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高度分析機器開発実用化 プロジェクト事後評価の概要

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高度分析機器開発実用化 プロジェクト事後評価の概要
第29回評価小委員会
補足資料4
高度分析機器開発実用化
プロジェクト事後評価の概要
平成22年3月2日
製造産業局
産業機械課
1
目 次
1.事業の概要
2.事業の目的・政策的位置付け
3.目標、成果、目標の達成度
4.事業化、波及効果
5.研究開発マネジメント・体制等
6 評価
6.評価
7 提言及び提言に対する対処方針
7.提言及び提言に対する対処方針
2
1.事業の概要
概
要
実施期間
予算総額
実 施 者
先端産業において、材料解析、性能評価、品質管理といったあらゆ
る面で超微量分析が必要とされている。
本研究開発は 従来以上に個体 液体又は気体状態の超微量分
本研究開発は、従来以上に個体、液体又は気体状態の超微量分
析技術を飛躍的に高め、燃料電池、情報家電・半導体及び自動車
等の研究現場や製造現場に導入される分析技術・システム等の開
発を行う。
平成18 年度∼平成20 年度
(3年間)
5.0億円(補助金ベース 補助率1/2)
(平成18年度:1.9億円 平成19年度:1.7億円 平成20年度:1.5億円)
●(株)島津製作所(基盤技術研究所 主幹研究員 中西 博昭)
●アルバック・ファイ(株)(技術部長
バ
渡邉 勝己)
●エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)(研究開発長 八坂 行人)
●マイクロ化学技研(株)(代表取締役社長 楫 重幸)
●日本電子(株)(SA事業
●日本電子(株)(SA事業ユニット
ト ユニット長
ト長 田澤 豊彦)
2.事業の目的・政策的位置付け
事業の目的
先端産業において、材料解析、性能評価、品質管理といったあらゆる面で
超微量分析が必要とされている。
本研究開発は、従来以上に個体、液体又は気体状態の超微量分析技術
を飛躍的に高め、燃料電池、情報家電・半導体及び自動車等の研究現場や
製造現場に導入される分析技術・システム等を開発することを目的とする。
政策的位置付け
○分野別推進戦略(平成18年3月
○分野別推進戦略(平成
年 月 総合科学技術会議)における位置づけ
総合科学技術会議) おける位置づけ
ものづくり技術分野の共通基盤的なものづくり技術のうち、ものづくりのニーズに応
える新しい計測分析技術・機器開発、精密加工技術に位置付けられる。
○技術戦略マップ2009における位置づけ
計量・計測システム分野のうち、長さ計測(形状計測)、先端材料計測(構造解析)、
化学計測(粒径 組成)に位置づけられる。
化学計測(粒径・組成)に位置づけられる。
3
4
(参考)
計量・計測システム分野の導入シナリオ
2000
2010
2020
2030
研究開発
︵
計測知的基盤︶の
取組み
技術ロードマップ2009
民間・
目標
計量関連
機関の取組み
技術マップ・技術ロードマップ
戦略的で高度な一次情報が先導する社会のイノベーションのために、計測の時間・計測のコスト・計測の信頼性のレベルをユーザーが
その目的に応じて自由に選べる「計測の知的基盤」を我が国に整えることにより、それを我が国社会全体が利用する計量体制・計測シ
ステムの運営に資する。
目的:我が国社会の安全安心の確保及び技術競争力の高度化を図る。
目標:新規計測機器開発の加速、計測機器利用技術の普及、安心確保のためのリスク評価・検査基準作成のためのデータベース・計
測ソフトウエア開発の加速
測ソフトウエア開発の加速。
計測器メーカー:計測・試験・検査機器の生産・供給・普及・維持・保守・
システム化、適合性規格作成活動
試験・検査事業者:試験検査事業、製造ライン診断、不具合製品分析
認証機関:製品認証、適合性評価システムの審査、国際相互承認による対外的説明
ものづくり製造事業者品質管理部署:製品認証、品質管理、人材育成、
