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算 数 科 学 習 指 導 案 1 日 時 2 学年・組 3 場 所 4 単 元 名 5 単元

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算 数 科 学 習 指 導 案 1 日 時 2 学年・組 3 場 所 4 単 元 名 5 単元
算 数 科 学 習 指 導 案
指導者 佐和田 文
1 日 時 平成 27 年 10 月 30 日(金)第5校時
2 学年・組 第3学年1組 (男子 22 名 女子 18 名 計 40 名)
3 場 所 3年1組 教室
4 単 元 名 小数
5 単元について
○ 本単元は,学習指導要領第3学年の内容 A【数と計算】(5)「小数の意味や表し方について理解で
きるようにする。」に示されている指導事項である。端数部分の大きさを表すのに 1/10 の位の小数
を用いること,1/10 の位までの小数の加法及び減法の意味と計算の仕方を考え,それらの計算がで
きるようにすることが主なねらいである。
児童はこれまで,端数部分の量の表し方について,物差しの目盛りで1cm を 10 等分すると 1mm
であること(長さ),1L を 10 等分すると 1dL であること(かさ)を学習してきている。本単元では,
1 を 10 等分して 0.1 という単位を使って,大小や順序を調べたり数直線上に表したりした後,加減計
算ができるようにしていく。
1/10 の位までの小数の加減計算では,図や数直線をもとに表現したり説明したりすることを通し
て, 0.1 を単位としてその何こ分で考えれば,整数と同じように計算できるという単位の考えを味わ
う機会とすることができる。
○ 本学級の児童は,算数アンケートの「友だちの考えを聞き,みんなで考えると問題のとき方がよく
分かります」という項目において 97%の児童が肯定的な回答をしている。多くの児童が,共同解決に
より理解が深まると感じている。肯定的回答が低い項目は,「後から見ても分かりやすいようにと考え
ながらノートを書いている」が 22%であった。書くことに抵抗がある児童がおり,個人差が大きい実
態がある。1 学期は,ノートの取り方を繰り返し指導した。自分の考えを書く時間を十分取るように
し,早く書けた児童には,ノートの工夫をするように呼びかけている。また,自分の考えを友だち同
士で伝え合う活動をどの教科でも積極的に取り入れている。
本単元の学習にあたり,既習の考え方を問うプレテストを行った。
【テスト内容】
(1)長さの計算 (cm mm)
(2)かさの計算 (L dL)
(3)何十,何百,何千の計算
【テスト結果】
長さやかさの繰り上がり繰り下がり計算でつまずいている児童が約 20%いた。10mm になったら
1cm へ繰り上がったり 1L を 10dL にして引いたりする計算で間違いが多かった。繰り上がり繰り下
がりに苦手意識があり,根拠のない数字を書いている。
かさについては,1L=10dL ということが定着していない児童が 14%いた。日常生活でよく使う,
1L=1000mL や 1dL=100mL と混じっているようである。10mm が 1cm の 1/10,1L が 10dL の
1/10 の単位であることに着目することは本時の学習の基本となるので,事前に既習事項を復習して
おく必要がある。
また,何十,何百の計算では,位が大きくなればなるほど誤答が多くなっている。30+20,70-30
のような十のまとまりを使う計算ではほとんどまちがえがないが,800+200,4000-1000 のような
指導案-15
計算では 10~15%の児童が 0 の数や計算を間違っている。100 や 1000 のまとまりをとらえきれてな
く,0 の数をかけばよいとだけ意識して問題を解いており,整数の仕組みが定着していない実態が明
らかになった。2学期単元の「大きい数のしくみ」や「かけ算の筆算」で数のまとまりや位について
指導する必要がある。
○ 指導にあたっては,次の5点に留意しながら,指導を進めていく。
・ 自ら課題を設定し,主体的に関わろうとする態度の育成
小数は,児童の身の回りに多くある。わたしたちも知らず知らずのうちに体育や身体測定などで
使っている。単元の導入で,身の回りで見聞きした小数を出し合い,どういう意味なのか予想させ
て,学習を進めていきたい。小数の計算も,まず今までの学習をどう使ったらできるか考えさせた
い。
・ 自分の考えの図式化
自力解決において,液量図や数直線などを印刷したワークシートを配り,式と結びつけながら自
分の考えの道すじをまとめさせるようにする。
