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東京都労働局 報道発表資料

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東京都労働局 報道発表資料
Press Release
厚生労働省
Ministry of Health, Labour and Welfare
厚生労働省
東京労働局発表
平成27年6月17日
担
当
東京労働局総務部企画室
室
長
金 田 文 人
統括労働紛争調整官
大久保 純 子
電
話
03-3512-1609
平成 26 年度個別労働紛争解決制度の施行状況を発表します
~あっせんでは、いじめ・嫌がらせに関する事案が 30%以上増加~
東京労働局(局長 西岸正人)では、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、個
別労働紛争の解決援助サービスを行っています。
この制度は、民事上の労使紛争の早期解決を目的としているものですが、具体的には、①「総合労
働相談」※1、裁判外紛争解決制度である②「労働局長の助言・指導」※2 及び③「紛争調整委員会によ
るあっせん」※3 の 3 つの制度で構成されています。
今般、平成 26 年度のこの制度の実施状況を取りまとめたのでお知らせします。
平成 26 年度は、相談件数には大きな変動はありませんでしたが、助言指導の申出、あっせんの申請
件数は昨年に比べて減少(あっせんは 3 年連続減少)しました。しかし、そのような中で、いじめ・
嫌がらせに関する事案は、相談で 14.4%、助言・指導で 11.6%、あっせんでは 30.2%と大幅に増加
しました。
また、あっせんの合意(和解)率は、全国平均に比べ約 6 ポイント高い結果となりました。
《東京労働局における平成 26 年度個別労働紛争解決制度の実施概要》
【相談、助言・指導、あっせん件数】
○総合労働相談件数
118,356件(前年度比
26,962件( 同
うち民事上の個別労働紛争相談件数
○労働局長による助言・指導の申出受付件数
○紛争調整委員会によるあっせん申請受理件数
3.1%増)
0.3%増)
576件(
同
10.6%減)
1,073件(
同
12.6%減)
【平成26年度の特徴】
➣ 相談、助言・指導、あっせんのいずれについても、解雇に関するものが減少する一方、いじめ・
嫌がらせに関するものが大幅に増加(相談 14.4%、助言・指導 11.6%、あっせん 30.2%)。
➣ あっせん手続きが終了したもののうち、合意(和解)したものは43.4%(全国平均37.6%)。
あっせん手続きが終了したもののうち、被申請人があっせんに参加したものの合意率は73.
1%(全国平均66.0%)
※1 「総合労働相談」:東京労働局、各労働基準監督署内、有楽町駅前の建物など20か所に、あらゆる労働問題に
関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応
※2 「助言・指導」:民事上の個別労働紛争について、労働局長が、紛争当事者に対して解決の方向を示すことに
より、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度
※3 「あっせん」:紛争当事者の間に、弁護士や大学教授など労働問題の専門家である紛争調整委員が入って話合
いを促進することにより、紛争の解決を図る制度(無料)
詳細は、別紙及び参考資料1、2をご覧ください
-1-
平成 26 年度個別労働紛争解決制度施行状況
別紙
1.相談件数
平成26年度において、都内20か所の総合労働相談コーナーに寄せられた相談件数は、
合計118,356件で、前年度に比べ3.1%増加しました。
これら総合労働相談件数のうち労働基準法等の問題とならない民事上の個別労働紛争に
関する相談は、26,962件で22.8%を占めています。
個別労働紛争相談の内容
いじめ・嫌がらせ
25.4%
その他
28.9%
雇止め
7.0%
解雇
17.9%
退職勧奨
9.4%
労働条件の引下げ
11.4%
当局においては、労働に関するあらゆる相談に対応しています。寄せられた相談の中で、法違反
に対する指導を求めるものについては、労働基準監督署、当局雇用均等室等へ取り次ぎ、また、す
ぐに裁判制度の利用を求めるものについては、地方裁判所又は簡易裁判所を案内しています。
そして、裁判制度を利用せず、又は利用前に紛争の解決を求める方に対しては、裁判外紛争解決
制度である2の労働局長の助言・指導及び紛争調整委員会によるあっせんを案内しています。
