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(Vol.375)号 (PDF形式 757.4KB)

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(Vol.375)号 (PDF形式 757.4KB)
………家庭教育通信375号………………………………
発 行 日 / 2012年7月12日 / 編 集 ・ 発 行 / 多摩市教育振興課
〒206-8666 多摩市関戸 6-12-1 Tel. 042-338-6925 Fax. 042-337-7620
確かな学力、豊かな心、健やかな体。
子どもの成長のためには調和のとれた教育が大切です。
山梨大学大学院教育学研究科教授
中村 和彦
1964年から継続的に調査されている文部科学省体力・運動能力調査の結果によると、子ども
の体力・運動能力は全ての学年で、1985年前後から低下傾向が続いています。特にバランスを
とったり、素早く動いたり、巧みに体を動かす能力が育たず、「走る」「跳ぶ」「投げる」といった
運動能力も低いレベルにとどまっています。
体力や運動能力の低下というと、単にテストの結果が悪くなっただけととらえる方も多いと思い
ます。しかし、テストの結果として表れる数値の裏には、いまの
子ども達が抱えるさまざまな体の問題が存在しているのです。い
ま子ども達のからだには、基本的な動作の未習得、運動量の減少
をもとに、顔面や手首のケガの増加、生活習慣病の増大、アレル
ギーや体温異常の増加といった問題まで生じています。
今日の幼少児の 1 日の平均歩数は約10,000歩と、
昭和40年代の半分以下にまで減少しています。
また、いまの子ども達には、生涯にわたってさまざまな
活動をするための基本的な動作が身についていないのです。
このような基本的な動作は、乳幼児期から、日常生活や遊
びの中に含まれるさまざまな身体活動を通して、小学校
5・6年生(11・12歳)の頃までにおとなの動作に近
1
い成熟したレベルにまで発達していきます。しかし、いまの子ども達は、幼少年期の屋外で体を使
った運動遊びをせず、また小さい頃から単一スポーツのみを行うことによって、動作の多様化・洗
練化ともに未熟な段階にとどまっているのです。特に最近の
研究から、今日の年長児(5歳)の基本的な動作の発達段階
は、25年前の年少児(3歳)の段階にとどまっていること
が明らかになっています。
このように、空き地や路地裏、公園や河原でさまざまな遊
びを展開し、たくさんの運動を経験していたかつての日本の
子ども達に比べると、運動量においても、基本的な動作の習
得においても大きな格差が存在しています。
実は、今日の日本の子ども達の運動経験のしかたには大いに問題があるのです。多くの子ども達
は、外で自由に遊ぶことはありません。運動している子ども達の多くは、サッカー・スイミング・
体操といったスポーツを経験しているだけです。
乳幼児期において、早教育として、ある領域の特殊な能力をできるだけ早期に獲得させることが、
その後の子どもの能力の開発を促進させるという、間違った考えが浸透しています。早教育の一環
として、乳幼児を対象としたスポーツ教室に通う子どもも存在
していますが、このようなスポーツ教室の中には、水泳やサッ
カーといった特定のスポーツの技術の習得のみを目指す教室も
少なくありません。また結果的に子どもの運動遊びを奪ってし
まっているともいえます。オリンピックでメダルを獲得してい
るトップアスリートのほとんどは、幼少児期に毎日2~3時間、
屋外で友達と一緒にいろいろな運動遊びを経験し、中学校時代
なってから専門種目の練習やトレーニングを始めているのです。
豊かな心と健やかな体を育んでいくためには、乳幼児
期に、屋外で心地よく楽しくからだを動かすことが、最
も重要です。特定のスポーツにおける技術習得や、記録
向上を目指した練習ではなく、お母さんやお父さんと一
緒にさまざまな運動遊びにのめり込んでいくことが大
切なのです。その中で自然に運動量(歩数)を確保し、
多くの基本的な動作を経験して上手にからだを動かす
ことが可能となっていきます。
子どもの心と体の問題は、実はおとなの問題なのです。
子どもの運動やライフスタイルを改善するのではなく、
家族が一緒になって生活を見直してみてはいかがでし
ょうか。その第一歩は、屋外で体を使って、心地よくおもしろく遊ぶことです。
2
子どもの自然体験について
多摩市教育委員会
地域教育力支援コーディネーター
松 浦 隆 浩
今回、原稿をお願いした山梨大学大学院中村和彦教授は、子どもの発育発達分野の第一人者で、
体力の低下、運動動作に関してさまざまな研究をされています。NHK「からだであそぼ」を監
修され、からだの動き36を通じ、親子で簡単にできる運動遊びの提案もされてきました。
記事にある体力の低下のほか、心の健康に関して外遊びの機会の減少が「きれやすい」子ども
や「ストレスの増加」の要因であるとも指摘しています。今、福島県の子どもたちは放射能の影
響で外に出て自由に遊べず、心への影響が問題になっており、子どもにとって外遊びがとても大
切なことということがわかります。
自然体験の良さは、体力や体を巧みにコントロールする能力を向上させるだけでなく、原体験
を補うことができることです。泥んこ遊びが乳幼児期に欠かせない遊びであるように、火が熱く
て危ないことや、水の冷たさ、土のやわらかさ、頬を伝う風の強さ、暗闇の怖さは、感覚体験と
して人間が習得すべきもので、子どもの成長にとってとても重要なことです。失敗をもとに成功
を得る体験の繰り返しにより、達成感や自己有用感を得ることにもつながり、人生観にも大きく
寄与すると考えられています。
多摩市にも多くの公園や自然があり、大谷戸プレーパーク TAMA な
どの取り組みも行っています。公園まで子どもと一緒にゆっくり歩いて、
野花を観察し、めくりゆく四季を肌で感じながら、子どもと話し触れ合
うと、心も体も元気になるはずです。自然に目を向けることは感情を豊
かにし、優しい気持ちが芽生えるのではないでしょうか。ぜひ親子や気
の合う友達と公園へ出かけてみましょう。自然の中で癒されながら日頃
の子育ての悩みを分かち合うと、子育てのアイデアが生まれるかもしれませんね。
み か ん 寒 天
親子でクッキング♪夏においしい冷たいおやつ ♡
暑い夏はひんやり冷たいおやつがおいしいですね。
冷蔵庫で冷やす間、
『もうかたまったかな?』とわくわくするなど、手作りならではの楽しみ
がありますよ♪お好みのジュース・フルーツでどうぞ!