・ 考え方のよさを明確にする共同解決
共同解決では,L を dL になおしたり,数直線や位で表したりするなど既習のいろいろな方法で
小数を表現させ,もとにするものを決めれば,整数と同じように計算できるということに気づかせ
たい。
・ 考え方のよさを試す場づくり
適用問題では,学んだ方法を自分で試すことにより,小数で表す便利さや整数での学びが生かせ
ることを実感させたい。もとにする量を決めれば整数のように数えたり計算したりできることに気
づかせ,もっといろいろな問題をやってみようとする意欲につなげたい。
・ 考え方のよさに視点を当てた振り返り
振り返りでは,0.1 をもとにした計算のよさやこの考えが,これからの算数や生活で使えるかど
うかという視点で,自分の言葉でまとめさせる。
6 単元の系統
第2学年
【長さのたんい】
●1cmに満たない長さをmmを使
って表すこと
【水のかさのたんい】
●1L=10dL の関係)
【分数】
●2 分の 1,4 分の 1 などの簡単な分
数
第3学年
【小数】
●単位量に満たない端数部分の大
きさを小数を用いて表すこと(小
数第一位)
●整数と小数の区別
●小数の構成,大小比較
●小数の加減計算とその筆算
【分数】
●単位量に満たない端数部分の大
きさを分数を用いて表すこと
●同分母分数の加減計算
7 単元の目標
小数の意味や表し方について理解し,小数の加減計算ができる。
指導案-16
第4年
【小数のしくみ】
●小数の拡張(1/100 の位,1/
1000 の位)
●小数の加減計算とその筆算
【小数のかけ算とわり算】
●小数÷整数の計算
(整数÷整数=小数を含む)
【分数】
●単位量に満たない端数部分の大
きさを分数を用いて表すこと
●大きさの等しい分数
●帯分数を含む同分母分数の加減
計算
8 単元の評価規準
○ 小数を用いると整数で表せない端数部分の大きさを表せるよさに気付き,小数を生活や学習に用い
ようとしている。【関心・意欲・態度】
○ 小数は,整数十進位取り記数法を拡張していることをとらえ,小数の仕組みや構成,加減計算の仕
方を考え,表現している。【数学的な考え方】
○ 端数部分の大きさを,小数を使って表したり 1/10 の位までの小数の加減計算をしたりすることが
できる。【技能】
○ 小数が用いられる場合や小数の仕組みについて知り,小数の意味や 1/10 の位まで小数の加減計算
の意味や計算の仕方について理解している。【知識・理解】
9 指導と評価の計画(12
指導と評価の計画(12 時間)
評価の重点
小単元
主な学習内容
関 考 技 知
中心となる評価規準
・身の回りにある小数に関心をもち小
はし ・身の回りにある小数表示のものを話
数が用いられる場合について考えよ
題として取り上げ,自由に話し合う。 ○
たの ・整数で表せない体積の端数部分の大
◎ うとしている。
・1L を 10 等分する端数部分の体積の
大き きさを表す。
表し方を理解している。
さの ・整数で表せない体積の端数部分の大
・端数部分を 1/10 の大きさを用いて
◎
表す方法を考えている。
表し きさを表す。
・長さについて小数で表すことができ
方( ・長さ(cm)の場合も小数を用いて
◎
表す。
る。
4)
・小数を数直線と関連づけて,数直線
・数直線に表された小数を読んだり,
◎ 上の小数の読み方,表し方を理解し
数直線に小数を表したりする。
ている。
しく 小数
・小数の各位の数字は,それぞれ 100,
◎ 10,1,0.1 などの単位の個数を示し
み( の ・小数の仕組みを調べる。
ていることを理解している。
2)
・小数の大小関係を考える。
◎ ・小数の大小関係を理解している。
たし 小数
・小数の加法計算の仕方を,0.1 の何こ
・小数第一位どうしの小数の加法の計
◎
分とみることで既習の整数の計算に
算と の 算の仕方を考える。(本時 7/12)
帰着して考え,説明している。
ひき
・小数第一位同士の減法の計算を,加
◎
算( ・小数第一位どうしの小数の減法の計
算の仕方を考える。
法と同様に考えて計算できる。
3) ・小数第一位までの小数の加減法の筆
・小数第一位までの加減法の筆算がで
◎
算の仕方を考える。
きる。
表し い 小数
・整数の見方をつかって,小数の仕組
方( ろい の ・整数の見方をもとにして,小数につ
みをもとに,数直線や式を用いて,
いても,いろいろな見方や表し方を
◎
1) ろな
2.8 の多様な見方について考え,表現
考える。
している。
まと
・学習内容を適用して,問題を解くこ
◎
とができる。
め( 学習内容を適用して問題を解く。
・学習内容の定着状況を振り返って,
2) ・単元全体を振り返ると共に,学習内
