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野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 - 首都大学東京 都市環境学部
45 総合都市研究第 8 2号 2 0 0 3 【審査付き論文 A( 共同研究関連論文)] 野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 1.はじめに 2 . 真姿の池湧泉流域の概要 3 . 分布型水循環モデルと解析 4 . 水循環モデ、ルの雨水浸透桝導入効果予測への適用 5 . むすび 安藤義久* 天 口英雄* 堀部将和制 要 約 本研究は、共同研究「水環境の保全と再生J の一環として行われたものである。本研究 で対象とする多摩川の支川の野川の上流に位置する真姿の池湧泉は、東京都内で唯一環境 庁の「名水百選j に選ばれた湧泉である。この湧泉は、訪れる人も多く、多くの人々から 愛されている。近年、湧泉の j 函養域に下水道が普及し、従来、家庭排水を地下のローム層 や砂磯層に地下処理していた吸い込み井戸が廃止されつつある。そして、地下浅いところ にある自由地下水位の低下や、湧泉の減少や枯渇が問題となってきている。そこで、本研 究では、真姿の池湧泉を対象にして、流域を 7つの領域に分割して地下水流動を含む分布型 水循環モデルの適合性を 1年間の雨量、流量、地下水位および、気温のデータを用いて示す。 さらに、この分布型水循環モデルを用いて真姿の池流域内の屋根雨水を雨水浸透桝により 地下水に酒養した場合に、どれくらいの設置が進めばどの程度の地下水酒養効果と湧出量 の保全の効果があるかを明らかにする。すなわち、地下水位・流量ともに、無降雨期には あまり増加はみられないが降雨期にはかなりの増加がみられる。特にすべての雨樋に雨水 浸透桝を導入した場合には、現状より、地下水位で 1 96mm~852mm の増加が、流量で1.52 倍に増大することが認められた。従って、これらのシミュレーションにより、真姿の池湧 泉保全に関して、雨水浸透桝の設置は非常に有効であることが判明した。 路などの不浸透域の増加や下水道網の整備による 1.はじめに 吸い込み井戸の廃止に伴う家庭雑排水の地下処理 近年、都市近郊では都市開発が進み、建物や道 現象が問題となっている。多摩川の支川の野川の の減少などにより、地下水位の低下や湧泉の枯渇 本東京都立大学大学院工学研究科土木工学専攻 料小田急電鉄 4 6 総合都市研究第四号 2 0 0 3 上流に位置する国分寺万葉園の湧泉については、 地の南縁部に位置し、多摩川の支川である野川の 3 ) すでに安藤・長畑 1,2 )とAn d oe ta 1 が詳細な研究 源流部にあたる。 をおこなっている。本研究では、国分寺万葉園の この武蔵野台地は、古多摩川により作られた扇 湧泉の隣に位置し、環境庁の「名水百選」にも選 状地が隆起してできた非常に緩勾配な地形で、青 ばれ、人々に愛されている真姿の池湧泉を対象に 梅付近を扇頂として東西 50km、南北20kmの広さ して、地下水流動を含む分布型水循環モデ、ルの適 をもっ。国分寺付近では、国分寺崖線を境として 合性を示す。さらに、このモデルを用いて真姿の 武蔵野段丘と立川段丘とにわかれており、この段 池湧泉流域内の屋根雨水を雨水浸透桝により地下 丘崖から武蔵野段丘の地下水が湧泉となって流出 水に j 函養した場合に、どれくらいの設置が進めば している。 どの程度の地下水面養効果と湧出量の保全の効果 があるかを示す。 三鷹 ④ 一一流域界 川 ー ー ー 咽-段丘崖 o 1km ' ー ー ー ・4 写真 1 真姿の池湧泉の湧出口 --c-鉄道 -湧泉 図 1 真姿の池湧泉の位置 2. 2 水文地質構造と地下水流域界 図 2に示す過去に行われたボーリング調査地点 における図 3の地質柱状図から、真姿の池湧泉の 水文地質構造が次のように推定される。流域内は 均一ではないが、表土 1m 程でその下位に 7~ 10mのローム層があり、つぎに不圧地下水帯水層 である粘土混じり砂磯層と砂磯層が 5 m 程あって、 程の固結粘土層が続いている。 その下位に層厚 2m 真姿の池流域の地下水流域界は、図 4に示すよ 写真 2 真姿の池湧泉の下流は、子供達の格好の 遊び場になっている うに流域近辺の井戸の地下水位観測記録から求め た。なお、観測による地下水面勾配が西から東へ 傾斜しており、この流域は古多摩川の旧河道が埋 2. 