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総 説
一1一 平 成9年12月(1997年) 総 説 ニ ワ ト リ卵 黄 膜 の タ ン パ ク質 木 Proteins 戸 of the Vitelline Shoko 詔 子 Membrane of Hen's Kido 量 で5.7土0.6mg)で は じめ に 卵 膜(egg で あ るが,動 あ る が9),食 品 と して の 品 質 管 理 の 面 か ら も重 要 な 役 割 を も つ 。 貯 蔵 に 伴 い卵 黄 膜 membrane)は 卵 子 表面 に存 在 す る膜 物 に よ って 卵 子 の 大 き さや 卵 子 を 取 り 巻 く環 境 も大 き く異 な る た め,卵 膜 の形 態 に もか な りの 相 違 が 見 られ,名 硬 骨 魚 類;ゼ 称 も様 々(卵 殻,cholione/ リー層,jelly vitellinemembrane/爬 da/哺 Egg 乳 類;そ coat/両 生 類;卵 黄 膜, 虫 類;透 明 帯, zona pelluci- の 他, vitellinecoat, vitelline layer, vitelline envelopな ど)で (vitellinemembrane)は あ る1)。 鳥 類 の 卵 黄 膜 卵 黄 を 包 ん で い る半 透 明 の の 脆 弱 化 が 進 む と卵 黄 膜 破 損 を 起 こ す(例 え ぽ,夏 期 の 貯 蔵 卵 で は 著 し く卵 黄 膜 の強 度 が 低 下 し,2日 貯 蔵 卵 の 手 割 りで1.4%,自 で8.6%)23)0卵 動 割 卵 機(100個/分) 黄 と卵 白 は 成 分 が 異 な る た め,工 業 的 に 両 者 は 分 離 して,製 造 加 工 され る こ とが 多 い 。 最 近 で は 高 速 割 卵 機(600個/分)が で,卵 用 い られ る の 黄 膜 強 度 の 高 い 卵 が 要 求 され る。 割 卵 時 の 卵 黄膜破 損に こよ る卵 白 と卵 黄 の 混 合 卵 は 著 しい経 済 的 損 失 を 招 く。 卵 白 に 卵 黄 が0.1%混 入 す る と卵 白 の 膜 で,卵 黄 と卵 白 を 仕 切 る境 膜 と して 存 在 して い る。 起 泡 性 を 低 下 させ た り24∼27),卵黄 へ の 卵 白 混 入 は 鳥 卵 は 哺 乳 動 物 な ど の卵 子 と比 較 す る と母 体 外 で 胚 卵 黄 の 乳 化 性 に 影 響 を 与 え るzs)0従 っ て,工 業 的 な が 発 達 す る。 従 っ て,そ 規 模 で 行 わ れ る割 卵 工 程 で,卵 の 栄 養 補 給 源 で あ る卵 黄 は か な り大 き く,卵 黄 を 包 む 卵 黄 膜 は か な りの 強 度 を 黄 膜 破 損 に よ る混 合 卵 を 出 さ な い よ うに 注 意 が は らわ れ る。 もつ 必 要 が あ る 。 鳥 卵 の 卵 黄 膜 に 関 す る 研 究 は 殆 ど 著 者 らは ニ ワ ト リの 卵 黄 膜 構 成 タ ンパ ク質 の物 理 が ニ ワ ト リで 行 わ れ て い る2∼7も卵 黄 膜 は 外 圧 に 耐 化 学 的 性 質 や 構 造 解 析 な ど,一 連 の研 究 を 行 って き え る強 度 を も ち,ふ 化 に 必 要 な 卵 黄 を物 理 的 に 守 る た9,29∼36)。 そ の 結 果,卵 だ け で な く3,4,8,9),微生 物 か ら最 終 的 に 守 る障 壁 と 謝 に 必 要 な 低 分 子 成 分 の 卵 黄 と卵 白 ら構 成 され て お り,そ の うち の少 な くと も1つ は ユ ニ ー クな 構 造 を も つ タ ンパ ク質 で あ る こ とを 明 らか 間 の 移 動 の 制 御7・10∼16),受精 の 際 の 精 子 の 認 に した 。 しか し,こ れ ら タ ンパ ク質 の 機 能 は まだ 不 識17∼20)や多 受 精 防 止21,22),胚 の 発 生 に 重 要 な栄 養 明 な部 分 が 多 く,卵 黄 膜 タ ンパ ク質 の 様 々 な 生 理 活 の 運 搬 な ど重 要 な役 割 を もつ こ とが 認 め ら れ て い る 性 の 解 明 が 注 目さ れ て い る。 して の役 割,代 もの の,こ れ らの 詳 しい 作 用 機 序 に つ い て は 殆 ど分 か っ て い な い。 ニ ワ ト リ卵 は 栄 養 的 に も経 済 的 に も優 れ た タ ンパ 1.卵 黄膜 の形 成 ニ ワ ト リの 卵 黄 膜 は 内 層(inner ク質 食 品 で あ り,し か も,多 様 な 機 能 性 タ ンパ ク質 層(outer を 含 む た め,食 全 く 異 な る2層 品 素 材 と し て の利 用 価 値 も 高 い 。 卵 黄 膜 は 全 卵 重 に 比 べ る と微 量(1個 の重量 は乾燥重 membrane)と membrane)と 外 呼 ば れ る形 態 及 び成 分 の か ら 構 成 さ れ,2層 い 連 続 層(continuous (図1a)。 