Comments
Description
Transcript
飾区人材育成基本方針
飾区人材育成基本方針 飾区職員であることに誇りをもてる職員に! ∼かつしか人づくり宣言∼ 平成22年3月 飾 区 目次 「かつしか人づくり宣言」 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2 Ⅰ.新たな人材育成基本方針策定の背景 1 これまでの取り組みと問題点 ・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2 人材育成を取り巻く状況の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・ 6 3 今後の課題と方向性 ・・・・・・・・・・・・・・・ 7 Ⅱ.取り組みの視点 ・・・・・・・・・・・・・・・ 8 Ⅲ.具体的な取り組み <1> 育てる場…職場が育成の中心 ・・・・・・・・・・・・・・・ 10 1 区民本位のサービスができる職員を育てます。 2 仕事の管理を通して職員を育成し、組織力の向上につなげます。 3 職場の学習風土を醸成します。 4 協力し合える職場をつくります。 <2> 育てる仕組み…人材育成型の人事制度 ・・・・・・・・・・・・・・・ 18 1 計画的に人材育成に取り組みます。 2 若手職員を丁寧に育成します。 3 職員を育成し、育成された能力を人事配置等に活用します。 4 各職場の人材育成をサポートします。 <3> 育つ意欲…人材育成のプロセスを「見える化」する ・・・・・・・・・・・・・・・ 26 1 キャリア支援の仕組みを「見える化」します。 2 行政評価を職員個々の目標達成・成果実感に役立てます。 3 取り組みの成果を「見える化」します。 Ⅳ.推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・ 27 1 各職場を核としつつ、人事課と人材育成課が人材育成をサポートします。 2 「かつしか人づくり」推進本部会を開催します。 概要版 巻末資料 ○ 職員アンケートの結果 ○ 職員データ 1 「かつしか人づくり宣言」 ∼新たな人材育成基本方針の策定にあたって∼ 私たちは、日頃、提供しているサービスが独善に陥っていないか、常に自らを振り返り、目の 前にいる区民が本当は何を求め、何に悩んでいるのかに気づく努力をし、その声に耳を傾け、 区民とともに問題を解決していくことが求められています。 私は区長就任にあたり、夢と誇りある「ふるさと 飾」の実現のために、「区民第一」「現場第 一」を基本姿勢に、これまで以上に区民満足度の高い行政サービスの提供とスピードアップを 図っていくとしました。これらを進めていく上ですべての土台となるのは、区職員が能力を高めて いくこと、すなわち、人材育成であると考えています。 そこで、以下のような「かつしか人づくり宣言」を発することとします。 「 飾区職員であることに誇りをもてる職員をつくります!」 区民から喜ばれ感謝されることで「ふるさと 飾」がますます好きになり、その職員であることに誇り を持ち、さらに満足度の高い施策を打ち出していくという好循環をつくります。 そのため、以下のような職員を目指して全庁で取り組んでいきます。 ① 区民第一、現場第一でおもてなしサービスができる職員 窓口でのおもてなしサービス、まずは「明るい挨拶」から始めます。 ② 仕事をスピードアップできる職員 区民目線、効果・効率性、区民満足の視点から業務改善を進めます。 ③ 挑戦し続ける職員 ∼若手職員の育成と登用に力を入れます∼ 事務系職員について言えば、現在、40歳未満の職員は全体の3割ですが、10年後には 半数を占めるようになります。若い職員を丁寧に育てるとともに、前向きで意欲的な業務改善 の担い手として積極的に登用していきます。 ④ おせっかい型の職員 業務の専門性やシステム等による利便性が高まるにつれ、従来、互いの気遣いや気働き で補完されていた部分がすき間となってこぼれおちる、ということが起こりがちです。自分の仕 事はここまでと縦割りで区切るのではなく、組織の枠を超え、想像力を働かせてカバーしていく 「おせっかい型」の職員を育成します。 2 「かつしか人づくり宣言」で目指す職員像はすべて、区民対応の現場が起点になっています。 現場で区民ニーズを掴みながら職員を育て、直ちにサービス向上の行動を起こすことが「スピ ード行政」につながります。 この度、新たな「人材育成基本方針」を策定し、「職場(現場)で育てる」という方針を明確に 打ち出しました。それぞれの現場で組織目標や業務改善の取り組み方針を明確に示し、職員 間で共有し推進することが、所属長の最も重要な役割です。 そして、職員は、組織目標達成のために、それぞれが担う役割を明確に意識し、努力・改善 を重ね、そうした過程を通して組織力を向上させるとともに、組織貢献を実感できる仕組みの 中で、やりがいを感じ、自らを育てていきます。 新たな人材育成基本方針に基づき、積極的に自らを育て、組織を活性化することにより、将 来世代に自信をもって残せる「ふるさと 飾」の実現に、私とともに邁進するよう願います。 平成22年3月 飾区長 青木 克德 3 Ⅰ.新たな人材育成基本方針策定の背景 「かつしか人づくり宣言」に掲げる職員像を目指して、具体的に取り組んでいくことになります が、初めに、人材育成に関するこれまでの取り組みや職員アンケートの結果等を分析すること により、今後の課題を整理します。 1 これまでの取り組みと問題点 (1)接遇サービス向上への取り組み 平成15年7月、「接遇サービス向上推進本部」を設置し、毎年度、全職員向けの「重 点項目」及び所属ごとの目標を掲げて取り組む体制を構築するとともに、「接遇向上のた めの手引き」を発行し各職場での活用を促しました。併せて、全職員受講型の「お客様対 応スキルアップ研修」の実施や、各所属における独自の取り組みや工夫、「窓口接遇出 張研修」の企画実施等が功を奏し、苦情件数は減少傾向にあります。とりわけ、「電話で 名乗る」ことの徹底は、区民から高い評価を得ているものの一つに挙げられます。 (2)現行の「人材育成基本方針」による取り組み 人材育成基本方針は、平成15年度に策定され、「人を育てる職場づくり」「人材育成 型の人事給与制度の導入」「研修制度を通じた主体的な能力開発」という基本目標のも と、様々進めてきましたが、平成18年度の一般職員向け「人事考課制度」の導入が取り 組みの大きなものとして挙げられ、以下のような成果を得ています。 ・ 「目標管理」の仕組みを導入し、組織目標と個人目標を連動させ、職員一人ひとり が組織目標の達成に向けて、主体的に仕事に取り組む枠組みをつくった。 ・ 自己申告の面談を通じて、上司と職員のコミュニケーションを図り、職員の申告に基 づく具体的な助言・指導を行う機会を設けた。 ・ 長所と育成点を把握し、実態にあった人材育成を行うための基礎を構築した。 ・ 「自己申告」と「定期評定」により、業績評定の結果を昇給に反映する仕組みを構 築した。 (3)職員アンケートの結果に見る人材育成の問題点 平成20年11月に全職員を対象に、職員の能力開発や職場の学習風土などについて アンケートを実施し、結果の概要は<巻末資料>に掲載しました。 中でも重要な問題として、以下の点が挙げられます。 4 ① 組織目標の共有が十分でない。 ② 職場研修が必ずしも継続的に行われていない。 ③ 人材育成の担い手が十分に育成されていない。 ④ 将来への展望や目標が希薄化の傾向にある。 ① 組織目標の共有が十分でない。 人事考課制度における「目標管理」は、明示し共有化された組織目標を基に、職員が 自らの目標を設定し自己申告する制度ですが、アンケートの結果では、組織目標が職場 で「共有化されている」との回答が半数に止まっています。(巻末資料4∼5ページ) ② 職場研修が必ずしも継続的に行われていない。 「人を育てる職場づくり」を支えるものとして、互いに育て学び合う、広い意味での「職場 研修」の実施が重要ですが、事務系職場では、「異動、採用があった時だけ実務に必要 な知識について、短期間実施している」「全く実施していない」との回答が 66.9%に上り、 「継続的・計画的に実施している」のは4分の1を下回っています。(巻末資料1ページ) ③ 人材育成の担い手が十分に育成されていない。 互いに育て学び合う「職場の学習風土」をつくるのは、職員一人ひとりです。アンケート の結果では、職員の育成を「あまり行っていない」「全く行っていない」の計が、主任主事 41.9%、主事 61.5%となっています。(巻末資料2ページ) ④ 将来への展望や目標が希薄化の傾向にある。 5年後、10年後の「キャリアデザイン」を意識しているとの回答が、主事28.5%、主任主 事 37.7%、係長級 36.3%に止まっており、「昇任意欲」についても「現状のままで良い」と の回答が、主事は36.6%ですが、主任主事 76.4%、係長級 78.4%となっています。(巻 末資料9∼10ページ) キャリアとは キャリアデザイン、キャリアプラン、キャリアアップといった用語が出てきますが、「キャリア」と いう言葉を次のように定義します。 キャリア:業務経験を積み重ねる中で出来上がっていく仕事の経歴 また「キャリアデザイン」は、将来的に自分がなりたい像をイメージし、そこに至るまでの道筋を 計画すること、と捉えます。 以上の問題点から、以下のようなことが言えます。 人材育成型の人事・給与制度の枠組みはできましたが、例えば、自己申告(目標管理)制 5 度は、年2回程度の課長との面談以外、日常の育成に活用されているかというと、職場によっ ては不十分なところもあるようです。組織目標から個人目標へのブレークダウン(落とし込み)が きちんとなされていない場合、個々の職員の組織への貢献度(成果)が明確になりません。 また、職員自らがキャリアデザインを描き、目標に向かって能力を開発・向上させ、その能力 を人事配置等に活用するという仕組みも整っていません。 2 人材育成を取り巻く状況の変化 職員は、状況の変化に常に対応する能力が求められますが、区の内外において、以下の ような環境の変化があります。 外部環境としては、人々の価値観の多様化、生活環境や暮らし向きの変化などにより、区 民ニーズが一層複雑で高度になり、区民生活に直接責任を持つ基礎自治体として区の役 割は重要性を増しています。 また、民間企業において顧客満足の取り組みは企業存立の根本ですが、熾烈な競争の 中で各企業は、高品質のサービスをより速く、便利で感じよく提供することにしのぎを削ってい ます。