真姿の池湧泉流域の概要 没してできた地下谷の一部であると推定される。 1 2年間の月 1回の流量記録によると、真姿の池湧 2. 1 位置と地形 真姿の池湧泉流域は図 1に示すように武蔵野台 泉の流量は隣接する国分寺万葉園の湧泉(流域面 . 1 h a ) の約1.5倍であるので、流域面積も約 積 41 倍の約6 0 h aと推定された。 1 .5 安藤・天口・堀部:野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 47 N 4 ・ ポーリング地点 O 元前」 湧泉地点 図 2 ボーリング調査地点位置図 ( 8 ) 横断面図 (y-y 断面) ( A ) 縦断面図 ( X X 断面) ( T . P . M ) 容水量を超過した水が地下水面養される。地下水 (T . P . M ) に貯留された水のうち、不圧地下水から深部への a 。 ぃ 漏水となるもの以外は、地下水流動・流出する。 舗装道路、舗装面や雨樋が下水管に直結している 7 5 屋根などの不浸透域においては雨水は合流式の下 標高 水管によって直接流出として流域外へ出てしまう。 3. 分 布 型 水 循 環 モ デ ル と 解 析 6 0 明 ト " , M-2 M-3 3. 1 モデルの構造 (C) 中 央 線 断 面 図 ( X ' X '断面) ( T . P . M ) ここで用いるモデルの基本構造は、地下水j 函養 8 5 モデルと地下水流動・流出モデルを合成したもの で、安藤・長畑 1,2)が国分寺試験流域において用 80 4 ) の多角形領域モデルを基に いた TysonandWeber 標高 7 5 して、そこに真姿の池湧泉流域の諸条件を織り込 むことで作成した。 3. 2 地下水流動・流出モデル C 1 C-2 C-3 C-4 C-5 C-6 C-7 ロその他 園粘土層 臼粘土混じり砂磯層 国砂磯層 図ローム層 回表土 図 3 ボーリング調査による地質柱状図 2. 3 水循環過程 (1)領域の多角形分割 流域は、図 6に示すように観測井と同数の多角 形に分割する。ただし、第 1領域には、観測井が ないので、仮想的な観測井を W-lとした。流域 は 7領域に分割したが、湧泉の出口の第 7領域の 地下水位は常時一定値(標高 63.88m)とした。な 図 5には、真姿の池湧泉流域における水循環過 お、多角形分割を行う作図の方法は、各井戸につ 程の概念図を示す。雨水の土壌中への浸透から浸 き隣接する井戸とを結ぶ直線を引き、その垂直二 透域からの蒸発散を除いたものに、上水道からの 等分線を辺とする多角形を領域とするものであり、 漏水を加えた水が土壌中に保留され、土壌の最小 各領域内の地下水位分布は平均化して扱われ観測 総合都市研究第四号 48 2 0 0 3 N 1 ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 、¥¥¥¥72m 71m 70m 一一一一地下水位の等高線 . L一 一 」 2 叩m 湧泉地点 函 4 地下水筒図 上水道からの漏水 浸透域からの蒸発 図 5 真姿の池湧泉流域における水循環過程の概念図 井の地下水位で代表させる。 (2)地下水流動・流出モデル ( t ) -H i + l( t ). D ( Hi( t )+ H i + l ( t ) '7ji Qj( t )=KjH -i , . ~ T--1+1, " B j ;, , " , , ' ' ' ' ' 1 ' '/- Z 1 J ' ¥ 領域単位の地下水流動は日単位で扱う。基本式 はDarcy則と連続式から導かれた方程式を領域単 位に離散化する。すなわち、 2 ' ) t )-GW)+Qi-l( ( G( t )-Q i( t ) ~'-J A ・S i Hj(t+l)= H ; ( t )+, " , 安藤・天口・堀部:野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 49 (a)平面図 W-l 51 Al O B1.2 K1.2 (b) 断面図 1 1 El Q ‘ L1.2 ‘ 惨 L2.3 1 :浸透量 P:雨量 G:地下水福養量 E:蒸発散量 A:領波面積 Q:地下水流動量 B:領域幅 Z:帯水層下端標高 L:井戸間距離 図 6 真姿の池湧泉流域の多角形領域分布図 ここで、各記号の意味は図 7に示すとうりである。 積率1 1を乗じて浸透量 I ( t )を求める また、深部への漏水を表す GW は、各領域とも I ( t )=I I .P ( t ) 1 .5mm/day相当分とした。 