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Vol.46 2012.12

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Vol.46 2012.12
かがわ
21 12
http://www.kagawa-isf.jp
2012
vol.46
December
【トップニュース】TOP NEWS
香川県産の農水産物を活用した
機能性食品開発の取り組み
健康関連製品開発の
展開と香川地域企業の
可能性
【かがわ発!元気創出企業】
COMPANY REPORT
「モノづくり」の
真ん中には、
いつも人がいる。
オリエンタルモーター株式会社
TOP
NEWS
香川県産の農水産物を活用した
機能性食品開発の取り組み
機能性食品とは、生体調整機能(免疫、分泌、神経、循環、消化)を充分に発現できるよう設計加工された食品です。
栄養やおいしさが満たされた飽食の現代、
消費者の関心は食物やその食べ方を通して生活習慣病などの病気予防
に移ってきており、
食品産業界では機能性食品の商品開発が盛んに行われるようになっています。
図-1
生体調整機能
生体防御
体調リズムの
調整
老化抑制
アレルギー低減化食品
免疫賦活食品
リンパ系刺激食品
平成23年度
地域共同
研究部
コレステロール制御食品
血小板凝固防止食品
造血機能調整食品
共同研究開発
製造設備の整備指導
工業規模の製造技術指導
販売戦略指導
開発準備
商品化
研究開発の概要
研究開発の概要は図−2に示したように、香川の安全・安心
な食品素材
(農水産物)
を活用した機能性食品の開発を目的
として、農水産物の加工工程から発生する未利用資源や規格
外農水産物の有効利用を中心に検討を行いました。未利用資
源として柑橘果皮、
オリーブ圧搾滓、米糠、金時人参、
ニンニク、
ワカメ、
オカラの7つの素材を対象として、超臨界、
マイクロ波抽
出、水熱抽出、溶媒抽出の抽出技術を比較検討することによ
り、機能性成分の性状に合わせた抽出技術を選定しました。
そ
して、香川県産業技術センターとの共同研究により、抽出物の
抗酸化性を評価しました。
2012年12月 vol.46 発行
(年4回発行)
トップニュース
香川県産の農水産物を活用した
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・1
機能性食品開発の取り組み・
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・3
健康関連製品開発の展開と香川地域企業の可能性・
財団からのお知らせ
ファンド事業成果発表会を開催しました!
!
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希少糖含有シロップ
(レアシュガースウィート)
を使った商品が続々…、
発売!
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1
新規機能性食品開発のための共同研究
新規機能性食品開発のための共同研究
Contents
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
新規機能性食品素材開発
新規機能性食品開発の企業への提案
食品企業
かがわ産業支援財団地域共同研究部では、
これまで高温高
圧流体技術やマイクロ波応用技術を活用して、機能性食品等
に係る県内企業の研究開発や商品開発の取り組みを支援し
てきました。
そして、
さらに一層県内企業の取り組みを支援する
必要があると考え、平成23年度から、図−1に示した機能性食
品開発支援事業を開始し、高温高圧流体やマイクロ波技術を
活用して、香川県産業技術センターとともに、県産農水産物に
含まれる機能性成分の利用に関する調査研究に着手しました。
∼ 香川のものづくり企業の新技術・新工法をトヨタ自動車㈱に直接アピール ∼・
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機能性の評価
食品加工技術
過酸化脂質生成抑制食品
かがわ健康関連製品開発フォーラム第1回セミナーを開催しました・
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食品商談会を開催・
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兵庫県内の先進企業を見学しました∼ かがわ産業振興クラブ ∼・
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ラオス国からうちわの研修に来ました!∼ FUNFAN実行委員会 ∼・
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製造業の皆様へ 平成24年 工業統計調査のお知らせ・
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「香川県新技術・新工法展示商談会」in TOYOTAを開催しました
成分の抽出・分析
(フィチン酸、イソフラボン、リモネン、オレウロペイン、リコピン、アリシン、フコキサンチン等)
事業化支援
の専門家
中枢神経系調整食品
末梢神経系調整食品
摂取機能調整食品
吸収機能調整食品
平成25年度
(米糠、
おから、柑橘果皮、
オリーブ圧搾粕、金時人参、
ニンニク、
ワカメ等)
高温高圧流体
技術
(超臨界抽出、
水熱分解など)
マイクロ波技術
(マイクロ波抽
出・乾燥など)
高血圧防止食品
糖尿病防止食品
先天性代謝異常障害防止食品
抗腫瘍食品
平成24年度
対象素材
データ提供
機能性食品
疾病の回復
◎未利用資源の有効活用
◎
“次世代ものづくり産業振興プラン”
の重点支援産業
◎技術支援のニーズが最も多い産業分野
データ提供
疾病の防止
機能性食品開発支援事業の取り組み
対象となる食品の例
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21
香川で初の新型マイクロEVプロジェクトを発表!
∼ 第4回次世代自動車関連技術開発研究会を開催 ∼・
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平成24年度戦略的基盤技術高度化支援事業
(サポイン)
に採択
∼ 財団と㈱レクザムが半導体製造に使用する高性能真空ロボットを開発 ∼・
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かがわのものづくり企業10社が、新製品・技術を関西の製造業者にアピールしました!
∼ 第15回関西機械要素技術展の出展成果 ∼・
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・11
デザイナーズ・フリーマーケット、
ブランディングセミナーを開催しました・
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インドビジネス連続セミナー&個別相談会を開催・
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来たれ!
