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広報誌・青峰2013新年号

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広報誌・青峰2013新年号
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……沖縄高専との交流会
1
2
……指導寮生研修会
……留学生交流会
3
寮務主事
井上 哲雄
――こころの余裕??
鈴鹿高専生よ、大志を抱け!
着任の挨拶
メモリーズ
鈴鹿高専に着任して
生物応用化学科
平井 信充
機械工学科
鬼頭 みずき
電子情報工学科
板谷 年也
教養教育科
豊田 哲
A寮寮長
森島 慎博
電気電子工学科
横山 晟也
電子情報工学科
毛利 文律
編集:
井田大城
電気電子工学科
近藤 一之
寮務主事補
森 誠護
寮務主事
井上 哲雄
広報委員長
井田 大城
――遊べ!
――青峰寮の思い出とこれからの思い
4
こころの余裕??
寮務主事
井上 哲雄
よく言われている言葉に「人間は、失敗を積み重ねてこそ、人間は、大きくなれる。小さな失
敗でクヨクヨしないで、それを成長の糧にしよう」とありますが、失敗した当事者にとっては、
「そんな慰めの言葉なんてはいらないよ」そんな余裕はありませんよね。私もよく失敗をして落
ち込むこがあります。寮生諸君はそのようなときにはどう対処しますか? 「クヨクヨ悩む人」
、
「布団亜かぶって寝てしまう人」や「何もかも忘れられる自分の一番楽しいことをやる人」など
いろいろですよね。しかし、大切なのは、失敗のあとの対処の仕方です。「あーっ、失敗した」
と思った時には、気が動転したり、焦ってしまったりして冷静な考えができません。しかし、そ
れでも時は過ぎていき、夜が来て、また新しい朝がやってきます。つまり明るい日(明日)がや
ってくるのです。
どんなことがあっても、何もしなくても、夜が明ければ、つまり明るい日がやってくるのです。
寮生の中には読んだ人もいるかもしれませんが、
『先を読む眼・人を見る眼』
(巴井操著:新潮
文庫)の中に、豊臣秀吉に仕えた大茶人、千利休にまつわる以下のエピソードが紹介されていま
す。
ある日、千利休のところに豊臣秀吉(太閤殿下)が訪ねてくることになった。すべての用意が
整ったという時に、小坊主が花を生ける器の花生を落として口のあたりが欠けてしまった。別の
花生を用意する時間もないという状況で、普通の人間なら「何をやっているんだ」と小坊主を怒
鳴りつけ、
「あーっ、どうしよう!どうしよう!」慌てふためくのが関の山でしょう。しかし、
利休は小坊主を怒鳴ることなく目をつむってから、縁側に出て花生の縁をさらに叩いて斜めに大
きく割って、その裂け目に花を生けたそうです。すると、また違った趣の新鮮な美しさが醸し出
されたそうです。
想定外のことに出くわしたときには、今一度、心を落ち着かせ、「今、何をしなければならな
いのか」を考えることが重要です。「そんなこと、わかっている!」と言われそうですが、特に
「他人の失敗により自分に火の粉が降りかかるような場合」には、よけいイライラして怒鳴り散
らすことが多いのではありませんか。
利休は、欠けた花生は元に戻らないから、捨てて太閤殿下に潔くお詫びして罰を受けるか、あ
るいは何とか工夫してその欠けた花生を生かすか、二つに一つだと考え、そしてどうしたら生か
すことができるかを冷静に考える余裕があったのでしょう。
我々凡人は、利休のようにはいかないかもしれませんが、少しでも利休の境地に近づけるよう
に日々努力していきたいものです。
5
鈴鹿高専生よ、大志を抱け!
生物応用化学科
平井 信充
今年の4月に生物応用化学科に着任した平井信充です。最初は色々と戸惑うこともありました
が、先生方や学生さんの大変親切なサポートのおかげで、ようやく慣れてきました。既に寮監を
数回務めさせて頂きましたが、そういった機会においても、学生さんの文武両面での熱心さや先
生方の教育熱心さに事あるごとにふれ、鈴鹿高専の末席に加えて頂いて本当によかったと改めて
思っています。
さて、新任教員として折角の紙面を頂戴しておりますので、御挨拶がわりに、私が研究対象の
1つとしているバイオフィルムについて簡単に紹介したいと思います。1晩水をためてあったバ
スタブの壁が「ぬるぬる」していたという経験はないですか?朝起きた時、歯を磨く前、なんと
なく歯の表面が「ぬるぬる」していませんか?川の中にある石の表面の「ぬるぬる」もそうです。
これらの「ぬるぬる」がバイオフィルムです。バイオフィルムは、水分が存在する環境下で、細
菌(厳密には微生物)と細菌が出すぬるぬる物質(細胞外重合物質)が、水や水に含まれる有機
物・無機物などを巻き込みながら成長した膜です。含まれる細菌の違いによってバイオフィルム
は様々な個性を持っています。パイプの内側だとパイプづまり、歯だと虫歯や歯周病、食品だと
腐敗、病院だと感染症、金属だと腐食の原因としてやっかいもの扱いされていますが、害のない
バイオフィルムも多数存在しますし、寧ろ、水中の有機汚染物質を分解して環境浄化に役立って
いるケースもあります。本稿のタイトルである金子みすゞさんの「わたしと小鳥とすずと」の一
節のように、多種多様なバイオフィルムの個性に着目し、今まで知られていない長所を引き出し
て、工学の立場から有効利用につなげることを目指して研究を進めています。
また、教育の面でも、微力ながらできる限り、鈴鹿高専の個性豊かな学生さんの長所を少しでも
引き出してあげることができればと思いながら日々過ごしています。
私の前職の大学の学生さん
と比較しても、勝るとも劣らないと申しますか、本当に、皆さん、優秀だと思います。ただ、比
較的自分を過小評価している学生さんもいるのではと感じることもあり、タイトルにも書かせて
頂きましたが、自分の将来を考えて、目先ではない大きな目標をもって、高専生活を充実しても
らえたらいいなと思っています。あとは我々教員が「学生さんの優秀さを伸ばすことが可能な場
をどれだけ提供できるか」が一番の重要なポイントだと感じており、日々身が引き締まる思いで
いっぱいです。ただ、現状は、逆に学生さんから引き出してもらっているばかりのような気がし
ますが。今後とも宜しくお願いします。
6
着任の挨拶
機械工学科
鬼頭みずき
2012年4月に機械工学科に着任し、実験や演習授業などを担当しています。専門は噴流工
学、熱流体ですが、大学院修了後、ドイツのエアランゲン大学とコトブス工科大学で三年ほど平
板上の流れと管内流れについて研究していました。帰国後、三重大学でスリットやノズルから流
体が噴出される際の流動・伝熱現象(噴流現象)に取り組み、自由せん断乱流のパッシブ制御に
関する研究に従事しました。その後、奈良高専での三年間を経て、この度、鈴鹿高専に移動しま
した。私自身は高専の出身ではありませんが、三重県生まれの私にとって、鈴鹿高専への移動は
温かい我が家に帰ってきたような感覚をもっています。
奈良高専では学寮生は少なく100名ほど、女子寮に関しては私の着任当初はまだ設立されて
いませんでした。着任して二年目に女子寮が開設されることになると、特にセキュリティー面に
