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「緑の分権改革」推進事業 成果報告書

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「緑の分権改革」推進事業 成果報告書
平成 21 年度
「緑の分権改革」推進事業
成果報告書
平成 23 年 3 月
静岡市
平成 21 年度
「緑の分権改革」推進事業 成果報告書
目 次
第 1 章 業務の概要
1.1 業務の背景・目的
1-1
1.2 業務概要
1-2
1.3 検討手順
1-3
第 2 章 市域内の現況調査
2.1 地域特性調査
2-1
2.1.1 調査の目的・ねらい
2-1
2.1.2 調査実施手順
2-2
2.1.3 静岡市のエネルギー消費特性、環境特性
2-3
2.2 クリーンエネルギー資源の利用可能量調査及び期待可採量調査
2-5
2.2.1 調査の目的・ねらい
2-5
2.2.2 算定条件の整理
2-5
2.2.3 既往調査の課題の整理
2-7
2.2.4 利用可能量及び期待可採量の推計手法
2-8
2.2.5 利用可能量及び期待可採量の推計結果
2-22
2.2.6 推計における課題
2-28
2.3 クリーンエネルギー活用設備の導入量調査
2-29
2.3.1 導入量調査の概要
2-29
2.3.2 静岡市域におけるクリーンエネルギー活用設備の導入状況
2-29
2.3.3 衛星データを活用した太陽光発電普及状況調査手法の検討
2-32
2.4 クリーンエネルギー活用設備導入意向調査
2-48
2.4.1 調査の概要
2-48
2.4.2 アンケート調査結果の概要
2-51
第 3 章 各調査結果の地図データ化
3.1 地図データ化の基本的な考え方
3-1
3.1.1 作成の目的・ねらい
3-1
3.1.2 想定する活用方法
3-1
3.1.3 基本的な視点
3-1
3.2 地図データの作成
3-2
3.2.1 基本構成
3-2
3.2.2 地図データの作成
3-2
第 4 章 静岡市の特性を踏まえたクリーンエネルギー導入の基本的な方向性
4.1 エネルギーの基本的特徴
4-1
4.2 静岡市におけるクリーンエネルギーの適用性
4-2
4.3 静岡市の特性を踏まえたクリーンエネルギー導入の基本的な方向性
4-5
4.3.1 全体に共通する視点
4-5
4.3.2 現状のエネルギー消費特性への着眼
4-5
4.3.3 エネルギー利用可能量の分布量や位置特性への着眼
4-5
4.3.4 静岡市の地域特性(環境面、社会面等)への着眼
4-6
第 5 章 導入重点区域の設定及び
クリーンエネルギー活用機器・技術導入のシミュレーション
5.1 重点区域設定の目的・ねらい
5-1
5.2 「静岡市クリーンエネルギー導入重点区域」の設定
5-1
5.3 導入重点区域におけるクリーンエネルギーの導入シミュレーション
5-3
5.3.1 シミュレーション結果の概要
5-3
5.3.2 シミュレーション結果
5-4
第 6 章 検討会の開催
6.1 検討会の開催趣旨
6-1
6.2 検討会の開催概要
6-1
6.2.1 検討会委員
6-1
6.2.2 検討会の開催概要
6-2
第 7 章 今後の推進に向けた課題及び対応の方向性
7-1
付録:参考資料
参考資料-1 「2.1 地域特性調査」に関する資料
・静岡市全体のエネルギー使用実態
・本検討で用いたデータと静岡ガス提供データの比較
・エリアごとのエネルギー消費量の按分方法
・静岡市都市計画マスタープランにおける環境特性(地域の課題)
参考資料-2 「2.3.3 衛星データを活用した太陽光発電普及状況調査手法の検討」に関する資料
・検討概要
・前処理
・試行処理
・広域処理
・今後の課題と展望
参考資料-3 「2.4 クリーンエネルギー活用設備導入意向調査」に関する資料
・アンケート調査結果報告書
・アンケート調査票(市民向け、事業者向け)
・アンケート御礼状
参考資料-4 「第 3 章 各調査結果の地図データ化」に関する資料
・トップページ
・クリーンエネルギー利用可能量
・クリーンエネルギー導入施設
参考資料-5 「第 5 章 導入重点区域の設定及びクリーンエネルギー活用機器・技術導入の
シミュレーション」に関する資料
・シミュレーションで用いている各種制度等の概要
・シミュレーションで用いている経済性の評価手法の概要
・シミュレーションで用いている原単位等一覧
参考資料-6 「第 6 章 検討会の開催」に関する資料
・検討会設置要綱
・検討会議事次第
・検討会議事録
第1章 業務の概要
1.1 業務の背景・目的
静岡市では、平成 19 年度に「静岡市地球温暖化対策地域推進計画(やらざあ静岡!温暖化防
止大作戦)」を策定し、地球温暖化対策を推進してきたところである。また、平成 22 年度には、地球
温暖化対策の推進に関する法律の改正を受け、新たに「静岡市地球温暖化対策実行計画(区域
施策編)」を策定し、これに基づく地球温暖化対策、クリーンエネルギーの普及・活用を推進しようと
している。
しかし、これまでの取り組みでは行政から市民・事業者に対してクリーンエネルギーの導入を推
進する際に、「画一的な対応(補助金制度の実施等)」「啓発的な対応(イベント等の際の周知)」
「受動的な対応(積極的な事業者による提案を受けた後の対応)」となっていたきらいがあり、行政
から市民・事業者に対して積極的なクリーンエネルギーの導入提案が不足していた可能性がある。
また、クリーンエネルギーのうちのいくつかについては既に利用可能量調査・期待可採量調査を
行っているものもあるが、地域ごとの特性や偏在性を踏まえたデータが得られていないのが実態で
ある。
さらに、「市域内の市民・事業者のクリーンエネルギー設備の活用意向」や「現状におけるクリー
ンエネルギー活用設備・技術の導入量」の把握が不足しており、計画立案や施策実施における方
向性の裏付けが弱い状況にあったと考えられる。
このような背景を踏まえ、本業務は、静岡市におけるクリーンエネルギーの賦存量・利用可能量
等の現況把握を行い、地域特性を踏まえた「クリーンエネルギー導入重点区域」を設定し、各地域
に応じたクリーンエネルギーの導入技術・活用可能性の検討を行うことを目的として行った。
【参考】 「緑の分権改革」とは(総務省)
クリーンエネルギー資源を把握し、最大限活用することにより、地域の活性化を図り、「分散自立型・
地産地消型社会」、「地域の自給力と創富力を高める地域主権型社会」の構築を目指す。
- 1-1 -
【参考】 クリーンエネルギーとは
本業務では「クリーンエネルギー」を、環境負荷をできるだけ低減するための新たなエネルギー源の
総称として用いている。
なお、類似の用語として「新エネルギー」があるが、1997 年に施行された「新エネルギー利用等の促
進に関する特別措置法」において「技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面から普及が
十分でないもので、石油に代わるエネルギーの導入を図るために特に必要なもの」と定義されている。
図 1.1 新エネルギーの定義
資料:資源エネルギー庁
出典:新エネルギーガイドブック 2008(NEDO)
1.2 業務概要
業務名
平成 21 年度 「緑の分権改革」推進事業
履行期間
平成 22 年 3 月 30 日から平成 23 年 3 月 31 日まで
委託者
総務省
受託者
静岡市
- 1-2 -
1.3 検討手順
本業務の検討手順を下図に示す。
1.計画・準備
2.市域内の現況調査 【第 2 章】
地域特性調査
クリーンエネルギー資源の導入・利活用検討に先
立つ、既存文献による地域特性把握
市内を 31 区分し、エリア別にエネルギー消費特
性等を把握
クリーンエネルギー資源の
利用可能量調査及び
期待可採量調査
市域におけるクリーンエ
ネルギー資源導入状況
の地図データ化に向け
た基礎資料
クリーンエネルギー
活用設備の導入意向調査
(アンケート調査)
市民 3,000 世帯
(有効回収率:52.0%)
第1回
H22.8.11
事業者 400 社
(有効回収率:59.3%)
3.各調査結果の地図データ化 【第 3 章】
「2.市域内の現況調査」の結果を踏まえ、クリーンエネルギーの
「利用可能量調査結果」及び「導入量調査結果」を地図データ
化(見える化)
4.静岡市の特性を踏まえたクリーンエネルギー
導入の基本的な方向性 【第 4 章】
「2.市域内の現況調査」の結果、静岡市の自然的・社会的
特性、クリーンエネルギー関連技術の技術開発動向等を踏
まえ、静岡市におけるクリーンエネルギーの適用性を整理し、
今後のクリーンエネルギー導入の方向性を検討
5.導入重点区域の設定及びクリーンエネルギー
第2回
H22.11.24
第3回
活用機器・技術導入のシミュレーション 【第 5 章】 H23.2.10
上記までの調査・検討結果を踏まえ、今後の利用・普及拡大
が期待されるエリアを重点区域として設定し、その活用可能
性を定量的に検証(シミュレーション)
7.報告書とりまとめ
図 1.2 本業務の検討手順
- 1-3 -
6.検討会の開催 【
第6章】
市域におけるクリーンエネルギ
ー資源の分布特性、偏在性を
踏まえた利用可能量・期待可採
量を推計
クリーンエネルギー
活用設備の
導入量調査
第2章 市域内の現況調査
2.1 地域特性調査
2.1.1 調査の目的・ねらい
静岡市におけるクリーンエネルギーの導入・利活用の検討に先立ち、クリーンエネルギー資源の現
況等を把握するため、既存文献等による調査を実施した。
既存資料調査、関係機関(中部電力、静岡ガス等)へのヒアリングや現地踏査により、エネルギー消
費特性等の地域特性を把握した。なお、資料の不在によりデータが得られない場合には、既存の資
料を活用し按分するなどの方法でエネルギー消費量等の推計を行った。
- 2-1 -
2.1.2 調査実施手順
本調査の実施手順を図 2.1 に示す。
1.静岡市の地域特性(エリア特性)の区分【基本方針】
・地域のエネルギー消費特性が把握できるデータを用いる
・エリア区分の客観性が確保できるデータ(公表文献)を用いる
・統計処理等の関係から、行政区、町丁目単位となっているデータを用いる
①文献整理(客観的なエリア区分の把握)
②ヒアリング(エネルギー供給区分の把握)
・
「静岡市都市計画マスタープラン」
・
「静岡市中山間地域総合振興計画」
・
「都市計画用途地域図」
・中部電力
由比入山と由比は、入手
データからは、按分でき
ないため、統合する必要
がある。32→31 区分
旧由比町は、含ま
れていないため、
本業務で別途算定
(市全体の電力供給量データを提供頂いた)
・静岡ガス
(町丁目別の供給件数、使用量データを提供頂いた)
中部電力、静岡ガスともに、市全体で管理(エ
リア区分による管理)はしていないとの回答
③エリアの区分(静岡市全体を 31 地域に区分)
・静岡市都市計画マスタープランの地域別構想区分より都市部として15地区に区分
・中山間地域総合振興計画区分より中山間地域として17地区に区分
※旧由比町、旧蒲原町地域は、上記区分に含まれていないため、旧町界で区分
→入手データの関係上由比入山と由比を統合し、
「由比」として 31 区分へ
2.エネルギー消費特性の把握【基本方針】
3.環境特性・課題の把握【基本方針】
・「静岡市地球温暖化対策地域推進計画」で検討した市全
体のエネルギー使用量を基にエリアごとに按分
・按分には、客観性を確保するため、入手可能な統計資料
より、極力シンプルな(分かり易い)算定方法を用いる
・エリアごとの環境課題が把握できる資料(公表文献)
・クリーンエネルギーの導入課題が把握できる資料
・客観性を確保するため、網羅的に整理(課題の抽出・絞込
み等は、クリーンエネルギーの導入検討の中で整理する)
通過交通(鉄道、東名、
港湾)は含まれていない
④エリアごとのエネルギー消費量の按分
⑤環境特性・課題の整理
・基本は、町丁目別の世帯数、産業別従業者数より按分
・都市ガスは、静岡ガス提供資料より町丁目別の需要世
帯数、供給事業所数を用いて按分
・漁業は、静岡県 HP より漁港組合員数で按分
・静岡市都市計画マスタープランの地域別課題を整理
・環境基本計画の地域別課題を整理
・中山間地域総合振興計画の施策(課題)を整理
⑥エネルギー消費特性、環境特性のまとめ
・今後の検討における基礎資料(現状把握)としてエリア
区分、エネルギー消費特性、環境特性・課題を客観的に
整理
図 2.1 本調査の実施手順
-
- 2-2 -
2.1.3 静岡市のエネルギー消費特性、環境特性
(1) エリア区分及びエネルギー消費量の推計
1) エリア区分
エリア区分は、以下の出典を参考に地域特性を踏まえた 31 のエリア区分とした。
・「都市計画マスタープラン」(平成 18 年 2 月 静岡市)
・「中山間地域総合振興計画」(平成 22 年 3 月 静岡市)
なお、旧由比町、旧蒲原町地域は、旧町界で区分した。入手データの関係上由比入山と由比を統
合し、「由比」とした。
2) エリアごとのエネルギー消費量の推計結果
31 のエリアそれぞれを、都市部と中山間部に大別し、エネルギー消費量の傾向を分析した。
各エリアのエネルギー使用実態と環境特性を整理した結果を図 2.2 に示す。
<静岡市全体>
静岡市全体のエネルギー消費は、主要駅周辺の市街地を中心とした都市部が大部分を占
めている。
<都市部>
部門別消費特性は、産業・運輸部門が約6割(各 3 割)、家庭・業務部門が約 4 割(各 2 割)
であった。
エネルギー別消費特性は、電力が約 3 割、ガスが約 1 割、ガソリンが約 2 割、その他が約 4
割であった。
<中山間部>
部門別消費特性は、産業・運輸部門のエネルギー消費量の割合が約 7 割と高い傾向にあ
った。
エネルギー別消費特性は、ガソリンのエネルギー消費量の割合が約 3 割と高く、都市ガス
はなかった。
3) エリアに顕在化する環境面の課題
中山間部では、森林の荒廃・水源涵養機能低下、耕作放棄地の増加など、自然環境の保
全に関係する課題が顕在化しつつある。
一方、都市部では、市街地部における大気、熱環境の影響、自動車による慢性的な交通
混雑など、インフラ整備等の課題に加え、大気質の悪化等エネルギー消費に関係の深い
産業・生活面の課題が顕在化しつつある。
- 2-3 -
図 2.2 静岡市のエネルギー使用実態推計結果と環境特性
- 2-4 -
2.2 クリーンエネルギー資源の利用可能量調査及び期待可採量調査
2.2.1 調査の目的・ねらい
静岡市におけるクリーンエネルギーの導入・利活用の検討に先立ち、クリーンエネルギー資源の
現況等を把握するために、地域特性調査にて設定したエリア区分を踏まえ、エリア内の空間データ
解析にGIS等を活用し、そのエリアごとにクリーンエネルギーの利用可能量等を推計した。
2.2.2 算定条件の整理
(1) 利用可能量と期待可採量
本調査における利用可能量と期待可採量の定義は以下の通りである。
利用可能量・・・コストをかければ導入できる見込みがあるエネルギー資源量の最大値のこと。地理
的・社会的・技術的制約条件を考慮し、経済的制約条件を考慮しない。
期待可採量・・・現在および将来のエネルギー利用技術等の制約要因を考慮した上で、エネルギー
として開発利用の可能性が期待される量のこと。経済性や社会条件による制限要因
は考慮しない。波力エネルギーや海洋温度差エネルギーはまだ実用化されていな
いため、参考値として期待可採量の算定を行った。
- 2-5 -
(2) 調査の対象としたクリーンエネルギー
本調査の対象としたクリーンエネルギーは以下の通りである。
表 2.1 利用可能量算定項目
エネルギーの種類
利用の仕方
1.太陽光
発電
2.太陽熱
熱利用
3.風力
発電
4.中小水力
発電
5.木質バイオマス
燃焼→発電、熱利用
農業残渣
燃焼→発電、熱利用
果樹剪定枝
燃焼→発電、熱利用
畜産廃棄物(家畜排泄物) メタン発酵→発電、熱利用
6.廃棄物系
バイオマス
可燃ごみ
燃焼→発電、熱利用
製材所木くず
燃焼→発電、熱利用
建設廃木材
燃焼→発電、熱利用
流木
※1
分別→リサイクル利用
下水汚泥
メタン発酵→発電、熱利用
し尿
メタン発酵→発電、熱利用
7.温泉熱利用
熱利用
8.地中熱
熱利用
9.下水熱利用
熱利用
※1 流木にはダムに集積したものと海岸に打ち上げられたものがある。本調査ではダム
に集積したものを対象とした。
表 2.2 期待可採量算定項目
エネルギーの種類
利用の仕方
10.波力
発電
11.海洋温度差
発電
- 2-6 -
2.2.3 既往調査の課題の整理
本調査に関連する既存の調査結果として、平成 20 年 3 月に発行された「静岡市地球温暖化防止対
策地域推進計画(やらざあ静岡!温暖化防止大作戦)」における算定結果がある。
以下に、当該算定結果における課題と、本調査における対応を整理した。
表 2.3 既往調査結果における課題と本調査における対応
クリーンエネルギー
既往調査結果における課題
太陽光
建物の分類数が少なく、それぞ
れの建物の実態に合った算定
ができていない。建物の実態に
即した算定が必要である。
非住宅系の建物を、環境省「再生可能エ
ネルギー導入ポテンシャル調査」の調査
区分に基づき分類し、それぞれに対し算
定を行う。
建築物のみを対象としており、
低・未利用地等が考慮されてい
ない。普及拡大に向けては、
低・未利用地等の利活用も考
慮する必要がある。
環境省「再生可能エネルギー導入ポテ
ンシャル調査」に挙げられている低・未利
用地のうち、導入の現実性が高い最終
処分場と耕作放棄地を対象に算定を行
う。
風力
既往調査では、洋上風力発電
は対象としていないが、静岡市
の立地特性を考慮すれば、推
計対象とする必要がある。
洋上風力についても算定を行う。
中小水力
既往調査では中小水力を対象
としていないが、静岡市は水資
源が豊富なことから、推計対象
とする必要がある。
中小水力についても算定を行う。
下水汚泥、
下水熱利用
汚泥量は、実測値ではなく推
計値を用いていた。実測値が
分かるのであれば実測値を用
いるべきである。
汚泥量はバイオマス資源実態調査(静岡
県)に記載されている実測値を用いる。
地中熱
既往調査では地中熱を対象と
していないが、近年の普及状況
や技術開発状況を踏まえ、推
計対象とする必要がある。
地中熱についても算定を行う。
- 2-7 -
本調査における対応
2.2.4 利用可能量及び期待可採量の推計手法
以下に、本市における利用可能量及び期待可採量の推計手法を示す。
(1) 利用可能量
1) 太陽光
a) 住宅系
利用可能量の
求め方
<算定式>
年間最適傾斜角日射量 4.15[kWh/m2・日]×太陽光発電出力[kW/戸]×
単位出力あたりの必要面積 9[m2/kW]×補正係数 0.065×
年間日数 365[日]×住宅数×導入率 0.623
住宅数はGISで計測する。
太陽光発電出力の値は以下の通り設定する(戸建ての値は静岡市提供データ
より、静岡市内の実績値)(集合住宅の値はNEDO「新エネルギー関連データ」)。
表 2.4 太陽光発電の出力
戸建て
集合住宅
3.82kW/戸
15.00kW/戸
太陽光発電と太陽熱利用設備は、一般に、一つの建築物に両方を同時に整
備することは考えにくいため、市民向け・事業者向けアンケートの結果より導入
率という値を設定して算定を行った。
導入率=太陽光の導入状況・導入意向/
(太陽光の導入状況・導入意向+太陽熱の導入状況・導入意向)
31 エリア区分に
応じた算出
エリアごとの住宅数に基づいて算定する。
参考資料
NEDO「新エネルギーガイドブック 2008」
NEDO「新エネルギー関連データ」
NEDO「全国日射量平均値データマップ(MONSOLA05(801))」
- 2-8 -
b) 非住宅系
利用可能量の
求め方
<算定式>
設置係数×単位面積あたりの発電電力量 63.03[kWh/m2・年]×パラメータ×
導入率 0.794
設置係数とは、施設ごとの太陽光パネルの設置可能面積を、各施設の延べ床
面積や建築面積等で割った値である(環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシ
ャル調査」)。設置可能面積を除する指標が上記算定式のパラメータになる。
表 2.5 施設ごとの設置係数
施設カテゴリー
庁舎
設置係数
パラメータ
2
2
延べ床面積
2
2
0.57m /m 〔設置可能面積/延べ床面積〕
学校
0.44m /m 〔設置可能面積/延べ床面積〕
延べ床面積
文化施設
0.84m2/m2〔設置可能面積/延べ床面積〕
延べ床面積
医療施設
上水施設
下水施設
2
2
延べ床面積
2
3
日処理量
2
2
用地面積
2
2
0.24m /m 〔設置可能面積/延べ床面積〕
0.04m /m ・日〔設置可能面積/日処理量〕
0.09m /m 〔設置可能面積/用地面積〕
道の駅
2.22m /m 〔設置可能面積/延べ床面積〕
延べ床面積
工場
0.93m2/m2〔設置可能面積/建築面積〕
建築面積
太陽光発電と太陽熱利用設備は、一般に、一つの建築物に両方を同時に整
備することは考えにくいため、市民向け・事業者向けアンケートの結果より導入
率という値を設定して算定を行った。
導入率=太陽光の導入状況・導入意向/
(太陽光の導入状況・導入意向+太陽熱の導入状況・導入意向)
31 エリア区分に
応じた算出
エリアごとの施設数や建築物数に基づいて算定する。
参考資料
環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」
なお下水施設については、別途検討が行われた「太陽光発電設備設置検
討」の結果を踏まえ、重複しない部分のみ合算する。
静岡市公有資産台帳
第 2 次静岡市水道事業基本計画
- 2-9 -
c) 業務用施設
利用可能量の
求め方
<算定式>
年間最適傾斜角日射量 4.15[kWh/m2・日]×太陽光発電出力[kW/建築物
数]×単位出力あたりの必要面積 9[m2/kW]×補正係数 0.065×年間日数
365[日]×建築物数×導入率 0.794
建築物数はGISで計測する。
太陽光発電出力の値は戸建て住宅の値 3.82kW/建築物数を用いる。
太陽光発電と太陽熱利用設備は、一般に、一つの建築物に両方を同時に整
備することは考えにくいため、市民向け・事業者向けアンケートの結果より導入
率という値を設定して算定を行った。
導入率=太陽光の導入状況・導入意向/
(太陽光の導入状況・導入意向+太陽熱の導入状況・導入意向)
31 エリア区分に
応じた算出
エリアごとの建築物数に基づいて算定する。
参考資料
NEDO「新エネルギーガイドブック 2008」
NEDO「新エネルギー関連データ」
NEDO「全国日射量平均値データマップ(MONSOLA05(801))」
d) 未利用地
利用可能量の
求め方
<算定式>
対象面積×単位面積あたりの発電電力量 63.03[kWh/m2・年]
耕作放棄地と最終処分場を対象とする。
31 エリア区分に
応じた算出
エリアごとの耕作放棄地面積や最終処分場面積に基づいて算定する。
参考資料
環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」
耕作放棄地については農地転用への規制があるため、農林水産省ホーム
ページの情報を参考に、耕作放棄地のうち既に「森林化・原野化」が進み直
ちには耕作出来ないと考えられる割合 12.17%を対象に算定を行う。
2005 年農林業センサス 農業集落別結果報告書(中部版)
静岡市一般廃棄物処理実施計画
農林水産省ホームページ「耕作放棄地対策の推進」
- 2-10 -
2) 太陽熱
利用可能量の
求め方
<算定式>
集熱面積[m2]×最適角平均日射量 4.15[kWh/m2・日]×3600[kJ/kWh]×集熱
効率 0.4×365[日/年]×建築物数×導入率(住宅は 0.377、それ以外は 0.206)
建築物数はGISで計測する。
集熱面積は以下の通り設定した
(NEDO「新エネルギーガイドブック」、NEDO「新エネルギー関連デー
タ」)。
表 2.6 太陽熱の集熱面積
住宅
3㎡
集合住宅
3㎡
公共施設
6㎡
業務用施設
6㎡
産業施設
200 ㎡
太陽光発電と太陽熱利用設備は、一般に、一つの建築物に両方を同時に整
備することは考えにくいため、市民向け・事業者向けアンケートの結果より導入
率という値を設定して算定を行った。
導入率=太陽熱の導入状況・導入意向/
(太陽光の導入状況・導入意向+太陽熱の導入状況・導入意向)
31 エリア区分に
応じた算出
エリアごとの建築物数に基づいて算定する。
参考資料
NEDO「新エネルギーガイドブック」
NEDO「新エネルギー関連データ」
- 2-11 -
3) 風力
a) 陸上風力
利用可能量の
求め方
<算定式>
面積[m2]×発電機の 1km2 あたりの設置容量 1[万 kW/km2]×
補正済設備利用率×24[時間]×365[日]
<発電電力量の求め方>
① NEDO「局所風況マップ」を用いて、以下の条件を満たす地上からの高度
70m において風速 5.5m 以上の場所をGISで抽出する。
- 標高 1000m 未満
- 幅員 3m以上の道路からの距離が 10km 未満
- 居住地からの距離 500m 以上
- 保安林区域、国立・国定公園の特別保護地区及び特別地域は除く。
- 田、建物用地、幹線交通用地、河川及び湖沼、ゴルフ場等は除外
② 風速のレベルによって設備利用率が変わるため、①で求めた場所を 5.5~
6.5m、6.5~7.5m、7.5~8.5m の 3 区分に分けてメッシュ数を数え、それぞ
れの面積を求める。
③ 上記 3 区分ごとに発電電力量を算出し、それらを足し合わせる。
補正済設備利用率は以下の通り設定する
(環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」)。
表 2.7 風況レベルごとの補正済設備利用率
5.5~6.5m
0.20
6.5~7.5m
0.27
7.5~8.5m
0.35
31 エリア区分に
応じた算出
GISでエリアごと、風況ごとの面積を導出し、算定する。
参考資料
環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」
NEDO「局所風況マップ」
<条件設定に用いたGISデータ>
数値地図 50m メッシュ(標高)[国土地理院]
DRM (デジタル道路地図)
国土数値情報データ(森林、河川、湖沼、自然公園地域)
- 2-12 -
b) 洋上風力
利用可能量の
求め方
<算定式>
面積[m2]×発電機の 1km2 あたりの設置容量 1[万 kW/km2]×補正済設備利用
率×24[時間]×365[日]
<発電電力量の求め方>
① NEDO「局所風況マップ」を用いて、以下の条件を満たす地上からの高度
70m において風速 6.5m 以上の場所をGISで抽出する。
- 陸地からの距離 30km 以内
- 水深 20m 未満
② 風速のレベルによって設備利用率が変わるため、①で求めた場所を 6.5~
7.5m、7.5~8.5m、8.5~9.5m の 3 区分に分けてメッシュ数を数え、それぞ
れの面積を求める。
③ 上記 3 区分ごとに発電電力量を算出し、それらを足し合わせる。
風速レベルごとの補正済設備利用率は以下の通り設定する
(環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」)。
表 2.8 風況レベルごとの補正済設備利用率
6.5~7.5m
0.27
7.5~8.5m
0.35
8.5~9.5m
0.41
31 エリア区分に
応じた算出
洋上風力はエリア区分ができないため、31 エリア区分に応じた算出を行わな
い。
