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フラッシュ型教材を活用した指導の効果に関する研究 -数学科における

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フラッシュ型教材を活用した指導の効果に関する研究 -数学科における
F10-01
情報教育
フラッシュ型教材を活用した指導の効果に関する研究
-数学科における基礎的・基本的な知識の習得を目指した指導を通して-
倉敷市立庄中学校
岡
教諭
本 佳
久
研究の概要
数学科におけるフラッシュ型教材を活用した指導の効果を明らかにするために,単元を通して,
授業の導入時と終末時にフラッシュ型教材を活用した指導を繰り返し行った。指導前後に行った確
認問題の結果と意識調査の回答結果より,下位群の生徒に,基礎的・基本的な知識の習得で効果が
あり,数学科に対する関心・意欲が向上することが明らかになった。
キーワード ICT活用,フラッシュ型教材,基礎的・基本的な知識の習得,下位群の生徒
Ⅰ
はじめに
平成20年1月の中央教育審議会答申では,PISA調査などの結果からみられる児童生徒の課題
を踏まえ,学習指導要領の改善の方向性として,「思考力・判断力・表現力等の育成」とともに
「基礎的・基本的な知識・技能の習得」等の方針が示された。本校では,その方針に基づき,指導
を行っているが,特に下位群の生徒は,基礎的・基本的な知識の習得が十分とはいえず,そのため
の手だてを講じているところである。
『教育の情報化に関する手引』(平成22年10月,文部科学省)には「ICTを用いたフラッシュ型
教材等を活用することで,児童生徒が集中して取り組むことができ,効率的に知識を定着させるこ
とができる」1)と述べられている。フラッシュ型教材とは,「フラッシュカードのように,課題を瞬
時に次々と提示するデジタル教材のこと」2)である。堀田ら(平成23年)は「知識・技能をしっかり
と習得させるためには、わかりやすく教えた上で、学習した内容を繰り返し何度も練習し、間違っ
た点を明らかにし、間違っている児童生徒に指導して、習熟させるようにしなければなりません。こ
こにフラッシュ型教材の存在価値があるのです」3)と述べ,また,「落ち着かない雰囲気の導入時で
も、テンポよく声に出しているうちに集中していきます。もちろん、
『前時の復習』や『本時へのつ
なぎ』といった活用目的も果たせます。また、まとめの段階での活用が、学習内容の定着に効果的
であることも言うまでもありません」4)とも述べている。フラッシュ型教材を活用した指導に関す
る先行研究では,宮崎ら(平成23年)による小学校を対象とした研究で「算数科を苦手にしている子
どもの知識の習得率や、関心や意欲など算数科に関する意識が高まることが明らかになった」5)と
述べている。しかし,中学校を対象とした研究はほとんどみられない。
そこで本研究では,中学校数学科において,単元を通して,授業の導入時と終末時にフラッシュ
型教材を活用した指導を繰り返し行うことで,下位群の生徒に基礎的・基本的な知識を習得させる
ことにつなげることができるのではないか,また,数学科に対しての関心・意欲を向上させること
ができるのではないかと考え,本主題を設定した。
Ⅱ
研究の目的
フラッシュ型教材を活用した指導を単元を通して,授業の導入時と終末時に繰り返し行うことに
より,下位群の生徒の基礎的・基本的な知識の習得で効果があるかどうかを確認問題の結果より明
らかにする。また,下位群の生徒の数学科に対する関心・意欲が向上するかどうかを意識調査の回
答結果より明らかにする。
Ⅲ
研究の内容
1 授業実践Ⅰ
(1) 授業実践Ⅰの目的
一単位時間のフラッシュ型教材(図1
図1)を活用した指導の効果を調べるため,フラッシュ型教
図1
材を活用する授業(図2
図2)と活用しない授業を実施する。そして,フラッシュ型教材の活用前後
図2
の確認問題の結果を比較し,下位群の生徒の基礎的・基本的な知識の習得で効果があるかどうか
を調べる。
図1
フラッシュ型教材(一部)
図2
フラッシュ型教材を活用
した授業の様子
(2) 授業実践Ⅰの方法
対象:倉敷市立庄中学校第1学年115名 期間:平成25年6月6日,17日~21日実施