抜かりがないよう、女性教員を中心として設計図面を手に活発な話し合いが行われました。20
11年、女子寮が完成しましたが、震災の影響で、ベッドや机などの物資が届かず、予定より数
か月遅れで寮生活がスタートしました。初年度の女子学寮生はわずか6名でした。そのため、一
人一人に洗濯機や洗面台が順番待ちをしなくてもいつでも使える状態にあり、学寮内のルールや
運営に問題が生じることはありませんでした。とはいえ、やはり初めての女子学寮の開設にあた
っては、教員や男子学寮生に多くの不安や混乱がありました。鈴鹿高専の学寮は入寮生の数も4
00名と多く、学寮が開設された当初はどれほどの不安や混乱があったのだろうかと思います。
それらの課題ひとつひとつを教職員と学寮生がともに解決・改善に向けて協力し、今に至ったの
はないでしょうか。はじめて鈴鹿高専のレトロな学生寮を見たとき、奈良高専の真新しい学寮に
はまだ生まれていない、先輩から後輩へと受け継がれてきた学寮の伝統を感じました。
学寮とは少々趣が違いますが、私自身、中学一年生の時、
「下宿屋さん」でお世話になりました。
二年目からは借家で姉との二人暮らしを始めたため、下宿生活は一年半という短い間ではありま
したが、そうした毎日の中でひとつ痛感したことがあります。それは、親元を離れて生活してい
る十代の若者にとって、一番重要なものは「食事」だということです。学生同士のつながりも、
一緒にご飯を作ったり食べたりといった「食卓のつながり」から始まったように思います。母の
味とは違っても、温かい食事は家族の励ましを思い起こさせ、学生生活の基盤となるものです。
親元を離れて暮らす学寮生の皆さんには、温かい食事で心と身体の元気をしっかり養い、学寮の
よき伝統を大切に後輩へとつないでほしいと願います。
7
メモリーズ
電子情報工学科 板谷年也
先日、17 年ぶりに鈴鹿高専の寮に宿泊しました。学生時代の記憶がたくさん甦ってきました。
そこで、昔の思い出をダイジェスト版でお送りします。不適切な表現や経験談がありますが、今
後の学生指導に役立てるということでお許し頂ければと存じます。
(1995 年の春より)
「入寮初日に週番」→「週番作業がわからないので戸惑った」4 寮 101 号室でした。
「寮めし」→「入寮初日のステーキに感激」毎日ではないと念を押される。
「正座コンパ」→「先輩が怖かった」今はもうないですか。
「靴」→「スポーツシューズが入寮して、一週間で盗まれショックを受ける」これは最悪でした。
「深夜のカードマージャン」→「昨日、何時に帰ってきたんやと同室の先輩に注意される」
今では先輩の愛情だったのかと思うようになりました。
「朝点呼」→「グラウンド集合」放送の音が大きくて、必ず起きました。
「いばば」→「N 部先生に発見され、叱られる」ごめんなさい。叱れる先生になります。
「専攻科進学時での入寮」→「理由はわからないが、断られて、残念」今の専攻科生の寮は快適
ですね。当時は A 寮の1階でした。
「3 寮」→「汚すぎ、自分の部屋だけ、1年生の自分と2年生 2 人の組み合わせ、その先輩
同士はあまり仲がよくないようだったので、きまずかった。」先輩元気ですか。
「シーツ」→「先輩の分も交換作業するように、先輩に指導を受ける」今はどうですか?
「寮風呂」→「名前が銭湯みたい、上級生用お風呂と下級生用お風呂に分かれていた」
「夏」→「暑い、冷蔵庫の飲みものがなくなっている」名前を書きましょう。
「洗濯機」→「乾燥機での生乾きの匂い」
「たばこ」→「くさい」部屋の隙間から漏れる匂いでわかります。
「週末」→「通常は実家へ帰省、しかし野球の練習があると帰れなかったので、はじめての自炊」
インスタントラーメンがほとんどでした。たまに K 龍
「公衆電話」→「ポケベルを打つ子が並んでいる」少し古い話ですね。
「談話室」→ 「インスタントラーメン」最近の学生さんは自分で料理しているみたいで
すね。もう少し談話室を綺麗にしましょう。
それ以外、違う学科の子や先輩とも仲良くなったこと,勉強を教えてもらったりと寮だからこ
その貴重な体験をした記憶があります。今度は、指導する立場で寮と関わらせて頂くことに、難
しさを感じますが、喜びの方が大きいです。それは学校以外の生活の場で学生の皆さんとお会い
でき、一緒に生活できるので、より学生の皆さんを知ることが出来るからです。柄にもなく、熱
いことを言いますが、それが高専教育の強みの一つと実感しているからです。最後になりますが、
学生のみなさん寮生活を十分に満喫して下さい。
8
鈴鹿高専に着任して
教養教育科 助教 豊田 哲
はじめまして。この 4 月から、教養教育科、数学の助教に着任いたしました豊田哲です。着任
してからもう 9 カ月がたってしまいました。生まれて初めて三重県に引っ越してきた私は、鈴
鹿に来てから初めて経験したいろいろなことが印象に残っています。
初夏の田んぼのカエルの多
さや、時おり遠くから聞こえる鈴鹿サーキットの爆音や、鈴鹿市特有の緑色の半透明のごみ袋や、
高専の前に広がる広大な空き地や、この頃では、巨大な V 字編隊を組んで飛んでいく鳥の群れ
などです。もちろん、鈴鹿高専の中でも多くのことが印象に残っています。学生の皆さんの「○
○しやらん」のような三重弁や、自分の教える数学に関して予想以上に優秀な学生の皆さんや、
試験前の緊張感溢れる高専の雰囲気や、強面の先生の実は意外と優しい内面、などあげたらきり
がありません。
しかし、中でも特に印象に残っているのが寮です。私は実家暮らしの後はずっとアパートで一人
暮らしをしていたので、これまで寮というものには全然縁がない生活を送ってきました。それで、
最初に寮監をやらせて頂いたときは随分緊張しました。赤紙、白紙、週番、などという何やら聞
き慣れない言葉に囲まれて、ああ自分は新入りなんだなということを強く感じました。寮生の皆
さんが寮監室にやってきて何か聞かれても逆に聞き返してこちらがいろいろと教えてもらって
いました。本当に初めのうちはご飯もどのタイミングで食べに行ったらよいか全然見当がつかな
くて、最初のうちの寮監は私にとって一晩の断食を意味していました。しかし、寮生のみなさん
がとても親切で、寮監を担当するたびに色々と教えてもらっているうちに、ちゃんと食事もとる
ことができるようになって、近ごろではようやく寮というものにだいぶ馴染んできたように思っ
ています。着任してからのこの 9 カ月を楽しく送ることができたのは、本当に、寮生の皆さん
に限らず、困った時に助けていただいた多くの皆さんの親切のおかげだったと感じています。改
めて感謝いたします。
一人暮らしが長いせいなのか分かりませんが、いまだにひどい人見知りの私は、寮で仲間に囲ま
れて生活している皆さんを見て、とてもうらやましく感じました。最近、自分が寮生の皆さんの
年齢のころにこのような寮生活をしていたらどうなっただろうと考えます。
想像もつきませんが、
きっとかなり違った人間になったのは間違いないと思います。
それだから寮生の皆さんが今後ど
のような人生を歩んでいくのかをあれこれ想像するだけでもちょっと楽しいです。
なんと可能性
に満ちていることか!寮監などを通じて多くの寮生の皆さんと接してきて、
皆さんにはぜひ幸せ
に満ち溢れた人生を歩んでほしいものだと思います。長い人生、皆さん今後ともどうかよろしく
お願いいたします。
9
遊べ!
