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利益調整研究の フレームワーク

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利益調整研究の フレームワーク
利益 調整 の動機
醒
利益調整研究の
フレ…ムワーク
企 業 が利益 調整 を行 う動機 は実 に 多様 で あ る
が ,大 き く機 会主義 的動機 と情 報提供 (シグナ
リング)的 動機 の 2つ に分 類 され る。機 会主 義
的動機 の 観 点 は,企 業や経 営者 は 自 らを利 す る
(1)
ため に利益 調整 を行 う とす る もの で ,主 体 者 の
利 己的な悪 意 を示唆 す る もの で あ る。 一 方 ,1青
報提供 的動機 の 秘 点 は,経 営者 や企 業 内部者 が
利益調整 行 動 を通 じて私 的 な 内部情 報 を市 場 や
投 資家 とい った外部者 に伝 達 して い る とい うも
ので,主体者 の善 良 な意 図 を示 竣 す る もの で あ る。
[表 'コ 利益調整の動機の例
霧轟裏郭石蔦彊畜不葉権
i再
利 益 調整 の動機
武蔵 大学助教授
太田浩司
醒 はじめに
れ
的動機
を結 ん で い るっ
(b)財
務 制 限 条項 が 付 与 され た 負債
契 約 が 存 在 す る。
人 税 率 変 更 を予期 した 節 税 .
(C)法
的1 株術 に 影響 を与 え る こ とに よ る
lPO,MBO,内 部 取 引 等 の 有 利
な 実施 s
情 報 提供
(e)企
業 の 将 来 業績 に 関 す る内部 情
報 を外 部 者 に伝 達 す る。
的 動機
表 1 は , 機 会 主 義 的 動機 と情 報 提 供 約 動 機 の
企業のイ
子 う利 益 副
司整 ( E a r n i n g sM a n a g e ―
例 を示 した もの で あ る。 機 会 主 義 的 動機 の 例 は
m e n t ) に関 す る研 究 は, 日 米 に お け る会 計研
究 の 大 きな研 究領域 の │ つで あ る。利益調整 の
定義 は必ず しも一 義 に定 まって い るわけではな
(a)∼
(d)に
あ る よ う に理 解 し易 い もの で あ るの で
く, 研 究 者 に よ っ て 相 違 が み ら れ る が
以 下 で 詳 細 な具 体 例 を 2 つ 挙 げ て 説 明 す る。
特 別 な説 明 は加 え な い が , t e ) の情 報 提 供 的 動 機
の 例 は そ の 理 解 が 困 難 で あ る と思 わ れ るの で ,
( B e n e i s h2 0 0 1 ; 奥村 2 0 0 6 ) , 「
何 らかの 意図 を有
した会計利益 の調整」 で あ るとい う点 では一 致
報告利益 を減 少 させ る こ とに な る。 しか しなが
している. 本 稿 では, ( 1 ) 企 業がなぜ利益調整
ら, 経 営者 は それ らの 投 資 が将 来 的 に企 業 に利
を行 うの か とい う 「
利益調 整 の 動機 」
,(li)企
益 を もた らす と い う自信 が あ り, そ の よ うな私
業 は実際 に どの よ うな方法で利益調整 を行 って
的 な 内部1 青
報 を外 部 に伝 達 す るため に 当期 の 利
い るの か とい う 「
利益調 整 の 実施 方 法」, そ し
益 を士
曽カロさせ るよ うな利益 調 整 をイ
子う。
例 │ ] 研 究 開発 費 等 へ の 投 資 は短 期 的 に は
ほ
て ( l l i )業
企の 利益調整行動 を会計 の 利益調整研
[ 例 2 ] 企 業 が 予 想外 の 経 済 事 象 の 勃 発 に よ
究 では どの よ うに検 出 して い るのか とい う 「
利
り大 きな損 失 を計上 せ ざるをえな くな った と き
益調整の検 出方法」 の 3 点 について, そ の概要
を今 日までの研 究結果 に基 づ い て述 べ る.
