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訴訟に強い米国特許の取り方の ノウハウ

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訴訟に強い米国特許の取り方の ノウハウ
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
訴訟に強い米国特許の取り方の
ノウハウ
2014年10月1日東京
2014年10月2日名古屋
2014年10月3日大阪
山口洋一郎
レーダー・フィッシュマン&グラワー法律事務所
1
Rader, Fishman & Grauer
1. AIA改正後の制度運用の最新状況
2. パテント・トロール対策の最新動向
3. 訴訟に強い米国特許権の取り方
2
1
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
1.
America Invents Act (AIA) の制
度運用の最新状況
(1) AIAの概要
(2) 付与後の特許無効制度の概要
(3) 制度の問題点と注意事項
3
Rader, Fishman & Grauer
AIAの概要
2012年9月16日施行
譲受人による出願と宣言書の提出期限の緩
和。
n 出願への第三者による情報提供制度。
n 特許の補完審査(特許権者の請求による再
審査)。
n 異議申立て制度(特許付与後9ヶ月以内)。
n 当事者系無効審判制度の設立。
n 特定ビジネス方法特許の異議申立制度。
n
4
2
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIAの概要:特許無効手続き(Inter
Partes Review (IPR)の成功率
n
n
n
最終処分に至ったもの:167件(2014年4月2日)
クレーム放棄による請求棄却審決:20 (12.0%)
実体審決が出された件数:29 (17.4%)
¨ 一部クレームに特許性が認められたもの:4
n
n
n
(2.4%)
手続き開始後に和解:64 (38.3%)
手続き開始前に和解:53 (31.7%) 合計117 (70%)
開始後手続き却下:1
5
Rader, Fishman & Grauer
AIAの概要:特許無効手続き(Inter
Partes Review (IPR)の成功率
n
n
n
n
n
n
和解以外の全無効請求クレーム数:736
手続き開始が認められたクレーム数:552 (75.0%)
放棄されたクレーム数:245 (44.4%)
審決により無効とされたクレーム数:381 (69.0%)
特許性が認められたクレーム数:33 (6.0%)
特許性が認められた件数:4
6
3
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Rader, Fishman & Grauer
AIAの概要
n 2013年3月16日施行
¨先発明者先願主義出願
¨冒認出願の発明者決定のための手
続き
7
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:
特許付与後の特許無効手続き
補完審査(Supplemental Examination)
n 無効審判制度(Inter Partes Review)
n 異議申立制度(Post-Grant Review)
n 特定ビジネス方法特許の異議申立制度
(Covered Business Method Patent
Review)
n
8
4
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Rader, Fishman & Grauer
補完審査制度
Supplemental Examination
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
9
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
補完審査制度
n
特許権者は、特許の再検討を求めて、補完審査
(Supplemental Examination)を請求することができる(第
257条(a)) 。
¨
n
特許性に新たな問題提起(Substantial New Question of
Patentability)がある場合に再審査開始(第257条(b))(査定
系再審査請求と同じ)。
¨
n
第三者は請求できない。特許が執行できる期間はいつでもできる。
提出証拠に制限がない。刊行物に限定されない。
提出情報が特許庁によって検討されたら、訴訟において、相
手方は情報開示違反を申し立てることができない(第257条
(c))。
¨
最も重要な法的効果。訴訟開始前に、特許に瑕疵のないものとする
ことができ、争点を減らし、訴訟費用を低減することができる。
10
5
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Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
補完審査制度(続き)
n
料金(規則1.20(k)) :
¨ 請求料金:$4,400
¨ 再審査料金$12,100
¨ 合計:$16,500(開始されなければ$12,100還付)
¨ 非特許1文献につき、21頁~50頁:$180;
50頁を超える
N頁非特許文献$180+$280×[(N-50)/50]
n
手続き:
¨ 請求から3ヶ月以内に再審査開始するかどうかを決定。
¨ 開始後の手続きは、査定系再審査となる。
¨ Supplemental
Examination Certificate発行。
11
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
補完審査制度の利用
n
n
n
提出情報が特許庁によって検討されたら、訴訟にお
いて、相手方は情報開示違反を申し立てることがで
きない(第257条(c))。
提出証拠は、先行技術文献に限らない。
特許権者が侵害訴訟を開始する前に、当該特許の
有効性について検討し、相手方が特許無効・執行不
能(情報開示義務違反)の主張根拠となりそうな情報
を提出して、審査を請求する。
12
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Rader, Fishman & Grauer
査定系再審査制度の概要
n
査定系再審査料金:
¨ 請求料金:$12,000
(規則1.20(c)(1))
¨ 開始されなければ$3,600($8,400還付)(規則1.26(c)(7))
n
再審査手続き
¨ 請求から3ヶ月以内:特許性に関して新たな問題提起が
あれば、手続き開始決定。
¨ 特許権者は意見を述べることができる(通常はしない)が、
請求人はこれに対して意見を述べることができる。
¨ 手続きが開始されると拒絶理由通知に対する応答期限
は2ヶ月。
¨ 特許権者は審判請求その後の審決取消し訴訟ができる。
¨ 請求人は、特許庁、特許権者のやりとりの通知を受ける
のみで、意見を述べる機会はない。
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Rader, Fishman & Grauer
審判部における
特許無効手続き
14
7
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Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:
審判部における当事者系手続き規則
n
n
n
n
特許無効審判制度(Inter Partes Review, IPR)
特許異議申立制度(Post-Grant Review, PGR)
特定ビジネス方法特許の特許異議申立制度
(Covered Business Method Patent Review,
CBM)
冒認審判手続(Derivation Proceeding, DER)
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Rader, Fishman & Grauer
審判部における手続きの流れと期間
請求
権利者
の暫定
的応答
(任意)
手続き
開始決
定及び
その理
由通知
権利者
応答・
補正
請求人
の応答
権利者
の応答
口頭
審理
審決
16
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Rader, Fishman & Grauer
各手続きの共通事項
n
原則として手続き開始から1年で終了。
¨ 訴訟・ITC手続きが開始されているときは、訴訟手続きの
中断が認められ易い。
n
n
n
技術及び特許法の専門家であるAdministrative
Patent Judgeによる審理を受けることができるので、
技術の素人である判事・陪審員による審理よりも信
頼性がある。
特許性は、証拠の優劣(Preponderance of
Evidence)の基準で審理が行われる(訴訟では、
Clear and Convincing Evidenceの基準)。
ディスカバリーの手続きにより、訴訟類似の証拠収
集ができる。
17
Rader, Fishman & Grauer
手続きの効果
n
n
訴訟・ITC手続きでの特許無効の手続きがそっくり
特許庁に移され、特許の有効性が確認されるとまた
訴訟手続きに戻る、サブルーチンができた。
この効果に貢献した制度中の重要事項:
¨ 原則として1年で手続きが終了する。
¨ 特許権者及び利害関係人にエストッペルが及ぶ。
n
特許権者に特許性の立証責任があり、特許が無効
になりやすい。→和解が成立しやすい。
¨ 和解するとエストッペルが及ばない。→和解が成立しや
すい。
18
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Rader, Fishman & Grauer
各手続きにおける相違点
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Rader, Fishman & Grauer
各手続きにおける相違点(続き)
手続き開始要件
20
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Rader, Fishman & Grauer
無効審判制度
Inter Partes Review
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
21
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
無効審判制度 Inter Partes Review
n
n
n
付与後9ヶ月経過後または付与後異議申立て手続
きの終了後(先願主義適用のない特許には、いつで
も手続きできる)。
新規性・進歩性欠如(第102条、103条)。刊行物証
拠のみ(第311条(b)) 。
特許無効確認訴訟を起こしていない又は侵害訴訟
の訴状送達から1年以内の利害関係人は、利害関
係人、クレーム、引用例、請求理由を記載した請求
書(Petition)を提出する(第312条(a)) 。
¨ 開始までの料金:クレーム20個まで$9,000、21以上
$200/Cl.
