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DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス
DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える 2016 年 1 月 スポンサー DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 はじめに モバイルデバイスの普及に伴い、性急で寛容さに欠けるアプリケーションユーザーが生まれています。 このために組織は、最 優先のアプリケーション指標として、デジタルユーザーエクスペリエンスの測定と管理を余儀なくされています。ユーザーエク スペリエンスの測定には、従来のIT評価基準に加えて、従来とは異なる数種も網羅した、複合的な測定基準が必要です。本調 査によると、多くの組織が DevOps アプローチに移行しているのは、 アプリケーションリリースの発生ペースを加速するため だけでなく、積極的にエンドユーザーエクスペリエンスを管理するためでもあるという結果が出ています。 このように進化する組織は、 アプリケーションライフサイクルの早い段階から APM ツールを導入するだけでなく、同ツール からより多くの価値を引き出しています。ユーザーエクスペリエンスを把握し、測定するという複雑な課題に取り組むには、洗 練されたツールが不可欠です。本レポートでは、 こうした優れたツールをアプリケーションライフサイクルの早期から使用す ることが、高品質なアプリケーションとユーザーエクスペリエンスの改善に直接結び付くことを確認します。ただし、昨今のア プリ市場の 5 割以上は、ユーザーエクスペリエンスの測定と管理に求められる、 アプリケーション性能管理 (APM) の必要な 機能を備えていません。 主な調査結果 • 会社はデジタルユーザーエクスペリエンスを重視している -- 85% の開発者がカスタマーエクスペリエンスに着目しています -- 95% の成熟度の高い DevOps チームがカスタマーエクスペリエンスに着目しています -- 82% が APM を積極的に活用してエンドユーザーエクスペリエンスを管理しています • ほとんどの会社がユーザーエクスペリエンスを測定または管理する機能を欠いています -- 57% はユーザーエクスペリエンス用のダッシュボードがありません -- 61% はエンドツーエンドプロセスを把握していません -- 67% はコーディングやサーバー上のトランザクションに織り込む知見を持たず、それが低パフォーマンスやクラッシュ を招いています • 先進的なツールによるプロセス最適化が、 より高品質なアプリケーションを生み出す -- 94% はテストと開発に APM ツールを活用するとより優れたアプリケーションを制作できることを示しています -- より優れた APM ツールは高品質なアプリケーションをもたらします -- アプリケーションリリースの頻度が高い会社は、明らかにより積極的にAPMを利用しています スポンサー www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 詳細な調査結果 本レポートでは、96% の調査参加者がアプリケーションの速度と応答性は極めて重要だと回答しており、 アプリケーション性 能の重要性が前面に出る結果となりました。反対に、 アプリケーション性能は重要ではないと答えたのは、回答者の 1% にす ぎません。 このことは、 これまでの IT ハードウェア重視からアプリケーション重視の観点へ移行していることを示唆します。 おそらくこのアプリケーション重視の姿勢は、性能の低いアプリケーションは躊躇なく見限るユーザーが急増したために生じ たものです。最近行われた調査 「Mobile App Use and Abandonment (モバイルアプリの使用と放棄)」 で、モバイルユーザ ーはこの点を明確に示しています。 この調査によると、48% はアプリケーションをアンインストールし、33% は単純に使用を止 め、32% は別の会社からアプリケーションを探すと回答しています。今日のユーザーは、モバイルデバイス経由でビジネスア プリケーションにアクセスすることが少なくありません。 このため、モバイルデバイスにおけるユーザーの意識と使用経験は ビジネスアプリケーションの性能に対する期待に影響を及ぼします。 ページ 3 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 アプリケーションに不具合があるとユーザーエクスペリエンスが瞬時に悪化し、80% の調査参加者は、問題のあるアプリケー ションはせいぜい 2、3 回試して、使用をやめるとしています。 また、 アプリケーションの使用を 1 回だけ試してみると回答した のは 15% で、6% は問題のあるアプリケーションはもう試すこともないと回答しました。 従来、 アプリケーションは3秒で応答しなければならないとされてきました。 