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事例2 みんなで、進める健康づくり「すこやかライフプラン 21」の策定

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事例2 みんなで、進める健康づくり「すこやかライフプラン 21」の策定
事例2
みんなで、進める健康づくり「すこやかライフプラン 21」の策定
実施主体:
岩手町
・事例提供者:岩手町
仁昌寺幸子
○キーワード:住民参画・連携・ヘルスプロモーション
1.事例の概要(背景、目的、方法、経過、現在の状況など)
地域保健法の施行とともに保健事業は増大し、
「こなし型」にならざるを得ない状況の
中で、忙しさだけが心をかけめぐり、これでいいのか?と焦りを感じながら過ごしてい
ました。また、当町の保健推進員は熱心に、そして使命感に燃えた人達で一生懸命活動
しているものの、行政のお手伝い的な役割が多く、地域の保健リーダーとしての良さを
十分引き出していないのではないか?と感じていました。
そこで、保健事業の取り組みにあたって何が求められているかを考え、業務の見直しを
する必要があることそして町民がもっと主体的に健康づくりに関わるきっかけづくりを
したいと考えていたところ、盛岡保健所から「健康日本 21」市町村版策定についての助
言があり、プラン策定に着手しました。
健康日本 21 では、ヘルスプロモーションが大きな特徴になってきていました。これま
での計画書は、原案を事務局が提示し、参加者があれこれ言う事には誰もが慣れていま
すが、何もないところから出発するのは、事務局も関係者も初めての体験なので、とま
どうことばかりでした。策定し終えた今、1番強く心に残っている事は、町民が誰より
も早く火がついた、という事と何より上司がヘルスプロモーションに理解があり援護し
てくれたこと(上司は、ヘルスプロモーションというより、「これからは行政主導型では
なく、町民主体なんだ」というのが持論でした。)そして、話し合いのプロセスがとても
重要であるということを学びました。苦労した甲斐があって、書棚に飾られる策定書で
なく、ハンドブックとして、常に活用されるものになりました。
①方法
・健康づくりに対する考え方や対応の仕方が時代とともにどのように変化し、これ
からの長寿社会はどのような生き方が望ましいのか?についての研修と目標設定
型で自由に発言し合い、健康づくりについての共通認識を図った。
・原案のない会議(すがる物がない不安を事務局として、味わう。)
「健康な町になっていくには、どんなことが大切な要素か?」について、自由に
発言し、出た言葉を書きだし、ジャンル毎にまとめ、方向性を確認しあった。(否
定してはいけないという思いが頭に浮かび、担当者は混乱しながらも一生懸命)
②経過
・話し合ったことをまとめ参加者に配布。前回の内容が分かるように配慮した。
・話し合いを重ねるうちに町民自身が、何でも自由に話し合える雰囲気に満足し、
積極的になってきた。欠席報告の時はとても残念そうであった。
・計画づくりに参画しているという意識が高まり、策定を心待ちにしている様子が
伺えた。(本当に策定書にまとめられるのか、事務局は不安が高まる。)
③現在の状況
・事業の見直しを行い、新規事業に取り組んでいるが、必ず策定委員(現在は、推
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進委員という位置づけ)にお知らせしている。自分達の話し合ったことが実践に結
びついているということからも、関心が高くアドバイスもみられる。
・保健師同士のコミュニケーションの深まりと庁舎内関係者の共通認識が生まれ、
今では、「協力」を超え、
「連携」がうまれた。
・策定経過の中で、具体的事業が見え初めていたので、計画立案にそれ程苦労せず
事業推進中である。
・プロセスが大切、ということを実感している。
○ 関わった関係機関団体、住民組織、一般住民(具体的に)
計
画
策
定
< 町
民 >
保健推進員