¨ 開始後の料金:クレーム15個まで$14,000、16以上
$400/Cl.
22
11
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Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
無効審判制度(続き)
n
特許権者は、Preliminary Responseを提出して却下理由を
述べることができる(無効審判請求受理日から3ヶ月以内)。
¨
n
n
n
証人も提出することができる。例:請求人は、エストッペルにより特許
無効が主張できない、等(Practice Guide Sec. II.C.)
長官は、Preliminary Response提出後又は同提出期間経
過後3ヶ月以内に、請求人が勝ちそうだという妥当な理由が
あるか(There is a reasonable likelihood that the
petitioner would prevail with respect to at least 1 of the
claims challenged in the petition.)どうかを決定する。
決定は当事者に通知し、公示する。
この決定に対して上訴はできない。
23
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日に有効な特許に適用
無効審判制度(続き)
n
n
n
n
n
権利者は1回だけクレームの削除・補正ができる。
請求人、その利害関係人は、審決確定後は、無効
審判請求理由と同一の理由または妥当に挙げられ
たはずの理由によって、再度無効審判を請求し、特
許無効確認訴訟を起こし、裁判所・ITC手続きにお
いて特許無効の主張をしてはならない(エストッペル)。
和解により手続きを終了させることができる。この場
合は、上記エストッペルは働かない。
「証拠の優劣」の基準で判断する。
審決に不服の者は、CAFCに上訴ができる。
24
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Rader, Fishman & Grauer
特許異議申立制度
Post Grant Review
2012年9月16日施行:先願主義移行後のもの(2013
年3月16日以降に優先日のある出願)に適用
25
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:先願主義移行後のものに適用
特許異議申立て制度(Post Grant Review)
n
n
n
n
2013年3月16日以降に優先日のある特許に適用。
付与後9ヶ月以内(第321条(c); 規則42.202(a))。
全ての特許無効理由(第321条(b);規則42.204(b)(2))。
特許無効確認訴訟を起こしていない利害関係人は、
利害関係人、クレーム、引用例、理由を記載した請
求書(Petition)を提出する。
¨ 開始までの料金:クレーム20個まで$12,000、21以上
$250/Cl.
¨ 開始後の料金:クレーム15個まで$18,000、16以上
$550/Cl.
26
13
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:先願主義移行後のものに適用
特許異議申立て制度(続き)
n
特許権者は、Preliminary Responseを提出して却下理由を
述べることができる(無効審判請求受理日から3ヶ月以内)。
¨
n
n
n
証人も提出することができる。例:請求人は、エストッペルにより特許
無効が主張できない(Practice Guide Sec. II.C.)、優先権を主張して
いるから、旧法が適用される、等。
長官は、Preliminary Response提出後又は同提出期間経
過後3ヶ月以内に、少なくとも対象クレームのうち1個のク
レームがどちらかといえば無効になりそうか(it is more likely
than not that at least one of the claims challenged in the
petition is unpatentable.)どうかを決定する(第324条(a))。
決定は当事者に通知し、公示する(第324条(d)) 。
この決定に対して上訴はできない(第324条(e)) 。
27
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:先願主義移行後のものに適用
特許異議申立て制度(続き)
n
n
n
請求人、その利害関係人は、審決を得た後は、異
議申立て理由と同一の理由または妥当に請求でき
たはずの理由によって、再度審判を請求し、特許無
効確認訴訟を起こし、裁判所・ITC手続きにおいて
特許無効の主張をしてはならない(エストッペル、第
325条(e)) 。
和解により手続きを終了させることができる。この場
合は、上記エストッペルは働かない(第327条(a)) 。
「証拠の優劣」の基準で判断する(第326条(e)) 。
28
14
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Rader, Fishman & Grauer
特定ビジネス方法特許異議申立制度
Covered Business Method Patent
2012年9月16日施行:施行日以降に訴訟・警告状を
受けたものに適用
29
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日前後以降に訴訟・警告状
特定ビジネス方法特許異議申立制度
(Covered Business Method Patent)
n 暫定手続き(発効後8年(2020年9月15日)で終了(AIA第18
条(a)(3)(A)):異議申立手続きを利用(AIA第18条(a)(1))。
n 侵害訴訟を起こされ又は侵害警告状を受けた者・利
害関係者が提起できる。
n 対象特許発明:
¨ 金融製品またはサービスの実施、管理等に使用される
データ・プロセッシング等の方法または対応装置クレーム
を含む特許。 但し技術的発明を除く(規則42.301(a))。
¨ 前項の技術的発明であるかどうかを決定するために、ク
レーム発明が新規かつ進歩性ある技術的特徴を有し、技
術的課題を解決する技術的手段を含むかどうか、ケー
ス・バイ・ケースで判断する (規則42.301(b))。
30
15
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Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日前後以降に訴訟・警告状
特定ビジネス方法特許異議申立制度
(Covered Business Method Patent)
n
対象特許発明:
¨ 金融製品またはサービスの実施、管理等に使用される
データ・プロセッシング等の方法または対応装置クレーム
を含む特許(規則42.301(a))。 金銭に関連していれば、ど
のようなものでも構わない。例:価格設定方法。
¨ 二人以上の者間の取引が必要。
¨ 但し技術的発明を除く(規則42.301(a))。新規性・進歩性
を欠いていれば、技術的発明ではなく、審理の対象となる。
31
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日前後以降に訴訟・警告状
特定ビジネス方法特許異議申立制度
n
n
全ての特許無効理由(第321条(b);規則42.204(b)(2))。
特許権侵害訴訟が提起され、または侵害警告を受
けた者は、利害関係人、クレーム、引用例、理由を
記載した請求書(Petition)を提出する。
¨ 開始までの料金:クレーム20個まで$12,000、21以上
$250/Cl.
¨ 開始後の料金:クレーム15個まで$18,000、16以上
$550/Cl.