!起業家
「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2012」
「かがわ発!先進的ビジネスモデル2012」
∼ かがわを元気にするビジネスモデル・チャレンジコンペを開催します!! ∼・
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かがわ発!元気創出企業
「モノづくり」の真ん中には、いつも人がいる。 オリエンタルモーター株式会社・
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図-2
機能性食品開発支援事業
オリーブ
金時人参
(オレウロペイン、
ヒドロキシチロソール) (リコピン)
米糠
おから
柑橘果皮
リモネン、
ヘスペリジン
( )
ヘスペレチン
ニンニク
ワカメ
(フィチン酸) (ダイゼイン、
ゲニスチン)(アリイン、
アリシン) (フコキサンチン)
●機能性評価試験
(抗酸化性)
高付加価値
素材として
有効活用を
●高温高圧流体技術
(超臨界抽出、水熱分解など)
●マイクロ波技術
(マイクロ波抽出・乾燥など)
機能性食品
(カロテノイド、
ビタミン、植物ステロール)
香料・医薬品
(フラボノイド、油脂、薬用成分)
化粧品
(テルペノイド/テルペン、
芳香族エステル)
これまでの研究成果の概要
主として非可食部位、非出荷品などの未利用バイオマスを
原料として、柑橘果皮、
オリーブ圧搾滓、米糠、金時人参、
ニン
ニク、
ワカメ、
オカラから、機能性成分を含有する素材の回収を
目的として、超臨界抽出、
マイクロ波抽出、水熱抽出の効果を
検証しました。検証の結果、抗酸化性を有する成分が抽出可
能であることが分かりました。抽出法としては、超臨界抽出法は、
脂溶性の機能性成分の抽出に適しており、原料からの成分の
抽出効率は低いが抗酸化性が高い素材が得られ、機能性成
分によっては、有機溶剤を使用しない二酸化炭素のみによる
抽出が可能でした。マイクロ波抽出法は、水及びエタノールに
可溶な機能性成分の抽出に適しており、
かつ、一般的な溶媒
抽出法に比べて短時間で機能性成分の含有率が高い素材を
得ることができました。水熱抽出法は、水溶性の機能性成分の
抽出を目的として、水熱分解によって効率的に抗酸化性の高
い成分を含有する水溶液を得ることができました。
香川の地域資源を活用した機能性食品
開発シンポジウム(第1回)の開催
平成24年9月24日
(月)
、
サンポートホール高松で開催したシ
ンポジウムでは、各研究員が機能性成分の抽出技術と機能性
評価について、研究成果の発表を行いました。
このほか、香川
大学農学部田村啓敏教授の基調講演並びに県内企業の
(有)
井上誠耕園園主井上智博氏及び
(株)
イヅツみそ代表取
締役久保將人氏から機能性に着目した新製品の開発につい
て事例を発表していただきました。県内の食品企業や大学試
験研究機関等から100名を超す出席者があり、熱心にメモを
取りながら聴講するなど盛況のシンポジウムとなりました。
基調講演 「香川の農産物の活用と健康食品開発の試み」
香川大学農学部の田村啓敏教授は、予防医学の観点から
香川の農産物の機能性と高付加価値商品
(機能性食品)
開
発の可能性につき、携わった研究課題の実例を挙げ、講演さ
れました。瀬戸内の食材には多くの諸機能が知られており、香
川の食材として、
オリーブ
(抗酸化作用等)
、
ブロッコリー及びヤ
ーコン
(発がん抑制成分)
が紹介され、特に、抗発ガンプロモー
ター物質について出席者から興味が示されるなど機能性食品
開発に多くの示唆を与える講演でありました。
事例発表1 「柑橘オリーブの開発秘話とそれを利用した
商品展開について」
オリーブオイル製品と柑橘の生絞りジュースが主力商品であ
る
(有)井上誠耕園の井上智博園主は、名前の由来「自然と
大地の恵みに感謝を込めて、誠意を持って大地を耕す園であり
たい」並びに企業理念「健康増進のこだわり」
「自然環境との
調和」
「実感できる商品の提供」のもと、
「 柑橘オリーブ開発」
のきっかけ、
かがわ産業支援財団のサポート、10年に及ぶ試行
錯誤と紆余曲折の結果、商品化に到達した経緯などを分かり
やすく紹介されました。
事例発表2 「大豆煮汁成分の有効利用に関する取り組み」
(株)
イヅツみその久保將人代表取締役からは、大豆加工
食品の製造現場で発生する大豆煮汁の有効利用について発
表がありました。
この煮汁は有用な大豆由来成分を多く含むが、
活用されることなく廃水処理されている。新たな煮汁濃縮乾燥
法の確立により、大豆由来成分の分離回収が可能になり、多
様な商品への活用が可能になったとの話しがありました。
シンポジウムでの田村教授の基調講演
今後の取り組み
財団ではこれまでの研究の成果をもとに、今後、具体的な取
り組みに移行することしており、香川県産の農水産物を原料と
した機能性食品のビジネスプランを策定した後、原料素材の確
保の見通しを立てるとともに、
目的とする機能性成分と適切な
抽出法の決定、最適な抽出要件の確立、機能性食品等への
利用方法の検討など、試作品の製造にいたる計画的な取り組
みを開始することとしています。
シンポジウムの感想等について尋ねたアンケートの中でどの
ような分野の製品開発に取り組みたいかの質問では58人の
参加者から回答があり、54人の方が食品分野に取り組みたい
との回答でした。
財団では、機能性食品を開発される県内企業の皆様の取り
組みを積極的にサポートして参りたいと考えておりますので、共
同研究や受託研究で機能性食品の開発に取り組む予定や関
心のある方は是非ご連絡をお待ちしております。
お 問 い
合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団
地域共同研究部
TEL.087-869-3440 FAX.087-869-3441
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
2
TOP
NEWS
健康関連製品開発の展開と
香川地域企業の可能性
かがわ健康関連開発地域プロジェクトディレクター 田尾 龍治
■ はじめに
筆者は香川県や香川大学など香川県内の15団体が平成
23年度に設立した
「かがわ健康関連製品開発地域」のプロジ
ェクトリーダーとして、
これまでに香川地域で取り組んできた健
康関連の研究開発の成果を、地域の資源を効果的に活用す
ることで成長市場である健康関連分野での事業化へと展開す
る活動に従事している。医療機器や半導体製造装置などの事
業を行う企業で長年にわたり製品開発や事業開発に従事して
きた経験を活かして、香川のシーズを地域企業が携わるグロー
バル事業に育てることが目標である。
これまでの活動によりいく
つかの知見を得ることができた。本稿では福祉機器や医療機
器の業界への新規参入についての私見を述べてみたい。
■ 福祉機器業界への新規参入
福祉機器は医療機器よりは新規参入が容易であるように見
える。福祉機器は高度な技術をベースにしたものとは限らないし、
福祉施設などでの日々の介護活動などから福祉機器に関する
改良や新機能のアイデアは生まれやすい。
また、市場がグロー
バル化しにくい構造であることも特徴であり、
日本国内だけでも、
あるいは香川や周辺地域だけを市場としても事業が成り立つ
ようにも見える。
そのために新機能や機能の改良のアイデアが
生まれれば容易に製品化して事業を始められるものと考えがち
である。
しかし、実際にはアイデアを製品化して事業化すること
はむずかしいことが多く、福祉機器業界に新規参入するために
は多くの障害を乗り越えなくてはならない。
県内企業で開発中の
「大きく使って小さく畳める」世界最小の車いす
そのひとつは知的財産権の確立である。福祉機器のアイデ
アは容易にまねられるものが多い。従って、特許権により排他
的権利を確立しなければ他社との競合には勝てない。アイデア
には特許として認められる新規性・進歩性が求められるし、十分
な権利範囲を確保できる明細書を作らなくてはならない。加えて、
商品化についても十分な配慮が求められる。福祉機器だからと
いって商品化設計に手を抜くことはできない。使い勝手もよくコ
ストも低減できるように構造や製造方法にも十分な検討が必
要である。デザインにも気を配らなくてはならない。
このような多
くの課題に立ち向かって新規に福祉機器業界に参入すること
には技術、事業、経営のすべての点で大きなリスクがあるといえ
る。
3
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
では、