A 寮寮長 森島 慎博
タイトルは高専での五年間を振り返って、後輩に伝えたいメッセージである。
ただ単に遊ぶのではなくて、気が合う人や合わない人、たくさんの種類の人と関わりながら遊ん
で欲しい。
1∼3年生は普通の高校生と比べて受験がない分自由な時間が多い。
その時間をいかに使うかが重要であると思う。
5年間寮生活をして、5年間クラス替えのない環境に身を置いていると、どうしても狭い世界の
中での行動しかできなくなる。
そして、高専の教育は専門知識を重視した偏った教育課程であり、それは管理主義的な組織構造
で支えられている。閉鎖的になりやすい環境であるといえるだろう。
狭い世界に自分を閉じ込めず、学校では学べないものを遊びながら身に着けていくべきだと思う。
高専の専門教育はもちろん素晴らしいものだし、ぼくもそれを求めて入学したのだが、高専での
勉強だけでは不十分。だからといって特別なことはする必要はない。自分のやりたいことをとに
かく積極的に、いっぱいすればいい。そうすれば自然と、自分と違う色々な考え持った人に出会
えるだろう。そしてそういった人との関わりが世界を広げていくと思う。
5年間高専で過ごして気が付いたことである。
私も、これから、より積極的に世界と関わり、自分を成長させていきたいと思う。
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20
寮役員辞令交付式・校長との懇談会
21
電気電子工学科
横山 晟也
私は筑波大学,千葉大学,専攻科の三校を受験し,全て合格しました。私が編入を決め
たのは 4 年の 9 月頃でした。それまでの成績も悪く,履修も全て就職向けの授業を選んで
おり,ずっと就職希望でした。当然勉強を始めた当初の学力も,他の編入生達と比べて大
きく差があったと思います。先生達からも「筑波や千葉は難しいのでやめておいてほうが
いい」と言われることもありました。そんな私だからこそ言いたいのですが,編入に順位
や才能なんか関係ありません。編入において大事なのは努力,計画性,そして運です。き
ちんとしたステップさえ踏めば,誰でも編入することは可能です。今就職を考えている人
も,自分なんかじゃ編入は無理とか考えずに一度考えてみてください。
もう一つ重要なことですが,短期間の勉強で合格するためには,その期間集中して効率
よく勉強することが必要になってきます。それには周りの力も必要になってくるのですが,
私のクラスでは進学は 8 人しかいませんでした。しかもその内のほとんども推薦で,大学
に学力で編入するのは私だけという状況でした。試験間際では,クラスのほとんどの人の
進路がすでに決定しており,とても勉強が出来る環境ではありませんでした。そんな時に
頼りになったのが,他学科の編入生や先生でした。編入に関する情報や,勉強でわからな
いところを教えあったりするのはとても大切です。また,勉強のモチベーションを保つた
めにも,一緒にがんばれる仲間はとても強い心の支えになります。
―具体的な勉強法―
私は数学・物理・英語の 3 教科が受験科目だったのでそれらについて書いていきます。
22
―数学―
数学と一言で言っても,大学によって出題範囲は様々です。主に微分積分,線形代数等
が定番ですが,大学の募集要項・過去問を参考にしたり,先輩に聞くなどして確認してく
ださい。
数学は勉強を始めた当初から最後までずっとやっていました。一度出来るようになった
ところでも期間をおいてしまうと分からなくなってしまうので,まんべんなく全ての範囲
をすることをお勧めします。私は低学年の時に習ったことがほとんど分かっていなかった
ので,「高専の数学 2」,「高専の数学 3」を教科書,問題集共に全て解きました。
「高専の
数学 1」は時間があればやってもいいのですが,直接的には試験問題とは関係ないのでや
らなくてもいいと思います。但し了高専の数学」は解答があまりしっかりしていないので,
そこは注意してください。その後,
「極めるシリーズ」をやりました。この参考書は回答が
しっかりしているのでお勧めです。線形代数はいろいろな参考書をやりましたが,大貫先
生の数学特講のプリントが分かりやすいです。最後の仕上げとして「数学徹底演習」をや
りました。この参考書は数少ない編入向けの参考書で,問題数も多く,解答もそこそこし
っかりしているので仕上げにいいと思います。
―物理―
物理は主に力学,電磁気学が基本です。大学によっては熱力学,波動等が出題されます。
私は物理学特講の授業を受けていなかったので,かなり力をいれて物理を勉強しました。
物理は数をこなすことも大事ですが,原理を理解することが何よりも大事になってきます。
原理が分かっていれば,大体どんな問題でも解くことが出来ます。
力学に関しては,ほとんどやったことがなかったため,高校生向けの参考書から始めま
した。使った参考書は,「物理のエッセンス」という本で,かなり細かく説明があるので,
後々の勉強に大きく役立ちました。その後,物理の過去問集をやり,理解を深めていきま
した。分からないところはいろいろな参考書から類題を探し,理解出来るまで何度も繰り
返し解き続けました。力学はきちんと理解さえしていれば,点を取りやすいと思うのでし
っかりやったほうがいいと思います。
電磁気学は自分の専門の教科なのですが,正直全然分かっていませんでした。自分の理
解の浅さにとても焦ったのですが,放課後,先生に一対一で分からないところを教えても
らうことで,なんとか克服しました。参考書はとにかく数をこなすために,
「詳解 電磁気
学演習」を使いました。
波動は千葉大でのみ出題があったのですが,一応書いておきます。波動はあまり馴染み
がないので,手をつけにくいように思えますが,案外理解しやすいです。出題する大学自
体が少ないので,全く勉強をしないで受ける人もいます。なのできちんと勉強をしておけ
ば,他の人と差をつける武器になります。
23
―英語―
英語は私が一番苦労した教科です。英語は他の教科と違い,勉強をした成果がすぐに出
るものではありません。毎日英単語を覚え続けるのは正直かなりしんどかったです。しか
も,私は中学生レベルの文法もあやふやになっていたので,文法もーから勉強しなおしま
した。出題も主に長文が多く,「下線部を訳せ」といった,文法と英単語を知っていないと
全く何も出来ないという問題が多いです。早めに英語だけでもやっておけばよかったと凄
く後悔したので,出来る限り早く勉強をしたはうがいいです。実際,自分より早く勉強を
していた人とは最後までかなりの差がありました。
TOEIC に関してですが,私は専攻科のみが必要だったのであまり力を入れていません
でしたが,出来るだけ高い点を取っておいたはうがいいです。大学でも英語の試験の代わ
りに TOEIC を点数換算する事が増えてきています。私が受験した筑波,千葉でも来年か
ら TOEIC 換算になるようです。もし私のように筑波,千葉,専攻科を受験するのなら英
語は全て TOEIC 換算になるということになります。これで早い段階に高得点を取ってお
