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写真モルモット

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写真モルモット
平成 24 年度 各論 A 各 論 A
( 17
34 ページ)
注意: 四角内の記載は試験実施時の問題冊子には印刷されず、ホームページへの問題掲載に
際して追加されたものです。
Q26, Q30, Q31 で使用された写真は、公益財団法人実験動物中央研究所 ICLAS モニタリング
センターのホームページに公表されたものであり、同センターのご厚意により許可を頂いて掲載
するものです。それぞれの URL は次のとおりです。(2013 年 3 月 30 日現在)
Q26 a: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/bpic05.html
Q26 b: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/bpic12.html
Q26 c: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/cpic01.html
Q26 d: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/cpic05.html
Q30 左: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/cpic08.html
Q30 右: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/cpic10.html
Q31 左: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/cpic11.html
Q31 右: http://www.iclasmonic.jp/microbiology/category/cpic13.html
17
平成 24 年度 各論 A Q1. マウスの解剖学的特徴として、誤っているものを選びなさい。
1. 肺葉数が左1、右4。
2. 肝臓の葉数は5で方形葉がある。
3. 汗腺は足のうらのみである。
4. 歯式は上下とも切歯が1、後臼歯3である。
5. 子宮の形態は重複子宮である。
Q2. ラットの解剖学的特徴として、誤っているものを選びなさい。
1. 精巣上体は頭部、体部、尾部からなっている。
2. 副腎近傍に副副腎が存在する場合がある。
3. 胆嚢がない。
4. 副腎は腎臓の頭部側に離れて存在する。
5. 副腎の実重量は一般的にメスより、オスの方が重い。
Q3. モルモットの解剖学的特徴として、誤っているものを選びなさい。
1. モルモット体表に太い血管がないので静脈注射が難しい。
2. モルモットの胸腺は胸腔内にある。
3. モルモットの赤脾髄には莢動脈を欠く。
4. 盲腸は大きく、左側腹腔のほぼ1/3をしめ、よく発達した3本の腸紐 tenia がある。
5. 鼓室が大きく(聴覚が発達)、音に敏感な反応を示す。
Q4. スナネズミの解剖学的特徴について、誤っているものを選びなさい。
1. 後交通動脈が先天的に欠損している。
2. 副腎は発達して大きい。
3. メスに前立腺が認められるものがある。
4. 腹部正中腺に皮脂腺は、認められない。
5. 尾に褐色の毛が生えている。
Q5. ウサギの解剖学的特徴で誤っているものを選びなさい。
1. 新生子はすでに目が開いており、毛も生えて自力での歩行もできる。
2. 上顎の切歯の 2 本が重なっている。
3. 発生学的に好中球である偽好酸球を持つ。
4. 虹彩が着色していない。
5. 下顎と肛門周囲に皮脂腺があり、フェロモンを含む分泌液を分泌している。
18
平成 24 年度 各論 A Q6. 鳥類の形態学的特徴に関する記述で誤っているものを選びなさい。
1. 横隔膜を欠く。
2. 偽好酸球と呼ばれる白血球がある。
3. 肺は小型で胸郭腔に密着している。
4. 総排泄腔の後位にファブリキウス嚢が存在する。
5. 赤血球は無核である。
