...

赤潮プランクトンの泡沫分離

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

赤潮プランクトンの泡沫分離
2005 年度
修士論文
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫分離
BUBBLE SEPARATION
OF
RED TIDE PLANKTON
高知工科大学大学院工学研究科
基盤工学専攻 物質・
物質・環境システム
環境システム工学
システム工学コース
工学コース
1085101 浅山拓
主査
副査
指導教員
有賀修 助教授
榎本恵一 教授
堀澤栄 講師
2006 年 3 月 20 日
1
目次
緒言
1 章 泡沫分離システム
泡沫分離システムの
システムの概要と
概要と装置
1.1
泡沫分離システムの概要
1.2
実験装置
2章
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの培養と
培養と懸濁液の
懸濁液の調製
2.1
赤潮プランクトンの種類と培養方法
2.2
赤潮プランクトン懸濁液の調製
3章
超音波照射した
超音波照射した赤潮
した赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫分離
3.1
目的
3.2
実験方法
3.2.1
赤潮プランクトン破壊懸濁液の調製
3.2.2
赤潮プランクトン破壊懸濁液の泡沫分離試験
3.2.2.1
泡沫形成試験
3.2.2.2
泡沫の吸引回収試験
結果と考察
3.3
3.3.1
超音波による菌体の破壊
3.3.2
赤潮プランクトン破壊懸濁液の泡沫分離試験
3.3.2.1
泡沫の形成と特性
3.3.2.2
赤潮プランクトンの泡沫による吸引回収
4章
タンパク溶液
タンパク溶液を
溶液を添加した
添加した赤潮
した赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫分離
4.1
目的
4.2
実験方法
4.2.1
赤潮プランクトンのタンパク濃度の測定とタンパク溶液の調製
4.2.2
タンパク溶液を添加した泡沫分離試験
4.3
4.2.2.1
泡沫形成試験
4.2.2.2
泡沫の吸引回収試験
結果と考察
4.3.1
赤潮プランクトン破壊懸濁液のタンパク濃度
4.3.2
タンパク溶液を添加した泡沫分離試験
4.3.2.1
泡沫の形成と特性
4.3.2.2
泡沫の吸引回収試験
2
5章
生分解性界面活性物質を
生分解性界面活性物質を添加した
添加した赤潮
した赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫分離
5.1
目的
5.2
実験方法
5.2.1
No.9 株培養上清液を添加した試験
5.2.1.1
No.9 株培養上清液の調製
5.2.1.2
泡沫形成試験
5.2.1.3
溶菌試験
5.2.2
No.9 株培養上清液抽出物を添加した試験
5.2.2.1
抽出方法
5.2.2.2
泡沫形成試験
5.2.2.3
溶菌試験
結果と考察
5.3
5.3.1
No.9 株培養上清液を添加した試験
5.3.1.1
泡沫形成試験
5.3.1.2
溶菌試験
5.3.2
No.9 株培養上清液抽出物を添加した試験
5.3.2.1
泡沫形成試験
5.3.2.2
溶菌試験
結言
参考文献
謝辞
3
緒言
海産性植物プランクトンの異常発生すなわち赤潮は、沿岸域の富栄養化により発生し、
魚介類の大量斃死を引き起こすことがある。赤潮への効果的な対策は、富栄養化の原因で
ある栄養塩等の流出を削減することである。しかし、生活廃水や産業廃水からの流出なら
びに雨水流出水や農地からの肥料流出を削減することは非常に困難である。
赤潮の発生はわが国においても深刻な問題であり、数多くの研究がこれまでに行われて
きた。しかしながら、現状では赤潮の発生の予測・予知を明確に行うことができていない。
現在赤潮に対してとられている対策は、赤潮が発生した時に養殖を行っている生簀を船で
引いて移動させたり、赤潮の原因となるプランクトンの数が多くなってきた時に養殖の餌
付けを抑えたりすることである。しかしながら、明確な予知を行うことができないことも
あり、発生した赤潮に対して害を被る前に対処するのは困難であり、毎年の様に赤潮によ
る非常に大きな被害が養殖業に及んでいる。発生した赤潮を迅速に治めつつ再発を防止可
能なシステムの開発が必要とされているが、これまでのところ、赤潮プランクトンを駆除
や回収する手法として以下のような研究が行われてきたが、各々の手法にはいくつかの問
題があり実用化には至っていない。
・殺藻性の細菌やウィルスの使用
細菌やウィルスを使用して赤潮プランクトンを死滅させる方法で、現在も様々な細菌やウ
ィルスについて研究が進められている。しかしながら、赤潮プランクトンを死滅させたと
しても、プランクトンの細胞やその破片が残留してしまい、赤潮を再発生させてしまう可
能性がある。また、殺藻性の細菌やウィルスが生態系におよぼす悪影響についても懸念さ
れる。
・化学薬品や超音波等を用いた物理的な破壊による赤潮プランクトンの駆除
これらの方法による駆除においても、残留した窒素やリンによる赤潮の再発が懸念され、
4
化学薬品を用いる方法では周囲の環境や生態系に与える影響についても検討をしなくては
