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第四章 (Zn1・yMgy)l-AIx 0の熱電特性 実験 結果及び考察

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第四章 (Zn1・yMgy)l-AIx 0の熱電特性 実験 結果及び考察
第四章
4.1
(Zn1・yMgy) l-AIx 0の熱電特性
緒言
Z
( ln _xAlx)O が大変大きな出力因子と 熱電材料としては非常に 大きな 熱伝導率
を有することを報告した問。 この材料は、 高い熱伝導率を有するけれども、 大
きな出力因子を有するので有望であると考えられる。 したがって 、 出力因子に
大きな影響を与えることなく熱伝導率を減少させることが(Zln _xAl)x O の性能指
数を 改善する ために要求される。
既に格子 熱伝導率が(Zln _�x)O刊の全体の熱伝導率の大部分であることを明
らかにしている。 もし、 フォノン散乱中心が電荷担体を散乱することなく効果
的に 導入 できれば、 この材料の性能指数の値は大き く改善される。 固溶体の形
成によって 導入された点欠陥の増大はフオノン 熱伝導率の減少に 効果的 である
ことが知られている。 異元素による格子点の置換は、 選択的な フオノン散乱を
増大させることが予想される。
けれども、 ZnO にある程度の量が固溶する元素は大変少ない。 しかし、 ZO
n
へのMgOの固溶限は10%以上であり、例外的に 固溶することが知られている九
そのうえ、 MgイオンはZイ
n
オンと同じ2価であり、 ZnOに 固溶した MgOが
ZnO のキャリア濃度に影響を与えないことが予想される。 本研究ではMgO を
加えた (Znl_A
x lX)Oの熱電特性 及び輸送特性を報告する。
4.2
実験
( ln _yMgY)l_xAlxO (x
Z
=
0・0.1,
y =
0・0.1)の焼結体は、 ZnO、 A1203及び、MgOの粉
末か ら調製した。 それらの出発原料に酸化物 粉末をボールミルで24 時間粉砕
混合した。 その粉末混合物をペレツトに成形し、 大気中で 14000C
x 10h 焼結さ
せた。 焼結時の加熱及び冷却速度は2000C h
1
-とした。 得られた 試料の結 晶相を
XRDにより同定した。 各々の試料の導電率とSeebeck係 数は、 第二章と同じ方
法で室温から 10000Cまで 大気中で同時に測定した。 測定 方 法の詳細は既報に示
している九熱伝導率 はレーザーフラッシユ法 で測定しだ熱拡散率と 、 示差走
査熱量計(DSC) で測定した比熱容量 か ら決定した。 Hall測定は室温でvan der
Pauw法により行った。
4.3
結果及び考察
ー120 -
4.3. 1
(A)
(Zn1戸19y)1_AlxOの輸送特性
(Zn1・yMgy) sÅl 0
O.9
O.02
X O系で最も高い熱電特性を示した、(ZnO.98AlO.02)O刊を基本組成として 、
(Znl_xAl)
輸送特性に対するMgO添加の効果を調査した。
R 測定の結果 より ZnOにMgOが10mol%以上回溶することを実際に確認
XD
した。Fi g.1 に (Zn1・M
R プロファイルを示
. )のXD
. 5, 01
. 2, 00
y gふ98 AlO.020(y = 0, 00
すo MgOを添加した試料の XRDプロファイルは、 ZnO 相に帰属される大きな
ピークとスピネル 相 (ZnAl204または MgAl20以こ帰属される小さなピークからな
り、MgO無添加試料と同じ形状であることがわかる。ZnAl0
4に帰属されるピ
2
ークとMgAl204に帰属されるピークは非常に近い角度に現れるため区別するこ
とは難しい。 しかし、MgO 添加試料のスピネル 相のピークは ZnO. 98Al0.D20に既
4相
2
に存在し、 その強度はMgO添加量が増大しても一定であることからZnAl0
に帰属されると考えられる。 したがって、 ZnO格子に MgO は完全に固溶した
と推定される。
ZnO及ひ、(Zn1・yMgふ98 AlO.00
2 (y = 0, 0.02, 01
. )の熱伝導率の温度の逆数依存性を
Fig. 2 に示す。ZnOの熱伝導率は 2 mol%の Al の添加ではほとんど変化がなか
ったけれども、 y=0.02 の試料の熱伝導率はZnO単独の熱伝導率に比べかなり小
さく、 またMgO添加量の増大に伴いさらに減少すること bsわかるo M� O添加
試料とZnO.98 AlO.020 の熱伝導率の違いは低温領域で著しし1や したがってMgOの
添加は低温領域で、の熱伝導率の低減に効果的であることがわかる。
le から成る。
h とキャリア熱伝導率 (K)
固体の熱伝導率は、 フオノン熱伝導率(�)
( 5,. 1)
K=咋h + KI巴l
全熱 伝導率中の フ ォノン熱伝導率とキャリア熱伝導率を分離す るために
Weidemann-Franz員Ij (Kle =
L aT (L
:
Lorentz数)りを利用してキャリア熱伝導率を
計算し た 。 全熱 伝 導 率 か ら キ ャ リ ア 熱 伝 導 率を差し引い て得ら れた (Zn1_
yMgふ98AlO.00
2
. )のフオノン熱伝導率の温度の逆数依存性をFig.3
(y = 0, 0.02, 01
に示す。 フォノン熱伝導率はDebye 温度( これは一般に 室温より低い 乃)以上の
. もこの比例関係を示して
温度領域でl/Tに比例することが知られており、 Fig3
いる。 フォノン熱伝導率の減少が MgO の添加に よる熱伝 導率の減少の主な原
因であることも明らかである。 したがって、ZnOへの MgO の固溶は、 フォノ
- 121 -
ン熱伝導率の減少 のため のフオノン散乱中心の導入に効果的 であることがわか
る。
g 98 Al
0 (y
( nl_yMふ
.O2
0
Z
=
k係数の
c
)の導電率の温度依存性及びSeebe
1
0 , 0.
0 2
0 .
,
2 3を微量添加する
0
g 5に示す 。ZnOにAl
g 4及びFi.
温度依存性をそれぞれFi.
ことにより、導電率の値は増大しその挙動は半導体的から金属的へと変化した
日)0
Al の 添 加 に よ る導電率 の 増 大 は、原子価制御の理論で説明できる 。
O2
.0
0の導電率はMgO添加量の増大に伴い減少した。しかし、温度依存
Zn
.98O Al
k 係数は負の値で
c
性は依然として金属的挙動であった。すべて の試料の Seebe
あり、n 形伝導であること がわかる。
c 係数の絶対値はAlの添加
k
ZnOのSeebe
k係
c
.0
Zn .98O Al
により減少した。しかしな がら、
0にMgOを添加して も Seebe
O2
数の温度依存性はほとんど変化しなかった。
MO
g の添加により熱伝導率は低減した。しかし、導電率の値も減少した。次
に 、電気的輸送特性を解析するためにHall係数を測定した。(Znl_ yMYg)l_
l
O
Ax
x
( )をTable1 に示
( 小熱伝導率K
Hall移動度的
( )、
の室温におけるキャリア濃度n
す。Hall移動度と熱伝導率の値はMgO の添加により減少した。一方、キャリ
Hall移動度の減
ア濃度の値はMgO の添加による変化 が小さい。したがって、
少がMgOの添加により引き起こされた導電率の減少の原因であると考えられ
k 係数が 変化しな
c
る。また、キャリア濃度がほと んど変化しないことがSeebe
g の添加により導入された
MO
いことの理由と考えられる。これら の結果から、
散乱中心は、フォノンだけ でな くキャリア電子も、ある程度散乱するζとがわ
かる。
(B)
(Zno.9Mgo・l)l-AIxO
n
系酸化物にMgO を添加することにより、熱伝導率を低減させることが
ZO
できた。しかし、導電率も大きく影響を受けて減少した。そこ で次に、
ZnOに
0 系で最も熱伝導率の値が小
( nl_yMgy).98O Al
.O2
0
MgO が完全に固溶する組成で、Z
さかった(Zno.9Mgo.)
1 Oについて、Alの添加量を 変化させることによってAl添
加量の最適条件を調査した。
( no.9Mgol.)_
O(x
1x
Z
x
Al
=
0 1)のXRDプロファ イ ル をFi.
0 , .
0 5
0 , .
0 2
0 .
,
g 6に示す 。
4 た
2ま
0
n l
MgO添加量を 変化させた場合と同じように ZnO相とスヒ・ネル相(ZA
l4
0
2
)の二種類の結晶相に帰属されるピークのみ検出された。スピネル
はMgA
相の量は Al
2l 4 相の形成を強
0
03 の量の増大に伴い増大した。こ の ことはZnA
2
- 122 -
く示す。 Al203相も M gO相もXRDによっては検出でき なかった。
0.02, 0.1), ZnO.98AlO.020, 及びZnOの導電率のアレニウス
(
(Zno.9Mgo .l)-1 xAlxO x
=
プロットをFig.
7に示す。 x 0.02 のとき、 導電率の値はZnO.98AlO.020の導電率
=
の値よりか なり小さ い。 Al203添加量の増大により導電率はわずかに減少した。
Fig.
6に示すようにスピネル相に帰属されるピークは、 Al203添加量の増大に伴
い増大した。
MgAl204相及び ZnAl204相は両方 とも電気抵抗率が大 きい物質な
ので導 電 率 の 減 少 は ス ピ ネ ル 相 の量 の 増 大 に よ るも の と 考えられ る 。
(Zno.9Mgo.l)1 xAlxO (x 0.02, 0.1)、 ZnO.98AlO.020及びZnOのSeebeck係数の温度依
存性をFig. 8に示すo Seebeck係数の絶対 値はAl203添加量の増大に伴いわずか
=
に増大した。
1 1x・ AlxO (x 0.02, 0.1)、 ZnO.98AlO.020及びZnOの熱伝導率の温度依存
(Zno.9Mgo.)
=
性をFig. 9に示す。 ZnOからZnO.98AlO.020への熱伝導率の減少はわずかである。
したがって、 Al203の添加は ZnO系材料の熱伝導率の抑制に効果的で、ないと考
えられる。
Table 1に示すように、 室温におけ るZnOのキャリア濃度とHla l移動度の値
2 1 l
3
Z
( no.9Mgo.)
1 O の室
は、 それぞれ0.052X10おm- と67cm y-s-である。 一方、
3
温におけ るキャリア濃度 とHal1移動度の値は、 それぞれ 0.1 7X1025 m.- と 29
2 1 l
cm y-s-である。 MgO の添加に伴いキャリア濃度は 増大し、 Hla l移動度は減少
した。(Zno .9Mgo.)
