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1 第 70 回神奈川県屋外広告物審議会会議記録 委員 幹事・事務局 事務

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1 第 70 回神奈川県屋外広告物審議会会議記録 委員 幹事・事務局 事務
第 70 回神奈川県屋外広告物審議会会議記録
○委員
●幹事・事務局
●事務局
大変お待たせいたしました。
ただいまから第 70 回神奈川県屋外広告物審議会を開催いたします。
私は本日司会進行を務めさせていただきます、都市整備課景観まちづくりグループのグループ
リーダーの古河と申します。よろしくお願いいたします。
本日でございますが、関係地方公共団体職員委員のうち海老名市まちづくり部長の濱田委員に
つきましては、所用のため出席いただけず、海老名市まちづくり部参事兼都市計画課長の平井様
に代理出席していただいております。
代理出席につきましては、本県が定めております、付属機関等の設置及び会議公開等運営に関
する要綱の運用第5条に規定がございまして、代理出席する者も、当該団体としていること、事
前に内容が示されており、当該団体の意思を表明できること、定足数や代理者の議決権が明確に
なっていること、以上3点の要件が整えば、代理出席が認められることになっております。平井
代理におきましては、この条件を満たしておりますので、この場におきまして、議事に入る前に、
この場で定足数や議決権を有することを確認いたします。
当審議会は審議会規則第8条第2項の定めにより、委員の半数以上の出席が必要となっており
ます。現段階でございますが、本日は委員総数 18 名のうち 11 名の委員の方にご出席いただいて
おりますので、当審議会は成立していることをご報告いたします。
審議会の公開につきましては、当審議会の公開及び傍聴に関する取扱要領第2条に基づき、原
則公開することが決定されておりますが、本日は傍聴希望者がいませんでしたので、併せてご報
告いたします。
当審議会の会議記録につきましては、同様に第 12 条及び 13 条に基づき、委員の氏名を記載し
た発言記録とし、後日県のホームページ等で公開することが決定されていますので、ご了承願い
ます。
では、開会にあたりまして、神奈川県県土整備局都市部長の鈴木よりご挨拶を申し上げます。
●鈴木部長
県土整備局都市部都市部長の鈴木でございます。
本日は大変お忙しい中、また暑い中、第 70 回神奈川県屋外広告物審議会にご出席いただきま
して誠にありがとうございます。
この審議会は、改選後初めて開催されますので、委員の皆様には、当審議会の委員の就任を快
くお引き受けいただきましたこと、また、日頃より本県の都市行政、特に屋外広告物行政の推進
には、ひとかたならぬ、ご理解ご協力をいただいておりますことを改めてお礼申し上げます。
さて本日の審議会に諮問させていただきます、壁面利用広告物の許可基準につきましては、良
好な景観の形成において重要な許可基準でございます。前回の改正が平成 10 年でありまして、
当時から想定されていなかった建築物等も出てきております。実態に合った規定が必要であるこ
とから、改定について諮問させていただくこととなりました。
1
委員の皆様には忌憚のないご意見をいただきますことをお願い申し上げまして、簡単ではござ
いますが私からの挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
●事務局
本日ご出席の皆様につきましては、お手元にお配りしております、座席表の通りとなっており
ます。本日は、平成 27 年4月に委員改選されてから、初めての審議会ですので、ご出席の委員
の皆様を、紹介させていきます。本日、お手元に配付させていただいきました、名簿をご参照く
ださい。
県議会議員、新堀史明委員です。
同じく、原聡祐委員は本日所用のため欠席のご連絡をいただいております。
同じく、岸部都委員。
同じく、髙橋稔委員。
教育委員会委員、具志堅幸司委員は、本日所用のため欠席のご連絡をいただいております。
川崎市建設緑政局道路管理部長、小沼博司委員。
