...

東京バプテスト神学校ニュース

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

東京バプテスト神学校ニュース
発行日 2013年6月24日
東京バプテスト神学校ニュース
Tokyo Baptist Theological Seminary news
〒112-0012 東京都文京区大塚1-1-18
☎03-3947-5141 メール [email protected]
今号のトピックス
西南学院大学名誉教授

東京バプテスト神学校2013年度入学礼拝

来春2名の神学生が卒業予定

2013年度夏期公開講座「詩編を読み解く」講師の小林洋一先生の紹介、受講者の受付開始
東京バプテスト神学校2013年度前期の入学礼拝が4月5日、茗荷谷キリスト教会の礼拝堂で神学校で学びを
開始する兄弟姉妹をはじめ諸教会の兄弟姉妹70余名が出席し行われました。
2013年度前期の入学礼拝が17名の新たな学生を迎え、喜び
プログラム
午前
2013年
8月15日(木)
午後
と希望に満ち溢れる中、開催されました。17名の内訳は、「神学
夜
本科」8名(内聴講3名)、「信徒リーダー養成コース(聴講)」

14時 「開会礼拝」


14時半-15時
オリエンテーション
「先生を囲んで~懇談の時」
15時-17時
☆18時半以降は本科生との個人面接

17時-18時半
(お弁当が用意されます)
講義Ⅰ
「律法、預言者と並ぶ詩編」
1名、そして「教会音楽科」8名(内聴講3名)です。
上記の通り13年度前期「教会音楽科」で学ぶ学生が8名与えら
れ、神学校に「新しい風が吹き始めた。」と、教会音楽科の先生方、
そして神学校スタッフは喜びに満たされ、準備に当たり、授業に臨ん
でいます。
この新たな風を感じつつ教会音楽科教師、そしてスッタフの間で
は「教会音楽科で学ぶ学生を送り出している教会はみんな元気のい
8月16日(金)

10時-12時

講義Ⅱ
「詩編とは」

13時-15時

講義Ⅲ
「詩編のネットワーク(1)」
「神学生の証しの時(専攻科学生)」
15時半-17時半
講義Ⅳ
「詩編のネットワーク(2)」
8月17日(土)