京都女子大学家政学部食物栄養学 科調理学第一研究室 黄 膜 は 数 種 の タ ンパ ク質 か membrane)カ の 間 は極 め て 薄 ミ 存 在 して い る 産 み 立 て の 新 鮮 卵 か ら 卵 白 を 分 離 し た 後, 卵 黄 を0.01N塩 酸Y'浸 漬 す る と,卵 黄 中に水 が入 -2- 食物学会誌・第 5 2号 b 。 図 1 新鮮卵の卵黄膜構造と還元による膜構造の変化 透過型電子顕徴鏡観察による新鮮卵の卵黄膜断面 a ) と0 . 1M メルカプトエタノール, pH7で 1時間処理後の膜構造の変化を示す ( b )。還元処 構造 ( 理で内層に大きな変化はみられないが,外層の重層構造が崩壊し,外側から繊維の剥離,切断を起こ している。光学顕徴鏡で同様に新鮮卵卵黄膜 ( c ) と還元処理膜 ( d ) の断面構造を PAS染色を行い 観察したところ,新鮮卵の断面は糖濃度に依存した密度の高い外層 ( 0 ) と密度の低い内層(1)の 2 層構造が鮮明に観察されたが,処理膜では,外層の崩壊が大きく, 2層構造は不鮮明となった。写真ノ 3- 平 成 9年 1 2月 ( 1 9 9 7 年) 図 2 走査型電子顕微鏡による卵黄膜表面構造の観察 新鮮卵の卵黄膜内層表面構造 ( a,卵黄側表面)と 外層表面構造 ( c,卵白側表面)。塩酸処理により分離した内層と外層(図 1e ) の接合面 ( b,連続層 と接合している内層の表面)と外層に付着している連続層表面 ( d )。写真の下に示した線の長さは 5 μmo り,その膨圧で内層と外層がはずれ,それぞれ完全 ¥ 期の白色卵胞(直径 6mm以下の卵胞)には存在 な一枚の膜として分離できる(連続層は外層に接合 せず,排卵数日前から急激に成長する黄色卵胞(直 e, 2 d ) 9 ) 。内層は卵巣 した状態で分離する。図 1 径1O ~35 の卵胞頼粒細胞で卵胞成熟に伴い形成されるが,初 産卵後の卵黄膜内層と同じ構造をもち,内層の外側 mm) で形成が起こる 37) (成熟した卵子は a,b ) と 20μm 中の Iは内層, 0は外層, C Mは連続層を表す。写真の下に示した線の長さは 4μm( ( c, d )。 写真 eは卵白を除去した卵黄を 0 . 0 1N 塩酸に浸漬の結果,卵黄中に著しく水が入札その膨圧で 0 )。内層はやや透明度が高く 内層と外層がずれ,それぞれ定全な状態で分離した内層(I)と外層 ( 膜強度は低いが,外層は弾力性に富み膜強度が高い九図 2~こ示す連続層は外層に付着して分離される。 写真 fは卵白を除去した卵黄を 0 . 1M メ ル カ プ ト エ タ ノ ー ル (pH7 ),3 0分浸漬後の卵黄の状態を 示す。著しく卵黄係数は低下し,浸漬液から取り出した卵黄は矢印で示すように,外層の一部が崩壊 し内層がはみだしてくる。時間の経過とともに全体に拡がり,やがて卵黄が流れ出る。 - 4- 2号 食物学会誌・第5 を頼粒細胞,基底膜,さらに厚い数層の膜や組織で 覆われている)。排卵された卵子は頼粒細胞との間 で分離され,卵黄膜内層で、覆われた状態で,卵管上 部の漏斗部に受けとられ,次の膨大部へ移動する僅 か1 5 " ' 1 8 分の聞に漏斗部分泌細胞で連続層と外層が 形成されると考えられている 38L そして,膨大部で 卵白,峡部で卵殻膜,子宮で卵殻が形成され,排卵 から 2 4 " ' 2 7 時間後に放卵される 39L 卵膜は形成される分泌細胞の違いにより 3種類に g / 1 0 0g )9) 表 1 卵黄膜の化学組成 ( 化学成分 内層 全膜 外層 8 2 . 1: t0 .3 84.0: : 1 :1 . 0 6 9 .0: t0 .5 : 1 :0 . 3 7 . 7土 0 中性糖 6 . 0土 0 . 4 4.2: . 9 ヘキソサミン 7 .5: t0 .2 7 . 1: t0 . 1 1 0 . 5: t0 . 1 シアル酸 .0: t0 .1 6 . 2: t0 . 2 3 . 0: t0.2 1 nd* nd 脂質 O .9: t0 .1 タンパク質 *未測定 分類できる。すなわち,卵子自体が分泌する 1次卵 膜,卵胞細胞が分泌する 2次卵膜,卵管が分泌する ( : f i ne: f i b r i 1 ) が二次元的格子構造を形成し,これが 3次卵膜である。これに従えば,ニワトリ卵黄膜の およそ 24"'26層重なった多層構造をとる(図 1a, 内層は 2次卵膜,連続層と外層は 3次卵膜に相当し, b )。著者らの開発した方法により分離した内層の 卵白,卵殻膜,卵殻も 3次卵膜に相当する。 1次卵 外層側から観察した繊維構造は卵黄側の繊維とほぼ 膜は極めて徴量で薄く,卵黄膜分離操作の過程で失 類似している(図 2b )。一方,外層の接合面は 2 われる可能性が大きいため,以下の報告では 2次卵 層とは全く異なり,滑らかな波打構造を示しており 膜と 3次卵膜についてのみ論述する。 ( 図 2d ),連続層が付着していると考えられた9) ( こ の連続層は膜試料の調製時の取り扱い方によっては 1 1 . 卵黄膜の構造と構成成分 失われるので,一次的に存在が否定されたことがあ 卵黄膜の構造は 1 9 6 3 年に B e l l a i r sら5) による電子 る40,4功 。 顕微鏡観察でその全貌が明らかにされ,内層と外層 全膜および内層,外層,それぞれの化学組成は表 構造が詳しく調べられた 6, 3 8 ) 。その結果,膜の厚さ 1に示す。 