このI ( t )を t日目における表層水分保留量MS(t) 3. 3 地下水酒養モデル 降雨による地下水面養量は各領域ごとに計算す に足し、さらに蒸発散量E I ( t )を引き、上水道か らの漏水 O.l(mm/ d a y )を加えて t日目におる MS' ( t )を求める。 面積率、および、蒸発散面積率等が異なる値をとる MS' ( t )= MS(t)+I ( t )-E I ( t )+0 . 1 このM S ' ( のが最小容水量M N に浸透域面積率1 1を ため、同じ日でも地下水面養量は領域により異な 乗じたものより小さいときは、地下水酒養はおこ る。地下水面養は、超過保留分に比例するものと より大きい時はその超過保留分に なわれず、 M N する。即ち、 t日目において降雨 P ( t )に浸透域面 ( t )と 比例定数BBを乗じたものが地下水面養量 G る。雨量は全領域共通であるが領域面積、浸透域 総合都市研究第四号 2 0 0 3 50 面 表 地 R y - M, …ぃ… Mn ~1~ 一 一 一 一 H'-'l H, I I M, 一, S , , K B 不透水層 三 Li-1 iZ i ~Li E:蒸発散量 浸透量 G:地下水滴養量 Q:領域聞の地下水流動量 A:領域面積 K:透水係数 B:領域幅 S:有効空隙率 H:地下水位 Z:帯水層下端の標高 L:井戸間距離 図 7 第 I領域における地下水流動を含む水循環モデル概念図 なる 5, 6 )。 されたものを用いる。 G ( t )ニ イ o l BB(MS'( t )1I•MN) MS'( t )< : : ; l I.MN MS'( t )>1 I•M N (2)浸透域面積率Hと蒸発散面積率M 計算は ER Mapperで不浸透域を黒、浸透域を ここに、 BB=0.7であり、地下水流動と地下水漏 白に分けて、その割合を領域ごとに求める(図 8 養を合成し、それを第領域に適用した概念図を 参照)。 図 7に示す。 3. 4 対象流域への水循環モデルの適用 (1)水文データ 9 9 8年の日 雨量と気温は気象庁府中観測所の 1 単位のデータを用いる。流出量については、国分 寺市環境部による「湧水地等の水量調査委託報告 書」に掲載されている毎月 1回 ( 1 5日前後)観測 1 I ( 1 ) = 0 . 8 2 3 AA(1)=0.823 1 I ( 2 )= 0 . 5 3 9 AAα )=0.539 1 I ( 3 )= 0 . 9 2 6 AA(3)=0.919 1 I ( 4 )= 0 . 9 8 9 AA(4)=0.940 1 I ( 5 )= 0 . 5 5 8 45 5 [ [ ( 6 ) = 0. [ [ ( 7 ) = 0 . 5 4 5 AA(5)= 0 . 5 5 8 AA(6)=0 . 4 5 5 AA(7)= 0 . 5 4 5 安藤・天口・堀部:野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 5 1 *点線内に関しては浸透施設が整ってい る為、不浸透域でも浸透域とする。 図 8 浸透域・不浸透域 (3)蒸発散量 El 月平均気温のデータに基づ、き Hamon 式7 )により 月別の日平均蒸発散能 Ep ( i )を求める。 Ep ( i )=0. 14・D O ( i ) 2. PT(i ) 1 .0 P ( t )=0 1 1 0 . 7 0<P ( t )<1. 0 ( t )=i 1 0 . 51 .0<P ( t )<5 . 0 45 . 0 : : : ;P( t ) 1 0. Ep ( i ) :i 月の日平均蒸発散能 (mm/day) ある日の重み係数を α( t )とすれば、その日の目 Do ( i ) :i 月の可照時間 ( 1 2 h r /d a y ) PT( i ) :i 月の日平均気温に対する飽和絶対温度 蒸発散量 E I ( t )は蒸発散面積率 AAを乗じて次式 (mglm3) で表される。 3 2 PT ( i )= 0.0003436・TE +0.005403・TE +0.03730・TE+4.76 TE:月平均気温 o(i)を乗じて月単位の蒸発 これに各月の日数 M 散能 E m(i)を求める。 Em(i)=E p ( i )・Aゐ( i ) そして、蒸発散の補正係数 Eを各月の蒸発散能 に乗じたものが各月の蒸発散になる。これから、 I ( t )を求める。