まず,数学科の下位群の生徒を把握するため確認テストを実施し,全国学力・学習状況調査の
報告書・調査結果資料に基づき,対象者を正答率の上位から約25%ずつ4群に分ける。
次に,下位群の生徒のフラッ
活用する
活用する授業:授業の導入時と終末時にフラッシュ型教材を活用する指導の授業
する授業:授業の導入時と終末時にフラッシュ型教材を活用する指導の授業
シュ型教材の効果を測定するた 活用しない
活用しない授業:フラッシュ型教材を活用しない指導の授業
しない授業:フラッシュ型教材を活用しない指導の授業
め,4学級をA,Bの2グルー
確認テスト
プに分ける。Aグループの前半
確認問題①
2時間はフラッシュ型教材を活
Aグループ
Bグループ
用する授業,後半2時間は活用
活用する
活用する授業
する授業
1
1
活用しない授業
活用しない授業
しない授業を実施する。Bグルー
プの前半2時間はフラッシュ型
活用する
活用する授業
する授業
活用しない授業
活用しない授業
2
2
教材を活用しない授業,後半2
時 間 は活 用 す る 授業 を実 施す
確認問題②
る。一単位時間のフラッシュ型
活用しない授業
活用しない授業
3
3
活用する
活用する授業
する授業
教材を活用する授業は,導入時
に本時の学習内容に関わる既習
活用しない授業
活用する
活用しない授業
活用する授業
する授業
4
4
内容の復習をフラッシュ型教材
を活用して指導する。終末時に
確認問題③
も本時のまとめをフラッシュ型
教材を活用して指導する。
図3 授業実践Ⅰの流れ
そして,フラッシュ型教材を
活用する授業と活用しない授業の効果の違いを調べるため,授業実践の前に確認問題①,前半2
時間終了後に確認問題②,後半2時間終了後に確認問題③を実施する(図3
図3)
図3 。なお,確認問題
②,③ともにその直前の2時間の異なる学習内容から出題するため,確認問題の結果を単純に得
点で比較することができない。そこで,平均点の偏差値を用いて比較することにした。
偏差値
(3) 授業実践Ⅰの結果
授業実践Ⅰの単元である「文字の式」
n=25
45.5
45.6
と同じ領域で,既に学習を終えた「正の
46
フラッシュ型教材を活用
43.9
数・負の数」の単元の確認テスト(100点
した指導
した指導後
指導後
44
フラッシュ型教材を活用
フラッシュ型教材を活用
満点)を行い,正答率の上位から約25%
しなかった指導
しなかった指導後
指導後
ずつに分けた。その結果,A群を30名,
42
42.8
Aグループ
B群を29名,C群を31名,D群を25名と
41.7
Bグループ
40
し,D群の生徒を下位群の生徒とした。
40.1
確認問題の結果より,下位群の生徒に
38
確認問題① 確認問題② 確認問題③
は,A,Bグループともにフラッシュ型
教材を活用した指導後の方が,優位性が 図4 下位群(D群)の生徒の確認問題の平均点の偏差値
みられた(図4
図4)
図4 。
(4) 授業実践Ⅰの考察
下位群の生徒が,フラッシュ型教材を活用した指導後に平均点の偏差値が高かったのは,答え
られない問題でも周囲からテンポよく答えが示されたため,あきらめることなく取り組むことが
できたからではないかと考える。そして,言葉を声に出すことができたため,知識を定着しやす
かったからではないかと考える。
以上のことから,一単位時間のフラッシュ型教材を活用した指導の方が,活用しなかった指導
よりも,下位群の生徒の基礎的・基本的な知識の習得で効果があったと考える。
そこで,授業実践Ⅱでは,単元を通して,既習内容を積み重ねたフラッシュ型教材を活用した
指導を繰り返し実施し,下位群の生徒の基礎的・基本的な知識の習得の効果を調査しようと考え
た。また,下位群の生徒がフラッシュ型教材に意欲的に取り組む姿から,情意面での効果もある
と考えた。そこで,授業実践Ⅱでは,フラッシュ型教材に対する意識調査,それに伴う数学科に
対する意識調査も実施し,下位群の生徒の関心・意欲の変化を調査しようと考えた。
2 授業実践Ⅱ
(1) 授業実践Ⅱの目的
フラッシュ型教材を活用した指導の繰り返しの効果を調べるため,単元を通して,授業の導入
時と終末時にフラッシュ型教材を活用する指導を行い,下位群の生徒の基礎的・基本的な知識の
習得で効果があるかどうかを確認問題の結果より明らかにする。また,下位群の生徒の数学科に