Q7. アフリカツメガエルの特徴として誤っているものを選びなさい。
1. 雄は雌に比べて小さい。
2. 後肢の一部先端に黒色の爪があり、個体識別に利用される。
3. 赤血球は大型で無核である。
4. 心臓は 2 心房、1 心室である。
5. 肺や腎臓は変態に伴い組織学的、生理学的に大きく変化する。
Q8. 魚類一般の特徴として、誤っているものを選びなさい。
1. 体内に浮力調節に関係する鰾(うきぶくろ)がある。
2. 心臓は 1 心房、1 心室である。
3. 尾部下垂体は浮力調節に関係するホルモンなどを産生、分泌している。
4. 内分泌器官として脳下垂体、尾部下垂体、松果体、甲状腺、副腎を有している。
5. 赤血球は有核で血色素はヘモグロビンである。
Q9. ニワトリに関する記述で正しいものを選びなさい。
1. 卵巣は腹腔内に存在するが、精巣は体腔外に位置する。
2. B リンパ球も T リンパ球もファブリキウス嚢で成熟する。
3. 近交退化がおこらず、数多くの近交系が開発されている。
4. 感染や炎症に伴い、哺乳動物の好中球に相当する偽好酸球が増加する。
5. 成熟個体の体温は43
45℃である。
Q10. メダカに関する記述で誤っているものを選びなさい。
1. 性染色体はメスが ZW のヘテロ型、オスが ZZ のホモ型である。
2. 生後3
6ヶ月で成魚になり、飼育環境によっては年中産卵する。
3. 近交系の作出が容易で、種々の近交系メダカが利用されている。
4. マイクロインジェクションによるトランスジェニック系統が作出されている。
5. 生息できる温度域や塩濃度域が広く、飼育が容易である。
Q11. アフリカツメガエルに関する記述で誤っているものの組合せを選びなさい。
a. 性染色体はメスが XX のホモ型、オスが XO のヘテロ型である。
19
平成 24 年度 各論 A b. 受精卵に mRNA を微量注入して人為的にタンパク質を合成することができる。
c. ホルモン処理で通年卵を得ることができる。
d. 水生なので、水槽だけで多数の個体を飼育できる。
e. 平均寿命は 2∼3 年である。
1. a - b
2. c - e
3. b - d
4. c - d
5. a - e
Q12. ラットの腟垢像で発情前期にみられる所見で正しいものを選びなさい。
1. 有核細胞と白血球がみられる。
2. 有核細胞と角化細胞がみられる。
3. 有核細胞のみがみられる。
4. 角化細胞のみがみられる。
5. 有核細胞、角化細胞、白血球がみられる。
Q13. 動物の妊娠期間に関する組合せで最も適切なものを選びなさい。
1. マウス − 22
25 日
2. ハムスター − 20
3. ウサギ − 61
4. ラット − 25
22 日
65 日
30 日
5. モルモット − 65
71 日
Q14. 実験動物の特徴に関する記述の組合せで正しいものを選びなさい。
a. モルモット − テトラサイクリンに対する感受性が低い。
b. スナネズミ − 脳虚血モデルの作製に用いられる。
c. シリアンハムスター − 自然発症腫瘍が多くみられる。
d. ウサギ − 近交退化がおこりやすい。
e. ラット − ビタミンCを合成できない。
1. a - b
2. a - c
3. c - e
4. b - d
5. d - e
20
平成 24 年度 各論 A Q15. 実験動物の特徴に関する記述の組合せで誤っているものを選びなさい。
a. モルモット − 不完全性周期を示す。
b. ハムスター − 胆嚢を欠損している。
c. マウス − 交尾刺激により黄体の機能が持続する。
d. ウサギ − 食糞によりビタミン B 群を摂取する。
e. ラット − ロードシス行動がみられる。
1. a - b
2. b - c
3. c - d
4. a - e
5. d - e
Q16. マウスの腟栓はどの副生殖腺から分泌された液体でできているのか、正しい組合せを選びなさい。
1. 前立腺、凝固腺
2. 精嚢腺、尿道球腺
3. 凝固腺、精嚢腺
4. 尿道球腺、前立腺
5. 尿道球腺、凝固腺
Q17. ウサギの排卵誘起の刺激として誤っているものを選びなさい。
1. 交尾刺激
2. 子宮頸管部への接触刺激
3. FSH, LH 投与
4. PMSG, hCG 投与
5. 光刺激
