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[第3版](UNIX編)

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[第3版](UNIX編)
viii
目 次
7.1 タイピング(CIEC タイピングクラブ)
7.2 メモ帳
63
66
7.3 FTP Explorer(ファイル転送ソフト)
7.4 QKCW(漢字コード変換ソフト)
70
74
Linux 編
8章 Linux OS の基本操作 ............................................................................
8.1 基本コマンド
80
80
8.2 デスクトップの変更
87
9章 エディタ................................................................................................................ 89
9.1 エディタとは
9.2 Gedit
89
90
9.3 XEmacs
91
10章 日本語入力 (Canna,kinput2) ............................................................ 99
10.1 XEmacs における「かんな」の利用法
10.2 「ひらがな」の入力
99
100
10.3 「ひらがなモード」の基本操作
10.4 「ひらがな」から「漢字」へ
100
100
10.5 「漢字変換モード」の基本操作
101
10.6 「ひらがな」から「カタカナ」など他の字種への変換102
10.7 部首・記号・16 進コードでの入力
10.8 単語登録の方法
10.9 kinput2
102
102
103
11章 電子メール .............................................................................................. 105
11.1 電子メールとは
105
ix
11.2 Mew の基本操作
106
11.3 Mew の便利な使い方
109
11.4 電子メール利用時の注意事項
110
12章 文章作成 ................................................................................................. 113
12.1 LaTeX の使い方
12.2 tgif とは
114
118
12.3 GNUPLOT の使い方
123
13章 プログラミング ....................................................................................... 127
13.1 FORTRAN の使い方
13.2 C 言語の使い方
13.3 Java の使い方
127
132
137
学内利用案内 編
14章 佐賀大学が提供するサービス ..................................................... 142
14.1 学術情報処理センター
142
14.2 附属図書館のネットワーク利用
14.3 学生センターホームページ
14.4 就職相談室ホームページ
148
156
158
14.5 日本学生支援機構奨学金について
14.6 留学生センターホームページ
161
162
学術情報処理センターで利用できるソフトウェア
(Windows 用) ............................................................. 163
学術情報処理センターで利用できるソフトウェア
(Linux 用) .................................................................. 164
ネットワークを利用するときの注意 ........................................ 165
x
目 次
別表:ローマ字/かな対応表 .............................................. 168
別図:キーボード ............................................................... 169
Microsoft、MS-DOS、Windows は米国 Microsoft Corporation の米国及びその他の国に
おける登録商標です。
その他、本書に登場する製品名は、一般に各開発メーカーの商標または登録商標です。
なお、本文中には™及び®マークは明記しておりません。
Linux 編
Linux モードとは?
学術情報処理センターのパソコンの電源ボタンを押すと、様々な文字列が現れ
た後、「Windows」か「Linux」を選択する状態になります。この Linux とは何
でしょうか?
Linux とは UNIX と互換性のある OS(オペレーティングシステム)です。OS
とはみなさんもどこかで耳にしたことのある Microsoft Windows や Mac OS と同
じで、コンピュータをどのように動かすかを決める基本ソフトのことです。
Linux や UNIX は主にワークステーション(かつては、パソコンより数段処理
能力が高い計算機)の OS として採用されていましたが、最近はパソコンに Linux
OS をインストールし、パソコンで Linux を動作させることもあります。 学術情
報処理センターでは Linux を起動することで LinuxOS を使って、パソコンをワ
ークステーションとして動作させています。
本編では Linux OS を使ったワークステーションとしての様々な活用法につい
て述べます。
80
Linux 編
8章 Linux OS の基本操作
[学習のポイント]
この章では Linux によるワークステーションの基本的な使い方を説明します。
Linux は Windows と違って、「コマンド」と呼ばれる命令文をタイプすることに
よりワークステーションを操作します。はじめて使う場合は 8.1.1 項の「とりあ
えず試してみよう」から取り組んで下さい。慣れてきたら 8.1.3 項のみを参照す
れば十分です。
この章で学習するキーワードは次のとおりです。
1. 基本コマンド
2. ディレクトリについて
3. 代表的なコマンド
8.1 基本コマンド
8.1.1 とりあえず試してみよう
Linux を使っていろいろなコマンドを試してみましょう。以下では%より右の文
字を入力して下さい。まず Linux があなたに使われていることを認識しているか
どうかを試してみます。そのためには
% who
と入力します。すると
tach
pts/0
Nov 27 12:47
学籍番号
pts/1
Nov 27 14:00
のように表示されます。
学籍番号があなたのものであることを確かめてください。
次に現在の日付と時刻を表示してみましょう。そのためにはコマンドで
% date
8章 Linux OS の基本操作
81
と入力します。すると例えば
11/27 14:07:50 JST 2002
のように表示されます。また X ウィンドウ・システムでは画面上に時計が表示さ
れています。
次にどのようなファイルがあるかを見る方法について説明します。ファイルと
はいろいろなことが書き込めるコンピュータ上の紙みたいなものだと思ってくだ
さい。ファイル名のリストを見るには
% ls -aFC
と入力してください。すると
../
./
.mh_profile
Mail/
.history
RMAIL mbox
RMAIL~
.Xauthority
と表示されます。ここでは見慣れないファイルが存在しますが、今のところこれ
らは気にしないでください(詳しく知りたい場合は Linux OS の詳しい本を参照
してください)
。
早速、自分でファイルを作ってみましょう。
% date > now
と入力し、ファイルのリストを見てみましょう。すると
../
Mail/
.mh_profile
.history
RMAIL~
.Xauthority
RMAIL mbox now
となりリストの中に先ほど作った"now"というファイルが加えられていることが
分ります。ファイル"now"の内容を見てみたい場合には
% more now
と入力します。すると
11/27 14:07:50 JST 2002
と表示されます。すなわち"date > now"はコマンド"date"を行った結果(日
付と時間を表示)を"now"というファイルに書き込む、というコマンドです。
次にファイル名を変更してみましょう。先ほど作った"now"を"today"に変更
します。この場合
% mv now today
(mv とは move の略です)
と入力し、ファイルのリストを見てみましょう。すると"now"というファイルが
82
Linux 編
なくなり、新しく"today"というファイルができています。この内容を見てみる
と前に作成した"now"と同じ内容となっていることがわかります。すなわち"mv
ファイル名 1 ファイル名 2"はファイル名 1 をファイル名 2 に変えるコマンドで
す。
コマンド"mv"では前に作成したファイルがなくなってしまいます。ファイルの
内容はほとんど同じだけど、少しだけ変更して別のファイルとしたい場合がある
とします。そのときにまた新しいファイルを作成するのではなく、元のファイル
をコピーして新しいファイルを作り、それを変更すれば手間が省けます。この場
合コマンドで
% cp now today
(cp は copy の略です)
と入力し、ファイルのリストを見てみましょう。すると"now"というファイルと
"today"というファイルができています。両者のファイルの内容をみると同じこ
とがわかります。あとは新しくできたファイルを編集すればよいのです(ファイ
ルの編集の方法は 9 章にでてきます)。
不要になったファイルを削除してみましょう。先ほど作った"now"を削除しま
す。この場合
% rm now
(rm は remove の略です)
と入力し、ファイルのリストを見てみましょう。すると"now"というファイルが
なくなっていることがわかります。一度ファイルを消してしまうと復活させるこ
とはできないので、この作業は慎重に行いましょう。万全を期すためには
% rm -i ファイル名
としましょう。こうすれば必ず
rm: ファイル名 を消去しますか (yes/no)?
と訊ねてきますので、"y"を押せば消去されますし、"n"を押せば"rm"コマンド
が無効となります。
8.1.2 ディレクトリについて
これまでの Linux の操作でファイルを作った場合、たとえば
% date > now
として
% ls -aFC
8章 Linux OS の基本操作
83
とすると
../
Mail/
.mh_profile
.history
RMAIL~
.Xauthority
RMAIL mbox now
となっていました。これから順次ファイルを作成していく場合に、このままファ
イルを作っていったのでは
% ls
とやるたびに膨大なファイルリストが表示され、自分が探したいファイルがどれ
であるか、またそれを消したのか、まだあるのか?が分からなくなることがあり
ます。そこで、ファイルを自分の決めた種類ごとに分けることにします。ちょう
ど、教科ごとにノートを分けたり、資料を種類ごとにファイルに綴じたりする感
覚です。Linux 上でこのようにファイルの種類を分けるためには「ディレクトリ」
(Windows のフォルダに相当します)というものを作る必要があります。早速ディ
レクトリを作ってみましょう。手始めに"practice"というディレクトリを作っ
てみます。この場合
% mkdir practice
(mkdir は make directory の略です)
と入力します。入力後、%ls -a とすると
../
Mail/
.mh_profile
.history
RMAIL~
.Xauthority
RMAIL mbox now practice/
となり"practice/"というものができていることがわかります。ディレクトリ
名(ここでは practice)に/とあるのはディレクトリを表しているのです。こ
のままの状態でファイルを作ってもそれはディレクトリ practice のなかに作
成されません。そうするためには「ディレクトリを変更する」という操作が必要
です。みなさんが最初に login し、" ls"コマンドを実行してみている部分も実
はディレクトリの内容であり、"ls"コマンドはディレクトリの内容を見るコマン
ドなのです。このようにログインした直後のディレクトリのことを「ホームディ
レクトリ」と呼びます。また現在作業している、すなわちファイル等が作成でき
るディレクトリのことを「カレントディレクトリ」と呼びます。ではディレクト
リ practice をカレントディレクトリにしてみましょう。そのためには
% cd practice
(cd は change directory の略です)
とします。このコマンド入力後にコマンド"ls"を実行すると
84
Linux 編
./
../
%
となっているはずです。これでカレントディレクトリが practice に変わりまし
た。ここでこの節の最初のコマンドを実行し、ls を見てみると
./
../
now
となり、ディレクトリ practice のなかにファイル now が作成されたことがわ
かります。カレントディレクトリ practice からホームディレクトリに戻るには
% cd ..
と入力します。入力後"ls"を行うとホームディレクトリに戻っていることがわか
ります。ディレクトリの作成、移動は以上の通りです。ディレクトリ内にさらに
ディレクトリを作ることもできますし、その際の移動の仕方も同じです。ディレ
クトリを作るようになると、カレントディレクトリから別のディレクトリにファ
イルを移動させたい場合があるかもしれません。そのときは以前に出てきた"mv"
コマンドを使います。たとえば上の例でホームディレクトリに置いてある"now"
を practice/に移動させるには
% mv now practice/
と入力すればよいのです。実際に確認してみましょう。
ディレクトリの削除のコマンドは"rmdir"です。ただしディレクトリ内にファ
イルが残っている場合には削除できません。ディレクトリとその中のファイルを
すべて一括して削除するには
% rm -r ディレクトリ名
を入力します。
いま kterm ウィンドウ内には、これまで実行したコマンドの結果が表示されて
います。ここで、Ctrl キーを押しながら l キーを押してください。するとウィン
ドウ内の表示が消去され、
ログインした最初の状態と同じ画面に戻ります。
また、
Ctrl キーを押しながら c キーを押すとコマンドやプログラムの実行などを途中で
中断することができます。操作が途中で分からなくなったり、キー操作がきかな
くなったりした場合は、とりあえずこれを試してください。Linux では Ctrl キー
や Esc キーを使ったこのような特殊なキー操作が多く使用されます。以下の節で
はこのようなキー操作を次のように表現します。
8章 Linux OS の基本操作
85
Linux 編でのキー操作の基本表現
表 現
操
作
C-a
Ctrl キーを押したまま a を押す。
C-a C-b
Ctrl キーを押したまま a と b を押す。
C-a b
Ctrl キーを押したまま a を押し、Ctrl キーを離して b を押す。
M-a
ESC キーを押してすぐに離し、その後 a を押す。
ESC キーを押し続けるとエラーになるから要注意。
8.1.3 LinuxOS の代表的なコマンド
以下の表によく使用する代表的な Linux コマンドの使用方法を示します。
プロセス/ジョブ制御
Ps
プロセスの情報
ps -au
kill PID (PID は Process ID で数字)
Jobs
すべてのバックグランドジョブの状態を表示
C-c
ジョブを強制終了
C-z
ジョブをサスペンド(exit または fg で復帰)
ファイル・ディレクトリ管理
ls
ファイル/ディレクトリ名の一覧表示
ls –l (ファイル詳細情報)
ls -a (環境設定ファイルも表示)
ls -al (オプション –a と -l の複数指定)
ls -F (実行ファイルも表示)
ls -r (ソートして表示)
Mkdir ディレクトリの作成
Pwd
カレントディレクトリの表示
cd
カレントディレクトリの移動
cd
(ホームディレクトリへ)
cd dir
(指定のディレクトリ dir へ)
cd ..
(1 つ上のディレクトリへ)
cd ../dir (1 つ上のディレクトリのサブディレクトリ dir へ)
cd ../.. (2 つ上のディレクトリへ)
86
Linux 編
file
cat
more
less
fd
ファイルの種類
ファイル内容を表示
cat file
(file の内容を表示)
cat –n file (file の内容を行番号付表示)
ファイル内容を画面単位で表示
less、 more のサブコマンド
SPACE 次画面を表示
b
前画面を表示
q
表示を終了
/str
文字列 str を検索
n
検索の繰り返し
h
サブコマンドの説明
ファイル/ディレクトリ管理ツール
fd で起動、q で終了
その他、元に戻る場合も q
コピー/削除/ファイル名変更
cp
ファイルのコピー
cp file1 file2
(file1 の内容を file2 へコピー)
cp -i file1 file2 (file1 の内容を file2 へ確認付きコピー)
rm
ファイルの削除
rm file1
(file1 を削除)
rm -i file1
(file1 を確認付き削除)
rm –r dir
(dir をディレクトリごと削除)
mv
ファイル名の変更/移動
mv file1 file2
(ファイル名を file1 から file2 へ変更)
mv -i file1 file2 (ファイル名を file1 から file2 へ確認
付き変更)
その他のユーティリティ
cal
カレンダー表示
man
オンラインマニュアルの参照
who
ログイン中のユーザの表示
8章 Linux OS の基本操作
87
8.2 デスクトップの変更
佐賀大学学術情報処理センター の Linux 環境の標準デ スクトップは、X
Window System と呼ばれるウィンドウシステムの標準ウィンドウマネジャーの
twm です。これは、シンプルで軽快に動作する環境ですが、初心者にはその動作
環境を変更・設定するのは、至難の業です。この節では、最近の PC UNIX デス
クトップ環境の標準になっている Gnome への移行方法を説明します。Gnome と
は、「GNU Network Object Model Environment: GNU におけるネットワーク
オブジェクトモデル環境」の略です。Gnome のデスクトップ環境の様子を下図
に示します。
左画面下のボタン
を押すと、登録されたアプリケーションが次の図
のように現れます。操作方法は、Windows2000 とほぼ同様です。Gnome では、
これらをランチャーと総称しています。これらは、各自で設定することもできま
すが、詳細は、http://www.gnome.gr.jp/などから情報を得てください。
また、ファイルやフォルダ(UNIX では、ディレクトリと言う)を操作するに
は、Nautilus が用意されています。これで Windows 2000 のエクスプローラと同
等の操作が可能です。
88
第 2 部 UNIX 編
最後に Gnome への移行には、自分のホームディレクトリ(ログイン・フォル
ダ)に.Xsession(頭にドットが付いていることに注意!!)なるファイルを作り、
次の内容をエディタで書き込みます。
kinput2 -canna -cannaserver localhost
&
gnome-session
最後にこの.Xsession ファイルに実行権を与えます。kterm や gnome-terminal
から次のコマンドを入力してください。
chmod +x ~/.Xsession
← (これを忘れるとログインできなくなる!!)
