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ユーザ事例 - NTTデータイントラマート

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ユーザ事例 - NTTデータイントラマート
ユーザ事例
intra-mart は、数多くの導入事例を持っています(約 880 社:2002 年 4 月現在)
。その中から代表的なユーザ企業のご紹介と導入効果に
ついてご紹介いたします。
Web と基幹システムとの連携事例
JAL インフォテック株式会社 様(社内申請業務)................................................................................................ 4
intra-mart ベースモジュールにより、社内総務の各種申請書を Web で構築。Notes とも連携してい
る。他社ツールよりも3倍近い開発生産性を実現。
日本電気株式会社 第二パーソナル C&C 事業本部 様(設計変更管理システム).............................................. 6
パーソナルコミュニケーション事業部 設計変更管理システム 設計変更の申請をWebでおこない、
intra-mart のワークフロー機能で電子承認する。最終承認後、ホストの生産管理 DB に反映する。
設計変更書は、Web から PDF 形式のファイルで出力される。
松下冷機株式会社 様(人事管理システム)............................................................................................................ 8
人事データベースを一般社員に開放することにより、戦略的な人材配置・育成を可能とし、さら
に情報公開による社員の自立化を図る。人事業務をワークフロー化し、人事業務の効率化と申請・
窓口業務の効率化を図る。既存汎用機の給与システムと夜間にバッチで情報連動。
お客様は、
intramart の導入後の開発生産性・発展性を評価。
イントラネットソリューション事例
西華産業株式会社 様(人事管理システム、イントラネット・スタートパック)............................................ 10
intra-martの人事管理システムおよびイントラネット・スタートパックを導入。総務部門の間接コ
ストの 40% 削減を目標とする。intra-mart アプリケーションのカスタマイズ適用。
株式会社 NTT データ 情報システム部 (メールアドレス管理システム)........................................................ 12
社員の人事異動に伴うメールアドレスの変更申請業務を intra-mart ベースモジュールで構築。
JavaScript による短期間(2ヶ月)での構築。
富士重工業株式会社 様(勤怠システム)............................................................................................................. 14
群馬製作所 9,000 名の勤怠システムを intra-mart で構築。従来の OCR 読取装置により 3 日かかって
いた収集時間を 1 日に短縮が可能となった。開発期間は 3ヶ月、Web サーバは WindowsNT、DB
サーバは UNIX。開発生産性とワークフロー機能が導入の条件。
企業通信システムエンジニアリング株式会社 様(プロジェクト管理)........................................................... 16
プロジェクトの工程 / 原価管理と注文 / 請求管理を含む基幹システムを構築。見積書の作成・承
認・発行等の一元化、事務処理の進捗管理の効率化、セキュリティーの強化等を目指す。intra-mart
採用のポイントは、カスタマイズが容易で、安価かつ契約の事務処理 などの実際の業務との整合
性に優れていたため。
New 財団法人関東電気保安協会 様 (Web 技術への移行)....................................................................................... 18
従来からのホストコンピュータの COBOL 系技術から Web 系技術への移行への試み。Java、Linux
+ PHP など、さまざまなツールを検討した上で intra-mart に決定し、徐々に Web での開発エンジ
ニを育成し、着実に COBOL 系から Web 系に移行しつつある。
CRM ソリューション事例
ナトコ株式会社 様(営業情報共有システム)...................................................................................................... 20
イントラネット・スタートパックのカスタマイズで営業情報の全社共有を可能とした。PCに初め
ての営業部員にも一挙に導入し効果を挙げている。サーバはWindowsNT。開発生産性の高さが導
入の条件となる。
BtoB ソリューション事例
リコーエレメックス株式会社 様(資材業務の Web-EDI)................................................................................ 22
協力会社との資材業務を対象にした WebEDI システムを inra-mart で構築。ペーパーレス化と資材
業務の効率化に成功。発注情報を発送する段階から商品を受け入れ、支払いの通知を郵送する段
階までの資材業務で、1 つの発注に対して 3.5 日かかっていたが、今回の WebEDI 導入成果とし
て、これらの工程を 0.5 日に短縮した。 特に大量帳票印刷を Web に移行する点では工夫をした。
横河レンタリース株式会社 様(計測器・パソコンのレンタル EC サイト).................................................... 24
会員制 EC サイト「RentalOnline」を intra-mart で構築。AS400 基幹システムとも受注データ・在庫
データを連動している。 計画から 6ヶ月でサービス開始。実質の開発期間は 3ヶ月で終了。
EC ソリューション事例
).................................................................................................. 26
New 株式会社 NTT-X 様(ポータルサイト「goo」
ポータルサイト「goo」を立ち上げ、運営している株式会社NTT-X。ポータルサイト「goo」にとっ
て重要な「びったり goo」などの付加価値サービス用の高性能アプリケーション・サーバを模索
していた。多くのアプリケーション・サーバを比較検討した結果、約 3 倍のパフォーマンスと動
作の安定性を示した intra-mart のエンジンである「resin」を採用した。
ユーザ事例《SI事業者編》
JALインフォテック株式会社 様
大幅な間接費削減を目指し、
intra-martベースのイントラネット作りに取り組む
その手応えをさらに自社の商品化に反映させる方針
ユーザ紹介
JAL インフォテック株式会社
設立:1978 年 8 月
代表取締役社長:山下 治 様
資本金:7 億 245 万 2500 円
従業員数:1274 名(平成 14 年 4 月現在)
本社:〒 108-0023 東京都港区芝浦 4-15-33
芝浦清水ビル
事業内容:コンピュ−タシステムとネットワ−ク
システムに係る総合的 SI 事業
URL:http://www.jalinfotec.co.jp/
JAL インフォテック株式会社(以下 JIT)では、全社的な間接費用に関して大幅な
削減と同時に業務の効率化を目指して、98 年 1月よりイントラネット化をスター
トさせることとなった。どのような経緯でイントラネット構築ツールである intramart を導入し、成果を挙げたのか、同社企画部次長の松山様に話をきいた。
どんなに優れた技術者集団を抱えた企業であっても、イントラネット上の Web ア
プリケーションを自力でゼロから開発するのは、
コスト的にも期間的にも負荷が大
きい。効率的に Web アプリケーションが開発でき、またカスタマイズ性に優れた
ツールを選択することがイントラネットを推進する企業における最初の課題である。
ベースという《本格的な 3 階層アーキテク
チャ》に対応していた。
(3)できるだけ開発工数をかけずに Web ア
プリケーションを開発でき、カスタマイズも
容易であることが求められた。intra-martは、ア
プリケーションの開発で必要になる各種機能
をオブジェクトや関数として《ベースモ
ジュール化》しているため、開発が容易で工数
がかからない点。
(4)W e b サーバで実行されるビジネスロ
ジックを習得が容易な《JavaScript で記述》で
<JIT 企画部次長 松山真一様 >
<JIT イントラネット画面 >
きる。また、すべてのアプリケーションを
HTMLとJavaScriptを利用して簡単に作成でき
るため、開発効率が非常によい。
厳しいプロの選択基準をクリア
intra-mart 導入に踏み切る
(5)intra-mart 自体が JavaScriptで記述されて
いるため、アプリケーション実行時のスピー
過ぎないイントラネット上で多様な Web アプ
リケーションを構築しなければならないが、
ドがJAVAで記述されたものと比較して、かな
その重要な基盤として intra-mart を捉えること
98 年 1 月、JIT では社内の業務効率向上、間
接コスト削減、さらには業務改革を目標にイ
り速いという軽快感がある。
「インフラにしか
ができた。」
(松山様)
ントラネットプロジェクトをスタートさせた。
計画当初、W e b ベースでの開発を念頭にグ
ループウエア製品、Web 開発ツールなどを調
査したということだが、なぜ、数多くの Web
ベース製品から intra-mart を選んだのか。
松山様によれば、機能的な面に関しての主
な理由は次の 5 つである。
(1)
ひとつのグループウエア製品のみに依存
してイントラネットを構築した場合、他のプ
ラットフォームへの移行が困難なこと、かつ 1
つのメーカに拘束されてしまう可能性が高い。
この点、intra-martの場合は《Webの標準技術の
みで構築》されているので、その心配がない。
(2)クライアントの肥大化、クライアントソ
フトの度重なるバージョンアップに伴うコス
トの問題がある。intra-mart は、これらの問題
を解消できるブラウザ /Web サーバ / データ
4
<JIT オフィス >
Web と基幹システムとの連携事例
さらに、コスト面における理由も見逃せな
い。一般にグループウエア製品では、クライア
ント数に応じたライセンス料がかかるが、
intra-
ションには、
インターネットで使い慣れたブラ 「役員専用画面を作ったが、これが非常に好評
(松山様)JIT では、intra-mart のアク
ウザ画面の操作性がそのまま活きているため、 を得た。」
エンドユーザにとっても使い勝手がよく、
非常
セス・セキュリテイモジュールを使って、同じ
Web アプリケーションであっても利用者に応
mart ベースモジュールを利用してアプリケー
に好評であるとのこと。基本的なことである
ションを作成した場合はサーバ 1 台毎のいわ
ば固定制のライセンス料のみで、クライアン
ト数にはまったく依存しない。
「機能面でのメ
が、エンドユーザのことを考えた場合、Web じて、Web ページを動的に生成されるように
ベースの画面であることは重要なポイントだ。 している。
intra-mart では、ログインする利用者と Web
JITではノーツドミノを導入していたにもか
リットに加え、コスト的にも大きな魅力が
あった。」
(松山様)intra-mart は機能 / コスト両
かわらず、intra-mart を導入したわけだが、そ
こに問題はなかったのであろうか。
「intra-mart
面で厳しいプロの選定基準をクリアした。こ
で作られたアプリケーションは、ノーツ資産
うして、intra-mart をベースにしたイントラ
ネット構築がスタートすることになった。
と共存できる。」
(松山様)intra-mart は世界標
準のテクノロジーのみで構築されているせい
もあって、いわゆる囲い込みを行う排他的な
きわめて短期間で開発完了
ノーツ資産との連携もスムーズ
「intra-martで、まず当社における福利厚生用
と社員検索用のアプリを 2 人でつくることに
ページの双方にアクセスレベルを設定するこ
とができるため、利用者毎の画面をいちいち
作り込むことなく、アクセス権のある画面が
動的に生成され表示される。JIT では、自社に
常駐して開発作業をしている外部委託先社員
用の専用画面などもあるが、役員専用画面と
ツールではない。intra-mart で作ったアプリ
ケーションのメニューにノーツドミノで作ら
同様、わざわざ作り込んだのではなくセキュ