1 OへのAl の添加によりキャリア電子は増大したが、 Hla l移動
度は変化しな か った。 け れども、 キャリア濃度の値は Al203 添加量の増大に伴
> .02)は電子を
いわずかに減少した。 したがって、 過剰に添加された Al 原子 (x0
供給しないこ とがわかる。Hall移動度だけでなく熱伝導率も xの値に依存しな
かった。 この結果から、 Al はフオノンに対してだけでなくキャリア電子に対す
る散乱中心と しても効果的でないこ とがわかる。 Al203の過剰 添加による導電
率の減少 とSeebeck係数の増大は、 キャリア濃度の減少によって説明できる。
(C)
(Zn1戸19山-AlxOの熱電性能
(Zn 1・yMgY)l_xAlxO の熱電性能を評価するために出力因子と性能指数を導電率、
Seebeck係数、 熱伝導率から計算した。
(Zno.9Mgo.l)O.9AlO.10 と(Z n l_yMgy)O.98AlO.020 (y
=
0 , 0.02, 0.1)の出力因子の温度依存
性をFig. 10 に示す。すべてのMgOを添加した試料の出力因子の値は、ZnO.98AlO.020
の出力因子の値 よりか なり小さ い。 導電率の減少がこの出力因子の減少の原因
- 123 -
であり、この導電率の減少はZnOやZn
O
.
9
8AlO
.0
20 と比較してより小さいHall移
動度の値が原因である。
O
.
M
9 g市
O t O、(Znl O(y
.
8
9 AO
tyMg)
ZnO、(Zn
回
。 �
.
YO
=
0, 0.02, 0.1)
の性能指数の温度
依存性をFig. 11 に示す。 MgO を添加したすべての試料の性能指数の値は
t
.20
0 の性能指数の値の約13
Zn
.
O8
9 Al
O
/
であり、10000Cで約0.1 x 10・3K-の最大値と
なった。 ZnAI
_t
xO への MgOの添加による導電率の大きな減少は、熱電性能の
改善を妨げる。 MgOを添加した試料の 小さ な Hall 移動度の値が、性能指数の
値が小さい 原因である。 し
かし、低温領域では熱伝導率が著しく減少した。 Mg
はZnと比較しでか なり陽性の元素 であることがしられ ている。 点欠陥とホス
ト格子の聞の電気陰性度の大きな違いがキャリア電子の 散乱を増大させ 、
Ha11
移動度の 著しい減少を引き起こしていると考えられる。 もし、フォノン散乱中
心がMgより陰性の固溶する元素によって十分に導入される なら 、選択的なフ
オノン散乱によって性能指数は改善されるだろう。
4.4 結言
(Zn・
tyMg
y)_
t xAlxOの輸送特性及び熱電性能を調査し、ZnOへのMgOの添加が、
フオノン熱伝導率を低減させることによる 熱伝導率の減少に効果的であること
が明らかと なった。 けれども、Zn
O
.8
.
O 20
0 の導電率の値はMgOの添加量の増
9 Al
大に伴って減少した。 一方、Seebeck係数の値はほとんど変化しなかった。 Hall
係数の結果から導電率の減少はキャリア 移動度の減少が原因であることがわか
ったo
Al203を過剰に添加しでも( Zn
.
o9MgO.)
t Oの導電率は白 復しなかった。 した
がって 、出力因子の値はZn
.
O98Al
.
O 0
20 の出力因子の値より小さい結果と なった。
性能指数の値は、ZnOに
Alを添加した試料より小さいけれども、熱伝導率の
著しい減少がZnO格子に点欠陥を導入することにより実現され た。
- 124 -
引用文献
1) C.
Wood,D. Emin,Phys. Rev. B,29,4582 ( 1984)
2) S.
Yugo,T. Sato,T. Kimura,Appl. Phys. Lett., 46, 842 ( 1985)
3)
T. Caillat, A. Borshchevsky, J.-P. Fleurial, Proc. 13th Int. Conf Thermoelectrics,
ALP Press,Now York ( 1994)
4) E.
5) M.
R. Segnit,A. E. Holland,J. Am. Ceram. Soc, 48, 412 ( 1965)
Ohtaki, D. Ogura,K. Eguchi,H. Arai,J. Mαter. Chem., 4,653 ( 1994 )
6)
M. E. Fine,N. Hsieh,J. Am. Ceram. Soc., 57, 502 ( 1974)
7)
C. Kittel, "Introduction to Solid State Physics 5thedition", John Wiley & Sons, Inc.,
New York ( 1976)
- 125 -
Table 1 Transport properties of (Zn 1・ M9 ) 1・xA1xO
y
y
at room tem pertature
X
y
n
/ 1ci5m-3川/cm2v九,-1
1(
1
/ W m-1 1(
0.02
。
7.2
81
43
0.02
0.02
6.4
59
20
0.02
0.05
4.8
50
14
0.02
0.1
6.6
22
8.1
。
0. 1
0.1 7
29
7.2
0.02
0.1
6.6
22
8.1
0.05
0.1
4.3
35
9.3
0.1
0.1
3.3
27
7.2
.
- 126 -
。: ZnO
ム: ZnAl204
。
MgAl204
。
。
。
40
。
2θ/。
60
80
Fig. 1 Powder X-ray diffraction patterns
of (Zn1・ M9 ) 0 .98A10 .020.
y
y
- 127・
ζJ弓ノ“
1iハUハU
ハUハunU ハU
一
一 一
一 一
一
一 一
VJVdVd Vd
ハU
n可J
=凶ロω恒
国同
ロ.
d\kハ
20
or
400
1000
50 I
T/
200
oc
0
100
。
40
I
30
I
•
-ー・司
凶
-ー司
EE三
。
ð.
•
。
10
1"通針
.,
.
。
ロ
2
・1
10サ-1/ K
4
3
Fig. 2 Thermal conductivities 01 ZnO(O),
(Z n1γMgy) .9SAI .020fo r y
O
O
O.0 2(ム), O. 1
(口)
O(・),
as a function of
inverse tem perature
- 128 -
=
50
I
。
400
1000
40
ぷ30
5主
二20
�
10
。
1
2
4
3
101r今K-1
Fig. 3 Phonon thermal conductivities of ZnO(O},
(Zn1・yMgy) 0 .9SA10 .020 for y
=
0 (・),O.02(ム),
0.1 (口) as a function ofïnverse temperature
- 129 -
1000
。
400
3.0 ト aが,., ., .,.ー ..- . .
ð ð
ト
A A ð ð ðð
ニヘ2.0 r @立コロロ ロロ ロ
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竺1.0
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0
ヒコ
.
th
•
•
。
\b。
J
o
。
ー0.0
。
。
。
。
。
1.0
2.0
3.0
103T -1 K-1
4.0
Fig.4 Arrhenius plots for electrical conductivities
of ZnO(O), (Zn1- Mg ) .9SAI .020for y
O
y O
y
O.02(ム), O. 1 (口)
- 130 -
=
O(・),
。
.剛司
凶
> -100
ミi
ム
ー
.
A
~、』
も..)
�
ð.
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ロロ ロ
ロ・ 心 A・A・c・
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o
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.
-400
。
。
I
。
乙Íl
-500
0
200
400
600
800
1000
T / oc
Fig.5 Seebeck coefficients of ZnO(Q),
(Zn1・yMgy)O.9SAIO.020for y
0.02 (ム), O. 1
(口)
- 131 -
=
O(・),
。:Zno
ム: ZnAl204
。
or
MgAl204
。
、、
,E|
ムI
I �ð
。
x
=
0.1
x
=
0.05
x
=
0.02
x=o
20
40
60
80
28/。
Fig.6 Powder X-ray diffracti_on patterns
of (ZnO.9 M90 1 ).1・xA1xO.
.
- 132・
90
ZnO
。
,
〆ー\
ーυ
2.0
cf'.l
1.0
,、Ebo、
••••
•• • •
•
•
•
•
合企
鮮合もも合
αエ:00
0
。
a
ー,吋〆
。
0.0
。
。
。
。
。
1.0
3.0
2.0
103r-7 K・1
4.0
Fig.7 Arrhenius plots for electrical conductivities
of ZnO(O), ZnO 9 A10.020(・),
. 8
x
(Z n O.9M90.1)1・xA1xO for
- 133 -
=
0.0 2 (ム), O.1 (口)
囚
-
。 。
0
•
A ロ
。
ロ
•
ロ
ロ
. AQ
A
ロ
。♂
-
ðð
A
.
-
A
A
-500
•
•
ハU ハU ハU ハU
nu nu nU ハU
1i 「ム 弓コ A守
8 包 ω∞
ωouu凶〉 ミ ミ ロωcdM
l
-
。
A
ロ
。 。
。
。
5
200
400
600
800
1000
T / oc
Fig. 8 Seebeck coefficients of ZnO (O),
Zno .98A10 .020(・), (Z n O . 9 Mgo .1 ) 1・xA1xO
for
x
=
0.0 2(ム),0.1"(口)
- 134 -
T / oc
1000
50 I
40
I
30
�
400
200
100
0
。
•
'圃叫
と�
自
。
民
•
。
10
I
Q
o
•
全s
金sagaa
。
2
10サ-1; K・1
4
Fig.9 Thermal conductivities of ZnO(O),
Zno .98A10 .020(・), (ZnO.9M90.1) 1・xA1xO
fo r x
=
0 (�), 0.02 (ム), O.1 (口)
as a function of inverse temperature
- 135 -
【
g区 寸()
MI
N
20
•
•
二10
nu
ハU
Fig. 1
0
•
企
ロ
、吋
•
-0-0
200
Power factors of
ハU
∞
h
a
a o 4『ム
日
。
企
)
A口
明
A
0 8
•
』ω
怪P
O内山
υ
潟
•
A AUo
j
∞ ぺ
〉
ロム
A C 6 /
TA
h
白川 O
4
ハU
ω ))
口 A
4
A C占
AA
ム
A仏
3
•
•
•
•
企
.