2層共,タンパク質を主成分としており, は 24μm,内層と外層の厚さは 1:3と報告された 糖は全てタンパク質に結合した形で、存在している が,最近の研究では内層・外層共に 4μmと報告さ ( 表 2)。脂質(グリセライド,コレステロール,コ れている 9, 4 0 ) (透過型電子顕微鏡並びに光学顕微鏡 レステロールエステル,遊離の脂肪酸,スフィンゴ による膜断面写真の内層と外層はほぼ同じ厚を示 ミエリンを含む43)) の存在形態については明らかに )。卵黄膜内層の内側にはさらに薄い す,図 1a,c n n e rs i n g l ememされていないが,連続層または i 膜 ( i n n e rs i n g 1 emembrane)が存在し,卵黄膜を卵 braneの構成成分かもしれない。外層は内層に比べ 白や卵黄から分離・精製する時,水溶液中に失われ ると約 2倍 の 糖 を 含 む た め , 過 ヨ ウ 素 酸 シ ッ フ る41)との報告もある。 (PAS)染色による卵黄膜断面の観察では,外層の 内層は太い繊維 ( t h i c k: f i b e r ) が三次元的な網目 構造を形成しているのに対し,外層は徴細な繊維 密度が高く内層は低い(図 1c )。これは表 2に示す ように外層主成分のオボムシンが糖を多く含む ( 5 3 3 , 13 2, 51 ) 表 2 卵黄膜内層と外層の構成タンパク質とその性質9, 卵黄膜 内層 外層 *未測定 タンパク質 g / 1 0 0g ) 組成 ( 含(有%) 量 分 ( k 子 Da 量 ) タンパク質 中性糖 ヘキソサミン シアル酸 4 . 4 4 . 1 3 . 0 1 .7 0 . 6 5 . 7 nd 5 . 5 G P I G P I I G P I I I G P I V 3 2 4 5 2 0 3 3 2 1 8 3 >, 10 0 0 nd 9 6 . 0 91 .5 5 2 . 3 nd 1 5 . 9 nd 3 . 3 2 5 . 3 nd リゾチーム VMO-I V M O I I 3 2 2 0 5 オボムシン 4 3 1 4 1 7 9 0 0 0 5 0, 1 0 0 1 0 0 1 0 0 4 7 . 4 2 3 . 4 2 4 . 1 本 。 。 。 。 。 。 。 。 。 -5- 平成 9年 1 2月 ( 1 9 9 7 年) %)ことによる。卵黄膜には核酸 5) や酵素(リン酸 ホスホジエステラーゼなど)44~49) 基転移酵素, RNアーゼ, ATPアーゼ,アルカリ ので,これらの存在が詳細に確認できれば,連続層, も含まれている i n n e rs i n g l emembraneを含めて卵黄膜の機能がよ り明らかになると思われる。 訳 A 語1 0 0 冨 e 1 1 1 . 卵黄膜内層タンパク質 卵黄膜内層成分は塩溶液およびアルコールには殆 睡 ど溶解しないが,タンパク質変性剤存在下で長時間 も . . . の激しい撹枠により, 5 0 入 3種の糖タンパグ質・ GP-I, GP-II,G P I I Iは溶解する。 GP-Iは 0.5%SDS( ラ ~ j 仕 P-IIと ウリル硫酸ナトリウム)でも溶解するが, G 様 盤 G P I I Iは 1% SDSしか溶解せず,尿素やグアニジ 。 。 楓 忌 2 ン塩酸中ではいずれも会合体の形でしか溶解しな い29)。これら 3種の糖タンパク質とも疎水性アミノ 4 6 8 1 0 酸を多く含み,内層の繊維構造の形成には疎水結合 が関与している 29~31)。また,内層には徴量である NaCI ( % ) が , 1% SDS不溶性の糖タンパク質 ( GP-IV)が存 在 し て い る ( 表 2)9)。 興 味 あ る こ と に 卵 黄 膜 を ) 決 B 1 0 0 1 4 I I ) では全く溶 一 部 が 溶 出 す る 。 し か し 塩 酸 (pH2 高 e 出せず, BRBに含まれるリン酸や酢酸の効果が大 E 匝 P-IIで占め きかった5OL 内層の約 80%が GP-Iと G も られており,これらの溶出に伴い内層は崩壊を起こ え5 0 すことから,両者は内層繊維構造の基本的骨格を形 ~ , 醤 昨 ' E I i ¥ B r i t t o n Ro b i n s o n 's緩 衝 液 ( 以 下 BRB と略す), pH2に浸漬すると内層の主成分 GP-IIと GP-Iの 成していると思われる。両者の相互作用は現在詳し 。 。 2 く調べているが, 食塩添加や特定の pHで会合を 起こすことから,イオン結合の関与が示唆されてい 句 0 6 8 1 漫漬時間(分) る 。 I V . 卵黄膜外層タンパク質 卵黄膜外層成分中,オボムシン以外の 3種のタン パク質(¥,、ずれも塩基性で比較的低分子の単純タン , _ 、 波 . 、 F C 4 轟 I I1 0 0 食塩水に漫潰すると容易に膜 パク質,表 2)は 10% ,B )。これらのタンパク質が から溶出する(図 3A e 自 K "50 入 ~ ~ 盤 銀 楓 星t 。 0 5 6 7 8 9 1 pH 図 3 食塩及び pHによる卵黄膜塩基性タンパク 質の膜からの離脱 卵黄膜を食塩に浸潰 し,外層塩基性タンパク質,リゾチーム (0) と VMO-I (・)の膜からの離脱に及ぼす食 塩と pHの影響を調べた。 a,食塩濃度の影 響 (pH7, 1時間浸漬); b,漫漬時間の影響 (10%食塩, pH7 ) ; c,pH依存性。 