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OECD - 地球環境戦略研究機関

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OECD - 地球環境戦略研究機関
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
グリーン成長と持続可能性指標
佐藤 正弘
現・内閣府経済社会総合研究所研究官(※)
※環境省「環境経済の政策研究」研究助成時は京都大学経済研究所所属
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
1
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
内容
1.グリーン成長指標
2.国際貿易に体化した環境負荷の推計方法
3.分析例:人口増加と気候変動の時代の水問題
とバーチャルウォーター
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
2
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
1.グリーン成長指標
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
3
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
OECD:グリーン成長指標
「OECDグリーン成長戦略」(Green Growth Strategy)
 2009年閣僚理事会から検討開始。
 OECD創設50周年に当たる2011年の閣僚理事会にて、「グリーン
成長に向けて(Towards Green Growth)」公表。
 その一環としてグリーン成長指標を公表。
グリーン成長の決定要素を特定するとともに、その実現に向けた政策
分析や進捗評価に資する情報を提供することを目的。
 「グリーン成長指標2014」を公表。
グリーン成長の定義:
自然資産が人類の幸福のよりどころとなる資源と環境サービスを提供
し続ける状態を確保しながら、経済成長及び発展を促進していくこと
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
4
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
経済活動
(生産、消費、取引)
アウトプット
消費
家計、政府
残余
投資
インプット
生産
(所得、財・サービス)
(労働、資本)
政策・施策
経済的機会
リサイクル
リユース
リマニュファクチャリング
代替
4
多要素生産性
1
3
アメニティ、健康、安全
汚染、廃棄物
サービス機能
シンク機能
エネルギー、原材料、水、土地、バイオマス、空気
リソース機能
2
自然資産ベース
(資本ストック、環境の質)
1
環境・資源生産性指標
2
自然資産ベース指標
3
環境面での生活の質指標
4
経済的機会と政策対応指標
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
5
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
社会経済的文脈と成長の性質
経済の成長と構造
—GDPの成長と構造
—純可処分所得(または国民純所得)
経済成長, 生産性, 競争
生産性と貿易
—労働生産性
—多要素生産性
—貿易で重み付けした単位労働費用
—貿易の相対的重要性: (輸出+輸入)/GDP
インフレと物価
—消費者物価指数
—各種価格(食料, 原油, 鉱物, 金属)
労働市場
—労働力率
—失業率
労働市場, 教育, 所得
社会・人口動態パターン
—人口の成長と構造と密度
—平均寿命: 健康寿命
—所得不平等: ジニ係数
—教育達成: 教育水準とアクセス
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
6
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
1
環境・資源生産性指標
1. CO2生産性
1.1 生産ベースCO2生産性
GDP / エネルギー関連CO2排出量
1.2需要ベースCO2生産性
実質所得 / エネルギー関連CO2排出量
2. エネルギー生産性
2.1 エネルギー生産性
GDP / 一次エネルギー総供給量(TPES)
2.2 セクター別エネルギー集約度
(製造業、運輸、家計、サービス業)
2.3 再生可能エネルギー・シェア
(TPES中シェア、電力生産量中シェア)
3. 物質生産性(非エネルギー)
3.1 需要ベース物質生産性
実質可処分所得に関連づけ(総合指標;構成要素別の
物量)
・国内物質生産性(GDP / 国内物質消費(DMC))
—生物物質(食料、その他バイオマス)
—非生物物質(金属鉱物、産業鉱物)
3.2 廃棄物生産集約度と回復率
セクター別、GDP or VA当り、一人当り
3.3 栄養フローとバランス(N, P)
・農業における栄養バランス(N, P)