総合労働相談コーナーにおける相談応対風景
-2-
2.労働局長による助言・指導及び紛争調整委員会によるあっせん
相談によっても紛争の自主的解決に至らなかった事案については、民事上の個別労働紛争
の解決を図るための裁判外紛争処理制度である
(1)労働局長の助言・指導
(2)東京紛争調整委員会によるあっせん
を運用しています。
各制度の利用状況は以下のとおり。
(1) 労働局長の助言・指導の申出 576件(前年度比10.6%減)
【申出の内容(上位抜粋)】
○
○
いじめ・嫌がらせ
雇止め
163件(28.3%)
98件(17.0%)
○
○
○
労働条件引下げ
その他の労働条件
解雇
83件(14.4%)
67件(11.6%)
59件(10.2%)
➣ 平成26年度中に、助言・指導を実施したものは565件(前年度の繰越し分を含む。)。
(2)東京紛争調整委員会によるあっせんの申請 1,073件(前年度比12.6%減)
【申出の内容(上位抜粋)】
○
○
○
いじめ・嫌がらせ
解雇
退職勧奨
375件(34.9%)
265件(24.7%)
146件(13.6%)
○
雇止め
138件(12.9%)
➣ 平成26年度中に手続きを終了したもののうち、実際にあっせんを実施したもの(相手
方があっせんに参加したもの)は655件(前年度の繰越し分を含む。)。(あっせん
実施/手続きを終了=59.1%)
➣ あっせんを実施した結果、当事者間の合意が成立したものは479件。
(合意成立/あっせん実施=73.1%)
-3-
個別労働紛争解決制度利用状況(参考資料1)
表1 総合労働相談件数等の推移
(単位:件)
総合労働
相談件数
個別労働紛争
相談件数
平成21年度合計
130,550 (
-5.5% )
29,107 (
平成22年度合計
129,317 (
-0.9% )
平成23年度合計
128,401 (
-0.7% )
平成24年度合計
労働局長による
助言・指導の申出件数
紛争調整委員会による
あっせん申請件数
15.9% )
626 ( -12.7% )
1,702 (
-7.5% )
29,965 (
2.9% )
484 ( -22.7% )
1,203 ( -29.3% )
28,563 (
-4.7% )
520 (
7.4% )
1,381 (
14.8% )
114,958 ( -10.5% )
25,942 (
-9.2% )
651 (
25.2% )
1,365 (
-1.2% )
平成25年度合計
114,797 (
-0.1% )
26,869 (
3.6% )
644 (
-1.1% )
1,228 ( -10.0% )
平成26年度合計
118,356 (
3.1% )
26,962 (
0.3% )
576 ( -10.6% )
1,073 ( -12.6% )
※注:( )内は前年度比
図1 相談件数の推移
個
別
労
働
紛
争
相
談
件
数
50,000
45,000
40,000
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
140,000
130,550
29,107
129,317
29,965
135,000
128,401
130,000
28,563
26,962
26,869
25,942
125,000
120,000
114,958
115,000
118,356
114,797
110,000
105,000
100,000
平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
個別労働紛争相談件数(左目盛)
図2
総合労働相談件数(右目盛)
助言・指導及びあっせん件数の推移
件
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
1,702
1,381
1,365
1,228
1,203
626
平成21年度
484
520
平成22年度
平成23年度
650
平成24年度
助言・指導申出受付件数
651
平成25年度
あっせん申請受理件数
4
1,073
576
平成26年度
総
合
労
働
相
談
件
数
図3 総合労働相談の区分
総合労働相談の区分
労働基準法等に係
る法違反の疑いの
ある相談
21,716件
(17.0%)
法令・制度の内容
等に係る問い合わ
せ
73,336件
(57.4%)
その他
5,771件
(4.5%)
127,785
個別労働関係紛争
等に係る相談
26,962件
(21.1%)
総件数127,785件
(複数選択項目あり)
図4 個別労働紛争に関する相談の内容(前年度比較)
件
8,046件