9時半-11時半
講義ⅴ
「詩編の二本柱」

12時
17時半-19時半
(お弁当が用意されます)
☆19時半以降は神学生との面談
い教会」「教会音楽の充実は教会成長に密接につながっている。」
教会音楽科の合唱指導
など、いろいろ分析をしながら、「教会音楽科」の果たす使命を再
確認し合っています。
神学校は、「教会音楽科」に入学された方々の入学動機や、実際
に入学しての感想などを諸教会にお伝えしていこうと話し合ってい
ます。次号の「神学校ニュース」で掲載を予定しています。
解散
2013年度専攻科の卒業予定者は2名
大田雅一神学生(常盤台バプテスト教会)
文
11時半-12時
廷翼神学生(東京韓日バプテスト教会)
2013年度は大田神学生、そして文神学生が来年3月に専攻科
通信の受講/部分参加可能です。また神学校生以外の方も聴講可能です。
課目 神学特攻「詩編を読み解く~生きた神との対話を求める魂の記録」A
参考書 月本昭男著「詩編の思想と信仰1―第1篇から25篇まで」(新教出版社)
参加費 【本科生】:受講料12,500円+共益費5,000円=17,500円
【聴講生】(含む一般の方):受講料15,000円+共益費5,000円=20,000円
※宿泊される場合は宿泊費(2泊5,000円)が別途かかります。
4
を卒業します。お二人とも卒業後は牧師として教会に赴任すること
を祈り願っております。お二人から“神学校での学びについて”そ
して“目指す教会像”あるいは“目指す牧師像”について述べても
※なお通信の場合は+5,000円(通信手数料)
※部分参加の方は一講義4,000円です。
らいましたので原稿をそのまま掲載し紹介いたします。
教会音楽科の交わり
大田
雅一
神学生
所属教会
常盤台教会
受浸月日
2001年6月3日
教会での奉仕
神学校の学びについて
詩編が分かる、詩編はおもしろい、詩編は信仰の糧
執事、早朝礼拝担当
目指す教会像
もともとギリシャ語を学びたくて入学しました。新約聖書を
日本的な風土に合った教会を作りたいと思っています。規模
原語で読むと、イエスさまの言葉の深い含蓄やその場の雰囲
は小さくても和気藹々とした集まりがあり、地域に密着した教
気、書き手の思想や息づかいまで伝わってくる喜びと醍醐味を
会。一方、クリスチャンの少ない日本で、万人に広く福音の救
覚えます。聖書学概論や聖書時代史では、近代の文献学的・時
いを告げ知らせる教会。時代の中で心を悩ませたり生き方に
代史的アプローチを知り、伝えるべき真の福音とは何かと考え
迷ったりする人たちや、また、先祖や家族の救いに悩む人たち
させられました。組織神学では、右から左まで古今東西さまざ
に、福音を与える教会をも目指したいです。
まな神学があることを知り、自分の立つ位置を知るとともに、
他の見方についても寛容であるべきことを学びました。
私は今、高校の国語教員をしていますが、文学的なアプロー
「小林先生のユーモア」
西南学院大学神学部教授 片山
寛
小林洋一という不思議な先生を紹介するという大役を与えられたことを光
チの説教をしたいと思っています。長い歴史と深い人間性を持
栄に思っております。小林先生は1986年から2012年まで26年間、西南学院大
つキリスト教は、文学・思想の面で浩瀚な沃野を育んでいま
学神学部で学生たちの指導にあたられました。先生は、「旧約聖書を読
たまったりと苦労することもあります。しかし東バプは交通至
す。語学的な分析による聖書の深い読み取りに基づきつつ、映
む」、という意味での旧約学を西南にもたらされた方であります。
便な夜間学校であり、ライブ授業や録画など通信環境も充実し
画・音楽・美術等に渡って幅広く、一般の方々にも受け入れや
仕事と両立しながらの学びですので、行けなかったり課題が
小林洋一先生
それまで長い間、西南では旧約時代史や聖書考古学については十分な教育
ているため、とても助かっています。今は教会実習で楽しく学
すいお話をしたいものです。将来は教会内に限らず、物書きと
びながら、卒論ではセカンドチャンスと万人救済論を考えてい
して文書伝道に携わるのが年来の幻です。それは自己実現とい
がなされていたのですが、旧約聖書という謎に満ちた書物そのものを徹底的
くつもりです。神学校が皆様のお祈りと捧げ物に支えられてい
うだけでなく、主の福音を広く世に告げ広める器として用いら
に読んで、様々な可能性の中から聖書のメッセージを読み取ってゆくという
夏期公開講座
ることを感謝します。
れたいからです。お祈りください。
訓練は不足しがちであったと思います。小林先生は、この聖書学の王道と言
「詩編を読み解く」
うべき「聖書の読み方」を、学生たちに教えてくださいました。小林先生か
ムン
文
ジョンイク
廷翼
神学生
所属教会
東京韓日バプテスト教会
ら学んだ経験のある牧師たちは、旧約聖書から説教することの難しさと楽し
受浸月日
2006年10月22日(受洗は1986年5月8日)
さを、よくご存じだと思います。結論の出ない暗闇の中で考え続ける粘り腰
