Journal of Hematopoietic Cell Transplantation 創刊のご挨拶
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Journal of Hematopoietic Cell Transplantation 創刊のご挨拶
最新号 Current Issue Vol. 1 (1), 2012 公開日 April 23, 2012 目 次 巻頭言 学会誌の創刊によせて 1 岡本 真一郎(日本造血細胞移植学会 理事長) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 学会誌創刊に当たってのご挨拶 2 今村 雅寛(日本造血細胞移植学会 前理事長) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 日本造血細胞移植学会雑誌創刊に際して 小寺良尚(日本造血細胞移植学会 元理事長、前学会会長、現学会アドバイザー) ・・ 3 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation 創刊のご挨拶 4 辻 浩一郎(日本造血細胞移植学会 前編集委員会委員長) ・・・・・・・・・・・・ 日本造血細胞移植学会雑誌創刊に寄せて 赤塚 美樹 (日本造血細胞移植学会 編集委員会委員長) ・・・・・・・・・・・・・ 5 臨床研究 血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)ドナーの声 6 青 雲、飯田美奈子、鈴木律朗、ほか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for primary and secondary myelofibrosis: a retrospective, multicenter study of the Kanto Study Group for Cell Therapy (KSGCT) Masahiro Takeuchi, Chiaki Nakaseko, Chikako Ohwada, ほか・・・・・・・・ 15 症例報告 Pure red cell aplasia and Evans syndrome following hematopoietic stem cell transplanttation from bloodtype-matched unrelated donor Hiroki Yamaguchi, Kazutaka Nakayama, ほか・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 Successful autologous stem cell transplantation for relapsed lymphoma with peripheral blood stem cells cryopreserved for ten years Yoko Inaguma, Kousuke Handa, Fumio Maruyama, ほか・・・・・・・・・・・・・ 29 短 報 Successful treatment with deferasirox in a patient with secondary hemochromatosis following allogeneic stem cell transplantation for acute lymphoblastic leukemia Ayumi Numata, Masatsugu Tanaka, Takayoshi Tachibana, ほか・・・・・・・ 33 JSHCT ニューズレター ・第 34 回日本造血細胞移植学会総会を振り返って・・・・・・・・・・・・・・・・ ii ・平成 24 年度総会承認・決定事項等のお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・ iii ・造血幹細胞移植の根拠法に関する検討会議の経緯ならびに国への要望書・・・・・・ iv ・造血幹細胞移植推進のための根拠法を求める要望書・・・・・・・・・・・・・・・ v ・健保改定に関する社保委員会からの報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ vi ・定款施行細則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ vii-viii ・看護部会企画 「第 34 回日本造血細胞移植学会総会 移植看護グループミーティング報告」 ・・・ ix ・私の選んだ重要論文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ix ・施設紹介「東北大学未来医工学治療開発センター」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ x ・会員の声「但馬史人」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ xi 学会30年史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・巻末付録 学会誌の創刊によせて この度,日本造血細胞移植学会では,学会の機関誌として日本造血細胞 移植学会雑誌(Journal of Hematopoietic Cell Transplantation)を発刊する ことになりました。現時点では,ヨーロッパ造血細胞移植学会の Bone Marrow Transplantation(BMT),アメリカ造血細胞移植学会の Biology of Blood and Marrow Transplantation(BBMT)などの機関誌には遥かに及び ませんが,これらも発刊当時は極めて薄いパンフレットのような雑誌で, review や announcement などが大半を占めるものであったと記憶していま す。それが,ここまで国際的な journals に成長した背景には,多くの会員 の雑誌を育てる熱意と様々なアイデアが大きく貢献したことは言うまでも ありません。学会誌の持つ機能は様々です。毎年開催される年次総会に加 えて,臨床的に有用な新知見を共有する機会の拡大,新規ガイドラインな どの周知徹底,若手の移植医の教育と様々な活動の asset としてこの雑誌 を役立て育んでください。 この学会の大きな貴重な原動力である,移植チー ム医療に携わる医師以外の多くの職種の方々にもぜひ積極的な参加をお願 いしたいと思います。将来的には,この雑誌が BMT や BBMT と肩を並べ る Asian Blood and Marrow Transplantation Group の機関誌として国際的に 認知されるようになることを願っていますが,その前段階として J-STAGE に参加するために年間 100 件ほどの投稿が必要です。学会および学会誌の 発展のため,是非多くの学会員の方々からの投稿をお願いいたします。最 後に,この雑誌の創刊に尽力頂いた編集委員会の方々,創刊号に論文を投 稿いただいた学会員の方々に心より感謝申し上げます。 日本造血細胞移植学会 理事長 岡本 真一郎 1 学会誌創刊に当たってのご挨拶 この度,編集委員会委員各位の精力的なご努力により日本造血細胞移植 学会の機関誌として日本造血細胞移植学会雑誌(Journal of Hematopoietic Cell Transplantation)が発刊されることになり,誠に喜ばしい限りです。 また,投稿論文が集まらなければ創刊号の発行も実現しないわけですので, 多くの学会員からの原稿が寄せられたことにも感謝申し上げます。この 1 年位をかけて,編集委員会を中心に学会誌の在り方に関して検討して頂き, そこで練られた案をさらに理事会で審議して今日に至ったのですが,一番 の課題は全て英文にすべきか,あるいは和文も可とするかということでし た。ヨーロッパ造血細胞移植学会の Bone Marrow Transplantation,アメリ カ造血細胞移植学会の Biology of Blood and Marrow Transplantation などの 機関誌が,一定の評価を受けて機能しておりますので,日本造血細胞移植 学会の機関誌も将来的には全て英文が望ましいと思われますが,本学会に 関わる会員が種々であることを踏まえ,最初から高望みをしないことに落 ち着きました。一旦,決まった体裁を変えるには,それなりのエネルギー を要しますが,出来るだけ早期に全て英文化することも視野に入れて,取 り敢えず動き出すことを優先したいと考えたわけです。それによって,学 会員からの造血細胞移植に関する貴重な臨床研究,基礎研究,症例報告な どを掲載することができ,本学会の学術面でのさらなる活性化につながる ものと期待されます。学会員の皆様には,本学会誌の刊行を契機に,従来 は年 1 回の総会でしか他施設の発表に触れることができなかった分を補う 意味でも,また論文として発表することで,より多くの方に読んでいただ ける機会を増やし,お互いに刺激し合う意味でも,是非多数の興味深いま た内容の濃い論文を投稿して下さいますようお願い致します。この機関誌 が,皆様のご理解とご協力のもと造血細胞移植医療の発展に結び付くもの となりますよう願っております。 日本造血細胞移植学会 前理事長 今村 雅寛 2 日本造血細胞移植学会雑誌創刊に際して 本学会が固有の雑誌を有することを心から嬉しく思い,安堵感の様なも のが胸を満たしている。学会誌は単に日本医学会への参加基準を満たすと いうようなこと以上に,学会の“武器”だと考えるからである。本学会ら しい仲間の仕事を見出だし,海外の専門家集団も含めた査読者による厳正 な審査の上世に問う,そういった個性あふれる情報交換の仕組みになるこ とを願っている。本学会誌の前身ともいうべき JSHCT Letter にも, “施設 紹介”や“私の選んだ重要論文”に個性的情報発信の萌芽がみられるが, 学会誌に掲載される論文もそれを受け継いでほしいと思っている。造血細 胞移植領域に特有な重要性を持ったトピックスは在るのであり,わが国や アジアに特有なトピックスも在るのであって,そういったものが他の学会 誌に先駆けて掲載されることを願っている。症例報告や,それらの症例に 基盤を置いた臨床研究,臨床研究から湧いてくる疑問に光をあてるための 基礎研究,そしてその成果の臨床への還元といった道筋が,本学会誌を通 覧して見えてくるようなものになると良いと思う。とは言え,これらを実 現するには並みのことでは出来ないことは,この創刊号の準備からも推察 され,編集委員会と事務局の多大な努力を人的,財政的により支援しなけ ればならないことを痛感している。言語の問題もある。Co-medical も含め 多くの本学会会員が気軽に読みたくなるものでなければならないが,他方 アジア,欧米の仲間にも読み,引用してもらいたい。この二律背反を実現 するにはやはり英語,日本語併記であろうか(今回創刊号に掲載されるこ とになった我々の論文が和文だけなのであまり大きなことは言えないが) 。 個人的には,将来本学会誌が,APBMT の参加諸国を巻き込み,APBMT の学会誌に発展すると良いな,と思っているので言語問題は常に考えてい かなければならないであろう。例えば我々は各種ガイドラインや移植・採 取施設認定基準(これは関連組織である骨髄移植推進財団や日本さい帯血 バンクネットワークのものが多いが)を持っているのだが,現在の国際語 たる英訳が無いため,海外から見ればそれらは存在しないに等しい。“我 が国にもちゃんとありますよ”と言うだけで,内容(メッセージ)を伝え る努力をしないのは,お互いに情報を交換し学び合いたいと思っている世 界の仲間に対して結果的には不誠実であると言われても仕方がないであろ う。本学会誌を借りてこうした造血細胞移植に関わる基盤的情報も海外発 信するとすれば,翻訳機能も編集委員会内に備えなければならないかもし れない。なにはともあれ創刊号が発刊された。学術総会と並ぶ学会誌とい う学会の二大事業のもう一方の礎が築かれ,本学会が新しい飛躍の時代に 入ったことを共に喜びたい。 日本造血細胞移植学会 元理事長,前学会会長,現学会アドバイザー 小寺 良尚 3 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation 創刊のご挨拶 日本造血細胞移植学会雑誌として Journal of Hematopoietic Cell Trans- plantation(JHCT)が創刊されるにあたりまして,前編集委員会委員長と して,一言ご挨拶申し上げます。 本誌の発刊は,昨年の不幸な福島原発事故を契機として,日本造血細胞 移植学会の活動を広く社会に知っていただき,学会として社会,特に国際 社会に対しても確固たる意見を発信いくべきだという機運の中から決まり ました。正直に申し上げますと,そういったいきさつ自体に対しては,事 故の深刻さを考えると複雑な思いを抱かざるをえませんでしたが,ある意 味で本誌の果たすべき使命が最初から明確であったことは,当時の編集委 員会委員長として,発刊に向けて物事を進めていく上では大変やりやすい ことではありました。たまたまその頃編集委員会で本学会の「ニューズレ ター」の電子化の話が進んでおりましたので, 「ニューズレター」を含め た電子ジャーナルとして本誌を発刊することになりました。ただ,自分で いうのも何ですが,私はひどい機械音痴ですので,私のもとで JHCT を電 子ジャーナルとして発刊することについては,当初かなり絶望的な気分で おりましたが,現編集委員会委員長の赤塚美樹先生に随分助けていただき, こうして学会員の皆様に JHCT 創刊号を何とかお届けできることになりま した。(赤塚先生のお力で本誌が発刊できたといっても,決して過言では ありません。) もちろん,本誌の発刊にあたっては,赤塚先生の他にも,前理事長の今 村先生,前学会会長の小寺先生,現理事長の岡本先生,第 34 回総会会長 の園田先生,事務局の中村さん,半田さん,編集委員会委員の先生方など, 全ての方のお名前をあげることはできませんが,多くの方たちのお力添え によるものです。本誌の創刊に携われた全ての方々に,この場を借りて心 からお礼申し上げます。 また,最後になりましたが,学会員の皆様にお願い申し上げます。皆様 のお力で本誌を素晴らしい雑誌に育てていただければ,本誌の発刊に多少 なりともかかわった者として,これにまさる喜びはありません。何卒よろ しくお願い申し上げます。 日本造血細胞移植学会 前編集委員会委員長 辻 浩一郎 4 日本造血細胞移植学会雑誌創刊に寄せて 日本造血細胞移植学会雑誌(Journal of Hematopoietic Cell Transplanta- tion: JHCT)」(季刊)第 1 巻第 1 号をお届けいたします。 昨年 10 月に理事 会にて学会誌発刊の決定がなされ,半年間でなんとか創刊に漕ぎ着けまし た。長い道のりでした。この間,理事会,編集委員会,日本造血細胞移植 学会事務局,データセンター,論文やニューズレター記事の著者の方々, 雑誌ウェブサイトバナーに応募いただいた方々,そして会員の皆様からさ まざまな形で多大な支援をいただきました。ここに厚く御礼を申し上げま す。他の学会よりも読者層が広い学会の情報誌でありながら,世界にも情 報発信をしていきたいという皆様の期待をひしひしと感じており,これか ら取り組んでいく課題はまだまだ山積しています。 学会誌の発刊に際しては,研究成果の迅速な発信・インターネットによ る国内外での評価,そしてコスト面を考慮して,完全オンラインジャーナ ルという発行形態を採用するに至りました。また創刊当初より広く閲覧さ れることを狙い,会員のインセンティブの観点からは議論もありましたが, 課金の発生しないオープンジャーナルとしての刊行となりました。 今後のステップとして,PubMed・CrossRef 等を経由して海外の様々な 電子ジャーナルサイト上の論文と相互にリンクされることを目指し,すで に加入許可が得られました独立行政法人科学技術振興機構 の「科学技術 情報発信・流通総合システム」 (J-STAGE)の利用開始を予定しており, 第 1 巻 3 号 か ら の 運 用 開 始 を 目 標 と し て お り ま す。 こ の 4 月 か ら 新 J-STAGE が稼働しており,まさにそこへ私たちのオンラインジャーナル を接続する作業が始まらんとしています。 これまで本学会の情報伝達・交流の場として重要な役割を担ってきた ニューズレターに関しましては,本年 1 月 6 日の会員メールでもお知らせ いたしましたように,今回 No. 46 号からは「日本造血細胞移植学会雑誌」 内において,学会からの報告「JSHCT Letter」として掲載されることとな りました。こちらの内容も海外との交流を見据えながら,進化させねばな りません。創刊号の準備をしていて,言葉の壁をどう乗り越えるか,みん なで乗り越えるのか,共存していくのか,ずっと答えを模索してきました が,まだ良いアイデアは出ておりません。皆様のお知恵を拝借しながら, 進化を続けていきたいと思っております。もちろん学会誌である以上,ど しどし研究成果を投稿して世に問うていただけることが一番重要であるこ とは言うまでもありません。今後さらに内容の充実に努めてまいりますの で,ともどうか宜しくお願い致します。 日本造血細胞移植学会 編集委員会委員長 赤塚 美樹 5 臨床研究 血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)ドナーの声 青雲 1,飯田美奈子 1,鈴木律朗 2,山下卓也 3,福田隆浩 3,大橋一輝 4,小川啓恭 5,鬼塚真仁 6,近藤忠一 7,金森平和 8, 黒川峰夫 9,宮村耕一 10,伊藤俊朗 11,衛藤徹也 12,片山義雄 13,前田哲生 14,小寺良尚 1 1 愛知医科大学医学部造血細胞移植振興寄附講座,2 名古屋大学造血細胞移植情報管理・生物統計学講座,3 国立がん研究センター中央病院造血幹細胞移植科, がん・感染症センター都立駒込病院血液内科,5 兵庫医科大学病院血液内科,6 東海大学医学部付属病院血液腫瘍科,7 京都大学医学部付属病院血液内科, 8 神奈川県立がんセンター血液内科,9 東京大学医学部付属病院無菌治療部(成人),10 名古屋第一赤十字病院血液内科,11 信州大学医学部付属病院血液内科, 12 国家公務員共済組合連合会浜の町病院血液内科,13 神戸大学医学部付属病院血液内科,14 大阪大学医学部付属病院血液・腫瘍科 4 造血幹細胞(骨髄,末梢血)ドナーの実態を把握し,将来におけるドナーの安全性,満足度を更に向上させる目的で,日本 造血細胞移植学会ドナー登録センターに 2006 年 4 月から 2010 年 3 月までの間に集積された血縁ドナー年次アンケート結果の一 部であるドナーの意見(ドナーの声)を解析し,満足度および不満の内容を,骨髄ドナー,末梢血ドナー間で比較した。提供 に際しての,満足度(不満度)は両提供法に差は無かったが,不満を表明したドナーにおいてその不満が身体的なものに起因 する割合は,骨髄ドナーに多かった。身体的不満の内主要なものは各種疼痛,特に疼痛の遷延であり,採取手技,使用機器(採 取針のサイズ等),採取に際しての説明等に対する採取チームの配慮により改善可能と思われた。(日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号 6―14,2012) めの適格性判定と保険の発動(加入希望者),(5)中長期 緒言 重篤有害事象報告(全件) ,(6)年次手紙・ドナーの声ア 各種血液難病において,同種造血幹細胞移植は高い確率 ,から成る。又,(6)は 1) ンケート 5 年間(同意取得者) で無治療生存を期待出来る治療法として,日本並びに世界 提供後の健診の有無,2)造血幹細胞採取時の問題,3) で普及し続けている 1,2 。その前提となる同種造血幹細胞ド この 1 年間の健康状態,4)意見(ドナーの声)の 4 項目 ネーションの確保と拡大は, 本治療法の発展に必須であり, を含んでいる。今回はこの内,上述 (6)―4)に記載のあっ ドナーの安全と満足感の担保はその基盤である。しかしな た意見(ドナーの声)を解析対象とした。 がら近年,骨髄提供,末梢血提供それぞれに看過しがたい 3,4 ,そしてそのためにド 2.方法:日本造血細胞移植学会による 2005 年 4 月から ナーに本来あるべきではない不満が残り,ときには社会問 2010 年 3 月までの本事業を中間的に概観した上で,先述の 重篤な有害事象が発生したこと 5 題化しかねないような報告が見られた 。このような背景 ドナーの意見(ドナーの声)を,骨髄ドナー,末梢血幹細 から,今回,我々は 2005 年 4 月から日本造血細胞移植学 胞ドナー別に,第 1 群:身体的に重大な問題なし,精神的 会が実施している,血縁造血幹細胞ドナー(骨髄, 末梢血) (採取施設の接遇等を含む)にも満足している,第 2 群: 全件事前登録・5 年間フォローアップ事業一環である年次 身体的または精神的(採取施設の接遇等を含む)に明らか 手紙・ドナーアンケートの中に記載された, “意見(ドナー な不満がある,第 3 群:明らかな不満は無いが,身体的, の声)”を中間的に集約, 解析し, 将来に資することとした。 精神的(採取施設の接遇等を含む)なものについて問題提 起がある,の三群に分類した。次に,第 2 群において示さ 対象と方法 れた明らかな不満を,1)採取との因果関係が否定できな い身体的なもの,2)採取との因果関係が否定できない精 1.対象:日本造血細胞移植学会血縁造血幹細胞(骨髄・ 神的なもの(採取チーム等の接遇を含む) ,3)血縁患者の 末梢血)ドナーフォローアップ事業は, (1)ドナー事前登 移植結果に関わるもの,4)その他に分類した。不満が混 録(全件) ,(2)血縁ドナー適格性判定基準の設定,(3) 在する場合には,1)身体的,2)精神的,3)移植結果,4) 急性期重篤有害事象報告(全件), (4)傷害保険加入のた その他,の順に採用し,一人のドナーがいずれか単一の項 Submitted February 1, 2012; accepted April 2, 2012. Corresponding author: 小寺良尚,愛知医科大学医学部造血細胞移植振興寄附講座,愛知県長久手市岩作雁又 1―1,Tel: 0561―62― 3311(2375),Fax: 0561―61―3180,e-mail: [email protected] Ⓒ Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation. 6 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)ドナーの声 目に分類されるようにした。次に,第 3 群において提起さ 7 結果 れた問題を,提供(移植)に 1)肯定的なもの,2)否定 的なもの,3)それ以外のもの,に分類し,更に否定的な 1 .血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)全件事前登録・5 年 問題提起を第 2 群と同様に,1)採取との因果関係が否定 間フォローアップ事業における意見(ドナーの声)の記 できない身体的なもの,2)採取との因果関係が否定でき 載率と回答率(2006,4,∼2010,3) ない精神的なもの(採取チーム等の接遇を含む) ,3)血縁 年次手紙・ドナーアンケートは採取 1 年後から開始され 患者の移植結果に関わるもの,4)その他に分類した。意 るため,2010 年 3 月段階では 4 回が最も多い回答回数であ 見(ドナーの声)は,毎年 5 年間のアンケートに同意が得 る。登録人数, 調査回答人数とその登録人数に占める割合, られたドナーから得られたものであり,将来に資する意見 意見 (ドナーの声) 記載人数とその登録人数に占める割合, も多かったが,個人の特定を避けるため,今回の解析は原 調査回答数,意見(ドナーの声)回答数とその調査回答数 則数値レベルに止め,身体的不満並びに問題提起のみ一覧 した。統計学的解析にはχ2 検定並びに Fisher の正確検定 に占める割合及びドナーの回答回数を,骨髄ドナー,末梢 を用いた。 の声)記載人数は,全体では登録人数の 16.0%であり,性 血ドナー別並びに全体として表―1 に示した。意見(ドナー 別では女性の回答率が男性の 1.51 倍あった。年齢では 9 歳 以下の骨髄提供者が 15 人存在し,19 歳以下の提供者は骨 髄,末梢血合わせて 50 人,全意見記載人数 499 人の 10.0% を占めた。 表―1 血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)事前登録・5 年間フォローアップ事業の概要 骨髄ドナー 登録人数 1) 1318 人 3) 計 1801 人 3119 人 792 人(60.1%) 3) 986 人(54.8%) 1778 人(57.0%)3) 意見(ドナーの声)記載人数 246 人(18.7%)3) 253 人(14.0%)3) 499 人(16.0%)3) 性別 (男性 / 女性) 103 人 /143 人 96 人 /157 人 199/300 人 調査回答人数 2) 末梢血ドナー 年齢 − 9 15 人 (6.1%) 10 − 19 20 人 (8.1%) 15 人 ( 3.9%) 20 − 29 37 人(15.0%) 37 人 (14.6%) 30 − 39 50 人(20.3%) 44 人 (17.4%) 40 − 49 48 人(19.5%) 68 人 (26.9%) 50 − 59 58 人(23.6%) 69 人 (27.3%) 60 − 18 人 (7.3%) 20 人 ( 7.9%) 調査回答数 2) 1429 件 0人 (0%) 1904 件 3333 件 意見(ドナーの声)回答数 2) 323 件(22.6%)4) 312 件 (16.4%)4) 635 件(19.1%)4) 単回々答 192 件 (192 人) 207 件 (207 人) 399 件(399 人) 2 回々答 76 件 ( 38 人) 74 件 ( 37 人) 150 件( 75 人) 3 回々答 27 件( 9 人) 27 件 ( 9 人) 54 件( 18 人) 4 回々答 28 件( 7 人) 4件 ( 1 人) 32 件( 8 人) 1):2005 年 4 月から 2009 年 3 月の間に,日本造血細胞移植学会ドナー登録センターへ登録された血縁ド ナー数 2):2006 年 4 月から 2010 年 3 月の間に,日本造血細胞移植学会ドナー登録センターへ寄せられた回答人 数並びに回答数 3):登録人数に対する% 4):調査回答数に対する% 8 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 青雲ら 係が否定できない精神的なもの(採取チーム等の接遇を含 2 .血縁骨髄,末梢血ドナーの意見分析結果 血縁ドナーの意見を第 1 群:身体的重大な問題なく,精 む)に起因する,3)主に血縁患者の移植結果に起因する, 神的に満足している,第 2 群:身体的または精神的(採取 4)その他,に分類し,表―3 に示した。4 群に分けた場合 施設の接遇等を含む)に明らかな不満がある,第 3 群:明 も有意差があったが,身体的な不満に着目してそれ以外と らかな不満は無いが,身体的,精神的(採取施設の接遇等 の 2 群で比較すると,骨髄ドナーの方が末梢血ドナーより を含む)なものについて問題提起がある,の三群に分類し 明らかな有意差をもって身体的不満の割合が多かった。又, た結果を骨髄ドナー,末梢血ドナー別に表―2 に示した。 身体的不満の性差は女性が明らかに多かった。これらの内, 分類されたそれぞれの群におけるドナーの意見の分布は, 身体的な異常につき表―4 に示した。骨髄ドナーでは事例 骨髄ドナーと末梢血ドナー間で有意差は無かった。只,各 によっては年余に渡る穿刺部痛並びに腰痛とそれに随伴し 群の性別を見た場合,第 2 群―明らかな不満がある―におい たものと思われる下肢痛が最も多く,末梢血ドナーでは採 て骨髄,末梢血提供とも女性が男性のそれぞれ 3.5 倍,2.8 取カテーテル挿入に関わるものが複数例見られた。 倍と,記載人数全体における比率 1.51 倍と比べ多い傾向 にあった。 4 .第 3 群において提起された問題の分類 明らかな不満は無いが問題提起をされた骨髄ドナー 167 3 .第 2 群における明らかな不満の分類 人,末梢血ドナー 181 人の意見を,1)提供(移植)に肯 明らかな不満を表明した骨髄ドナー 18 人並びに末梢血 定的な問題提起,2)提供(移植)に否定的な問題提起,3) ドナー 19 人の意見を,1)主に採取との因果関係が否定で それ以外の問題提起,に分類し表―5 に示した。これら問 きない身体的なものに起因する,2)主に採取との因果関 題提起内容の分布は骨髄ドナー,末梢血ドナー間での有意 表―2 血縁骨髄,末梢血ドナーの意見分析結果 骨髄ドナー (N = 246 人,323 件) 末梢血ドナー (N = 253 人,312 件) 1 群 1) 4) 61(27/34) 人(27.2%)5) 5) (92 件) (28.5%) 4) 5) 53(22/31) 人(20.9%) 5) (72 件) (23.1%) 2 群 2) 5) 18(4/14)4)人(7.3%) 5) (21 件) (6.5%) 5) 19(5/14)4)人(7.5%) 5) (26 件) (8.3%) 3 群 3) 4) 4) 5) 167(72/95) 人(67.9%)5) 181(69/112) (71.3%) 5) 5) (210 件) (65.0%) (214 件) (68.6%) P値 0.59(0.24) 1)身体的に重大な問題なし,精神的(採取施設の接遇等を含む)にも満足している 2)身体的または精神的(採取施設の接遇等を含む)に明らかな不満がある 3)明らかな不満は無いが,身体的,精神的(採取施設の接遇等を含む)なものにつ いて問題提起がある 4)男性 / 女性 5)骨髄ドナー,末梢血ドナーそれぞれの人数,件数における% 表―3 第 2 群の,身体的または精神的に明らかな不満の分類 骨髄ドナー 末梢血ドナー (N=18 人) (N=19 人) 1.身体的 1) 5) 14(3/11)4) 人(77.8%) 4) 5) 6(0/6) 人(31.6%) 2.精神的 2) 0人 4) 1 (0/1) 人(5.3%)5) 3.移植結果 3) 5) 1(1/0)4) 人( 5.5%) 4) 5) 4(1/3) 人(21.1%) 4.その他 5) 3(0/3)4) 人(16.7%) 4) 5) 8(4/4) 人(42.1%) P値 0.03 (0.005) * 1)主に採取との因果関係が否定できない身体的なものに起因する 2)主に採取との因果関係が否定できない精神的なもの(採取チーム等の接遇を含 む)に起因する 3)主に血縁患者の移植結果に起因する 4)男性 / 女性 5)骨髄ドナー,末梢血ドナーそれぞれにおける% *: 身体的 vs. それ以外,の 2 群に分けた場合 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)ドナーの声 9 表―4 第 2 群における明らかな不満の内,身体的なものに起因するもの一覧 不満の原因となった身体的異常 骨髄ドナー 末梢血ドナー 1 .