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都市再構築戦略と公的不動産・PPP/PFIの活用
都市再構築戦略と公的不動産・PPP/PFIの活用 平成25年11月5日 国土交通省 都市局長 石井喜三郎 お話ししたいことの全体像 <都市の再構築の方向> 築 ○大都市中心部 国際競争力の強化のため、民間の 民 都市開発プロジェクトの推進に加 え、外国語対応の医療・教育施設 など生活環境や住環境の改善、シ ティセールスを推進 ○大都市郊外 高齢者の大規模な増加に対応し 高齢者の大規模な増加に対応し、 既存ストックを活用しながら、効率 的な医療・福祉サービスの提供、閉 じこもりを防ぐ環境整備を推進 ○地方都市 人口減少の中でも健康快適な生活 を確保 持続 能な都市経営を を確保し、持続可能な都市経営を 図るため、生活サービス機能の計 画的な配置、人口密度の維持、公 共交通の充実を推進 ●左記のように、都市の再構築のニーズ は大きいが、財政状況が悪化する中、 従来のような公的主体中心、財政資金 中心の対策を講じることは困難 ●一方で、人口減少やインフラの老朽化、 行政機能の縮小に伴い、都市内には 相当量の公的不動産 PPP/PFIにより、民間資金を活用する とともに、公的不動産を活用して、 都市再構築の需要に対応することが重要 1 大都市の現状と課題 ○東京などの日本の大都市では、 ・極東に位置しており、国際企業にとっては、香港やシンガポールと比べて地理的に不利 ・アジア諸国の経済成長に伴い、優良な大市場としての魅力が相対的に低下 アジア諸国の経済成長に伴い 優良な大市場としての魅力が相対的に低下 ・郊外を中心に高齢者数が著しく増化し、福祉サービスの提供や地域の活力維持が満足にできなく なる懸念 という状況にある。 という状況にある アジア市場における日本のプレゼンス 高齢者人口の推計(2010年→2040年) 東京圏 名古屋圏 関 関西圏 その他 (億米ドル) (出典) IMF「World Economic Outlook」 増加数 約388万人 約90万人 約 約138万人 約303万人 ※ 「東京圏」:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 「名古屋圏」:愛知県、三重県、岐阜県 「関西圏」:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県。 増加率 53.0% 36.8% 32.7% 19.6% (出典) 国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口」 民間都市再生事業(東京都心部) N 環状四号線 新宿富久沿道地域 38.御茶ノ水ソラシティ 秋葉原・神田地域 60.(仮称)大手町1-6計画 18.大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業 46.新宿イーストサイドスクエア計画 3.(仮称)UDXビル計画(秋葉原3-1計画) 37.日本橋室町東地区開発計画 62.日本橋室町東地区開発計画(第2期) 新宿駅周辺地域 54.(仮称)大手町1-1計画A棟 43.(仮称)丸の内1-4計画 61.(仮称)新鉄鋼ビル建替計画 10.(仮称)東京駅八重洲口開発事業 23.三菱商事ビル・古河ビル・丸ノ内 八重洲ビル建替計画(丸の内2-1地区) 21.(仮称)赤坂五丁目TBS開発計画 (仮称)赤坂五 目 S開発計画 52.赤坂一丁目地区 赤 第一種市街地再開発事業 1.青山一丁目スクエア JR山手線 63 京橋トラストタワ 新築事業 63.京橋トラストタワー新築事業 36.東京スクエアガーデン 東京都心・臨海地域 33.