消費者にとっては、このような状態が当たり前のこととなり、行政サービスについても同 様の対応が求められるようになっています。こうした中、23区においても、窓口対応をはじめ 様々な区民サービス向上の運動が展開されています。 <例えば…> 「五つ星の区役所運動」(杉並区)、「おもてなし運動」(中野区) 「3S(スピード・スマイル・信頼)の区役所へ」(千代田区) 「チーム文京スピリット…3つのO(おもいやり・おせっかい・おもてなし)」(文京区) 区民に喜ばれるおもてなし行動を取ることにより、区民から感謝されることは、職員のやり がいにつながります。 <職員アンケートの結果> 「仕事に対してやりがいを感じるときは?」との問いに、「区民からありがとう等の感謝を受けたと き」(25.6%)との回答が最も多い。 区内部に目を転じると、事務事業の適正化を図りながら、きめ細やかで質の高い区民サ ービスを提供するため、行政評価の見直しや総合窓口設置など「区役所改革」の取り組み が行われています。 6 さらに、「公共」の担い手としての民間事業者の成長などにより、行政サービスのあり方や 質が大きく変化し、職員の役割も従来の「確実な事務処理」から「適切な判断や監督」へと シフトしています。 一方、職員全体の3割、管理監督者の6割強が定年退職する10年後を見据え、若手職 員の早期・計画的育成、職務知識・技術技能の円滑な継承、年齢構成のバランスなどを考 慮した人材育成に取り組む必要があります。 さらには、「係長職や管理職への昇任意欲の低下」「ワークライフバランス(仕事と生活の 調和)の要請」「心の健康を損なう職員の増加」などの問題への対応も求められます。 3 今後の課題と方向性 以上述べてきた現状と問題点から、人材育成の今後の取り組み課題をまとめると以下のよう になります。 ○ 区民目線に立った「おもてなしの心」に基づくサービス提供など業務改善の推進を通じた 職員育成 ○ 時代の変化に対応し、区民ニーズ・現場ニーズを捉えた満足度の高いサービスの提供 を通じた職員育成 ○ 組織目標の明示と共有化、及び個々の職員の組織貢献度の明確化 ○ 職員の将来展望(キャリアデザイン)とその支援体制の明確化 ○ 職員のやりがいを引き出すための仕組みづくりや取り組みの推進 ○ 職員を孤立させることなく、互いに協力し合える職場環境づくり 以上の課題に的確に対応し、「かつしか人づくり宣言」に掲げる職員像を目指していくため には、現場における明確な育成目標のもと、職員一人ひとりの能力を向上させ、その能力を 各々の組織において効果的に活かしていくことが求められます。 7 Ⅱ.取り組みの視点 「かつしか人づくり宣言」により、現場(職場)を起点として職員を育成することが明確にされま した。職員が大半の時間を過ごす「職場」が人材育成の場であり、日常的に仕事を通じて指導 育成していくことが最も効果的であり実践的で、時間的にも効率的です。 例えば、職員は新しい仕事を割り当てられたとき、不安を感じることはあっても、職場のサポ ートのもと、挑戦意欲をもって能力を向上させていきますし、さらに、上司や同僚に認められれ ば、達成感を抱き、やる気を高めることができます。 具体的な取り組みを進めるに当たっては、職場を「育てる場」に位置づけたうえで、人事制度 や研修などの「育てる仕組み」を整えるとともに、成長の基盤となる職員自身の「育つ意欲」を 育てていくことが重要です。 そこで、人材育成の三大要素である「育てる場」「育てる仕組み」「育つ意欲」について、以下 のような視点を持って取り組みを進めていきます。 <1> 職場を人材育成の中心に位置づけます(育てる場) (1)区民目線で現場の業務改善を行う。 (2)人材育成と仕事のリンクを強化する。 (3)学び合う組織文化を築き上げる。 (4)職員同士の協力関係を深める。 <2> 人材育成型の人事制度を推進します(育てる仕組み) (1)職員の経験に応じた計画的な育成体制を整える。 (2)若手職員育成の取り組みをきめ細かく行う。 (3)キャリア支援の仕組みを整える。 <3> 人材育成のプロセスを「見える化」します(育つ意欲) (1)キャリア支援の仕組みを「見える化」する。 (2)行政評価を職員一人ひとりの改善行動や目標達成・成果実感に役立てる。 (3)業務改善や人材育成の取り組み成果を「見える化」する。 8 ★ 人材育成基本方針全体像 かつしか人づくり宣言 飾区職員であることに誇りをもてる職員をつくります! ① ② ③ ④ 区民第一、現場第一でおもてなしサービスができる職員 仕事をスピードアップできる職員 挑戦し続ける職員 おせっかい型の職員 育成期 拡充期 発揮期 (採用∼概ね30歳) (概ね30∼40歳) (概ね40歳以降) 育てる 育つ 活用・貢献 ← 学習風土の醸成 育てる場 = 職場 協力し合える職場づくり (健康な組織) 職場ごとに 「組織目標」「業務改善の取り組み方針」の明示 スケジュール管理 仕事管理の面談 仕事管理を通じての進行管理と育成指導&コミュニケーション 育てる仕組み 育つ意欲 ○若手育成カルテ ○キャリア調書 ○良いとこリスト ○メンター制度 ○ベテランゆめプロジェクト ○キャリア支援の見える化 ○行政評価による改善行動を 業績評定・行動評定に反映 ○取り組み成果の見える化 ex.区民満足度調査 職員意識調査 ○所属におけるサポート体制 全庁的サポート体制(人事課・人材育成課) ○計画的な育成体制の構築 ○キャリア支援の仕組み整備 ○職場外研修の充実 ○人材育成の担い手の育成 ○区民満足度調査・職員意識調査の実施 9 Ⅲ.具体的な取り組み <1> 1 育てる場…職場が育成の中心 区民本位のサービスができる職員を育てます。 (1) 各職場における「おもてなしサービス」の展開 区民第一、現場第一で区民本位のサービスを提供していくために、区民の目線に立ち、き め細やかでまごころのこもった「おもてなしサービス」を展開します。 職員の仕事ぶりに対する区民の評価は、窓口での対応によるところが大きいことから、「お もてなしサービス」の取り組みの際には、「スピード」や「区民の真意を聞きとる」といった視点 を入れるとともに、自らの事務分担にとらわれず、日頃から、組織の枠を越えて連携・協力し ていく「おせっかい型」の行動を取ることが大切です。 (2) 業務改善の推進 「おもてなしの心」「おせっかい型精神」「スピードアップ」などの視点で、各職場で業務改善 の取り組みを進めていきます。 その際、業務改善を日常の行動として定着させるため、職場単位や若手のワーキングチ ームなどによる活動を奨励し、取り組みの提案及び結果に対する表彰制度の創設を検討す るとともに、取り組みの成果は、区役所全体で共有し、職員全員で実行・標準化することで、 サービス向上を目指す、「かつしかスタンダード」につなげます。 (3) 「接客のかつしかスタンダード」の確立 総合窓口の開設を機に、そこに配属された職員が高度な事務処理と好感度の高い接客 技術を習得し、それを「接客のかつしかスタンダード」として、全庁に展開させます。 また、すぐに取り組めることとして、接遇サービス向上推進本部を通じて、「明るい挨拶」の 励行などから始めます。 10 <かつしかスタンダード> 仕事をスムーズに進めるため、基本業務の標準仕様をつくろうというもので、例えば、以下の ような取り組みが考えられます。 ○ 接客向上 接客マナー・傾聴力・説明力・苦情クレーム対応力等、職場全体の接客レベルを向上 ○ 職員の意識向上 おせっかい(連携・協力)型行動の推進 ○ 執務環境の整理整頓 書類の共有化・有効な整理術・明確な保管、机上の整理、クリーンオフィス ○ 業務進行の効率化 業務分担表・スケジュール表・引継ぎ書・各種マニュアルの標準化 朝礼・ミーティングによる業務報告の場づくり ○ 会議運営の見直し 会議ルールの策定(1 時間以内で終了、資料の事前配布等) 11 2 仕事の管理を通して職員を育成し、組織力の向上につなげます。 (1) 仕事管理の活用 組織目標に基づき、各職員が取り組む職務について、月間のスケジュール表などを活用 し、当該職員、係長、課長がそれぞれの立場で進行管理をすることなどにより、以下に掲げ る仕事管理の機能を活用して、組織目標の達成と職員の育成を図ります。 ≪仕事管理の機能≫ ① 組織目標の達成と成果向上 ② スケジュール管理を通した職員の育成 ③ 仕事の段取り力習得 ④ 職員の日常の取り組みや努力・成果の記録 (納得感のある業績評定のための事実 収集) ⑤ 係長のマネジメント・人材育成能力の向上 ⑥ 職員との面談の中で、キャリア支援・計画的育成・能力活用 ⑦ 「(仮)月間スケジュール表」を業務引継ぎ書・マニュアルとして活用 (2) 管理監督者の役割 所属ごとに、組織目標や業務改善(「おもてなしサービス」等かつしかスタンダード)の取り 組み方針、それらの具体的取り組みと役割分担について、課長と係長がそれぞれの立場で 明示し、「仕事(目標)管理」の仕組みの中で人材を育成し、組織力を高めていきます。 ① 課長の役割 課長は、職員育成に関する課の目標や方針について、自ら語り伝えることにより、組 織全体に浸透させるとともに、適宜、係長全員を集めた組織管理や人材育成のための ミーティング等を行うことにより、人材育成に役立つ情報や成功事例の共有化を図りま す。 ② 係長の役割 係長は、個々の職員に対し日常の育成を行うとともに、定期的な面談の際にそれぞ れの取り組みに対する振り返りや改善への意識づけを行います。また、適宜、係ミーテ ィングを行い、各自の成功事例や情報の共有、協力体制の構築を図ります。 12 組織の方針 連鎖 かつしかスタンダード 実践 おもてなしの心 おせっかい型精神 スピードアップ 行政評価 組織の方針と具体的取組の明示 <課長> ミッション 課目標と業務改善方針の明示 組織目標 戦略目標 施策・ 事業の 行動計画 業績評価 指標 改善に向 けた行動 プロセス 個々の目標 連鎖 実践 課長から係長への 組織管理ミーティング 取組項目 <係長> 業績評定 係目標と具体的取組項目 に落とし込み 行動評定 達成基準と職務分担の明示 関連づけ 係長と職員の仕事管理の 定期面談 人事考課 仕事管理を通した職場での育成 所属のサポート体制 仕事管理 定期的係長ミーティング スケジュール管理 連鎖 育成情報の共有 実践 職場ぐるみの若手育成 標準化と改善 コミュニケーション 育成の役割分担 職員個々の目標設定(自己申告)と実践 キャリア支援 若手育成カルテ キャリア調書 良いとこリスト 人事考課制度 13 3 職場の学習風土を醸成します。 