横須賀市都市部長、井上透委員。
秦野市都市部長、古谷榮一委員。
海老名市まちづくり部長、濱田望委員は本日所用のため、代理で海老名市まちづくり部参事兼
都市計画課長、平井泰存代理。
山北町都市整備課長、荻野直美委員。
一般社団法人神奈川県商工会議所連合会常務理事、座間進委員は本日所用のためご欠席のご連
絡をいただいております。
一般社団法人神奈川県広告美術協会会長、末廣芳和委員。
多摩美術大学教授、小泉雅子委員は、本日所用のため欠席のご連絡をいただいております。
東北芸術工科大学教授、山畑信博委員。
工学院大学教授、倉田直道委員は、所用のため遅れるとのご連絡をいただいております。
横浜国立大学大学院准教授、野原卓委員は、本日所用のため欠席のご連絡をいただいておりま
す。
弁護士、三川真由美委員は、本日所用のため欠席のご連絡をいただいております。
神奈川県消費者団体連絡会幹事、和久晴雄委員。
続きまして、本日出席しております、幹事の紹介をいたします。
県土整備局都市部長の鈴木でございます。
都市整備課長の川崎でございます。
道路管理課長の荒井でございますが、所用のため、代理として副課長の植村が出席しています。
産業労働局中小企業部商業流通課長の仙田でございます。
なお、書記は都市整備課景観まちづくりグループの由井、若月、そして私、古河でございます。
次に、会長選出及び職務代理者の指名でございますが、本日は改選後初めての審議会でござい
ますので、まず、当審議会規則第2条の規定によりまして、当審議会の会長を互選にて、選出し
ていただきたいと存じます。
ご意見がございましたら、ご発言願います。
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○末廣委員
はい、末廣です。昨年に続きまして、山畑先生に会長をお願いしたいと思います。
●事務局
ただいま山畑委員に会長をお願いしてはどうかとご発言がありましたが、いかがでしょうか。
ご異議がないようですので、山畑委員に会長お願いしたいところでございますが、山畑委員、
いかがでしょうか。
○山畑委員
はい、承知いたしました。
●事務局
承諾をいただきましたので、山畑委員に会長をお願いすることといたします。これをもちまし
て、会長の選出を終わらせていただきます。ご協力ありがとうございます。
ここで山畑会長より一言ご挨拶いただきたいと存じます。
○山畑委員
ただいまご指名いただきましたので、会長の職を務めさせていただきます。皆様から様々なご
支援ご協力いただきながら、慎重に積極的に進めて参りたいと思います。どうぞよろしくお願い
いたします。
●事務局
それでは、議事に入る前に本日の資料の確認をさせていただきます。お手元の資料をご確認く
ださい。
まず、第 70 回神奈川県屋外広告物審議会次第。続きまして、第 70 回神奈川県屋外広告物審議
会座席表、次に、屋外広告物審議会委員・幹事名簿。
次に、知事から審議会あての壁面利用広告物の基準改正についての諮問書の写し。
続きまして第 70 回神奈川県屋外広告物審議会資料(諮問事項)、次に第 70 回神奈川県屋外広
告物審議会資料(報告事項)。
参考資料といたしまして、神奈川県屋外広告物条例のあらましの冊子。最後に、神奈川県屋外
広告物審議会規則。以上でございます。
過不足がございましたらお申し出ください。
資料の確認はよろしいでしょうか。
神奈川県知事からの諮問書の写しは皆様にお配りしておりますが、諮問書の原本を、山畑会長
にお渡しいたします。
それでは、当審議会規則第8条の規定により、会長が議長となる定めとなっておりますので、
山畑会長に議長を務めていただきたいと存じます。会長よろしくお願いいたします。
○山畑会長
それではただいまから、議事に入りますが、本日は諮問事項1件、報告事項3件となっており
ます。議事の進め方につきましては、まず議題について事務局から説明を受け、その後にご意見
を伺いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日の諮問事項「壁面利用広告物の基準改正について」でございますが、事務局から
ご説明願います。