次回ログイン以降は、Gnome 環境に移行している筈です。
9章 エディタ
[学習のポイント]
この章では C 言語のプログラムや TeX のソースファイルなどのテキストファイルを編集
するエディタの使い方について学びます。
この章で学習するキーワード(key word:大切な専門用語)は次のとおりです。
1. Gedit を用いたテキストファイルの編集
2. XEmacs を用いたテキストファイルの編集
3. キーボードによる Emacs の操作方法
9.1 エディタとは
Linux でいうエディタとは、通常テキストエディタを指し、テキストファイル
を編集するアプリケーションです。テキストファイルとは人間が文字で見ること
ができるファイルで、代表的なものとしては C 言語のソースファイル、TeX と呼
ばれる文書作成システムのソースファイル、電子メール、また、Linux ではシス
テムの設定のファイルなどもテキストファイルで作成されます。そのような意味
ではテキストエディタは Linux でも、もっとも重要なアプリケーションの1つで
あるといえるでしょう。
UNIX で以前から使われている代表的なエディタは2つの系統に分けることが
でき、
Vi 系統のものと Emacs 系統のものがあります。Vi 系統のエディタは、
UNIX
の開発当初から UNIX の標準エディタとして使われてきたものですが、最近の
Windows などのエディタに比べると、少々癖があり、一般のユーザ向けではあり
ません。Emacs 系統のエディタは、Windows で使われているエディタにも操作
体系が似ていて Vi ほど敷居が高くありません。ちょっと前ですと、計算機の能力
の関係もあり、
すべての Linux マシンにはインストールされていませんでしたが、
最近の Linux マシンには、ほとんど標準でインストールされています。Emacs
にも、現在は数種類のものがありますが、本演習室のコンピュータには XEmacs
90
Linux 編
がインストールされています。XEmacs は従来の Emacs に X Window System に
おけるメニューやボタンなどの GUI を加え、
初心者でも簡単に使えるようになっ
ています。
また、本演習室のコンピュータに Gedit とよばれる Gnome-Project で開発され
たエディタもインストールされています。こちらは XEmacs より Windows のエ
ディタに近く、Windows の NotePAD に近い感覚で使えるエディタです。論文な
どの長文の作成や大きな C 言語のプログラムの作成には XEmacs のほうが向いて
いるのでしょうが、演習で作成するような短い文書やプログラムの作成は Gedit
でも十分行うことができます。ここではこの2つのエディタについて説明を行っ
ていきます。
9.2 Gedit
Gedit を起動するには、Linux のコマンドラインから
gedit
と入力します。編集するファイル名が決まっているのでしたら
gedit ファイル名 (例えば
gedit section1.tex)
のように入力したほうが、ファイルの保存時にファイル名を設定する必要がない
ので使いやすいのではと思います。もとのターミナルウィンドウを有効なまま起
動するには、
gedit &
または gedit ファイル名&
とします。
また、使っている X Window System の環境によってはボタンやメニューなど
に登録されている場合もあり、そちらから起動しても構いません。起動後の画面
を図 9.1 に示します。最上部のタイトルバーの下に Windows でも見慣れたメニュ
ーが並んでいます。左端のファイル(F)のメニューで新しいファイルを作成したり、
以前に作成したファイルを開いたりします。次の編集メニューでは現在編集中の
文書内での切り貼りを行います。検索メニューでは文書中の文字列の検索や置換
(置き換え)を行います。その他のメニューに関してはあまり使わないので説明
を省略します。メニューのすぐ下にはボタンが並び、このボタンに設定された機
能はメニューで選択したときと同様に実行されます。
9章
エディタ
91
図 9.1 Gedit
その下には文書名を表すタブがあり、複数の文書を開いているときはこのタブ
の部分をクリックすることで切り替えることが可能です。また、これらのメニュ
ー構成はバージョンアップなどにより変わる可能性もありますが、基本的な使い
方は変わらないので、
その場合はメニューを開いて必要な機能を探してください。
9.3 XEmacs
9.3.1 XEmacs の起動
XEmacs を起動するには Linux のコマンドラインから
xemacs
と入力します。X Window System を使用している時に、もとのターミナルウィ
ンドウを有効なまま起動するには、
xemacs &
と入力し、バックグラウンドで起動します。これらの方法で起動すると図 9.2 の
ようなウィンドウが開きます。
また、既存のテキストファイルを編集する場合や、名前の決められたファイル
を作成する場合は
92
Linux 編
xemacs テキストファイル名 &
で起動すると、起動時からそのファイルを編集する状態となります。たとえば C
言語のソースプログラム test.c を編集するには
xemacs test.c &
のように入力します。また、外部の端末から ssh などでログインして使用する場
合は
xemacs
-nw
(nw は No Window の意味です)
のように-nw オプションをつけて起動します。
図 9.2 XEmacs の起動画面
いずれの方法で起動してもウィンドウの最上部にメニュー、その次にボタン類、
次にテキストの編集用のバッファが表示され、下から2行目にモードラインと呼
ばれるエディタのモード等の情報を表示するライン、最下行にミニバッファと呼
ばれるファイル名の入力やコマンド名の入力を行うラインが表示されます。この
状態でキーボードを打つと、その文字がそのまま「バッファ」と呼ばれる編集領
域に表示されます。
9章
エディタ
93
日本語の入力方法については第 10 章で説明しますので、ここでは英語やC言
語のプログラムなど日本語を含まないテキストファイルを作成することにします。
Gedit と同様にほとんどの必要な機能はメニューに用意されています。簡単にメ
ニュー構成を見てみると、ファイルのメニューに新規ファイル作成や以前作成し
たファイルを開く、また保存などの機能があり、次の編集のメニューに、編集中
の文書内(複数編集中の場合は文書間の)切り貼りの機能、および、文字列の検
索、置換などの機能が用意されています。その次の Mule のメニューは多言語を
扱う場合のメニューでここでは説明しません。アプリのメニューは XEmacs を用
いてメールを読み書きしたり、Web ブラウジングしたりするときの機能が用意さ
れています。オプションでは XEmacs の設定を変更することができます。また、
バッファのメニューでは現在編集中のファイルから現在編集中のバッファにどの
ファイルを表示するか選択することができます。
メニューはマウスを使って選択することができ、この方法で操作すると、ほと
んど Windows のエディタや Gedit と同じ感覚で使うことができます。Emacs は
もともと、X Window System の普及する前の時代から使われており、すべての
操作はキーボードで行うことができ、XEmacs もその点では同じです。学術情報
処理センター外から端末エミュレータ(ssh など)でログインして使う場合は、メニ
ューが使えないのでキーボードで操作を行う必要があり、また、慣れてくるとい
ちいちマウスでメニューを選択するよりキーボードで操作したほうが早いので、
以下は、キーボードでの操作法について説明します。
9.3.2 基本的なキー操作
XEmacs でのキー操作にはコントロールキー(Ctrl)とエスケープキー(ESC)
を非常に多く使います。8.1.2 項にも述べていますが、
C-x : Ctrl を押しながら x を押す。
M-x: Esc キーを押して手を離した後、xを押す。
と記述します。
同じ記述で押しかたが違うのはわかりにくいのですが、
昔の UNIX
の端末にはメタキーというのがあり、その頃は M-xの方もメタキーを押しなが
らxを押していたのですが、今の端末にはメタキーがなく、Esc で代用するため
このようになっています。また、2キー以上の入力を行うコマンドでは Ctrl を押
したまま入力キーを押しながら入力するものと、1 つ目は Ctrl を押しながらキー
94
Linux 編
を入力し、2つ目のキーは、Ctrl キーを離して入力するものがあります。これは
次のように記述します。
C-x b
Ctrl を押しながら x を押したあと、
Ctrl を離してbを押す。
C-x C-b
Ctrl を押しながらxを押し、Ctrl を離さずにbを押す。
キー操作を説明したところで XEmacs の終了方法を説明しておきます。
C-x C-c
XEmacs の終了
を入力すると XEmacs は終了しますが、ファイルを指定して起動した場合は編集
中のファイルをセーブするかミニバッファに聞いてきますので、セーブする場合
はy(yes)と入力しセーブして終了するようにして下さい(最新のファイルがセー
ブ済みの場合は聞いてきません)。
9.2.3 カーソル移動
カーソルキーを押すとその方向にカーソルが移動します。その他に
C-f
右(forward)に移動 →と同じ
C-b
左(backward)に移動 ←と同じ
C-p
上(previous)に移動 ↑と同じ
C-n
下(next)に移動 ↓と同じ
C-a
行の始めに移動
C-e
行末に移動
C-v
次の画面に1ページ分スクロール
M-v
前の画面に1ページ分スクロール
M-<
バッファ(編集中のファイル)の先頭に移動
M->
バッファの最後に移動
などの移動方法があります。指定した行に移動するには、
M-x goto-line
と入力します。M-x を入力すると図 9.3 のようにカーソルがミニバッファに移動
するのでここで goto-line と入力しリターンキーを押します。
図 9.3 ミニバッファ
9章
エディタ
95
すると、ミニバッファに Goto line:と表示されるので、移動先の行番号を入力
します。C言語などのプログラムをデバック時はエラーの場所などが行番号で示
されるので、この方法を使うと便利です。
また、ある文字列をサーチしてその位置まで移動するコマンドもあります。
C-s
インクリメンタルサーチ
を入力すると図 9.4 のように I-search:とミニバッファに表示されるのでサーチす
る文字列を入力していくと、1文字入力するごとに一致する文字列の場所に、上
から下に移動していきます。
図 9.4 インクリメンタルサーチ
目的の文字列まで移動したら Esc を押してサーチを終了します。同じ文字列を
繰り返しサーチするには C-sを続けて押していくと、一致する部分に次々とジャ
ンプしていきます。逆向きにサーチをするには
C-r
後方インクリメンタルサーチ
を使います。
9.3.4 文字の削除
BS キーでカーソルの前の文字を1文字、Delete キーでカーソル位置の文字を
1文字削除できますが、他に次のような削除関係のコマンドがあります。
C-d
カーソル位置の文字を1文字削除(Delete と同じ)
C-k
カーソル以降の1行削除
M-k
一段落削除
ある行を最初から1行まるごと削除するときには、その行の行頭にカーソルを
移動し C-k を一度押すとその行が空行になり、もう一度 C-k を押すと空行も消去
されます。
この操作を繰り返すことで複数の行を続けて削除することもできます。
前述の方法でもある範囲をまとめて削除することができますが、もっと便利な
コマンドとしてカットコマンドがあります。カットを行うためには、カットを行
う範囲の先頭にカーソルを移動し
96
Linux 編
C-space キー
マーク
を押します。すると、Mark-set と表示され、先頭がマークされます。そのあとカ
ットする範囲の次の文字(行末までのときは次の行の始め)に移動し
C-w
カット
を押すと、その範囲が削除されます。C-k や C-w で削除された内容はヤンクバッ
ファと呼ばれるメモリーに格納され、次節で述べるヤンクコマンドで他の場所に
貼り付けることができます。
9.3.5 貼り付け
前述の方法でヤンクバッファに格納された内容は
C-y
ヤンク(貼り付け)コマンド
を実行することでカーソル位置に貼り付けることができます。また、一度ヤンク
しても、その内容はヤンクバッファに残っているため C-y を繰り返し実行するこ
とで、他の場所に貼り付けたり、繰り返し貼り付けたりすることができます。こ
のことを応用すると C-w でカットしたあと、その場で C-y で貼り付け、コピー先
でもう一度 C-y を押すことで、
ある範囲のコピーを行うことになります。
しかし、
この方法では一度コピー元の範囲が削除されてしまうため、前述の C-wの代わり
に
M-w
コピー
指定範囲をヤンクバッファにコピー
を用いることで、カットをせずにコピーを行うことができます。
また、削除ミスなどで必要な部分を消してしまった場合、編集の取り消し
C-_
Undo コマンド
で編集前の状態に戻すことができ、繰り返し実行することでメモリーの許す限り
Undo を行うことができます。ここで _ はアンダーバーを表し Shift を押しな
がら ろ のキーを押します。ここでは C-もついていますから、Ctrl と Shift を同
時に押しながら ろ を押すことになります。
9.3.6 ファイルの保存、読み込み、バッファ操作
ファイル名を指定して XEmacs を起動した場合は、XEmacs の終了時にファイ
ルの保存を行うか聞いてきますが、
XEmacs を終了せずにファイルを保存したり、
ファイル名を指定せずに XEmacs を起動してファイル名を付けて保存する場合
は
9章
C-x C-s
エディタ
97
ファイルの保存
を実行するとそのファイルが保存されます(必要な場合はミニバッファにファイ
ル名を聞いてきます)。セーブしたファイルは XEmacs を立ちあげたまま C 言語
のコンパイラや TeX で処理することができます。
XEmacs を終了せずに新しいファイルを開くには
C-x C-f
ファイルを開く(Find file)
を実行します。ミニバッファにファイル名を聞いてきますので、ファイル名を入
力して下さい。すると、これまで編集していたバッファが消え、新しいバッファ
にそのファイルが開かれ、編集可能な状態になります。前に編集していたファイ
ルは画面からは消えていますが XEmacs のバッファには残っています。そちらの
バッファに切り替えるには
C-x b
バッファの切り替え
を押します。ここで、ミニバッファにファイル名を聞いてきますが、開かれたフ
ァイルが2つのときは、現在表示されていない方のファイルがデフォルトになり
ますので、そのままリターンキーを入力します。2つのファイルを同時に見たい
ときは、
C-x 2
ウィンドウの分割
でウィンドウを分割し
C-x o
ウィンドウの移動
でカーソルを移動した後、そちらのウィンドウで前述のバッファの切り替えを行
えばよいわけです。
また、3つ以上のファイルを開いた場合は
C-x C-b
バッファリストの表示
を実行し、バッファのリストを表示させたあと C-x o でバッファリストのウィン
ドウに移り、目的のバッファを選択します。選択の際は目的のファイル名のバッ
ファの部分で1を押すと全ウィンドウで、2を押すと2つのウィンドウに分割し
て表示します。現在編集中のバッファに他ファイルの内容を読み込むには
C-x i
ファイルの挿入
を実行します。これは、XEmacs でメールを書くとき、レポート課題のプログラ
ムなどを挿入するときなどに便利です。
98
Linux 編
ただ、バッファの操作に関してはウィンドウ関係の操作が多いためメニューを
用いた操作に比べるとかなり煩雑になります。メニューを使うと左上の Buffers
のメニューから簡単にバッファを選択することができ、また、File メニューの
Make New Frame コマンドで、まったく新しいウィンドウにバッファを作成す
