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53(2007.11発行) あつまれ!ちっちゃいものファンクラブ

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53(2007.11発行) あつまれ!ちっちゃいものファンクラブ
No.53( 2007年11月)
あつまれ!ちっちゃいものファンクラブ☆
∼ようこそ小さな小さな世界へ∼
発行・神奈川県立川崎図書館
今、時代はちっちゃいものを求めてる!?
最近「ナノテク」ということばをきくことがありますね。「ナノテクノロジー」を縮めたことばです。ナノは大きさの
単位で、ナノテクノロジーとはナノの大きさのものを作ったり、ナノの大きさのものを使って何かをしたりする技術
のことです。持ち運びに便利だったり、消費電力が節約できたり、小さいことが暮らしや環境に役立つのです。
でも、ナノってどれくらい?
他に小さいものを表す言葉としてミニ、マイクロ(ミクロ)、などよく使われますが、物の長さはm(メートル)を
基本として表します。1 ㎜(ミリ)は 1m(メートル)の 1000 分の 1、100 万分の 1 が㎛(マイクロメートル)、㎚(ナノ
メートル)は10億分の 1 です。いったいどれぐらい小さいのかピンとこないかも。(それに大体、「ミニ」スカートや
「マイクロ」バス、って言うのもちょっと大げさでは?)
では、本を紹介しながら、小さい世界へと入っていきましょう。
『ミクロをのぞく』 今井壮一 著 さ・え・ら書房 1989 年(請求記号 J46 イ)
鉛筆で書いた字が消しゴムで消えるしくみや、コピー機で、字がどのように転写される
のかなど、ミクロの目で見ると、納得。
『小さな小さなせかい-ヒトから原子・クォーク・量子宇宙まで-』
かこさとし/著 偕成社 1996 年(請求記号 E1 カ)
はじめは1m四方のわくに入る幼児の身体の絵から始まり、ページごとに正方形のわくは一辺が十分の1と小
さな世界になります。そして、原子、クォーク、ついには 150 億年前の小さな小さな世界へと行き着きます。
小さいものマメ知識
『チビトガリネズミより小さいものなあんだ?』 ロバー
ト・E・ウエルズ 作 評論社 1999 年(請求記号 E)
強くて軽い!「カーボンナノチューブ」は
体長 7.5cmのトガリネズミだって、テントウムシに比べたら、そう
直径2∼3ナノメートルの筒状の形をし
小さいわけでもないし、テントウムシだって、ゾウリムシやアメー
て、鉄の 10 倍以上の強さがあるのに綿
バと比べたらそう小さくもない。ゾ
より軽い物質です。炭素原子をハチの
ウリムシだって…。小さくてもたし
巣状に並べて作ったネットをまとめたも
かに存在するものへ次々と案内
ので、様々な性質があります。この構造
し、ついには原子の中までのぞく
い い じ ま す み お
を発見した飯島澄男 さんはノーベル化
ことに!大きいもののことを考え
学賞をとるのでは、と言われています。
ると気持ちが大きくなるけれど、小さいもののことを考えるのもま
た、気持ちを広げてくれます。
まだまだあります!
目には見えないけど、ここにいるよ…
びせいぶつ
川崎図書館「やさしい科学」コーナーからおすすめの 「微生物」がわかる本
『赤ちゃんはスリッパの裏をなめても平気:あなたの周りの微生物がわかる本』 堀内勲 著 ダ
イヤモンド社 2002 年 (請求記号 465)
足の裏がくさくなるのはなぜ?人の身体につきまとう微生物たち。 人間の皮膚上には一兆個もの微生物がすみつい
ているそうです。 また、牛乳で下痢をしても、チーズだと下痢をしないのはなぜでしょう? 人間の食生活に貢献する微
生物やダイオキシンも分解してくれる微生物がいるそうです。 微生物は人類と地球を救う?
『 変形菌な人びと』(月刊 たくさんのふしぎ 219 号)
越智典子 文
伊沢正名 写真 牛尾篤 絵 福音館書店 2003 年 6 月(請求記号 ZJ)
ねん き ん
変形菌は粘菌ともいう。植物のようでもあり、動物のようでもあるという、不思議
な生物です。もっと知りたい人は『粘菌-驚くべき生命力の謎-』 松本淳 著
伊沢正名 写真 誠文堂新光社 2007 年(請求記号 473.3 4)をどうぞ。壮
みなかたくまぐす
観です。また、粘菌を発見し、生涯観察しつづけた明治の博物学者南方熊楠を紹
介した『南方熊楠』 飯倉照平 著 岩波書店 1996 年(請求記号 289)
いわ
彼曰く、「世界に不要のものなし」。至言です。
『クサレケカビのクー』(月刊 たくさんのふしぎ 256 号) 越智典子 文 伊沢正名 写真
塩田雅紀 絵 福音館書店 2006 年 7 月 (請求記号 ZJ)
クサレカビのクーとわたしとの会話。 わたしは最初、こんな言葉でクーにしゃべり
かけます。
「カビはきたなくて気持ちわるいし、くさいし、体に毒だし、思い浮かべるだけで、ぞっと
しちゃう」クーは答えて「そんなあ、あんなにきれいなのに…」
クーに案内されたカビの世界。一つ一つ拡大されたカビの姿の意外な美しさ。
「カビがあちこちで、おいしい食べものを囲んでピクニックしているの」
「カビは、ほんの少し、食べ物をわけてもらいたいだけなの」
カビのおかげで、生き物の死体も土にもどっていることなど、カビの世界を案内し
ます。 〈カビ博士〉神奈川県立生命の星・地球博物館の出川洋介さんが監修です。
『菌類の世界(神奈川再発見ビデオ)』 神奈川県教育委員会 製作 2006 年
キノコやカビ、あるいは変形菌といった菌類が、私たちの生活と深い関わりを持って生きています。
ミクロな自然の中に住む菌類達の生態や功罪を紹介しながら、私たちにとって身近な
自然、神奈川の自然を、再発見していきます。(再生時間
19 分 20 秒 )
http://www.pen-kanagawa.ed.jp/douga/からも見られます。
『ふしぎなふしぎなミクロの世界』 スティーブン・クレイマー 著
デニス・クンケル 写真 武田正倫 訳 丸善 2003 年(請求記号 460)
顕微鏡写真に彩色することで、ジャングルかSFのような不思議な世界を見せて
くれます。
『電子の虫めがね』(たくさんのふしぎ 184 号) 西永奨 写真
澤口たまみ 文 福音館書店 2000 年 7 月(請求記号 ZJ)
『ミクロの世界』(たくさんのふしぎ 81 号) 田中敬一 文・写真 1991 年 12 月(請求記号 ZJ)
走査電子顕微鏡で撮影した、植物、動物の一部や 10 円玉。コレって、いつも見てるアレかしら?