(仮称)銀座四丁目12地区建設事業 40.晴海フロント 50.(仮称)21・25森ビル建替計画 5.晴海二丁目地区都市再生事業 8.東京ミッドタウン 47.(仮称)豊洲3-2街区ビル計画 30.虎ノ門・六本木地区 第一種市街地再開発事業 渋谷駅周辺地域 22.豊洲二丁目4-1街区・6街区商業施設建設事業 45.環状第二号線新橋・虎ノ門地区 第二種市街地再開発事業 Ⅲ街区建築物等整備事業 9.東京都市計画 勝どき六丁目地区 第一種市街地再開発事業 品川駅・田町駅周辺地域 27.有明南プロジェクト 大崎駅周辺地域 32.(仮称)東五反田地区(B地区)開発計画 14 (仮称)大崎西口開発計画 14.(仮称)大崎西口開発計画 2.臨海副都心有明南LM2・3区画開発事業 20.(仮称)フジテレビ臨海副都心スタジオ計画 大臣認定事業 特定都市再生緊急整備地域 竣工済 事業中 都市再生緊急整備地域 平成25年10月現在 オリンピック開催計画 【立候補ファイルより】 国家戦略特別区域法案の概要 平成25年11月5日 内閣官房地域活性化 統合事務局資料 5 大都市に関する施策の方向性 ○ 都心部における国際競争力強化や、郊外部における高齢者増への対応に向けて、エリア全体としての施策を 展開。 大都市都心部 大都市における主な課題 ○わが国の大都市に情報・ヒト・カネが集まるようにするための取組み 国際競争力の強化 安全・安心の確保 エリアの特性を踏まえ 高齢者数増への対応 規制緩和 税 金融等による民間開発に対する支援 ・規制緩和、税、金融等による民間開発に対する支援 ・外国語対応の医療施設、教育施設など生活環境の整備 ・官民共同のシティセールスへの支援 など 大都市郊外部等 高 増 す 、 、 ○高齢者が著しく増加する中で、未病化を図り、安心して生きがいを持って 暮らせるようにするための取組み ・既存ストックを活用しながら医療・福祉機能の望ましい配置を推進 持続可能性 確保 持続可能性の確保 ・高齢者の閉じこもりを防ぎ、歩行を促す環境整備等を支援 ・高齢者の就労環境の整備等を支援 地方都市の現状 地方都市の現状と課題 ○多くの地方都市では、 ・急速な人口減少と高齢化に直面し、地域の産業の停滞もあり活力が低下 ・住宅や店舗等の郊外立地が進み、市街地が拡散し、低密度な市街地を形成 宅 舗等 が進 が 密 ・厳しい財政状況下で、拡散した居住者の生活を支えるサービスの提供が将来困難になりかねない 状況にある。 ( 人口 (和歌山県和歌山市) 45.0 40.0 単位: 万人) 老年人口 35.0 30.0 25 0 25.0 20.0 生産年齢人口 27.6 15.0 14.8 10.0 5.0 幼年人口 00 0.0 1960年DID 2005年DID 出典:Googleマップ 約3倍 出典:国勢調査 国立社会保障・人口問題研究所(平成25年3月推計) 都市構造と行政コストの関係 国土審議会 第3回長期展望委員会資料 8 都市の再構築に向けた今後の施策の方向性 人口の減少 高齢者の急増に対応したまちづくりの方向性 人口の減少、高齢者の急増に対応したまちづくりの方向性 生活サービス機能の計画的配置 低未利用地 の活用 既存ストック の活用 公的不動産 の活用 人口密度の維持 居住の 誘導 空き家 郊外における 緑地の整備 空 き 家 公共交通の充実 9 地方財政の悪化 ○ 全国の地方公共団体歳出を性質別に見ると、投資的経費は減少傾向にあり、2000年には歳出 全国の地方公共団体歳出を性質別に見ると 投資的経費は減少傾向にあり 2000年には歳出 の25%を占めていたが、2010年には14.2%まで減少している。一方で、公債費、扶助費等は増額 しており、特に扶助費は5兆1千億円の大幅な増額となっている。 