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痙攣とは?! 不随意かつ急激な筋肉の収縮をいいます。 痙攣には、全身
よくあるシリーズ⑥ け い れ ん 痙攣とは?! 不随意かつ急激な筋肉の収縮をいいます。 痙攣には、全身に起こる全身性けいれんと、体の一部の筋肉に限局して起こる局所性けいれ んがあります。 また、全身性けいれんは症状にあわせて2つに分けられます。 ① 強直性けいれん:異常な筋肉の収縮が長時間続き、筋肉が突っ張ったりこわばったりした 状態。 ② 間代性けいれん:四肢や体幹の拮抗筋(伸展させる筋肉と屈曲させる筋肉)が交互に 収縮と弛緩を反復し、四肢をばたつかせたりする状態。 てんかんとは?? 種々の成因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な発射に 由来する反復性の発作を特徴とします。 大脳の神経細胞(ニューロン)は規則正しいリズムでお互いに調和を保ちながら電気的に 活動しています。この穏やかなリズムを持った活動が突然崩れて、激しい電気的な乱れ( ニューロンの過剰発射)が生じることによって起きるのがてんかん発作です。 また、てんかん発作は繰り返し起こることが特徴です。 痙攣とてんかんの違いって!? 上記で痙攣とてんかんの説明をしてますが、わかりにくい方も多いと思うので 簡単に言うと… てんかんは、繰り返し発作の起こるものを言い、 痙攣は、一過性の発作のことを言います。 ★「痙攣の原因」についてみていきましょう★ 痙攣の原因は、初発年齢によってある程度特定することができます。 乳幼児(0~2歳) 遺伝性疾患、週産期異常、感染症、低血糖、低カルシウム血症 低マグネシウム血症、ビタミン B6欠乏症 小児(2~12歳) 本態性てんかん、感染症、頭部外傷、熱性けいれん 思春期(12~18歳) 本態性てんかん、頭部外傷、薬物中毒、脳動静脈奇形 若年者(18~35歳) 頭部外傷、アルコール中毒、脳腫瘍 中年以降(35歳以上) 脳腫瘍、脳血管障害、アルコール中毒、尿毒症、肝性昏睡、電解質異常、低血糖 ★「てんかんの原因」についてみていきましょう★ てんかんの原因は人によって様々ですが、大きくは2つに分けられます。 【症候性てんかん】 脳に何らかの障害や傷があることによって起こるてんかん。 【特発性てんかん】 様々な検査をしても異常がみつからない原因不明のてんかん。 !!痙攣、てんかんが起こったときの応急処置!! 痙攣、てんかんを起こしたら… 1. まず、痙攣の様子を詳しく確認。 救急車を要請した際、病院を受診した際に以下のことが聞かれます。 ・どのような痙攣か(全身なのか、局所なのか)? ・痙攣していた時間は? ・発作時、発作後の状態は? 2. 発作中のケガの予防。 (二次的損傷の防止) ・イスやテーブルが周りにあれば移動、または患者を安全な場所へ移動させる! ・頭の下にタオルを敷く。 3.舌を噛むことを予防する目的で、口の中へ物を入れない。 →歯の損傷や窒息などの原因になる! 4.衣服をゆるめる。 5.痙攣している患者を無理に抑えつけない。 救 急 車 を ! 緊急受診が必要な状態 a. 発作が 10 分以上続くとき。 b. 短い間隔で発作が起こり、この間意識障害が続くとき。 c. 半身けいれん、あるいは身体の一部や全身性であるが部分優位性のある発作(部分発作)。 d. 初回発作、特に 1 才未満の場合。 e. 発熱と発作に加え、他の神経症状を伴うとき(長引く意識障害、マヒなど) ★けいれん後の意識障害がある場合 ・気道確保を行い窒息を防ぐ。 大切! →回復体位をとらせるだけでも効果的! →顔を横に向け上をあごを反らした状態にしているため、 嘔吐物の排泄を促し窒息、誤嚥を防ぐ! ☆けいれん後で意識障害のない場合 ・発熱があれば頭部を冷却し、汗をふく。 ※意識が回復しても再発する可能性があるので注意してください!! よく救急で搬送される痙攣は… 発熱(一般的には 38℃以上)があるときに起こす 痙攣で、たいていは2~3分で治まります。 熱が急に上がるときに「ぶるぶると震える」悪寒戦慄 のことをよく、痙攣と勘違いしている人がいますが、 全く別のものです。 痙攣とは、脳の異常がおこす筋肉のふるえなので、 例外はありますが、熱性痙攣をおこしているとき は普通、意識はありません。 頻度は:乳幼児の2~5%にみられるが、 右図のように起こしやすい年齢がある。 生後10ヵ月から3歳が最も多い!! 再発率は:大半は一生に1回しか起こさない。 2回起こすのは約30% 3回起こすのは9% 次の条件に合う場合は、翌日小児科受診でも大丈夫!! ① 38℃以上の発熱。 ② 初発年齢が6ヶ月未満、5歳以上ではない。 ③ 痙攣が10分以内。 ④ 痙攣が左右対称で全身の硬直と間代発作である。 ⑤ 24時間以内に痙攣の再発がない。 ⑥ 痙攣の後、意識障害や麻痺がない。 ⑦ 痙攣が治まった後、状態が良好。