参考資料
環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」
NEDO「局所風況マップ」
<条件設定に用いたGISデータ>
日本海洋データセンター 500m メッシュ水深データ
- 2-13 -
c) 小規模風力
利用可能量の
求め方
<算定式>
1 機あたりの年間発電電力量[kWh/年]×建物数[戸]
住宅数はGISで計測する。8 階以上の建物には高度 30m の風況を用い、そ
れ以外の建物には地上の風況を用いる。
<発電電力量の求め方>
小規模風力の年間発電電力量の値は以下の通り設定する
(ゼファー株式会社のエアドルフィン GTO 定格出力 1.1kW のデータより)
表 2.9 平均風速ごとの年間発電電力量
平均風速[m/s]
31 エリア区分に
応じた算出
年間発電電力量[kWh/年]
2
53
4
648
31 エリアごとに、高さ 30m 以上の建築物数とその他の建築物数に基づき、算
定する。
- 2-14 -
4) 中小水力
a) 10kW 以上(1,000kW 未満)
利用可能量の
求め方
<利用可能量の求め方>
経済産業省「平成 20 年度未利用落差発電包蔵水力調査」に記載されてい
る、静岡市内の未開発地点での発電電力量を利用可能量とする。
既開発分については、経済産業省中部経済産業局へのヒアリングにより、電
気事業法に基づく届出がなされているものを把握した。
31 エリア区分に
応じた算出
未開発地点の所在地を特定し、各エリアに区分する。
参考資料
経済産業省「平成 20 年度未利用落差発電包蔵水力調査」
社団法人電力土木技術協会ホームページ「水力発電所データベース」
b) 10kW 以下
利用可能量の
求め方
<算定式>
落差地点数×発電出力[kW]×8760[時間/年]
<利用可能量の求め方>
① GISを用いて、各河川について以下の条件を満たす河川横断物を選定し
た。
・幅員 3m 以上の道路からの距離が 1km 未満
・国立・国定公園の地域を除く。
②-1 砂防設備台帳や河川台帳から、2m 以上の落差箇所を抽出し、GISデータ
と照らし合わせて地点を特定した。
②-2 砂防設備台帳添付の砂防ダム写真から、常水なしと判断できるものは発電
出力を 0 とした。4m 以上の落差箇所または 1m3/s の流量が得られると見込
まれる地点は発電出力を 10kW と設定し、落差高および流量がそれらに満
たない地点は発電出力を 5kW とした。
③-1 GISが選定した地点で砂防設備台帳および河川台帳に記載がなかった地
点について、現地での目視調査を行い 2m 以上の落差を特定した。
③-2 現地調査で特定した地点について、4m 以上の落差箇所または 1m3/s の流
量が得られると見込まれる地点は発電出力を 10kW と設定し、落差高およ
び流量がそれらに満たない地点は発電出力を 5kW とした。
④ 下水施設については、別途検討が行われた「小水力発電設備設置検討」の
結果を踏まえ、重複しない部分のみ合算した。
31 エリア区分に
応じた算出
未開発地点の所在地を特定し、各エリアに区分する。
参考資料
環境省「再生可能エネルギーポテンシャル調査」
砂防設備台帳(国土交通省、静岡県、静岡市)
河川台帳(国土交通省、静岡県、静岡市)
安倍川砂防パンフレット(国土交通省)
- 2-15 -
5) 木質バイオマス
a) 竹
利用可能量の
求め方
<算定式>
竹排出量[t]×発熱量 19.3[GJ/t]×
システム効率(発電利用 0.10or ボイラ利用 0.85)
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を森林面積により按分して算定する。発生元に
関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
「エネルギー作物の事典」(N.EI バッサム)
バイオマス資源実態調査(静岡県)
<エリア按分に用いたGISデータ>
森林GIS(静岡県)
b) 林地残材
利用可能量の
求め方
<算定式>
林地残材排出量[t]×発熱量 15.6[GJ/t]×
システム効率(発電利用 0.10or ボイラ利用 0.85)
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によると、利活用率は 9.6%である。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を森林面積により按分して算定する。発生元に
関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
<エリア按分に用いたGISデータ>
森林GIS(静岡県)
- 2-16 -
6) 廃棄物系バイオマス
a) 農業残渣
利用可能量の
求め方
<算定式>
農業残渣排出量[t]×発熱量 [GJ/t]×
システム効率(発電利用 0.10or ボイラ利用 0.85)
農産物ごとの発熱量は以下の通り設定する。
表 2.10 農産物ごとの発熱量
稲わら・麦わら
13.6[GJ/t]
もみ殻
14.65[GJ/t]
大豆
9.534[GJ/t]
いも・野菜・根菜類
果菜類
1.26[GJ/t]
1.428[GJ/t]
「バイオマス資源実態調査(静岡県)(静岡県)」によると、リサイクル率は稲わ
ら 98.0%、もみ殻 69.0%、その他農業残さ 34.5%である。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を農業従事者数により按分して算定する。発生
元に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
「バイオマスエネルギー」(本多淳裕)
b) 業務用施設果樹剪定枝
利用可能量の
求め方
<算定式>
木質系廃棄物排出量[t]×発熱量 7.95[GJ/t]×
システム効率(発電利用 0.10or ボイラ利用 0.85)
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によると、リサイクル率は 41.0%である。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を農業従事者数により按分して算定する。発生
元に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
- 2-17 -
c) 畜産廃棄物
利用可能量の
求め方
<算定式>
糞尿発生量[t/年]×糞尿ガス発生原単位 25[m3/t]×メタン含有率 0.6×メタン
発熱量 0.03718[GJ/m3] ×システム効率(発電利用 0.25or ボイラ利用 0.90)
家畜ごとの糞尿ガス発生原単位は以下の通り設定する。
表 2.11 家畜ごとの糞尿ガス発生原単位
乳用牛
25[m3/t]
肉用牛
30[m3/t]
豚
50[m3/t]
鶏
50[m3/t]
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によると、リサイクル率は 96.0%である。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を家畜頭数により按分して算定する。発生元に
関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
d) 可燃ごみ
利用可能量の
求め方
<算定式>
可燃ごみの排出量[t/年]×可燃ごみの低位発熱量 6.7[GJ/t]×システム効率
(発電利用 0.17or ボイラ利用 0.80)
清掃工場ごとに可燃ごみから得られるエネルギーを算出する。
可燃ごみは、現状において全て清掃工場で燃やされ発電に利用されている
ため、既利用分を含む場合の算定においては、電力利用にのみ計上する。
なお、既利用分を含まない場合は、利用可能量をゼロとして算定する。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する統計データを、清掃工場の所在地と可燃ごみの処理量に
より按分して算定する。集約先に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
「静岡市地球温暖化対策地域推進計画」
NEDO「新エネルギーガイドブック 2005 導入編」
NEDO「新エネルギー等導入促進基礎調査」
静岡市一般廃棄物処理実施計画
- 2-18 -
e) 製材所木くず
利用可能量の
求め方
<算定式>
木質系廃棄物排出量[t]×発熱量 15.6[GJ/t]×システム効率(発電利用
0.10or ボイラ利用 0.85)
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によると、リサイクル率は 94.4%である。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を、製材所の所在地と木質廃棄物発生量により
按分して算定する。集約先に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
f) 建設廃木材
利用可能量の
求め方
<算定式>
木質系廃棄物排出量[t]×発熱量 15.6[GJ/t]×システム効率(発電利用
0.10or ボイラ利用 0.85)
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する推計結果を、木くずを扱う産業廃棄物業者の所在地によ
り按分して算定する。集約先に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
g) 流木
利用可能量の
求め方
<算定式>
木質系廃棄物排出量[t]×発熱量 15.6[GJ/t]×システム効率(発電利用
0.10or ボイラ利用 0.85)
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によるとリサイクル率は 100%であるた
め、既利用量を含まない場合は利用可能量がゼロとなる。
31 エリア区分に
応じた算出
発生源であるダムの所在地(1.井川)とする。
- 2-19 -
h) 下水汚泥
利用可能量の
求め方
<算定式>
汚泥量[t]×(1-含水率)×ガス発生係数 340[m3/t]×メタン含有率 0.75×メ
タン発熱量[0.03718GJ/m3]×システム効率(発電利用 0.25or ボイラ利用 0.90)
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によると、リサイクル率は 44.5%である
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する統計データを、下水処理施設と汚泥量により按分して算
定する。集約先に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
(財)日本有機資源協会「バイオガスシステムの現状と課題」
i) し尿
利用可能量の
求め方
<算定式>
汚泥量[t]×(1-含水率)×ガス発生係数 340[m3/t]×メタン含有率 0.75×メタ
ン発熱量 0.03718[GJ/m3]×システム効率(発電利用 0.25or ボイラ利用 0.90)
「バイオマス資源実態調査(静岡県)」によるとリサイクル率は 0%である。
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する統計データを、し尿処理施設と汚泥量により按分して算
定する。集約先に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
NEDO「バイオマス賦存量・利用可能量の推計」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
(財)日本有機資源協会「バイオガスシステムの現状と課題」
- 2-20 -
7) 温泉熱利用
利用可能量の
求め方
<算定式>
定圧比熱 4.186[kJ/kg・℃]×比重 1[kg/L]×熱水湧出量[L/min]×{温泉利用率
80%×ΔT1+(1-温泉利用率 80%)×ΔT2}×η×60×24×365
※ΔT1:源泉温度-(平均気温+10)
※ΔT2:排出湯温 41℃-(平均気温+10)
※η:熱交換等に関わる効率
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する統計データを、源泉の場所とそこで得られるエネルギー
により按分して算定する。
参考資料
「静岡市地球温暖化対策地域推進計画」
社団法人 日本温泉協会 「温泉百科」
生活衛生営業 温泉(県内温泉地概況調)
8) 地中熱
利用可能量の
求め方
<算定式>
新築住宅棟数×熱交換器採取可能熱量[kW]×年間時間数(8 ヶ月)×熱換算
係数
新築住宅 1 棟に地中熱ヒートポンプを 1 つ設置するものと仮定する。住宅数は
GISで計測する。
年間時間数は、夏季 4 ヶ月、冬季 4 ヶ月の計 8 ヶ月として算定する。
31 エリア区分に
応じた算出
エリアごとの住宅数に基づいて算定する。
参考資料
「秋田県八峰町地域新エネルギービジョン」
総務省「平成 20 年住宅土地統計調査 静岡県」
第 7 回静岡市統計書(平成 21 年度版)「着工新設住宅戸数及び床面積」
9) 下水熱利用
利用可能量の
求め方
<算定式>
賦存量を求める計算式:
下水処理量[m3/年]×比重×定圧比熱 4.186[kJ/kg・℃]×利用可能温度差(5℃
と仮定)×空調(冷暖房)期間/12×熱交換に係る効率×(Cp-1)/Cp
※Cp:ヒートポンプ成績係数
31 エリア区分に
応じた算出
市域全体に対する統計データを、下水処理施設と下水処理量により按分し
て算定する。集約先に関する指標を用いてエリア按分している。
参考資料
「静岡市地球温暖化対策地域推進計画」
バイオマス資源実態調査(静岡県)
- 2-21 -
(2) 期待可採量
波力エネルギーや海洋温度差エネルギーはエネルギーとしての活用が期待できるものの、現時点
では利用可能な状態にする技術が実用化されていないと考え、参考値として期待可採量の算定を行
った。
1) 波力
期待可採量の
求め方
<算定式>
単位延長あたり年間波力エネルギー量[kWh/m・年]×当該地域の海岸線総延
長[km]×外海に面した海岸線延長の利用できる割合×タービン効率×発電効
率
参考資料
「静岡市地球温暖化対策地域推進計画」
全国港湾海洋波浪情報網(ナウファス)
2) 海洋温度差
期待可採量の
求め方
<算定式>
対象海域で得られる太陽エネルギー量[MJ/年]×カルノー効率×タービン効率
×発電効率×設備利用率
参考資料
「静岡市地球温暖化対策地域推進計画」
NEDO標準気象・日射データ
2.2.5 利用可能量及び期待可採量の推計結果
(1) 推計結果の概要
1) 市域全体
静岡市におけるクリーンエネルギー資源利用可能量は、発電利用の場合、太陽光発電が最大
(2,280TJ)であり、次いで風力発電(2,164TJ)であった。
熱利用では、下水熱利用が最大(1,155TJ)であり、次いで廃棄物系バイオマス(847TJ)であっ
た。
2) 中山間部・都市部
静岡市の特徴として、他の政令指定都市と比べ森林面積が広く林業が盛んであること、風況に恵
まれた中山間部の面積が広いこと、急峻な山や急流が目立つことなどから、中山間部では林地
残材を利用した木質バイオマス発電、陸上風力発電、中小水力発電などが期待できる。
一方、人口の 92%が集中する都市部では、太陽光、太陽熱、小規模風力、地中熱などの利用可
能量が多い。これらは住宅や公共施設などの建築物への設置を想定したため、都市部に利用可
能量が集中する結果となった。また、廃棄物系バイオマスの大部分は可燃ごみ利用であるため、
清掃工場が立地する都市部に集中している。下水処理施設も都市部に集中しているため、都市
部における下水熱の利用可能量が多くなっている。
- 2-22 -
(2) 推計結果の概要
静岡市における新エネルギー利用可能量を算定した結果、下記の通りとなった。
表 2.12 静岡市における利用可能量
既利用分含む
クリーンエネルギー種
電力
(MWh)
1.太陽光
電力
熱利用
(GJ)
(GJ)
(MWh)
(GJ)
(GJ)
369,399
1,329,836
―
―
―
―
非住宅系
169,709
610,954
―
―
―
―
未利用地
94,220
339,193
―
―
―
―
633,329
2,279,983
―
―
―
―
506,328
―
―
―
2.太陽熱
―
―
陸上風力
552,738
1,989,855
―
―
―
―
洋上風力
39,294
141,458
―
―
―
―
9,146
32,925
―
―
―
―
601,177
2,164,237
―
―
―
―
10kW 以上
12,491
44,968
―
7,542
27,150
―
10kW 以下
6,614
23,810
―
6,614
23,810
―
19,105
68,778
―
14,156
50,960
―
17
62
525
17
62
525
13,968
50,284
427,412
12,631
45,471
386,380
13,985
50,346
427,937
12,648
45,533
386,905
499
1,795
15,261
131
470
3,999
1,953
7,029
59,750
1,151
4,144
35,223
2,394
8,620
31,032
95
342
1,232
162,455
584,839
0
0
0
0
製材所木くず
10,758
38,730
329,207
602
2,169
18,436
建設廃木材
9,231
33,232
282,474
1,994
7,178
61,014
159
572
4,863
0
0
0
8,831
31,791
114,448
4,901
17,644
63,519
し尿
741
2,667
9,599
741
2,667
9,599
小計
197,021
709,276
846,634
9,615
34,614
193,021
小規模風力
小計
4.中小水力
熱利用
住宅系
小計
3.風力
既利用分含まない
小計
5.木質
竹
バイオマス 林地残材
小計
6.廃棄物系 農業残渣
バイオマス 果樹剪定枝
畜産廃棄物
(家畜排泄物)
可燃ごみ
流木
下水汚泥
7.温泉熱利用
―
―
20,290
―
―
―
8.地中熱
―
―
159,408
―
―
―
9.下水熱利用
―
―
1,154,656
―
―
―
- 2-23 -
表 2.13 静岡市における期待可採量
電力
クリーンエネルギー種
(MWh)
10.波力
11.海洋温度差
熱利用
(GJ)
(GJ)
5,612
20,204
―
265,803
956,891
―
※四捨五入の都合上、合計が一致しない場合がある。
算定した利用可能量を電力利用・熱利用のそれぞれについて、下図に示す。
電力利用
0
1000
2000
3000 (TJ)
2,280
1.太陽光
2,164
3.風力
4.中小水力
69
5.木質
バイオマス
50
6.廃棄物系
バイオマス
709
図 2.3 電力利用の際の利用可能量の比較(既利用分含む)
熱利用
0
1000
2.太陽熱
428
6.廃棄物系
バイオマス
8.地中熱
3000 (TJ)
506
5.木質
バイオマス
7.温泉熱利用
2000
847
20
159
9.下水熱利用
1,155
図 2.4 熱利用の際の利用可能量の比較(既利用分含む)
※1TJ=1000GJ
- 2-24 -
算定した各クリーンエネルギーの利用可能量に基づく CO2 削減量について、下表にまとめた。
表 2.14 各クリーンエネルギーの利用可能量に基づく CO2 削減量
CO2 削減量(千t-CO2)
クリーンエネルギー種
電力利用
熱利用
太陽光発電
288
―
太陽熱利用
―
29
274
―
小水力発電
9
―
バイオマス(木質)
6
24
バイオマス(廃棄物系)
90
48
温度差熱利用(温泉熱、地中熱、下水熱)
―
76
風力発電
0
50
100
150
太陽熱利用
バイオマス(廃棄物系)
温度差熱利用(温泉熱、地中熱、下水熱)
300
350 千t-CO 2
29
274
風力発電
バイオマス(木質)
250
288
太陽光発電
小水力発電
200
電力利用
熱利用
9
6
24
48
90
76
図 2.5 各クリーンエネルギーの利用可能量に基づく CO2 削減量
※電力利用の排出係数は 0.455kg-CO2/kWh(中部電力 2008 年度排出係数)、
熱利用の排出係数は 0.057kg-CO2/MJ(「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域
施策編)策定マニュアル」(2009 年 6 月、環境省)
- 2-25 -
1.太陽光
3.風力
図 2.6 電力利用の際の利用可能量の比較(既利用分含む)
発電利用
エネルギー
量 GJ
[ ]
700,000
600,000
500,000
4.中小水力
5.木質
バイオマス
400,000
300,000
200,000
6.廃棄物系
バイオマス
100,000
0
1 .井川
2 .梅 ヶ島
3 .大川
4 .玉川
5 .大河内
6 .清沢
7 .中?科
8 .南?科
9 .服織西
10 .美和
11 .賤機北 12 .賤機中 13 .北沼上 14 .両河内
15 .庵原
16 .小島
17 .長田
18 .東藁科
19 .安倍
20 .城内
21 .城北
22 .大里
中山間部
6 .廃棄物系
バイオマス
24 .豊田
25 .城東
26 .有度
27 .羽衣
28 .興津
都市部
2 .太陽熱
5 .木質
バイオマス
23 .城南
29 .小島南
30 .由比
31 .蒲原
中山間部
熱利用
エネルギー量[GJ ]
700,000
600,000
500,000
7 .温泉熱利用
8 .地中熱
400,000
300,000
200,000
9 .下水熱利用
100,000
0
1 .井川
2 .梅 ヶ島
3 .大川
4 .玉川
5 .大河内
6 .清沢
7 .中?科
8 .南?科
9 .服織西
10 .美和
11 .賤機北 12 .賤機中 13 .北沼上 14 .両河内
15 .庵原
16 .小島
17 .長田
18 .東藁科
19 .安倍
20 .城内
21 .城北
22 .大里
23 .城南
24 .豊田
25 .城東
26 .有度
27 .羽衣
28 .興津
29 .小島南
30 .由比
31 .蒲原
図 2.7 静岡市内 31 エリア内におけるクリーンエネルギー資源利用可能量の分布
表 2.15 静岡市内 31 エリアにおけるクリーンエネルギー資源利用可能量<既利用分含む>
エネルギー量[GJ]
エネルギー種
住宅系
1.太陽光
非住宅系
未利用地
小計
利用形態 1.井川 2.梅ヶ島 3.大川
4.玉川 5.大河内 6.清沢 7.中 科 8.南 科 9.服織西 10.美和 11.賤機北12.賤機中13.北沼上14.両河内 15.庵原 16.小島 17.長田 18.東藁科 19.安倍 20.城内 21.城北 22.大里 23.城南 24.豊田 25.城東 26.有度 27.羽衣 28.興津 29.小島南 30.由比 31.蒲原
2,410
1,447
2,633
3,278
1,837
2,998
4,264
3,514
4,699
8,744
1,890
3,492
3,793
5,724
2,589
3,416
116,525
38,396
57,869
101,493
107,054
98,824
74,233
130,216
106,423
124,367
163,282
127,484
4,012
8,376
14,553
発電利用
2,901
1,444
1,542
1,236
1,202
1,212
4,093
4,838
1,938
3,446
718
2,550
1,633
5,092
1,396
3,692
47,564
14,710
24,862
70,369
32,065
43,230
33,511
42,111
36,401
56,680
72,963
69,270
2,846
8,617
16,820
発電利用
235
774
2,348
1,608
260
6,150
2,500
2,199
1,426
2,398
354
1,075
25,594
11,659
32,132
749
18,227
553
6,833
86
19,249
466
1,118
2,050
19,509
24,440
30,963
69,820
25,358
23,675
5,388
発電利用
5,546
3,665
6,523
6,122
3,299
10,360
10,858
10,552
8,063
14,589
2,962
7,116
31,020
22,475
36,117
7,857
182,315
53,658
89,563
171,948
158,368
142,519
108,862
174,377
162,333
205,487
267,208
266,575
32,216
40,668
36,761
発電利用
1,426
756
1,602
1,695
941
1,896
3,103
2,418
2,255
3,900
779
2,069
2,045
4,534
1,536
2,754
45,261
15,817
22,221
41,642
34,298
37,154
25,683
40,808
33,658
47,936
58,629
54,364
2,291
4,628
8,227
2.太陽熱
熱利用
陸上風力
381,119
178,110
143,762
68,098
1,530
410,326
123,882
182,251
0
0
0
0
0
89,049
0
0
402,126
9,603
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
発電利用
3.風力
洋上風力
発電利用 マイクロ風力 発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3,016
1,013
1,503
3,220
2,576
2,586
1,882
2,833
2,412
3,161
4,159
3,643
135
309
476
小計
381,119
178,110
143,762
68,098
1,530
410,326
123,882
182,251
0
0
0
0
0
89,049
0
0
405,142
10,616
1,503
3,220
2,576
2,586
1,882
2,833
2,412
3,161
4,159
3,643
135
309
476
発電利用
4,415
0
6,465
0
26,366
6,938
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
21
0
0
0
0
96
508
0
86
0
53
21
0
0
0
発電利用
4.中小水力 10KW以上
10KW以下
0
6,307
0
0
0
0
1,261
0
0
0
0
0
0
946
473
2,838
0
0
0
0
0
0
0
631
946
158
0
1,419
0
5,361
3,469
発電利用
小計
4,415
6,307
6,465
0
26,366
6,938
1,261
0
0
0
0
0
0
946
473
2,838
21
0
0
0
0
96
508