その日の日雨量だけ 日蒸発散量 E ( t ) E I ( t )= e . E m ( i )・一一一・ん4 α( t ) z zα(t) :その日が属する月の αの合計 e 蒸発散の補正係数 (e=O.6) (4) 各領域の定数とパラメータの値 各領域の定数とパラメータの値を表 1に示すよ うにする。 (5)水循環解析結果 図 9に水循環解析結果を載せる。図は、上から 雨量、地下水位、地下水流出量のグラフである。 を考慮し、無降雨日の日蒸発散を 1としたときの 地下水位は、領域ごとに 1領域から 6領域まで、 降雨日の日蒸発散量の値 α(重み係数)を安藤・ 流量は、第 7領域からの流出量つまり全流量を示 高橋 8)が示した通り、雨量階級を 3つに分けて以 している。グラフには、それぞれの観測値・計算 下のように条件を与える。 値を示している。 グラフを見ると全体的に地下水位、地下水流出 量共に、計算値と観測値がよく適合していて再現 総 合 都 市 研 究 第 82号 52 2003 表 1 各領域の定数とパラメータの値 面積 ( m A 2 i ) 領域 1 領域 2 領域 3 領域 4 領域 5 領域 6 領域 7 1 5 8,714 1 5 5,218 1 3 9,914 5 0,7 2 0 3 7,6 1 1 619 5 4, 2 3,3 1 1 領域幅 井 戸L 商i 距離 B i ( m ) {m} 2 51 .1 419.6 3 3 0 .5 689.8 2 1 8 .5 3 1 0 .7 218.4 1 6 4 .1 .6 255.0 1 21 1 9 2 . 2 207.3 帯末層下端標高 Z i ( m ) 68.0 6 7 .1 65.0 63.9 63.3 6 3 .1 有効空際率 S i 0.25 0.10 O .1 3 0.35 0.35 0.35 透水係数 K i ( m ! d a y ) 1 0 0 200 700 1 0 0 0 1 0 0 0 1 8 0 0 4. 水 循 環 モ デ ル の 雨 水 浸 透 桝 導 入 効 果 予測への適用 シミュレーションは、真姿の池流域内の樋付き 屋根において図 1 0に示すような雨水浸透桝が 25%、 50%、 75%、そして 100%設置された場合 について行う。なお、 1基の雨水桝の集水面積は、 安藤・鍋山 9)が国分寺試験流域内の雨樋調査に ' e ・ , 官 、 ョ 。 ‘ 。 L m g )を用いる。 よって求めた値 (18m2 図1 1に結果を示すが、地下水位・流量共に、 -値崩 無降雨期はあまり増加は見られないが、降雨期に はかなりの増加がみられる。特にすべての雨樋に 雨水浸透桝を導入した場合には、表 2と表 3に示 す よ う に 、 現 在 よ り 、 地 下 水 位 で 196mm"""'"' " " " 醐咽明 会昌¥王宮EQ訴6 事 e ・ 司 ・ ・4 ・ ・働. 852mmの増加が、流量で1. 52倍に増大することが ー ー ・ 針 " . 認められた。従って、これらのシミュレーション 2 により、真姿の池湧水保全に関して、雨水浸透桝 の設置は非常に有効であることが判明した。 倶 (l 圃図) 図 9 真姿の池湧泉流域の水循環解析結果 性が高いことがわかる。 以上のことから、真姿の池流域において、地 下水流動を含む分布水循環モデルが十分適合性を 持つことが示せた。 (平面図) 次に、十分適合性が確認できたこの水循環モデ ルを用いて雨水浸透桝設置のシミュレーションを 試みる。 0:浸 透 桝 の 内 径 O.35m L:桝 内 の 水 深 O.50m B:置 換 材 の 緬 O.65m H:置換材底までの水深 O.70m 図1 0 雨水浸透桝の概要 安藤・天口・堀部:野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 53 事業として雨水浸透桝は有効であることが定量的 に示され、どれぐらいの設置が進めば、どの程度 の地下水面養効果と湧出量の保全効果がでるかを 示すことができた。特に屋根からのすべての雨樋 に雨水浸透桝を導入した場合には、現状より、地 下水位で 196mm~ 852mmの増加が、流量で1.52 倍に増大することが認められた。従って、これら のシミュレーションにより、真姿の池湧泉保全に -領緩2 -鏑鳩3 -領暗4 e 。領域 関して、雨水浸透桝の設置は非常に有効であるこ とが判明した。 謝辞 本研究を進めるにあたり、国分寺市の関係各位 には貴重なデータを提供していただきました。こ vaE ( 電 電 ¥ “ 棚醐醐醐 こに、記して感謝の意を表します。 ....闘値 泊三ω皇 。 