農地面積当り、農業生産における変化
4. 水生産性
水消費量当りVA、セクター別(農業については、灌漑地ha
当り灌漑用水)
炭素・エネルギー生産性
資源生産性
多要素生産性
5. 環境サービスを反映した多要素生産性
(総合指標;構成要素別の貨幣量)
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
7
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
2
自然資産ベース指標
自然資源ストック
再生可能ストック
6. 自然資源指数
金銭的価値で表した総合的尺度
7. 淡水資源
利用可能な再生資源(地下水、表流水)とそれらの取水速度(、国別、地域別)
8. 森林資源
森林面積・体積;経年ストック変化
9. 漁業資源
生物学的限界内にある魚類ストックの比率(グローバル)
非再生可能ストック
10. 鉱物資源
特定の鉱物の利用可能な(グローバルな)ストックまたは埋蔵量:金属鉱物、産業鉱物、化石
燃料、重要原料;それらの採掘速度
11. 土地資源
土地被覆タイプ、土地転換、変化
自然状態から人工状態への変化とその状態
・土地利用:状態と変化
12. 土壌資源
農地その他における表土流出の度合い
生物多様性と生態系
・浸食クラスごとの、浸食の影響を受ける農地面積
サービス
13. 野生生物資源
・農地や森林に住む鳥の個体数の傾向、飼育鳥の傾向
・絶滅危惧種:哺乳類、鳥類、魚類、維管束植物 確認された種における割合
・豊富な種の傾向
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
8
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
3
環境面での生活の質
14. 環境による健康問題と関連リスク
(例:環境面での状況悪化によって失われた健康な人生の年)
環境面での健康及びリ
スク
15. 自然又は産業によるリスクからの影響とそれによる経済損失
環 境 サ ー ビ ス と ア メ ニ 16. 下水処理と飲料水へのアクセス
ティ
4
16.1 下水処理を利用できる人口
16.2 安全な飲料水への持続的にアクセスでき
る人口
経済的機会と政策対応
17. グリーン成長にとって重要なR&D支出
—再生可能エネルギー(エネルギー関連R&Dに占める割合)
—環境技術(全R&Dに占める割合、タイプ別)
—全ての目的のためのビジネスR&D(全R&Dに占める割合)
技術とイノベーション
18. グリーン成長にとって特許
特許協力条約に基づく各国の申請数に占める割合
—環境関連特許と全ての目的のための特許
—環境関連特許の構造
19. 全てのセクターにおける環境関連イノベーション
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
9
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
4
経済的機会と政策対応
環境財と環境サービス
20. 環境財と環境サービス(EGS)の生産
21. ESG部門の総付加価値 (GDP比率)
22. ESG部門の雇用 (総雇用比率)
23. グリーン成長にとって重要な国際金融フロー
国際金融フロー
(全フロー及びGNIに占める割合)
24. ODA
25. 炭素市場金融
26. 海外直接投資
27. 環境関連税制
—環境関連税収の水準
(総税収に占める割合、労働関連税収との比率)
—環境関連税制の構造(税ベースのタイプ別)
価格と移転
28. エネルギー価格付け
(最終消費価格における税のシェア)
29. 水価格付けとコスト回復(検討中)
以下に関する指標によって補完
・環境関連補助金(検討中)
・環境支出:水準と構造
規制・管理アプローチ
検討中
訓練とスキル開発
検討中
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
10
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
2.国際貿易に体化した環境負荷の推計方法
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
11
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
開放経済下における自然資本利用
地球の構造上、自然資本の地理的分布は極めて偏在
人間システムの要素(人口、消費、産業、技術)の分布とのギャップ
自然資本そのものではなく、生産物の交換によって、
自然資本の偏在性による需給不均衡を補完
=
生産物の交換を通じて、地域外の自然資本を間接的に利用することが可能
貿易や消費に“体化(embodied)”した
自然資本利用量(環境負荷)の捕捉
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
12
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
消費ベース指標と生産ベース指標
定義
・生産ベース指標