631
1,032
158
53
1,440
0
5,361
3,469
発電利用
22,397
4,051
2,808
4,226
2,227
1,794
1,226
639
559
1,547
531
291
428
3,336
526
1,008
619
346
304
1
64
0
0
264
7
59
60
96
145
557
229
発電利用
5.木質
190,375
34,431
23,872
35,918
18,930
15,252
10,417
5,428
4,754
13,147
4,517
2,478
3,639
28,357
4,475
8,567
5,260
2,937
2,580
12
543
0
0
2,243
62
503
512
816
1,236
4,731
1,946
バイオマス
熱利用
17
19
41
49
39
53
66
39
28
52
12
19
38
82
106
13
128
23
88
1
92
38
30
64
90
93
108
203
67
78
19
発電利用
6.廃棄物系 農業残渣
141
166
349
416
333
446
564
331
238
444
101
164
325
695
899
111
1,091
192
747
7
784
323
256
541
765
792
921
1,725
568
662
164
熱利用
バイオマス
果樹剪定枝 発電利用
65
76
161
192
154
206
260
153
110
205
47
75
150
320
414
51
502
88
344
3
361
149
118
249
353
365
424
794
261
305
75
554
648
1,368
1,629
1,305
1,748
2,206
1,297
933
1,740
395
641
1,273
2,720
3,519
435
4,270
751
2,926
28
3,068
1,265
1,000
2,119
2,997
3,100
3,606
6,753
2,222
2,594
641
熱利用
畜産廃棄物 発電利用
4
17
1,722
129
0
176
516
48
435
264
37
340
0
372
1
472
319
132
38
0
0
0
66
104
0
529
1
529
0
1,040
1,329
(家畜排泄物) 熱利用
14
62
6,199
464
0
634
1,859
174
1,568
951
133
1,223
0
1,341
5
1,697
1,147
475
136
0
0
0
237
373
0
1,903
3
1,906
0
3,745
4,783
可燃ごみ
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
345,998
0
0
0
0
0
238,841
0
0
0
0
0
0
発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
熱利用
製材所木くず 発電利用
21
0
0
43
0
0
0
0
0
486
0
0
4
1,982
0
0
305
243
10,537
10,811
0
0
0
352
1
2,816
7,200
3,790
0
140
0
175
0
0
362
0
0
0
0
0
4,127
0
0
36
16,845
0
0
2,594
2,069
89,564
91,893
0
0
0
2,993
12
23,940
61,196
32,212
0
1,189
0
熱利用
建設廃木材 発電利用
0
0
0
0
898
0
898
0
0
0
0
898
898
898
1,796
0
2,695
1,796
898
0
2,695
0
898
0
1,796
6,287
4,491
4,491
898
0
0
0
0
0
0
7,634
0
7,634
0
0
0
0
7,634
7,634
7,634
15,269
0
22,903
15,269
7,634
0
22,903
0
7,634
0
15,269
53,441
38,172
38,172
7,634
0
0
熱利用
流木(リサイク 発電利用
572
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
ル率100%) 熱利用
4,863
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
下水汚泥
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
963
0
0
0
0
5,416
13,895
0
496
0
8,984
2,038
0
0
0
発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3,465
0
0
0
0
19,497
50,024
0
1,785
0
32,342
7,336
0
0
0
熱利用
し尿(既利用 発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,320
1,006
0
341
0
0
0
なし)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4,752
3,621
0
1,226
0
0
0
熱利用
小計
678
113
1,924
412
1,091
434
1,740
240
573
1,007
95
1,332
1,090
3,654
2,317
536
4,911
2,283
357,903
10,815
3,148
5,603
15,007
769
242,897
11,096
21,207
12,186
1,226
1,563
1,423
発電利用
5,746
876
7,916
2,871
9,272
2,828
12,263
1,802
2,739
7,262
630
9,661
9,269
29,235
19,691
2,243
35,470
18,756
101,008
91,928
26,755
21,085
59,151
6,026
25,580
86,797
136,239
89,330
10,424
8,189
5,587
熱利用
3,704
7,595
0
0
0
0
0
555
0
0
0
0
0
265
1,309
0
0
0
6,862
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
7.温泉熱利用
熱利用
338
201
383
479
274
443
623
520
659
1,293
281
517
547
849
385
506
14,178
4,778
7,115
12,022
12,871
11,561
8,257
14,118
11,812
14,548
20,294
15,953
577
1,139
1,886
8.地中熱
熱利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
35,498
0
0
0
0
199,733
512,459
0
154,944
0
209,815
42,207
0
0
0
9.下水熱利用
熱利用
- 2-26 -
合計
1,329,836
610,954
339,193
2,279,983
506,328
1,989,855
141,458
32,925
2,164,238
44,968
23,810
68,778
50,346
427,937
1,795
15,261
7,029
59,750
8,620
31,032
584,839
0
38,730
329,207
33,232
282,474
572
4,863
31,791
114,448
2,667
9,599
709,276
846,634
20,290
159,408
1,154,656
表 2.16 静岡市内 31 エリアにおけるクリーンエネルギー資源利用可能量<既利用分含まない>
エネルギー量[GJ]
エネルギー種
住宅系
1.太陽光
非住宅系
未利用地
小計
利用形態 1.井川 2.梅ヶ島 3.大川
4.玉川 5.大河内 6.清沢 7.中 科 8.南 科 9.服織西 10.美和 11.賤機北12.賤機中13.北沼上14.両河内 15.庵原 16.小島 17.長田 18.東藁科 19.安倍 20.城内 21.城北 22.大里 23.城南 24.豊田 25.城東 26.有度 27.羽衣 28.興津 29.小島南 30.由比 31.蒲原
2,410
1,447
2,633
3,278
1,837
2,998
4,264
3,514
4,699
8,744
1,890
3,492
3,793
5,724
2,589
3,416
116,525
38,396
57,869
101,493
107,054
98,824
74,233
130,216
106,423
124,367
163,282
127,484
4,012
8,376
14,553
発電利用
2,901
1,444
1,542
1,236
1,202
1,212
4,093
4,838
1,938
3,446
718
2,550
1,633
5,092
1,396
3,692
47,564
14,710
24,862
70,369
32,065
43,230
33,511
42,111
36,401
56,680
72,963
69,270
2,846
8,617
16,820
発電利用
235
774
2,348
1,608
260
6,150
2,500
2,199
1,426
2,398
354
1,075
25,594
11,659
32,132
749
18,227
553
6,833
86
19,249
466
1,118
2,050
19,509
24,440
30,963
69,820
25,358
23,675
5,388
発電利用
5,546
3,665
6,523
6,122
3,299
10,360
10,858
10,552
8,063
14,589
2,962
7,116
31,020
22,475
36,117
7,857
182,315
53,658
89,563
171,948
158,368
142,519
108,862
174,377
162,333
205,487
267,208
266,575
32,216
40,668
36,761
発電利用
1,426
756
1,602
1,695
941
1,896
3,103
2,418
2,255
3,900
779
2,069
2,045
4,534
1,536
2,754
45,261
15,817
22,221
41,642
34,298
37,154
25,683
40,808
33,658
47,936
58,629
54,364
2,291
4,628
8,227
2.太陽熱
熱利用
陸上風力
381,119
178,110
143,762
68,098
1,530
410,326
123,882
182,251
0
0
0
0
0
89,049
0
0
402,126
9,603
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
発電利用
3.風力
洋上風力
発電利用 マイクロ風力 発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3,016
1,013
1,503
3,220
2,576
2,586
1,882
2,833
2,412
3,161
4,159
3,643
135
309
476
小計
381,119
178,110
143,762
68,098
1,530
410,326
123,882
182,251
0
0
0
0
0
89,049
0
0
405,142
10,616
1,503
3,220
2,576
2,586
1,882
2,833
2,412
3,161
4,159
3,643
135
309
476
発電利用
0
0
0
0
26,366
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
21
0
0
0
0
96
508
0
86
0
53
21
0
0
0
発電利用
4.中小水力 10KW以上
10KW以下
0
6,307
0
0
0
0
1,261
0
0
0
0
0
0
946
473
2,838
0
0
0
0
0
0
0
631
946
158
0
1,419
0
5,361
3,469
発電利用
小計
0
6,307
0
0
26,366
0
1,261
0
0
0
0
0
0
946
473
2,838
21
0
0
0
0
96
508
631
1,032
158
53
1,440
0
5,361
3,469
発電利用
20,256
3,664
2,540
3,822
2,014
1,623
1,108
578
506
1,399
481
264
387
3,017
476
912
560
312
275
1
58
0
0
239
7
54
55
87
131
503
207
発電利用
5.木質
172,177
31,140
21,590
32,484
17,121
13,794
9,421
4,909
4,299
11,890
4,085
2,241
3,291
25,646
4,047
7,748
4,757
2,656
2,333
11
491
0
0
2,029
56
455
463
738
1,118
4,279
1,760
熱利用
バイオマス
4
5
11
13
10
14
17
10
7
14
3
5
10
21
28
3
34
6
23
0
24
10
8
17
24
24
28
53
17
20
5
発電利用
6.廃棄物系 農業残渣
37
43
92
109
87
117
148
87
62
116
26
43
85
182
235
29
286
50
196
2
205
85
67
142
201
207
241
452
149
174
43
熱利用
バイオマス
果樹剪定枝 発電利用
38
45
95
113
90
121
153
90
65
121
27
44
88
189
244
30
296
52
203
2
213
88
69
147
208
215
250
468
154
180
44
326
382
806
960
769
1,030
1,301
764
550
1,026
233
378
751
1,604
2,074
256
2,517
443
1,725
16
1,809
746
590
1,249
1,767
1,827
2,126
3,981
1,310
1,529
378
熱利用
畜産廃棄物 発電利用
0
1
68
5
0
7
21
2
17
10
1
13
0
15
0
19
13
5
2
0
0
0
3
4
0
21
0
21
0
41
53
(家畜排泄物) 熱利用
1
2
246
18
0
25
74
7
62
38
5
49
0
53
0
67
46
19
5
0
0
0
9
15
0
76
0
76
0
149
190
可燃ごみ
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
熱利用
製材所木くず 発電利用
1
0
0
2
0
0
0
0
0
27
0
0
0
111
0
0
17
14
590
605
0
0
0
20
0
158
403
212
0
8
0
10
0
0
20
0
0
0
0
0
231
0
0
2
943
0
0
145
116
5,016
5,146
0
0
0
168
1
1,341
3,427
1,804
0
67
0
熱利用
建設廃木材 発電利用
0
0
0
0
194
0
194
0
0
0
0
194
194
194
388
0
582
388
194
0
582
0
194
0
388
1,358
970
970
194
0
0
0
0
0
0
1,649
0
1,649
0
0
0
0
1,649
1,649
1,649
3,298
0
4,947
3,298
1,649
0
4,947
0
1,649
0
3,298
11,543
8,245
8,245
1,649
0
0
熱利用
流木(リサイク 発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
ル率100%) 熱利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
下水汚泥
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
534
0
0
0
0
3,006
7,712
0
275
0
4,986
1,131
0
0
0
発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,923
0
0
0
0
10,821
27,763
0
991
0
17,950
4,071
0
0
0
熱利用
し尿(既利用 発電利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,320
1,006
0
341
0
0
0
なし)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4,752
3,621
0
1,226
0
0
0
熱利用
44
51
174
133
295
142
385
102
89
172
32
257
293
530
660
52
1,476
465
1,012
608
819
3,103
7,986
187
2,215
2,782
6,638
3,196
366
249
102
発電利用
小計
374
428
1,144
1,108
2,506
1,172
3,171
858
675
1,411
265
2,118
2,487
4,431
5,608
353
9,864
3,926
8,591
5,164
6,961
11,651
30,078
1,574
11,008
18,616
31,989
19,855
3,108
1,918
610
熱利用
0
20,290
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
7.温泉熱利
熱利用
338
201
383
479
274
443
623
520
659
1,293
281
517
547
849
385
506
14,178
4,778
7,115
12,022
12,871
11,561
8,257
14,118
11,812
14,548
20,294
15,953
577
1,139
1,886
8.地中熱
熱利用
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
35,498
0
0
0
0
199,733
512,459
0
154,944
0
209,815
42,207
0
0
0
9.下水熱利
熱利用
合計
1,329,836
610,954
339,193
2,279,983
506,328
1,989,855
141,458
32,925
2,022,780
27,150
23,810
50,960
45,533
387,030
470
3,999
4,144
35,223
342
1,232
0
0
2,169
18,436
7,178
61,014
0
0
17,644
63,519
2,667
9,599
34,614
193,021
20,290
159,408
1,154,656
表 2.17 静岡市内 31 エリアにおけるクリーンエネルギー資源のパラメータ
エネルギー種
1.太陽光
住宅系
非住宅系
戸建て
集合住宅
庁舎
学校
文化施設
医療施設
上水施設
3.風力
1.井川
2.梅ヶ島
290
7
-
5,492
9,028
-
4,232
1,422
-
道の駅
工場
業務用施設
未利用地
耕作放棄地
最終処分場
住宅
集合住宅
公共施設
業務用施設
産業用施設
陸上風力
6m/sレベル
7m/sレベル
8m/sレベル
マイクロ風力 地上
高度30m
延べ床面積[㎡]
建築面積[㎡]
建築物数
対象面積[a]
対象面積[㎡]
建築物数
建築物数
建築物数
建築物数
建築物数
設置可能面積[k㎡]
設置可能面積[k㎡]
設置可能面積[k㎡]
建築物数
建築物数
-
-
-
10kW以上
開発可能地点
東河内発
電所
-
落差箇所
-
-
430
-
171
5
7
79
1
2.74
0.06 265
-
335
3
13
72
6
2.28
436
-
4.中小水力
10KW以下
5.木質
竹
バイオマス
林地残材
6.廃棄物系 農業残渣
果樹剪定枝
畜産廃棄物
製材所木くず
建設廃木材
流木
20 -
-
3,900
527
-
-
1,279
49
94
-
清沢発電
所
森林面積[k㎡]
49
39
農業従事者数
70
82
173
206
165
-
-
13 -
-
-
-
129,200 -
27 -
-
4,885
4,950
2,612 -
4,210
184 -
12,066
162
796
-
-
-
760
14
221
279
79
235
-
-
1,967 202
868
1,140
332
202
51,387
-
-
-
-
729
34
164
118
220
22
143 9,101
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
249
456
1
-
2,959
-
-
2,665
2,044
-
-
-
2,596
70
6,307
36,000 476
6
14
70
7
1,674
103
389
50
128
-
750
112,281 2,821 5,196 -
-
-
-
-
-
-
11
50
310
588
-
50
2,780
-
-
311 -
-
579
6
9
81
161
43 18,400 -
-
-
3
1
1
11,092
1,084
-
52 -
73,176
12,542
6,374 -
6,484
長田浄化
センター
11,688
126
271
341
442
624
-
3
2
12
344
445
160 31,856
3,288
6,597
11,092
1,084
92
3,288
68
5.64
0.55 15,698
9-
22
98 -
-
-
1,270 -
-
53,380
17,415
-
-
-
-
-
7,828
4
-
15,372
123
-
高松浄化
センター
-
-
-
-
18,929
3,202
169
-
8,601
2,346
405
-
8,784
1,078
55
3,202
45
-
13,418
7
-
268
379
392
456
-
120,860 -
-
-
-
6,930 -
-
-
160
-
127
30 -
3-
-
7,780 -
-
-
850 2,070
133,550 -
-
226
1
1-
1,805
2
し尿
7.温泉熱利用
8.地中熱
9.下水熱利用
戸建て
集合住宅
清水北部
浄化セン
ター
-
-
67,204
4,762
25,271
-
12,728
1,035
142
4,762
80
-
501
7
10
175
6
-
18,823
22 -
8
60
2
3
854
281
856 1,870 -
4,615
7
2,429 -
-
1-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
長田浄化
センター
-
-
-
-
中島浄化
センター
高松浄化
センター
-
城北浄化
センター
-
清水南部
浄化セン
ター,静清
浄化セン
清水北部
浄化セン
ター
-
静岡衛生
センター
清水衛生
センター
庵原衛生
プラント
-
-
-
-
-
源泉湧水地点
口坂本・井 梅ケ島・コン
ヤ・金山・新 川赤石
田
-
290
7
-
171
5
-
-
-
-
420
3-
335
3
-
-
-
-
242
391
1
-
小瀬戸
546
4
-
459
1
-
-
-
-
1,140
3-
564
14
-
-
-
-
249
456
1
-
西里
476
6
-
-
-
-
伊佐布
750
1-
-
341
446
1
-
-
-
-
篭上・西ヶ
谷
11,092
1,084
3,975,028 -
3,797
321
-
5,608
513
-
9,222
1,056
-
9,982
1,049
-
-
-
-
-
-
-
8,784
6,024
1,078
956
22,366,151 57,385,380 -
10,076
1,802
8,603
1,379
17,350,700 -
5
11,053
1,357
- 2-27 -
706
-
-
-
9,313
60
2,419
175
9,178
-
-
-
94,967
11,294
8,208 76,608 -
-
し尿処理施設
建築物数
建築物数
下水処理量[㎡/年]
501
7
-
367 -
下水汚泥
下水処理施設
12,728
1,035
清水北部
浄化セン
ター
1
-
1-
清水南部
浄化セン
ター
1
388
城北浄化
センター
16,431
11
1-
-
2
12,555
7
0
4
3
14,506
28
-
5
13 700 -
2-
-
11,053
1,357
113
3,745
77
6
370
6,754
8,603
1,379
92
2,425
25
4
95
156
88,820
3,745
8,846
-
60
196
21,521
2,425
7,061
-
540
-
-
清水南部
浄化セン
ター,静清
浄化セン
111,924
3,866
9,584
19,760
16,116
1,373
144
3,866
52
21,615
15
-
111
-
-
67,293
1,502
1-
0
-
城北浄化
センター
28.興津 29.小島南
16,116
1,373
23,346 101,705
29,126
14,896
高松浄化
センター
7
5,600 -
-
64,341
15,052
2,086 -
-
9,401
38
8
800 -
-
10,076
1,802
98
2,436
52
27.羽衣
11,053
1,357
56,000
10,832
4,283
-
26.有度
8,603
1,379
73,271
2,436
742
6,024
956
60
2,346
22
13,186
30
25.城東
10,076
1,802
中島浄化
センター
-
-
41,729
654
24.豊田
6,024
956
5,543 77,040
6,725
583
-
中島浄化
センター
9,982
1,049
73
2,288
8
-
-
-
85,829
11,665
23,808 -
1,957
2,288
6,967
9,222
1,056
106
5,035
27
23.城南
8,784
1,078
-
9,093
5,035
31
5,608
513
67
1,574
30
22.大里
9,982
1,049
-
16,506
1,574
2,473
3,797
321
31
1,101
29
0.15 5,311
21.城北
9,222
1,056
60,963 79,934
46,244
12,326
-
-
11,053
1,101
200
14
55
96 23,700
19,857
4,167
-
12 -
20.城内
5,608
513
-
-
長田浄化
センター
-
73
1
446
1
20
126
14
13
78
5
3,797