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●都市整備課長
本日の審議会は改選後初めての開催でございますので、諮問事項の説明に先立ち、まず神奈川
県屋外広告物条例の概要について、スクリーンでご説明いたします。
はじめに条例の目的ですが、本県では、「良好な景観の形成」、「風致の維持」、「公衆に対
する危害の防止」を図るため、屋外広告物法に基づいて、屋外広告物の表示等に関する基準など
を定めています。
次に、県条例の適用範囲でございますが、まず、独自に条例を制定している市の状況から説明
いたします。
(1)政令市、中核市は、屋外広告物法の大都市特例により、独自の条例を制定しております。
次に(2)景観行政団体の6市は、景観行政団体である市町村の特例により、①広告物の表示
等の禁止、制限など、以下4つの事項について独自条例を制定しています。
これらの制定状況を、スクリーンにお示ししておりますが、水色というか青緑っぽい色ですけ
れども、そちらは政令市と中核市の4市、それから黄緑色の景観行政団体6市は、独自条例を制
定しているということでございます。
この結果、県条例を適用されている市町村は、赤い線で囲まれた黄色と白の 23 市町村でござ
います。
なお、黄色の 14 市町村につきましては、事務処理の特例に関する条例により、許認可権限を
市町村に移譲しております。
次に、屋外広告物の定義でございますが、次の要件をすべて満たすもので、1常時または一定
の期間継続して、2屋外広告物で、3公衆に表示されるものであって、4看板、立て看板、張り
紙など、スクリーンの絵のような広告物を屋外広告物としております。
次に、県条例の主な規制の項目でございますが、(1)禁止区域、禁止地域、屋外広告物の表
示等が禁止される地域でございます。同じく(2)禁止物件で(3)許可の基準、(1)、
(2)を除いた広告物を表示する場合などの許可の基準がございます。
その内容ですが、まず、(1)禁止地域ですが、「1重要文化財の建造物の敷地及びその周辺
50 メートル以内の地域」など、スクリーンのとおり 15 種類が、禁止地域に指定されています。
次に(2)禁止物件ですが、1「橋梁」、「高架構造物」、「トンネル」など、スクリーンに
お示しの通り、以下の 10 種類の禁止物件が指定されております。
次に(3)許可の基準ですが、スクリーンにお示しの通り、自然系許可地域など、5種類の許
可地域ごとに高さや面積などの基準を設けております。
許可の基準の詳細につきましては、お手元の屋外広告物のあらましの3ページから5ページに
ございますので、後ほどご覧ください。
次に、屋外広告業登録制度についてご説明させていただきます。
屋外広告業を営もうとする方は、知事の登録を受ける必要がございます。県条例により登録が
必要な区域は、政令市・中核市の4市は独自の登録業務が行えますので、これ以外の 29 市町村
でございます。
また、知事の登録を受けた業者は、政令市・中核市、それぞれ届け出を行えば、市登録業者と
みなす、片方みなし制度により業者の方々の負担軽減も図っております。
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平成 23 年 10 月の登録制度導入時に、違反屋外広告物業者に対する処分や罰則を合わせて導入
しております。平成 28 年5月末現在登録件数は、1,554 件でございます。
次に、県の取り組みについてですが、県では、条例のもと、現在、総合的な屋外広告物政策を
進めています。
スクリーンに4つの円をお示ししておりますが、この左上、「広告物の適正化」、「安全対策
事故防止」、「良好な景観形成」、「制度の普及啓発」の4つの観点から事業に取り組んでおり
ます。
次に、昨今の本県の屋外広告物行政を取り巻く状況などから、この度、審議会の開催にあたり
ましての経緯3点をご説明させていただきます。
1点目は、「屋外広告物の安全性を高める取組」ですが、平成 27 年2月に札幌市での看板落
下事故が発生しました。その後、県では速やかに啓発チラシの配布など、屋外広告物の安全性を
高める取り組みを実施してきました。一方、国では、この事故を踏まえて、平成 28 年4月に行