ならない。
・凝集剤を使用したプランクトンの凝集沈殿
粘土や PAC を使用して赤潮プランクトンを凝集・沈殿させ、それらを回収する方法で、プ
ランクトンの細胞と共に、細胞から放出された毒素も不完全ながら回収することができる。
しかしながら、沈殿物の回収方法や添加する凝集剤が環境に与える負荷についての検討が
必要である。
これらの研究の他にも、加圧浮上装置を使用することで赤潮プランクトンを含んだフロ
ックを海面に浮上させて回収する方法など数多くが検討されているが、使用する装置が船
上で運転できなかったり、添加剤の及ぼす環境への負荷が予測できなかったりするので、
発生した赤潮を効果的に回収もしくは駆除したうえで再発を防ぐことが可能なシステムは
まだ確立されていない。
泡沫分離システムでは、海面上に形成した泡沫の中に赤潮プランクトンが濃縮され、形
成された泡沫を回収することで赤潮プランクトンを効率よく回収することが可能である。
また、赤潮プランクトンを回収することで、プランクトンとして固定化された窒素やリン
を回収することができ、赤潮の再発を抑制することが可能である。
本研究では、効果的な赤潮プランクトンの除去・回収を目的としており、環境に大きな
負荷を与える物質の添加を最小限に抑えながら、赤潮プランクトンを海水中から分離して
回収することにより、海水中の窒素やリンを赤潮プランクトンとして分離・除去し、赤潮
の再発を防ぐシステムの検討を行った。
5
1章
1.1
泡沫分離システム
泡沫分離システムの
システムの概要と
概要と装置
泡沫分離システム
泡沫分離システムの
システムの概要
泡沫分離システムでは、赤潮が発生した海水中に微細気泡を下部から通気し、液面に泡
沫を形成させ、赤潮プランクトンを泡沫に取り込み、濃縮する。この泡沫を回収すること
により、赤潮プランクトンを濃縮して回収することが可能となる。本研究では、赤潮プラ
ンクトンを直接破壊することにより溶出させたプランクトンのタンパクを利用する方法、
あらかじめ破壊したプランクトンの破壊上清液を赤潮プランクトン懸濁液に添加する方法、
生分解性界面活性物質を添加する方法によって泡沫を形成させた。
1.2
実験装置
本研究では、通気カラム(内径 54mm, 高さ 1200mm)の底に木下式ガラスボールフィルタ
ーG4 を取り付け、ガス流量メーターを通してエアーコンプレッサーを接続した装置(図 1)
を使用した。
6
7
2章
2.1
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの培養と
培養と懸濁液の
懸濁液の調製
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの種類と
種類と培養方法
本研究では、香川県赤潮研究所より分譲を受けた、 Heterosigma akashiwo (H.aka),
Phaeodactylum tricornutum (P.tri), Skeletonema costatum (S.cos), Chattonella antiqua
(C.ant)の 4 種を使用した。培養には表 1 に示す f/2 培地を使用し、20℃にて照明を 14h/day
であて、静置培養を行った。静置培養中は一日に 2 回手で撹拌を行った。培養の手順は下
記の手順で行った。
1.赤潮プランクトンの種菌を試験管(f/2 培地, 10ml)にて上記の条件で 2 週間培養する。
2.500ml 三角フラスコ(f/2 培地, 200ml)に1の培養液を 10ml 添加し、2 週間培養する。
3.5000ml 三角フラスコ(f/2 培地, 3000ml)に2の培養液を 150ml 添加し、
2 週間培養する。
また、プランクトンの植え継ぎは 500ml 三角フラスコ(f/2 培地, 200ml)で同様に 2 週間培
同様の条件で培養し、
養したものを 500ml 三角フラスコ(f/2 培地, 200ml)へ 5%V/V で植菌し、
行った。
2.2
赤潮プランクトン
赤潮プランクトン懸濁液
プランクトン懸濁液の
懸濁液の調製
試験に使用した赤潮プランクトン懸濁液の調製は、下記の手順で行った。
1.2 週間培養した赤潮プランクトン(3000ml)を遠心分離(4000rpm, 15min)し、回収する。
2.回収したプランクトンに人工海水を添加し、攪拌・洗浄し、遠心分離(4000rpm, 15min)
し、プランクトンを回収する。この工程を 2 回繰り返す。
3.回収した赤潮プランクトンに人工海水を添加し、攪拌し、血球計算盤で菌体数を計数
する。
4.人工海水を添加し、試験に必要な菌濃度に希釈したものを赤潮プランクトン懸濁液と
する。
8
表1
培地組成(
培地組成(f/2 培地)
培地)
f/2 culture
NaNO3
7.5mg
NaH2PO4・2H2O
0.6mg
Vitamin B12
0.05μg
Biotin
0.05μg
Thiamine HCl
10μg
Na2SiO3・9H2O
1mg
f/2 metals
0.1ml
Seawater
99.9ml
f/2 metals
Na2EDTA・2H2O
440mg
FeCl3・6H2O
316mg
CoSO4・7H2O
1.2mg
ZnSO4・7H2O
2.1mg
MnCl2・4H2O
18mg
