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事業計画書 - 公益社団法人 日本左官会議
平成 28 年度事業計画書 平成 28 年 2 月 26 日 公益社団法人日本左官会議 1 事業期間 平成 28 年 3 月 1 日〜平成 29 年 2 月 28 日 2 概観 近年、日本の伝統技術や職人仕事への関心が高まっている。この機を逃さず、今年度は対象を 広めた講演会を開くことに力を入れる。日本左官会議の存在意義は、職人自身が発信し、自分 たちを取り巻く環境を改善しようとするところにある。そこに軸足を置くことによって、支援 会員・準会員・賛助会員の増加につなげていく。 3 事業の内容 【講演会「左官が語る、左官の未来」(仮称)】 企画/挾土秀平・原田進・小林隆男 日本左官会議の存在、ひいては本当に左官が伝えたいことがまだまだ知られていないという現 状を踏まえ、全国3〜5箇所で日本左官会議の理事たちが話をする講演会を開く。職人に限ら ず、設計者、一般の人まで幅広い受講者に興味を持ってもらえるよう、登壇者それぞれの講演 内容はあらかじめ十分に吟味する。地域ごとの実情にも配慮する。内容は web サイトでアップ する。可能であれば、「日本の壁を見に行く」と同時期開催とする。 【唐獅子土蔵プロジェクト】 プロジェクトリーダー/挾土秀平 傷みの激しかったK家土蔵の修復は7割ほどが完了した。C家の土蔵は、母家との切り離し、 クラックの埋めなど、緊急を要する部分を修復し、今後、もっとも重要な部分にとりかかる。 当初の吉田春治の手跡をなるべく生かしつつ傷みを直すという、いわば左官の保存と修復を同 時に行う施工方法はほかに例がなく、その研究からしなくてはならない。このため時間を要し ているが、今後も慎重を期してすすめていく。 【秋田増田町・黒漆喰磨きの集い】 プロジェクトリーダー/小林隆男 重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、立派な「内蔵」で知られる秋田県増田町。 2015 年 9 月、3回目となる「黒漆喰磨きの集い」に協力し、講習会に加えてシンポジウムが 開かれた。増田町からは地元の関係者 4 名および横手市長、日本左官会議からは4名(久住 章・挾土秀平・原田進・小林隆男)が参加した。今期は実技研修会中心のスタイルに戻るが、 引き続き協力関係は続ける。左官技術の集大成である土蔵は文化的にも観光的にも重要である ということを訴えていく。 1 【聞き取り俺たち左官の 70 年】 プロジェクトリーダー/挾土秀平 平成 27 年 6 月に年齢も地域もさまざまな左官 10 名を集めて、聞き取りを行った。今年度はそ れをまとめて web サイトにアップしていく。その反応を見ながら次のステップにすすめたい。 【フランスの土の建築研究所との交流】 プロジェクトリーダー/松木憲司・多田君枝 平成 27 年 10 月末と 11 月には東京と名古屋で、フランスの土の建築研究所「クラテール (CRAterre)」関係者と建築家の丸山欣也、日本左官会議の松木憲司とのシンポジウムが開か れ、好評を博した。これを期に、今年度は交流の方法を深っていく。具体的なとっかかりとし ては、共にフランスのリヨン近郊で開催される 6 月頭の「土のお祭り」および7月の「土の建 築国際会議」に際し、情報収集、発信の窓口となる。 【左官に関する研究事業】 プロジェクトリーダー/宇野勇治 全国の文化財建築では、必ずといってよいほど左官の仕事が発生しているが、職人の目から見 ると、必ずしも的確とはいえない修復をしているケースが見受けられる。大工に比べると左官 は建築構造と関連していないこと、左官技術の集大成である土蔵はプライベートな色合いが濃 く、研究対象となりづらかったといった背景があると考えられる。学術的に左官を研究しよう という研究者や建築家も現れてきているので、彼らに協力するというかたちで、左官技術のデ ータ化、体系化を探りたい。 【伝統構法をユネスコ無形文化遺産に!】 プロジェクトリーダー/原田進・宇野勇治 日本の気候風土の中で生まれ、職人技術でつくる「伝統構法」の未来のために、ユネスコ無形 文化遺産への登録を目指す運動に引き続き協力していく。 【学生を対象とした啓蒙活動】 担当/豊永郁代・山崎聡子 小学生から大学生まで、学生を対象として「左官」への理解をはかる座学とワークショップを 企画するべく、連携先などを検討する。 【ウェブサイト・メールマガジンの充実】 担当/多田君枝・豊永郁代・山崎聡子 ウェブサイトを全面的にリニューアルし、メールマガジンでの定期的に情報発信も行っていく。 以上 2