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臨床心理学専攻(修士課程) 授業科目の概要

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臨床心理学専攻(修士課程) 授業科目の概要
臨床心理学専攻(修士課程) 授業科目の概要
科目
区分
授業科目の名称
Developing Critical
Thinking Skills
講義等の内容
服部 孝彦
クリティカル・シンキングは他人の意見を批判的に見るのではなく情
報や知識を複数の視点から注意深く、かつ論理的に分析する能力であ
る。哲学、心理学、教育学、社会学、文学のようにそれぞれ独立して
発展してきた学問が、複合的な問題分析と解決案を要求するようにな
ったことから学際的なアプローチが重要となった。本講では方法論と
してのクリティカル・シンキングにとどまらず態度としてのクリティ
カル・シンキング力の育成も目指す。(講義での使用言語は英語であ
る。)
服部 孝彦
クリティカル・リーディングでは、テクスト理解のプロセスへの認知的
参加が可能となる能力を育成する。そのために必要に応じて使い分け
るべきリーディングの種類、テクストの批判的分析方法を考察する。
クリティカル・ライティングでは、説得力を持った論理展開ができる能
力を育成する。そのために argumentative essay の書き方のプロセス
を例に、論理構造について考察する。(講義での使用言語は英語であ
る。)
深津千賀子
臨床心理学の基礎およびその実践に関する専門知識を体系的に講義す
る。具体的には臨床心理学の定義、歴史、倫理、日本における臨床心
理学の現状と課題、心理査定、心理面接、地域援助、研究といった領
域における心理臨床の内容について、具体的に触れる。特に、人間の
健康な心から病理まで、連続性をもって考える精神力動的な立場から、
人格の構造論、その発達やライフサイクル、心身を統合的に考える病
態論、パーソナリティ論などについて学び、ひいては心理臨床の基本
になるアセスメントとセラピストークライエント関係についての理解
を深める。
加藤美智子
心理的面接の基本を身につけるため、毎週の授業を面接に見立てなが
ら進める。毎回の授業では、事前に文献を読み、文献への理解につい
てレポートし、自分の考えや感じるところを表現し、メンバーからの
フィードバックをもらう。毎回の積み重ねの中で、自分への理解と心
理面接への理解を深めていく。また、授業の後半ではクライエント中
心療法のシナリオロールプレイを行い、面接の基礎知識と体験を関連
づけながら、面接の流れ(プロセス)を学ぶ。
西河 正行
臨床心理面接は、臨床心理学的な援助を行う場合のもっとも基本的か
つ中核的な方法である。技法論的にはさまざまな立場があるが、学派
や対象を超えて共通に考慮されるべき事柄として治療構造論がある。
授業では文献を輪読し討論を通して理解を深めるが、適宜、体験的な
学習を取り入れて、より実践につながるようにする。授業の前半では
治療構造論の基本を学び、後半では特に来談者中心療法および精神分
析的心理療法を比較を通して、治療構造論的観点から面接を明らかに
することを試みる。
西河 正行
深津千賀子
福島 哲夫
本演習では、授業の前半では、TAT と知能検査を取り上げ、その施行
および解釈について、大学院生同士のロールプレイを含めて体験的に
学習を進める。TAT については、Cramer,P をもとに基礎理論を学習し、
要求-圧力分析、形式分析、かかわり分析、防衛機制、SCORS につい
て学ぶ。知能検査については、ウェクスラー検査を取り上げる。授業
の後半では、テストバッテリーについて学び、それぞれの心理検査の
特性を考慮して、心理検査と臨床像の統合、病態水準の現れの特徴な
どについて力動的な観点からの解釈を学ぶ。
西河 正行
深津千賀子
福島 哲夫
この演習では面接によっていかに心理アセスメントを進めていくかを
実践的に指導することを目的とする。まずは DSM や ICD などの国際標
準の精神医学的アセスメントと、生物ー心理ー社会モデルにさらにス
ピリチュアルな(いわゆる「人生の意味」などの)視点も加えたアセ
スメント、力動的アセスメントについて解説した後に、各主訴別に実
際の事例に基づいたロールプレイによって、面接査定の実際について、
実習していく。
基礎科目
担当教員
Critical Reading and
Writing
臨床心理学特論
臨床心理面接特論A
臨床心理学基礎分野
臨床心理面接特論B
臨床心理査定演習A
臨床心理査定演習B
加藤美智子
西河 正行
心理面接の基礎実習として、大学院生がクライエント役、セラピスト役
を演じるロールプレイを行う。特に、来談者中心療法の基本的態度につ
いて体験的に学ぶ。実施時間を次第に延長し、前期後半では 50 分の面
接を行う。いずれも実習後に、面接のプロセスを検討し、各人の問題点