対象となる国内や地域内での生産から直接生じる環境負荷を測る指標
・消費ベース指標
対象となる国内や地域内での消費のために、直接・間接に生じた全地球上
での環境負荷を測る指標
指標例
・embodied carbon, carbon footprint, virtual carbon
・embodied energy
・virtual water, water footprint
・virtual land
・ecological footprint
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
13
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
各種の推計手法
エコロジカル・フットプリント・アプローチ
各種の推計手法と対象領域
•
•
•
BCとECを比較することで、国外の資源の利用状況を間接
的に評価。
実際の貿易フローから環境負荷の量を導き出しているわ
けではないため、具体的にどの国にどの程度転嫁されて
いるかわからない。
資源種別ごとの環境制約を評価できない。
LCAアプローチ
•
•
•
•
(出典)Sato(2012)
データの利用可能性によっては個別品目や製品レベルで
精度の高い分析が可能。
GHGプロトコルやISO規格など、国際的な計算方法が普及。
全サプライチェーンを捕捉することができず、評価対象と
するシステム境界の設定のあり方に大きく影響を受ける
(部門間カットオフ効果)
集計のための調整が困難であるため、そもそもマクロ・レ
ベル、メゾ・レベルの分析には向かない。
産業連関アプローチ
•
•
•
主催
個別製品の環境負荷を追うことはできないが、内生各部
門間の産業連関を通じてサプライチェーン全体の環境負
荷を捕捉できる。
マクロスケールやメゾスケールでの集計的な分析が容易。
単一地域産業連関モデル(Single-Region Input-Output
model: SRIO)、二国間貿易モデル(Bilateral Trade Input–
Output model: BTIO)、多地域産業連関モデル(MultiRegion Input-Output model: MRIO)など。
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
14
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
MRIOモデルを用いた推計
MRIOT(多地域間産業連関表)の推計
使用データ: GTAP(グローバル貿易分析プロジェクト)
バージョン8.1、基準年:2007年
134カ国・地域、57産業部門
→ 7638 x 7638 のMRIOTを構築
各種類の環境負荷の“原単位”の作成
◎水資源
農畜産物 (農作物生産、牧草、家畜飼育)の国別・作物別の水原単位
・FAOSTAT: 生産量(145品目)
・Mekonnen and Hoekstra (2011a, 2012):作物要水量(CWR)、牧草要水量、家畜飼育要水量
◎土地
農畜産物 (農作物生産、牧畜)の国別・作物別の土地原単位
・FAOSTAT: 耕作地面積(145品目)、 牧草地面積(永年牧草地+一時的牧草地)
◎CO2
全産業部門の国別CO2排出量原単位(燃料燃焼のみ)
・UNFCCC排出インベントリ・データ
・GTAP排出量データ
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
15
推計例1(バーチャル・ランド):
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
日本は世界最大のVL赤字国。世界全体の消費に体化したVL貿易量の約9.3%に相当。
消費に体化したバーチャル・
ランドの国際収支
(国合計, ㎢)
2国間のVL純輸出の上位10例
輸出元
主催
輸出先
輸出量(㎦)**
オーストラリア
日本
540,011
(6.1%)
中国
アメリカ
494,555
(5.6%)
ナミビア
南アフリカ
192,134
(2.2%)
サウジアラビア
カタール
96,118
(1.1%)
カナダ
アメリカ
87,253
(1.0%)
ブラジル
ロシア
83,314
(0.9%)
アメリカ
日本
82,024
(0.9%)
コロンビア
ベネズエラ
61,524
(0.7%)
メキシコ
アメリカ
60,527
(0.7%)
アルゼンチン
ドイツ
55,129
(0.6%)
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
16
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
推計例2 (二酸化炭素排出量)
• 附属書Ⅰ国に属する国々は、世界の生産ベース排出量の50.5%を占めているが、消費ベースで換
算すると55.9%に増加。特に、アメリカの構成比は世界の21.4%から23.4%に、日本は4.6%から
4.9%に、EUは13.1%から16.9%%に増加。
• 2020年以降の新枠組において、排出削減目標を京都議定書と同じく生産ベースで捉えるのか、あ