に, そ の よ うな損 失 は突 発 的な もの で あ って 将
来 的 な業績 には 影響 が な いの だ とい う情報 を外
部 に伝 達 す るため に有価証 券 な ど を売却 して そ
の 損 失 を補 填 す る。
8
2
企業 会計
′
2007 ヽ
o159
卜f().1
(F28)
つ ま り,利 益調整 は将来業績 に 関す る内部者 と外
る と製 品 1 個 当 りの 売 上 原価 は低 くな り利益 は
部者 間 の 情 報 の 非対 称性 を緩 和 す るため に行 わ れ
増加 す るこ とに な る。 逆 に, 生 産量 を意 図的 に
る とい うの が ,情 報 提供 的動機 の 観 点 なの であ る コ
減 ら して棚 卸資産 を減 少 させ る と製 品 1 個 当 り
の 売 上原価 は高 くな り利益 は減 少す る ことに な
るc つ ま り固 定製造 費 の 一 部 を棚 卸資産 に吸収
利益 調整 の 実施 方法
醒
させ た り吐 出 させ た りす る こ とに よ って利益 調
企 業 の 行 う利 益 調 整 の 実 施 方 法 は , 実 体 的利
益 調 整 と雀落十的 利 益 調 整 に分 ( する こ とが で きる。
整 を行 うの で あ る。
この よ うに, 利 益 調整 の 方法 には 実体 的利益
両 者 の 違 い を端 的 に 述 べ れ ば , 期 中 に 何 らか の
調整 と会 計 的利益 調整 が あ るわ けだが , 研 究者
実 際 の 行 動 を と って行 わ れ るの が 実体 的 利 益 調
に よ っては 実体 的利益 調整 を利益 調整 に含 め な
整 で あ り, 期 末 後 に 経理 部 で 見 積 りや会 計 方 針
い とす る意 見 もあ る。 これが , 本 稿 の 冒頭 で述
べ た利益 調整 の 定義 が必 ず しも一 義 に定 まって
の 変 更 と い つた 会 計処 理 を通 じて行 わ れ るの が
会 計 約 利 益 調 整 で あ る。 従 って , 実 体 的 利 益 調
整 は しば しば キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー をイ
半うが, 会 計
い な い最 大 の 理 由 で あ る。
的 利 益 調 整 は会 言
1 発 生 高 だ け の 調 整 で あ る。
とい う問題 は , そ れ を受 け止 め る主 体 に よ って
E 表2 ] 利 益調整の実施方法の例
異 な る もの と考 え られ る。例 えば , 会 計基 準 設
実体 的利
益調整
定団体 な どの規 制 当局 が関心 を抱 くの は主 に会
1 1 期末 に営業部員 を叱咤激励 して
目標利益 を達成 す る,
汗究開発費や広告宣伝費用を意
ごお
利 益 調 整 の方 法
図的 に増減す る,
う土地や有価証券 を意図的 に売却
す る‐
計 約利益調整 で あ ろ う。規 制 当局 に とって は,
期 末 に社 員 を叱咤放励 した り, 研 究開発 ブ ロジ
ェ ク トの 開始 時期 を変更 した りす るこ とによ っ
産調整をして固定製造費の売
4)生
て 行 わ れ るよ うな実体 的利益 調整 は , 彼 らの 制
上 原 価 とl l l l資
産 へ の 配分 を変
l卸
御 外 の こ とであ り管軽 外 で もあ るの で, 利 益 調
整 の 範 囲 には 含 め な い とす るであ ろ う。 一 方,
更 す る(
1会 計 的利
この 利益 調整 の 範 囲 を どの よ うに 限定 す るか
見 積 りの 意 図 的 な変 更
・貸 倒 や 製 品保 証 引 当金 の 引 当率
を変 更 す る。
・償 去口
資産 の耐 用字 数 を変 更 す る。
0)会計方針 の 意図的な変更
・棚卸資産の評価方法 を変更す る。
・偵却資産 のイ
費却方法 を変更す る.
・建設 工 事 の 収益認言
哉基準 を変更
す る.