SDS電 気泳動により 9),新鮮卵の卵黄膜に存在する 各タンパク質含有量を 1 0 0とし相対的変化を プロットした。 VMO-IIは微量成分のため, 測定しなかったが, VMO-Iとほぼ同じ結果 を示した。 6 食物学会誌・第 5 2号 A a一 歩 1 0 . 0 A _ . . . . . ・ … ・ ・ . . . . . . . . ・ ・ . . . . ・ ・ 4 _ _ . . . . . . . . . ・ ・ ・ ・ 一 決 , 、、100 H h-d H 9 . 5 一 . b→ ↓↓ cd 4 D 9 . 0 高 餌 G 50 8 . 5 も 、 0 1 2 3 4 5 6 砂句' 入 も 8 . 0 。 7 . 5 B ~ 2 9 . 5 輯 1凹 a~ B a 1 0 . 0 工 m 9.OEE 己 b 星 長 5 0 8 . 5 8 . 0 b→ 0 c今 d→ o 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 7 . 5 保存日数 1 2 3 4 5 6 7 図 4 未受精卵と受精卵の保存による卵白 pHと卵黄膜外層の塩基性タンパク質の変化 未受精卵 ( A ) と受精卵 ( B ) を3 7 . 8Cで 1 0日間保存し, SDS電気泳動により 9),卵黄膜成分の変化を調べた。新鮮 0 0とし,外層塩基性タンパク質, リゾチーム (0)と VMO-I(・)の相対 卵の各タンパク質含有量を 1 ーIlは徴量成分のため,測定しなかったが, 的変化と各卵白 pHの変化(企)をプロットした。 VMO VMO-I とほぼ同じ結果を示した。受精卵は産卵の翌日に入手したので,入手日を保存 1日とし,卵 ,b,c ,dは 黄膜分離が可能な 7日後までを調べた。電気泳動パターンの下の数は保存日数を,バンド a GPI l , GP-I,VMO-I,リゾチームを示す。 0 外層から溶出しても外層の膜構造は維持され,膜強 を支えきれなくなり,内層が外層よりはみ出してく 度も失われないことから,外層の基本骨格はオボム る。還元剤で処理すると内層はあまり変化しない シン繊維で形成されていることが証明されている九 が,外層の重層構造は図 1b,dに示すように各層 リゾチーム, VMO-I及び VMOI l( v i t e l 1 i n emem- に分離され,著しく膜強度の低下をおこす。膜オボ b r a n eo u t e r1 a y e rp r o t e i n1 ,Il)はし、ずれも塩基性 ムシンを純化し, SDS存在下で還元すると約 1 0種 p I,1 0 . 0 " " 1 1 . 5 ) 3 2, 3 6 ) ,これら の強いタンパク質で ( のサブ、ユニットに分かれることからも,外層骨格は 3者とオボムシンの結合は pHに依存しているので オボムシンの S-S結合による高次構造で維持され, ( 図 3C),オボムシンのシアル酸と塩基性タンパク 膜強度が保持されていることが分かる九 質のイオン結合であることが容易に推察できる。卵 卵黄膜リゾチームは卵白リゾチームと全く同ーの 黄膜オボムシンは卵白ゲ、ルを形成しているオボムシ 活性をもつこと,食塩処理膜(リゾチームを完全に ンとは共通したサブユニットを含むものの,その含 除去した膜)を卵白溶液とインキュベーションする 有割合が異なるだけでなく,オボムシン複合体の分 と卵白リゾチームは膜に結合してくること,また貯 子サイズや糖含有量や物性などにかなりの相違あ 蔵中, CO2が卵白から逸散して卵白 pHが上昇す る9,51L るとリゾチームは膜から離脱するが,ふ化により卵 卵黄膜は卵黄と卵白の浸透圧の差(1. 8atm)52) 白中に CO2が 増 加 し 卵 白 pHが低下すると膜リ に耐える強度をもっ。しかし還元剤存在下で,容 ゾリチームは産卵直後よりも増加することや(図 4 易に膜強度は失われる。事実,卵白から分離した卵 B),両者のアミノ酸組成40) からも,膜りゾリチー 黄を還元剤の入った溶液に漫漬すると,図1fに示 ムは卵白リゾチームと同ーと考えている。 すように外層の膜強度が著しく失われ,卵黄の重力 VMO-Iは Backら40) によって見出されたが,著 -7- 平成 9年 1 2月 ( 1 9 9 7 年) 者らは一次構造を決定し,既知タンパク質のアミノ 酸配列と相向性が少ないことから,新規タンパク質 v . 卵黄膜および構成タンパク質の機能性 であることを明らかにした 36)。さらに X 線解析に 卵黄膜は受精の際,内層タンパク質のいずれかが よる高次構造の決定により, VMO-lの新しいユ 特定の精子のみを認識する重要な役割をもっと考え ニ ー ク な 立 体 構 造 が 立 証 さ れ た 34)0 V MQlは P られている 17 22L ニワトリで,精子とインキュベー シートのみからなる全戸型のタンパク質で, Iグ ションすると内層に直径 9μmの孔が聞き精子が通 リークキー」と呼ばれる戸構造が 3回繰り返して 過すること 20) や 酸 可 溶 性 の 内 層 成 分 と イ ン キ ュ いる。グリークキー・モチーフ自体は逆平行型 p ベーションした精子は内層に結合しないこと 60) か 構造によく現れるだけでなく,ジエリーロール・パ ら,内層が精子認識機構を備えていると推察されて レルを形成し,植物レクチンのコンカナバリン 53) いる。