Comments
Description
Transcript
平成25年度EV・PHV県民利用実証実験報告書(PDF:3885KB)
平成 25 年度 EV・ EV・PHV 県民利用実証実験 実施報告書 <目的> 県⺠利⽤実証実験(以下「実験」という。)は、県内事業者の日常業務において、 電気⾃動⾞(EV) ・プラグインハイブリッド⾃動⾞(PHV)を使⽤していただき、 その有効性や効率的な使⽤⽅法について検証し、今後の県による普及策へ資する ことを目的としています。 <使⽤⾞両> ホンダ PHV ホンダ Fit-EV <実験概要> 事業者 期間 使⽤⾞両 A社 平成 25 年 11 月 15 日(⾦)〜12 月 13 日(⾦):29 日間 PHV 1台 C社 平成 25 年 11 月 18 日(月)〜12 月 13 日(⾦):26 日間 EV 1台 PHV 1 台 H社 平成 25 年 12月 5 日(木)〜12 月 26 日(木):22 日間 PHV K社 平成 25 年 11 月 15 日(⾦)〜12 月16 日(月):32 日間 EV 1台 1台 ○県⺠(県内に事業所を持つ事業者の従業員)に、日常業務で使⽤しているガソ リン⾃動⾞に替えて EV または PHV を活⽤していただき、日々の⾛⾏状況、 充電状況、使い勝手等について報告をしていただく。 ○運転は本実験に参加する事業者の従業員に限定するが、第 3 者の同乗は可能 とし、広く印象や感想を収集するとともに積極的な EV・PHV の PR に努める。 <実験結果等> 1.これまでに、EVやPHVを運転したことがありますか? 実験参加者 ある( ある(1人)* ない( ない(6人) (内訳)EV 利⽤ 2名(40 代以上男性) PHV 利⽤ 5名(40 代以上男性、 うち1名運転経験あり*) * 0 20 40 60 7名 80 100 ⾃家⽤⾞が他社の PHV、本実験では ガソリン⾞の代替えで参加 2.実験期間中にどのくらいEV・PHVを運転しましたか? PHV EV km/ km/ 日 1400 km 80 km/ km/ 日 1000 60 km 40 600 総走行距離 平均走行距離 20 200 C社 K社 A社 C社 総⾛⾏距離:374km〜1,195km EV C社 K社 701km 437km PHV A社 C社 H社 1,195km 374km 901km (EV の平均 :569km) (PHV の平均:823km) H社 1 日の最⼤⾛⾏距離(平均):121km EV C社 K社 PHV A 社 C社 H社 104km 65km 98km 204km 135km (EV の平均 :85 km) (PHV の平均:146 km) 平均⾛⾏距離:46km/日 EV C社 K社 PHV A 社 C社 H社 37km/日 19km/日 57km/日 47km/日 69km/日 (EV の平均 :28 km/日) (PHV の平均:58 km/日) 実験における⾛⾏結果から ①EV について 「航続距離>平均⾛⾏距離(約 28km/日)」かつ 「航続距離>1 日の最⼤⾛⾏距離(約 100km)」 ⇒ Fit-EV の航続距離(225km、JC08 モード:honda 測定値) で⼗分に余裕をもって賄える距離であった。 業務エリアが比較的限定されていれば、追加充電なしで 1 日の 日常業務利⽤が可能であり、ガソリン⾞から EV への代替の可 能性が強く示唆された。 ②PHV について 「EV モード航続距離<平均⾛⾏距離(58km/日)」 「EV モード航続距離<1 日の最⼤⾛⾏距離(204km)」 ⇒ EVモード航続距離(30km、JC08 モード:honda 測定値) のみでは日常業務での移動を賄えない結果が示された。 EV モード航続距離が 60km以上となれば、CO2 排出量(ガソ リン消費)の⼤幅削減の可能性が示唆された。 ③実験全体について 「1 日の最⼤⾛⾏距離が 204km」 ⇒ Fit-EV の航続距離(225km、JC08 モード:honda 測定値) で賄える距離であった。 