321
-
-
3,829
78
11,630
-
456
1
13
103
7
17.長田 18.東藁科 19.安倍
446
1
-
10,202
201
4,220
16.小島
341
-
750
127
201
23
1.41 1,027
-
249
-
-
48,965 -
-
12
19,828
476
6
2,800
4,609
-
-
12
197 -
1-
-
564
14
7
134
5
-
27
1,140
314,663
-
-
1,672
134
516
459
1
14
162
9
2.89 654
-
546
4
23
158
14
1.96
4-
93
285
-
-
-
-
62
5200 -
-
8,212
158
905
391
1
14
64
8
6.22
0.21 488
-
564
14
-
-
1,216
64
2,226
-
459
1
9,783
1,363
4,775
-
89
4633
546
4
-
492
家畜頭数(牛)
家畜頭数(豚)
家畜頭数(鶏)
清掃工場の燃えるご み処理量[t]
各製材所からの排出
量[t]
木くずを扱う産廃業 者数
木質系廃棄物排出量
[t]
可燃ごみ
大川発電
所
4,953
802
420
242
319
12
56
49
5
2
1.08
0.02
511
309
大河内ダ
ム砂防え
ん堤利用
発電
-
7.中 科 8.南 科 9.服織西 10.美和 11.賤機北12.賤機中13.北沼上14.両河内 15.庵原
391
1
-
1,423
56
582
6.清沢
242
-
1,106
72
850
5.大河内
420
34,793
499
-
-
772
79
280
290
7
26
98
4
5.61
0.32
-
4,724
1,886
-
901
98
85
-
-
-
4.玉川
335
3
-
-
-
3.大川
171
5
下水処理施設
下水施設
2.太陽熱
パラメータ
住宅数[戸]
住宅数[戸]
延べ床面積[㎡]
延べ床面積[㎡]
延べ床面積[㎡]
延べ床面積[㎡]
日処理量[㎡]
16,116
1,373
23,495,207
5
1
12,728
1,035
4,726,398 -
501
7
2.2.6 推計における課題
利用可能量調査の実施に当たり、検討会委員よりいただいた意見・指摘等を踏まえ、今後の利用可
能量調査の精度や調査結果の実用性向上の観点から課題を抽出・整理した。
表 2.18 推計における課題と考えられる対応
エネルギー種
課題
考えられる対応
太陽光
未利用地として耕作放棄地を対象として推計した 本 調 査 で は 、 静 岡 県 が 申 請 中
が、現状では農地を発電目的で利用するには農地 (H23.3 現在)の総合特区提案に基づ
法の制限があり困難。
き、規制緩和による農地利用条件の
こうした制約を踏まえて利用可能量を算定する必 緩和を前提として推計を行った。
要がある。
今後は、農地法の運用状況や規制
緩和等の状況を踏まえ、現実的に利
用可能な条件を設定し、推計すること
も考えられる。
太陽光、
太陽熱
本調査では太陽光、太陽熱の利用可能量につい 今後も新技術の開発動向の把握に
て、一つの建築物ではいずれか一つを設置するこ 努める。
とを前提としたが、今後一つの建築物で太陽光と太 市域での利用可能量に大きな影響
陽熱を両方設置できる技術(ハイブリッド型)が発展 を及ぼすような技術開発の進展があれ
する可能性がある。また壁面設置型の太陽光パネ ば、必要に応じて推計結果を見直す。
ル技術が実用化・普及することも想定される。
こうした利用可能量に大きく影響する新技術の開
発動向を注視しておく必要がある。
風力
本調査ではその場所の平均風速のデータに基づ 今後、本格的に導入・普及拡大を行
いて利用可能地点を抽出している。しかしその中 う際は、現地調査等によって詳細な風
に、風向が変わりやすく風力発電施設の設置場所 況を把握する。なお、今後の技術開発
としてふさわしくない地点を含んでいる可能性があ により、風力発電施設の風況変化へ
るため、その地点の風況変化の度合いも考慮する の適応性は改善される可能性がある。
必要がある。
小規模
風力
小規模風力の利用可能量算定方法が確立され 今後、本格的に導入・普及拡大を行
ていないため、特定の機種のデータを利用し、設 う際は、一般的な小規模風力のデータ
置場所を建築物に限定した。今後の本格的な導 や設置想定場所の風況のデータに基
入・普及拡大に際しては、設置を想定する地点のよ づき、設置適地とその場所に応じた風
力発電施設の規模を検討した上で算
り詳細な調査が必要である。
定する。
中小水力
10kW 以下の利用可能量は、設備容量を一律な 今後、本格的に導入・普及拡大を行
ものにあてはめて算定した。
う際は、落差箇所ごとに流量と落差を
地点により過大・過小評価となっている可能性が 把握し、箇所ごとに設備容量を算定す
あり、今後の本格的な導入・普及拡大に際しては、 る。
より詳細な調査を実施のうえ、利用可能量を算出す
る必要がある。
木質
バイオマス
バイオマス資源実態調査(静岡県)では林道整備 今後、本格的に導入・普及拡大を行
の状況などの諸条件により利用困難な林地残材 う際は、算定が過大にならないように、
も、本調査で用いた発生量の値に含んでいる可能 林道からの距離などの諸条件につい
性がある。今後の本格的な導入・普及拡大に際し て精査した上で算定する。
ては、より詳細な調査を実施のうえ、「継続的に供
給可能なコスト」を踏まえた利用可能量を算出する
必要がある。
- 2-28 -
2.3 クリーンエネルギー活用設備の導入量調査
2.3.1 導入量調査の概要
(1) 調査の目的・ねらい
クリーンエネルギー活用設備の導入状況調査は、静岡市域におけるクリーンエネルギーの導入
状況を地図データ化するための基礎資料を得ることを目的として行った。
(2) 調査対象としたクリーンエネルギー
本調査では、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法施行令」で位置づけられた新エ
ネルギーを含め、「NEDO新エネルギーマップ 2009」等を参考に、以下のクリーンエネルギー活用
設備を対象とした。
① 太陽光発電
⑧ 廃棄物熱利用
② 太陽熱利用
⑨ 廃棄物燃料製造
③ 風力発電
⑩ バイオマス発電
④ 温度差エネルギー
⑪ バイオマス熱利用
⑤ 天然ガスコージェネレーション
⑫ バイオマス燃料製造
⑥ 燃料電池
⑬ 雪氷熱利用
⑦ 廃棄物発電
⑭ 中小規模水力発電
(3) 調査方法
本調査では、既存資料・既存文献等により一般公開されている情報を基本としつつ、関係機関へ
のヒアリング等により情報を補足し、調査精度を高めていくこととした。
2.3.2 静岡市域におけるクリーンエネルギー活用設備の導入状況
既存文献資料等により得られた、公共施設や民間建物へのクリーンエネルギー導入状況の施設
数を表 2.19 に、その内訳一覧を表 2.20 に、位置を図 2.8 に示す。
表 2.19 静岡市域におけるクリーンエネルギーの導入施設数
クリーンエネルギー
施設数
太陽光発電
34 施設
太陽熱利用
3 施設
風力発電
1 施設
廃棄物発電
2 施設
木質バイオマス発電
1 施設
コージェネレーション
5 施設
中小規模水力発電
3 施設
- 2-29 -
表 2.20 クリーンエネルギー導入施設リスト
クリーン
エネルギー
設置・
導入年度
太陽光発電
H10
風力発電
廃棄物発電
木質バイオ
マス発電
コージェネレ
ーション
H14
H15
H16
H17
H17
H17
H17
H18
H18
H18
H18
H18
H18
H19
H19
H19
H19
H19
H21
H21
H21
H21
H21
H22
H22
H22
H22
H22
H22
H22
H22
H22
S58
静岡市役所清水庁舎
S61
静岡市役所静岡庁舎
H20
H15
H7
H21
宗教法人 金光教駿府教会
風力発電施設「風電君」
沼上清掃工場
西ヶ谷清掃工場
静岡製材協働組合
木質バイオマス発電所
静岡県コンベンションアーツセンター
(グランシップ)
静岡市立清水病院
静岡赤十字病院
静岡市健康文化交流館「来てこ」
エスパティオ
大川発電所(中部電力)
清沢発電所(中部電力)
東河内発電所(中部電力)
中小規模水
力発電
H16
H10
H13
H14
H15
H15
T9
S3
H13
4kW
21.城北
出典
② ③ その他
●
30kW
25.城東
●
規模等
県営住宅柳新田団地
学校法人静岡自動車学園
静岡工科専門学校
北部図書館・市教育センター
西島配水場
松林工業薬品(株)松林ビル
学校法人城南静岡高等学校屋上
バンダイホビーセンター
学校法人麻機幼稚園
門屋浄水場 運転管理棟
都商事(株)
(株)ミサワホーム静岡 本社社屋
鈴与商事(株)鈴与静岡ビル
しずてつストア御門台店
学習展示施設「森の恵」
静岡市立葵小学校
マックスバリュ静岡新伝馬店
(株)ニッケ-コー
静岡県庁本館屋上
静岡市立清水庵原小学校
静岡市立番町小学校
西部生涯学習センター
谷津浄水場
静岡市立城北小学校
静岡市立美和小学校
静岡市立安西小学校
袖師生涯学習交流館
静岡市立賤機北小学校
静岡市立安倍口小学校
静岡市立服織小学校
静岡市立清水有度第二小学校
静岡市立豊田中学校
静岡市立高松中学校
静岡市立南中学校
静岡県立美術館
H11
太陽熱利用
導入施設等
出典
地区
20kW
10kW
20kW
20kW
70kW
17kW
10kW
20kW
30kW
10kW
10kW
3kW
20kW
40kW
10kW
10kW
20kW
20kW
20kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
30kW
20kW
20kW
20kW
20kW
192.6 ㎡
(2.006 ㎡×96 枚)
102.6 ㎡
(1.9 ㎡×54 枚)
23 ㎡
1,500kW
8,390kW
14,000kW
230kW
(発電端出力)
①
19.安倍
22.大里
22.大里
23.城南
25.城東
21.城北
12.賤機中
27.羽衣
17.長田
20.城内
26.有度
18.東藁科
20.城内
19.安倍
17.長田
20.城内
28.興津
20.城内
20.城内
28.興津
21.城北
19.安倍
20.城内
28.興津
11.賤機北
19.安倍
18.東藁科
26.有度
24.豊田
23.城南
23.城南
24.豊田
①
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
20.城内
●
20.城内
22.大里
19.安倍
25.城東
●
●
●
18.東藁科
●
990kW
900kW
9.8kW
150kW
250kW
500kW
170kW
27.羽衣
20.城内
24.豊田
23.城南
3.大川
6.清沢
1.井川
●
●
●
●
NEDO新エネルギーマップ 2009(H22.2 NEDO)
③
図表でみるしずおかエネルギーデータ(H21.11 静岡県企画部)
- 2-30 -
●
●
静岡市提供資料
中部電力提供資料
●
●
②
その他
●
●
●
●
●
●
24.豊田
●
●
●
●
27.羽衣
750kW
●
●
●
●
●
●
●
●
西ヶ谷清掃工場
市立北部図書館・
静岡市教育センター
沼上清掃工場
市立清水庵原小学校
学習展示施設「森の恵」
清 駅
東静岡駅
静岡市立番町小学校
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
廃棄物発電
木質バイオマス発電
コージェネレーション
中小規模水力発電
静岡駅
都市部拡大マップ
「風電君」
中島浄化センター
(株)ニッケ-コー
市役所静岡庁舎
新館低層棟
図 2.8 静岡市域におけるクリーンエネルギー導入施設マップ
- 2-31 -
バンダイホビーセンター
2.3.3 衛星データを活用した太陽光発電設備普及状況調査手法の検討
本検討の概要を以降に示す。
検討手法及び検討結果の詳細については、別途巻末の参考資料に示す。
(1) 検討概要
1) 検討目的
太陽光発電は、我が国の新成長戦略(H22.6 閣議決定)やエネルギー基本計画(H22.6 策定)、地
球温暖化対策に係る中長期ロードマップの提案(環境大臣 小沢鋭仁試案)(H22.3 発表)等において、
今後の導入拡大が大いに期待されているクリーンエネルギーであり、本市においてもその普及状況を
定期的に把握していくことは、普及方策を立案・評価する上で非常に重要なことである。
現在、太陽光発電の普及状況については、国や県、市の設置補助件数を基に把握することが考え
られるが、これらの統計だけでは市域への正確な導入状況は把握できない。また、航空写真を用いて
人海戦術で太陽光パネルの設置箇所を読みとる作業は莫大な労力を要するため、定期的に行う調査
としては現実的ではない。
上記の背景を踏まえ、本調査は、今後定期的に設置状況のモニタリングを行うことを想定し、簡易
に高精度な調査結果を得る手法として、様々な空間情報処理に用いられている衛星データの画像処
理技術に着目し、現在の市域における太陽光発電設備の普及状況を簡易に把握する手法の確立に
向けた基礎的検討を実施したものである。
2) 使用データ
本業務を実施するにあたり、整備したデータを表 2.21 に示す。また、衛星データの諸元情報を表
2.22、表 2.23 に示す。
表 2.21 整備した衛星データの諸元情報
衛星/センサ
観測日
高分解能衛星データ
QuickBird2/
Quickbird Imager
2009 年 12 月 12 日
パス-ロウ
-
シーンシフト
-
撮影角度
シーン ID
処理レベル
仰角:72.1 度
方位角:218.3 度
101001000AC38100
オルソレディ(標準画像)
4 バンド バンドル
(パンクロ+4 バンドマルチ)
中分解能衛星データ
ALOS/AVNIR-2
2009 年 4 月 9 日
2010 年 3 月 13 日
GRS カラム番号:13850
GRS ライン番号:3525
+2(2009 年 4 月 9 日)
-2(2010 年 3 月 13 日)
ポインティング角度:0 度
ALAV2A170812890
Georeference
GeoTIFF+RPS
地図投影法
UTM
測地系
WGS84
リサンプリング
NN(※1)
※1:NN:Nearest Neighbor(最近隣内挿法)
- 2-32 -
ALOS/PRISM
2009 年 4 月 9 日
GRS カラム番号:13850
GRS ライン番号:3500
0
ポインティング角度:0
度
ALPSMW170812895
Georeference
GeoTIFF+RPS
表 2.22 QuickBird2 の諸元情報
打ち上げ日
2001 年 10 月 18 日
93 分
450km
98 度
0.45 - 0.52μm
0.52 - 0.60μm
0.63 - 0.69μm
0.76 - 0.90μm
0.45 - 0.52μm
2.44m(Multispectral)、0.61m(Panchromatic)
16.5km
周期
軌道
高度
傾斜角
Band1
観測波長帯
Band2
(Multispectral)
Band3
Band4
観測波長帯(Panchromatic)
地表分解能
観測幅
表 2.23 ALOS の諸元情報
打ち上げ日
2006 年 1 月 24 日
99 分
692km
98 度
0.42 - 0.50μm
0.52 - 0.60μm
0.61 - 0.69μm
0.76 - 0.89μm
0.52 - 0.77μm
10m(AVNIR-2)、2.5m(PRISM)
70.0km
周期
軌道
高度
傾斜角
Band1
観測波長帯
Band2
(AVNIR-2)
Band3
Band4
観測波長帯(PRISM)
地表分解能
観測幅
3) 検討手順
検討手順は、図 2.9 に示すとおりである。
1.前処理
・衛星データを利用するための幾何補正を
実施した。
(オルソ処理)
2.試 行 処 理
・広域処理に適用すべき画像分類手法及び
衛星データについて検討した。
3.広 域 処 理
・試行処理で検討した手法及び衛星データ
を用い、市域全域について検討した。
4.今 後 の課 題 と展 望
・これまでの検討結果と今後の課題と展望
について整理した。
図 2.9 検討手順
- 2-33 -
(2) 試行処理
広域処理に適用すべき画像分類手法及び衛星データについて検討した。
1) 適用手法
本業務では、図 2.10 に示す衛星データの分解能にあわせた 2 つの方法[手法 1:ソーラーパネル
の特徴(形状、サイズ等)を加味した分類方法(以後、オブジェクト型分類))、手法 2:ソーラーパネル
の反射特性を利用した分類方法(以後、SubPixel 分類)]を採用し、抽出作業を実施した。
図 2.10 処理手順
- 2-34 -
a) 高分解能衛星データ
高分解能衛星データを対象とした処理では、図 2.11 に示す手順で抽出作業を実施した。
※オルソ処理
:航空写真等の歪みの補正を行い、地図として利用可能なように正射投影を行う処理。
パンシャープン処理 :マルチスペクトル画像(カラー画像)とマルチスペクトル画像より高分解能であるパンクロマチック画像(白黒画
像)を組み合わせ、高分解能のマルチスペクトル画像(パンシャープン画像)を作成する処理。
マスク処理
:特定の部分のみを表示(抽出)し、それ以外の部分を表示しない(黒色画像または白色画像)ようにする処理。
図 2.11 高分解能衛星データを対象とした処理手順(オブジェクト型分類)
- 2-35 -
b) 中分解能衛星データ
中分解能衛星データを対象とした処理では、図 2.12 に示す手順で抽出作業を実施した。
※オルソ処理
:航空写真等の歪みの補正を行い、地図として利用可能なように正射投影を行う処理。
パンシャープン処理 :マルチスペクトル画像(カラー画像)とマルチスペクトル画像より高分解能であるパンクロマチック画像(白黒画
像)を組み合わせ、高分解能のマルチスペクトル画像(パンシャープン画像)を作成する処理。
図 2.12 中分解能衛星データを対象とした処理手順(SubPixel 型分類)
- 2-36 -
2) 精度評価
a) 精度評価の利用データ
ソーラーパネルの抽出結果に対する精度評価は、「平成 21 年度 葵区、駿河区及び清水区役所由
比地区 固定資産税マッピングシステム経年異動更新等業務 平成 22 年 静岡市固定資産税課」の
成果である航空写真を利用する。
本業務では、処理方法を画定するため、複数の手法による判別結果を精度評価用データと比較し、
最も精度が高く、誤判別が少ない手法を選定している。精度評価の対象地域は、航空写真が整備さ
れている地域の中から、比較的ソーラーパネルの設置が進んでいると推測される静岡駅の南東部周
辺に 5km×5km の領域を設定した。
設定した領域を対象に、航空写真を判読し、ソーラーパネルが設置されていると判読した結果、436
軒の建築物においてソーラーパネルが設置されていると判断し、精度評価に利用した。精度評価に
利用した航空写真と判読結果を図 2.13 に示す。
図 2.13 航空写真によるソーラーパネルの目視判読結果
- 2-37 -
b) 精度評価方法
精度評価方法として、以下を採用した。
表 2.24 精度評価のマトリックス表
衛星データ
抽出結果
ソーラーパネル有り
ソーラーパネル無し
合計
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
A
B
D
E
G
H
合計
C
F
I
評価指標1:
正解率[%]={(A:ソーラーパネル有り正判別+E:ソーラーパネル無し正判別)/I:合計}×100
評価指標2:
抽出精度[%]=(A:ソーラーパネル有り正判別)/(G:ソーラーパネル有り合計)×100
c) 精度評価結果
①高分解能衛星データ
高分解能衛星データを利用した処理結果に対する評価結果を表 2.25 に示す。
表 2.25 高分解能衛星データ(オブジェクト型分類)を利用した判別結果の精度
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
衛星データ
抽出結果
合計
ソーラーパネル有り
172
12,634
12,806
ソーラーパネル無し
264
36,930
37,194
436
49,564
50,000
合計
正解率[%] =(172+36,930)/50,000×100=74.2[%]
抽出精度[%]=(172/436)×100=39.5[%]
②中分解能衛星データ
中分解能衛星データを利用した処理結果に対する評価結果を表 2.26 に示す。
表 2.26 中分解能衛星データ(SubPixel 分類)を利用した判別結果の精度
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
衛星データ
抽出結果
合計
ソーラーパネル有り
157
14,345
14,502
ソーラーパネル無し
279
35,219
35,498
436
49,564
50,000
合計
正解率[%] =(157+35,219)/50,000×100=70.8[%]
抽出精度[%]=(157/436)×100=36.0[%]
- 2-38 -
3) まとめ
高分解能衛星データ(オブジェクト型分類)と中分解能衛星データ(SubPixel 分類)を利用した判別
結果を比較すると、正解率及び抽出精度は同程度であった。そのため、広域処理においては、中分
解能衛星データ(SubPixel 分類)を利用する。
なお、誤差要因について、高分解能衛星データでは、電子住宅地図データベースの「建物面」と衛
星データ上の建築物の位置が一致していない事例が多いことが挙げられた。一方、中分解能衛星デ
ータについては、ソーラーパネルと類似した分光反射特性を示す土地被覆を抽出する、ソーラーパネ
ルのサイズが小さいため中分解能データ(2.5m×2.5m)では特定できない事例が認められた。
- 2-39 -
(3) 広域処理
1) 適用手法
適用手法は、試行処理で検討した中分解能衛星データを対象とした図 2.14 に示す処理手順で抽
出作業を実施した。
なお、広域処理では、2009 年 4 月 9 日と 2010 年 3 月 13 日の 2 時期のデータを利用することから、
両衛星画像に含まれる地域は、2 つの判別結果が算出される。そこで、本業務では、「井川」と「大川」
の地域は、2010 年 3 月 13 日の判別結果を利用し、「井川」と「大川」以外の地域は、2009 年 4 月 9 日
の判別結果を優先した。
※オルソ処理
:航空写真等の歪みの補正を行い、地図として利用可能なように正射投影を行う処理のこと。
パンシャープン処理 :マルチスペクトル画像(カラー画像)とマルチスペクトル画像より高分解能であるパンクロマチック画
像(白黒画像)を組み合わせ、高分解能のマルチスペクトル画像(パンシャープン画像)を作成する処理
のこと。
図 2.14 中分解能衛星データを対象とした処理手順
a) 教師データ
教師データは、衛星データで静岡市をカバーするために、2 時期のデータを利用している。衛星デ
ータの取得時期によって、大気の状態が異なることから、衛星データの観測時期毎に教師を設定する
必要がある。そこで、本業務では、2009 年 4 月 9 日と 2010 年 3 月 13 日の各々の衛星データから教
師データを取得した。
2009 年 4 月 9 日の衛星データを利用した教師は、試行処理で取得した教師データを利用した。ま
た、教師データの汎用性を検証するため、他地域の航空写真の目視判読結果と比較し、他地域にお
いても利用可能か否かを確認した(精度検証結果は、2)で詳述)。
2010 年 3 月 13 日の衛星データを利用した教師は、「安倍」地区における航空写真によるソーラー
パネル判読結果から、教師を選択した。設定した教師の妥当性、および処理過程における閾値設定
では、2)で示す精度検証の設定地域における精度を確認しながら調整している。
- 2-40 -
2) 精度評価
a) 精度評価の利用データ
ソーラーパネルの抽出結果に対する精度評価は、(3)試行処理と同様に「平成 21 年度 葵区、駿河
区及び清水区役所由比地区 固定資産税マッピングシステム経年異動更新等業務 平成 22 年 静
岡市固定資産税課」の成果である航空写真を利用した。
b) 精度評価方法
精度評価方法として、(3)試行処理と同様とした。
表 2.27 精度評価のマトリックス表
衛星データ
抽出結果
ソーラーパネル有り
ソーラーパネル無し
合計
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
A
B
D
E
G
H
合計
C
F
I
評価指標1:
正解率[%]={(A:ソーラーパネル有り正判別+E:ソーラーパネル無し正判別)/I:合計}×100
評価指標2:
抽出精度[%]=(A:ソーラーパネル有り正判別)/(G:ソーラーパネル有り合計)×100
- 2-41 -
c) 精度評価結果
精度評価の対象地域として、図 2.15 に示す 4 つの区を選定した。また、「服織西」は、山間地の評
価を行うため、2009 年 4 月 9 日(下図右)のデータと 2010 年 3 月 13 日(下図左)のデータの抽出結果
の比較を行うため、設定した。
由比
服織西
安倍
城南
図 2.15 精度評価の対象地域
- 2-42 -
ソーラーパネルを抽出した結果の精度評価を表 2.28~表 2.32 に示す。その結果、評価指標の値
が地域によって異なり、比較的市街地に位置する城南、由比、安倍の抽出精度が高いことが判る。
表 2.28, 表 2.31 の服織西について見てみると、時期により正解率と抽出精度にばらつきがあり、
2009 年 4 月 9 日に撮影されたデータの評価指標が良いことがわかった。
表 2.28 中分解能衛星データを利用した判別結果の精度(対象地域:服織西)
(使用データ:観測日 2009/4/9)
衛星データ
抽出結果
ソーラーパネル有り
ソーラーパネル無し
合計
正解率[%] =74.7
抽出精度[%]=20.0
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
11
318
44
1,412
55
1,730
合計
329
1,456
1,785
表 2.29 中分解能衛星データを利用した判別結果の精度(対象地域:城南)
(使用データ:観測日 2009/4/9)
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
衛星データ
ソーラーパネル有り
121
4,479
抽出結果
ソーラーパネル無し
206
10,587
合計
327
15,066
正解率[%] =69.6
抽出精度[%]=37.0
合計
4,600
10,793
15,393
表 2.30 中分解能衛星データを利用した判別結果の精度(対象地域:由比)
(使用データ:観測日 2009/4/9)
衛星データ
抽出結果
ソーラーパネル有り
ソーラーパネル無し
合計
正解率[%] =75.0
抽出精度[%]=36.4
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
67
1,444
117
4,624
184
6,068
合計
1,511
4,741
6,252
表 2.31 中分解能衛星データを利用した判別結果の精度(対象地域:服織西)
(使用データ:観測日 2010/3/13)
衛星データ
抽出結果
ソーラーパネル有り
ソーラーパネル無し
合計
正解率[%] =85.0