対する関心・意欲が向上するかどうかを授業実践前後の意識調査の回答結果より明らかにする。
(2) 授業実践Ⅱの方法
対象:倉敷市立庄中学校第1学年132名 期間:平成25年11月27日~12月3日実施
授業実践Ⅰと同様の方法で対象者を4群に分ける。
ア 確認問題の実施方法
下位群の生徒のフラッシュ型教材の効果を測定するため,単元を通して,1学級につき4時間
の実践を繰り返し行う。まず,第1時の授業の導入時に,本時の学習内容に関連した既習内容を
フラッシュ型教材を活用して指導する。そして,教科書に基づいて授業を展開する。授業の終末
時には学習内容のまとめとしてフラッシュ型教材を活用して指導し,確認問題①に取り組ませる。
第2時以降は,既習内容を積み重ねたフラッシュ型教材を活用して授業の導入時と終末時に繰り
返し指導し,本時の学習内容の確認問題に取り組ませる。なお,確認問題④では,確認問題①~
③の内容と同じ出題形式の問題を1題ずつ出題し,単元を通したフラッシュ型教材を活用した指
導の繰り返しの前後の確認問題の結果を比較する。具体的には,確認問題①と④で「直線」「線
分」をかかせる。確認問題②と④で「平行」「垂直」「記号⊥」の言葉や記号を書かせる。確認問
題③と④で「平行移動」した図をかかせる(図5
図5)
図5 。そして,その結果を比較することにした。
◎:確認問題④と確認問題①~③との比較のための同じ出題形式の問題
2点間の距離 記号∠ 記号△ 垂直
平行 記号⊥ 記号// 平行移動 回転移動 点対称移動
直線
線分
○
○
◎
○
○
◎
○
○
○
○
○
○
○
○
対称移動
1
フラッシュ型教材
授 業
フラッシュ型教材
確認問題 ①
○
○
○
○
○
2
フラッシュ型教材
授 業
フラッシュ型教材
確認問題 ②
○
○
○
○
○
○
○
◎
○
○
◎
○
○
◎
○
○
○
フラッシュ型教材
授 業
フラッシュ型教材
確認問題 ③
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
◎
○
○
○
フラッシュ型教材
授 業
フラッシュ型教材
確認問題 ④
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
◎
○
◎
○
○
○
○
◎
○
◎
○
◎
○
○
◎
○
○
○
○
○
○
7
7
7
7
7
5
5
5
5
3
3
1
1
3
4
フラ ッシュ 型教 材の繰 り返 し回数
図5 授業実践Ⅱの流れと学習内容
イ
76.5%
76.5%
㋐ 楽しくできる
④④④④
③③③③
④④④④
②②②②
④④④④ 直直直直
②②②② 垂垂垂垂
④④④④ 行行行行
②②②② 平平平平
意識調査の回答結果
下位群の生徒のフラッシュ型教材に対
す る意 識調 査結 果で は,「㋑集中 でき
る」「㋒分かりやすい」「㋓覚えられる」
「㋘繰り返すことができてよい」の項目
で肯定的な意見が80%を超えていた。ま
た,「㋐楽しくできる」「㋔復習ができ
る」「㋕みんなで参加できてよい」「㋖テ
ンポよくできてよい」「㋗声に出すこと
ができてよい」の項目でも肯定的な意見
が70%を超えた(図7
図7)
図7 。
④④④④ 分分分分
①①①① 線線線線
イ
④④④④ 線線線線
①①①① 直直直直
0000
意識調査の実施方法
フラッシュ型教材に対する意識を把握するため,『フラッシュ型教材のススメ』(平成23年)を
参考にして設定した意識調査を授業実践の後に実施する。また,下位群の生徒の数学科に対する
意識を把握するため,関心・意欲についての質問,授業での学習内容の理解についての質問,岡
山県学力・学習状況調査質問紙と同じ質問の意識調査を授業実践の前後に,それぞれ4件法で実
施する。
(3) 授業実践Ⅱの結果
小学校第4学年の学習内容である「垂直と平行」と小学校第6学年の学習内容である「対称な
図形」の確認テスト(30点満点)を行い,正答率の上位から約25%ずつに分けた。その結果,A
群を37名,B群を29名,C群を32名,D群を34名とし,D群の生徒を下位群の生徒とした。
(人)
ア 確認問題の結果
D群
n=34
40
確認問題①②③の結果と確認問題④の
32
31
確認問題
28
30
① ~ ③
26
26
26
結果を比較すると,「直線」「線分」「平
24
22