について検討する。この体験を元に、夏休みに他大学の大学院生と、ス
ーパービジョンを行いながら 3 回の試行カウンセリングを行う。後期は、
試行カウンセリングの振り返りを行い、ついで臨床事例を元にいろいろ
な臨床場面を想定したロールプレイを実施する。
臨床心理実習
深津千賀子
福島 哲夫
古田 雅明
石田多枝子
内田 良一
実際の臨床事例を担当し、それを緻密に振り返ることを通じて、心理療
法臨床の実践力を養う。まず、学外の病院やクリニック、さらに児童関
連施設や教育相談の現場などにおいての実習とその指導をおこなう。そ
してそれと同時に 1 年次後期より学内の心理療法相談センターにおい
て、センタスタッフが行う受理面接への陪席、観察室からの観察や振り
返りと指導、ついで幼児や児童への遊戯療法や、思春期・青年期の来談
者への心理療法面接を実施したものについて、グループ・スーパーヴィ
ジョンやケースカンファレンスなどによる指導を行う。
臨床心理特別実習
加藤美智子
西河 正行
深津千賀子
福島 哲夫
古田 雅明
伊藤 幸江
福田 由利
院生が心理相談センターにて担当している事例に即して、心理臨床・心
理療法の継続的な進め方について、より専門的な指導をおこなう。一つ
一つの事例に関して、継続中に同時進行的にスーパーヴィジョンをおこ
なうことで、よりきめ細かい事例に即した指導をしていくことを目的と
する。
坂本 真士
本講義では,臨床心理学における実証的研究法の習得を目指す。すべて
講義によって行う予定である。授業計画は以下の通りである。まず、第
1回目にガイダンスを行い、その後、2回~4回目で臨床にどのような
実証的な研究が必要なのかについて述べる。5回以降は各論に移り、質
問紙法、実験法、面接法について順次説明していく(5~11回)。そ
の後、研究と実践における倫理の問題、論文の書き方・まとめ方、研究
と実践がリンクした例について触れていくことにする。
渡辺 俊之
臨床事例を通して、力動精神医学的観点からクライアント理解、クライ
アントとセラピスト関係、治療技法についてグループディスカッション
を中心にして学習する。特に、本学では、夏休みに大学院生にとって初
めての事例体験となる試行カウンセリングを実施するが、この体験を知
的に整理するために本講義は夏休みを利用して集中的に行う。
泊
真児
本講義では、授業内容の学習を通し、受講生が独力で一通りの主要なデ
ータ解析ができるようになることを目標としている。今日の心理臨床で
は、その実践的効果性を科学的に実証することが重要課題の一つとなっ
ている。このことは、クライエントの幸福に資するのみならず、臨床心
理士の高度の専門性を確立していく上でも必須となるはずである。本講
義では、臨床心理学において実証研究を行う際に利用される主要な統計
解析技法について、理論的概説と共に、統計解析ソフト(SPSS 等)を用
いたデータ解析演習を通して学んでいく。
真児
本講義の目標は、抑うつや対人不安などの様々な臨床的問題を、認知心
理学的視座から分析できるようになることである。そのため授業は、学
術論文等の精読・討論による演習も取り入れながら進める。心理臨床は、
悩みや問題を抱える人々の援助を通して、問題の本質的理解や改善・解
決を目指す営みと言える。ただし、心理臨床的な人間理解においても、
人の認知的過程に関する基礎知識は不可欠である。臨床現場におけるカ
ウンセラーとクライエント相互の認知的過程やバイアスを理解するこ
とで、現象の多面的理解が促進されるものと期待される。
臨床心理基礎実習
臨床心理学基礎分野
臨床心理学研究法特論Ⅰ
(実証的研究法)
事例研究法特論
臨
床
心
理
学
専
門
分
野
心理統計学特論
臨床認知心理学特論
発達心理学特論
泊
向井 敦子
生物学的存在として生まれた「ヒト」が人間社会で生活していく中で、
「人間」として発達していく過程における諸問題を、発達心理学的に検
討する。学生はレポーターとなって、テーマごとに発表を行なう形式を
とる。テーマとしては、まず、大脳の構造と機能の発達を概観する。そ
の上で、乳幼児期における知覚・認知の発達、言語の発達、社会性の発
達について、運動機能の発達との関連を検討する。特にピアジェの感覚
運動期の意義を、触覚的探索の重要性の側面から検討していく。
優
以下の3つの領域について論ずる。1つは、臨床心理学やカウンセリン
グの基礎としての人間理解を促進するため、対人関係について社会心理
学的観点から検討することである。2つは、対人関係の具体的な研究領
域として、ソーシャル・サポートをとりあげ、支える側と支えられる側
とのやりとりに注目した研究成果をふまえ、その問題と今後の課題を展
望する。3つは、職場における人間関係の問題として、キャリア発達の
観点から論ずる。
優
社会心理学の領域における調査研究法(質問紙調査・面接調査・観察調
査)、あるいは、実験研究法(実験室実験・質問紙実験・フィールド実
験)に関する演習をおこなうことにより、実証的なアプローチによる研
究について習得することを目的とする。 そのために、受講者の興味・