穿刺孔残存 1 .体調不良,体重減少(7Kg) 2 .疼痛 2 .採取カテーテル先感染 3 .3 年間続く大腿痛,腰痛 3 .採取カテーテル刺入部内出血 4 .紫斑 4 .ふらつき,骨の異物感,白内障進行(手術) 5 .穿刺部痛,腰痛,体調不良 5 .体調悪化 6 . 1 か月続く左穿刺部痛 6 .腰,尾骶骨の燃えるような痛み,肩こり,全身痛 7 .1 か月続く疼痛 8 .数週間続く発熱,疼痛 9 .採取後の嘔吐 10.自己血採取時の意識喪失 11.腰痛 12.腰痛,二次的膝痛 13.疼痛 14.体も心も辛い 表―5 第 3 群の,明らかな不満は無いが,提起された問題の分類 骨髄ドナー 末梢血ドナー (N=167 人) (N=181 人) P値 1.肯定的 1) 4) 5) 41 (12/29) 人(24.6%) 4) 5) 39(12/27) 人(21.5%) 2.否定的 2) 4) 5) 19(9/10) 人(11.4%) 4) 5) 15(4/11) 人 (8.3%) 3.その他 3) 4) 5) 107(51/56) 人(64.1%) 4) 0.43 5) 127 (53/74) 人(70.2%) 1)提供(移植)に肯定的な問題提起 2)提供(移植)に否定的な問題提起 3)それ以外の問題提起 4)男性 / 女性 5)骨髄ドナー,末梢血ドナーそれぞれにおける% 差は無かった。 6 .第 2 群及び第 3 群において,その他に分類された主な 意見 5 .第 3 群における提供(移植)に否定的な問題提起の分 類 第 2 群における不満のその他及び第 3 群の問題提起のそ の他に分類されたドナーの声の内,主なものを表―8 に示 明らかな不満は無いが,アンケートの時点では提供(移 した。採取に際しての説明不足,手技に関する苦情並びに 植)に対し否定的に傾いていると思われる意見を第 2 群に 提供後の体調不良,体調不安と,それらに対する健康診断, おけるのと同様に分類し,表―6 に示した。骨髄ドナー, フォローアップを望む声が相当数見られた。 末梢血ドナーとも身体的な負担に対する問題提起が多かっ たが,骨髄ドナー,末梢血ドナー間での分布に有意差は認 められなかった。これらの内身体的異常につき表―7 に示 考察 した。ここでも骨髄ドナーにおいては長期に渡る腰痛が最 同種造血幹細胞移植は,健常ドナーに対して大きな障害 も多かったが,尿道カテーテルによる疼痛も複数例見られ を負わせることなく幹細胞提供してもらうことが前提の治 た。末梢血ドナーでは遷延する倦怠感,関節痛が複数例存 療法である。しかしながら一過性には,ドナーには採取に 在した。 伴う有害事象が不可避である。骨髄採取においては自己血 採取,全身麻酔とそれに必要な処置(尿道カテーテルの挿 10 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 青雲ら 表―6 第 3 群における否定的問題提起の分類 骨髄ドナー 末梢血ドナー (N = 19 人) (N = 15 人) 1.身体的 1) 4) 5) 11(4/7) 人(57.9%) 5) 7(2/5)4)人(46.7%) 2.精神的 2) 4) 2(0/2) 人 (11%)5) 4) 5) 1(0/1) 人(6.7%) 3.移植結果 3) 4) 0人 0.54 5) 2(0/2) 人(13.3%) 4) 4.その他 P値 5) 6(5/1) 人(31.6%) 4) 5) 5(2/3) 人(33.3%) 1)主に採取との因果関係が否定できない身体的なものに起因する 2)主に採取との因果関係が否定できない精神的なもの(採取チーム等の接遇を含む)に起因する 3)主に血縁患者の移植結果に起因する 4)男性 / 女性 5)骨髄ドナー,末梢血ドナーそれぞれにおける% 表―7 第 3 群における移植に否定的な問題提起のうち身体的なものに起因するもの一覧 骨髄ドナー 問題提起の対象となった身体的異常 末梢血ドナー 1 .腰痛(4 年目) 1 .全身のシビレ 2 .腰痛,体力低下,酒を受け付けなくなった 2 .体力低下 3 .尿道カテーテルの痛み 3 .全身倦怠感 (∼ 2 カ月),全身関節痛(∼ 3 年), 4 .(麻酔覚醒後の)気分不良 4 .関節痛 5 .採取部位 2 か所のしこり(∼ 1 年) 5 .痛みと倦怠感(∼ 3 週間) 6 .腰痛,発熱,吐き気 6 .G-CSF 注射後の動悸 7 .尿道カテーテルの痛み 7 .胸の痛み,脊椎の痛み 8 .疼痛持続 9 .腰痛(1 週間) 10.腰痛(1 か月) 11.疼痛(小児ドナー,親からの問題提起) 入等),腸骨穿刺による麻酔覚醒後の疼痛や穿刺痕の残存 今回の臨床研究は,この登録された血縁ドナーの中で, 等,末梢血採取においては G―CSF 注射やアフェレーシス 5 年間のフォローアップに協力することを同意したドナー による骨痛を始めとする臨床症状や血小板減少等の検査値 を対象とし,2010 年 3 月までに学会ドナー登録センターで 異常等が挙げられる。それ以外の合併症は,基本的には発 収集されたフォローアップ項目中の“意見(ドナーの声)” 生しないことが前提であり,ドナーはその様な一過性の有 を中間的に(最長で 4 年フォローアップされている)解析 害事象と引き換えに,大きな満足感を得ることを前提とし したものである。フォローアップ事業に対する同意後回答 てきた。しかしながら近年,骨髄提供及び末梢血幹細胞提 率が骨髄ドナー 60.1 %,末梢血ドナー 54.8%,全体とし 供に際して死亡を含む看過しがたい重篤な有害事象の報告 て 57.0% は,重病である血縁患者が身近に存在することを を受け 3,4 ,造血幹細胞ドナーの安全に関する “警戒と監視” の機運が国際的にも高まってきている 6,7 。 考慮に入れれば妥当なものであろう。 “意見(ドナーの声) ”を分類する上で,例えば身体的な 日本造血細胞移植学会は,こうした動きに先駆けて, もの, 精神的なもの等を網羅的に抽出する方法も考えたが, 2005 年 4 月から我が国における血縁骨髄・末梢血ドナーの, 仮に同程度の身体的負担があったとしてもそれを受け入れ 提供に伴う健康上の実態を把握し,問題が発生した場合に るか(満足) , 受け入れ難いか(不満)はドナー個々人によっ はそれを速やかに情報開示することにより類似の問題の再 て異なり,後者に対する対応策を考えることが臨床現場に 発を抑止し,以てドナーの安全性を担保する目的で,血縁 とって重要である考え,満足度(不満度)を指標にして分 造血幹細胞(骨髄・末梢血)全件事前登録・5 年間フォロー 類した。 8 アップ事業を継続している 。 明らかな不満を表明したドナーの内,身体的なものに起 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 11 血縁造血幹細胞(骨髄・末梢血)ドナーの声 表―8 第 2 群及び第 3 群においてその他に分類された主な意見 第2群 骨髄ドナー 末梢血ドナー 3人 8人 採取に関する説明不足 2 人 提供後の健診等希望(費用負担も含めて)6 人 提供後のフォローが無い 1 人 採取法が自分で選択できなかった 1 人 採取医が熟練していないようだった 1 人 第3群 (複数件あったもの内, 主なものを記載) 107 人 181 人 提供後の体調不良 G-CSF 注射時の便宜希望 提供後の健康不安 採取時間の短縮希望 提供後の体調変化 入針技術の向上希望 提供前後のケア希望 提供後の体調不良 提供後健診希望 提供後の健康不安 (白血病発症等) 提供後健診費用負担希望 提供後の体調変化(湿疹持続 2 人等) 傷害保険に関する情報不足 提供前後のコーディネート希望 ドナー休暇希望 提供後健診希望 親族間問題 傷害保険に関する情報不足 ドナーアンケート開示希望 親族間問題 ドナーアンケート開示希望 因する不満を表明したドナーの割合は骨髄ドナーに有意差 者の治療に対して貢献したという思いがあり,ドナーと共 をもって多かった。採取部位の紫斑や長期に渡る疼痛,末 同して治療を達成する立場の医療チームは,このドナーの 梢神経障害の半固定化と思われる症状等は,採取針の型や 貢献に対するねぎらいの意識を忘れてはならないと考え サイズの再検討等を促すものであると考える。又,尿道カ る。更に,提供後の健康診断を,出来れば無料で,という テーテルの痛み(抜去時であろう)に対する問題提起が 2 声も多くあったが,これは今後当該学会や当該官庁に対す 件あったが,カテーテル挿入をすることなく採取する施設 る問題提起であろう。 もあるので,尿道カテーテル挿入の必要性については再検 未成年のドナーの声が 10% 存在し,中でも親が代弁す 討の対象と考える。又, 末梢血ドナーにおける身体的不満, る形で疼痛を不満として訴えている事例があったことは, 問題提起のうち,G-CSF によるとされる骨痛等はよく知 年少者をドナーとするに当たって十分な考慮が必要である られた有害事象であるので 9,10 ,あらかじめドナーに伝え, ことを示唆している。又,身体的不満が女性優位であるの 不安が増幅することの無いよう努めることが必要であろう。 は,回答率も女性が多いことだけでは必ずしも説明がつか 精神的不満(採取施設の接遇等を含む)は単独では少な ず(回答率:男性の 1.51 倍,明らかな身体的不満:骨髄 かったが,方法の項でも述べたように,身体的不満がある で 3.5 倍,末梢血で 2.8 倍),提供に際しての女性における 場合にはそれを優先して採用しているので,実際には混在 身体的ストレスは男性より大きいと考えるのが自然であろ している場合が多かった。提供した肉親の移植結果に対す う。 る不満は血縁者間造血幹細胞移植特有の現象であり,ド 造血幹細胞ドナーの安全性に関わるこれまでの報告は, ナーが患者の移植後経過に大きく影響されることが伺われ 非血縁ボランティアドナーを対象としたものであり,且つ た。 その多くは末梢血幹細胞提供に関わるものであって 不満を表明したり,明らかな不満は無いが問題提起をし 血縁ドナーを骨髄,末梢血合わせて前方視的に検討したも たドナーの声の内,その他に分類されたものを見ると,採 のは少ない 取に関する説明の不足や,提供後のフォローの欠如,更に する患者の移植結果に関わるものと年齢要因を除けば,そ は傷害保険の存在についての情報提供不足を訴えたものが のまま非血縁ボランティアドナーの声でもあると考える。 あり,これらは医療チームのドナーに対する対応にもう少 提供者総数における回答率は決して高くはないが,こうし し配慮があったらと思わせるものであった。ドナーには患 たドナーの様々な声から,ドナーの安全性の更なる向上の 9,10 , 11,12 。ここに報告した血縁ドナーの声は,対応 12 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 青雲ら ための方策並びにドナーの満足感を担保する方策を検討す 海道大学病院,りんくう総合医療センター市立泉佐野病 ることは,将来の造血細胞移植療法の発展に必須である。 院,神戸市立医療センター中央市民病院,千葉市立青葉 病院,大阪市立総合医療センター,大阪府立成人病セン ター,長野赤十字病院,天理よろづ相談所病院,独立行 謝辞 政法人国立病院機構 岡山医療センター,岡崎市民病院, 1 .本研究の一部は厚生労働科学研究費補助金(免疫アレ 岐阜大学医学部附属病院,公立大学法人 横浜市立大学 ルギー疾患等予防・治療研究事業)同種末梢血幹細胞移 附属病院,筑波記念会 筑波記念病院,長岡赤十字病院, 植を非血縁者間で行う場合等の医学,医療,社会的基盤 名古屋大学医学部附属病院,横浜市立市民病院,京都社 に関する研究班の助成を受けた。 会事業財団京都桂病院,慈愛会 今村病院分院,滋賀医 2 .データの作成に当たっては,日本造血細胞移植学会ド 科大学附属病院,自治医科大学附属病院,新潟大学医歯 ナー登録センターが置かれる,イーピーエス株式会社, 学総合病院,生長会府中病院,浜松医科大学医学部附属 川合香,清水辰巳,山田剛久 諸氏の協力を得た。 病院, 愛知県がんセンター中央病院,旭川医科大学病院, 3 .著者 QY はデータの解析,MI,RS はデータの統計学 県西部浜松医療センター,広島大学医学部附属病院,山 的 解 析,TY,TF,KO,HO,MO,TK,HK,MK, 梨県立中央病院,順天堂大学医学部附属順天堂医院,聖 13 KM,TK,TE,YK ,TM はドナーフォローアップの 1 マリアンナ医科大学 横浜市西部病院,長崎大学医学部 ・ 実施,YK は論文作成を行った。 歯学部附属病院,東京医科歯科大学医学部附属病院,東 1 4 .利益相反:著者 QY,MI,YK が所属する造血細胞移 京慈恵会医科大学附属病院,独立行政法人国立病院機構 植振興寄付講座は,協和発酵キリン,中外製薬,ヤンセ 名古屋医療センター,福島県立医科大学附属病院,愛媛 ンファーマ,ジェンザイム,各株式会社を出資者とする 県立中央病院,杏林大学病院,茨城県立こども病院,岩 寄付講座である。 手医科大学附属病院,宮城県立こども病院,京都第一赤 十字病院,近畿大学医学部附属病院,財団法人 住友病院, 血縁造血幹細胞ドナーアンケート回収施設 秋田大学医学部附属病院,神奈川県立こども医療セン ター,先端医療センター,大分県立病院,名鉄病院,愛 国立がん研究センター中央病院,東京都立駒込病院,兵 知医科大学附属病院,愛媛大学医学部附属病院,近畿大 庫医科大学病院,東海大学医学部付属病院,京都大学医 学医学部奈良病院,国立国際医療センター,佐賀大学医 学部附属病院,神奈川県立がんセンター,東京大学医学 学部附属病院,新潟県立がんセンター新潟病院,川崎医 部附属病院,名古屋第一赤十字病院,信州大学医学部附 科大学附属病院,太田総合病院附属太田西ノ内病院,大 属病院,国家公務員共済組合連合会 浜の町病院,神戸 阪医科大学附属病院,鉄蕪会 亀田総合病院,福井赤十 大学医学部附属病院,大阪大学医学部附属病院,財団法 字病院,北福島医療センター,北野病院,久留米大学病 人 倉敷中央病院,大阪赤十字病院,広島赤十字・原爆 院,国立病院九州医療センター,大分大学医学部附属病 病院,自治医科大学附属さいたま医療センター,青森県 院,東京都老人医療センター,徳島赤十字病院,独立行 立中央病院,国立病院機構熊本医療センター,大阪府立 政法人国立病院機構 水戸医療センター,独立行政法人 母子保健総合医療センター,琉球大学医学部附属病院, 国立病院機構 長崎医療センター,日本医科大学付属病 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院,安城更生病院, 院,日本赤十字社和歌山医療センター,京都市立病院, 横浜市立大学医学部附属 市民総合医療センター,九州 群馬県済生会前橋病院,群馬大学医学部附属病院,埼玉 大学病院,札幌医科大学医学部附属病院,山口大学医学 医科大学国際医療センター,山形県立中央病院,聖隷福 部附属病院,筑波大学附属病院,独立行政法人 国立病 祉事業団総合病院聖隷浜松病院,石巻赤十字病院,鳥取 院機構 九州がんセンター,兵庫県立がんセンター,慶 大学医学部附属病院,東京女子医科大学病院,独立行政 應義塾大学病院,松下電器健康保険組合松下記念病院, 法人国立病院機構 北海道がんセンター,福井大学医学 新生会 総合病院 高の原中央病院,大阪市立大学医学部 部附属病院,福岡大学病院,名古屋第二赤十字病院,㈱ 附属病院,東北大学病院,富山県立中央病院,千葉大学 日立製作所 日立総合病院,かりゆし会 ハートライフ 医学部附属病院,NTT 東日本 関東病院,佐世保市立総 病院,旭川市立旭川病院,宮崎県立宮崎病院,京都第二 合病院,岡山大学病院, 埼玉医科大学総合医療センター, 赤十字病院,金沢大学医学部附属病院,国家公務員共済 社会保険 小倉記念病院,愛知県厚生農業協同組合連合 組合連合会 水府病院,山梨大学医学部附属病院,産業 会 昭和病院,京都府立医科大学附属病院,埼玉県立小 医科大学病院,神鋼病院,成田赤十字病院,静岡県立静 児医療センター,北楡会札幌北楡病院,国立大学法人北 岡がんセンター,石川県立中央病院,総合病院岡山市立 日本造血細胞移植学会雑誌 第1巻 第1号,2012 市民病院,大崎市民病院,帝京大学医学部附属病院,藤 田保健衛生大学病院,独立行政法人国立病院機構 呉医 療センター,独立行政法人国立病院機構 四国がんセン ター,独立行政法人国立病院機構 東京医療センター, 日本大学医学部附属板橋病院,富山大学附属病院,福井 県立病院,獨協医科大学病院,齋寿会回生病院 鈴鹿回 生総合病院,九州厚生年金病院,弘前大学医学部附属病 院,高松赤十字病院,国家公務員共済組合連合会 大手 前病院,国立病院機構 大阪医療センター,三重県厚生 農業協同組合連合会 鈴鹿中央総合病院,山形大学医学 部附属病院,山田赤十字病院,社会保険京都病院,聖マ リアンナ医科大学病院,静岡県立こども病院,静岡済生 会総合病院,静岡市立清水病院,雪の聖母会 聖マリア 病院,千葉県こども病院,大津赤十字病院,大分県厚生 農業協同組合連合会 鶴見病院,島根大学医学部附属病 院,東京医科大学病院, 東京慈恵会医科大学附属柏病院, 東京大学医科学研究所附属病院,徳島大学病院,独立行 政法人国立病院機構 大阪南医療センター,函館市立函 館病院,富山県厚生農業協同組合連合会 高岡病院,兵 庫県立淡路病院,防衛医科大学校病院,北九州市立医療 センター,明和会 中通総合病院,和歌山県立医科大学 附属病院,JA 愛知厚生連 江南厚生病院,いわき市立 総合磐城共立病院,トヨタ記念病院,医仁会 武田総合 病院,茨城県立中央病院,岸和田市立岸和田市民病院, 岐阜市民病院,岐阜赤十字病院,宮城県立がんセンター, 近江八幡市立総合医療センター,熊本大学医学部附属病 院,香川大学医学部附属病院, 高知大学医学部附属病院, 国保 松戸市立病院,佐賀県立病院好生館,埼玉医科大 学病院,埼玉県立がんセンター,三重大学医学部附属病 院,鹿児島大学病院,小牧市民病院,昭和大学病院,松 山赤十字病院,新潟県立新発田病院, 静岡県立総合病院, 全国社会保険協会連合会 社会保険滋賀病院,総合病院 静岡赤十字病院,長野県立こども病院,帝京大学ちば総 合医療センター,東京都立清瀬小児病院,東京都立府中 病院,東京都立墨東病院,独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター,独立行政法人国立病院機構 鹿児島 医療センター,独立行政法人国立病院機構 香川小児病 院,奈良県立医科大学附属病院,飯塚病院,名古屋市立 大学病院,名古屋掖済会病院,明石市立市民病院 文献 1 .Yoshimi A, Suzuki R, Atsuta A et al: Hematopoietic 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Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Opinions of HCT family donors Qing Yun1, Minako Iida1, Ritsuro Suzuki2, Takuya Yamashita3, Takahiro Fukuda3, Kazuteru Ohasi4, Hiroyasu Ogawa5, Makoto Onizuka6, Tadakazu Kondo7, Heiwa Kanamoro8, Mineo Kurokawa9, Koichi Miyamura10, Toshiro Ito11, Tetsuya Eto12, Yoshio Katayama13, Tetsuo Maeda14 and Yoshihisa Kodera1 1 Aichi Medical University School of Medicine, 2Nagoya University School of Medicine, 3National Cancer Center Hospital, 4Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious Diseases Center-Komagome Hospital, 5Hyogo College of Medicine, 6Tokai University School of Medicine, 7Kyoto University Hospital, 8Kanagawa Cancer Center, 9University of Tokyo Hospital, 10Japanese Red Cross Nagoya Daiichi Hospital, 11Shinshu University Hospital, 12Hamanomachi Hospital, 13Kobe University Graduate School of Medicine, 14Osaka University Hospital Abstract To know the real figure of hematopoietic stem cell donation for further development of donors’safety and satisfaction, we analyzed family donors’opinions which were collected through nation-wide family donor annual follow up system conducted by Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation (JSHCT) between April , 2006 and March, 2010. The outcomes were then compared between bone marrow (BM) donors and peripheral blood stem cell (PBSC) donors. The ratio of satisfaction (dissatisfaction) after the donation was not different between BM and PBSC donors nevertheless, physical complaints with dissatisfaction were significantly higher among BM donors. Major physical complaint was pain, especially unexpectedly prolonged pain due to marrow aspiration which was assumed to be improved by the development of harvest techniques, of devices such as the size of needles and by further concerns of harvest teams to donors. (Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1; 6―14, 2012) Original Article Allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for primary and secondary myelofibrosis: a retrospective, multicenter study of the Kanto Study Group for Cell Therapy (KSGCT) Masahiro Takeuchi1, Chiaki Nakaseko1, Chikako Ohwada1, Yasunori Sato2, Kazuteru Ohashi3, Kazuhiko Kakihana3, Takehiko Mori4, Yoshinobu Aisa5, Yoshinobu Kanda6, Satoshi Takahashi7, Akira Yokota8, Takeharu Kawaguchi1, Takayuki Saitoh9, Nahoko Hatsumi10, Jun Taguchi11, Hirotaka Takasaki12, Heiwa Kanamori12, Atsuo Maruta12, Hisashi Sakamaki3, and Shinichiro Okamoto4 1 Department of Hematology, Chiba University Hospital, Chiba, Japan; 2Clinical Research Center, Chiba University Hospital, Chiba, Japan; 3Division of Hematology, Tokyo Metropolitan Komagome Hospital, Tokyo, Japan; 4Department of Hematology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan; 5 Division of Hematology, Yokohama Municipal Citizen s Hospital, Kanagawa, Japan; 6Department of Hematology, Saitama Medical Center, Jichi Medical University, Saitama, Japan; 7Division of Molecular Therapy, The Advanced Clinical Research Center, The Institute of Medical Science, The University of Tokyo, Tokyo, Japan; 8Department of Internal Medicine, Chiba Aoba Municipal Hospital, Chiba, Japan; 9Department of Medicine and Clinical Science, Gunma University Graduate School of Medicine, Gunma, Japan; 10Leukemia Research Center, Saiseikai Maebashi Hospital, Gunma, Japan; 11Department of Hematology, Shizuoka Red Cross Hospital, Shizuoka, Japan; 12Department of Hematology, Kanagawa Cancer Center, Kanagawa, Japan The optimal candidates and timing for allogeneic stem cell transplantation (allo-SCT) in patients with primary myelofibrosis (PMF) and secondary myelofibrosis (sMF) are unknown. We retrospectively examined the outcomes of PMF (n=13) and sMF (n= 8) patients who underwent allo-SCT between 1997 and 2008. The median age at transplantation was 50 years (range, 21–60). Thirteen subjects (61.9%) received myeloablative conditioning. The source of hematopoietic cells was HLA-matched related (52.3%), -matched unrelated (33.3%), or -mismatched unrelated (9.5%) donors. All patients achieved engraftment, and the median time to neutrophil and platelet recovery was 19 (range, 13–36) and 75 (range, 15–411) days, respectively. With a median follow-up of 16.7 (range, 1–134) months, overall survival (OS) at 60 months was 55.6% (95% CI, 34.0–77.0%). No significant differences in OS were observed between PMF and sMF patients and between myeloablative and reduced-intensity conditioning. HLA-mismatched donors, lower platelet count (<10×104/μl), and previous blastic transformation were associated with a significantly worse prognosis. These data suggest that allo-SCT with myeloablative or reduced-intensity conditioning is potentially effective for PMF and sMF patients aged <60 years. However, a platelet count of <10×104/μl is a strong adverse factor. (Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1; 15―23, 2012) be 10.0 years. The incidence of secondary myelofibrosis Introduction (sMF), which arises after essential thrombocytosis (ET) and Myelofibrosis (MF) is a clonal stem cell-derived myeloprolif- polycythemia vera (PV), is 10–20% after 15–20 years of fol- erative neoplasm (MPN) that results in bone marrow fibrosis, low-up.4,5 extramedullary hematopoiesis, splenomegaly, and insufficient The mechanism of PMF and sMF is not completely under- hematopoiesis. Primary myelofibrosis (PMF) is the least stood, but the V617F point mutation in JAK2 tyrosine kinase common among chronic MPNs; one study reported an esti- is observed in approximately 95% of PV patients, 50% of ET 1 