(14.4%)
9,000
8,000
7,000
6,000
①労働条件に関するもの
②募集・採用等に関するもの
③その他(職場のいじめ等)
5,659件
(-4.0%)
5,894
7,036
3,610件
(-1.7%)
3,674
5,000
2,961件
(-6.9%)
1,865件
2,210件
3,180
1,939件 (-20.9%)
(-0.3%)
1,208件
(10.2%) 2,359
577件 298件2,216
272件
(8.2%)
161件 1,760
206件
(12.7%) (15.5%)
1,116
(-16.8%)
(14.2%)
(-14.9%)
512
327
258
141
242
4,000
3,000
2,000
1,000
975件 1,449件
(-3.6%)
198件 (-12.9%)
1,503
1,120
(2.1%)
194
0
解
雇
労
働
条
件
の
引
下
げ
配
出
置
向
転
・
換
退
職
勧
奨
採
用
内
定
取
消
懲
戒
処
分
雇
止
め
昇
給
・
昇
格
①
自
己
都
合
退
職
そ
の
他
の
労
働
条
件
採募
用集
等 ・
労
働
契
約
の
承
継
嫌い
がじ
らめ
せ・
人
事
評
価
賠
償
そ
の
他
③
②
総件数 31,634件
(複数選択項目あり)
図5 個別労働紛争に関する相談における労働者の種別(前年度比較)
14,474
14,043
正社員
4,057
4,024
パート・アルバイト
平成26年度
1,884
1,817
派遣労働者
平成25年度
4,025
4,098
期間契約社員
650
668
1,872
2,219
その他
不明・未確認
0
5,000
10,000
5
15,000
20,000
図6 東 京労 働局長による助言・指導の内容
件
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
25年度
25年度受付件数
644件
26年度受付件数
576件
26年度
163件
(11.6%)
146件
67件 81件
(21.8%)
55件
81件
59件
(-27.2%)
(
普
通
・
解
整
理
雇
・
懲
戒
)
い
じ
め
・
嫌
が
ら
せ
そ
の
他
の
労
働
条
件
83件
(2.5%)
労
働
条
件
の
引
下
げ
121件
(83.3%)
98件
(7.7%)
91件
55件
58件 (-5.2%)
59件 45件
(-23.7%)
退
職
勧
奨
66件
5件
(-28.6%)
7件
雇
止
め
出
向
・
配
置
転
換
自
己
都
合
退
職
そ
の
他
〔詳細区分〕
(1) 助言・指導の申出の受付件数
≪紛争の内容≫
普通解雇
整理解雇
懲戒解雇
いじめ・嫌がらせ
その他の労働条件
労働条件の引下げ
退職勧奨
雇止め
出向・ 配置転換
自己都合退職
その他
合計
576件
57件
1件
1件
163件
67件
83件
45件
98件
55件
5件
121件
696件
(2) 助言・指導の手続を終了した件数
≪終了の区分≫
助言を実施
取下げ
打切り
制度対象外事案・その他
565件
解雇
計59件
(前年度繰り越し分含む)
470 件
78件
7件
10件
6
図7 東京紛争調整委員会によるあっせん申請の内容
25年度
400
300
350件
26年度
375件
(30.2%)
288件
265件
(-24.3%)
187件
200
67件
70件 (-4.3%)
100
146件
(40.4%)
135件
104件
138件
(2.2%)
68件
(-63.6%)
27件
0
(
普
通
・
解
整
理
雇
・
懲
戒
)
25年度受理件数
1,228件
26年度受理件数
1,073件
い
じ
め
・
嫌
が
ら
せ
そ
の
他
の
労
働
条
件
退
職
勧
奨
労
働
条
件
の
引
下
げ
〔詳細区分〕
(1) あっせん申請の受理件数
1,073件
≪紛争の内容≫
普通解雇
238件
整理解雇
16件
解雇
懲戒解雇
11件
いじめ・嫌がらせ
375件
その他の労働条件
67件
労働条件の引下げ
68件
退職勧奨
146件
雇止め
138件
出向・ 配置転換
17件
採用内定取消
37件
その他
134件
合計
1247件
雇
止
め
134件
(436.0%)
37件 25件
17件 42件
(-11.9%)
(-37.0%)
出
向
・
配
置
転
換
採
用
内
定
取
消
そ
の
他
計265 件
(2)あっせん手続を終了した件数
1,109件 ( 前 年 度 繰 り 越 し 分 含 む )
実際にあっせんを実施した件数