い広告物条例ガイドライン案を改正しました。
2点目として、「見直し規定に基づく点検」でございます。
本条例の規定に従い、屋外広告物条例の施行の状況について検討したところ、壁面利用広告物
の基準や、許可申請手数料などについて見直しが必要と判断いたしました。
3点目は「処分基準の検討」ですが、屋外広告業の登録制度導入以降、関係市とも検討を重ね
てきた、処分基準の方針を示すことができる段階に至って参りました。
こうしたことから今回審議会において、次の諮問報告を行うことといたしました。
まず、「見直し規定に基づく点検」に基づきまして、壁面利用広告物の基準改定について諮問
をいたします。
また、「許可申請手数料・許可期間の見直し」について報告いたします。次に、「屋外広告物
の安全性を高める取組」における、屋外広告物の安全性強化の方向性について報告いたします。
また、「屋外広告業の処分基準の検討」が進んだことから、処分基準の方針について報告いたし
ます。今回の諮問・報告につきまして、先ほどご説明いたしました、本県の総合的な屋外広告物
政策に当てはめますと、「広告物の適正化」、「安全対策・事故防止」の観点に対応したものと
なっております。
具体的には、「広告物の適正化」として「壁面利用の広告物の基準改正」を諮問事項に、「手
数料の見直し」、「許可期間の延長」、「広告幕の区分の見直し」を報告事項1、「屋外広告業
処分基準の設定」を報告事項3としています。また、「安全対策・事故防止」として「自主点検
報告の義務化」を、報告事項2としております。
以上で、神奈川県屋外広告物条例の概要についての説明を終わります。
引き続き、諮問事項についてご説明させていただきますが、スクリーンの切り替えがございま
すので少々お待ちください。
●事務局
では、諮問事項であります、壁面利用広告物の基準改正についてご説明いたします。
まず、1現状の問題点の改正の方針、2壁面利用広告物の面積基準、次に3壁面利用広告物の
高さ基準、最後に4今後のスケジュール予定についてご説明いたします。
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まず、1現状の問題点の改正方針でございます。
前回の許可基準の改正は平成 10 年でした。その後、当時は想定されていなかった建築物が増
加しております。例えば、全面ガラス張りの建物や巨大物流倉庫です。そのため、現行の面積基
準や高さ基準が実態に合っていない部分ができており、実態に合った規定の検討が必要となって
おります。
面積基準の問題点といたしましては、許可地域の区分ごとに、1壁面あたりの面積のみ規定さ
れているため、大規模建築物では壁面積に対して小さな看板しか出せないことがございます。
次に、高さ基準の問題点ですが、1つ目としては、大規模建築物等で敷地が広い場合に、遠方
や道路からの視認性が悪い、左の絵のような、例えば物流倉庫や大型ショッピングセンターなど
です。2つ目は、高さ基準を超えた場所の掲出希望が多い、右の絵のような建物の上でのビル名
などの掲出希望も多くあります。3つ目は、窓下基準です。自然系許可地域と住居系許可地域は
2階窓下、その他の地域は3階窓下と高さ制限をしていますが、窓がない壁面と窓がある壁面で、
広告の掲示の高さが変わってしまいます。
他の自治体の状況を参考にご紹介いたします。
面積基準では、壁面積の割合規定を導入している自治体が多くあります。例えば、横浜市は壁
面積の 10 分の3以下、千葉県は5分の1以下などの基準です。また、大阪府などは、面積規制
がありません。
高さ基準では、規制のない自治体も多くあります。例えば、埼玉県、千葉県、静岡県、横浜市
などです。また、窓下基準を設けている自治体は、都道府県・政令市レベルでは、ほとんどあり
ません。
面積基準や高さ基準について検討した結果、改定方針は、このようになりました。
面積基準については、建築物はファサードとのバランスを保ちつつ、必要な広告物の掲出がで
きるよう、割合規定を導入したいと考えております。
高さ基準につきまして、2つございまして、1つ目は、景観を阻害しない広告物の高さ基準の
緩和、2つ目は、2階3階窓下といった窓下基準を撤廃し、地上からの高さの基準のみとしたい