容の定着を確認し,理解を確実にす ◎
○ 以後の生活や学習に生かそうとして
いる。
る。
・基本的な学習内容を身につけている。
指導案-17
10 本単元でつかませたい数学的なよさ
・小数の有用性(端数を表現できる)
・十進位取り記数法の発展性(小数の位)
・0.1 を単位とした整数化の考えの一般性
を単位とした整数化の考えの一般性(小数の加減計算)
一般性(小数の加減計算)
11 本時の目標
小数の加法の計算で,小数を 0.1 の何こ分とみることで整数のように計算できると考えて説明し,
そのよさに気付くことができる。
※目標を達成した児童の具体的な姿
小数第一位どうし
小数第一位どうしのたし算で
どうしのたし算で,
のたし算で,0.1 を単位として整数化して考えて計算し,そのよさ(
を単位として整数化して考えて計算し,そのよさ(一般性
化して考えて計算し,そのよさ(一般性)
一般性)に
気付いている。
12 本時の授業づくりの焦点
本時の授業づくりの焦点(考えをつなげ
授業づくりの焦点(考えをつなげ,
(考えをつなげ,よさを明らかにするために)
(1) 既習事項を本時の学びにつなげる自力解決までの工夫
①第2学年で学習した,長さ,かさの考え方をもとに学習を進めるのでプレテストで実態を確認し,
必要に応じて既習を復習しておく。
②ただ形式的に計算する方法を学ぶのではなく,もとになる量をおさえるために具体的なかさや長さ
を提示し,単位小数(0.1)を意識しながら説明させる。
③児童自ら計算方法を見つけさせるために,本時の問題は,今までと何が違うのか,どうすればでき
るのかを確認して自力解決に取り組ませる。前時と 2 年までの既習内容を掲示しておき,使えそう
な考え,似ている考えはないか問いかけ,考えさせる。
考えのよさを味わわせる((本時の学びを今後につなげる
本時の学びを今後につなげる))共同解決からの工夫
(2) 考えのよさを味わわせる
①よさを明らかにする比較・検討のシミュレーション(「本時の展開4」参照)
<比較・検討のための発問>
○類似点を問う(
○類似点を問う(発問ⅰ)
発問ⅰ)
○よさを問う((発問ⅱ
発問ⅱ))
○よさを問う
②適用問題で,さらなる計算の可能性を試行
整数化の考え方を使うと,繰り上がりやひき算,筆算など今までやってきた計算が小数でもでき
そうだということを実感させる。その際,0.1 が 10 こで 1 になるという小数の基本事項を間違える
と答えが 10 倍になってしまうことにも気づかせ,答えの確認をさせたい。
③よさを構築する振り返り
本時の考え方は,今まで学習した数の位取りや 2000+5000 や 200×3 など大きな数の計算で用い
てきた考えとつながっていること,算数では学習したことが既習事項として使えたり生活の中でも
生かせたりすることに少しずつ気づかせていきたい。
(3) ユニバーサルデザインの授業づくりの工夫
①学習環境
・既習事項を掲示していき,考える手がかりにする。
②視覚化
・量感を実感させるために,長さやかさを図で表す。
指導案-18
13 本時の展開
主な学習活動と予想される児童の反応
指導上の留意点と評価
1 問題を把握し,本時の課題を設定する。
問題を把握し,本時の課題を設定する。
ジュースが大きいビンに 0.5L,小さいビンに 0.3L 入っています。 ・問題場面の状況や「あわせて」
からたし算であることをおさ
あわせて何 L ありますか。
える。
しき 0.5 + 0.3
・液量図を示す。
(1) 問題を読み,問題場面を把 ・
「あわせて」だから たし算かな。 ・今までの学習との違いを明確
握する。
・0.5 や 0.3 をたせるかな。
にし,本時で何を学ぶのか意
識させる。
2 めあてをつかんで,見通しをもつ。
めあてをつかんで,見通しをもつ。
+ の計算のし方を考え,せつ明しよう。
(1) 答えを予想する。
・0.8 だと思う。
・1 より大きくはならない。
・8 かもしれない。
0.5 0.3
・答えを予想し,計算の見通し
をもたせる。
・小数どうしのたし算は,はじ
めて出てきたのでどうやった
らよいか,そのわけを考える
ことを確認する。
3 自分で解決する。
自分で解決する。
(1)
問題を図式化し,答えを出
し,理由をノートに書く。
① dL に直す
1L ますで見ると
0.5L は 5dL 0.3L は 3dL
だから 5+3=8
答え 8dL = 0.8L
② 0.1L の何こ分
0.5L は 0.1L が 5 こ分
0.3L は 0.1L が 3 こ分
5+3=8
0.1L が 8 こ分だから
答え 0.8L
(1)考えを理解し合う。
③ 数直線
0
1L
に 0.6 0.7 0.8 と数えたす。