けば,受験間近には英語を勉強する必要はなくなります。私は 560 点種度しか取れません
でしたが,最低 600 点以上取ることを目標にして下さい。
単語帳は自分に合ったものを使えばいいと思いますが,注意してほしいのは入試問題の
長文は工業英語を知らないと読めないことが多いことです。私は「COCET3300」を覚え
たおかげであまり困ることはありませんでした。英単語は数を覚えていて損はないので,
2 冊以上単語帳を覚えるといいです。
―面接に関して―
正直,面接に関しては大学によってどう評価されているのか分かりませんが,面接も 100
点満点で評価されているので,ある程度準備しておくべきです。大体聞かれるのは志望動
機,卒業研究,試験の出来について等です。とにかく大事なのは自信を持って,はきはき
と喋ることです。かなり際どい質問をされることもありますが,慌てるのは駄目です。私
の場合,全く予想していなかった質問をされて,答えられないこともありました。そのた
めにも,あらかじめ質問は予想しておいてください。
最後に一つ言っておきたいのは,自分の勉強の仕方は自分で決めてください。こういっ
た体験談や,友達と一緒に勉強するのはもちろん大事ですが,目標は自分で考えるのが大
事です。なぜかというと,自分に必要な勉強は人によって違うからです。先輩がこうして
いたから,自分もこうすればいいという考えは危険です。むしろそれよりもやってやる位
の気構えでいたはうがいいです。そういった気構えでいれば,自然と合格は近づいてくる
はずです。
いろいろ書きましたが,鈴鹿高専からより多くの人が編入出来ることを願っています。
がんばってください。
24
電子情報工学科
毛利 文律
―はじめに―
毎年たくさんの体験記を見てきましたが,多くのものは参考書に何を使ったかのみ書い
てあり,知りたいことが書かれていなかったのでそれらを書ければと思います。ただし,
かなり持論と偏見が入っているので参考にならないかもしれません。
―受験校の決定―
まず,受験校を決めるにあたってですが,以下の 3 グループから 1 校ずつと専攻科を選
ぶのが良いと思います。
A グループ(本命):東大,京大,東工大,阪大,東北大,名大,九大,北大
B グループ(本命の滑り止め):筑波大,千葉九 首都大,広島大,
(神戸大,横国大)
C グループ(試験の場慣れ)
:農工大,電通大,名工大,三重大,岐阜大など
せっかく編入で楽に大学に行けるので A グループ,いわゆる旧帝大+東工大レベルを本
命にしましょう。東大京大東工大阪大基礎工の上位 4 大学を目指す人は滑り止めとしても
う 1 つ,A グループから選ぶぐらいの余裕さがなければ合格しないでしょう。
次に B グループの大学ですが,このグループは凄いです。編入試験は日程が合えば何校
でも受験することができるので,A グループを本命とする人が滑り止めとして受験し,B
グループを本命にする人が受験し,C グループを本命とする人が挑戦校として受験する場
合などで多くの人が入り交じっています。そのため,A グループを本命とする人が合格を
勝ち取っていき,B グループを本命とする人は非常に厳しい状況となっています。実際に
僕は筑波大を受験してきましたが周りの受験生は東大落ち,東工大,阪大本命の人が多か
ったです。
そして C グループですが,僕の場合は完全に編入試験の場慣れとして受験しました。こ
のように 3 つに分けましたが,A グループは主に 8 月後半(東大,阪大基礎工除く)
,B
グループは主に 7 月前半(神戸大,横国大除く),C グループは主に 6 月後半に受験日と
なるため,良い具合に日程が合います。
最後に専攻科ですが,今年の専攻科は推薦枠での人数の超過や受験生のレベルの高さに
よって非常に合格基準は上がりました。数学は定期試験並みに点数が取れる′ので,TOEIC
の点数で勝負は決まります。600 点以上あれば数学でミスをしても合格するでしょう。500
点以下では数学で満点近くとらないと落ちます。500 点中盤では数学 8 割以上でしょうか。
あと,卒研のプレゼンがありますが差はつきません。専攻科合格者は上記の A グループ本
命の人が大半であり,それ以外の人は大抵が補欠合格となるでしょう。普通に落ちます。
僕は,阪大工学部,筑波大,農工大,専攻科を受験し全て合格したので,阪大工学部に
進学することになりました。これらを選んだ理由は受験教科の重複具合です。僕は部活を
25
続けながらの受験勉強だったので時間は限られており,いかに少ない勉強量でこなすかが
勝負でした。例年,筑波大と農工大は日程が被っていたので今年は非常に幸運でした。
受験校選びで 1 つ言っておきたいことがあります。毎年受験校を 5,6 校ほど受けて保
険をかける人がいますが,無駄です。受験校を多くするということは単に自信のなさの表
れです。その受験料で参考書を買い,勉強しましょう。
―勉強方法―
次に,実際の勉強方法ですが使用した参考書をまとめたので参考にしてください。参考書
選びで大切なのは,自分にあったものを使い,是非新品のもの買いましょう。個人的にですが,
借りた本よりかなりやる気が上がります。参考書代は出世払いです。
おすすめですが,実店舗で本を下見してインターネットでの購入がお勧めです。ポイント
がすごく貯まるので、いつの間にか参考書が何冊か帰るくらいのポイントになります。
とりあえず何が何でも英語をしましょう。極端に言えば 4 年の春休みが始まるまでは英
語だけで 0Ⅹな程です。春休みになるまでに過去問が読めて解けるレベルにもっていけれ
ば受験勉強の大半は終わったようなものです。ご存知のように,高専の英語の授業は受験
に対しては無意味です。なのでもし,この体験記を低学年の人が読んでくれているのなら
ば今から DUO を極めてください。絶対に報われます。さらにここで大切なことを言いま
すが,来年からは TOEIC のスコアを必要とする大学が増えます。例えば筑波大や千葉大
です。僕はスコアが芳しくなかったのでスコアが必要のない大学を選びましたが,筑波大
や千葉大を滑り止めに考えている人はあえて本命をスコアの必要な東北大にすると最小限
の勉強で行けるのではないでしょうか。
次に数学ですが,取りあえず解いてください。数学は暗記教科です。さらに編入試験は
出題傾向が決まっているので,覚えた人が勝ちます。先ほどの上位 4 大学などは,センス
のある人のみぞ解けるような問題もありますが,それ以外は必ず解けます。そして上記し
た大学以外では,実は徹底演習はしなくていいです。難しいです。時間が有り余っている
人だけでいいです。数学ができない人は確実に演習不足です。つまり努力不足です。
物理もパターンなので,できるだけ多くの問題を解いてください。どれだけ多くの問題
を解いても見たことがない問題が出題されます。いかに自分の知識として解法を蓄えるこ
とができるか。演習せずに物理は解けません。問題を見て典型的な問題ならば,解が頭に
浮かぶ程に演習してください。熱力学と波動は範囲でないため勉強しませんでしたが,高
