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「京の子ども 明日へのとびら」実践事例集
小学校・高学年編 第1部 12 「感動する心、熱中する心」 1 学年 第5学年 2 主題名 「夢に向かって」 3 内容項目 1−(2) 4 テーマ D より高い目標を目指し、希望と勇気をもって着実にやり抜く強い意 志をもつ。 自分のはぐくみ、責任ある行動 5 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値 人間は本来、 「熱中する心」や「感動する心」をもっている。より高い目標を目指し、希 望と勇気をもって着実にやり抜く強い意志をもつには、なくてはならぬものである。 高学年の児童は、それぞれに高い理想をもち始める時期である。計画的に日常生活におけ る努力目標を立て、くじけずに希望と勇気をもって取り組み、その理想に向かって着実に前 進していこうとする強い意志と実行力を育てる必要がある。 (2) (3) 児童の実態(略) 資料について 我が国を代表するリコーダー奏者である鈴木俊哉さんの音楽に対する思いや人柄が伝わっ てくる資料である。執筆者が現在に至るには、小学生のころからリコーダーが好きになり、 吹くことに夢中になり、熱中したということが一貫して伝わってくる。 「そんな何かにみなさんもきっと出会えると思います」という執筆者のメッセージを通し て、自分の夢に向かって努力しようとする気持ちを育てたい。 6 各教科等との関連 音楽、特別活動、総合的な学習の時間等 「京の子どもへ夢大使派遣事業」と関連づけると、大変効果的である。 7 本時のねらい 熱中する心や希望をもって、自分の夢を実現しようとする気持ちを育てる。 8 授業改善の視点 (1) 資料の有効活用 ○ 執筆者である鈴木俊哉氏の写真等を提示し、学習への興味関心を高めるとともに、資 料内容の理解を深める。 ○ 執筆者の生き方、考え方に学ぶ授業展開。 (2) 「京の子どもへ夢大使派遣事業」との関連付け ○ 本事例は、道徳の時間に本資料で学習した後、実際に鈴木俊哉氏の演奏やお話を聞く という構成であり、より深い学習効果が期待できる。 - 88 - 9 本時の展開 過 程 学 習 活 動 導 1執筆者について 知る。 入 展 2資料を読んで話 し合う。 開 主 な 発 問 予想される児童生徒の反応 指導上の留意点 資料・評価 等 ○この人を知っていますか。 ・リコーダーでも、たくさんの種類が あるんだな。 ・こんな人が来てくださるのか。 ・概要を伝えた後、後日、 「京の子どもへ夢大使 派遣事業」で本校に来 ていただくことを知ら せる。 鈴木俊哉氏 のHP等、 参考資料の 提示 ○ このお話で 、「いいなあ」と思った ・そう思った理由ととも ところは、どんなところですか。 に意見交流をさせ、執 ・台湾の小学校へ行き、小学生のリコ 筆者の考えや生き方に ーダー演奏を聴いて感動し、涙があ ついて、お互いの思い ふれたところ。 を深めさせる。 ・オランダまで行って、一生懸命リコ ーダーの勉強をし、努力したところ。 ・夢中になれるところ。 ○鈴木俊哉さんは、どんな人だと思い ますか。 ・音楽が好きな人。 ・いろいろな経験をして、いろいろな ことを学んでいる人。 ・熱中する心をもっている人。 ・音楽への思い、人柄な どについて、自由に想 像させて意見交流させ ながら、ねらいとする 価値に迫る意見が続い た頃に、中心発問へつ なげる。 ◎鈴木俊哉さんが私たちに伝えたいメ ッセージとは、どんなことだと思い ますか。 ・夢をもつこと。 ・一生懸命になること。 ・感動する心や熱中する心をもつこと。 3自分を振り返 る。 終 4教師の話を聞 く。 末 ○あなたは今、何に対して「感動する ・すぐに思い浮かばない 心」や「熱中する心」をもっていま 児童もいると思われる すか。(あるいはこれから、どんな が、日頃の児童の様子 ことに対して熱中してみたいですか。 から個々のよさを把握 補助発問) しておき、適宜、教師 ・野球をがんばっている。好きなこと の方からも紹介する。 なので続けていきたい。 ・ 「書かせる」などはせず、 ・ピアノの練習はつらいけれど、楽し できるだけ個々の顔を いと思える時があるので、ぜひ続け 見てつぶやきを拾い、 てがんばりたい。 前向きな意見交流とな るよう、雰囲気作りを 大切にする。 ○先生は、こんな人の一面を見たこと があります。 - 89 - ・できるだけ、身近な人 物の、ねらいにかかわ る行為を紹介し、印象 付ける。 