5 目もり+3 目もり
答え 0.8L
0.5
指導案-19
・液量図のワークシートを配り
手がかりにさせる。
・前時までのノートや掲示を見
て考える手がかりとさせる。
評価
・0.5+0.3 の計算の仕方を既習
の図,式を使って説明してい
る。(ワークシート)
④ ドット図
0.1 が5こ
一の位
0.1 が3こ
答え 0.8 こ
小数第一位
⑤ 「0.」をとって
5+3=8 をすればできる。
8を 0.8 にする。
答え 0.8L
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1 が 5こ+3こ
4 みんなで解決する。
みんなで解決する。
考えを発表して理解し合 (予想される反応は前項の通り) ・既習の何を使って考えている
う。
のかを明らかにし,図と式を
対応させ説明させる。
(2) 考えを比較しながらそれぞ
・主体的に聞いたり理解したり
れの考えのよさを明らかに
する児童を育成するために,
する。
1人の考えを他者に説明させ
る。
よさを明らかにする比較・検討のシミュレーション
発問ⅰ 考えの似ていることは何でしょう。
C1 ①②③は,1L を 10 等分している。
C2 ①と②と④は,けっきょく 5+3 をしている所です。
C3 ③も数えたししています。5 に 6,7,8 で 5+3 と同じです。
C4 1 年生で習った 5+3 が使えます。
C5 ②④は 0.1 を 1 つと考えています。
発問ⅱ それぞれの考えのよさは何でしょう。
C1 5+3 なら,まちがえないし,かんたんにできます。
C2 ①は,ジュースが入れ物にどのくらいあるか分かりやすい。
C3 ③は,どれだけふえるか分かりやすい。まだまだずっとのばしていける。
C4 ②は,小数点をなしにして,たし算したらいい。⑤といっしょ
C5 ⑤は,やり方です。
(1)
5 まとめをする。
まとめをする。
+ の計算から,小数 ・0.1 の数で考えれば5+3だ。 ・「0.1 の( )こ分」を使える
のたし算の計算について類 ・0.1 の数が8こで 0.8 になります。 かぎとして確認する。
推してまとめる。
・他の小数の場合でも同じように
考えればよい。
(1) 0.5 0.3
小数のたし算は,0.1 の何こ分かと考えれば,整数のたし算を使うことができる。
指導案-20
6 確かめを行い,つかみとったよさを活用する。
確かめを行い,つかみとったよさを活用する。
・①では,0.1 の何こ分で考えれ
ば,3+4 が使えることを確か
める。
・3+4 でできるね。
・0.1 が 7 こということだね。 ・②については,0.1 が 10 こで
・かんたんだね。
1 になる理由を説明させる。
(2) ペアで説明し合う。
評価
・8+2 は,10 だけど,答えはどう ・学びとったよさを根拠にして,
なるのかな。
問題を解いている。
(3) 考えを発表し,全体で答え
を確かめる。
・入れ物の図にかくといっぱいにな
(ノート)
るね。
(1)
適用問題を解く。
① 0.3+0.4
② 0.8+0.2
7 ふり返りをする。
ふり返りをする。
ふり返りをノートに書く。 ・整数と同じようにしたら小数は,
簡単に計算できる。
・今日の考え方でひき算もできる
んじゃないかな。
・小数の筆算もあるのかな。
(2) 次時の学習課題を考える。 ・泳いだ長さや身長もたし算でき
る。
(1)
14 板書計画
10
30
問題
めあて
自分で
みんなで
・これから算数や生活でどん
なことに使えそうかを考えて
書く。
・次時の課題に係る発問をして
おき,主体的に関わろうとす
る態度を育てる。
小数
まとめ
ジュースが大きいビンに 0.5L,
小さいビンに 0.3L 入っています。
あわせて何 L ありますか。
しき 0.5 + 0.3
+ の計算のし方を考え,
せつ明しよう。
0.5 0.3
① dL に直す
1L ますで見ると
5dL + 3dL = 8dL
答え 8dL
+ = L
0.5L 0.3L 0.8
③ 数直線
に 0.6 0,7 0.8 とた
していく。 答え 0.8L
0.5
② 0.1 の何こ分
は 0.1L が 5 こ分
0.3L は 3 こ分
5 こ分+3 こ分=8 こ分
0.1L が 8 こ分
答え 0.8L
0.5L
⑤「0.」をとって
5+3=8 をすれば
できる。
8を 0.8 にする。
答え 0.8L
④ ドット図
0.1 が5こ 0.1 が3こ
5こ+3こ
○○○○○
○○○
答え 0.8L
指導案-21
たしかめ
ふり返り
小数のたし算は,
0.1 の何こ分かと考
えれば,整数のたし
算を使うことがで
きる。
①
②
+
0.8+0.2
0.3 0.4
Fly UP