ることもでき、非常に使いやすい環境で作業を行うことができます。また、使用
者によっては新しいファイルを編集するたびに新しい XEmacs を起動する人も
いますが、はっきりいってメモリーの無駄遣いですので、ここに述べた方法で1
つの XEmacs のウィンドウを分割したり、新たなウィンドウを作成して、編集を
行ってください。
9.3.7 その他のコマンドと Emacs-Lisp
これまで基本的なコマンドのみ説明してきましたが、XEmacs は非常に大きな
システムでキーボードに割り当てられているコマンドだけでもとても説明しきれ
ません。また、
M-x
指定コマンドの実行
でコマンド名を直接指定して実行するものもあります。カーソルの移動のところ
で述べた goto-line もこの方法で実行しています。より XEmacs について勉強し
たい場合は
C-h T(大文字です)
チュートリアルの実行
を実行するか
M-x info info ファイルの参照
で調べてください。
また、
XEmacs のほとんどの機能は Emacs-lisp という言語で記述されており、
自分でプログラミングすることで機能の拡張を行うことができます。自分のホー
ムディレクトリの.emacs ファイルに Emacs-lisp で初期設定プログラムを書くこ
とで、自分の好きな環境で XEmacs を実行させることも可能です。Emacs-Lisp
については詳しい本がいくつか出ていますので、そちらを参考にしてください。
10章 日本語入力 (Canna,kinput2)
[学習のポイント]
この章では、UNIX における日本語入力をとりあげます。UNIX 上で日本語を
入力するためには、かな漢字変換システムが必要ですが、その代表例として
Wnn(「うんぬ」と読む)や Canna(「かんな」と読む)などが挙げられます。
佐賀大学学術情報処理センターのシステムでは、主に「かんな」が整備されて
いるので、「かんな」を用いた日本語入力の方法を簡単に紹介します。
また、kinput2 を利用した「かんな」のかな漢字変換についても紹介します。
この章で学習するキーワードは次の通りです。
1.「かんな」の起動と終了
2. ひらがなの入力と「ローマ字かなモード」の基本操作
3. かな漢字変換と「漢字変換モード」の基本操作
4. カタカナや他の字種への変換
5. 部首入力や記号入力
6. 単語の登録
7. kinput2 による日本語入力
10.1 XEmacs における「かんな」の利用法
XEmacs を起動した直後は、普通に英字や数字キーをたたけば、そのままの英
数字が入力されます。この状態を「アルファベット入力モード」と呼びます。日
モード行
本語を入力したい場合は、この状態から C-¥(Ctrl(コント
ロール)キーを押しながら¥(円マーク)のキーを同時に押
エコー領域
す)を押してください。このとき、XEmacs 画面の下側部
分のモード行とエコー領域にも注意を払って下さい。 XEmacs 画面のモード行
に[あ]と表示されている場合は「かんな」による日本語入力の準備が整ったとい
100
Linux 編
うサインで、この状態を「ローマ字かなモード」呼びます。 再び C-¥ を押すと
モード行の[あ]の表示が消え、「アルファベット入力モード」に戻ります。
10.2 「ひらがな」の入力
「ローマ字かなモード」の場合、この状態で英字入力を行うと、文字入力をロ
ーマ字とみなして、自動的にひらがなに変換して表示されるようになります(ロ
ーマ字とみなせない場合は、ひらがなに変換されずにそ
のまま英字が残ります)。例えば、kanji と入力すれば、
|かんじ|というようにひらがなに変換され画面に表示
されるはずです。|
|で囲まれた領域をフェンス領域といいます。このひらが
なのままでよければ、Enter キー(以後 Ent と省略)を押すと、ひらがなの内容の
まま確定します。
同様の操作を続ければ、
ひらがなだけは入力が可能になります。
確定した後、日本語入力を続ける必要がなければ、もう一度 C-¥ を入力してく
ださい。モード行の[あ]の表示が消え「アルファベット入力モード」に戻ります。
10.3 「ひらがなモード」の基本操作
1) ローマ字とひらがなの対応は、Windows 等のワープロソフトと同じです。
2) 入力されたひらがなはフェンス領域で囲まれています。タイプミスの場合
にはフェンス内を自由に移動し、修正を加えることができます。
3) フェンス内でのカーソルの移動や文字削除のコマンド
C-b
直前の文字へ
C-f
C-a
フェンスの先頭文字へ
C-e フェンスの末尾へ
BS
カーソルの直前の 1 文字消去
C-d カーソル上の文字消去
直後の文字へ
(BS は Backspace キー)
4) 「ん」の入力は「n」、母音があとに続く場合は「nn」と入力します。
5) 「ぁ」
「ぃ」などの小さい文字は、その文字の前に「x」を入力します。
6) 1文字だけ半角文字を入力する場合は文字の前に C-q を入れます。
10.4 「ひらがな」から「漢字」へ
「ローマ字かなモード」で入力されたひらがなを漢字に変換する場合は、文字
10章 日本語入力 (Canna,kinput2)
101
列を入力した後、スペースキー(以後 SP
と省略)を押してください。ひらがな部分が
適当に文節に分けられ漢字に変換されます。
この状態でモード行の表示が[あ]から[漢字]に変化し、次節の「漢字変換モードの
基本操作」で示す内容を参考に操作すれば、文節変換をしたり、漢字の選択が可
能になります。なお、モード行に[漢字]が表示されている状態を「漢字変換モー
ド」と呼びます。このモードになれば、漢字変換や文節
変換の操作が始まったということを覚えておいてくださ
い。目的とする正しいかな漢字まじりの日本文に到達し
た段階で、 Ent を押せば変換が確定します。例えば
|かんじ|と入力し、SP を押せば、漢字変換が行われ、|漢字|などと変換されま
す。続けて Ent を押せば、このまま確定します。Ent を押さず、もう一度 SP
を押すとモード行の表示が[一覧]に変わり、一覧の中から漢字を選びます。いっ
たん漢字が確定したら、モード行の表示が[漢字]から[あ]に戻り、もとの「ローマ
字かなモード」に戻ります。この「ローマ字かなモード」と「漢字変換モード」
を行ったり来たりすることで、日本語入力が進行していくことになります。
10.5 「漢字変換モード」の基本操作
目的のかな漢字文に変換するためには、(1)文節を伸ばしたり、縮めたりする、
(2)変換対象の文節を選ぶ 、(3)漢字の候補を選ぶ、といった作業が必要です。
必要な基本操作をここにまとめました。文節に関する操作が不要な場合もあり、
その場合は直接(3)の漢字候補を選ぶという操作のみを行えばよいでしょう。
1) 文節の切り直しをするコマンド
C-o 文節を一文字伸ばす
C-i 文節を一文字縮める
2) 文節を選ぶコマンド
C-b 直前の文節へ移動
C-f 直後の文節へ移動
C-a フェンスの先頭の文節へ移動
C-e フェンスの後尾文節へ移動
3) 漢字候補の選択のコマンドについて
漢字変換に入った直後や文節を切り直した直後の漢字選択コマンド
C-n
次の漢字候補におきかえる
C-p 直前に表示された漢字候補
102
Linux 編
SP または C-w
漢字候補が一覧できる状態「一覧モード」に入る
「一覧モード」の基本操作
(モード行には[一覧]と表示され、エコー領域には候補一覧が表示される)
C-f または SP 候補一覧の右側に移動
C-b 候補一覧の左側に移動
C-p ひとつ前の行の候補一覧表示
1…9 番号の候補に移動
C-g 候補を選ばずに候補一覧表示終了
C-n 1行で候補一覧が表示しきれないときに、次の行の候補一覧の表示
候補が決まれば Ent で漢字選択を終了します。
漢字候補の選択、文節の選択、文節の切り直し等を何回か行えば、目的と
するかな漢字まじり文が完成するはずです。
10.6 「ひらがな」から「カタカナ」など他の字種への変換
「ローマ字かなモード」でひらがなを入力した直後に C-n を入力するたびにカ
タカナ、半角カナ、全角英字、半角英字の順番に文字の種類が変更できます。 C-p
では逆順に文字種が変化します。モード行には[字種]と表示されます。 C-n や
C-p を何回か押すともとの「ローマ字かなモード」に戻るので、漢字変換が再び
可能な状態に戻ります。他の字種の状態からは漢字変換はできません。これが「字
種モード」の基本操作です。
10.7 部首・記号・16 進コードでの入力
「ひらがなモード」([あ]の表示中)から下記 M-x コマンド(Esc キー、x キーを
入力後コマンドのつづりをエコー領域に入力、最後は Ent )を利用します。
部首入力
M-x canna-busyu-mode
記号入力 M-x canna-kigou-mode
16 進入力 M-x canna-hex-mode
部首入力、記号入力には、「一覧モード」の基本操作が利用可能です。16 進コ
ード入力は対応コードを 16 進コード表であらかじめ調べてから入力します。
10.8 単語登録の方法
目的とする漢字変換ができなかった場合には、他の読み方を入力したり、1文
字ずつ変換したりして、目的の漢字の入った単語を入力しておきます。この単語
10章 日本語入力 (Canna,kinput2)
103
の正しい読み方をあらかじめ登録しておけば、以後正しい読み方での漢字変換が
可能になります。以下は単語登録の方法についての簡単なまとめです。
1) 登録する単語の先頭にカーソルを移動し、C-SP でマークを設定。
2) 登録する単語の末尾にある文字の後ろへカーソルを移動。
3) M-x canna-touroku-region を入力し、単語登録の操作開始。
4) エコー領域には単語[**]読み?[
語の表示)。[
]の表示(**のところには登録する単
]の間に単語の読みを入力。Ent で確定。
次に単語の品詞と辞書の選択
(選択には「一覧モード」の基本操作が利用でき
る)
。辞書は、デフォルトの場合候補一覧は user 辞書1つだけなのでそれを選
択。最後に登録内容がエコー領域で確認できます。以後、登録内容を利用した
変換が使用可能となります。
10.9 kinput2
Netscape や Tgif などのアプリケーションが Canna や Wnn といった日本語か
な漢字変換システムと個別にやりとりするのは効率的ではありません。そこで、
実際は、アプリケーションと漢字変換システムとのやりとりをスムーズにするた
めのプログラムが動いています。そのプログラムが kinput2 です。漢字変換には
「かんな」を利用するので日本語入力や漢字変換の方法などは「かんな」による
Kterm
かな漢字変
Netscape
Kinput2
換システム
⋮
(Canna)
Tgif
それと同じです。kinput2 による入力の ON/OFF を行うには Shift-SP を押しま
す。kinput2 をオンにすると、カーソルの近くに[あ]と表示されます。これでひ
らがなが入力できます。続いて漢字変換をするには SP を押します。すると漢字
選択テーブルが表示されるので、そこから矢印キーを使って希望の漢字を選択し
ます。なお、kinput2 の ON/OFF 方法には、若干の例外もあり、例えば Tgif 上
104
Linux 編
では、C-SP でオン、Shift-SP でオフとなります。また、XEmacs 上では C-o で
kinput2 の ON/OFF を行います。
11章 電子メール
[学習のポイント]
この章では、電子メール(E-mail)の利用法について学びます。電子メールと
は、コンピュータネットワーク上の郵便で、コンピュータ間やコンピュータと携
帯電話間などでメッセージや電子情報の送信や受信を行うことができます。この
章で学習するキーワードは次のとおりです。
1. 電子メールアドレス
2. 電子メールの送信、受信、転送
3. マルチパートメール
4. アドレス帳
11.1 電子メールとは
電子メールを利用するためには、電子メールアドレス(郵便の宛先と宛名に相
当)が必要となります。佐賀大学生の電子メールアドレスは
学籍番号@edu.cc.saga-u.ac.jp
です。このアドレスの中の学籍番号はコンピュータのユーザ名(宛名に相当)を
表し、@以下はドメイン名(宛先に相当)で、右から jp は日本、ac は教育機関、
saga-u は佐賀大学、cc は学術情報処理センター、edu は教育系システムを意味し
ます。
電子メールは、ヘッダーと呼ばれる管理情報とメール本文とに分かれており、
メールを正しく送るために、ヘッダーには以下の情報を与える必要があります。
To:電子メールを受取る人の電子メールアドレス。コンマ(,)で複数のアド
レスを書き並べることにより、
複数の相手に電子メールを送ることができ
ます。
Cc:電子メールのコピーを To 以外の人に送る場合に使用します。ここでも
106
Linux 編
To:と同じく、コンマ(,)で複数の相手にコピーを送ることができます。
Subject: 電子メールのタイトル。メールの内容を示すタイトルを記入します。
電子メールにサインを入れるために、ホームディレクトリに.signature(頭
にピリオド(.
)がついています)という名前のファイルにサインを記述します。
本章では、XEmacs 上で動作する Mew (ミューと読みます) を用いた電子メー
ルの利用方法について学びます。
11.2 Mew の基本操作
11.2.1 電子メールを送る
XEmacs を起動し、M-x mew-send と入力すると、図 11.1 の画面となります。
この画面で
1. To:の後に送信先の電子メールアドレスを入力します。
2. Subject:の後にタ
イトルを入力します。
3. –---の次の行からメ
ールの本文を書きま
す。
4. 本文を書き終わった
ら、C-c TAB を打ち、
サインを入れます
(.signature に記載
したサインが入りま
す)。
5. C-c C-c で電子メール
を送信します。
図 11.1 電子メールの作成
11 章 電子メール
11.2.2 電子メールを読む
XEmacs を起動し、
M-x mew
と入力すると、図 11.2 に示す
ような、届いた電子メールの
一覧が画面に表示されます。
この状態で使うコマンドを以
下に示します。
SPC
カーソルがある行のメ
ッセージを表示します。
p
前のメッセージを表示し
ます。
n
次のメッセージを表示し
ます。
d
消去したいメッセージに
消去印をつけます。
u
消去印をとります。
q
消去印のついたメッセー
図 11.2 届いた電子メールの一覧
ジを消去し、Mew を終了
します。
11.2.3 電子メールに返事
を出す
1. 11.2.2 で説明したメールの
一覧を画面に表示させま
す。
2. 返事を出したいメールに
カーソルを合わせます。
3.
a を押します (図 11.3 に
示すようなメールを送る
状態になります)。
図 11.3 返事の作成
107
108
Linux 編
4. 11.2.1 の項目 3 以降の要領で返事を出します (To:と Subject:は自動的に記載さ
れます)。
届いたメッセージは C-c
C-y で引用できます。また、項目 3 の a の代わりに
w を押すと、11.2.1 の要領で新たな電子メールを送信できます。
11.2.4 電子メールを転送する
11.2.2 で説明した、届いた電子メールの一覧が画面に表示されている状態で、
転送したい電子メールにカーソルを合わせて f を押すと、電子メールを送る状態
になるので、11.2.1 の項目 3 以降の要領で転送します。
11.2.5 マルチパートメールを作成する
Mew ではメールに Word で作成した文書、音声や画像などのファイルを添付し
て送付することができます。
1. 11.2.3 で説明したメールに返事を書く画面にします。
2. C-c C-a と押します (図 11.4 に示す画面となります)。
3.
c を押し、添付するフ
ァイル名を、
ファイルが
存在するディレクトリ
名も含めて入力します。
4. 複数のファイルを添付
する場合には、項目 3
の操作を添付するファ
イル分だけ繰り返しま
す。
5.