関心基づくテーマを決め、研究の企画・計画・実施・分析・考察の一連
の過程について演習を行うことから、上記目的の習得をめざす。
中釜 洋子
システミック心理療法について学ぶ。具体的には、家族などの小集団を
ひとまとまりのシステムとして捉えるとはどのようなことか、システム
と作業同盟を結び、システム全体の不具合に働きかけてゆくためにはど
うしたらよいかについて、システミック心理療法の理論と面接技法につ
いて修得することがこの授業のねらいである。より効果的な学習とする
ため、文献購読やグループ・ディスカッションに加えて、ロールプレイ
などの体験学習を随時導入しながら授業を進める。この体験学習は、一
つのグループ体験であり、集中的に行うことによって大きな効果があげ
られる。
渡辺 俊之
精神医学の基本的知識(統合失調症、気分障害、神経症性障害、発達障
害、パーソナリティ障害、アディクションなど)、またクライエントの
精神医学的評価、身体疾患との鑑別や医療スタッフとの連携の方法につ
いて学習する。
障害児心理学演習
向井 敦子
身体的・認知的・社会的発達障害を持つ子供達が直面する諸問題を明ら
かにしながら、発達障害児の成長と発達を支援する心理学的実践工作を
行い、その心理学的意義を検討する。具体的には相談センターに来所す
る発達障害児に対する教育実践を受講者全員で交代して行いつつ、その
意義を理論的に検討する。学生は、毎回の実践のテーマを定め、課題を
作成して実践に臨む。その企図と成り行きと考察をレポートして、問題
点を共有し、よりよい実践活動を目指して心理学的な検討を行う。
臨床心理学研究法特論Ⅱ
(投映法基礎)
伊藤 幸江
Rorschach Test に関する基礎的な知識と技法を習得することを課題と
し、片口法に基づく施行法・記号化法・量的分析法の指導を行う。
深津千賀子
査定演習 A,B で学んだ心理検査について、例えば、統合失調症、境界例
や自己愛人格に代表されるような人格障害、発達障害など様々の病態水
準の事例について、その典型例を通して、心理検査上の特徴を学ぶ。こ
こでは投影法であるロールシャッハ、SCT、描画法あるいは知能検査な
どのテスト・バッテリーから得た情報を統合して、病態のアセスメント
をし、心理療法の適用について検討するといった、より高度な心理臨床
の実践に触れるのと同時に、心理検査の所見の書き方なども実践する。
修士 1 年生は、心理相談センターの内部実習の一つとして、これらの心
理検査の施行を後期に初めて体験する。従って、本講義を後期の最後の
段階で行うことは、心理検査の総まとめとなるため、集中講義の形式を
取る。
松本美江子
前半は認知行動療法の基礎となるレスポンデント条件付け・オペラント
条件付け・認知理論・の理解を主とし、理論解説・短い事例に基づく演
習・用語と技法の解説・事例演習等を実施する。中盤以降は問題のアセ
スメントに不可欠な発達障害に関する知識や、認知行動療法の各流派へ
の理解を促す。後半には認知行動療法の立場から事例をアセスメント
し、対応を考える演習を行う。
福島 哲夫
C.G.Jung によって創始された分析心理学的な心理療法の理論と実際を
身につけることを目的とする。まずは、分析心理学的な視点と理論につ
いて解説した後に、箱庭療法や夢分析療法について実習と解説・振り返
りを繰り返し、さらには絵画療法についても基本的な実践法と解釈枠組
みを提供する。
社会心理学特論
社会心理学演習
家族支援アプローチ演習
精神医学特論
臨床心理学専門分野
臨床心理学研究法特論Ⅲ
(投映法応用)
心理療法特論Ⅰ(認知行動
療法)
心理療法特論Ⅱ(分析心理
学)
田中
田中
臨床心理学専門分野
学校臨床心理学特論
コミュニティ・アプローチ特論演習
福田 憲明
学校臨床心理学は、学校における心理臨床実践の基礎となる学である。
課題設定を学校における児童生徒の心理支援を行なうための「ニーズを
的確に把握し、その支援をいかに構築し実践するか」とし、アセスメン
トと面接の理論と技法を学ぶ。内容は、個人からコミュニティにいたる
「システム」の発想と実際、個別心理面接から集団までの「関わりのス
ペクトル」の「見立て」が含まれる。実践上の倫理やアドヴォカシーの
問題も触れる。模擬演習やグループ討議を取り入れ、実際的な内容をめ
ざす。
加藤美智子
西河 正行
コミュニティに心理臨床的な介入を試みる場合の視点をまず講義する。
しかし、理論的な知識に裏付けられた実践を行うには、今起きている現
象を観察し、その現象の意味を理解し、どのような方向性を目指してい
くかの見通しを定め、介入方針を立てなければならない。合宿を行い、
合宿全体を視野にいれた現象の観察・意味理解・介入指針を立て、介入
するという過程を、体験的に学ぶ。体験とフィードバックと講義が交互
に繰り返えされる。本演習は、合宿形式を利用するため集中して行う。
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