校の参考書やセンサーをすれば良いのではないのでしょうか。
最後に専門教科ですが,基本的には過去問と見比べて該当範囲を復習すれば良いと思い
ます。しかし,農工大の電磁気学において他大学でさえも過去何年も出題されていなかっ
たマクスウェル方程式が出題され,焦りに焦り全く解けませんでした。幸いなことに滑り
止めで良かったのですが,これを機に筑波大,阪大までの間には該当範囲外も一通りは見
直しました。とは言っても,普段の授業で確実に理解できていれば解けるはずなので授業
26
をしっかりと聞いて欲しいと思います。
過去問を解く時期は試験の 2 週間ほど前でした。受験勉強をする前に過去問を解いてみ
て自分のレベルを計れという人もいますが,解ければ苦労しません。出題形式の確認程度
でいいでしょう。英語に関しては 2 日前に長文を読みました。まず,英語で同じ内容が出
ることはなく,苦手だったので読めなくて不安になるぐらいなら読まずにおこうと思って
いたからです。
―合格するために―
さて,合格するためには何が必要でしょうか。僕は自信を持つことであると断言します。
自分が解けなければ周りは誰も解けない,自分が落ちるはずがないといったものです。で
すが,何の根拠もなしに自信は持てないので,この自信を持つために勉強をしましょう。
では,どのくらい勉強すれば良いのか。かつての体験記において勉強時間について書か
れていましたが,多くは平日 4 時間,休日 10 時間というものでした。これを見たとき正
直なところ,そんなに少なくて良いのかと思いました。僕に使える時間は限られていまし
たが,平日 5 時間,休日 12 時間を基本としていました。友人の中には休日 14 時間とかは
楽にこなしている人もいました。時間より質が大事だと思う人がいるかもしれませんが,
質の良い勉強を長時間すれば良いのではないでしょうか。ちなみに,上記した参考書を解
くために使用したノートは 40 冊弱です。
次に,最も大事なことですがクラスの雰囲気です。常に競い合ってください。授業中,
休み時間に勉強をしていなければ,そんなので受かると思っているのかと発破をかけ,昼
休みには英単語が飛び交うようになり,過去問を解き合える環境になれば最高です。実際
に,僕のクラスでは上記の平日 4 時間,休日 10 時間の人では最も勉強してないレベルだ
ったでしょう。そして専攻科入試では合格者の半数を僕のクラスが占めました。このよう
な環境で勉強できたことは大きな強みでした。仲の良かった中学時代の友人達がそこそこ
の大学に進学し,大学生活を謳歌しているのを見て絶対に良い大学に合格し,成人式に行
くという強い思いを持っていたので受験は成功したのかもしれません。
最後ですが,部活をしましょう。せっかく高専に入ったのですから,上下 4 年間ずつ最
低 9 年間の繋がりがあるわけです。毎年の卒業式で部活の後輩達が出待ちをしており,卒
業を祝い写真を撮っていますが祝ってもらえないのは寂しくないですか。僕は,農工大の
4 日前に東海高専大会が行われたのですが,全力で応援し出場してきました。全国高専も
行きました。そして感じたのは 5 年間続けてきて良かったということです。部活を勉強の
息抜きとすることで,受験生活も乗り切れました。色々と書きましたが,何といっても合
格できたのは確実に部活のおかげだったと思います。非常に感謝しています。
他にも書けることはありますが,書く量をオーバーしているのでここで終わります。他
に聞きたいことがある場合,5 年生が卒業するまでに聞けば色々と教えてくれるでしょう。
健闘を祈ります。
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今年の四年生が作った創造工学の内容を一部ご紹介いたします。展示パネルがデータ形式で残っ
ていた I 科と C 科のものだけになりますが、雰囲気だけでもわかってもらえれば幸いです。
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これくらいのレベルの内容をやります。各学科で方針はまったく違いますが、大体4∼6人程度
のグループを 1 つの班とするのはどこも同じのようです。
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編集:広報委員長 井田 大城
一般の寮生は知ることの無い、班長会議の様子を記事にしてみました。ボイスレコーダーを設置
して、部屋の隅の方で見学していました。全員の名前と声が一致していないので、判らない人に
関しては A さん B さん記法を採用することをご容赦ください。
あと、どうせなら女子寮の班長会議に出たかったな、と思いました。
班長会議 5 分前
富田(指導班長):あれ、なんで井田くんもぐりこんどんの
柳田(副寮長)
:寮の広報のほうでなんかするらしい。
……やばい、今回一番話題ない日やのに(笑)
指導寮生、副寮長が集まってくるのだが、予想よりも多い。研修室の椅子がいっぱいになるくら
いだ。着々と席が埋まっていく中、柳田副寮長は暇だったのか、机の上に置いてあったボイスレ
コーダーに向けて、「どうも、4寮副寮長の柳田健介です」とかやっていた。
班長会議開始
水越(4 寮寮長):全員おる?
えーじゃあ、後期第一回目の班長会議を始めたいと思います。
よろしくお願いします
一同:お願いしまーす。
水越:まず、先週夕点呼で、藤松先生に注意を受けました。
ちゃんととってくれとるとは思うんやけど、点呼表にチェック打つのが適当になってる
部分があるらしいので、そこだけしっかりやるようにしてください。
水越:えーと、他に特に話すことは無いので、不満や要望があったら、言ってください
A 君:朝点呼の点呼表に 3 年生の名前が入っているので、紛らわしいです。
日下先生:外点呼表に、3 年の名前が入ってるってこと?
A 君:そうです。2 階でふたりだけ、3 年生の名前が。
B 君:ホントは入ってないのアレ!? あるもんやと思とった!
日下先生:判りました。修正しておきます。
続いて、SUN ネットの接続が悪い話、4 寮での消灯時間は免除されるのかどうかといった話を
経て、寮で欲しい物、現在壊れている物の話に移る。
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富田:3階の談話室の時計が先週の土日に一回止まって、そこから少し変です。
あ、あと学校側のトイレの水の流れにくさが解消されてたのでありがとうございます。
土居:ソファーの張替えをして欲しいです。夏休み明けにカビだらけになってたし、破れてい
るから。
水越:一階の蛇口って壊れとるんやったっけ。
C 君:談話室の蛇口が、水を出しっぱなしにしておくと止まってしまいます。
日下先生:すぐに治してもらうように言います。
談話室の時計って、全部の階が駄目なの? 3階だけ?
土居:3階は電池の可能性もあります。
D 君:1階は時計がないです。
水越:2階は大丈夫です。
柳田:4階も完璧です。
水越:なんで1階は時計ないの?