抽出精度[%]=12.7
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
7
299
48
1,431
55
1,730
合計
306
1,479
1,785
表 2.32 中分解能衛星データを利用した判別結果の精度(対象地域:安倍)
(使用データ:観測日 2010/3/13)
衛星データ
抽出結果
ソーラーパネル有り
ソーラーパネル無し
合計
正解率[%] =67.6
抽出精度[%]=37.2
精度評価用データ(航空写真)
ソーラ-パネル有り
ソーラーパネル無し
289
4,801
487
10,722
776
15,523
- 2-43 -
合計
5,090
11,209
16,299
d) 市域 31 地域を対象とした航空写真の目視判読と衛星データの抽出結果との比較
静岡市全域を 31 地域に区分した結果を表 2.33 に整理する。
衛星データによる抽出結果は、航空写真による目視判読と比べて、10 倍程度多くなっている。
目視判読のソーラーパネル設置率と衛星データのソーラーパネル設置率について、衛星データ抽
出結果の設置率を 10 分の1にして、示した結果を図 2.16 に示す。
表 2.33 市域 31 地域を対象とした航空写真の目視判読と衛星データの抽出結果
衛星データ抽出結果※1
目視判読(航空写真)
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
地域名
井川
梅ヶ島
大川
玉川
大河内
清沢
中 科
南藁科
服織西
美和
賊機北
賊機中
北沼上
両河内
庵原
小島
長田
東藁科
安倍
城内
城北
大里
城南
豊田
城東
有度
羽衣
興津
小島南
由比
蒲原
総建築物数
1,444
979
1,425
1,584
895
1,292
2,052
1,561
1,801
3,487
739
1,601
1,460
2,990
1,832
2,289
29,004
9,455
15,676
27,954
22,146
20,252
14,974
29,667
25,004
33,625
36,372
37,117
2,681
6,254
8,917
ソーラーパネル
ソーラーパネル
ソーラーパネル
ソーラーパネル
設置建築物数
設置率[%]
設置建築物数※1
設置率[%]
64
42
55
50
0
19
0
52
66
53
1,010
381
687
513
212
463
222
239
120
584
1,264
1,529
84
184
101
5.8
2.7
3.1
2.2
0.0
1.2
0.0
1.7
3.6
2.3
3.5
4.0
4.4
1.9
1.0
2.3
1.5
0.8
0.5
1.8
3.5
4.1
3.1
2.9
1.1
194
88
105
148
94
59
251
264
311
648
116
287
199
317
205
291
8,915
2,801
4,189
10,322
6,689
6,277
4,606
7,830
7,513
9,188
11,697
10,011
362
1,464
2,676
※1:No.1 と No.2 は、2010 年 3 月 13 日の衛星データを利用。No.3~31 は、2009 年 4 月 9 日の衛星データを利用。
- :No.1~6 は、航空写真データが未整備のため記載していない。
- 2-44 -
13.4
9.0
7.4
9.3
10.5
4.6
12.2
16.9
17.3
18.6
15.7
17.9
13.6
10.6
11.2
12.7
30.7
29.6
26.7
36.9
30.2
31.0
30.8
26.4
30.1
27.3
32.2
27.0
13.5
23.4
30.0
0
1
ソーラーパネルの設置率(%)
2
3
4
5
6
1 井川
2 梅ヶ島
3 大川
4 玉川
5 大河内
6 清沢
7中
科
8 南藁科
9 服織西
10 美和
11 賊機北
12 賊機中
13 北沼上
14 両河内
15 庵原
16 小島
17 長田
18 東藁科
19 安倍
20 城内
21 城北
22 大里
23 城南
24 豊田
25 城東
26 有度
27 羽衣
28 興津
29 小島南
目視判読(航空写真)
衛星データ抽出結果
30 由比
31 蒲原
※衛星データ抽出結果(赤)は、10%単位として図化している。
図 2.16 航空写真の目視判読結果と衛星データの抽出結果の比較
- 2-45 -
3) まとめ
衛星データを利用しソーラーパネルが設置している家屋を特定した結果、設置数については、目
視判読と比較して誤判別が多いことがわかった。
誤判別の要因としては、広域を対象とした場合、重複する領域においては撮影時期が異なるため
抽出評価が異なることや、山間部を対象に図 2.17 に示す航空写真と建築物のポリゴンが大きくずれ
る地域があることであることがわかった。
これらの地域では、目視判読では相対的な位置関係から、対応する建築物を特定することができる
が、衛星データを利用したソーラーパネルの抽出には利用できない。そのため、建築物のポリゴンデ
ータの精度向上についても必要である。
図 2.17 山間部の航空写真と建築物のポリゴンの位置ずれ
- 2-46 -
(4) 今後の課題と展望
高分解能衛星データにおいて、電子住宅地図データベースの「建物面」と衛星データ上の建築
物の位置との一致が進めば、精度向上について進むものと考えられる。
高分解能衛星データは最新のデータの整備状況により冬季のデータを使用した。そのため、太陽
高度が低く、屋根の向きの違いにより陰領域が生ずることで、精度が低下するケースが考えられる。
今後の検討においては、可能な限り夏季データを利用することが必要と考える。なお、夏季データ
が整備されていない場合は、衛星データの観測要求を行うことで、精度向上が期待できる。
中分解能衛星データについては、ソーラーパネルと類似した分光反射特性を示す土地被覆を抽
出する(影領域の抽出)、ソーラーパネルのサイズが小さいため中分解能データ(2.5m×2.5m)で
は特定できない事例が認められた。そのため、他帯域のデータ(近赤外線領域)の分光特性を加
味することで、精度向上が期待できる。
広域を対象とした場合、複数シーンで構成する場合があるが、各々のシーン毎にソーラーパネル
の教師データを取得する必要がある。そのため、重複する領域においては抽出評価が異なる結
果が生じる。
電子住宅地図の建築物のポリゴンの形状・位置が、特に山間部において航空写真の判読と合わ
ないケースが確認できた。そのため、建築物のポリゴンデータの精度向上についても必要である。
- 2-47 -
2.4 クリーンエネルギー活用設備導入意向調査
2.4.1 調査の概要
(1) 調査の目的・ねらい
本調査は、以下の事項を目的・ねらいとして実施した。
【導入意欲・意向】
将来におけるクリーンエネルギー設備の導入に関する市民や事業者の
意欲や意向を把握する。特に、重点区域設定に向け、地区ごとの意欲・
意向を把握する。
【導入状況】
既存の統計資料からは分からない現在のクリーンエネルギー設備の導
入状況を把握する。
【取組状況・取組意欲】
今後の成長・発展が期待される環境・エネルギー分野への市内事業者
の取組状況、取組意欲等を把握する。
【理解促進】
アンケートを通じ、クリーンエネルギー設備導入に関する各種支援施策
や補助制度、市の取組等の理解促進、周知を図る。
(2) 調査の対象及び抽出方法
調査対象は、上記の目的・ねらいを勘案し、以下のとおりとした。
区分
対象
抽出方法
市民
20 歳以上の市民
3,000 世帯
住民基本台帳に基づく無作為抽出を基本
地区別の配布数は、人口が少ない中山間地区の最低回収数(10~
20 程度)を考慮して設定
事業者
市内の事業者
400 社
「静岡県会社要覧データ」から「ビルに入居している事務所」を除い
たところに無作為で抽出
(3) 調査実施期間
2010 年 9 月 17 日~10 月 31 日
(4) 回収結果
区分
市民
事業者
調査対象者数
有効回収数
有効回収率
3,000 世帯
1,560 世帯
52.0%
400 社
237 社
59.3%
- 2-48 -
(5) 回答者等の属性
1)市民
回答者の家屋形態は、一戸建てが約 8 割、集合住宅が約 2 割であり、一戸建てに住む市民が多
い。
家屋所有の有無に関しては、持ち家に住む市民が約 79%、借家に住む市民が約 17%である。持ち
家に住む市民のクリーンエネルギー設備の導入意欲に注目する必要がある。
集合住宅
その他 不明
(アパート・
0.4% 3.2%
マンション等)
18.8%
不明
12.4%
都市部
22.2%
借家
17.1%
不明
4.0%
中山間部
65.4%
一戸建て
77.6%
<中山間部と都市部の区分>
「静岡市都市計画マスタープラン」、
「静岡市中山間地域総合振興計画」
で示されている地域と旧町の境目を
基準に、市内を 31 エリアに区分した。
そして左図のようにエリアを中山間部
と都市部に分けた。
アンケートに書かれた町名までの住
所情報を元に各エリアに回答者を割り
振り、地域別傾向の集計を行った。
地域区分
<凡例>
都市部
中 間部
- 2-49 -
持ち家
78.9%
2)事業者
回答事業者の業種は製造業、建設業といった第二次産業が多く、それらに卸売業、サービス業と
いった第三次産業が続く結果となった。事業規模を示す従業員数は 100 人未満の事業所が多く、中
小企業が多かった。事業所形態は事業所・営業所が最も多かった。
不明
2.5%
清水区
30.8%
その他
1.7% 不明
研究所
3.8%
0.4%
店舗
5.9%
葵区
37.1%
300人以上
事業所・営業所
5.5% 不明
63.3%
200人以上~300人未満
1.7%
3.4%
100人以上~200人未満
8.0%
工場・作業所
24.9%
50人以上~100人未満
19.4%
駿河区
29.5%
30人以上~50人未満
11.8%
有効回答者数に占める割合
10
20
0
27.8
製造業
建設業
18.1
11.4
卸売業
10.1
サービス業
8.4
小売業
4.2
情報通信業
運輸業
4.2
金融・保険業
1.7
不動産業
1.7
電気・ガス・熱供給・水道業
0.4
飲食業
0.4
7.2
その他
不明
40 (%)
30
4.2
- 2-50 -
30人未満
50.2%
2.4.2 アンケート調査結果の概要
以下に、市民・事業者向けアンケート調査結果の概要を示す。各設問の詳細分析は、巻末の参考
資料に示す。
(1) 市民向けアンケート調査結果の概要
≪市内のクリーンエネルギー設備の認知度≫
・
半数以上の市民が風電君のことを知っていた。[問 1]
≪クリーンエネルギー設備の導入促進施策≫
・
太陽光発電の余剰電力買取制度の認知度は高かった。[問 2]
・
静岡市たてものまるごと省エネ化促進事業補助金制度に対しては、補助金額の増や、制度、
対象機器等に関する具体的な説明を求める声が多かった。[問 3]
≪クリーンエネルギー設備の導入状況、導入意欲、意向≫
・
クリーンエネルギー設備の導入状況、導入意向で回答の上位は太陽エネルギーが占めた。一
戸建てと集合住宅を比べた場合、太陽光発電、太陽熱利用等に導入実績があるのに対し、集
合住宅にはクリーンエネルギー設備の導入実績はほとんどない。しかし導入を検討していると
いう回答した割合は戸建てと集合住宅で大きな違いはなかった。[問 4]
・
クリーンエネルギー設備を導入する際に最も重視するのは初期投資額であった。[問 5]
・
クリーンエネルギー設備を導入した(する)理由として最も高かったのは光熱費の節約であった。
[問 6]
・
市民が許容できる投資回収年数は 20 年程度であった。[問 7]
・
クリーンエネルギー設備を導入して、施工や設置に問題がある場合もあった(約 3 割)。[問 8]
・
初期投資額の大きさがクリーンエネルギー設備導入の主な障害となっていた。特に中山間部
の市民がそれを挙げている。[問 9]
≪クリーンエネルギーに関する情報提供≫
・
クリーンエネルギーに関して市民が知りたい情報は、設置費用や節約効果の情報、優遇措置
の情報などであった。[問 10]
≪クリーンエネルギーの普及方策≫
・
公共部門におけるクリーンエネルギー設備の率先導入を求める声が多かった。[問 11]
≪市民の参加・連携によるクリーンエネルギーの普及≫
・
市民共同発電、国内クレジット制度、中小水力、BDFの取り組みに関して半数以上の市民が
関心を示していた。これらの取り組みに関して、中山間部よりも都市部の市民の方が関心が高
い傾向にあった。[問 12~15]
- 2-51 -
(2) 事業者向けアンケート調査結果の概要
≪クリーンエネルギー設備の導入促進施策≫
・
太陽光発電の余剰電力買取制度の認知度は高かった。[問 1]
・
静岡市たてものまるごと省エネ化促進事業補助金制度に対しては、補助金額の増や制度や対
象機器等に関する具体的な説明を求める声が多かった。[問 2]
≪クリーンエネルギー設備の導入状況、導入意欲、意向≫
・
クリーンエネルギー設備の導入状況、導入意向で回答の上位は太陽エネルギー関連の設備
が占めた。事業規模別で見ると、事業規模が大きくなるほど各エネルギーに対する導入状況や
導入意向に差が出る傾向にあり、事業が大きくなるほどエネルギーを戦略的に選択しているこ
とが伺えた。事業所形態別で見た場合、事業所・営業所、工場・作業所、店舗いずれの場合も、
導入を検討中と回答した割合が高かったエネルギーは太陽光であった。[問 3]
・
クリーンエネルギー設備を導入する際に最も重視するのはエネルギー使用量の削減効果であ
った。事業規模別で見ると、従業員数 100 人未満の事業者は初期投資額を最も重視していた。
[問 4]
・
クリーンエネルギー設備を導入した(する)理由として最も高かったのは環境への配慮、CSRの
ためでありその次が光熱費の節約であった。[問 5]
・
許容できる投資回収年数は 6~10 年が回答の 6 割以上を占めた。[問 6]
・
既に設備を導入している事業者において、発電量や設備費用の投資回収年数に関しては、期
待通りでない場合もあった。[問 7]
・
初期投資額の大きさがクリーンエネルギー設備導入の主な障害となっていた。事業規模別で
見た場合でも、事業規模の大小に関わらず、初期投資の大きさをクリーンエネルギー設備を導
入する予定が無い理由として挙げる事業所が多かった。[問 8]
≪クリーンエネルギーに関する情報提供≫
・
クリーンエネルギーに関して事業者が知りたい情報は、設置費用や節約効果の情報、優遇措
置の情報などであった。[問 9]
≪クリーンエネルギーの普及方策≫
・
太陽光発電の様々な場所への設置が、クリーンエネルギー普及に有効であると考えている事
業者が多かった。[問 10]
≪環境・エネルギー分野の産業振興≫
・
既にクリーンエネルギーに関連した事業を行っている事業所は 1 割程度であった。[問 11]
≪市民・』事業者の参加・連携によるクリーンエネルギーの普及≫
・
市民共同発電、国内クレジット制度、中小水力、BDFの取り組みに関しては、市民に比べ関心
がやや劣っていた。[問 12~14]
- 2-52 -
第3章 各調査結果の地図データ化
3.1 地図データ化の基本的な考え方
3.1.1 作成の目的・ねらい
現況調査結果の地図データ化は、クリーンエネルギーに関する現況を地域別に「見える化」する
ことで、市民や事業者の関心を喚起し、導入に向けた実践的・自発的な取組を促すきっかけとする
ことを目的として行った。
3.1.2 想定する活用方法
算定ファイルの活用方法として以下を想定した。
・
静岡市ウェブサイト上で公開
・
パンフレット等作成時の素材
3.1.3 基本的な視点
前項の想定より、地図のデータ化における基本的な視点を表 3.1 に整理した。
表 3.1 地図のデータ化の視点
視点
データの操作性
考え方
必要なデータのみ編集できるよう、素材別にデータが分かれ
ているか。
見やすさ・わかりやすさ
見やすいマップ、レイアウトになっているか。
聞きなれない用語の説明をしているか。
更新時の容易性
ある程度の基礎的スキルを持った人物により、体裁などが変
更できるようなデータ形式を用いているか。
- 3-1 -
3.2 地図データの作成
3.2.1 基本構成
基本構成のツリーは図 3.1 のとおりであり、利用可能量と導入施設の2つで構成する。
a) トップページ
クリーンエネルギー利用可能量とクリーンエネルギー導入施設のどちらかを選択する。また、
今後全てに共通する市内の 31 エリア区分の図を表示し、エリア区分の必要性、方法について説
明する。(図 3.2)
b) クリーンエネルギー利用可能量
イラストから各エネルギー種を選択する。また、初めてウェブサイトを訪れた市民が疑問に感じ
る点、利用可能量の定義、その必要性、算定方法及びその考え方を説明する。(図 3.3)
c) 各エネルギーマップ
31 エリアのマップ上で、エネルギー利用可能量の大小を色分けで示している。また、エネルギ
ー種の概要と導入のメリットを説明するとともに、市民や事業者のクリーンエネルギーへの関心を
喚起するよう、市内での設置を想定した利用可能量の分布状況について述べる。(図 3.4~図
3.6)
d) クリーンエネルギー導入施設
広域マップから都市部外の導入施設を選択できる。また、都市部の拡大マップ及び導入施設
リストにリンクする。(図 3.7)
e) 都市部拡大マップ
都市部の導入施設を選択できる。また、導入施設リストにリンクする。(図 3.8)
f)
導入施設リスト
リストから各導入施設を選択できる。(表 3.2)
g) 各導入施設データ
クリーンエネルギー導入施設のデータを示している。表示項目としては、名称、所在地、設置
年および発電量などの基礎的な項目と、市民や事業者のクリーンエネルギーへの関心を喚起す
るよう、導入施設の特徴を記載している。(図 3.9,図 3.10)
3.2.2 地図データの作成
クリーンエネルギー利用可能量マップは、エリア内の統計データ及びGIS等の空間データ解析
結果を、GIS上で図化して作成した。クリーンエネルギー導入施設マップは、既存資料・既存文献
及び関係機関へのヒアリング等により把握した施設の地点を、GIS上で図化した。
なお、各マップの詳細については、資料編に示す。
- 3-2 -
a) トップページ
b) クリーンエネルギー
d) クリーンエネルギー
利 可能量
導 施設
c) 各エネルギーマップ
太陽光発電<建造物>
e) 都市部拡
マップ
太陽光発電<未利 地>
f) 導 施設
リスト
太陽熱利
発電
中 規模
g) 各導 施設データ
発電
質バイオマス発電・熱利
廃棄物系バイオマス発電・熱利
温度差熱利
図 3.1 基本構成のツリー
- 3-3 -
静岡市クリーンエネルギーマップ
N
クリーンエネルギー
利
可能量
クリーンエネルギー
導
施設
<31 のエリアについて>
各地域の特性を把握するために、市内を 31
エリアに区分しています。区分の内訳は、
「静岡市都市計画マスタープラン」、「静岡
市中 間地域総合振興計画」で されてい
る地域と旧町の境 を基準に、都市部が 12
地区、中 間部が 19 地区となります。
地域区分
<凡例>
都市部
中 間部
0
図 3.2 a) トップページ
- 3-4 -
5
10
15
20km
クリーンエネルギー利 可能量
クリーンエネルギーの種類
<利
▲太陽光発電<建物>
▲太陽光発電<低・未利
地>
利 可能量とは、地理的・社会的・技術的と
いった制約条件を考慮し、コストをかければ
利 できる 込みがあるクリーンエネルギー
の資源量の最 値です。
31 のエリアやエネルギー種ごとに利 可能
量を算定することで、どのエリアにどのエネ
ルギー種があるのかがわかります。これを活
かして、クリーンエネルギー導 の施策を展
開することができます。
<利
▲
▲太陽熱利
発電
利
規模
発電
▲
可能量の単位>
本サイトではエネルギーを GJ(ギガジュー
ル)という単位で表しています。
1GJ というエネルギー量を 近なものにおき
かえると、およそ 般家庭 60 世帯分のお
呂を沸かすことができます。
(浴槽に れる
の量を 200 として常温の 20℃を 40℃に
沸かすケースを想定)
<利
▲中
可能量とは>
可能量の基本的な考え
>
可能量= (1)原単位× (2)パラメータ
質バイオマス発電・熱利
(1)原単位
クリーンエネルギーを導 した場合、建物 1
棟や 1 導 地点、設置 積 1 ㎡といった単位
で得られるエネルギー量のことです。31 のエ
リアで共通の値が ります。
▲廃棄物系バイオマス発電・熱利
▲温度差熱利
(2)パラメータ
建物数や導 地点数、設置 積など 31 のエ
リアごとに個別の値が ります。
図 3.3 b) クリーンエネルギー利用可能量
- 3-5 -
太陽熱利
N
<太陽熱利 とは>
太陽の熱エネルギーを屋根の上などに置いた集
熱器で集めて、給湯や冷暖房に利 します。
<導 のメリットは>
① システムが単純なため、特別な知識がなくと
も利 できます。
② シンプルなものから 度利 タイプまで、利
状況に合ったタイプを選べます。
③ 建物の壁 に設置することもできます。
<静岡市内では>
住宅や公共施設などの建築物への設置が想定さ
や 28.興津といった都市部にエ
れるため、27.
ネルギーが集中しています。
エネルギー量[GJ]
<凡例>
0
1,000
1,000
15,000
15,000
30,000
30,000
45,000
45,000
0
5
図 3.4 c) 各エネルギーマップ<太陽熱利用>
- 3-6 -
10
15
20km
発電
N
<
発電とは>
の で
を回し、その回転運動を発電機に伝
えて電気を起こします。
<導 のメリットは>
① クリーンエネルギーの中では 較的発電コス
トが低い特徴があります。
②
さえあれば昼間だけでなく、夜間も発電す
ることができます。
③
の持つエネルギーの約40%を利 でき、
較的変換効率が いとされています。
<静岡市内では>
況に恵まれた 1.井川、6.清沢や 17.
といった
中 間地域や海岸沿いへの設置が考えられます。
設置可能エリアの
速[m/s]
<凡例>
6.5
5.5
6.5
エネルギー量[GJ]
<凡例>
1,000
100,000
200,000
300,000
0
1,000
100,000
200,000
300,000
0
図 3.5 c) 各エネルギーマップ<風力発電利用>
- 3-7 -
5
10
15
20km
廃棄物系バイオマス発電・熱利
N
<バイオマス燃料製造とは>
物資源(バイオマス)を加 し、さまざまな燃
料にして利 します。
<導 のメリットは>
① 従来はあまり利 していなかった資源を、よ
り有効活 できます。
② 変換技術の進歩により、資源は直接燃焼させ
るだけでなく、ガス化や燃料化が可能になっ
ています。
③ バイオエタノール、BDF燃料などバイオマ
スを原料とする
の燃料となります。
<静岡市内では>
主な廃棄物系バイオマスとして、可燃ごみや製材
所 くずなどがあります。特に、可燃ごみは清掃
場がある 19.安倍や 25.城東といった地域での利
が考えられます。
エネルギー量[GJ]
<凡例>
発電利 の場合
0
2,000
2,000
10,000
10,000 100,000
100,000 250,000
250,000
熱利 の場合
0
15,000
15,000
50,000
50,000 500,000
500,000 1,500,000
1,500,000
沼上清掃 場
新 ヶ 清掃 場
0
5
10
図 3.6 c) 各エネルギーマップ<廃棄物系バイオマス発電・熱利用>
- 3-8 -
15
20km
クリーンエネルギー導
施設
N
導 施設
リスト
都市部
マップ
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
廃棄物発電
木質バイオマス発電
コージェネレーション
中小規模水力発電
0
図 3.7 d) クリーンエネルギー導入施設
- 3-9 -
5
10
15
20km
クリーンエネルギー導 施設マップ<都市部>
清 駅
東静岡駅
静岡駅
都市部拡
N
導 施設
リスト
図 3.8 e) 都市部拡大マップ
- 3-10 -
マップ
太陽光発電
太陽熱利用
風力発電
廃棄物発電
木質バイオマス発電
コージェネレーション
中小規模水力発電
クリーンエネルギー導 施設リスト
表 3.2 f) 導入施設リスト
クリーン
エネルギー
太陽光発電
設置・
導 年度
H10
発電
廃棄物発電
質バイオ
マス発電
コージェネ
レーション
中 規模
発電
施設等
H14
H15
H16
H17
H17
H17
H17
H18
H18
H18
H18
H18
H18
H19
H19
H19
H19
H19
H21
H21
H21
H21
H21
H22
H22
H22
H22
H22
H22
H22
H22
H22
県営住宅柳新 団地
学校法 静岡 動 学園
静岡 科専 学校
北部図書館・市教育センター
島配 場
松林 業薬品(株)松林ビル
学校法 城南静岡 等学校屋上
バンダイホビーセンター
学校法
機幼稚園
屋浄 場 運転管理棟
都商事(株)
(株)ミサワホーム静岡 本社社屋
鈴与商事(株)鈴与静岡ビル
しずてつストア御 台店
学習展 施設「森の恵」
静岡市 葵 学校
マックスバリュ静岡新伝 店
(株)ニッケ コー
静岡県庁本館屋上
静岡市 清 庵原 学校
静岡市 番町 学校
部 涯学習センター
津浄 場
静岡市 城北 学校
静岡市 美和 学校
静岡市 安
学校
袖師 涯学習交流館
静岡市 賤機北 学校
静岡市 安倍
学校
静岡市 服織 学校
静岡市 清 有度第
学校
静岡市 豊 中学校
静岡市
松中学校
静岡市 南中学校
静岡県 美術館
S58
静岡市役所清 庁舎
S61
静岡市役所静岡庁舎
H20
H15
H7
H21
宗教法
光教駿府教会
発電施設「 電君」
沼上清掃 場
ヶ 清掃 場
静岡製材協働組合
質バイオマス発電所
静岡県コンベンションアーツセンター
(グランシップ)
静岡市 清 病院
静岡
字病院
静岡市健康 化交流館「来てこ」
エスパティオ
川発電所(中部電 )
清沢発電所(中部電 )
東河内発電所(中部電 )
H11
太陽熱利
導
H16
H10
H13
H14
H15
H15
T9
S3
H13
- 3-11 -
規模等
地区
4kW
21.城北
30kW
25.城東
20kW
10kW
20kW
20kW
70kW
17kW
10kW
20kW
30kW
10kW
10kW
3kW
20kW
40kW
10kW
10kW
20kW
20kW
20kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
10kW
30kW
20kW
20kW
20kW
20kW
192.6 ㎡
(2.006 ㎡×96 枚)
102.6 ㎡
(1.9 ㎡×54 枚)
23 ㎡
1,500kW
8,390kW
14,000kW
230kW
(発電端出 )
19.安倍
22.
22.
23.城南
25.城東
21.城北
12.賤機中
27.
17.
20.城内
26.有度
18.東藁科
20.城内
19.安倍
17.
20.城内
28.興津
20.城内
20.城内
28.興津
21.城北
19.安倍
20.城内
28.興津
11.賤機北
19.安倍
18.東藁科
26.有度
24.豊
23.城南
23.城南
24.豊
27.
20.城内
20.城内
22.
19.安倍
25.城東
18.東藁科
750kW
24.豊
990kW
900kW
9.8kW
150kW
250kW
500kW
170kW
27.
