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知って得する固定資産税の仕組み
知って得する固定資産税の仕組み エース鑑定コンサルティング(株) 代表取締役 不動産鑑定士 鈴木 彰 1 固定資産税の種類 土 地 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、山林、牧場、原野 その他の土地をいう 家 屋 住家、店舗、工場、倉庫その他の建物をいう 会社や個人で工場や商店などを経営している人 償却資産 が、その事業のために用いることができる機械、 器具、備品等をいう 2 固定資産税を納める人(納税義務者) 賦課期日:毎年1月1日時点 土 地 家 屋 償却資産 登記簿や課税台帳に所有者として登記又は登録されている人 賦課期日前に死亡したり 所有権が移転していたら 賦課期日時点でその固定資産を 現に所有している人に課税 4月1日に納税通知書発送(通常、年4回に分けて納税) 3 免税点とは 同一市町村で保有する資産の課税標準額の合計が・・・ 土 地 30万円未満 家 屋 20万円未満 償却資産 150万円未満 固定資産税は課税されない ※ 制令指定市の場合は、同一の区域内で判断※ 4 固定資産税算定の手順 固定資産の調査 評 価 評価額(価格)の決定 課税標準額の算定 課税標準額 × 税率 = 税額 課 税 納税通知書により税額を通知 5 固定資産税(土地)の評価と課税 評価 評価額(価格)の決定 評価員 <区役所> 住宅用地の特例 課税 ・評価補助員 負担水準(調整措置) 課税標準額の決定 税額の決定 ・区長委任 課税権 本来は、評価額×税率 ※複雑な仕組み 6 固定資産税(土地)の課税 7 価格と課税標準額との乖離 本来は 価格(評価額)=(本則)課税標準額 課税標準額×税率=税額 しかし 現状は ・課税の特例措置 ・負担水準の均衡化(調整措置) 課税標準額と価格は同一ではない 8 土地基本法の制定(平成元年制定) 土地基本法16条(公的土地評価の適正化等) 国は、適正な地価の形成及び課税の適正化に資するため、土地 の正常な価格を公示するとともに、公的土地評価について相互の均 衡と適正化が図られるように努めるものとする。 相続税 地価公示の8割 平成4年度~ 固定資産税 地価公示の7割 平成6年度~ 9 負担の調整措置(負担水準の均衡化) H5年度以前 H21年度~ H6年度 地価公示価格 (負担割合55%の場合) 地価公示価格 地価公示の割 を固定資産税 の評価額とした 70% 価格=地価公示価格 ×7割 価格 評価額と課税標 準額の乖離発生 地価の下落傾向 によりなだらかに 下降してきた 引下げ 据置きゾーン 100% 70% 60% 55% 前年度課税標準額 +価格の5% 課税標準額 10~20% 課税標準額 課税標準額 価格に対する 前年度標準額の割合 地価公示ベース 100% に対して固定資 産税価格は10~ 20%程度で推移 していた 地価公示価格 10 負担水準(調整措置)の仕組み 商業地(負担水準55%)の例 地価公示価格 地価下落傾向 100% 70% 価格 引下げ 商業地の上限:70% 地価公示の49% 価格(評価額)<A> (地価公示価格の7割) 据置きゾーン 60% 55% 前年度の課税標準額 <B> ※これまでの到達点 負担水準割合 前年度 課税標準額 +価格の5% B/A (これまでの課税標準額が今年度 の価格水準のどこまで到達して いるのか) 11 宅地の税額(計算方法) 宅地の区分の判定 負担水準の算出 小規模住宅用地、一般住宅用地又は非住宅用地 のいずれの区分に該当するかを判定 負担水準= 20年度課税標準額 21年度価格(本則課税標 準額) 課税標準額の算出 負担水準の割合から前期負担調整措置を適用 して21年度の課税標準額を求める 税額の算出 税額=21年度課税標準額×税率(1.4%) 12 納税通知書と納税の仕組み 1月1日 4月1日 4月末日 第1期 価 格 決 定 納 税 通 知 書 送 付 縦覧 期間 7月末日 第2期 12月末日 第3期 2月末日 第4期 納期は4期となるが、第1期で前納も可能 土地及び家屋について、自己の所有する資産の価格と 他の資産の価格を比較し、本人の資産に対する評価が 適正かどうか確認する。