計測器認証・認定機関・検査機関:計量器適合性評価
計測器認証
認定機関 検査機関:計量器適合性評価、校正、技能試験、事業認定と相互承認
校正 技能試験 事業認定と相互承認
計量標準機関(NMI・DI):トレーサビリティ源及び国際相互承認
人材育成:計量専門資格付与、教習・育成、計量公教育、品質管理工学知識普及
行政:適合性評価関連規格作成、国際整合化、市場監視、地域計量監視
1:新規センサー・新原理に基づく計測機器の開発と世界市場への展開
微小化、ナノ計測、多次元化、極端条件下、高速化、複合化、高分解能化
ナノ計測基盤
ナノ計測基盤・3Dナノ標準物質
ナノ標準物質
高感度質量分析・応力発光
2:現場ユーザー志向のソフトウエア内蔵・トレーサビリティ要件を保証
マルチ計測、スマート化、遠隔化、計量標準内蔵、高信頼化、システム化
マルチ計測
遠隔校正技術
水素定量標準
3:不具合検査などものづくり生産現場への計測ソリューション提供
内部測定、局所計測、InSitu化、オンマシン、低価格、安定化、
ダイナミックレンジ拡大、ライフ・材料・食品・人間感覚など新分野対応
生産計測研究センター
検査機器評価
地域公設試・地域イノベ
4:計量標準拡充、標準化活動と認証方法
製品規格・規制基準及び適合性評価規格計量要件記述、
国際標準提言、新規適合性評価技術認証方法の迅速・高信頼化
計量標準整備計画
関連施策
の
取組み
物理標準開発
検査方法のJIS化
1.計測・試験・検査結果の信頼性を迅速に明示する制度の定着・拡充
2.共通基盤的計測技術等開発を推進するための政府支援策
3.新規計量器・試験器の迅速な評価体制と国際相互承認
4.海外生産拠点・海外市場における企業活動を支える知的基盤普及移転促進
5.国際計量機関における主導
5
(参考)
高度分析機器開発実用化プロジェクトの実施体制図
出口・
製品
【燃料電池分野】
【情報家電・半導体分野】
【自動車分野】
高効率燃料電池
燃
高集積ウェハ
長寿命化
軽量 高強度材料
軽量・高強度材料
3次元ナノ実装デバイス
高耐食性材料
小型燃料電池システム
③迅速
局所分析(固体)
(3)
無機材料用
高感度
高分解能・
元素分析装置
共通基盤技術
②低侵襲
クリーンルーム中
低濃度汚染物質
濃縮検出装置
有機物質及び陽イオン
モニタリング装置
実用化技術
①その場
(リアルタイム)
((2−3)
3)
(2−2)
(2
2)
半導体微細加工・
検査用
非汚染ガスイオン源
((2−1))
表面微量分析用
高感度3次元質量分析装置
((1))
④前処理
(分離・分子認識)
希薄試料分析(気・液体)
超微量分析・サンプリング技術
6
3.目標、成果、目標の達成度(1)
個別要素技術
目標、目標の達成度を測定する指標及
び目標値
成
果
達成度
テーマ1−1
テ
マ1 1 燃料電池分野向けの超微量分析装置の開発(高速COガスモ
燃料電池分野向けの超微量分析装置の開発(高速COガスモニタリング装置)
タリング装置)
・高感度吸光分光技術の ・計測応答性100msで CO検出感度
開発
2ppm以下
・計測応答性100msの標準測定条件においてCO検出 ・達成
感度0.28ppmを達成した。
・計測応答性2msにおいてCO検出感度1.5ppmを,
1secにおいて90ppbのCO検出感度を達成した
1secにおいて90ppbのCO検出感度を達成した。
・分析装置設置温度条件(5∼40℃)範 ・燃料ガスの露点温度1℃以下に低減。冷却凝集型水
・水分除去器およびガス吸 囲内で測定ガスセル内での結露無し。
・達成
分除去機のガス冷却温度1℃により達成。
排気システムの開発
・分析装置ガス流路における総ガス圧力
・等価圧力損失5kPa以下を達成した(水分除去器直後
損失5kPa以下
でのクラッキング圧力設定による)。
テーマ1―2 燃料電池分野向けの超微量分析装置開発(高選択性微量不純物分析装置)
・高速分析技術の開発
・陽イオンNa,NH4,Kを10分以内分析し、・陽イオンNa,NH4,Kを10分以内分析し、試料10uL以下 ・達成
で感度10ppb以下を達成した
で感度10ppb以下を達成した。
・サプレッサ・導電率計デバ