patients, and 50% of PMF patients.6,7 In murine models, the In a Japanese JAK2 V617F mutation leads to constitutive activation of cohort of 298 PMF patients, median survival was reported to JAK2―STAT5 signaling and results in PV in the early stage mated incidence of 1.5 cases per 100,000 subjects per year. 2,3 The median age at diagnosis is 50–67 years. Submitted December 28, 2011; accepted February 16, 2012. Key words: Myelofibrosis, transplantation, thrombocytopenia Corresponding author: Chiaki Nakaseko, MD; Department of Hematology, Chiba University Hospital 1―8―1, Inohana, Chuo-ku, Chiba City, Chiba, 260―8670, Japan; Phone: +81―43―222―7171, FAX: +81―43―225―6502; E-mail: [email protected] Ⓒ Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1 15 16 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Takeuchi et al. and sMF in the late stage.8 TEL-Lyn, TEL-JAK2, and long- if the disease progressed. The results of 2 patients included term administration of thrombopoietin, which also activate in the present study have been reported previously.9,21 STAT5, have been shown to induce MF in vivo. 9―12 These re- The source of hematopoietic cells was HLA-matched re- sults indicate that the JAK2―STAT5 signaling cascade is very lated (n=11, 52.3%), -matched unrelated (n=7, 33.3%), important in MF development. Specific inhibitors of JAK2 or-mismatched unrelated (n=3, 9.5%) donors. Most patients kinase activity have been developed and are being evaluated (n =18, 85.7%) underwent bone marrow transplantation. in PMF. Among these drugs, ruxolitinib was approved and is Only 3 patients received peripheral blood stem cells (PBSCs) 13 (Table 1). All unrelated donors were recruited via the Japan available for intermediate or high-risk MF in the USA. However, neither conventional chemotherapy nor JAK2 in- Marrow Donor Program (JMDP). hibitors have been shown to cure MF patients.14 Among the 21 patients, 13 patients underwent convention- Allogeneic hematopoietic stem cell transplantation (allo- al myeloablative stem cell transplantation (CST) and 8 pa- SCT) is the only curative treatment for MF. Recent studies tients underwent reduced-intensity stem cell transplantation revealed that reduced-intensity conditioning could be applied (RIST) (Table 1). to MF patients.15―20 However, considering the small number of MF patients, relatively slow disease progression, and high- Criteria for engraftment and GVHD er age of patients at MF diagnosis, the optimal timing and The day of neutrophil engraftment was defined as the first candidates for allo-SCT remain controversial. To answer day of 3 consecutive days with neutrophil counts of >500/μl. these questions, we retrospectively examined the outcomes of The day of platelet engraftment was defined as the first day 21 PMF and sMF patients who underwent allo-SCT between of 7 consecutive days with platelet counts of>20>103/μl 1997 and 2008. without transfusion. Acute and chronic GVHD were graded according to standard criteria.17 Patients and methods Statistical analysis Patients All data were analyzed according to the intention-to-treat Twenty-one PMF (n=13) and sMF (n=8) patients who un- principle. For the baseline variables, summary statistics were derwent allo-SCT from 1997 to 2008 in 9 facilities of the constructed employing frequencies and proportions for cate- Kanto Study Group for Cell Therapy (KSGCT; Kanto, Japan) gorical data, and medians and ranges for continuous varia- were retrospectively analyzed in this study. sMF includes MF bles. We compared patient characteristics using Fisher s ex- arising after ET and PV. Myelodysplastic syndrome with act test for categorical outcomes and Mann–Whitney U test bone marrow fibrosis was not included in this study. Trans- for continuous variables, as appropriate. formation into acute myeloid leukemia (AML) was defined For time-to-event outcomes, the lengths of time to a first as >20% blasts in blood or bone marrow. Pre-transplant pa- event were compared using the log-rank test, while the Ka- tient characteristics are summarized in Table 1. The median plan–Meier method was used to estimate the absolute risk of age at transplantation was 50 years (range, 21–60), and the each event for each group, and hazard ratios and 95% confi- median time from diagnosis to transplantation was 30.9 dence intervals (CIs) were estimated by the Cox proportional months (range, 6.6–242). No significant differences were ob- hazards model. Overall survival (OS) was defined as time served between PMF and sMF patients with respect to pre- from transplantation to death due to any cause, and patients transplant characteristics. Only 1 patient was assessed for the alive at the time of last follow-up were censored at that date. JAK2 mutational status; he was negative for the mutation but Time to progression (TTP) was defined as“relapse or pro- 9 positive for the novel TEL-Lyn fusion gene. Ten patients re- gression”with censoring of death unrelated to MF or patients ceived chemotherapy prior to allo-SCT. Most patients had who were lost to follow-up, and the corresponding time inter- splenomegaly (n=19, 90.5%), but only 2 patients received val was from transplantation to event. Non-relapse mortality treatment for splenomegaly: 1 patient underwent splenectomy (NRM) was defined as death due to all causes not related to and the other received irradiation to the spleen. MF. Univariate analyses of risk factors for OS was per- Among all 21 patients, only 2 patients with PMF under- formed by Cox regression analyses, whereas risk factors for went“upfront”allo-SCT. Other patients underwent allo-SCT TTP and NRM were examined in a competing risks regres- Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Allo-SCT for primary and secondary myelofibrosis 17 Table 1. Patient and Transplant Characteristics Total PMF sMF 21 13 8 50 (21–60) 48 (21–60) 53.5 (43–58) 30.9 (6.6–242) 23 (6.6–203) 78 (8.4–242) 12 : 9 8:5 4:4 4 9 7 3 7 3 1 2 4 Previous transformation into AML, Yes : No 6 : 15 5:8 1:7 Prior chemotherapy before SCT, Yes : No 10 : 11 6:7 4:4 19 : 2 11 : 2 8:0 18 : 2 12 : 1 6:1 18 3 11 2 7 1 11 7 3 6 6 1 5 1 2 CST 13 7 6 CY/TBI BU/CY CA/CY/TBI ThioTEPA/CY/TBI 5 4 2 2 2 3 1 1 3 1 1 1 RIST 8 6 2 Flu/Mel/TBI Flu/BU Flu/Mel Flu/BU/TBI BU/Mel 3 2 1 1 1 2 2 0 1 1 1 0 1 0 0 13 8 8 5 5 3 2 19 2 11 0 8 No. of patients Median age at transplantation, years (range) Median time from diagnosis, months (range) * Male : Female * Dupriez classification Good Intermediate Poor Spenomegaly before SCT, Yes:No Treatment for splenomegaly before SCT, Yes: No * Source of stem cells Bone marrow G-CSF-mobilized PBSCs Donor type Related HLA-matched Unrelated HLA-matched Unrelated HLA-mismatched Conditioning regimens GVHD prophylaxis CsA + MTX TAC + MTX Decision of timing for transplantation Upfront At the time of progression PMF: primary myelofibrosis, sMF: secondary myelofibrosis, CA: ara-C, CY: cyclophosphamide, TBI: total body irradiation, BU: busulfan, Mel: melphalan, Flu: fludarabine, CsA: cyclosporin, TAC: tacrolimus, MTX: methotrexate * Data were incomplete in 1 patient sion model.22 To identify baseline and clinical factors associ- procedure. The stepwise procedure was set to a threshold of ated with OS, multivariate analysis was performed using the 0.15 for inclusion and 0.15 for exclusion. Cox proportional hazard model with a step-wise selection All comparisons were planned and the tests were two-sid- 18 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Takeuchi et al. ed. A p-value of less than 0.05 was considered to be statisti- nusoidal occlusive disease accompanied by acute GVHD (n cally significant. All statistical analyses were performed by =1). using the SAS software program, version 9.2 (SAS Institute After a median follow-up of 16.7 months (range, 1–134), Inc., Cary, NC). OS was 55.6% at 60 months (95% confidence interval (CI), 34.0–77.0%; Figure 2A). No significant differences in OS at 60 months were observed between patients aged ≤ 55 years Results and those aged > 55 years (54.7% vs. 60%, p=0.77), pa- Engraftment tients with PMF and sMF (53.8% vs. 62.5%, p=0.96), and All patients achieved neutrophil and platelet engraftment at a patients who underwent CST and RIST (59.3% vs. 50.0%, p median time of 19 (range, 13–36) and 75 (range, 15–411) =0.86; Figure 2B, 2C, 2D). NRM at day 100 and 12 months days, respectively. No significant differences in median time was 9.5% (95% CI, 0–22.1%) and 22.6% (95% CI, 2.6– to neutrophil engraftment were observed between patients 42.6%), respectively. who underwent CST and RIST (19 days vs. 22 days, p=0.66) In univariate analysis, significant factors for OS were low- and between patients with PMF and sMF (19 days vs. 25.5 er platelet count (<10×104/μl) at transplantation (p=0.004) days, p=0.71). Median time to platelet engraftment was not and previous transformation into AML (p=0.024) (Table 2). significant between patients who underwent CST and RIST These two variables showed relatively strong correlation (ρ= (75 days vs. 75 days, p=1.00) and between patients with 0.534); therefore, the latter variable was excluded from multi- PMF and sMF (26 days vs. 90 days, p=0.30). Cumulative variate analysis. In multivariate analysis, HLA-mismatched incidences of neutrophil and platelet engraftment are shown transplantation (hazard ratio (HR)=36.20; 95% CI, 1.02– in Figure 1. 1278.51; p=0.038) and lower platelet count (<10×104/μl) at transplantation (HR=32.85; 95% CI, 2.07–520.43; p= GVHD 0.0132) were significant prognostic factors for OS (Table 2). The incidence of acute GVHD of grades II–IV and III–IV In univariate analysis for NRM, acute GVHD (HR=7.52; was 33.3% and 14.3%, respectively. No significant differ- 95% CI, 0.78–72.6; p=0.081) showed a relatively low p val- ence was observed in the incidence of acute GVHD between ue, but none of the factors included in the present study was sibling and unrelated donors. Among 18 evaluable patients, significant (Table 3). In univariate analysis for TTP, only the overall incidence of chronic GVHD was 50%, with limit- lower platelet count at transplantation was a significant factor ed disease in 28% and extensive disease in 22%. (HR=14.5; 95% CI, 1.64–128; p=0.016) (Table 3). Figure 3 shows the Kaplan–Meier survival curve showing Mortality and survival OS stratified by the platelet count at transplantation. Patients Ten patients died during the follow-up period. The reasons with a lower platelet count showed significantly worse sur- for death were as follows: disease relapse or progression (n= vival in all disease categories. 6); pulmonary complications (bronchiolitis obliterans, idiopathic pneumonia syndrome, and pneumonia; n=3); and si- (B) 1.0 0.8 0.6 Total 0.4 PMF 0.2 0.0 sMF 5 10 15 20 25 30 Days aer transplantaon 35 40 Cumulave incidence of engrament Cumulave incidence of engrament (A) 1.0 0.8 0.6 Total 0.4 PMF 0.2 0.0 sMF 50 100 150 200 250 300 Days aer transplantaon Figure 1. Cumulative incidences of neutrophil (A) and platelet (B) engraftment after transplantation. 350 400 450 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Allo-SCT for primary and secondary myelofibrosis 19 Figure 2. (A) Overall survival (Kaplan–Meier method) of a cohort of 21 PMF and sMF patients. The median follow-up period was 16.7 months. The y-axis represents the proportion of surviving patients, and the x-axis is in months. N represents the number of patients in the entire cohort. (B)–(D) Overall survival (Kaplan–Meier method) among all patients stratified by PMF or sMF (B), age at transplantation (C), and conditioning regimen (D). Discussion SCT.24 The median age at diagnosis in MF patients is ranging be- In the present study, we showed that all patients successfully tween 50–67 years,2,3 which means that most of them are not achieved marrow engraftment after CST and RIST, and no eligible for conventional myeloablative conditioning. RIST significant differences in OS were observed between PMF would be a promising alternative for older patients, but it may and sMF patients, which are compatible with the results of not be a sufficiently secure engraftment under severe marrow other studies.20,23 PV, ET, and PMF share a common back- fibrosis. Nevertheless, reports have shown that allo-SCT can ground to some extent; therefore, it may be difficult to distin- be successfully performed with standard myeloablative and guish PMF from sMF if a patient is referred to hospital with reduced-intensity regimens.15―20,23,25,26 These results are con- advanced disease. In this context, whether we should distin- sistent with those of the present study, which revealed prompt guish between PMF and sMF when we consider the indica- neutrophil recovery in all patients regardless of their condi- tions for allo-SCT is open to discussion. tioning intensity. No significant difference was observed in Extensive marrow fibrosis associated with PMF was ini- OS and NRM between patients with standard myeloablative tially considered a contraindication for allo-SCT. However, and reduced-intensity regimens, which is also compatible despite earlier concerns that marrow fibrosis may hinder he- with the results of previous reports.23,25 Although we could matopoietic recovery after allo-SCT, multiple reports have not find statistical significance in TTP between standard my- shown that engraftment is obtained consistently and that ex- eloablative and reduced-intensity regimens, Stewart et al. re- tensive fibrosis is completely reversible with successful allo- ported that the relapse rate of patients receiving reduced-in- 20 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Takeuchi et al. Table 2. Univariate and multivariate analyses of OS data using a Cox regression model Variables Univariate analysis HR (95% CI) Multivariate analysis p HR (95% CI) p Sex Male vs. female 0.58 (0.15–2.33) 0.44 ― ― Age at transplantation ≥50 vs. <50 1.21 (0.32–4.51) 0.78 ― ― Diagnosis PMF vs. sMF 1.028 (0.26–4.14) 0.97 ― ― Conditioning regimen CST vs. RIST 0.886 (0.24–3.30) 0.86 0.135 (0.012–1.474) 0.1006 Stem cell source BM vs. PBSC 1.554 (0.19–12.45) 0.68 ― ― Previous transformation into AML Yes vs. No 4.366 (1.21–15.75) 0.024 ― ― 10.173 (2.06–50.31) 0.004 32.85 (2.07–520.43) 0.0132 Hb at transplantation (g/dl) ≤10 vs. 10 4.864 (0.61–39.07) 0.14 ― ― HLA matching Full match vs. mismatch 3.369 (0.64–17.70) 0.15 36.204(1.02–1278.51) 0.0484 Grade II―IV acute GVHD Yes vs. No 3.255 (0.87–12.24) 0.081 ― ― 6.382 (0.74–54.91) 0.091 ― ― PLT at transplantation 4 <10 vs. ≥10 (×10 /μl) Chronic GVHD Yes vs. No tensity regimens (46%) is increased compared with that of could be expected to survive longer. Therefore, the optimal those prepared by myeloablative conditioning (15%), ap- timing and candidates for allo-SCT remain controversial. 