しかし鳥類の受精が卵管のどの部分で起こ やインフルエンザーウイルスの赤血球凝集素タンパ るか,また,外層が付く前か後か,意見が分かれ, ク質 54) などに見つかってし、る。ところが, V M Ql 詳しいことは分かっていなし、。晴乳類ではネズミの のグリークキー・モチーフは三角形のプリズム表面 受精機構の研究が進んでおり,ニワトリの内層に相 I sプリズム」と命名され 当する透明帯 ( z o n ap e l l u c i d a )は 3種の糖タンパク に 3回対称的に配置した た高次構造をもつことが明らかとなり,新たな高次 質 ( ZP1,ZP2,ZP3)から構成され,そのうち, s u p e rf a m i l y ) とし 構造をもっ一群のタンパク質 ( 分子量 830kDaの ZP3のみが精子レセプターの Ql以外に S ーエンドド て立証された 55)。現在, V M 機能をもつことが分かっている。精子が卵黄膜に結 Pプリズム構造が存在して 合すると,先体反応が起こりトリプシン様のタンパ キシンのドメイン 1 1に いることが判明している 55)0 d ーエンドドキシンは昆 ク質分解酵素が放出され,透明帯を精子が通過し 虫毒素タンパク質で ,B a c i l l u st h u r i n g i e n s i sに存在 卵子細胞膜と融合する。また,分子量 200kDaの 3つのドメインをもち,昆虫細胞膜上に存在す る受容体・糖タンパク質とドメイン 1 1が結合す る 56~58)0 sプリズム構造が存在する 2つの種は進化 ZP2は先体反応を起こした精子を透明帯に保持 し , 的に遠いことから,この pプリズム構造は案外, 多くのタンパク質に存在している可能性がある。 し,さらに,他の精子の透明帯への結合を阻止して いる 61 .6 2 )。 前 述 の ニ ワ ト リ 卵 黄 膜 内 層 の G P-l, GP-IIは ZPタンパク質と同様,酸溶液に溶け出す 性質をもち, GP, I GP-IIの詳しい糖鎖構造は決 VMO-lにちなみ VMO-IIと命名されたタンパ 定されていないが, G P-IIは赤血球凝集阻止活性を ク質は,発見当初は分子量が小さく塩基性が強いた もっ。アルカリで不安定なことから 31) 0結合オり りゾチームもしくは V M Qlの断片化物と考え ゴ糖の存在が考えられ,また,糖組成との共通性か ていたが,一次構造の決定により全く異なるタンパ ら O 結合オリゴ糖をもっ ZP3に関連していると ク質であることが明らかにされた 32)。さらに,際だ 思われる。事実, G P-IIの一部のアミノ酸配列から, め , って s s結合を多く含むこと, 6 Mグアニジン塩 ZPAのホモログと同定されている 63)。いずれにし 酸では変性するが尿素や還元剤存在下でも高次構造 ろ,受精の機構は複雑な多種の相互作用を伴った反 は変化しないこと,熱安定性が極めて高い (pH 3 応なので完全な解明には時間を要するであろう。 ~4.6 ,尿素存在下で, 9 5"cまで加熱しでも高次構 一方,外層は多受精防止に関わっていることが, 造は変化しなし、)などの性質も明らかになっ Bakstら21 .2 2 ) によって報告された(外層のオボム た32.59)0 VMO-IIの高次構造は現在解析中である シン繊維が物理的な障壁になって精子の進入を阻止 s s結合が存 している)。しかし最近著者らは, V M QI Iが化 在し,しかも Cys 一 Cysの配列が 2箇所も存在する。 学的にも精子進入を阻止している役割をもつことを s s結合が形成されないこと つきとめた59L また, VMO-IIの一次構造はへピ毒, から,この部分に 2本のペプチド鎖が集束されると 凝集素,レセプターなどの機能性をもっタンパク質 が , 82残基のアミノ酸配列に 6個の 隣接した Cys間では すれば,非常に密な硬い構造をとっていると思われ と高い相向性をもつことから,その高次構造と機能 る。後述のように,このタンパグ質のアミノ酸配列 性との相関関係に興味がもたれる。さらに, と高い相向性を示すタンパク質はかなり存在し,そ VMO-lは細胞の伸張成長促進64) 及び接着因子の作 れらのタンパク質の機能性との関連に興味がもたれ 用65) をもっ。 BRB処理により,外層から塩基性タ る 。 ンパク質が離脱すると,外層の重層構造が広がるこ とから,塩基性タンパク質のいずれか (VM Qlま - 8 2号 食物学会誌・第5 たは I I )が,外層の接着因子である可能性が高い。 NewYork( 19 8 5 ) N-アセチルクールコサ また, VMO-Iは糖重合活性 ( o u l t ηS c i .,2 2,1 5 4 5( 19 4 3 ) 2 )E .H .M c N a l l y :P 7 ) 0 VMO ー Iは ミン)をもつことが報告されている 3 .M.Weaver,] .R .J o n e s,and 3 )R .E .Feeney,] M.B .R h o d e s :P o u l t ηS c i .,3 5,1 0 6 1( 19 5 6 ) c a v i t y )をもち, 分子上部に大きなくぼみ ( オリゴ糖 5つの ( N -アセチルクりレコサミン)を収容する サイズをもつだけでなく, o u l t ηS c i .,4 3,1 2 4 0( 19 6 4 ) 4 )D .Fromm:P リゾチーム分子のグレフ andR .D .H a r k n e s s : 5 )R .B e l l a i r s,M.Harkness, N-アセ JUlt r a s t r u c t .R e s .,8, 3 3 9( 1 9 6 3 ) 6 )C .] e n s e n :J Emb η0 1 . Eゆ• Morph.,2 1,4 6 7 ト(大きな溝)にリゾチームの基質である チルク'ルコサミン 4 6量体との結合様式とよく似 ていることがコンビューターグラフィック上から立 6 6 ) 。