11.2.1 の項目 3 以降の
要領で電子メールを送
付します。
図 11.4 マルチパートメールの作成
11 章 電子メール
109
11.3 Mew の便利な使い方
11.3.1 アドレス帳を利用する
Mew は、アドレス帳を利用することができます。頻繁に電子メールのやりとり
を行う相手をアドレス帳に登録することにより、相手の電子メールアドレスを短
縮名で入力することができます。また、複数の電子メールアドレスに同じ内容の
電子メールを送る場合に、複数の電子メールアドレスをグループとして登録する
こともできます。
(1)アドレス帳の登録
11.2.2 のメールの一覧が表示されている状態で、登録したい相手の電子メール
にカーソルを移動させ、C-c C-a を入力します。
Shortname: TAB キー補完時に使う短縮名
Addresses: TAB キーの補完で展開される電子メールアドレス
Comments: この設定に対するコメント(入力しなくても良い)
編集が終われば、C-c C-c を入力します。登録を中止するときには、C-c C-q を入
力します。Shortname にグループ名、Addresses にグループに所属する電子メ
ールアドレスをコンマ(,)で繋げて列記すると、電子メールのグループの登録
ができます。
(2)アドレス帳の利用
アドレス帳に登録した相手に対して電子メールを送る場合には、11.2.1 の電子
メールを送付する際の To: 以下の相手先の電子メールアドレス入力時に、
Shortname に記載されている短縮名を入力した後に TAB キーを入力すると、電
子メールアドレスに変換されます。Shortname にグループ名を入れた場合には、
TAB キーの入力により、グループのメールアドレスが展開されます。
11.3.2 電子メールを管理する
Mew を利用すると、届いた電子メールはホームディレクトリの Mail/inbox の
中に1つの電子メールの届いた順番がファイル名となった1つのファイルとして
保存されます。送り先などで電子メールの保存先を変更するのは、以下の手順で
行います。
110
Linux 編
1. 11.2.2 で説明した、届いた電子メールの一覧を表示させます。
2. 保存先を変更したい電子メールにカーソルを移動します。
3. o を押します (取り消す場合には u を押します)。
4. 保存するフォルダ名を聞いてきますので入力します。
5. 新規フォルダの場合には y と押すとフォルダが作成され、作成されたフォルダ
に電子メールが保存されます。
11.3.3 電子メールをファイルに保存する
Mew は、届いた電子メールをファイルとして書き出すことができます。その手
順を以下に示します。
1. 11.2.2 で説明した、届いた電子メールの一覧を表示させます。
2. ファイルに保存したい電子メールにカーソルを移動します。
3. y を押します。
4. ヘッダを含めた全文を書き出すなら y、本文だけなら n を押します。
5. 書き出すファイル名を聞いてきますので入力します。
11.4 電子メール利用時の注意事項
電子メールは便利な通信手段ですが、基本的に文字のみで情報を伝達するため、
こちらの意図が通じにくいものです。十分に吟味した丁寧な言葉を使い、こちら
が意図したとおりに相手に受け取られるように気を付けてください。電子メール
は伝送途中で誰でも(その気になれば)内容を見ることができることを意識して
利用してください。
電子メールが相手に届いたかを確認する必要がある場合には、
相手に返信を要求してください。
新しいメールソフト sylpheed
学術情報処理センターの Linux システムには、sylpheed と呼ばれるメールリ
ーダーがインストールされています。
メールの操作は、本節で説明されている mew に GUI が付属したようなもので
すが、Windows 版の Winbiff に大変似通っています。
kterm や gnome-terminal から sylpheed と入力し、左のようにメール・サー
バの設定を行えば使用することができます。但し、このソフトを使う際は、別章
11 章 電子メール
111
で説明した、Gnome 環境に設定しなければ、日本語入力に支障を来たします。
日本語入力の際は、シフト+スペースキーを押下することで実行できます。
112
Linux 編
12章 文章作成
[学習のポイント]
この章では、Linux で文書を作成する方法について学習します。Linux で文書を
作成するときは、LaTeX というシステムを使うことが標準になっています。LaTeX
は、Windows の Word のようなワープロソフトとは使い方がかなり異なります。エ
ディタを用いてテキストファイルを作成し、それをコンパイル(翻訳)して文書
を生成するという方法を取ります。最初は難しく感じるかもしれませんが、テキ
ストファイル・ベースなので、入力の容易さ、以前作成したファイルの再利用の
し易さ、などの多くの利点があります。また、ワープロソフトでは作成が面倒な
数式も、手速く、そして美しく作成することができます。
次に、tgif という図作成ソフトの使い方を学びます。
最後に、gnuplot というグラフ作成ソフトの使用法を学びます。tgif, gnuplot,
LaTeX の3つを活用すれば、さまざまな形式の図表やグラフの入った複雑な文書
を作成することが可能になります。
この章で学習するキーワードは次の通りです。
1. platex によるコンパイル
2. xdvi による文書の画面表示
3. dvips によるポストスクリプト・ファイルへの変換
4. gv (ghostview)によるポストスクリプト・ファイルの画面表示と印刷
5. tgif による図作成
6. gnuplot によるグラフ作成
114
Linux 編
12.1 LaTeX の使い方
LaTeX(ラテフまたはラテック)は、複雑な文書を美しく作成することができ
る文書整形システムです。
ここでは、学術情報処理センターのシステムでの LaTeX の使い方にしぼって説
明し、LaTeX の文法には触れません。LaTeX の文法については、授業や本節の最
後に挙げてある参考文献などで学習してください。
また、学術情報処理センターでは Windows の方でも LaTeX を使うことができ
るようになっています。ここでは、Linux での使い方だけを説明します。
12.1.1 簡単な文書の例
簡単な文書の LaTeX による作成例を示しながら、LaTeX の使い方を説明しま
す。この例には、図を表示させる方法も含めてあります。このテキストファイル
の中味の部分だけを入れ替えれば、図を含んだ日本語や英語の簡単な文書をすぐ
に作ることができます。
(1) 次のような内容のテキストファイルを、XEmacs などのエディタで作成し
ます(エディタについては、9 章を参照してください)。
¥documentclass[a4j,11pt]{jarticle}
¥usepackage[dvips]{graphicx}
%11pt は文字の大きさの指定
%図を表示するための準備(図を表示
%しないのならば、この行は不要)
¥title{LaTeX の使い方}
%タイトル
¥author{佐大 太郎}
% 著者名
¥date{2003 年 4 月 1 日}
% 日付
¥begin{document}
% 本文のはじまり
¥maketitle
%上のタイトル、著者名、日付を表示する
¥section{LaTeX とは}
% セクションの表題
文章いろいろ……¥¥
% ¥¥は改行コマンド
文章いろいろ……
¥section{LaTeX による文書作成の流れ}
% セクションの表題
文章いろいろ……
¥begin{figure}[htbp]
¥begin{center}
%図の表示部分の始まり
%図を中央揃えにする
12章 文章作成
115
¥includegraphics[height=5cm]{saga1.eps} %高さ 5cm で図を挿入
¥includegraphics[width=4.5cm]{saga2.eps}%幅 4.5cm で図を挿入
¥caption{佐賀大学のロゴマーク}
%図の説明(キャプション)
¥end{center}
¥end{figure}
文章いろいろ……
¥end{document}
%本文の終わり
%に続く部分は説明のためのものなので、入力する必要はありません(半角の%
から行末まではコメントとして LaTeX では無視されます)。¥ではじまる英単語が
たくさんありますが、これらは LaTeX のコマンドです。
(注意)UNIX では一般に、’¥’ではなくバックスラッシュ’\’を使います。情報
処理センターの UNIX でも、この節の’¥’を’\’に置き換えて入力してください。
¥includegraphics コ マ ン ド を 使 っ て 、 こ の 例 で は ’saga1.eps’
と’saga2.eps’という 2 つの EPS 形式と呼ばれる図を挿入しています。これら
のファイルを、エディタで作成した上記のテキストファイルと同じディレクトリ
に置いておきます。
LaTeX は EPS 形式か PS 形式の図を表示することができます。
JPEG などのような他の形式の絵を挿入したいときは、gimp などのグラフィッ
ク・ツールで EPS 形式に変換しておく必要があります。
このテキスト文書を、拡張子’.tex’のファイル名で保存します。ここでは、たと
えば ‘sadai.tex’というファイル名で保存したことにします。
(2) kterm などのコマンドラインで
03t625@pcm129[101] platex sadai.tex
と実行します(この処理を「コンパイル」と言います)。tex ファイルにミスがな
ければ、’sadai.dvi’というファイルが作られます。ミスがあると、エラーが表示さ
れてコンパイルは中断します。エラーへの対処方法は次項で説明します。
(3) 画面表示
03t625@pcm129[102] xdvi sadai.dvi &
と入力すれば、新しい xdvi のウィンドウが開いて画面表示されます(図 12.1)。
紙に印刷したときとほぼ同じ状態で文書が表示されます。
116
Linux 編
Quit:表示の終了
Zoom < :表示縮小
Zoom > :表示拡大
Prev :前ページを表示
Next:次ページを表示
PS:PS 形式の図の表示を
オンオフする
図 12.1 xdvi の表示ウィンドウ
xdvi は、dvi ファイルが変更されると自動的に表示を変更します。エディタで
テキストファイルを変更してコンパイルしなおした時に、
改めて xdvi を起動しな
おす必要はありません。
(4) 印刷 コマンドラインで
03t625@pcm129[103] dvips sadai.dvi
と入力すれば、’sadai.ps’というファイル名のポストスクリプト形式のファイ
ルができます。続いて、
03t625@pcm129[104]
gv sadai.ps &
と入力すれば、ポストスク
リプトファイルが画面表示
さ れ ま す ( 左 図 ) 。「 全 印
刷」ボタンを押せば、次ペ
ージの図のようなダイアロ
グウィンドウが表示されま
す 。 ”lpr” の 後 に 、 ”
-Pprm247” と 書 き込 み ま
12章 文章作成
117
す。’prm247’というのはプリンタ名です。皆さんの今使っている液晶ディスプ
レイにプリンタ名が書かれていますので、それに
置き換えてください。「Print」ボタンを押せば、
文書全体が印刷されます。文書の一部だけを印刷
したいときは、前ページの gv ウィンドウの左側
にあるページ番号のところを右クリックして、印
刷したいページを選択します。
そして、「マーク部
分印刷」ボタンを押せば、選択したページだけを印刷することができます。
以上が LaTeX による文書作成の流れです。通常は、(1)でテキストファイルを
ある程度入力したら、(2),(3)を実行してエラーがないか、出来上がりが思った
とおりかを確認します。そして、また(1)に戻ってテキストファイルの続きを編
集するということを繰り返しながら、文書を作成していきます。
12.1.2 コンパイルエラーへの対処
テキストファイルに文法エラーがあると、?が表示されてコンパイルがストップ
します。そのときは x を入力してコンパイルを終了させます。次は、上の tex フ
ァイルの例で、
\section というコマンドを\sectin と入力ミスしたときの例です。
03t625@pcm129[105] platex sadai.tex
This is pTeX, Version p2.1.11, based on TeX, Version 3.14159
(EUC)
(中略)
! Undefined control sequence.
←エラー箇所が表示されている
l.8 ¥sectin
{LaTeX とは}
? x
←ここでxと入力した
No pages of output.
Transcript written on sadai.log.
このように、どこでエラーが起こったか表示されていますので、それを手がか
りにエディタに戻って、tex ファイルを修正します。
12.1.3 参考文献
奥村晴彦:LATEX2ε美文書作成入門、第 2 版、技術評論社、2000 年
118
Linux 編
12.2 tgif とは
UNIX で標準的に使用されているドローツールである tgif の利用法について学
びます。ドローツールとは、コンピュータ上で、線を中心とした絵を描くソフト
で、回路図の作成、製図、フローチャートの作成、レポートの図作成等に利用す
ることができます。
tgif で描いた絵は、
LaTeX に簡単に取り込めますし、
Microsoft
Windows の Power Point にも取り込めます。では、その起動&終了から説明し
ます。
12.2.1 tgif の起動と終了
tgif は、以下のように kterm 上からファイル名を指定して起動します。 .obj
という拡張子は、tgif 独自のデータ形式で図形をアルファベット文字で表現して
おり、データの保存や読み込みは obj ファイルに対して行うことが多く、foo の
部分はもっと判りやすい名前を付けて下さい。
% tgif foo.obj &
起動すると、図 12.1 に示すような画面が現れます。終了するには、左上の File
をマウスの左ボタンでクリックして、サブメニューを表示し、一番下の Quit を
クリックすれば、終了します。
12.2.2 四角・円の描画
図 12.1 起動画面の左に並ん
でいる描画メニューの中で、四
角の部分をマウスの左ボタンで
クリックします。その部分が凹
日本語入力
四角 矢印の制御
円
線
円弧
表示倍率
んだ感じになり、キャンバスで
マウスボタンの左ボタンを押し
描画メニュー
ここが、描画
用キャンバス
っぱなしにしながら、引っ張る
と四角が現れます。適切な大き
さでマウスボタンを離すと四角
が書けます。丸も同様にして書
図 12.1 tgif の起動画面図
けますが、描画メニューの中で
中心に×がついている円が中心と半径を指定して描画する方法で、
その他の円は、
直径を指定して描画します。なお、円といっても縦横比が異なると、楕円になり
12章 文章作成
119
ますので、Shift キーを押しながらマウス操作をすると必ず円になります。
12.2.3 線の描画
線を描画するには、描画メニューの中で、折れ線の部分をマウスの左ボタンで
クリックします。その後、キャンバスで、左ボタンを 1 回押し、移動させもう 1
回押せば順次折れ線が書けます。終点で中央ボタンを押せば矢印がついた折れ線
が書けます。矢印を書かない場合には、図 12.1 起動画面の上部にある矢印の制御
の所で、マウスの右ボタンを押し、PLAIN にしてから描画します。
12.2.4 円弧の描画
円弧を描画するには、描画メニューの中で円弧モードを選択します。半径に矢
印がある円弧モードは、左ボタンを2回(始点と終点)押して半径を決定後、円
弧を描画します。円弧の方に矢印がある方は、左ボタンを2回押して円弧の始点
と終点を決定後、3回目の左ボタン押下で円弧を決定します。
12.2.5 移動・変形・拡大・縮小
一旦描画した図形を移動したり、変形したりするには、描画メニューの一番上
の矢印の所でマウスの左ボタンを押します。その後、移動させたい図形上(周囲
とか縁の部分)で左ボタンを押すと、図形が黒い8個の小四角で囲まれます。図
形上で、左ボタンを押したままマウスを動かすと移動ができます。また、図形が
黒い8個の四角で囲まれた状態で、1 つの黒四角をマウスの左ボタンで押したま
ま移動させると変形や拡大、縮小が可能です。
12.2.6 グループ化
描画した複数の図形を 1 つの図形としてグループ化するには、