17 Therefore, allo-SCT with In the present study, in most cases, allo-SCT was per- reduced-intensity conditioning could be the potential treat- proaching significance (P=0.06). formed at disease progression, such as thrombocytopenia, ment of choice for MF patients who are not eligible for mye- leukocytopenia, excess of blasts, and anemia. In univariate loablative conditioning and should be carefully chosen for analysis, lower platelet count (<10×104/μl) at transplanta- younger MF patients, considering its association with a high- tion and previous transformation into AML were associated er risk of relapse compared with myeloablative conditioning. with poor OS; these findings are consistent with those of a Presentation and evolution of PMF is heterogeneous. The previous report.23 Furthermore, lower platelet count at trans- estimated median survival of 6 years is significantly affected plantation was significantly associated with TTP, which sug- by the presence or absence of readily available parameters gested that patients with a lower platelet count at transplanta- such as the hemoglobin level, platelet count, leukocyte count, tion were more likely to suffer a relapse after allo-SCT. constitutional symptoms, and cytogenetic findings. Unfortu- Previous transformation into AML showed significant as- nately, controlled studies that would facilitate patient selec- sociation with a lower platelet count at transplantation. This tion for allo-SCT in MF are lacking.27 Reports suggested that is reasonable because thrombocytopenia is a common mani- patients with a higher risk of disease may benefit most by festation of leukemic transformation in MF patients. Consid- transplantation. However, these same retrospective studies ering our finding, platelet and blast counts may be useful in- also suggested that young patients with a low risk of disease dicators to decide the optimal timing for transplantation. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Allo-SCT for primary and secondary myelofibrosis 21 Table 3. Univariate analyses of NRM and TTP data using a competing risks regression model NRM Variables HR (95% CI) TTP p HR (95% CI) p Sex Male vs. female 0.39 (0.04–3.74) 0.41 0.74 (0.12–4.44) 0.74 Age at transplantation ≥50 vs. <50 0.99 (0.14–7.04) 0.99 1.30 (0.22–7.83) 0.77 Diagnosis PMF vs. sMF 0.64 (0.07–6.24) 0.70 1.21 (0.20–7.38) 0.83 Conditioning regimen CST vs. RIST 0.67 (0.09–4.72) 0.68 0.99 (0.17–5.98) 1.00 Previous transformation into AML 3.27 (0.34–31.7) Yes vs. No 0.31 2.13 (0.39–11.6) 0.38 PLT at transplantation 4 <10 vs. ≥10 (10 /μl) 5.33 (0.45–62.7) 0.18 14.5 (1.64–128) 0.02 NA 1.00 2.34 (0.26–21.0) 0.45 HLA matching Full match vs. mismatch 3.79 (0.33–43.5) 0.29 2.44 (0.25–24.1) 0.45 Grade II–IV acute GVHD Yes vs. No 7.52 (0.78–72.6) 0.08 1.51 (0.25–9.11) 0.65 NA 1.00 3.19 (0.33–30.9) 0.32 Hb at transplantation (g/dl) ≤10 vs. >10 Chronic GVHD Yes vs. No NA: Not available In multivariate analysis, HLA-mismatched SCT and lower come in 26 patients.28 Post-transplant granulocyte recovery platelet count were associated with a significantly worse was faster among splenectomized patients, and the need for prognosis (Table 2). We could not find statistical significance red blood cell and platelet transfusion was greater among pa- with HLA-mismatched SCT in univariate analysis, which was tients who had intact spleens. However, in their series, no probably due to the small number of patients. Several reports significant improvement was observed in prognosis after have shown that HLA-mismatched SCT is associated with a splenectomy. Recently, Bacigalupo et al. reported that sple- poor prognosis mainly because of a higher incidence of nectomy in patients with a spleen length >22 cm showed a 20,23,25 Although we could not find a significant associa- lower incidence of relapse-related death in the setting of tion between NRM and HLA-mismatched SCT (HR=3.79; transplantation without peri-operative mortality in splenecto- 95% CI, 0.33–43.5; p=0.29), we consider that NRM affected mized patients.29 In the present study, only 2 patients re- the inferior OS in our cohort. ceived treatment for splenomegaly (splenectomy (n=1) and Splenomegaly is a common feature of MF patients because irradiation to the spleen (n=1)) before transplantation. Be- once bone marrow hematopoiesis is impaired by fibrosis, ex- cause of a smaller number of patients, we could not find dif- tramedullary hematopoiesis may recur in the spleen. Al- ferences between those who had their spleen treated and those though splenectomy before allo-SCT is a treatment option for with untreated spleens. In many reports, splenectomy is as- MF patients, whether splenectomy is associated with im- sociated with mortality of 5–10%, and the role of splenecto- proved outcome remains uncertain. Li et al. analyzed the im- my remains controversial. Hence, we consider that splenec- pact of pre-transplant splenectomy on post-transplant out- tomy before allo-SCT should be indicated only for patients NRM. 22 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Takeuchi et al. Figure 3. Overall survival stratified by platelet count before hematopoietic cell transplantation in all patients (A), PMF patients (B), and sMF patients (C). Plt: platelet count. who are symptomatic from splenomegaly, who present refractory hemolytic anemia, or who exhibit complications of portal hypertension.24,30 Authors’ contributions M.T., C.N. and C.O. designed the study, analyzed data, In conclusion, allo-SCT with myeloablative and reduced- and wrote the manuscript; K. O., K. K., T. M., Y. A., Y. K., intensity conditioning are potentially effective treatment strat- S. T., A. Y., T. K., T. S., N. H., J. T., H. T., H. K., A. M., H. S. egies for PMF and sMF patients aged <60 years with a high and S. O. analyzed the data and approved the manuscript; 4 engraftment rate. A platelet count of <10×10 /μl is a strong M. T., C. O. and Y. S. performed statistical analysis. risk factor for allo-SCT in MF patients. Thus, transplant-eligible MF patients with decreasing platelet count should be considered for allo-SCT. Conflict-of-interest disclosure The authors declare no competing financial interests. Aknowledgement The authors acknowledge the transplant physicians and nurses at each hospital for their dedicated care of patients. We also thank the data managers at KSGCT data center for their assistance. References 1 .Mesa RA, Silverstein MN, Jacobsen SJ, Wollan PC, Tefferi A. Population-based incidence and survival figures in essential thrombocythemia and agnogenic myeloid metaplasia: an Olmsted County Study, 1976―1995. Am J Hematol. 1999; 61: 10― 15. 2 .Okamura T, Kinukawa N, Niho Y, Mizoguchi H. Primary chronic myelofibrosis: clinical and prognostic evaluation in Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 336 Japanese patients. Int J Hematol. 2001; 73: 194―198. 3 .Cervantes F, Dupriez B, Pereira A, et al. New prognostic scoring system for primary myelofibrosis based on a study of the International Working Group for Myelofibrosis Research and Treatment. Blood. 2009; 113: 2895―3796. 4 .Passamonti F, Malabarba L, Orlandi E, et al. 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Case Report Pure red cell aplasia and Evans syndrome following hematopoietic stem cell transplantation from blood type-matched unrelated donor Hiroki Yamaguchi1, Kazutaka Nakayama1, Keiichi Moriya1, Kyoko Nakamura1, Koiti Inokuchi1, Kenji Tajika1, 2, Kazuo Dan1 1 Division of Hematology, Department of Internal Medicine, Nippon Medical School, Tokyo, Japan; 2Department of Hematology, Yokohama Minami Kyousai Hospital, Kanagawa, Japan Pure red cell aplasia (PRCA) and Evans syndrome following allogeneic hematopoietic stem cell transplantation (HSCT) from a blood type-matched donor are very rare. A 29-year-old Japanese woman with hematologic remission of Philadelphia chromosomepositive acute lymphoblastic leukemia underwent bone marrow transplantation from a blood type-matched, HLA 6/6―matched, unrelated donor in May 2008. Her clinical course after transplantation was favorable, and allowed for a gradual reduction in tacrolimus dosage. However, 12 months after transplantation, she developed PRCA related to allogeneic HSCT. The patient s PRCA was alleviated by stopping the dosage reduction for the immunosuppressive therapy and by continued administration of lowdose tacrolimus. Three months after the PRCA diagnosis, the patient developed Evans syndrome, so prednisolone (PSL) treatment was initiated. PSL treatment effectively treated the Evans syndrome, as was evident by the absence of cythemolysis two months later, and no relapse has occurred even after the PSL dose was reduced and then terminated. The fact that PRCA onset in this case occurred after blood type-matched allogeneic HSCT, during the late grafting phase, and in combination with Evans syndrome, suggests that the pathogenic mechanism may differ from that of previously reported cases of PRCA following blood type-incompatible allogeneic HSCT. (Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1; 24―28, 2012) Background Case Report Pure red cell aplasia (PRCA) and autoimmune hemolytic The patient was a 29―year-old Japanese woman without anemia (AIHA) are rare complications that follow allogeneic remarkable medical or family histories. She developed hematopoietic stem cell transplantation (HSCT) [1―3]. PRCA Philadelphia chromosome (Ph)-positive acute lymphoblastic has occurred after blood type-mismatched allogeneic HSCT, leukemia in December 2007. She achieved hematologic in which case the remaining isohemagglutinin in the recipient remission for which mRNA levels of minor BCR-ABL fusion plasma is thought to suppress erythropoiesis [4]. With regard protein were 61 copies/μg total RNA after one course of to AIHA, continuous suppression of cellular immunity after hyper-CVAD therapy. Two courses of hyper-CVAD were allogeneic HSCT is thought to affect humoral immunity, combined with imatinib, but molecular remission was not yielding the production of autoantibodies which contribute to achieved (10 copies of BCR-ABL mRNA/μg total RNA). hemolysis [2, 5, 6]. Here we report a case of PRCA followed Using a conditioning regimen of total body irradiation (TBI by Evans syndrome that developed after unrelated donor 12 Gy) with etoposide (VP ―16) (15 mg/kg/2 days) and allogeneic HSCT from a blood type-matched, human cyclophosphamide (CY) (60 mg/kg/2 days), and leukocyte antigen (HLA) 6/6―matched donor. immunosuppression with tacrolimus and short-term methotrexate (MTX), bone marrow transplantation from a Submitted December 13, 2011; accepted February 3, 2012. Key words: Pure red cell aplasia, Evans syndrome, hematopoietic stem cell transplantation, blood type-matched unrelated donor. Correspondence to: Hiroki Yamaguchi, M. D., Ph. D.; Division of Hematology, Department of Internal Medicine, Nippon Medical School, 1―1―5 Sendagi, Bunkyo-Ku, Tokyo 113―8603, Japan; TEL:+81―3―3822―2131, FAX:+81―3―5685―1793; e-mail: y-hiroki@fd6. so-net.ne.jp Ⓒ Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation. 24 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 PRCA after blood type-matched UR-HSCT 25 blood type-matched (B Rh+), HLA 6/6―matched, unrelated Morphologically, no dysplasia was seen. Chromosomal donor was performed in May 2008. Engraftment was analysis revealed normal karyotype. Late-onset rejection or successful with neutrophil recovery on day 17 after the relapse was ruled out as the donor chimerism was more than transplant and engraftment of all three cell lineages on day 90% and minor BCR-ABL mRNA was negative, and thus the 28. Bone marrow examination on day 29 showed chimerism patient was diagnosed with PRCA. Parvovirus B19 infection with donor cells of at least 90% and negative for minor BCR- was ruled out because anti-parvovirus B19 antibody levels ABL mRNA. Acute graft-versus-host disease (GVHD) were not elevated and PCR analysis was negative (Table 1). symptoms appeared on the skin (stage 1–2) on days 9–21 and Drug-induced PRCA was also ruled out because no 42–53, but they were successfully treated with tacrolimus medications were added prior to PRCA onset. No chronic alone. Her subsequent clinical course was favorable with a GVHD symptoms were identified. Combined, this led us to gradual reduction of tacrolimus dosage during follow-up. believe that PRCA was related to allogeneic HSCT, and In March 2009, the patient experienced cold-like suggested that AIHA was not found (Table 1). Low-dose symptoms of headaches and shortness of breath. Blood tacrolimus (1 mg/day) was continued without dose reduction examination on May 27, 2009 revealed severe anemia with and followed up with red blood cell transfusions. Erythrocyte 4 reticulocytopenia (RBC, 194×10 /μl, Hb 5.9 g/dl, Ht 18.1%, recovery (Hb, 11.8g/dl; reticulocyte count, 2.39×104/μl) was reticulocyte count less than 0.1%) (Table 1). Bone marrow spontaneously observed on July 22, 2009 (Figure 1). examination revealed normal cellularity and normal On August 11, 2009, petechial subcutaneous hemorrhages megakaryocyte count on clot section. In differentiation, began to appear on the lower extremities, but we did not marked erythroid hypoplasia with erythroid lineage of 2.5% identify infection symptoms or GVHD. Blood tests revealed (myeloid/erythroid [M/E] ratio, 36.5) was found. an RBC count of 285 ×10 4/μl, Hb 8 g/dl, Ht of 24%, Table 1. Laboratory findings at pure red cell aplasia onset WBC 5200/ul Na 140mEq/l Mg 2.3mg/dl Stab 0.5% K 5.2mEq/l Cu 160ug/dl Seg 43.5% Cl 104mEq/l Zn 82ug/dl Eos 10.5% UA 6.4mg/dl Fe 151ug/dl Baso 0.5% Mono BUN 15.6mg/dl UIBC 148ug/dl 2% Cr 0.79mg/dl Ferritin 670ng/ml Ly 42.5% TP 7.5g/dl Folic acid 19.1ng/ml RBC 194/ul Alb 3.7g/dl Vit B12 987pg/ml Hb 5.9g/dl Alb 58.9% Ht 18.1% α1 3% Plt 143/ul α2 10.4% Ret <1‰ β 7.9% γ 19.8% Parvo B19 CMV-C10/C11 0/0 GOT 15IU/l BS 109mg/dl IgG 2.06 GPT 19IU/l CRP 0.15mg/dl IgM 0.33 LDH 201IU/l ALP 363IU/l IgG 1523mg/dl 48IU/l IgA 408mg/dl Anti-Ce 0.2mg/dl IgM 142mg/dl Anti-Ce Ab r-GTP T-Bil PCR negaitive positive Vit B12: Vitamin B12, CMV-C10/C11: CMV-Antigenimia C10/C11, Anti-Ce Ab: Anti-Ce Anitibody 26 Yamaguchi et al. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Figure 1. Clinical course of pure red cell aplasia complicated by Evans syndrome. Hb, hemoglobin; LDH, lactate dehydrogenase; Plt, platelet count; PSL, prednisolone; Ret, reticulocyte count. We diagnosed PRCA after allogeneic HSCT on May 27, 2009, and AIHA after allogeneic HSCT on August 11, 2009. reticulocyte count of 4.68×104/μl, platelet count of 2.9×104/ cases of PRCA after transplantation from a blood type- μl and lactate dehydrogenase (LDH) level of 203IU/L. Bone matched donor are very rare [1, 4, 6]. On the other hand, marrow examination revealed erythroblastic and AIHA after allogeneic HSCT was reported to occur in 4.5% megakaryocytic hyperplasia. Direct and indirect Coombs of adult cases and as risk factors, unrelated donors, HLA- tests were positive (anti-IgG+, anti-C3b/C3d+, pan-reactive mismatches, and chronic GVHD were pointed out [2, 3]. eluate +), but cold agglutinine titration was normal. Few cases of Evans syndrome after HSCT have been Antinuclear antibodies were positive (320 ― fold with reported. One patient received a HSCT from a T-cell- homogeneous pattern), but anti-dsDNA IgG were negative. depleted unrelated donor [7], and another patient was treated Platelet-associated immunoglobulin G (PAIgG) increased to with a conditioning regimen of antithymocyte globulin 2940 ng/107 cells. Given these results, Evans syndrome was (ATG), which could have over-suppressed T cells, leading to diagnosed, and prednisolone (PSL) therapy (0.5 mg/kg/day) abnormalities in humoral immunity [8]. Some reports have was started. After PSL therapy, Evans syndrome disease noted a combination of PRCA with AIHA or Evans syndrome activity decreased gradually (Figure 1). PSL was terminated in patients with malignant lymphoma [9] and after allogeneic in February 2011, and no relapse of PRCA or Evans HSCT [6]. To our knowledge, no one has reported a case of syndrome has been observed to date. PRCA and Evans syndrome following HSCT. However, a combination of PRCA with AIHA or Evans syndrome has Discussion been observed in 7 of 357 cases (2.0%) of pancreas transplantation using immunosuppression with alemtuzumab, We report our experiences with a 29-year-old Japanese mycophenolate mofetil, and daclizumab [10]. One factor that female patient who presented with PRCA and Evans may be involved in AIHA and Evans syndrome as well as syndrome following HSCT from a blood type-matched, PRCA is an immune abnormality brought about by excessive HLA6/6―matched unrelated donor. Most reported cases of immunosuppression, but the causative mechanisms of this PRCA following allogeneic HSCT are attributed to blood remain largely unknown. type-mismatched donors (major mismatch in particular), and The case study did not use drugs such as ATG for the Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 patient s conditioning regimen, yet the clinical course after transplantation was favorable, yielding only mild GVHD under mild immunosuppression with tacrolimus and MTX. PRCA after blood type-matched UR-HSCT 27 Competing interests The author(s) declare that they have no competing interest. Pathogenesis of PRCA and Evans syndrome after HSCT in the present case was unclear. Given that cold-like symptoms were noted two months before PRCA onset, it is still plausible Author contributions that a viral infection somehow caused PRCA. In the clinical HY was responsible for manuscript preparation and was course of the present case, we observed no clear cythemolysis involved in patient care. KN, KM, KN, KI, KT and KD were findings at the time of PRCA onset, and the reactivity to responsible for patient care and manuscript review. All erythrocyte transfusions was good, and at the same time, the authors read and approved the final manuscript. platelet count began to decrease gradually (Figure 1). Although the Coombs’test was not performed at the time of PRCA onset, it is possible that the Evans syndrome occurred simultaneously with PRCA. Considering the alleviation of PRCA after that, cythemolysis might be attributed to the Evans syndrome. One effective treatment for PRCA that develops after blood type-incompatible allogeneic HSCT is to reduce or terminate the immunosuppressant administration, and reduce the recipient-derived plasma cells that produce isohemagglutinin via the graft-versus-plasma cell effect. [11, 12] However, if this treatment does not yield improvement, administration of ATG or steroids, i. e., treatments that strengthen immunosuppression, can also be effective. [4, 13, 14] Some reports have noted that performing donor lymphocyte infusion and causing the graft-versus-plasma cell effect can conversely be effective in such cases. [4, 15] In addition, some have reported the efficacy of plasma exchange or rituximab, and thus there is no single treatment strategy. [4] In the present case, PRCA went into spontaneous remission when the tacrolimus dosage reduction was terminated and administration was maintained at a low dosage. Because Evans syndrome subsequently developed and PSL administration was initiated, however, it is not clear whether low dose tacrolimus was effective. The fact that PRCA onset in this case occurred after blood type--matched allogeneic HSCT, during the late grafting phase, and in combination with Evans syndrome, suggests that the pathogenic mechanism may differ from that of previously reported cases of PRCA following blood typeincompatible allogeneic HSCT. Consent Written informed consent was obtained from the patient in order to publish this Case report. References 1 .Gmür JP, Burger J, Schaffner A, et al. Pure red cell aplasia of long duration complicating major ABO-incompatible bone marrow transplantation. Blood 1990, 75(1): 290―295. 2 .Sanz J, Arriaga F, Montesinos P, et al. Autoimmune hemolytic anemia following allogeneic hematopoietic stem cell transplantation in adult patients. Bone Marrow Transplant 2007, 39(9): 555―561 3 . O ’Brien TA, Eastlund T, Peters C, et al. 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High dose chemotherapy followed by autologous stem cell transplantation (SCT) has been shown to be effective therapy for pa- tients with relapsed lymphoma responsive to standard-dose salvage chemotherapy. Here we report a patient in second complete remission (CR) from relapsed follicular lymphoma (grade 3) who was successfully treated with peripheral blood stem cells (PBSC) that had been harvested in first CR 10 years before. One of six frozen bags was thawed and submitted for progenitor cell assays. Because the number of progenitors was considered to be sufficient for engraftment, autologous SCT was performed without further stem cell harvest. At infusion, the viability of all nucleated cells (ANC) of the 5 remaining bags was 61.4%. She was expected to receive 2.87 8 6 + 4 ×10 /kg of ANC, 4.43×10 /kg of CD34 cells and 32.3×10 /kg of CFU-GM based on the numbers obtained before cryopreservation. She achieved a granulocyte count>500/mm3 on day 10 and a self-supporting platelet count>20×103/mm3 on day 12. She remains disease-free for 3.5 years. This successful case suggests that PBSC may be harvested at an early time point before significant stem cell damage due to chemotherapy and radiotherapy and stored for several years. (Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1; 29―32, 2012) ever, it is often challenging to harvest a sufficient number of Introduction stem cells at the time of relapse after the patients have re- Autologous stem cell transplantation (SCT) has been ceived multiple chemotherapies that may reduce the stem cell shown to be an effective therapy for patients with recurrent pool. One of the potential solutions for this is to cryopreserve 1 diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL). In recurrent fol- peripheral blood stem cells (PBSC) at the early time point of licular lymphoma, several Phase II studies suggest that sal- first complete remission (CR) although this would require vage treatment followed by consolidation with autologous sufficient storage capacity. Here we report a 42-year-old fe- SCT can result in prolonged disease-free survival (DFS)2―4 male patient in second complete remission (CR) of her re- whereas conventional dose chemotherapy is likely to produce lapsed follicular B cell lymphoma (grade 3) who was suc- consecutive remissions of shorter duration each time. These cessfully treated with peripheral blood stem cells (PBSC) that studies demonstrate that autologous SCT provides an impor- had been harvested in first CR and kept in liquid nitrogen for tant survival benefit in patients with chemosensitive recur- 10 years in preparation for relapse. rences of not only DLBCL but follicular lymphoma and should currently be considered a treatment of choice. HowSubmitted February 13, 2012; accepted March 30, 2012. Key words: autologous peripheral blood stem cell transplantation, follicular lymphoma, long-term storage, granulocyte macrophage colony forming unit. Correspondence: Yoko Inaguma, Department of Hematology and Medical Oncology, Fujita Health University School of Medicine, 1―98 Dengakugakubo, Kutsukake-cho, Toyoake, Aichi 470―1192, Japan, [email protected]; Yoshiki Akatsuka, Department of Hematology and Medical Oncology, Fujita Health University School of Medicine, 1―98 Dengakugakubo, Kutsukake-cho, Toyoake, Aichi 470― 1192, Japan, [email protected] Ⓒ Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1 29 30 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Inaguma et al. was adjusted not to exceed 1×108 cells/ml. The cell suspen- Case report sion was then injected into a plastic bag (Cryocyte®, Baxter A32-year-old female was diagnosed with t(14; 18)-posi- Healthcare), frozen in a program freezer (Cryo Med), and tive follicular lymphoma grade 2 in 1998 on a gastric biopsy. stored in liquid nitrogen. At each harvest, ANC, CD34+ cells Bone marrow involvement was also documented at that time, and colony forming unit of granulocytes and/or macrophages thus it was concluded that she had a stage IV disease before (CFU-GM) using MethCult H4434 (STEMCELL Technolo- the start of the therapy. Subsequently, she was treated with 6 gies) were assayed. The obtained ANC, CD34+ and CFU- cycles of CHOP and obtained a CR. She had a potential risk GM were as follows: 7.86×109, 39.2×106 and 492.4×104 for of relapse with/without transformation, and was expected that D1 and 14.6×109, 406.2×106 and 2993.5×104 for D2, respec- she would be eligible for autologous SCT at the time of re- tively (Table 1). Unexpectedly, she remained in CR for 10 lapse. SCH at the time of first CR would likely have a higher years without further therapeutic intervention. stem cell yield than that at the time of second CR. In addi- Her lymphoma recurred in 2008 with symptoms of stomach tion, because her marrow was involved with disease at the discomfort. Upper gastrointestinal endoscopy revealed mul- time of presentation but was cleared after induction chemo- tiple erosions and stenosis in her duodenal bulb. After admis- therapy, it was felt that this might be the best opportunity to sion to our hospital, she developed jaundice (maximum total harvest high quality PBSC. PBSC were harvested for 2 days bilirubin of 3.5 mg/dl) due to lymphoma invasion from duo- (referred as to D1 and D2) following mobilization by subcu- denal bulb to hepatic portal region. She was treated with 4 taneous filgrastim injection for 3 consecutive days (300μg, cycles of R-DeVIC, and reached second CR which was con- 600μg, and 300μg). The harvested cells were pelleted by firmed by computed tomography and upper gastrointestinal centrifugation and resuspended in autologous plasma harvest- endoscopy. Because of her good response to salvage chemo- ed concurrently, then mixed with an equal volume of CP―1 therapy, we considered that her lymphoma would be well 5 medium (Kyokuto Seiyaku Kogyo, Tokyo, Japan). The final controlled by consolidation with either rituximab mainte- cell suspension contained 6% HES, 5% dimethylsulfoxide nance6 or possibly autologous PBSCT4,7 and that allogeneic (DMSO), and 4% human albumin. The cell concentration SCT would not be necessary at that point although she had a Table 1. Summary of cell processing PBSCH Day 1 (2 bags) ANC CD34+ cells 