65 5件(59.1 %)
うち、当事者の合意が成立したもの
479件(43.2 %)
※あっせんを実施したものの合意率
(73.1%)
あっせんを実施する前に合意が成立したもの
2件( 0.2%)
あっせん取下げの件数
44件( 4.0%)
あっせん不参加の件数
408件(36.8%)
7
東京労働局長による助言・指導の事例
事例1
(参考資料2)
解雇を撤回したケース
■申出人(女性労働者A)の主張
会社から労働契約内容変更の申出があったが、勤務回数、土日祝日を休みとすることについて
は、従来どおりとすることを口頭で合意していた。ところが、当該合意した内容が新たな労働契
約書に書かれていなかった。このため、申出人が労働契約書に署名押印しなかったところ、解雇
された。解雇理由通知書には、
「契約書未提出のため(契約する意思がないものとする)」と記載
されていた。
□被申出人(会社)の主張
経営者が交代したことを契機に、経営内容等の見直しをする一環として、各労働者との労働契約も見直し
を行った。申出人については、勤務回数、休日については従来どおりとすることで一旦は合意したが、その
後、やはり他の労働者と同様、土日の出勤もある内容とした労働契約書を提示した。
その結果、申出人は、当該契約書に署名・押印して提出しなかったため、申出人には労働契約締結の意思
がないものと判断した。
(助言・指導)労働局 ⇒被申出人
口頭でも合意した労働条件を使用者側が一方的に変更し、これに申出人が応じないことをもって解雇
とするのは、合理的理由がないとして無効とされる(労契法 16 条)可能性が高いので、解雇は撤回して
はいかがか。
(結果)
助言・指導を受けて、被申出人は解雇を撤回し、申出人は当初合意した労働条件で就労をすることと
なった。なお、
「解雇」から復職までの賃金補償も行われた。
事例2
パワハラが解決したケース
■申出人(女性労働者B)の主張
入社直後からずっと、上司Cから、事実無根の噂を立てられる、「Bさんが会社に来ると周りの人が
どう対処したらいいか困る」と言われる等、様々なパワハラを受けてきた。社長からもCに対して、勧
告、指導をしたようであるが、Cからは謝罪もなく、パワハラも収まらない。会社は労働者に対する安
全配慮義務があるので、Cのパワハラを止めさせてほしい。
□被申出人(会社)の主張
本件申出に係る労働局への来庁要請を受けて調査したところ、Cのパワハラについては、他の労働者
からも様々な不満が出てきた。現在、Cに対し、出向や懲戒、退職勧奨を検討している。
(助言・指導)労働局 ⇒ 被申出人
パワハラ被害をどのようにしてなくすかについては、リーフレットにあるパワーハラスメン
ト防止対策を参考としてください。
ただし、Cに対し何らかの処分を行うのであれば、事実関係について再度調査し、弁明の機
会を与えた上で処分を決定しないと、逆にCから訴えられる可能性があるため、十分留意して
いただきたい。
(結果)
助言・指導を受けて、パワハラを行ったCを配置転換することによって解決した。
8
東京紛争調整委員会によるあっせんの事例
事例1
労働条件をめぐる紛争
■申請人(女性労働者D)の主張
2年前から労働契約を締結し、管理的な業務に従事してきた。
ところが、契約更新の際、所属していた部署が廃止になるとのことで、報酬 20%カット、契約期間を
1 年間から 3 か月間とするとの契約変更の申出を受けたが、大幅に労働条件が低下するため、従前どお
りの契約を求め、新たな契約を拒否していた。次の契約期間の初日に出勤したところ、就労を拒否され
た。
減額するという賃金を元に戻して従業員としての地位を保全するか、慰謝料1000万円の支払いを
求めたい。
□被申請人(会社)の主張
申請人は、労働契約の締結を拒否したものであり、復職は認められないが、紛争の解決のた
めに一定の解決金を支払う用意はある。
(あっせんのポイント)
あっせん委員からは、申請人に対して、期間満了による雇止めであって解雇ではないこと、申請人が
定年の年齢であることを考慮すると、申請人の求める 1000 万円というのは高過ぎることを指摘し、ま
た、両当事者に対して、訴訟になった場合のリスク等を説明した。
(結果)
あっせん委員の調整により、申請人の年収とほぼ同額の 600 万円の解決金を支払うことで和解した。
事例2
自己都合退職をめぐる紛争
■申請人(男性労働者E)の主張
申請人は、上司から身に覚えのない悪評を立てられる等の嫌がらせに遭い、体調を崩したが、その後やっても
いないことを理由に、通勤距離が長くなる勤務先に配転された上に、専門職であったものを、アルバイトが行う
