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出水市公共施設適正配置計画(概要版)(PDF/0.6MB)

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出水市公共施設適正配置計画(概要版)(PDF/0.6MB)
出水 市 公 共 施設 適正 配 置計 画
【概 要版 】
平成27年9月
鹿児島県 出水市
目
1
次
出水市の現状と公共施設適正配置の必要性……………………
1
⑴
人口動向及び財政状況………………………………………
1
⑵
施設保有量の他団体との比較………………………………
3
⑶
公共施設の老朽化の状況……………………………………
3
⑷
公共施設の更新費用…………………………………………
4
2
出水市公共施設適正配置計画の基本的事項……………………
5
⑴
公共施設の適正配置にあたっての4つの方針……………
5
⑵
公共施設の削減目標…………………………………………
6
⑶
施設用途別の方向性…………………………………………
7
3
これからの公共施設マネジメント………………………………
8
⑴
推進体制の整備………………………………………………
8
⑵
シンボル事業の実施…………………………………………
9
⑶
今後のマネジメント事業……………………………………
9
1
本市の現状と公共施設適正配置の必要性
⑴
人口動向及び財政状況
①
人口動向
本 市 の 人 口 は 、 昭 和 30 年 を ピ ー ク に 減 少 し た が 、 昭 和 50 年 代
に 増 加 に 転 じ 、 平 成 10 年 代 ま で 横 ば い で 推 移 し て い た 。 し か し 、
平 成 10 年 代 後 半 か ら 、死 亡 数 が 出 生 数 を 上 回 る 自 然 減 に 加 え 、転
出数が転入数を上回る流出超過(社会減)により減少を続けてい
る。
図 表 1-1
80,000
人口の推移
71,355
70,000
67,483
61,723
60,000
56,289 55,006 57,279 58,042 57,962 58,655 58,460 57,907 55,621
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
資料:国勢調査
0
S30
S35
S40
S45
S50
S55
S60
H2
H7
H12
H17
H22
今 後 30 年 の 将 来 人 口 予 測 で は 、 さ ら に 減 少 を 続 け 、 平 成 52 年
には 4 万人程度になると推計されている。年齢階層別では、年少
人 口 ( 0~ 14 歳 ) 及 び 生 産 年 齢 人 口 ( 15~ 64 歳 ) は 構 成 比 ・ 人 口
と も に 減 少 す る 一 方 、 老 年 人 口 ( 65 歳 以 上 ) は 構 成 比 と し て は 増
加を続け、人口は減少する予測となっている。
図 表 1-2
人口将来予測
57,907
60,000
50,000
26%
55,621
27%
53,136
50,707
31%
34%
40,000
30,000
59%
58%
20,000
56%
54%
48,170
35%
45,664
36%
43,199
37%
38%
50%
53%
52%
51%
10,000
0
40,695
15%
14%
14%
13%
12%
12%
12%
12%
H17
H22
H27
H32
H37
H42
H47
H52
平 成 27 年 以 降 の 値 は 予 測 値
資料:国立社会保障・人口問題研究所
※ 平 成 24 年 3 月 30 日 に 公 表 さ れ た 将 来 推 計
人口における出生中位・死亡率中位推計結果
1
②
財政状況
合 併 後 の 平 成 18 年 度 よ り 一 時 期 、歳 入 歳 出 決 算 額 は 減 少 傾 向 に
あ っ た が 、 平 成 2 1 年 度 以 降 の 歳 出 決 算 額 は 250 億 円 前 後 で 推 移