上記の 12.2.5 移
動・変形で述べたように、
ある 1 つの図形が黒い8個の小四角で囲まれた状態で、
Shift キーを押しながら別の図形の端の方をマウスの左ボタンでクリックします。
両方の図形が黒い小四角で囲まれたら、Ctrl キーと g を同時に押します。そう
すれば複数の図形を 1 つの図形として取り扱え、移動や変形ができます。グルー
プ化の解除は、Ctrl キーと u を同時に押します。
12.2.7 グリッドの有効と無効化
tgif では起動時に、グリッド機能が有効になっており、グリッドにあわせて
しか図形の配置や移動ができません。しかし、これでは、細かな図形は書けない
ので、グリッド機能を無効にするには、Alt と Ctrl と g の3個のキーを同時に
120
Linux 編
押します。そうすれば、グリッドに関係なく、細かな配置が可能になります。も
う一度、Alt と Ctrl と g の3個のキーを同時に押せばグリッドが有効になりま
す。
12.2.8 表示倍率
描画している図形が大きすぎたり、細かすぎたりするとコンピュータの画面で
は大変見にくくなります。そこで、図 12.1 tgif の起動画面の左上部に示した表示
倍率を変更します。起動時には、x1(1倍)となっていますが、その部分でマ
ウスの左ボタンを1回押せばx2(2倍)になり、倍率が変更でき、細かい部分
を大きく表示できます。しかし、全体を表示することができなくなります。同様
にして、x4、x8まで、表示可能です。x1の部分で、マウスの右ボタンを押
すと1/2、1/4と表示倍率が小さくなり、全体の表示が可能となります。
12.2.9 コピー・削除・復活
図をコピーするには、12.2.5 移動・∼で述べたように、描画メニュ一番上の矢
印を左ボタンでクリックし、
その後、
図形の端でマウスの左ボタンをクリックし、
図形が黒い8個の小四角で囲まれた状態にして、Ctrl キーと d を同時に押しま
す。また、削除するには、Ctrl キーとxを同時に押します。行った処理を無効
にするには、Ctrl キーとzを同時に押せば、処理を無効にし、元の状態に戻す
ことが可能です。
12.2.10 日本語入力
図の中に日本語を入力するには、
図 12.1
tgif の起動画面左のメニューにある
Tをマウスの左ボタンでクリックし、日本語入力モードを示す「明」が上部メニ
ュー中に表示されていることを確認してから、Ctrl と\キーを同時に押す。もし、
「明」が表示されてなければ、その部分でマウスの左ボタンを数回押してくださ
い。文字の大きさを変更する場合には、「明」の下の数字をマウスの左ボタンでク
リックすれば数字が大きくなり、右ボタンでクリックすれば小さくなるので、文
字の大きさが変更できる。もう一度、Ctrl と\キーを同時に押せば日本語入力モ
ードを終了します。
12.2.11 図形のセーブと画像データ作成
図形データは、頻繁にセーブして下さい。トラブルがあっても、データがセー
ブしてあれば、大丈夫です。セーブするには、Ctrl と s キーを同時に押して下
12章 文章作成
121
さい。また、LaTeX 用の画像データをセーブするには、描画メニューの上が、
LaTeX(EPS)と表示されていることを確認してから、Ctrl と p キーを同時に押し
て下さい。更に、他のアプリケーションで読み込むために違った画像形式でセー
ブするためには、描画メニュー上の LaTeX(EPS)の部分で、マウスの左ボタンを押
して下さい。出力形式が、raw PostScript file → X11 Pixmap file →
text file →
ASCII
EPSI file → GIF/ISMAP file → HTML file → PDF file →
DOS/Windows EPS/ESPI file → PNG file → JPEG file → net-list file →
device set to printer と切り替わります。 Microsoft Windows のアプリケーシ
ョンで読み込むには、DOS/Windows EPS/ESPI file 形式や PNG、JPEG の画像形式
が良いので、出力形式を確かめて Ctrl と p キーを同時に押してください。
12.2.12 上部メニュー
tgif の上部にあるメニューを主なものだけ説明します。
File メニュー
Edit
Layout
メニュー
メニュー
New
新しいファイル
Duplicate 複製
+Grid
グリッド+
Open
ファイルを開く
Delete
-Grid
グリッド-
Import
ファイルの挿入
Select All 全て選択 Visible Grid
Save
保存
印刷
グリッド表示
Undo
実行取消 Snap To Grid グリッドへあわせる
Redo
再実行
Save New 名前を付けて保存 Copy
Print
削除
コピー
Zoom
ズーム
Cut
切り取り Portrait
紙を縦置き
Paste
ペースト Landscape
紙を横置き
Arrange メニュー
Properties
メニュー
Front
前面へ
Font
フォント
Line Width 線の太さ
Back
背面へ
Text Style
字体
Fill
塗りつぶし
Group
グループ化
Text Size
文字サイズ
Pen
ペン
Ungroup
グループ解除
Line Dash 破線
Flip/Rotate 鏡像/回転
Line Style 線のスタイル
Line Type
色
Color
Transparent
透過パターン
Pattern
線の種類
File メニューの Print は、描画メニューの上に表示している出力形式で出力す
ると考えて下さい。Layout メニューの +Grid は、グリッドを広げる、-Grid は、
122
Linux 編
グリッド幅を縮めるという意味です。Arrange メニューの Front や Back は、選
択した状態の図形を他の図形の前面にする、Back は背面に隠すことです。
Flip/Rotate は、水平方向を対称軸として図形を移動させたり、回転させたりしま
す。Properties メニューの Text や Line に関することは、細かく説明できません
ので、実際に試して理解して下さい。最後の Transparent Pattern は、塗りつぶさ
れた図形同士が重なった場合のパターンの設定です。重なった部分を前面の図形
パターンにするか、2 つの混在したパターンにするかの設定が可能です。
図 12.2 は、gnuplot で実験データをグラフにして、tgif を用いて軸の説明やグ
ラフの書き方の説明を加えた図です。このように実験データも gnuplot を用いて
グラフ化して tgif で編集すると綺麗なグラフが作成できます。
説明不足の点がありますが、「習うより慣れろ」
だと思います。
いろいろ試して、
慣れて下さい。きっと、手放せなくなります。
このように内側に、数字
の と ころ には 短 い線 を
書く
実験データを丸や四角で表し、
滑らかな曲線で結ぶ
イタリックで
書く
イタリックで書
く
図の説明は、図の下に書く。
表の場合は、上に書く
図 12.2 tgif の作図例(実験データ)
12章 文章作成
123
12.3 GNUPLOT の使い方
[学習のポイント]
GNUPLOT はコマンド入力方式の対話的
なグラフ作成ツールです。機能が豊富で、多
くの出力装置にも対応しています。
この章で学習するキーワードは次のとおり
です。
1.GNUPLOT
Windows からも
右のショートカ
ットをダブルク
リックすると、
gnuplot が 起 動
します。
以下に説明する Linux
環境の場合と同様に使えま
す。
2.ヘルプ
3.2次元グラフ、3次元グラフ
12.3.1 GNUPLOT の起動と終了
シェルのプロンプトから、gnuplot と入力すれば、以下の画面が起動します。
Terminal type set to
`x11` は出力が X Window System であることを示しま
す。 gnuplot〉が GNUPLOT のプロンプトです。終了は quit または exit と入
力します。
124
Linux 編
12.3.2 ヘルプコマンドの使い方
特定コマンド(下図の例:plot)のヘルプ画面と操作を示します。
(途中略)
(途中略)
(ENDの表示には q でSubtopicへ)
(:の表示には Space で次ページヘ)
(上の subtopic を入力、中止の時は Enter)
gnuplot〉?functions と入力すると、GNUPLOT で使える関数コマンドの一
覧表示が出ます。さらに q を入力すると、Subtopic of functions: のプロンプト
になり、関数コマンドたとえば sin を入力して説明文を出します。
gnuplot〉?set と入力してみて下さい。 set コマンドと組にして使うオプショ
ンの一覧が表示されます。
グラフ描画に有用なたくさんのオプションがあります。
q を入力すると、
Subtopic of set: のプロンプトになりオプションたとえば xlabel
を入力すると X 軸のラベルを付けるときの書式が表示されます。
12.3.3 数式グラフと描画オプション
コマンドや関数名は大文字小文字を区別します。
実行例と説明文を列挙します。
以下各行の左のプロンプト gnuplot〉を省略しています。
#コメント文は `#` で始める。
plot sin(x)
#描画範囲を自動設定して、関数 sin を 2D 描画する。
plot [-pi:pi] sin(x)
#描画範囲を指定して 2D 描画する。
plot [-pi:pi] sin(x) with lines
#描画線の種類や色を指定する。
splot [-pi:pi] [-pi:pi] sin(x)*cos(y)
#範囲を指定して 3D 描画する。
12章 文章作成
clear
#画面をクリアする。
f(x,y) = sqrt(x*x+y*y)
#ユーザー関数を定義する。
125
splot [-3*pi:3*pi] [-3*pi:3*pi] sin(f(x,y))/f(x,y)
#標準関数 sin とユーザー関数 f(x,y)とを使って 3D 描画する。
set isosamples 30
#孤立線の本数を 30 に変える。
既定値は 10 本。
set hidden3d
#影線処理をする。
set contour
#等高線を追加描画する。
set title “GNUPLOT(hidden3d)”
#タイトルを付ける。
set xlabel "X-axis "; set ylabel “Y-axis”
#X 軸名、Y 軸名を付ける。
replot
#再描画(下図)
set view
60, 30, 1, 1
#3D 座標系の視点を変えるコマンド。
#水平方向を X 軸、画面内でこれに垂直な方向を Y 軸、画面に垂直方向を
Z 軸とする。上の既定値の4つはそれぞれこの順に X 軸廻り、Z 軸廻りの
回転角、グラフ全体の縮尺、Z 軸方向のみの縮尺を意味する。
126
Linux 編
12.3.4 数値データをグラフに:外部ファイルの扱い
ここでも各行の左のプロンプト gnuplot〉を省略しています。
save “text.gnu”
#このテキストを書く為に使ったコマンド群を保存する。
load “text.gnu”
#ファイルを読み込んで実行する。
pause -1 "Hit return to continue"
#実行を一時止めるコマンド。オプション
–1 はリターンキーを押すまで待たせる。
” “ の中は画面メッセージ。
plot “gnu.dat”
#数値データを読み込んで 2D 描画。
必要なら”gnuplot/gnu
.dat”などとフォルダ名を付ける。 gnu.dat ファイルの
作り方は下表を参考に。
#測定データ(コメント文)
#X
Y
-0.2
0.135
-0.1
1.21e-1
0.0
0.921
0.1
0.833
0.2
……..
…
……..
#上のようにデータの各行の最初に空白を作らない。
#空行を入れるとそれ以下のデータは別の切り離された線となる。
set terminal postscript eps
#出力形式を Postscript(eps)に変更する。
set output "out1.eps"
#出力先をファイルに変更する。
replot
#最後の描画を繰返し、
上記コマンドを実行する。
set term x11
#出力形式を X Window に戻す。
set output
#出力先を標準に戻す。
quit
#GNUPLOT 終了。
12.3.5 詳しい解説
市販の解説書も出ておりますが、GNUPLOT はフリーウェアで、以下の日本語
ホームページに詳しいマニュアルが掲載されています。
http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/archive/gnuplot.html
13章 プログラミング
127
13章 プログラミング
Linux(UNIX)には 1000 を越えるともいわれるコマンドがあると言われていま
すが、そのコマンドの 1 つ 1 つは、GPL(GNU Public License)と言う公開制を最
重視した規約に基づいて、そのアルゴリズム集大成である C 言語ソースプログラ
ムすら公開されています。この章では、科学技術計算を行うために開発された
FORTRAN、Linux(UNIX)等のオペレーティングシステムやパソコン、携帯端末
等の基本動作を決めるソフトウェアを記述するために生まれたC言語、更に、近
年インターネットの普及に伴って爆発的な人気を得ている Java について、学術
情報処理センターでの利用の仕方を概説します。
[学習のポイント]
この章では、FORTRAN、C 言語、Java で書かれたプログラムをコンパイル(翻
訳)して、実行するところまでを説明します。文法と呼ばれる言語規約について
は、他書を参考にしてください。この章で学習するキーワードは次の通りです。
1.FORTRAN で書かれたプログラムのコンパイルと実行
2.C 言語で書かれたプログラムのコンパイルと実行
3.Java で書かれたプログラムのコンパイルと実行
13.1 FORTRAN の使い方
FORTRAN (FORmula TRANslator)は、IBM 社が 1956 年に開発したプログラ
ミング言語です。その後、何回もの改良が行われて、現在では FORTRAN90 と
いう名称で呼ばれています。プログラミング言語の種類はいくつもありますが、
FORTRAN は、その簡潔さ、使いやすさ、実行効率の良さなどから、科学技術計
算の分野では、最も広く使われているプログラミング言語の1つです。
FORTRAN を使用するためには、まず XEmacs や vi などのエディタを用いて
128
Linux 編
プログラム(ソースコード)を入力し、ソースプログラムを作成します。プログ
ラムに使用できる文字は半角の英数字と演算記号などです。大文字でも小文字で
も構いませんが、FORTRAN では同じものとみなされます。作成したソースプロ
グラムは記憶装置(通常はハードディスク)に保存する必要があります。つぎに、
これをコンパイル(機械語に翻訳)して、実行ファイルを作成します。なお、こ
こではあらかじめ FORTRAN コンパイラが Linux システムにインストールされ
ていることを前提としています。最後に、作成した実行ファイルで計算を実行し
ます。
以下に、これらの一連の操作の具体的な手順を示します。
13.1.1 ソースファイルの作成
ここでは XEmacs を使う場合について説明します。kterm ウィンドウで
xemacs file1.f &
とし、XEmacs を起動してプログラミングを始めます。file1.f はファイル名で、
file1 は任意に変更できますが、FORTRAN のファイル名には必ず .f の拡張
子をつけます。& はターミナルを使える状態にしたまま、XEmacs を起動するた
めのオプションです。この操作により、ファイルが存在するときにはそのファイ
ルが読み込まれ、無いときには新規に作成されます。
プログラミングは、FORTRAN の文法に従って行います。FORTRAN プログ
ラムの書式で重要な点を以下に示します。詳細は専門書を参照してください。
1.
1 桁目に*, !, %, c, C の文字を入力すると、その行はコメント(注釈)
行となります。
コメント行はプログラム中のどの行にあっても構いません。
2.
2∼5 桁目は飛越し先や FORMAT 文などに用いる文番号を入力します。
3.
6 桁目にアルファベットや数値など、0 と空白以外の文字を入力すると、
この行は前の行からの継続行と見なされます。
4.
