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4 たまねぎの収量向上に向けて
4 たまねぎの収量向上に向けて 【1】 過去10 過去10年の作柄を振り返る 年の作柄を振り返る たまねぎが豊作となるためには、急速な葉の分化と伸長が行われる6~7月下旬にかけては 日照が多く適度な降雨があること、葉が長持ちすることが重要な8月は日照時間は多く気温は 低めの方が良いとされています。 低収年を見ると、①移植の遅れ(過湿状態での無理なほ場作り)、②6~7月の生育量不足、 ③球肥大期~倒伏期の期間短縮、など傾向が見られました。さらに、規格が小玉傾向となり、 反収とともに販売単価の低下に繋がっています。 図2 たまねぎの反収と規格割合(H25~16 年) (JA 北ひびき調べ) 【2】 平成25 平成25年産のたまねぎの生育経過 年産のたまねぎの生育経過 移植後の葉の消耗、さらに生育停滞と倒伏期の早まりが見られました。定点ほ場の出葉数は 昨年より2枚少なく、生育量は不足していたと考えられます。8月は葉色が維持され枯葉は遅 れましたが日照時間は平年比0.79と少なく、球肥大は不良となりました。 図3 たまねぎ生育期間中の気象経過 27 【3】 畑の土作り ~粘質な水田転換たまねぎ畑の下層土改善事例~ 粘質たまねぎ畑において堅密層出現深 30cm未満の場合、秋まき小麦の導入により、 下層土の物理性改善効果があり、たまねぎの 収量が高まります。また、後作緑肥えん麦の 下層土改善効果は、単年のみですが有機物供 給源となります。 秋まき小麦や後作緑肥エンバクを導入した 作付体系を検討してみてはいかがでしょう か。 図4 堅密層出現深の指数推移 中央農試(H24年) 【4】 かん水の効果 低収年の内、4分の3は6~7月の少雨による生育不 良が主たる要因です。肥培管理の一つとして、かん水設 備の導入を検討する必要があります。 表4 かん水による規格割合の変化 士別定点(平成25年度) L大 2L L M 製品率 外品率 腐れ率 かん水あり 1.6% 28.0% 45.7% 17.8% 93.0% 3.8% 3.1% かん水なし 0.4% 8.9% 2.1% 9.6% 37.8% 41.2% 89.0% 写真1 リールマシンによるかん水 紅色根腐病 ○土壌中に生息するカビの一種がたま ねぎの根を腐敗させます。 ○腐敗が進むと、病原菌が作り出す色 素によって根が紅くなります。 ○腐った根が多くなると、水や養分を吸 収できなくなるので、たまねぎの生育 が阻害されます。 ●干ばつ被害を受けやすい 6 月のかん 水は、被害回避とたまねぎ生育促進の メリットがあります。また、被害程度 には品種間差があります。 図5 紅変枯死根率の推移 北見農試(H24年) 28