サプレッサ 導電率計デバ試料50uL以下で感度10ppb以下
イスの開発
・サプレッサ・導電率計デバイスの開発 ・サプレッサ・導電率計一体化デバイスを作製し、高感 ・達成
・集積化技術の開発
・サプレッサ・導電率計一体化デバイス 度分析を実現化。
・切り替えバルブ・温調など要素技術を検討して、プロト ・達成
・高感度検出技術の開発 の完成
タイプ装置に集積化を行った。高感度・高速化を優先す
装置 集積化を行
。高感度 高速化を優先す
・切り替えバルブ・温調など要素技術の
切り替えバルブ 温調など要素技術の タイ
検討及びプロトタイプ装置に集積化する るためバルブの搭載は不要とした。
可否判断
・量子ドット蛍光プローブを合成し計測系を改良したが ・一部未達
成
・量子ドット蛍光プローブを用いたフロー 一部イオンで感度は未達成。
検出法の検討
モノリスカラムを用いた電気化学検出装置を構築した
が感度は未達成
・モノリスカラムを用いた電気化学検出 が感度は未達成。
装置の構築
7
3.目標、成果、目標の達成度(2)
個別要素技術
成
目標、目標の達成度を測定する指標
及び目標値
果
達成度
テーマ2−1 表面微量分析用の高感度3次元質量分析装置開発
(a)色収差のない分析管
差
析管
・検出限界 10ppb
・検出限界 2.5ppb
・空間分解能(イオン像):50nm以下
(b)拡大レンズ系開発
・空間分解能
・分析対象物質:
(c)ダイレクト・イメージング・プ
プローブモード
アンモニウム(定量)、
レートの開発
SIMモード
36nm < 50nm
シアヌル酸、シュウ酸(同定)
シアヌル酸、シ
ウ酸(同定)
(d)クラスター銃の導入
クラ タ 銃の導入
87nm < 90nm
・有機汚染物質の場所の特定を行うた パルスモード
め、二次イオン投影法を開発する。
高質量分解能モード 480nm < 700nm
・3次元分布(深さ方向を含む)測定の イメージングモード 2.6μm > 900nm
実現
・質量分解能 11,535 >11,500@28SiH
※検出限界 空間分解能の目標値は
※検出限界、空間分解能の目標値は
・DLDを用いた二次イオン投影ができた
アンモニウムが対象
・3次元分布測定ができた
・達成
・一部未達成
・達成
・達成
・達成
テーマ2−2 半導体微細加工・検査用の非汚染ガスイオン源の開発
・ICPイオン源 最大放出電流
・ICPイオン源安定動作時間
・イオン電流安定性
イオン源+光学系
・イオン源+光学系
・最大ビーム電流
・イオン源+光学系
・最小ビーム径
・イオン源+光学系
イオン源+光学系
・電流密度
・1μA 以上
・500時間以上
・1%程度
1nA
・1nA
・7μA
・200時間
・0.8%
1000nA
・1000nA
・達成
・未達成
・達成
達成
・達成
・100nm
・ 50nm
・達成
・1A/cm2
1A/cm2 以上
・ 34A/cm2
・達成
達成
8
3.目標、成果、目標の達成度(3)
個別要素技術
成
目標、目標の達成度を測定する指標
及び目標値
果
達成度
テーマ2−3 クリーンルーム中低濃度汚染物質濃度検出装置の開発
・高感度検出
高感度検
・測定に要する時間の短縮
・小サイズ化
・低コスト化
・検出下限 1μg/m3以下
・始動20分以下, 連続測定
・フットプリント ノートPC程度
・原価350万円以下
・気液吸収濃縮・アンモニア標準液の条件で1μg/m3達成 ・達成
・約10分で十分な感度の検出可能
・達成
・外形寸法:約30cm立方
・達成
・低コスト熱レンズ検出器及び商品試作機の完成
・達成
テーマ3 無機材料用高分解能・高感度元素分析装置の開発
・電子照射系
・・各加速電圧でのビーム径
10nm (@ 15kV)
15nm (@ 10kV)
20nm (@ 5kV))
測定領域(50nm)
・各加速電圧でのビーム径
9nm (@ 15kV)
13nm (@ 10kV)
20nm (@ 5kV))
測定領域(50nm)
・達成
・X線分析系
・検出限界(100ppm)
・画素測定時間(5ms)
画素測定時間(5ms)
・画像測定時間(15min.)