を直ちに呼び出すことができるのだ。
ヒエラルキーに対応した情報管理がきめ細か
く要求される。誰もが共有できる掲示板的な
リティ機能によって、動的に生成された画面
れたアプリケーション名を組み込んでおけば、 なのである。イントラネットが企業内の情報
クリックするだけでノーツドミノによる画面 生産性を高めるものであるならば、企業内の
なった。」
(松山様)この2つの Webアプリケー
情報も大切であるが、特定の人しか共有でき
ションの開発は 5 月からスタートして、8 月に
は既に稼働中であるという。1 ケ月間は intra-
ない情報も企業活動にはどうしても必要だ。
intra-mart は、企業の実態にあった一歩抜きん
mart に慣れるための準備期間であったことを
出た情報共有を実現させる。
考えると、同時に2本の本格的業務アプリケー
ションを 2 人で、実質 3 ケ月弱で開発できたの
さらに、JIT では全社員がイントラネットを
使う際の入口となるログイン画面に intra-mart
は相当生産性が高いといえるだろう。現在、2
のセキュリティ機能を使っている。
このことか
つとも稼働中であるが、特に福利厚生施設の
利用に関して、受付・優待券発券を行うものに
らも、intra-mart のセキュリティ機能の充実ぶ
りがうかがえる。
これらの点が松山様の高い評
ついては、大幅な効率化を実現した。
価を得た intra-mart の「きめ細かさ」であろう。
< ノーツドミノとの連携画面 >
自社で使った手応えを
今後の商品化に反映したい
どんなに優れたツールであっても、従来か
ら蓄積されたソフトウェア資産を有効に活用
JITでは、いまintra-martを使って業務効率を
することができなければ、価値はない。これが
ユーザの本音のひとつであろう。intra-mart が
さらに推進する Web アプリケーションを続々
オープン・テクノロジーで構成されているの
も、こんなユーザの声を反映した結果である
といえるだろう。
< 福利厚生施設利用システム画面 >
従来、福利厚生施設を利用する場合は、対象
あらためて intra-mart の
きめ細かさを実感
社員 1300 名から申請される書類の処理を手作
と作っているところである。
「福利厚生用シス
テムと同様にさらに間接費を削減できる Web
アプリ作りを目指すと同時に、自社の顧客に
もintra-martで作ったWebアプリを勧めていき
たい。自分で使ってはじめて良さが分かるし、
その手応えを商品化して形にしていくつもり。
また、イントラネットをはじめから構築する
ことを考えているユーザには、最初から intramart ベースのアプリを提供する方針だ。」(松
業でおこない、多大な労力を費やしていた。申
請 / 受付 / 発券といった一連の作業を Web ブラ
「intra-martのセキュリティ機能が充実してい
る点が気に入っている。」(松山様)イントラ
ウザという1つの基盤上で、時間や距離に依存
ネットでは社内の情報共有を図ることが、企
しない形で行えるようになった。業務の大幅
なスピードアップと間接費の削減が実現した
業内生産性を高める重要なポイントであるが、 ているJITだが、自分が手応えとして実感した
かといってすべての情報を公開するわけにも 良さをさらに商品化に反映するという善循環
いかない。本当の意味で効率的な情報共有に がはじまっている。
といえる。
また、intra-mart で作成されたアプリケー
山様)自社の業務改革、間接コスト削減などを
目標に intra-mart でイントラネットを充実させ
はアクセス権に応じた情報管理が必要になる。
5
ユーザ事例《製造メーカー編》
日本電気株式会社 我孫子事業場
パーソナルコミュニケーション事業部 様
intra-martで複雑な現場への対応を実現
“設計変更ワークフローシステム”
ユーザ紹介
日本電気株式会社我孫子事業場のパーソナルコミュニケーション事業部では、設計
日本電気株式会社
支援システム“APRICOT”を開発。今回、その拡張版として intra-mart を利用し
第二パーソナル C&C 事業本部
パーソナルコミュニケーション事業部
たWebベースの設計変更ワークフローのプロトタイプが完成した。このシステムに
事業内容 : ファクシミリ、キーテレフォン
ISDN ターミナル
事 業 所 : 我孫子事業場
〒 270-1198
千葉県我孫子市日の出 1131
業務改善への取り組みとして、
設計支援システムを開発
は、実際の現場でなければ想像ができないような複雑なワークフローが存在する。
このような現実に直面したワークフローシステムを作り上げた過程およびツールの
選定基準について、同事業所に話を伺った。
テム“APRICOT”を開発した。このシステム
ン情報も取り込むことができ、共有情報とし
は、設計者の作業である部品の選定、部品構成
て利用できるようになっている。
表の作成などにおいて必要な部品情報を提供
パーソナルコミュニケーション事業部では、 するものである。IC やトランジスタなどの電
スクラップ & ビルドによる開発で
現場の意向を反映
ファクシミリやターミナルアダプタなどの設
気部品から添付品に至るまで、数多くある部
計から製造までを海外を含む多くの事業所や
協力会社と連携を保ちながら行っている。我
品は 23 品種に分類され、あらかじめ同事業部
の部品技術グループで選定された標準部品、
孫子事業場は、事業統括・商品企画・開発設計・
およびそれ以外の部品と区分けされ部品デー
として同事業部が取り組んだのが“設計変更
技術製造管理など、その中枢を担当している。 タベースに登録されている。設計者は、必要な
現在、同事業部に求められているのは、商品 部品のカタログ情報、仕様書、図面などの情報
に伴う承認手続き”の合理化である。同社の生
産は、海外は NEC テクノロジーズタイランド
企画から製造に至るまでの業務改善の一環と
そして国内は NEC 静岡、そして多くの協力会
をパソコンの画面を通して直ちに入手し、部
設計支援システム“APRICOT”の次の課題
して、主に設計者の“負担軽減”と“原価低減” 品の選定にあたる。この際、情報として原価低
への試みである。この両者を同時に解決する 減の情報、品質管理の情報、在庫情報、購入履
社と連携して行っている。さらに、設計部門を
はじめとして多くの部門が関連しているため、
システムとして、同事業部では設計支援シス
いったん設計が変更されると、承認や各部門
歴情報なども同時に入手でき、設計と同時に
部品の標準化率や資材原価の計算が行われる。 への通達といった複雑な手続きを踏まなけれ
この段階で、部品構成を変更し原価シミュ ばならない。現状では設計者がワープロで作
レーションが同時にできるように設計されて
成したドキュメントを承認後ファックスなど
いる。
さらに、設計支援システム“APRICOT”で
で配布しているが、この“情報の伝達スピード
を上げること”と“作業手順の明確化”が課題
は、生産技術部で作成した物流費試算、パッ
になったわけである。
ケージ組立工数の試算などのシミュレーショ
このために必要なシステム要件としては
“情報の電子化”
と同時に“ワー
クフロー(電子
承認)への対応”
< システムマネージャ金子様 >
である。同事業
部では、まず
ワークフローの
研究から始める
と同時にツール
の設定に取りか
かり、いくつか
のツールを比較
検討した結果、
最終的に i n t r a -
< 真野様 >
< 我孫子事業場 > 6
mart を選択した。
Web と基幹システムとの連携事例
intra-mart で
Web ベースシステムの基盤が完成
より複雑な現場へ対応を
intra-mart に期待
現実の開発は、実質2 名で行ったという。実
しかし、実際の現場では設計変更に伴う複
際のプログラミングを担当した NEC 情報シス
雑な罫線を持った設計変更書を Web から大量
テムズの担当者は弊社主催の intra-mart 研修 に出力する必要もでてくる。この点に関して
コ ー ス に 参 加 す る こ と か ら ス タ ー ト し 、 は、intra-mart のエクステンション・モジュー
HTML、JavaScript の勉強をしながら(これら
ル(拡張機能)である「IM-PDF デザイナー」
については初挑戦であった)、約 6ヶ月でデー
という PDF に対応した帳票作成システムにを
利用していく意向があり、現在も改善を進め
ている。
<APRICOT のログイン画面 >
また、ワークフローにしても単純なワーク
フローだけでは実際の業務には対応できない。
ツール選択の条件としては、次のような点
今回のシステムにおいても、機種ごとに承認
を考慮したという。
ルートは異なるし、長期出張者が出た場合の
代理承認の問題、並列に何人かに承認ルート
① Web に対応したシステムであること
を設定し、そのうち一人でも承認を得られれ
② ハード・ソフト共に国際標準規格に沿うこと
③ 開発が容易で機動力があること
ば申請情報が滞留することなく流れるような
現実に即した複雑なワークフローの対応が課
④ 現状の APRICOT 資産を継承できること
題として残っている。この点については、intra< 設計変更情報登録画面 >
①の Web に対応したシステムは、地域、会
社を越えたワークフローを実現し、グループ
ウェアからさらに発展してエンタープライズ・
タベースへのアクセスを伴うワークフローシ
ウェアといえるもので、同事業部の実状には
ステムを完成させた。HTML で作成されるプ
必要不可欠なものである。
②のハード・ソフト共に国際標準規格に沿
レゼンテーション・ページと、JavaScript で作
成されるファンクション・コンテナに分かれ
うものであるということは、将来に渡って利
ているので作成は思ったより楽であったとい
m a r t のもう一つのエクステンション・ モ
ジュール(拡張機能)である「IM-ワークフロー
デザイナー」を利用することで解決が可能に
なった。
用して行くためには、あまり独自規格ではな う。また、データベースへの複雑な追加、更新、
く長期に渡り継続するシステムが望まれた。 削除なども用意されたコマンドだけで難なく
intra-mart の標準的なインターネット技術のみ
クリア。疑問点は、intra-martサポートセンター
を利用している点、そしてハードもプラット
フォームを選ばないシステムであることがこ
に電話とe-mailで問い合わせサポートを受け、
付属のサンプルプログラムを参考に自己学習
の点に合致したようだ。
できたようである。
③の開発生産性の問題であるが、システム
開発者が考えた理想のシステムがそのまま現
また、今回課題であったワークフローの部
分も、承認ルートを設定してゆくだけで特に
場で受け入れられるとは考えられない。その
処理プログラムを記述することなく完成する
点をよく理解している同事業部では、とりあ
えずプロトタイプを作成してしまい、設計部
ことができたし、アクセスセキュリティに関
しても、画面単位で公開、非公開をユーザごと
実際のワークフローシステムの導入に際し
門および関連部門にデモを行ったという。デ
に決められるなど intra-mart の機能に満足して
ては、
人事異動に伴う承認ルートの変更が頻繁
モを実際に見ながら、各部門の意見を収集し、 いるようである。
現状の APRICOT システムは、クライアン
再度その意見を組み入れたシステムを再構築
に起こるし、
現場での承認システムは臨機応変
さが求められる。
ワークフローシステムは現状
することを実践した。この点においても、intra-
トサーバ型で構成されているが、同事業部で
に応じた柔軟なものでなければ、
とても日本の
mart の生産性の高さと柔軟さがかわれたよう
である。
も今後 Web ベースのシステムへの拡張を検
討中であった。intra-mart による今回の設計
会社組織には対応しきれない。
同事業部の業務
改善の戦いもまだまだ続きそうである。
最後に④の現状のAPRICOTシステムの資産
変更ワークフローシステムの成功で、同事業
今回のワークフローは、同事業部の中でも
の継承性についても、現状の部品データベー
スにそのまま Web でアクセスできる機動力が
部内での Web ベースシステムの基盤が確立
し、今後のシステムの発展が期待できそうで
大変複雑なもので、これを intra-mart で完成さ
せることができたので、今後のあらゆる分野
かわれたようである。
ある。
への対応も可能だと確信しているようである。
< 設計変更の申請画面 >
7
ユーザ事例《人事部門編》
松下冷機株式会社 人事部 様
intra-martでメインフレームと連携
Webベースの戦略的人事情報システムを構築
ユーザ紹介
松下冷機株式会社
人事部労政グループ
事業内容 : 電気機器製造(冷凍・冷蔵庫、
自販食品機器、空調機器)
資本金 : 119 億 4,200 万円
従業員数 : 約 4,000 名
〒 577-8501
大阪府東大阪市高井田本通 4-2-5
URL : http://www.mrc.panasonic.co.jp/
従来の人事情報システム(クライア
ント / サーバー型)の問題点
松下冷機株式会社様では、2000 年 4 月から新人事情報システム「COCORO」
の試行を開始した。Web システム構築ツール「intra-mart」を採用することに
よって、高度なセキュリティーと操作性を両立、21 世紀に向けた Web ブラウザ
ベースの人事情報システムをスタートした。従来使用してきたホスト、クライア