るいは消費ベースで捉えるのかによって、先進国・途上国の負担の比率は大きく変化。
生産ベース排出量
消費ベース排出量
アメリカ
21.4%
その他Ⅱ国
22.8%
その他Ⅱ国
22.3%
カナダ
2.0%
非附属書Ⅰ国 インド
49.5%
5.3%
日本
4.6%
ロシア
4.9%
中国
21.5%
その他Ⅰ国
4.5%
EU
13.1%
主催
アメリカ
23.4%
非附属書I国
44.1%
附属書Ⅰ国
インド
50.5%
5.1%
カナダ
1.9%
日本
4.9%
ロシア
4.2%
中国
16.8%
その他Ⅰ国
4.6%
公益財団法人地球環境戦略研究機関
附属書I国
55.9%
EU
16.9%
2015年1月15日
富国生命ビル
17
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
3.分析例:人口増加と気候変動の時代の水問題
とバーチャルウォーター
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
18
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
生産ベースと消費ベースの水利用量(国合計, ㎦)
消費ベース水利用量
生産ベース水利用量
インド
中国
アメリカ
ブラジル
インドネシア
ロシア
ナイジェリア
アルゼンチン
台湾
パキスタン
フィリピン
メキシコ
オーストラリア
イラン
ウクライナ
ベトナム
カナダ
マレーシア
エチオピア
トルコ
バングラディシュ
スペイン
フランス
タンザニア
コロンビア
コートジボワール
エジプト
ガーナ
南アフリカ
ポーランド
イタリア
モロッコ
ドイツ
ウガンダ
ルーマニア
ケニヤ
ネパール
モザンビーク
ベネズエラ
ペルー
スリランカ
イギリス
日本
韓国
サウジアラビア
台湾
948.8
652.1
564.3
400.4
256.9
188.8
180.2
170.4
168.9
131.1
124.5
115.7
108.8
106.0
102.3
101.7
101.7
101.6
101.5
85.3
68.4
60.6
57.2
54.1
52.9
48.7
45.3
43.6
43.2
43.1
40.8
40.6
40.0
33.1
30.9
30.4
29.1
26.9
26.1
25.5
23.1
17.3
16.2
13.8
9.1
5.7
0
200
400
600
主催
800
1,000
インド
中国
アメリカ
ブラジル
インドネシア
ロシア
ナイジェリア
日本
パキスタン
メキシコ
トルコ
フィリピン
ドイツ
イラン
イタリア
スペイン
バングラディシュ
タイ
フランス
イギリス
エチオピア
エジプト
オーストラリア
ウクライナ
韓国
ベトナム
南アフリカ
コロンビア
モロッコ
タンザニア
カナダ
マレーシア
ポーランド
コートジボワール
サウジアラビア
ベネズエラ
アルゼンチン
ルーマニア
ガーナ
ケニヤ
ネパール
ペルー
ウガンダ
台湾
モザンビーク
スリランカ
1,061.5
856.2
648.0
387.8
339.4
257.5
202.8
165.2
164.5
149.0
125.0
123.5
119.9
119.9
109.2
102.9
99.5
95.4
93.9
89.3
89.1
83.7
82.8
74.3
70.1
67.6
56.7
52.2
51.4
51.3
49.9
46.0
44.9
43.6
42.2
41.5
39.6
35.3
34.4
34.2
30.5
30.2
29.0
28.2
27.4
21.5
0
200
公益財団法人地球環境戦略研究機関
400
600
800
2015年1月15日
1,000
1,200
富国生命ビル
19
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
世界のバーチャル・ウォーター貿易フロー
• 世界のバーチャル・ウォーターの主要供給源は、中南米と東南アジア。
• 日本は北米や東アジアからの輸入が大きく、サブサハラや南アジアからの輸入は少
ない。それに対し、ヨーロッパは同地域からの輸入も多い。
16.8
12.1
ロシア・中
央アジア
41.5
北アメリカ
59
39.2
ヨーロッパ
33.5
27
13
60.3
16.5
東アジア
43
136.7
55.7
西アジア・
中東・北ア
フリカ
49.6
14.8
サブサハラ
42.5
29.8
31.1
日本
15.4
65.5
中南米
46.5
31.4
23.6
南アジア
東南アジア
12
19.6
10.1
19.9
オセアニア
10.1
※数字は純輸出量(㎦/年)
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
20
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 国別に見ると、人口2000万人以上の国では、日本は世界最大の純輸入国。世界
全体のバーチャル・ウォーターの総貿易量の約6.9%、純貿易量の9.2%に相当。
バーチャル・ウォーターの国際収支(k㎥、国合計)
-160 -140 -120 -100 -80 -60 -40 -20