リスクを最小限に抑えつつ福祉機器業界に新規参入
するにはどうしたらよいであろうか。
その答えのひとつが「既存福
祉機器の改良」
である。すでに事業として成り立っている既存
福祉機器を画期的に改良するアイデアを生み出し特許として
権利化する。その権利を活用して、既存の企業との連携で業
界への新規参入を図るというものである。
この場合には最初か
らある程度のシェアを確保できるので、事業立ち上げ時点での
キャッシュフロー上のリスクがない。
もうひとつは
「ICT機能と市
販ハードウエアで実現できる福祉機器」
である。高度に発達し
てきたスマートフォン、
タブレット型コンピュータ、
ネットワークなど
と市販機器を組み合わせるだけでも新しく有用な福祉機器を生
み出すことはできる。
このような福祉機器であれば、製造設備も
ほとんど不要である。ネット通販などでの販売もできるので、
販売
網も構築しなくて済む。
■ かがわ健康関連製品開発地域の取組み
もっとも、
よいアイデアがないことには成り立たない。
「かがわ
健康関連製品開発地域」
では地域企業の福祉機器業界への
新規参入を支援する目的で、福祉の現場からニーズを探す活
動を開始した。現場で働く介護士、看護師、理学療法士などの
方々から日々の活動で気がついた不便な点や改善すべき点な
どのニーズをお聞きする。福祉機器として製品化と事業化の可
能性があると考えられれば、
ニーズに応える福祉機器のアイデ
アを生み出し、
さらに製品コンセプトにまで創り上げることが狙
いである。始めて間もないので、
まだ十分な成果を得るに至って
いないが、継続して地道にアイデアと製品コンセプト創りを進め
ることで、地域企業が福祉機器業界に新規参入することを支
援できればと考えている。
もうひとつは、
「かがわ健康関連製品開発フォーラム」活動で
ある。健康関連分野に関する人的ネットワークを構築して付加
価値が高い健康関連製品の研究開発や地域企業の技術者
育成に取り組むために、
「かがわ健康関連製品開発フォーラ
ム」
を設立した。後述する医療機器業界への新規参入のため
には、香川の地域企業が協力して販路開拓や製品開発を進め
ることが大きく功を奏すると考えられる。本フォーラムが地域企
業の連携を推進するための母体になるように、地域企業に役
立つ情報発信やセミナー開催などを鋭意進める予定である。
かがわ健康関連製品開発フォーラム設立記念シンポジウム
H24.7.26
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かがわ健康関連製品開発地域構想
研究開発
技術支援
香川大学
地域産学官共同研究拠点
医工情報領域融合による
新産業創出拠点
香川県
産学官の共同研究施設
香川県科学技術研究セン
ター
(FROM香川)
など
共同研究
人材育成
香川大学
(工・農・医)
徳島文理大学
県立保健医療大学
香川高等専門学校
香川県産業技術センター
香川大学
産学官の共同研究により創出
した微細構造デバイスの実用
化を目指す
微細構造デバイス
統合研究センター
香川県
医療機器の研究開発には膨大な資金を必要とする。投下し
た資金を回収するためには、全世界を市場としたグローバルな
事業で十分な事業規模を確保しなくてはならない。
これが地域
企業の医療機器業界への新規参入をむずかしくする。香川県
地域の医療機器産業は医療機器企業に部品やユニットを提
供するか、相手先ブランドの製品供給
(OEM)
が主になってい
る。
一方、医療機器業界にも新しい波が押し寄せている。
それは、
受託開発・受託製造専門のグローバル企業の台頭である。診
断や治療には薬剤や試薬を用いる。
その際にも医療機器を必
要とするが、薬剤や試薬を専門とする企業は必ずしも自社で医
療機器の研究開発や製造を行っているとは限らない。
そのよう
な企業の多くは医療機器企業に医療機器の研究開発・製造
を委託していた。
しかし、
このスキームには問題がある。医療機
器企業も自社ブランドの医療機器を研究開発・製造・販売して
いるために、知的財産権などの点や事業の競合の点で委託元
との間での利害が相反することも多い。一方、受託開発・受託
製造専門企業はOEMに徹していて自社ブランドは持たず、受
託した開発時に生まれた知的財産権は受託元の帰属としてい
るので、知的財産権や事業そのもので利害が相反することはな
い。
このような背景から、現在では製薬・試薬企業が受託開発・
受託製造専門企業に医療機器の開発・製造を委託することが
増えてきた。
現時点では受託開発・受託製造専門企業は既存の医療機
器企業にくらべると十分な実力を持っていないかもしれないが、
世界中の依頼元からの受託を経験することで、
このような受託
専門グローバル企業は既存企業より進化する速度が速い。5
年もすると受託専門企業が既存医療機器企業のシェアを奪う
事業化マネジメント
無侵襲血糖値センサー
階段昇降が可能な義足
K−MIXを活用した画像
診断支援システム
医療機器の部品、部材
福祉用具
特定健康用食品など
(公財)
かがわ産業支援財団
「県の施策で進めてきた基盤技術開発」 「健康関連産業創出支援事業」
医療機器や福祉用具などの健康関連
微細構造デバイス(MEMS)技術
分野で、県内企業の製品開発を支援
かがわ遠隔医療NW
(K-MIX)
香川ものづくり産業振興計画
糖質バイオ
(希少糖、
糖鎖)
地域再生計画(MEMS技術等を生
光、画像計測技術/人間支援技術
かした香川ものづくり産業成長戦略)
■ 医療機器業界への新規参入
商品化
「総合調整機関」
香川における健康関連産業の創出
施設開放
研究シーズ・技術
QOLを高める高付加価値な製品
研究開発施設
製品開発
構想全体の推進
大学シーズと企業ニーズのマッチン
グによる事業化支援
事態も決してありえないことではない。受託専門企業が大きな
シェアを奪ったときには、半導体産業同様に、
グローバル受託
専門企業数社で全世界の医療機器の大半を生産するように
なる。
このような新しい波が医療機器業界にも押し寄せていること
を考えると、香川県地域の医療機器産業もその戦略を再検討
することが必要であろう。
グローバル市場を相手にする企業体
質に変換することは不可欠である。
■ まとめ
既存の大企業もチャレンジ精神を失い内向き指向になると
将来はない。地域企業も現状の延長線に満足し、
グローバル
市場に乗り出すチャレンジ精神を失ってはならない。過去のしが
らみを切り、成長ビジョンを描いてグローバルモデルでの事業展
開に果敢に取り組むことで福祉機器・医療機器業界にはじめ
て新規参入できる。
■ 筆者紹介
田 尾 龍 治
平成23年10月1日
「かが
わ健康関連製品開発地
域」
プロジェクトディレクタ
ー
(公益財団法人かがわ
産業支援財団)就任、元
㈱日立ハイテクノロジーズ
研究開発本部主管技師
長、香川大学客員教授
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
4
財団からのお知らせ
ファンド事業成果発表会を開催しました!
!
(公財)
かがわ産業支援財団は、
「かがわ中小企業応援ファンド」や「かがわ農商工連携ファンド」
を
活用して、中小企業者や農林漁業者等が実施する研究開発や販路開拓、人材育成等の事業に対し
助成を行ってきました。
その事業成果を広く公開するため、成果発表会を開催し、昨年度、特に優れた成果を上げた4社1
成果発表会の様子
団体の担当者が研究成果や今後の事業展開等について発表を行い、約120名が聴講しました。
また、成果展示会も開催し、成果品、
パネルの展示のほか、
ファンド事業で開発した食品が試食でき
る
「さぬきものづくりカフェ」
も設けられ、当日は大いに賑わいました。
【発表会】
日時場所
発表内容
【展示会】
8月29日
(水)
香川産業頭脳化センタービル2階一般研修室
事業者
テーマ
㈱ちよだ 製 作 所
㈱ パ ル 技 研
鎌 長 製 衡 ㈱
㈱
ル
ー
ヴ
マコーズファクトリー㈱
大 地 と 語 り合う会
廃棄うどんを原料としたバイオエタノール生産技術の開発
赤外線カメラを利用した高信頼侵入監視センサーの開発
車両の安全・安心を確保!前後左右高さの偏荷重測定システム
希少糖含有異性化糖を用いた新スイーツの開発と事業化
フルーツ王国三豊
“ボイセンベリー”
等を使ったベーグルの新商
品開発
日時場所
8月27日
(月)
∼29日
(水)
香川産業頭脳化センタービル1階ロビー
内 容
●成果品展示 ●パネル展示 ●さぬきものづくりカフェ
(試食会8/29)
成果展示会の様子
さぬきものづくりカフェの様子
貴 社 の 製 品 開 発 や 販 路 開 拓 を 応 援 し ま す !!