Q18. エピジェネティクスに関する記述で誤っているものを選びなさい。
1. 脊椎動物のDNAメチル化酵素には特異性があり、メチル化するG(グアニン)は、すぐ後ろにC(シトシン)の
あるものに限られる。
2. DNAのメチル化状態は可逆的である。
3. ヒストンタンパク質はアセチル化を受けることにより、ヒストンとDNAの結びつきが緩くなり、転写されやすい状
態になる。
4. X染色体の不活化は発生の初期に、細胞毎に2本の染色体からランダムに1本が選ばれて起こる。
5. インプリントされた遺伝子は、体細胞系列では個体発生と成長の過程で一生を通じて維持される。
21
平成 24 年度 各論 A Q19. スピードコンジェニック法についての記述で正しい組み合わせを選びなさい。
a. スピードコンジェニック法を用いた場合の系統表記は、通常法で樹立したコンジェニック系統とは異な
る。
b. 使用する DNA マーカー数を増やした分だけ、系統樹立までの時間が短縮する。
c. すでに全ての遺伝子座が戻し交配に用いた系統に置換している染色体については、タイピングを行う
必要はない。
d. 適切な DNA マーカーが選択されていれば、選択された遺伝子座または染色体部位に連鎖していない
ドナー系統の貢献が 0.01 よりも少ない場合はコンジェニック系統と呼ばれる。
e. DNA マーカーを用いて選抜するため、5 世代という少ない世代で通常の 10 回の戻し交配に匹敵する
コンジェニック系統を作ることが可能である。
1. a - b - c
2. a - c - d
3‒ b - c - d
4. c - d - e
5. b - d - e
Q20. ヒトの遺伝子病-モデル動物-原因遺伝子の組み合わせとして、誤っているものを選びなさい。
1. 家族性高コレステロール血症 − WHHLウサギ − LDLR
2. Shah-Waardenburg病 − Lethal spotting (sl)マウス − Ednrb
3. メンケス病 − LECラット − Apc
4. X染色体性無ガンマグロブリン血症 − Xidマウス − Btk
5. Duchenne型筋ジストロフィー − 筋ジストロフィーイヌ − Dystrophin
Q21. テスター系統であるDBA/2とアルビノ系統であるBALB/cを交配したF1の毛色として、正しいものを選び
なさい。
1. チョコレート色
2. 黒色
3. シナモン色
4. 野生色
5. イエローグレイ色
Q22. 次の語句の説明として、正しいものを選びなさい。
1. 後代検定とは、子について形質を検査し、その成績を元にして親を選抜する方法である。優性遺伝形質を
持つミュータント系統の選抜などに用いられる。
2. 任意交配とは、全ての雌、雄が完全に機械的に交配することである。無限個の個体で構成される集団で任
意交配が行われたときには、ハーディー – ワインベルグの法則に従い、遺伝子組成の変化は起こらない。
22
平成 24 年度 各論 A 3. クローズドコロニーとは、5年以上外部から種動物を導入することなく、一定の集団内のみで繁殖を続けてい
る群で、近交系と同様に遺伝形質は均一である。
4. 近交系数とは、個体と個体間の遺伝的相似度を示す尺度である。
5. 質的形質とは、身長、体重、産仔数、寿命など明らかに遺伝傾向はあるものの、連続的で明確な類別のでき
ない形質である。
Q23. C57BL/6 (B6)のH2KをAKRに導入したコンジェニック系統の表記例で正しいものを選びなさい。
1. B6/AKR/H2K
2. AKR/B6/H2K
3. B6.AKR-H2K
4. AKR.B6- H2K
5. AKR/B6-H2K
Q24. Lactic dehydrogenase- elevating virus (LDHV: 乳酸脱水素酵素上昇ウイルス) に関する記載で誤
っているものの組み合わせを選びなさい。
a. LDHV は、トガウイルス科に属する RNA ウイルスである。本ウイルスは、当初、腫瘍細胞を接種したマ
ウスで乳酸脱水素酵素 (LDH) の値が急上昇することから、その原因因子として見出された。
b. 自然感染はマウスだけであるが、ラット、ハムスター、モルモットおよびウサギにも感染する。