32
16
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Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日前後以降に訴訟・警告状
特定ビジネス方法特許異議申立制度
n
n
n
請求人、その利害関係人は、審決を得た後は、異議申立て
理由と同一の理由または妥当に請求できたはずの理由に
よって、再度審判を請求し、特許無効確認訴訟を起こし、裁
判所・ITC手続きにおいて特許無効の主張をしてはならない
(エストッペル、第325条(e)(1),AIA第18条(a)(1)(D)) 。
和解により手続きを終了させることができる。この場合は、審
判請求のみエストッペルは働かない(第327条(a), AIA第18
条(a)(1)(D)) 。和解しても、裁判所・ITCでは、上記のエストッ
ペルが働く。契約で縛ることは可能。
「証拠の優劣」の基準で判断する(第326条(e)) 。
33
Rader, Fishman & Grauer
2012年9月16日施行:施行日前後以降に訴訟・警告状
特定ビジネス方法特許異議申立制度
n
n
特許権侵害訴訟の当事者が、このプログラムによる
手続き開始を理由に訴訟手続きの中断を求めたと
きは、裁判所は所定の観点から手続きを中断するこ
とができる(同条(b)(1))。
手続き中断の決定に対して当事者はCAFCに中間
上訴できる(同条(b)(2)) 。
34
17
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Rader, Fishman & Grauer
付与後の特許無効手続請求件数
35
Rader, Fishman & Grauer
付与後の特許無効手続請求件数
FY: 会計年度(前年10月からその年の9月まで)
IPR: 特許無効審判
CBM: ビジネス方法特許異議申立
PGR: 特許異議申立
DER: 冒認判定審判
36
18
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Rader, Fishman & Grauer
付与後手続技術分野別割合
37
Rader, Fishman & Grauer
特許権者の予備応答割合
(As of 4/2/14)
Filed
Not Filed or
Waived
IPR
55%
45%
CBM
57%
43%
38
19
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
手続き開始割合 (As of 4/2/2014)
CBM
IPR
39
Rader, Fishman & Grauer
手続き開始クレーム割合
(As of 4/2/2014)
CBM
IPR
40
20
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
請求後の手続き開始決定 (As of 4/2/14)
Total No. of
Decisions
on
Institution
Trials
Instituted
Joinders
Denials
Percent
Instituted
IPR
506
405
11+
90
80%
CBM
62
52
-
10
84%
+11 cases joined to 10 base trials for a total of 21 cases involved in joinder.
41
Rader, Fishman & Grauer
特許無効手続き(Inter Partes
Review (IPR)の成功率
n
n
n
最終処分に至ったサンプル:167件(2014年4月2日)
クレーム放棄による請求棄却審決:20 (12.0%)
実体審決が出された件数:29 (17.4%)
(2.4%)
¨ 全クレームに特許性が認められたもの:0 (0%)
¨ 一部クレームに特許性が認められたもの:4
n
n
n
手続き開始後に和解:64 (38.3%)
手続き開始前に和解:53 (31.7%) 合計117 (70%)
開始後手続き却下:1
42
21
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
特許無効手続き(Inter Partes
Review (IPR)の成功率
n
n
最終処分に至ったサンプル:167件(2014年4月2日)
実体審決が出された件数:29 (17.4%)
¨ 請求全クレーム手続き開始・全クレーム無効・放棄:22
¨ 請求全クレーム手続き開始・一部クレーム無効・放棄:2
¨ 請求一部クレーム手続き開始・全クレーム無効・放棄;3
¨ 請求一部クレーム手続き開始・一部クレーム無効・放棄:2
¨ 一部クレームに特許性が認められたもの:7
(4.2%)
43
Rader, Fishman & Grauer
ビジネス方法特許異議申立て無効手続き
(Covered Business Method (CBM成功率)
n
n
n
n
n
最終処分に至ったサンプル:11件(2014年4月2日)
クレーム放棄による請求棄却審決:0
実体審決が出された件数:0
手続き開始前に和解:10 (90.9%)
手続き開始後に和解:1 (9.1%) 合計11 (100%)
44
22
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
和解* (As of 4/2/2014)
CBM
IPR
サンプル128件
45
Rader, Fishman & Grauer
和解
n
和解は手続き中いつでもできる。
n
当事者は、共同和解に基づき手続きを終了させるモ
ーション(Motion to Terminate Proceeding Based
on Settlement) を提出する。
審判部は、審決を出す裁量権を有するから、和解が
成立しても審決が出ることがある。
n
n
n
和解後に特許無効審決が出された場合:エストッペ
ルは働かないが特許は無効。
審決が出されないようにするためには、手続きの早
い段階での和解が必要。
46
23
10/24/2014
:
審決の理由(As of 4/2/2014)
CBM (10 decisions)
* Multiple
Rader, Fishman & Grauer
IPR (29 decisions)
bases can be reported for a single Final Written Decision
47
Rader, Fishman & Grauer
審判部の特許無効手続きの特徴
n
クレームの解釈は、Broadest Reasonable
Meaning(妥当な範囲でできるだけ広く解釈する)という
出願審査と同じ基準で行う。これに対して、裁判所では、
明細書・図面・審査経過に基づいて当業者の解釈を行う、
というものであり、USPTOの手続きの方が裁判所よりも、
クレームが無効になりやすい。→実際は、裁判所・USPTOが
互いに影響しあって同じ解釈になるらしい。
n
n
審判部は、職権による特許無効調査はせず、拒絶理由
通知は出さない。
特許権者がクレームの特許性を立証する責任を負う。
→審査とは逆。
48
24
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
審判部の特許無効手続きの特徴
(続き)
n
n
n
n
補正(Motion to Amend)は、狭くする補正を原則と
して1回のみ。
補正は、自由にはできず、審判部の許可(Board
Conference)が必要。
特許権者は、なぜ補正後のクレームの特許性があ
るのかを立証しなければならない。
補正クレームについても、無効調査はせず、拒絶も
しない。
49
Rader, Fishman & Grauer
審判部の特許無効手続きの特徴
(続き)
n
エストッペルは、特許権者、請求人の利害関係人
(Real party of interest)と関連企業(privy)に働く。
¨ 利害関係人・関連企業の定義はあいまい。手続き費用の
授受がある場合、親子関係企業は含まれる。
n
n
和解で終了しないと、特許権者、請求人・利害関係
人・関連企業にエストッペルが及ぶ。
特許権者に特許性の立証責任があり、特許が無効
になりやすい。→和解が成立しやすい。
¨ 和解するとエストッペルが及ばない。→和解が成立しや
すい。
50
25
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
審判部の特許無効手続きの特徴
(続き)
n
n
n
n
n
手続き開始後1年で終了する。問題点:負担増のた
め、査定系審判手続きが遅れている。
必ずしも請求全クレームについて審理しないことが
ある。
和解で終了しないと、特許権者及び利害関係人に
エストッペルが及ぶ。
特許権者に特許性の立証責任があり、特許が無効
になりやすい。→和解が成立しやすい。
和解するとエストッペルが及ばない。→和解が成立
しやすい。
51
Rader, Fishman & Grauer
審判部の特許無効手続きの特徴
(続き)
n
n
n
第三者の請求手続きの併合は、手続き開始日から
30日までにMotionを提出して行う。
同一特許について複数の手続きが並存するときは、
審判部は中断(stay)、移送(transfer)、併合
(consolidation)、中止(termination)をすることがで
きる。
審判部は、同一証拠による請求手続きがあるときは、
手続きを中止してしまうことが多い。
52
26
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
審判部の手続きの併合
n
n
n
n
手続きを併合するかどうかは、長官の裁量権(第
315条(c)、第325条(c))。
審判部は、同一特許に関して手続きが複数係属し
ているときは、これらを併合することができる(規則
42.122(a)、42.222(a))。
審判部は、併合を認める他、手続きを中断(stay)す
るか、中止(terminate)するか決定できる(同)。
特許権者または請求人は、手続き開始日から1ヶ
月以内に、複数係属手続きの併合を請求できる(同
(b))。(例:手続き開始されたPetitionのコピーを提出)
53
Rader, Fishman & Grauer
審判部の手続きの併合(続き)
n
n
n
n
複数被告のトロール訴訟の複数の被告のうちの一
人がIPRを提出して訴訟手続きの中断を申し立てて
も、他の被告の手前、訴訟手続きは中断され難い。
そのため、共同被告はIPRのエストッペルに合意す
る契約を行い、Petitionを提出し、長官が認めれば
手続きが併合される(第315条(c))。
しかし、後請求人は、手続きを傍観するしかない。そ
れがいやなら、訴訟手続きを続行する。
和解するときは、共同で和解する。→取り残されたく
ないとのインセンティブが働く。
54
27
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
審判部の手続きの併合(続き)
n
n
n
併合される手続き(第315条(c))に関しては、訴状送達
から1年以内の請求期限は適用されない(同(b))。
手続きの遅れが予測される場合は、併合が認められ
ないことがある。
まず訴状送達から1年以内に特許の一部のクレームに
ついてペティションを提出し、同期間経過後に同特許
の他のクレームについてペティションを提出した場合、
手続きの併合が認められることがある(Microsoft v.