•
ZnO(O),
(ZnO.9 M90.1 ) 0 .9A10.1 O (...}
(Z�1・yM9y) 0 .98A10.020
fo.r y
=
J
0 (・),O.02(ム), O. 1 (口)
- 136 -
0.3
さ
•
0.2
•
•
•
N
•
、、、
0.1
•
•
ト
Að
•
•
0
,
1
。
•
200ベ0コ
。一心ー
企
ロ
ロ
ð
ム
400
Fig. 11 Figures of
ロ
A
。
600
T / oc
m
etit of
=合
。
。
。
800
1000
ZnO(Q),
(ZnO.gM90.1 )0.gAI0.1 O(企),
(Zn1・ Mg )0 .gSA10.020
y
y
fo r: y
=
0 (・),O.02(ム),O. 1 (口)
- 137 -
Chevrel形化合物の熱電特性
第五章
5. 1
緒言
硫黄は16族の元素であり、 酸素より原子量が大きく電気陰性度が小さい。
一般に、 構成原子の聞の電気陰性度の違いは金属酸化物より金属硫化物のほう
が小さい。 電気陰性度の差が小さい方が一般にその化合物の移動度が大きい。
その上、 構成元素の原子量が大きい方が物質のフォノン熱伝導率が小さい。
これまでに15族の硫化物と希土類の硫化物の熱電特性が調査されてきた。
多くの希土類硫化物の高温における熱電特性は広く研究されてきたけれども、
これらの性能は実用には不十分である。
最近、 数種の三成分ビスマス硫化物
(KBió.33S10り勾K2BiS13り2))が合成され、 室温における興味深い熱電特性が確認され
7 00Cで溶けるため高温で使用できない。
た。 けれども、 KBió.33 S10 とKzBiS13 は約1
3
1971年にChevrelら )は新規の三成分モリブデン硫化物件MoóX8 (A metal, X
=
chalcogen))の存在を報告した。 これらの材料は Chevrel 型化合物と命名され
=
た。 Matthiasら4 )が192
7 年に多くのChevrel 型化合物が超伝導体であることを
報告して以来、 多くの研究者がChevrel型化合物を研究した。現在では、 Chevrel
型化合物のほとんどが大変大きな臨界磁場を有する超伝導体であり、 その特異
性はこれらの化合物の大変大きい電子比熱係数に強く関係しているこ と が知ら
れている。
電子比熱係数(g)は次の式で表される。
g= m
3
·
3 3
(8p4kV/3N h)V
( 6.1)
ここでkはボルツマン定数、 Vは系の全体積、 Nはアボガド口数、 hはプラ
ンク定数である。 この方程式から電子比熱係数は有効質量に比例することがわ
かるので、 Chevrel型化合物は大変大きな有効質量の値を有することが期待でき
る。
Chevrel型化合物はMOÓX8クラスタによって構成された大変複雑な結晶構造
を有する。Chevrel相の結晶構造は大きさが大きく変わることができる孔を有し、
Pbのような大きな原子からCuのような小さな原子まで広範囲の原子を収容す
;
ることができる。 一般に複雑な結晶構造は格子熱伝導率 を 低減させる。 したが
って、 Chevrel型化合物は低いフォノン熱伝導率を有することが期待される。
- 138 -
そ こで、 本研究ではChevrel型硫化物 , AMoóS8 (A= Fe, Ni, Ag, Zn, Sn, Pb, Cu) ,
の熱電特性を調査した。
実験
5.2
5.2. 1
試料調製
出発原料として、 A(A= Mg, Nb, Cr, W, Fe, Ni, Ag, Zn, Si, Sn, Pb, Bi, Cu) 、 Mo 、
S の 粉末を所定量秤量して混合した。 その 混合粉末をべレツト に 成形し、 減圧
した石英アンプル中に入れて10000Cで 24時間加熱した。 加熱及び冷却の速度
は2000C h-1とした。 最終生成物の結品構造はXRDで 同定した。
5.2.2
測定方法
電気的特性を測定するための試料は、 焼結ぺレットから約7 mmX3 mmX3
mm の直方体を切り出し、 サンドペーパーで研磨した。導電率とSeebeck係数
の測定
は室温から1000 oCまで不活性ガス(Arガス )雰囲気下で行った。 測定方
法は第二章と同じである。 走査 型電子顕微鏡(SEM, JEOL T33 0A)で微細構造の
観察を行った。 熱伝導率は、 厚さ1・2 mm、 直径10 mmの試料 を使用してレー
ザーフラッシユ測定装置(ULVAC TC-7000) により測定した。 その際、 サファイ
アの単結晶 を標準試料として換算した。
5.3
5.3.1
結果
結晶相と構造
合成物の結晶構造 を確認 するため に、 最終生成物のXRD測定を行った。 A =
Mg, Cr, Fe, Ni, Ag, Zn, Sn, Pbの場合、 Chevrel型化合物(AMoÓS8 ) が生成すること
が確認できた。 その一例としてSnMoÓS8のXRDプロファイルを Fig.1 に示すo
XRD パターンは Chevrel相に帰属されるピークと MoS2に帰属される小さなピ
ークから構成されている。 Chevrel相が生成した他の試料もすべて MoS2相を 不
純物として含んでいた。 一方、 A= Nb, W, Si, Biの試料ではChevrel相
は 形成し
なかった。 これらの結果はFisherの 報告に一致する司。
これらの試料の焼結性
は高くない。SnMoÓS8の SEM像を‘Fig.2 に示す。Chevrel
型化合物は焼結性が低いと報告されているので、 この試料の焼結性が低いこと
- 139 -
;
に一致する。 焼結性を向上させるために焼結温度を 1000 Cから 120000 に増大
させた。しかし、焼結温度の増大により、焼結性はわずかに改善するもののMoS2
相が増大する結果となった。
5.3.2
熱電特性
AMo6Sg(A = Fe, Ni, Ag, Zn, Sn, Pb,Cu)の導電率のアレニウスプロットをFig. 3
に示す。 ZnMo6Sg及びPbMo6Sgを除く全ての試料の導電率は、10 2.5Sm-1 < a < 103
Sm-1であり、 温度にほとんど依存しなかった。 ZnMo6Sgの導電率の値は、 5000C
以上で温度上昇に伴い増大した。 一方、PbMo6Sgの導電率は、 温度上昇 に伴い
急激に減少した。AgMo6Sgの導電率は、 低温度領域では全ての試料の中で最も
大きな値を示した。
AMo6Sg(A= Fe, Ni, Ag, Zn, Sn,Pb,Cu)のSeebeck係数の温度依存性を Fig.4 に
示す。 全ての試料の Seebeck 係数は正の値であることからp形伝導体であるこ
とがわかる。AMo6Sg(A= Fe, Ag, Zn, Sn,Pb)のSeebeck係数の値は、 室温で約30
μVK-1から10000Cで約70μVK-1まで温度上昇に伴い増大し、 一方、AMo6Sg(A=
Ni, Cu)の Seebeck 係数の値は、 約 3000Cで、最小値を示した。AgMo6Sgが全ての
試料の中で最も大きなSeebeck係数の値を示した。
Mo6Sgクラスターの結合軌道には24個の電子を収容でき、 実際には20個の
電子が存在することが知られている。 結合軌道は Mo6Sgクラスターの価電子帯
なので、Chever l型化合物はA元素が4個の電子を供給するとき半導体になる
はずである九Ag 原子はMo6Sgクラスターに原子一個あたり一個の電子を供給
するので、AgMo6Sgの価電子帯の電子の数は2 1 である。 一方、 他の全ての A
元素のカチオンは多価なので、 それらのA元素は原子一個あたり2または3個
の電子を供給できる。 したがって、AgMo6Sgのhole濃度は、 他のChever l試料
より高いと考えられる。 この hole 濃度の高さが最も高じ導電率と最も小さい
Seebeck係数の値の原因と考えられる。 Sn 及び Pb は14族元素であり、,これら
は4個の最外郭電子を持っている。 したがって Sn とPb
件 他のA元素より多
くの電子を結合軌道に供給できると考えられる。このことがS臼nMoふとP肋bMoぷ
のSeebeck係数が最も大きい原因である可能性が高しい�o
以上の測定結果から出力因子を計算して温度の関数とし1てFig. 5 に示す。 全
てのChever l化合物の出力因子は温度上昇に伴うSeebeck 係数の大きな増大に
より、 温度上昇に伴い増大する。 出力因子の最大値はSnMoóSgの8000Cで約1.7
- 140 -
x10・4W
m-1 K-2 であった。
Chevrel 型硫化物は、 その化合物の価電子帯が 24個の電子で満たされたとき
半導体となるはずである。 そこで、SnやPb より多くの電子を M0
S
6 8クラスタ
ーに供給すると考えられる、イオンが5価であるNbイオンを添加してNbM0
S
6 8
の合成を試みた。 けれどもChevrel型化合物の合成には成功しなかった。
AM0
6
S8 (A = Ag, FeSn
,
, Pb)の熱伝導率の温度依存性をFig.6に示す。 室温に
おける、 これらの試料の熱伝導率の値は1Wm- 1K-1く 1(
<
2Wm-1K-1 である。 この
値は、実用化されている熱電材料の値と同等である。熱伝導率の値の序列はFe>
Ag=子Sn>Pb であり、 全ての試料で熱伝導率は温度上昇に伴い増大した。
固体の熱伝導率は、 フオノン熱伝導率(咋h)とキャリア熱伝導率 (1(el)からなる。
1(=尽h
+
(6.2)
1(el
フ ォ ノ ン 熱 伝 導 率 と キ ャ リ ア 熱 伝 導 率 を分離する た め に、 導 電率 か ら
σ (LはLorentz数))を使ってキャリア熱伝導率
Weidemann-Franzの法則(1(el = LT
を計算した。 全熱伝導率からキャリア熱伝導率を差し引しトて得られた�オノン
S
6 8を例外とすると、 フオノン熱伝導率の序列
熱伝導率を Fig.7に示す。 AgMo
はPb
<SnくFeであった。
この序列は、 より重い原子が結晶格子中に存在する
ほうがより効果的にフオノン散乱を引き起こすことから生じている可能性があ
る。 フォノン熱伝導率は、 Debye温度(普通室温以下)以上の温度でT -1 に比例す
る。私たちは既に( Zn.O 98A l.O 02) O7・9と
) (Zn _yMgy) -A
x lx 010)の熱伝導率がT -1に比例す
1
1
ることを報告した。これらの ZnO系試料の相対密度は99%以上である。)般に、
低温においては多孔質材料の熱伝導率は材料の多孔度の増大に伴い減少する。
l
一方、 高温では孔を横切る放射が熱伝導に寄与するので、 材料の熱伝 導率の値
は多孔度にほとんど独立である。 したがって、 多孔質材料の熱伝導率は温度上
昇に伴い上昇する。 本研究の試料の熱伝導率が温度上昇 ピ 伴い増大す る のは、
これらの材料が多孔質であるためかも知れない。
AMoふ(A= Ag,FeSn
,
,Pb)の熱電特性を評価するために性能指数を計算した。
AM0
S
6 8 (A = Ag, FeSn
,
, Pb)の性能指数の温度依存性をFg
i .8に示す。 全ての試
料の中で、SnMo
6
S8は最も大きな性能指数の値(0.07X10-3 �-1)を示した。 熱電材
料を実用化するためにはZ =
1 x10・3
K-1 以上の性能指数の値が必要とされてい
るので、 導電率とSeeb eck係数をかなり改善する必要がある。 本研究の試料は
- 141 -
熱伝導率の値が熱電材料として十分に小さいが、 出力因子の値があまりに不十
分である。 しかし、 焼結性の改善とキャリア濃度の制御により出力因子を向上
できる可能性がある。
5.4
結言
Chevrel型硫化物AMoóS8(A
=
Fe, Ni, Ag, Zn,Sn, Pb, Cu)の熱電特性を調査した。
大部分の試料の導電率の値は、 室温から10000Cまでの温度領域で、 1025. S cm-1く
σ< 103S
cm-1であり、 AgMoóS8は2500Cまでの温度領域で最も高い値を示した。
Seebeck係数の値は全ての試料で正の値であり、 p形伝導であることがわかるo
ó 8 の Seebeck 係数が、 全ての試料のなかで最も小さな値を示した。
AgMoS
ó 8が最も高い導電率と最も低いSeebeck係数を示すのはこの試料のhole
AgMoS
濃度が他の試料より高いことが原因である可能性がある。 出力因子の最大値は、
Ó 8の8000Cにおける約1.7 X 10-4 W m-1 K-2であった。 室温における熱伝導
SnMoS
率の値は、 全ての試料において、 1 Wm-1K-1くKく2 Wm-1K..I1であり温度上昇に伴
い増大した。 SnMoÓS8の性能指数が全ての試料のなかで最も高い値で、あった。
Chevrel 型化合物の出力因子の値をA元素の選択により 改 善できれば高い熱電
特性を有する材料となる可能性がある。
- 142 -
引用文献
1) M. G. Kanatzidis, T. J. McCarthy, T. A. Tanzer, L. Chen, L. Iordanidis, Chem. Mαter.,
8, 1465 (1996)
2)