かがわ中小企業応援ファンド 平成25年度事業募集
中小企業向け公的助成事業 支援メニュー
新分野チャレンジ
新分野進出のための商品開発や試作品作成等の支援
【①新分野等チャレンジ支援事業】
研究開発
新技術シーズを活用した製品実用化のための研究開発の支援
【②先端的技術シーズ実用化支援事業、③地域企業研究開発小規模助成事業】
総合支援
ものづくり基盤技術産業や食品産業等を研究開発から販路開拓、人材育成まで総合的に支援
【④食品産業総合支援事業、⑤ものづくり基盤技術産業総合支援事業】
販路開拓
海外や首都圏などで開催される見本市への出展支援
【⑥県外見本市出展支援、⑦海外見本市出展支援】
人材育成
製造技術や技能向上を目的に実施する人材育成研修の支援
【⑧ものづくり産業スキルアップ助成事業】
生産性向上
その他
製造現場におけるコスト削減等のための改善活動の支援
【⑨ものづくり産業生産性向上支援事業】
地場産品等のブランド確立、経営革新計画の事業展開の促進、新規創業者等への支援
【⑩特定地場産業活性化ブランド確立支援事業、⑪経営革新事業
⑫⑬創業ベンチャー・地域密着型ビジネス支援事業】
募集期間:平成24年11月12日㈪∼12月21日㈮
※①新分野等チャレンジ支援事業、⑥地域企業国内販路開拓支援事業
(県外見本市出展支援)
の募集期間は、
平成24年11月12日㈪∼平成25年2月15日㈮とします。
詳しくはコチラ
お問い合わせ先
5
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
かがわ中小企業応援ファンド → http://www.kagawa-isf.jp/
公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 ファンド事業推進課
〒761-0301 高松市林町2217-15香川産業頭脳化センタービル2F TEL.087-868-9903 FAX.087-869-3710
財団からのお知らせ
希少糖含有シロップ
(レアシュガースウィート)
を使った商品が
続々…、
発売!
レアシュガースウィートを使い試作・開発された商品が続々と発売され始
めています。現在までに県内の洋菓子屋さんを中心に40社を越える企業
から、100アイテム余りの商品が販売されました。今回は少し変わった商品
をご紹介します。県内の醤油屋さんで作られた調味料です。
高橋商店の
『にんにく醤油』
は国産のにんにくを粒のまま、国産丸大豆醤
油、米発酵調味料、醸造酢が入った調味液にじっくり漬け込みました。醤油
は調味料として、焼肉のたれ、
かけ醤油等としてお使いください。にんにくはう
すくスライスしたり、刻んでチャーハン、野菜炒めなどに使うことができます。
マルムラサキ醤油の『個性派醤油・ごちそうトリオ』。
「旨酢醤油」
は良質
の醸造酢の酸味にショウガのキレのある苦みと 風味のよいイリコがベスト
マッチ!
「女子会醤油」
は品の良いゆずの風味とバニラの甘い香りが新鮮な
ハーモニーを奏でています。
「男醤油」
は
「ガツン」
とパンチの効いたクラッシ
ュガーリックとコクのあるゴマ油の香りが食欲をそそります。
皆さんも、
ぜひご賞味ください。
■株式会社高橋商店
(TEL 0879-82-1101)
にんにく醤油
(840円)
■マルムラサキ醤油有限会社
(TEL 0877-46-6258)
個性派醤油・ごちそうトリオ
「旨酢醤油」
「女子会醤油」
「男醤油」
(3本セット 1,750円)
かがわ健康関連製品開発フォーラム第1回セミナーを開催しました
かがわ健康関連製品開発フォーラムは、健康関連分野に関する人的ネットワークを構築することにより、付加価値の高い製品の研
究開発を促進し、
イノベーションを創出することを目的として、各種セミナーの開催等を行ってまいります。
今回のセミナーでは、
「福祉
(看護・介護)
ニーズから製品化までを考える。」
をテーマに、
3名
の講師をお招きし、健康関連製品の開発に取組む県内企業担当者など50名近い関係者の
ご参加をいただきました。
開催日時
平成24年10月17日
(水)
14
:
00∼17
:
00
開催場所
かがわ総合リハビリテーションセンター
(高松市田村町1114番地)
講演内容
●演題1
売れるユニバーサルデザイン商品開発のヒント
講 師:㈱フェロー 会長 古市 努 氏
ユニバーサルデザイン化する前の商品
(バリアフリー商
品)、ユニバーサルデザイン商品について実例(「大文字
ん」等)
を紹介した。障がい者、高齢者などの生活・仕事環
境にある
「困った」
を解決するヒントからユニバーサルデザ
イン化して一般消費者に用途を広げることが重要である。
●演題2
福祉介護現場のニーズ
講 師:香川大学医学部看護学科助教 片山 陽子 氏
療養者、介護者、介護・看護ケア提供者のニーズとして
認知症高齢者の薬の内服管理、排泄処理、体位変換な
どを紹介した。日常の「少しだから」
「 仕方ないから」
「 介護
は大変なもの」に潜むニーズから既製品を改良すること、
療養者、介護者、介護・看護ケア提供者の安全・安心・安
楽を高めることが重要である。
お問い合わせ先
●演題3
福祉用品の現状と動向
講 師:㈱トーカイ (福祉用具専門相談員)
北川 昌彦 氏
現在の介護保険制度においてレンタル・購入する際の個人
負担が1割となる介護保険対象レンタル品13品、介護保険対
象購入商品を紹介した。
また、注目の福祉用品として
「ユニバー
サルサイクル・クークルS」
(4輪で高さ調節可能な自転車)
、
かが
わ発の「Camitool
(紙トール)」
(株式会社シコク、電動トイレット
ペーパーホルダー)
、
「Profhand」
(足こぎ車椅子)
を紹介した。
お知らせ
(次回セミナー)
次回のセミナーでは、医療機器の開発に焦点を当て、次
のとおり開催予定です。
日時
場所
平成24年12月13日
(木)14
:
00∼
サンメッセ香川2階特別会議室
(高松市林町2217-1)
そして医療
テーマ 医療機器開発事始−薬事、連携、
現場ニーズ−
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課 健康産業プロジェクトチーム
〒761-0301 高松市林町2217-16FROM香川1F TEL.087-840-0338 FAX.087-864-6303
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6
財団からのお知らせ
食品商談会を開催
(公財)
かがわ産業支援財団は、
香川の基幹産業の一つである食品産業の販路開拓支援を目的に、
県内外
のバイヤー等を招聘しての食品商談会を開催しました。
当日は、
県内外の20社のバイヤーと54社の県内食品加工業者等が参加し、
過去最大の規模となりました。
商談は、
事前予約により、
バイヤーの席へ売り込み企業が面談するもので、
延べ276件の商談に臨み、
商談
成立見込が56件、
商談継続が181件となりました。
本商談会以後、
バイヤーとお互いに商談を継続することで、
新たな販路開拓に繋がることが期待されます。
開催日時
平成24年9月26日
(水)
10:00∼17:00
開催場所
JRホテルクレメント高松
主 催
香川県、
(公財)
かがわ産業支援財団
㈱百十四銀行、㈱香川銀行、高松信用金庫、
観音寺信用金庫
開会あいさつ 浜田香川県知事
商談形式
参加企業がバイヤーブースに出向く
予約制の個別商談 20分間
参加企業
54社
(うち新規参加 28社)
■ 招聘バイヤー 20社
(下線は新規招聘バイヤー7社)
【 百 貨 店 】 ㈱大丸松坂屋百貨店、
㈱高松天満屋、
㈱高松三越、
㈱井筒屋
【総合スーパー】 ㈱ハローズ、
㈱フジ、
㈱近商ストア
【高級スーパー】 ㈱成城石井
【地域スーパー】 ㈱サニーマート
【 通 信 販 売 】 ㈱セシール、
ダイキン福祉サービス㈱、
リッキービジネスソリューション㈱
【 コ ン ビ ニ 】 サークルケイ四国㈱、
㈱ファミリーマート、
㈱ローソン
【 食 品 卸 】 大丸興業㈱、
㈱ファーム・ソレイユ、
㈱四国リョーショク
【ホテル産業 】 ㈱阪急阪神ホテルズ
【 サービス業 】 穴吹エンタープライズ㈱
商談会場
商談風景
■ バイヤーの声
○セラー企業の熱意を感じます
○実際の工場、施設規模を確認してからになりますが、何品
か気に入った商品が見つかりました。
○セラー企業にお願い。サンプル
(現物)
を持ち込まずに話を
する方が結構多い。現物が無ければ評価のしようがない。
時間の無駄。試食用と販売用の現物サンプルが欲しい。
○初めて参加させて頂きましたが、
自分自身、
香川エリアの地
域産物の掘り起こしが弱く、
大変勉強になりました。
○うどん、
素麺が多いように感じます。
■ セラー企業の声
○強化したい媒体先とタイムリーに商談ができました。
○通販向けのパッケージ提案等々について宿題となりました。
○商材のブランド化と、
選別や規格についての将来像をもっ
と詳しく伝え、
メーカーとしての印象を強く出すべき。
○初めての参加でしたので、
今後の販路の切り口としては、
参
考になりました。
○新規のお客様と大変いい商談ができました。