・検出可能照射電流量(500nA)
・240ppm(WDSにて100ppm可能)
・一部未達成
・10ms※1
10ms※1
・未達成
未達成
・45min. ※1
・未達成
※1 90㎜x90㎜を400x400ピクセルで測定した場合。
・250nA (主成分をEDS,微量成分をWDSで測定する場 ・達成
合は500 nA可能。)
9
4.事業化、波及効果(1)
テーマ
事業化
波及効果
燃料電池分野向
けの超微量分析
装置の開発
・高速CO ガスモニタリング技術は,燃料電池改質器の
開発時に利用されるバッチ式分析装置から量産時の製
造管理用インラインシステムおよびオンサイト改質型の
水素ステーションにおけるプロセス管理向けシステムへ
の展開を検討する。
・高選択制不純物分析技術は,陰イオン検出への対応
高
陰
も果たした小型イオンクロマトグラフシステムとして製品
化を行い,燃料電池開発向け市場への展開を図る。
・半導体製造装置分野では、プロセス
管理モニター装置、自動車分野では、
エンジン開発向け計測機器は国内自
動車産業のエンジン性能の向上を容
易にする。
・従来は困難であった研究現場や製
造現場における,高感度・高速 イオン
分析が可能な超微量分析技術を高め
ることに成功。本技術をプロセス管理、
製造
製造現場での環境分析等にプロダク
境 析等 プ ダ
トイノベーションを促す。
表面微量分析用
の高感度3次元
質量分析装置開
発
有機高分子の表面分析に有効。
三次元分布測定可能な飛行時間型二次イオン質量分
析装置としては完成し、投影型のイメージ取得が可能と
析装置としては完成し、投影型のイメ
ジ取得が可能と 薬剤の分析、生体試料の断面分析、
なった。しかし、目標の空間分解能を得ることができず、 有機物構造体の断面分析等に期待。
事業化にはまだ研究・開発が必要である。目標の空間
分解能が得られれば、半導体分野に限らず、事業展開
が可能。
半導体微細加
工・検査用の非
汚染ガスイオン
源の開発
半導体用非汚染集束イオンビーム装置プロトタイプを
試作したものの、半導体産業の急激な低迷により市場
が縮小してしまった。そこで、新たなアプリケーションと
して半導体以外の市場 例えば機械加工への応用を
して半導体以外の市場、例えば機械加工への応用を
検討する必要がある。
半導体微細加工だけでなく、SIMS へ
の応用や酸素イオンを用いてレジスト
やダイヤモンドなどの炭素系材料の
高速加工への展開が期待
高速加工への展開が期待。
10
4.事業化、波及効果(2)
テーマ
事業化
波及効果
クリーンルーム
中の低濃度汚
染物質の濃縮
検出装置
新規マイクロ気液濃縮抽出技術及び装置化に
向けた各デバイスの開発を行い、
さらにこれらを組み合わせた短時間かつ高感度
でアンモニアをモニタリング可能な装置プロトタ
イプの試作を行った。事業化にむけては、装置
の安定性・確実性の向上やコスト低減等の課題
を解決する必要。
を解決す
必要。
・NH3 以外のクリーンルーム中
微量ガス成分分析機器、 気液分
離膜を利用したマイクロリアク
タ
ター、
医療及び環境分析に対応
した他のマイクロ分析装置への
応用、 低価格熱レンズ検出デバ
イス単体での商品化が期待。
単体
商品
期待。
自動車分野向
けの超微量分
析装置の開発
収差補正器を組み込んだ電子照射系の実用化
に関しては、制御の自動化など検討の余地が多
く、市販EPMA 装置への適用にはさらに分析条
件のノウハウの積み上げが必要。
一方、SDD−WDS 併用分析システムは、微
小・微量介在物と主成分の同時分析が可能であ
り EPMA の応用範囲の拡大のために市販装
り、EPMA
置への実装を行う。
鉄鋼材料中の微小介在物への
適用に留まらず、例えば磁性材
料に含有される微量元素の濃度
勾配をWDS で測定する等の応
用が可能であり、無機材料系の
分析への適用が期待。
5.研究開発マネジメント・体制等
経済産業省