しかし、気温等の条件を考慮すると、日常業務における安心・ 安全な EV 活⽤のため、より⻑い航続距離が必要と思われる。 3.実験期間中にどのくらいEV・PHVの充電をしましたか? EV・PHVを充電したタイミングについて EV 0 PHV 7 5 5 16 7 電池残量 約75% 75% 電池残量 約50% 50% 電池残量 約25% 25% 電池残量 0% 81 79 EV・PHVの充電場所について EV 2 PHV 25 0 75 自社・ 自社・自宅 (普通充電) 普通充電) 外出先 (普通充電) 普通充電) 外出先 (急速充電) 急速充電) 98 自社・ 自社・自宅 (普通充電) 普通充電) 外出先 (普通充電) 普通充電) 本実験における充電状況から ①EVについて 「漠然とした電⽋への不安感」 ⇒ 8 割が電池残量1/2で充電、電池残量1/4までには10割が充電 「普通充電は時間がかかる(業務時間中)」、「無料開放の急速充電器が多い」 ⇒ 充電は外出先での急速充電の利⽤が3/4を占め、終業後の⾃社や⾃宅で の普通充電が少なかった。 () 今後、外出先での充電有料化により⾃社・⾃宅での充電機会が増加する と予想される。 ②PHV 「業務での移動距離がほぼ毎回 EV ⾛⾏可能距離を超える」 「EV モード航続可能距離0以降も⾛⾏可能」 ⇒ 8割が EV モード航続可能距離0になってから充電 「普通充電は時間がかかる(業務時間中)」、「急速充電器が利⽤できない」 ⇒ 終業後の⾃社や⾃宅での普通充電がほとんど 4.日常業務で実際に EV、PHV を運転してみた感想 ①EVについて 「良い点」 ・静さやスムースな加速に驚いた ・変速ショックが無く、独特のモーター音がすばらしい ・下り坂等での回生ブレーキによる充電は心地よい 「悪い点」 ・電池残量が急激に減ることがあって驚いた ・実際には 100km くらいしか⾛⾏できないのではないか (航続距離:225km、JC08 モードでの honda 測定値) ・静かなため歩⾏者に気が付いてもらえないことが多かった Fit-EV:メーター内のディスプレイ 航続距離 電池残量 回生ブレーキメーター ②PHVについて 「良い点」 ・EV モードはとても静かで快適だった ・EV モードは加速がとてもよい ・下り坂等での回生ブレーキによる充電は心地よい 「悪い点」 ・⾛⾏距離に対して、EV モード航続距離の減り⽅が⼤きい (EV モードで⾛⾏できる距離が、パネルに表示される数値より短い) ・暖房を使⽤すると電池残量の減り⽅が⼤きい ・充電に必要な時間が⻑い ホンダ PHV メーター内のディスプレイ 電池残量 EV モード航続距離 回生ブレーキメーター 5.CO2 削減効果について 同格のガソリン⾞との CO2 排出量比較では EV PHV 60%削減 FIT 54%削減 アコード : 発電 発電から から EV・ EV・PHV への充電 への充電までに 充電までに発生 までに発生した 発生した CO2 : 原油採掘から から車 車への給油 原油採掘から への給油までに 給油までに発生 までに発生した 発生した CO2 : 車の走行中に 走行中に発生した 発生した CO2 まとめ ○PHV においては、業務利⽤により現状においても CO2排出量を 54%削減で きることが確認された。 ○また、EV の弱みと⾔われている航続距離の短さがあったとしても、EV の業務 利⽤が可能であり、CO2排出量 60%削減という非常に⼤きな効果があることが 確認された。 ○一⽅、EV の⾛⾏時における快適さとは対照的に、電池残量に対する不安・不満 を感じる利⽤者は多く、漠然とした不安感が存在することにより、業務での活⽤ を躊躇されている可能性が強く示唆された。 ○EV・PHV の普及による CO2 排出量削減のため、今後の充電インフラ整備及び その情報発信により、電⽋不安のない安心・安全な EV・PHV の業務活⽤へ 本実証実験結果を役⽴てたい。