4月1日~4月30日 審査申出期間 固定資産の価格に不満がある場合は、 納税通知書を受け取った日の翌日から 60日以内に市町村長に不服申立できる。 13 固定資産税の縦覧 比 較 同一区内 他者資産 自己資産 縦覧帳簿 納税者であることを確認 できるもの 納税通知書・運転免許証 ・健康保険証など 代理人の場合は委任状 及び代理人自身の証明 自己資産の確認は 閲覧制度 固定資産の所在する 区役所課税課 4月1日から30日まで (土・日・祝日除く) 14 課税明細書の見方 1,000,000 2,000,000 ⑦価格 宅地の価格は、地価 公示価格の7割程度を 目途に評価する ⇒ 6,000,000÷0.7 =8,570,000円 (地価公示水準) 995,000 6,000,000 1,950,000 ⑩⑪本則課税標準額 本則課税標準額は原 則価格となるが、住宅 用地の場合、価格に特 例率を乗じた価格となる ⑦×1/6 =⑩ ⑦×1/3 =⑪ 1,000,000 14,000 2,000,000 6,000 ⑧⑨課税標準額 課税標準額は、実際の 税額を計算する基礎とな る価格 前年度の課税標準額に 負担調整措置を適用 ⑧×1.4% =⑭ ⑨×0.3% =⑮ 15 固定資産税(土地)の評価 16 3年サイクルの土地評価替え 18年度 19 20 21年度 22 価格調査基準日 下落修正 下落修正 評価替え 23 24年度 価格調査基準日 下落修正 下落修正 評価替え 評価替え 地価が著しく下落し た場合、引き下げる ことができる。 ・ 土地評価替えは、3年に1度行われる ・ 評価替え年度以外(平年度)は下落修正のみ行う ・ 評価替えの価格調査基準日は前年の1月1日 17 地目の認定 宅 地 住宅やマンション、ビル、店舗、工場等の 敷地、建物の建築が可能な空地など 田・畑(農地) 山 林 11種類の地目 雑種地 駐車場やゴルフ場、宅地造成地、資材置場、 鉄道線路等、他の地目に含まれないもの 地目は1月1日時点の利用現況により判断 18 地積の認定 土地の面積(地積) 土地登記簿 原則として しかし ○○区○○町 ▲□○番 ×××㎡ 登記簿地積による ・現況からみて、登記簿地積を用い ることが適当でない場合 実測面積等も可 (現況より登記簿地積が過大の場合) ・実測面積による申出がある場合 ・土地区画整理地区の換地 ・地籍調査地域において従前面積を 必要とする場合 実測図 課税地積 変更申出 19 地区・地域の区分) 住宅地区 状況類似 地域 状況類似地域 商業地区 状況類似 地域 工業地区 市内全域を商業地区、住宅地区、工業地地区に区分し、それを街路の状 況や公共施設等からの距離などを考慮して状況類似地域に区分する。 20 宅地の評価(標準宅地の選定) 路線価 100,000円/㎡ 標準宅地 路線価方式(同一の道路に接する土地は同じ路線価から計算) ・短時間で大量に評価できる ・価格に大きなばらつきが出ず、公正な評価が可能 ・地域ごとのバランスがとり易い ・全国一律基準での実施が容易 21 宅地の評価(主要街路の路線価) 状況類似地区 標準宅地 主要街路 100,000円/㎡ 地価公示地 県地価調査基準地 鑑定評価地 標準宅地評価の7割 主要街路とは・・・ ・状況類似地区ごとに1本 ・標準宅地の前面街路 ・標準的な状況の街路 