膜リゾチームは卵白リゾチームと同 証された 36, じ溶菌活性をもつことから,卵黄を徴生物から最終 的に守る役割を果たしているが,卵白に比べ卵黄膜 外層には 1 0 倍近くも存在すること, リゾチームには 弱 L、糖転移活性67)もあることから,膜リゾチーム の機能としては溶菌活性より糖転移活性が重要なの ー Iの性質を考膚する かもしれない。これらの VMO OIは卵黄膜外層構造の安定化あるいはふ と , VM 化の際の卵黄膜表面に存在してくる血管などの伸張 成長などに関与しているのかもしれなし、。 食卵の品質管理面からも卵黄膜は重要な役割を果 たしている。卵黄膜内層は主として透過性のコント ロール,外層は主として膜強度を維持する役割をも っ9)。貯蔵卵の膜劣化の機構については,次回に述 べることにするが,貯蔵に伴う卵黄係数の低下は膜 ( 19 6 9 ) o u l t ηS c i .,5 2,4 5 9( 1 9 7 3 ) 7 ) W.M.B r i t t o n :P .M a r t o n e :P o u l t ηS c i .,4 1, 8 )D .Fromm,andG 1 5 1 6( 19 6 2 ) n dY .D o i :P o u l t η S c i .,6 7,4 7 6 9 )S .K i d o,a ( 19 8 8 ) .Romano , f :a ndA .J .Romano : f f :Thea v i a n 1 0 ) A.L e g g , Wily, NewYork( 19 4 9 ) o u l t ηS c i .,4 5,3 7 4( 19 6 6 ) 1 1 )D .Fromm:P 1 2 )F .S .S h e n s t o n e :Eggq u a l i か :as t u d yo ft h e 1 i v e randBoyd, h e n ' segg ( C .C a r t e re d . ),0 E d i n b u r g h( 19 6 8 ) .H e a t h :P o u l t : ηS c i ., 5 5,9 3 6( 19 7 6 ) 1 3 )] .L .H e a t h :P o u l t : η, S c i .,5 6,8 2 2( 19 7 7 ) 1 4 )] .L 1 5 )F . ] .G a r c i a,and A. P o n s : Comp. B i o c h e m . 82A, 2 8 9( 19 8 3 ) P h y s i o l ., 9 ) 。また,貯蔵卵 強度の低下と密接な関係がある 3, .P ons,F . ] .G a r c i a,A.P a l o u,andM.A 1 e m a 1 6 )A で,膜の透過性が変化し,黄斑(卵白から卵黄中へ p .B i o c h e m .P h y s i o l .,82A ,2 8 9( 19 8 5 ) n y :C仰 n 1 7 )B .B .L a n g f o r d,andB .Howath:Poul t : ηS c i ., 水が入札卵黄表面に現れる薄い斑点)が現れるこ パク質のオボアルブミンやコンアルブミンが検出さ 5 3,8 3 4( 19 7 4 ) 1 8 )] . ] .L .Ho,a ndS .M e i z e l :JE x p .Z o o l .,1 9 4, 4 2 9( 1 9 7 5 ) れ,卵黄の水分含有量も高くなり,卵黄の乳化性や .N i s h i y a m a :C e l lT i s s u e 1 9 )F . Okamura,andH とがある 68L 黄斑は新鮮卵にも代謝異常のため現れ ることがある。このような卵では卵黄中に卵白タン 卵白の起泡性への影響は大きし よ 69)。また,卵黄膜 には前述の通り熱に極めて抵抗性の高いタンパク質 (VMO ー I I )なども存在するため 9, 5 9),近年,深刻な 社会問題となっているアレルゲンタンパク質として の膜タンパク質の性質も明らかにする必要がある。 卵は発生に必要な全ての物質を含んでいるが,そ の中で,現在有効利用されている物質は少なく,ま だ様々な未知の生理活性物質が埋もれている可能性 が高いので,今後の研究開発により,多くの分野へ の有効利用を期待する。 