D 君:気付いたらなくなってました
柳田:寮内窃盗、寮内窃盗(笑)
細々とした問題点が着々と報告されていく。班長会議開催前の柳田副寮長の弁通り、今回、あま
り大きな話題(問題)は無いようだ。
他になにかある人、という水越寮長に対し、特に手の挙がらない一同。
水越:ほんと平和やな……。
大貫先生:なにもないならそれが一番(例の微笑)
留学生交流会についての事務連絡や、前回のガイダンスの効果はどうだったか(寮食堂のデザー
トをふたつ取る輩についてのガイダンスがこの頃行われていた)などの確認も終了する。
水越:じゃあ、なにもなければこれで。ありがとうございました。
一同:ありがとうございましたー。
柳田:
(ボイスレコーダーに向けて)ありがとうございました。こちら、柳田健介、柳田健介で
ございます……
こうして、約 15 分の班長会議は終わった。想像以上に真面目な内容でビックリした。
はたしてこれを記事にして面白いのだろうか、と不謹慎な心配をしてしまったほどだ。
でもそれは裏返せば、寮長以下指導寮生が、寮の現在、ひいては未来について真剣に考えてくれ
ているということでもある。
4寮を日々支える皆様に拍手を! これからもよろしくお願いします!
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∼かつて寮生だった先生に聞く∼
青峰寮の思い出とこれからへの思い
電気電子工学科
近藤
一之
皆さん、こんにちは。電気電子工学科の近藤一之です。私が青峰寮に入寮したのは昭和 47 年
4月でした。(何と昔のことでしょう。1972 年だよ。40 年前ですね。)それまでは員弁郡(今
はいなべ市)北勢町の北の端の方に住んでいました。冬は結構寒く、雪が 50cmくらい積もる
こともありました。当時は、1・2年生は全員寮に入る「全寮制」でした。期待よりも不安の大
きい気持ちで、寮へ大きな鞄を抱えて入寮しました。2・3年の先輩が出迎えてくれ、部屋まで
連れて行ってもらいました。最初の部屋は4寮の 206 号室(今の部屋割りですと 216 号室)でし
た。2年金属工学科の先輩が一人と機械工学科の同級生1人と電気工学科の私の計3人部屋でし
た。改修される前の4寮は1部屋4人入れるようになっていたのですが、定員に余裕があり、3
名で一部屋でした。今のように部屋の中に区切りやカーテンの仕切りはなく、一つの空間を3人
で共有する部屋でした。壁に向かって4人分の机が並び、その背中側に少しスペースがあり、さ
らにその後ろは 50cm程高い床となっていました。そこに5畳ほどの畳が敷いてありました。
毎晩そこに布団を敷いて寝ました。毎朝布団をたたみますので、今のベッドよりは整理整頓がし
やすかったのではないかと思います。
今と同じように半年ごとに部屋替えがありました。1年の後期は4寮の3階だったと思います
が、さすがに部屋の番号までは忘れました。このときは3年生と2年生の先輩が1人ずつと工業
化学科の同級生が1人の計4名で1部屋でした。それが当たり前だと思っていたからか、狭苦し
さは感じなかったですね。2年生では2寮と4寮に半期ずつ、3年生では3寮と4寮に半期ずつ
入りました。4年生以上は1寮に入りました。1寮は4・5年生の高学年用の寮でした。4年生
は2人で1部屋でしたが、5年生は卒業研究が大変だろうからとの理由で1人1部屋でした。女
子寮がないではないか、と思われる人もいますよね。女子寮は先生方の官舎の一角にありました。
全校の女子を合わせても、多い年で5名ほどでしたので、それで部屋は足りたわけです。
寮の建物は1寮から4寮まで4棟ありました。寮事務所も食堂も現在の位置にありました。と
ころが3寮以外は全ての建物が私の卒業後に改修されており、随分ときれいになっています。A
寮はなく、その敷地には和同会館という平屋の建物があり、23 時消灯後の勉強するスペースと
なっていました。私は2寮と3寮が好きでした。今年はロボコンプロジェクトに参加している人
たちが3寮を使っているので様子が分かる人がいるかも知れません。
2寮も3寮も同じような部
屋配置でした。寮には二つの玄関があり、その位置に階段がありました。この階段を境にして各
階に大きな3つの部屋がありました。両サイドの部屋は3つのブースに、中央の部屋は5つのブ
34
ースに分かれていました。何故この寮が好きだったかというと、各ブースは通路を境にして机が
置いてある勉強するスペースと、ベッドが置いてある寝室部分が分かれていて、気持ちにメリハ
リをつけるにはとても環境が良かったからです。
そんなこんなで結局5年間青峰寮で過ごしまし
た。青峰寮は私の第2のふるさとだと言っても過言ではありません。4年前の電気電子工学科棟
の改修の際、その間の物置のスペースとして3寮を使わせてもらったときに久しぶりに入りまし
た。他の先生方は何とも思われなかったでしょうが、私には何か懐かしさがこみ上げ、感傷に浸
るような瞬間が何度かありました。
次に寮の日課時限のことについてお話ししましょう。7時起床です。1年生は月水金曜、2年
生は火木土曜日に朝1時間「武道」の時間がありました。時間割には確か「0時限」と書いてあ
ったと思います。1・2年の武道以外の学生と3年生以上の全員はグラウンドで点呼をとった後、
800mのランニング、ラジオ体操、(冬期以外は)乾布摩擦をしていました。これの名前は「集
団課業」でした。中々大変そうでしょう?武道では1月に1・2年生全員と上級生の希望者が「寒
稽古」に参加しました。確か朝の5時からと6時からの2交替制で1週間連続でした。日曜日も
寒稽古があって最後に「納会」と言って寮食堂でぜんざいを全員に振る舞ってもらいました。皆
さんがこれを読むと「そりゃ大変だ」と思うでしょうが、当時はそうするのが当たり前でしたか
ら、辛くは感じましたが、決して逃げようとする人はいませんでした。上級生の希望者も結構多
く、賑やかな恒例の行事でした。剣道部・柔道部の人たちは3年生以上になると、武道の指導寮
生として1・2年の指導の補助にあたります。部員以外の希望者も寒稽古同様、朝の武道の時間
に参加する人もおりました(私もその1人でした)。
夕方の点呼は 19 時 30 分でした。お風呂の時間帯は 18 時から 20 時 30 分までだったと思いま
す。20 時 30 分から 22 時 30 分までは「自習時間」となっており(もしかすると今も「自習時間」
と言いますかねぇ)、原則自分の机に向かっていないといけない時間でした。現在行われている
22 時 30 分の点呼はありませんでした。点呼は朝と夕の2回だけでした。23 時、消灯です。今は
個室が多く、玄関とか談話室だけの消灯になっていますが、当時は「完全消灯」でした。それ以
降に勉強をしたい学生は先ほど書いた「和同会館」へ行くのです。
昔の寮の様子はこんな具合ですが、どう思いますか?随分窮屈で大変そうだなと思われるかも
知れませんね。でも当時も学生は隙間の時間を見つけて結構エンジョイしていたと思います。今
は、私も含めてですが、夜型の人が増えて、起きている時間の使い方がうまくできない人が多い
ように思います。メリハリをつけてうまく時間を使って欲しいと思っています。
35
卒業後の体験---------------------------------------------------------昭和 52 年、私は鈴鹿高専を卒業してすぐ社会人となり、ある企業に勤めました。少し考える
ところがあって、卒業してから4年目、私は大学に勤めることにしました。上司に当たる先生か
ら指示された回路作りなどをやっていました。給料は民間企業にいた頃に比べると少なかったで