しかし、本レポートの調査参加者の 49% はアプリ ケーションが 2 秒以内に応答することを期待すると回答しており、ユーザーの求める水準が上がっていることを示しています。 つまり、ユーザーは、高速で、応答性が高く、不具合のないアプリケーションを望んでおり、それを満たさないアプリケーション は失敗に終わることを意味します。今日、ほとんどの IT チームはアプリケーション性能に気を配り、測定も行っていますが、 ア プリケーション性能の本質は、そのアプリケーションに対するユーザーの意識です。ユーザーのエクスペリエンスとは、ハード ウェア、 ソフトウェア、ネットワーク性能という要素に、 アプリケーションの設計と操作性を加えた複合的なものです。従って、ユ ーザーエクスペリエンスでは包括的な測定が求められ、価値を提供するアプリケーション能力と、ユーザーの期待を満たす総 合力を計測できる評価基準が必要です。 ページ 4 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 ユーザーエクスペリエンスの測定と管理は、 一筋縄ではいきません。 テクノロジー専門家が示唆するように、 ユーザーの本音を適 切に見抜くため多数の指標が必要になります。 多くの指標は、 アプリケーションの応答時間、 アップタイム、 トランザクションメトリ クスなど従来通りの ITの評価基準です。 しかし、 テクノロジー専門家は、 ユーザーエクスペリエンスを完全に理解するには、 ユーザ ーフロー、 ユーザーフィードバック、 ユーザーペルソナなど、 従来とは異なる評価基準も必要だとし、 導入するようになっています。 85%の調査参加者は、自分の会社がユーザーエクスペリエンスの管理と向上に正面から取り組んでいると回答し、アプリケー ションの性能からユーザーの意識へと、重点がシフトしていることを示しています。今では多くの会社がアジャイル開発を採 用し、DevOpsプロセスを併用して、かつてない速度でアプリケーションを市場投入しています。そのなかで、十分完成された DevOpsプロセスを備える会社は、一段と真剣な姿勢でユーザーエクスペリエンスに取り組んでいることが明らかになりました。 ページ 5 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 ユーザーエクスペリエンスへの会社の注目度が高まるなか、82% の調査参加者は、現在ではアプリケーション性能のモニタリングを、 ユーザーエクスペリエンスを積極的にモニタリングするために行っていると回答しています。前述したように、 これは着目点が従来通り の IT の運用速度と評価基準から、 よりユーザー中心の視点でとらえたアプリケーション管理に向かって変化していることを示します。 DevOpsチームと開発チームの回答から、積極的なAPMの使用とアプリケーションリリースの頻度が直接相関していること が明らかになりました。 アプリケーションとアップデートを毎日リリースしている担当者の93%が、積極的にAPMを使用して います。対照的に、月単位のリリースを行っている人でAPMを積極活用しているのは74%にすぎませんでした。 また、毎日リ リースを行う人は、APMの積極的な活用だけでなく、 アプリケーションライフサイクルの早い段階で、特にテストと開発フェ ーズにおいて同ツールを使用しています。 これらの調査結果は、チームがアプリケーションの実稼働後に測定するだけではな く、 アプリケーションのリリース前にユーザーエクスペリエンスを測定、検証することに余念がないことを示しています。、 この ことは、専門のDevOpsチームが、肯定的なエンドユーザーエクスペリエンスを表す評価基準のしきい値を設定し、 アプリケ ーションのリリース合否の判定に使っていることを示します。 ページ 6 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 ライフサイクルの早期で APM を使うことは、実用的かつ理にかなったアプローチであり、94% の調査対象者は、開発とテス ト時に APM を使うと、 より高品質なアプリケーションにつながると認めています。従って、APM の積極的な活用は、 アプリケ ーションライフサイクルの初期段階から始まり、 より高品質なアプリケーションに直結します。APM が本レポートで前述のユ ーザーエクスペリエンスすべての指標を測定できれば、 このアプローチがユーザーエクスペリエンスの向上につながること への根拠になり得ます。 DevOps チームが存在することは、組織の最適化では、アプリケーションのリリース工程の迅速化と品質向上に注目するだ けでなく、ユーザーエクスペリエンスを評価することで効果を計測する必要があることを示しています。 これらの調査結果は、 成熟度の高い組織が APM ソリューションから多くのメリットを享受しており、 アプリケーション性能の向上とバグ低減による 安定性が、ユーザーエクスペリエンスの著しい向上につながっていることを示します。 