Proxyconn, IPR2012-00026, IPR2013-00109)。
n
引用例の共通性、期間内に終了が予測される等の理由。
55
Rader, Fishman & Grauer
2.パテント・トロール対策の最新動向
(1) GAOレポート
(2) ホワイト・ハウスの対策
(3) AIAの対策
(4) AIA後の訴訟状況・立法状況
56
28
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
57
Rader, Fishman & Grauer
ソフトウェア関連特許とその他の特許件数
58
29
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
全特許侵害事件数 2010→2011=31%増
59
Rader, Fishman & Grauer
特許権侵害事件の延べ被告数 2007→2011=129%増
60
30
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
特許権侵害事件の原告別割合
PME:2007年17%→2011年24%
通常企業:2007年76%→2011年59%
61
Rader, Fishman & Grauer
通常企業による平均被告数:2007-2011=1.9
PMEによる平均被告数:2007-2011=4.1
被告数10以上:通常企業3%、PME12%
PMEによる被告数:2007=803、2011=3,401
62
31
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
特許侵害事件におけるソフトウェア特許と他の特許比較
左:件数 右:被告数
63
Rader, Fishman & Grauer
特許侵害事件におけるソフトウェア特許の割合
左:件数割合 右:被告数割合
64
32
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
訴訟の多い裁判所地区
32%の訴訟は、テキサス東部地区、デラウェア地区、中部カリフォルニア地区
65
Rader, Fishman & Grauer
ホワイトハウスのパテント・トロー
ル対策
66
33
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
ホワイトハウスのパテント・トロー
ル対策(続き)
n
2013年6月4日パテントトロール対策発表。
¨ 特許権者の利害関係人の開示の義務付け。
n
2014年1月、規則案の公表
¨ 訴訟費用の敗訴者負担の原則化。
¨ ビジネス方法特許異議申立制度の分野の拡大。
¨ 消費者の被告化禁止。
¨ ITCでの輸入差止め決定基準の厳格化。
¨ 警告状の簡素な公表手続き。
67
Rader, Fishman & Grauer
ホワイトハウスのパテント・トロー
ル対策(続き)
n
規則案の内容
¨ 出願人はAttributable Ownerを届け出る。
¨ Attributable Ownerとは、譲受人及び特許権の執行権限
のある者をいう。
¨ 出願時、方式指令応答時、変更時から3ヶ月以内、特許
査定から3ヶ月以内。
¨ 届けないときは、出願放棄とみなす。届出不提出に故意
がないときは、復活可。
¨ 維持料金支払い時、付与後審判手続き応答時、補完審査
、再審査請求時にも提出。
68
34
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIAのパテント・トロール対策法
共同被告の制限:即日施行:即効性なし
n 特許虚偽表示の制裁緩和:即日施行:即効性あり
n
¨ 特許虚偽表示に対する訴訟は連邦政府のみ。
¨ 損害を受けた者は、その損害賠償請求権あり。
¨ 特許権満了の継続的表示は、特許虚偽表示に当たらず。
¨ 遡及適用の違法性を理由に最高裁に上告→却下。
n
特定ビジネス方法特許異議申立制度の創
設:2012年9月16日施行:即効性ある程度あり
¨ 73%について、手続き開始。
¨ 2013年度48件、2014年度155件:3倍強に増えた。
69
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の訴訟状況
共同被告の制限-2011年9月16日施行
n
AIAの規定:
¨ 直接取引や連帯責任のない者を共同被告とする
ことができない(特許法第299条(a))。
¨ 裁判所は、単に同一の特許権を侵害するとの理
由のみで、訴えの併合を認めない(同条(b))。
パテント・トロール訴訟は、相変わらず多い。
n 多数の被告に対して同時に多数の訴訟。
n 裁判所は、ばらばら訴訟を併合する傾向にあ
る。→法改正の実効が上がっていない。
n
70
35
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
13本の法案
¨ Innovation
Act (H.R. 3309)
¨ Patent Transparency and Innovation Act
(S.1720)
¨ Patent Quality Improvement Act (S.866)
¨ End Anonimous Patent Act (H.R.2024)
¨ Patent Abuse Reduction Act (S.1013)
¨ STOP Act (H.R.2766)
¨ SHIELD Act (H.R.845) etc.