プログラム本文は、7 桁目以降から 72 桁目までに作成します。なお、プロ
グラムを見やすくするために、文のはじめや途中に空白を入れても構いま
せん。
これは以前の規格である FORTRAN77 の規則ですが、FORTRAN90 でもその
まま使用できます。FORTRAN90 では上の規則に従わない書式を使うこともでき
ますが、ここではその説明を省略します。
13章 プログラミング
129
FORTRAN プログラムの一例として、台形の面積を計算するプログラムを作成
すると、図 13.1 のような画面になります。
図 13.1 プログラムの作成画面
各行には FORTRAN のコマンドが1つ記述されています。コマンドの意味は
それぞれ以下の通りです。
real takasa,
(略)
write(*,*) ’tk (略) ?’
takasa などの変数を実数として定義
’ ’で囲まれた文字を画面に表示
(*,*)は標準の出力装置、標準の書式を指定
read(*,*) takasa, (略)
takasa などの変数の値の読込
(*,*)は標準の入力装置、標準の書式を指定
hirosa=(chohen+ (略)
右辺の計算を実行した結果を左辺の変数に代入
write(*,100) tak(略)
行番号 100 に指定された書式に従って値を出力
format(5x,’takasa=’,
write で指示された値の出力書式を指定
&
前の行からの継続を指定(必ず 6 桁目に書く)
(略)
stop
プログラムの実行を停止
end
プログラムの終了(最後には必ず書く)
プログラムの作成が終了したらプログラムをファイルに保存します。ファイル
メニューをマウスでクリックするとプルダウンメニューが表示されるので、ここ
から,保存…を選択するか、C-x C-s を入力すると、ファイルが更新されます。
なお、XEmacs の使用方法の詳細については 9 章を参照してください。
130
Linux 編
13.1.2 ソースプログラムのコンパイル
kterm ウィンドウにカーソルを移動し、保存したソースプログラムをコンパイ
ルします。ここでは、g77 コンパイラを使ったコンパイル方法を示します。まず、
g77 –o file1 file1.f
とコマンドを入力し、実行します。これにより、ソースプログラム file1.f が
コンパイルされて、実行ファイル file1 が作成されます。-o はそのためのオプ
ションです。コンパイルを実行すると図 13.2 のようになります。また、図のよう
に ls を実行すると実行ファイルが作成されたことがわかります。実行ファイル
にはファイル名の後ろに * が付されます。
図 13.2 ソースファイルのコンパイル画面
なお、実行ファイル名を指定する必要が無い場合は、-o オプションを省略して、
g77 file1.f
とすれば、a.out という名前の実行ファイルが作成されます。コンパイルオプシ
ョンはこの他にもいろいろなものがあり、kterm ウィンドウで
man g77
とすれば、その使い方を調べることができます。
13.1.3 プログラムのデバッグ
プログラムの間違いを見つけて訂正することをデバッグといいます。プログラ
ムにエラーがあると、コンパイラがエラー箇所を示します。エラーの説明は分か
りにくいことが多いのですが、その都度覚えて、経験を積むと分かるようになり
ます。まずはエラーが発生している行をよく見て、間違いを探すことから始めて
ください。エラーがたくさん発生している場合は最初のエラーが後のエラーを引
き起こしていることがありますので、表示されている順番に問題を解決してくだ
さい。一例として、前述のプログラムで 3 行目の read を real と誤った入力を
13章 プログラミング
131
して、コンパイルを実行すると、図 13.3 に示すようになります。(*,*)にエラー
があるような表示ですが,実際にはその前のコマンドが誤りです。エラーの種類
によっては、指示箇所の後ろや別の行に間違いがあることもあります。
図 13.3 コンパイルエラーの表示
13.1.4 プログラムの実行
前述した方法で作成した実行ファイルを使って計算を実行するには、図 13.4 に
示すように kterm ウィンドウで実行ファイル名を入力して Enter キーを押しま
す。その後の出力や入力はプログラムに依存しますが、ここで作成したプログラ
ムでは、takasa, chohen, teihen = ?と聞いてくるので、数値を3つコン
マで区切って入力すると、計算結果が表示されます。
図 13.4 プログラムの実行画面
以上で、プログラムの作成からコンパイル、実行までの操作が完了します。
132
Linux 編
13.2 C言語の使い方
現在、プログラミング言語は 1000 を越える種類が存在すると言われます。そ
れらが大雑把に低水準言語と高水準言語に大別できます。C 言語は後者に属し、
高い実行効率、メモリ効率を誇り、アセンブリ言語並みの処理を実現する一方、低
水準言語に比べれば遥かに可読性の高い表現能力を持っています。多くの高水準
言語の中、C 言語の果たしている役割は非常に大きいものがあります。
この節では、C 言語で書かれたプログラムのコンパイラ(翻訳機)の基本的な
使い方について紹介します。
ここでは、
読者は C 言語の基礎知識があると考えて、
C言語の使い方を紹介します。
13.2.1 プログラムのコンパイルと実行
(1)プログラムのコンパイル
プログラムの作成にあたり、通常まず計算機にやらせたい仕事を分析し、プロ
グラム設計の基本方針やプログラムの構造を決定します。そしてフローチャート
または PAD(Problem Analysis Diagram)を作り、コーディングを行います。次に、
作成したプログラムをコンパイルしなければなりません。コンパイルとは、計算
機が解釈して実行することのできる形式(いわゆる実行形式)にソースプログラ
ムを変換する作業のことを言います。コンパイルをやってくれるもの(コンパイ
ラという)
もプログラムで、
言語ごとに専用のコマンドとして用意されています。
C の場合、よく使われるのが cc と gcc コマンドです。平成 14 年度から稼働した
新システムでは、GNU C コンパイラが標準ですから、以降、gcc コマンドについて
説明していきますが、cc コマンドの場合には、gcc を cc に読み換えるだけで構い
ません。たとえば、プログラム example.c があり(C 言語のプログラムの拡張子
は必ず.c)そのコンパイルが次のコマンドで実行されます。
% gcc
example.c
%
コンパイルが正常に終了した場合は何のメッセージも表示されずに、プロンプ
ト(%)がシステムから返ってきます。そして、コンパイルコマンドが実行され
たカレント・ディレクトリのファイル一覧を ls コマンドでみると
% ls
13章 プログラミング
a.out
example.c
133
…
のように、a.out という実行形式のファイルが作られていることがわかります。
もし、
プログラムに問題がある場合は、
エラーメッセージなどが表示されるので、
それを参考にして再びエディタを使ってプログラムを修正する必要があります。
それについては、次の項目でそのテクニックを簡単に紹介します。実行形式ファ
イルの名前は a.out ではなく自分の好きな名前(たとえば HIKARU)にしたいな
ら、オプションを使って次のようにコンパイルしてください。
% gcc
–o
HIKARU
example.c
また、プログラムの中に C 言語の数学ライブラリ(sin 等の関数)を使ってい
る場合には、-lm オプションをコマンド行の最後に付けて、
% gcc
–o
HIKARU
example.c
-lm
のようにコマンドを実行させます。m オプションがなかったらプログラムの中に
使われているライブラリ関数が認識できず、正しい実行形式ファイルが作成され
ません。
上に示したのは、ソースプログラムに対するオブジェクトファイルを生成する
コンパイラ(compiler)と、それをシステム側で提供しているさまざまなライブラ
リを結合して、計算機が直ちに実行可能な形式に変換するリンカ(linker)とあわせ
て 1 つのコマンドにしたものです。したがって、リンクさせないで、オブジェク
トファイルのみを生成させたい場合は、次のようにオプションを付けて cc コマン
ドを実行します。
% gcc
–c
example.c
オブジェクトファイルが example.o として作成されます。このように生成され
たオブジェクトファイルが後にほかのプログラムとリンクされ、実行形式ファイ
ルとなります。たとえば、example.o を example1.c というプログラムとリンク
させて、HIKARU という実行形式ファイルを作りたい場合は、次のようにコマ
ンド cc を実行します。
% gcc
–o HIKARU
example1.c
example.o -lm
また、example.c のオブジェクトファイルが作成されていない場合は次のよう
に両プログラムをリンクさせることもできます。
% gcc
–o HIKARU
example1.c
example.c -lm
134
Linux 編
ただし、リンクするプログラムが多いときには、あまり修正を要しないものに
ついてオブジェクトファイルを事前に生成しておいて、それらとのリンクをさせ
た方が効率がよくなります。特に多くの機能を持つ関数群(ユーザが作成するラ
イブラリみたいなもの)を使って大きな仕事を行う場合は、この方法が効率が良
くなります。さらに、コンパイルする必要があるプログラムのみをコンパイルす
る場合、Makefile というものが使えます。その書き方は使うコマンド(make)
によって異なります。興味のある方は参考書を見てください。
(2)プログラムの実行
今まで紹介したコンパイル方法で実行形式のファイル a.out や HIKARU がで
きます。ここからは、できた実行形式ファイルを実行させる方法を紹介します。
通常の UNIX コマンドと同じように実行形式ファイル名を入力してください。
% a.out
プログラムによって画面からデータを入力したり、画面に処理した結果を表示
したり、または処理の結果をファイルにセーブしたり、とプログラムが実行され
ます。プログラムが無事に最後まで実行されると、プロンプトがシステムから返
ってきます。もしエラーが発生したら、通常実行が途中で停止してしまいます。
また、a.out の実行結果をあるファイル(たとえば、results1)に保存したい場
合は、次のように入力してください。
% a.out
> result1
こうすると、プログラムの実行結果がファイル results1 に出力されます。
results1 が存在しなければ自動的に作成されます。
その内容を見たい場合には cat
コマンドを使います。cat コマンドの使い方については UNIX 関係の他書を参照
してください。さらに、ファイル results1 がすでに存在し、その内容の後ろに次
の実行結果を保存したいときには次のように入力してください。
% a.out
>> result1
このやりかたは、多くの実行結果を集めてプログラムの分析を行う場合には特
に便利で効率が良くなります。大きなプログラムを開発する場合はこのやりかた
が特に有効です。
13.2.2 プログラムの文法解析
これまで、プログラムのコンパイルと実行の仕方を紹介しました。しかし、プ
13章 プログラミング
135
ログラムが正常にコンパイルできるまでいろいろ問題が起こるものです。初心者
も上級者も最初にクリアしなければならないのがおそらく C 言語の文法エラーや
警告(Warning)です。ここでは、gcc コンパイラの機能を用いて、C プログラム
の文法エラーを探し出してくれるオプションを紹介します。これは、旧式のシス
テムで使われたコマンド lint(リント)以上の強力なチェックを行います。通常
の gcc コンパイラでは、-Wall オプションなしでコンパイルする場合は、比較的
緩いチェックの緩い条件で翻訳作業が行われます。しかし、文法上のエラーにつ
いてのエラーメッセージを出力しますが、コンパイルに必要な最小限度に限定し
ているため、その情報の量がかなり少なくなっています。
その情報から変数型宣言
や変数のキャスティング等の致命的な誤りを探すのは、著者の経験によれば上級
者にも難しいときがあります。しかし、-Wall オプションを使えばかなり状況が
緩和されます。例えば、example.c の最も厳しいチェックをする場合は
% gcc -Wall
example.c
–lm
のように入力します。複数のソースファイルを指定しても構いません。-Wall オ
プションにおける主なチェック項目としては次のようなものがあげられます。
・値が与えられていない変数の使用(プログラムの実行結果に大きく影響を与
える恐れがあり、訂正したほうがよい)
・プログラム中の実行されない文(ただのゴミで削除すればよい)
・使用されない関数の戻り値
・long データの int 変数への代入(実行結果に影響を与える恐れがあり、訂正
したほうがよい)
・不適切なプログラム構造(コンパイルができないか、実行結果がおかしいか
ということが多いので、訂正すべきである)
・関数の引数の数と型(引数の数があわないとコンパイルができません。引数
の型が一致しないと実行結果がおかしくなるのが普通である)
更に、新システムでは、gdb と呼ばれるシンボリック・インストラクション・
デバッガである GNU Debugger が利用できますが、このデバッガプログラムを使え
ば、プログラムを実行しながら変数のチェックやモニタすることもできます。詳
しくは、http://www.ex.media.osaka-cu.ac.jp/~a97m030/unix/gdb.html等を
参照して下さい。
136
Linux 編
13.2.3 プログラムの実行エラーの処理
コンパイルの終ったプログラムは一応文法エラーがとれたもので、実行できま
す。しかし、プログラムにおける処理方式や構造的なエラー(いわゆるバグ)な
どは不正常な実行結果として出力されます。ひどい場合は、実行が途中で停止し
てしまいます。
エラーの種類としては、下記の2種類が考えられます。
(1) エラーメッセージが表示されるエラー
(2) プログラムの作者が想定した結果が得られない意味でいうエラー
前者は、コーディングミスからプログラムの構造までさまざまなものから起因
するもので、一律な対応方法がありません。たとえば、プログラムが無限ループ
になっていて、最初はなかなか気付かない場合があります。実行時間が思った以
上に長い場合はひとまず実行を止めて無限ループの可能性を確認してください。
問題があった場合は、マニュアルなどを調べたり、いろいろと可能な解決法を試
してみたりして経験を積むのが基本的な対処法です。
後者は、プログラムの処理する内容や手法から起因するものが多く、解決法と
しては2つ考えられます。1つはシステムが提供するデバッガ(debugger)を用
いることです。そのための専用コマンドとして先に説明した gdb が知られていま
す。もう1つの方法はプログラム中に必要に応じて実行の途中結果を表示させる
printf 関数を挿入するもので、原始的で手間がかかりますが、一番確実な方法で
す。文の挿入する場所によってデバッキングの有効性や効率が異なります。表示
させたい変数の前またはその後ろに挿入するのが一般的です。
この節の終りに、C 言語の使い方は奥深く、これまで紹介したのはそのごく基
本的な事柄で、読者のみなさんには使用を通して経験を積むことが上達の近道で
あることを申し添えておきます。
みなさん、楽しい C 言語の世界を思う存分に探検してみてください。
13章 プログラミング
137
13.3 Java の使い方
13.3.1 Java
Java 言語は、Sun Microsystems が 1995 年に発表した新しい言語です。発表
当初は、Java アプレットと呼ばれる Web ブラウザ上で動作するアプリケーショ
ン作成用言語として注目されましたが、最近では、純粋なオブジェクト指向型の
言語、OS 依存性が無い、さらに豊富なライブラリーが準備されているなどの特
長から、
科学技術計算やグラフィックスなど幅広い分野で採用され始めています。
13.3.2 Java プログラミング
Java のソースファイルの拡張子は .java です。まず以下のような Java アプ
リケーションサンプルプログラムを使用します。
class Helloworld {
public static void main(String arg[ ]) {
System.out.println(“Hello World!”);
}
}
ソースファイルは class で指定した名前に拡張子を付けたファイル名で保存
する必要があります。また大文字、小文字も区別されるので注意が必要です。こ
こでは Helloworld.java というファイル名で保存します。
コンパイルは javac コマンドを用います。
etoh@ews010[100] javac Helloworld.java
正常にコンパイルされると、Helloworld.class と言うファイルが作成されます。
実行するには java コマンドを用います。
etoh@ews010[101] java Helloworld
Hello World!
これがもっとも簡単な Java プログラミングです。エラーが出た場合は再度ソ
ースファイルを見直す必要があります。
13.3.3 グラフィックス
グラフィックスの描画には、java.awt.Frame クラスを用いてフレームを定義
138
Linux 編
し、その後、java.awt.Graphics クラスを用いて描画します。以下に、楕円を描
くサンプルプログラム(Ellipse.java)を示します。
import java.awt.*;
public class Ellipse extends Frame{
public static void main (String arg[]){
Frame f=new Ellipse();
f.setTitle("Ellipse");
f.setSize(200,200);
f.setVisible(true);
}
Ellipse(){}
public void paint(Graphics g){
g.drawOval(25,50,150,100);
}
}
これを前項と同様な方法で実行すると、次のように楕円が描かれます。
13.3.4 Java アプレット
Java アプレットは、Web ブラウザ上で動作するアプリケーションです。以下
では、文字列と楕円を表示するアプレットの作成とその実行方法を示します。
13章 プログラミング
139
import java.applet.*;
import java.awt.*;
public class HelloworldApplet extends Applet {
final Font f = new Font("Gothic", Font.BOLD, 20);
public void paint(Graphics g) {
g.setColor(Color.black);
g.setFont(f);
g.drawString("Hello World!", 50, 20);
g.drawOval(25,50,150,100);
}
}
このソースファイルもこれまでと同様 class で指定した名前+拡張子(.java)、
HelloworldApplet.java で保存します。同様に javac で コンパイルすると、
HelloworldApplet.class と言うアプレットが作成されます。このアプレットはこ
れまでのように単独のプログラムとして実行することはできず、HTML から呼
び出します。
作成したアプレットを呼び出す HTML ファイルを作成します。
<html>
<applet code="HelloworldApplet" width=250 height=200>
</applet>
<html>
この HTML ファイルを適当なファイル名で保存します。ここでは test.html
として保存します。この HTML ファイルを呼び出すには Netscape などのブラ
ウザが必要ですが、アプレットの結果だけを表示したい場合は appletviewer と
言うコマンドを用います。
etoh@ews010[102] appletviewer test.html
以下が実行結果です。
140
Linux 編
13.3.5 参考文献、参考 URL
1)「Java プログラミング徹底解説」日経 BP 社
2)「Java 入門」 技術評論社
3)「Java2 グラフィックプログラミング入門」技報堂出版
4)「一歩先行くインターネット Java 入門」翔泳社
5)「http://java.sun.com」 JavaSoft Home Page
学内利用案内 編
佐賀大学内では、学内ネットワークを介して、学術情報処理センター、附属図書館
や学部・学科に設置された情報端末やパソコンから様々な情報を得ることができます。
本編では、学術情報処理センター、附属図書館、学生センターが提供するインター
ネット上の各種サービスについて説明します。講義の休講通知等、学内の学生生活を
送るための情報が満載されています。是非、一日一度は、学内のホームページを覗い
てみませんか?