もう少し商談
時間が
(あと10分でも)
あればありがたいです。
がんばる企業を応援します!中小企業経営者の皆様、お気軽にご相談ください。
■ 経営相談事業
まずは、
ご相談ください! 発想が優れていても、
一人の視点には限りがあります。中小企業支援の経験豊富な専門家の助言を受
けることにより、
視点が広がり成功の可能性が高まります。下記のような問題や課題など、
経営に関する様々なご相談に無料で
応じておりますので、
お気軽にご利用下さい。
●創業・事業化 ●新事業・新分野への進出 ●販路開拓 ●知的資産の活用 ●経営改善 ●経営革新計画の申請 ●情報システムの構築 等
【無料相談】
●毎月第2・4木曜日 9時∼16時
(予約制)
。
●経験豊富な中小企業診断士が経営全般のご相談に
応じます。
●中小企業診断士など専門分野の異なる複数の専門家
(経
営、
IT、
販路、
知財、
技術等)
が多面的にアドバイスします。
お問い合わせ先
7
【無料相談会】
●平日 9時∼17時
(予約制)
。
(毎月第2・4木曜日を除く)
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公益財団法人かがわ産業支援財団 企業振興部 企業支援課
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-840-0391 FAX.087-869-3710
財団からのお知らせ
兵庫県内の先進企業を見学しました
∼ かがわ産業振興クラブ ∼
財団では、
今後の企業経営の向上に役立ててもらうため、
かがわ産業振興クラブの事業として、
「県外企業見学会」
を11月13日
(火)
に
実施しました。企業経営者ら33名が参加し、
兵庫県内のSPring-8、
川崎重工業株式会社明石工場を訪問しました。
●SPring-8
SPring-8とは、
世界最高性能の放射光
(電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、
磁石によって進行方
向を曲げた時に発生する、
細く強力な電磁波)
を生み出すことができる大型放射光施設であり、
この放射
光を用いてナノテクノロジーやバイオテクノロジーをはじめ、
産業利用まで幅広い研究が行われています。
当日は、
SPring-8やX線自由電子レーザー施設SACLAの仕組みや研究成果の展示と、
実験施設の
見学をしました。
Spring-8
●川崎重工業株式会社明石工場
川崎重工業株式会社は、
船舶・鉄道車両・航空機・モーターサイクル・ガスタービン・ガスエンジン・産業
プラント・油圧機器・ロボッ
トなどの多彩な事業を展開する総合エンジニアリングメーカーで、
明石工場では、
モーターサイクル、
作業用ロボッ
ト、
ジェッ
トエンジン、
ガスタービンを製造しています。
当日は、
明石工場の概要の説明と、
世界に誇れる
「Kawasaki」
ブランドの大型モーターサイクルの製
造ラインの見学をしました。
川崎重工業株式会社明石工場
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 企画情報課
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9901 FAX.087-869-3710
ラオス国からうちわの研修に来ました!
∼ FUNFAN実行委員会 ∼
ラオス国から丸亀うちわの技術とノウハウを習得するために、
研修生4名が来県して、
香川県うちわ協
同組合連合会が実施している
「丸亀うちわ技術技法講座」
に参加して11月10日
(土)
から25日
(日)
まで
製作研修を行いました。
この事業は、
J
ICA草の根技術協力事業の採択を受けて、
財団や県、
丸亀市、
うちわ組合などで構成
するFUNFAN実行委員会が実施しているもので、
竹の扱いに慣れたラオスの人々が新たな竹製品を製
作し、
所得の向上と生活の安定化につながることが期待されています。
お問い合わせ先
ラオスからの研修生
公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 企画情報課
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9901 FAX.087-869-3710
製造業の皆様へ
平成24年 工業統計調査のお知らせ
∼ ご回答をお願いします ∼
平成24年工業統計調査が、本年12月31日現在で実施されます。
本調査は、製造業を営む事業所を対象として、
その活動実態を明らかにすることを目的として行われます。
調査の結果は、我が国の製造業の実態把握や産業構造の分析だけでなく、県・市町ごとに集計し、景気対策や中小企業対策、都
市計画など様々な計画や施策の基礎資料として利用されるとともに、企業、大学などでの研究資料、小・中・高等学校の教材としても広
く利用されています。
調査員が12月中旬頃お伺いしますので、
ご回答をお願いします。
なお、調査票に記入していただいた内容については、統計法に基づき秘密が厳守されますので、正確なご記入をお願いします。
お問い合わせ先
香川県政策部統計調査課
〒760-8570 高松市番町4-1-10 TEL.087-832-3148 FAX.087-806-0224
県内各市町統計調査担当課
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財団からのお知らせ
「香川県新技術・新工法展示商談会」in TOYOTAを開催しました
∼ 香川のものづくり企業の新技術・新工法をトヨタ自動車㈱に直接アピール ∼
■ 開催概要
開催日時
開催場所
来 場 者
主 催
出展企業
平成24年9月6日
(木)
∼7日
(金)
トヨタ自動車㈱ サプライヤーズセンター
(愛知県豊田市トヨタ町1番地)
県内企業39社及び香川大学工学部
●出展企業の業種
金属製品製造業、一般機械器具製造業、
電線・ケーブル製造業、
システム・ソフトウェ
ア開発業他
1,209名
トヨタ自動車㈱及び関連グループ企業の
開発・設計・生産技術及び購買部門等の
関係者
( )
●展示内容
鍛造、精密プレス、素材
(ケーブル、ハニカ
ム、
カーボン)
、樹脂成形、表面処理、設備・
装置、治工具、試験・計測他
香川県
公益財団法人かがわ産業支援財団
■ 開催状況
■ 出展企業の声
○この展示商談会は、
ト
○出展企業にとっては、
トヨタ自動車の役員や多くの関係
ヨタ自動車㈱並びに
者に自社の技術・製品等を直接提案するとともに、大手
関連グループ・協力企
企業のニーズを把握できる絶好の機会となりました。 業の開発設計や調達
出展企業からは、
担 当 者に対し、県 内
「自社単独では接点を持てないような大手企業の担
企業の優れた技術や
当者と数多く名刺交換ができ、今後の営業のきっか
製品を直接プレゼンテ
浜田知事による巡回・激励
ーションすることにより、新たな販路拡大を目指すものです。
このような大手企業向けの提案型の展示商談会は、昨
年度のダイハツ工業㈱に続き2回目の取り組みとなります。
ひっきりなしに訪れる関係者で終日盛況
○展示商談会場は、
となりました。会期中、
トヨタ自動車㈱からは、渡辺相談役、
けづくりができた」
「見積り依頼を受けるなど、取引につながり得る貴重
な情報を多数得られた」
「新商品開発につながるニーズを発掘できた」
といった声が聞かれ、今後の展開に期待が持てる内容と
なりました。
佐々木副社長をはじめ、関連企業を含めた1,
209名が来
場され、各ブースで出展企業との活発な商談が行われまし
た。
トヨタ自動車㈱の役員からは、
「これまではあまり馴染み
が無かったが、香川県には優れた技術・製品を持つ企業が
数多くあることが分かった。今後の調達を検討する上での
参考になった」
とのお言
商談風景
葉をいただきました。
<その他のご意見>
○トップセールスに駆けつ
けた浜田恵造香川県知
「技術が理解できる担当者が来場したので良かった」
事が、
「トヨタ自動車に県
「試作品対応や小ロットに対応出来る体制に、興味を
内企業の技術力や製品
の素晴らしさを知ってい
もっていただいた」
展示会風景
「来場者から逆に提案があり、
自社の技術の新しい分
野への展望が開けた」
ただく良い機会になった。
■ 今後の展開
今後も技術の向上に努
○県及び当財団では、今回の出展企業に対しフォローアッ
め、受注につながるよう
県としても支援していき
プを行い、具体的な取引につながるようサポートをします。
たい」
と全ブースを回って
また今後もこのような商談の機会をつくり、県内企業の販
出展企業を激励しました。
お問い合わせ先
9
商談風景
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
展示会風景
路拡大を積極的に支援してまいります。
公益財団法人かがわ産業支援財団 企業振興部 取引支援課
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9904 FAX.087-869-3710
財団からのお知らせ
香川で初の新型マイクロEVプロジェクトを発表!