文 R e s .,1 8 8, 4 9 7( 19 7 8 ) .H o w a r t h :P o u l t ηS c i .,6 9,1 0 1 2( 19 9 0 ) 2 0 )B 2 1 ) M.R .B a k s t,andB .H o w a r t h :B i o l .R e p r o d ., 19 7 7 ) 1 7,3 6 1( 2 2 ) M.R .B a k s t,andB .H o w a r t h :B i o l .R e p r o d ., 19 7 7 ) 1 7,3 7 0( 2 3 ) 今井忠平:鶏の研究, 5 0 7,6 9( 19 6 9 ) 2 4 )] .S t .] o h n,a n dI .H .F l o r :P o u l t : ηS c i .,1 0,7 1 ( 19 3 1 ) n dO .] .C o t t e r i 1 1 :P o u l t η 2 5 )F .E .Cunningham,a S c i .,4 3,2 8 3( 19 6 4 ) 献 1 )] .N .Dumomt,andA.R .Brummett:D e v e l o p m e n t a lB i o l o g y :ac o m p r e h e n s i v es y n t h e s i s( L . W.Browder,e d . ), 1,p .2 35,PlenumP r e s s, 2 6 )F .E .Cunningham,a n dO .] .C o t t e r i 1 1 :P o u l t η S c i .,5 1,7 2 1( 19 6 4 ) 2 7 )0 . ] .C o t t e r i 1 , W.E . Seideman,and E .M. k :Poul t : ηS c i .,4 4,2 2 8( 19 6 5 ) Fun -9- 平成 9年 1 2月(19 9 7 年) 2 8 )P .V a r a d a r a j u l u, andF .E .Cunningham:P o u l t ηS c i .,5 1,5 4 2( 19 7 2 ) 2 9 )S . Kido,M. Janado,and H. Nunoura: J B i o c h e m .,7 8,2 6 1( 1 9 7 5 ) 3 0 )S . Kido,M. Janado,and H. Nunoura: J B i o c h e m .,7 9,1 3 5 1( 19 7 6 ) 3 1 )S . Kido,M. Janado,and H . Nunoura: J B i o c h e m .,8 0,1 5 4 3( 19 7 7 ) . Morimoto,F . Kim,andY .D o i : 3 2 )S . Kido,A B i o c h e m .J .,286,1 7( 19 9 2 ) .Morikawa,S .Kido,andY .D o i : 3 3 )T .S h i m i z u,K JMol.B i o l .,2 3 5,7 9 3( 19 9 4 ) .G .V a s s y l e v,S .Kido,Y .Doi, 3 4 )T .S h i m i z u,D andK .Morikawa:EMBOJ .,1 3,1 0 0 3( 19 9 4 ) .I n u z u k a,Y .Doi,S .Kido,andM. 3 5 ) A.Uyeda,C K i k u c h i :Gene,1 4 4,3 1 1( 19 9 4 ) E u r .B i o c h i m .,1 5 5,6 4 3( 1 9 8 6 ) 5 0 ) 木戸詔子,土居幸雄,謝名堂昌信:日本農芸化 学会誌, 71,臨時増刊号, 1 0 3( 19 9 7 ) 5 1 ) 木戸詔子,土居幸雄,謝名堂昌信,大井龍夫: 日本生化学会誌, 6 7,6 3 2( 19 9 4 ) .B .V a d e h r a : TheAvian 5 2 )R .W.B u r l e y,andD E g g :c h e m i s t r yandb i o l o g y, p .1 6 6, J ohnWiley& Sons, Canada( 19 8 9 ) 5 3 )G .M.Ede1man:P r o c .N a t l .Acad ,S c i .USA,6 9 , 2 5 8 0( 19 7 2 ) 5 4 )1 .A . Wi1son,J . ] 'S h e h e l,and D .C .W i 1 e y : N a t u r e, 2 8 9,3 6 6( 19 81 ) 5 5 )C .C h a t h i a nandA.G . Mar 討n :S t r u c t u r e,1, 2 1 7( 19 9 3 ) N .1 .S h i v a t o v a, andD .H.D e a n :P r o c . 5 6 )A .Z .Ge, N a t l .Acad ,S c i ., 8 6,4 0 3 7( 19 8 9 ) Y .D o i, F .Kim,E .M o r i s h i t a,H.N a r i t a, 3 6 )S .Kio, .P .O r t e z e,and 5 7 )H .E .S c h n e p t,K.Tomczac,J S .Kanaya,T .Ohkubo,K .Nishikawa,T .Yao, H .R .W h i t e l y :J B i o l . Chem.,2 6 5,2 0 9 2 3 andT .O o i :JB i o c h e m .,1 1 7,1 1 8 3( 1 9 9 5 ) ( 19 9 0 ) 3 7 )R .B e l l a i r s :JEmb η/ 0 1 . Eゅ• M o r p h o l .,1 3,2 1 5 ( 19 6 5 ) 3 8 )J .M.B a i n,andJ .M.H a l l :A u s t .JB i o l .S c i ., 2 2,6 5 3( 19 6 9 ) 3 9 ) A.B .G i l b e r t :FormandF u n c t i o ni nB i r d s( A . S .Kingand] .McLellande d . ) 1, p . 