している。
図 表 1-3
一般会計
歳入歳出決算額の推移
(単位:億円)
280
270
260
250
262
247
243
248
249
250
268
264
260
260
250
255
254
242
234
240
227
230
220
210
200
H18
H19
H20
H21
歳入合計
H22
H23
H24
H25
歳出合計
歳出のうち、普通建設事業費については、市の歳出のおおむね
1割前後を占めている。近年増加傾向にあり、施設の建替え、大
規模改修等により今後も増加していくことが予測される。
直 近 3 か 年 ( 平 成 24~ 26 年 度 ) の 平 均 で 、 約 35 億 円 と な っ て
いる。
合 併 に よ る 優 遇 措 置 と し て 、年 間 12 億 円 ~ 13 億 円 の 普 通 交 付 税
の 加 算 措 置 を う け て き た が 、 今 後 平 成 28 年 度 か ら 平 成 32 年 度 に
かけて段階的に減少していく。歳出面では、市庁舎建設や広域行
政事務組合の一般廃棄物焼却処理施設の建設などの大型事業を実
施中であり、今後はますます厳しい財政運営を迫られることが見
込 ま れ る 。 な お 、 12 億 円 は 、 直 近 3 か 年 の 普 通 建 設 事 業 費 の 平 均
の 約 1/3 に 相 当 す る 額 で あ る 。
図 表 1-4
普通地方交付税の段階的な減少のイメージ
影響額
12 億 円
合併算定替による普通地方交付税
加算額
一本算定による普通地方交付税等の額
段階的に
削減される期間
通常の算定
H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36
2
⑵
施設保有量の他団体との比較
本 市 の 保 有 し て い る 施 設 の 面 積 は 、 全 体 で 331,545.34 ㎡ で あ り 、
こ れ を 市 民 一 人 当 た り に 換 算 す る と 、 一 人 当 た り 5.98 ㎡ / 人 と な
る。
全 国 平 均 値 は 3.22 ㎡ / 人 と な っ て い る の で 、全 国 平 均 と 比 べ て 約
2 倍 の 面 積 を 保 有 し て い る こ と に な る 。ま た 、人 口 規 模 の 類 似 す る 団
体 ( 人 口 5 万 人 ~ 10 万 人 の 地 方 公 共 団 体 平 均 ) と 比 較 し た 場 合 に お
いても施設保有量が多いことがうかがえる。
図 表 1-5
人口一人当たり延べ床面積の比較
一人当たり面積
(㎡/人)
7
6
5.98
5
4
3
2
3.56
3.22
1
0
全国平均
⑶
人口5万人~10万人の
地方公共団体平均
出水市
公共施設の老朽化の状況
建 物 に つ い て は 、一 般 的 に 建 築 後 30 年 が 老 朽 化 判 定 の ひ と つ の 目
安 と な っ て い る 。本 市 の 施 設 に お い て 、建 築 後 30 年 以 上 経 過 し て い
る 施 設 の 割 合 は
48.9 % と な っ て い る 。
該当する施設につい
て は 、改 修 ・ 耐 震 化 ・
長寿命化等の対策の
必 要 性 と 、対 策 に 係 る
図 表 1-6
70年以上
0.3%
60~69年
0.2%
建物の経過年数の状況
建築年不明
0.9%
50~59年
5.4%
0~9年
3.5%
経 費 及 び 時 期 な ど 、適
正配置についての検
40~49年
17.2%
討を行う必要がある。
30~39年
25.8%
3
10~19年
17.7%
20~29年
29.0%
⑷
公共施設の更新費用
施設の老朽化が進行しており、今後多くの施設が更新(大規模改
修・建替え)の時期を迎える。
本市が保有する公共施設について、すべて大規模改修を実施し現
状 規 模 の ま ま 建 替 え を 行 っ た 場 合 、今 後 40 年 間 で 1,349 億 円 の 投 資