投 資 家 は , 利 益 調整 が 与 え る報 告利益 の 質 へ の
影響 に興 味 が あ るであ ろ う。 利益 調整 に よ って
生 み 出 され た利益 には, 持 続性 が低 くて一 時 的
で あ った り, あ る い は翌 年 には 反転 して しま う
よ うな質 の 悪 い利益 が 多 く含 まれ て い る。投 資
家 は企 業 の 将 来 業績 の 予 想 を行 うに際 して, そ
の よ うな質 の 悪 い利益 と企 業本来 の 収益 力か ら
表 2 は , 実 体的利益調整 と会計約利益調整の
例 をそれぞれ示 した ものである。Φ∼⑥の殆 ど
生 じた質 の 良 い利益 とを識別 す る必要 が あ る。
の例はチ
里解 し易 い ものであると思われるので追
加的な説明は加 えないが, 実 体的利益調整の④
的利益 調整 と会 計 的利益 調整 の 両 方 を利益 調整
は そ の 仕 組 み が や や 複 雑 で あ るの で , 以 下 で 詳
〈引用文献 〉
細 に 説 明 す る.
報 告 利益 の 裁 量 的 決 定 一 実
奥村雅 史 ( 2 0 0 6 ) 「
証 的研 究 の 動 向 と課 題 一 」 膝正券 アナ リス ト
現 行 の 制 度 会 計 で 採 用 され て い る全 部 原 佃 計
算 で は , 固 定 製 造 費 は生 産 量 に応 じて均 等 に 配
分 され る。 従 って , 販 売 量 が 一 定 だ とす る と,
生 産 量 を意 図 的 に 増 や して棚 卸 資 産 を増 加 させ
(F29)
企業 会計
従 って彼 らは, 利 益 の 質 に 影響 を与 え る, 実 体
の 範囲 に含 め るであ ろ う。
ジ ャー ナル J 4 4 ( 5 ) : 7 - 1 7
Beneish, M.(2001)`イ Earnings Management
A
"Mattθ
Perspectiveぅ
θアF わa , c e 2 7 ( 1 2 ) i 3 - 1 7 .
gerア
2007 Vo159
No。1
129
高 とに分 解 され る。 そ して企 業 の 利 益 調 整 は ,
キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー で は な く経 営 者 の 見 積 りや 判
断 を必 要 とす る会 計 発 生 高 に よ り反 映 され るの
呑
u益調整研究の
フレームワーク
(2)
で は な い か と考 え て , 利 益 の 会 計 発 生 高 部 分 を
取 り出 して利益 調 整 を調 査 して い るの が ( 1 1 ) で
ealy 1985)。
あ る (常
しか しな が ら, 会 計 発 生 高 も, 全 て を経 営 者
が意 図 的 に生 じさせ て い る訳 で は な く, 企 業 の
通 常 営 業 活 動 止 必 然 的 に 生 じる部 分 もあ る。 そ
こで , 会 計 発 生 高 か ら通 常 営 業 活 動上 生 じるで
あ ろ う非 裁 量 的 部 分 を除 去 して経 営 者 の 裁 量 的
部 分 を抽 出 し, そ れ を用 い て経 営 者 の 利益 調 整
行 動 を調 査 して い るの が ( l i l ) で
あ る 。 この 会 計
発 生 高 を裁 量 的 発 生 高 と非 裁 量 的 発 生 高 とに 分
解 す るの に 用 い られ る推 定 モ デ ル は 多数 存在 す
る が , 現 在 で は 」o n e s ( 1 9 9 1 ) を R 高矢 とす る モ
武蔵大学助 教授
デ ル が 最 も普 及 して い る 。
太 田浩司
よ る方 法 は , そ れ ぞ れ 会 計
( l i ) およ び ( F i i ) に
発 生 高 と裁 量 的 発 生 高 に , 企 業 の 利益 調 整 が 反
映 され て い るだ ろ う とい う もの で あ る。 こ れ ら
の 方 法 は , 包 括 的 に 企 業 の 利益 調 整 行 動 を調 査
利 益 調 整 の検 出 方 法
聾
で き る とい う利 点 が あ るが , そ の 反 面 , 企 業 が
近年の利益調整研究 において, 企 業の利益調
実 際 に どの よ うな方 法 で 利 益 調 整 を行 って い る
整 を検 出 す る方 法 は , 概 ね 次 の ( 1 ) ∼ ( v ) に 大
か を具 体 的 に 示 して は くれ な い 。 そ こ で , 会 計
別 で きる。
発 生 高 を構 成 す る個 別 の 発 生 高項 目や 会 計処 理
(i)利
益 の 分 布 を観 察 す る.