2 3 7, AcademicP r e s s, London( 19 7 9 ) 4 0 )] .F .Ba c k ,J .M.B a i n,D .V .Vadehra ,a ndR .W. B u r l e y :B i o c h i m .Bi ,aρ r y s .A c t a ,7 0 5,1 2( 19 8 2 ) 4 1 )J .J o r d a n o v,1 .G e o r g i e v,and A . Boyad- .R .A c a d .B u l g .S c i .,1 9,1 5 3 j i e v a M i h a i l o v a :C ( 19 6 6 ) 4 2 )S .F u j i i,T .Tamura,a n dT .Okamoto:JF a c . 19 7 2 ) F i s h .Anim.H u s b .H i r o s h i m aU n i v . l l,1( 4 3 )K .Suyama,H.Nakamura,M.I s h i d a,andS . A d a c h i :JA g r i c .FoodChem.,2 5,7 9 9( 19 7 7 ) 4 4 )J .E .Haaland,andM.D .R o s e n b e r g :N a t u r e, 2 2 3,1 2 7 5( 19 6 9 ) 4 5 )1 .Debruyne,andJ .S t o c k x :A r c h .I n t .P h y s i o l . 19 7 6 ) B i o c h e m .,8 4,1 4 8( 4 6 )S .DeBoeck,andJ .S t o c k x :A r c h .I n t .P h y s i o l . 8 6,9 3 5( 1 9 7 8 ) B i o c h e m ., 4 7 )S .DeBoeck,andJ .S t o c k x :I n t .JB i o c h e m ., 1 8,6 2 3( 19 8 6 ) 4 8 )S .Noda,andW.S c h o n e r :B i o c h i m .B i o p h y s . 8 8 4,3 9 5( 19 8 6 ) A c t a, .Horn,D .L i n d e r,andW.S c h o n e r : 4 9 )S .Noda,F 5 8 ) W.R .Widner,andH.R .W h i t e 1 y :JB a c t e r o l ., 1 7 2,2 8 2 6( 19 9 0 ) .D o i,M.Mori,andT .O o i :C h a r a c 5 9 )S .Kido,Y o・ t e r i z a t i o n0 1v i t e l l i n emembraneo u t e rl a y e rρr t e i nI LV M GI L 'aminoa c i ds e q u e n c eands t r u c r o p e げたs '( i np r e s s ) t u r a lρ 6 0 )F .Okamura, andH.N i s h i y a m a :C e l lT i s s u eR e s . 1 8 8,4 9 7( 19 7 8 ) 5 6,7 8 6 1 )P .M. Wassarman: S c i . American,2 ( 19 8 8 ) 6 2 )J .D .B l e i l,andP .M.Wassarman:P r o c .N a t l . A c a d .S c i .,USA, 8 5,6 7 7 8( 19 8 8 ) 6 3 ) 西村圭司,竹内幸成,青木直人,北島健,松 田 幹:日本農芸化学会誌, 71,臨時増刊号, 1 7 8( 1 9 9 7 ) 6 4 ) 成田宏史,木戸詔子,土居幸雄:食に関する助 成研究調査報告書(すかいらーく・フードサイ 9( 19 9 4 ) エンス研究所), No.4, 5 6 5 ) 若松利男,山浦淑子:日本農芸化学会誌, 6 5, 講演要旨, 3 7 9( 19 9 1 ) . Morikawa: TIBS,2 1,3 6 6 )T .S h i m i z u,and K ( 19 9 6 ) 6 7 ) M.A .R a f r e r y,andT .Rand-Meir:B i o c h e m i s t η ,7,3 2 8 1( 19 6 8 ) .N.May,andR .K .N o 1 e s : 6 8 )C .D .B l a c k s h e a r,K P o u l t ηS c i ., 4 7,6 2 5( 19 6 8 ) 19 7 6 ) 6 9 )F .E .Cunningham:P o u l t : ηS c i .,5 5,9 9 4(