ページ 7 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 調査対象者に対して、各自の APM ツールへのアクセス性を質問したところ、すべての APM ツールに直接アクセスできる DevOps チームと開発チームは、より高品質なアプリケーションをリリースしているという結果が出ています。従来、APM は IT チームが購入し、運用するもので、開発および DevOps チームは一部のツールにしかアクセスできなかったため、アプリケ ーションリリースの品質低下を招いていました。 本レポートで前述したように、調査回答者はユーザーエクスペリエンスの測定に各自の考えるいくつかの主要指標が必要だ と回答しています。 しかし、57%はエンドユーザーエクスペリエンス用のダッシュボードを備えていません。61%はエンドツー エンドの可視性すらなく、 さらに67%は、ユーザーがアプリケーションを見限る前に不具合を素早く捉えて修正する、総合的な 原因究明能力を備えていません。 このことから、 アプリ市場の5割以上が、肯定的なユーザーエクスペリエンスを保証する必要 があると認識しているものの、 ソリューションを備えていないことが分かります。 57% はユーザーエクスペリエンス用の ダッシュボードがありません 61% はエンドツーエンドプロセスを把握していません 67% は原因究明用の総合的な機能を備えていません ページ 8 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. All Rights Reserved. DEVOPS、APM、およびデジタルユーザーエクスペリエンス アプリケーション性能に関する理解を変える ディメンショナル・リサーチ社 | 2016 年 1 月 結論 DevOps チーム、開発者、IT専門家は、ますますユーザーエクスペリエンスに着目しています。ユーザーエクスペリエンスは、 アプリケーションの本質を表すものあるいは尺度であり、多数の指標を反映しています。ユーザーの期待が満たされない場 合、理由が何であれアプリケーションは即座に見限られてしまいます。今日のアプリケーション利用者の要求を満たすために は、開発チームと DevOps チームが高度な APM ツールをアプリケーションライフサイクル全体で積極的に使わなければな りません。 このことは、実稼働後にアプリケーション性能を測定するという既成慣習からの脱却を意味し、代わりに、ユーザー エクスペリエンスをリリース前に確実に合格水準にするという潮流を表しています。 APM ソリューションは、 IT インフラストラクチャとアプリケーションの従来の指標を引き続き測定しながらも、ユーザーエク スペリエンスを完全に理解するために、新たなユーザー中心型の評価基準を導入しなければなりません。会社の技術チーム は、 より回転の速いアプリケーション開発とリリースプロセスを促進するために再編成を始めています。 しかし、組織および工 程の変化において、高品質なリリースを確かなものにするため、チームはユーザーエクスペリエンス用ツールと性能ツール に完全にアクセスできなければなりません。 アプリケーション性能の責任者であり、情報の玄関口であるIT運用チームの従来 のアプローチを固守すると、結果として低品質のアプリケーションと劣悪なユーザーエクスペリエンスを招きます。 さらに本調 査では、ユーザーエクスペリエンスを測定し、良質な体験感を確実に届けるために必要なツールを備えているのは、現時点で アプリ市場の5割に満たないという結果が出ています。 これにより、 カスタマーがアプリを放棄するリスクが上昇しています。 調査方法 独立したデータベースから開発者、DevOps チーム、および IT 専門家を調査参加者として募り、アプリケーションの品質、 開発とリリースのプロセス、およびユーザーエクスペリエンスについてグローバルに Web サイト形式で実施した調査です。 合計 303 人が調査回答への記入を完了しました。調査は電子的に運営され、調査参加者には参加への謝礼として記念品が提 供されました。 ディメンショナル・リサーチ社について ディメンショナル・リサーチ社®は、テクノロジー会社が顧客の一層の成功を支援できるように実用的な市場調査を提供する会 社です。当社の研究者は、 IT 企業の人材、 プロセス、 テクノロジーに関するエキスパートであり、 IT 組織がどのように運営され ているかを把握しています。当社は依頼者と提携して、 リスクの軽減、顧客満足度の向上、ビジネスの拡大に関する行動に移 せる情報を提供します。詳細については、www.dimensionalresearch.com をご覧ください。 HPEについて 詳細については、 http://www8.hp.com/us/en/software/enterprise-software.html をご覧ください。 ページ 9 www.dimensionalresearch.com © 2016 Dimensional Research. 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