的 経 費 を 要 し 、40 年 間 で 平 均 す る と 、毎 年 33.7 億 円 か か る 試 算 と な
っ た 。 こ れ は 、 現 状 の 公 共 施 設 に か か る 投 資 的 経 費 の 約 3.6 倍 と な
る。今後、財政状況はさらに厳しくなることが予測され、現状のま
まの施設の規模を維持することは困難であることから、既存施設へ
の機能の集約化、利用者ニーズの変化に対応した施設の在り方につ
いての検討が必要となる。
図 表 1-7
将来の更新費用推計
※直近 5 年の投資的経費平均は投資的経費のうち建築等に要した経費の平均
4
2
本市公共施設適正配置計画の基本的事項
⑴
公共施設の適正配置にあたっての 4 つの方針
公共施設の適正配置を進める上での基本的な方針を以下の通り定
める。
基本方針①
「 公 共 施 設 に 依 存 し な い 行 政 サ ー ビ ス へ 転 換 す る 。」
施 設 が な け れ ば サ ー ビ ス を 提 供 で き な い 、と い う 発 想 を や め る 。
また、必ず(市の)公共施設でなければいけないのか、根本的に
見直しを行い、次世代にツケを回さない行政サービスに改める。
基本方針②
「 統 廃 合 等 を 除 き 、 原 則 と し て 、 新 規 建 設 は し な い 。」
原則として、新規建設はしない。やむを得ず新規建設する場合
は、複合施設として整備するとともに、整備面積と同等以上の床
面積を他の施設で削減する。
基本方針③
「均衡ある市勢の発展のため、公共施設の統廃合に当たっては、
できる限り必要な機能を維持し、サービスの低下を招かないよう
に 努 め る と と も に 、 優 先 順 位 を つ け て 床 面 積 を 削 減 す る 。」
施設が統廃合されても、できる限り必要な機能を維持するよう
努める。コスト、利用状況等を総合的に勘案した上で、廃止する
ことが適当な施設は思い切って決断し、床面積及びコストの削減
につなげる。
基本方針④
「 コ ス ト の 削 減 及 び 利 用 者 負 担 の 適 正 化 に 努 め る 。」
公共施設の維持管理等にかかるコストについて、様々な手法を
用いて削減に努める。また、受益者負担のあり方、税負担の公平
性等を考慮し、公共施設の使用料の適正化に努める。
5
⑵
公共施設の削減目標
今後、施設の適正配置を進めていくにあたっての目標値を以下の
通り定める。
削減目標
今 後 10 年 間 で 公 共 施 設 の 総 床 面 積 を 20% 削 減 す る 。
最 終 的 に 、 今 後 40 年 間 で 公 共 施 設 の 総 床 面 積 を 40% 削 減 す る 。
施設を廃止すれば、更新にかかる費用が不要になり、その施設に
かかっている維持管理費用、事業運営費用も同時に削減される。そ
こで、削減した費用を更新費用に充てることで、不足する更新費用
を 賄 う と い う 考 え 方 の も と 、今 後 40 年 間 で ど れ だ け の 施 設 を 削 減 す
れば不足する更新費用を賄うことができるか試算を行った。
試 算 の 結 果 、 33 % の 施 設 を 削 減 す れ ば 更 新 費 用 を 賄 う こ と が で き
るという結果になった。しかしながら、今後、普通地方交付税の合
併特例による加算額の段階的削減が始まることもあり、投資的経費
の 9.44 億 円 を 維 持 で き る か ど う か 不 透 明 で あ る こ と な ど を 考 慮 し 、
目 標 値 40% と す る 。
図 表 2-1
更新費用不足額とコスト削減額
更新費用不足額
コスト削減額
(億円)
1,400
1,200
33%
1,000
800
600
400
200
0
70%
60%
50%
40%
30%
総面積削減率
6
20%
10%
0%
⑶
施設用途別の方向性
それぞれの用途における主なマネジメントの方向性について分類
を行った。
用途区分
主なマネジメント項目
1
庁舎
統廃合・複合化
2
学校関係施設
複合化・共用化
3
市民交流施設
統廃合・複合化
4
社会教育施設
統廃合・複合化
5