食生活改善推進員
公衆衛生連絡協議会
老人クラブ連合会
沼宮内地区自治振興会連絡協議会
町PTA連絡協議会
ビビットクラブ
体育指導員
一般公募
委
員
< 関係機関 >
盛岡保健所
JA岩手中央支所
岩手町商工会
岩手町社会福祉協議会
学校保健会
< 役
場
町民課
住民生活課
2.きっかけ(なぜこのような方法をとったか)
学校教育課
社会教育課
中央公民館
横田児童館
<事務局計画調整会議>
>
<ア ド バ イ ザ ー>
健康福祉課
日本ヘルスサイエンスセンター
2.きっかけ
・10 数年前に、検診受診率の低い地区に焦点をあて、その改善のために事業を実施
したことがある。いつもの実施方法で行政の示す計画どおりに進めようとしたが成
果がみられなかった。悩んだ末、翌年には最初の計画段階から住民の意見を聞いた
ほうがいいのかな?と思い、会議を開催した時、事務局案を提示せずに相談を持ち
かけた。その結果、その地域特有の生活スタイルがあり習慣があることを学んだ。
そこに住む生活者だからこそ…と思われる貴重な意見やアイディアが出され、住民
が「自分達のこと」と受け止め、積極的に動き出し検診受診率は驚く程向上した。
行政主体では、「他人事」であり、要求・要望で終わったのではないか、と思った。
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3.事例を通しての学び・やってよかったこと(考え方、共感した点、技術・方法等)
・上司の理解と励まし、そしてバックアップがあったからこそ、不安を乗り越え
頑張る事ができた。
・保健師同士の共通認識が深まり、事業に取り組む姿勢に広がりがでた。
プラン策定がなければ、保健師同士の熱い想いを話し合う機会はなかったと思う。
・町民参画により、生活の中から感じている率直な声「本音」が聞かれ、健康づく
りの主役は町民という認識が生まれ、パートナーシップとしての関係構築ができた。
また、策定書の原稿を提示した時に、「ここの部分は、枠で囲った方が良い」とか
「この表現はわかりづらい」など、本気になって見てもらえたことが嬉しかった。
・庁舎内関係者とは、以前より話しやすくなり「協力」の関係から「連携」へと発
展してきた。
「一緒に仕事をしよう」という気運が感じられる。
・プランを策定した後の事業の企画立案に悩むことなく、皆で話し合ったプロセス
の中から「こんなことをしたい」と意欲的な意見が出された。皆で決めたことだか
ら事業がやりやすい。
・15 年度から「こどもの食」を入り口に、食の持っている多くの要素「文化」
「ふれ
あい」「育てる」「健康」のキーワードを実践するために「体験」を通じ活動を始め
た。多くの関係者が関わることにより、専門職の発想では得られないプログラムに
なり、参加者から喜ばれている。「楽しくなければ、次からは参加しなくなるよ」と
言いながら、連携の素晴らしさを実感している。
獲得した機能
阻害的要因
促進的要因
主な効果・今後の展望
・健康づくりから町 ・委員の人選におい ・上司の理解と励ま ・事業推進の中心的役
づくりの視点へと考 て、役職で選ぶとま し、バックアップに 割である保健師の共通
え方が発展した。
わりの人達がその人 よりみんなのやる気 認識が生まれたので、
・健康づくりの仲間 に 気 兼 ね し て し ま が育った。
意識が生まれた。
う。
互いに理解し合える関
・グループ毎の話し 係になった。
・専門職の視野が広 ・自分の所属してい 合いにより、誰もが ・保健師自身、「連携」
がった。
る立場で考えようと 躊躇することなく意 した事業への取り組み
・町民の熱意、発想 するので、人ごとの 見が出せた。
の素晴らしさを発見
が楽しいと実感するよ
ような意見になって ・何を言っても良い うになった。
しまう。
ということが場の雰
・健康づくり計画は、 囲気を盛り上げ、次
健康福祉課の業務と 回の参加意欲につな
考えてしまいがちで がった。
当初は、消極的な姿
勢がみられた。
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