71
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
Innovation Act (H.R.3309):2013年10月提出。
¨ 訴状に侵害の理由の説明。
¨ 訴状に侵害クレーム・チャート。
¨ 利害関係人の明示。
¨ ディスカバリーの制限(コア書証に限る)
¨ 妥当でない敗訴者の訴訟費用負担。
¨ エンドユーザーの保護。
¨ 下院通過(2013年12月)、上院で棚上げ。
72
36
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
Patent Transparency and Improvements
Act (S.1720):2013年11月提出。
¨ 利害関係人の明示。
¨ エンドユーザーの保護。
¨ 悪意の警告状に対する制裁とFTCの権限強化。
¨ IPRの改善:クレーム解釈を裁判所と一致。
73
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
n
n
Patent Quality Improvement Act: 特定ビジネス方法特許
異議申立制度の永久化及び分野の拡大 (S.866 2013年5
月)。
End Anonymous Patent Act: 特許の所有者・利害関係者
の情報のUSPTOへの登録義務化(H.R. 2024 2013年5月)。
Patent Abuse Reduction Act :訴状に対象製品のクレー
ム・チャートを含む詳細情報を記載する。侵害・無効立証に
必要なコア情報以外の情報に関するディスカバリー費用は、
これを要求する当事者が負担する (S.1013 2013年5月)。
74
37
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
STOP Act 特定ビジネス方法特許異議申立制度の永久化
及び分野の拡大 (H.R.2766 2013年7月)。5月のPatent
Quality Improvement Act, S.866とほぼ同じ。
¨ Google, Facebook, Safeway, Macy’s, Wal-Mart, eBay,
AOL, Netflix, Samsung America, J.Crew, Eddy Bauer
ら44社が議会にこの法改正を要請(2013年7月)。
¨ GAO(Government Accountability Office)のパテント・ト
ロール対策のための緊急立法を求める答申(2013年8月)。
75
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
SHIELD Act (Saving Hi-Tech Innovators
from Egregious Legal Disputes Act)特許侵
害を主張する者が発明者、発明者からの譲
受人、特許発明の実施者、大学、特許発明
の実施化を業とする者であることが立証でき
ないときは、被疑侵害者の特許無効・非侵害
認定の略式判決により、被疑侵害者の訴訟
費用を負担させる。(H.R.845 2013年2月)
76
38
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法案
n
n
n
2つの最高裁判決のお陰で全て棚上げ。
中間選挙:2014年11月4日。
全て廃案は必至。
¨ Octane
Fitness v. Icon HealthとHighmarks v. Allcare:
n 地裁の敗訴者に対する訴訟費用負担の裁量権。
n 上訴の判断基準をAbuse of Discretionに格上げ。
77
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
ー2件の最高裁判決
n
特許法第285条
¨ The
court in exceptional cases may award reasonable
attorney fees to the prevailing party.例外的な事件にあ
っては、裁判所は勝訴者の弁護士費用を敗訴者に負担さ
せることができる。
n
それまでのCAFCの解釈:
¨ 訴訟費用・弁護士費用は、原則としてそれぞれの当事者が
負担。ただし次の場合を除く。
¨ (1) 故意侵害、フロード、訴訟手続きの濫用、いやがらせ訴
訟の場合、または
¨ (2) 悪意で訴訟が提起されかつ訴訟根拠がない場合。、
78
39
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況
ー2件の最高裁判決
n
Octane Fitness v. Icon Health & Fitness,
572 U.S. ___ (April 29, 2014)
¨ Exceptional-用語は普通の意味に解釈すべき。
¨ 地裁は、全ての状況を勘案して、訴訟が普通で
はないと判断されるときは、衡平性を担保するた
めに、ケース・バイ・ケースで、その裁量により「例
外的」であると認めてよい。
¨ 悪意で訴訟が提起される場合や訴訟根拠がない
場合も当然「例外的」と認めてよい。
79
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況
ー2件の最高裁判決
n
Highmark v. Allcare Health Management
Systems, 572 U.S. _____ (April 29, 2014)
¨ CAFCは、特許法第285条の「例外的」なケース
であるかどうかについて判断をするときには、下
級審において「裁量権の濫用(Abuse of
Discretion」があったかどうかの基準を用いて判
断する。
80
40
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況
ー2件の最高裁判決のインパクト
n
Octane Fitness v. Icon Health & Fitness
¨ 地裁の裁量により、パテント・トロールのケースが
n
n
「例外的」だと認定されやすくなり、訴訟費用の負
担を負わせやすくなった。
Highmark v. Allcare Health Management
Systems
¨ CAFCで、地裁判断が覆されにくくなった。
それでもパテント・トロールによる訴訟は減らない。
議会は、動向を注視する意向。→棚上げ。
81
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法状況(続き)
-パテント・トロール(NPE)対策法:ヴァーモン
ト州法ー2013年5月に施行
n
悪意の特許侵害警告をした特許権者に対す
る弁護士費用・損害賠償請求を認める。
¨ 侵害の説明がない。
¨ ライセンス料の支払い期限が不当に短い。
n
対象特許権者中、発明者、発明者からの譲
受人、大学、TLOを除く。
82
41
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法・訴訟状況(続き)
-パテント・トロール対策法:ヴァーモント州法
n
n
州がMPHJのビジネス差止め訴訟(2013年5月)
MPHJのビジネス・モデル
¨ 70以上の子会社(デラウェア州)、社員・社長はテキサス
州の弁護士1名のみ(実際の所有者を隠す)
¨ ヴァーモント州中の数千の中小企業に対して弁護士によ
る特許権 (US7,986,426等)侵害警告(十分な調査済みと
の印象を与える)送付。
¨ 紙をスキャンしてメールに添付して送るシステム・方法の
特許。
¨ ライセンス料として従業員1人あたり$900~$1200を要求。
¨ 2週間以内に応答しなければ訴訟を起こすと脅す。
¨ 3度目の催促レターに訴状の写しを添付。
¨ 脅しに屈してライセンス料支払いの意思表示をした企業
2014年1月の段階で、17のみ。
83
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法・訴訟状況(続き)
-パテント・トロール対策法:ヴァーモント州法
n
n
n
n
n
n
MPHJは、特許権の問題であること及び裁判籍が複
数州に及ぶことから、事件を連邦裁判所に移送する
ことを直ちに要請。
州裁判所は、連邦裁判所への移送を認める。
バーモント地区連邦地方裁判所は、2014年4月、本
件はバーモント州法のみに関するものであり、連邦
特許法に関するものではないとして、事件の移送を
認めない判決を出した。
MPHJは控訴(第2巡回地区連邦控訴裁)。
2014年8月、控訴裁は、管轄権がないとして、却下。
差し戻し。
2014年8月28日バーモント州裁手続き続行を決定。
84
42
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法・訴訟等の状況-
ネブラスカ州
n
n
n
n
ネブラスカ州司法長官が、MPHJの代理人弁護士に対して、
消費者保護法に基づく業務停止命令及び調査開始(2013年
7月)。
ネブラスカ地区連邦地裁は、同業務停止命令が違法である
として仮執行停止命令(2013年9月) 。命令対象に発明者の
企業Activision TV(トロールでない)が含まれていたから。
MPHJ及びActivisionは、2013年11月訴訟開始。ネブラスカ
州の企業に対する特許侵害訴訟の被告に州司法長官を加
えて業務停止命令撤回判決を請求。
2014年2月、同地裁は、原告の行為は、正当な行為である
から同業務停止命令は違法であると認定、撤回を命令。
85
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法・訴訟等の状況-
ミネソタ州
ミネソタ州司法長官が、MPHJの代理人弁護
士に対して、消費者保護法に基づく調査開
始・業務停止を求めて州裁判所に提訴(2013
年5月)。
n 業務停止、罰金(5万ドル)支払い、受取ライセ
ンス料返還合意。和解・取下げ(2013年8月)。
n
86
43
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法・訴訟等の状況-
連邦取引委員会(FTC)
n
FTCが調査開始(2013年7月)、業務停止を求めて
訴状ドラフト(下記)をMPHJに送付(2013年12月) 。
¨ 2012年9月~2013年3月、81の子会社が全米の16,500
社に対してスキャン・Eメール特許侵害警告状を送付。従
業員一人当たり$1000~$1200求める。実際に得たライ
センスは17で、訴訟なし。
¨ 訴訟を起す気がない行為は、消費者を騙す行為。
n
2014年1月、MPHJは、言論の自由、FTCの脅迫停
止を求めてテキサス州西部地区地裁に提訴。
87
Rader, Fishman & Grauer
AIA後の立法・訴訟等の状況-
ニューヨーク州等
n
n
n
2014年1月、ニューヨーク州司法長官とMPHJの間で、
業務停止、受取ライセンス料返還合意。
2014年1月、MPHJは、Coca Cola, UNUM Group,
Dillard’s Inc.に対して侵害訴訟開始。
MPHJの特許無効審判手続き開始決定:
¨ 2013年11月、Ricoh Americas,
Hewlett-Packard
IPR2013-00302 (USP7,986,426)、IPR2013-00309
¨ 2014年8月、Ricoh
Americas, Xerox, Lexmark
International IPR2014-00538 (USP8,488,173)、IPR201400539 (USP7,477,410)
88
44
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
パテント・トロール関連立法活動停
止の要因
付与後特許無効手続きの効果が大きい。
n MPHJ関連の紛争が収束に向かいつつある。
n 最高裁の判決により、パテント・トロールに被告
弁護士費用の負担をさせられる。
n いずれにしても、立法による解決が必要との判
断をするには、時期尚早。
n 会期切れが近い。
n
89
Rader, Fishman & Grauer
3. 訴訟に強い米国特許権の取り方
(1) 発明性の基準についての最高裁
判決と実務上の対策
a. ソフトウェア関連方法発明
b. 遺伝子組換え関連方法発明
(2) ユーザーを構成要素に含む特許ク
レーム
90
45
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
方法クレームの発明性を検討した最
高裁判決
n
n
n
n
n
n
Gottschalk v. Benson, 409 U. S. 63 (1972): 非発明
Parker v. Flook, 437 U. S. 584 (1978):非発明
Diamond v. Diehr, 450 U. S. 175 (1981):発明
Bilski v. Kappos, 561 U. S. ___ (2010):非発明
Mayo Collaborative Services v. Prometheus Lab., 566 U.