20.城内
24.豊
23.城南
3. 川
6.清沢
1.井川
クリーンエネルギー導 施設
<太陽光発電>
名称
北部図書館・市教育センター
所在地
設置年
発電量
静岡市葵区与 六丁 17 番 10 号
平成 15 年 1
20kW
図書館は、館内の照度を確保するため、晴天時の 中におい
ても
照明を必要とするため、このシステムにより発電さ
れた電 はほぼ施設内で消費され、効率の良い電 消費がさ
れています。
特徴
図 3.9 g) 各導入施設データ(北部図書館・市教育センター)
クリーンエネルギー導 施設
<
発電>
名称
所在地
設置年
発電機
発電量
特徴
発電施設「
電君」
静岡市駿河区中島 1711 番地の 1
平成 16 年 2
定格出 :1,500kW
年間 256 万 kWh(推定)
般家庭約 700 軒が年間に使 する電 を発電します。
市街地に近く、東海道新幹線や東名 速道路など、市内の広
い範囲から ることができる環境のランドマークです。
市中島浄化センター敷地内にあり、同センターで使 する電
の約 10%を賄っているほか、平成 19 年度から電気の環境付
加価値を証書化して第三者に移転しています。
図 3.10 g) 各導入施設データ(風電君)
- 3-12 -
第4章 静岡市の特性を踏まえた
クリーンエネルギー導入の基本的な方向性
4.1 エネルギーの基本的特徴
エネルギーには基本的様態に基づく特徴の違いがある。クリーンエネルギーを導入し有効に活用す
るためには、エネルギーごとに異なる特徴に留意する必要がある。
エネルギーごとの基本的特徴及び活用方法を下表に示す。
表 4.1 エネルギーの基本的特徴
エネルギー様態
電気
基本的特徴
活用方法
・ ネットワークを利用することにより遠 ・ 熱源、動力源、機械制御等に幅広く
距離への搬送が比較的容易
活用(変換が容易)
・ 大量の保存は困難
・ ヒートポンプの活用により、効率的に
温熱/冷熱を得ることが出来る。
熱
・ 保存や搬送が難しい。
・ 太陽熱温水器などの他、住宅の省
エネ(断熱性向上等)と併せたパッ
シブ利用(機器を使うのではなく、窓
や屋根等の建築上の工夫により太
陽エネルギーを取り入れて利用する
こと)が行われる。
燃料
・ 保存は容易
・ エネルギー密度が高いことから、運
輸部門のエネルギー源として幅広く
(ガソリン、灯油、天然 ・ 搬送も容易。ただし重量、容積に応
活用
ガス、木質ペレット、
じたコストを要する。
バイオエタノール等) ・ 熱エネルギーに変換する際に燃焼 ・ 家庭や事業所では、大部分が加熱
(調理等)、給湯、暖房等に使用
するため、一般的に CO2 を排出す
る。
その他
(燃料電池)
・ 大量の長期保存は比較的難しい。 ・ 電気と給湯の需要がある家庭にて
導入され始めている。
・ 水素の酸化反応により、電気と熱を
同時に得ることが出来る。
- 4-1 -
4.2 静岡市におけるクリーンエネルギーの適用性
利用可能量等調査や市民・事業者アンケート調査、静岡市の自然的社会的特性及び各技術の最
新知見や技術開発動向等を踏まえ、本市におけるクリーンエネルギーの適用性を整理した。
適用性の整理に当たっては、下表に示す視点から各クリーンエネルギーについて評価を行った。
適用性の整理結果を次ページに示す。
表 4.2 静岡市におけるクリーンエネルギーの適用性の評価の視点
評価区分
評価の視点
地域との 賦存の状況
適合性
市民・事業者の意識
評価の考え方(概要)
・ 本市の自然的・社会的特性を踏まえ、クリーンエネルギ
ーの賦存の状況、偏在状況は。
・ 市民・事業者の導入に向けた意欲、意向はあるか。
(市民・事業者アンケート調査結果より)
上位計画での位置づけ ・ 市の上位計画での位置づけは。
【下記枠内参照】
技術水準
・ 基礎技術は確立しているか。他都市での導入事例が豊
富にあるか。
課題
・ 導入、普及拡大に際しての課題、留意すべき事項など
静岡市の上位計画におけるクリーンエネルギー導入促進の位置づけ
第2次静岡市総合計画(平成 22 年 3 月策定)では、政策の方針として「環境低負荷型都
市の建設」が、静岡市環境基本計画(平成 18 年 3 月策定)では、目標として「地球環境保
全への積極的参加」が掲げられている。
更に、「静岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」では、重点的に行う取り組みで
あるリーディングプロジェクトとして、「次世代エネルギー推進プロジェクト」を掲げ、太陽エ
ネルギーを中心とした新エネルギー設備の導入促進や、廃棄物のリサイクルエネルギー
利用の促進を示している。
- 4-2 -
■静岡市におけるクリーンエネルギーの適用性
クリーンエネルギー
地域との適合性
賦存の状況
太陽
太陽光発電 ・ 建築物への設置が基本になるため、建築物が多い都市部にポ ・
エネルギー
テンシャルがある。静岡駅周辺から清水駅周辺にかけての平
野部に利用可能量が多い。また耕作放棄地を設置場所として ・
想定する場合は、耕作放棄地がある地域のポテンシャルも見
・
込むことができる。
・ 電力として利用するエネルギー種の中では最も利用可能量が
多い。
市民・事業者の意識
技術水準
課題
太陽光発電の余剰電力買取制度の 実用段階であり、 ・
認知度は、市民、事業者ともに高い。 導入事例も多くあり ・
導入を検討している市民・事業者は、
・
全エネルギー種中最も高い。
市民・事業者が有効だと思っているク
リーンエネルギー普及策の中でも、太
陽光の取り組みは上位である。
エネルギー量は天候に左右され、夜間は発電不可
この解決策の 1 つとして、蓄電池を用いて昼間に発電し
た電力をためておき、夜間に利用するという方法あり
蓄電池が高コストであることが課題
太陽熱利用 ・ 建築物への設置が基本になるため、建築物が多い都市部にポ ・ 既に家庭で導入されている割合は、 実用段階であり、 ・ 太陽光発電と競合
テンシャルがある。静岡駅周辺から清水駅周辺にかけての平
全エネルギー種中最も高い。
導入事例も多くあり ・ 生産台数の減少により、コストが割高
・ 太陽熱利用に対する理解が、消費者や設計者等の間に
野部に利用可能量が多い。
定着していない
・ 水藻の発生や腐食対策、カルシウム分等の固化による詰
まり、沸騰防止等
風力
大規模風力 ・ 風況に恵まれた中山間地域に多くポテンシャルが存在する。 ・ 中島センターにある風電君の認知度 実用段階であり、 ・
ただし標高が高すぎる地域や国が指定する保全地域では開
は高い。
導入事例も多くあり ・
・
発ができない。井川、清沢、長田にポテンシャルがある。
・ 電力として利用するエネルギー種の中では太陽光発電に次ぐ
・
利用可能量を有する。
・
エネルギー量は天候に左右
設置候補地での詳細な風況精査必要(一般的に1年間)
風力発電の出力安定化や電力系統への影響に関する検
討が必要
国立・国定公園では設置規制
鳥類に与える影響(衝突による死傷:バードストライク)や
低周波音等、導入予定地周辺の環境への影響に対して
十分な調査が必要
・ 周辺住民の理解と協力が不可欠
小規模風力 ・ 住宅に設置すると仮定して算定を行っているため、住宅が多 ・
い都市部にポテンシャルがある。静岡駅周辺から清水駅周辺
にかけての平野部に利用可能量が多い。
・ 風況のよい地域であればより多く発電電力を得ることができる。
・ 基本的にあらゆる場所に設置することが可能であるため、設置
場所の対象を拡大すればさらなるポテンシャルを見込むことが
できる。
中小水力
市民アンケートに結果において、既 実用段階
に導入しているという回答がなく、導
入を検討しているという回答も 3%程度
に留まるなど、まだ理解が進んでいな
い。
・ 発電量あたりの費用が割高
・ 住宅地での導入に際しては、騒音等に配慮した風車タイ
プ・機種の導入が必要
・ 急峻な地形と一定規模の河川がある地域にポテンシャルが多 ・ 中小水力発電施設の設置に必要な 実用段階
く存在する。また砂防ダムや床固工などの落差を生じる構造物
資金について、約 17%の市民が寄付
が存在する河川でもポテンシャルが存在する。
してもよいと回答し、40%の市民が興
・ 安倍大谷川、小河内川、由比川、和瀬川、神沢川、堰沢川に
味・関心はあると回答している。
落差箇所が多く存在する。そのため、それらの河川の落差箇
所がある梅ヶ島(安倍大谷川)、小島(小河内川)、由比(由比
川、和瀬川)、蒲原(神沢川、堰沢川)にポテンシャルが多く存在
する。
・ 開発にあたっては道路からのアクセスが問題となる。また国が
指定する保全地域では開発ができない。そのため急峻な地形
と一定規模の河川があっても、人間活動のエリアを超えた場所
ではポテンシャルを見込むことができない。
・ 需要地との位置関係や景観への考慮
・ 河川を利用する場合には水利権の調整や許認可手続き
が複雑
・ 発電機の高効率化と低コスト化
・ 導入箇所の選定及び関係者間の調整に労力を要するこ
とが多く、不確定要素が多いため、具体的な場所を抽出
した上で更なる調査・検討を行う必要あり
- 4-3 -
クリーンエネルギー
地域との適合性
賦存の状況
市民・事業者の意識
技術水準
課題
木質
バイオマス
・ 林地残材が多く発生する中山間地域にポテンシャルが存在す ・ 市民アンケートの結果において、木 利用方法による
・ 資源の収集・運搬費用、残渣処理費用が必要
る。特に森林面積が多い井川、梅ヶ島、大川、玉川、大河内、
質ペレットストーブを既に導入してい が、燃焼利用の場 ・ 需要先を確保することが重要
両河内といった市内北部はポテンシャルが大きい。
るという回答はほとんどなく、導入を検 合は熟度が高い技 ・ 導入に際しては、資源回収・運搬、エネルギー変換・供
給、エネルギー需要の各段階での関係者が連携を取りな
討しているという回答も 4%程度に留ま 術
がら、事業性を確保できる仕組みを構築することが必要
るなど、まだ理解が進んでいない。
廃棄物系
バイオマス
・ 農業や畜産業が盛んな地域にポテンシャルが存在する。
・ 廃食用油の回収活動について、関心 利用方法による
・
・ 廃棄物を扱う施設(清掃工場、下水処理施設、し尿処理施設)
を示している市民は 8 割近くおり、参 が、メタン発酵は実 ・
がある地域にポテンシャルが存在する。
加しやすい仕組みを作ることで活動 用段階、エタノー
・ 既にリサイクルされていたり、エネルギー利用されている場合
の進展が期待できる。回収活動に関 ル発酵は実証段階 ・
が多い。
心を示している事業者は 3 割程度で
あった。関わり方は回収拠点となる場
所の提供よりも、廃食用油の提供を
選択した事業者が多かった。
・ 廃棄物エネルギーを既に導入してい
る事業者はなかった。導入を検討して
いる事業者は 3%程度存在する。
温泉熱利用
・ 温泉が湧き出る地域に多くポテンシャルが存在する。最も利用
可能量が多いのは梅ヶ島である。
・ 利用可能なエネルギー量は微小である。
温度差
熱利用
地中熱
利用
・ 住宅に設置すると仮定して算定を行っているため、住宅が多
い市街地にポテンシャルがある。
下水熱
利用
・ 下水処理施設がある地域にポテンシャルが存在する。
―
他用途(肥料化・飼料化等)と競合
消化液の有効利用の仕組みが重要で、廃水として処理
する場合、費用負担が必要
導入に際しては、資源回収・運搬、エネルギー変換・供
給、エネルギー需要の各段階での関係者が連携を取りな
がら、事業性を確保できる仕組みを構築することが必要
実用段階
-
・ 市民アンケートの結果において、既 実用段階
に導入しているという回答がほとんど
なく、導入を検討しているという回答も
4%程度に留まるなど、まだ理解が進
んでいない。
-
―
実用段階
-
- 4-4 -
4.3 静岡市の特性を踏まえたクリーンエネルギー導入の基本的な方向性
クリーンエネルギーの導入を検討するにあたっては、以下のような方向性が考えられる。
4.3.1 全体に共通する視点
(1) 広く一般に対するクリーンエネルギーの導入、普及啓発
○
全てのエリアや部門に共通したエネルギーにクリーンエネルギーの導入を図る
・照明や空調における太陽光発電の導入
・空調や給湯における太陽熱利用、地中熱利用 など
4.3.2 現状のエネルギー消費特性への着眼
(1) エネルギー消費量の大きい産業部門への対応
○ エネルギー消費量の大きい産業部門に対し、エネルギー消費量の縮減や CO2 排出量の
縮減のため、大規模なクリーンエネルギーの導入を図る
○ 産業部門の占める割合が大きいエリアにおいて、大規模なクリーンエネルギーの導入を
図る
・大規模太陽光発電
・風力発電(陸上、洋上)
(2) エネルギー消費量の大きい運輸部門への対応
○ エネルギー消費量の大きい運輸部門に対し、エネルギー消費量の縮減や CO2 排出量の
縮減のためにクリーンエネルギーの導入を図ることが望まれるが、交通、運輸手段を大規
模に転換することには限界がある。(なお、対応のためには、高効率設備(ハイブリッド自
動車、電気自動車)等の導入が基本となる。)
4.3.3 エネルギー利用可能量の分布量や位置特性への着眼
(1) エリアごとのエネルギー分布の偏りを活かす
○ 太陽光発電(大規模)、風力発電、小水力発電、木質バイオマス、廃棄物系バイオマスエ
ネルギーは、エリアごとにエネルギー分布が偏っているため、比較的大きなエネルギー量
が得られるエリアにおいて導入を図る
○ 特に、バイオマスエネルギーは保存が容易である反面、運輸にはコストが生じるため、比
較的小規模な地域範囲内での効率的活用を図る
・太陽光発電(大規模)
・風力発電
・中小水力発電
・木質バイオマス(竹、林地残材)
・廃棄物系バイオマス(農業残渣、畜産廃棄物、可燃ごみ、下水汚泥、し尿)
- 4-5 -
(2) エリアごとのエネルギーを効率的に活用する
○ バイオマスエネルギーは熱利用の効率が高いため、比較的小規模な地域範囲内での活
用や融通を図る(長距離への搬送は比較的不利)
○ バイオマスエネルギーは、エネルギー利用のほかにもマテリアル利用(肥料、堆肥、炭な
ど)が可能であり、高付加価値利用と地域内での資源循環に留意する
・木質バイオマス(竹、林地残材)
・廃棄物系バイオマス(農業残渣、畜産廃棄物、可燃ごみ、下水汚泥、し尿)
4.3.4 静岡市の地域特性(環境面、社会面等)への着眼
(1) 都市部のエネルギー消費特性や環境保全への対応
○ 「20.城内」は、静岡市内で最もエネルギー消費量が多く、特に電力の占める割合が高
いエリアであるが、この内訳はオフィス機器や空調に消費されているものと推察され、夏季
及び日中にピークが発生すると考えられる。
○ 上記のような消費特性に対し、日中の電力ピークを緩和するクリーンエネルギーの導入と
ともに、都市空間への排熱を抑制しヒートアイランド現象を緩和する
・太陽光発電
・地中熱ヒートポンプ
など
(2) 中山間地域の環境保全や社会的要請への対応
○ 山間部人工林の手入れによる森林保全、水源涵養、防災対策等への対応から、木質バ
イオマスの活用を促進する。
○ 中山間地域における集落の拠点や公共施設における防災性向上(災害時の独立性向
上)への対応から、独立したエネルギー源を確保するためのクリーンエネルギー導入を図
る
・太陽光発電
・小水力発電
・木質バイオマス(竹、林地残材)
- 4-6 -
第5章 導入重点区域の設定及びクリーンエネルギー
活用機器・技術導入のシミュレーション
5.1 重点区域設定の目的・ねらい
多様性に富む広大な市域の中で、地域ごとに異なる特性や課題、偏在するエネルギー資源等に応
じたクリーンエネルギーの導入技術やその活用可能性等を検証(シミュレーション)することを目的とし
て、今後の利用・普及拡大が期待されるエリアを対象としてクリーンエネルギーの導入重点区域を設
定した。
5.2 「静岡市クリーンエネルギー導入重点区域」の設定
上記に示すクリーンエネルギー導入重点区域設定の目的・ねらいを踏まえ、導入重点区域を設定し
た。また、本業務及び「緑の分権改革」の趣旨を踏まえ、区域ごとにクリーンエネルギーの普及に向け
た展開の方向性(シナリオ)を、簡潔に「導入テーマ」として設定した。
表 5.1 及び図 5.1 に設定した導入重点区域について示す。
表 5.1 導入重点区域の設定
クリーンエネルギー
導入重点区域設定の考え方
導入重点
区域
導入テーマ
(1)太陽光発電
(中規模)
未利用地(耕作放棄地)での利用可能量の 15.庵原
多い地域より設定
28.興津
耕作放棄地の有効活用
(2)太陽熱利用
一般的な戸建て住宅への設置を想定
国内クレジット制度の
家庭部門活用
(3)風力発電
(小規模)
法規制等で設置上の制約を受けない地域 17.長田
のうち、安定した風況が期待でき、住宅等が
隣接しておらず騒音・低周波や景観阻害等
の制約の少ない地域より設定
公共空間における
地域のランドマーク
(4)水力発電
(小規模)
地域特性を踏まえ、小規模水力発電の導入 5.大河内
で地域活性化が期待できる地域より設定
農産物のブランド化、
中山間地における
非常用電源の確保
(5)木質バイオマス
燃料の生産場所を考慮しつつ、木質バイオ 2.梅ヶ島
マス燃料の需要が期待できる地域より設定
エネルギーの地産地消
(6)廃棄物系バイオマス 利用可能量が多く、近隣でのエネルギー消 25.城東
(地域熱供給)
費を前提とした検討に適した地域より設定
ごみから生まれる
エネルギーを有効活用
(7)地中熱ヒートポンプ 1 再開発事業に合わせた区画単位での導入 20.城内
を想定した検討に適した地域より設定
クリーンエネルギーの導
入で、夏も快適クールな
街
(8)地中熱ヒートポンプ 2 一般的な戸建て住宅への設置を想定
郊外の戸建て住宅への
一般的導入イメージ
- 5-1 -
市域全体
市域全体
(5)木質バイオマス 〔2.梅ヶ島〕
テーマ:エネルギーの地産地消
(2)太陽熱利用 〔市域全体〕
テーマ:国内クレジット制度の家庭部門活用
(6)廃棄物系バイオマス (地域熱供給) 〔25.城東〕
テーマ:ごみから生まれるエネルギーを有効活用
(4)水力発電(小規模) 〔5.大河内〕
テーマ:農産物のブランド化、中山間地における非常用電源の確保
(8)地中熱ヒートポンプ2 〔市域全体〕
テーマ:郊外の戸建て住宅への一般的導入イメージ
(7)地中熱ヒートポンプ1 〔20.城内〕
テーマ:クリーンエネルギーの導入で、
夏も快適クールな街
(1)太陽光発電 (中規模) 〔15.庵原 28.興津〕
テーマ:耕作放棄地の有効活用
(3)風力発電(小規模) 〔17.長田〕
テーマ:公共空間における地域のランドマーク
図 5.1 導入重点区域の概要
- 5-2 -
5.3 導入重点区域におけるクリーンエネルギーの導入シミュレーション
5.3.1 シミュレーション結果の概要
クリーン
エネルギー
重点
導入
区域
費用
導入テーマ
(1)太陽光発電 15.庵原 耕作放棄地
28.興津 の有効活用
(中規模)
(2)太陽熱利用 市域
全体
主な実施条件
維持管理費用
収入
発電出力:367.2kW(単結晶太陽光パネ 450,654,500 円 1,965,000 円/年 売電収入
ル 180W×2,040 枚)
19,403,825 円/年
年間発電電力量:404,246kWh
国内クレジット ①強制循環型ソーラーシステム
制度の家庭
集熱器面積:3.82 ㎡
部門活用
貯湯量:200L、給湯量:300L/日
②全自動熱交換型ソーラーシステム
集熱器面積:4.00 ㎡
貯湯量 200L、給湯量:436L/日
(3)風力発電
(小規模)
17.長田 公共空間に プロペラ型風車
おける地域の 風車定格出力:1.1kW×4(@12.5m/s)
ランドマーク 年間平均風速:4m/s
年間発電電力量:2,592kWh
(風車 648kWh×4)
(4)水力発電
(小規模)
5.大河内 農産物のブラ ①開放型下掛け水車
ンド化、中山
発電出力:20kW
間地における 年間発電電力量:113,880kWh
非常用電源 ②開放型上掛け水車
の確保
発電出力:19kW
年間発電電力量:108,186kWh
【参考検討】ペルトン水車
発電出力:40kW
(有効落差 30m、使用水量 0.2t/s)
年間発電電力量:315,360kWh
(5)木質
バイオマス
初期費用
シミュレーション結果
2.梅ヶ島 エネルギーの 木質バイオマスボイラー(チップ)
地産地消
ボイラー出力:300kW
年間稼働時間:7300h/年
稼働率 45%
(6)廃棄物系 25.城東 ごみから生ま 清掃工場の排熱を活用し、流通センタ
れるエネルギ ーへ提供する地域熱供給
バイオマス
ーを有効活用 供給区域面積:250,000 ㎡
(地域熱供給)
IRR(内
部利益率)
郊外の戸建て 暖房能力:3.2kW
住宅への一 給湯能力:3.0kW
般的導入イメ 従来型システムとの比較による差額にて
ージ
試算。
IRR=8%とするために
とするために
191,613kg-CO2/年
①3,467 円/年 LPGとの比較による ①4.5%
②8,592 円/年 節約金額
②-0.5%
①55,560 円/年
②54,600 円/年
①11 年
②16 年
①555.6kg-CO2/年
②452kg-CO2/年
-29.0%
103 年
1,229kg-CO2/年
約 622 万円
約 600 万円
①43,374,450 円 ①②は同数値
節約分の電力料金 ① -0.1%
②54,529,000 円
520,000 円/年 (自家消費)
② -2.8%
①2,847,000 円/年
②2,704,650 円/年
①21 年
②28 年
①53,979kg-CO2/年
②51,280kg-CO2/年
①約 2,200 万円
②約 3,455 万円
①約 43 万円
②約 1,444 万円
7年
149,481kg-CO2/年
①563,700 円
②717,900 円
6,650,000 円
0 円/年 節約分の電力料金
(自家消費)
64,800 円/年
48,000,000 円 1,000,000 円/年 節約分の電力料金
(自家消費)
7,884,000 円/年
13.1%
69,500,000 円 1,671,726 円/年 重油削減費
6,910,000 円/年
4.3%
-
-
-
25,890,000 円
-
8,618,000 円
-
約 2.7 億円
投資回収年数=20 年
26 年
で、夏も快適 給湯能力:60.0kW
従来型システムとの比較による差額にて試算
クールな街
市域
(8)地中熱
ヒートポンプ 2 全体
CO2削減効果
-2.4%
14 年
288,103kg-CO2/年
約 1.0 億円
①約 11 万円 ※投資回収年数
②約 32 万円 =15 年で計算
①投資回収年数<15 年
②約 2.7 万円
-
-
約 1,800 万円
-
-
供給対象建築物の延べ床面積:
200,000 ㎡
20.城内 クリーンエネ 冷房能力:112.0kW
(7)地中熱
ルギーの導入 暖房能力:126.0kW
ヒートポンプ 1
投資
回収年数
〔参考〕初期費用低減額
個別熱供給の
場合に比べ、約
10%の省エネ効
果が期待
-
-
-
節約分の電力料金
933,543 円/年
-6.9%
28 年
18,181kg-CO2/年
約 2,600 万円
約 1,200 万円
節約分の電力料金
272,834 円/年
-8.1%
32 年
4,528kg-CO2/年
約 630 万円
約 460 万円
- 5-3 -
5.3.2 シミュレーション結果
(1) 太陽光発電(中規模)
【導入重点区域 : 15.庵原、28.庵原】
1) 導入重点区域の概要
重点導入区域は、低・未利用地の利用可能量が比較的多い 15.庵原、28.興津とした。
このエリアでは、県による大規模な農業基盤整備事業により、特産であるみかん栽培の良質な
樹園地とするなどの取組が行われている【写真①】。一方、このエリアには急傾斜ゆえに耕作放
棄地が多い山もあり、茶畑に隣接するかたちで耕作放棄地が点在している【写真②、③】
耕作放棄地を有する山の中で、南向き斜面があり日当たりが非常に良好な山もある。
【写真①】 静岡県による
大規模な樹園地整備
【写真②】 南向き斜面に広がる 【写真③】 茶畑に隣接して点在する
茶畑と点在する
耕作放棄地
耕作放棄地
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
耕作放棄地の有効活用を図り、市街地以外の地域での太陽光発電の普及を考える。発電規模
は中規模(住宅用以上メガ未満)を想定する。
容量が 10kW 以上の非住宅用太陽光については全量を買い取る方向性で国の政策が検討さ
れていることから、発電した全量を電力会社に売電することを想定する。
農地への適用に際しては様々な規制・制約があるが、静岡県が提案中の「ふじのくに太陽光発
電促進農業総合特区」で提案されている内容の適用を想定し、検討する。
「ふじのくに太陽光発電促進農業総合特区」の提案のうち、今回適用を想定している取組・事業
太陽光発電で発電した電力の 農地を使って太陽光発電を行う場合は、電力会社の買取価格を家
庭用太陽光発電の売電価格 48 円/kWh とする。
売電価格優遇措置
太陽電池パネルを設置する
農地の転用適用除外
太陽電池パネルを設置する農地は転用しないで、農地の地目で設
置できるような例外規定を設ける。
市町による農地の信託制度
企業・電力会社が太陽光発電の設置を目的に耕作放棄地等を借地
したい場合、市町は地権者の信託を受けて、地権者に代わって太陽
光発電を希望する企業等に農地を貸し付ける制度を創設する。
〔具体的なイメージ〕
「寄付型」の市民共同発電事業とする。
寄付の担い手となる市民は地元に限定せず、幅広く参加を呼びかける。
売電価格は 48 円/kWh と仮定する。
- 5-4 -
3) シミュレーションの実施条件
耕作放棄地を有する山の南側斜面に、太陽光パネルを設置することを想定する。
15.庵原、28.庵原における、耕作放棄地を持っている世帯の 1 世帯あたりの平均耕作放棄地面
積は約 5,000m2 であった。よって太陽光パネルの設置面積を 5,000m2 と設定する。
敷地形状は横 100m、高さ方向 50m の長方形とする。設置する斜面の傾斜角は 10°とする。
売電による収益性の向上をねらいとし、太陽光パネルは 1W あたりの価格が最も安価なシャー
プ製の製品を用いる。なおシャープはモジュールの国内シェア第一位である。
■結晶モジュール
高出力太陽電池モジュール、
単結晶 NU-180LW(公称最大出力 180W)
■パワーコンディショナ