ブラジル
アルゼンチン
中国
タイ
インドネシア
マレーシア
インド
カナダ
ベトナム
オーストラリア
ウクライナ
エチオピア
ウガンダ
ガーナ
コートジボワール
フィリピン
タンザニア
パキスタン
アメリカ
コロンビア
モザンビーク
スリランカ
-0.1
-0.7
-1.6
-2.3
-3.3
-4.7
-10.6
-11.1
-13.2
-14.0
-14.3
-15.3
-22.5
-23.5
-24.5
-33.0
-33.3
-34.5
-35.0
-56.3
-66.1
-72.0
-79.3
-149.0
主催
0
20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
176.5
140.7
92.7
75.0
61.0
55.8
54.4
51.9
34.7
32.9
31.7
12.5
11.0
10.9
9.2
7.6
5.9
4.4
4.1
2.0
1.7
1.6
ネパール
ロシア
ポーランド
ルーマニア
ケニヤ
ペルー
モロッコ
イラン
南アフリカ
ナイジェリア
バングラディシュ
ベネズエラ
台湾
トルコ
メキシコ
サウジアラビア
フランス
スペイン
エジプト
韓国
イタリア
イギリス
ドイツ
日本
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
21
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
消費のための水利用の国外依存度
※消費のための国内の水利用量に対する消費ベース水利用量の比率。
日本
イギリス
韓国
台湾
サウジアラビア
ドイツ
イタリア
フランス
カナダ
スペイン
エジプト
マレーシア
ベネズエラ
アメリカ
南アフリカ
メキシコ
モロッコ
ペルー
ポーランド
スリランカ
トルコ
ベトナム
ロシア
オーストラリア
コロンビア
イラン
ルーマニア
コートジボワール
ケニヤ
バングラディシュ
中国
ガーナ
フィリピン
タイ
パキスタン
ウクライナ
インドネシア
アルゼンチン
モザンビーク
ナイジェリア
タンザニア
ブラジル
ネパール
インド
ウガンダ
エチオピア
1051%
712%
548%
543%
509%
488%
344%
283%
274%
256%
190%
177%
163%
157%
154%
146%
144%
143%
141%
136%
136%
132%
131%
130%
129%
127%
125%
124%
123%
123%
121%
120%
120%
117%
114%
113%
112%
111%
110%
109%
107%
107%
105%
105%
103%
101%
0%
200%
主催
400%
600%
800%
1000%
公益財団法人地球環境戦略研究機関
1200%
2015年1月15日
富国生命ビル
22
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 緑の革命: 1960年代以降、肥料投入の増加、高収量品種の導入などによって、
世界人口の増加に対応した食料の増産を実現。
半矮性品種 ・・・ コメ:IR8、IR5、 小麦:Bevor14系など
• 1960年代前半からの40年間で、穀物生産量は約2.2倍、アジアでは約2.8倍に。
世界の人口の推移
世界の穀物生産量の推移
(百万トン)
(億人)
3,000
80
北アメリカ
70
オセアニア
オセアニア
2,500
ラテンアメリ
カ・カリブ諸国
ヨーロッパ
60
ヨーロッパ
2,000
北米
50
アフリカ
40
中南米
1,500
アフリカ
30
1,000
20
アジア
アジア
500
(データ)国連世界人口見通し(2012年改訂)
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
(データ)FAO: FAOSTAT
富国生命ビル
2012
2009
2006
2003
2000
1997
1994
1991
1988
1985
1982
1979
1976
1973
1970
1967
0
1964
2012
2009
2006
2003
2000
1997
1994
1991
1988
1985
1982
1979
1976
1973
1970
1967
1964
1961
0
1961
10
23
23
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 単位面積あたりの収量は大きく増加 ⇒増産に伴う耕作地面積の拡大を抑制。
• ただし、灌漑農地は1961年から約2倍に増加(西アジアを除くアジア)。
⇒20世紀の緑の革命は、モンスーン・アジアの豊富な水資源を前提。
穀物収量の推移(東南アジア)
(t/ha)
4.5
米
小麦
トウモロコシ
4.0
3.5
4.0
3.5
3.0
3.0
2.5
2.5
2.0
2.0
1.5
1.5
1.0
1.0
0.5
米
小麦
トウモロコシ
0.5
0.0
0.0
20
0…
20
0…
19
9…
150
19
9…
1,200
19
8…
1,400
19
8…
200
19
7…
全耕作地
19
7…
百万ha
250
19
6…