c. 感染マウスは、生涯にわたり血液中にウイルスを保有するが、通常、発症することはない。
d. ウイルスは肝細胞内で増殖し、肝臓、脾臓、リンパ節、胸腺などにも高濃度のウイルスが存在する。血
漿 LDH 値は生涯にわたり有意に高い値を示す。
e. 感染の診断は、マウス血漿中の LDH 値の上昇を測定し、間接的に検査を行うことも可能であるが、脾
臓をサンプルとした PCR 法でも検査が可能である。
f. マウス由来の生物材料に LDHV が汚染していた事例があるため、本ウイルス汚染の可能性がある場合
は、事前に検査を実施した方がよい。
1. a - c
2. b - d
3. b - e
4. d - e
5. e - f
Q25. Lymphocytic choriomeningitis virus (リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス)に関する以下の記載で誤って
いるものを選びなさい。
1. アレナウイルス科に属するRNAウイルスである。
2. 自然宿主はマウスであり、胎子期、新生子期マウスに感染すると、生涯持続感染し、唾液や糞尿中にウイル
スを排出し続け、経口、経気道的および経皮的に水平感染する。
23
平成 24 年度 各論 A 3. 感受性動物として、マウスやヒトのほか、ハムスター、モルモット、イヌ、ブタ、サル類など多くの動物種が知ら
れている。
4. 腫瘍細胞など感染動物由来の生物材料の汚染が感染源となることが知られている。
5. ヒトの感染では無症状の場合もあるが、発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感を伴うインフルエンザ様症状を示す場
合もあることが知られているが、最近は国内外において、ヒトへの感染例はない。
Q26. 実験動物の病原体名と典型的な病理所見の組み合わせで正しいものはどれか。
解答番号
Sendai virus
Cilia-associated
respiratory (C
Bordetella
Mycoplasma
bronchiseptica
pulmonis
AR) bacillus
1
a
c
d
b
2
b
a
c
d
3
a
d
c
b
4
b
d
c
a
5
c
b
d
a
a
b
c
d
Q27. 下記病原体のうち、ウサギの下痢に関連する組み合わせと呼吸器疾患に関する組合せで、正しいものを
選びなさい。
a. ウサギ出血熱ウイルス − Treponema cuniculi
b. Bordetella bronchiseptica − Mycoplasma pulmonis
c. Francisella tularensis − コクシジウム
24
平成 24 年度 各論 A d. コクシジウム − Clostridium piliforme
e. ウサギ出血病ウイルス − Francisella tularensis
f. Pasteurella multocida − Bordetella bronchiseptica
解答番号
下痢
呼吸器疾患
1
a
c
2
b
d
3
c
e
4
d
f
5
e
a
Q28.
げっ歯類のパルボウイルスに関する以下の記載で誤っているものの組合せを選びなさい。
a. げっ歯類のパルボウイルス感染症は、動物実験施設において統御が困難なウイルス感染症の 1 つであ
る。
b. 幼若動物や免疫不全系統でも、感染例の多くは不顕性であるが、リンパ系細胞でウイルス増殖して免
疫機能を修飾するなど、感染により実験成績への影響に関しては配慮する必要がある。
c. 汚染すると施設内での感染の広がりは早く、感染率が高いため、sentinel 動物により早期に汚染が摘
発できる。
d. パルボウイルスは環境中での抵抗性は弱いため、環境中では速やかに不活化する。
e. ほとんどのパルボウイルスにおいて持続感染が成立し、垂直感染や糞便を介した経口・経鼻により水平
伝播する。
f. パルボウイルスは継代腫瘍細胞や株化細胞を汚染しやすく、これらも感染源として重要である。
g. 日本国内のマウスにおける感染率は極めて低いと考えられている。
1. a - b
2. b - c
3. c - d
4. d - e
5. f - g
Q29.