JH-100KA1(屋外設置型、定格出力 100kW)
4) シミュレーションの実施
a)条件
出力
367.2kW(180W×2,040 枚)
耐用年数
20 年
売電価格
48 円/kWh
年間発電電力量
404,246kWh
b)IRR、投資回収年数
初期費用
機器設備費(モジュール、ケーブル、パワーコンディ
ショナ、架台、接続箱、集合箱など)
254,357,600 円
工事費(基礎工事、据付工事、配線工事など)
164,108,100 円
システム試験調整費
2,200,000 円
諸経費
29,988,800 円
合計
維持管理費用
450,654,500 円
パワーコンディショナの冷却ファン等交換
9,200,000 円(10 年に 1 回)
接続箱の避雷器交換
7,400,000 円(10 年に 1 回)
計測装置(パソコン)本体の交換
表示装置本体の交換
350,000 円(7 年に 1 回)
保守点検費
180,000 円(15,000 円/月)
※
年平均維持管理費用
収入
1,965,000 円/年
売電収入
IRR(算定方法は資料編 S-5-5 を参照
450,000 円(5 年に 1 回)
19,403,825 円
-2.4%
以降も同様)
投資回収年数(算定方法は資料編 S-5-6 を参照
以降も同様)
※年平均維持管理費用は、耐用年数内の維持管理費用の合計を耐用年数で割った値とした。【以降も同様】
例 ・接続箱の避電器交換は 10 年目と 20 年目に費用が発生
・表示装置本体の交換費用は、7 年目と 14 年目に費用が発生
- 5-5 -
26 年
〔特記事項〕
土地の造成工事は別途とする。
機器の搬入路は整備されているものとする。
受変電設備及び受変電設備(分電盤)の改造工事費は含まれていない。
各機器の工場立会い検査費用は含まれていない。
機器仕様は全てメーカー標準とする。
〔参考〕設置費の補助を行う場合
IRR=8%とするためには、約 2.7 億円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数を 20 年(市民アンケート結果より)とするためには、約 1.0 億円分の初期費用の低
減策が必要
c)CO2 削減効果
年間発電電力量
404,246kWh
電力の排出係数
0.474kg-CO2/kWh(中部電力 2009 年度排出係数)
CO2 削減効果
191,613kg-CO2
5) 考察及び導入に向けた課題
本シミュレーションでは、売電価格を非住宅用の 24 円/kWh ではなく、住宅用と同じ 48 円/kWh
(静岡県申請の総合特区の導入が前提)で行ったが、それでもIRR、投資回収年数ともに、主
体的な導入が期待できる水準(≒IRR>8%、投資回収年数<20 年)を下回った。
現時点では、売電だけの収入では経済性の点で大変厳しいため、各種補助金を活用するなど
して初期費用を低減していくことが必要である。
実際の耕作放棄地は区画の形状が複雑であったり、傾斜地だったり、地盤が脆弱だったりと、
パネル設置に際して条件の悪い土地であると想定できる。
実際の導入検討に際しては、上記の悪条件を勘案しつつ、以下に示すような効果を適切に評
価した上で、導入是非を検討すべきである。
-
耕作放棄地の解消、有効活用
-
太陽光発電関連産業の振興、地域への産業集積
-
農村・中山間地域における非常災害時の独立したエネルギー
-
太陽光発電の飛躍的拡大に向けたモデルエリアとしての価値
耕作放棄地の多くが中山間地域にあり、また新たに中規模の発電施設を設置することになるた
め、系統連系(送電網への接続)に要するコストにも留意する必要がある。
架台設置のために基礎の整備が必要になるが、農地としての復旧を考慮し、土地の改変を最
小化するため、なるべく簡易な装置の採用が望まれる。
現在、園芸施設の多くで冷暖房に電気が普及しているため、売電せず地域で消費する場合に
おいても、農業地域におけるクリーンエネルギーの地産地消モデルとして有効な取組である。
- 5-6 -
(2) 太陽熱利用 【導入重点区域 : 市域全体】
1) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
家庭への太陽熱温水器の普及を促す。
国内クレジット制度を活用することで、補助金以外の別の資金調達を行う。
家庭に国内クレジット制度に参加してもらうことで、制度の理解促進につなげる。
国内クレジット制度に寄付の仕組みを介在させ、市民に市の環境保全の取組に関わっていると
いう意識を持たせる。
〔具体的なイメージ〕
太陽熱温水器を今後設置する意向がある市民を募集し、太陽熱温水器によって削減できた分
の排出量をクレジット化して発行する。
複数の家庭の排出削減分をバンドリングし、一定規模のクレジットにしてから発行する、プログラ
ム型排出削減事業である。
クレジット売却で得られた収益は、市民に寄付してもらい地球温暖化対策事業の財源に充てる。
具体的には、静岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)のリーディングプロジェクトである
「次世代エネルギー推進プロジェクト」の運用資金に充てる。
この取組により、静岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)のリーディングプロジェクトで
ある「カーボン・オフセット推進プロジェクト」の推進につながる。
①発電量と売電量
(≒CO2 削減量)を
報告
排出削減共同実施者
太陽熱温水器
(=CO2削減)
④寄付
②クレジット
(排出権、取引
可能な CO2 削
減量)
③資金
大企業等
削減目標達成のた
めクレジットを購入
次世代エネルギー推進プロジェクトの運用資金
2) シミュレーションの実施条件
〔メーカー・機種〕
静岡市にゆかりのある矢崎総業株式会社の以下の 2 機種の太陽熱温水器を用いる。
①太陽電池付住宅用ソーラー
「ソーラーシャワーあつ太郎」
②全自動給湯器接続型ソーラーシステム
「エコソーラータイプⅡ」
形式:SP-W420
集熱器面積:3.82m2
貯湯量:200L
- 5-7 -
形式:ES-2220A
集熱器面積:4m2
貯湯量:200L
〔対象世帯数〕
静岡市内の持ち家戸建て住宅の世帯は 135,600 世帯(平成 20 年住宅土地統計調査)である。
アンケート結果より、戸建て住宅に住む市民のうち、太陽熱利用強制循環型ソーラーシステム
に関して「導入を検討中」と回答した市民が 5.3%であった。
よって対象世帯数を 135,600×0.053=7187≒7,200 世帯とした。
3) シミュレーションの実施
a)条件
あつ太郎
エコソーラーⅡ
2
集熱器面積
4.00m2
3.82m
貯湯量
200L
給湯量
300L/日
給湯温度
436 L/日
42℃
太陽熱利用量(集熱量)
7,613 MJ/年
耐用年数
7,272MJ/年
15 年
b)IRR、投資回収年数
あつ太郎
エコソーラーⅡ
3
費 用 、 収 入 を 算 燃料(LPG)単価
出 す る た め に 必 LPG 節約量
要なデータ
電力単価
600 円/m
92.6m3/年
91m3/年
25 円/kWh
消費電力
初期費用
維持管理費用
205kWh/年
本体価格
413,700 円
417,900 円
工事費
150,000 円
300,000 円
合計
563,700 円
717,900 円
熱媒・ボールタップ等
の交換
26,000 円(7 年に 1 回)
電気代
―
年平均維持管理費用
収入
LPG 分節約金額
5,125 円/年
3,467 円/年
8,592 円/年
55,560 円/年
54,600 円/年
4.5%
-0.5%
11 年
16 年
IRR
投資回収年数
〔参考〕設置補助を行う場合
<あつ太郎>
IRR=8%とするためには約 11 万円分の初期費用の低減策が必要
<エコソーラーⅡ>
IRR=8%とするためには約 32 万円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数=15 年(耐用年数)とするためには約 2.7 万円分の初期費用の低減策が必要
- 5-8 -
c)CO2 削減効果
あつ太郎
92.6m3/年
LPG 節約量
電力単価
CO2 削減量
91m3/年
6.00kg-CO2/m3
LPG の CO2 排出係数
消費電力
エコソーラーⅡ
25 円/kWh
―
205kWh/年
555.6kg-CO2/年
452kg-CO2/年
(LPG 分の削減量-電力の排出量)
7,200 世帯分の CO2 削減量
約 4,000t-CO2
約 3,254t-CO2
d)発生クレジット
あつ太郎
CO2 削減量
CO21 トンあたりのクレジット価格
エコソーラーⅡ
555.6kg-CO2/年
452kg-CO2/年
1,230 円(自主参加型排出量取引制度の第 1 期、第 2 期の平均)
クレジット売却収益
7,200 世帯分のクレジット売却収益
683 円
556 円
約 492 万円
約 400 万円
4) 考察及び導入に向けた課題
本シミュレーションではクレジット収益が寄付に回るため、太陽熱温水器を導入するうえでの市
民への金銭的なインセンティブがない。投資回収年数を短くしIRRの数値を上げるためには、ク
レジット収益を設置費補助の原資として還元させるなど、持続可能な経済的インセンティブの付
与も検討が必要である。
- 5-9 -
(3) 風力発電(小規模) 【導入重点区域 : 17.長田】
1) 導入重点区域の概要
駿河湾に面した海岸線を有し、市内でも風況に恵まれた地域である。
漁港に隣接したエリアに A 公園がある。公園内は散策や遊具等で多くの市民に利用されてい
る。
現在の A 公園の使用電力量は 108,517kWh/年(2009 年度)である。(街路灯などに使用)
【写真②】 A 公園内の様子(海岸沿い)
【写真①】 A 公園内の様子
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
法規制等で設置ができない地域(自然公園特別保護地区、保安林等)を除き、安定した風況が
期待できる場所へ導入する。
騒音・低周波や景観阻害などの問題回避にも配慮し、中小規模の風力発電施設を導入する。
〔具体的なイメージ〕
静岡市都市計画マスタープランの中で地域うるおい拠点として整備方針が示されている A 公園
に、小規模の風力発電施設を設置して公園のシンボルとする。
市民共同発電の「寄付型」で資金を調達する。出資者の名前を風力発電施設に記載する、愛
称を募集するなどの方法で市民に身近な存在を目指す。
発電した電力は公園内の街路灯等に用いる。
【写真③】 A 公園内の街路灯
- 5-10 -
3) シミュレーションの実施条件
A 公園に設置するにあたっては、海岸線に面していること、多くの来園者の注目を集めることな
どを考慮し、以下の点に着目して機器を選定する。
-
デザイン性
-
風向対応性
-
騒音・振動
上記の点を考慮し、次のタイプの風車を採用することとした。
エアドルフィンGTO(ゼファー株式会社製)
デザイン性:(財)日本産業デザイン振興会主催の 2005 年度グッドデザイン賞を受賞
風向対応性:軽量設計、「スウィングラダー・システム」という姿勢制御方式により、風向きの変化
への素早い対応を実現
騒音・振動:「サイレント・ディスラプター・ブレード」という、表面に数多くの細い溝をつけたブレ
ードにより、ノイズを大幅に低減
エアドルフィンシリーズは「2009 年度産学官連携功労者表彰 経済産業大臣賞」を受賞するなど、
対外的に高い評価を受けている。
本シミュレーションではエアドルフィンのパッケージシリーズの一つである「プラネット ファーム」を対
象とする。プラネット ファームはエアドルフィン GTO を 4 機で1セットとしたパッケージである。
- 5-11 -
4) シミュレーションの実施
a)条件
耐用年数
10 年
風車定格出力
1.1kW×4(@12.5m/s)
年間平均風速
4m/s(NEDO 局所風況マップより、A 公園の地上 30m の平均風速は 4~
5m/s であった。地上付近では風が弱まると考え 4m/s と設定した。)
年間発電電力量
2,592kWh(風車 648kWh×4)
b)IRR、投資回収年数
費用、収入を算出するために
必要なデータ
電力単価
25 円/kWh
初期費用
機器概算
3800,000 円
設置工事費
2000,000 円
搬入費
200,000 円
現場調整費
150,000 円
諸経費
500,000 円
合計
6650,000 円
維持管理費用
0 円(メンテナンスフリー)
収入
節約分電力料金(自家消費)
64,800 円/年
IRR
-29.0%
投資回収年数
103 年
〔参考〕設置補助を行う場合
IRR=8%とするためには約 622 万円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数=10 年(耐用年数)とするためには約 600 万円分の初期費用の低減策が必要
c)CO2 削減効果
年間発電電力量
2,592kWh
電力の排出係数
0.474kg-CO2/kWh(中部電力 2009 年度排出係数)
CO2 削減量
1,229kg-CO2/年
- 5-12 -
5) 考察及び導入に向けた課題
本シミュレーションでは、経済性を考慮し、より多くの発電が期待できるプロペラ型を採用した。
また 4 機で 1 セットとなるファームタイプを選び、より経済性を高めるようにした。しかしIRR、投資
回収年数ともに厳しい結果となった。
小型風力は発電量に比して価格が高い場合があるため、今後風車の普及が進み機器本体の
価格が下がることが必要である。また費用全体に占める機器本体以外の費用の割合も無視で
きないため、費用が安価になる設置適地を見つけることも重要である。
本シミュレーションでは、NEDO 局所風況マップより A 公園の地上 30m の平均風速が 4~5m/s
であったため、地上付近では風が弱まると考え 4m/s と設定した。平均風速 5m/s と仮定して試
算すると年間発電電力量は 5,044kWh(1,261kWh×4)となり、投資回収年数は 53 年まで改善し
た。このように少しでも平均風速が高い場所に設置することで、経済性が大きく向上する。
風況は局所的にも大きく変わるものであるため、高い精度で風況を調べるには現地調査が必要
である。現地調査によって海浜公園内で風速が強い地点を見つければ、経済性が大きく改善
する可能性がある。
初期費用が電力節約分に比して高額になっているが、機器本体価格や工事費、搬入費といっ
た費用はメーカーへのヒアリングによって得られた市場原理が働いていない値である。実際に
設置する際の投資回収年数およびIRRは、よりよい値を示す可能性が高い。
本検討で設定した規模では、公園で消費する電力の全てを賄うことはできず、風車を設置した
だけでは、経済性の面でも、啓発効果の面でもあまり意味をなさない。近隣の教育施設と連携
するなどし、体験的な環境教育プログラムに活用するなどの工夫が必要である。
- 5-13 -
(4) 水力発電(小規模) 【導入重点区域 : 5.大河内】
1) 導入重点区域の概要
中小規模水力発電の利用可能量が多い地域(5.大河内、16.小島、30.由比)の中で、特に地域特性
が顕著で中小規模水力発電の導入による地域活性化が期待できる 5.大河内のB地区を導入重点区
域と設定した。
5.大河内にあるB地区の概要を以下に示す。
〔5.大河内 B 地区〕
標高 600m の山間に展開する七十数戸の集落である。
渓流や茶畑、わさび田などの景観の美しさとともに、その景観を支える茶、わさびの生産などの
産業が健全であることが高く評価されている。(「第 1 回県景観賞」を受賞)
わさび栽培が江戸時代から生産が盛んである。またお茶も主要農作物であり、集落内に製茶工
場がある。
B 地区内を安倍川の支流が流れている。かつてその支流を用いて運転していた小水力発電所
の跡がある【写真④】。
【写真①】 急峻な山間に位置する B 地区
【写真②】 川沿いに広がるわさび田
【写真③】 「わさび栽培発祥の地」の石碑
【写真④】 発電所跡
- 5-14 -
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
年間を通じて一定の流量があり、かつ砂防ダム、堰などの落差がある箇所へ導入する。
中山間地域における集落の拠点や公共施設における防災性向上(災害時の独立性向上)へ
の対応から、独立したエネルギー源として設置する。
比較的急峻な地形の山腹付近に存在する水のエネルギーを活用する(ただし、河川の河道内
は増水や土砂災害のリスクが高いと考えられるため、砂防ダムの貯留水等の活用が望ましい)。
〔具体的なイメージ〕
川の落差箇所に中小水力発電施設を設置する。
B 地区ではわさびとお茶を栽培しているため、発電電力をビニールハウスや防霜ファン【写真
⑤】の稼働電力に充てる。
その他の電力の使用先として、公民館、農林産物加工販売施設【写真⑥】、製茶工場【写真⑦】
などの地域拠点施設を想定する。B 地区は中山間部に位置しているため、災害時でも発電でき
る非常用電源の役目を果たすようにする。
水力発電跡、新規に設置する中小水力発電施設を活用し、わさびとお茶を売りとする B 地区に、
水力発電の要素も加えブランド化する。
優れた景観の地、水力発電施設等の特徴を活かし、エコツーリズムを展開することが考えられ
る。
【写真⑤】 茶畑一面に点在する
防霜ファン
【写真⑥】 農林産物加工販売施設
【写真⑦】 製茶工場
- 5-15 -
3) シミュレーションの実施条件
B 地区は景観性に優れており、当地が醸す郷土景観との相性のあう水車として、一般的になじ
みのある開放型水車を用いる。
観賞用だけではなく電力用の機能ももたせることから、発電能力を重視し、機器は、開放型水
車の世界トップメーカーで、水車効率、システム完成度、実績等に優れているドイツのハイドロワ
ット社製の水車を用いる。ハイドロワット社は(財)新エネルギー財団の「平成 18 年度中小水力
技術に関する海外情報収集調査」の調査対象メーカーに選定されている。
市民共同発電による小水力発電の事例として知られる都留市家中川市民共同発電所「元気く
ん 1 号」「元気くん 2 号」はハイドロワット社製の水車である。今回のシミュレーションではこの水
車の性能や事業費等の情報を参考にシミュレーションを行うこととした。
元気くん 1 号の性能は最大発電能力が 20kW であるため、本シミュレーションでもこの規模の水
車を設置するものと仮定する。
B 地区は傾斜地であるため水車の適地は複数箇所あると考えられるが、本シミュレーションでは
水車を 1 基設置した場合の導入効果を算出する。
都留市家中川市民共同発電所 元気くん1号
開放型上掛け水車
初期費用(建設事業費):43,374,450 円
発電電力量:62,161kWh(平成 19 年度と平成 20 年度の平均)
耐用年数:20 年
都留市家中川市民共同発電所 元気くん 2 号
開放型上掛け水車
初期費用(建設事業費):54,529,000 円
発電電力量:118,402kWh
(設計当初の推定、実際はこの半分程度と推測される。)
耐用年数:20 年
- 5-16 -
4) シミュレーションの実施
a)条件
水車形式
開放型下掛け水車
最大出力
年間発電電力量
開放型上掛け水車
20kW
19kW
113,880kWh
108,186kWh
耐用年数
20 年
※元気くん 1 号、2 号の動力源となっている家中川とB地区河川とでは流況が異なることから、シミュレー
ションで用いる発電電力量は理論値とした。
b)IRR、投資回収年数
開放型下掛け水車
費用、収入を算 電力単価
出するために必
要なデータ
初期費用
維持管理費用
25 円/kWh
1,470,000 円
4,629,000 円※1
工事費等
(機械装置、土木工事(水路)等)
41,904,450 円
50,729,000 円※1
合計
43,374,450 円
54,529,000 円※1
設計・監理
グリスやオイル等のメンテナンス
500,000 円/年
100,000 円(5 年に 1 回)
ベルトドライブや
軸受けの手入れ・交換
収入
開放型上掛け水車
節約分電力料金(自家消費)
2,847,000 円/年
2,704,650 円/年
IRR
-0.1%
-2.8%
投資回収年数
21 年
28 年
※1 都留市資料より
〔参考〕設置補助を行う場合
<開放型下掛け水車>
IRR=8%とするためには約 2,200 万円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数=20 年(市民アンケート結果より)とするためには約 43 万円分の初期費用の低
減策が必要
<開放型上掛け水車>
IRR=8%とするためには約 3,455 万円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数=20 年(市民アンケート結果より)とするためには約 1,444 万円分の初期費用の
低減策が必要
- 5-17 -
〔参考〕元気くん 1 号、2 号の資金内訳
開放型下掛け水車
NEDO補助金
開放型上掛け水車
15,166,000 円
-
新エネルギー導入促進協議会補助金
-
28,627,000 円※1
グリーン電力基金助成金
-
3,800,000 円※1
起債(ミニ公募債)
17,000,000 円
23,600,000 円※1
一般財源
11,208,450 円
1,498,000 円※1
計
43,374,450 円
54,529,000 円※1
※1 都留市資料より
c)CO2 削減効果
開放型下掛け水車
年間発電電力量
電力の排出係数
CO2 削減量
開放型上掛け水車
108,186kWh
113,880kWh
0.474kg-CO2/kWh(中部電力 2009 年度排出係数)
53,979kg-CO2/年
51,280kg-CO2/年
5) 考察及び導入に向けた課題
中小水力発電は、工場で大量生産が可能な住宅用太陽光発電システム等と異なり、一般的に
導入場所の状況に応じた独自仕様の機器製造が必要となるため、初期費用が相当程度にか
かる。さらに維持管理費も必要となる。設備利用率が高まらず多くの発電が見込めない場合は、
経済性は厳しいものとなる。
シミュレーションの参考とした都留市の元気くん1号・2号では、各種補助金の活用や市民公募
債を募るなどして、市の一般財源の他にそれぞれ初期費用の 74%、97%の資金を得ている。実
際の導入検討に際しては、このように初期費用の資金を得る仕組み、あるいはブランド化等によ
る収益を維持管理費に還元していくような持続可能なインセンティブの仕組みが必要である。
本シミュレーションでは、わさびやお茶の栽培との視覚的な相乗効果を期待して開放型水車を
選定したが、発電効率を重視する場合は、発電効率を重視して開発された別の技術の選択が
必要である。
上記の発電効率に関する課題を踏まえ、参考検討として、主に高落差で流量が少ない発電所で
使われるペルトン水車を用いた場合のシミュレーション結果を次ページ以降に示す。
- 5-18 -
【参考検討】 ペルトン水車によるシミュレーションの実施
a)条件
水車形式
最大出力
ペルトン水車
40kW
有効落差:30.0m、使用水量 0.2t/s
年間発電電力量
315,360kWh
耐用年数
20 年
■ペルトン水車の概要
出典:マイクロ水力発電導入ガイドブック(H15.3 NEDO)
b)IRR、投資回収年数
ペルトン水車
費用、収入を算出する 電力単価
ために必要なデータ
初期費用
25 円/kWh
設計・監理
8,000,000 円
工事費(機械装置、土木工事(水路)等)
40,000,000 円
合計
48,000,000 円
維持管理費用
収入
1,000,000 円/年
節約分電力料金(自家消費)
IRR
7,884,000 円/年
13.1%
投資回収年数
7年
〔参考〕売電事業を行う場合
全量買い取り制度により売電事業を行う場合、電力単価は 20 円/kWh となる。この場合の経済性評
価を参考として以下に示す。
IRR=9.1%
投資回収年数=10 年
- 5-19 -
c)CO2 削減効果
ペルトン水車
年間発電電力量
電力の排出係数
315,360kWh
0.474kg-CO2/kWh(中部電力 2009 年度排出係数)
CO2 削減量
149,481kg-CO2/年
■考察及び導入に向けた課題
密閉型(管路型)水力発電の方式そのものは既に十分な実績があるため、特段の障害要因が
ない限り十分な採算性を見込むことができると考えられる。
採算性が悪化する要因としては以下が考えられるが、机上の検討には限界がある。今後、既往
実績の分析や実証調査などで確認することが望まれる。
<イニシャルコスト上昇の要因>
水利権許可取得およびそのための調査に大きな時間を要すること
河川の蛇行や道路との交差により管路延長が伸び、工事費が増加すること
<採算性悪化の要因>
渇水など気象条件により、水量の安定的確保が出来ず発電機の稼働率が低下すること
近隣の住宅等に対する騒音、振動等の環境影響により、発電機の稼働時間が制約されること
- 5-20 -
(5) 木質バイオマス 【導入重点区域 : 2.梅ヶ島】
1) 導入重点区域の概要
木質バイオマスのエネルギー利用にあたっては、木質バイオマス燃料の生産場所と供給先の両方
の立地条件を考慮する必要がある。本検討では、2.梅ヶ島近隣に設けた燃料化施設で生産した木質
バイオマス燃料を、2.梅ヶ島の温泉施設に設置したバイオマスボイラーで利用するという想定とした。
なお投資回収年数、IRR、CO2 削減効果等の算定は、バイオマスボイラーのみを対象として行う。
〔2.梅ヶ島〕
安倍川上流に位置する中山間地域である。
温泉地であり、温泉旅館が立ち並んでいる。
温泉街 A
温泉街 B
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
木質バイオマスは、林地残材が多く存在する森林地域に偏在している。木質バイオマスは保存
が比較的容易な反面、輸送コストがかかるため、比較的小規模な地域範囲内での活用が効率
的である。よって森林地域内での活用を考える。
山間部人工林の手入れによる森林保全、水源涵養、防災対策等への対応を考慮する。
中山間地域において豊富に存在する木質バイオマス資源を活用するため、燃料化施設および
バイオマスボイラーを導入する。