標準宅地とは・・・ ・状況類似地区ごとに1箇所 ・標準的状況の土地 ・主要街路に接する宅地 22 市街地宅地評価法 標準宅地 主要街路 100,000円/㎡ 路線価付設の基準 ・街路の状況 系統・連続性 幅員の状況 ・公共施設等との状況 交通施設との接近 公共施設までの距離 ・家屋の疎密度その他宅地利用 家屋の疎密度 水道・ガス等の有無 その他街路 950,000円/㎡ 主要街路とその他の街路 の要因を1本づつ比較して 全ての路線価を決定 23 宅地の評価(画地計算法・その1) 路線価 × 画地要因の補正率 = 土地の1㎡あたり価格 土地の1㎡あたり価格 × 地積 =価格(評価額) 画地の価格(評価額)は、 奥行、間口、形状、街路との 接し方等の状況に応じて求め られる。 画地要因の補正 (Ⅰ) 奥行価格補正率 (Ⅱ)不整形地補正率 (Ⅲ)無道路地補正率 間口狭小補正率 (Ⅳ)がけ地等補正率 (Ⅴ)私道補正率 その他補正率 24 宅地の評価(画地計算法・その2) 100,000円/㎡ 高圧線 画地計算で考慮する項目 不整形地 欠落部分 崖地部分 (1)間口・奥行の距離 (2)地形・不整形の程度 (3)高圧線下地の割合 (4)敷地に含まれる崖や 法面の面積割合 (5)幹線道路や鉄道線路 からの距離(騒音など) 等 ・・・・・ 正面路線価 × 不整形補正率×がけ地補正率×高圧線補正率 = 土地の1㎡当たりの価格 25 固定資産税見直しのポイント 26 画地の認定 画地認定の原則 一筆の土地を一画地とする。 画地認定の例外 隣接する二筆以上の宅地の形状利用状況 からみて、一体をなしている場合等はその 一体部分を一画地とする。 居 宅 建物 塀 一体として利用 27 非課税とされる固定資産 公共の用に供する道路 狭隘道路 セットバック部分も非課税 社会福祉法人施設の用 に供する固定資産 保育園 土地所有者が有償で社会 福祉法人に賃貸している場 合は、適用されない 28 納税を免除することができる(減免)固定資産 災害や火災で被害を受けた者 生活保護受給者が所有する者 公益上、課税が好ましくないと判断される者 その他、市町村が必要と認める者 29 住宅用地の特例 住宅用地 200㎡ まで 部分 住宅用地の 特例措置に よる減額 1/3 1/6 課税対象 価格 土 地 評 価 額 200㎡ 超部分 30 住宅用地(小規模住宅用地)の税額 価格=地価公示価格 の7割 地価公示 価格(100%) 価格(70%) (評価額) 本則課税標準額 前年度課税標準額 に据置き 約12% 本則課税標準額 前年度課税標準額 + 本則課税標準額の5% 100% 80% 本則課税標準額に対する 前年度課税標準額の割合 住宅用地の課税標準 の特例措置 小規模住宅用地= 価格×1/6 又は1/3 (都市計画税は1/3) 31 市街化区域農地の特例 市街化区域内にある農地(生産緑地の指定を受けた農地 は除く)は、本来、宅地並の価格を基に課税されるが、特 例措置により税金が緩和されている。 市街化区域農地の本則課税標準額は 固定資産税:価 格×1/3 = 本則課税標準額 都市計画税:価 格×2/3 = 本則課税標準額 ※市街化区域農地の評価(価格)= 類似宅地の価額―造成費相当額 32 画地計算法による補正 全国一律 固定資産評価基準 ①奥行価格補正 ②側方路線影響 加算 ③二方路線影響加算 ④不整 形地補正 ⑤無道路地補正 ⑥間口 狭小補正 ⑦奥行長大補正 ⑧がけ 地補正 ⑨特別緑地保全地区補正 ⑩大規模工場用地補正 ⑪保安空 地等補正 総務省の通知 ①日照阻害補正 ②都市計画施 設予定地補正 ③鉄道・高速道 路による騒音・振動補正 ④幹線 道路による騒音・振動補正 市町村長による「所要の補正」 ①地上阻害物補正(高圧線等) ②地下阻害物補正 (地下鉄等) ③横断歩道隣接補正 ④道路より高低 補正 ⑤地積過小補正 ⑥私道、通路補正 ⑦一部私 道補正 ⑧水路補正 ⑨急傾斜地崩壊区域補正 etc 33 奥行価格補正 普住250,000 宅地の価格は、道路からの奥行が 長くなるに従い漸減する。 ※著しく短い場合も同様 5m 25m 奥行24~28mの場合、補正率0.99 奥行100m以上の場合、補正率0.80 34 不整形地補正 ①間口狭小補正率 間口5m 0.97(A) ②不整形地補正率(陰地割合) ・想定整形地 15m×15m=225㎡ ・対象地の地積 (15m×5m)+(10m×10m)=175㎡ ・陰地部分 225㎡−175㎡=50㎡ ・陰地割合 50㎡÷225㎡=22% ・不整形地補正率 0.97(B) 5m 5m 15m 15m ⑤1㎡当たり評点数 ③奥行長大補正率 15÷5=3m 普住 200,000 0.96(C) 奥行価格補正率 不整形地補正率 200,000 × 1.0 × 0.93 = 186,000 ④補正率の比較 A×B(0.94)>A×C (0.93) 小さい方 0.93を適用 35 無道路地補正 ①無道路地の補正率 奥行35mの 奥行価格補正率 奥行20mの 通路開設補正率 普住300,000 無道路地 補正率 0.96 × 0.80 × 0.60=0.45 20m ②陰地割合 想定整形地面積 対象地面積 {15×25-(15×15+10×8)} ÷ 35m 7m 10m 想定整形地面積 15×15 ×100 =18% ③1㎡当たり評点数 ①の補正率 ②の補正率 25m 300,000×0.45×0.96=129,600 36 間口が狭小な画地 普住250,000 宅地の価格は、間口が狭いと使い勝 手が悪く価値が減少する。 6m 1㎡当たり評点数 奥行10mの 奥行価格補正率 間口狭小 補正率 10m 250,000×1.0×0.97=242,500 37 奥行が長大な画地 普住250,000 奥行が間口に比べて長大な画地は、い わゆる画地バランスが劣り、減価する。 6m ①奥行長大補正率 奥行距離 間口距離 30 ÷ 6 =5 補正率0.96 30m ②1㎡当たり評点数 正面路線価 奥行30mの 奥行価格補正率 奥行長大 補正率 250,000×0.99×0.96=237,600 38 がけ地等を有する画地 4m ①がけ地割合 がけ地の地積 6m 評価対象地の地積 (6m×10m)÷(21m×10m)×100 =29% 15m ②1㎡当たり評点数 21mの奥行 価格補正率 がけ地 補正率 普住100,000 10m 100,000 × 1.0 × 0.90 =90,000 39 日照阻害を受ける画地 第1,2種低層住居専用地域で平坦地の例 軒の高さが7mを超える建築 物又は地階を除く階数が3以 上の建築物 日影時間測定点1.5m ▲ 平均地盤面 冬至日の8:00~16:00 3時間以上 0.90 評価対象宅地の中心点 5時間以上 0.80 40 騒音、振動のある画地 高速道路 ①地積地割合 騒音の影響を 受ける地積 普住200,000 評価対象地の 地積 (8m×15m)÷(15m×20m)×100 =40% ②1㎡当たり評点数 20mの奥行 価格補正率 8m 20m 20m 騒音 補正率 200,000 × 1.0 × 0.80 =160,000 15m 41 高圧線下にある画地(1) ①地積地割合 高圧線下 部分の地積 普住100,000 総地積 (8m×15m)÷(15m×20m)×100 =40% ②1㎡当たり評点数 20mの奥行 価格補正率 8m 高圧線 20m 高圧線下 補正率 100,000 × 1.0 × 0.80 =80,000 15m 42 高圧線下にある画地(2) ①地積地割合 高圧線下 部分の地積 総地積 (7m×80m)÷(80m×80m)×100 =8% 大工150,000 ②高圧線下以外の画地の評点数 80mの奥行補正 7m 高圧線 高圧線下以外地積 150,000×1.0×73m×80m =876,000,000 ③高圧線下の評点数 80m 80mの奥行補正 高圧線下補正 高圧線地積 150,000×1.0×0.50×7m×80m =42,000,000 ④1㎡当たり評点数 80m (876,000+42,000,000)÷6400㎡ =143,437 43 地下阻害物により影響を受ける画地 普住250,000 ①地積地割合 地下阻害のある 部分の地積 総地積 10m 40㎡ ÷ 150㎡×100=27% ②1㎡当たり評点数 15mの奥行 価格補正率 地下阻害物 補正率 250,000 × 1.0 × 0.90 =225,000 15m 阻害部分 40㎡ 深度20mまで 44 道路より低い位置にある画地 道路 A ⇒0.95 道路より低い位置にある 1m未満 ため、一般の画地に比べ 日照や水はけなどの状況 道路 B ⇒0.90 が(やや)不良であると認め 1m~2m られる画地 道路 C ⇒0.80 2m以上 45 一部に私道を含む画地 ①私道部分の地積 普住150,000 2m×8m=16㎡ 2m ②一部私道の補正率 {(80㎡—16㎡)÷80㎡} +16㎡/80㎡×0.1=0.82% 私道 10m ②1㎡当たり評点数 10mの奥行 価格補正率 間口狭小 補正率 一部私道 補正率 100,000 × 1.0 × 0.97×0.82 =79,540 8m 46 水路を介する画地 普住150,000 1.5m 水路(開渠) 水路幅員が概ね1mを超える水路 (暗渠は除く)を介して正面路線に 接する画地 10m (補正率 0.90) 8m 47 建築基準法の規定により制限 を受ける道路等に沿接する画地 ・建築基準法42条2項道路 普住90,000 42条2項道路 (後退済みの画地は除く) ・建築基準法43条ただし書き (補正率 0.95) 48 新築住宅についての減額 減額要件 ・居住部分の割合 居住部分が1/2以上 ・居住部分の床面積 50㎡以上280㎡以下 (一戸建以外の賃貸住宅は40㎡以上) 減額内容 ・120㎡以下の家屋 1/2(居住部分に限る) ・120㎡を超え280㎡以下 120㎡相当分について1/2 減額期間 ・一般の住宅(下記以外の住宅) 新築後3年間 ・3階以上の耐火・準耐火構造の住宅 新築後5年間 49 新築住宅についての減額(専用住宅の場合) ・減額措置 ⇒ Ok 床面積 50㎡≦130㎡≦280㎡ ・本来税額 9100000×1.7/100=154,700円 ・減額される額 9100000×1.7/100× 120㎡/130㎡×1/2=71,400円 ・課税される税額 154,000円−71,400円=82,600円 構造:木造2階建(専用住宅) 建築経過年数:建築後2年 延床面積:130㎡ 今年度の価格 9,100,000円 (1㎡当たり70,000円) 50 新築住宅についての減額(店舗併用住宅) ・減額措置 ⇒ Ok 90㎡/160㎡=0.56≧1/2 床面積 50㎡≦90㎡≦280㎡ ・本来税額 パン屋 11200000×1.7/100=190,400円 ・減額される額 11200000×1.7/100× 90㎡/160㎡×1/2=53,500円 ・課税される税額 190,400円−53,500円=136,900円 構造:木造2階建(店舗併用住宅) 建築経過年数:建築後2年 延床面積:160㎡(居住90㎡) 今年度の価格 11,200,000円 (1㎡当たり70,000円) 51 改修工事を行った住宅についての減額 工事の内容 耐震改修 バリアフリー 改 修 床面積 減額される額 昭和57年以前か 耐震基準に適合する ら所在する、 固定資産税額1/2 工事金額30万円以上 床面積120㎡まで 