すが、勉強をする環境はとても充実していました。仕事の合間を見つけて、一冊の専門書を毎日
少しずつ、2ヶ月ほどかけて読み通しました。例題や演習問題にもチャレンジしてみました。こ
の時初めて、何か今までもやもやしていたものがはっきりしたような気がしました。やはり勉強
というものは自分自身が決心して、自分でやらない限り本当の理解はできないと覚りました。こ
の経験が現在皆さんの前で授業ができる一番の基になっているように思います。
皆さんも何か専門書を一冊、独力で読んでみてください。とてもいい経験になること間違いな
しです。分かり易そうな本を選び、そして読み進むうちに分からないところが出て来たら、そこ
であきらめずにしばらく考えて、それでもまだ分からない時は、先へ進むことです。後になって、
前のページに書いてあったのは、このことなんだと理解できることが多々あります。「継続は力
なり」です。
勉強はやはり、自分から進んでやらないことには力が付きません。自分のためにやるのだとい
う目的意識をしっかり持って、取り組んで欲しいと思います。また、これはどうなっているのだ
ろう、何故こうなるのだろうという疑問を常に持ち、それを解き明かそうという気持ちを持つよ
うにすれば勉強も楽しくなってくるのではないでしょうか。「知的好奇心」を大いに持って欲し
いものです。いろいろな知識が有機的につながり、頭の中でネットワークが張り巡らされてくる
と、ますますおもしろくなってくるはずです。
教員になってからの体験-----------------------------------------------さて、今から10年前 2002 年に私は寮務主事補として6年目の仕事をしていました。そのと
きにも青峰に記事を書いています。その中に下のようなことが書いてありました。
『私も寮務主事補という役目を仰せつかって、すでに通算6年になります。結構気に入ってやっ
ているという面もあります。何故かというとこの役目には「学生を指導する」というばかりでは
なく、「寮生の皆と力を合わせてやる」ということが多いからです。例えば寮をきれいにしよう、
自転車を整理しよう、行事を成功させようなどなど、多くのことが皆と協力してやろうよと言う
趣旨のことだからです。また、多くの寮生が積極的に協力してくれるのがありがたいと感じてい
ます。』
上の書いてある気持ちは今も変わりません。自分自身が 5 年間を過ごした寮をよくす
るための仕事はやりがいを感じていました。
36
学校という環境をうまく使おう-----------------------------------------当たり前のことですが、勉強するには学校と言うところは非常に適したところです。調べよう
と思えば、図書館がありたくさんの本が皆さんを待っている。コンピュータの演習室もあって、
コンピュータを使ったり、情報の検索もできる。先生も積極的に利用するくらいのつもりで、疑
問な点を尋ねて欲しい。また、学校には試験があります。これは何も皆さんを苦しめるためにや
っているのではありません。試験があるからこそ、勉強するのです。この試験があるから勉強し
なくてはというプレッシャーが、皆さんの理解を深め、知識の整理をし、実力を高めるためにな
くてはならないものだと思うのです。考え方を 180°変えて、「プレッシャーというものは、自
分自身を高めるためのエネルギー源だ」とでも思って下さい。
ところで、皆さんの勉強法で一つ気にかかることがあります。試験範囲の説明をしているとき
に誰かが言いました「先生、それは暗記した方がいいですか。」何でもかんでも暗記をするとい
う勉強法をやっている人がいるようです。でも私はこう思います。まず物事の原理や仕組みを理
解して下さい。よくよく理解しようとするうちに、ある程度覚えてしまいます。こうして付けた
力は後になっても忘れることが少ないし、
たとえ忘れたとしても教科書やノートを少し見直せば
思い出されるものです。本当の実力をつける努力をして下さい。
努力しても報われないときは-----------------------------------------------------ここまで読んできて、疑問を感じる人もいるかも知れません。「頑張って、うまく行けばいい
けれど、うまく行かないときはどうすればいいんだ」と。確かにあります、一生懸命やっていて
も失敗に終わることが。でもその失敗を糧として、次に活かすようにすればいいではないですか。
失敗した時点で区切りをつけずに、人生はずーっと繋がっているのですから。「人生に無駄な経
験などない」と言いますが、まさにその通りだと思います。後悔して時間を無駄に過ごさず、反
省をして未来につなげて下さい。
未来の技術者に期待を込めて
知的好奇心を満足させ、優秀な技術者を目指す。それだけでも十分に立派なことなのですが、
少し心に余裕を持って、こんなことも考えてみて下さい。例えば寮も含めて鈴鹿市では資源ゴミ
を分別回収しています。これからは自然から資源をもらいっぱなしで使い捨てにしていては、や
がてどこからか綻びが出てくるでしょう。「宇宙船地球号」という言葉は既に古さを感じるくら
いに一般的な言葉になっています。一人ひとりが地球全体のために何かをしなくてはいけない時
代が到来しています。時には地球全体あるいはもっと広い宇宙や豊かな自然に想いを馳せて、大
きな心で色々なことにチャレンジして行って下さい。皆さん一人ひとりがすばらしい個性を持っ
ています。私も今までに皆さんの先輩である学生から学んだことが随分あります。皆さんの力を
いい方向へ伸ばすよう努力を続けて下さい。心から期待しています。青峰寮がその努力をする場
になれば、とてもうれしく思います。
37
レクリエーション委員会担当
寮務主事補
森 誠護
様々なイベントに沸いた 2012 年度が終わりを迎えようとしています。2012 年は 4 年に一度の
オリンピックイヤーでした。普段、スポーツに興味がある人はもちろん、あまり縁がない人にと
っても、このニュースを耳にする機会が多かったのではないでしょうか。
青峰寮におけるスポーツイベントと言えば、夏・冬寮祭です。今年は少し内容が変わり、新し
い競技として朝サッカーが追加され、ドッヂボールがアルティメットに変わりました。朝サッカ
ーは寮祭が行われる週の月曜から水曜の 3 日間、7:40∼8:05 まで 1 試合 10 分のリーグ戦が行わ
れました。本年度は夏・冬共に 5 チーム(8 名編成)が参加し、朝から熱戦を繰り広げてくれま
した。(頑張りすぎて授業に支障が出てしまった人はいませんよね?)女子の参加がまだまだ少
ないので、ぜひ積極的に参加して下さいね。アルティメットは、本来、屋外でフライングディス
クを使用するスポーツなのですが、屋内用にルールを改良し、道具もドッヂビーを使用したゲー
ムです。簡単に言うと、小学校でよく実施されるポートボールのボールがドッヂビーに変わった
ものです。
(イメージできたでしょうか?)両種目ともにレクレーション委員長が提案をし、周
りのレクレーション委員がうまくサポートしてくれました。実施前はうまく進行できるか少し不
安もありましたが、皆さんの協力もあって、無事に終えることができました。また、競技終了後
には第一体育館ステージにて、
「一発芸」「青年の主張」
「仮装大会」「抽選会」が行われました。
こちらも新しい内容が組み込まれましたが、皆さんが積極的に参加して頂いた甲斐あって非常に
盛り上がりました。一発芸等では、普段は見せない一面を見ることができる良い機会です。まだ