職場研修というと、講師や教材を揃えた形態での実施をイメージするかもしれませんが、 「70-20-10 の原則(※)」という比率が示すように、職員は各々の職場で仕事を通じて、学び 育っていきます。日常の指導や打合せの際に、育成や学び合いの視点をもって関わり、取り 組んでいくことで研修効果を得ることができます。 前項で「仕事管理」の機能を掲げましたが、仕事を通じて学び育てるという明確な意図を もって取り組むことで、職場の学習風土を醸成します。 ※ 70-20-10 の原則 人がどのようなタイミングで育つかを表すものとして、「70-20-10 の原則」という比率がよく使われます。 これは、米国のロミンガーという育成関係の調査と研修を行う業者が、体系的にインタビュー調査等を通 じてデータ収集をした結果、導き出された比率で、70%が仕事上の経験、20%がその経験をしたときの 上司からの薫陶(人徳・品位などで人を感化し、よい方に導くこと)、残りのわずか10%が研修というもの です。 <具体例> 職場の態様に応じて、職場研修が適宜開催されていますが、その際に、職員が順次講師 役を務めることも有効ですし、各職場で、「最低限この水準は全員がクリアできるようにしよう」 といった基準を設けて、職員同士で助け合いながらその達成を目指す、という方法も考えられ ます。 ミーティング等で、各自の成功事例や継承すべき知識・技能を紹介し合うというのは、文書 にまとめる手間が省けるだけでなく、直接話を聴き、知恵や工夫を手渡しで受け取るという即 効性や感化力があります。 さらに、ミーティングで互いの長所を褒め合うことにより、承認される喜びを味わい、意欲を 高め、スキルや知恵の共有にもつながります。 14 4 協力し合える職場をつくります。 かつては親睦活動などを通じて、職員の「人となり」を知り合う機会があり、仕事以外の人 間的な豊かさや意外な特技や趣味から、その長所や可能性を把握することもできました。ま た、互いに知っているからこそ、協力したいと思える人間関係がありました。 担当業務をこなすだけの仕事のやり方を続けていると、協力関係が失われ、そうした中で 心の健康を損なう職員も増えてきているのではないかという分析(※)もあります。本区におい ても、心の病気で休暇や休職となる職員が年々増えており、ここ10年間で人数・日数ともに 約 2.4 倍となっています(巻末資料20ページ)。休養しなければならない本人は当然辛い思 いをしますが、周囲の職員に負担をかけることになります。 協力し合えない状況が続くことで、生産性が低下するだけでなく、品質低下や不正を招く 恐れがあります。互いのミスを発見できず、問題を感じていても踏み込んで指摘しないことが、 組織の自浄作用を失わせ、信頼を失墜させるような事態になります。 ※ 企業で働くカウンセラーに対する調査で、「メンタルヘルス不調者が増加した」との回答が70.6%、「モチ ベーションの低下」は 66.9%、「職場の人間関係や雰囲気の悪化」は約半数が指摘しています。 (日本 産業カウンセラー協会 2009 年 6 月) (1) 健康な組織づくり 病気休業による組織の生産性低下は座視できない状況になっていますが、そうした中 で、「健康な組織」という新たな概念が提唱され、「組織の文化や風土、実際の経営行動 が、従業員の健康と安全ばかりでなく、組織効率も実現するのが健康な組織である」として います。(アメリカ労働安全保健研究所) 健康な組織をつくるためには、職員同士のコミュニケーションがとれ、やる気に溢れた職 場づくりが求められます。 職場のコミュニケーションを円滑にするために、ミーティングや面談、挨拶の励行などを、 各職場の状況に応じて、目標設定するという方法もあります。 また、互いの「人となり」を知り合うための「インフォーマル活動」の工夫や、認知・感謝の 職場風土づくりに役立つ取り組みについても、自主性に委ねるだけでなく、目標設定して 実施するというのも一つの方法です。 15 <職員アンケートの結果> Q:職員間のコミュニケーションを増やし、風通しのよい職場にするために必要なものは? A:「日常的な職員間の声かけ」(48.3 %)、「定期的なミーティングの徹底」(28.4 %) Q:仕事をする上で一番重視しているものは? A:「チームワーク、協力関係」(73.8%) Q:仕事に対して「やりがい」を感じるときは? A:区民や職場の上司・同僚から感謝や賞賛を受けたとき(40.8%) <民間の事例> 民間企業においても、社員同士のコミュニケーションを活発にし、互いを知り認め合い、 協力関係を築くための仕掛けを様々工夫することにより、業績を上げたり、採用した社員 の定着率を向上させたりしています。民間において効果を上げている以下のような事例 は、今後の取り組みの参考にすることができます。 ・ 毎月社員の誕生会を実施 ・ 社員旅行の実施 ・ 様々な部活を推奨(例えば、「そうじ部」では月1回、部署を超えて集う仲間で、職場の隅々 まで清掃することにより、心も職場環境も爽やかに。部活の実施により社員の定着率を飛躍 的に向上させている) ・ 社内で多種多様なメーリングリスト(仕事やプロジェクト、技術コミュニティ、昼トモなど)を開設 ・ 社内で社員がブログを立ち上げ、その人の考え方や価値観を知る手段に ・ 全スタッフが互いに感謝のコメントを書く「ありがとう」の色紙を互いに渡したり、スタッフの長所 を称える表彰状をトップが授与したり ・ あるホテルチェーンでは、無作為で選ばれた顧客からベストホテルマンを教えてもらい表彰。 そのホテルマンは自分を裏方で支えてくれた社員を選出し、その社員もまた表彰。 ・ 社員同士、互いの感謝の気持ち(サンクスカード)をボードに張り出し 16 (2) メンタルヘルスに関する管理監督者の役割 業務の効率化・高度化、連絡や報告の電子化による会話の減少など、働く環境の緊張感 が高まる中で、職場の健康を守るための管理監督者の役割は一層重要になり、以下のよう な対応が求められます。 ① コミュニケーションと職員の把握 所属職員にいつもと違う言動が表れていないか、日頃からコミュニケーションをよく しておき、職場の人間関係や一人ひとりの仕事ぶりや性格を把握しておきます。また、 普段から職員が相談しやすい雰囲気を整え、職員からの自発的な相談に対応でき るようにすることが必要です。 ② 声かけ 「いつもと違う(※)」と気づき、配慮が必要と思われる場合には、声かけをし、本人 が心の状態を話せるような雰囲気づくりをします。 ③ 話を聴く まず、本人の話を聴くことが重要です。職員の率直な考えや職場での状況を整理 しておき、後日、人材育成課などに相談してから、組織としての対応を決めます。 ④ 連携 話を聴いたら、人材育成課や産業医、主治医、家族等と連携しながら対応します。 休養が必要な場合は職場の対応策を講じるとともに、回復まで職場の理解を深める 努力をします。 ⑤ 復職支援 うつ病など心の病気で休職をして、回復後復職するにあたっては、再発を防ぐため、 本人の心身の回復と、職場側の迎え入れ準備の双方が整っていることを見極めます。 また、復帰訓練など「職場復帰支援プログラム」を適宜活用します。 ※ いつもと違う ∼こんなサインに注意!∼ ○ 欠勤、遅刻、早退が増える。 ○ 残業、休日出勤が不釣合いに増える。 ○ 仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下する。 ○ 業務の報告がなかなか出てこない。 ○ 報告や相談、職場での会話がなくなる(あるいはその逆)。 ○ 表情に活気がなく、動作にも元気がない(あるいはその逆)。 ○ 不自然な言動が目立つ。 ○ ミスや事故が目立つ。 ○ 服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする。 【出典:「職場における心の健康づくり」(厚生労働省)】 17 <2> 1 育てる仕組み…人材育成型の人事制度 計画的に人材育成に取り組みます。 人材育成を効果的に行うためには、適切な時期に機会を与え、継続的に取り組んでいくこ とが必要です。そこで、職員が採用されてから経験年数に応じた育成の方針を以下のように 設定し、計画的に人材育成に取り組んでいきます。 時期 育成期 拡充期 発揮期 対象 採用∼概ね30歳 概ね30∼40歳 概ね40歳以降 行政系 職員構成 1級職 2級職 技能系 1級職 育てる 行政系 2級職 主任主事 係長 技能系 1級職 技能主任 技能長 行政系 主任主事 係長 管理職 技能系 1級職 技能主任 技能長 統括技能長 活用・貢献 育つ 《共通》 《共通》 《共通》 自身の長所(強み)を見極め 長所を生かした自身のスタイル 自身のスタイルに磨きをかけ、 る。 を確立する。 より幅広い分野で発揮するととも に、人材育成の担い手として組 織に貢献する。 <育成内容> 《主任主事・技能主任》 ・ 内定時から育成 育成期にある職員の支援 育成方針 ・ 2年目までの集中研修 組織目標推進の中心 ・ 職場ぐるみの育成 ・ かつしかスタンダードの推進役 《係長・技能長》 組織のマネジメント 仕事管理・職員育成のキーマン 《管理職》 《統括技能長》 経営陣として 組織のマネジ 区政への主体 メント 的な参画 ・若手育成カルテ キャリア支援 ・良いとこリスト ・仕事管理の面談 ・キャリア調書 ・良いとこリスト ・仕事管理の面談 ・ワークライフバランスに成功して いる先輩に学ぶ(メンター制度) ・キャリア調書 ・良いとこリスト ・仕事管理の面談 ・ベテランゆめプロジェクトへの参 画 期間中、タイプの異なる複数 キャリアプランを念頭に入れた配 専門性を生かすための継続配 人事配置 職場を経験させる。 置を考える。 置の選択肢を設ける。 職場外研修 基礎的な知識・意欲の習得 自己啓発の支援 自己啓発の支援 人材育成の担い手づくり ①現場ニーズを捉えた研修の実施 ②人材育成に役立つ情報の提供 職場サポート ③「人材育成の担い手」の育成 ④研修の効果測定 ⑤区民満足度調査、職員意識調査 18 計画的な人材育成 育成期 若手 育成 カルテ 拡充期 キャリ ア アップ ライフ ワーク バランス 発揮期 ベテ ラン 貢献 熟練の 19 技 2 若手職員を丁寧に育成します。 (1)人材の獲得に努め、採用時から切れ目なく育成します。 現在実施している採用合同説明会等の参加者にメールや電話を使い、個別アプロー チをしたり、本区の PR を効果的に実施したりすることにより、本区希望者を増やし、必要 な人材を見極めて採用につなげていきます。 