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「モンスーン」のインド経済への影響 (PDF)
ご参考資料 2011年5月31日 「モンスーン」のインド経済 済への影響 インドでは毎年6月から9月頃に、「モンスーン」と呼ばれる季節風 風が吹き、雨季に入ります。その期間の降水量の多寡は農産物 の収穫高を大きく左右することから、毎年注目される経済材料と となっています。インド気象局によると、今年は一部の地域にお いて通常より3日早い5月29日にモンスーン入りが発表されました た。以下、本年の予想とその影響についてご紹介いたします。 降水量に左右されるインド経済 : 平年並みは朗報 インドでは、モンスーンと呼ばれる季節風が6月頃から強ま り、雨季が始まります。6月から9月までの4ヶ月間に降る雨 量は、年間降水量の約80%を占めます。インド経済におい て農林水産業が占める割合は約17%と、その他の新興諸 国と比較しても、比較的高いといえます(図1)。 また、インドでは灌漑設備の整備が充分ではなく、降水量 の変動が農業に影響を与えます。そのため、モンスーンに よる降水量はインド経済を大きく左右することとなります。 よる降水量はインド経済を大きく左右することとなります インド政府の地球科学省インド気象局は、毎年モンスーン の予想を行い、詳細なレポートを発表しています。 過去50年間で、6月から9月までの降水量は平均890mmと なっています。インド気象局では、降水量がこの平均と比べ て±10%の年を「正常モンスーン年」とし、+10%以上の年 を「過剰モンスーン年」、そして-10%以下の年を「不足モン ス ン年」としています。2001年以降、過剰モンス ン年は スーン年」としています。2001年以降、過剰モンスーン年は ありませんでしたが、2002年、2004年と2009年が不足モン スーン年となりました。 また、GDPベースでは、2009-10年度の実質GDP(要素費用表 示)成長率が前年比8.0%であるのに対し、農林水産業の成長 率は同0 4%に留まりました。2010年の6月から9月までの降水 率は同0.4%に留まりました。2010年の6月から9月までの降水 量は平年の102%となり、「正常モンスーン年」でした。そのた め、2010-11年度(2010年4月~2011年3月)の農林水産業の 成長率は同5.4%に回復しました。 4月19日、バンサル地球科学大臣は、今年の降水量は平年の 98%になるとの予報を発表しました。インドは現在、食料品価 格の上昇などインフレに直面しています。そのため、インド準 備銀行(RBI、中央銀行)は5月3日、インフレ抑制のため0.5% の利上げを行いました このような環境下で 異常な多雨や の利上げを行いました。このような環境下で、異常な多雨や 干ばつ等により農産物の収穫が減少すれば、経済に大きな 打撃を与えかねません。今年の平年並みの降水量の予報は 今後のインドの経済にとっての好材料と言えるでしょう。今後 のモンスーンによる降水量と、その後のインド経済の動向が 注目されます。 弊社グループのインド運用拠点のインド株式担当者は、平年 並みのモンスーンは、インフレや原油価格の高騰による影響 並みのモンス ンは、インフレや原油価格の高騰による影響 が懸念される農業や輸出関連業にとって、懸念緩和になると 考えます。また、当局がインフレ抑制に取組むにあたっても、 好材料になると予想しています。 2009-10年度(2009年4月~2010年3月)の穀物生産量は、 降水量の不足によって前年比7.0%減の2億1,820万トンに 落ち込みました(図2)。 (図2)インドの食料用穀物生産量 (図1)各国の農林水産業がGDPに占める割合(米ドル換算) ( (百万トン) 240 インド 235 17% 231 インドネシア 中国 11% 不足モンスーン年 220 ブラジル 210 5% 南アフリカ 218 217 6% ロシア 不足モンスーン年 230 15% 209 3% 200 0% 5% 10% 15% 出所:国連統計(経済活動別国内総付加価値)に基づき PCAアセット・マネジメント作成。 20% 2005-06 2006-07 2007-08 2008-09 出所:インド農業省農業協力局統計の資料に基づき PCAアセット・マネジメント作成。 2009-10 (年度) (速報値) • この資料は情報提供のみを目的とするもので、特定の金融商品等の販 販売を目的とするものではありません。また、金融商品取引法に基づく 開示資料でもありません 開示資料でもありません。 • 当資料は信頼できると判断された情報等をもとに作成しておりますが、必ずしも正確性、完全性を保証するものではありません。 • この資料には、現在の見解および予想に基づく将来の見通しが含まれることがありますが、事前の通知なくこれらを変更したり修正したりする ことがあります。また、将来の市場環境の変動等を保証するものではあ ありません。 • この資料で使用しているグラフ、パフォーマンス等は参考データをご提供 供する目的で作成したものです。数値等の内容は過去の実績を示した ものであり、将来を保証するものではありません。 PCAアセット・マネジメント株式会社は、世界有数の金融サービスグループ プを展開する英国プルーデンシャル社(以下「最終親会社」)の間接子会 社で、日本における資産運用会社です。最終親会社は160年以上の歴史を を有し、イギリス、米国、アジアをはじめとした世界各国で業務を展開して います。資産運用事業はアジアでは10のマーケットに及び、最終親会社の います。資産運用事業はアジアでは10のマ ケットに及び、最終親会社の の運用資産は2010年12月31日現在約3,400億ポンド(約43兆円、1ポンド= の運用資産は2010年12月31日現在約3,400億ポンド(約43兆円、1ポンド 125.95円)に上ります。なお、最終親会社およびPCAアセット・マネジメント株式会社は、主に米国で事業を展開しているプルデンシャル・ファイナン シャル社とはなんら関係がありません。 110530(03) 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第379号 号 加入協会:社団法人 投資信託協会、社団法人 日本証券投資顧問業協会 日 ホームページアドレス www.pcaasset.co.jp 1/1