J. L. Schindler, T. P.
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3) R. Chev叫M. Sergent, J. P匂cnt,J.SolidstGte Chem.,3,51
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4) B. T. Matthias, M. Marezio, E. Corenzwit, A. S. Cooper, H. E. Barz, Scienc e, 175,
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Oht北i, T. Tsubota, K. Eguchi, H. Arai,よAppl. Phys., 79, 1816 (1996)
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9) M. Oht北i, T. Tsubota, K. Eguchi, H. Arai, Proc. 14th Int. ConメThermoelectrics,A.
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10) T. Tsubota, M. Ohtaki, K. Eguchi,よMαter. Chem., 8, 409 (1998)
- 143 -
。
MN kCZZQ】
コ.
己目
0:, Chevrel phase
・: MoS2
、、、
。
0
0
。 。
•
10
20
30
28/。
40
。
0
50
60
Fig.1 Powder X-ray diffraction patterns of SnMoC'S
6 '-' 8 ・
.
- 144 -
m
uh
ハU
ハU
20μm
Fig. 2 SEM images of SnMo6Sa・
- 145 -
T / oc
o
41
咽
田 ↑ A金総省飴,Oi �Dl
ー
\・0)切。-
3い
'
____
|
2ト
匂弘
一 .
��怒号
�
�
�
ト
-司
1ド
圃
ト
。
1
1.0
2.0
. 3.0
103T.} K・1
I
4.0
Fig.3 Arrhenius plots for electrical conductivities
of AMo S as a function of temperature.
6 S
A:口Fe,企Ni,OAg,②Zn, . Sn, 11 Pb,ムCu.
- 146 -
100
凶
:>
ミ
80
�
60
.-コd口
υ
� 40 �I
_
.
・h
l会1 吟Ol: Dø
司凶
I�.IØ
υ
� 20t・ー・ 会S
0
I
む
U
^
ω
.
ハU
nv
乙r)
@
••
ムA
-b-82A
ム ω企
? 益企
句
仏 A A
会
A
&コ
u
200
400
。
600
T/
800
1000
oc
Fig.4 Seebeck coefficients of AMo�S8
6 '""'
as a function of temperature.
A:
口Fe, Â Ni,
0 Ag, � Zn,・Sn, 11 Pb,ムCu.
- 147 -
ロ
•
ーi
ι
£ 包偉。
gυ
ごい
g区寸()
MI
N
2
&
-ロ
A
@
Aa @
@
Aロ
ムロA 企 、
-@
E
、
h6 口 4
.
CA
細@
- ム門・6 2
•
•
6 8
nu
nu
nU
l
Fig. 5 Power factors of AMo S
O
∞∞
ーC
J。
/
O
6 T
側
200
as a function
of temperature.
A:口Fe, Â Ni, 0 Ag, �'Zn,・Sn, 11' Pb,ムCu.
- 148 -
5
4
-・司
g
ロ
ロ
5主
-- 2
ロ
�
1圃
o0
ち
•
200
。
Q
•
ロ
号
•
•
400
600
T /oC
800
Fig. 6 Thermal conductivities of
AMo�S
6\J8
as a function of temperature.
A:口Fe, 0 Ag, .' Sn,・Pb.
\
- 149 -
1000
3
凶
-・4
ロ
自
口
•
句、ー
ロ4
bt
ロ
•
民
..s::
ロ
lré
•
•
•
号
Q
o0
200
400
600
800
1000
T jOC
Fig.7 Lattice thermal conductivities of AMo�S
6'-'8
as a function of temperature.
A:口Fe, 0 Ag,・S'n, . Pb.
- 150 -
0.10
0.08
•
v、
ヒコ
,
・
.
ぬ0.04
.
•
ロ
口
0
200
400
•
ロ
•
。
∞ c
o cIf
II
Ti
。
�
O
。
ロ
ロ
5口
•
・
-ロ
-・
Oロ 0
0.02
ロ
凶0.06
•
-
•
800
1000
Fig.8 Figures of merit of AMocS
6 \..1 8
as a function of temperature.
A: 口Fe, 0 Ag,・Sn, 11 Pb.
- 151 -
第六章
トリメチルボロンを利用したボロンドープホモエピタキシヤル
(100)ダイヤモンド膜の半導体特性
6.
1
緒言
高圧合
)
V 法によるダイヤモンドの合成は、
マイクロ波プラズマCVD(MPCD
成法によ るダイヤモンド合成条件より、 穏和な条件でダイヤモンドを合成する
( 2Hó)をドープ源
ことができるo p形半導体ダイヤモンドは、 一般に、 ジボランB
として、 CVD法により合成されているは)。 しかしながら、 B2Hóは大変有毒な
物質であり、 また爆発性も有する。 ボロンアルコキシドもボロン源として使用
, 報告がある。 けれども、 アルコキシドには酸素原子が含まれるが、
された 9)10)
エビタキシャルダイヤモンド合成における酸素原子の効果が完全には理解され
ていない。
(CH3)3)を利用して多
Cifreら11)といocherら1勾は、 トリメチルボロンσMB,B
結晶ダイヤモンド膜を合成した。 TMBは沸点が253Kで あ り、 また高い毒性を
有するとの報告はない。 我々は、 TMBがボロン源として使用できることを見い
( 00)夕、イヤモンド上に合成
V 法により、 単結品1
だし、 マイクロ波プラズマCD
した、 ボロンドープ(100)ダイヤモンド膜の特性を評価し、 このダイヤモンド膜
の電気的特性が合成条件に強く依存することを報告したリ)。 本研究では、 合成
圧力がボロンドープ(100)ダイヤモンド膜の特性に及ぼす影響を調査した。
6.2
実験方法
合成は無機材研型のマイクロ波プラズマCD
V 装置を尉いて行った。 マイク
V 装置の詳細は既報に示してある14)。 ボロンドープダイヤモ
ロ波プラズマCD
ンドの合成では配管継ぎ手に VCRを使用することで窒素などのリークを防い
だ。装置の概略図をFig.1に示す。
1) Moホルダーのダイヤモンドコーティング
ダイヤモンド粉末を入れたアセトン中で、 約30分間超音波洗浄を行う。 そ
e
の後、 Tabl1に示す条件でダイヤモンドコーテイングを行う。
2)
反応管の洗浄
エタノールで軽く洗浄し、 キムワイプでふき取る。 その後、 反応管に付着し
ている黄色いホウ素化合物の汚れを排気しながら、 ガスバーナーであぶり出し
- 152 -
た。
実験手順
6.2.1
実験手順をFig. 2に示す。
基板
A)
ボロンドープダイヤモンドの合成実験では住友電工(株)製の高圧合成ダイ
3
ヤモンド(100)単結晶(2x 1.5 x 0.5 mm )を用いた。
基板前処理
B)
基板の裏表誤認を防止するため、 基板の一角をダイヤ干ンドぺンを用いて欠
けさせマーキングした。 酸化処理を、 混酸(HN03 : H2S04 ': H CI04
=
4
:
3
: 1)中
で800C以上3時間の条件で撹持しながら行った。 次にエタノール及び蒸留水で
超音波洗浄し、 キムワイプでふき取った後、 ナカパヤシ(株)製ジェットブロ
ーを用いて、 表面付着物を除去した。
試薬
。
使用した試薬を以下に示す。
C2HsOH
エタノール(Ethanol)
99.5%
和光純約工業(株)
CH3COCH3
アセトン (Acetone)
99.0%
和光純約工業(株)
H2S04
硫酸( Sulfuric Acid)
95.0%
和光純約工業(株)
HN03
硝酸(Nitric Acid( 1.38))
60-61%
HCI04
過塩素酸(Perchloric Acid)
和光純約工業(株)
60%
和光純約工業(株)
蒸留水
D)
原料ガス
使用した原料ガスを示す。
B (CH3)JH2
水素希釈のトリメチルボロン
100 ppm
100 kg cm-
2
トリケミカル研究所(株)
B(C H3)JH2
水素希釈のトリメチルボロン
トリケミカル研究所(株)
- 153 -
19.75 ppm
100 kg cm-
2
H
C4
高純度メタンガス
H2
高純度水素ガス
6.2.2
高千穂化学工業(株)
規格
H
2
H ・7
Q
岩谷瓦斯(株)
ダイヤモンド合成
ダイヤモンドの合成はマイクロ波プラズマ装置を用いて行った。 開始操作、
終了操作を以下に示す。
1)
開始操作
・大気解放を行い基板支持台の Moホルダー上にサンプルを導入した後、 反応
系内の真空引きを行う。 真空引きは、 ロータリーポンプで0.001 Torr以下に排
気した後、 ターボ分子ポンプに切り替えて10-6 Torrオーダーに到達するまで排
気を行う。 到達したら系を閉じる。
・系内に水素ガスを所定量流し、 系内圧力が5
Torr付近に達したらプラズマを
起ち上げ、 ニ一ドルバルブで系内圧力を調整する。
・水素プラズマ処理を5分間行い、 その後、 メタンガス、 水素希釈の TMBガ
スを導入しホウ素ドープ膜の作製を行う。
・ この時、 プランジャーでプラズマの位置を3つのチューナーで反射波電力が
Oになるようにそれぞれ調節を行う。
・析出温度は、 放射温度計(パイロメーター)を用いて放射率を0.5として計
測し、 温度制御はマイクロ波の出力を変化させて調整を行1う。
2)
I
終了操作
プラズマを起ち下げる。次に、サーマルマスフローコントローラー(以下MFC
と略す)下部のバルブを閉じ、 MFCの目盛りをOに設定し、 MFC上部のバル
分のパルプの順に 閉じる。 ゆっくり真空引き を しながら15分程度
ブ、 導入部
放置 (冷却)後、 試料を取り出す。
6.2.3
電極作製
電極作製条件をTable2 に示す。
電子ビーム蒸着装置
装置
日電アネルパ 株式会社
E型電子銃980・7102
仕様
ビーム電圧
3.6kVD.C
エミッション電流
最大 500mA
- 154 -
-・・・・・・圃園圃園田園圃園田園E・E・-
フィラメント電力
最大
冷却水流量
2 Lmin-1
ベーキング温度
最高 2500C
使用圧力
5
X
0
1
V 25
A
0