方 法 の 変 更 に 焦 点 をあ て , 企 業 が どの よ う に し
( l i ) 会 計 発 生 高 を調 査 す る。
て 利益 調 整 を行 って い るの か を調 査 して い るの
( l F ) 裁 量 的 発 生 高 を調 査 す る。
が ( i v ) であ る ( l V l c N i c haonlds W i l s o n1 9 8 8 , M a r ‐
(v)個
別 の 発 生 高項 目や 会 計処 理 方 法 を調 査
q u a r d ta n d W i e d m a n 2 0 0 4 ) じ
す る。
(v)個
[ 図 1 ヨ 利益構成要素 と利益調整方法の対応図
別 の 損 益 項 目 を調 査 す る 。
( 1 ) は , 何 らか の 間値 を基 準 と した利益 の ヒ
ス トグ ラ ム を作 成 し, そ の 分 布 が 闘値 の 前 後 で
不 連 続 に な って い な い か ど うか を調 査 す る もの
キ ャ ッ シ ュ フ ロー
キ ャ ッ シ ュ フ ロー
会計発生 高
裁量的
1夢卜裁 量 的
発生高
! 発生 高
で あ る 。 これ は 非 常 に 視 覚 的 に 訴 え る もの で あ
―
り, 閉 値 と して は , 赤 字 ・黒 字 , 減 益 ・増 益 ,
アナ リス ト予 想 を下 回 る 。上 回 る とい った もの
が 用 い ら れ て い る ( 8 u r g s t a h l e ra n d
次 に , 利 益 は , キ ャ ッシ ュ フ ロー と会 計 発 生
92
益調整
利益 調 整
Dichev
1997, Degeorge et al. 1999)。
y
実 体 的利 益 調 整 │会 計 的 利 i
注) 利 益 = キ ャ ッ シ ュ フ ロー 十会 計 発 生 高
会 計 発 生 高 = 非 裁 量 的発 生 高 十裁 量 的 発 生 高
利益 調 整 = 会 計 的 利益 調 整 十実体 的 利益 調 整
在
ヽ業公言1 2 0 0 7 ヽI()1.59 ヽo2
(268)
最 後 に, 企 業 の 利 益 調 整 は, 会 計 発 生 高 の み
に 似 た 感 情 を研 究 者 に 喚 起 さ せ る もの で あ る 。
に反 映 され て い るわ け で は な く, 表 2 ( 前 号 参
も ち ろ ん 証 拠 の 収 集 は 地 道 な 作 業 で あ り, 苦 労
採 ) の 実 体 的 利 益 調 整 の 例 に あ る よ うに キ ャ ッ
シ ュ フ ロー を伴 って 行 わ れ る 利益 調 整 も存 在 す
して 集 め た 証 拠 も推 論 を 支 持 す る に は 不 十 分 で
あ っ た り時 に は 否 定 す る よ う な もの で あ っ た り
る. そ こで 企 業 の 利益 調整 を, 会 計 発 生 高 を用
して , 努 力 が 徒 労 に 帰 す 場 合 も ま ま 存 在 す る 。
い て 調 査 す るの で は は な く, 研 究 開 発 費 や特 別
損 益 項 目の 変 化 とい った キ ャ ッシ ュ フ ロー を含
そ れ だ け に , 集 め た 証 拠 が 推 論 と ぴ っ た り合 致 す
む 個 別 の 損 益 項 目 を 用 い て 調 査 して い る の が
利 益 調 整 研 究 は,企 業 行 動 の解 明 とい うア カ
る もの で あ っ た と きの 喜 び は ひ と しか な の で あ る。
( v ) で あ る ( S c h o l e es t a l . 9 9 2 , 8 u s h e e 1 9 9 8 ) 。
デ ミッ ク な意 義 に加 え て, 実 証 研 究 の 醍 醐 味 を
現 在 の 利 益 調 整 研 究 で は , ( 1 , 1 ) の裁 量 的 発 生
堪 能 で き る と い う点 で もや りが い の あ る研 究 領
高 を用 い て企 業 の 利 益 調 整 行 動 を包 括 的 に 検 出
域 で あ る と い え る。
し よ う と す る研 究 が 最 も 多 い 。 しか しな が ら
」o n e s モ デ ル を始 め とす る 一 連 の 裁 量 的 発 生 高
〈引 用 文 献 〉
推 定 モ デ ル につ い て は , そ の 妥 当性 を批 判 す る
論 文 も数 多 く存 在 す る。 今 後 の 利益 調 整 研 究 で
は, ( 1 , 1 ) み
の な らず , ( i v ) ( v ) などの 個 別 の 発生
高項 目や損益 項 目な ど も併 せ て 調 査 す る こ とが ,
よ り頑健 な検証 結果 を得 るためには大切 で あろ う.