ント/サーバのシステムからWebベースの人事情報の導入を進めて行った、その
背景を聞いてみた。
一つは「人事データベースの
公開・活用」が挙げられる。こ
れは、従来のように人事情報
松下冷機株式会社は設立が 1939 年。松下 を人事部門が独占するのでは
グループの冷凍・冷蔵庫、自販機食品機器、 なく、マネジメント層・部門
空調機器などの製造を担当している。従業 長・従業員が必要とする情報
員数は 4400 名。年商は 1390 億円(2000 年 3 をタイムリーに提供すること
月期)である。
で、①戦略的な人材の再配置
intra-mart人事管理システム評価
(松下冷機株式会社様 作成)
① システム形態がAll Webで負荷が軽く、最新技術を採用
しているので将来性、発展性がある
・システム基盤への負荷が少ない
・アプリケーションの運用負荷が少ない
② 高度なセキュリティとワークフローが基本機能に組み込
まれている
同社では、1995年からクライアント/サー
バー型(以下C/Sと略)のシステムで勤怠シ
と育成、②情報公開による社
員の自立化、③社員サービス
ステムを構築している。しかし実際に使い
始めると、運用面、ネットワーク負荷など
の向上などを目的としてい
る。
③ システム構成言語が比較的簡単で、内部で開発できる
において、C/S型には多くの問題があること
が判明した。
また、二つ目には「人事情
報のワークフロー化」を実現
④ 印刷機能が充実していて、各種帳票に柔軟に対応できる
新人事情報システムのねらい
・人事情報を安心して公開できる
・業務をフローでシステム化できる
・柔軟にシステムをカスタマイズできる
し、①人事業務の標準化、②
個人からの申請・窓口業務の効率化を図ろ
変な魅力であった。
うというものである。
また、導入の目的から今回のシステムは
人事システムだが、人事部門だけで使用す
これらの根底には、
人材の有効活用、
個を
今回構築するシステムのねらいとして、
尊重した社員の育成、スピード経営、コスト るのではなく、全社員が利用できるように
ダウンなど同社ならではの経営哲学がある。 なれば効率は数倍に高まる。Web 化するこ
このような目的を持った新人事情報シス
テムの構築にあたっては、積極的に Web に
とによって操作性の統一が図れるし、ヘル
プ画面を簡単に貼り付けることもできる。
よるシステム構築の可能性について検討す
ることにした。なぜ、同社が Web をベース
Web の採用は社員すべてが自分で簡単に操
作できるという面でも大きな効果を期待で
としたシステム構築を検討したかというと、 きる。
Web システムの、効率のよい開発、運用の
また、各現場毎にコンピュータ環境は大
利便性、現場での操作性・拡張性などに着目
したからである。
きく違うので、部署間のプラットフォーム
の違いをカバーする意味でも Web の意味は
自社内でC/S型を運用してきた結果、その
運用は大変だったという。各所に分散した
大きい。またC/S型の場合はパソコンの能力
に依存する面が強いが、Web の場合はそれ
ソフトのバージョン一つ揃えることすら、 ほど能力に依存しない点も長所となる。
大変であり、OSに標準で付属しているブラ
しかし反面、Web システムにも弱点があ
< 情報システムセンター 八木 聡 様 >
8
ウザだけでクライアントマシンの設定が済
んでしまう Web ベースは、同社にとって大
ることがわかった。Web の弱点とは、「セ
キュリティー」と「データベース更新」であ
Web と基幹システムとの連携事例
る。つまり、セキュリティーとデータベー
ス更新という Webの弱点をカバーする構築
である。基幹系パッケージも最近は Java が
主流となり、メーカー系の ERP パッケージ
ツールがあれば Webの基幹系採用にまつわ
る問題は解消することになる。
の多くが Java によるアプリケーション開発
を前提としているが、ホスト系に携わって
きた人間にとって Java への移行はそれほど
簡単ではないため、基幹系への Web 利用を
Web の弱点を克服した
「intra-mart」
遅らせる原因になっているようである。
intra-martの場合は、HTML と JavaScript を
そこで、同社ではさまざまな Web システ
ム構築ツールを検討した結果、「セキュリ
ティー」と「データベース更新」という弱点
をカバーした intra-mart であれば、実現でき
ると確信を持つようになった。特に、同社
では、
「ホストをすべて廃止するようなこと
は考えていない。ホストはホストの良さを
活かしながら利用し、ホスト系では実現の
難しい部分を Web 系のシステムに任せた
かった。
」という。intra-mart は、このような
目的には最適であったため、採用すること
となった。また、この他にも商品構成やそれ
に関連する価格面もintra-mart選択の重要な
決め手となった。
また、ホスト系の技術者にも容易に移行
できる開発環境の実現も無視できない要因
組み合わせて開発するため、ホスト系技術
者もすぐに使いこなせる。つまり、社内でも
開発が可能であり、容易にカスタマイズす
ることが可能である。
人事情報システムの機能面で、最も大き
な決め手となったのがセキュリティーの確
先順位が高いのは当然で、Web ベースが期
待されながらも導入が本格化しないのはこ
んどで、これらを統一することは現実的に
は不可能に近い。しかし、ブラウザを利用
することによってプラットフォームの違い
をカバーできる。また各クライアントパソ
コンの能力に依存する事の多かった C/S 型
と比較して、この面での依存度が極めて小
さいことが Web ベースの特徴で、新システ
ム運用が現場のメリットに直結することも
プラス面となった。
来のシステムでは、この人事改革にシステ
ムがついて行くことができなかったのでは
の面での不安感によるところが大きい。 ないかという。その点、柔軟なカスタマイ
Web がいくら便利でも、セキュリティ面で ズ性を持った intra-mart であれば、社内での
不安があったのでは使いものにならない。 対応が可能となる。
現在、ホスト系と intra-mart のデータリン
しかし、intra-mart には標準で高度なセキュ
リティシステムが組み込まれたので、現時
点でこの問題を唯一クリアできる商品で
クはバッチ処理で行うことを推進中である。
人事系はリアルタイム性をそれほど重要視
あったという。
しない。だから新 ERP をまず人事系から取
り組んだことは多いに意味があったようで
ある。
また、人事については、ホスト系の良さは
(4方向に支援できるシステムに再構築)
部門・職能本部の人事管理
HEARTS
(部下や自職能社員の情報が必要なとき取り出せる)
(メインフレーム)
・個人プロフィールの把握
・人材マップ
・人員、人件費構成の把握
etc
人事部門を支援
・全社や事業場のマンパワー分析
(スキル分析等)
・市場の変化に即応する
戦略的人材配置の実現
・真の「適材適所」実現の支援
・人材発掘
汎用的な人事情報検索
個人別履歴検索
育成の観点も入れた候補者抽出
・人員、人件費シミュレーション
・人事業務効率化、迅速化支援
・ペーパーレス化支援
実際に Web 化して得た最大のメリット
は、
「操作性の統一」にある。大企業ではさ
まざまなハードや OS の混在ユースがほと
また、最近では人事制度の改革の関係で
立である。人事情報システムという性格上、
データベース更新よりもセキュリティの優 多くの対応が必要になってきているが、従
新人事情報システムのイメージ
トップマネージメントの意志決定を支援
Web システムのメリット
セ
キ
ュ
リ
テ
ィ
の
確
保
新人事情報システム
(ワークステーション)
人事情報の公開
各種データベースの公開
・人材育成支援
(計画的な育成・配置支援、
目標管理支援)
・自部門、自職能の戦力分析
・全社的なスキル情報の共有化
・プロジェクトメンバーの
候補者選定の迅速化
etc
残しながら、Web に移行できるものはどん
どん移行していくという。給与系などはホ
ストに残すべき分野であると考え、それ以
外の人事情報システム全体は、2002 年を目
途に Webベースへと移行する予定であると
いう。
自ら考え、自ら行動する自立型社員を支援
・個人の人事情報の提供
と人事サービスの強化
(研修、資格、自己開発検討等
の情報、福祉制度加入状況等
が閲覧可能)
・各種申請手続きの電子化
ワークフロー化
9
ユーザ事例《商社編》
西華産業株式会社 様
機械商社 西華産業に学ぶ
イントラネット構築の進むべき進路
ユーザ紹介
西華産業株式会社
設立:昭和 22 年 10 月 1 日
代表取締役社長:服部 弘 様
資本金:67 億 2,800 万円
事業所数:国内 18ヶ所/海外 4ヶ所/
海外現地法人 6 社
従業員数:347 名(平成 14 年 3 月 31 日現在)
本社:〒 100-0005
東京都千代田区丸の内 3-3-1
新東京ビル
事業内容:各種プラント、産業機械器具類,電子情報
システム機器類の販売および輸出入事業
URL:http://www.seika.com/
中堅企業に共通の問題とは何か
西華産業株式会社(以下西華産業)は、機械
これまでイントラネットについて話題になるのは、
大企業のケースが大半であっ
た。コンピュータに関する豊富なマンパワー、潤沢な資金、これらをバックグラウ
ンドにしてのイントラネット推進の話が採り上げられてきた。だが、イントラネッ
トによって業務変革や企業体質の強化を望んでいるのは、中堅企業も同様である。
むしろ比率からすれば圧倒的に中堅企業のほうがニーズとしては多いであろう。
機械商社として着実な成長を遂げている西華産業はイントラネット化を推進し、
確かな成功を納めつつある。西華産業はイントラネット推進に際し、中堅企業が共
通に抱え得る問題をどのようにクリアしていったのか。
これからイントラネットを
考える中堅企業の人々にとっては興味津々のところである。同社IT委員会事務局清
水 潔様に話を聴いた。
面 3 年間とすること。
プランの手始めとして、パソコン 1 人 1 台の
体制を作り、全社的な電子メール環境を整備
商社として着実に成長している中堅企業だが、 することを目指すことにした。現段階では、
同社取引先の情報システム化が急ピッチで進 Exchange Serverによるメール環境整備を図り、
むなか、情報が生命線である商社がシステム
メールソフトとしては OUTLOOK を活用して
化の対応に遅れることはその存在意義まで問
われかねないという危機感から、平成 9 年 7 月
いるが、パソコン 1 人 1 台体制に対応するため
の導入費用、サポート負荷など TCO 増大の問
に IT(情報通信)委員会を発足させ、次の 5 つ
題に直面していた。
「当社の場合、TCO をいか
のコンセプトでイントラネット推進構想を打
ち出した。
に削減するかが最重要課題であった。」(清水
様)クライアント数に比例したソフトウェア
① 経営情報・営業情報・管理情報の 3 つの
ライセンス料、教育コスト、メンテナンスコス
< イントラネット・スタートパック画面 >
カテゴリーが有機的に連携する情報システム
を構築すること。② 基幹システムと新システ
ト等々。イントラネットを推進する上で避け 理してみると、以下の 5 点が大きくクローズ
て通れない問題がこれら TCO の問題である。 アップされる。①西華産業では、Web アプリ
ムが共存すること。③ シンプルなシステム形
西華産業では、企業規模の割に全国に散らば
ケーションを Java などでゼロから開発するマ
態をとること。④ トップダウン方式でイント
ラネット化を推進すること。⑤ 第一段階は当
る支店数が多いうえ、各拠点のメンテナンス
要員は不在。本社でわずか数名のメンテナン
ンパワーはない。あったとしても多大な労力
や人件費がかかるため、イントラネット推進
ス要員がいるのみ
の選択肢としては考えられない。②企業規模
である。従って、西
華産業ではどのよ
に比べ支店数が多いという現状だが、各拠点
にメンテナンス要員をおく人的余裕はない。
うにして総合的に
③自社のニーズに合わせて業務アプリを運用
運用コストを削減
し、メンテナンスを
しながら修正したいが、カスタマイズに労力
とコストをかけられない。④業務システムが
おこなっていくか
変更になった場合、各クライアント毎に再イ
に頭を悩ませてい
た。
ンストールする手間やコストをかけられない。
⑤データの入力や処理に関して、特定の部門
西華産業が直面
していた問題は、イ
ントラネットを推
< 西華産業株式会社本社 >
10
や社員に負担をかけたくない。
西華産業はこれらの問題解決を Web アプリ
ケーション構築ツールである
進する際にどの中
《intra-mart》に求めた。だが、intra-martを使っ
堅企業も抱えうる
問題である。西華産
て業務アプリケーションをゼロから構築した
わけではない。では、どうやって?この点に関
業の場合、問題を整
して西華産業の賢い選択があった。
イントラネットソリューション事例
intra-mart アプリを導入
自社に最適な形でカスタマイズする
97 年12 月、西華産業はintra-martの存在を知
パッケージを導入して、必要に応じて自社で
カスタマイズをおこなうというスタンスを
採っている。ここで西華産業が intra-mart の業
務パッケージを選択した理由を具体的に検証
る。
「intra-mart は、エンドユーザに使い勝手の
良い Web ブラウザベースで本格的な Web アプ