7.86×109 ANC 39.2×106 CFU-GM Viability (%) 63.0 /105 ANC Total 492.4×104 N.A. (7.63×104/kg) Day 2 (4 bags) 14.6×109 ANC 406.2×106 205.0 /105 ANC Total 2993.5×104 N.A. (46.4×104/kg) Quality check Test tube from Day 1 harvest N.A. N.D. 6.0/105 ANC 92.6 Total 47.2×104 (0.73×104/kg) Test tube from Day 2 harvest N.A. N.D. 67.0/105ANC Total 978.2×10 93.2 4 (15.2×104/kg) Bag from Day 1 harvest (1 of 2 bags) PBSCT¶ ¶ ‡ Remaining 5 bags N.A. N.D. 82.7/105ANC Total 649.7×104 95.5 (10.1×104/kg) 18.5×109 ANC 425.8×106 values were calculated based on those assayed at cryopreservation. lower viability was noted after the contents of all 5 bags were combined. N.A., not applicable; N.D., not done Total 3239.7×104 61.4‡ Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 sister and a brother. We then questioned if the PBSC harvests which had been stored for 10 years could be a source of stem Successful HSCT with PBHSC stored over 10 years 31 Discussion cells for autologous PBSCT. We performed quality checks We report here a patient with recurrent follicular lympho- on small scale test vials which had been frozen in liquid ni- ma (grade 3) who was successfully treated with high-dose trogen from 2 consecutive harvests allocated for quality chemotherapy and autologous PBSCT. However, this poten- checks. The viability of thawed cells was 92.6% for D1 and tially unusual treatment course raises several issues to dis- 93.2% for D2, respectively (Table 1). The number of progen- cuss. It is still controversial whether patients with recurrent itor cells in the vials was assayed following density-gradient follicular lymphoma in second CR should be treated with separation on Ficoll-Hypaque (GE Health Science) due to cell high dose chemotherapy with SCT support. It has been clumps. The obtained CFU-GM per 1×104 mononuclear cells shown that high-dose chemotherapy with autologous PBSCT was 6 for D1 and 67 for D2, respectively. We subsequently prolongs progression free survival and overall survival and thawed only one of the six frozen PBSC bags, due to uncer- should be considered especially in patients with short first CR tainty of the quality of the cells as a result of the observation after chemotherapy containing rituximab,4,7 but the role of of significant cell clump formation in the test vials. We PBSCT has to be redefined when rituximab can be used for thawed one of the two bags harvested on the first day whose maintenance therapy after second CR.6 Furthermore, it has number of CD34+ cells was lower than those harvested on the been shown that in selected younger patients with a high-risk second day. The viability of cells in the bag was 95.5% and it profile, a potentially curative allogeneic SCT with dose-re- contained 489×104 CFU-GM and 1464×104 BFU-E corre- duced conditioning may be considered in relapsed disease.8,9 sponding to 7.6×104/kg CFU-GM and 22.7×104/kg BFU-E, From these points of view, our patient was young (42 years respectively (Table 1). It has been shown that PBSC contain- old) at the time of PBSCT, therefore allogeneic SCT as con- ing>20×104 CFU-GM/kg or>2~2.5×106 CD34+ cells/kg is solidation therapy may have been an option because she had 7 sufficient for rapid and sustained engraftment. In addition, two siblings. However, she also had PBSC that had been the sample turned to be negative for t(14;18) translocation cryopreserved for 10 years and turned out to contain a suffi- when determined by polymerase chain reaction. Based on cient number of stem cells without lymphoma cell contamina- these encouraging data, we thought the remaining 5 bags tion. Autologous PBSCT was considered to be almost free should contain a sufficient number of stem cells for hemato- from transplant-related mortality whereas allogeneic SCH logical reconstitution and decided to proceed with autologous was not yet standard clinical practice back in 1998 before in- PBSCT. The preconditioning regimen consisted of three con- troduction of the reduced-intensity conditioning (RIC). FL 2 secutive days of melphalan (60 mg/m ) and thiotepa (200 mg/ 2 m ) on days ―5, ―4 and ―3. On day 0, the patient received 8 6 has a high frequency of relapse, and can transform to aggressive lymphoma. The patient was young at FL diagnosis, so PBSCT consisting of 2.87×10 /kg of ANC, 4.43×10 /kg of her treatment with high-dose chemotherapy supported by au- CD34+ and 32.3×104/kg of CFU-GM, respectively (see Table tologous PBSCT was a reasonable option. There have been 1), followed by subcutaneous G-CSF at a dose of 300μg for several reports on long term cryopreservation of PBSC focus- 9 consecutive days followed by 75μg for 1 day. The lower ing on recovery of CD34+ cells, progenitor cells and immuno- viability of cells was observed after the contents of all 5 bags competent cells.10-15 Recently, Veeraputhiran et al.14 have re- were combined (Table 1). The patient developed stomatitis ported based on data from 262 samples that viability of (grade 3) and febrile neutropenia (grade 3) following PBSCT thawed PBSC and engraftment of white blood cells and plate- and had 4 day-long diarrhea (grade 3) from preconditioning, lets are not affected by either various cryostorage periods (< but she recovered by day 13. She achieved a granulocyte 1year, 1―9 years and>9 years) and DMSO concentrations 3 count>500/mm on day 10 and self-supporting platelet count (5% versus 10%). Spurr et al.10 reported based on data from 3 3 >20×10 /mm on day 12. She was discharged from our hos- 40 harvests that stem cell collections could remain adequate pital on day 21. Currently, she remains free from lymphoma for safe transplantation after up to 14 years of cryostorage, and other complications for more than 3.5 years. but also pointed out the necessity of some precautions such as harvesting higher than normal numbers of stem cells in collections intended for long-term storage and repeating in vitro assays on harvests after long-term storage prior to transplan- 32 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Inaguma et al. tation. The impact of long-term storage and DMSO concen+ tration on recovery of viable CD34 cells and lymphocytes and lymphocyte subsets has been analyzed by Liseth et al.15 They showed that recovery of viable cells was significantly 4 .Schouten HC, Qian W, Kvaloy S, et al. High-dose therapy improves progression-free survival and survival in relapsed follicular non-Hodgkin s lymphoma: results from the randomized European CUP trial. J Clin Oncol. Vol. 21. United States; 2003: 3918―3927. better in 5% DMSO than in 10% whereas the frequencies of several T lymphocyte subsets but not NK cells showed DM- 5 .Makino S, Harada M, Akashi K, et al. A simplified method SO-dependent differences.15 Collectively, long-term cryo- for cryopreservation of peripheral blood stem cells at −80 preservation for more than 10 years is possible and could be degrees C without rate-controlled freezing. Bone Marrow standard clinical practice. We suggest that a patient who is Transplant. 1991; 8: 239―244. 6 .Vidal L G-GA, Leibovici L, et al. Rituximab maintenance for the treatment of patients with follicular lymphoma: systematic review and meta-analysis of randomized trials. J Natl Cancer Inst. 2009; 101: 248―255. 7 .Sebban C, Brice P, Delarue R, et al. Impact of rituximab and/ or high-dose therapy with autotransplant at time of relapse in patients with follicular lymphoma: a GELA study. J Clin Oncol. Vol. 26. United States; 2008: 3614―3620. 8 .van Besien K, Loberiza FR, Jr., Bajorunaite R, et al. Comparison of autologous and allogeneic hematopoietic stem cell transplantation for follicular lymphoma. Blood. Vol. 102. United States; 2003: 3521―3529. 9 .Khouri IF, McLaughlin P, Saliba RM, et al. Eight-year experience with allogeneic stem cell transplantation for relapsed follicular lymphoma after nonmyeloablative conditioning with fludarabine, cyclophosphamide, and rituximab. Blood. Vol. 111. United States; 2008: 5530―5536. 10.Spurr EE, Wiggins NE, Marsden KA, Lowenthal RM, Ragg SJ. Cryopreserved human haematopoietic stem cells retain engraftment potential after extended (5―14 years) cryostorage. Cryobiology. Vol. 44. United States; 2002: 210―217. 11.Ayello J, Semidei-Pomales M, Preti R, Hesdorffer C, Reiss RF. 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Long-term cryopreservation of autologous stem cell grafts: a clinical and experimental study of hematopoietic and immunocompetent cells. Transfusion. Vol. 49. United States; 2009: 1709―1719. young and has a high risk of relapse should be harvested at first CR to prepare for autologous SCT at second CR. In conclusion, our experience confirms previous reports that PBSC cryopreserved for around 10 years are sufficient for stem cell rescue following high dose chemotherapy. Acknowledgment The authors thank Dr. W. Ho for critically reading the manuscript; Mr. Satoshi Suzuki, Ms. Akemi Endo, Ms. Midori Sugiura for their expert technical assistance. This study was supported in part by Fujita Health University Scholarship. Author’s contribution Y. I., K. H., F. M., M. T., A. H., Y. Y., M. W., S. M. and M. L. performed transplantation and collected data; S. S. and F. M. conducted stem cell assays; Y. I., F. M., Y. A., M. O. and N. E. analyzed data and wrote the manuscript. Conflict of Interest Disclosure No author of this paper has a conflict of interest. References 1 .Philip T, Armitage JO, Spitzer G, et al. High-dose therapy and autologous bone marrow transplantation after failure of conventional chemotherapy in adults with intermediate-grade or high-grade non-Hodgkin s lymphoma. N Engl J Med. 1987; 316: 1493―1498. 2 .Hunault-Berger M, Ifrah N, Solal-Celigny P, Groupe OuestEst des Leucemies Aiguee et des Maladies du S. Intensive therapies in follicular non-Hodgkin lymphomas. Blood. 2002; 100: 1141―1152. 3 .Freedman AS, Neuberg D, Mauch P, et al. Long-term followup of autologous bone marrow transplantation in patients with relapsed follicular lymphoma. Blood. 1999; 94: 3325―3333. Brief Communication Successful treatment with deferasirox in a patient with secondary hemochromatosis following allogeneic stem cell transplantation for acute lymphoblastic leukemia Ayumi Numata1, Masatsugu Tanaka1, Takayoshi Tachibana2, Kenji Matsumoto1, Atsuo Maruta1, Yoshiaki Ishigatsubo3, Heiwa Kanamori1 1 Department of Hematology, Kanagawa Cancer Center, Yokohama, Japan; 2Department of Hematology, Yokohama City University Medical Center, Yokohama, Japan; 3Department of Internal Medicine and Clinical Immunology, Yokohama City University Graduate School of Medicine, Yokohama, Japan A 41 ―year-old Japanese man with Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukemia received allogeneic hematopoietic stem cell transplantation (allo-HSCT) from a human leukocyte antigen (HLA)-matched unrelated donor at molecular complete remission. Although bone marrow engraftment was successful, he required frequent red blood cell transfusions due to pure red cell aplasia following transplantation. He developed a high ferritinemia (4960 ng/ml) and secondary hemochromatosis and was treated with deferasirox for iron overload following allo-HSCT. After 10 months of iron chelation therapy, the serum ferritin level decreased to 575 ng/ml, serum aminotransferases returned to normal values, and magnetic resonance imaging revealed improvements in abnormal findings in the liver. Liver dysfunction after allo-HSCT was initially considered to be chronic graft-versus-host disease but actually occurred due to hepatic hemochromatosis. These results suggested that iron-chelating therapy with deferasirox is useful for patients presenting with iron overload following allo-HSCT. (Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1; 33―36, 2012) Iron overload is a relatively common complication induced hematological complete remission (CR). After several by serial red blood cell (RBC) transfusions in patients with courses of consolidation chemotherapy, he underwent allo- chronic anemia and/or hematologic malignancies. Recent HSCT from a human leukocyte antigen (HLA)-matched studies have suggested that pretransplant iron overload is an unrelated donor in August 2002. There was a minor ABO important predictor of outcome in patients undergoing incompatibility (donor: O, recipient: A). Molecular CR, as allogeneic hematopoietic stem cell transplantation (allo- assessed by reverse-transcriptase polymerase chain reaction, HSCT) [1]. Other studies suggest that posttransplant iron was obtained at transplantation. The conditioning regimen overload is also a prognostic factor in these patients [2]. The consisted of thiotepa (200 mg/m2 for 2 days), oral iron chelator, deferasirox, is widely used for the cyclophosphamide (2,250 mg/m2 for 2 days), and total body treatment of transfusional iron overload [3]. The present irradiation (12.5 Gy in five fractions). He received report describes a case of a patient with posttransplant iron prophylaxis against graft-versus-host disease (GVHD) with overload who was successfully treated with deferasirox, short-term methotrexate (10 mg/m2 on day 1, and 7 mg/m2 on resulting in a decrease in serum ferritin level and days 3 and 6) and tacrolimus (0.03 mg/kg as a continuous improvement of hepatic hemochromatosis. infusion). The bone marrow engraftment was successful, and A 41 ― year-old Japanese man was diagnosed with complete chimerism was confirmed on day 19 following allo- Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic HSCT. He developed grade I acute GVHD on day 12, but leukemia (Ph +ALL) in December 2001. He received symptoms improved by day 22. The patient was discharged chemotherapy combined with imatinib and obtained a on day 76 without acute GVHD. Submitted October 31, 2011; accepted January 16, 