最 後 に 図 1 は , 利 益構 成要 素 と利益 調整 方法
の 対応 を図示 した もの であ る。 裁量 的発生 高 を
Burgstahier, D. and l Dichev
ヽ
4anagement
(1997)`“ Earnings
to Avoid Earnings Decreases
and
とosses''」 θJrr7θ
/0/沼 ccθttβ
r′
滑gθ ,Jど coβo用ア
cs
2411)! 99-126
Bushee,
84(1998)“ `The inftuence of institutional
lnvestors On Myopic R&D
investttent Behavlor''
乃今e Дccog17よ
'力
ア
e〃 73(3)i 305-333.
g tteレ
用 い て企 業 の 利 益調 整 を調 査 す る こ とは, 会 計
的利益 調 整 と実 体 的利益 調整 の 一 部 を捕提 す る
Degeorge, F,」 _ Patet,and RャZeckhauser
(1999)
イ̀Earnings
h4anagement to Exceed ThreshOlds卜'′
-33.
」θ47rr17θ
/ o√ BJsアβess 7211)i 十
こ とには な るが全 ての 利益調 整 を検 出て きるわ
H e a l y , P ( 1 9 8 5 ) イ` T h e E f f e c to f B o n u s S c h e m e s o n
けで はな い こ とには注 意 が必 要 で あ る。 なぜ な
Accounting Decislorls''
yθtrr,θ
′ 。F ttccOtr,と
′
帰g
a βび どc θ
″θ伊/ C N S7 ( │ - 3 ) i 8 5 - 1 0 7
」o n e s , J ( 1 9 9 1 ) イ . E a r n i n g sM a n a g e m e n t D u r i n g
ら, 実 体 的利益 調整 の 多 くは キ ャ ッシ ュフ ロー
を伴 う利益 調整 であ り, 裁 量 的発生 高 を用 い る
検 出方 法 で は完全 には捉 え きれ な いか らで あ る。
lmport
Relief investigatiorls'′
」OJ/βθ′ θ√
Дccοど,を
′
βg ttesearcん29(2):193-228
お わ
選
り に
Marquardt,C
本 稿 で は , 日米 に お け る 会 計研 究 の 大 きな研
究 領 域 の 1 つ で あ る 利 益 調 整 研 究 の 概 要 を,
利益調 整 の 動機 」 「
「
利益調 整 の 実施方 法 J 「禾U
益 調整 の 検 出方法J の 3 点 について述 べ ている。
紅幅の都 合 によ り害」
愛 されている部分 も多 くあ
るが, 利 益調整研 究全体 の フレー ム ワー クはヵ
バ ー されているぅ
利 益 調 整 研 究 は , 実 証 会 計 学 の 中 で も会 計研
and C,Wiedman(2004)Ⅲ
Earnings Managed?
How
Accruals'' Oo17rettρ
Orar/ Дccottβ
古
′
々g Pescarcん
-491
21(2): 46十
M c N i c h o l s , A /a 1n d P W I l s o n ( 1 9 8 8 ) “E v i d e n c eo f
Earnings h/1anagement frorn the ProvisiOn for
Bad Debts''」Otrrr7θ
′θ√賀ccθttβ
rア
々g Pesearcん 26
(Supplement)il-31
Scholes,M.,P wilson,and M wOlfsOn(1992)
Ⅲ
Firms' Responses to Arlticipated Reductions in
究 者 に人 気 の あ る領 域 で あ る 。 企 業 の 様 々 な思
Tax Ratest The Tax Reform
惑 や 意 図 を推 論 し, そ の 真 偽 を状 況 証 拠 に 基 づ
ヵθ/o√ 湾ccθ」βr′
βg Fesearcん 30(Supplement):
い て 突 き詰 め て い く作 業 は , あ る種 の 犯 罪 捜 査
161-185
企業会計
20()7 Vol.59
NO.2
Act of 1986.''」θJr―
3
9
(2びp)
Are
An Exarnination of Specific
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