インターンシップ(※)の学生を送り出している大学や区内の大学等と連携を図り、人材 の獲得策を検討します。 ※ 学生が一定期間、企業等で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度。本区 においては、平成 12 年度から 21 年度の10 年間に、8大学58人の学生を受け入れています。 採用合同説明会や内定者会でのアンケート等や、区での採用試験(集団討議・個別面 接等)の結果を活用し、内定者の特性や長所を把握し、採用時の人事配置やその後の 育成に活用します。 内定者会に合わせて、職員としての心構えや姿勢・意欲について講話を行うことにより、 入区前から公務員としての基礎を身に着けてもらいます。 (2)若手職員に対する集合研修を計画的・集中的に実施します。 採用から2年間の職員に対し、区職員としての実務一般、仕事に取り組む姿勢・意欲、 接客などについて体系立てて研修を実施し、計画的・集中的に育成します。 また、最初の異動年次(2職場目)の職員に、キャリアデザインなどの将来展望や意欲 づけの研修を実施します。 経験者採用の職員についても、採用後早い時期に計画的・集中的な育成計画を立て、 職場の内外における研修で公務員としての基本を身につけ、即戦力を発揮してもらいま す。 (3)(仮称)「若手育成カルテ」を作成・活用します。 採用後概ね10年間の「育成期」にある職員に対し、「若手育成カルテ」の仕組みをつく り、各職場において「カルテ」を活用し、一貫性のある育成を継続して行います。「カルテ」 には、職員の育成計画、キャリアプラン、長所、育成点などを記入し、業務分担や職場配 置に活用します。 また、キャリア形成を上司が支援する際に、本人への期待を語り、自然な流れの中で 昇任意欲も植え付けていきます。 20 (4)職場ぐるみで若手職員を育成します。 かつては職場に新規採用職員がやってくると、直接仕事を教える役の先輩職員だけで なく、同じ職場にいる様々な年齢や立場の職員たちが、あれやこれやと知恵を授け、世話 を焼き、社会常識や思いやり、気遣いのできる職員になれるよう鍛えるということが自然に 行われていました。 若手職員の育成にあたっては、指導・助言の中核となる職員を定めるとともに、職場ぐ るみ、それぞれのキャラクターを生かしたやり方で若手職員にアプローチし、常に温かな関 心を寄せていることが大切です。 若手職員にどのように関わるかについて、職場の職員がそれぞれ目標を立て意識して 取り組んでいけるようにするとともに、中心になって支援をする職員を育成します。 (5)かつしかスタンダードの推進役を担ってもらいます。 職員意識と業務の効率性を向上させるための業務改善運動である「かつしかスタンダ ード」は、若手職員の新鮮な感覚や発想の中にこそ、創意工夫の種が期待されます。同 運動の推進役を担い、成功体験を積むことが若手職員の自信になり、将来への飛躍につ ながります。また、「失敗してもいいんだよ」と語り、チャレンジを促す上司の深い懐のもとで こそ、若い職員は力を発揮することができます。 <具体例> 業務改善活動の成果について、例えば、現在、札幌・尼崎・福井・大阪等各市や中野区など が参加している「全国都市改善改革実践事例発表会」への参加を目指すこともできます。 また、その前哨として庁内コンクールを実施し、横浜市や杉並区で実施しているように、区長 賞等の表彰制度を設けることで励みにもなります。 職場の業務改善について、例えば、主任主事に昇任したての意欲に溢れた職員を推進員にし て進めるというのも有効です。 21 3 職員を育成し、育成された能力を人事配置等に活用します。 (1)キャリア形成を支援します。 職員は、「育成期」で様々な職場を経験することで能力向上やスキル習得をしつつ、適 性や得意分野を模索します。次の「拡充期」では、自らのキャリアプランに基づき、キャリア アップを目指して業務経験をしたり、配属職場を考えたりします。その際、区内部に限らず、 派遣や派遣研修を活用した自治体間の交流等、他団体を視野に入れ、能力開発の幅を 広げていくことが重要です。 若手職員は「若手育成カルテ」の中でキャリアプランを考える機会を持ちますが、「拡充 期」以降の職員についても、日常の仕事管理における面談等を活用して、上司がキャリア 形成の支援をし、キャリアアップに役立つ業務経験をさせたり、希望職場への推薦をしたり する仕組みをつくります。 <キャリア調書> 例えば、現行の「異動調査票」を活用し、「キャリア調書」欄を設けるなどして、中間申 告の面談時などを活用し、キャリアプランの記入・確認・懇談等を行います。 「キャリア調書」は、人事配置の参考にするだけでなく、日常の職員育成にも活用しま す。 (2)職員の長所(強み)を積極的に発見していきます。 職員の日頃の仕事ぶりから、その長所を本人了解の下、(仮称)「良いとこリスト」に記入 し、日常の育成や業務経験・役割付与、各種プロジェクトへの推薦、および人事配置に活 用します。 <良いとこリスト> 日常の仕事管理等で発見した、職員の良いところ(人の嫌がる仕事を率先してやる。 目立たないところでコツコツ。面倒見がよい。気が利く。調整相手を気分よくその気にさ せる。など具体的行動を基に記入)を、職員の了解のもと、記録するものとします。 22 (3)ワークライフバランスに配慮し、職員の活躍を推進します。 今後10年間で事務系職員のうち女性職員が占める比率が 45%程度になることが予 想されることなどから、若手職員について「育成期」の間に、男性職員、女性職員ともに幅 広い業務経験をさせ、計画的にバランスよく育成していきます。 また、育児や介護、職員自身の心身不調などの事情から、一定期間、個人や家庭生 活を重視しなければならないことがあります。こうした時期を終えたときに不安なく、仕事に 邁進し、昇任意欲を持ち続けられるよう、例えば、同じ経験を持つ職員から励まし、後押し してもらえるような機会を設けるとともに、本人の希望があれば直接相談に乗ってもらえる (メンター)制度も活用します。 昇任選考の受験状況を23区で比較すると、本区の係長職と管理職の昇任選考につ いて、特に女性職員の受験率が低迷している(巻末資料19ページ)ことから、昇任意欲を 妨げている理由を聴取し、課題を明確にして対応していきます。 職場の上司は、仕事管理の面談等の中で本人の昇任意欲を引き出し、心構えや受験 対策、不安解消など、親身に支援を行います。 (4)職員の強みや得意分野が生かされる「人事異動基準」をつくります。 例えば、「拡充期」以降、主に「発揮期」にある職員が、現に担当する業務の専門性に 磨きをかけたいという意向を持った場合、本人の継続配置の意思表示に基づき、審査等 を経て配置年限延長の可能性を開く等、「育成期」に培われた職員の能力や意欲が、 「拡充期」や「発揮期」において、区民サービスの向上や組織の活性化により生かされる よう、異動希望の聴取方法や職場の在籍年限等の考え方を見直します。 (5)ベテラン職員の味を活かします。 長年、区政の最前線で区民と向き合ってきた職員の中には、区民の身に寄り添ってそ の思いを聞き出し、ともに問題を考えることで納得させたり、説得したりする術に長けている 職員がいます。厳しい交渉や折衝、利害調整といった修羅場をくぐり抜けてきた職員もい れば、書類の分類整理や庶務能力は天下一品といった職員もいます。 こうしたベテラン職員の得意分野(味)を活かし、研修講師に登用したり、チーム内で親 方的存在感を発揮できる仕組みを考えたりします。後進を育成していくことは、自らをさら に育てることにつながります。 また、互いに意気に感じ合えるベテラン同士が集まって、新たな事業を企画し、実現を 図る「(仮)ベテランゆめプロジェクト」の実施も検討します。 23 (6)専門職等の育成を計画的に行います。 技術系や福祉系などの専門職については、必要な人材を着実に育成し確保していくた め、専門職種の職員間で、人事配置、ジョブローテーション、技術力向上研修等、育成プ ログラムを作成して、計画的に育成していくことが重要です。 専門職や技能系の職員について、視野を広げ、能力開発を図るため、一定期間研修 として他の職場を経験するというのも有効です。 4 各職場の人材育成をサポートします。 職場ごとの人材育成をより効果的に進めていくために、人事課と人材育成課によるサポー ト機能を発揮・充実します。 (1)効果の高い職場外研修を実施します。 新たな研修体系を構築し、効果の高い研修を、必要な時期と対象職員に対して実施し ていきます。 育成期にある若手職員が、入区からおおむね2年間に実施される職層研修は必修とし ますが、それ以外の研修は、上司の意向や職場の要請を踏まえた上で、職員自らの選択 と責任において受講するものとします。 (2)現場ニーズを捉えた研修(人材育成センター研修)を実施します。 人材育成課職員が、職員や職場を訪問し、現場ニーズを捉えた研修(集合研修及び 職場単位研修)を実施します。 (3)職場づくりに役立つ情報を提供します。 <提供する情報の例> ・ 職場研修の事例を各職場から収集し、逐次紹介 ・ 各職場で効果を挙げている人材育成や業務改善の取り組み ・ 個々の職員が持っている得意技やちょっとした工夫、継承すべき知識 ・ 「インフォーマル活動」の工夫や「認知・感謝」の職場風土づくりについて、役立つ情報や 各職場での取り組み事例 (4)職場の「人材育成の担い手」を育成します。 仕事管理の中心であり、人材育成のキーマンである係長や技能長を対象に、「仕事管 理」「面談」「助言指導」「キャリアプラン支援」の技術や、若手職員の育成・支援にあたる 先輩職員に必要な技術を習得するために必要な研修を実施します。 24 (5)研修の効果測定を行います。 新任研修や接客研修、人材育成センター企画研修など、特定の研修について、「研修 受講報告書」を基に、所属上司が職員と面談をして職場での実践目標を立てます。 人材育成課が一定期間ごとに後追いチェックをし、研修効果を検証するとともに、職場 や職員に対し適宜サポートを行います。 1 効果の高い 職場外研修の実施 3 職場 役立 づくり つ情 に 報提 供 2 現場ニーズを 捉えた研修の実施 (人材育成センター研修) 職場 サポート隊 5 研修の 効 果測定 の実 施 4 職場の 「人材育成の担い手」 の育成 25 <3> 1 育つ意欲…人材育成のプロセスを「見える化」する キャリア支援の仕組みを「見える化」します。 