S. ___ (2012):非発明
Alice Corp. v. CLS Bank International, 573 U.S. ____
(2014): 非発明
91
Rader, Fishman & Grauer
DNA関連クレームの発明性を検討し
た最高裁判決
n
n
Diamond v. Chakrabarty, 447 U.S. 303 (1980): 発明
Association for Molecular Pathology v. Myriad
Genetics, 569 U.S. ___ (2013): 非発明
92
46
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
a. ソフトウェア関連発明の最高
裁判決の検討
93
Rader, Fishman & Grauer
各判決共通事項
n
特許法第101条は次のように規定している。
¨
n
新規で有用なプロセス(process)、機械(machine)、製品
(manufacture)、化学物質(composition of matter)またはこれらの新
規で有用な改良を発明または発見した者は、本法の規定に基づいて
、これらについて特許を受けることができる。
抽象的アイデア(abstract idea)、精神的プロセス(mental
process)、自然法則(law of nature)、自然現象(natural
phenomenon)は特許対象とはならない。=判決上の非発明
¨
他の表現、例えば物理現象(physical phenomena)、科学的原理
(scientific principles)、人間の知能のみに依存するシステム、実体
のない概念(disembodied concepts)、実体のない数学アルゴリズム
や数式(disembodied mathematical algorithm and formulas)など
は特許対象とならない。
94
47
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
判決で示された基準
n
The discovery of such a phenomenon cannot
support a patent unless there is some other
inventive concept in its application. Parker v. Flook.
自然現象の発見のみでは特許発明にはならず、それ以外の発明概念
が必要。
n
A mathematical formula implements or applies
that formula in a structure or process which,
when considered as a whole, is performing a
function which the patent laws were designed to
protect (e.g., transforming or reducing an article
to a different state or thing). Diamond v. Diehr
数式が構造中または発明対象となる機能を実現するプロセス中で実行
または適用されていれば発明となる(例:物品を他の状態または物に変
換しまたは変化させる)。
95
Rader, Fishman & Grauer
Parker v. Flookのクレーム(非発明)
n
A method for updating the value of at least one alarm
limit on at least one process variable involved in a
process comprising the catalytic chemical conversion of
hydrocarbons wherein said alarm limit has a current
value of B0+K wherein B0 is the current alarm base and
K is a predetermined alarm offset which comprises:
¨ (1) Determining the present value of said process
variable, said present value being defined as PVL;
¨ (2) Determining a new alarm base B1, using the
following equation:
¨ B1=B0(1.0 - F)+PVL(F)
¨ where F is a predetermined number greater than zero
and less than 1.0;
¨ (3) Determining an updated alarm limit which is
defined as B1+K; and thereafter
¨ (4) Adjusting said alarm limit to said updated alarm
limit value.
96
48
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Parker v. Flookのクレームが非発
明と認められた理由
クレームに構造限定がない。「a value of
alarm limit」というのは、単なる「値」であって構
造ではないから、クレームには抽象的アイデ
アしか記載されていない。(紙と鉛筆で実現可
能)
n 米国では、「クレームのプレアンブル(用途)は
限定とはならない」という原則があることに留
意。 「a value of alarm limit」はプレアンブルに
あるので、限定とはならない。
n
97
Rader, Fishman & Grauer
Diamond v. Diehrのクレーム(発明)
n
A method of operating a rubber-molding press for precision molded
compounds with the aid of a digital computer, comprising:
¨
¨
¨
¨
¨
¨
¨
¨
¨
providing said computer with a data base for said press including at
least, natural logarithm conversion data (ln), the activation energy
constant (C) unique to each batch of said compound being molded, and
a constant (x) dependent upon the geometry of the particular mold of
the press,
initiating an interval timer in said computer upon the closure of the press
for monitoring the elapsed time of said closure,
constantly determining the temperature (Z) of the mold at a location
closely adjacent to the mold cavity in the press during molding,
constantly providing the computer with the temperature (Z),
repetitively calculating in the computer, at frequent intervals during each
cure, the Arrhenius equation for reaction time during the cure, which is
ln v=CZ+x
where v is the total required cure time,
repetitively comparing in the computer at said frequent intervals during
the cure each said calculation of the total required cure time calculated
with the Arrhenius equation and said elapsed time, and
opening the press automatically when a said comparison indicates
equivalence.
98
49
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Diamond v. Diehrのクレームが発
明と認められた理由
クレームに「rubber-molding press」「during
cure」構造限定・変化限定がある。(紙と鉛筆で
実現不可能。)
n 米国では、「クレームのプレアンブル(用途)の
限定は原則としてクレームの限定にならない
が、同じものがボディで引用されていれば限定
となる」ということに留意。
n
99
Rader, Fishman & Grauer
Bilski v. Kapposのクレーム(非発明)
n
n
n
n
Claim 1 consists of the following steps: 商品の先物取引
でのリスク低減方法-構造限定なし=抽象的アイデア
(a) initiating a series of transactions between said
commodity provider and consumers of said commodity
wherein said consumers purchase said commodity at a
fixed rate based upon historical averages, said fixed rate
corresponding to a risk position of said consumers;
(b) identifying market participants for said commodity
having a counter-risk position to said consumers; and
(c) initiating a series of transactions between said
commodity provider and said market participants at a
second fixed rate such that said series of market
participant transactions balances the risk position of said
series of consumer transactions.