1 -5Torr以下
1)試料の準備
・表面洗浄する。
・ マスクに試料を固定する(手袋使用)。
2) EB蒸着
、 大気解放を行う0
・ロータリーポンプのスイッチをOFFにして停止させ
・ EB蒸着装置ヘ試料を導入する。
(膜厚計の作動、 熱電対の位置、 シャッターの位置をそれぞれ確認する)。
-導入後、 再びロータリーポンプのスイッチをONにして5分程排気する0
・ターボ分子ポンプのスイッチを入れる(約7分で、 NORMALの状態).0
-冷却水を流す0
・基板加熱スライダック 、 ベルジヤヒータ一、 内部ヒーターのスイッチを ON
にして5-6時間ベーキングを行う。
-基板温度を約3000Cに設定する。
・フィラメント電流を90mAにしてTiを約3分蒸発させる。
·
3分間フィラメント (BAゲージ )のガスだしを行つだ後、 真空度の測定を
行う。
・ベルジャヒータ一、 内部ヒーターのスイッチをOFFにして、 チャンバー内を
約3時間冷却する。
・真空度約3・5
X
10-8 Torrに到達したら蒸着を行う0
.膜厚計のプログラムをスタートさせる。
・高圧電源のブレーカーを上げ、数秒経った後スイッチをONにし、徐々に (設
定電流値付近では特にゆっくり)電流値を所定の値 (記録ノート参照)まで増
加させる。
・ それぞれ0.5 分程予備加熱をし、 その後シャッターを 外 し、 試料面への蒸着
を行う。
・ 蒸着後、 ヒーターとターボ分子ポンプのスイッチを OFFにし、 2時間程チャ
ンパーを冷却する。
- 155 -
-ロータリーポンプのスイッチをOFF にして停止させ、大気解放を行う0
・試料を取り出す。
-冷却水 を止める0
.再ぴロータリーポンプのスイッチをON にして5 分程排気する。
H2流量=100CCM、ガス相中のB/C
実験条件を次に示す: CH4流量=lCCM、
比= 100pp m、合成圧力=5.3,8.0,10.7,13ム16.0 kPa。 本研究では、研磨した高
圧合成ダイヤモンド(100)単結晶を基板として使用した。 基板温度は、放射率が
0.5であると仮定して、光学高温計により測定し、マイクロ波の出力を調製す
ることにより 1073 Kに維持した。 この基板温度は、以前の研究 結果13)をもと
にして選ばれた。
洗浄した。 電
水
合成したダイヤモンド膜を、加熱した混酸で処理した後、 で
子ビーム蒸着により、Ti、Pt、Auの三層構造の電極を各々の試料の四隅に作製
により、Hal1効
w
した向。 導電率 、キャリア濃度、Hal1移動度はvan d eerPau法
果測定装置(Biorad,HL5500PC) を使用して測定した。 合成したダイヤモンド膜
の表面モルフオロジーは、微分干渉光学顕微鏡により観察した。 ダイヤモンド
酸 千オン銃を使用して二
膜中のボロン濃度と水素濃度の深さ方向の分析は、 素
次イオン 質量分析( SIMS Atomica SIMS-4000M)により測定した。 ダイヤモンド
中のボロン濃度は、11B をイオン注入することにより調製した標準試料で換算
した1%
6.3
結果及ぴ考察
合成したBドープダイヤモンド膜の微分干渉顕微鏡写真を Fig. 3 に示す。 表
面の粗さは、合成圧力の増大に伴い減少した。 Fig. 4 に訴すように、(100)ダイ
ヤモンド の成長速度は、合成圧力の増大に伴い幾分増大した。 Nishitani-Gamo
ら同は、基板温度とマイクロ波出力を独立に変化させた01彼らは、この装置を
使用することによって、研磨した(111)ダイヤモンドの成長速度は、873 Kにお
増大し、一方、結晶度は基
ま
ける0.05 nm S1- から1173 Kにおける0.14 nm S-lで
板温度の増大に伴い減少すると結論づけた。 基板温度を973Kに保ちながら、
マイクロ波出力を増大させた場合、(111)ダイヤモンドの成長速度は増犬し、そ
種の
水
の質は改善された。 彼らは、マイクロ波出力の増大が成長表面上の含素
反応を促進させると推測している。
- 156 -
本研究では、 基板温度を 1073 Kに維持すると、 合成圧力が 5.3kPa の場合、
. 2・0.41 kWであり、 合成圧力が16.0 kWの場合、 0.24・0.35 kWであったので、
03
合成圧力の増大に伴いマイクロ波の出力は減少した。 したがって、 表面反応は
s i tani-Gamo ら向によって報告されたデータから考察すると、 マイクロ波の
Nih
出力の増大に伴い、 表面反応は促進されると考えることができる。
けれども、
合成圧力が増大したとき、基板の単位面積あたり単位時間あたりの衝突 回 数(Z )
w
は、 次の式で示されるように増大する。
z
w =
2
P/(2mnkT)1/
(7. 1)
ここで、 Pは合成圧力、 mは各々の分子の質量、 kはBoltzm ann定数、 Tは基
板温度である。
もし、 基板近くで生成した、 プラズマの中の活性種の数が変わ
らないならば、 合成圧力が高い方が衝突頻度がより高くなるので、 ダイヤモン
ドの生成速度はより速くなると考えられる。
また、 基板表面での反応の促進は、
合成されるダイヤモンドの質を改善するとも考えられる。
Fig. 5 に合成したダイヤモンド膜の導電率を示す。
導電率の値は温度上昇及
び、合成圧力の増大に伴い増大した。 5.3 kPaで合成したダイヤモンド膜は、 本研
究で合成したダイヤモンド膜中で導電率の値が最も小さい。
測定した全てのダ
イヤモンド膜のHall係数は正であり、 合成したダイヤモンド膜がp形伝導を有
することがわかる。Fig. 6 にボロンドープダイヤモンド膜のhole濃度のArrhenius
plotを示す。
測定した全ての試料でhole濃度は、 温度上昇に伴い増大した。
夕、、
イヤモンドはバンドギャップが大きいので、 この温度領域は外因性領域に分類
され、hole 濃度の温度依存性も外因性領域と考えられる挙動を示している。 5.3
kPaで合成したダイヤモンド膜の活性化エネルギーは0.29 :eVであった。,その他
の合成したダイヤモンド膜の導電率は約0.25 eVであった。
Collins 1ηらは、 B2H6
を ドープ源として合成したダイヤモンド膜の活性化エネルギーが 0.39 eV であ
ったと報告している。
本研究の活性化エネルギーの値の違いの原因ははっきり
しない。
ダイヤモンド膜中のボロン濃度と、 室温におけるhole濃度の合成圧力依存性
をFig. 7 に示す。
ボロンとholeの濃度は、 10.7 kPaで合成したダイヤモンド膜
で極小になる傾向を示した。 膜中のボロン濃度に対する、|室温におけるhole濃
度の比の合成圧力依存性をFig. 8に示す。 この値は合成圧力の増大に伴い増大
- 157 -
した。 したがって、 より高い圧力でダイヤモンド膜を合成したほうが、 より多
くのボロン原子をアクセプターとして利用していることがわかる。Fig. 3 に示
したように、 低い圧力で合成されたダイヤモンド膜ほど、4多くの粒界を含む。
ダイヤモンド膜中のボロン原子のある程度の量は、 この粒界に存在している可
能性がある。 ダイヤモンド膜中のボロン濃度に対する室温における hole濃度の
比は、16.0 kPaで合成したダイヤモンド膜で約1300ppmであった。 この値は天
然ダイヤモンドの値におよそ等しい 向。
ボロンドープダイヤモンド膜の、 室温におけるHall移動度の合成圧力依存性
'
をFig. 9 に示す。 室温におけるHall移動度の値は合成圧力に依存し、 そして
2
lで
y-ls
. kPaの合成圧力で合成したダイヤモンド膜の760 cm
その最大値は107
あった。Hall移動度の値は粒界の存在によって減少する。 kiyota8)らは、 20ppm
2
y-lsl- の
H6をドープしたダイヤモンド膜が、 910 cm
2
の濃度のボロンを含む、B
Hall移動度の値を示し、 そのときのhole濃度の値は7.6 X1013 cm-3であることを
示した。本研究の結果から、原料ガス相中のボロン濃度が同じである場合、TMB
2 6でボロンをド
H
でボロンをドープしたダイヤモンド膜の hole 濃度のほうがB
ープしたダイヤモンド膜の値より、 一桁から二桁大きいことがわかった。 しか
し、10.7 kPaの合成圧力で、 低い原料ガス相中の TMB濃度で合成したダイヤモ
ンド膜は高い Hall 移動度の値を示すことから、 TMBをボロン源としてドープ
を行っても、 ボロン原子がダイヤモンド構造の中に導入されると、B
2 6をボロ
H
ン源としてドープし場合と同等の働きをすると思われる。
6.4
結言
TMBをボロン源として、 ボロンドープダイヤモンド膜を(100)ダイヤモンド
上に、 マイクロ波プラズマCYD法によって合成した。 基板温度と反応物質濃
度は、 以前の研究結果で得られた結果をもとに固定し、 J5f.応器中の合成圧力を
変化させて、 表面形態及び電気的特性の合成圧力依存性を調査した。 合成した
ボロンドープダイヤモンド膜のモルフオロジーと電気的特性は、 合成圧力の増
. kPaの
大により改善された。 室温におけるHall移動度の値は、 合成圧力が107
2
2 6をボロン源
H
y1- sl- の最大値となった。 このHall移動度の値は、B
とき760 cm
1 同等である。
として合成したボロンドープダイヤモンド膜で得られる値と
- 158 -
引用文献
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Fujimori, H. Nakahara, T. lmai, Jpn. よ Appl. Phys., 29
824 (1990)
2)
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4)
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Relat. Mαter.,
5)
62 2926 (1993)
35 (1993)
459 (1994)
B. A. Fox, M. L. Hartsell, D. M. Malta, H. A. Wynards, C.-T. Kao, L. S. Plano, G. J.
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Mater.,
4622 (1995)
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7)
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Sato, Diamond Relαt. Mater.,
8)
68376 (1996)
6 1753 (1997)
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2574
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9) F.