個々の職員について、能力開発にどのような意味があるのか、開発した能力がどのように 活用されるのか、自らのキャリアプランがどのように反映されるのか、自らの業務遂行の成果 が組織目標にどのような意味があるのかなど、人材育成のプロセスが実感できるようにするこ とで、職員のやる気とやりがいを引き出していきます。 「若手育成カルテ」「キャリア調書」「良いとこリスト」などは、職員にとっては、自らのキャリア デザインを考え、明らかにするためのツールであり、上司は、職員のキャリアアップを目的とし た業務分担・業務経験や人事配置に活用するものとなります。 2 行政評価を職員個々の目標達成・成果実感に役立てます。 職員個々の取り組みと組織目標の達成状況とが連動し、成果が目に見え、組織貢献を 実感できることによって、職員はやりがいを感じることができます。 そこで、行政評価制度と人事考課制度の関連を明確にし、行政評価に基づく日常の改善 行動が業績評定(人事考課制度)に生かされる仕組みを検討します。 一方、各職場には、組織目標に直結する事務事業に携わらないながら、組織運営を円 滑に進めるためになくてはならない下支えの役割を果たしている職員が大勢います。事務事 業の成果数値に表しにくい、そうした職員の成果もきめ細かく評価していきます。 また、窓口職場や保育園、技能系職場など、大人数で同一の仕事をしているような場合 も、「おもてなしの心で良質な行政サービスの提供」という点で、それぞれの職員にとって取り 組むべき使命があり、その行動プロセスについて評価することができます。 3 取り組みの成果を「見える化」します。 各職場で取り組む業務改善(「おもてなしサービス」等のかつしかスタンダード)が、自己満足 で終わらないようにするためには、窓口等でサービスを受けた区民から直接、満足の度合いや意 見・感想を聞き、評価してもらうことが重要です。また、人材育成のための様々な取り組みについ ても、職員の能力や意欲が実際に向上し、成果が上がっているのかを確認し、その意向や要望 を捉えながら進めることが大切です。 そこで、「区民満足度調査」や「職員意識調査」を実施し、それぞれの取り組み成果を「見 える化」するとともに、その結果を検証し、今後の改善につなげるPDCA サイクルを回していき ます。 26 育つ意欲 ― 見える化 Ⅳ.推進体制 1 各職場を核としつつ、人事課と人材育成課が人材育成をサポートします。 人材育成の「具体的取り組み」について、工程表を明らかにして計画的に進めるととも に、職場外研修については、新たな体系の下、実施計画を策定します。 2 「かつしか人づくり」推進本部会を開催します。 人材育成の「具体的取り組み」を効果的に進めるために、(仮称)「かつしか人づくり」推 進本部会を開催し、以下のような項目を取り上げます。 ○ 人材育成に関する各職場の目標や取り組みの進捗確認 ○ 人材育成に関する各職場の成果や参考事例の紹介 ○ 今後の人材育成施策に関する検討 27 かつしか人づくり宣言 飾 区 人 材 育 成 基 本 方 針 (概 要 版 ) 具体的取組み 職場を「育てる場」に位置付けたうえで、人事制度や研修などの「育てる仕組み」を整えるとともに、 飾区職員であることに誇りをもてる職員をつくります! 成長の基盤となる職員自身の「育つ意欲」を育てていきます。 ① ② ③ ④ 区民第一、現場第一でおもてなしサービスができる職員 仕事をスピードアップできる職員 挑戦し続ける職員 おせっかい型の職員 今後の課題と方向性 視点1 「職場を人材育成の中心に位置づけます」 【育てる場】 ① 各職場でのおもてなしサービス・業務改善の実施 策定の背景を踏まえ、「かつしか人づくり宣言」 を実現するために、以下の課題に取り組みます。 「おもてなしの心」「おせっかい型精神」「スピードアップ」などの視点で取り組み、全庁で共有・実施する 「かつしかスタンダード」につなげる。 ② 仕事管理を通した職場での育成 策 定 の 背 景 区民目線に立った「おもてなしの心」に 基づくサービス提供など業務改善の推 進を通じた職員育成 組織目標に基づき、各職員が取り組む職務について、当該職員、係長、課長がそれぞれの立場で進行 管理し、仕事管理の機能を活用して、組織目標達成と職員の育成を図る。 ③ 学び合い、協力し合える職場づくり ミーティングや面談、挨拶の励行、インフォーマル活動を通じ、職場のコミュニケーションの活性化を図 り、メンタルヘルスに配慮しながら、やる気に溢れた職場環境を整える。 これまでの取組みと問題点 ① 全職員、各職場で目標を掲げて接遇サービス向上に取り組み 時代の変化に対応し、区民ニーズ・現 場ニーズを捉えた満足度の高いサー ビスの提供を通じた職員育成 ② 一般職員向け「人事考課制度」を導入し(18年度)、目標管理の仕組 視点2 「人材育成型の人事制度を推進します」 【育てる仕組み】 みの中で、上司から職員に具体的な助言・指導を行うとともに、業績評 キャリアデザインの考え方に基づき、「育成期」「拡充期」「発揮期」に分け、計画的に育成する。 定の結果を昇給に反映する制度を構築 ③ 職員アンケート(20年11月実施)に見る問題点 ・ 組織目標の共有が十分でない 組織目標の明示と共有化、及び個々 の職員の組織貢献度の明確化 ・ 職場での育成体制が十分でない ・ 職員個々の将来展望や目標が希薄化の傾向にある 職員の将来展望(キャリアデザイン)と その支援体制の明確化 ① 若手職員のきめ細かな育成 計画的・集中的な研修の実施、「若手育成カルテ」の活用、かつしかスタンダードの推進役 ② ③ ④ ⑤ キャリア形成を支援…「キャリア調書」の活用 職員の長所を積極的に発見…「良いとこリスト」の活用 ワークライフバランスに配慮した職員の活躍推進…「メンター制度」の活用 職場サポート 職場外研修充実、職場研修支援、「人材育成の担い手」育成、研修の効果測定 人材育成を取り巻く状況の変化 ○ 高品質のサービスをより速く、便利で感じよく提供することが、民間 若手育成カルテ…育成期の職員について、育成計画・キャリアプラン・長所・育成点などを記入。本人が保管し、 職員のやりがいを引き出すための仕組 みづくりや取り組みの推進 良いとこリスト…日常業務で発見した職員の良いところを本人了解のもと、上司が記録。 ○ 「公共」の担い手が多様化する中で、職員の役割が「確実な事務 ○ 今後10年間で3割の職員が定年退職することから、若手職員の キャリア調書…保有能力・身につけたい能力・なりたい将来像・やりたい仕事の性質などを記入。 日常の育成や人事配置に活用。 企業と同様、行政サービスにも求められている。 処理」から「適切な判断や監督」にシフトしている。 異動先でも継続使用することにより、一貫性のある育成に役立てる。 職員を孤立させることなく、互いに協力 し合える職場環境づくり 各種プロジェクトへの参加推薦や人事配置に活用。 メンター制度…ワークライフバランスに成功している先輩職員による助言・相談制度。 早期・計画的育成や知識・技術の継承が求められている。 ※ 40歳未満の事務系職員の比率が現在3割のところ、10年後には半 数を占めると推計 (職員データ) ○ 昇任意欲の低下 視点3 「人材育成のプロセスを見える化します」 【育つ意欲】 ※ 「現状のままでよい」とする職員が7∼8割 (職員アンケート結果) ○ ワークライフバランスの要請 ○ 心の健康を損なう職員の増加 ※ メンタル不調者が10年間で2.4倍に (職員データ) ① キャリア支援の見える化 若手育成カルテ、キャリア調書、良いとこリストの活用 ② 行政評価による改善行動を業績評定・行動評定に活かす。 ③ 取り組み成果の見える化 区民満足度調査、職員意識調査などの実施により、その後の改善に活かす。 巻末資料 ○ 職員アンケートの結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・1 ○ 職員データ ・・・・・・・・・・・・・・・・13 職員アンケートの結果 平成20年11月に全職員を対象に、職員の能力開発や職場の学習風土などについて アンケート調査を実施しました。その結果のうち、特徴的な内容を紹介します。また、前回 調査(平成15年1月実施)との比較を一部行っています。 なお、重複回答や論理矛盾回答の処理により、元データと一致しない数値があります。 【1】職員育成の状況 Q1:各職場において、職場内研修が十分に行われていると思いますか。 上欄:件数、下欄:% 回答内容 全体 継続的・計画的に実施している 異動、採用があった時だけ実務に必要な知識について、 短期間実施している 全く実施していない その他 合計 職種別集計 事務 技術 福祉 医療 技能 812 82 41 474 20 164 50.7 23.0 38.7 71.1 50.0 43.5 388 189 34 74 11 67 24.2 52.9 32.1 11.1 27.5 17.8 190 50 13 25 1 97 11.9 14.0 12.3 3.7 2.5 25.7 213 36 18 94 8 49 13.3 10.1 17.0 14.1 20.0 13.0 1,603 357 106 667 40 377 100 100 100 100 100 100 全体の約半数が「継続的・計画的に実施している」と回答していますが、職種ごとに見た場 合、福祉職は「継続的・計画的に実施している」という回答が71.1%を占めていますが、その他 の職種では半数以下となっており、とりわけ事務については、4分の1を下回る結果となっていま す。 前回調査では、「継続的・計画的に実施している」は、全体 33%、事務系 19 %、福祉系 46%、「全く実施していない」は、全体 19%、事務系 18%、福祉系 13%となっており、今回、 職場研修の実施状況は良くなっていると言えます。 「職場研修を、継続的・計画的にできない理由」として、「時間がなく、その間業務が停 滞する」(50.7%)、「従来からやっていない」(15.0%)、「職場研修の必要性を認識していな い」(12.4%)が挙げられ、 「時間がない理由」として、「細かい雑務に時間を取られている」(53.3%)、「業務の引継 ぎに時間がかかる」(12.1 %)、「会議の回数が多い、時間が長い」(9.8 %)となっています。 <全体の結果> 1 人材育成は、日々の仕事を通して各職場で継続的に実践されることが求められますが、そ のためには、職員一人ひとりが人材育成の担い手であることを意識することが必要です。