2012. Key words: iron overload, deferasirox, allogeneic hematopoietic stem cell transplantation Correspondence: Ayumi Numata, Department of Hematology, Kanagawa Cancer Center, 1―1―2 Nakao, Asahi-ku, Yokohama 241―0815, Japan; TEL: 81―45―391―5761, FAX 81―45―361―4692; E-mail: [email protected] Ⓒ Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1 33 34 Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Numata et al. The patient developed pure red cell aplasia (PRCA) by day acid or stronger neo-minophagen C) at that point. He was 107 and received a total of 82 Japanese units of RBC diagnosed with secondary hemochromatosis on the basis of transfusion from transplantation until resolution of PRCA on elevated serum ferritin level and abnormal findings on day 253. He was initiated on iron-chelating therapy with magnetic resonance imaging (MRI) of the liver and spleen deferoxamine (500 mg/day, subcutaneous injection) for (Fig. 1). Hepatitis viruses and/or use of any hepatotoxic transfusion-related iron overload (serum ferritin level 5100 drugs were excluded by laboratory testing and clinical history. ng/ml) from day 148 to 253. The last RBC transfusion was Liver dysfunction due to chronic GVHD was not suggested on day 253 after transplantation, and serum ferritin was 2200 because of the absence of characteristic findings (e. g., sicca ng/ml at that time. Tacrolimus was tapered and discontinued syndrome, skin lesions). Although liver biopsy was on day 84, as the patient had no signs of GVHD. His recommended, the patient refused to undergo this procedure. aminotransferase levels continued to gradually increase, but Once-daily oral deferasirox was initiated at a dose of 20 following the introduction of iron-chelating therapy with mg/kg/day (initial dose: 10 mg/kg) in November 2008 (73 deferoxamine, aspartate aminotransferase (AST) and alanine months after allo-HSCT). His serum ferritin level decreased aminotransferase (ALT) levels decreased from 125 and 212 to 575 ng/ml, AST level decreased to 31 U/L and ALT level U/L to 30 and 35 U/L, respectively. However, they increased decreased to 36 U/L by November 2009 (12 months after again after cessation of iron-chelating therapy without any iron-chelating therapy). Abdominal MRI in November 2009 signs of underlying chronic GVHD. (85 months after allo-HSCT) revealed improvement of In October 2007 (62 months after allo-HSCT), the hepatic hemochromatosis after treatment (Fig. 1). Although patient’s serum ferritin level was 4960 ng/ml, serum AST transient elevation of serum creatinine was seen, no other level was 103 U/L, and serum ALT level was 197 U/L. He adverse reaction was detected during deferasirox treatment. was not receiving any immunosuppressive medications or The patient remains in remission for Ph+ALL and has been medications to treat liver dysfunction (e. g., ursodeoxycholic free of iron overload and liver dysfunction for 2 years despite Serum ferritin (ng/mL) Deferasirox (mg/kg/day) 10 20 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 Serum ferritin AST / ALT (IU/L) 250 AST ALT 200 150 100 50 0 2007 2008 2009 2010 2011 Figure. 1. Clinical course T1―weighted magnetic resonance image (MRI) shows decreased signal in the liver and spleen, a finding that is consistent with iron overload. Following iron-chelating therapy, MRI-based abnormalities improve in the liver but not in the spleen. Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 Use of deferasirox after allogeneic HSCT 35 the discontinuation of iron-chelating therapy in October 2009 adverse effects, such as gastrointestinal events, skin rash, and (84 months after allo-HSCT). renal dysfunction [10]. Thus, its use requires a careful Transfusion-related iron overload occurs in 30% of allo- consideration of the appropriate indications for the drug, HSCT recipients [4] and increases the risk of infection, identification of appropriate candidates to receive this agent, sinusoidal obstructive syndrome, and hepatic dysfunction and a therapeutic strategy to prevent or address drug-related after transplantation. Kaloyannidis et al. reported that adverse effects. desferrioxamine administration after allo-HSCT may improve In conclusion, routine screening of serum ferritin and disease-free survival [5]. Although there are relatively few evaluation of hepatic iron overload with MRI may be useful reports indicating that the oral iron chelator, deferasirox, is to identify patients who may benefit from oral chelating useful for transfusional iron overload following allo-HSCT therapy. Further study of deferasirox in a larger patient [6], the present patient was successfully treated with population is required to definitively determine its utility for deferasirox, resulting in a decrease in serum ferritin levels the control posttransplant iron overload. and a decrease in hepatic iron overload evaluated by serum aminotransferase levels and MRI. In the present patient, elevation of serum ferritin after discontinuation of RBC Acknowledgments transfusion suggests that treatment with deferoxamine was This work was supported by a grant from the Kanagawa insufficient to protect against transfusional iron overload and/ Health Foundation. or increased gastrointestinal absorption of iron. Liver dysfunction after allo-HSCT was initially considered to be due to chronic GVHD in this case, but subsequent data Authors’ contributions suggested that hepatic hemochromatosis was the true cause. AN wrote the manuscript; AN, MT, TT, and MK collected Kamble et al. reported that iron overload can be mistaken for data; AM, YI and HK reviewed the manuscript. GVHD exacerbation, resulting in unnecessary continuation or intensification of immunosuppressive therapy and reported that routine screening with serum ferritin and the evaluation of hepatic iron overload with MRI can identify a subgroup of Conflict-of-interest disclosure The authors declare no competing financial interests. patients who may benefit from oral chelating agents [7]. Recently, Majhail et al. described a prospective study of iron overload and subsequent treatment in 147 allo-HSCT recipients who survived beyond 1 year after transplantation [8]. They reported that deferasirox may be a safe and effective alternative for allo-HSCT survivors with iron overload who cannot undergo phlebotomy. Iron chelation with phlebotomy or deferoxamine has long been used for the management of iron overload. Phlebotomy is a simple and effective approach to remove excessive tissue iron. However, its use is limited to patients with good graft function and venous access, and patients treated via this strategy may require erythropoietin support [9]. The use of deferoxamine in the HSCT patients is complicated by the very short half-life of this drug, thereby requiring frequent and/or prolonged infusions [9]. In addition, the ability of deferoxamine to release iron to bacteria and fungi is thought to be problematic in patients with underlying immunodeficiency. Deferasirox may be a useful treatment modality in these patients but can also be associated with References 1 .Armand P, Kim HT, Cutler CS, et al. 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Oral iron chelator 36 Numata et al. deferasirox in the treatment of secondary hemochromatosis following bone marrow transplantation in a patient with severe aplastic anemia. Acta Haematol. 2011; 125: 219―221. 7 . Kamble RT, Selly GB, Mims M, et al. Iron overload manifesting as apparent exacerbation of hepatic graft-versushost disease after allogeneic hematopoietic stem cell transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2006; 12: 506―510. 8 .Majhail NS, Lazarus H, Burns J. A prospective study of iron Journal of Hematopoietic Cell Transplantation Vol. 1 No. 1, 2012 overload management in allogeneic hematopoietic cell transplantation survivors. Biol Blood Marrow Transplant. 2010; 16: 832―837. 9 . Pullarkat V. Iron overload in patients undergoing hematopoietic stem cell transplantation. Adv Hematol. 2010; 2010. pii: 345756. 10.Vichinsky E. Clinical application of deferasirox: practical patient management. Am J Hematol. 2008; 83: 398―402. JSHCT No.46 The Japan Society for Hematopoietic Cell Transplantation 一般社団法人日本造血細胞移植学会 April 2012 目 次 第 34 回日本造血細胞移植学会総会を振り返って ……………………………………………………… ⅱ 平成 24 年度総会 承認・決定事項等のお知らせ ………………………………………………………… ⅲ 造血幹細胞移植の根拠法に関する検討会議の経緯ならびに国への要望書…………………………… ⅳ 造血幹細胞移植推進のための根拠法を求める要望書…………………………………………………… ⅴ 健保改定に関する社保委員会からの報告………………………………………………………………… ⅵ 定款施行細則……………………………………………………………………………………………… ⅶ―ⅷ 看護部会企画「第 34 回日本造血細胞移植学会総会 移植看護グループミーティング報告」……… ⅸ 私の選んだ重要論文………………………………………………………………………………………… ⅸ 施設紹介「東北大学未来医工学治療開発センター」…………………………………………………… ⅹ 会員の声「但馬史人」……………………………………………………………………………………… ⅺ i JSHCT LETTER No.46 第 34 回日本造血細胞移植学会総会を振り返って 第 34 回日本造血細胞移植学会総会 総会会長 薗田 精昭 (関西医科大学大学院医学研究科幹細胞生物学) 平成 24 年 2 月 24 日(金)∼ 25 日(土)の2日間に大阪国際会議場において、第 34 回 日本造血細胞移植学会総会を開催させて頂きました。今回は、 「基礎研究から新しい移 植医療の臨床応用へ“from the bench to the bed side” 」を学会のテーマとさせて頂き ました。総演題数は、公募、企画を合わせて 586 演題と過去最高になりました。会期中 は生憎のお天気になりましたが、全国から 2,513 名のご参加を頂き盛会になりました。 今回の総会では、いくつか新しい試みをさせて頂きました。まず、教育講演を復活さ せ、基礎系、臨床系の講演を合わせて 11 題企画しました。ほとんどの講演で 200 名を超 える聴衆が集まりましたが、中でも「誰でもよく分かる造血幹細胞の基礎知識」のセッ ションは、480 名の聴衆で会場は満杯になりました。今後の総会においても、医師だけ でなく移植医療に携わる看護師にも分かりやすい講演の企画が必要と感じました。次に、 医学部学生・初期臨床研修医セッションを新たに設けました。非常に活発な討論が行わ れ、4 名の発表者が最優秀・優秀口演賞に選ばれ、2 日目の総会で表彰されました。また、 ポスター展示を 2 日間行い、討論を 2 日目の午後に行いました。プログラム委員会の査 読結果に基づいて、優秀ポスター賞の表彰も行いました。この他、韓国から一般演題の 受付を行いました。今後、英語発表セッションを増やすなど、国際化を見据えた取り組 みが必要であると感じました。看護部会セッションでは、初めて移植看護グループミー テイングが行われました。 総会のハイライトとして特別講演 2 題を企画し、Ratajczak 教授に組織幹細胞 (VSEL) 、 Lapidot 教授に造血幹細胞のホーミングに関連する update な研究成果をご発表頂きまし た。いずれも 350 名を超える聴衆が集まりました。また、シンポジウムでは、 Cord blood stem cell transplantation(CBSCT): from the bench to the bed side”と題した 会長シンポジウムにおいて、臍帯血移植の臨床だけでなく、その基礎となる幹細胞にも スポットライトを当てました。東日本大震災で福島原子力発電所事故が発生したことを 受けて放射能被曝に関するシンポジウムを開催し、内外の研究者が活発に討論を行いま した。この他、幹細胞の基礎研究を紹介するために、再生医療学会との合同シンポジウ ム、ワークショップを企画しました。看護部会では、急性 GVHD のシンポジウム、造 血細胞移植後の晩期障害に関する教育セミナーなどが行われました。学会 2 日目の最後 に行われた市民公開講座にも 210 名の参加者があり、活発な討論が行われました。 この他、 「本学会 30 年の歩み」と題したパネル展示を行い、学会発展の歴史を多くの 参加者にご覧頂きました。今回は演題数が 600 題近くなり、会場数を 9 会場に増やした にも関わらず、過密なスケジュールになったことは、会期の延長も含めて総会運営上の 今後の課題と強く感じました。 今回は、幸いにも会期中に大きなトラブルもなく、無事に総会を終えることができま した。最後になりましたが、総会を支えて頂いた多くの関係者に心より御礼申し上げま すと共に、本学会の更なる発展を祈念しております。 ii 平成 24 年度総会 承認・決定事項等のお知らせ 第 34 回日本造血細胞移植学会総会の前日に開催された理事会並びに評議員会・社員総会において審議・承認され、会員総会で報告されま した事項をお知らせいたします。 Ⅰ.事業並びに会計について ・平成 23 年度事業報告並びに会計決算案、平成 24 年度事業計画並びに会計予算案について審議され、決定・承認されました。 ・一般会計:平成 23 年度決算案、平成 24 年度予算案 ・特別会計:平成 23 年度決算案、平成 24 年度予算案: ①造血幹細胞(骨髄・末梢血・臍帯血、自家・血縁・非血縁)移植症例一元登録・フォローアップ事業 ②造血幹細胞ドナー(骨髄・末梢血、血縁・非血縁)事前登録・フォローアップ事業 ③臨床研究推進事業 平成 23 年度決算案:第 33 回学術集会、東日本大震災・福島原発事故救済基金 ④学術集会事業 平成 24 年度予算案:第 35 回学術集会 (ご覧になりたい方は事務局までお申出ください。) Ⅱ.定款施行細則の改定について 定款施行細則の改定(総会会長)について審議され、決定・承認されました。(別頁並びに学会ホームページ参照) Ⅲ.平成 24 年度からの役員、評議員・社員、各種委員会委員長・委員等として以下の方々が選任されました。 1.新理事長:岡本真一郎 新副理事長:加藤剛二、中尾眞二 新理事(11 名):(内科系)岡本真一郎、神田善伸、谷口修一、豊嶋崇徳、福田隆浩、宮村耕一(小児科系)加藤剛二、小林良二 (基礎系)鈴木律朗(看護系)近藤咲子、高坂久美子 ※看護師:荒木光子理事の辞任に伴い、後任 1 名を選任いたしました。 新監事(3 名):吾郷浩厚、高橋 聡、辻 浩一郎 学会アドバイザー:小寺良尚 新評議員(26 名) : (内科系)相佐好伸、石井一慶、伊豆津宏二、岡村篤夫、垣花和彦、笠井雅信、木村文彦、近藤 健、澤 正史、 清水隆之、但馬史人、通堂 満、中瀬浩一、中邑幸伸、野村昌作、日高道弘、藤原 弘、湯地 晃一郎(小児科系)井口晶裕、 石田宏之、笹原洋二、高橋義行、安井昌博(輸血部)藤井伸治(看護系)森 文子(CTC)金本美代子 継続評議員(185 名):ご氏名は、学会ホームページをご参照ください。 2.次々期総会会長(平成 27 年度・第 37 回学術集会) :小川啓恭(兵庫医科大学) 3.名誉会員:土肥博雄(広島赤十字・原爆病院)、中畑龍俊(京都大学 iPS 細胞研究所)、森島泰雄(愛知県がんセンター研究所) 4.功労会員:神前昌敏(大阪府北大阪赤十字血液センター) 、佐々木常雄(がん・感染症センター都立駒込病院) 、星 順隆(東京慈 恵会医科大学附属病院) 5.各種委員会委員長・委員: 1.ガイドライン委員会:新委員長:小林良二、新委員:稲垣二郎、坂田尚己、松本公一、村田 誠、森 毅彦 2.編集委員会:新委員長:赤塚美樹、新委員:海老原康博 、高橋義行、米村雄士、近藤美紀、森 一恵 3.理事評議員選任委員会:新委員長(役職):薗田精昭(前総会会長)、新副委員長(役職):中尾眞二(現総会会長)、新委員: 吾郷浩厚 、小林良二、高見昭良 4.臨床研究委員会:新委員:石田也寸志、井上雅美、太田秀一、垣花和彦、小林 光、高見昭良、廣川 誠 5.在り方委員会:新委員(役職):岡本真一郎(次期総会会長) 6.ドナー委員会:新委員長:矢部普正、新委員:岩戸康治、金森平和、田野崎隆二、塚田信弘、豊嶋崇徳、深沢聡恵、藤澤めぐみ、 村田 誠 7.社保委員会:新委員:新井文子、池亀和博、石川 隆之、井上雅美、今井陽俊、上田恭典、加藤剛二、金森平和、久保恒明、 鈴木律朗、高坂久美子、高橋 聡、谷口修一、長藤宏司、橋野 聡、福田隆浩、森 毅彦 8.看護部会:新委員:田中三千代 田原眞由美 土井久容 横田真紀 (日本造血細胞移植推進機構:平成 23 年度決算案、平成 24 年度予算案について審議され、承認されました。 ) 尚、次期総会会長(平成 26 年度・第 36 回学術集会) :岡本真一郎(慶應義塾大学医学部)につきましては、昨年度既に決定しております。 会期:平成 26 年(2014 年)3 月 7 日(金)∼ 3 月 9 日(日) (役員、各種委員会委員につきましては、学会ホームページをご参照ください。) 第 33 回日本造血細胞移植学会総会奨励賞が原雅道総会会長から以下の方々に授与されました。 天野逸人(奈良県立医科大学)、木村俊一(自治医科大学附属さいたま医療センター)、瀬戸愛花(名古屋第一赤十字病院)、松岡由和 (関西医科大学)、横田宜子(原三信病院) NPO さい帯血国際患者支援の会よりの研究助成金につきましては、選考の結果以下の方が選ばれました。 研究者 鍬塚八千代(CIBMTR, Medical College of Wisconsin) 看護師 八島朋子(慶應義塾大学病院) アイリオ生命・市民のための医療奨励賞よりの施設助成金 大阪府立母子保健総合医療センター (井上雅美) 第 34 回日本造血細胞移植学会総会医学部学生・初期臨床研修医セッション表彰 最優秀口演賞:YS1―6 坂部 真奈美 優秀口演賞 :YS1―2 橋田理妙 YS2―5 寺田和樹 YS2―7 曽山裕子 《平成 25 年度・第 35 回日本造血細胞移植学会総会》 会長:中尾眞二 会期:平成 25 年(2013 年)3 月 8 日(金) 、3 月 9 日(土) 会場:石川県立音楽堂 他 (敬称略、 50 音順) iii JSHCT LETTER No.46 造血幹細胞移植の根拠法に関する検討会議の経緯 ならびに国への要望書 幹細胞移植法・幹細胞バンク検討会議 委員長 河 敬世 わが国の造血幹細胞移植は、血液難病や免疫不全症などの根治的治療法として定着し、国際水準を 超える治癒率を誇っている。また、移植医療の進歩により、移植患者の年齢制限もなくなり、移植を 希望する多くの患者が移植医療の恩恵を受けることができるようになってきた。このような成果は、 これまでの移植医療関係者ならびに支援ボランテイアの熱意と努力、行政の支援の賜物である。 しかしながら、高齢化社会のわが国では、血液難病患者ならびに移植待機患者数が増加の一途をたどっ ており、個々の患者が必要とする時期に、最善の移植医療を実施できる状況にないのが現状である。 その原因としては、造血幹細胞移植に携わる医療スタッフのマンパワー不足、遅れがちな骨髄バンク のドナーコーデイネート(採取病院不足が最大要因) 、末梢血幹細胞移植の普及遅延、さい帯血バン クの脆弱な財政基盤など複合的要因が考えられ、このまま放置すると移植医療全体が機能不全に陥る ことが強く危惧されている。 このような背景から、関連分野の基盤を強化し、移植医療をさらに発展・進化させるための具体的 な対策を検討するために、理事長の諮問検討会議が設立された。構成員は 8 名の委員(吾郷浩厚、岡 本真一郎、加藤剛二、河 敬世、神田善伸、谷口修一、橋本明子、三田村真)と 3 名のアドバイザー(今 村雅寛、小寺良尚、中尾眞二)で、座長に河 敬世が選出された。1 年位を目途に方向性をまとめて ほしい、という理事長の意向もあったが、諸般の事情から第1回検討会議が開催できたのは 2010 年 12 月 13 日であった。 第1回検討会議では、 (1)参考となる米国のビルヤング法(2005)について、 (2) WHO の基本姿勢(国 内自給体制)、(3)関連法体制の現状(血液法、臓器移植法など)、 (4)ボランテイアの動向、関連幹細 胞バンクの動向、等について情報交換ならびに意見交換が行われた。その結果、出席者全員が一致し て、これまでの助成金やボランテイア頼りではなく、造血幹細胞移植推進のための確固とした根拠法 の制定が喫緊の課題であることを確認した。 第 2 回検討会議 (2011 年 7 月 16 日 ) では、(5)臓器移植法案成立までの軌跡(大久保通方氏、日本臓 器移植ネットワーク専務理事)、(6)立法化に向けての方策、(7)立法化に向けてのさい帯血バンクの 動向、等について情報交換、議論され、次回の第3回検討会議では造血幹細胞移植法制定に向けての 具体的な戦略・戦術について検討することとなった。 