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機能訓練重視の看護展開で在宅での生活をトータルにサポート

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機能訓練重視の看護展開で在宅での生活をトータルにサポート
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社団法人福島県看護協会
しゃくなげ浪江訪問看護ステーション
(福島県・浪江町)
社団法人福島県看護協会
しゃくなげ浪江訪問看護ステーション
福島県双葉郡浪江町大字権現堂字矢沢町6番1号
[管理者]山本ふみ子
山本ふみ子さん
機能訓練重視の看護展開で
在宅での生活をトータルにサポート
う に な る」
といった生
活上の細か
家族とのコミュニケーションやスタッフ
同士の情報共有に欠かせないふれあい
ノート。Oさんの心身の情報や各スタッ
フへの連絡事項が書き込まれています。
な目標を設定していると遠山さんはいい
ます。ゴールは
「家の中を立って歩けるよう
町唯一のステーションとして
い”
というイメージが地域に定着してきたの
になること」です。訪問中、前向きな2人
地域のニーズとともに歩む
は、スタッフ全員の努力の賜物です」
の会話はとぎれることなく続き、終始、和
やかな雰囲気に包まれていました。
しゃくなげ浪江訪問看護ステーション
は、1999年に福島県看護協会により設
更にこの日は、かかりつけ医による健康
立された浪江町で唯一の訪問看護ステー
Oさん
(70歳代、女性)も、機能訓練目
診断の検査結果をもとに、生活上のアド
ションです。浪江町は福島県の太平洋に
的の利用者の1人です。Oさんは2006年
バイスが行われました。血糖値が高いと
医師に指摘されたことを気にするOさんに
面した人口およそ2万人の町で、周辺地域
4月に転倒し、腰椎を圧迫骨折しました。
も含め、このエリアは訪問看護ステーショ
当初3カ月間の安
対し、遠山さんは
「大丈夫ですよ」と
ンの数が少なく、同ステーションは広範囲
静といわれていま
励ましながら、やる気を促しました。
な地域の在宅医療を支える社会資源とし
したが、筋力が 低
「訪問看護師が機能訓練を行うメリ
て、重要な役割を担ってきました。それだ
下して寝たきり生
ットは、同時に疾患を見ながら生活
けに「看護を必要とする声にしっかりとこ
活が1年半まで長
をトータルでサポートできることで
たえていきたい」と、基本的に依頼は断ら
引いてしまいまし
ない方針を貫いてきました。2003年には
た。Oさん は、こ
南に17kmほど離れた富岡町にサテライト
のままではいたく
ステーションを併設して広域のニーズに対
ないと、要介護認
応し、現在はベテラン看護師を中心に7人
定を受ける手続き
の訪問看護師が生活者重視のサービスを
を行い、要介護3
提供しています。
に認定されたため
利用者のおよそ8割が介護保険利用で、
2007年9月 よ り
疾病はまちまちですが、その多くが機能
訪問看護の利用
訓練を必要としているのが特徴です。
「重
を開始しました。
「Oさ ん の 場 合 に は、
筋力は低下していても
関節が固まっていなか
ったのが幸いでした」
と遠山さん。ベッド上
での 小さな 動 作 から
始 め、徐 々に 筋 力 を
付けていきます。
す」と遠山さんはい
います。
ターミナルにも
積極的に対応
一方、同ステーシ
レンタルの車いすと歩
行器を活用して、立位
を保持する練習を行い
ます。不安定だったひ
ざも徐々に安定し、立
位を保持できる時間が
次 第に長くなってきま
した。
ョンでは難 病やタ
ーミナル の 利用者
のケアにも積 極的
に 取り組 んで いま
要なのは寝たきりを作らないこと。在宅
この日訪れたの
す。
遠方の病院から、
での機能訓練重視の看護展開は、地域の
は、開始当初からOさんにかかわっ
がんの 在 宅ターミ
期待にこたえるための必然的な流れだっ
ている訪問看護師の遠山りい子さ
ナル の人を 依 頼さ
た」と、2007年7月に管理者に就任した
ん。いつもどおりバイタルサインの
れることもあります。
山本ふみ子さんは語ります。
チェックを行い、下肢の機能訓練を
「医療依存度の高い
「訪問看護の対象は地域で暮らす“生活
開始しました。まずはベッド上で膝
ケースにも対応でき
者”
であり、障害を抱えなが
の屈伸などを行い、続いて
ることが、これまでの積み重ねにより認め
らいかにQOLを維持するか
ベッドサイドに腰をかけ、脚
られてきた」
と山本さんはいいます。
が大切です。
“機能訓練に強
を動かします。
「力強くなった
看護協会立であるため制度に関する新
ね」と褒める遠山さんに、O
しい情報なども得やすく、研修会や訪問
さんは 笑 顔 でこた えます。
看護師同士の交流の機会も充実している
スタッフは浪江町5人、富岡町のサテライト3人の合計8人で
事務職員1人以外、全員看護師。人手が不足したときに、も
う片方のスタッフが応援するなどの柔軟な対応ができるのも
サテライトを持つメリットです。
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機能回復を実生活につなげる
遠山さんは、
「本人の意欲が非常に高く、
ことがメリットと考えられます。今後は、こ
開始早々から改善がみられました。足の
うした強みを生かしながら地域の医療機
筋力が徐々に回復し、ADLも向上している」
関との連携関係を強め、同時に研修会な
と話します。
「ベッドから車いすへ自分1人で
どへも積極的に参加してスキルアップを図
移動できるようになった」というOさんは、
ることを目標にしています。
継続すれば改善するという自信がついて
「ターミナルケアにも、より積極的に取
きたようです。リハビリテーションでは機
り組み、これから迎える“在宅での看取り
能回復を日常動作につなげることが重要
の時代”
に対応していきたい」と山本さんは
であり、Oさんの場合も、
「便座に座れるよ
語ってくれました。
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