21
確認問題④
19
20 20
17
行」「垂直」「記号⊥」については,正答
10
人数が増加したが,「平行移動」につい
(回)
ては,正答人数が減少した。また,確認
平行移動
記号
⊥
問題④の結果では,「直線」「線分」「平
行」「垂直」の正答率は34人中26人以上
図6 下位群(D群)の生徒の確認問題の正答人数
となり,76%を超えた(図6
図6)
図6 。
否定的な意見
肯定的な意見
n=34
23.5%
23.5%
㋑ 集中できる
82.4%
82.4%
17.6%
17.6%
㋒ 分かりやすい
82.4%
82.4%
17.6%
17.6%
88.2%
88.2%
㋓ 覚えられる
73.5%
73.5%
㋔ 復習が
復習ができる
㋕ みんなで参加できてよい
㋖ テンポよくできてよい
テンポよくできてよい
㋗ 声に出すことができてよい
㋘ 繰り返すことができてよい
図7
79.4%
79.4%
73.5%
73.5%
11.8%
11.8%
26.5%
26.5%
20.6%
20.6%
26.5%
26.5%
29.4%
29.4%
70.6%
70.6%
85.3%
85.3%
14.7%
14.7%
下位群(D群)の生徒のフラッシュ型教材に
対する意識調査結果
0000
n=34
下位群の生徒の数学科に対する意識 (%)
事前調査
事後調査
100
88.2
調査結果を授業実践Ⅱの前後で比較す
80
76.5
76.5
70.6
70.6
70.6
ると,実践後の調査結果の方が肯定的
67.6
64.7
61.8
61.8
58.8
に捉えた意見が多かった。特に,関心・ 60 52.9
52.9
50.0
47.1
44.1
41.2
意欲に関連した「ⓐ数学の勉強が好き
41.2
40
だ」「ⓑ数学の成績を伸ばすために学
校や塾の宿題以外に自主学習をしよう 20
と思う」の項目では,約10%の向上が
ⓐ
ⓑ
ⓒ
ⓓ
ⓔ
ⓕ
ⓖ
ⓗ
ⓘ
みられた。授業での学習内容に関連し
た「ⓓ図形の分野で直線や角について
理解している」は23.5%,「ⓔ図形の
分野で垂直や平行について理解してい
る」は8.9%,「ⓕ図形の分野で点 対
図8 下位群(D群)の生徒の数学科に対する意識調査結果
称や線対称について理解している」
は8.8%,「ⓖ図形の分野で点対称や線対称の作図をすることができる」は29.4%の向上がみられ
た(図8
図8)
図8 。
また,実施時期が異なるために単純比較はできないが,平成25年度の岡山県学力・学習状況調
査の質問紙調査において,岡山県の第1学年のD群の生徒の回答結果と本実践での本校第1学年
の下位群(D群)の生徒の回答結果を比較すると,「ⓐ数学の勉強が好きだ」は,岡山県の42.9%
に対して,本校では実践前の41.2%から実践後は52.9%に高まった。「ⓗ数学の授業内容はよく
わかる」は,岡山県の56.8%に対して,本校では実践前の58.8%から実践後は64.7%に高まった。
(4) 授業実践Ⅱの考察
ア 確認問題の結果からの考察
図6より,確認問題④の結果は,単元を通して,フラッシュ型教材を活用した指導を繰り返し
図6
行い,毎時間の授業の導入時に既習内容の復習として,終末時に本時のまとめとしてフラッシュ
型教材を活用することで,下位群の生徒における,基礎的・基本的な知識の習得で効果があったと
考える。具体的には,第1時の学習内容は,確認問題④までに7回のフラッシュ型教材を活用し
た指導ができたことになる。つまり,繰り返しの回数が多かったために正答人数も多く,繰り返
し学習をすることで基礎的・基本的な知識が定着していると考える。また,確認問題④の「直
線」「線分」「平行」「垂直」「記号⊥」の問題は,前に解いた確認問題と同じ出題形式の問題より
も正答人数が増加しているのに対し,「平行移動」の問題は,正答人数が増加しなかった。それ
は,「平行移動」の問題が技能を問う問題であったため,フラッシュ型教材で扱うには工夫が必
要であったと考える。例えば,図をかくための手順を指導する教材であれば,正答人数は増加し
たのではないかと考える。
以上のことから,単元を通して,フラッシュ型教材を活用した指導を繰り返し行うことにより,
下位群の生徒に,基礎的・基本的な知識の習得で効果があったと考える。
イ 意識調査の回答結果からの考察
