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医療法人社団 綱島会 厚生病院

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医療法人社団 綱島会 厚生病院
〒670−0074
姫路市御立西4−1−25
医療法人社団綱島会
厚 生 病 院
TEL (079)292−1109
FAX (079)292−3067
1
糖尿病
すい臓から分泌されるインスリンの作用が足りないために、体内でカロリーの利用が正しく
行われず、慢性の高血糖状態を言います
インスリンは、からだの中で唯一血糖を下げるホルモンで、食後に血糖が上がらないように調節する働き
があります
糖尿病による高血糖状態は、医師の指導を受け治療方法を守ればコントロールする事が出来ます
しかし、インスリンの作用が不足している状態は、加齢や長年の生活習慣の結果として起きたものです
なかなか元に戻す事は出来ません
つまり
治療によって一時的に血糖値が下がったとしても、治療を続けて生活を正していかなければ
血糖値はすぐにまた高くなってしまうのです
糖尿病の症状は気付きにくく、多少血糖値が高いくらいでは全く症状のない人がほとんどです
しかし、その程度の高血糖でも合併症は着実に発症・進行していきます
自覚症状
初期には自覚症状はほとんどありません
症状が出た時点では、かなり血糖が上がっています
① 疲れやすい・体がだるい
② 口・のどが渇く (多尿・多飲)
③ 手足のしびれ・神経痛
2
検査
糖尿病は、自覚症状がないことが多いので、定期的に検査を行い血糖コントロールの善し悪しを
確認し、合併症の症状を早めに見つけられるようにすることが重要です
① 糖負荷試験 75g OGTT
② 採血 : 血糖
(日内変動・部分・HbA1c)
総コレステロール、中性脂肪、腎機能なども月1回検査
③ 検尿 : 尿タンパク、尿糖、ケトン、C−ぺプチド、24h クレアチニンクリアランス
④ 眼底検査
⑤ 心電図・血圧
⑥ 骨塩定量・四肢ドプラー
HbA1cを 6.5%以下に保つと合併症の進行を抑える事が出来ます
糖尿病は合併症を起こさず日常生活をいかに快適に
過ごすかが重要です
3
合併症が出てから治療を開始するのでは遅すぎます!!
① 神経障害 = 壊疽(進行すると切断)
② 網膜症
= 成人の失明原因の 1 位
③ 腎 症
= 透析導入患者の半数を占める
④ 血管障害
= 最近増加傾向
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規則正しい生活
① 十分な睡眠をとりましょう
② 過労を避けましょう(ストレスは血糖悪化の元です)
③ 動脈硬化が進みつつあるので、急激な気温の変化、排便時の怒責、疲労、ストレスなどは
血圧を上げ、脳内出血・狭心症・心筋梗塞を起こすきっかけになります
定期的に外来受診をしましょう
① 外来受診時に採血などの検査をしたら検査結果を聞きましょう
② 医師に内服やインスリンの種類・量に変更がないか必ず確認しましょう
③ 検査結果や内服・インスリンに変更があった時は、看護師に糖尿病手帳に記入してもらい
ましょう
糖尿病は、完全にやっつけるというのは難しい病気なんだ
でも、血糖をコントロールすることが出来れば問題ないんだよ
初めての医療機関を緊急受診する時に必要な情報
① 糖尿病手帳
病院名
(糖尿病治療中の医療機関)
TEL
② 糖尿病罹患期間と合併症の有無
初診日
年
月
日
合併症:
③ 糖尿病の治療内容と治療薬の種類・量
内服薬
インスリン
④ 糖尿病以外の治療薬の種類・量
⑤ 最近の血糖コントロールの状態 (血糖値 HbA1cなど)
血糖値
mg/dl
HbA1c
5
%
運動療法
インスリンが効きやすい身体になるために行います
[運動効果について]
① 糖代謝が活発になる
・・・ 運動をすれば筋肉にある糖質がエネルギーとして消費される
インスリンの感受性が良くなる
② インスリンが節約出来る ・・・ 運動によりインスリンを使うことなしに糖質が利用出来る
③ 血管の老化を防ぐ
・・・ 心臓や肺を中心とした血液循環が良くなる
④ 頭脳に活力を与える
・・・ 適度の運動は脳神経の機能を良くする
疲れた頭脳を癒し、思考を円滑にし敏捷性や協調性を高める
⑤ 筋力・体力を増強する
・・・ 筋肉に毎日刺激を与えると筋力・体力がつく