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10)
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Sugino,
K.
Karasutani, F. Mano, H.
Diamond Relat. Mαter., 3
11) J.
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Kobayashi,
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Hayashi, T. Asano, Diamond and Relat. Mater.,
14)
Kataoka, J. Shirafuji, K.
Cifre, J. Puigdollers, M. C. Polo, J. Esteve, Diamond Relat. Mater., 3
Mαter.,
13)
869 (1998)
842 (1999)
H. Maeda, M. lrie, T. Hino, K. Kusakabe, S. Morooka, J. Mater. Res., 10
1450
(1996)
15)
H. A. Ho旺, G. L. Wayatene, C. L. Vold, J. S. Suehle, I. P. haacson, M. L. Rebbert,
D. I. Ma, K. Harris, Diαmond Relat. Mater., 5
16)
1450 (1996)
M. Nishitani-Gamo, I. Sakaguchi, K. P. Loh, Y. Sato, T. Takami, K. Suzuki, I.
Kusunoki, T. Ando, Adν仰cesMαterials'98, NIRIM,
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79 (1998)
Collins, A. M. S. Williams, J. Phys. C Solid St. Phys.,
- 159 -
\
4 1789 (1971)
Table 1 Diamond coating condition
CH4 [CCM]
H2 [CCM]
100
Temperature
[K]
1073
Pressure [kPa]
5.3
Time [h]
4
- 160 -
Table 2 Electrode preparation condition
真空蒸着法
Ti: 30
Pt: 50
(電子ビーム加熱)
nm
nm
Au: 1 00
基板温度
nm
623 K
- 161 -
Table 3 Diamond coating condition
CH4 [CCM]
H2 [CCM]
100
B/C ratio in the gas phase [ppm]
100
Temperature [K]
1073
Pressure [kPa]
5.3,8.0,10.7,13.3,16.0
- 162 -
�H2
放射温度計
�CH4
�TMB/H2
マスフロー
コントローラー
石英管
プランジャー
2.45 GHz
導波管
真空計
マイクロ波
発振器
一骨・ー
真空ポンプ
Fig. 1 Microwave assisted CVD apparatus.
- 163 -
己認出乙ιヱ乙正亘量享F
留置
酸化処理
HN03+H2S04+HCI04
臨翠雇雇極極亙i
国置-霊霊週
Pt
TI
匿霊園
Hall効果の測定!こ用いた
試料の構造
Fig. 2 Experimantal scheme.
- 164 -
b)
d)
20μm
Fig.3 Differential interference microscope images
of (1 00) diamond films formed at total pressures
of: (a) 8.0; (b) 10.7; (c) 13.3; and (d) 16.0 kPa.
- 165 -
600
T
T
zs i s g 阿古注2 0
t
{
500ド
•
•
400ト
•
•
『
•
•
ー
•
•
300ト
ー
200ト
ー
100ド
ー
ι5
ハu
nU
10
15
20
Total Pressure [kPa]
.
Fig.4 Effect of total pressure on growth rate
of (1 00) diamond films.
- 166 -
1 01
,.......,
,・『
E
V』 3.4
100
..
10-2
J
t司
.+。,L
4
a
4
••
{
。
四
Cω
J
'圃圃司
・
民A
10-4
1
2
3
103/T
4
5
6
[K勺
Fig. 5 Arrhenius plots for electrical condu ctivity
of (1 00) diamond films.
0, 5.3 kPa,ム,8.0 kPa,く>, 1 0.7 kPa,
口, 1 3.3 kPa,・, 16.0 kPa.
- 167 -
1018
FtJE
7
1 01
川潤・
1015
。ω
qぷ
合.
BII
1014
・
8
-咽
。
国
1013
1012
1
2
3
4
5
6
103/T [K-l]
Fig. 6 Arrhenius plots of hole concentration
of (1 00) diamond films.
0,5.3 kPa,ム, 8.0 kPa, 0,1 O. 7 kPa,
口,13.3 kPa,・,16.0 kPa.
- 168 -
1020
一一一一I
,,_ー『
宮自ω
1018
卜
•
•
•
•
•
-πFコ
『
冒・4
・ロ
g
υ
1014
�
。
。
。
。
10
5
Total
pressure
。
。
15
20
[kPa]
Fig.7 Effect of tota l pressure on boron and
hole concentrations at room tem perature
for (1 00) diamond films.
・,
boron concentration;
- 169 -
0,
hole concentration.
1500
T
T
T
。s。】
ロ8 ロ8 ロ。』
H
CM
仏}口。2
g 《日
{
。。z
c肖
。41判
。υω。司.5冨ωωロ
ロ
•
1000ト
-岡
•
•
500←
nu
nU
•
圃
•
10
5
15
20
Total pressure [kPa]
Fig.8 Effect of tota l pre�sure on the ratio of
hole concentration to boron concentration
for (1 00) diamond films.
- 170 -
1000
r-ー『
事圃・4
tJ'.)
....-1
〉
寸
T
寸
•
750
g
g
tJ
b
コ
」。
•
8
500
E
•
言ぉo �
•
。
。
5
Total
10
pressure
15
20
[kPa]
Fig.9 Effect of tota l pressure on Hall mobility
at room temperature for (1 00) diamond films.
- 171 -
第七章
マイクロ波プラズマCVD法によるIr(100)基板上へのダイヤモ
ンドのヘテロエピタキシヤル合成
7. 1
緒言
室温から 10000Cまで相変化がおこ
Irはダイヤモンドに近い格子状数を有し、
ダイヤモンドをヘテロエピタ
炭素がほとんど固溶しない。 したがって、
らず、
Ohtsukaら1)・2)
キシャルに合成する基板として有望であると考えられる。 最近、
はDCプラズマCVD 法によりIr1( 00)基板上にヘテロエピタキシャルなダイヤ
印e
モンド膜を合成した。 Schrcα】kら
8μmの厚さのダイヤモンド膜の配向性 を 調査した。
により合成した、
極 方向と
0.34 0と0.65 0であった。 Tsuboat らは、
それぞれ 、
方位角方向の半値幅は、
エビ
( 00)基板上にBENを利用したマイクロ波
タキシャルなダイヤモンド粒子をIr1
これらの研究で
プラズマCVD法で合成できることを発見したの,勾。 けれども、
この値はエピタキ
m 2 であり、
( .15・1.5) X108 c生成したダイヤモンド核の数は、0
ダイヤモン
シヤルダイヤモンド膜を生成するのに不十分である。 本研究では、
ドの合成条件を改善し、
Ir基板上にエビタキシャルなダイヤモンド膜を合成す
ることを試みる。
7.2
実験方法
ダイヤモンド合成にはマイクロ波プラズマCVD
装置を使用した。 基本的に
は第六章と同じ方法である。 石英製の反応チャンパーに2.45 GHzのマイクロ波
( )で希釈したメタンCH
を導波管により導入した。 水素 H
4 を炭素源として使用
( )
2
した。 ダイヤモンド合成に使用したメタンと水素の純度は入それぞれ 99.999 %
1123 Kで
以上と99.99999 %である。 高周波 マグネトロンスバッ タ装置により、
MgO(100)単結品の表面にヘテロエピタキシャルに生成したIr層を基板として
使用した。MgO結晶の大きさは約4 mmX4 mmである。Fほ .1 a()とFig. 1φ)に、
基板ホルダーとバイアス電極の詳細図を示す 。 上部電極として先端を尖らせ た
ダイヤモンドコーティングを行わずに使用した。 Mo製の基板ホルダ
Mo棒を、
合成実験前にダイヤモンド膜でコーテイングした。 以前の研究め,勾では、
ーは、
タイプ(a)を使用してダイヤモンドを合成した。 MgO基板は電気的絶縁体なの
' コーティングした
Irを
ダイヤモンドでコーテイングしたMoキャップを、
で、
MgO単結晶にかぶせることによりIr基板と基板ホルダーの間の電気的コンタ
- 172 -
クトを可能とした。 したがって 、Moキャップの穴が開いている部分のみ、Ir
基板はプラズマにさらされた。 上部電極と基板の間の距離は7 mm である。 一
方本研究ではFig. lh
( )に示すようにMgO単結晶の上下及び左右の面をIrで覆
った。 この方法により、Moキャップを使用することなくIr基板と基板ホルダ
ーの聞の電気的コンタクトを可能となった。 上部電極と基板との間の距離は2
mm である。 バイアス処理及び成長段階の条件は様々に変えられ、 ダイヤモン
ド粒子の発生密度とIr基板に対する配向度が最大となるように最適化された。
合成されるダイヤモンド膜の状態に対する、基板材料の効果を調査するために、
傷つけ処理などの ex situ な核発生密度を増大させる方法を利用していない
iS (100)基板も使用された。
プラズマ中に置かれたIr基板の温度は、放射率が 0.3と仮定して単色光学高
温計により測定した。基板表面は、原子間カ顕微鏡(AFM D
igitalInstr
uments,Inc・F
NanoScope 3
a)と電界放出型走査電子顕微鏡( SE M Hitachi
S-900)を使用して観察
した。 合成 したダイヤモンド膜は反射高速電子回折 (RHEED Japan Vieetech
四PT-150) X線回折のr
o
cking cure
v (Rig aku RINT-2500
問 、 レーザーラマン分
NR-I100)により評価した。
光法 (R aman Jasco
7.3
7.3.1
結果及び考察
Ir基板の調製
スパッタリングにより、Ir を単結晶 MgO1
( 00)面上にエピタキシヤルに堆積
させた。 本研究では、基板ホルダーと Ir基板の間の電気的接触を可能とするた
めにMgOの上下と左右の面をIrで覆うようにした。 このIrのスパッタリング
方法により、 上部のIr表面は電気的に下部のIrとコンタクトし、 さらに基板ホ
!