19
6…
20
0…
20
0…
19
9…
19
9…
19
8…
19
8…
19
7…
19
7…
19
6…
19
6…
世界の耕作地面積の推移
百万ha
1,800
1,600
穀物収量の推移(南アジア)
(t/ha)
4.5
アジアの灌漑農地面積の推移
南アジア
東アジア
東南アジア
西アジア
1,000
800
100
600
400
50
200
1961
1963
1965
1967
1969
1971
1973
1975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
2011
主催
1961
1963
1965
1967
1969
1971
1973
1975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
2011
0
0
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
24
(億人)
120
ラテンアメリ 北アメリカ オセアニア
カ・カリブ諸国
ヨーロッパ
0
現在
アフリカ
40
アジア
-100
主催
1950-55
1955-60
1960-65
1965-70
1970-75
1975-80
1980-85
1985-90
1990-95
1995-00
2000-05
2005-10
2010-15
2015-20
2020-25
2025-30
2030-35
2035-40
2040-45
2045-50
2050-55
2055-60
2060-65
2065-70
2070-75
2075-80
2080-85
2085-90
2090-95
2095-2100
80
1950
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
2045
2050
2055
2060
2065
2070
2075
2080
2085
2090
2095
2100
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 世界人口は、2050年に96億人、2100年に109億人に増加。
• 2030年頃に、人口増加の中心はアジアからアフリカにシフト。
世界人口の推移
地域別の人口増減(5年ごと)
(百万人)
350
300
100
250
現在
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
アフリカ
アジア
ヨーロッパ
ラテンアメリカ・カリブ諸国
北アメリカ
オセアニア
200
60
150
100
50
20
0
-50
(データ)国連世界人口見通し(2012年改訂)
富国生命ビル
25
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 2050年までに、世界の穀物需要は60〜70%増加(40〜50年間で9〜12億トン程
度)。
サブサハラでは227%、南アジアでは73%の増産が必要。
もう一度、緑の革命に匹敵する増産が必要
緑の革命期・・・1960年代初から40年間で約12億トン
2050年までの農作物需要の見通し
2050年の農作物需要
食料全体:70%増(2009年比)
(穀物:9〜10億トン増)
穀物:1144百万トン増 (2000年比61%増)
(※バイオ燃料除く穀物需要)
世界全体
穀物:948百万トン増 (2005/6年比46%増)
(※バイオ燃料除く穀物需要)
低所得国
出典
FAO, WFP, and IFAD (2012)
Alexandratos (2011)
FAO(2012)※1
穀物:1244百万トン増 (2000年比58%増)
Fischer (2011)
サブサハラ 穀物:241百万トン増(2000年比227%増)
南アジア・東南アジア 穀物:232百万トン増 (同68%増)
Fischer (2011)
サブサハラ 穀物:156百万トン増 (2000年比188%増)
南アジア 穀物:177百万トン増 (同73%増)
Msangi and Rosegrant (2011)
(※飼料用穀物含む穀物需要)
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
26
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
2050年における地理的な水需給の不均衡
• 人口増加と気候変動により、水の地理的な需給不均衡は拡大。
• 水生産性の改善や灌漑の拡大等により、2050年に、国境を越えた不足量と余剰量
が拮抗する程度にギャップを抑制可能。
耕作地の拡大を伴わない場合の2050年における水の過不足
中位の人口増加シナリオ(国連人口見通し)
不足量(㎦/年)
現状維持時
余剰量(㎦/年)
−5,511
1,708
水生産性改善の貢献
+2,220
+520
灌漑農地拡大の貢献
+430
+1,300
牧草地の貢献
+710
+440
−2,150
3,970
改善後の水不足・余剰
高位の人口増加シナリオ(IPCC第4次評価報告書のSRES A2モデル)
不足量(㎦/年)
現状維持時
余剰量(㎦/年)
−7,510