してみると次の 4 つのポイントが挙げられる。
① intra-mart アプリケーションはソースコー
リケーションを構築できるツールである。カ
ドを公開しているため、Web アプリケーショ
スタマイズ性やコスト問題も解消できるとの
感触を得たことで、IT 委員会が《人事管理シ
ン構築ツールの intra-mart ベースモジュールを
購入すれば自社でカスタマイズできること。
ステム》と《イントラネット・スタートパック》 この点に関しては、さらに重要なコスト的メ
の採用を決定した。」(清水様)Web アプリを
Java などでゼロから構築することは膨大な労
リットもある。通常はクライアント数に応じ
たライセンス料がかかるが、intra-mart ベース
力を投下しなければならないことから、自社
モジュールの場合はサーバ単位の固定制であ
開発は西華産業担当者の念頭にはなかった。 るため、クライアント数には無関係なのであ
西華産業で考えていた人事管理システムは、 る。そのため、クライアント数が増えてくる
基本となる人事データを核に、関連情報が有
< 人事管理システム画面− 2>
と、1 桁から 2 桁違うくらいのコストメリット
機的に連携するというものだ。西華産業は、 がでてくる。カスタマイズによって常に最適
intra-mart の人事管理システムを自社のニーズ なシステムを維持していこうとする中堅企業
パッケージだけでは解決できないシステムへ
の要求を短期間で容易にカスタマイズできる
に合わせて手軽にカスタマイズすることがで
にとっては、優れたメリットの 1 つである。
点、運用しながら修正し、労力やコストをかけ
きた。新人事システムでは、住所変更や通勤情
報、扶養情報などを社員が自ら Web ブラウザ
②カスタマイズをするためには、intra-mart
ベースモジュールを使いこなさなければなら
ずに業務アプリを再配備できる点に大きな魅
力を感じた。」
(清水様)
で登録できるため、総務部の付加軽減につな
がる。また、人事帳票や組織変更情報などの履
ないが、Java などに比べてはるかに習得の容
易なJavaScriptでビジネスロジックを記述する
歴管理が行えるようになり、一日研修を受け
ため高度なコンピュータリテラシーを必要と
れば誰もが帳票の加工を行うことができると
いった簡便性がある。
しない。しかも、intra-mart ベースモジュール
は開発に必要となる各種機能をオブジェクト
西華産業の選択とは、結局のところ問題は
や関数としてモジュール化しているので、ゼ
コンピュータに関するマンパワー不足とコス
ト削減であるから、
「カスタマイズ性とメンテ
ロから記述するわけではなく、各モジュール
を活用するという感覚でカスタマイズが行え
ナンス性に優れたパッケージを選択し、必要
るのである。
に応じて自社のニーズに合わせて最適なシス
テムとして手直しをしていけばよい」(清水
③ intra-mart はブラウザ /Web サーバ / データ
ベースという本格的 3 階層アーキテクチャに
様)ということである。また、この賢い選択に
対応しているため、アプリケーションのバー
応ずる能力が intra-mart にはあったといえる。
ジョンアップも Web サーバにインストールす
るだけで済んでしまい、各クライアントを意
中堅企業のイントラネット構築を
推進する intra-mart
識する必要がない。このため全国に拠点数が
西華産業では、intra-mart で構築された業務
りに営業拠点が多く、専任の管理者を配備で
多く、メンテナンス要員をおく余裕のない企
業であってもまったく問題ない。
「社員数のわ
きないため、管理担当部門の大きな負荷軽減
につながる点が評価できる。
」(清水様)
④ intra-mart アプリケーションはインター
ネットでなじみ深い Web ブラウザ画面で操作
することになるため、コンピュータ初心者を
含む幅広いエンドユーザにやさしいインタ
フェースを与えている。ユーザインタフェー
スが簡易で快適である点は、ベーシックな部
分だが重要なことである。また、このことで
データエントリーなどで特定の部門や社員に
負担がかかることもなくなる。
「我が社独自の商習慣や幅広い業種にわたる
< 人事管理システム画面− 1>
さらに意欲的に。イントラネット上
で NC の有効活用を図る
西華産業では、さらなるコストダウン、業務
効率の向上を図るためにクライアントコン
ピュータとして NC(Network Computer)を 8
台導入し、おもに人事情報システムのクライ
アント端末として intra-mart アプリケーション
との相性や操作性などを検証しているところ
だ。なんといってもクライアントの導入コス
ト削減が狙い。部門によっては WORD や EXCEL といったソフトが不可欠であったりと、
NC の全社的導入には克服すべき問題も多い。
だが、NC で間に合う業務は、NC を積極的に
導入し、トータルな投資コストを抑えたい。
西華産業が NC を考慮して Web アプリのカ
スタマイズに取り組めるのは、どの企業にも
比してマンパワーに優れているからという訳
ではない。仮にマンパワーに欠ける中堅企業
であっても、簡単にローコストでシステム構
築やカスタマイズを実現させる「手軽さ」が
intra-mart にあるからであろう。西華産業は intra-martをベースにしたイントラネットに基幹
系システムさえも連携させてダイナミックな
システム改善、業務変革を進行させている。西
華産業におけるイントラネット構築の取り組
みは、これからの情報システムの進むべき重
要な指針を示している。必ずや、他企業にとっ
ても参考になるであろう。
顧客ニーズに対応せざるを得ない立場から、
11
ユーザ事例《SI事業者編》
株式会社 NTTデータ 情報システム部
intra-martでさまざまな“申請”業務を電子化
人事システムと連動したメールアドレス管理
企業内には、さまざまな“申請”を伴う業務が存在する。たとえば、メールシステム
ユーザ紹介
において、人事異動に伴いメールアドレスをメールサーバ間で移動するような処理は
すでに実現している。しかし、その運用上どうしても人間の手を煩わせる“確認”や
株式会社 NTT データ
情報システム部
資本金 : 1,425 億 2,000 万円
“申請”などのさまざまな作業が発生する。株式会社NTTデータ情報システム部では、
システムの運用にあたって発生する、さまざまな“確認”や“申請”の作業を手軽に
従業員数 : 7,434 名(平成 14 年 3 月 31 日現在)
本社 : 〒 135-6033
東京都江東区豊洲 3-3-3
実現する手段としてintra-martを活用することで、業務効率化の成果を上げたので事
例として紹介する。
豊洲センタービル
URL : http://www.nttdata.co.jp/
メールシステム運用に伴う
“確認”や“申請”
そこで、この“確認”や“申請”の作業を合
理化するためのシステム要件として、次のよ
うなことを考えた。
社員数が 1 万名を越える同社では、メール
サーバをビルや部門ごとに設置している。そ
の数は全国で100台以上にも上り、各社員のア
ドレスは、最も近い場所のサーバに登録され
ることになる。ここで、人事異動が発生する
と、それに伴いメールアドレスも同時に移動
させなければならない。通常では人事異動の
① Web 上で作業が行えること
② すでに利用しているデータベースを手軽に
取り扱えること
③ 柔軟性に富み、手軽に開発できること
まずは、このような要件を満たすツールの
情報をメールなどで受け取り、部門ごとに存
選定から作業は始まった。情報システム部で
在するメールサーバ管理者が手動で移動する
のであるが、同社のように1万名以上いる会社
はさまざまなWeb構築ツールを比較検討した。
最終的には、intra-mart を採用し構築すること
ではとても手に負えない。以前から、メール
にした。
大きく2つに分けられる。一つは人事情報シス
サーバ間のメールアドレスの移動に関するシ
ステムはできあがってはいたが、それに伴う
JavaScript の簡易さが
柔軟なシステムを実現
サーバの部門管理者の“確認”や“申請”の作
業はメールを利用する程度で、とても合理化
されたものとは言えず、人手のかかるもので
あった。
< 情報システム部 高橋様 >
テムからの異動情報をもとに各部門のメール
サーバ管理者が移動先のメールサーバを確認
し、かつ決定するという人事情報システムと
情報システム部が今回作成したメールユー
連動した機能。そしてもう一つは、異動を伴わ
ザ管理システムの概要を説明しよう。機能は
ないメールアドレス情報の更新機能である。
以下に、人事情報システムと連動したシス
テムの全容を紹介する。これには、既存のシス
人事情報システム
メールユーザ管理システム
①異動情報
Exchangeサーバ群
メールユーザ情報
テムも含まれている。
① 人事情報システムからの異動情報をメール
ユーザ管理システムのサーバが取得する。
④メールBOX作成
②ユーザ異動確認
(メール)
② メールユーザ管理システムは異動情報をも
とに、移動後の収容サーバ(各部門にある
メールサーバ)を決定するため、異動先の
部門管理者に対してメールを配信する。
③収容サーバ確認
③ メールを受け取った収容サーバの部門管理
者は、メールに記載されているURLをもと
にWebにアクセスし、収容するサーバを確
部門管理者
認後に決定する。
< メールユーザ管理システムの概要 >
12
イントラネットソリューション事例
intra-mart であれば、サーバ側さえ修正すれば
よいので、運用上のコストは大幅に低減でき
< ログイン画面 >
操作マニュアルも Help で対応
運用面のコストも低減
ることになる。
そして、開発する言語が JavaScript であった
運用面でのコストとしては、教育や操作マ
ことが、もっとも重要な選択のポイントで
ニュアルに対するコストも念頭に入れて考え
あったようであるが、現時点では、システム全
体をJavaScriptで開発できるツールはintra-mart
なければならない。
intra-mart のような Web ベースのシステムで
以外に選択の余地が少ない。JavaScript は、非
は、ブラウザの操作が基本となるので、あえて
常に簡易なマクロ言語で、取っつきやすいと
いう。現実に今回の開発にあたった担当者は
基本操作のオペレーション教育を行う必要が
ない。担当者がわからないのは、運用上の注意
JavaScriptで業務システムを構築した経験はな
など本質的な部分に絞り込まれるため、操作
かったそうである。それでも約2ヶ月程度の開
発期間で開発は終了している。
マニュアルもごく薄いもので済んでしまう。
今回のシステムでは、操作に関するすべてを
④ 情報システム部では、各部門で確定された
Help としてシステムに組み込んでいる。しか
情報をもとに、メールユーザ管理システム
がメールボックス作成処理を行う。
も、ブラウザを利用しているのであるから、簡
単なホームページを作成する感覚でオンライ
ンマニュアルができてしまうことになる。ま
⑤ 情報システム部が新たに作成したメール
た、マニュアルのメンテナンスもサーバ側で
修正すればよいのであるから、印刷やコピー
ボックスへの受信設定を行う。
今回開発した、メールユーザ管理システム
の手間もかからず、常に最新版のマニュアル
は②と③の部分である。
また、これ以外に、異動を伴わないメールア
ドレス情報の更新機能がある。これは、メール
を利用するにあたって発生する、さまざまな
を提供できることになる。
< メール利用申請画面 >
変更(申請)機能で、たとえば結婚して姓の変
更によりメールのIDを変更する場合などに対
応する機能である。
今回のシステムの場合、メインの業務シス
さらに、intra-mart にはシステムを構築する
上で必要なさまざまな関数が用意されている
点も選択したポイントだと言う。たとえば、
テムではなく、その周辺を取り巻く“確認”や
“申請”といった作業部分に intra-mart を適用し
データベースの取り扱い、画面遷移をどのよ
うに制御するか、画面制御に伴うアクセス権
ている。
このような情報系システムを開発する
の制御はどうするか、セッション管理はどう
にあたって、intra-mart の印象を聞いてみた。
まず、Web ベースのシステムを採用したの
するかといった問題に対して、intra-mart では
すべてがライブラリとして用意されている。
は、従来のクライアントサーバ型ではクライ
しかもこれらを使用して、全体を JavaScript で
アント側にソフトウェアが必要なため、メン
テナンスコストがかかりすぎる点があげられ
作成できるのであるから、少ない開発工数で
システムを構築できる。
る。その点で、Web ベースを前提にしている
実際に使用してみると、開発や改造時に実
現のめどが立てやすいというメリットもあっ
た。このため、開発とプログラミングを並行し
て行ったり、部分的に作成して実験してみる
ような、従来では考えられない開発体制がと
れるようである。
また、実際の運用にあたっては、多少のトラ
ブルや変更であれば、JavaScript なら運用者自
身が修正をすることもできた。このように柔
< オンラインマニュアルの画面例 >
intra-mart で
さまざまな“申請”業務を電子化
同情報システム部では、今後も同システム
の機能の追加を行っていく予定である。
そして、今回のシステムの適用を機に、社内
にあるさまざまな紙またはメールでの“申請”