教会での奉仕:執事、聖歌隊、男子宣教会、宣教師(ホームレス伝道)
を、小林先生から受け継いでおられる方は多いと思います。
暗闇の中で前進するためには、手に光が必要です。その光が、小林先生の
神学校での学びについて
私が東京バプテスト神学校で学び始めた契機は、召命を受
けてインターネットでアメリカの神学校の勉強をしていた
時、権赫烈牧師先生から「文さんは将来、牧会をどこで行う
つもりですか」という 質問を受け、「日本です」と答えた
体を構成する細胞と組織、臓器、遺伝子、血液などを通じ
ユーモアなのだろうと私は考えています。先生のユーモアは、駄洒落のよう
て教会で必要な肢体、専門性、多様性、統一性、奉仕の原理
な生理的くすぐりではなく、よく考えられた上で語られるトボケのようなも
を探り出せ、骨格になる脊髄と関節、骨、筋肉、肢体などを
通じて信仰、自由、成長、そして愛、適応、防御、疎通の原
小林先生の著書(編訳書)で、『BHSのマフテアハ』という本がありま
体が多くの細胞と多様な臓器で構成されているように教会
た方が望ましい」と言われたからです。それで東京バプテス
も多くの肢体が各々多様性を持って構成されている共同体で
ト神学校に入学し、初めて日本のキリスト教文化及び雰囲気
あり、細胞と臓器が各々価値を持っているように教会を構成
に接することになりました。礼拝のプログラムや説教の雰囲
する全ての信徒も神様の子供として価値がある。また、体の
気、賛美歌の歌い方、祈りの口調など韓国の教会とはだいぶ
真ん中に心臓があるように教会での心臓は霊的指導者である
異なる日本の教会文化を味わうことができました。勿論、韓
牧師だと言える。このように教会共同体は牧師と信徒が有機
国教会の習慣で祈りの途中にアーメンと叫び、回りの方を
的に協力して神様に喜ばれる教会を形成していくべきだと思
びっくりさせるなど、困ったこともありましたが、学校で優
う。
後、東京バプテスト神学校で学んだ知識と人間愛を日本福音
伝道に積極的に生かせていきたいと思います。
目指す教会像もしくは牧師像
人間と教会は神様の素晴らしい作品である。使徒パウロが
キリストの体なる教会を人体に例えたのは、人体の原理の中
より教会の原理を導出することができるためである。あるド
クターの話を通じて望ましい教会像を考えたい。
す。この書名にも、先生のユーモア感覚が現れていると思います。私は初め
てこの本を知ったとき、頭をひねりました。「BHS」とは何なのか。NHKと
かTBSのような放送局名なのか。あるいはJPNとかUSA、あるいはBHS(バ
ハマ)など国名の略号なのか。しばらく考えているうちにやっと、ああこれ
は標準的なヘブライ語聖書Biblia Hebraica Stuttgartensiaの略号だと気づきま
講師は小林洋一先生(西南学
院大学名誉教授)です。
聖書の学びは、講義する講師
の先生の人格に触れながら学ぶ
ことにより、学問を超えた信仰
の世界へと招かれていきます。
小林洋一先生の、この講義を受
講し、先生の人格に触れ、揺る
ぎない信仰へと招かれてゆきま
しょう。そうです、すべての教
会員が対象です。もちろん牧師
も、です。
そこで、片山 寛先生(西南
学院大学神学部教授:前神学部
部長)から小林洋一先生のお人
柄を紹介していただきます。
した。しかし「マフテアハ」とは何なのか。これはさっぱりわかりません。
「アワテモノ」のアナグラムなのか。あるいは「まあ、ふんばって、あは
は」の省略形なのか。いくら考えても無駄でした。著者に聞いてみてやっと
望ましい牧師は、まず神様との関係が正しく定立されなけ
判明しました。「マフテアハ」とはヘブライ語で「鍵」のことであり、BHS
ればならない。また牧師は信徒に神様の存在を正しく伝えて
の欄外註の略号sigla (ラテン語で「封印」の意)をヘブライ語に直したもの
神様に会えるようにし、神様から受けた恵みを発見できるよ
らしいのです。私は断言できますが、この書名がわかる人は、日本で何人も
うに導かなければならない。ヨハネによる福音書10章7-18節
いないでしょう。こうしてようやく正解にたどりついたとき、私は笑ってし
に出るイエス様は良い羊飼いである。牧師は信徒のために自
まいました。
分の命まで捧げる良い羊飼いになる覚悟を持たなければなら
ない。また、牧会は説教だけのための牧会でもなく、信徒だ
けのための牧会でもない。牧会は神様とイエス様中心の牧会
でなければならないと思う。
2
ます。それは先生の学問そのものと結びついたユーモア感覚なのです。
理も説明できる。
ら、「日本で伝道したいなら、日本の神学校に入って勉強し
しい先生や校友たちに恵まれて今はかなり慣れています。今
のが多いのです。ですから相手によっては全然笑ってもらえないこともあり
に是非参加を
小林先生から教わると、旧約聖書がますますわからなくなります。謎だら
けに思えてきます。しかしそれこそが、聖書をほんとうに理解する、という
ことなのであります。皆さまの健闘を心よりお祈りいたしております。
3
Fly UP