第 3 回幹細胞移植法・幹細胞バンク検討会議は 2012 年 1 月 22 日に開催されたが、年末から大きな動 きがあり、厚労省臓器移植対策室長にもご陪席いただいた。会次第としては、(8)なぜ根拠法が必要 か(根拠法の長所・短所?)、 (9)2011 年 1 月 8 日開催の「さい帯血法整備推進プロジェクトチーム会 合(公明党) 」の内容紹介、 (10)幹細胞移植に関する根拠法制定に向けてー今後の取り組みー、等に ついて議論された。 これまでの検討会議を通じて、根拠法制定(法制化)には時間がかかること、忍耐も必要であるこ と、党派を超えたロビー活動が重要であること、などを学習してきたが、 (9)での hearing 内容なら びに直近の動きは衝撃的であり、我々の想像を超えるスピードで根拠法制定に向けての動きが活発化・ 具体化しつつあることが明らかとなった。まさに、民・官・学(学会、骨髄・さい帯血バンク、厚労 省、国会議員)が一体化したかたちで根拠法制定を一気呵成にやろうという機運が盛り上がっていた のである。 このような情勢の下、造血細胞移植学会としてすべきことは、造血幹細胞移植推進のための根拠法を 求める要望書を、必要な時に公表(提出)することであり、検討会議で要望書案作成を急ぐこととなっ た。 iv 平成 24 年 3 月 1 日 自・公合同造血幹細胞移植に関する勉強会(於参議院議員会館)において以下が 提出された。 平成 24 年 3 月吉日 ―造血幹細胞移植推進のための根拠法を求める要望書― 日本造血細胞移植学会 我が国の造血幹細胞移植療法、特に同種造血幹細胞(骨髄、末梢血、臍帯血、血縁、非血縁)移植 療法は血液難病や免疫不全症等の患者において、比較的高い確率で治癒と社会復帰をもたらしており、 又海外との比較においてもその成績は優れております。しかしながら、例えば移植片対宿主病(GVH 病)の制御等は未だ不完全であり、全体の 5 年生存率が 50%と言うところから見ても、未だ確立途上 の治療法であります。又、我が国の同種造血幹細胞移植療法の普及率は世界的にもトップクラスにあ りますが、本治療法に対する潜在需要と実施数の関係を様々な角度から推定するに、現段階で移植適 応とされる基準(血液難病・免疫不全症等、約 65 歳まで、化学療法等で治癒する可能性のある者を 除く)を満たす患者に限ってみても、実施率(供給率)は潜在需要の 60%であって、未だ普及途上 の治療法であります。更に骨髄、末梢血、臍帯血、血縁、非血縁移植にはそれぞれの特徴があり、最 適な幹細胞源から最適な時期に移植を実施することにより移植成績はさらに向上するものと思われま すが、現在の骨髄バンク、臍帯血バンクはこれらを実現するためには未だ不十分であります。 日本造血細胞移植学会は今後国民、社会の需要に応え、本治療法を完成させて行くとともに、将来 の新分野の発展に資するためには、本治療法に関わる国民的コンセンサスの形成、原資の確保、医療 行為の質量の担保等を盛り込み、同種造血幹細胞移植のみならず、自家造血幹細胞移植療法(悪性リ ンパ腫、多発性骨髄腫等に用いられている)も含めた造血幹細胞移植医療全ての社会的基盤を確立す るための、“造血幹細胞移植法”立法が今必要と考えます。 そして日本造血細胞移植学会はこの新法の中に 1.学会の行う患者・ドナー登録・フォローアップ事業等の公的支援・医療機関に対する同登録の 義務化、 2.造血幹細胞移植医療体制の整備(例えば、拠点としての役割を果たす移植病院の充実、専門医、 専門ナース・コメディカルの育成・充実等)、 3.造血幹細胞移植に関わる研究を振興するための体制整備(例えば、新薬、新技術導入における 迅速承認、対象疾患・年齢・造血幹細胞源の拡張等)、 4.バンク事業の、特に財政面の強化による、多様な造血幹細胞源の迅速かつ安定した供給 、 等を可能にする施策が明記されることを強く要望するものであります。 v JSHCT LETTER No.46 「健保改定に関する社保委員会からの報告」 社保委員会 委員長 小川 啓恭 当学会の社保委員会の委員長になって 2 年、本邦における造血幹細胞移植の経済的基盤を確かなも のにするとともに、移植医の業務軽減を実現するという極めて重要な任務を担っていると感じている。 本年 4 月からの保険点数の改正に向けて、厚労省の臓器移植対策室や保険局医療課の方々と会う機会 が多くなった。彼らと接してみて、厚労省の役人たちも、医療を良くしたいという熱い思いがあるこ とを知った。頭脳明晰で、論理性を重んじる傾向が強いが、必ずしも、臨床現場を熟知しているわけ ではない。保険点数の設定に関して、根拠を重視するが、短時間に多くの業務をこなす必要があるこ とから、時に、科学的論理性を欠いた決定 ( 点数設定 ) がなされる可能性があることを知った。 1. 今年度の保険点数改訂に向けての取り組み。 当学会からは、以下の 2 項目を要望した。 1)移植医療管理料(患者・ドナー) :移植施設が造血細胞移植コーディネーター(HCTC)を雇 用することにより、患者の移植、ドナーの幹細胞採取に対する管理料の算定を求めた。しかし、 HCTC に対する、厚労省を含めた一般的認知度が低く、また、我々も HCTC の存在の有用性を、 客観的な数字でもって示すことができず、当初の目的での管理料は認められなかった。それに代 わり、他職種が連携して、移植の特殊性に配慮した専門的な外来管理を行うことを目的に、 「移 植レシピエント管理料」 (月 300 点)が設定されることになった。算定には、学会が所定の研修 を開き、認定した専任の看護師の雇用を必要とする。 2)臍帯血移植の増点:同種骨髄移植、同種末梢血幹細胞移植なみに、増点されることになった。 移植施設と臍帯血バンクとの間の点数の配分は、非血縁骨髄移植に準じて、行われる見通しであ る。 2.無治療室管理加算の減点 本年 2 月 1 日の中医協総会の資料が、厚労省のホームページに発表されて初めて、無菌治療室管理 加算の減点が検討されていることが明らかになった。現行では、無菌治療室管理加算は、1 日 3,000 点で、条件として、クラス 10,000 の清浄度、無菌水の整備、前室の存在などである。改正後、無菌治 療室管理加算は、1(3,000 点)と 2(2,000 点)に分かれ、無菌治療室管理加算1の条件は、①個室、② 滅菌水の供給、③空気清浄度クラス 1,000、④室内の空気の流れが一方向であることになった。無菌 治療室管理加算 2 の条件は、①滅菌水の供給、②空気清浄度クラス 10,000 である。したがって、現在 の無菌室の条件では、1,000 点の減点となる。但し、この改訂には、1 年間の経過措置が設けられてい る。社保委員長として、前今村理事長、前小寺学会会長とともに、厚労省に働きかけ、1)無菌室の 清浄度を引き上げることは、造血幹細胞移植医療の世界的な流れと逆行していること、2)無菌治療 室管理加算が、移植医の技術料を反映した形になっていること、3)移植に関しては、従前通り、3,000 点の算定などを主張した。この文章作成の 3 月 3 日現在、厚労省からは、算定要件についての詳細な 説明は発表されていない。2 年後の保険点数の改訂に向けて、当学会としては、移植医の高い技術を 評価する「移植医技術料(仮)」を要望して行く予定である。 vi 一般社団法人日本造血細胞移植学会定款施行細則 第Ⅰ章 入会、休会及び退会 第1条(正会員、一般会員) 本法人に正会員、一般会員として入会しようとする者は、次の各号に掲げる者でなくてはならない。 1)造血細胞移植に関する知識と経験を有する医師。 2)造血細胞移植に関する知識と経験を有する研究者で、学士、修士または博士の称号を有する者。 3)造血細胞移植に関する知識と経験を有し、医療に関わる資格(看護師免許、診療放射線技師免許、臨床検査技師免許など) を有する者。 4)その他理事会によって前3号のいずれかに準ずると認められた者。 第2条(入会) 定款の規定に従い本法人に入会を希望する者は、別添の所定の入会申込書を提出し当該年度の会費を本法人が指定する口座 に振込まなければならない。 第3条(休会) 休会を希望する者は、別添の所定の休会届出書を提出しなければならない。ただし、既に納入した当該年度分の会費は返還 しない。 第4条(退会) 退会を希望する者は、別添の所定の退会届出書を提出し、会費を滞納している場合は完納しなければならない。 第Ⅱ章 会費 第5条(年会費) 本法人の年会費は次のとおりとする。ただし、名誉会員、功労会員は年会費の納入を必要としない。 1)評議員 18,000 円 2)正会員、一般会員 10,000 円 3)賛助会員 50,000 円以上 第Ⅲ章 理事の選任 第6条(理事の選任) 1.理事の定数は 20 名以内とする。ただし、定款第 11 条2項により理事を選任する場合は 21 名以内とする。 2.医師、看護師及びその他の医療従事者である評議員は理事候補者になることができる。 3.本法人の理事候補者になろうとするものは、理事評議員選任委員会が定めた期日までに、書留郵便によって、その旨を 理事評議員選任委員会に届けなければならない。 4.前項に定める届け出は、所定の用紙を用いて行い、理事候補者の氏名、専門科名、所属する施設名、生年月日、経歴、 所信、及び日本造血細胞移植学会への貢献度を記載しなければならない。 5.理事評議員選任委員会は専門科別に、理事候補者の氏名、専門科別、所属する施設名、生年月日、経歴及び所信を掲載 した選挙広報並びに書面投票に使用する投票用紙を評議員に配付する。評議員は、投票用紙を社員総会の 30 日前までに、 理事評議員選任委員会に郵送しなければならない。 6.理事の投票選出は書面投票によることとし、その結果について社員総会の承認を得る。 7.評議員が投票する数は3名とする。なお3年間連続して本学会への参加がない評議員は理事の選挙権を喪失する。 8.得票数の多い者から順に、各専門科別に、内科系3名、小児科系2名、基礎系1名、看護師およびその他の医療従事者 1 名、及び理事会枠 3 名を当選者とし、得票数が同数の場合には年令の高い者を当選とする。立候補者が定数に満たない 場合には理事会で選任し、社員総会の承認を得ることとする。専門科別人数の改定は投票前に理事会で決定し、社員総会 の承認を得ることとする。 9.理事会枠の選定には地域性、分野、および本学会データセンターへの造血細胞移植データの報告件数を考慮する。この 地域性については全国を 7 地域に区分して各地域から選出されるよう配慮し、分野については輸血部、検査科、外科系等 からも選出されるよう配慮し、本学会データセンターへの報告件数が 50 件を超えている施設からの選出を考慮する。 10.理事の任期は2年とする。 11.理事の投票選出は2年に一度、理事定員の半数の者について行う。投票で選出された理事は2期4年間理事を務めるこ ととし、1期目が終了する次の社員総会で信任決議を行い、法律上の選任決議とする。 12.理事に立候補する者は、選任される年の4月1日の時点で満 61 歳までの者とする。 13.理事に欠員が生じ、残りの任期が1年以上のときは、欠員となった理事の専門科で、前回の理事選挙における次点者を 繰り上げて補充する。この理事の任期は欠員となった理事の残りの任期とし、再任時の任期には算定しない。 第Ⅳ章 監事の選任 第7条(監事の選任) 1.監事の定数は3名以内とする。 2.監事の選任にあたっては評議員を被選挙人として理事選挙とは独立して選挙を行う。3.立候補は自薦とするが自薦に よる立候補者がない場合は理事評議員選任委員会が推薦する。 4.選出された監事候補者は、社員総会にて承認される。 5.監事の任期は4年とする。 6.第3項の推薦を受ける者は、選任される年の4月1日の時点で満 61 歳までの者とする。 7.監事に欠員が生じ、残りの任期が1年以上のときは、第2項、第3項、第4項、及び第6項の規定に倣い監事を補充する。 補充された監事の任期は欠員となった監事の残りの任期とし、定款第 13 条5項及び本条5項に規定する監事の任期には含 まれないものとする。 第Ⅴ章 理事長の選任 第8条(理事長の選任) 1.理事長は、本細則第6条の規定による理事の選任後に、旧理事と新理事による新旧理事会において、旧理事、新理事及 び理事経験者の中から選任される。 vii JSHCT LETTER No.46 2.理事長の立候補については、新旧理事会開催前のみならず、新旧理事会当日も受け付けるものとする。 3.立候補者が1人の場合は、新旧理事会において出席者の過半数の信任を得るものとする。 4.立候補者が複数の場合は、有効投票数の過半数を得た者とする。 5.初回の投票で過半数を得た者がいない場合は、得票数が上位2名の者を対象に再投票を行い、得票数の多い者とする。 ただし、得票数が同じ場合は、抽選により選任する。 第Ⅵ章 学会会長の選任 第9条(学会会長の選任) 1.理事会は、理事経験者の中から学会会長としてふさわしい者を推薦し、社員総会の決議を求めるものとする。 2.前項の推薦を受ける者は、人格や見識、これまでの研究成果、本法人に対する貢献などにかんがみ、学会会長として本 法人の発展に寄与することを期待できる者とする。 第Ⅶ章 学術総会会長の選任 第 10 条(学術総会会長の選任) 1.学術総会会長は評議員より選出することとし、公募(立候補、推薦)により受付、理事会で推薦、社員総会の承認を得る。 2.学術総会会長となることを希望する者(立候補)および推薦する者は、別に定める書式により、理事会宛に郵送(書留 郵便)にて届け出るものとする。 第Ⅷ章 評議員の選任 第 11 条(評議員候補の資格) 下記の資格を有する正会員は評議員候補者になることができる。 1)連続5年以上本法人の会員(正会員又は一般会員)で、会費を完納した者とする。ただし、選任される年の4月1日の 時点で満 61 歳までの者とする。 2)学術上の業績あるいは医療上の貢献が著しい者。 第 12 条(評議員の選任) 1.評議員の定数は正会員数の 12%を超えないものとする。 2.理事会はあらかじめ当該年度の選任評議員数を決定し、理事長が理事評議員選任委員会に報告する。 3.評議員となることを希望する者(評議員候補者)は、別に定める書式により、社員総会の5ヶ月前から3ヶ月前までの 期間に理事評議員選任委員会委員長あてに郵送(書留郵便)にて届け出るものとする。理事評議員選任委員会は評議員候 補者が被選挙権の有権者であることを確認する。 4.理事評議員選任委員会は定時社員総会の1ヶ月前までに選任会議を開催し、評議員を選任する。研究業績、医療業績、 コメディカル業績の3分野別に客観的に公平に評議員を選任する。専門性、地域性などの学会運営上の必要性、及び本学 会データセンターへの移植データ報告件数も考慮する。選任基準は公開とする。 5.社員総会時の理事会、社員総会で選任評議員の承認を得る。 第Ⅸ章 委員会 第 13 条 1.本法人に下記の委員会を設置する。各種委員会の委員長は理事が担当し(前年度総会会長が委員長に就任する場合はこ の限りではない。) 、委員および委員長は理事会が選出するものとする。役職(総会会長職など)による委員以外の委員に ついては、原則として同時に2つまでとする。 1)理事評議員選任委員会 2)倫理審査委員会 3)社保委員会 4)ガイドライン委員会 5)臨床研究委員会 6)看護部会 7)編集委員会 8)在り方委員会 9)ドナー委員会 10)認定・専門医制度委員会 11)国際委員会 12)造血細胞移植コーディネーター委員会 13)造血細胞移植登録一元管理委員会 2.各委員会の組織、任務等の詳細は別に定める。 第Ⅹ章 改正 第 14 条(改正) 本施行細則は、理事会及び社員総会の議決によって変更又は廃止することができる。 附則 1.本施行細則は平成 18 年3月 24 日より施行する。 2.本細則施行日現在任意団体日本造血細胞移植学会(日本造血細胞移植推進機構に改称)に在会する会員は、本法人に入 会したものとみなす。これらの会員は、本法人における会員の種別を本法人に届け出るものとする。 3.本細則施行日現在の任意団体日本造血細胞移植学会(日本造血細胞移植推進機構に改称)の評議員は、本法人の 14 条の 評議員とみなす。 4.本施行細則は平成 19 年2月 15 日に改定された。 5.本施行細則は平成 20 年6月7日に改定された。 6.本施行細則は平成 21 年2月4日に改定された 7.本施行細則は平成 22 年2月 18 日に改定された。 8.本施行細則は平成 23 年3月8日に改定された。 9.本施行細則は平成 23 年7月 28 日に改定された。 10.本施行細則は平成 24 年2月 23 日に改定された。 viii 第 34 回日本造血細胞移植学会総会 移植看護グループミーティング報告 看護部会副委員長 高坂久美子 (名古屋第一赤十字病院 医療安全推進室) 日本造血細胞移植学会看護部会は、移植看護の質向上のために移植看護ラダーの作成や、教育資料の作成、 総会での看護教育セミナー・ワークショップの企画運営等を行っています。しかし、近年大きな会場では十 分な質疑応答ができない現状でした。一方、造血細胞移植実施施設の増加にともない、日々の看護実践に困っ ている施設も多く、施設見学や施設への問い合わせ等で解決を図ろうとご苦労されていることが伺えました。 そこで今回は、学会総会で 12 年ぶりにグループミーティングを開催しました。 参加者が、日々の看護実践に役立てるための情報共有と問題解決の糸口をつかむことができることをねら いとしました。2日間同じテーマとし、学会場で1テーマ 16 名の定員で参加登録してもらい 50 分間ファシ リテーターが進行しました。テーマは①小児看護②口腔ケア③家族看護④ GVHD ⑤退院後のフォロー⑥患者 教育⑦看護倫理⑧看護師教育⑨感染看護としました。2日間の参加人数は 190 名でした。退院後フォローは 診療報酬改訂にともない、情報を求める方が多く定員一杯となりました。看護師教育への参加者も多く、新 人の教育や異動してくる看護師の教育に日々のご苦労がうかがえました。看護部会作成のラダーの紹介や、 ラダーを使って実際教育をしている施設の情報交換等できました。家族看護や看護倫理の参加人数は少な かったのですが、自施設で十分にディスカッションができない事が他施設の方と話し合う機会ができ問題解 決の糸口をつかむことができたようです。その他のテーマも日頃の看護実践で困っていることの情報交換が できました。 参加者のアンケートでは情報の共有を 96%の人ができたまたはほぼできたと回答していました。問題解決 の糸口をつかめたかの問いには 87%の人ができたまたはほぼできたと回答していました。情報共有に比べ、 問題解決の糸口をつかめた方が少なかったのは、参加者施設の移植開始時期や移植の種類等多様であるため 問題が多岐にわたり、解決したい問題が多いのに反して時間が少なかったためと思われます。時間不足では ありましたが、同じ問題を抱え語り合える機会となったことや、新たな情報を得る機会となり参加者の多く が、次回開催を強く希望していました。ファシリテーターは、事前に検討したい事項がわかっていればより 有意義な機会となったのではないかとの意見が多くありました。 看護部会は、学会総会が、日頃の看護研究や実践報告の機会となると同時にスキルアップの学びの機会と なることを願っています。次回総会でのグループミーティングの運営方法を再検討しさらに充実した学会総 会となるようにしてまいります。現在看護部会は、この他に移植ラダーをもとに実践能力向上のための、移 植看護のテキストを作成中です。移植看護の質の向上のために様々な情報を、学会を通じて発信してまいり ます。是非、学会員となり最新の情報を得て日頃の看護に役立ててください。 私の選んだ重要論文 宮城県立こども病院 血液腫瘍科 今泉 益栄 白血病治療の臨床では、初めに効いた抗がん剤治療や分子標的療法が徐々に効かなくなることはしばしば経験し ます。この様な治療耐性の獲得のメカニズムはゲノム不安定性を有する腫瘍細胞が生み出す様々変異クローンの中 で偶々薬剤耐性を獲得したクローンが治療薬存在下で growth advantage を得て選択的に増えると理解されていま す。このゲノム変異による腫瘍細胞の薬剤耐性モデルが、細胞移植の免疫療法において、さらにはがん以外の血液 疾患の病態においても重要であることを示した論文を紹介します。 Vago et al. の研究は、HLA 半合致移植後に再発した AML/MDS 17 例中 5 例(29%)において、再発時の白血病細 胞が患者特異的(= 患者・ドナー間不一致)HLA アレルを欠失していることを報告しました。この患者特異的 HLA アレル欠失は染色体 6p 領域の片親性ダイソミー(uniparental disomy, UPD)変異を獲得した白血病クローンがドナー T 細胞の攻撃を回避し再発したもので、in vitro 細胞障害試験でも確認されました。最近は GVHD 治療薬の開発など で難治性白血病治療の一選択肢として期待される HLA 半合致移植ですが、薬剤耐性と類似した分子メカニズムが移 植後再発に関与することが明らかにされました。 さらに、Katagiri et al. の研究は、再生不良性貧血(再貧)患者 306 例中 28 例の血液細胞で HLA アリル欠失が存在 することを明らかにしたものです。血液細胞の HLA アリル欠失は再発白血病細胞の染色体 6p 領域 UPD 変異と類似 ix JSHCT LETTER No.46 していますが、相違点が重要です。すなはち、再貧患者の HLA アリル欠失を有する細胞は白血病ではないこと、同 一 患 者 で も 6p 領 域 の UPD 切 断 点 が 複 数 あ り ク ロ ー ン 性 変 異 で は な い こ と、T 細 胞 の HLA 発 現 が 正 常 な heterozygosity を保ちつつ T 細胞以外の細胞(G、M、B、CD34+ 細胞)に HLA アリル欠失が検出されること等。特 に重要なことは、再貧患者に高頻度に認められる欠失アリル(HLA―A02:01, A02:06, A31:01, B40:02)が、対照群(再 貧以外の JMDP 登録患者 6,206 例)のアリル頻度より有意に高く、これら特定 class I HLA で提示される抗原が標的 となって再貧が発症する可能性が示されたことです。この論文は、再貧の自己 T 細胞による造血幹細胞攻撃の分子 メカニズム解明の端緒となるものです。 小児科領域では特定染色体 UPD 変異による先天異常(プラダー・ウィリー症候群など)が知られていますが、体 細胞レベルの獲得性 UPD 変異が血液疾患の病態に深く関与している発見は大変興味深いものと考えます。 1.Vago L, et al. Loss of mismatched HLA in leukemia after stem-cell transplantation. N Engl J Med.361 : 478― 88, 2009. 2.Katagiri T, et al. Frequent loss of HLA alleles associated with copy number-neutral 6pLOH in acquired aplastic anemia. Blood. 118 (25) : 6601―9, 2011. 施設紹介 東北大学未来医工学治療開発センター 臨床応用部門 伊藤 経夫 未来医工学治療開発センター(以下 TR センター)は、 東北大学のトランスレーショナルリサーチ(以下 TR)を支 援する組織として 2008 年に開所いたしました。組織は6部 門で構成されています。 1)前臨床応用部門:学内基礎研究の中で支援すべき開 発シーズを育成しています。2)シーズ探索・知財創出部門: 企業の有望なシーズを発掘して、本センターの利用を推進 する。また、知財の申請・支援を行います。3)審査・評 価部門:シーズの受入、選定を行いシーズ評価委員会(支 援シーズの選定)で承認されるまでのサポートを行います。 承認された開発シーズを目標達成まで管理・支援を行いま す。4)検証・情報部門:臨床研究の信頼性を保証する品 質管理を行っています。実際には、データセンターを運営して臨床試験の実施計画書・CRF の作成や、患者登録・ 割り付け、進捗確認、モニタリング、データの解析等を行います。5)臨床応用部門:臨床試験の実施を支援し、 試験物製造のための細胞プロセッシングセンター(以下 CPC)を運用しています。CPC の環境整備および作業者の GMP 教育も実施しています。7)教育/人材育成部門:医学系研究科大学院に TR コースを開設し、若手人材の育 成を行っています。講義は、商品開発・事業化の実際、製剤製造・臨床試験管理等、将来 TR 目指す人材の育成を行っ ています。 施設は 5 階建て建屋の 2-5 階部分(約 4000m2)であり、4-5 階は研究者のオフィスや実験室を設置しました。3 階は 検証・情報部門のデータセンターを設置し、さらに実験スペースとして共用実験室を配置し、研究者が共同で使用 出来る実験機器を装備しました。研究テーマの垣根を越えて研究者が交流出来る環境を整えました。さらに、各種 セミナー・ミーティングが行えるようセミナー室を設けました。こちらは、稼働間仕切りで 2 室に独立出来る構造に しました。2 階には各部門のオフィスと CPC を設置しました。 CPC は総面積 431 m2 あり再生医療エリアと先進医療エリアに分かれており、細胞調製室を 4 室、製造に必要な薬 剤を調合する調製準備室も別途装備しました。また、資材・薬品を保管する原材料保管室も 2 室設置しました。CPC の環境管理を行うため環境モニタリングシステム(温度・湿度・差圧・清浄度・製造に使用する機器の諸条件監視) を導入して管理を行っています。CPC の各部屋および安全キャビネット内にモニターカメラを設置して作業の安全 確認を行っています。作業工程は、工程管理システムを導入し指図書の確認や作業の記録をペーパーレスで行える ようにしました。現在 CPC を利用しているシーズは、「自家培養口腔粘膜上皮シート移植法の多施設共同臨床試験」 と先進医療の「インスリン依存状態糖尿病の治療としての心停止ドナー膵島移植」が稼働中です。当 CPC を利用す ることにより、治験薬 GMP に沿った細胞・再生医療製剤の製造が可能となります。 当 TR センターは大学内のシーズのみならず、学外の臨床試験も支援しております。皆様の公募を心よりお待ちし ております。 x 疲弊する地方医療 ある田舎の医者の一日 独立行政法人国立病院機構米子医療センター 幹細胞移植センター 但馬 史人 午前 7 時。病棟の回診が始まる。まずは移植後 20 日の 68 歳男性。生着して皮膚に軽い GVHD がある程だが、 せん妄出現。 クリーンルームを出てリハビリに専念する。医師 1 人に対し、入院患者 20 人強。人口 10 万の地方都市相応の医師・患者 数だろうか。8 時 30 分。外来開始。救急車で内科に運ばれてきた 90 歳の男性。白血球 20 万のため紹介。患者のご家族に 説明するも、昨日まで元気でしたと化学療法を希望。果たして正しい医療かどうかを判断しようにも、家族の姿はすで にない。午後、病室を訪ねると、整形外科と理学療法士の先生の往診中。入院した日からリハビリテーションは開始さ れる。移植患者も同様。当院での移植患者の年齢中央値は 59 歳。リハビリは、何よりもまず優先される。検査、処置が ひと段落すると、準夜、深夜の時間帯。看護師さんの正念場となる。なぜなら 10:1 看護体制のため1病棟 55 床の内、 血液 24 床に対し1人、逆サイドは消化器 31 床に対し1人の合わせて 2 人勤務。本日から骨髄移植のための ivBU の前処置 開始。勤務時間外の抗がん剤のミキシングについて BU などの特殊な薬剤は主治医、その他は看護師の仕事と決められて いる。6 時間ごと 4 日間の過酷な勤務。加えて明日はバンクの骨髄採取。熟練した麻酔科医のためか、患者さんは、夕方 には退院を希望する。その 3 日後には今前処置を行っている患者さんの骨髄を取りに行く。当院では、主治医が万感の思 いを込めて骨髄の運搬に当たる。 気づいてみれば 50 歳過ぎ。認定医、専門医。そんなもの取る暇もなく、暫定なんとかはプライドが許さない。主治医 として 100 例以上の移植をやり、100 例以上の採取をした。合間も見て研究・留学に没頭した。若者は、都会で涼しい顔。 起承転結、自己完結型地方医療は流行らない。しかし、1 人で 20 人の入院患者、300 人の外来患者を見る田舎と、5 人が かりで 1 人の患者を診る都会でも生存率は変わらない。さらに僕達の宝は、医療スタッフ。ご飯がまずいと言った患者も ある日おいしいと言う。どう見てもメニューは同じだが、栄養士の先生と面談。先生の一言はミシュラン 5 つ星。汗水た らして走り回る看護スタッフには頭が下がる。抗がん剤の説明をしようと思ったら、すでに薬剤師の先生に聞きました。 みんな一丸となって頑張る。参加自由のカンファレンスは週 1 回病棟 15 分、外来 15 分。月 1 回約 1 時間の移植カンファレ ンス。チーム医療の大切さなんて言ってる暇などない。 でも、残念だが、ここで幕。こんな血液病棟支えられない、人を増やせはもっての外、5 年たって病棟新築もできるほ ど稼いだから。と言うのが病院の理論。300 人の患者さんたちは路頭に迷う。ところがどっこい、不死身の地方は死なな い。どこかでやるぞ絶対に。みなさんもこんなスリル、味わってみませんか。 各種委員会からのお知らせ 【造血細胞移植登録一元管理委員会】 今年もワーキンググループの新メンバーを募集いたします。奮ってご参加下さい。 ただし、メンバーには資格条件がありますので、本学会 HP の「ワーキンググループ(WG)」ページより「WG 運営細 則」・ 「WG 新規メンバー公募案内」をご確認ください。また、会員歴が不足する若手研究者の 2015 年までの特例措置も ございますので、こちらも併せてご確認下さい。 現在参加中の WG を異動したい場合は、本学会 HP の同ページ内「WG 異動申請案内」をご確認の上、申請をして下さい。 【WG 新規メンバー応募方法】 本学会 HP より申請フォームにて応募 ●申込期限 2012 年 5 月 31 日(木)締切 【WG 異動申請方法】 異動申請書を学会データセンター宛てにメールにて送付 ●申込期限 2012 年 5 月 31 日(木)締切 ● E-mail 送信先 [email protected] ※書類に不備がある場合には、申請を受理できない場合があります。 【倫理審査委員会】 文部科学省は、2002 年に企業との共同研究や技術移転に関わる研究者の申告をもとに利益相反の問題を適切に管理す る仕組みを作るように各大学に求めている。本学会の事業実施においても、会員に対して利益相反に関する指針を明確 に示し、産学連携による重要な研究・開発の公正さを確保した上で、臨床研究を積極的に推進することが重要と考えら れる。 本倫理審査委員会では、本学会の利益相反に関する指針の策定を進めて参りましたが、この度、指針、細則、規程を 作成し、学会ホームページに掲載致しました。これに基づいて、第 34 回総会より、発表時に COI の自己申告を行って頂 きました。本学会誌に掲載される論文におきましても、同様に COI の開示が必要となります。会員の皆様のご協力をお 願い申し上げます。 ・平成 24 年度年会費について 近日中に平成 24 年度年会費請求書をお送りいたします。お早目にお支払いいただきますようお願い致します。 尚、お振込みにあたりましては、お名前、会員番号、ご勤務先をお書き添えください。 ・会員メーリングリストについて 会員メーリングリストにご参加ください。登録されているメールアドレスの変更がございましたら、事務局まで必ず メールにてお知らせください。 【事務局より】 xi