参考文献 一 > S ‘ ' " 1)安藤義久・長畑範明:台地の湧水の保全に関する 研究,第 3回水資源に関するシンポジウム前刷集、 p p . 5 6 5・5 7 0, 1 9 8 7 . 図1 1 真姿の池湧泉流域への雨水浸透桝設置に関する 2 ) 安藤義久・長畑範明:台地の試験流域における地 シミュレーション結果 下水流動を含む水循環機構のモデル化とその応用、 水文・水資源学会誌、第 2巻 1号 ,p p . 3 3 4 0,1 9 8 9 . 表 2 雨水浸透桝設置による平均地下水位増加量 (mm) 領域 3 1 "-_1---.... 一 一 ぃ _ , 3 )Y .An d o ,K.FujimuraandT .K o b a y a s h i :S i m u l a t i o no f c o n s e r v a t i o no fas p r i n gi ng r o u n d w a t e rr e c h a r g eby r a i n w a t e r ,G r o u n d w a t e rU p d a t e,p p . 2 5 3 2 5 8, 2 0 0 0 . 4 )H . N . T y s o n a n d E .M. W e b e r : G r o u n d w a t e r management o f t h e n a t i o n ' s f u t u r e c o m p u t e r u 1a t i o no fg r o u n d w a t e rb a s i n s,P r o c .o fASCE, s i m HY 4, p p . 5 9 7 6, 1 9 6 4 . 5 ) 安藤義久・虫明功臣:丘陵地の自然状態の小試験 流域における水循環機構、第 2 4回水理講演会論文 集 、 p p . 7 1 ・ 7 8, 1 9 8 0 . 5. むすび 6 ) 安藤義久・虫明功臣・高橋裕:丘陵地の水循環機 構とそれに対する都市化の影響、第 2 5回水理講演 会論文集、 p p . 1 9 7 ・ 2 0 8,1 9 81 . 本研究により得られた主な成果は次の通りであ る 。 野川上流の真姿の池湧泉の流域において、地下 水酒養と地下水流動・流出を含む分布型水循環モ デルが十分適合性を持つことが示せた。 さらに、この分布型水循環モデルを用いて、真 姿の池湧泉の流域内に雨水浸透桝が設置された場 合についてシミュレーションした結果、湧泉保全 w .R.Hamon:Estimatingpotentialevapotranspiration, 7 ) P r o c .o fASCE, p p . 1 0 7 ・1 2 0,1 9 61 . 8 ) 安藤義久・高橋裕:山地河川の長期流出解析に関 する一考察、土木学会論文報告集、第3 1 8 号 ,p p . 9 3 - 1 0 5, 1 9 8 2 . 9 ) 安藤義久・鍋山隆:各戸における雨水浸透桝によ る地下浸透効果に関する水文統計的考察、水工学 巻 ,p p . 2 5 ・ 3 0,1 9 9 0 . 論文集、第34 54 総 合 都 市 研 究 第 82号 2003 KeyWords (キー・ワード) NohR i v e r (野)I , ) [ MasugatanoikeS p r i n g (真姿の池湧泉), H y d r o l o g i c a lA n a l y s i s (水循環 解析に PermeableI n l e t (雨水浸透桝) 【受理日:2003 年 7月24日、審査会開催日:2 003 年 7月24日、掲載決定日:2 003 年1 0月 2日 】 安藤・天口・堀部:野川上流の真姿の池湧泉の水循環解析 5 5 HydrologicalAn a l y s i sofMasugatanoikeSpringBasina ttheUpperStream oftheNohR i ver Y o s h i h i s aAndo ヘHideoAmaguchi*andMasak昭 uHoribe** * G r a d 闘 t eS c h o o lo f E n g i n e e r i n g , TokyoM出 o p o l i t a nU n i v e r s i t y Oda 勾uD e n t e t s uC o .L t d . C o m p r e h e n s i v eUrb αnS t u d i e s , No.82, 2 0 0 3, pp. 45 ・5 5 料 百l i s p叩巴ra i m st