開発テーマ1.燃料電池分野向けの超微量分析装置の開発
プロジェクトリーダー
中西 博昭((株)島津製作所 主幹研究員)
Ⅰ.高選択性微量分析技術
長野計器(株)
(財)神奈川化学技術アカデミー
京都大学
Ⅱ.高速COガス計測技術
開発テーマ2.情報家電・半導体分野向けの超微量分析装置
の開発
(2−1) 表面微量分析用の高感度3次元質量分析装置(フォ
トマスク作製工程)
プロジェクトリーダー
渡邉 勝己(アルバック・ファイ㈱ 技術部長)
(2−2) 半導体微細加工・検査用の非汚染ガスイオン源
(ウェハ検査工程)
プロジェクトリーダー
八坂
坂 行
行人(エスアイアイ・ナノテクのロジー(株)
(
(株) 研究開発長)
(2−3) クリーンルーム中の低濃度汚染物質の濃縮検出装
置(半導体生産におけるクリーンルーム環境のモニタリング)
プロジェクトリーダー
楫 重幸(マイクロ化学技研㈱ 代表取締役社長)
開発テーマ3.自動車分野向けの超微量分析装置の開発
プロジェクトリーダー
プロジェクトリ
ダ
田澤 豊彦(日本電子(株) SA事業ユニット長)
カシオ計算機(株)
Physical Electronics, Inc.
Ionoptika Ltd
FOM‐Institute for Atomic and Molecular Physics
y
(財)神奈川化学技術アカデミー
(財)神奈川化学技術アカデミ
(株)ニチリョー
武蔵
武蔵エンジニアリング(株)
ジ
グ株
(株)デジタルストリーム
共同研究契約
外注
12
6.評価
6−1.評価検討会
評価検討会名称
高度分析機器開発実用化プロジェクト事後評価検討会
高度分析機器開発実用化プ
ジ クト事後評価検討会
座長
澤田 嗣郎
東京大学 名誉教授
遠藤 伸裕
(独)科学技術振興機構 領域参事
片桐 元
(株)東レリサーチセンター 常務取締役
評価検討会委員
委員
高柳 邦夫
東京工業大学大学院 理工学研究科 教授
田沼 繁夫
(独)物質・材料研究機構
宮村 一夫
東京理科大学理学部
教授
共用基盤部門長
13
6−2.総合評価(コメント)
○本プロジェクトは、微細化や省電力プロセスが進展する
○本プ
ジ クトは、微細化や省電力プ セスが進展する
中で、「ものづくり」の国際競争力強化を支援する高度分析
機器の実用化開発プロジェクトであり、緊急かつ重要な課
題である。また、すべての産業に横断的な基盤技術であり、
あ
す
産業 横 的な基盤技術 あ
国が積極的に関与すべき分野として評価できる。
○実施開始年度から3年経過し、経済状況など大きく変化
したが、 れで終了と う課題ではな 。分析評価 計測技
したが、これで終了という課題ではない。分析評価・計測技
術は、基盤技術であるがゆえに内容的に地味で、その重要
性は余り省みられなかったが、その位置づけや産業界への
イ パク をより強調
インパクトをより強調して、他分野へ波及効果を起こすよう
他分野 波及効果を起 すよう
な継続的な研究開発支援を望む。
14
6−3.評点結果
○「経済産業省技術評価指針」に基づき、プロジェクト事後評価において、評点法によ
「経済産業省技術評価指針 に基づき プロジ クト事後評価において 評点法によ
る 評価を実施した。
【評価項目の判定基準】
6 総合評価
6.総合評価
(事後評価の場合)
3点:実施された事業は、優れていた。
2点:実施された事業は、良かった。
1点:実施された事業は、成果等が
今一歩のところがあった。
0点:実施された事業は、成果等が
極めて不十分であ た
極めて不十分であった。
(点)
【評価項目の判定基準】
1.事業の目的・政策的位置付けの妥当性∼5.研究開発マネジメント・体制・資金・費用対効果等の妥当性
3点:非常に重要又は非常によい 2点:重要又はよい 1点:概ね妥当 0点:妥当でない
15
7.提言及び提言に対する対処方針
今後の研究開発の方向等に関する提言
提言に対する対処方針
○燃料電池、情報家電・半導体、自動車分野での実用