「職員 の育成」について以下のとおり、管理監督者の9割近くが「十分に行っている」「行っている」と回 答していますが、全体では5割に止まっています。 Q29:あなたは職員の育成を行っていると思いますか。 上欄:件数、下欄:% 職層別集計 回答内容 十分に行っている 行っている あまり行っていない 全く行っていない その他 合計 全体 主事 主任 主事 技能 主任 係長級 154 34 58 13 33 3 7 9.9 5.7 9.2 19.7 18.9 13.0 43.8 651 166 296 28 116 17 9 41.9 28.0 46.8 42.4 66.3 73.9 56.3 523 225 239 19 25 3 0 33.7 38.0 37.8 28.8 14.3 13.0 0.0 175 139 26 3 0 0 0 11.3 23.5 4.1 4.5 0.0 0.0 0.0 49 28 14 3 1 0 0 3.2 4.7 2.2 4.5 0.6 0.0 0.0 1,552 592 633 66 175 23 16 100 100 100 100 100 100 100 技能長 統括技能長 管理職 「職員の 育成を行 っていな い」理由 としては、「職務として位置づけられていない」 (30.8%)、「時間がない」(27.0%)、「やり方がわからない」(11.9%)、となっています。 <全 体の結果> 【2】業務に必要な専門性の保持 「業務に必要な専門性が身についている」との回答が、全体の3割に止まっています。 「専門性を身につけたいが不十分」となっている理由については、「努力しているが十分では ない」(59.1%)、「身につけるための職場研修が実施されていない」(16.8%)、「時間がなく研 修などに参加できていない」(16.5%)となっています。 2 Q11:担当する業務に必要な専門性が身につけられていますか。 上欄:件数、下欄:% 1つを選択 回答内容 職種別集計 全体 事務 技術 福祉 医療 技能 482 68 23 207 18 150 30.4 19.4 22.1 31.4 43.9 38.7 1,063 268 80 442 22 226 67.0 76.4 76.9 67.1 53.7 58.2 11 6 0 0 0 4 0.7 1.7 0.0 0.0 0.0 1.0 30 9 1 10 1 8 1.9 2.6 1.0 1.5 2.4 2.1 1,586 351 104 659 41 388 100 100 100 100 100 100 身についている 身につけたいが不十分 身につけようとしていない その他 合計 【3】自己啓発の状況 Q8:自己啓発にはどのような方法が一番有効だと思いますか。 上欄:件数、下欄:% 1つを選択 回答内容 職場での指導・育成・研修 自学自習 研修所の研修 民間等で行っている研修 その他 合計 全体 職種別集計 事務 技術 福祉 医療 技能 565 138 44 212 8 158 35.2 39.1 41.5 30.5 19.5 40.9 394 105 29 153 9 88 24.5 29.7 27.4 22.0 22.0 22.8 339 38 14 199 14 71 21.1 10.8 13.2 28.7 34.1 18.4 282 61 18 122 9 65 17.5 17.3 17.0 17.6 22.0 16.8 27 11 1 8 1 4 1.7 3.1 0.9 1.2 2.4 1.0 1,607 353 106 694 41 386 100 100 100 100 100 100 全体として、「職場での指導・育成・研修」が 35.2%と最も高い比率を占めています。前回調 査では、「自学自習」(38%)、「職場での指導・育成・研修」(24%)、「研修所の研修」(15%) となっており、今回、「職場での指導・育成・研修」を有効とする比率が高まっています。 「あなたが現在、一番求めている研修はどのようなものですか」との問いに対して、 「実務に直接結びついた研修」(73.3%)、「民間を活用した研修」(12.4%)、「一般教養を高 3 める研修」(7.3%)、「企画・政策形成研修」(4.0%)と答え、 「個々人が一番主体的に取り組める研修方式は何だと思いますか」との問いには、「事 例演習法(具体的な事例を基にその解決策を見つけ出すこと)」(54.7%)、「ゼミ形式(特定の テーマについて研究し報告・討論すること)」(19.3%)となっています。 職場での指導・育成や職場研修の重要性を認識し、実務に直結した実践的研修を受 講して、職務に必要な専門性を向上させようとしている、職員の意識が見て取れます。 【4】組織目標の共有化 組織目標の明示及び共有にかかる質問に対して、「明確に示されている」との回答(「明確 に示され、共有化されている」「明確に示されているが、共有化されているかわからない」の計)は全 体の76.4%で、多くの職場において、組織目標が明示されていると考えられます。 しかしながら、その目標が「共有化されているか」という点について、「共有化されている」と の回答(「明確に示され、共有化されている」「指示だけされているが、共有化されている」の計)は半 数に止まっており、目標は提示されているが、必ずしも共有までには至っていないという状況 がうかがえます。 職種別では、「指示だけされているが、共有化されているか分からない」との回答が、事務 系、技術系、技能系で3割弱あり、問題と言えます。一方、福祉系では7.1%に止まっていま す。 Q7:管理監督者から組織目標が明確に示されていますか。 またその内容が共有化されていますか。 上欄:件数、下欄:% 回答内容 職種別集計 全体 明確に示され、共有化されている 明確に示されているが、共有化されているかわからない 指示だけされているが、共有化されている 指示だけされているが、共有化されているかわからない その他 合計 4 事務 技術 福祉 医療 技能 765 149 40 388 20 145 49.2 42.8 39.2 59.8 51.3 38.8 424 87 26 189 10 101 27.2 25.0 25.5 29.1 25.6 27.0 66 19 5 20 0 20 4.2 5.5 4.9 3.1 0.0 5.3 263 83 29 46 7 90 16.9 23.9 28.4 7.1 17.9 24.1 38 10 2 6 2 18 2.4 2.9 2.0 0.9 5.1 4.8 1,556 348 102 649 39 374 100 100 100 100 100 100 【5】上司との面接 Q17:上司との面接により意識に変化がありましたか。 上欄:件数、下欄:% 複数回答可 回答内容 自分の役割が認識できた 特に変化はない 仕事へのやる気が出た 新しいことへの挑戦意欲が 生まれた 仕事へのやる気が下がった その他 合計 全体 職種別集計 事務 技術 福祉 医療 技能 839 143 42 456 20 153 43.0 37.3 39.6 51.8 38.5 33.3 473 144 43 102 15 158 24.3 37.6 40.6 11.6 28.8 34.4 231 33 8 130 5 49 11.9 8.6 7.5 14.8 9.6 10.7 240 21 4 138 8 55 12.3 5.5 3.8 15.7 15.4 12.0 120 31 7 34 2 36 6.2 8.1 6.6 3.9 3.8 7.8 46 11 2 21 2 8 2.4 2.9 1.9 2.4 3.8 1.7 1,949 383 106 881 52 459 100 100 100 100 100 100 人事考課制度の導入により制度化された、上司と職員の面接について、全体では、「自分の 役割が認識できた」(43.0%)として好意的に捉えられていますが、事務系、技術系、技能系に ついては、それを上回る形で「特に変化はない」と回答しています。 一方、福祉系では、半数以上が「自分の役割が認識できた」と回答し、「仕事へのやる気が 出た」「新しいことへの挑戦意欲が生まれた」を合わせると、全体の8割強が上司との面接により モチベーションを向上させています。このことは、前設問の「組織目標が明確に示され、共有化 されている」との回答が福祉系で6割近くに達していることとも関連していると言えます。 5 【6】「やりがい」を感じるとき 「あなたは仕事に対して「やりがい」を感じるときはいつですか」との問いに、次の選択肢か ら3つ選択することになっています。 ① 給与等に反映されたとき ② 組織・個人目標が達成されたとき ③ 上司から責任ある仕事を任されたとき ④ 上司からの激励、褒め言葉を受けたとき ⑤ 上司の自分に対する評価に納得できたとき ⑥ 同僚から賞賛されたとき ⑦ お客様(区民)から「ありがとう」等の感謝を受けたとき ⑧ 担当業務に対して自信が持てたとき 以上の選択肢を以下のように分類してみました。 <1> 評価の実感 ① 給与等に反映されたとき ③ 上司から責任ある仕事を任されたとき ⑤ 上司の自分に対する評価に納得できたとき <2> 自信・達成感 ② 組織・個人目標が達成されたとき ⑧ 担当業務に対して自信が持てたとき <3> 賞賛・感謝を受けたとき ④ 上司からの激励、褒め言葉を受けたとき ⑥ 同僚から賞賛されたとき ⑦ お客様(区民)から「ありがとう」等の感謝を受けたとき この分類で集計すると、職員が「やりがい」を感じるのは、給与への反映や納得できる評価等 の「評価の実感」よりも、区民や職場の上司・同僚から「感謝や賞賛」を受けたときや「目標達成 の実感が持てたとき」であることが分かります。 「感謝・賞賛」をしてくれる主体は区民が大半ですが、職場の上司や同僚から「感謝・賞 賛」の言葉をもらえれば、今よりももっと「やりがい」を感じ、やる気を出すことができるのでは ないかと想像されます。 6 Q6:あなたが仕事に対して「やりがい」を感じるときはいつですか。 (3つ選択) 分類 回答内容 事務 技術 医療 福祉 技能 全体 件数 % 件数 % 件数 % 件数 % 件数 % 件数 % 93 9.7 32 12.0 126 6.8 8 7.1 173 16.6 448 10.3 50 5.2 15 5.6 110 5.9 8 7.1 53 5.1 242 5.5 98 10.2 25 9.4 162 8.7 10 8.8 105 10.1 416 9.5 小計 241 25.1 72 27.0 398 21.4 26 23.0 331 31.8 1,106 25.3 139 14.4 46 17.2 283 15.2 19 16.8 139 13.4 643 14.7 183 19.0 54 20.2 341 18.3 24 21.2 165 15.9 784 18.0 100 37.5 624 33.6 43 38.1 304 29.2 1,427 32.7 給与に反映され たとき 上司から責任あ 評価 る仕事を任され の たとき 実感 上司の自分に対 する評価に納得 できたとき 組織・個人目標 が達成されたと 自信 き ・ 達成 担当業務に対し 感 て自信が持てた とき 小計 322 33.5 上司からの激 励、褒め言葉を 受けたとき 賞賛 同僚から賞賛さ ・ れたとき 感謝 区民から「あり がとう」等の感 謝を受けたとき 99 10.3 20 7.5 203 10.9 7 6.2 80 7.7 419 9.6 45 4.7 10 3.7 126 6.8 5 4.4 52 5.0 247 5.7 245 25.5 62 23.2 487 26.2 30 26.5 263 25.3 1,117 25.6 小計 389 40.4 92 34.5 816 43.9 42 37.2 395 38.0 1,783 40.8 その他 10 3 1.1 21 1.1 2 1.8 10 1.0 50 1.1 合計 962 1.0 267 1,859 7 113 1,040 4,366 【7】働きやすい職場 Q31:職員間のコミュニケーションを増やし、風通しのよい職場にするために は、何が必要だと思いますか。 上欄:件数、下欄:% 複数回答 回答内容 日常的な職員間の声かけ 定期的なミーティングの徹底 飲み会などインフォーマルなつきあい 朝礼、終礼の実施 特にない その他 合計 職種別集計 全体 事務 技術 福祉 医療 技能 1,245 269 72 574 34 275 48.3 51.7 48.0 48.9 55.7 44.1 731 148 36 334 17 181 28.4 28.5 24.0 28.4 27.9 29.1 260 49 26 108 3 70 10.1 9.4 17.3 9.2 4.9 11.2 235 28 14 125 5 59 9.1 5.4 9.3 10.6 8.2 9.5 36 7 1 5 1 20 1.4 1.3 0.7 0.4 1.6 3.2 69 19 1 28 1 18 2.7 3.7 0.7 2.4 1.6 2.9 2,576 520 150 1,174 61 623 100 100 100 100 100 100 「日常的な職員間の声かけ」が半数を占めています。 「仕事をする上で一番重視しているものは何ですか」との問いに対し、「チームワーク、 協力関係」(73.8%)、「達成感」(11.2%)、「職場環境(執務・勤務条件)」(5.8%)、「プラ イベートとの両立」(4.9%)、「収入」(1.5% )、「上司・周りからの評価」(1.0%)と答えていま す。 「現在の職場以外に職員で仕事や悩み事で相談できる人がいますか」との問いに、 77.6%が「いる」と答え、その相手は、「前の職場」の職員が 53.6%(2番目に多いのは「同 期」23.8%)となっており、同じ職場の仲間が築く信頼関係は大きいと考えられます。 8 【8】キャリアデザイン、昇任意欲 「成長」は、自身が明確な目標を掲げてその目標に向けて努力することで実現するもので す。アンケートの結果では、「5年後あるいは10年後のキャリアデザインを意識している」とい う回答が3割強に止まっています。 昇任意欲についても、主任主事以上では7∼8割が「現状のままでよい」と回答しており、 組織の維持・活性化という点からも深刻な状況であると言えます。 Q26:5年後、10年後のキャリアデザインを意識していますか。 上欄:件数、下欄:% 職層別集計 回答内容 全体 10年先まで意識している 5年後の意識はあるが、10年 後までは意識していない 何年後という明確な意識はして いない 特に考えていない その他 合計 主事 主任 主事 技能 主任 係長級 209 71 91 10 20 4 4 13.6 12.1 14.7 14.1 11.9 22.2 25.0 314 96 143 14 41 2 3 20.4 16.4 23.0 19.7 24.4 11.1 18.8 652 280 257 25 58 7 5 42.3 47.8 41.4 35.2 34.5 38.9 31.3 320 122 112 19 42 5 2 20.8 20.8 18.0 26.8 25.0 27.8 12.5 47 17 18 3 7 0 2 3.0 2.9 2.9 4.2 4.2 0.0 12.5 1,542 586 621 71 168 18 16 100 100 100 100 100 100 100 Q21:どの職等まで昇任したいと考えていますか。 上欄:件数、下欄:% 職層別集計 回答内容 管理職 統括技能長 係長、技能長 主任主事、技能主任 現状のままで良い 合計 主事 主任 主事 技能 主任 係長級 技能長 41 15 2 25 0 7.0 2.4 3.3 14.6 0.0 16 6 3 11 5 2.7 1.0 4.9 6.4 29.4 92 125 11 - - 15.7 20.2 18.0 - - 223 - - 1 0 38.0 - - 0.6 0.0 215 472 45 134 12 36.6 76.4 73.8 78.4 70.6 587 618 61 171 17 100 100 100 100 100 9 技能長 統括技能長 管理職 主任主事以上の職員に、昇任を望まない理由を聞いた結果は次のとおりです。 Q24:上位の職等を望まない理由は何ですか。 <主任主事・技能主任・係長級・技能長からの回答> 上欄:件数、下欄:% 1つ選択 回答内容 職種別集計 全体 事務 技術 福祉 医療 技能 277 38 19 126 9 79 40.8 28.8 40.4 40.8 52.9 48.8 147 15 6 88 1 32 21.6 11.4 12.8 28.5 5.9 19.8 114 28 11 53 4 18 16.8 21.2 23.4 17.2 23.5 11.1 73 27 6 24 3 13 10.8 20.5 12.8 7.8 17.6 8.0 68 24 5 18 0 20 10.0 18.2 10.6 5.8 0.0 12.3 679 132 47 309 17 162 100 100 100 100 100 100 今の職等が適していると感じているから 現場の仕事から離れてしまう 人事管理が出来ないと思う その職等以上の責任を負いたくない その他 合計 一方、昇任意欲を持つ職員にその理由をきいた結果は次のとおりです。 Q22:昇任したい理由は何ですか。 <昇任したいと回答した職員からの回答> 上欄:件数、下欄:% 1つ選択 回答内容 自分の可能性を伸ばせる 給与がよくなる 特に明確な理由はない より高度な判断を任される その他 合計 職種別集計 全体 事務 技術 福祉 医療 技能 350 65 23 157 10 87 42.7 34.9 29.9 49.1 47.6 43.7 193 46 24 53 4 64 23.6 24.7 31.2 16.6 19.0 32.2 165 41 18 69 5 29 20.1 22.0 23.4 21.6 23.8 14.6 71 21 9 25 2 11 8.7 11.3 11.7 7.8 9.5 5.5 40 13 3 16 0 8 4.9 7.0 3.9 5.0 0.0 4.0 819 186 77 320 21 199 100 100 100 100 100 100 10 【9】職員として必要な能力 Q28: 飾区職員として最も必要な能力は何だと思いますか。 上欄:件数、下欄:% 1つ選択 回答内容 自分の職務における専門能力 職員を育成・指導し、やる 気を引き出す 能力 新たな課題を解決していく能力 優れた接遇能力 時代を先取りする先見性 企画・政策形成能力 その他 合計 全体 職種別集計 事務 技術 福祉 医療 技能 526 68 29 272 11 137 33.5 19.7 26.6 41.0 27.5 36.0 362 80 32 124 9 107 23.0 23.1 29.4 18.7 22.5 28.1 293 98 21 116 7 47 18.6 28.3 19.3 17.5 17.5 12.3 163 37 7 76 2 38 10.4 10.7 6.4 11.4 5.0 10.0 134 26 11 50 7 36 8.5 7.5 10.1 7.5 17.5 9.4 59 23 6 18 3 9 3.8 6.6 5.5 2.7 7.5 2.4 35 14 3 8 1 7 2.2 4.0 2.8 1.2 2.5 1.8 1,572 346 109 664 40 381 100 100 100 100 100 100 11 <アンケート調査回答者の属性> アンケート調査対象職員(※)3,101 人のうち、回答を寄せてくださったのは 1,605 人 (51.8%)でした。 (※)常勤職員(任期付・再任用・再雇用職員を除く) <アンケート実施期間:平成20年11月5∼19日> ★ 男女別 対象職員数 人数(A) ★ 男性 女性 無回答 1,400 1,701 − 計 3,101 45.1 54.9 − 回答率(B/A) % 構成比% 543 1,014 48 33.8 63.2 3.0 38.8 59.6 1,605 対象職員数 人数(A) 51.8 回答者数 構成比% 人数(B) 回答率(B/A) 構成比% % 10・20代 30代 208 699 6.7 22.5 115 385 7.2 24.0 55.3 55.0 40代 50・60代 1,104 1,090 35.6 35.1 553 503 34.5 31.3 50.0 46.1 無回答 計 3,101 - 49 1,605 3.1 職種別 対象職員数 職種 回答者数 人数(A) 構成比% 人数(B) 構成比% 事務系 技術系 回答率(B/A) % 1,182 190 38.1 6.1 352 105 21.9 6.5 29.8 55.3 医療技術系 福祉系 105 850 3.4 27.4 41 662 2.6 41.2 39.0 77.9 技能系 無回答 774 - 25.0 - 392 53 24.4 3.3 50.6 計 ★ 人数(B) 年代別 年代 ★ 回答者数 構成比% 3,101 1,605 職等別 職等 主事 主任主事 技能主任 係長級 技能長・統括技能長 管理職 無回答 計 対象職員数 人数(A) 1,109 回答者数 構成比% 35.8 人数(B) 613 回答率(B/A) 構成比% 38.2 % 55.3 1,262 129 40.7 4.2 642 67 40.0 4.2 50.9 51.9 472 42 15.2 1.4 176 23 11.0 1.4 37.3 54.8 87 2.8 - 16 68 1.0 4.2 18.4 3,101 1,605 12 職員データ 平成 21 年 4 月 1 日現在 職員数:3,140 人 一般職に属する職員のうち、特別区人事・厚生事務組合、東京二十三区清掃一部事務組合への派遣職員、 再任用短時間勤務職員、臨時職員、妊娠出産休暇、育児休業承認に伴う臨時的任用教職員、教育職員を除 く数です。 