軟なシステムが構築できるので、運用コスト、 業務のシステム化を図っていくことを検討し
改造コストなどを含めたトータルでのコスト
は大幅に低減できるようである。
ている。そのツールとして、intra-mart の適用
性についても検討中である。
< 人事連動確認画面 >
13
ユーザ事例《人事部門編》
富士重工業株式会社 群馬製作所
総務部 人事課 様
タイムリーな経営判断の情報を提供
intra-martで9,000名の勤怠情報を処理
ユーザ紹介
富士重工業株式会社
事業内容 : 小型自動車、軽自動車、鉄道車両、
産業車両、汎用エンジン・バス、
航空機等の製造販売
資本金 : 1,444 億 4,900 万円
従業員数 : 14,849 名
(平成 13 年 3 月 31 日現在)
〒 373-8555
群馬県太田市スバル町 1-1
URL : http://www.fhi.co.jp/
よりシビアな経営判断を迫られる企業経営者。
製造
現場には、このために必要な情報の収集時間を従来
の 3 日から 1 日に短縮することが命ぜられた。
富士重工業株式会社 群馬製作所の総務部人事課で
は、intra-mart を利用した Web システムで勤怠シ
ステムを開発。見事にこの問題を解決した。
富士重工業株式会社は「スバル 360」でな
ト、アルバイトなどさまざまな
じみある自動車メーカーであるが、実際の
事業は、自動車だけにとどまらずバス、電
雇用形態が存在する。これらす
べての従業員について、その勤
車の車両、特殊車両、航空機、さらには航空
宇宙にまでおよんでいる。その中で、群馬
製作所は、レガシー、インプレッサ、フォレ
怠情報をとりまとめ、チェック
をして本社の人事部門へ当月分
勤怠情報として送らなければな
スターの小型自動車、および軽自動車プレ
オ、サンバーなどの自動車製造事業所で、群
らない。従来、工場経理処理に
8 日かかっていた。この締め処
馬県太田市を中心に4カ所の工場からなる。 理を 5 日にするというのが経理
部門からの注文である。さら
9,000 名の勤怠情報を 1 日で整理
に、この 8 日の内、勤怠情報の
整理にかかっていたのが3日であり、群馬製
今回、勤怠システムを全面的に見直す
きっかけとなったのは、連結決算にともな
作所人事課としての課題は、これを1日に短
縮することである。
い、タイムリーでかつ正確な経営情報の提
供を求める経理部門からの依頼であった。
新しい勤怠システムとして問題になるの
は、この3 日の処理を1日で行うということ
新システムの構築にあたり、従来の OCR
読みとり装置の増設や、他の部門が利用し
群馬製作所の従業員数は、4工場合わせて
約 9,000 名である。しかも、この 9,000 名に
である。つまり、締め日の午前中にすべての
情報を収集し、午後人事課でチェックをし
ている ID カードによる方法、携帯端末の利
用、そして Web アプリケーションによる方
は、正規従業員のほかに、期間従業員、パー
て翌日には本社人事部門へ受け渡さなけれ
ばならない。
法などさまざまな方法を検討した。そして、
実現へのアプローチ
Web アプリケーションとの出会い
新しい勤怠シス
テムとして問題と
なるのは、情報を収
集する段階である。
現状では手書き
OCRに1ヶ月分の勤
怠情報を記載し、読
み込ませて処理を
行っていたが、新し
い勤怠システムと
しては、9,000 名の
データを素早く処
理することが要求
される。
14
< 総務部 人事課 内田 紀夫 様 >
イントラネットソリューション事例
すでにネットワークが構築されていること
もあって Webアプリケーションによる方法
が最有力となった。また、開発にあたって
は極力社内でシステム構築することを考え
ていた。しかし、COBOL の経験はあっても
Web アプリケーション作成の経験はまった
くなく、まずはツールを見つけだすことが
課題となった。
しかも、勤怠システムであるからには上
司の承認を得ることが必要であることから、
ワークフローに対応している必要があるた
め、該当するような Web アプリケーション
も開発ツールも見つけだすことは大変困難
を極めた。
そのような折りに見つけだしたのがintramart であった。
ツールの選択・開発
そして 9,000 名への教育
intra-mart は、同社が考える理想的な Web
アプリケーション開発ツールであった。も
に際しては、まだまだ問題があった。それ
は、9,000 名への教育である。人事課で行っ
れでもパスワードの発行数は 3,500 を越え
た。集計したデータはすべて人事課のサー
ともと、COBOLによる開発経験はあったも
のの、intra-martが採用しているJavaScriptも
たことは、一部の部門を利用してテストを
1ヶ月実施、つづく 2ヶ月を全部門でのテス
バに蓄えられ、月次の締め日には予定通り
その日のうちに当月分勤怠情報として人事
HTMLも初めての経験であった。しかし、実
際に開発を初めてみると、intra-mart の講習
トと教育に当てた。総務部人事課だけでは
とても手が足りないので、各部門にキーマ
部門に渡されることとなった。従来では、
9,000 名分の OCR を読ませて、8 インチフ
会に参加しただけで Webアプリケーション
の開発が可能であることがわかった。
ンを作り、各部門の教育を任せた。教育担当
者は増えたものの、全部門への教育には毎
ロッピーディスク 10 枚分の情報が、Web を
経由してただちに集計されるようになった
システムは、Web サーバは Windows NT
Server、RDB は UNIX 上で ORACLE を使用
日2回の説明会を3週間繰り返さなければな
らなかった。こうして、ようやく本格稼働へ
わけである。それ以外にも、毎月 9,000 枚に
ものぼるOCR用紙の保管や管理が不要にな
することに決定したが、UNIXは初めての経
験であった。しかし、開発は以外と順調に
と持ち込んだのであった。
るなど、大きな効果をもたらしている。
同様に、今後は出張や教育制度などにと
運び、開発期間はおおよそ 3ヶ月で終了。設
計の期間を除けばわずか 2ヶ月で完成した
Web システムがもたらす効用
もなう各種申請書(これらも OCR)も Web
化を図る計画だという。
ことになる。これは、COBOL での開発のお
およそ 3 倍の生産性であると言う。
ここまでの苦労とは対象に、システムは
順調に稼働し始めた。9,000 名の勤怠情報
自動車業界は、海外企業との提携が盛ん
に行われており、情報の Web 化はますます
新勤怠システムの Web アプリケーション
開発は以外と順調に進んだが、実際の稼働
は、各部門内の班や組織で集計し、その部門
の代表がまとめてパソコンに登録する。そ
重要な基盤となるであろう。
15
ユーザ事例《中堅企業編》
企業通信システムエンジニアリング株式会社 様
intra-martプロジェクトリソース管理で
プロジェクトの工程/原価管理と
注文/請求処理を含む基幹システムを構築
ユーザ紹介
企業通信システムエンジニアリング株式会社
設立
: 1988 年 4 月
代表者 : 代表取締役社長 大越 正榮 様
資本金 : 2 億円
従業員数 : 85 名(平成 14 年 7 月 1 日現在)
本社
: 〒140-0001 東京都品川区北品川
1-20-9 daVinci Shinagawaビル
事業内容 : 企業向け情報通信のコンサルティ
ング、システム設計構築、保守運営
URL
: http://www.bcse.co.jp/
ネットワークインフラの構築で急成長
プロジェクトの事務処理が困難に
企業通信システムエンジニアリング株式会社(以下 BCSE)では、売上が急速に拡大
するにつれて、業務に伴う事務処理も膨大なものになってきた。その効率化をはかり、
タイムリーな経営データを迅速に作成するために検討されたのは、
社員が社外に常駐す
る率が高いという事情もあり、
Webベースのプロジェクト管理ツールの導入であった。
intra-mart 導入にいたるまでの経緯、そして現在の稼働状況について、同社 LAN ソ
リューション部の渡辺さんにお話を伺った。エンジニア集団の苦手分野であるともい
える見積書の作成、承認、発行等の事務処理がいかに一元管理されたか、非常に興味
深い事例を紹介する。
営規模が急激に拡大するにつれ、さまざまな
問題点が浮上してくる。まず、第一に事業収支
としてのプロジェクトの売上・原価の集計作
企業内での IT 化が急速に進展するにつれ、 業も、市販の表計算ソフトでは限界がきてい
そのインフラの導入、構築に始まり運用、メイ
て、安全性、セキュリティーの面でも問題と
ンテナンスに至るまでを一貫して手がけてい
る同社も急成長をとげてきた。
なってきた。第二に、実際のプロジェクトの構
築や保守業務に稼動が集中するあまり、その
昭和 63 年設立当初は PBX の開発、構築、保
事務処理の進捗管理が手薄になりがちなこと
守運用を手がける会社として出発したが、現在 があった。
は企業向けネットワークのコンサルティング、
同社では企業の情報通信システムのエンジ
設計、構築、保守運用を業務の主体としている。 ニアリング、保守運用管理業務を行っている
当然の結果としてその急成長に伴い売上管
理、工程管理などの事務処理量も加速度的に
が、営業部門がなく、エンジニアが一人で受
注、契約事務処理、工程管理をすべてフォロー
<LAN ソリューション部 渡辺 久美子様 >
増大し、社内の業務処理全般にわたる効率化、 する「個人事業的プロジェクト」運営をしてい
手がまわらなくなってきた。
経営データ処理システム導入の必要にせまら
れた。
る。売上及びプロジェクト件数が各段に伸張
をとげるなか、個人ごとに抱えているプロ
日々の業務に忙殺されれば、各プロジェク
トの請求書発行や、支払い処理が滞るおそれ
設立当初は Excelで見積書、注文書等の契約
ジェクトの各種書類のステータス管理、パー
があるだけでなく、管理部門も支払い予測、原
の事務処理をおこない、売上管理、原価管理に
も Excel を使用して計算していた。しかし、経
トナー企業との取引状況の把握、収支管理と
いったきめ細かなデータ管理にまではとても
価管理はもとより、予算の締め、事業動向の予
測データの作成も滞りがちとなる。
導入前
社長
取締役
管理
部長
各担当
部長
プロジェクト
リーダ
スタッフ
16
導入後
経営判断する情報が入手しにくい
事業動向を予測する情報が入手しにくい
社員の動向を把握しにくい
業務区分・重点施策別売上状況が瞬時にわかる
引き合いの状況を把握できる
プロジェクト・社員の状況が把握できる
BS、PLの作成に時間がかかる
売掛、買掛の作成に時間がかかる
原価管理ができない
予算の締日に確定した金額でBS、PLを作成できる
プロジェクトごとに売掛、買掛を把握できる
プロジェクトごとに原価が管理できる
各プロジェクトの進捗が把握できない
請求・支払等の事務処理が滞る
案件の数が増し、事務処理が煩雑
予定・実績・予測など事業計画を管理できる
各プロジェクトの進捗がリアルタイムに把握できる
見積り等の事務処理の効率がUP
案件ごとの事務処理状況を把握できない
見積り等の事務処理が輻輳し困惑
請求処理が滞る
プロジェクトごとに事務処理状況を把握できる
プロジェクトごとに計画・進捗・予算を管理できる
見積り等の事務処理は自分でコントロール
勤務表の集計処理に時間がかかる
旅費精算の集計処理に時間がかかる
上司やリーダのスケジュールが不明
勤務表をリモートで処理できる
旅費精算をリモートで処理できる
上司やリーダのスケジュールを把握できる
イントラネットソリューション事例
柔軟なプロジェクト管理システム
の必要性
お客様
提案依頼
業務処理全般を一人ひとりがフォローでき、
企業通信システム
(intra-mart)
プロジェクト登録
PJ費用計画作成
全社的な業務フローの流れをカバーした上で、
見積作成
経営的視点にたったレポートが作成できるプ
ロジェクト管理システム構築の必要性に迫ら
ワーク
フロー
印
見積書
印
れた同社は、導入にあたり、平成11年にいたっ
てさまざまなシステムを比較した。完全な
オーダーメイドのシステム構築や他のパッ
ケージ製品も検討されたが、最終的にはカス
タマイズが容易で、安価、かつ契約の事務処理
などの実際の業務との整合性に優れた intramart が選択された。イントラネット上の Web
< プロジェクトごとのステータスも色を分けて管理 >
処理の停滞が解消されている。さらに、intra-
印
印
発注
ステータス変更
承書
承書作成
契約書
契約書作成
mart のワークフローを巧みに利用しており、
課長→担当部長→管理部そして内容に応じて
注文書作成
アプリケーションを自力でゼロから開発する 取締役や社長の決裁を自動的に受けるように
のは、コスト的にも期間的にも負荷が大きい。 システム化されている。同社の業務システム
効率的に Web アプリケーションが開発でき、 では、お客様への見積や契約書の作成と同時
またカスタマイズ性に優れたツールを選択す に、実際の業務を遂行するアライアンスベン
ることがイントラネットを推進する企業にお ダーに対しても注文書や承書を受け取るなど
PJ費用計画確認
ワーク
フロー
印
印
注文書
印
印
ける最初の課題であった。また同社では、7 割
といったイベントごとに登録されることとな
承書登録
から 8 割の社員が社外に常駐している事情も
あり、Web ベースで稼働するシステムでなけ
る(右図参照)。これにより、プロジェクト単
契約書作成
れば全社的な集計データの作成は不可能で
あった。
アライアンス
ベンダー