佐賀大学公式ホームページは、
http://www.saga-u.ac.jp/
です。このページから学内の各種ホームページにアクセスすることができます。
142
学内利用案内 編
14章 佐賀大学が提供するサービス
この章では、学内ネットワーク上の各種サービスを提供するホームページのうち学
生生活に必須の情報を提供しているものを紹介します。具体的には、各種学術情報を
提供する学術情報処理センターと附属図書館、更に、講義履修・成績関係、各種証明
書、奨学金等の情報を提供する学生センターです。
14.1 学術情報処理センター
学術情報処理センター(以下、学情センター)では、学生の皆さんに下記のサービ
スを行っています。
(1) 演習室の利用
(2) センター相談
(3) 教育用 LAN の利用
(4) 学外からの PPP 接続の利用
(5) 個人用ホームページの公開(学内のみ)
14章 佐賀大学が提供するサービス
143
14.1.1 演習室の利用ついて
演習室の利用については、演習室の各
PC 端末備え付けの「演習室利用の手引
き」(オレンジ色の冊子)と学情センタ
ーのホームページ
http://www.cc.saga-u.ac.jp
を参照してください。
1)
「演習室利用の手引き」について
「演習室利用の手引き」には、演習室
の PC 端末を利用する上で最低限必要なことを載せていますので、この教科書と合わ
せて活用してください。
「演習室利用の手引き」の項目は、下記のようになっ
ています。
(1) 学術情報処理センターの利用のはじめに
利用申込、学情センターの開館日および開館時間、
注意事項、演習室の PC 端末で絶対にしてはいけな
いこと、センター相談の利用についての説明があり
ます。
(2) ユーザ名、パスワード、電子メールアドレス
ユーザ名、パスワード、についての説明があります。
(3) Windows の起動・終了およびパスワード変更手順
起動手順、終了手順、パスワード変更手順についての説明があります。
(4) メールソフト(Winbiff)について
Winbiff の設定と Winbiff のユーザ設定についての説明があります。
(5) Windows での印刷操作
印刷操作手順についての説明があります。
(6) 演習室の PC 端末について
PC 端末のハードウェア、ユーザディスク(Z ドライブ)とその他のドライブ、
ドライブ構成図、各ドライブの使用方法についての説明があります。
144
学内利用案内 編
(7) 利用中のトラブルに関して
ログイン、ログアウト(シャットダウン)に関するトラブル、Winbiff に関す
るトラブル、画面が動かなくなったときについての説明があります。
(8) Linux の基本操作
起動手順、終了手順、パスワード変更手順、印刷操作手順、ドライブ構成につ
いての説明と UNIX のコマンド一覧があります。
(9) 制限事項
ファイル使用量、メール送受信制限容量、印刷枚数の説明があります。
(10) 演習室で利用できるソフトウェア一覧
Windows と Linux のソフトウェア一覧があります。
その他には、キーボードレイアウト、ローマ字/かな対応表もあります。
2)ホームページについて
学情センターのホームページでは、学情
センターの臨時休館や開館時間の変更、ネ
ットワークの停止などのお知らせや利用
案内の他、学情センターで行っているサー
ビスとその利用方法などについて掲載し
ています。
(1) 演習室の利用に関連したホームページ
利用上の注意:http://www.cc.saga-u.ac.jp/system/CenterSystem/board.html
パスワードの変更:http://intauth1.edu.cc.saga-u.ac.jp
印刷枚数の確認:http://onimaru.edu.cc.saga-u.ac.jp
ディスク使用量の確認:http://userinfo.cc.saga-u.ac.jp
14章 佐賀大学が提供するサービス
145
14.1.2 センター相談について
学情センターでは、演習棟1階ホールにセン
ター相談を設置しています。
相談時間は、火曜日を除く平日の 12:15∼
16:15 までです。相談できる内容は、演習室の
PC 端末のハードウェア、ソフトウェアの利用
に関することや利用時のトラブルなどです。な
お、センター相談は、授業等の内容に関する相
談には対応しませんので、授業担当の先生など
に相談してください。
相談時間外の相談は、学情センター業務室で受け付けます。
14.1.3 教育用 LAN の利用について
学情センターでは、個人所有のノート PC
をネットワークに接続し学内のホームペー
ジの閲覧やインターネットが利用できるよ
うに学内各所(講義室、附属図書館、大学会
館など)に情報コンセントと無線 LAN を設置
しています。
附属図書館での利用風景
1)情報コンセントを利用するときは
(1) 情報コンセントは、各個所に2口ずつあり、赤
いラベルで「教育用」と表示されています。
(2) 通信速度は、10/100Mbpsに対応しています。
(3) LAN接続用ポート内蔵のノートPCでない場合
は、LAN接続用の通信カードが必要です。
(4) ネットワークの設定は、「IPアドレス自動取得」にします。
(5) 情報コンセントとノートPCを接続するためのUTPケーブル(カテゴリ5以上)を
用意します。
146
学内利用案内 編
2)無線LANを利用するときは
(1) 無線LAN装置には、赤い文字で「教育LAN」
と記載されています。
(2) 無線LAN対応のノートPCでない場合は、無線
LAN用の通信カードが必要です。
(3) ネットワークの設定は、
「IPアドレス自動取得」
にします。
(4) 無線LAN装置のESSID(SSID)は「ogwap」ですが、「any」または空白でも接
続できます。
(5) 通信できる範囲は、無線LAN装置を中心に約30m以内ですが、30m以内でもノ
ートPCを利用する場所によっては電波が届きにくい場合があります。
情報コンセントと無線 LAN の設置場所や教育用 LAN の利用方法などの詳細につ
いては、学情センターのホームページの教育用 LAN
http://www.cc.saga-u.ac.jp/outline/lan_plan.htm
を参照してください。
また、ネットワークを利用するときは、最初の授業で学生の皆さんに配布する「佐
賀大学キャンパス情報ネットワーク利用案内」を必ず読んでマナーを守って他人に迷
惑をかけないようにしましょう。
14.1.4 学外からの PPP 接続の利用について
学情センターでは、自宅などから佐賀大学のネットワークが利用できるように
PPP(ダイアルアップ)接続のサービスを行っています。
(1) アナログ回線(33.6Kbps)と ISDN(64Kbps)に対応し、同時利用回線数は 24 回
線です。
(2) 認証には、学情センターが発行したユーザ名とパスワードが必要です。
(3) 毎週火曜日の 13:00∼16:00 までは、保守点検のため利用できません。
PPP接続の手順は、学情センターのホームページのPPP接続方法を参照してくださ
い。また、PPP接続用の電話番号は、公開していませんので、学情センター業務室に
お尋ねください。なお、電話による問い合わせには応じていません。
14.1.5 個人用ホームページの公開について
学情センターでは、学生の皆さんが個人で作成したホームページを公開(学内のみ)
14章 佐賀大学が提供するサービス
147
するための利用者用WWWサーバのサービスを行っています。
この利用者用WWWサーバの利用方法などの詳細については、学情センターホームペー
ジの利用者用WWWサーバを参照してください。
1階
学情センター平面図
2階
148
学内利用案内 編
14.2 附属図書館のネットワーク利用
14.2.1 電子図書館とんぼの眼
電子図書館とんぼの眼ホームページでは、佐賀大学内のさまざまなデータベー
スを提供しています(URL http://www.dl.saga-u.ac.jp/)。
オンラインシラバス:開講されている授業についてのさまざまな情報を検索でき
ます。担当教員、授業の概要、内容、授業計画、成績評価方法、教科書、参
考図書、参考サイトなどを知ることができます。また、レポートの課題など
も掲載されます。
教職員基礎情報:教員名簿です。名前、研究活動の概要がわかります。
研究業績:教員の教育研究活動と研究成果を収録しています。
OPAC データベース:佐賀大学所蔵の図書・雑誌の書誌情報を収録しています。
貴重書データベース:所蔵貴重書「小城鍋島文庫」の書誌情報を収録しています。
貴重書コレクション:小城鍋島文庫中で、特色ある資料の本文を画像化して公開
しています。
雑誌論文データベース:佐賀大学で刊行する紀要・研究論文集に掲載された論文
を収録しています。
博士論文データベース:佐賀大学の博士論文を収録しています。
14章 佐賀大学が提供するサービス
149
1)横断検索
オンラインシラバス、研究業績、OPAC、貴重書、雑誌論文、博士論文の各デー
タベースを、1 回の処理で横断的に検索することができます。
画面右側の検索対象欄で、検索したいデータベースを選択します。国内外のリ
ストからも選択できますが、検索に時間がかかることがあります。選択後、フリ
ーワード欄に検索語を入力し,検索ボタンを押します。
選択した中の最初のデータベ
ースの結果一覧が中央に表示
され、右側には対象データベー
スごとにヒット件数が表示さ
れます。ヒット件数をクリック
すると、その結果一覧が中央に
表示されます。
一覧からクリックすると詳
細情報が表示されます。
150
学内利用案内 編
14.2.2 附属図書館ホームページ
授業を理解するために、レポートや卒業論文などを作成するために、また、自
分の課題を研究するために、図書や論文をはじめとするいろいろな資料を読む必
要があります。これらの資料を文献と呼びます。附属図書館ホームページでは、
図書館の利用案内のほか、様々な文献情報サービスを提供しており、国内外の必
要な文献を効率よく探し、入手することができます。
図書館ホームページでは、以下の情報を提供しています。
図書館案内:サービス案内、館内案内、資料案内、開館スケジュールなど
資料検索:佐賀大学蔵書検索、佐賀大学電子図書館とんぼの眼検索、全国の大学
所蔵の図書・雑誌の総合目録、国内外の蔵書検索などへのリンク
情報サービス:蔵書検索の手引き、文献の探し方の案内、図書館への質問受付、
各種学術情報へのリンク
学内サービス:学内専用のお知らせ、国内外の各種文献データベース、電子ジャ
ーナル、情報検索サービスの案内など
14章 佐賀大学が提供するサービス
151
1)蔵書検索(佐賀大学所蔵の図書・雑誌データベース)
図書館のホームページから「蔵書検索」をクリックすると、下記画面が表示さ
れます。佐賀大学にどんな図書や雑誌があるかわかります。
画面上段には、検索対象を選択する個所があります。初期値は全資料及び和洋
すべてが対象となっています。探したい資料に応じて選択しましょう。
画面下段には、検索語を入力するための欄が4つあります。
「タイトル」「著者
名」「出版者」「件名」です。「出版者」には、通常の出版社名のほか、官公庁出版
物の場合の出版団体名、個人出版の場合の個人名などが含まれます。「件名」は聞
きなれないことばですが、図書の内容を表すことばと思ってください。
検索語は、漢字・ひらがな・カタカナのどれでも入力できます。
(1) キーワード検索
語と語との間にスペースを入れて検索するやり方です。
たとえば書名の項目に、「情報□検索」(□はスペース)と入れると、「情報」と
152
学内利用案内 編
いう語および「検索」という語を書名のどこかに持っている資料をすべて検索し
ます。
(2) 前方一致検索・完全一致検索
語と語の間にスペースを入れずに検索語を入力するやり方です。これは「書名」
の欄に入力する時のみ有効です。「情報検索*」と入力すると、書名が「情報検索」
から始まる資料をすべて検索します。「情報検索のあれこれ」「情報検索講義」
「情報検索入門」など。これを前方一致検索といいます。「情報検索@」と入力す
ると、書名が「情報検索」とある資料のみ検索します。これを完全一致検索とい
います。ヒット件数が多そうなときはこの方法が有効です。
(1) のキーワード検索の方が幅広く検索できます。
では、タイトルの欄に漢字で「情報□検索」と入力し、「検索」ボタンをクリッ
クしてみましょう。
検索がスタートし、検索結果リストが表示されます。
14章 佐賀大学が提供するサービス
153
検索結果リストから、詳しく見たい図書の文字をクリックすると、その図書の
書誌情報と所蔵情報が表示されます。書誌情報では、図書のタイトル、著者名、
出版者名のほか、ページ数や大きさ、シリーズ名なども表示されます。所蔵情報
では、請求記号、学内の所在、貸出の可否が表示されます。図書館所蔵の図書は、
「請求記号」で館内の配置場所がわかります。
詳しくは、
蔵書検索の手引き(http://www.lib.saga-u.ac.jp/document/kensaku.pdf)
をご覧ください。
154
学内利用案内 編
2)文献データベース
文献を探すための、国内外のいろいろなオンライン文献データベースを提供し
ています。
国内
雑誌記事索引:学術雑誌に掲載された論文のデータベース
NACSIS-IR/NACSIS-ELS:学位論文、雑誌記事など多様なデータベース
DNA for Library:朝日新聞の記事データベース
日経テレコン 21:新聞記事、株価、企業情報など日本経済新聞社が提供す
る総合情報サービス
ネットで百科:平凡社「世界大百科事典」を軸としたインターネットによ
る百科事典検索サービス
国外
SciFinder Scholar:生物学、医学、生化学、物理化学、応用化学、高分子
化学関係のデータベース(平成 15 年度導入予定)
Inside Web:The British Library が提供する全分野の文献検索サービス
MLA International Bibliography:語学、文学、言語学、民俗学関係の文
献情報データベース
詳しくは図書館ホームページの学内サービスのページをご覧ください。
14章 佐賀大学が提供するサービス
155
3)電子ジャーナル
印刷物ではなく電子的に出版され、インターネット上で利用できる雑誌を電子
ジャーナル(Electronic Journal)と呼びます。出版と同時に世界中で利用できる
という利点があります。ホームページから「Electronic Journal」をクリックす
ると、電子ジャーナルのページが表示されます。著作権上の注意を守り、ご利用
ください。
雑誌目次
論文本文
156
学内利用案内 編
14.3 学生センターホームページ
(URL http://sad.admin.saga-u.ac.jp/)
このホームページでは、より豊かな学生生活を支援するための情報を提供して
います。学生便覧をはじめ、電子掲示板、学生呼出、休講情報の検索や各種申請
に必要な書類の印刷ができます。ただし、電子掲示板には全ての掲示物を掲載す
ることができませんので、試験運用中です。掲載内容については、再度、学生セ
ンター内の掲示板で確認を行う必要があります。なお、休講情報などは、携帯電
話から見ることもできます。携帯電話から直接アクセスする場合のアドレスは、
http://sad.admin.saga-u.ac.jp/i/です(i モード以外からも可能です)。
パソコンのトップ画面
携帯電話のトップ画面
14.3.1 電子掲示板
掲示板は全学生対象、所属学部対象、全学教育センター対象と3種類がありま
すので、それぞれ必要に応じて検索してください。下の表は「文化教育学部」と
して検索した例を示します。
14章 佐賀大学が提供するサービス
157
検索後、左の列の詳細番号をクリックすると、掲示内容が確認できます。
14.3.2 学生呼出
個々の学生諸君に用件を伝えるために、
学生呼出専用の掲示版を設けています。
呼出画面に自分の学籍番号があれば、担当課係へ赴いてください。
14.3.3 休講検索
休講についても、検索することができますが、授業の際に担当教官から直接学
生諸君へ連絡済みの場合など、この掲示板に掲載されないものもあります。
158
学内利用案内 編
14.4 就職相談室ホームページ
(URL http://www.job.admin.saga-u.ac.jp/)
