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骨付き(中抜き)で冷凍した黒柏地どりの肉質

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骨付き(中抜き)で冷凍した黒柏地どりの肉質
骨付き(中抜き)で冷凍した黒柏地どりの肉質
ねらい
少量生産の地どりの肉を年間通して安定供給するためには、冷凍保存する必要があるが、
食肉を冷凍すると、解凍時のドリップの発生や解凍硬直等により品質低下を起こすなどの
問題がある。一方、鶏肉は一般に鮮度が重視されるが、近年、骨付きの状態で熟成させる
ことにより、硬さやジューシーさを改善し、より高品質化することが行われている。そこ
で、、骨付き(と体)及び骨無し(部分肉)状態での冷凍保存方法が地どりの肉質に及ぼす影
響を明らかにし、地どり肉の安定供給及び高品質化に資する。
主要成果
1 黒柏地どりのと殺後の胸肉中のアデノシン3リン酸(ATP)の分解は、骨付きで冷蔵
保存した方が骨無しに比べて遅く、死後硬直が遅くなると考えられる。
2
骨付きで冷凍保存すると、骨無しで25時間冷蔵した肉よりも軟らかい肉となる。
3
骨付きで冷凍保存すると、鶏肉の旨み成分であるイノシン酸(IMP)が多く保たれる。
4
5
6
骨無しで冷凍保存すると、肉は硬い状態で保たれる。しかし、ドリップが多く、IM
Pはやや少なくなる。
冷凍開始する時間は、2時間から9時間の間では、肉質に違いは認められない。
すなわち、黒柏地どりを骨無しで冷凍保存すると、ドリップが多くIMPがやや少な
くなるものの、硬い肉として出荷できる。一方、骨付きで冷凍保存すると、肉は非常に
軟らかくなるものの、うまみ成分が多い肉として出荷できる。
成果の活用面・利用上の留意事項
1 骨付き冷凍した鶏肉は、業務用として骨付き(と体)のまま出荷することを想定した。
2
骨付きで出荷すると、食鳥処理場での内蔵除去以後の解体作業が省略できるとともに、
低利用部位の発生も少なくなるが、利用者側でその分の負担が増えることとなる。
3
地どりの肉を、硬く歯ごたえのある点をアピールするならば、骨付きで冷凍せずに、
解体してすぐに冷凍する方がよい。
関連文献等
(1)岡崎亮ら:黒柏地どりの冷凍保存方法が肉質に及ぼす影響,山口畜試研報,第21号,
108-115,2007.
(2)根岸春夫ら:鶏肉工場で屠殺後処理中の鶏胸肉の物理化学的性質の変化,日畜会報,
65(8),738-745,1994.
(3)奥村朋之ら:除骨時間が鶏熟成むね肉の肉質に及ぼす影響-食味性,理化学的および
組織学的特性について-,日畜会報,73(2),291-298,2002.
- 39 -
試験成績
4
14
12
骨付き
骨無し
3
骨無冷凍
骨付冷凍
骨無冷蔵
10
8
%
2
6
4
8
10
12
図1 と殺後の胸肉中のATP含量の変化
図2 解凍時のドリップ(胸肉)
骨無冷凍
骨付冷凍
骨無冷蔵
μ 6
m 5
o
4
l
/ 3
g 2
図3 剪断力価(胸肉)
0
ブロイラー
1
骨無冷蔵
骨付冷凍
骨無冷凍
25時間後
8時間後
ブロイラー
9時間後
6時間後
2時間後
1
0
骨無冷凍
骨付冷凍
骨無冷蔵
7
9時間後
k 5
g
/ 4
c
3
m
2 2
8
6時間後
6
2時間後
7
25時間後
6
と殺後経過時間
骨無冷蔵
骨付冷凍
骨無冷凍
図4 IMP含量(胸肉)
骨無冷蔵
骨付冷凍
骨無冷凍
25時間後
4
8時間後
2
8時間後
0
ブロイラー
0
9時間後
0
6時間後
2
1
2時間後
A
T
P
含
量
μ
m
o
l
/
g
注):図2、3、4中の2時間後、6時間後、9時間後は、と殺後冷凍開始までの時間。冷凍後2週間保存した後解凍し調査した。
同8時間後、25時間後は、骨無しで冷蔵した肉のと殺後経過時間。その時点で調査した。
研究年度
研究課題名
担
当
平成14年~18年
地どりの生産性、肉質向上及び加工に関する研究
食品加工研究室
岡崎 亮
畜産技術部 家畜改良研究室 特産開発グループ
関屋
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正男
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