CuSO4・5H2O
0.7mg
Na2MoO4・2H2O
0.7mg
Distilled water
100ml
9
3章
超音波照射した
超音波照射した赤潮
した赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫分離
目的
3.1
泡沫分離システムでは泡沫を形成する必要がある。しかしながら、人工海水に微細気泡
を通気するだけでは泡沫は形成されない。本研究では、赤潮プランクトンを破壊すること
により溶出したタンパク質を利用し、安定した泡沫の形成を試みた。また、形成した泡沫
を回収することで、赤潮プランクトンの回収を試みた。尚、赤潮プランクトンの破壊に際
し、超音波破壊を行ったが、実際に適用される装置では、流体剪断法などの効率良く菌体
を破壊する装置が望ましい。
実験方法
3.2
3.2.1
赤潮プランクトン
赤潮プランクトン破壊懸濁液
プランクトン破壊懸濁液の
破壊懸濁液の調製
赤潮プランクトン懸濁液を超音波処理し、超音波破壊前後の菌体数を測定し、菌体の破
壊率を求めた。試験は下記の手順で行った。
1.赤潮プランクトン懸濁液を 1.0×105cells/ml にて 1000ml 調製した。
2.調製した赤潮プランクトン懸濁液(1000ml)を超音波処理し(20kHz, 5min, 5W)、プラン
クトンを破壊したものを赤潮プランクトン破壊懸濁液とする。
3.菌体数を計数し、破壊率を求めた。
3.2.2
3.2.2.1
赤潮プランクトン
赤潮プランクトン破壊懸濁液
プランクトン破壊懸濁液の
破壊懸濁液の泡沫分離試験
泡沫形成試験
赤潮プランクトン破壊懸濁液に微細気泡を通気し、形成された泡沫の厚さを目視にて測
定した。この時、人工海水と超音波破壊していない懸濁液でも同様の試験を行い比較した。
形成された泡沫の厚さの測定は、下記の手順で行った。
1.赤潮プランクトン破壊懸濁液(1000ml)を通気カラムに注ぐ。
2.微細気泡を通気する。(0, 0.3, 0.5, 0.7, 0.9, 1.0ℓ/min, 5min)
3.形成された泡沫の厚さを測定する。(目視計測)
10
3.2.2.2
泡沫の
泡沫の吸引回収試験
赤潮プランクトン破壊懸濁液の泡沫分離により形成された泡沫の吸引回収は下記の手順
で行った。
1.赤潮プランクトン破壊懸濁液(1000ml)を通気カラムに注ぐ。
2.微細気泡を通気する。(1.0ℓ/min, 5min)
3.形成された泡沫を吸引回収する。(5min, 10ml)
4.残留赤潮プランクトン濃度を測定し、除去率を求める。
3.3
結果と
結果と考察
3.3.1
超音波による
超音波による菌体
による菌体の
菌体の破壊
超音波処理(20kHz, 5min, 5W)を行ったところ、赤潮プランクトンの破壊率は、表2のと
おりであった。渦鞭毛藻である H.aka の破壊率は 48%で、珪藻である S.cos と P.tri の破壊
率はそれぞれ 28%, 31%であった。渦鞭毛藻である H.aka の破壊率が一番高く、細胞膜の
硬い珪藻の破壊率はやや低かった。本試験において、超音波破壊が不可能なプランクトン
は無かった。
3.3.2
3.3.2.1
赤潮プランクトン
赤潮プランクトン破壊懸濁液
プランクトン破壊懸濁液の
破壊懸濁液の泡沫分離試験
泡沫の
泡沫の形成と
形成と特性
泡沫分離による泡沫形成の結果は図 2 のとおりであった。超音波破壊前の試験では、
H.aka, S.cos, P.tri 懸濁液, 人工海水すべてにおいて、通気量を変化させても泡沫の形成に
大きな変化は見られなかった。超音波破壊後の試験では、泡沫の形成に大きな変化が見ら
れた。H.aka と S.cos において通気量を増加させると、形成された泡沫の層が厚くなった。
赤潮プランクトンを破壊したことで、細胞から溶出した細胞質や破壊された細胞によって
泡沫が形成され易くなったことが分かる。また、通気停止後から 30 秒以上経過しても泡沫
が液面に残っていたことより、泡沫の安定性も向上したことが分かる。しかしながら、P.tri
においては泡沫の形成に変化は見られなかった。これは、P.tri の菌体が小さく、溶出した
11
細胞質が少なかったからであると考えられる。
また、赤潮プランクトンを超音波で破壊し、破壊懸濁液に微細気泡を通気することで、
図 3 の様に泡沫や液面付近の色が濃くなり、赤潮プランクトンや破壊された細胞または流
出した細胞質が濃縮されていることが目視と顕微鏡により確認された。
3.3.2.2
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫による
泡沫による吸引回収
による吸引回収
形成された泡沫を吸引回収した後、回収された泡沫は非常に色の濃い液体になった(図 4)。
さらに、泡沫回収後の赤潮プランクトン破壊懸濁液の色が薄くなり、赤潮プランクトンや
破壊された細胞等が同時に回収されたことが顕微鏡により目視で確認された。
また、泡沫の吸引回収による赤潮プランクトンの除去率は表3のとおりであった。H.aka,
S.cos, P.tri の除去率はそれぞれ 66%, 61%, 48%であった。泡沫がよく形成された H.aka と
S.cos は除去率が 60%を超えたが、泡沫があまり形成されなかった P.tri では、泡沫の回収