承書
契約書
位での個別原価が明確になるとともに、
債権債
務を同時に管理することが可能となっている。
工 事
勤怠管理
完了報告書
検収書
完了報告(納品書)
検収書の登録
請求書作成
ワーク
フロー
印
請求書
< プロジェクトごとの進捗をガントチャートで見る >
< 部門別収益など集計機能も充実している >
印
支払
顧客とベンダとの取引を
ステータスごとに intra-mart に登録
事務処理作業の軽減から
計数管理による経営へ
同社が今回構築した業務システムは、intra-
平成11年秋からintra-martによる開発を開始
mart アプリケーション「プロジェクトリソー
し、12 年 4 月には一部の部門で稼動を開始し
た。もちろん従来からの Excel+手作業による
ス管理システム」をベースに、同社の業務の実
情に合わせてカスタマイズしている。同 Web
アプリケーションをベースにしたのは、先に
述べたように同社の営業の主体がネットワー
ク構築というプロジェクトを中心に展開して
いるからである。
システムは、お客様からの引き合いに応じ
てプロジェクトリーダがプロジェクトを登録
することから始まる。見積書の作成などの業
務フロー上のステータスをすべて intra-mart の
画面上で管理するため、プロジェクトの事務
印
印
振込確認
納品書登録
納品書
検収書作成
検収書
請求書受領の登録
請求書
支払処理
システムとの並行作業である。会計が関連す
今後は、受注した案件の基本データや請求
るため、平成 13 年にからは、徐々に利用する
部門を増やし、13年中に全社での利用となる。 データの会計システムとの連携、ISOに準拠し
慎重に行っていたシステムの信頼性チェック たプロジェクトの品質計画の作成、発生した
も無事に終了し、並行して行っていた手作業 トラブルの管理、ISOに準拠したドキュメント
を取りやめることとなった。売上レポート、部
管理、旅費精算、各種分析データの出力など多
くが検討されている。
このように、intra-mart は、同社の基幹シス
の目論見どおりに集計されており、経営に関
わる資料として効果を発揮しつつある。また、 テムという、なくてはならない領域において
勤怠管理に関してもintra-martを利用している。 も、十分に浸透し、有効に活用されている。
門別収支、業者別取引額レポートなども当初
17
ユーザ事例《Web技術への移行編》
財団法人関東電気保安協会 様
ホストコンピュータのCOBOL系技術から
Web系技術への移行にintra-martを採用
財団法人関東電気保安協会は、約3,700名の職員を抱える大きな組織である。主たる
ユーザ紹介
財団法人関東電気保安協会
(平成 13 年 4 月時点)
財団法人設立許可 : 昭和 41 年 2 月
基本財産: 3,800,000 千円
事業所数: 63 カ所
職員数 : 3,686 名
本部 : 〒 171-8503 東京都豊島区
池袋 3-1-2 光文社ビル
事業内容: 電気設備の安全調査、保安業務、
広報業務
URL : http://www.kdh.or.jp
COBOL 系から Web 系への移行
業務である調査業務、保安業務、広報業務においては、ホストコンピュータを使用し
たシステムから、クライアントサーバシステムへと発展してきている。そして、今回、
Web 系システムへの移行を模索している。
多くの大企業と同様、従来からのホストコンピュータの COBOL 系技術から Web 系
技術にどのように移行させるか、そしてどのような観点からツールとしてintra-mart
を選択したかについて、情報システム本部・情報システム部の森田部長、佐藤主任そ
して武井様にうかがった。
調査業務は、東京電力(株)の委託を受けて
一般家庭や商店など低圧の電気設備の安全診
財団法人関東電気保安協会は、経済産業大
臣の指定法人として、関東地区に 63 拠点を構
断を年間 700万軒ほど行っている。また、保安
業務は、6000 ボルトの高圧電気で受電してい
え、電気安全のプロとして調査業務、保安業務
るビルや工場などの自家用電気設備の電気主
および広報業務を行っている。
任技術者が行う電気設備の工事や維持・運用
の電気保安業務を行っており、約 10 万軒のお
客様情報データベースを構築して電気安全を
確保している。このほか、広報業務として、電
気の安全知識の普及や電気災害を防止するた
めの講習会の開催など、積極的な広報活動を
行っている。
同協会では、これまでホストコンピュータ
および専用端末を用いたオンラインシステム
< 情報システム部 佐藤 主任 >
を稼動しており、平成8年から端末機のパソコ
ンへの切り替え、拠点へのサーバ導入により、
従来のCOBOLによるオンラインシステムとC
< 情報システム部長 森田 様 >
言語や VisualBasic によるクライアント・サー
バシステムの混在環境となっている。
intra-mart との出会い
そのような中で、森田部長は、次の時代を想
定したシステムの模索を佐藤主任に命じてい
た。好奇心が旺盛で、研究熱心な佐藤主任は、
さまざまな OS、構築ツールを入手して、実験
を行うとともに、雑誌に目を通し、展示会に足
繁く通い、本当に使えるツール探しを行った。
今後のシステムの基本は Web 系と考え、ま
< 情報システム部 武井 様 >
ずは社内の電子図書館(文書管理システム)を
作成することを目標とした。
きても、協会内の技術者は全員COBOLのエン
OS には、かねてより狙っていた Linux を入
ジニアであり、Java を協会内に普及させるに
手し、さっそく自ら独学で習得。Javaを用いて
システムを構築することを考える。しかし、は
は、あまりにも時間がかかりすぎることがわ
かり、協会内部で作成する標準言語としては
じめてみると、さまざまな問題にぶつかった。 採用を見送ることにする。次に、検討したのは
<(財)関東電気保安協会 ホームページ >
18
Java で電子図書館のシステムは組むことはで
PHP と PostgreSQL などフリーソフトウェア。
イントラネットソリューション事例
できるだけライセンスフィーのかからない
システムを、ということで検討してみたもの
の、PHP では同協会が求めるシステムには自
由度が低すぎる、また、PHP や PostgreSQL の
ようなフリーライセンスの製品では、すべて
を自分たちで解決しなければならず、業務と
して利用するには少しリスクがありすぎると
判断して断念した。そのような中で、Web系の
イベントを数多く覗いて歩いているうちに出
会ったのが intra-martであった。JavaScriptで作
成するのであれば、比較的容易にシステムを
構築できると直感したという。
総務系アプリケーション作成で、
Web システムを模索する
予想どおりJavaScriptで開発できるintra-mart
では、画面まわりの作成は現場からの要求に
応えて容易に変更することができた。協会内
のCOBOLエンジニアにとっても、プログラム
のロジックの設計は問題ないのでコマンドを
置き換えて行くだけで、比較的短時間で導入
< 研修履歴システム−個人研修履歴検索画面 >
可能であるという目途もたった。Java での試
作段階で問題となっていたセッション管理に
導入と同時に森田部長と佐藤主任は、
当時ま
だ実務経験のない新人であった武井様を intra-
事サーバと連携させるシステムである。これ
らは、同協会の「職員サービスシステム」とし
関るプログラム部分も、intra-martであれば、そ
martの講習会に参加させた。思惑通り、武井様
てまとめられた人事系の業務アプリケーショ
れほど困難でないことも判明した。
は 2、3ヶ月もするとデータベースと連携した
アプリケーションを組むことができるレベル
ンで、イントラネットシステムを応用した情
報インフラとしての最初の一歩である。
にまで成長した。
これで、佐藤主任に続いて二人目の Web 系
のエンジニアが、同協会内に誕生したことに
なる。
Web 系エンジニアの育成
さらに、現在計画中のものとして、Web系の
その後、開発したアプリケーションは、
「電
子図書館」と「研修履歴システム」、
「公的資格
利点であるマルチメディアとの融合を図った
システムとして、保安業務担当者向けの地図
管理システム」の 3 種類である。研修履歴シス
情報表示システムがある。これもあくまで情
テムは、職員ごとに約350ある研修メニューの
受講履歴を管理するものであり、公的資格シ
報系のシステムではあるが、同協会の業務の
根幹に関るシステムとなっている。
ステムとは、職員の取得した資格を収集し、人
当面は、Web 系ではない従来型開発手法で
は、なかなか採算のとれない「多品種少量のシ
ステム」の開発を中心に展開していく予定で
あるが、今後は、これらシステムの実績評価を
行いながら、メイン業務システムへと移行さ
せるべく、検証中である。
新バージョンの intra-mart ベースモジュール
では、J2EE による開発も可能となっているこ
とから、いずれは Java の部分への応用も検討
してみたいとのことであった。
いずれにしても、同協会の中では、まだ 2 名
しかintra-mart経験者がいないため、COBOL系
のエンジニアとプロジェクトを作り、徐々に
intra-mart を用いた Web 系の技術者の育成を
行っていくとのことである。
19
ユーザ事例《営業部門編》
ナトコ株式会社 様
intra-martで営業情報を共有
情報の「流通」と「共有」で社内活性化
ユーザ紹介
ナトコ株式会社
事業内容 : 塗料・化成品の製造
代表取締役社長 : 粕谷 忠晴 様
資本金 : 16 億 2,634 万円
従業員数 : 242 名
住所 : 愛知県西加茂郡三好町大字打越
愛知県に本社をおく塗料・化成品メーカー ナトコ株式会社では、つい最近まで一部の
技術や研究部門を除いて、ほとんどパソコンを利用していなかった。特に営業や管理
部門においては、いままで一度も使ったことがないパソコン未経験者も少なくなかっ
た。しかし、主に営業部門における情報共有化の必要性を感じ、一挙にイントラネッ
トの導入を図り、大きな効果をあげている。この決断をした経営部門に、導入の経緯
および効果について伺った。
URL : http://www.natoco.co.jp/
周到な計画のもとに
イントラネット導入を図る
営業部門からパッケージに合わせて業務を
変えることに強い異論が出て断念したこと
もあった。
ナトコ株式会社が「イントラネット・ス
タートパック」を導入したのは 1999 年の 6
月のことである。同社では、3 年以上の歳月
同社の営業部門は、塗料の用途別に大き
く 3 つのグループに分かれている。そして、
4 つの支店と販売子会社が 1 社ある。同じグ
をかけて周到にイントラネットの導入を検
討してきている。役員を含めた社内パソコ
ループであっても支店が異なると情報の交
換はなかなかできず、風通しの悪い状態が
ン研修会の開催やイントラネット導入のた
めのプロジェクトを組織して、全社員のイ
続いていた。通常であれば、ワープロなど
OA 化からパソコンの全社的導入を図るが、
ントラネット導入の気運を盛り上げるとこ
ろからスタートしている。数年前にはいろ
同社ではむしろ情報の「流通」と「共有」に
こそパソコンの魅力を感じ、イントラネッ
いろ検討して、あるパッケージソフトを導 トの導入を検討していたのであった。
入することに決定しかけたこともあったが、
< 経営管理部情報システムグループ山本主幹 >
豊富な機能とカスタマイズ性が
導入の決め手
このような経緯のもとでイントラネット
のパッケージを探していた時に、
「イントラ
ネット・スタートパック」の存在を知るこ
ととなった。同社経営管理部情報システム
グループの山本主幹は、
「イントラネット・
スタートパックには、掲示板、勤怠管理、旅
費精算、施設予約管理、FAQ システム、備
品発注管理、ドキュメント管理、スケジュー
ル管理、住所録などイントラネットですぐ
に利用したくなるアプリケーションがすべ
てパッケージになっていて、しかも当初計
画していたパッケージなどより割安でした」
という。
そして、
「イントラネット・スタートパッ
ク」を導入する最終的な決め手としては、カ
スタマイズが簡単にできることだという。
以前、検討していたアプリケーションが、業
務の流れを変更しなければならなかったた
めに導入をあきらめた経緯があったため、
20
CRM ソリューション事例
報の共有化とペー
パーレス化を推進
メント管理の機能が効果をあげている。
MS-ExcelやMS-Wordなどで作成したさまざ
すべきであるとの
提案を受け、まず
まな文書はドキュメント管理システムに共
有ドキュメントとして作成者が登録する。
は営業部門の情報
共有化からスター
従来であれば必要部数コピーを作成して配
布するという手間やコストがかかっていた
トすることにした。 が、ドキュメント管理システムを利用する
「 イ ン ト ラ ネ ッ と、こうした手間やコストの削減になるだ
ト・スタートパッ
ク」の掲示板を利
けでなく、情報の共有化という面での効果
も期待できる。
用すれば、導入し
た日から社内情報
や技術情報などを
全社員で共有する
ことができる。全
社員が情報を掲載
同社ではカスタマイズの容易さを重要視し
ていた。実際に、山本主幹に協力しプログ
することができるほか、他人の掲載した情
報にコメント(返信)を付けることもでき
ラミングなどを引き受けている技術管理部
SDグループの水野主事は次のように述べて
る。また、特定の人に掲示板の情報をプッ