∼ 第4回次世代自動車関連技術開発研究会を開催 ∼
(公財)
かがわ産業支援財団が設置する次世代自動車関連技術開発研究会
(会
長 土居俊一香川大学工学部教授)
では、
9月4日に開催した第4回研究会におい
て、
自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動手段
となる超小型電気自動車
(マイクロEV)
の開発プロジェクトを発表しました。
「高齢者に優しいマイクロEV」
をコンセプトに、島しょ部や山間部で特に高齢者の
生活の足となる香川県の特性に応じた1人乗りのマイクロEVを開発します。原動機
付自転車規格の車両であることから、車検や車庫証明は不要ですが、運転には普
通自動車免許が必要となります。
研究会では、会員である県内企業などと協力して秋ごろから製作を開始し、来年3
月の完成を目指します。
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課
〒761-0301 高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338
平成24年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン)に採択
∼ 財団と㈱レクザムが半導体製造に使用する高性能真空ロボットを開発 ∼
戦略的基盤技術高度化支援事業
(サポーティング・インダストリー)
わが国製造業の国際競争力強化と新たな事業の創出を目指し、中小企業のものづくり基盤技術
(22分野)
の高度化に役立つ研究開発計画について、付加価値の高い製品作りができるよう、研究
開発から試作段階までを含むトータルな取り組みを支援するものです。
平成24年度事業に採択!
今年度は4月16日∼6月19日まで公募が実施され、
当財団から提案した下記1件が採択されました。
全国では639件の申請があった中から134件
(四国は2件)
が採択されました。
<採択案件>
研究テーマ
内 容
半導体製造プロセスにおける高
真空・高温条件化での高度な耐
熱特性を有する真空ロボットの
開発
基盤
技術
実施体制
半導体製造プロセスでは、
ナノレベルのゴミも排除する必要
があるため高真空状態になっており、
また1000℃を超える高
温になる製造プロセスもあるため、
非常に高性能なウエハ搬
真空
送ロボットが求められている。耐熱性を向上するため、
形状や
かがわ産業支援財団
㈱レクザム
材質など部品を独自開発する。
提案の相談について
同委託事業は通常毎年3月頃に公募が行われます。高度な技術開発を前提とし、
新規性や具体的な効果等が厳密に審査されるため、
採択されるには提案書の作成等に十分な準備を必要とします。
当財団では常時相談に応じています。本事業への提案を検討されている企業・大学・公設試の方は、
お早めにご連絡ください。
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課
〒761-0301 高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338
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財団からのお知らせ
かがわのものづくり企業10社が、新製品・技術を関西の製造業者にアピールしました!
∼ 第15回関西機械要素技術展の出展成果 ∼
香川県の主要な産業であるものづくり基盤技術産業の振興を図り、
次世代有望分野
(エネルギー、
ロボット、
航空・宇宙)
への進出を支
援する取組みとして、
関連企業が多く集まる有力な展示商談会「第15回関西機械要素技術展」
に香川県ブースを出展しました。今後は
具体的な取引や協力関係の構築を目指します。
(1)
会 期
平成24年10月3日
(水)
∼5日
(金)
(2)
会 場
インテックス大阪
(大阪府大阪市住之江区南港北)
(3)
来場者
約3万人
(4)
出展者
県内企業10社、香川県産業技術センター、公益財団法人かがわ産業支援財団
(5)
成 果
出展企業にとっては、
関西圏主要メーカーの設計担当者や購買担当者など関係
者に自社の技術を直接提案するとともに、
企業のニーズを把握する絶好の機会とな
りました。
〈香川県ブース〉
○ 来場者数:約4,000人
(香川ブースへの来場者)
○ 商談件数:約210件
○ 継続案件数:35件
<出展企業のコメント>
○ 中身の濃い商談ができた。
○ 新技術開発につながるニーズを調査できた。
○ 単独で出展するより、
非常に安い費用で出展できた。
○ うどん県キャンペーンにより、
香川県ブースに立ち寄られる方が多かった。
〈商談の様子〉
平成25年6月19∼21日に東京ビッグサイトで開催される
「第17回機械要素技術展」
にも香川県ブースを出展する予定です。募集概要
がまとまりましたらあらためてご案内いたします。是非、
参加をご検討ください。
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課
〒761-0301 高松市林町2217-16 FROM香川1F TEL.087-840-0338
デザイナーズ・フリーマーケット、ブランディングセミナーを開催しました
デザイナーズ・フリーマーケットvol.5
11月18日
(日)
、
サンポート高松の大型テ
ント広場で
「デザイナーズ・フリーマーケット
vol.5」
を開催しました。会場の55ブースに
は、
会員のデザイナーらが製作したオリジナ
リティあふれる商品が並び、似顔絵コーナ
ーやブルースライブなどの催しとあわせて、
終日、
大勢の来場者で賑わいました。
「ブランディングセミナー」
あなたと、あなたの会社のために…。
11月19日
(月)
、
「ブランディングセミナー」
として、
第一幕Webディレクター大月茂樹氏
による
「ソーシャルメディア時代のパーソナルブランディング」、
第二幕ブランディングデザ
イナー西澤明洋氏による
「中小企業のためのブランディングデザイン」
セミナーを開催しま
した。当日は、
具体的なブランディング事例を紹介した実践的なブランディングデザイン手
法を学ぶことができ、
その先進手法に参加者全員感銘を受けた様子でした。
お問い合わせ先
11
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公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 企画情報課
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9901 FAX.087-869-3710
財団からのお知らせ
インドビジネス連続セミナー&個別相談会を開催
かがわ産業支援財団は9月14日及び同月20日、株式会社百十四銀行、
日本貿易振興機構
(ジェトロ)
ほか関係機関との共催により、
「インドビジネス連続セミナー&個別相談会」
を開催しました。9月14日のセミナーでは、在日インド大使館のサンジャイ・パンダ首席公使
による基調講演、
ジェトロ海外調査部の河野敬氏及び株式会社クロダの黒田俊英会長による講演が行われました。
「インドは長期的なビジネスに適した国」
に行う必要がある」
と述べました。
在日インド大使館のパンダ首席公
インド駐在経験もある同氏は
「インドは物価上昇と金利が非
使は
「インドの投資環境とビジネスチ
常に高く、
ビジネススピードがとても早い」
と述べ、
日本のビジネ
ャンス」
と題した基調講演の冒頭で、
ス感覚とまったく違う部分がインドにはある事例を紹介しました。
「インドは長期的なビジネスに適した
また、