自己負担30万円以上 で、次の工事 平成19年以前か ・廊下の拡幅 ・階段勾配 ら所在する、 固定資産税額1/3 の緩和 ・浴室、便所の 床面積100㎡まで 改良 ・手摺りの取付 ・床段差の解消 等 省 エ ネ 改 修 工事金額30万円以上 平成20年以前か ら所在する、 固定資産税額1/3 で、次の工事 ・窓の改修工事 ・床、天 床面積120㎡まで 井、壁の断熱工事 52 固定資産税(家屋)の評価 53 家屋の評価額の求め方 新築家屋の調査 再建築価額の算出 評価額の算出 完成した家屋について、屋根、外壁、各部屋の 内装、資材の種類や数量、設備の状況など 評価する家屋と同様の家屋を新築した場合に 必要とされる建築費(「固定資産税評価基準」) ※実際の工事費や取得額は採用しない。 評価額 = 再建築価格 × 経年減点補正率 経過年数に応じた減価率 ※新築家屋は新築の翌年度から課税 家屋の価格決定 算出結果に基づき3月31日までに決定 54 家屋の評価額の算出式 評価額 再建築費 評点数 = × 評点数 × 損耗の状況によ る減点補正率 × 1 円 × 評点一点当たりの価額 需給事情によ る減点補正率 物価水準に よる補正率 × 設計管理費等 による補正率 55 評点数の求め方 評点数 ゠ 再建築費 評点数 損耗の状況に よる減点補正率 再建築費 評点数 評価する家屋と同様の家屋を新築した場合に必要とされる建築費 木造家屋17種類の構造別(専用住宅、共同住宅、店舗用等) ※実際の工事費や取得額は採用しない。 ・経年減点補正率 ・損耗減点補正率 需給事情によ る減点補正率 損耗の状況に × よる減点補正率 × 需給事情によ る減点補正率 初年度0.80、2年度0.75、 3年度0.70 定額法を用いて、最終残価率0.20 天災、火災その他の事由による 建築様式が著しく旧式となっている、所在地域の状況により その価額が減少すると認められる木造家屋に適用 56 部分別評価(木造家屋) 外壁(サイディング、モルタル吹付) 屋根(瓦、カラーベスト、陸屋根) 造 作 天井(クロス、ボード) 建 具 建築設備 (電気、給排水、衛生) 柱、枠組壁体 基礎(布基礎、ベタ基礎) 内壁(クロス、ボード) 床(フローリング、畳、じゅうたん) ※ 仮設工事 57 評点一点当たりの価額の求め方 評点一点 当りの価額 ゠ 物価水準に よる補正率 設計管理費等 による補正率 1 円 × 物価水準に よる補正率 × 設計管理費等 による補正率 家屋の資材費、労務費等の工事原価の地域的格差 (東京都の物価水準を1.00として、1.00、0.95 0.90の3段階に区分) 家屋の建築費に通常含まれている一般管理費、設 計管理費の工事原価に対する割合 (基準年度ごとに固定資産評価基準で定める) 58 再建築価額の算出方法 部分別評価 新増築家屋。基準に基づき、各部分の仕 上げ、程度を判定し、積上げて評価する。 比準評価 新増築家屋。標準的な26種類の標準家 屋に、対象家屋を振り分け、プラスマイナ スの比較補正で評価する。 在来家屋評価 既に固定資産税を課税されている家屋の 評価。前年度の評価に物価水準等を考 慮した補正率を乗じて評価する。 59 比準評価(木造住宅の例) 対象家屋 標準家屋 比 較 木造住宅 5ランク 比較(比準)項目 ①屋根の仕上げ、軒出 ②外壁の仕上 ③和室の割合 ④柱の太さ ⑤部屋の仕上の程度 ⑥間取り(部屋の広さ) ⑦建具 ⑧規模(延床面積) ・どのランクに属すか ・標準家屋を基に 項目ごとに比較する 60 家屋評価額の算出 経年減点補正 再建築価額 - 価値の減少分 = 評 価 額 年数の経過 耐用年数(用途、構造により相違) 木造住宅 25年 軽量鉄骨造住宅 30年 RC造事務所 65年 住宅 60年 店舗 50年 車庫 45年 最低残存価額 再建築価額×20% 61