シュ配信することも可能である。この機能
いる。
「自分は JavaScript を扱った経験がなかっ
を情報の共有に利用する一方、同社独自の
システムとして前述の営業訪問記録など日
たので、最初はとまどいました。しかし、講
習会に二回でたら、もうプログラムが組め
報の情報共有システムを構築した。
この営業訪問記録システムを導入すると、
るようになったので驚きましたね。初めて
テスト的に組んだアプリケーションは 1ヶ
だれがどこへ行っていたかがすぐにわかる
ようになった。会社として営業マンの行動
営業情報の共有化に満足
さらなる情報化を目指して
イントラネットシステム導入による情報
月かかりましたが、その次の営業訪問記録
用ソフト開発は実質一週間くらいでできま
の共有化は、同社のようにさまざまな部門
や支店、販社間でのリアルタイムな情報交
した。山本主幹には、それまで『期限には間
に合いそうもない』と言っていただけに、そ
換をもたらすと同時に、会議費などのコス
ト削減にもつながると期待されている。
の生産性の高さには驚きました。
」
また、同社では社内メールのシステムも
これと並行して実現し、さらにはインター
まずは営業情報の共有からスタート
ネットメールによる社外メールの環境へも
発展させてゆく考えである。そして近い将
山本主幹は、イントラネット導入以前か
ら社内で講習会を開くなど、各部門での理
来には全社的な統合データベースを構築し、
情報をより早く、そしてより正確に捉える
想的な利用についてに討論を重ねてきた。
その結果、各部門からイントラネットで情
ことで経営のスピードアップも図っていき
たいとしている。
を把握できるようになっただけでなく、各
営業マンが自分の行動履歴を分析し、次の
「こういうものは効果が出てくるまでにあ
る程度の時間がかかります。しかし、イン
営業活動を計画的に行えるようになったと
現場からも好評を得ているという。また、従
トラネットの導入過程で、情報化の必要性
に対する社内の認識が一段と高まり、意識
来であれば個々の営業マンだけの情報で
あった客先で得た情報を、他の営業マンも
改革にもつながっています。今後は、社外
への情報発信を含めて、さらに情報化を推
直ちに知ることができ、情報共有は山本主 進して行くつもりです。」と、山本主幹は、
幹の思惑通りの効果をもたらしている。
「イントラネット・スタートパック」導入に
また、ペーパレス化という観点では、
「イ
ントラネット・スタートパック」のドキュ
端を発した同社の情報化をさらに推進すべ
く、力強く語った。
21
ユーザ事例《WebEDI編》
リコーエレメックス株式会社 恵那事業所 様
intra-martでWebEDIシステムを構築
ペーパーレス化と資材業務の効率化を目指す
リコーエレメックス株式会社は、リコー三愛グループの中核をなす企業で、腕時計を
はじめコピー機、電子黒板リコピーボードなどの情報機器、切粉圧縮などの精密産業
ユーザ紹介
リコーエレメックス株式会社
設立:1938 年 4 月
代表取締役社長:中村 高 様
資本金:34 億 5,000 万円
従業員数:1,427名(平成14年3月31日現在)
本社:〒 460-0003
名古屋市中区錦 2-2-13
事業内容:情報機器、精密機器、計量器、時計、
健康・環境機器の開発、製造
URL:http://www.ricoh.co.jp/rex/
用機器、空気清浄機・頭髪洗浄機器など、健康と環境に貢献するさまざまなリコーブ
ランド製品の開発製造を行っている。恵那事業所は、環境管理においてはISO14001
の認証を取得、品質管理においてはISO9001の認証を取得している同社の主力事業
所である。この事業所で製造する製品は多岐に渡り、その部品は、協力会社など約270
社から供給を受けているが、このたびWebEDIシステムをinra-martで構築、ペーパー
レス化と資材業務の効率化に成功している。新しいシステムの狙いと、開発の過程に
ついて情報システムセンター恵那システムセンター長の井口一成様にうかがった。
品として加工、組み立てられている。
システムの目的を明確に定め、
綿密な事前調査を行う
従来から RINKS21 という生産管理システム
恵那事業所で製造されている製品は数多く
が稼動しており、生産計画に従って製造され
る製品は部品展開され、これらの部品など資
あり、しかも、ひとつの製品は数百点にも及ぶ
材を供給する約270社の関連会社、協力会社に
部品から構成されている。なかには、同事業所
内で素材から加工して製造される製品もある
発注される。この発注の際には、リコーエレ
メックス社サイドで、注文書、納品書、そして
が、多くの製品は関連会社、協力会社で委託製
製品受け入れ時に利用される現品票などの書類
造された部品の供給を受けて、同事業所で製
を印刷し、宅配便、郵便などで配送していた。
■ 従来の資材管理の概要
恵那システムセンター長 井口様
生産管理
システム
資材と伝票
生産計画に従って印刷される書類は月に 6 万
枚にも及び、それ以外の不定期発注分におい
SAP会計
ては、電話や FAX での注文となり、納品書や
支払通知書
現品票などは協力会社で手書きとなっていた。
今回、恵那システムセンター長である井口
不在
トークバック
内線
外線モニタ
F
4
7
代理応答
再送
受話音量
短縮
モニタ音量
8
0
1
トークバック
音声
5
9
転送/会議
2
フック
3
6
一斉呼出
モニタ
保留
様が合理化を行っているのは、この発注処理
発注書・納品書・現品伝票
(月6万枚)
の工程である。つまり、発注処理を電子化する
EDIシステムの導入である。開発するにあたっ
リコーエレメックス社
協力会社
て、井口様は多くの調査を実行した。実際に作
成するツール、関連会社、協力会社の現状や人
材の問題など、実際にインタビューを実践し
■ WebEDIによる資材管理の概要
て歩かれたそうである。そして、これから開発
するシステムの目標を「自社・協力会社ともに
改善・改革できるシステムであること」と定
資材と伝票
生産管理
システム
め、さらに次の 5 つの目標を定めた。
SAP会計
1 既存生産管理システムの専用帳票を出力で
きること
WebEDI(intra-mart)
2 すべての協力会社が利用できること
ブラウザ
IP-VPN
etc
サーバ
注文
サーバ
Web
サーバ
リコーエレメックス社
22
公衆回線
3 協力会社のコスト負担が少ないこと
4 システムの変更時に協力会社での再インス
トールが必要ないこと
internet
協力会社
5 多少のシステム開発は自社でできること
BtoB ソリューション事例
これらの目標を基に、いくつかの方法論が
検討されたが、協力会社側の導入経費が多す
システムの「つくりこみ」に
時間をかけ、当初の目的を達成
ぎたり、取引量によっては FAX で対応せざる
を得ない協力会社がでてくるなど、なかなか
すでに明確な目的が定まり、緻密な設計が
目標をクリアできるシステムは見当たらな
行われていたため、いったんツールが決定す
かった。
ると開発は驚くほど早く進行した。イントラ
マート特約店である、東海 NTT データ通信シ
この他にも、定期発注以外の臨時もしくは
緊急を要する発注に対しても、情報はリアル
タイムに伝達されるとともに、従来では手書
き伝票の発生など自動化を妨げていた要因の
多くが排除されることになった。
ステムズに発注してから約4ヵ月後にはシステ
ムは動き出した。しかし、井口様はいったん作
り上げたものに対し、強力なリーダーシップ
を発揮して、操作性、スピードなどすべてが満
足いくまで「つくりこみ」を開始した。特に、
協力会社が操作する画面では、コンピュータ
に不慣れな方がいることを想定し、データの
取り込み、操作性に関し徹底的に改善を加え
た。その結果、本格稼動している現在でも、協
< WebEDI のトップページ>
目的を達成するツールとして
intra-mart を選択
力会社サイドでの操作上の問題や不満はまっ
たくないという。
今回のWebEDIシステムでは、上位の生産管
理システムから定期発注分のデータを取り込
み、各協力会社に配布する。協力会社では、定
期的にWebブラウザ上で注文状況を確認する。
このような調査のなかで出会ったのがintramart であった。井口様は、東京に出張し、自ら
そして、製品の出荷に伴い、intra-mart の「IMPDFデザイナー」で、専用帳票の形式で現場で
体験コースを受けるなど調査を行い、目的を
プリントアウトを行い、現品に添付して同事
達成できるツールはこれしかないと確信した 業所へ送る。初期稼動時の、発注数の多い上位
という。Web ベースで EDI を実現することで、 の 15 社しか対応していない段階でも、毎月 6
協力会社は所有のパソコンをそのまま利用で
万枚印刷していた伝票から2.4万枚のペーパー
きるため、設備投資は最小限に抑えられ、シス
テムの拡充を行っても、サーバ側だけのソフ
レス化に成功している。これらを郵送するコ
スト、協力会社で伝票を整理し、出荷時まで保
トウェアの変更で済み、クライアント側であ
管しておく手間などを考えると、膨大なコス
る協力会社のパソコンには、再インストール
などをする必要がない。しかも、intra-mart で
トの削減が行われたことになる。
同時に同事業所での資材の受け入れ検査等
は HTML と JavaScript で開発が行えるため、比
においても、協力会社で印刷したバーコード
較的容易に開発が行え、多少の手直しレベル
であれば、社内でも即座に対応することが可
を自動で読み取るなど、大幅な効率アップを
達成している。発注情報を発送する段階から
能である。システム開発が容易であるという
商品を受け入れ、支払いの通知を郵送する段
ことは、短期間で開発が行え、現状に合わせた
変更なども簡単に行える。そして、これらはす
階までの資材業務で、1つの発注に対して 3.5
日かかっていたが、今回のWebEDI導入の成果
べて開発コストや運用コストの低減に結びつ
として、これらの工程を 0.5 日に短縮したこと
いてくる。
になる。
当初の目的のひとつであった、協力会社側
<出荷実績登録画面 − 協力会社(仕入先)の画面>
全社へ普及。そして、より利用して
もらえるシステムへ
本格稼動以前から、協力会社向けの操作マ
ニュアルを作成し、数社ずつ集まってもらっ
ては実際にパソコンに触れて、業務を体験す
る講習会を開催している。東海地区だけでな
く、関東圏にも協力会社が多いため、東京にお
いても講習会を開催するなど、システムの普
及に対しても細心の注意を払ってきた。その
結果、約半年経過した時点で、270 社の主要取
引先の内 50 数社が WebEDI に対応し、伝票の
60% が自動処理されることになった。平成 14
年 1 月末には、80 社以上が WebEDI に対応し、
90% 以上の伝票が自動化されるという。
このシステムは当初より、リコーエレメッ
クス社の他の事業所でも利用できるように考
慮されており、全社的な普及が課題となる。さ
らに、協力会社から実際に運用した上での要
望を聞き、より活用してもらうための発注情
報の充実に力を入れていくという。
の改善という点でも、受注から商品納入、そし
て支払い通知との照合までの 1 つの注文に対
して 5.5 日を要していた作業が 4.5 日へと削減
されている。その他、発注情報が CSV データ
として配布されるため、これらのデータを
Excel 等に落しこむなど、協力会社側の販売管
理データとして二重入力の手間をかけずに有
効に利用することができるというメリットも
生まれているという。これらの付加価値も、井
<帳票印刷画面 − 協力会社(仕入先)の画面>
口様の当初の計画通りである。
<進捗状況画面 − 資材部門の画面>
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ユーザ事例《営業部門編》
横河レンタ・リース株式会社
総合企画室 ネットビジネス開発部 様
測定器・パソコンレンタル市場での新たな取り組み
intra-martでイントラネット・ECサイト構築・
基幹系との連動を図る
ユーザ紹介
横河レンタ・リース株式会社
代表取締役社長 : 猪又 仁 様
事業内容 : 電子計測器、マイクロプロセッサ
開発支援装置、コンピュータ、FA
機器 等のレンタルおよびリース
資本金 : 5 億 2,800 万円
従業員数 : 約 580 名(平成 14 年 4 月現在)
住 所 : 〒 180-0006
東京都武蔵野市中町 1-19-18
武蔵野センタービル 3F
URL : http://www.yrl.com/
技術的バックグラウンドが
必要なレンタル事業
「Rental Online(http://www.online.yrl.com)
」は、横河レンタ・リース株式会社
がオープンしたパソコンレンタルのECサイトである。横河電機の系列である同社は、
技術力を背景に計測器・パソコンの企業向けレンタルを行っている。特に計測器のレ
ンタルでは国内のTOPクラスのシェアを誇り、メーカーに依存しないパソコンのレン
タルという新たな分野への進出にも意欲的だ。
ECサイトを通じてのパソコンレンタル
開始も同社の意欲的な取り組みのあらわれであろう。
レンタルの需要は高まる一方である。
レンタルは通常のリースとはあきらかに
異なる要素を持っている。リースは、商品の
IT ビジネスに代表されるように、昨今の
技術革新にはめざましいものがある。携帯
電話などの通信分野においても、どの方式
ファイナンシャルが目的となるが、レンタ
ルではその製品を使用するための機能を提