図書館等
統廃合・複合化
6
博物館
コスト削減・収入増
7
文化財
コスト削減・収入増
8
スポーツ施設
統廃合・複合化
9
保育園
民営化
10 児 童 ク ラ ブ
指定管理・コスト削減
11 高 齢 者 福 祉 施 設
統廃合・複合化
12 障 害 者 福 祉 施 設
統廃合・複合化
13 健 康 ・ 保 健 施 設
統廃合・複合化
14 病 院
統廃合
15 観 光 施 設
民営化
16 商 工 施 設
機能移転
17 農 業 施 設
民営化
18 市 営 住 宅
統廃合・民営化
19 教 員 住 宅
コスト削減・民営化
20 医 師 住 宅
コスト削減
21 消 防 施 設
コスト削減
22 火 葬 場
コスト削減
7
3
これからの公共施設マネジメント
⑴
推進体制の整備
本市では現在、公共施設を各担当課で所管しているが、今後は、
公 共 施 設 を 自 治 体 経 営 の 視 点 か ら 総 合 的 か つ 統 括 的 に 管 理・活 用 し 、
全体の総量適正化、ライフサイクルコストの低減などを含む戦略的
な公共施設マネジメントを継続的に推進していく専任部署の設置等、
庁内の体制整備も視野にいれる必要がある。また、外部委員会等、
計 画 の 進 捗 状 況 等 を 監 視 す る 機 関 を 設 置 し 、 PDCA サ イ ク ル を 構 築
することで、基本方針や中長期計画に対する進捗状況等を確認する
体制を構築することについても検討が必要である。
図 表 4-3
推進体制
市長
トップマネジメント
専任部署
事務局・調整・計画
情報共有
調整
外部委員会
情報提供
進捗状況確認等
施設の所管課
検討委員会・住民説明
パブリックコメント
会
維持管理
住民
外部有識者等
8
⑵
シンボル事業の実施
本計画の実行性を高めるため、今後推進していくマネジメント事
業を先導し、象徴となるような事業として、以下 3 つのシンボル事
業を設定し、詳細なプランを定める。
①
支所庁舎周辺施設統合事業
高尾野支所、野田支所の両支所庁舎の老朽化に伴い、支所庁舎
建設検討委員会において検討を開始している。支所周辺にある施
設も老朽化が進行していることもあり、支所機能を含む周辺施設
の機能を統合した複合化施設を基本として検討を進めており、公
共施設マネジメント事業との関連が大きいことから、支所庁舎周
辺施設統合事業についてシンボル事業として取り組む。
②
保健センターの機能拡充
保健センターでは、今後の市の施策として、妊産婦・乳幼児か
ら高齢者までの健診・相談・指導体制充実や、子ども・子育て支
援の充実など、機能を拡張することとしているため、施設面積が
不足する見込みである。一方、働く婦人の家は、近隣に類似する
機能を持つ施設が複数あり、それらの施設で定期講座等の実施が
可能であるため、働く婦人の家の機能は近隣各施設に分散するこ
とで重複する機能を整理し、保健センターを 2 階部分に機能拡張
することで面積の増加を抑制しながら新たな施策に対応するもの
として、シンボル事業として取り組む。
③
職業訓練施設の機能移転
施設の老朽化に伴い様々な不具合箇所が出ており、安全面での
不 安 も あ る 一 方 で 、訓 練 内 容 と し て は 座 学 が 中 心 で あ る こ と か ら 、
他施設へ機能移転という手法でシンボル事業として取り組む。
⑶
今後のマネジメント事業
今 後 は 、「 公 共 施 設 の 保 全 に 関 す る 情 報 の 可 視 化 」「 公 共 施 設 の 総
量 適 正 化 」「 財 政 負 担 の 平 準 化 」「 ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 最 適 化 」
を推進するため、施設の劣化状況の確認を行い、施設の重要度や現
在の施設の状態を整理・評価し、対応の優先度を設定することで、
シンボル事業に続く新たな事業について対象施設の決定を行い、適
正配置を継続的に推進していくことが必要である。
9
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