がしずらく、除去率がやや低かった。しかしながら、泡沫が形成されにくかったにもかか
わらず約 50%回収された理由として、P.tri は菌体が小さく、微細気泡に付着して海面に浮
上・濃縮されたことが考えられる。
これらの結果から、赤潮プランクトンを超音波破壊し、泡沫分離をすることで赤潮プラ
ンクトンを濃縮して回収可能であることが分かった。
12
表2
超音波による
超音波によるプランクトン
によるプランクトンの
プランクトンの破壊率
図2
泡の層の厚さにおける通気量
さにおける通気量の
通気量の影響
13
図3
泡沫形成の
泡沫形成の様子
表3
図4
泡沫の
泡沫の吸引回収の
吸引回収の様子
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの除去率
14
4章
4.1
タンパク溶液
タンパク溶液を
溶液を添加した
添加した赤潮
した赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの泡沫分離
目的
赤潮プランクトンの細胞濃度を統一しても、赤潮プランクトンの破壊により溶出される
タンパク質の濃度はプランクトンの種によって異なるはずである。赤潮発生時、プランク
トンの濃度が低い場合や、プランクトンから溶出されるタンパクが少ない場合などは、そ
の海水中のプランクトンを破壊するだけでは泡沫が形成されないと考えられる。そこで各
赤潮プランクトンを 105cells/ml に調製し、破壊後のタンパク濃度を測定した。また、各赤
潮プランクトン破壊懸濁液を遠心分離し、溶出物を回収した。タンパク濃度が同じになる
ように人工海水に添加し、泡沫形成試験を行った。さらに、赤潮プランクトン懸濁液にタ
ンパク溶液を添加し、泡沫分離試験を行い、形成された泡沫の回収による赤潮プランクト
ンの除去を試みた。このとき、泡沫分離によって形成された泡沫の回収により新たな泡沫
が形成されなくなることから、タンパクも除去されていると思われ、回収した泡沫中に含
まれるタンパク量の測定を行った。
4.2
4.2.1
実験方法
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンのタンパク濃度
タンパク濃度の
濃度の測定と
測定とタンパク溶液
タンパク溶液の
溶液の調製
各赤潮プランクトンを破壊し、タンパク質を溶出させ、遠心分離によって残渣を取り除
いたものをプランクトン破壊上清液とした。赤潮プランクトンの破壊には超音波を使用し、
タンパク濃度は Lowry 法にて測定した。また、タンパク濃度を 1.0mg/ml に調製したもの
をタンパク溶液とした。各赤潮プランクトンのタンパク濃度の測定と比較は下記の手順で
行った。
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンのタンパク濃度
タンパク濃度の
濃度の測定
1.赤潮プランクトン懸濁液(106cells/ml~108cells/ml)を調製する。
(H.aka : 106cells/ml, S.cos : 107cells/ml, P.tri : 108cells/ml)
2.赤潮プランクトン懸濁液を完全に超音波破壊した(20kHz,10W,10min)。
15
3.遠心分離(4000rpm, 15min)し、上澄みを回収する。
4.上澄みのタンパク濃度を Lowry 法にて測定する。
5.各赤潮プランクトン懸濁液 105cells/ml におけるタンパク濃度を計算し、比較する。
タンパク溶液
タンパク溶液の
溶液の調製
1.培養した赤潮プランクトン(3000ml)を遠心分離 (4000rpm, 15min) し、回収する。
2.回収したプランクトンに人工海水を添加し、攪拌・洗浄し、遠心分離(4000rpm, 15min)
する。この工程を 2 回繰り返す。
3.洗浄した赤潮プランクトンを人工海水(約 30ml)に懸濁し、超音波で完全に菌体を破壊
する。
4.遠心分離(4000rpm, 15min)し、上澄みを回収する。
5.上澄みのタンパク濃度を測定する(Lowry 法)。
6.タンパク濃度を 1mg/ml に調整したものをタンパク溶液とし、試験に使用する。
4.2.2 タンパク溶液
タンパク溶液を
溶液を添加した
添加した泡沫分離試験
した泡沫分離試験
4.2.2.1
泡沫形成試験
調製したタンパク溶液を人工海水に添加し、微細気泡を通気し、泡沫を形成させ、その
厚さを測定した。泡沫形成の試験は下記の手順で行った。
1.人工海水(1000ml)にタンパク溶液を添加する(0~5ml)。
2.微細気泡を通気する(1.0L/min)。
3.形成された泡沫の厚さを測定する(目視)。
4.2.2.2
泡沫の
泡沫の吸引回収試験
人工海水にタンパク溶液を添加し、泡沫形成試験を行い、形成された泡沫を回収するこ
とにより回収されたタンパク量を測定した。泡沫回収によるタンパク回収試験は下記の手
順で行った。
16
1.人工海水(1000ml)にタンパク溶液を添加する(5ml, 10ml)。
2.微細気泡を通気し(1.0L/min)、形成された泡沫を回収する(5ml, 10ml)。
3.回収した泡沫に含まれるタンパク量を測定する(Lowry 法)。
4.添加したタンパク量と回収されたタンパク量から、タンパクの回収率を求める。