供することが目的である。代替え機器の提
がメジャーになるかはメーカーでさえ読み
切れない状況であり、そのための開発ツー
供やレンタルから戻ってきた機器に関して
は適切な校正、整備が必要となってくる。つ
ルや計測器は必要なときに必要なだけ「レ まり、機器に精通した技術力がバックボー
ンタル」するというのが最近の傾向である。 ンになくてはならないということである。
パソコンの市場においては、そのスピー
ドはさらに速く、機種の寿命も数ヶ月とい
同社は、メーカーである横河電機と多く
のエンジニアの交流を持ち、相模原にある
うこともある。企業内においてはさまざま
なプロジェクトが立ち上がり、パソコンな
テクニカルセンタはまさに計測器・パソコ
ンの生産工場である。同社では物流部門を
< ネットビジネス開発部 山田部長 >
しでは仕事ができないのが現状であるが、 持ち、レンタルが終了した製品を同センタ
企業としてはあまり資産を増やしたくない へ運び込む。整備、校正、品質管理そしてサ
変なことである。そこで、全製品情報の提
供とメンテナンス性向上を目指して、すべ
のも実状であろう。まして、最近では廃棄 ポートなどの部門を持ち、レンタル待ちの
することにも費用が発生するのであるから、 製品には商品倉庫が用意されている。レン
ての商品のデータベース化を計画している。
その手始めとして、レンタル用パソコンの
タルを行うには、このような技術力が背景
に必要となるのである。
データベースを構築しイントラネットシス
テムで社内向けに情報提供を開始した。
同社には以前から受注を管理する基幹系
イントラネットから EC サイトへ
同社は社名に横河の名前が付いてはいる
ものの、取り扱い商品は横河電機製にとど
まらず、お客様が必要なものであればどの
ような商品でも提供している。その取り扱
い商品数は、計測器、パソコン合わせて 10
万点にもおよぶ。ユーザへのアナウンスと
営業用の資料も兼ねて、「レンタルガイド」
という冊子を、計測器では年1回、パソコン
では年2回発行している。お客様からの問い
合わせは、この冊子をもとに行うのである
が、これだけの数の商品を管理するのは大
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BtoB ソリューション事例
Web アプリケーション開発ツールの選定
intra-mart での EC サイトへの取り組み
システムが存在している。このため、イン
トラネットシステム構築にあたっては、基
幹系システムの商品マスタと連動すること
が求められた。
同社では、このようにイントラネットと
EC サイトを両立させることを前提に Web
アプリケーション開発ツールの選定を行っ
た。しかも、今回のシステムでは、既存の基
幹系システムとの連動も図らなければなら
ない。いくつかの同様のツールを検討した
結果、intra-mart であればこれら 3 つの問題
をこなせることがわかり、採用することに
決定したという。
intra-mart はイントラネット用開発ツール
と見られているため、ECサイトという観点
同時に、イントラネットシステムをさら
から見ると疑問視する傾向もあった。しか
し、このシステムの例に見るように市場の
することができた。実質の開発期間は3ヶ月
に発展させ、パソコン商品に関する情報を
そのままインターネット上で公開し、Web
要求は素早く、もはやイントラネット/イ
ンターネットなどという垣根を完全にぬぐ
で、intra-mart の生産性の高さが評価されて
いた。
上でレンタルの申込みを受け付けてしまう
ことを考えた。これが、冒頭で紹介した会
い去っているのが現状のようだ。
そして、intra-martは見事にこの要求に応えたようであ
このシステムの企画者である山田部長お
よび実際の開発を行った担当者も EC サイ
員制 EC サイト「Rental Online」である。EC
サイトで受け付けたレンタルの申込み情報
る。「intra-mart にはイントラネット向けに
は、さまざまなモジュールが用意されてい
トの構築に関してははじめてであった。そ
のため、Web ならではの問題に数多くぶつ
は、ただちに基幹系システムに送られるよ
うになっている。ここまでは、通常の EC サ
ます。特に、カレンダ機能はレンタルならで
はの期間の設定に威力を発揮しました。で
かり、その都度、Web上での研究を行い日々
改訂に当たっているという。
イトと同様であるが、レンタルの場合は、も
うひとつ問題がある。商品の在庫の問題で
も、もう少し EC サイト向けの機能が欲し
かった。
」と、開発を担当したネットビジネ
ある。物販と異なり、レンタルでは希望す
る商品が、ユーザがレンタルを希望する期
ス開発部 山田部長はintra-martをこのように
評価する。このようなユーザの声に応えて、
間に空いているかどうかどうかが大きな問
題となる。これは、どちらかといえば予約シ
intra-mart Ver2.0 では大幅な EC サイト向け
の機能強化が図られている。
今回のECサイトで取り扱っているのは同
社のレンタル商品のうちパソコンだけであ
ステムの考え方に近い。また、料金の計算も
期間によって算出されなければならない。
計画段階からほぼ6ヶ月でイントラネット
システムおよびECサイトのサービスを開始
る。それも、新規ユーザへの門戸を広げる
ことが当面の目的である。従来からの大口
ECサイト
Rental Online
ユーザに対しては、当面はフェイス to フェ
イスの営業が主体となる。そのため、担当
イントラネット
商品情報
Internet
する営業を支えると同時にお客様への迅速
で確実な情報提供のために、計測器を含む
intra-mart
intra-mart
(Solaris & ORACLE)
(WindowsNT & ORACLE)
在庫データ
仕組みは完成
今後の展開を模索する
すべての取り扱い商品のデータベースを構
築している。
変革の激しい市場であるからこそ、企業
にはさらに早い変革が求められており、今
商品マスタ
営業
マーケティング
受注データ
在庫引当
基幹系システム
回の山田部長の構想は、そのために仕組み
作りの一環であろう。とりあえず、今回商
品データベースや EC サイトなど仕組みが
完成した。仕組みさえできてしまえば、ど
のような商品をどのような市場に向けるか
は無限の可能性が開けてくる。
受注データ・在庫データ
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ユーザ事例《ポータルサイト編》
株式会社NTT-X 様
intra-martのエンジンを「goo」が採用
安定性と高レスポンスでポータルサービスを実現
ユーザ紹介
株式会社エヌ・ティ・ティ エックス
資本金 :115 億円
代表取締役社長 :中嶋 孝夫 様
設立 :1999 年 4 月
事業内容 :ポータルサイト「goo」
、e- ラーニン
グ「E-cube」等メディアの開発と運
営および EDI、SCM、等企業 IT 化
ソリューションの提供
住所 :〒 100-0004
東京都千代田区大手町 1-6-1
大手町ビルヂング 3F
URL :http://www.nttx.co.jp/
株式会社 NTT-X。1999 年 4 月にできた若い
株式会社NTT-Xというよりポータルサイト「goo」といった方が一般にはなじみがあ
る。
「goo」の検索機能は、日本語検索力において、常に TOP をキープしており、検
索以外にも、充実したディレクトリサービスや「ぴったりgoo」といった付加価値サー
ビスにも力を入れている。付加価値サービスには、レスポンスの良さと安定性が求め
られるが、
「goo」ではアプリケーション・サーバとして intra-mart のエンジンが採
用されている。今回取材に応じてくださったのは、株式会社 NTT-X「goo 編成本部」
のエンジニアの方々である。チーフプログラマの森様、宮下様、野間様にお話をうか
がった。
に欠かせない、各種コンテンツの提供に他な
会社である。場所は大手町。築区 43 年の大手
らない。同社のメディアビジネスとして、ポー
町ビルヂングの古い扉を開けたところからす
べてが違っていた。壁も床も、そして天井さえ
タルサイト「goo」をはじめとして、e- ラーニ
ングの「E-cube」
、Web マガジン「Hotwired」
、
ステンレス張りの長いエントランスを抜ける
ショッピングモール「NTT-X Store」
、おもしろ
と、オフィス全体がコンクリートの打ちっ放 いところでは「大相撲ホームページ」などのメ
し。窓はすべて天井から床までガラス張りで、 ディアを自ら立ち上げ、そして運営している。
オフィスの間仕切りもすべてガラスという
これらメディアの立ち上げと運営で培った技
オープンなスペースが広がる。社員と思われ 術とノウハウを「ソリューション」に転換し
る方々にスーツ姿はほとんど見受けられない。 て、多くの企業に提供している。一例をあげる
髪を染めている方も数多くいる。まるで渋谷
と、同社設立当時、まだ一般に「e-ラーニング」
にでもいるようで、大手町であることを忘れ
させる。
という言葉が根付く前に「E-cube」という「メ
ディア」を立ち上げ、市場そのものの育成に大
<チーフプログラマ 森 様 >
きく貢献し、現在では日本最大級の e- ラーニ
NTT-X のビジネスモデル
株式会社 NTT-X は、自らのビジネスモデル
を「メディア・クロス・ソリューション」と表
現している。このメディアとは、IT ビジネス
ングサービスへと発展していきている。そし
て、その経験から得た技術とノウハウを e ラーニング事業者に「ソリューショ
ン」として提供している。
「メディア」
の創造と「ソリューション」への転換
ポータルサイト「goo」
の付加価値サービス
「ぴったりgoo」
intra-martのアプリケーション
営業支援システム
intra-martのエンジンである
アプリケーション・サーバ「resin」
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という2つが相乗効果をもたらしつつ、事業
の柱となっている。
EC ソリューション事例
intra-mart の エンジンである
「resin」との出会い
この「メディア」のひとつにあげられるの
が、日本で最初に開発された「本格的日本語検
索エンジン:goo」である。1997 年、インター
ネットの黎明期に開発されている。その後、
「goo」は、各種カテゴリサービスも充実して、
本格的なポータルサイトとして多くのユーザ
から支持されている。また、サーチエンジンの
検索力を客観的に調査している検索デスク
(htt://www.serachdesk.com)によると、gooは15
週間連続 TOP を維持し、まさに日本を代表す
る検索エンジンと言える。
この goo のサービスのひとつに、
「ぴったり
goo」というサービスがある。企業や団体など
ホームページを検索する際などに、検索語と
なる固有名詞と一番結びつきの深いサイトを
別枠で表示するサービスである。これは、検索
サイトにとって、とても重要な付加価値とな
るサービスである。gooでは、この他にも、
「お
すすめgoo」
、gooディレクトリとの一致情報の
提供などの付加価値サービスに力を注いでい
るが、これらのサービスには、検索エンジンと
は別のデータベースならびにアプリケーショ
< 宮下 様 >
< 野間 様 >
このアプリケーション・サーバがボトルネッ
クとなり、安定したサービスの提供には不安
「goo」の標準プラットフォームへ
の模索
があったという。このため、高性能なアプリ
ケーション・サーバのが必要となり、模索して
いた。そして、たどり着いたのが intra-mart の
エンジンである「resin」であった。早速 intramart からエンジンを入手し、評価を行った結
果、予想外の性能を示した。トータルのスルー
プットは従来アプリケーション・サーバの約3
倍となり、動作は安定しており、期待通りの
サービスを提供できそうであった。
現在では、まだ一部のサービスで利用して
いるに過ぎないが、さらに評価を加え、さまざ
まなサービスの連携に利用できないかを模索
しているという。今後は、
「goo」のサービスの
標準プラットフォームに利用できるのではな
いかという期待も高まっている。
ン・サーバが稼動している。しかし、従来から
大相撲ホームページ
全関取・力士の情報検索が可能な(財)日本相撲協会公式サイト
場所中はリアルタイム映像も
NTT-X Store
PC関連商品を中心に多彩な商品を
取り扱うオンラインストア
Hotwired Japan
97年開設以来、日本のwebカルチャ/
ビジネスを牽引するwebマガジン
E-Cube
日本最大の利用者数を誇るe-ラーニングサービス
ITベンダーの設定資格(MCPやMCSE等)の取得を支援
goo
日本のインターネット黎明期である1997年
「本格的日本語検索エンジン」として開始
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●お問い合わせ・ご相談は下記までどうぞ
〒107-0052 東京都港区赤坂3-21-16 赤坂3丁目ビル
TEL(03)5549-2821 FAX(03)5549-2816
E-mail:[email protected]
ホームページ:http://www.intra-mart.com/
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