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卓球競技における呼吸循環系機能に関する研究 The study
卓球競技における呼吸循環系機能に関する研究 The study of cardiorespiratory responces in table tennis 1K05A110 指導教員 主査 葛西順一先生 【緒言】 塩野 真人 副査 吉永武史先生 味 からも、運 動 生 理 学 には極 めて重 要 な意 味 を 卓 球 の原 型 と言 えるのがいつ、どのような形 で 持 つものと考 えられる。本 研 究 の結 果 を比 較 する スタートしたか定 まったものは明 らかではないが、 ことにより、卓 球 競 技 においての競 技 力 、競 技 年 卓 球 研 究 家 や国 際 卓 球 連 盟 の歴 史 的 考 察 では、 数 、体 格 や年 齢 によりどのような差 異 が表 れるの 1880年代が起源であると言われている。イギリスで かを解 明 す る。そして、卓 球 の 呼 吸 循 環 器 系 機 ローンテニスを楽 しんでいた貴 族 達 がそのテニス 能の対応を検討することにより今後の持久力の向 からヒントを得 てテニスラケットの改 良 型 ラケット、 上、また競技力の向上に資することを最終的な目 時 には葉 巻 の入った箱 のふたで、ダイニングルー 的とした。 ムのテーブルでコルク(シャンペンコルクも)ボール にして楽しんだのが、卓 球競 技のスタートと言える。 【実験方法】 卓球は100mを走りながらチェスを行うスポーツとし 被 験 者 は早 稲 田 大 学 卓 球 部 7名 である。実 験 て評 した人 物 がいる。荻 村 伊 智 郎 である。試 合 で 方 法 はまずk4b2を装 着 し1分 間 のフォアハンド打 は前 後 左 右 に動 いて打 球 をしながら、相 手 の戦 ちのフットワーク(FH+FW)、ドライブフットワーク 術 を読 み、プレーを展 開 しているからである。「卓 (DR+FW)、オールアウトするまでのスマッシュフ 球 は体 力 を使 わないスポーツ」と思 われている人 ットワーク(SM+FW)の順 序 で測 定 を行 った。一 もおおいのではないだろうか。世 界 一 流 選 手 のス つ一 つの課 題 の間 には2分 間 のレストを取 った。 マッシュスピードは時 速 126km程 度 、強 い回 転 の そしてスマッシュフットワーク終 了 後 、心 拍 数を10 ボールは130回 転 /秒 と報 告 されている。このよう 0まで低 下 した時 間 を計 るため10分 間 のレストを なボールを打 ち続 けるためには、筋 力 、持 久 力 、 取った。 反 射 神 経 、動 体 視 力 がとても重 要 になってくる。 上級者になればなるほど、競技に求められる身体 能力は高くなりより一層のトレーニングが必要にな ってくる。 【結果】 被 験 者 ごとに比 較 してみると、全 被 験 者 のスマ ッシュ打 ちによるフットワーク(SM+FW)が、酸 素 摂 取 量 ( ml/min/kg ) 、 二 酸 化 炭 素 排 出 量 【目的】 本 研 究 は体 力 トレーニング及 び技 術 トレーニン グ、あるいは技 術 それらの内 容 の改 善 に資 するこ ( ml/min/kg ) 、 心 拍 数 (b/m) 、 換 気 量 VT,VE (l,l/min)全 ての項 目 において最 大 値 を示 してい ることが明らかである。 とを目 的 とする。運 動 中 呼 吸 循 環 系 指 標 となる、 最 大 酸 素 摂 取 量 、換 気 量 、心 拍 数 などを継 続 的 【考察】 に測 定 するということは、運 動 中 の心 臓 機 能 の評 3つの特 定 の動 作 ではスマッシュフットワーク 価 、全 身 持 久 力 性 のトレーニングの指 標 という意 (SM+FW)の動 作 が心 肺 機 能 に対 して最 も負 担 がかかり、トレーニング効果があるということが分か ない。ベストパフォーマンスを発 揮 するためにこれ った。しかしこれは動 作 の心 拍 数 や最 大 酸 素 摂 らの運 動 を行 い、呼 吸 循 環 器 系 の機 能 を強 化 す 取 量 においての平 均 を出 しているので、オールア るべきである。今 後 、戦 術 および戦 型 が異 なる選 ウトまで行 ったスマッシュフットワークが一 番 心 肺 手 または異 性 の試 合 中 の酸 素 摂 取 量 機 能 に負 担 をかけたのは間 違 いないことである。 (ml/min/kg), 二 酸 化 炭 素 摂 取 量 ( ml/min/kg ) 、 卓 球 競 技 はラリー中 の打 球 のタイミングの速 さの 心 拍 数 (b/m)、換 気 量 VE,VT(l,l,min)等 を測 定 、 特 性 から 、 ハイレベルな瞬 発 力 お よび高 い 集 中 比 較することによって、一 人 一 人の特 徴が把 握で 力 が必 要 となる。それらを試 合 の中 で維 持 させる き、その選 手 に応じた幅 広いトレーニングメニュー ためには最 大 酸 素 摂 取 量 が大 きな鍵 を握 ってい を作 成 できる。さらにこの実 験 を定 期 的 に行 うこと る。どんなに高 い技 術 レベルの選 手 であっても、 で、自分自身の体力レベルの向上が明らかになり、 体 力 がベストコンディションで試 合 を行 うことが出 体 力 トレーニングおよび技 術 トレーニング改 善 の 来 なければ試 合 に負 けてしまうということは少 なく ための研究へと発展させていく所存である。