ちょっとたちどまって、ルーペで家のまわりの水たまりの水を見てみましょう。意外と多くの小さな仲間たちが
住んでいます。
『小さなプランクトンの大きな世界』(たくさんのふしぎ 137 号) 小田部家邦 文 高岸昇 絵
1996 年 8 月(請求記号 ZJ)
『みずのなかのちいさなせかい』 三芳悌吉 ぶん・え 福音館書店 1972 年(請求記号 481 ミ)
『微生物と人間編』(自然の中の人間シリーズ) 農文協 1997 年(請求記号 465)
1.微生物が地球をつくった
2.微生物が森を育てる
3.からだのなかの微生物
4.微生物が食べものをつくる
5.微生物から食べものを守る
6.微生物は安全な工場
7.未来に広がる微生物利用
8.畑をつくる微生物
9.水田を作る微生物
10.地球環境を守る微生物
生命活動の中での役割、未来への応用など、さまざまな切り口で微生物を紹介。進化の歴史の中で
微生物だけが存在した期間の長かったこと、食物連鎖の出発点など、微生物の役割の大きさを実感で
きます。
小さいものマメ知識
『ミクロの決死圏』(1966 年)という映画がありま
した。今なら内視鏡(光ファイバーカメラ)で身体
の中を自分が小さくなったかのように目にする
ことができます。映画と同じカプセル型の内視
鏡も実用化されています。
『海のプランクトン』(シリーズ 海)
あいざわやすし さく らくだ出版
1980 年(請求記号 J46 ア)
海の生態連鎖の一番元で
あるプランクトンを紹介します。
小さいものマメ知識
『もやしもん』は、菌・ウイルスと農業大学生活を描く石川雅之作のマンガ。漫
画雑誌「イブニング」で 2004 年 8 月より連載中。「繁殖する」「発酵させる」「腐
敗させる」ことを意味する言葉「かもす(醸す)ぞ∼」を作中の菌たちが連発す
ることで有名。
けんびきょうだいさくせん
『顕微鏡大作戦:ミクロのワンダーランド』 山村紳一郎 著 誠光堂新光社
2005 年 (請求記号 460)
「一家に一台顕微鏡を持とう!」を合い言葉に、どんな顕微鏡を購入すればよいのか、手に入れた顕微鏡を
どこに置くのがよいかを中心にした第 1 章。基本的な使い方を、家庭にあるものを役立てながらとにかく顕微鏡
をのぞくことを紹介した第 2 章。ここでも家庭にあるものや文房具などを利用し、ちょっとしたことでプロ級の見え
方になる、そんなことを紹介した第 3 章。いろいろな観察対象を紹介した第 4 章。メンテナンスの仕方を紹介し
た第 5 章。クラブ活動でも、夏休みでも、土日などの休日、放課後など顕微鏡があれば、
いつでもどこでも楽しめます。
けんびきょう
ペットボトルで顕微鏡を作ろう!
ペットボトルと直径2mmのガラス玉があれば、200倍も!
*キャップの裏に突起のあるものは使えません。
『ガリレオ工房の身近な道具で大実験 第 4 集』
滝川洋二・吉村利明 編著 大月書店 2005 年(請求記号 407)
p.22∼に顕微鏡の作り方がのっています。 17 世紀にオランダのレーウェンフックという人が最初に作った
顕微鏡の原型です。みなさんもいろいろのぞいてみましょう。不思議なものをみつけたら教えてくださいね。
はっこう
発酵…おそるべし、微生物の底力!!
『はっこう博士大かつやく』
(請求記号 J58 ス)
末松茂孝 著 さ・え・ら書房 1988 年
「発酵」のはたらきとは?「くさる」と「発酵」の違いはなんでしょう。また、みそ・しょ
うゆ・つけものなどの毎日の食卓に欠かせない発酵食品をとりあげ発酵のしくみを
やさしい実験をしながら解明します。発酵などの食品化学をあつかった本は他にも
ありますが、今回はこのへんで…。
それではまた次号でお会いしましょう!
神奈川県立川崎図書館 〒210-0011 川崎市川崎区富士見2−1−4 TEL 044-233-4537
図書館のホームページ:http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/
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