od e v e l o p ad i s 住i b u t e dh y d r o l o g i c a l model c a p a b l eo fp r e d i c t i n gd a i l y g r o u n d w a t e rl e v e l sa n dg r o u n d w a t e rr u n o f fi nM a s u g a t a n o i k eS p r i n gb a s i n .A l lt h em~り or h y d r o l o g i c a l ,g r o u n d w a t e rr e c h a r g e, g r o u n d w a t e rf l o wa n dd i s c h a r g e, a n d p r o c e s s e ss u c ha si n f i l t r a t i o n e v a p o t r a n s p i r a t i o na r et a k e ni n t oc o n s i d e r a t i o ni nt h emode l . Th eb a s i ce q 田 t i o n so ft h eg r o u n d w a t e rf l o wc o m p o n e n ta r et h ec o n t i n u i t ya n dD a r c y ' sf o r m u l a .Th e modelwast e s t e dw i t hd a t am e a s u r e da tf i v eg r o u n d w a t e rl e v e lm o n i t o r i n gp o s i t i o n sa n dg r o u n d w a t e r r u n o f fo n c ep e rmontho v e rap e r i o do fay e a r . I twasf o u n dt h a tb o t ht h ec a l c u l a t e dg r o u n d w a t e rl e v e l sa n db a s i nr u n o f ff i tw e l lt ot h o s eo b s e r v e d . I nt h i ss t u d y ,t h ec o n s e r v a t i o no ft h es p r i n ga n dg r o u n d w a t e rl e v e l su s i n gi n f i l t r a t i o nf a c i l i t i e s ( p e r m e a b l ei 凶 出 )o fr a i n w a t e ri si n v e s t i g a t e du s i n gt h ea b o v ed i s 出b u t e dh y d r o l o g i c a lmode . lTh e , 25%, 39%, e f f e c t so f t h ec o n s e r v a t i o no f t h es p r i n gi ng r o u n d w a t e rr e c h a r g ebyr a i n w a t e ri n c r e a s e13% a n d52%t ot h et o t a lg r o u n d w a t e rr u n o f ff o r25% ,50%,75%and100%p e r m e a b l ei n l e t s ,r e s p e c t i v e l y . ft h eb a s i n ,groundwaterl e v e l si n c r e a s ef r o m196mmt o An dwhenp e r m e a b l ei n l e t s抑 制 100%o 852mm. 百lU Si ti sshownt h a tp e r m e a b l ei n l e t st h r o u g hwhicht h er a i n w a t e r企omr o o f sp e n e t r a t e si n t ot h e s o i li sv a l i df o rt h ec o n s e r v a t i o no ft h eM a s u g a t a n o i k es p r i n g .