出典:市町村別決算状況調(総務省) 10 公共施設・インフラの維持更新コスト ○将来的に公共施設やインフラの更新には、一年当たりでは ○将来的に公共施設やインフラの更新には 年当たりでは、人口 人口一人当たり約6 人当たり約6.4万円が必要と 4万円が必要と なる。この金額は、現在の更新額の約2.6倍、新設も含めた投資額の約1.1倍にあたる。 将来の年間更新費用の見込み額及び現在の既存更新額等に対する割合 出典: 「公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の比較分析に関する調査結果(平成24年3月)」(総務省)より作成 11 PPP(官民連携)/PFIとは ■ PFI(Private Finance Initiative) とは ■ PPP(Public Private Partnership)とは ○1997年、英・ブレア政権が誕生(保守党→労働党) し、 PPPの概念を導入。 ○1980年代、英・サッチャー政権下で、小さな政府を 目指し、公共部門への徹底的な市場原理の導入 (民営化、独立行政法人化等)。 ○PPP (官民連携)とは、公共サービスの提供において、何 らかの形で民間が参画する手法を幅広くとらえた概念で、 PFIのほかに、部分民営化やアウトソーシング、行政財産 の商業利用などの手法が含まれる。 ○1992年、サッチャーの後を受け継いだメージャー 政権がPFI方式を導入。 ○我が国では、1999年(平成11年)にPFI法(民間資 ○我が国 は 年(平成 年)に 法(民間資 金等の活用による公共施設等の整備等の促進に 関する法律)を制定。 ○公共部門の役割を考慮しつつ、官と民のパートナーシップ により最適な事業実施を図るもの。 ○公共施設等の建設、維持管理、運営等に民間の 資金、経営能力及び技術的能力を活用すること により、効率的かつ効果的に社会資本を整備す る手法。 PPPの類型(イメージ) 民 通常の 民間事業 PPP(官民連携) 資 産保有 ●仕様発注ではなく性能発注、公共施設等の設計か ら建設・維持管理・運営までの一連のプロセスにお ける民間の資金・ノウハウの活用により、公的財政 負担を縮減 官民連携 開発事業 (PFI) ・コンセッション ・BOT 公的空間の 利活用 ・BTO 包括的 民間委託 公設民営 指定管理者 ●低廉かつ良質な公共サービスの提供 ●低廉かつ良質な公共サ ビスの提供 通常の 公共事業 ●民間の事業機会の創出、経済の活性化 民 官 事業運営 PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプラン概要 (平成25年6月6日民間資金等活用事業推進会議決定) 民間と地域の双方にとって魅力的なPPP/PFI事業として、今後10年間(平成25~34年)で12兆円規模に及ぶ下記の類型に 民間と地域の双方にとって魅力的なPPP/PFI事業として 今後10年間(平成25 34年)で12兆円規模に及ぶ下記の類型に よる事業を重点的に推進することとし、目指す類型ごとの事業規模及びその推進のための具体的取組は、下記のとおり。 (1)公共施設等運営権制度(コンセッション)を活用したPFI事業 :2~3兆円 <具体的取組> ○ 空港、上下水道事業における運営権制度の積極的導入 等 (2)収益施設の併設・活用など事業収入等で費用を回収するPFI事業等 :3~4兆円 <具体的取組> ○ 高速道路(特に大規模改修が必要な首都高)など、公共施設の維持・更新にPPP的手法の 高速道路 特 規模改修が な首都高 など 施 維持 新 的 導入検討 等 10~12 ※ 兆円 (3)公的不動産の有効活用など民間の提案を活かしたPPP事業 :2兆円 <具体的取組> ○ 民間提案に係るガイドラインの発出や提案窓口の整備 ○ 