材料(カップ6ヶ分)
粉寒天
4g
水
400ml
砂糖
80g
みかんジュース 200ml
みかんの缶詰 100g~
(お好みで)
作り方
1.鍋に粉寒天、水を入れ混ぜながら、火にかける。
2.ぐつぐつしてきたら、2 分ほど加熱して完全に煮溶かす。
3.寒天が溶けたら、砂糖を加えて溶かす。火をとめてジュー
スを加え混ぜる。
4.みかんを並べた器に流し入れ、冷蔵庫で冷やす。
! 熱した寒天液は大変熱いので、火傷にご注意ください
寒天とゼラチンの違い
寒
天
テングサなどの海藻で主成分は炭
原料と主成分
水化物
90℃以上
煮溶かす温度
⇒ぐつぐつ煮ないと溶けない
40~50℃
固 ま る 温 度
⇒室温で固まる
ゼラチン
牛骨や豚皮のたんぱく質の一種コ
ラーゲン
50~60℃
20℃以下
⇒室温では固まらない
(こばと第一保育園
3
鈴木栄養士から)
多摩市立図書館
042-373-7955
ホームページアドレス
http://www.library.tama.tokyo.jp/
多摩市立図書館からのお知らせ
≪絵 本 で探 そう!身 近 な自 然 ≫
日常ではなかなか捉えられない自然の姿を、写真絵本で体験しましょう。
『アリからみると
『 くらべてみよう!どうぶつの赤ちゃん6 リス』
けっさくしゅう
ますい
(かがくのとも傑 作 集 どきどきしぜん) 』
くわはら りゅういち
み つ こ
増井 光子/監修 ポプラ社 請求記号:48.9
くりばやし さとし
桑原 隆 一 /文 栗 林 慧 /写真 福音館書店
請求記号:Eフ
アリからみると、世界はどう
見えるかな?草はらはジャン
グル、オオカマキリやアマガ
エルの巨大な顔は迫力満点。
虫の目カメラでのぞいてみる
と、新しい世界が見えますよ。
生まれたばかりのリスの赤ちゃ
んは、毛のないピンク色のつる
つる姿。お母さんのおちちを飲
んで元気に育ちます。巻末でリ
スの生態も紹介。
シリーズにはパンダ、ペンギン
などもあります。
『やさいはいきている ‐そだててみよう
やさいのきれはし‐ (しぜんにタッチ!) 』
ふ じ た さとし
いわま
『 おしゃべりな森 ( ちいさなたんけんたい9) 』
の ろ
きいち
野呂 希一/文・写真 講談社 請求記号:47
しろう
藤田 智 /監修 岩間 史朗/写真
ひさかたチャイルド 請求記号:61
ダケカンバ(表紙の木)の案内で
探検した森はふしぎがいっぱい。
ミズナラのダンス、ドロノキの大
あくび、ブナのでべそ。
木や草たちの表情を見るヒント
がもりだくさんの本です。
料理に使ったにんじんの切れ
端、水につけて観察すると・・・
5日目に葉っぱが出たよ。お家
でも育ててみよう!
~豊ヶ丘図書館のおはなし会が増えました~
∮あかちゃんとあそぼ!∮
毎 月 第 2 金 曜 日 午 前 11 時 ~ 1 1 時 3 0 分
対象:0~1歳児
わらべうた、てあそび、絵本のよみきかせ
場所:豊ヶ丘児童館
∮よみきかせグループ
「おはなしチャチャチャ」のおはなし会∮
毎月第2水曜日 午後3時~午後3時30分
対象:幼児~ 絵本のよみきかせ
夏の感染症
ヘルパンギーナ
突然の高熱、口の中に水ぶくれ(水疱)や
潰瘍ができる。水ぶくれが 破れると痛み
が出るようです。
手足口病
口の中や舌、膝裏、手足の裏、お尻などに
水疱ができます。熱は比較的軽く 発熱し
ても38度以下の場合が多いです。
プール熱(アデノウイルス)
目や口からウイルス感染して発熱、目の充
血、喉の痛み、嘔吐、下痢を伴うこともあ
ります。プール以外での日常生活でも感染
します。
*全てウイルス感染症なので、有効な薬はなく自然治癒
を待つことになります。日ごろから、生活リズムを整
え、よく食べ、よく寝て、よく遊び病気に負けない元
気 な 身 体 を 作 り ま し ょう 。
*また予防方法としては手洗い・うがいと、回復後2~
から)
4 週 間 は 便 よ り ウイ ル スが 排 出 さ れ る た め オ ム ツ 交
神田看護師
換等の時は必ず手洗い をしまし ょう。
(バオバブ保育園ちいさな家
4
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