以下の記述にあう病原体として最も可能性の高いものはどれか。ただし、単独感染しているものとする。
呼吸器症状のあるマウスの鼻腔および気管のスワブを、血液寒天、DHL寒天およびPPLO寒天培地に塗り
37℃で培養した。血液寒天では48 時間培養で3 mm 程度の不透明、灰白色のコロニーを形成し、DHL寒天
でも透明なコロニーが観察された。
1. Pasteurella pneumotropica
2. Corynebacterium kutscheri
3. Mycoplasma pulmonis
25
平成 24 年度 各論 A 4. Bordetella hinzii
5. Bordetella bronchiseptica
Q30. 以下の所見にあう病原体として最も可能性の高いものはどれか。
感染ラットの肝臓(白色の壊死班)
肝臓スタンプ標本ギムザ染色
1. Corynebacterium kutscheri
2. Helicobacter hepaticus
3. Murine hepatitis virus
4. Clostridium piriforme
5. Sialodacryoadenitis virus
Q31. 以下の所見にあう病原体として最も可能性が高いものはどれか。
マウス肝臓
マウス肝臓
1. Corynebacterium kutscheri
2. Helicobacter hepaticus
3. Murine hepatitis virus
4. Clostridium piriforme
5. Sialodacryoadenitis virus
Q32. Pneumocystis spp. (ニューモシスティス) に関する以下の記載で誤っているものはどれか。
1. ニューモシスティス属は当初、原虫と考えられていたが、18S rRNA 遺伝子解析によって原虫でなく真菌に
属することが判明した。培地上には生えず、培養方法は確立できていない。
2. 感染はマウス、ラット、ウサギ、ヒトなど様々な動物種でおこり、ヒト病原体はP. jirovecii、 マウス病原体は
P. murina、ラット病原体はP. carinii とP. wakefieldiae などが確認されているがこれらは種を超えて相互
26
平成 24 年度 各論 A に感染する。
3. ニューモシスティスはエアロゾル感染によって伝播される。ニューモシスティスに感染すると、病原体はI 型
肺胞上皮細胞周囲で増殖し、間質にリンパ球が集簇され間質性肺炎が起こる。
4. 一般にニューモシスティス感染症は日和見感染症と扱われるが、最近、免疫系が正常なラット系統に見られ
る肺炎が本病原体に起因することが分かった。
5. 肺のスタンプ標本や、肺乳剤をGrocott のメテナミン銀染色、トルイジンブルー染色、ギムザ染色などで染
色し、光学顕微鏡下で観察すると、小型の栄養体と大型のシストを間質中に認めることができる。また免疫染
色も用いられる。
Q33. マウスおよびラットで、眼窩採血が推奨されない理由として正しいのはどれか選びなさい。
1. 血腫や眼圧亢進による痛みや失明を生ずる可能性がある。
2. 血管壁が損傷してしまうため、頻回採血ができない。
3. 麻酔が使用できないため、高度な技術を要する。
4. 十分な採血量が得られない。
5. 組織損傷の修復に 48 時間程度を要する。
Q34. 250 g のラットを2週間の回復期間をおいて採血実験に複数回用いる場合に、1回の試験(24 時間以内)
の推奨最大採血量はどれか選びなさい。
1. 0.6 ml
2. 1.0 ml
3. 1.6 ml
4. 3.0 ml
5. 6.0 ml
Q35. ウサギの経口および筋肉内投与の推奨投与容量の組み合わせはどれか選びなさい。
1. p.o. 5 ml/kg, i.m. 0.1 ml/kg
2. p.o. 5 ml/kg, i.m. 0.25 ml/kg
3. p.o. 10 ml/kg, i.m. 0.1 ml/kg
4. p.o. 10 ml/kg, i.m. 0.25 ml/kg
5. p.o. 20 ml/kg, i.m. 0.1 ml/kg
Q36. ラットのカニューレーション技術を用いた実験について適切でない記述はどれか選びなさい。
1. 胆管にカニューレーションし、フリームービングで持続的に胆汁採取することができる。
2. 大腿静脈にカニューレーションしてフリームービングで経時的に血液採取することができる。
3. マンドリン付きカニューレを用いて脊髄硬膜と脊髄の間を穿刺することで脳脊髄液採取することができる。
4. ハイブリドーマ移植した動物から腹水採取する際に、腹腔にカニューレーションする事で何回でも繰り返して
採取できる。
27
平成 24 年度 各論 A 5. 胸管にカニューレを挿入してリンパ液採取することができる。
Q37. ラットに 60∼80 分の大規模生存外科処置を施す際に第一に選択する麻酔薬はどれか選びなさい。
1. ペントバルビタール 50 mg/kg, i.p.