また、赤潮プランクトン懸濁液にタンパク溶液を添加し、形成された泡沫を回収し、赤
潮プランクトンの除去を行った。タンパク溶液添加によるプランクトン除去試験は下記の
手順で行った。
1.赤潮プランクトン懸濁液(1.0×105cells/ml・1000ml)にタンパク溶液を添加する(1~5ml)。
2.微細気泡を通気し(1.0L/min)、形成された泡沫を回収する(10ml)。
3.回収後、赤潮プランクトン懸濁液中の赤潮プランクトンの濃度を計測する。
4.試験前後の赤潮プランクトン濃度から、プランクトンの除去率を求める。
また、赤潮プランクトン懸濁液にタンパク溶液を 1ml 添加し、泡沫分離を行うという操
作を 5 回繰り返し、赤潮プランクトンの除去を行った。試験は下記の手順で行った。
1.赤潮プランクトン懸濁液(1.0×105cells/ml・1000ml)にタンパク溶液を添加する(1ml)。
2.微細気泡を通気し(1.0L/min)、形成された泡沫を回収する(約 2ml)。
3.1と2の工程を合計 5 回繰り返す。
4.回収後、赤潮プランクトン懸濁液中の赤潮プランクトンの濃度を計測する。
5.試験前後の赤潮プランクトン濃度から、プランクトンの除去率を求める。
17
4.3
結果と
結果と考察
4.3.1
赤潮プランクトン
赤潮プランクトン破壊懸濁液
プランクトン破壊懸濁液の
破壊懸濁液のタンパク濃度
タンパク濃度
105cells/ml に調製した赤潮プランクトン破壊懸濁液のタンパク濃度はプランクトンの種
類によって大きく異なった(表4)。H.aka のタンパク濃度が一番大きく 19.4mg/L であり、
S.cos が 4.47mg/L、P.tri が 0.49mg/L であった。プランクトンのサイズが大きい H.aka は
タンパク濃度が大きく、プランクトンのサイズが小さい P.tri はタンパク濃度が小さいとい
う結果となった。直接超音波で破壊した懸濁液の泡沫形成試験において泡沫が形成されな
かった P.tri は、溶出したタンパク量が少なく、泡沫を形成するのに十分なタンパク量が得
られなかったと考えられる。
表4
赤潮プランクトン
赤潮プランクトン破壊懸濁液
プランクトン破壊懸濁液の
破壊懸濁液のタンパク濃度
タンパク濃度(10
濃度(105cells/ml)
4.3.2 タンパク溶液
タンパク溶液を
溶液を添加した
添加した泡沫分離
した泡沫分離
4.3.2.1
泡沫の
泡沫の形成と
形成と特性
人工海水にタンパク溶液を添加し(0~5ml)、泡沫形成試験を行ったところ、図5の結果が
得られた。どのプランクトンにおいても、タンパク溶液の添加量の増加とともに形成され
た泡沫の厚さが大きくなった。また、直接超音波で破壊した懸濁液の泡沫形成試験におい
て泡沫が形成されなかった P.tri についても、泡沫が形成された。これは、泡沫を形成させ
るために十分なタンパク量が得られたためと考えられる。さらに、タンパク溶液を添加し
て形成させた泡沫の上層の色が濃く、添加したタンパク溶液が濃縮されていることが目視
にて確認された(図6)。図5において P.tri が 2mg/L 以上で泡沫層が大きくならないのは、
タンパクが泡沫に濃縮され、新たな泡沫が形成されにくくなったためであると考えられる。
18
4.3.2.2 泡沫の
泡沫の吸引回収試験
人工海水にタンパク溶液を添加し、泡沫形成試験を行い、形成された泡沫の回収による
タンパクの回収について調べた。表5に示したように、タンパク溶液の添加量は各プラン
クトンにおいて 5mg, 10mg であったが、添加量を変化させてもタンパクの回収率に大きな
差は見られなかった。S.cos は約 75%で、P.tri は約 70%、H.aka は約 30%であった。珪藻
である S.cos, P.tri においては回収率が高かったが、渦鞭毛藻である H.aka については回収
率が低い結果となった。これについては、タンパクの性質が違う等の原因が考えられるが、
さらなる検討が必要である。
表5
タンパクの
タンパクの回収率
19
また、赤潮プランクトン懸濁液にタンパク溶液を添加し、泡沫分離試験を行った。赤潮
プランクトンの除去率を図7に示した。タンパク溶液を 1ml 添加した泡沫回収を 5 回繰り
返した試験における赤潮プランクトンの除去率を表6に示した。図7においては、タンパ
ク溶液添加量が 2ml を超えるとプランクトンの除去率に大きな変動は見られなかった。
P.tri
の除去率は約 60%で、S.cos の除去率は約 30%、H.aka の除去率は約 10%であった。この
ことから、プランクトンの除去率はタンパク溶液の添加量に大きく左右されないと考えら
れる。また、表 4 において、回収を 5 回行うことで S.cos と P.tri については除去率が向上
したが、H.aka については除去率が向上しなかった。S.cos と P.tri における除去率が高か
った理由として、プランクトンのサイズが小さく、運動性がなかったためと考えられる。
H.aka では、タンパク溶液の添加量を増加しても、回収の回数を増やしても除去率が向上
しなかったので、さらなる検討が必要である。
直接赤潮プランクトンを超音波破壊した場合のプランクトン除去率と比較して、タンパ
ク溶液を添加した試験における除去率は P.tri のみ向上した。H.aka と S.cos では除去率が