100
50
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Bilski v. Kappos最高裁判決の内容
n
CAFCのMachine-or-Transformation Testは認め
る。
¨ Machine-or-transformation test
is a two-branched
inquiry:
n
n
Claim is tied to a particular machine, or
Claim transform an article.
¨ Certain considerations are
applicable to analysis
under either branch.
n
n
n
First, the use of a specific machine or transformation of an
article must impose meaningful limits on the claim‘s scope to
impart patent-eligibility.特定の機械の使用、製品の変換には、
意味のあるクレームの制限がなければならない。
Second, the involvement of the machine or transformation in
the claimed process must not merely be insignificant extrasolution activity.同制限は重要な解決手段でなければならない。
しかし、Machine-or-Transformation Testに限定されない。
101
Rader, Fishman & Grauer
Mayo v. Prometheusのクレーム(非発明)
n
1. A method of optimizing therapeutic efficacy for treatment of
an immune-mediated gastrointestinal disorder(免疫介在性胃腸
疾患)患者への薬剤投与量の適正化方法, comprising:
n
n
(a) administering a drug providing 6-thioguanine to a
subject having said immune-mediated gastrointestinal
disorder薬剤の投与ステップ; and
(b) determining the level of 6-thioguanine in said subject
having said immune-mediated gastrointestinal disorder薬剤の
適量決定ステップ,
n
n
wherein the
level of 6-thioguanine less than about 230 pmol
8
per 8x10 red blood cells indicates a need to increase the
amount of said drug subsequently administered to said
subject and下限を下回れば増量。
wherein the level
of 6-thioguanine greater than about 400
8
pmol per 8x10 red blood cells indicates a need to decrease
the amount of said drug subsequently administered to said
subject.上限を上回れば減量。→構造なし=自然法則
102
51
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Alice v. CLS Bankの方法クレーム(非発明)
n
n
n
n
n
n
A method of exchanging obligations as between parties. . .
comprising the steps of当事者間の義務の交換方法:
(a) creating a shadow credit record and a shadow debit record. . .;
(b) obtaining from each exchange institution a start-of-day balance
for each shadow credit record and shadow debit record;
(c) for every transaction. . ., the supervisory institution adjusting
each respective party’s shadow credit record or shadow debit
record, . . , and
(d) at the end-of-day, the supervisory institution instructing one of
the exchange institutions to exchange credits or debits to the credit
record and debit record of the respective parties . . .
構造限定なし。
103
Rader, Fishman & Grauer
Alice v. CLS Bankのシステムクレーム(非発明)
n
n
n
n
A data processing system to enable the exchange of an obligation
between parties, the system comprising:
a data storage unit having stored therein information about a
shadow credit record and shadow debit record for a party,
independent from a credit record and debit record. . ; and
a computer coupled to said data storage unit, that is configured to
(a) receive a transaction; (b) electronically adjust said shadow credit
record and/or said shadow debit record . . .; and (c) generate an
instruction to said exchange institution at the end of a period of time
to adjust said credit record and/or said debit record . . .
構造限定あり。しかし、一般的なコンピュータのハードウェアへの応用に
過ぎない。非発明方法のシステムクレーム化に過ぎない。
104
52
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Alice v. CLS Bankの基準
第1ステップ:まず非発明(自然法則、自然現
象、抽象的アイデア)のいずれかに該当する
かどうかを検討する。
n 第2ステップ:これに該当する場合、各クレー
ム構成要素を個別かつ順序よく組み合わせ
て検討し、クレームに発明として成立する構成
要素が追加されているかどうかを検証する。
n
105
Rader, Fishman & Grauer
Alice v. CLS Bankの基準
n
n
Mayoの第2ステップにコンピュータを導入しても足りない。
The introduction of a computer into the claims does not
alter the analysis at Mayo step two.
Diehrで発明性を認めたのは、コンピュータを導入しただけで
なく、追加のゴム硬化プロセスがあり、温度検出をしていた
から。We held that a computer-implemented process for
curing rubber was patent eligible, but not because it
involved a computer. . The temperature measurements
were then fed into a computer,which repeatedly
recalculated the remaining cure time by using the
mathematical equation.
106
53
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Alice v. CLS Bankの基準
n
n
一般的なコンピュータをクレームに含めても、発明性は得ら
れない。These cases demonstrate that the mere
recitation of a generic computer cannot transform a
patent-ineligible abstract idea into a patent-eligible
invention.
ハードウェアを含むシステム・クレームにあっても、非発明方
法をコンピュータを使って技術的な環境にリンクしたのに過
ぎず、コンピュータの実行に過ぎない。none of the
hardware recited by the system claims “offers a
meaningful limitation beyond generally linking ‘the use of
the [method] to a particular technological environment,’
that is, implementation via computers.
107
Rader, Fishman & Grauer
Alice v. CLS Bankに基づく発明性に関する暫定
ガイドライン:2014年6月25日
n
第一段階:クレームが抽象的概念かどうか判断する。
¨
¨
¨
n
第二段階:抽象的概念であると判断されたら、クレーム要素
及びその組合せを精査して単なる抽象的概念以上の意味の
ある限定(significantly more than the abstract idea itself)と
なっているか判断する。
¨
¨
¨
n
例:基本的な経済実務(Fundamental economic practices)。
人間活動をオーガナイズする方法(Certain methods of organizing
human activities)。
抽象的アイデア自体。数学的関係・数式。
例:他の技術分野への改良。
コンピュータの機能の改善自体。
特定の技術環境に抽象的概念を応用する一般的なリンキング以上
の意味のある限定が含まれている場合。
このような意味のある限定が加えられている抽象的概念は、
発明である。
108
54
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
注目事件:Ultramercial v. Hulu
インターネットで映画の配信とともに公告をす
る方法。構造:インターネットのみ。
n 地裁は非発明認定。CAFCは発明認定。最高
裁は、Prometheus後にCAFCに差戻し。
CAFCは再度発明認定。最高裁はAlice後に
CAFCに差戻し。三度目の正直。CAFCはど
うする?
n
109
Rader, Fishman & Grauer
b. 遺伝子組換え関連方法発明
110
55
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Association for Moelcular Pathology
v. Myriad Geneticsの基準
n
n
n
Myriadは、乳がんのリスクが高くなる遺伝子BRCA1とBRCA2及びその
位置を発見。
US5747282クレーム:BRCA1ポリペプチドの単離DNA配列
¨ 1. An isolated DNA coding for a BRCA1 polypeptide, said
polypeptide having the amino acid sequence of SEQ ID NO:2.
¨ 2. The isolated DNA of claim 1, wherein said DNA has the
nucleotide sequence of SEQ ID NO:1 (cDNA=合成DNA)
US5837492クレーム:BRCA2ポリペプチドの単離DNA配列
¨ 1. An isolated DNA coding for a BRCA polypeptide, said
polypeptide having the amino acid sequence of SEQ ID NO:1.
¨ 2. The isolated DNA of claim 1, wherein said DNA has the
nucleotide sequence of SEQ ID NO:2(cDNA=合成DNA).