2. 抱水クロラール 55∼65 mg/kg, i.p.
3. ウレタン 1000 mg/kg, i.p.
4. イソフルラン 導入 4 %、維持 1.5∼3 % 吸入
5. プロポフォール 10 mg/kg i.v.
Q38. 総頸動脈を結紮する事により、脳虚血を誘発するため、脳梗塞モデルとして使用される動物はどれか選
びなさい。
1. OLETF ラット
2. Hartley モルモット
3. NZBWF1 マウス
4. WHHL ウサギ
5. スナネズミ
Q39. 図は、ある遺伝子のエクソン(図の点線部分)に相同組換えによってネオマイシン耐性遺伝子を挿
入することによって作出した遺伝子改変マウスの染色体を示す。PCR による遺伝子型決定を行う際、野
生型と改変型のそれぞれのヘテロとホモを区別することができるプライマーの組み合わせを選びなさ
い。なおプライマーの矢頭は 3'側を示し、各々の産物のサイズは異なる。
1. a - b - c
2. c - d - e
3. b - c - e
4. a - c - d
5. a - c - e
28
平成 24 年度 各論 A Q40. 顕微鏡下で行う胚操作に用いるガラスピペット(図)とその目的のうち、1-5 の中で正しい組み合
わせを選びなさい。
1
2
3
4
5
幹細胞の注入
d
d
b
b
c
胚の保定
e
e
e
a
a
核酸の注入
b
c
d
c
b
精子の注入
a
b
c
d
d
割球のバイオプシー
c
a
a
e
e
解答
Q41. 以下の記述について、1-5 から正しいものを選びなさい。
発生工学の目的でマウスを用いる場合、通常過排卵処理が行われる。雌個体に (a)妊馬血清性性腺刺激ホル
モン(PMSG) を投与し、(b) 翌日、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG) を投与して雄と交配させる。この様にし
て受精卵が得られるが、トランスジェニックマウスの作製には受精後 (c) 0.5 日 程度の前核期受精卵が、凝集
キメラの作製には、 (d) 2.5 日の 8 細胞期胚が使われる。
1. a は誤り
2. b は誤り
3. c は誤り
4. d は誤り
5. 全て正しい
29
平成 24 年度 各論 A Q42. Fbx15 遺伝子は ES 細胞等の多能性幹細胞に特異的に発現する。体細胞を多能性幹細胞へとリプ
ログラミングさせる因子を探索するために、G418 耐性を指標に Fbx15 遺伝子の発現をモニターできる
細胞を構築したい。この目的に相応しい、遺伝子改変アレルを選びなさい。
Q43. 初期胚や配偶子の凍結に関連のないものを選びなさい。
1. 液体窒素
2. 加圧凍結法
3. ガラス化法
4. プログラムフリーザー
5. DMSO (Dimethyl sulfoxide)
Q44. Zinc Finger Nucleases に関する記述で誤っているものを選びなさい。
1. Zinc Finger Nucleases(ZFN)は、Zinc-FingerのDNA結合ドメインと、制限酵素FokIのDNA切断ドメイ
ンで構成された人工キメラタンパク質である。
2. ZFNのDNA結合ドメインは通常3から6個のジンクフィンガーを含んでおり、9から18塩基対の認識が可能で
ある。
3. Zinc-Fingerがゲノム上の特異的な遺伝子配列を認識し、FokI部分が切断することにより二重鎖切断を引
き起こす。
4. 細胞にZFNのみ導入した場合は、ゲノムの標的部位の切断-末端結合時に、修復エラーが起こり、塩基対の
欠損、挿入が生じ、結果的に遺伝子のフレームシフトが起こる。
30
平成 24 年度 各論 A 5. 外来遺伝子を挿入するようなゲノム改変には向かない。
Q45 体重 200 グラム未満の小型げっ歯類の安楽死方法として、許容されない方法を選びなさい。
① 二酸化炭素ガス吸入
② ハロタン吸入
③ 頚椎脱臼
④ 断頭
1.①
2.②
3.③
4.④
5.すべて許容される
Q46 環境温度が薬物の毒性発現に影響することに関する次の記述のうち、正しいものを選びなさい。
1. アドレナリンの毒性は常温で最も高い。