化機器を目標とした研究開発も重要 あるが 分析評
化機器を目標とした研究開発も重要であるが、分析評
価・計測技術は共通基盤技術であり、汎用性や波及効
果も広いため、科学技術の発展や国際競争力の向上の
ためにも柔軟なプロジェクト実施が望まれる。さらに
プ ジ クト実施期間中にも経済状況等は絶えず変化
プロジェクト実施期間中にも経済状況等は絶えず変化
するため、当初の研究開発目標が大きく変化する状況
もありうるので、方針変更や研究開発に対する評価を
許容する柔軟性を持つことが必要。
○本プロジェクトは、国の産業強化をめざす重点分
野の中から 分析評価 計測技術の課題を抽出した
野の中から、分析評価・計測技術の課題を抽出した
もの。そのような中で、研究開発実施者は、社会状
況や成果報告会における委員のアドバイス等を踏ま
えながら、目標を変更せずに研究を実施した。これ
は 分析 計測技術は共通基盤技術であり 成果の
は、分析・計測技術は共通基盤技術であり、成果の
波及効果が広くなる可能性が高いが、逆に実用化に
結びつけづらい側面も有するためである。しかしな
がら、ご指摘の点を踏まえ、目標を維持しつつも、
他のアプリケ ションについても検討を行いながら
他のアプリケーションについても検討を行いながら
、柔軟に研究計画を変更し、大きな成果を上げられ
るよう、今後の事業を行う際には反映していきたい
と考える。
○研究成果を活用するためのプラットホームともいう
べき共通基盤を整備することも重要。例えば、優れた
イオン源が開発されたとき、この要素技術が使われる
質量分析装置の仕様が共通化されていれば 非常に多
質量分析装置の仕様が共通化されていれば、非常に多
くの装置に適用することが可能となる。また、その仕
様が一般性を持っていればいるほど、要素技術の開発
を誘発する力を持ち、ベンチャー企業群の立ち上げを
容易にする 共通仕様の作成は個々の企業や産業界で
容易にする。共通仕様の作成は個々の企業や産業界で
は難しい事項なので、国が中心となり、研究開発成果
の活用を積極的に行えるようなシステムの構築が望ま
れる。
○分析機器は多種にわたり、同物質を分析する際に
も、様々な分析装置を利用することが可能であるた
め、装置ではなく分析手法の標準化を行っていると
ころ。一方、開発された技術の活用、また実証する
ことのできるプラットホーム・研究設備は重要であ
ると考えられ、当省としても、よりよい分析技術の
開発が円滑に進むよう、組織や技術分野の枠を超え
たオープンイノベーションにも取り組める研究開発
システムを整備していきたいと考える。
16
7.提言及び提言に対する対処方針(2)
今後の研究開発の方向等に関する提言
○材料を主体とする研究では、材料特性を解
○材料を主体とする
究 は 材料特性を解
析することで十分効果的であるが、機器・装置
の開発の場合には、ハードウェアと共にソフ
トウェアの貢献によってその特性が決まる。
ソフトの開発は企業の責任範囲だと今まで思
われてきたが、産業競争力の育成という観点
からは、ハードウェア指向の事業だけでなく、
ソフトウェアについてもさらに強化して実施
していくことが望まれる。
提言に対する対処方針
○データ解析のシミュレーションなどでソフト
ウェア能力の高さが求められるなか、よりより
分析装置を開発する中では、ソフトウェアの開
発も同時に必要になってくる。本プロジェクト
では フトウ アに関する明示的な指標は挙げ
ではソフトウェアに関する明示的な指標は挙げ
られていなかったものの、各事業者において、
それぞれ要素技術開発の過程でソフトウェアの
高度化を進めてきた。一方で、以前からアプリ
ケーション技術は、分析分野においても弱い部
分と認識されており、ユーザ企業への情報展開
や今後の研究開発実施体制の整備など、アプリ
ケ ション技術を十分に考慮した研究開発の実
ケーション技術を十分に考慮した研究開発の実
施に努めて参りたい。
Fly UP