質にとって
のエネルギー源
B
P
AT
アデノシン二リン酸
(ADP)からATPを合成します。
2
A
RN
伝令
O
O
CR
GP
素
成酵
P合
T
A
‫ݦێ‬Ʌ!āā
Ⴓ
O
O
ごう せい こう そ
断面図
断
上から見た図
P
AD
O P
科学技術週間
http://stw.mext.go.jp/
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