単純作業のみとされるなど、被申請人に追い詰められて、自己都合の退職書類を書かざるを得なくなった。
これまでの精神的・身体的・経済的損害に対する補償金として500万円の支払いを求めたい。
□被申請人(会社)の主張
申請人の退職については、条件提示をし、また、本人に考えるための時間を十分与えた結果、申請人
も納得して退職届に署名押印したものであり、一方的なものではない。上司からのハラスメントも否定
するが、紛争の長期化を避ける趣旨であっせんに参加した。
(あっせんのポイント)
あっせん委員から、被申請人に対して、一方的な配置及び職種の転換の有効性につき疑問を投げかけ
た上で、解決金による解決を促し、額を調整した。
(結果)
あっせん委員の意見を踏まえ、基本給 3 か月分相当額の 80 万円の解決金の支払いで和解した。
9
(参
考)
労働局における個別労働紛争解決システム
企
事業主
業
労働者
紛争
自主的解決
都道府県労働局
連
携
総合労働相 談 コーナー
◎都道府県
労働問題に関する相談 、情報提供のワンスト ップサービス
(労政主管事務所、
労働委員会など)
紛争解決援助の対象とすべき事案
取
次
◎裁判所
◎法テラス
※
紛争調整委員会
労働局 長の
あっせん委員(学識経
助言・指導
験者)によるあっせん
(日本司法支援
センター)
◎労使団体
・あっせん案の提示
における
相談窓口 な ど
労働基準監督署、公共職業安定所、雇用均等室
法違反に対する指導・監督等
※
事案によっては、助言・指導からあっせんに移行することがあります。
10
○
個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の概要
1
趣旨
企 業 組 織 の 再 編 や 人 事 労 務 管 理 の 個 別 化 等 に 伴 い 、 労 働 関 係 に 関 す る 事 項 に つ い ての
個々の労働者と事業主との間の紛争(以下「個別労働関係紛争」という。)が増加してい
ることにかんがみ、これらの紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、都道府
県労働局長の助言・指導制度、紛争調整委員会のあっせん制度の創設等により総合的な個
別労働紛争解決システムの整備を図る。
2 概要
(1) 紛争の自主的解決
個別労働関係紛争が生じたときは、紛争の当事者は、自主的 な解決を図るように努め
なければならないものとする。
(2)
都道府県労働局長による情報提供、相談等
都道 府県 労働局 長は 、個別 労働 関係紛 争の 未然防 止及 び自主 的な 解決の 促進 のため、
労働者又は事業主に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うものとする。
(3)
都道府県労働局長による助言及び指導
都道府県労働局長は、個別労働関係紛争に関し、当事者の双方又は一方からその解決
につき援助を求められた場合には、当事者に対し、必要な助言又は指導をすることがで
きるものとする。
(4)
紛争調整委員会によるあっせん
イ 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争について、当事者の双方又は一方からあっ
せんの申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認めるとき
は、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとする。
ロ 都道府県労働局に、紛争調整委員会を置くものとする。
ハ あっせん委員は、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即し
て事件が解決されるように努めなければならないものとする。
ニ あっせん委員は、当事者等から意見を聴取し、事件の解決に必要なあっせん案を作
成し、これを当事者に提示することがで きるものとする。
(5)
地方公共団体の施策等
地方公共団体は、国の施策と相まって、地域の実情に応じ、労働者又は事業主に対し、
情報提供、相談、あっせんその他の必要な施策を推進するように努めるものとし、国は、
地方公共団体の施策を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとす
る。
また、当該施策として都道府県労働委員会が行う場合には、中央労働委員会が、当該
都道府県労働委員会に対し、必要な助言又は指導をすることができるものとする 。
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