中山間地域での新たなビジネス創出等の視点も踏まえ、間伐材や剪定枝なども含めた資源を、
比較的保存や輸送の容易な薪やチップに加工することにより、バイオマス燃料として普及を図る。
〔具体的なイメージ〕
(燃料化施設)
既存の製材工場を活用し、森林組合等が中心となってチップや薪を販売する。
チップはバイオマスボイラー向けに販売する。
(バイオマスボイラー)
旅館、温泉施設等にバイオマスボイラーを導入する。
バイオマスボイラー導入によって削減できた分を国内クレジット制度のスキームで運用し、クレジ
ット売却収益を見込む。
排出削減事業者【=旅館、温泉施設】
①発電量と売電量
(≒CO2削減量)を報告
バイオマスボイラー
(=CO2削減)
大企業等
排出削減
共同実施者
③資金
- 5-21 -
②クレジット
(排出権、取引可
能な CO2 削減量)
削減目標達成のた
めクレジットを購入
3) シミュレーションの実施条件
旅館や温泉施設への導入に適した規模のバイオマスボイラーを導入する。
「温泉旅館に、木質チップを燃料とするバイオマスボイラーを導入する」という想定と合致する事
例として、「金山町地域新エネルギービジョン 木質バイオマス導入プロジェクトに係る詳細ビジ
ョン(本編)」(H19.2)に挙げられているホットハウスカムロへのバイオマスボイラー導入検討事例
を参考にした。
ホットハウスカムロは山形県金山町にある温浴施設である。この施設では重油ボイラーを使用して
おり、本シミュレーションも同様に重油ボイラーから木質バイオマスボイラーへの転換を想定した。
導入する木質バイオマスボイラーは、近年導入実績が多いメーカーの一つであるシュミット社
(スイス)の生チップボイラーを想定した。
木質バイオマスボイラーは既存システムと同規模のものを導入した場合、高額な導入設備費が
必要となること、また瞬間的な需要量の変動に対するレスポンスが遅いことなどから、ベース需要
を木質バイオマスボイラーで賄い、ピーク需要は既存の重油ボイラーとの併用で賄うこととした。
シュミット社 生チップボイラーのシステム
出典:株式会社トモエテクノホームページ
化石燃料と木質バイオマスによる
ハイブリッド型熱供給イメージ
4) シミュレーションの実施
a)条件
出力
300kW
年間稼働時間
7300h/年
稼働率(稼働時間中ボイラーが定格出力で運転している割合の平均)
45%
耐用年数
20 年
- 5-22 -
b)IRR、投資回収年数
費用、収入を
算出するために
必要なデータ
チップ必要量
289t/年
チップの低位発熱量(絶乾)
15.6GJ/t
チップの価格
2.5 円/kg
重油削減量
106,311L/年
重油価格
初期費用
65,000 円/kL(1.75 円/MJ)
チップボイラー本体
26,000,000 円
機器搬入・据付
2,000,000 円
機械室配管・煙突
4,000,000 円
二次側電気
2,000,000 円
保温工事
1,500,000 円
既設配管繋ぎ込み
6,000,000 円
試運転
500,000 円
バックアップ制御
500,000 円
諸経費
維持管理費用
機械室・サイロ建築費
20,000,000 円
合計
69,500,000 円
バイオマス燃料費
721,716 円
保守管理費
300,000 円
人件費
収入
7,000,000 円
0(既存ボイラー担当職員が兼務する
ことで追加費用が発生しないと想定)
ばい煙測定費
250,000 円
消耗部品費
400,000 円
年間費用合計
1,671,726 円
重油削減費
6,910,000 円
IRR
4.3%
投資回収年数
14 年
※値の多くは「金山町地域新エネルギービジョン 木質バイオマス導入プロジェクトに係る詳細ビジ
ョン(本編)」を参照した。チップ価格は全国木材チップ工業連合会HPの木材チップ市況におけ
る静岡市の値(平成 23 年 1 月)を、チップの低位発熱量はNEDO「バイオマス賦存量・利用可能
量の推計」の値を引用し、それらを元にチップ必要量やバイオマス燃料費を算出した。
〔参考〕設置補助を行う場合
IRR=8%とするためには、約 1,800 万円分の初期費用の低減策が必要
- 5-23 -
c)CO2 削減効果
重油削減量
106,311L/年
重油排出係数
2.71kg-CO2/l(温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル)
CO2 削減量
288,103 kg-CO2
d)発生クレジット
CO2 削減量
288.1 t-CO2
CO21 トンあたりのクレジット価格
1,230 円(自主参加型排出量取引制度の第 1、2 期の平均)
クレジット売却収益
354,367 円
5) 考察及び導入に向けた課題
バイオマスボイラーの経済性を確保した上で導入するには、燃料の運搬コスト等を考慮した一
定エリア内において燃料の需給バランスが取れていることが条件となる。
チップボイラーは高価であり、またボイラーの規模が大きくなるにつれて稼働率が下がる可能性
があるため、導入を検討する際は対象施設の熱需要の変動傾向を把握し、適切な規模のボイ
ラーを導入する必要がある。
本シミュレーションにおけるチップ価格は林地残材由来以外のものも含んだ上での価格であり、
林地残材の供給体制をいかに構築するかが課題である。
- 5-24 -
(6) 廃棄物系バイオマス(地域熱供給) 【導入重点区域 : 25.城東】
1) 導入重点区域の概要
利用可能量調査の結果、25.城東地区にある清掃工場
において廃棄物系バイオマスエネルギーが比較的多く
得られると推測された。
この清掃工場を起点とした数百メートルの範囲内に流
通施設の集積(流通センター)があり、比較的まとまった
量のエネルギー消費が考えられるため、一体的な検討
を行うこととした。
25.城東地区に立地する清掃工場
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
清掃工場(ごみ焼却場)においては廃棄物を焼
却処理し、その際に発生する熱を利用して発電
している。
この検討ではその熱をさらに活用し、地域社会
の活力向上に役立てることが考えられる。
〔具体的なイメージ〕
廃棄物焼却熱を利用し、暖房や給湯の熱源とす
る。また、吸収冷凍機等を活用することにより冷
熱源とすることも可能である。
流通センターの施設を全面的に改修(リニュー
アル)すると想定し、熱供給設備を導入して地域
熱供給を実施する。
出典:「地域冷暖房事例集」
社団法人 日本熱供給事業協会
3) シミュレーションの実施条件
〔現状の流通センターの概要〕
設立年月日:昭和 44 年 7 月 4 日
敷地面積:233,233 ㎡
-共同施設用地:58,453 ㎡
-4道路:2,456 ㎡
-1組合員用地:32,324 ㎡
〔本検討における仮説的条件:流通センターのリニューアル〕
将来の施設リニューアルに際して、清掃工場の排熱を活用した地域熱供給設備を新規導入す
ることを想定する。供給の対象は、空調(冷暖房)、給湯とする。
供給区域面積:250,000 ㎡
供給対象建築物の延べ床面積:200,000 ㎡
清掃工場より流通センターまでの約 500m の間に熱供給管路を敷設する。
- 5-25 -
4) シミュレーションの実施
a)省エネルギー効果
地域熱供給を導入すると、一般に約 10%の省エネ効果が得られるとされる。
今回の検討では廃棄物焼却に由来する未利用エネルギーが活用できること、最新の技術を導
入できることから、おおむね 14~20%の省エネルギー効果が得られるものと推測する。
b)経済性
導入整備時に公的補助金を有効に活用することにより、経済性が向上する。
5) 考察及び導入に向けた課題
地域熱供給は、設備やシステム構成が非常に大規模、かつ複雑であるため、試算の精度向上
に大きな労力を要するという課題がある。実際の導入にあたっては設備やシステム構成を具体
的に立案した上で試算する必要がある。
今回の対象地は、供給区域面積に比較して延べ床面積(供給対象空間)が小さいため、地域
熱供給の中でも効率が低い部類に属すると考えられる。(逆に、都心部など、高層・高密な場
合は比較的高率が高くなる傾向にある。)
生活、業務に使用する熱としては制御の容易な品質の高いものが必要となるが、ビニルハウス
農業への提供などの場合は高い精度が求められないと考えられるため、活用を促進することが
可能と考えられる。
清掃工場近くのビニルハウス
- 5-26 -
(7) 地中熱ヒートポンプ 【導入重点区域 : 20.城内】
1) 導入重点区域の概要
静岡市中心部の 20.城内地区の一部を再開発する構想がある。
建築物及び設備等のリニューアルに際し、地中熱ヒートポンプを活用した省エネ施設を整備する。
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
最近の空調機器の多くは空気ヒートポンプシステムを採用しており、高効率を達成しつつある。
しかし、特に夏季は熱を外気に放出するため、都市空間に熱が滞留する「ヒートアイランド現象」
の一因ともなる。このため、熱を外気に放出しない地中熱ヒートポンプを導入し、夏も快適なクー
ルなまちづくりの可能性を検討する。
〔具体的なイメージ〕
再開発地区における1区画(敷地面積 1,000 ㎡)を対象とし、そこに建設される商業施設の空調、
給湯設備に地中熱ヒートポンプシステムを導入する。
3) シミュレーションの実施条件
〔対象施設〕
敷地面積:1,000 ㎡
建築面積:800 ㎡
延べ床面積:4,800 ㎡(地上 5 階、地下 1 階、各階 800 ㎡)
用途:1 階=業務施設(飲食店、美容院等)、2~5 階=事務所施設
導入範囲:1 階の業務施設にのみ、地中熱ヒートポンプを導入する。
建築物の断熱性、気密性は理想状態に近い高レベルが保たれるものと仮定。ただし、業務施
設であり人の出入りが多いため、効率は下がるものと想定。
ヒートポンプの活用方法:
○対象:1階の業務施設 800 ㎡(飲食店、美容院等)のみを対象とする
①冷房:6~9 月(4 ヶ月間)
②暖房:11~3 月(5 ヶ月間)
③給湯:通年 3t/日
- 5-27 -
〔静岡市の気象条件〕
■静岡の平年値
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月 年
平均気温
6.6
7.0
10.0
14.8
18.6
21.9
25.5
26.8
23.8
18.7
13.8
8.8
16.3
最高気温 11.4
11.7
14.5
19.2
22.9
25.6
29.2
30.6
27.5
22.9
18.4
13.8
20.6
最低気温
1.6
2.1
5.4
10.4
14.4
18.7
22.4
23.5
20.4
14.7
9.2
3.7
12.2
暖房稼動期間
冷房稼動期間
暖房稼動期間
暖房稼働時間
暖房稼働時間
冷房稼働時間
4) シミュレーションの実施
a)条件
従来型システム(空冷ビル用マルチシステム+ボイラー)と、地中熱ヒートポンプを導入した場合
の費用及び効果を比較し、その差によりシミュレーション結果を判断する。
従来システム
設備概要
地中熱 HP システム
冷房能力:56.0kW
暖房能力:63.0kW
冷房能力:56.0kW
×2機
×2機
暖房能力:63.0kW
給湯能ボイラー
給湯能力:60.0kW
排熱回収冷房:53.3kW
×1 機
排熱回収給湯:73.8kW
昇温HP:19.3kW ×1機
耐用年数
法定耐用年数 15 年
試 算 に お け る ・新築工事のため、設備設計費用等は同等とする。
仮定
・熱源以外の設備システムは同様、同等とする。(比較に含めない)
・電気料金、都市ガス料金はそれぞれ業務用契約とする。(料金等の条件は別紙参照)
・機械設備の維持管理費は同等にかかるものと想定する。
b)IRR、投資回収年数等
従来システム
初期費用
ランニングコスト
地中熱HPシステム
差額
9,750,000 円
35,640,000 円
25,890,000 円
1,974,303 円/年
1,040,761 円/年
933,543 円/年
IRR
-6.9%
投資回収年数
28 年
※小数第一位を四捨五入しているため、一の位の計算が合わない箇所がある。
- 5-28 -
〔参考〕設置費の補助を行う場合
IRR=8%とするためには、約 2,600 万円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数を 15 年とするためには、約 1,200 万円分の初期費用の低減策が必要
c)CO2 削減効果
従来システム
CO2 発生量
地中熱HPシステム
差(削減分)
電気分
35,117kg-CO2/年
24,882kg-CO2/年
-
ガス分
7,946kg-CO2/年
-
-
43,064kg-CO2/年
24,882kg-CO2/年
18,181kg-CO2/年
合計
CO2 削減効果
18,181kg-CO2/年
※小数第一位を四捨五入しているため、一の位の計算が合わない箇所がある。
d)環境負荷軽減効果:都市空間への排熱
夏季の冷房が屋外の都市空間に排出する熱を環境への負荷として試算する。
従来システム
一日あたり排熱量
地中熱HPシステム
768kcal
排熱削減効果
差(削減分)
0kcal
768kcal
768kcal/日 (896kWh/日)
※最大で、15 畳(約 25 ㎡)用の石油ファンヒーター×15 台を同時に燃焼させる
熱量に相当
5) 考察及び導入に向けた課題
地中熱ヒートポンプは、イニシャルコストは高価であるが、二酸化炭素排出量の削減には大きな
効果があると認められる。
ただし、変換できる熱量は地中熱交換器の本数、すなわち建築面積(場合によっては敷地面
積)に依存するため、敷地面積に比較して延べ床面積が大きかったり、エネルギー消費量が大
きかったりする場合には対応できない可能性が高い。
本検討においても、建築面積 800 ㎡に対し、地中熱ヒートポンプで無理なく賄えると想定される
床面積は 2,000 ㎡程度と想定されたため、全階への導入は行わないこととしている。
- 5-29 -
(8) 地中熱ヒートポンプ
【導入重点区域 : 市域全体】
1) 導入重点区域の概要
静岡市の気象条件等を踏まえ、一般的な戸建て住宅における導入をシミュレーションする。
暖房や給湯の燃料として、灯油やプロパンガスの使用割合が高い中山間地域での導入を想定する。
2) クリーンエネルギーの導入・展開イメージ
〔方向性〕
戸建て住宅を新築する際に地中熱ヒートポンプシステムを導入し、省エネ化を図る。
特に、冬季に気温が下がる中山間地域においては効果が得られやすいと考えられ、また従来
の化石燃料の代替によりコスト縮減、二酸化炭素排出量の縮減効果も大きいと考えられる。
〔具体的なイメージ〕
夏季の冷房、冬
季の暖房、通年
の給湯に活用
する。
3) シミュレーションの実施条件
〔対象施設〕
建築面積:120 ㎡
延べ床面積:180 ㎡(1 階 120 ㎡、2階 60 ㎡)
建築物の断熱性、気密性は理想状態に近い高レベルが保たれるものと仮定。
ヒートポンプの活用方法:
①冷房:使用しない
②暖房:11~3月(5 ヶ月間)
③給湯:通年 300L/日
〔気象条件〕
■井川の平年値
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月 年
平均気温
1.2
1.3
4.6
9.7
13.9
17.6
21.0
21.9
18.6
13.2
8.4
3.5
11.2
最高気温
6.1
6.4
9.7
15.0
19.3
22.1
25.7
26.8
23.2
18.2
13.6
8.9
16.2
最低気温 -2.8
-2.9
0.3
5.0
9.3
13.9
17.5
18.4
15.3
9.3
4.1
-0.7
7.2
暖房稼動期間
暖房稼動期間
暖房稼働時間
暖房稼働時間
30.0
25.0
20.0
平均気温
15.0
最高気温
10.0
最低気温
5.0
0.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
-5.0
- 5-30 -
8月
9月
10月
11月
12月
4) シミュレーションの実施
a)条件
灯油ファンヒーターによる暖房、LPガスによる給湯を行うこととしていた住宅と、地中熱ヒートポン
プシステムにより暖房、給湯を行うこととした住宅との差によりシミュレーション結果を判断する。
従来システム
地中熱 HP システム
設備概要
暖房:4.6kW ファンヒーター×3台
給湯:16 型ガス給湯器×1 台
暖房能力:3.2kW
給湯能力:3.0kW ×1機
耐用年数
法定耐用年数 15 年
試算における仮定
・新築工事のため、設備設計費用等は同等とする。
・機械設備の維持管理費は同等にかかるものと想定する。
(実質的にメンテナンス費用を見込まない)
・オール電化住宅と同等の断熱性、気密性があるものと仮定する。
b)IRR、投資回収年数等
従来システム
初期費用
ランニング
コスト
地中熱HPシステム
暖房
180,000 円
給湯
202,000 円
合計
差額
9,000,000 円
-
382,000 円
9,000,000 円
8,618,000 円
電気料金
2,160 円/年
69,127 円/年
-
灯油料金
136,080 円/年
-
-
ガス料金
203,721 円/年
-
-
合計
341,961 円/年
69,127 円/年
272,834 円/年
IRR
-8.1%
投資回収年数
32 年
〔参考〕設置費の補助を行う場合
IRR=8%とするためには、約 630 万円分の初期費用の低減策が必要
投資回収年数を 15 年とするためには、約 460 万円分の初期費用の低減策が必要
c)CO2 削減効果
従来システム
地中熱HPシステム
差(削減分)
CO2 発生量 電気分
41kg-CO2/年
1,625kg-CO2/年
-
灯油分
4,075kg-CO2/年
-
-
ガス分
2,037kg-CO2/年
-
-
合計
6,153kg-CO2/年
1,625kg-CO2/年
4,528kg-CO2/年
CO2 削減効果
4,528kg-CO2/年
5) 考察及び導入に向けた課題
地中熱ヒートポンプは、イニシャルコストが比較的高価であり、積雪寒冷地ではないこと、住宅で
あり規模が小さいことなどが要因となり、大きなコスト削減効果は期待できない。
ただし、CO2 削減効果が大きいこと、灯油・ガスに比べて室内空気を汚さず安全度も高い電気
制御であるため、安全で快適な、生活の質的向上が期待できる。
- 5-31 -
第6章 検討会の開催
6.1 検討会の開催趣旨
本業務の推進にあたり、主に以下に示す事項に関して専門的観点から検討を行うことを目的として
『静岡市「緑の分権改革」推進事業検討会』を開催した。
(1) クリーンエネルギー資源の賦存量、利用可能量等の調査方法等の検討に関すること。
(2) 「静岡市クリーンエネルギー導入重点区域」に適したクリーンエネルギーの導入に係る技術又
は設備の検討及び選定に関すること。
(3) 前号により選定された技術又は設備のシミュレーション結果の意見交換に関すること。
など
6.2 検討会の開催概要
6.2.1 検討会委員
検討会は、クリーンエネルギー及びそれを利活用する技術又は設備に関し優れた識見を有する
以下の 5 名により構成した。
名前
あらき
のぶゆき
荒木 信 幸
きくち
よ し な り
所属・役職
専門分野
静岡理工科大学 学長
熱エネルギー工学
岐阜県立森林文化アカデミー
森林資源・木質バイオマスの
マテリアル及びエネルギー利用
千葉大学法経学部 教授
環境政策論
豊橋創造大学情報ビジネス学部
キャリアデザイン学科 教授
エネルギー経済学、
エネルギー変換工学、電力工学
社団法人静岡県環境資源協会
専務理事
廃棄物政策、(廃棄物処理技術分野、
循環型社会形成分野)
菊地 與志也 准教授・博士(農学)
く ら さか
ひでふみ
倉阪 秀 史
けんもく
よし しげ
見目 喜重
ひらい
かずゆき
平井 一 之
- 6-1 -
6.2.2 検討会の開催概要
検討会を 3 回開催した。各回の開催概要を以下に示す。
また、巻末の資料編に各回の議事要旨を示す。
回
開催時期
主な議題
第 1 回 平成 22 年
・
8 月 11 日(水)
静岡市におけるクリーンエネルギーの賦存量・利用可能量調査
について
・
市民・事業者アンケート調査の実施概要について
・
静岡市クリーンエネルギー導入重点区域の設定について など
第 2 回 平成 22 年
・
11 月 24 日(水) ・
市域内の現況調査結果について
静岡市の特性を踏まえたクリーンエネルギー導入の基本的な方
向性について
・
クリーンエネルギー導入重点区域の設定およびシミュレーション
の実施に向けて など
第 3 回 平成 23 年
・
2 月 10 日(木)
クリーンエネルギー導入重点区域の設定およびシミュレーション
の実施結果 など
検討会の様子
- 6-2 -
第7章 今後の推進に向けた課題及び対応の
方向性
本業務の成果を踏まえ、今後の静岡市域におけるクリーンエネルギーの導入・普及拡大に向けた
課題とその対応の方向性を以下に示す。
静岡市におけるクリーンエネルギーの導入・普及拡大に向けた課題、及びそれらの課題に対応す
るために実施した本業務の成果物は以下のとおりである。
<静岡市におけるクリーンエネルギーの導入・普及拡大に向けた課題>
画一的な対応(補助金制度の実施等)
啓発的な対応(イベント等の際の周知)
受動的な対応(積極的な事業者による提案を受けた後の対応)
<上記の課題に対応するために、実施した本業務の成果物>
クリーンエネルギー賦存量等調査結果
クリーンエネルギー現況マップ
クリーンエネルギー導入シミュレーション結果
静岡市では、本業務と併行して、市民・事業者・行政の各主体が協力して地球温暖化対策を推進
するため、「静岡市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を策定したところである。
本計画では、国・県と市が連携して行う施策及び市の独自施策を「リーディングプロジェクト」として
位置づけており、その 1 つとして「次世代エネルギー推進プロジェクト」を掲げ、新エネルギーの導入
や廃棄物系バイオマス利用を推進するための取組を展開しようとしている。
上記のプロジェクト展開を念頭に、本業務で得た成果物を活用した今後の対応方針を以下に示す。
<課題に対する対応の方向性>
① ホームページからの情報発信
② 公共施設へのクリーンエネルギー活用設備の導入促進
③ ストップ温暖化!清流の都しずおか創造推進協議会 連絡会の設置
上記の各取組の関係を示した図を次ページに示す。
- 7-1 -
<「緑の分権改革」推進事業 今後の方向性>
市民・事業者
参加・連絡
①HPからの情報
発信
・静岡市クリーンエネル
ギー現況マップ
・平成21年度「緑の分権
改革」推進事業 成果
報告書
「緑の分権改革」
推進事業
②地球温暖化
対策実行計画
庁内推進委員会
・庁内におけるクリーン
エネルギー設備導入
促進
・市民・事業者に対する
積極的なクリーンエネ
ルギー活用を提案
・地球温暖化対策実行
計画の基礎資料
連携・情報共有
③ストップ温暖化!
清流の都しずおか
創造推進協議会
連絡会
・市内におけるクリーン
エネルギー設備導入
に係る情報交換
市内におけるクリーンエネルギー活用設備の増加
①ホームページからの情報発信
本業務の成果物(クリーンエネルギー現況マップ、クリーンエネルギー導入シミュレーション結果等)
を市ホームページなどで公開し、市民や事業者に対し情報提供を行う。これにより、市民、事業者がク
リーンエネルギーをより身近なものとして認識できるとともに、その活用についての意識醸成を図ること
ができる。
②公共施設へのクリーンエネルギー活用設備の導入促進
静岡市地球温暖化対策実行計画の推進にあたり、庁内における一体的な地球温暖化対策推進の
ため、静岡市では、「(仮称)静岡市地球温暖化対策実行計画庁内推進委員会」の設置を予定してい
る。
この委員会を通じて、本業務の成果物を活用し、施設所管課等に働きかけ、公共施設へのクリーン
エネルギー活用設備の導入促進を図る。これにより、静岡市におけるクリーンエネルギー活用設備の
導入を促進し、地域資源の活用を図るとともに、その設備を活用して、市民、事業者に対する啓発を
行うことができる。
また、後述する「ストップ温暖化!清流の都しずおか創造推進協議会 連絡会」と連携・情報共有す
ることにより、官民一体となった設備導入を目指す。
- 7-2 -
③ストップ温暖化!清流の都しずおか創造推進協議会 連絡会の設置
静岡市地球温暖化対策実行計画の推進にあたり、市民、事業者、行政の各主体が相互に連携して
対策に取り組むため、静岡市では市民、事業者の代表者からなる「ストップ温暖化!清流の都しずお
か創造推進協議会」を設置し、各主体における地球温暖化対策を推進している。
この協議会の構成員のうち、エネルギー供給事業者や事業者関連団体などを中心に、「ストップ温
暖化!清流の都しずおか創造推進協議会 連絡会」【下図参照】を設置し、クリーンエネルギー設備
の導入に関して積極的な意向を持つ事業者や市民などの相談に対応できる体制を整える予定である。
これにより、事業者や市民などの相談、情報共有体制を整えるとともに、事業者や市民のクリーンエネ
ルギー導入に関するニーズを収集し、個別具体的なクリーンエネルギー設備の導入及びその実現の
ための施策を着実に進めることが可能となる。
<ストップ温暖化!清流の都しずおか創造推進協議会 連絡会 イメージ>
ストップ温暖化!清流の都しずおか
創造推進協議会
内容報告
ストップ温暖化!清流の都しずおか創造推進協議会
連絡会
連絡会員
(協議会 会員)
事務局
参加者 ※随時変更
協議会事務局
(環境総務課)
○情報発信者
事業者関連団体
連絡・調整
○エネルギー供給事業者
事例共有・設置相談
※随時専門家の意見を参考に
自発的参加・相談
情報発信
(個別勧誘
・市HP等)
情報発信
(団体ML等)
○市内で既に新エネ設備を導入している事業者・団体
○新エネ設備導入に関し積極的な事業者・団体
事業者・団体
以上の取組を中心として、静岡市地球温暖化対策実行計画における「次世代エネルギー推進プロ
ジェクト」を推進することにより、静岡市に潜在するクリーンエネルギー資源の有効活用を図ることを目
指す。
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