111
Rader, Fishman & Grauer
Association for Moelcular Pathology
v. Myriad Geneticsの基準(続き)
n
Diamond v. Chakrabary, 447 U.S. 303 (1980)
¨
n
n
自然の産物は創作物ではなく、誰のものでもない。Products of
nature are not created, and “manifestations . . . of nature [are]
free to all men and reserved exclusively to none”.遺伝子組換えバ
クテリアは自然物ではなく、発明性がある。
Myriadは、乳がんのリスクが高くなる遺伝子BRCA1と
BRCA2及びその位置を発見したが、それだけではnew
composition of matter(第101条)とは云えない。単離するま
での作業量は関係ない。
cDNAは、自然のDNAではないから、発明性がある。
112
56
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Myriad後の最初のCAFC判決
In re Roslin Inst., 750 F.3d 1333 (Fed. Cir. 2014)
n
出願クレーム
¨ 155.
A live-born clone of a pre-existing,
nonembryonic(非胎性), donor mammal(ドナー
哺乳類), wherein the mammal is selected from
cattle, sheep, pigs, and goats.
n
自然動物と同じ遺伝子をもつクローンは、自
然動物と同じであり、発明ではない。
113
Rader, Fishman & Grauer
注目出願
114
57
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
注目出願(続き)
n
クレーム
¨ 1.
A method to generate a pluripotent cell,
comprising subjecting a cell to a stress.
115
Rader, Fishman & Grauer
実務からみた方法発明クレーム対策
n
n
審査においてクレームは妥当な限り広く解釈される。
米国独特のクレームのルールを考慮する。
¨ クレームのプレアンブルの記載は限定とはならない。
¨ クレームのボディのみ限定となる。
¨ ボディの機能的限定、方法的限定は無視される可能性が
あることを考慮する。
n
n
頭脳(紙と鉛筆)だけでクレームされたものが実現で
きるかどうかを検討する。
プレアンブルではなく、ボディに具体的な構造限定、
例えば特殊用途の装置のクレームにし、特殊用途
の装置(コンピュータ+応用機器等)の図面を用意す
る。
116
58
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
実務からみた方法発明クレーム対策(続き)
n
他人から侵害が主張されたら、非発明の無
効理由を検討する。
¨ CBMの請求を検討する。
n
他人に権利執行する前に、非発明の無効理
由がないか、検討する。
¨ 問題が発見されたら、補完審査を請求する。
117
Rader, Fishman & Grauer
(2) ユーザーを構成要素に含む特許ク
レーム
Limelight Network v. Akamai Technologies
最高裁判決の間接侵害の判断基準
118
59
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
Limelight Network v. Akamai, 572 U.S. ___
(2014) の間接侵害の判断基準
n
特許法第271条(b)
¨
n
n
Whoever actively induces infringement of a patent shall be liable
as an infringer. 積極的に特許の侵害を幇助する者は、侵害者として
責任を負う。
直接侵害者が居なければ、侵害の幇助は認められない。Aro
Mfg. Co. v. Convertible Top Replacement Co., 365 U. S
336, 341 (1961)
直接侵害は、一人が全クレーム用語を実施していなければな
らない。複数の者による侵害は、一人が他を指示またはコント
ロールしていなければ、直接侵害を構成しない。Muniauction,
Inc. v. Thomson Corp., 532 F. 3d 1318 (Fed. Cir. 2008).
119
Rader, Fishman & Grauer
Limelight Network v. Akamai, 572
U.S. ___ (2014) のクレーム
n
n
n
n
n
n
n
1. A method of automatically and electronically communicating between at
least one health-care provider and a plurality of users . . , said method
comprising the steps of:
initiating a communication by one of the . . . users to the provider . . .;
enabling . . . the communication . . . to a Web site . . . , said Web site
supported by or in communication with the central server through a
provider-patient interface service center;
electronically comparing content of the communication with mapped
content. . . ; and
returning the response to the communication automatically to the user's
computer, whereupon the response is read by the user or stored on the
user's computers . . . ; and
said patient-provider interface service center . . . dynamically assembling
and delivering custom content to said user.
ユーザーが参加しなければ、侵害が成立しないクレームとな
っている。
120
60
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
ユーザーをクレームに含まない
n
n
n
n
クレームにユーザーを含むと、ユーザーが参加しな
ければ侵害が成立しない。
侵害が成立するには、1人が原則としてクレーム要
素を全部使用しなければならない。
複数の者によるクレームの侵害が成立するには、一
人が他人をコントロールしなければならない。
主たる侵害者がユーザーをコントロールすることは
できない。だからユーザーの行為はクレーム中に条
件として記載する。
121
Rader, Fishman & Grauer
Limelight Network v. Akamai (続き)
n
クレームを書き換えよう:
n
1. A method of automatically and electronically communicating between at
least one health-care provider and a plurality of users . . , said method
comprising the steps of:
initiating a communication by one of the . . . users to the provider . . .;→
upon receiving a communication from one of the . . . users;
enabling . . . the communication . . . to a Web site . . . , said Web site
supported by or in communication with the central server through a
provider-patient interface service center;
electronically comparing content of the communication with mapped
content. . . ; and
returning the response to the communication automatically to the user's
computer, whereupon the response is read readable by the user or stored
on the user's computers . . . ; and
said patient-provider interface service center . . . dynamically assembling
and delivering custom content to said user.
122
n
n
n
n
n
n
61
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
サブコンビネーション・クレームの勧め
n
n
n
n
n
他人の侵害行為の予測。
侵害されて困るものは何か、考察する。
サブコンビネーションをクレームする。
コンビネーションは、サブコンビネーション・クレーム
の従属クレームとする。
AとBとのコンビネーションは、Aを主クレームとし、A
+Bを従属クレームとし、Bは、Aを条件とする従属ク
レームとすれば、発明の単一性が認められ易い。
123
Rader, Fishman & Grauer
サブコンビネーション・クレームの勧め
(物クレームの場合)
n
特殊形状のベルトと特殊形状プーリーの組合
せに発明がある場合、ベルトは消耗部品であ
る。
特殊形状のベルト。
¨ 2. 請求項1の特殊形状のベルトと特殊形状のプ
ーリーとを備えるベルトコンベア装置。
¨ 3. 特殊形状のプーリーであって、請求項1の特殊
形状のベルトと組合せ可能なプーリー。
¨ 1.
124
62
10/24/2014
Rader, Fishman & Grauer
サブコンビネーション・クレームの勧め
(方法クレームの場合)
n
PNP層を有する基盤に特殊半導体装置を形
成する方法に発明があり、PNP層を有する基
盤が市販される可能性ある場合。
¨ 1.
PNP層を有する基盤を用意するステップと該
基盤に特殊半導体を形成するステップとを有する
半導体装置の製造方法。
¨ 2. 請求項1のPNP層を有する基盤を製造するス
テップを有する半導体装置の製造方法。
125
Rader, Fishman & Grauer
問合せ先
山口洋一郎
Yoichiro Yamaguchi
Rader, Fishman & Grauer PLLC
1233 20th Street, N.W., Suite 501
Washington, DC 20036, U.S.A.
(202) 955-3750
(202) 955-8788 (direct)
(202) 955-3751 (facsimile)
[email protected]
126
63
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