ルダーと電気的にコンタクトした。Fig . 2 に MgO川
(
上 こスバッタしたIr の
AFM像を示す。Ir表面は10nm のオーダーの凹凸がある0\このIrの凹凸は、 基
板の MgOの 表面の凹凸が原因と考えられる。Fig. 3(a)とFig. 3b
( )にIr基板の
RHEEDパターンを示す。 これらのRHEEDパターンには、Jリングは存在せずス
トリークの形状のパターンが存在した。 この実験結果からIr は MgO(100)表面
にエビタキシャルに堆積していることがわかる。O
h tsukaらり勾は、Irの基板と
してMgO1
( 00)境関面を使用し、IrのRHEEDパターンはストリークからなるこ
とを報告している。
- 173 -
7.3.2
Ir基板上でのダイヤモンド核生成
7 K 合成圧力4. 0
最適なBENの処理条件は次のようであった:基板温度103
kPa, メタン濃度3%, バイアス電圧-150V。 反応時間については様々に変化さ
e∞
せた。 Sch耐1汀rckら
i . 4 に Ir基板上の表面
えた。 けれども、 本研究では窒素を添加しなかった。 Fg
モルフォロジーにおけるバイアス時閣の効果を示す。 円形 の析出物がバイアス
処理により生成し、 その数と面積はバイアス時間の増大に伴い増大した。 この
析出物は、 電子を反射しているので非グラファイト成分であると考えられる。
析出物の厚さを測定するために 、 この基板を傾けて観察した。 しかし、 SEMの
分解能(10nm )では段差を確認できなかった。 Fg
M
i .5にIr基板上の析出物のAF
・ 00nm の大きさの粒子が多数、 析出物の表面に 観察された。 円
像を示す。 102
i . 6に バイアス処理をし
形析出物と基板の間の段差の高さは2・3 nmである。 Fg
たIr基板のRHEEDパターンを示す。 このパターンはストリークとドットから
J
成る。 このストリークは、 Fig. 3で示したIr基板のもの 同じであり、 一方、
ム
ドットはダイヤモンドに帰属できる。 私たちはEDXにより基板表面の炭素濃
度を測定することを試みた。 しかし、 析出物と他の領域の聞の炭素濃度の違い
を確認することはできなかった。 この結果から、 大変薄い炭素層がバイアス処
理時に Ir基板上に析出しそれが円形析出物として SEMで観察されたと考えら
れる。
i . 7 にダイヤモンド核生成段階後の Ir基板の表面形状を示す。 ダイヤモン
Fg
ド核形成段階の 条件を次に示す:基板温度973 K、 合成圧力5.3 kPa、 メタン濃
i o バイアス処理により生成した円形析出物は、 ピラミ
度2 %、 反応時間30 mn
ツド状結晶の集合体に変化した。 したがって、 円形析出物が、 この生成したダ
イヤモンド粒子の前駆体として働いていると考えられる。 生成した、 ほぼ全て
のダイヤモンド粒子がIr基板に対して配向していることは特筆に値する。 バイ
H EDパター
アス処理を30分間行った後、 60分間核形成を行ったIr基板のRE
i . 8に示す。 これらのRHEEDパターンは、 ダイザモンドに帰属される
ンをFg
ドットのみから成っている。
7.3.3
Ir基板上のダイヤモンド膜
60分間のバイアス処理と30分間の核生成段階処理を行ったIr基板上のダイ
) を作製するために 、・パイア
ヤモンドを成長させた。 平滑なダイヤモンド(100膜
- 174 -
ス処理段階の聞に生成したダイヤモンド粒子を、 最初に次の条件 でく100>方向
に成長させた:基板温度973 K、 合成圧力5.3 kPa 、 メタン濃度2%、 反応時間
に変えた:基板温度10 73
30minoこの段階の後 、次の条件 で成長方向をく111>方向
K、 合成圧力5.3 kPa 、 メタン濃度 1%、 反応時間2 h以上。 こ れらの条件は試
行錯誤により見い出した。Fig. 9(a)と Fig. 9(b)に、 く111> 成長2時間後のダイヤ
モンド膜のSEM像を示す。Fig. 9(a)は平滑なダイヤモンド膜の部分をしめす。
一方、 Fig. 9(b)はダイヤモンドが形成されていない部分を示す。 この表面は基
方向がく100>から く111>に
本的にダイヤモンド(100)から 成り 、 ダイヤモンド成長
変化したことがわかる。
s ka
Fig. 9に示したダイヤモンド膜のラマンスペクトル をFig. 10に示す。 Ohtu
らり2)は、 DCプラズマCVD法で合成されたダイヤモンド膜のラマンスペクト
ルは1333 cm-1のピークのみから 成ることを報告した。 けれども、本研究のラマ
は非ダイヤモンド成分も観察された。Fig., 9 で示したダイヤモ
ンスペクトルに
l figureをFig. 11に示す。4本のピークのみ検出され、
の{111 }poe
ンド膜について
このダイヤモンド膜 が Ir (100)に配向していることを示す。 このダイヤモンド膜
c r veを測定した。Fig. 12に示すように
に(400)rocking u
の配向性を評価するため
の値(0.110)より大き
は、 高圧合成ダイヤモンlド
半値幅は0.16 0であった。 この値
c ら勺こより報告された、 Ir基板上に合成されたダイヤモンド膜の
c rek
いが、 S h
値(0.340) より小さい。 したがって、 非常に配向性の高いダイヤモンド膜 が合成
できたことがわかる。
7.3.4
Si基板上のダイヤモンド膜
の条件は既報6),ηに示しである 。本研
Si基板上に合成したダイヤモンド合成
l 1 に示すように、 さらに最適化した。Si基板上に合
は、 合成条件 をTab e
究で
成したダイヤモンド膜は、 Fig. 13 に示すように非常に平滑である。 けれども、
Fig. 12に示すように、 このダイヤモンド、膜の(400)rok
の半値幅は2.88 0
c eve
c ing u
はIr基板上に合成されたダイヤモンド膜 よりかなり大きい。
であった。 この値
c rveの半値
本研究でSi(100)基板上に合成されたダイヤモンド、膜の(400)rocking u
幅は、 Jia ng ら川こよって報告された、 Si(100)基板上に合成されたダイヤモンド
膜の半値幅の値(2.1 0)と同等である。 上述したように、本研究 も含めて、 Si(100)
基板上に合成されたダイヤモンド膜の半値幅は 2。より大きい。 この結 果は、 Ir
基板上に合成されたダイヤモンド膜の配向性が極端に高い!ことを示している。
- 175 -
7.4
結言
マイクロ波プラズマCVD法により、高配向性ダイヤモンド膜をMgO1
( 00)基
板上に作製したIr膜の上に合成した。Ir基板にバイアス処理を行い、最適条件
を調査した。 バイアス処理時聞は、最終的に形成されるダイヤモンド膜の質に
影響を及ぼした。 ダイヤモンド粒子を、 まずく100>方向に成長させ、それから
く111>方向に成長させたo <111>成長段階は、1
( 00)ダイヤモンド膜を合成するた
めに不可欠である。Ir基板上に合成したダイヤモンド膜の4
( 00)rc
o king cur
v
eの
半値幅は0.16 0であり、 この値は、高圧合成ダイヤモンドの値に近く、 またSi
基板上に合成した平滑ダイヤモンド膜の値よりかなり小さい。 けれども、Ir 基
板上に合成したダイヤモンド膜の一部にはダイヤモンドの欠けた多数の孔があ
った。
- 176 -
引用文献
1)
K. Ohtsuka, H. Fukuda, K. Suzuki, A. Sawabe, T. Inuzuka, Jpn. J. Appl. Phys., 35,
L1072 (1996)
2)
K. Ohtsuka, H. Fukuda, K. Suzuki, A. Sawabe, Jpn. J. Appl. Phys. ,36,
3)
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4)
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T. Tsubota, S. Tsuruga, T. Saito, K. Kusakabe, S. Morooka, H. Maeda, Mat. Res. Soc.
Symp. Proc., 555,
333 (1999)
6)
H. Maeda, M. Irie, T. Hino, K. K凶akabe, S. Morooka, J. Mater. Res., 10,
7)
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10,
8)
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Mater. Res.,
3115 (1995)
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Appl. Phys., 83,
C.-P.
KJages, D. Wittorf,
2511 (1998)
- 177 -
C.L.
Jia, ,K. Urban, W. Jäger, J.
Table 1 Conditions for synthesis of diamond films
on Si substrates
First
� 1 1 ; > growth
Second
<���> growth
5.4
5.4
5.4
�063
973
1 1 23
1043
1 30
-40
。
。
。
98
98
98
100
100
100
CH4 flow rate [CCM]
2
2
2
2
3
0.4
CO2 flow rate [CCM]
。
。
。
。
0.75
。
30
3
7
6
5
8
Carburlzation
0・SiC
for門,atlOn
ati
Nucleation
<�00> growth
Total Pressure [kPa]
2.7
2.7
2.7
Substrate temp. [K]
� 063
�063
Bias voltage M
H2 flow rate [CCM]
Reaction time [min]
。
-
- 178 -
二
Mo electrode
-一一ー
MgO
crystal
(a)
Fig. 1
(b)
Details of the substrate holder and biasing electrod e.
(a) previous study, (b) present study
- 179 -
40
�
く芝
ú
句
5
Fig. 2 AFM image of the Ir substrate surface
formed on a MgO crystal.
- 180 -
、‘,ノ
hu
/'目、
(a)
Fig. 3 RHEED patterns of the Ir substrate.
ー181 -
600nm
6μm
30min
m
AU
A斗
6μm
6μm
600nm
60min
Fig. 4 Effect of bias treatment time on
the surface morphology of the Ir substrate.
- 182 -
25
5
v
0 凶)
-25
0
2
3μm
2
3
3
2
自立
QV
ハυ
μm
Fig. 5 AFM jmage of the round is1and
formed during the bias treatment.
- 183 -
、‘,ノ
hu
/,.‘\
(a)
Fig. 6 RHEED patterns of the Ir substrate
bias-treated for 60 min.
骨184 -
圃薗薗t
•
•
•
•
(]II
守
宅診
�
。
!!!
。
6μm
n
m
600nm
�
6μm
30min
‘'
。
@
r::l
。
@
�
司雪
aB3
、"
命、
�
�
e 。
、�
�
,、
6μm
Fig. 7 Surface morphologies of the Ir substrates, which are
bias-treated for 1 3, 30 and 40 min and then
subjected to diamond formation step.
- 185 -
6μm
600nm
50min
n
m
ハU
ぷυ
6μm
Fig. 7 Surface morphologies of the Ir substrates, which are
bias-treated for 50 and 60 min and then subjected to
diamond formation step.
ー186 -
、E,ノ
hu
/'E\
(a)
Fig. 8 RHEED patterns of the diamond film, which is
bias-treated for 30 min and then subjected to
growth for 60 min.
ー187 -
(a )
6μ m
( b)
6μm
Y
Fig. 9 SEM images of a diamond film
after the <, , ,
>
- 188 -
growth step for 2h.
何 kpdロω】
ロ.