1.職種別人員構成 職種 人員 事務系 % 1,217 38.8 福祉系 一般技術系 907 192 28.9 6.1 医療技術系 109 3.5 715 3,140 22.8 技能系 技能系 715人 22.8% 事務系 1,217人 38.8% 医療技術系 109人 3.5% 3,140人 一般技術系 192人 6.1% 福祉系 907人 28.9% 13 2.事務系職員(一般事務・社会教育)の年齢構成と10年後の推計 事務系職員の現在の年齢構成は以下のとおりです。 年齢層 全体 比率 29歳以下 141 11.6 30∼39歳 263 21.6 40∼49歳 348 28.6 50歳以上 465 38.2 合計 1,217 平成31年度 平成21年度 10年間で定年退職 10年間で採用 29歳以下 141人 11.6% 50歳以上 348人 28.6% 40歳未満 465人 38.2% 50歳以上 465人 38.2% 1,217人 30∼39歳 263人 21.6% 1,217人 10年後 30∼39歳 141人 11.6% 40∼49歳 348人 28.6% 40∼49歳 263人 21.6% 40歳未満の職員 40歳未満の職員 404人 33.2% 606人 49.8%(推定) 左の円グラフは、事務系職員の現状(平成21年4月1日現在)の年齢構成で、「50歳以上の 層」465人(38.2%)は、今後10年間で定年退職することになります。 右の円グラフは、現状の事務系職員数1,217人を維持する前提で、10年後(平成31年 度)の年齢構成を想定したもので、10年間で定年退職する層を、その間に採用する職員が埋め ることになります。 左右のグラフを、40歳未満の職員の構成比率で比較すると、現在は404人(33.2%)です が、10年後は606人(49.8%)となり、若い年齢層の割合が高くなることが予想されます。 14 3.管理職の年齢構成 平成 21 年 4 月 1 日現在 今後 10年間で 定年退職 49歳以下 29人 34.1% 85人 50歳以上 56人 65.9% 10年間に3分の2が入れ替わることになります。 4.採用年度別人員 平成元年度∼21年度の採用人員は下のグラフのとおりです。年度によって波がありますが、と りわけ、平成12年度から16年度にかけて一般事務の採用を抑えており、今後の組織活力への 影響が懸念されます。 人 140 121 120 101 100 92 84 80 60 85 72 88 85 70 72 77 73 71 67 56 54 50 45 39 40 39 38 30 23 23 24 20 19 28 28 24 24 18 21 14 17 8 2 3 2 24 21 26 3 0 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 年度 全職員 15 一般事務 5.事務系職員(一般事務・社会教育)の年齢別・男女別構成 平成21年4月1日現在の事務系職員の年齢別・男女別の構成は以下のとおりで、女性 職員(505人)は、全体の41.5%を占めています。 全体 男性 女性 19∼24歳 25∼29歳 65 76 31 50 34 26 30∼34歳 35∼39歳 119 144 68 74 51 70 40∼44歳 45∼49歳 148 200 96 112 52 88 50∼54歳 55歳∼ 240 225 137 144 103 81 1,217 712 505 女性職員の比率 39.6% 人 女性職員の比率 40.2% 160 120 女性職員の比率 44.8% 112 103 96 100 80 74 68 60 40 144 137 140 31 34 81 男 女 70 52 51 50 88 26 20 0 19∼24歳 25∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40∼44歳 45∼49歳 50∼54歳 55歳∼ 今後10年間で 今後10年間で 定年退職 定年退職 事務系職員のうち女性職員の比率は全体では41.5%ですが、40歳未満の層ではその比率 が高い傾向にあり、50歳以上の層が今後定年退職し、代わって若い層が入ってくると、全体の 女性職員の比率が高まってくると予想されます。 16 6.昇任選考の受験状況 (1)主任主事昇任選考受験状況「短期」年度別推移 年度 受験率 合格者数 合格率 15 該当者数 受験者数 328 229 69.8 60 26.2 16 17 311 294 221 206 71.1 70.1 57 53 25.8 25.7 18 288 192 66.7 52 27.1 19 20 304 277 210 187 69.1 67.5 55 51 26.2 27.3 21 281 180 64.1 50 27.8 本則 23年度以降 2級職の在職年数4年以上 人 350 2級職の在職年数経過 措置(6年以上)期間 2級職の在職年数 経過措置(5年以 上)期間 80.0% 70.0% 300 60.0% 250 50.0% 200 40.0% 150 30.0% 100 20.0% 50 10.0% 0 0.0% 15 16 該当者数 17 18 受験者数 19 合格者数 20 受験率 21 年度 合格率 主任主事選考の受験率は、ほぼ横ばいですが、次ページのとおり、係長職選考については、受 験率の低下傾向があり、今後の組織運営への影響が懸念されます。 17 (2)係長職昇任選考受験状況「一般」年度別推移 該当者数 年度 全職種 受験者数 受験率 合格者数 合格率 うち うち うち うち うち 全職種 全職種 全職種 全職種 事務系 事務系 事務系 事務系 事務系 15 659 336 89 46 13.5 13.7 18 14 20.2 30.4 16 17 650 641 315 302 78 75 41 43 12.0 11.7 13.0 14.2 16 20 12 16 20.5 26.7 29.3 37.2 18 19 615 583 271 258 80 89 42 38 13.0 15.3 15.5 14.7 25 25 19 16 31.3 28.1 45.2 42.1 20 542 232 60 29 11.1 12.5 26 18 43.3 62.1 21 515 220 55 20 10.7 9.1 28 16 50.9 80.0 全職種 人 700 60.0% 600 50.0% 500 40.0% 400 30.0% 300 20.0% 200 10.0% 100 0 0.0% 15 16 該当者数 17 18 受験者数 19 合格者数 20 受験率 21 年度 合格率 事務系 人 400 90.0% 350 80.0% 70.0% 300 60.0% 250 50.0% 200 40.0% 150 30.0% 100 20.0% 50 10.0% 0 0.0% 15 16 該当者数 17 受験者数 18 合格者数 18 19 20 受験率 合格率 21 年度 (3)各区の昇任選考受験状況 「平成20年度昇任選考実施状況等調査結果」(特別区人事・厚生事務組合 人事企画部調査課) ① 主任主事昇任選考(短期) 受験率 合格率 全体 男性 女性 本区 67.5 63.4 68.9 57.1 27.3 23区平均 60.3 64.2 58.7 53.3 28.9 最高区 75.4 80.6 75.5 82.7 84.6 最低区 42.5 10.8 17.3 12.0 19.5 事務 単位:% 全体 ② 係長職昇任選考(一般) 受験率 合格率 全体 男性 女性 本区 11.1 25.0 6.4 3.1 43.3 23区平均 19.5 31.1 13.7 6.1 34.6 最高区 41.6 46.7 42.5 16.8 72.4 最低区 7.7 10.7 5.4 0.0 18.0 事務 全体 ③ 管理職選考(Ⅰ類・事務) 受験率 合格率 全体 男性 女性 全体 本区 3.3 9.6 0.3 19.4 23区平均 3.2 6.7 0.8 17.0 最高区 8.2 15.2 2.3 38.9 最低区 1.2 1.8 0.0 0.0 単位:% ④ 管理職選考(Ⅱ類・事務) 受験率 合格率 全体 男性 女性 全体 本区 22.2 24.4 0.0 20.0 23区平均 18.7 20.4 12.1 31.8 最高区 50.0 56.5 60.0 100.0 最低区 4.5 6.0 0.0 0.0 19 単位:% 単位:% 7.メンタルの不調による病気休暇・休職者の推移 平成11年度から20年度の病気休暇・休職者の人数(実人員)と日数(総計)は以下のとおり で、10年間で、人数は2.3 倍、日数は2.4 倍となっています。 年度 人数 日数 11 19 2,910 12 19 2,383 13 24 2,505 14 24 3,231 15 46 5,946 16 38 3,860 17 43 5,554 18 31 3,860 19 38 4,707 20 43 6,962 日 人 8,000 50 45 7,000 40 6,000 35 5,000 30 4,000 25 20 3,000 15 2,000 10 1,000 5 0 11 12 13 14 15 日数 20 16 人数 17 18 19 0 20 年度 飾区人材育成基本方針 発 行 平成22年3月 飾区役所 飾区立石5−13−1 電話 : 03−3695−1111(代表) 編 集 飾区総務部人材育成課 飾区立石5−27−1 電話 : 03−5698−2611(直通)