低下した。H.aka と S.cos では菌体の破壊率とタンパク溶液を添加した場合のプランクトン
除去率を合計すると、直接超音波破壊した場合のプランクトン除去率に相当する。タンパ
ク溶液を 1ml 添加した泡沫回収を 5 回繰り返した試験では S.cos の除去率は直接超音波破
壊した場合よりも高かった。また、P.tri についてはさらに除去率が向上した。これらの結
果より、S.cos, P.tri についてはタンパク溶液を添加し、回収する回数を多くする方法が有
効であると考えられる。H.aka については直接プランクトンを破壊し、破壊したプランク
トン残渣や溶出物を同時に泡沫分離によって回収する方法が有効であると考えられる。
20
図7
プランクトン除去率
プランクトン除去率における
除去率におけるタンパク
におけるタンパク溶液添加量
タンパク溶液添加量の
溶液添加量の影響
表6
タンパク溶液添加
タンパク溶液添加(1ml)
溶液添加(1ml)における
(1ml)における吸引回収
における吸引回収を
吸引回収を
5 回繰り返した場合
した場合の
場合のプランクトン除去率
プランクトン除去率
21
5章
5.1
生分解性界面活性物質の
生分解性界面活性物質の抽出と
抽出と分析と
分析と泡沫分
目的
赤潮プランクトンの中には、毒性を持ったものや毒素を放出するものがある。これらの
プランクトンについては、菌体を破壊する方法や菌体からタンパクを溶出させる方法で処
理することは望ましくない。そこで、プランクトンの破壊無しに泡沫分離システムにおい
て泡沫を形成させる方法として、界面活性物質を添加する方法の検討を行った。添加する
界面活性物質における環境負荷を抑制するため、自然環境下で分解可能な生分解性界面活
性物質の使用を検討した。Rhodococcus rhodochrous(No.9 株)の培養液において、界面張力
が低下することや泡沫が形成されることが確認されている(図8)。本研究では、No.9 株由
来の生分解性界面活性物質として、No.9 株の培養液と培養液からの抽出物を添加する方法
の検討を行った。No.9 株培養液の培地組成は下記のとおりである(表7)。
22
5.2
実験方法
5.2.1
5.2.1.1
No.9 株培養上清液を
株培養上清液を添加した
添加した試験
した試験
No.9
No.9 株培養上清液の
株培養上清液の調製
泡沫を形成させるための添加剤として No.9 株培養液の上澄みを使用するため、No.9 株
培養上清液の調製を行った。No.9 株培養上清液は、No.9 株培養液(酢酸培地, 24 時間培養)
を遠心分離し(8000rpm, 15min)、菌体を取り除き、上澄みを回収することで調製した。
5.2.1.2
泡沫形成試験
No.9 株培養上清液を人工海水に添加し、微細気泡を通気することで泡沫を形成し、その
厚さを目視にて測定した。泡沫形成試験は下記の手順で行った。
1.人工海水(1000ml)に No.9 株培養上清液を添加する(0~5ml)。
2.微細気泡を通気する(1.0L/min)。
3.形成された泡沫を目視にて測定する。
また、No.9 株培養上清液によって泡沫が形成されたことを確認するために、No.9 株植菌
前の培地においても同様の試験を行った。
5.2.1.3
溶菌試験
No.9 株培養上清液における溶菌性を確認するため、赤潮プランクトン懸濁液に No.9 株
培養上清液を添加し、プランクトン濃度の経時変化を観察した。赤潮プランクトンの溶菌
試験は下記の手順で行った。
1.赤潮プランクトン懸濁液(5000cells/ml)に No.9 株培養上清液を 5%V/V の濃度になるよ
うに添加する。
2.攪拌した後、0, 10, 30, 60, 90, 120 分後に正常な細胞数を測定する。
また、No.9 株植菌前の培地とオートクレーブ処理(121℃, 20min)した No.9 株培養上清液
においても同様の試験を行った。
23
5.2.2
5.2.2.1
No.9 株培養上清液抽出物を
株培養上清液抽出物を添加した
添加した試験
した試験
抽出方法
No.9 株培養上清液に界面活性作用と溶菌作用があることが確認されたが、この溶液には
No.9 株を培養した培地成分が多く残留しているため、自然環境下において使用すると環境
負荷が大きいと考えられる。そこで、環境負荷を可能な限り低減させるため、No.9 株培養
上清液から生分解性界面活性物質の抽出を試みた。抽出方法は下記の手順で行った。
1.No.9 株培養上清液に有機溶媒(メタノール:ジクロロメンタン=1:2)を1:1の体
積比で混合・攪拌し、冷蔵庫で 3 日間静置する。
2.水相と有機溶媒相の中間に沈殿した白色の物質を回収する。
3.60℃で一晩乾燥し、乳鉢で粉末にしたものを抽出物とした。
5.2.2.2
泡沫形成試験
No.9 株培養上清液から抽出した物質を人工海水に添加し、泡沫を形成させ、泡沫の厚さ
と様子を観察した(目視)。泡沫形成試験は下記の手順で行った。
1.人工海水(1000ml)に抽出物を添加する(0~80mg)。
2.微細気泡を通気する(1.0L/min)。
3.形成された泡沫の厚さを測定する(目視)。
5.2.2.3
溶菌試験
No.9 株培養上清液からの抽出物を赤潮プランクトの泡沫分離に適用するために、抽出物