口同
、、、
1700
1300
1500
1100
Raman shift / cm・1
Fig. 1 0 Raman spectrum of
the diamond film shown in Fig. 9.
- 189 -
900
符 kczzωω
コ.
ロ】
、、、
。
90
180
270
360
。
ß/
Fig. 11 Azimuthal scan of the diamond film
shown in Fig. 9 I・
- 190 -
pole angle: 2θ= 119.5
0
CVD diamond on Si substrate
.
C\
コ
ò
HPHT Diamond
I
� I
o
CVD diamond
on Ií substrate
ロ
弓コ
4
2
1
0
。
1
2
3
8/
Fig.
12
(400) Rocking curve of the diamond film
shown in Fig.
9.
- 191・
4
6μm
Fig. 1 3 SEM image of a diamond film
synthesized on a Si substrate.
- 192・
第八章
結言
(Znl_
x
AJ
1 O の熱電特性を調査した。 無添加ZnO の導電率は半導体的挙動を示
し、一方、Z
( n x
A1
_ )
x O( 0くX壬0.05)の導電率は、無添加ZnOの値に比べて 室温で
1
三桁以上大きく、金属 的挙動を示した。一方、
Al
0
2 3の添加により、
ZnOのSeebeck
係数の絶対値の値は減少した。 しかし、 室温で約100μVK1- から10000Cで約 200
μVK-1 まで、温度上昇に伴い徐々に増大する傾向を示し、その絶対値は適度な
値であった。 この結果は、
Al
0
2 3 の添加によりキャリア濃度が増大することに
よって説明できる。ZnO へのAlの固溶は、キャリア濃度とAlN・ MRの結果か
ら、(Znl_
x
AX
)l Oでx = 0.00以
5
下であると考えられる。Hall移動度のx依存性は
特異である。 それは粒子構造に関係しているかもしれない。 全てのAl'を添加
2
した試料の出力因子は、 室温から10000Cの温度領域で、8・15 X104- W m-1 K-の
非常に大きな値であった。 この値は、これまでに報告された酸化物の値の中で
最も大きく、高温用非酸化物新規材料として広く研究されているß-FeSi
や
2
βSiC
の値にまさっている。全ての試料の熱伝導率は、室温で約 40 Wm-1K-1から1000C
0
で約 5 W m-1 K1- まで、温度上昇に伴い減少し、
Al
0
2 3の添加量の増大に伴い減
少した。大きな熱伝導率の値にもかかわらず、
x= 0.02の酸化物は、
10000Cでz=
3
0.24 x10・ K1- " ZT = 0.30の値に達した。 この酸化物の非常に高い熱電性能は、
この酸化物中の ( 金属)-( 酸素)結合がかなり共有結合性が 請 いことが原 因 で、キ
ャリア移動度が高い値となるためと考えられる。Z
( n以Al
)
x Oの熱伝導率の値は、
他の熱電材料と比較してかなり大きしまた、フォノン熱伝導率が Z
( nl�
_ )
XO
の全熱伝導率中の主要な寄与であることが明らかにされた。 したがって、いく
つかの事例で効果的であることが証明されている、電気的特性に深刻な影響を
与えることなくフオノン熱伝導率を減少させる手法を適用で
1 きれば、Z
( nl�
_ )
XO
の無次元性能指数の値はさらに改善すると予想される。
( nO.98Mo0
)O(M =Al,Ga,In)の熱電特性を調査した。ZnOへの13族元素
次に Z
.2
の添加により、導電率は著しく増大し、
Seebeck係数の絶対値の減少は大きく
ないので、出力因子が増大する結果となった。 これらの試料の導電率の値は、
AlG
> a>In > >無添加ZnO となった。 この序列は、キャリア濃度とHall移動度の
結果と 一致する。GaまたはIn のドーピングにより、フォノン熱伝導率の低減
による熱伝導率の抑制に成功した。 その結果、
GaまたはIn をドープした試料
の性能指数は、出力因子の減少にも関わらず、600C
0 までNをドープした試料
- 193 -
と同等であった。効果的なキャリア ドーピングと熱伝導率の抑制の両立が ZnO
系熱電材料の性能指数の改善に要求される。
(Znl_yMgY)l_xAlxOの輸送特性及び熱電性能を調査し、ZnO.へのMgOの添加が、
フォノン熱伝導率を低減させることによる熱伝導率の減少に効果的であること
が明らかとなった。 けれども、ZnO.9gAlO.02 0 の導電率の値は MgO の添加量の増
大に伴って減少した。一方、Seebeck係数の値はほとんど変化しなかった。Hal1
係数の結果から導電率の減少はキャリア移動度の減少が原因であることがわか
った。Z
( no.9Mgo.)OへのAl203の過剰の添加は導電率の回復につながらなかった。
1
したがって、 出力因子の値はZnO.9gAlO.20 0の出力因子の値より小さい。 性能指数
の値は、 ZnO に Al を添加した試料より小さい けれども、 熱伝導率の著しい減
少がZnO格子に点欠陥を導入することにより実現された。
i Ag, Zn, Sn, Pb,Cu) の熱電特性を調査した。
Fe, N,
2
大部分の試料の導電率の値は、 室温から10000Cまでの温度領域で、10 .5S cm-1<
Chevrel型硫化物 AMo6Sg ( A
=
3 cm・1であり、 AgMo6Sgは2500Cまでの温度領域で最も高い値を示した。
σく10 S
全ての試料の Seebeck 係数の値は正であり、 p形伝導であることがわかる。
AgMo6SgのSeebeck係数が全ての試料のなかで最も小さな値を示した。 AgMo6Sg
が最も高い導電率と最も低い Seebeck係数を示すのは、 AgMo6Sgのhole濃度が
他の試料より高いためかもしれない。出力因子の最大値は SnMo6Sg の8000Cに
2
おける約1.7 x10・4 W m-1 K- であった。全ての試料の室温における熱伝導率の値
- くK< 2 Wm-1K-1であり、 温度上昇に伴い増大した。SnMo6S8の性能
は1 Wm-1K1
指数が全ての試料のなかで最も高い値であった。Chevrel 型化合物の出力因子の
値を A元素の選択により改善できれば高い熱電特性を有 す る材料とな奇可能性
がある。
TMB をボロン源として、 ボロンドープダイヤモンド膜を(100) ダイヤモンド
上に、 マイクロ波プラズマ CYD 法によって合成した。基板温度と反応物質濃
度は、 以前の研究結果で得られた結果をもとに固定し、 反応器中の合成圧力を
変化させて、 表面形態及び電気的特性の合成圧力依存性を調査した。 合成した
ボロンドープダイヤモンド膜のモルフォロジーと電気的特性は、 合成圧力の増
大により改善された。室温におけるHall移動度の値は合成圧力が10.冗Pa のと
2
き、 760 cm yl
- s-lの最大値となった。このHall移動度の値は、B2H6 をボロン源
として合成したボロンドープダイヤモンド膜で得られる値と同等である。
マイクロ波プラズマCYD法により、 配向性ダイヤモンド膜をMgO1( 00)基板
- 194 -
上に作製した Ir膜の上に合成した。Ir基板にバイアス処理を行い、最適条件を
調査した。 バイアス処理時聞は、最終的に形成されるダ《ヤモンド膜の質に影
響を及ぼした。ダイヤモンド粒子を、まずく100>方向に成長させ、それからく111>
方向に成長させた。 く111>成長段階は、(100)ダイヤモンド膜を合成するために
( 00)rocking curveの半値
不可欠である。Ir基板上に合成したダイヤモンド膜の4
幅は0.16 0であり、この値は高圧合成ダイヤモンドの値に近く、 またSi基板上
に合成した平滑ダイヤモンド膜の値よりかなり小さい。 けれども、Ir基板上に
合成したダイヤモンド膜の一部にはダイヤモンドの欠けた多数の孔があった。
- 195 -
第九章
謝辞
本研究は、 九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専攻(現在、 物質理
工学専攻)荒井研究室(現在、 江口研究室)および九州大学犬学院工学研究科材料
物性工学専攻諸岡研究室で行われました。
荒井研究室では、 学部4年生の時に研究室配属されてから博士課程2年生ま
での5年問、 セラミックス熱電材料に関する研究を行っていました。 この間終
始すばらしい研究環境を与えていただきました九州大学大学院総合理工学研究
科材料開発工学専攻故荒井弘通教授に厚く御礼申し上げます。 また、 終始適切
な御指導をいただきました、 九州大学大学院総合理工学研究科材料開発工学専
攻江口助教授(現在、物質理工学専攻教授)に深く感謝し厚く御礼申し上げます。
実験を遂行するにあたり直接の御指導をいただきました九州大学大学院総合理
工学研究科材料開発工学専攻大瀧倫卓助手(現在、 物質理工学専攻助教授)に心
から感謝致します。 実験上の御助言及び御指導をいただきました、 九州大学大
学院総合理工学研究科材料開発工学専攻関津好史助手(現在、 トヨタ自動車)に
深く感謝致します。 学部 4 年生時に実際に実験方法を教えていただきました古
賀寿子氏に感謝致します。 5年間の研究室生活で、大変お世話になりました、 先
輩及び後輩の方々に感謝致します。 学部4年生から修士課程2年生まで、 熱伝
導率を測定するためにレーザーフラッシユ装置を使用させていただきました、
九州工業技術試験所(現在、 九州工業技術研究所)山田泰裕氏に感謝致じます。
博士過程1年の時にレーザーフラッシユ装置を使用させていただいた、 株式会
社超高温材料研究センター西和也氏に感謝致します。 博士課程 2 年の時にレー
ザーフラッシユ装置を使用させていただき、 装置の使用方法を直接御指導いた
だきました、 福岡県工業技術センタ一機械電子研究所機械技術課エネルギー制
御研究室中村裕章氏に感謝致します。
諸岡研究室では、 助手に就任以来、ダイヤモンドに関する研究を行づてきま
した。 多数のCVDダイヤモンド合成装置、 多数の真空機器、 数多くの分析機
器を有するすばらしい研究設備を与えていただき、 終始適切な御指導をいただ
きました、 九州大学大学院工学研究科材料物性工学専攻諸岡成治教授に深く感
謝し厚く御礼申し上げます。 研究遂行の上で適切な御指 導 、 御助言を い ただき
ました、 九州大学大学院工学研究科材料物性工学専攻草壁克己助教授に深く感
謝致します。 ダイヤモンドに関する研究で適切な御助言をいただきました、 九
- 196 -
州工業研究所前田英明氏に感謝致します。 研究を遂行するにあたりお世話にな
りました、 諸岡研究室の福井照美氏、 太田誠也氏に感謝致します。
- 197 -
Roaωw no一
O『ハリoz s 一
勺ωR Zwω
回一
c
o
o冨コ 052
46
=
o
g
刃包
Fly UP