下位群の生徒にフラッシュ型教材を活用した指導を行うと,肯定的な意見が多くみられた。フ
ラッシュ型教材は,問題の配列を易しいものから徐々に難易度を上げていく。すると,みんなで
参加してテンポよく声に出すことができ,学級全体に一体感が生まれ,楽しく集中できるという
実感や,短時間に繰り返し学習することができ,分かりやすく覚えることができるという実感が
得られたと考える。
また,図8
図8の下位群の生徒の数学科に対する意識調査では,項目ⓓ~ⓖが授業実践Ⅱの第1時~
図8
第4時の学習内容を表しているが,生徒はそれぞれの授業で理解できたという実感があったと考
える。それは,項目ⓗからもみられる。これは,多くの生徒が授業の導入時に,本時の学習内容
数
学
の
勉
強
が
好
き
だ
自に数
主学学
学校の
習や成
を塾績
しのを
よ宿伸
う題ば
と以す
思外た
うにめ
分数
の学
がの
ん授
ば業
りを
を振
感り
じ返
るり
自
つ図
い形
ての
理分
解野
しで
て直
い線
るや
角
に
に図
つ形
いの
て分
理野
解で
し垂
て直
いや
る平
行
る対図
称形
にの
つ分
い野
てで
理点
解対
し称
てや
い線
で対図
き称形
るのの
作分
図野
をで
す点
る対
こ称
とや
が線
わ数
か学
るの
授
業
の
内
容
は
よ
く
にと数
役は学
に将の
立来授
つ社業
会で
に学
出習
たし
とた
きこ
につなぐための準備ができており,実際の授業展開でも学習内容を理解できたからではないかと
考える。そして,項目ⓐ~ⓒの数学科に対する関心・意欲の向上につながったのではないかと考
える。
以上のことから,フラッシュ型教材を活用した指導は,下位群の生徒に,学習内容の理解を促
し,情意面での肯定的な意見につながり,数学科に対する関心・意欲が向上したと考える。
Ⅳ
結論
フラッシュ型教材を活用した指導を単元を通して,授業の導入時と終末時に繰り返し行うことに
より,下位群の生徒に,基礎的・基本的な知識の習得で効果があることが,確認問題の結果より示
すことができた。また,下位群の生徒の数学科に対する関心・意欲が向上することが,意識調査の
回答結果より示すことができた。
Ⅴ
終わりに
本校の数学科の授業では,まず一斉指導で基礎的・基本的な知識・技能を習得させ,それらを基
に話し合わせ,思考力・判断力・表現力等を育成していく授業展開を目指している。数学科を苦手
にしている生徒には,話し合いの基盤となる知識・技能が習得できていないため,話し合いに参加
できていないという現状があるように思える。そのような生徒にも,基礎的・基本的な知識・技能
の習得が必要であるという思いからの研究であった。
今回の研究では,中学校第1学年数学科における一部の単元での授業実践であったが,基礎的・
基本的な知識の習得で効果を示すことができた。基礎的・基本的な技能の習得についても,解き方
の手順を指導する教材を作成し,活用した指導を繰り返し行えば,効果があらわれるのではないか
と考えている。今後も,フラッシュ型教材を活用した指導を年間を通して実践していきたい。
○引用文献
1) 文部科学省(2010)『教育の情報化に関する手引』p.58
2) 前掲書1),p.58
3) 高橋純・堀田龍也(編著)(2011)『フラッシュ型教材のススメ -基礎・基本の徹底にICT
を使おう-』旺文社,p.12
4) 前掲書3),p.15
5) 宮崎靖ほか(2011)「算数科におけるフラッシュ型教材の活用の効果」,『第37回全日本教育工
学協議会論文集』
○参考文献
・ 文部科学省(2008)『中学校学習指導要領解説数学編』
・ 宮崎靖ほか(2010)「漢字指導におけるフラッシュ型教材の活用の効果」,『第36回全日本教育
工学協議会論文集』
・ 岡山県教育委員会(2013)『平成25年度 岡山県学力・学習状況調査報告書』
・ 国立教育政策研究所 教育課程研究センター(2012)『平成24年度 全国学力・学習状況調査
解説資料 中学校 数学』
○Webページ
・ 新興出版社啓林館 23年度用新課程対応 わくわく算数自己評価テスト
(http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/jiko-test/)
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