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コラム③:エルニーニョ現象が最盛期を迎えています

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コラム③:エルニーニョ現象が最盛期を迎えています
コラム③:エルニーニョ現象が最盛期を迎えています
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域(エル
ニーニョ監視海域、図1青色の四角内)で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象で
す。ひとたびエルニーニョ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。
2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、2015年春から強まり、2015年11月ごろに最盛期を迎えたと見られ
ます。図1は11月の海面水温の平年値(1981~2010年の平均値)と、2015年11月の海面水温、及び、その平
年からの差を示しています。 現在続いているエルニーニョ現象は、エルニーニョ監視海域の水温で見ると、20
世紀の最大規模と言われた1982年や1997年に発生したエルニーニョ現象に次ぐ大きさとなっています。
2015年12月10日に気象庁が発表したエルニーニョ監視速報では、「現在最盛期を迎えているエルニーニョ現
象は、今後春にかけて続き、夏までに平常の状態になる可能性が高い」としています。
11月の平年値
2015年11月の海面水温
8
12
8
12
16
20
24
28
2015年11月の平年差
16
20
24
28
28
>30
28
24
12
8
24
20
16
12
20
16
8
[℃]
[℃]
図1 11月の月平均海面水温平年値(左)、2015年11月の月平均海面水温(中)、及び、その平年差(右)
太い黒線は赤道及び日付変更線、青色の四角で囲まれた領域はエルニーニョ監視海域を示す。
2015年11月は沖縄地方で記録的な高温(統計を開始した1946年以来第1位)となりましたが、11月の天候は
現在発生しているエルニーニョ現象の影響を大きく受けたと考えられます。11月は太平洋赤道域の日付変更
線付近で積乱雲の活動が平年より活発となった一方、インドネシアからフィリピン付近では積乱雲の活動が平
年より弱く、その付近で高気圧が平年に比べ強まり、沖縄付近は南からの暖かく湿った空気の影響を受けや
すくなりました(図2)。12月も沖縄地方は暖かく湿った空気の影響を受けやすく、高温が続いています。
2015年11月25日に沖縄気象台が発表した3か月予報では、「冬(12月~2月)の間もエルニーニョ現象が継
続し、北からの寒気の影響は平年に比べ小さく、低気圧や湿った空気の影響を受けやすい天候となり、平均
気温は高く、降水量は多い見込み」としています。今後も最新の気象情報に注意してください。
大規模なエルニーニョ現象の
発生に伴い、11月はフィリピン
付近で高気圧が強まり、沖縄
付近は南からの暖かく湿った
空気の影響を受けやすくなり
ました。
図2 2015年11月の海洋と大気の特徴(模式図)
気象庁マスコットキャラクター
はれるん
(エルニーニョ現象の詳細については、以下のホームページをご覧ください。)
エルニーニョ/ラニーニャ現象 http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/
沖縄気象台提供
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