2. コーチゾンやDDTの毒性は低温環境の方が高く発現する。
3. ペントバルビタールは高温で毒性が強く現れる。
4. メタノールの毒性は温度に比例し、高温ほど高い。
5. 環境温度が化学物質の毒性発現に影響することはない。
Q47 個別換気式ケージ(IVC: Individually Ventilated Cage system)の説明として誤っているものを選びな
さい。
① 一つ一つのケージを強制的に換気することにより、ケージレベルでバリアを構築できるラックシステムで
ある。
② 個別換気式ケージのケージ内換気回数は、一般的なバリア飼育室の換気回数と同じ 15 回/時間が適
切とされている。
③ ラック上部に給気用と排気用のブロアーユニットを設置し、それぞれ HEPA フィルタを介して給排気す
る構造が一般的であるが、建物の空調設備から給排気するものもある。
④ 強制換気方式であるため、ケージ上部に空間を設ける必要がなく、高密度にケージを配置することがで
きる。このため施設床面積あたりの収容効率を高めることが可能である。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. すべて正しい
31
平成 24 年度 各論 A Q48 動物アレルギーに関する以下の記述のうち、誤っているものを選びなさい。
① ラットに対する実験動物アレルギーを持つ人々の多くについてアレルゲン暴露の主因は尿と唾液で、ア
レルゲンとして Rat n 1A(pre-albumin)と Rat n 1B(euglobulin)が知られている。
② アレルギー性鼻炎などの既往症を有する人の方が、実験動物作業をしたときの動物アレルギー症状を
発現しにくいといわれている。
③ 日常的に動物に暴露される飼育従事者のアレルギー有症率はおおよそ 30%前後(10∼44%)と報告
されている。
④ 動物の唾液中の蛋白に感作された人が動物に咬まれると、アナフィラキシーをおこし、時には生命に関
わる重大な反応を起こすことがある。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. すべて正しい
Q49 げっ歯類の胎児や新生児を動物実験に用いる場合について、誤っているものを選びなさい。
① 成獣と同様に鎮痛・麻酔などの処置や、意識を消失した状態で安楽死を施すなどの人道的な取り扱い
が必要とされる。
② 発生初期の胎児では脳・神経系は疼痛を知覚できるほど十分には発達していないが、妊娠後期には侵
害刺激に対して忌避反応を示すことから、知覚神経系が十分に発達していると考えられる。
③ 胎児や新生児は低酸素状態に抵抗性であることから、二酸化炭素などの低酸素症を作用機序とする方
法で安楽死することは、適切ではない。
④ 妊娠後期の胎児を安楽死させる場合には、注射麻酔薬の過量投与や深麻酔下での化学的、あるいは
物理的方法が推奨されている。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. すべて正しい
Q50 環境エンリッチメントに関する記述として誤っているものを選びなさい。
① げっ歯類を、環境エンリッチメントを施さないケージに単飼することは強いストレスとなり、逆に群飼はスト
レスを緩和する。
② ヒトに触れられたり、強制的に保定されたりすることは動物にとってストレスとなるが、適切なハンドリング
を繰り返すことによりストレスが軽減されることがストレスホルモン(血漿コルチコステロン濃度)の測定実
験などから明らかになっている。
32
平成 24 年度 各論 A ③ ラットを金網床のケージで 1 年以上飼育すると圧迫性神経症などの足病変の発生率が有意に高くなる
ことが知られている。
④ マウスにとって紙製のシェルターや柔らかい紙は適切な巣材とはならず、用いるべきではない。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. すべて正しい
33
平成 24 年度 各論 A 34
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