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18F FDG を使用した PET/CT 検査説明書

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18F FDG を使用した PET/CT 検査説明書
2006/07/04
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F FDG を使用した PET/CT 検査説明書
1、 PET 検査で使用する 18F−FDG とは
FDGはフルオロデオキシグルコースの略
で、ブドウ糖(グルコース)に似た化合物です。
18F−FDG は、18F(フッ素)という陽電子(ポジ
トロン)を放出する放射性同位元素で標識し
た薬剤で、体にはブドウ糖と同じように取り込
まれます。ただしブドウ糖と違う点は 18F-FD
Gが尿といっしょに、腎臓、尿管、膀胱を経由
し体外に排泄されることです。
2、PET 検査のしくみ
体の細胞はブドウ糖をエネル
ギーとして活動しています。特
に、がん細胞は正常細胞に比
べ3∼8倍のブドウ糖が必要な
ことが分かっています。
18F-FDGを注射し、PET 装
置で全身分布を調べます。
18F-FDGを注射し、PET 装置
で全身分布を調べます。
3、PET 検査の優れているところ
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従来のCT・MRIなどで判断できないようながん(5∼10mm程度でも見
つけられる場合があります。
全身を一度の検査で見ることができます。
注射をした後は、寝ているだけの検査です。
他の検査や画像診断により、病期診断、転移、再発の診断が確定でき
ない場合に有効です。
4、PET 検査・受診のながれ
①検査前5時間は絶食してください。食事をすると正確
な診断ができません。(水・お茶はかまいません)
②検査に必要な問診をさせていただきます。
③検査着に着替えていただきます。
④薬剤(FDG)を静脈注射します。
⑤検査薬剤が全身にめぐるよう約1時間程度は安静に
していただきます。
⑥撮影時間は15∼20分間です
⑦検査が終わりましたら、約30分間は休憩室にて休んでいただきます。(全検査時間は2時間30分です)
⑧着替えがお済みになったら、ご帰宅いただけます。検査結果は後日診察時にお知らせします。
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5、PET製剤について予想される副作用について
PET検査で使用する製剤については気分不快、発熱、血圧低下などが発生する可能性がありますが、重篤な副作用
についてはほとんど報告はありません。
6、PET 検査の被ばく
PET 検査ではごく少量の
放射性医薬品( 18F-FDG)を
体内に投与(静脈注射)して
検査を実施しますので、放
射線被曝があります。被曝
線量は PET 検査を1回受け
た場合、2.2mSV*(ミリシー
ベルト)程度であるといわれ
ています。この被曝線量は
人間が日常の生活の中で1
年間に自然界から受ける放
射線量とほぼ同等です。健
康診断で行う胃の X 線検査
(4mSV*)に比べても少ない
被曝線量です。PET検査の
被曝により急性の放射線障
害が起こることはありません。
*国連科学委員会の報告書
による世界平均の被ばく量
7、PET 検査は万能ではありません
PET検査では以下に挙げる事由において、診断が難しい場合があります。
①見つけにくいがん
・胃がん・前立腺がん・肝細胞がん・胆道がん・高分化型肺がん・白血病
・腎臓、尿管、膀胱など尿路系のがんや膀胱近くに位置する臓器のがん[前立腺がん、子宮頸がん]
(尿中に排泄される 18F-FDGの影響で検出困難なことがあります)
②がんとの区別が難しい場合
・炎症→肺炎の炎症巣、良性の肉芽腫疾患など
・運動→前日のテニス、ゴルフ、ジョギング、水泳などで筋肉に異常集積することがあります
③血糖値が150∼200mg/dl を超えている場合
・PET検査では、血糖値により大きく影響される性質があり、糖尿病の患者さまの場合は 18F-FDG が筋肉に集まりや
すいため、検査の精度が落ちる場合があります。
以上がPET検査の弱点とされていますが、PETの得意とするがんも、すべて発見されているわけではなく、見つからな
いケースも考えられます。
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