における溶菌性を確認した。溶菌試験は下記の手順で行った。
1.赤潮プランクトン懸濁液(5000cells/ml)に No.9 株培養上清液からの抽出物を 50mg/L
の濃度になるように添加する。
2.0, 30, 60, 90, 120 分後の正常な細胞の数を計数し、溶菌性を確認する。
24
5.3
結果と
結果と考察
5.3.1
5.3.1.1
No.9 株培養上清液を
株培養上清液を添加した
添加した試験
した試験
泡沫形成試験
No.9 株培養上清液を人工海水に添加し、微細気泡を通気することにより泡沫が形成され
た(図9, 図 10)。No.9 株培養液上清液の添加量の増加にともない泡沫の厚さが増加した。
また、同様に行った No.9 株植菌前の培地においては泡沫が形成されなかった。この結果よ
り、培地成分ではなく No.9 株が生産した界面活性物質により泡沫が形成されたと考えられ
る。
25
5.3.1.2
溶菌試験
No.9 株培養上清液を赤潮プランクトン懸濁液に添加することにより、赤潮プランクトン
の細胞に変化が見られた(図11)。正常な細胞においては細胞膜が見られたが、No.9 株培
養上清液を添加することにより、細胞膜が溶けて細胞質が溶出した。この細胞膜における
変化は、4 種類すべてのプランクトンにおいて同様であった。本研究では、細胞膜が溶けて
細胞質が溶出することを溶菌と定義し、No.9 株培養上清液添加からの時間経過とともに細
胞膜が溶けていないプランクトンの菌数を計数した(図12)。プランクトンは No.9 株培養
上清液の添加直後から溶菌し始めた。H.aka においては添加から 60 分間でほぼ溶菌した。
P.tri では急速な溶菌が確認され、添加から 10 分間で約 60%が溶菌した。S.cos では緩やか
に溶菌し、添加から 60 分間で約 40%が溶菌した。C.ant でも緩やかな溶菌が確認され、添
加から 90 分間で約 50%が溶菌した。また、同様に行った No.9 株植菌前の培地を添加した
試験において、各プランクトンの溶菌性は確認されなかったが、オートクレーブ処理(121℃,
20min)した No.9 株培養液上清液においては溶菌性が確認された。これらの結果より、No.9
株培養液上清液には溶菌性があり、この物質は溶菌酵素の様な熱変性をおこす物質ではな
いと考えられる。
26
図11
赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの溶菌の
溶菌の様子
27
図12
5.3.2
5.3.2.1
No.9 株培養上清液による
株培養上清液による溶菌試験
による溶菌試験
No.9 株培養上清液抽出物を
株培養上清液抽出物を添加した
添加した試験
した試験
泡沫形成試験
人工海水に抽出物を添加し、微細気泡を通気することにより泡沫が形成された(図 13)。
抽出物の添加量が 20mg/L に達すると泡沫が形成され始め、45mg/L に達するまで泡沫の厚
さが厚くなった。この時に形成された泡沫は泡が大きく、通気を止めてからの泡沫の安定
性はやや低かった(図 14)。添加量が 50mg/L に達すると、泡沫の高さが下がり、80mg/L ま
での泡沫の厚さに大きな変動は見られなかった。この泡沫は小さい泡によって形成されて
おり、通気を止めても数分間安定していた(図 15)。これは、No.9 株由来の界面活性物質が
泡沫の上層に濃縮された結果、人工海水中と海面における界面活性物質濃度の低下がおこ
り、新たな泡沫が形成されにくくなったためと考えられる。
28
図13
泡沫の
泡沫の厚さにおける抽出物濃度
さにおける抽出物濃度の
抽出物濃度の影響
29
5.3.2.2
溶菌試験
No.9 株培養上清液からの抽出物を添加した泡沫形成試験の結果より、抽出物を 50mg/L
の濃度で赤潮プランクトン懸濁液に添加し、溶菌試験を行った結果、抽出物 50mg/L の濃度
における溶菌性は確認されなかった(図 16)。この結果から、この抽出物を溶菌しない濃度
において泡沫を形成させることで、毒性プランクトンの泡沫分離を行うことが可能である
と考えられる。しかしながら、No.9 株培養上清液においては溶菌性が確認されたので、抽
出物を異なる濃度で添加した場合の溶菌性の確認が必要である。また、抽出物において溶
菌性が確認されなかった理由として、抽出に際して溶菌性がなくなった又は溶菌性を持っ
た物質が抽出されていなかった等の原因が考えられるが、さらなる検討が必要である。
図16
×=溶菌性なし
溶菌性なし
抽出物添加における
抽出物添加における赤潮
における赤潮プランクトン
赤潮プランクトンの
プランクトンの溶菌性
抽出物濃度=
抽出物濃度=50mg/L
30
計数時間=
計数時間=0, 10, 30, 60, 90,
90, 120 分
結言
本研究において、赤潮プランクトンを破壊する方法、赤潮プランクトンのタンパクを利
用する方法により泡沫分離を行い、赤潮プランクトン濃度が低減された。また、No.9 株生
産物質を海水に添加することで泡沫が形成されることが見出された。また、No.9 株生産物
質に溶菌作用があることが見出された。
31
参考文献
1. Akira Suzuki, Hideo Maruyama, Hideshi Seki and Takamasa Hayashi:
Hayashi Application
of Nonfoaming Bubble separation to Enrichment of Dilute Dye Solution. Journal of
Chemical Engineering of Japan, Vol.28, No.1, 115-117 (1995)
2. Akira Suzuki, Hideo Maruyama and Hideshi Seki:
Seki Adsorption Behavior of Organic
Substances onto Bubble Surface in Nonfoaming Bubble Separation. Journal of
Chemical Engineering of Japan, Vol.29, No.5, 794-798 (1996)
3. Hideo Maruyama, Akira Suzuki and Hideshi Seki:
Seki Adsorption of Water-Soluble
Proteins onto Bubbles in Continuous Foam Separation. Journal of Colloid and
Interface Science, 224,
224 76-83 (2000)
4.
Frederick Bloom, Theodore J. Heindel:
Heindel Modeling flotation separation in a
semi-batch process. Chemical Engineering Science, 58,
58 353-365 (2003)
5. XiaoXiao-Xia Sun, JoongJoong-Ki Choi, EunEun-Ki Kim:
Kim A preliminary study on the mechanism
of harmful algal bloom mitigation by use of sophorolipid treatment. Journal of
Experimental Marine Biology and Ecology, 304,
304 35-49 (2004)
6.
Bozhi Ma, Yifang Chen, Hongwei Hao, Minsheng Wu, Bo Wang, Honggang Lv,
Guangming Zhang:
Zhang Influence of ultrasonic field on microcystins produced by
bloom-forming algae. Colloids and Surfaces B: Biointerfaces 41,
41 197-201 (2005)
7. N. Betzer, Y. Argaman and Y. Kott:
Kott Effluent Treatment and Algae Recovery by
Ozone-Induced Flotation. Water Research, Vol.14, 1003-1009 (1980)
8. Keith R. Schneider, Richard H. Pierce, Gary E. Rodrick:
Rodrick The degradation of Karenia
brevis toxins utilizing ozonated seawater. Harmful Algae, 2, 101-107 (2003)
32
9. Moo Young Han, Wontae Kim:
Kim A theoretical consideration of algae removal with
clays. Microchemical Journal, 68,
68 157-161 (2001)
10. Richard H. Pierce, Michael S. Henry, Christopher J. Higham, Patricia Blum, Mario
R. Sengco, Donald M. Anderson:
Anderson Removal of harmful algal cells (Karenia brevis)
and toxins from seawater culture by clay flocculation. Harmful Algae, 3, 141-148
(2004)
11. Mario R. Sengco, Johannes A. Hagstrom, Edna Graneli, Donald M. Anderson:
Anderson
Removal of Prymnesium parvum (Haptophyceae) and its toxins using clay minerals.
Harmful Algae, 4, 261-274 (2005)
33
謝辞
本研究を行なうに当たり赤潮プランクトンの提供を賜りました香川県赤潮研究所に厚く
御礼申し上げます。加えて多大な御助力と懇切な御指導を賜りました高知工科大学工学部
物質・環境システム工学科 有賀修助教授、論文の推敲と有益な御助力を賜りました榎本
恵一教授、堀澤栄講師並びに環境生物工学講座の諸先生方に厚く御礼申し上げます。
34
Fly UP