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水田用小型除草ロボット

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水田用小型除草ロボット
平成21年度地域イノベーション創出研究開発事業
「水田用小型除草ロボット(アイガモロボット)の開発」
(20A4506)
成果報告書(概要版)
平成22年3月
委託者
中部経済産業局
委託先
財団法人岐阜県研究開発財団
問い合わせ先
みのる産業株式会社(担当者
陶山
純)
◆所在地
岡山県赤磐市下市 447 番地
◆TEL
086−955−1120
◆FAX
086−955−9137
◆E-mail
[email protected]
◆http://www.agri-style.com/
◆管理法人
◆TEL
財団法人岐阜県研究開発財団(担当者
堀部
哲)
058−379−2212
◆プロジェクト参画機関
株式会社常盤電機、国立大学法人岐阜大学、
岐阜県情報技術研究所、岐阜県中山間農業研究所
環境問題や食の安全に対する意識が大きく向上する中で、有機農業推進
研究開発の背景 法が成立し、クリーンな農業に対する期待は非常に高くなっている。この
及び概要
ような農業を推進するうえで最大の課題は雑草対策であり、除草剤に代わ
る「手間のかからない有効な除草手段」の確立が切望されている。これに
関する有力な手段に機械による除草があり、この主流は乗用大型機械であ
る。しかし、高価な大型機械を導入できるのは大規模農業を実施している
一部地域に限られている。また、機械除草全般の課題として、株間の除草
性能が十分でないことが挙げられ、これも普及の障害になっている。
これらの現状を踏まえ、本研究では、安価で、走行性能が高く、高い作
業効率と除草効果が得られる水田用小型除草ロボット(アイガモロボッ
ト)の実現を目指す。具体的には、(1)新たな除草機構の開発(株間の
除草機能を備えたロボットボディの開発)、(2)水田内自律走行制御シ
ステムの開発、(3)検証実験(除草効果の検証)を行う。
研究開発の成果
(1)新たな除草機構の開発
当該ロボットでの運用(週 2 回程度除草作業を行う)に特化した、稲に
やさしい株間除草機構を考案し、検証実験で効果を確認しながら改良を重
ねた。ロボットボディに関しては、高い除草効果が期待できるクローラベ
ルトについて検討を重ねるとともに、各種の実験を通して走行性と耐環境
性について検討し、これらを反映したロボットボディを開発した。
(2)自律走行制御システムの開発
様々な環境条件(欠株、稲の生長の度合い、天候等)を考慮した稲列検
出アルゴリズムや稲列の終端検出アルゴリズムを開発した。これらを基
に、農業者の許容可能な条件を設定した圃場を対象に、水田全面を自律し
て除草作業を行う走行制御システムを開発した。また、当該システムの制
御ハードウエアに関しては、画像処理をハードウエアで高速に実行するた
めの FPGA を搭載したコンパクトな画像処理基板を開発した。これにより、
リアルタイム画像処理が可能となった。
(3)検証実験
株間除草機構やクローラベルト、ロボットの走行方法等による除草効果
の違いについて調査するとともに、当該ロボットの除草効果を気象条件等
の異なる 3 カ所の圃場で検証し、その有効性を確認した。
(1)∼(3)により、水田での安定した作業(走行)性能と高い除草
効果を備えた小型除草ロボットを開発した「図1参照」。自律走行機能に
ついては実用的な面積の圃場でその有効性を確認した「図2参照」。
実施者からのメ
ッセージ
本研究では、軽量・安価で自律走行が可能な水田用小型除草ロボットの
プロトタイプの開発に成功しました。屋外での自律走行は、すべての条件
に対して保証することは困難ですが、比較的条件を整えた圃場であれば可
能です。実用化に向けては、
1)総合的な運用技術の確立
2)埋土雑草種子量が多いなどの悪条件の圃場等においても高い効果
が得られる除草技術の確立
3)ロボットの運用支援機能の開発と自律走行機能のロバスト化
等の課題が残されていますが、農業者との連携を図りながら、これらの課
題解決に取り組み、数年後の実用化を目指します。
別紙
全長
全幅
高さ
(クリアランス高)
クローラ幅
全備重量
モーター
バッテリー
走行時間
作業効率
(a)ロボットの外観
図1
500mm
450mm
500mm
(300mm)
150mm
9200g
7.2Kgf-cm
18.5W x2
Li-ion
24V-7.0Ah
3時間以上
10a/h
(b)ロボットの諸元
開発したロボットの外観及び諸元
図2 圃場実験の様子(自律走行)
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