熱中する心 や希望をも って、自分 の夢を実現 しようとし ているか。 俊哉 さん リコーダー奏者 ﹁京の子どもへ夢大使 ﹂ 感動する心 熱中する心 鈴木 ・音楽が好きな人 ・いろいろな経験をして、いろいろな ことを学んでいる人 ・熱中する心をもっている人 鈴木俊哉さんが私たちに伝えたい メッセージとは? ・夢をもつこと 児童生徒の反応等 ・一生懸命になること 11 ・感動する心や熱中する心をもつこと 板書計画 あなたの﹁感動する心﹂、﹁熱中する心﹂ 10 <児童の一言感想> ぼくは、この「感動する心、熱中する心」を勉強して、感動することはとても大切なもの で、感動する心がなければ何も楽しくなくて、ただただ生きているだけになってしまうと思 います。だから、感動する心を持ち続けたいと思いました。でも、ぼくはまだそんなに感動 したことがないので、たくさん感動できるようになりたいし、そうすることで、楽しい人生 を送りたいです。 私は、このお話で勉強して、感動する心をもちつづけたいと思いました。私は今、学校で は6年生とマーチングの練習をがんばっています。私はマーチングが好きなので、来年6年 生になったら、みんなに感動させられるように、夢中になって練習したいと思いました。 感動する心がなかったら、人生はまったく楽しくないと思うし、熱中することがなかった ら、人生はおもしろくないと思います。熱中することを見つけて、がんばっていきたいと思 いました。 私は、鈴木俊哉さんは音楽が好きだから、音楽関係の仕事を選んだのだろうと思います。 私は、服などに興味があるので、服そう関係の仕事につきたいと思っています。感動する心 =興味(こうき心)は、将来にもつながっていくことだし、感動できる心がなければ、何に 対しても冷たくなって、心がさめてしまうと思います。感動する心を大切にしていきたいと 思いました。 - 90 - <平成19年度 京の子どもへ夢大使派遣事業 実施報告書から> ○事業効果 ・ 高学年の道徳の授業で、資料「京の子ども 明日へのとびら」の中にある「感動する心、 熱中する心」で学習し、鈴木さんがみんなに伝えたいメッセージは何かを考えた。数日後に この事業で鈴木さんに来校していただき、リコーダー演奏を聴いたり、お話を聞いたりする ことで、鈴木さんのメッセージがより明確になった。 ・ 児童にはこれまでソプラノリコーダーしかなじみがなかったが、リコーダーの種類やいろ いろな奏法を紹介していただき、子どもたちはリコーダーへの興味・関心が高まった。 ・ 演奏を聴くことで、リコーダーの音色の美しさや高い技術にふれ、芸術としての音楽を感 じ取ることができた。 ・ 夢大使を招聘するということで、教職員も児童も一つになって取り組むことができた。 ○児童の感想 こんにちは。ぼくは鈴木さんのような音楽家になるにはたくさんの努力をして、がんばら ないとなれないんだなと、鈴木さんのお話でよくわかりました。 ぼくは野球をしていて、プロ野球選手になるのが夢です。プロ野球選手になるには、鈴木 さんのような努力をしないといけなんだなと思いました。 また機会があったら、この学校に来てください。お待ちしています。 今日は、美しい音色を聞かせていただき、ありがとうございました。あんなにたくさん、 リコーダーの種類があることを初めて知りました。 私は音楽が好きだけど、今日の鈴木さんの美しい音色を聞かせていただき、より音楽への 関心を深めることができました。 道徳の時間には、「感動する心、熱中する心」を学習しました。私は、鈴木さんは素晴ら しい人だなあと思いました。そして、今日お会いすることができて、とても嬉しかったです。 サインまでしていただき、ありがとうございました。お元気で。 きれいなメロディーをありがとうございました。 鈴木さんは、リコーダーと友達のように過ごしてきたのだろうと思います。ぼくも、その 気持ちがすごくわかります。ぼくはサッカーをしているので、ボールと友達のように過ごし ていきたいです。 鈴木さんの演奏をきいて、リコーダーのことをいろいろ知ることができました。特に、2 つのリコーダーを同時にふいたところがかっこよかったです。音楽は、ぼくも好きです。鈴 木さんは、メロディーにのって演奏していたので、鈴木さんも音楽が好きなのだろうと思い ました。 今日は、本当にありがとうございました。 - 91 - <参考資料> テレビマンユニオン音楽事業部 http://www.tvumd.com/artists/artistprofile/suzukiprof.htm - 92 -