1,380
水生産性改善の貢献
+2,820
+460
灌漑農地拡大の貢献
+550
+1,130
牧草地の貢献
+880
+480
−3,260
3,450
改善後の水不足・余剰
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
27
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 低所得国のVWアクセスが限られると、日本の国土の約6倍の新規耕作地が必要。
• 緑の革命期と比べ、耕作地の拡大圧力は大きい。
一人当たり国民総所得1000ドル以下の低所得国は食料輸入のための購買力がない
と仮定した場合に、水不足を回避するため2050年までに必要な耕作地の拡大
緑の革命期 ※
IPCC SRES A2シナリオ
国連人口見通し(中位推計)
(1961〜2005年)
拡大面積
(百万ha)
水資源の確保量
(㎦/年)
拡大面積
(百万ha)
水資源の確保量
(㎦/年)
拡大面積
(百万ha)
261
1,304
201
1,002
174
新規耕作地
増加人口1人あたりの
新規耕作地(ha)※
0.86
0.66
0.51
耕作地拡大が必要
食糧輸入国
食糧輸出国
データ不足
(Source) Falkenmark, et al, 2009, Present and future water requirements for feeding humanity, Food Security 1, 59–69.
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
28
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 相対的な資源賦存量から予測されるVW純輸出量と、現実の純輸出量を比較。
• 現実のVW貿易は、全体的な方向性と量において、水希少性を反映した動きをして
いる。
ヘクシャー・オリーン・ヴァネック(HOV)モデル等から予測されるVW純輸出量と、
多地域間産業連関(MRIO)モデルから推計した現実のVW純輸出量の対応関係
技術多様HOVモデル
主催
要水量ベース
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
29
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 一方で、低所得国に限ってみると、バーチャル・ウォーター貿易と水希少性との関係
は不明瞭。
低所得国
(一人あたりGDP2,000USD未満、 ±80㎦のみ)
技術多様HOVモデル
主催
要水量ベース
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
30
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
• 今後の経済成長を勘案すると、バーチャル・ウォーター貿易によって需給不均衡は
かなりの程度緩和される。
• 貧困問題が解消せず、南北間の所得分配の不平等が温存されれば、水平拡大に
よる生態系への圧迫は避けられないおそれ。
一人あたりGDPとバーチャル・ウォー
ター純輸入量
2050年の要水量のうちバーチャル・ウォーター貿易によっ
て満たされない分(簡易推計)
一人あたりバーチャル・ウォーター純輸入量(㎥)
7,000
水生産性
シナリオ
6,000
不足量の合計
(㎦/年)
主な不足国(不足量(㎦/年))
593
パキスタン(82), エチオピア(70), タンザニア
(64), ウガンダ(59), ケニヤ(58), エジプト(58),
ザンビア(29), モザンビーク(26), マダガスカル
(25), マラウィ(22), セネガル(19), ルワンダ
(13), ジンバブエ(13), ガテマラ(11), カメルー
ン(10), ブルキナファソ(9), ベニン(7), トーゴ
(6), ネパール(4), ホンジュラス(3), ギニア(2),
キルギスタン(1), ニカラグア(0.3)
184
ケニヤ(29), ウガンダ(28), タンザニア(25), エ
ジプト(22), ザンビア(16), エチオピア(14),eセ
ネガル(10), マラウィ(9), マダガスカル(8), モ
ザンビーク(8), ジンバブエ(5), ルワンダ(5), ガ
テマラ(2), トーゴ(1), パキスタン(1)
5,000
4,000
現状維持
要水量1300㎥/年・人
3,000
2,000
1,000
改善
0
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
要水量1000㎥/年・人
一人あたりGDP(USD)
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
31
持続可能性・幸福度指標シンポジウム
ご清聴有難うございました。
佐藤正弘
[email protected]
主催
公益財団法人地球環境戦略研究機関
2015年1月15日
富国生命ビル
32
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