「インドビジネスのドアは常にあいている。
しかしドアの向こ
国」
と強調したうえで、
インドの持つ巨
うではインドのローカル企業と同じ条件でビジネスを進めなけれ
大な市場及び労働力について説明をしました。
「インドビジネス
ばならない」
と述べて、外資規制は低いが外資優遇もないとい
が必要であ
で成功するにはしかるべき努力
(due diligence)
うインド市場の特徴を説明しました。
る」
と述べ、急成長するインド市場の需要を取り込むには周到
な準備と期間を要するという留意点を指摘しました。
また、
日本
の中小企業について
「生産技術の高さをインド人は評価してお
り、
インドの中小企業と連携する方法が成功のひとつのカギに
なるだろう」
と述べました。
「人口が多いこと、これが一番大切」
株式会社クロダ
(東かがわ市)の
黒田会長は、
「インドへのビジネス展
開と留意点」
と題して、
インドへの手
袋 工 場 進出実 例を紹 介しました。
「ビジネススピードがとても速い
インド」
「仕事をよろこんでやってくれるところに進出してビジネスをする
ことが大切」
と企業理念を述べたうえで、
インドを進出先として
ジェトロの河野氏は、
「インドの投
選んだ理由として
「労働人口・若年人口がとても豊富であること
資環境と日系企業動向」
と題して主
が重要な決め手であった」
と強調しました。
また、具体的な進出
にインド全体における日系企業の動
方法として、現地企業との合弁でビジネスを立ち上げるメリット
向について解説をしました。最近の日系企業の傾向として、
「ニ
を説明しつつ、留意点として
「合弁会社を作るに際してはパート
ューデリーやバンガロールへの集積が進んでいる」、
「 独資での
ナー選びが大切な要素。合弁会社の成功がここにかかってい
ビジネス立ち上げは苦労が多いことから、
インド企業との合弁で
る。インドはオーナー企業が多く決断にスピードが求められ、相
インド市場へ進出するケースが多い。
しかし事業の見直しは常
手を待たせるとうまくいかなくなる。」
と述べました。
お問い合わせ先
来たれ!
!
起業家
公益財団法人かがわ産業支援財団 企業振興部 企業支援課 海外展開支援室
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-840-0391 FAX.087-869-3710
「かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2012」
「かがわ発!先進的ビジネスモデル2012」
∼ かがわを元気にするビジネスモデル・チャレンジコンペを開催します!! ∼
1.目的
創造的な技術や商品、
サービスなどを自ら新規に開発し、
新たな顧客や付加価値を創造しようとする、
斬新なビジネスプランを募集し
コンペを行うとともに、
そうしたビジネスプランを樹立し成功した先進的モデルプランを表彰することにより、
県下の幅広い中小企業を元
気にし、
地域経済の活性化を図ります。
2.本選審査会
(発表会)
及び表彰式
平成25年2月14日
(木)
「サンメッセ香川2階大会議室」
①かがわビジネスモデル・チャレンジコンペ2012 ②かがわ発!先進的ビジネスモデル2012
大賞1件、優秀賞2件(受賞者には表彰状及び記念品を贈呈)
最優秀賞1件(最大300万円の助成金等)、優秀賞2件
お問い合わせ先
公益財団法人かがわ産業支援財団 総務部 企画情報課
〒761-0301 高松市林町2217-15 TEL.087-868-9901 担当:草薙・新川
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
12
「モノづくり」の
真ん中には、
いつも人がいる。
このコーナーでは、
香川県内の元気な企業を訪問し、
たゆまぬ努力や信念、
いきいきと躍動する秘訣について探ります。
2 相ステッピングモーターユニット CMK シリーズ
今回は動力機械に不可欠なステッピングモーターの
設計開発から生産販売まで一貫して手掛ける
オリエンタルモーター株式会社に伺い、
モノづくりにおいてのこだわりについて探ります。
かがわ発!元気創出企業
海外製造が増加する製造業
界において、
日本での「モノ
づくり」に特化し、こだわり
のある製品を提供する同
社。その
“ぶれない”
モノづ
くりの秘訣とはーーーー。
1885年の創業以来、
多種多様なモーターを生産
し続けているオリエンタルモーター株式会社。
そ
の拠点の一つである高松カンパニーは、
ステッピ
ングモーターの主力製造拠点としてニーズに合わ
せた高品質の製品を提供し続けています。
今回は、
高松カンパニー製造統括部第1製造部部長の寒
川好紹氏に
「モノづくり」
へのこだわりとそれを維
持するための体制についてのお話を伺いました。
高松カンパニー
執行役員社長
中井 宏幸 氏
オリエンタルモーター 株 式 会 社
代 表 者 高松カンパニー 執行役員社長 中井宏幸氏
所 在 地 高松香西事業所
(電話番号) 香川県高松市香西本町28-1
(087)
881-5281
高松国分寺事業所
香川県高松市国分寺町福家甲1255-11
(087)
874-5015
U
R
L http://www.orientalmotor.co.jp
高トルク 2 相ステッピングモーター PKP シリーズ
高松から世界へ。
精密なモノづくりで勝負
医療機器をはじめ、ATMや食品製造用の機械など、様々な
分野で必要とされているステッピングモーター。直接、
目に触
れることはないものの動力系の設備においては欠かせないも
のです。全国に拠点を持つオリエンタルモーター株式会社に
おいて、
このステッピングモーター生産の中心となっているの
が、高松にある2つの生産拠点。香西・国分寺に位置する2つ
の事業所が連携し、一貫生産を行っています。
こちらで製造された製品の約半数は、海外に輸出されます。
輸出などの関係で多くの企業が海外へ拠点を移す中、同社
が日本でのモノづくりにこだわる理由は、精巧なモノづくりが
行えるから。精密なステッピングモーターの分野においても優
れた加工技術は何よりの強みです。
時代とともに移り変わる顧客のニーズ。
同社では、加工技術
の向上はもちろん、
それぞれの顧客によって異なるニーズに対
応するため、製品の小型化、優れた性能を発揮する設計にも
取り組んでいます。
また、国内生産をすることによって、在庫を
多く持たなくて済むという利点もあるとか。必要に応じて高品
質のモーターを小ロットで提供できることが顧客の信頼につ
ながっています。
香西事業所
13
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
国分寺事業所
スタッフ全員が主人公。
働きやすい環境を整備
若手技術者の育成にも協力
地域のために貢献を
ー製造には人の手で一つひとつ作り上げていく工程が多く含
学生のインターンシップ生の受け入れなども積極的に行って
まれます。
その生産ラインで多く活躍しているのが、地域に根
います。
また、
自社だけでなく製造業界全体における優れた若
組み立てなどの細かな作業を中心に、
ステッピングモータ
同社では、事業所見学や中高生の職場体験はもちろん、大
差した女性スタッフ。
それぞれが業務効率を高めるため、現場
い世代の技術者を育てることが、
日本のモノづくりに必要との
のアイデアで各自改善できる土壌が同社にはあります。
ライン
思いから、香川高等専門学校、香川大学工学部で技術者を
の配置を使いやすいように変更したり、
スピードアップするた
目指す学生への講義も受け持っています。
めの小物を取り付けたり。一人ひとりが業務に携わる
「主人
各事業所においてはクリーン作戦の実施など地域に生きる