政府横断的な案件形成支援のため、英国のInfrastructure UKを参考とした官民連携体制の構築 等 (4)その他の事業類型(業績連動の導入、複数施設の包括化等) :3兆円 <(1)~(4)の類型を通じた具体的取組> 〇 PPP/PFIの抜本改革に重点的に取り組む各省庁及び地方公共団体に対する適切な評価を踏まえた 各種補助金・交付金の重点化 等 (参考) ○ 我が国における法制定後のPFI事業の実施状況(平成11年度~24年度) 418件(実施方針を公表した件数)、契約金額約4兆1千億円 ○ 世界の空港での直近18年間のコンセッションの状況(1995年~2012年) 24件、1,074万ドル(約10兆円) ○ 英国における直近10年間のPPP/PFI事業(2003年~2012年) 上下水道、空港等を合わせて約2兆円 ※事業規模目標については、民間の提案、イニチアチブを最大限尊重することから、具体の事業計画を精緻に積み上げたものではなく、 各府省による取組の推進やインフラ投資市場の活性化等が図られることを前提に、官民で共有するべきものとして設定したものである。 官民連携インフラファンドの創設(平成25年度内閣府) ○国と民間の共同出資によって、平成25年10月7日に㈱民間資金等活用事業推進機構を設立。 ○機構の主な業務 ・利用料金収入等で費用を回収するPFI事業(コンセッション方式を含む) に対する出融資(優先株・劣 後債の取得等)を実施 ・PFI事業者等に対する専門家の派遣及び助言を実施 ○機構への出資等 ・官民による共同出資(国の出資は1/2以上) 官民による共同出資(国の出資は1/2以上)、政府保証等 政府保証等 ㈱民間資金等 活用事業推進機構 (官民連携インフラファンド) PFI事業 (利用料金収入等で 費用を回収するPFI事業) 借入金 産投出資 国費 平成25年度:100億円 国費 民間 融資 民間 資金 出融資 株式 出資 メザニン (優先株・ 劣後債 等) 出資者 政府保証 国 平成25年度 :3,000億円 出融資 銀行 民間インフラファンド 注)(株)民間資金等活用事業推進機構の設立に係るPFI法改正が平成25年6月12日公布。 出融資 14 PFI/PPPを推進する上での課題 真に必要な社会資本の整備・維 持更新と財政健全化を両立させ るためには、できるだけ税財源に 頼ることなく、民間の資金・ノウハ ウを最大限活用することが必要 しかし、PFI事業の大半が税財源 から「延べ払い」で支払う方式で から 延 払い」で支払う方式で あり、税財源以外の収入(利用料 金等)により整備・管理に係る費 用を回収する事業は少ない ○民間事業者による安定的で自由度の高い運営を可能とするため、「公共施設等 運営権制度」(コンセッション方式)が導入されたところであり 本制度の活用推 運営権制度」(コンセッション方式)が導入されたところであり、本制度の活用推 進が必要 ○民間の創意工夫を活かしたで最適なサービスの提供が実現されるよう、民間の 提案を取り入れた事業を推進する とが必要 提案を取り入れた事業を推進することが必要 ○日本では本格的なインフラファンドが存在せず、投資家とインフラ投資をつなぐ 市場環境が未整備(本年10月に官民連携インフラファンドが創設) 市場環境が未整備(本年 月に官民連携イン ラ ァンドが創設) 15 PPP/PFIの進化 :民間投資 延べ払い型PFI事業 (従来型) 公共施設等運営権制度 を活用したPFI事業 (平成23年法改正) 税金 税 金 関連事業 からの収入 延べ払い 建設 事業者 公共施設 建設・ 運営 収益施設の併設など利用 料金等で費用を回収する PFI事業等 公的不動産の有効活用 など民間の提案を 活かしたPPP事業 活かした 事業 事業者 民間施設 からの収入 事業者 