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音楽資料室だより

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音楽資料室だより
Vol.1
最近受け入れた新刊・新譜から、おすすめの資料をご紹介します♪
《図書》
か がく
『響きの科 楽 ベートーベンからビートルズまで』ジョン・パウエル(小野木明恵訳)早川書房
請求記号:4.34-P871-11
著者は物理学者でありながら、作曲と演奏をこよなく愛するミュージシャンでもある。本書では、
雑音と音楽の音の違いや、和声と不協和音、長調と短調などについて、科学的な視点から綴られて
いる。しかしながら、物理学の専門用語はほとんど用いられていない。著者のユーモアあふれる文
章に引き込まれながら、自然と、科学的な内容も含めて読み進めることができる。音楽がいかに科
学的な事実から構成されているかを知りながら、自分の音楽の世界が広がっていくような期待も持
てる一冊。
《映像資料》
『くるみ割り人形』ピーター・ライト版
英国ロイヤル・バレエ団
請求記号:DVD1624
英国ロイヤル・バレエ団はこれまでもくるみ割り人形を収録しているが(当室所蔵 DVD1015、お
よび DVD1358)
、今回紹介する DVD は 2009 年末に収録されたもの。日本人ダンサー吉田都が
金平糖の精を踊っている。馴染みのある音楽はもちろん、着ぐるみのネズミたち、幻想的な雪の場
面、お菓子の国での様々な趣の踊りなど、見どころ満載の作品である。また、吉田の相手役を務め
るスティーヴン・マクレイ(同団において今もっとも輝いているダンサーの一人)や、同団に在籍
する多くの日本人ダンサーたちの踊りも楽しめるものとなっている。
『佐渡裕指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団』
請求記号:DVD1619
2011 年 5 月に、佐渡裕がベルリン・フィルの定期公演にデビューした際のライヴ収録。曲目は、
武満徹作曲《From me flows what you call time》と、ショスタコーヴィチ作曲《交響曲第 5 番》
。
ベルリン・フィルを指揮することが小学生の時からの夢であったという佐渡のエピソードは多くの
メディアに取り上げられたが、実際の演奏を聴いてみると、そんなエピソードだけにはとどまらな
い大きな力を感じる。クライマックスでは、指揮者もオーケストラも、まさに渾身の力を振り絞っ
た演奏を聴かせている。
《音源資料》
『フレンチ・リサイタル』ラデク・バボラーク(Hrn)、菊池洋子(Pf)
請求記号:3H6.73
昨年末に刊行された小澤征爾と村上春樹の対談本(当室でも間もなく受入予定)において、
「まさに
天才的です。今世界でいちばんうまい奏者じゃないかな。」と小澤が絶賛しているホルン奏者、バボ
ラークの新譜。サン=サーンスやデュカス、ボザといった作曲家によるフランス作品集となってい
る。ホルンの伸びやかで豊かな音の響きに、耳も心も満たされる。また、共演のピアニスト菊池洋
子も澄んだ音色を響かせている。バボラークは今年 6 月に来日の予定もあり、近々その生の演奏に
触れることもできるようだ。
『ペルゴレージ:スターバト・マーテル 他』ネトレプコ(Sop)、ピッツォラート(Cont)、パッパー
ノ(指揮)、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
請求記号:3N8.05
世界の舞台で活躍中のプリマドンナ、アンナ・ネトレプコ。オペラへの出演が多い彼女が、ペルゴ
レージの宗教曲《スターバト・マーテル》を歌っている。ネトレプコ独特の豊かで丸みのある響き
が、パッパーノ指揮のオーケストラの立体感と相俟っている。共演のコントラルト、マリアンナ・
ピッツォラートの澄んだ響きも、ネトレプコに負けず劣らず美しい。表題曲のほか、今日では演奏
機会の少ない室内カンタータ等も収録されている。
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URL
http://t-bunka.opac.jp/index.html
2012 年 5 月発行
東京文化会館音楽資料室
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