公」
であるとの認識が、責任と意欲につながっています。
企業として、環境保護活動やボランティア活動も積極的に取
現場の声を活かし、一人ひとりが活躍できる場所をつくるこ
り組む同社。
とで、
より品質の良い製品を生み出している同社。新しいスタ
自由な発想でスタッフ一人ひとりがイキイキと輝く地域密着
ッフにも即戦力として作業してもらえるよう、細かくカリキュラム
型のモノづくり企業として発展しています。
を作り、作業認定制度を設けてスタッフを配置。認定されるご
講義風景 ▶
とに受け持てる作業が増えることがやりがいにつながり、
イキ
イキとした環境をつくりだしています。
スピードアップに貢献するなど良い提案をしたスタッフは、
月間MVPとして表彰されます。
また、所長賞、社長賞などの褒
章制度も設け、全国で選ばれたスタッフが一堂に会する機会
を設けるなど、
スタッフのモチベーションを高める取り組みを
多く取り入れています。
C
O
M
P
A
N
Y
R
E
P
O
R
T
K a g a w a I n d u s t r i a l I n f o r m a t i o n 21
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リレーエッセイ
〒761-0301 香川県高松市林町2217番地15
香川産業頭脳化センター1階・2階
「カエルは、何℃でゆだる?」
●総務部
●技術振興部
総務課
TEL(087)
840-0348 FAX(087)
869-3710
産学官連携推進課・健康産業プロジェクトチーム
TEL(087)
840-0338 FAX
(087)
864-6303
〒761-0301 香川県高松市林町2217番地16
FROM香川1階
企画情報課
TEL(087)
868-9901 FAX(087)
869-3710
FROM香川
TEL(087)
840-0338 FAX
(087)
864-6303
ファンド事業推進課
TEL(087)
868-9903 FAX(087)
869-3710
施設管理課(1階)
TEL(087)
869-3700 FAX(087)
869-3703
●地域共同研究部
研究管理課・研究開発課
〒761-0301 香川県高松市林町2217番地43
RISTかがわ1階
TEL(087)
869-3440 FAX
(087)
869-3441
ネクスト香川
(施設管理課・EMC試験施設受付)
〒761-0301 香川県高松市林町2217番地44
TEL(087)
864-5311 FAX(087)
864-5331
●企業振興部
企業支援課・海外展開支援室
TEL(087)
840-0391 FAX(087)
869-3710
取引支援課
TEL(087)
868-9904 FAX(087)
869-3710
Access Map
至瀬
戸大
橋・坂
出
高松港
さぬき
浜街道
高松
香西
屋島寺
松島二丁目
沖松島
国道
瓦町
鬼無
11号
花園
栗林公園北口
線
讃
予
R
線
J
亀
丸
松
高
道
県
栗林公園
春日川
●田村神社
円座
一宮
潟元 屋島
林道
国道
木太東口
11
四国
号
横断 さぬき
夢街
自動
道
車道
古高松
屋島
至徳
島
久米池
元山
太田
JR高徳線
木太町
三条
県道
高松
長尾
大内
線
号
︵空
港通
り︶
高松西I.C
こと
でん
琴平
線
国道
193
号
32
国
道
高松檀紙I.C
ことで
ん志度
線
栗林
栗林公園
国道11号
水田
高松中央I.C
高松東I.C
西前田
空港通り
仏生山
香川インテリジェントパーク
Kagawa Intelligent Park
岡本
県道
三木
さぬき三木I.C
四国横断
自動車道
高田
至徳島
線
長尾
でん
こと
至琴平
今橋
片原町
昭和町
屋島
高松築港
国分
寺線
三郎池
尾
至長
国道
号
193
●JR高松駅より、 車で約25分(約9km)
定期路線バスで約30分
交通アクセス
[サンメッセ・川島・西植田線 サンメッセ香川 下車]
●高松中央インターチェンジより、車で約2分(約1km)
●高松空港より、車で約25分(約12km)
至塩
江
(公財)
かがわ産業支援財団
(地域共同研究部)
RISTかがわ
高松空港
サンメッセ香川
サンシャイン通り
産業技術総合研究所四国センター
県立図書館・文書館
香川大学工学部
(公財)
かがわ産業支援財団
(総務部、企業振興部)
香川産業頭脳化センタービル1階・2階
(公財)
かがわ産業支援財団
(総務部)
ネクスト香川
利便性向上施設
(駐車場)
かがわ
21
2012年12月 vol.46 発行(年4回発行)
http://www.kagawa-isf.jp
(公財)
かがわ産業支援財団
(技術振興部)
FROM香川
Kagawa
Intelligent
Park
経営者の皆さんに、危機意識を持ってもら
うための比喩として、
『ゆでガエル』
の寓話が
使われる。
この喩えで伝えたいことは、現状に
満足して環境変化に対応できないと、どえり
ゃぁーことになるぞ(名古屋弁で、大変な事
態になること)、
である。
さて、
カエルがゆであがる湯温はどれくらい
か、
ご存知ですか。私は、
これまで ちんちん
(名古屋弁で、火傷するくらいの熱さ)
になっ
たときにゆだると思っていた。
ところが実際
は、意外と低いのである。
『ゆでガエル』の寓
話を調べてみると、煮立った湯の中にカエル
を入れたら、
カエルは瞬時に外へ飛び出す。
だが室温の水の中にカエルを入れ、そっとし
ておくと、
じっとしたままだ。温度をじわじわ
上げていくと、非常に興味深いことが起こる。
温度が21℃から27℃に上がっても、
カエル
には何の変化も起こらない。
しかし、
さらに温
度が上がると、
カエルは意識がもうろうとし
て、
ついには鍋から脱出できなくなる ̶『学
習する組織』
(ピーター M センゲ)
より引用。
ここから、私のこじつけ理論にお付き合いく
ださい。カエルが気持ちよく湯につかってい
た温度、21℃から27℃、
これを平成21年度
から27年度に置き換えて、話を進めます。忘
れもしないリーマンショックは、平成20年の
秋のことでした。確かにあれは、熱湯のような
出来事でした。
ビックリした私たちカエルは、
瞬間的に右往左往した。
ところが、現時点の
平成24年において、私たちは個人として企業
として
『ゆでガエル』
とならないように、意識し
て行動できているだろうか。
まさか、
のんきに
ぬるま湯につかっているのではないか。
いま、21℃(平成21年度)
のぬるま湯から
跳び出たカエルとの差は、大きく開いている。
それを悔やんだり妬んだりしても、意味がな
い。中期3年後(平成27年度)に目を向けれ
ば、多くの課題と、求められるスピードが具体
的になってくる。
これは、私自身においても、
ま
ったく同じ状況であり、
ゆであがるまえに心技
体ともカエル
(変える)
ことを心がけている。
最後に、
2つ付け加えておきます。一つは、
さらに寓話『裸の王様』
を合わせた
『裸のゆで
ガエル』の事例が余りにも多いこと。
2つ目
は、ぬるま湯をでたカエルが必ずしも生き延
びるとは限らないということ。実社会では、跳
び出して次に入った鍋がもっと熱いこともあ
るのです。皆様、矛と
盾をうまく使い分け
て、チャレンジング&
セーフティーで。
発注開拓コーディネーター
(名古屋在住)
プロジェクトディレクター
村田芳信
田尾 龍治
この印刷製品はグリーン基準に適合した印刷資材を使用し、
グリーンプリンティング認定工場が印刷した環境配慮製品です。
印刷:香川印刷株式会社
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