対価 公共施設 運営権者 料金 収入 運営 関連 事業 関連 事業 (建設・) 運営 公共施設 公共 施設 民間 施設 (建設・) 運営 税金 (公共施設も民間が提案) 100%公的負担 建設費>対価の場合は、 差額部分が公的負担 関連事業からの収入に より より、公的負担を軽減 公的負担を軽減 民間の創意工夫 ・ シナジ シナジー効果 効果 民間施設の収益によっては 公的負担を限りなくゼロに することが可能 都市再構築に向けた公的不動産の有効活用 ○公的不動産の活用に当たっては、企画段階から民間の提案を受け入れるなど、様々な官民連携 ○公的不動産の活用に当たっては 企画段階から民間の提案を受け入れるなど 様々な官民連携 の取組を実施。 ・行政が施設を整備・所有するだけではなく、民間と役割分担。 ・運営に当たっても、PFI・指定管理者等の手法を活用。 運営に当たっても、 指定管理者等の手法を活用。 不動産の所有形態による様々なパターン ○行政が民間に土地を譲渡 →広島県広島市(市営住宅等) ○民間の施設を行政に譲渡 →茨城県土浦市(市役所) 施設 (民有) 施設 (民間の譲渡を (民間 譲渡を 受けて市有) 民有 (市が譲渡) 市有地 (民間が譲渡) ○行政が所有する土地に、民間が施設を建設 →広島県広島市(市営住宅等) 施設 (民有) ○行政と民間が土地を共有して、施設を官民合築 →東京都豊島区(区役所) 施設(民有) 施設(区有) 市有地 (定借) 区と民間の共有 ※上記はあくまで一例であり、様々な手法が考えられる 17 公的不動産の有効活用~具体事例①~ 移転に伴うマンション併設型の区庁舎の整備 (東京都豊島区) ■事業概要・事業スケジュール等 主な施設 事業スケジュール 事業費 区庁舎、店舗・事務所 庁舎 店舗 事務所 集合住宅(約410戸) H21~H26年度 (予定) 庁舎分 約 億 区庁舎分:約124億円 住宅部分:国費補助(約110億円) ■建物断面 ※社会整備資本交付金(市街地再開発) 出典 豊島 出典:豊島区HP「新庁舎整備推進計画」より 「新庁舎整備推進計 より ■周辺地図 ■事業スキーム 従前 従後 現庁舎 位置 住宅 (民間) 移転 新庁舎 出典:地図データ @2013 google zenrin 学校他 民間 施設 区庁舎 区有 地※ 民有 地 区と民間の 共有 ※旧日出小学校、南池袋児童館跡地 出典:豊島区HP「新庁舎整備推進計画」より 18 公的不動産の有効活用~具体事例②~ 7校から2校へと統合した小学校の跡地等を活用し、必要な都市機能を民間活力を活か して整備(富山県富山市) 【都心地区区域図】 富山ライトレール 従前の 土地利用 現在(将来)の土地利用 整備手法 土地の所有 状況 愛宕小学校 県立雄峰高校 公設 県所有 安野屋小学校 県立中部高校 サブグラウンド 公設 県・市所有 総曲輪小学校 (検討中)地域医療と介 護の拠点施設※ 検討中 市所有 八人町小学校 市教育センター 市教育センタ (暫定利用) 既存校舎 利用 市所有 星井町小学校 角川介護予防 センター等 公設民営 市所有 五番町小学校 中央小学校 PFI 市所有 清水町小学校 食品スーパー、ドラッグ ストア、公民館等 プロポーザル によるPPP 市所有 (民間施設 は定借) 商業店舗等 (予定)シネマコンプレッ クス、ホテル等※ 市街地再 開発事業 民有地 中央小学校 商業店舗等 市街地再 (予定)市立図書館、ガ※地方都市リノベーション推進施設 民有地 ラス美術館、銀行等※ 開発事業 ※:地方都市リノベーション推進施設 19 出典:第3回都市再構築戦略検討委員会 富山市資料 大街区化による土地の有効利用 大街区化とは ○大街区化とは、複数の街区に細分化された土地を集約・整形して、大型の街区を創出すること。 ○大街区化により、敷地の一体的利用と公共施設の再編を図り、都心部における土地のポテンシャ ルを活かし、当該地区における今日的ニーズを踏まえた土地の有効高度利用を実現。 主要幹線道路 主要幹線道路 大街区化 大街区化の効果 行政経営に貢献 都市の再構築に資する拠点を形成 ○当該地区のポテンシャルを活かした土地の有効高度利用 ○建築物の一体的整備・利用による効率的なエネルギー利用や緑地の確保 ○建築物の更新(耐震化)と道路幅員の確保による防災性の向上 ○歩道の整備や危険な交差点の統廃合による安全性の確保 ○公共用地処分による財政収入 ○公共施設の維持管理・更新費用の軽減 ○固定資産税の増収 国土交通省の取組 ○平成23年3月に、ガイドラインを策定。 ○平成24年に、地方公共団体及び民間事業者等を対象に全国で説明会を開催。 ○今後も大街区化の推進にむけ適切な支援を実施予定。 20 大街区化の事例 京橋二丁目西地区(再開発)の概要 事業の特徴 【東京都中央区】 9 施行面積:約1.0ha 9 施行期間:平成24~27年度 施行期間 平成 年度 9 施 行 者:京橋二丁目西地区市街地再開発組合 9 道路で分断された街区を一体化し、土地の有効高度利用を促進 9 地区内を貫通する道路は、一部を外周道路へ付替え、残りの部分は 廃道して一般財産化後 事業の中で区の権利床に置換え 廃道して一般財産化後、事業の中で区の権利床に置換え 9 区は取得した権利床を観光拠点施設として有効活用予定 9 廃道位置については、地区施設の貫通通路に位置づけること(幅、高 さ、延長等)により歩行者通行機能を担保 9 歩道状空地等によりオープンスペースが確保され、市街地環境改善 道 ゚ ゚ が確 整備状況 廃道して権利床に置換 え→観光拠点 従前 従後 敷地の一体化 地区施設(貫通通路)として 歩行者通行機能確保 ※割合の合計を除き、面積等の数値はすべて概数 21 公共施設の撤去への地方債の活用の検討 (2013年10月17日日本経済新聞朝刊) 22 PREのまちづくりへの活用を推進する上での課題 ◆都市再構築を実現するためにはPREをまちづくりに有効活用することが必要 ・公共施設を各エリアの特性や将来人口等を考慮して再配置する ・不足する民間の都市機能(医療、福祉、商業等)の整備にPREを活用する しかし、これらの取組を実施するには以下の課題が存在 ① まちづくりに活用できるPREに関する情報開示が不十分 ② 公共が民間を活用して誘致したい都市機能の開示が不十分 ③ ①②のいずれについても詳細情報が不十分 ④ 公共と民間の連携手法について、双方の理解が不十分 23 寄付講座における研究への期待 ○人口が減少し、厳しい財政状況が続く中、将来に向けて都市を再構築し、生活に必 要なサ ビスを効率的に提供するためには、既存ストックの合理的な利活用を含む 要なサービスを効率的に提供するためには、既存ストックの合理的な利活用を含む 新たなファイナンスが必要 ○「新たな社会資本ファイナンス」を研究テーマとする本寄付講座が産学官の幅広い 交流の基点となり 政策展開に必要な実証的研究と社会連携に大きな成果をあげら 交流の基点となり、政策展開に必要な実証的研究と社会連携に大きな成果をあげら れることを期待 特に、 ・都市の再構築に向け、まちづくりの中での公的不動産の合理的な利活用 → 単に地方公共団体の財政状況の改善や行政改革的な観点だけでなく、都市の 単に地方公共団体の財政状況の改善や行政改革的な観点だけでなく 都市の 再生やまちづくりの観点から ・高齢化社会において欠かせないヘルスケアなどの生活サービスを提供するための新 たな資金調達手法や官民共同手法 → 生活サービスの提供に新たな資金循環を生み出すことに加え、施設の安定的な 管理とサービスの運営効率向上の観点から 24