このホームページでは、学生の就職活動を支援するための情報を提供していま
す。
1)
求人票検索 … 就職相談室で受理した求人票を閲覧できます。ただし、特
定の学科や教官が直接受理した求人票はこれに含まれません。
2)
学外セミナー
… 各地で開催される就職セミナー情報を見ることができ
ます。
3)
就職関連リンク集 … 検索エンジンやリクルート等の就職関連企業にリ
ンクしています。
4)
先輩からのメッセージ … 就職活動の体験報告が掲載されています。
5)
公務員・教員 … 採用試験日程を見ることができます。また、中央省庁、
地方自治体へもリンクしています。
6)
就職の手引 … 企業、公務員、教員への就職活動の取り組み方を概説して
います。
以下に、上記の「1)求人票検索」の利用例を示します。
14章 佐賀大学が提供するサービス
159
求人票の検索
それでは、業種・地域からの検索を行ってみます。
〔業種・地域からの検索〕を
クリックすると次の画面が表示されます。ここで、調べたい業種、地域のラジオ
ボタンをそれぞれ選択し、検索ボタンをクリックして下さい。
条件に合ったレコードの検索結果一覧が表示されます。
160
学内利用案内 編
次に、企業の ID 番号の数字部分をクリックすると求人票の詳細な内容を見る
ことができます。
他の企業を見るときは、使用しているブラウザの〔戻るボタン〕で検索結果一
覧の画面に戻って下さい。
他の検索方法もこれと同じような操作を行いますが、事務職、技術職の検索は
13.3 種類に細分化された事業分野、都道府県別にさらに細かく絞込み検索を行う
ことが可能です。
〔検索結果一覧の画面〕
14章 佐賀大学が提供するサービス
161
14.5 日本学生支援機構奨学金について
学生支援機構奨学金の申込みは、近年の奨学金事業の拡充とIT化社会を視野に
入れ、平成 14 年度から従来の文書による申込みからパソコンを利用したインタ
ーネットによる申込み(「スカラネット」という)になりました。このため、4月
末から5月始めの申込みにおいては、パソコンの入力・操作方法等基礎的な知識・
使用能力を身に付けておくことが必要になりますので(コンピュ―タリテラシー
の向上)
、入学直後から情報基礎概論及び情報基礎演習Ⅰ等の情報関連科目講義・
演習にきちんと出席し、併せて本書を熟読することによって申込みがスムーズに
いくようにしておいてください。
なお、奨学金申込みに伴うパソコンの入力方法等の詳細については、入学後の
4月始めに日本育英会の作成による「奨学金を希望する皆さんへ」を学生生活課
において配布しますので、こちらを参照してください(4月中旬に開催予定の奨
学金説明会等においても、入力・操作方法等の説明を行います)。
・日本育英会のホームページアドレス(URL) http://www.jasso.go.jp/
・奨学金申込専用のホームページアドレス(URL)
http://www.jasso.go.jp/shougakukin/index.html(平成18 年1 月25 現在)
(注)奨学金申込専用のホームページアドレス(URL)は変更される場合があり
ます。
※日本育英会、地方公共団体及び民間育英団体等の各種奨学金制度については、
佐賀大学のホームページや学生便覧にも掲載されていますので、こちらにアクセ
スするか又は参照するようにしてください(日本育英会以外の奨学金の申込み等
は、インターネットではなく申込書(文書)による申込みになります)。
162
学内利用案内 編
14.6 留学生センターホームページ
(URL http://sad.admin.saga-u.ac.jp/isc/)
このホームページでは、留学生センターおよび留学生課に関する情報を、日本
語と英語で提供しています。
1)
ニュースレター… 留学生センターの活動、および留学生や国際理解教育
に関わる最新の情報を随時掲載しています。
2)
交流会情報(オープンキャンパス情報・地域交流情報・・・)や留学生セン
ターが主催あるいは後援している国際交流イベント情報を提供していま
す。
3)
留学生生活… 「留学生ガイドブック」、および「チューターの手引」を掲
載しています。
4)
留学生ガイドブック… 留学生が日本で生活するために必要な情報を PDF
形式で掲載しています。「留学生指導教官の手引」をも兼ねるものであり、
留学生指導教官、およびチューターのみなさん必読のガイドブックです。
5)
相談コーナー… 留学生センターでは、留学生や海外留学・国際交流を考
えている日本人学生のために相談の時間を設けています。「相談コーナ
ー」では、相談の時間に関する情報を提供しています。
6)
海外派遣・語学研修… 佐賀大学で実施している海外派遣・語学研修につ
いての情報を掲載しています。
7)
紀要・広報誌… 留学生センターで発行している紀要・センターニュース
等の紹介を行っています。
学術情報処理センターで利用できるソフトウェア
(Windows用)
ソフトウエア種別
OS
名 称
Windows 2000 Professional
基本アプリケーション
telnet, ftp, archie,
WWWブラウザ
NetscapeCommunicator
ssh に対応した端末ソフトウェア
TeraTerm TTSSH
日本語入力ソフトウェア
中国語入力ソフトウェア
MS-IME2000
MS-PingYin98
韓国語入力ソフトウェア
ハングルMS-IME
日本語コード変換ツール
QKC
電子メールソフトウェア
文書処理統合環境(ワードプロセッサ、表計算、
データベース、プレゼンテーション)
テキストエディタ
Winbiff2.32
OfficeXP
Meadow
テキストエディタ
EmEditor v3
画像編集・描画ソフトウェア
PaintShopPro 7J
プログラミング統合環境(BASIC、C++、Java)
VisualStudio6.0
数式処理言語
タイピングソフトウェア
(到達レベル認証機能付き)
Maple 7
CIEC タイピングクラブ
数式文書処理
LaTeX
PostScriptプレビューア
GSview4
PDF 表示ソフトウェア
Acrobat Reader 5
化学構造描画ソフトウェア
メモリ最適化ソフトウェア 圧縮・解凍ソフトウエア
(CAB/LHA/TAR/ZIP 形式)
ISIS/Draw
MemTurbo2
Lhaplus for Windows
(version 1.12)
ウィルス対策ソフトウェア Norton AntiVirus
3 次元分子軌道計算ソフトウェア †
地理情報(GIS)ソフトウェア †
WinMOPAC 3.0
GeoBasic21
多機能マルチメディアファイル管理ソフト
Impression Gallery Next!
†印は小演習室とホールでのみ使えます
学術情報処理センターで利用できるソフトウェア
(UNIX用)
(Linux
用)
ソフトウエア種別
名 称
OS
Linux 2.4(TurboLinux7の無償版)
メールリーダ
Mew
WWWブラウザ
NetscapeCommunicator
<日本語文書作成環境>
日本語仮名漢字変換
Canna
テキストエディタ
XEmacs21
数式文書処理
LaTeX
PostScriptプレビューア
gv3.5
日本語対応作図ソフトウェア
<プログラミング環境>
tgif4
C コンパイラ
gcc-2.95.3
FORTRAN コンパイラ
g77
GUI付きデバッガ
xxgdb
日本語 perl
地理情報(GIS)ソフトウェア jperl-5
GRASS
並列化ライブラリ MPI-2.0
165
学術情報処理センター
佐賀大学には、ネットワークに関係した規程があります。
「佐賀大学キャンパス情報ネットワーク管理規程」のほかに、「利用者倫理規
程」「管理者倫理規程」「個人用 Web サーバ利用要項」等があり、ネットワークの
利用に際してはこれらの厳守が必要です。各種規程等は学術情報処理センターホ
ームページの「規程」に掲載されています。
URL:http://www.cc.saga-u.ac.jp/outline/rules.html
また、 日本には「不正アクセス禁止法」「著作権法」などの法律があり、これ
らの法律で禁じられているような行為を行った場合、刑事罰を受けたり、賠償請
求されることもあります。 「誰にもわからないだろう」と軽い気持ちで行った行
為が、学内だけでなく海外の人たちにまで迷惑をかけることもあります。 利用す
るときは、マナーを守り他人に迷惑をかけないように心掛けましょう。
■危ないネットワークの利用
下記のような利用を行うと処分の対象となることがあります。
◆ キャンパス情報ネットワークを利用するとき
1.他人のユーザ名やパスワードを使用すること。
2.ネットワーク回線を専有するような通信を行うこと。
3.不正アクセス行為(ポートスキャン、ハッカーなど)を行うこと。
4.著作権侵害になるようなファイルやデータの送受信を行うこと。
5.営利目的に利用すること。
◆ 自分のホームページを公開するとき
1.他人の作った文書や画像、写真、イラスト、音楽、楽譜など著作権に触
れるものを無断で掲載すること。
2.公序良俗に反する画像や文章等を掲載したり、リンクを張ること。
3.他人を中傷するような内容の文章を掲載すること。
166 ネットワークを利用するときの注意
◆ メールを利用するとき
1.メールを使って他人を中傷したり悪意ある情報を流すこと。
2.チェーンメールなど情報が確かでない内容を送ること。
3.他人になりすましてメールを送ること。
◆ その他の利用
1.掲示板などへ他人を中傷したり悪意のある情報を書き込むこと。
2.利用者に迷惑を及ぼす行為(掲示板への大量書き込み、白紙書き込みな
ど)をすること。
3.著作権侵害になるようなファイルやデータのファイル交換を行うこと。
■被害に遭わない、迷惑をかけないための対策
◆
ユーザ名とパスワードの管理について
1.自分のユーザ名とパスワードを他人に教えてはいけません。
2.初期パスワードは必ず変更しましょう。
3.パスワードは、他人に見られないよう厳重に管理してください。
4.ログインしたまま席を離れてはいけません。
◆ ウイルス対策について
1.自分が管理する PC には、ウイルス対策ソフトをインストールするなど
ウイルスの感染を未然に防ぐ対策をとりましょう。
2.ウイルスの感染経路には、メール、ファイル共有、FD などがあります
ので、ウイルスに感染していないか定期的にチェックしましょう。
3.ウイルスに感染しやすかったりウイルス付きメールを自動的に送信する
メールソフトもありますので、メールソフトを選ぶときはよく吟味して
ください。
4.利用しているメールソフトやブラウザにセキュリティホールがある場合
は、必ずパッチを当てるなど対策を取っておきましょう。
◆ メールを利用するときの注意
1.添付ファイルの付いたメールには、ウイルスが含まれている可能性があ
ります。知り合いからのメールでも、「あやしいなぁ」と思ったら添付フ
ァイルを開かないようにしましょう。
ネットワークを利用するときの注意 167
2.メールを送るときは、宛先や自分のメールアドレスを必ず確かめましょ
う。
3.大容量(数メガ以上)の添付ファイル付きメールは、送信しないようにし
ましょう。
4.
パスワードはメールソフトに記憶させず、
面倒でも毎回入力しましょう。
ローマ字/かな対応表
下記の表以外にも入力の仕方があります。
詳細は以下の URL を参照してください。
http://www.cc.saga-u.ac.jp/system/CenterSystem/ime_romaji.htm
あ
A
か
KA
い
I
き
KI
う
U
く
KU
え
E
け
KE
お
O
こ
KO
さ
SA
しゃ
SYA
た
TA
し
SI
しぃ
SYI
ち
TI
す
SU
しゅ
SYU
つ
TU
せ
SE
しぇ
SYE
て
TE
そ
SO
しょ
SYO
と
TO
な
NA
は
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や
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ら
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ひ
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ん
XN
Caps
Lock
英数
Ctrl
Tab
Home
Shift
Q
!
1 ぬ
半角/
全角
End
X
Zっ
つ
M
も
ま
の
L
Altキーを押しながら半角/全
角キーを押す操作で、半角英
数字入力モードと日本語入
力モードとの切り替え
Shiftキーを押しながら英文字キーを押すと
全角英文字入力
Ctrl
│ ¬
\ -
←
Shift
}」
] む
↓
↑
Enter
CtrlキーとShiftキーを押しなが
らこのキーを押す操作で、
ローマ字入力とかな入力の
切り替え
行替え、漢字変換
の確定などに使用
Enter
カーソルの右側文
字を1文字消去
Delete
挿入モードと上書
きモードの切り替
え
Insert
カーソルの左側文
字を1文字消去
BackSpace
¥マーク
Shiftキーを押しな
がらこのキーを押す
~(ティルド)
カーソル移動に使用
矢印(←→↑↓)
→
Page
Down
Page
Up
Delete
Back
Insert
Space
カタカナひらがな
Alt
?・ ―
/ め \ ろ
+ 』 * ケ
; れ : け
On
Line
Print
Scroll
Pause
Screen Lock
Scroll
Lock
@(アットマーク)
-(ハイフン)
Caps
Lock
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[ °
― 々
∧ へ
F12
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@ ゛
= £
- ほ
F11
P『
せ
カタカナ
ひらがな
空白文字の入力、
漢字の変換に使用
Alt+半角/全角
り
ら
∼を
0 わ
F10
半角英数字変換
F10
< 、 > ゜
,ね .る
K
前候補
変換(次変換)
み
J
O
Space
N
く
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に
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9 よ
F9
ひらがな、カタカナ、半
角カタカナの切り替え
こ
H
U
( ゅ
8 ゆ
F8
無変換
B
き
か
F7
全角英数字変換
F9
' ゃ
7 や
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ん
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6 お
F6
G
T
ひ
は
V
F
す
無変換
そ
し
C
D
R
% ぇ
5 え
F5
日本語入力モードの場合:
Shiftキーを押しながら英文字キーを押すと
英大文字入力。Shiftキーを押しながら数
字キーを押すと特殊文字入力
Alt
さ
と
S
て
F4
半角カタカナ変
換
F8
$ ぅ
4 う
Eぃ
い
# ぁ
3 あ
F3
ち
A
た
W
"
2 ふ
F2
Shift
半角英数字モードの場合:
英大文字入力と英小
文字入力の切り替え
は、Shiftキーを押
しながらこのキーを
押す
CapsLock
ショートカットキーな
どのときに使用
Ctrl
項目移動などに使用
Tab
F1
カタカナ変換
ひらがな変換
Esc
F7
F6
1999 年 3 月 25 日
2000 年 9 月 25 日
2003 年 3 月 24 日
2003©
初版 第1刷発行
改訂版 第1刷発行
第3版 第1刷発行
計算機リテラシー [第3版]
著
者
佐賀大学全学教育センター情報処理部会
発行者
橋本豪夫
発行所
ムイスリ出版株式会社
〒169-0073
東京都新宿区百人町 1-12-20
Tel.03-3362-9241(代表) Fax.03-3362-9145
振替 00110-2-102907
ISBN4-89641-074-2 C3055
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