⑥ ストレス解消に役立つ
・・・ 運動をした後の爽快感がストレス解消になる
続ける事で達成感・満足感を生み出す
6
多少息切れはするものの、人と話しながら続けられる程度の運動を20分以上続けると、体の酸素消費
量が増え、血糖だけでなく脂肪もエネルギー源として使うようになるため、血糖を下げます
また血液中の脂肪や体重も減るようになります
無理をせず続ける事が大切です
合併症の有無に関らず、運動療法の開始は医師と相談しましょう
Check
運動中にこんな事があったら運動を中止しましょう
強い空腹感・冷や汗・ふるえ (低血糖が疑われる)
胸が締めつけられるように痛い
激しい動悸がしたり脈が乱れる
ひどいめまいがする
気分が悪くなった
いつもと違う疲れ
関節や筋肉に強い痛みを感じた
Check
こんな日は無理せず運動を休みましょう
普段より血圧が高く、収縮期血圧が 180mmHg 以上ある
風邪をひいた
腹痛がする・下痢をした
睡眠不足・二日酔い
足が痛い
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[運動療法の注意事項]
① 運動前後の脈拍を測る
運動後 5 分過ぎても呼吸が乱れている場合は運動が強すぎる
自分自身の体力の 50%の運動強度で行いましょう
目標脈拍数=(220-年齢-安静時脈拍数)×0.5+安静時脈拍数
運動中の脈拍は 1 分間 (
) です
② 舗装道路は膝に負担がかかるため、土手や公園を利用する
③ 運動の強さを急激に上げず、効果を焦ったりやり過ぎに注意する
④ 水分補給を充分に行う
お茶やお水が良い (スポーツドリンクは糖分が多いので逆に脱水になりやすい)
⑤ 運動による低血糖は医師に報告し指示を受ける
⑥ インスリン注射・血糖降下剤使用者は必ずブドウ糖を持参する
⑦ 空腹時・食前の運動はさけ、食後 1∼2 時間後にしましょう
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運動療法
* 糖尿病患者にみられる足の病気 (水虫・傷・魚の目・たこ・いぼ・壊疽) は多いです
* 入院患者さんのほとんどに、何らかの足の病気があると言われています
* 血糖コントロールが悪い方は感染しやすい状態です
小さい傷であっても感染すると化膿して、なかなか治りにくい状態になります
* 火傷・水虫・小さい傷から糖尿病性壊疽を起こす事があります
足の病気が重症になってから気づくのでは遅いのです
予防のために足のケアをしましょう !
1 日 1 回 足全体を観察し、足の病気がないか調べましょう
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
傷がないか鏡などを使い、足の裏や指の間を丁寧に観察しましょう
毎日石鹸を使って洗い、足の清潔を保ちましょう
保湿のためにアルコール分を含まないローションをつけましょう
深爪しないこと (爪切りは入浴後や足浴後、爪が清潔で柔らかい時に明るい場所で行います)
水虫・魚の目・たこ・いぼなどが出来たら、自分で治療せず診察を受けましょう
特に水虫は、糖尿病性壊疽の重要な原因疾患です
湯タンポ・アンカ・カイロは熱傷の原因になるので使わないようにしましょう
入浴時は、肘で温度の確認をしてから入りましょう
素足で歩かず、木綿の白色の靴下を履きましょう
脱いだ靴下は、裏返して血液や浸出液など付着してないか調べましょう
靴を履く前に靴の内外をチェックしましょう
靴を購入する時は、足が大きくなる夕方以降に選んで下さい
巻き爪は糖尿病コントロールが悪いと化膿します。放置せず専門医の診察を受けて下さい
外反母趾の方は、ハイヒールは良くありません。シューヒッターのいるお店で靴をきちんと選びまし
ょう
喫煙は血管を収縮させて循環を悪化させるため、禁煙しましょう
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運動療法
低血糖とは血糖値が 70mg/dl 以下に なった状態をいいます
(血糖の高い人や、急に血糖値が下がった時には 100mg/dl 程度でも低血糖症状が出る事
があります)
急に
⇒
空腹感・脱力感・冷汗・皮膚蒼白・動悸
進むと
⇒
頭痛・悪心・嘔吐・目のかすみ・集中力の低下・けいれん・意識障害・昏睡
低血糖症状には個人差があります
Check
低血糖を起こしやすい状態とは・・・・・?