舞台に立っていない方はぜひ次の機会にチャレンジしてみて下さい。
今年度は新しい内容が多く組み込まれましたが、これからも中身の濃いものにしていきたいと
考えていますので、アイディアや要望などがありましたら、お近くのレクレーション委員までぜ
ひご連絡下さい。皆さんで良いものを創り上げましょう。
最後になりましたが、
本科 5 年生並びに専攻科 2 年生の皆さん、
ご卒業おめでとうございます。
今後の皆様方のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
38
寮務主事
井上哲雄
24 年度も残すところあと僅かになってまいりました。寮生諸君は学年末試験に精神集中
というところかと思いますが、この 1 年の寮生活を振り返って如何だったでしょうか。
さて、24 年度は新しく 2 名の主事補の先生をお迎えし、教養教育科の日下先生、久留原先
生、大貫先生、森先生、機械工学科から白木原先生、電気電子工学科から西村先生、辻先
生、電子情報工学科から青山先生、柴田先生、生物応用化学科から小川先生、材料工学科
から和田先生と 11 名の主事補の先生方と新しく迎えた上野係長始め寮務係の皆様とともに、
新入寮生歓迎会から寮生活はスタートいたしました。とくに低学年寮である4寮寮長始め
寮役員が一丸となって新入寮生を温かく迎えてくれました。さぞかし新入寮生たちも新し
く始まった寮生活への不安感も払拭されたものと感じました。
次に主な寮行事について振り返ります。本年 4 月 12 日には新しく赴任された「新田保次
校長と前期寮役員との懇談会」を実施いたしました。寮役員からは青峰寮の紹介をはじめ、
寮運営での苦労や問題点等が話し合われました。4 月 20 日∼21 日と寮役員が和歌山高専柑
紀寮を訪問し、交流の場を持ちました。和歌山高専は 1,2 年全寮制を実施しており 500 人
を超える寮生で、寮役員組織もしっかりしていて、青峰寮運営に関し寮役員には大いに参
考になることが多かったと思います。いつまでも別れがたくて、和歌山高専を出発する時
には真っ暗になっていました。7 月 10 日には寮の防災訓練を実施いたしました。火災想定
の避難訓練でしたが、東海地震や東南海地震が発生した時の津波も措定して避難経路や集
合場所等の確認を行い、寮生の安全確保の方策等について再確認いたしました。7 月 9 日に
は本校と交流協定を結んでいる中国常州信息職業学院の学生 10 名および教員 3 名の皆さん
をお迎えし、学生はもちろん教職員との交流を行いました。10 月 2 日には「校長と後期寮
役員との懇談会」を前期に続いて行いました。ほとんどの役員が前期とは入れ替わり、ま
た違った観点からの意見交換ができたことは有意義であったと思います。10 月 26 日∼27
日にかけて京都にて寮役員・指導寮生研修会を 1 泊 2 日で実施いたしました。
「寮生会につ
いて」とか「寮役員のあり方」について、夜遅くまで熱心に討議してくれました。寮運営
に反映されていることを願っています。
11 月 17 日には、本校で学んでいる 15 名に留学生たちが近隣の方たちを含め、本校教職
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員ならびに寮生との交流会を開催してくれました。各国のお国自慢や名物料理などの紹介
の後、その料理の一部を参加者みんなで美味しくいただきました。この「留学生交流会」
は毎年楽しみにしておられる方も見え、寮での恒例行事になりつつあります。
24 年度の寮行事を簡単に振り返りましたが、寮役員始め寮生ならびに寮関係教職員の皆様
のご協力に感謝申し上げます。
24 年度(平成 24 年 4 月∼平成 25 年 3 月まで)寮諸行事メモリー
4/5
新入生入寮式およびオリエンテーション
4/12
前期寮役員辞令交付および校長と寮役員との懇談会
4/18
新入寮生歓迎会
4/20-21 和歌山高専柑紀寮訪問(寮役員)
5/08 1∼3 年女子ガイダンス
5/09
新入寮生防災ガイダンス
5/10 1∼3 年男子ガイダンス
5/16
新入生男子と主事との懇談会
5/17
新入生女子と主事との懇談会
5/19
寮生保護者懇談会
7/10
寮生防災訓練
7/11 夏季寮祭(第 1、第 2 体育館)
7/20-9/01 夏季閉寮
9/02 開寮
9/25 閉寮
9/30 居室部屋替え(後期)
10/2
後期寮役員辞令交付および校長と寮役員との懇談会
10/04 後期始め学寮オリエンテーション
10/6-7 全国寮長会議(豊田高専担当)
・・・鈴鹿高専青峰寮長参加できず
10/26-27 寮役員・指導寮生研修会(京都)
11/16 留学生交流会(寮食堂)
12/12 冬季寮祭(第 1、第 2 体育館)
12/19 冬季休業前閉寮ガイダンス
12/21-1/10 冬季閉寮
---------------------------------------------以下予定(12/19 の時点)------------------------------------------2/6
卒業生を送る会(寮食堂)
2/19 学年末休業前閉寮ガイダンス
40
2/19-4/4
学年末閉寮
―寮役員による校長との懇談会―
―編集後記―
41
・遠からずゴミ箱行きとなるので、青峰だよりは各寮各階に2部ずつ置くことにしました
・欲しい方は、寮のホームページ↓
に PDF 版を用意しましたので、勝手に取ってって下さい
http://www.suzuka-ct.ac.jp/faculty/dormitory/photos/Blog/Blog.htm
---------------------------------------------------------------------------------------------今回編集作業を担当しました、広報委員長の井田大城です。土日は昼夜共にスパゲティを食べる
という、村上春樹のキャラクターのような生活を送ってきたのですが、この編集作業中ついに弊
害が出まして、パスタが食べられなくなりました。つまりは飽きてしまいました。
なんというか、一口食べただけで、
「もういい!
お前のことはもう判った!」みたいな状態で、
食欲が無くなってしまいます。
そもそもパスタがそこまで好きではないのに、4年間も繰り返しているから、こういうことにな
ります。せっかく『鍋に張った水がすべて気化するタイミングでパスタが茹で上がる』という
技術を身に着けたのに、残念です。
克服しようと、今まで使ったことのないソースをかけてみたり、村上春樹を読み直してみたり、
『泥棒かささぎ』を聞いてみたりもしました。
しかし、問題はソースではなくパスタ本体にあるようでしたし、実は村上春樹は嫌いな方だし、
『泥棒かささぎ』がぼくに喚起するイメージは『電話の女』ではなく『トムとジェリー』だった
ので、あえなく失敗に終わりました。
4年間ありがとう。そしてさようなら、パスタ。
これからはラーメンを食べて生きていきます。
『パン屋再襲撃』を読んだばかりなので、とりあえず今日はマクドナルドにします。
----------------------------------------------------------------------------------------------
青峰だより
平成二十五年度 新年号
平成 25 年 1 月 31 日
初版発行
発行団体:青峰寮広報委員会
42
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