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〈加工事例〉冷間圧延鋼板およびステンレス鋼板によるパイプ加工
加工事例 冷間圧延鋼板およびステンレス鋼板によるパイプ加工 月産数量:100 万個/月産 !部品の特徴 絞り加工による写真 1,2 のようなパイプ形状の一部を バルジ加工により拡管する(写真 3) 。それと同時に、写真 4 の圧入部をしごき加工によって外径精度 50μm 以内に確 保している。 写真 3 SUS パイプのバルジ加工部 写真 1 外観 写真 2 断面 写真 4 SUS パイプの圧入部 !被加工材 材質:冷間圧延鋼板(SPCE) 、ステンレス鋼板(SUS 430) 形態:コイル材 板厚:0. 8 mm 66 プ レ ス 技 術 特集 材料特性から考える絞り加工の基本 !プレス機械 種別:カム式トランスファプレス 形式:TP−75 加工能力:750 kN !加工条件 生産能率:45 spm 機械モーション:カムモーション 送り方式:カム式トランスファ 潤滑種類:非塩素系プレス加工油 !金型 形式:トランスファ金型 加工工程数:13 工程 パンチ材質:ハイス鋼 ダイ材質:超硬 パンチ表面処理:TiCN !材料特性を考慮、工夫した点 SUS 430 は SPCE と比較すると、絞り加工時の発熱が大きく絞りダイへの焼付きが発生しやすい。 その防止対策として、各工程の絞りダイ周辺に外部から冷却水を循環させて金型温度の上昇を抑えて いる。 また、潤滑油も工程ごとに絞りダイへ塗布可能な構造とし、各工程の加工度に応じて適正な量を塗 布している。 !各材質で発生したトラブルとその対処法 絞り加工を行う際に SPCE は問題ないが、SUS 材の場 合はフランジ端面に円周方向の引張応力が作用すると、破 断面を起点として縦割れが発生する(写真 5) 。 この現象はバルジ加工においても同様で、フランジのト リミングを終えた後も端部に引張応力を与えることなく、 張出し拡管を行う必要がある。 写真 5 SUS パイプの縦割れ ミヤマ精工㈱ 取締役生産技術部長 吉原勝男 〒472−0021 愛知県知立市逢妻町金山 16−1 第 49 巻 第 5 号 (2011 年 5 月号) TEL:0566−83−8311 FAX:0566−81−9588 67