1 食事の不足
・ 食事を摂らなかった時
・ 食事がいつもより少なかった時
・ 食事開始時間がいつもより遅れた時
・ 食欲低下や下痢のある時
2 アルコールの多飲
3 運動の過剰
・ 過激な運動をした後
・ 空腹時に運動した時
4 インスリンの過量投与
・ 不適切に量を変更した時
・ 入浴などでインスリンの吸収が促進された時
・ 自己注射手技を誤った時 = ・注射の時間が早過ぎた
・量(単位数)が多過ぎた
・インスリンの種類を間違えた
・血管内注射になった
・ 腎障害の悪化によるインスリン分解の低下
5 インスリン抵抗性の改善
・ 肥満の改善
・ ストレス、感染症の改善・・・など
6 その他
・ 他の薬剤との併用
10
低血糖時の対処方法
① 低血糖症状があれば直ちにブドウ糖または砂糖 10∼20gをとる
飴やチョコレートはダメ ! !
↓
② 15 分以内に症状の回復がなければ同じ対応を繰り返す
2・3 回繰り返しても症状に改善がなければ救急車で病院へ
↓
③ 症状が治まっても食事前であれば食事を摂る
次の食事まで 1 時間以上あれば 1∼2 単位の炭水化物を摂る
1 単位の炭水化物とは??
・ ご飯軽く半分 (50g)
・ 食パン 6 枚切り半分
・ ビスケット 20g などあります
・ 低血糖時の対処方法は自分だけでなく家族にも覚えてもらいましょう
・ 意識がなくなった場合
すぐに救急車で病院へ連れて行くように・・絶対寝かせて放置しないように 家族・
身近な人に低血糖について説明しておいて下さい
注) 入院中の方は症状があれば看護師に報告して下さい
自分で対処しないで下さい
[外出時は・・・]
経口血糖降下剤やインスリン使用者は ブドウ糖 を携帯しましょう
必ず 糖尿病手帳・お薬情報用紙 も携帯しましょう
* 低血糖を怖がって指示カロリー以上の食事を摂ったり、補食と言いつつ間食をしていては、
糖尿病の治療の基本から外れてしまいます
低血糖症状の対策の知識を十分身につけ、規則正しい生活を心がけ、よりよい血糖コントロー
ルを目指しましょう
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シックデイとは??
糖尿病患者さんが他の病気になった状態をシックデイといいます
シックデイは、風邪・下痢・胃炎・骨折・外傷・手術などあらゆる病気を含みます
* 糖尿病患者さんは、普通ならすぐ治るような風邪・腹痛・下痢などであっても、油断は禁物です
私達の体は、病気になると血糖を上げようとするように出来ているので、いつもの糖尿病
の治療だけではコントロールが悪化する場合があります
シックデイの対応方法
① 暖かくして安静にしましょう
体力の消耗が防げるだけでなく、抵抗力も高まるので病気の悪化が抑えられます
② 主治医に連絡をとって早めに対応しましょう
・ 病状が非常に軽い風邪や胃炎の場合は安静にし、1 日程度様子を見ることはかま
いません
③ 早めに受診が必要です
・ 全く食事が摂れない
・ 下痢・嘔吐が続く
・ 腹痛が強い
・ 38℃以上の熱が続く
・ 改善の気配がない
・ 高い血糖値が続く
・ 尿糖の強陽性が続く
④ 必要な検査をして現状をチェックしましょう
・ 血糖値
・ 体温
・ 食事量
・ 水分の摂取量
・ 自覚症状
いつもより検査の回数・項目を増やして、しっかり現状をつかんでおきましょう!
異常や気になる症状があればすぐに主治医に連絡しましょう!
⑤ 食事・水分・ミネラルを出来るだけとりましょう
・ 食欲が落ち食べられなくなる事が多いです
・ 発熱・下痢・嘔吐があると脱水にもなります
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シックデイの時は、こんなメニューがおすすめです
・ 比較的食欲がある時 ⇒
{例}
めん類 (うどん・そばなど)
シチュー
・ 症状が重い時
⇒
{例}
お粥に梅干・おじや・茶碗蒸しなど
・ 脱水予防には
⇒
{例}
味噌汁・スープ・ジュースなど
消化吸収の良い物を中心にして、食品を交換して指示カロリーを出来るだけ保持するようにして
下さい
経口血糖下降剤療法の場合の対応
服用している薬の種類によって対応の仕方が少し違うので、主治医と薬剤師に
相談しておいて下さい
インスリン療法の場合の対応
食事が摂れなかったり、下痢・嘔吐がある場合は、普段のインスリン量では
一般に低血糖になります
食事が摂れない場合でもインスリン注射を勝手にやめると
病状が悪化します
↓
注射や内服薬の量は必ず主治医に相談しましょう
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