と考えております。
次に、壁面利用広告物の面積基準についてご説明いたします。
壁面利用広告物の面積基準についてですが、ファサードの適切な表示バランスを検討して参り
ました。
現在、市街地等で壁面積の大きい大規模建築物が増加してきておりますが、人の視点に近い位
置で案内することを想定した基準では、遠方からの視認性が悪く壁面積の大きい大規模建築物に
当てはめることは不合理です。
壁面積に対する割合規定を導入することで、適切なバランスとなると考えました。
見直し案ですが、現行の基準に加え、許可地域の特性に応じて割合規定を導入することを考え
ております。
県では、5つの許可地域の区分がございます。この5つの許可地域ごとに見直しを行いました。
その中での工業系・沿道系・商業系の許可地域で大型建築物が増加しており、屋外広告物の規
制緩和の要望もございます。
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見直し案ですが、現行の基準では工業系許可地域は 20 平方メートルまで、沿道系・商業系許
可地域は 30 平方メートルまでとなっていますが、これに加え、壁面積の 10 分の1までという割
合指定を導入したいと考えております。
当初は他の自治体の状況を見まして、5分の1までということも検討いたしましたが、大幅な
規制緩和になってしまうこともあり、また、ファサード面積の概ね1割以下である場合には、比
較的控え目な、なじみのある印象になると考えられております。本県の地域の状況を勘案し、今
回の改正では 10 分の1以下が妥当だと考えました。いずれか大きい方を採用いたしますので、
既存のものは、不適格になりません。
こちらは壁面広告物の面積基準のシミュレーション図です。
こちらの例は商業系許可地域の大型店舗の壁面です。例えば、大型スーパーやホームセンター
などの5階建てぐらいの大型店舗の大きさです。大体の大きさでございますが、神奈川県庁の本
庁舎ぐらいの大きさと考えていただきたいと思います。
1,400 平方メートルの壁面に対して、現在の基準は、オレンジ色の 30 平方メートルでございま
すが、10 分の 1 ですとピンク色の部分の 140 平方メートルになります。近隣の自治体の例にしま
すと、横浜市では壁面積の 10 分の3の 420 平方メートル、東京都では 100 平方メートルになり
ます。
こちらは工業系許可地域の壁面の場合です。1,400 平方メートルの壁面に対して、現在は水色
の 20 平方メートルですが、10 分の1ですと、ピンク色の部分 140 平方メートルになります。近
隣の自治体では、横浜市では、壁面積の 10 分の3の 420 平方メートル、東京都では 50 平方メー
トルです。
次に、住居系許可地域の見直し案でございますが、現行の 10 平方メートル以内に加えて、壁
面積の 20 分の1までという割合規定を導入したいと考えております。ただし 20 分の1の割合規
定を導入する場合は、屋上広告物を設置しないことを条件といたします。
住居系許可地域は、現行の面積基準に加え、割合規定 20 分の1を導入しますが、工業系・沿
道系・商業系許可地域の割合規定 10 分の1よりは割合規定を少なくしております。
また、総量規制は現行通り 47 平方メートルとしますので、規制の緩和といいましても、大幅
な広告物の増加には繋がりません。
住居系許可地域は屋上広告から壁面広告へ誘導し、屋上広告を減少させ、まちなみのスカイラ
インを良好なものにしていきたいと考えております。住居系許可地域の良好な住環境を維持する
ことを考慮いたしました。住居系許可地域の総量規定は、現行の 47 平方メートルでございます
ので、建物が大きい場合は、割合規定の 20 分の1までいかない場合もあります。
こちらは住居系許可地域のシミュレーションの大型店舗の壁面ですが、1,400 平方メートルの
壁面に対して、現在は黄色の部分で 10 平方メートルでございますが、改正後は、総量規制がご
ざいますので、紺色の部分で、最大でも 47 平方メートルでございます。近隣自治体の例として、
横浜市は壁面積の 10 分の3の 420 平方メートル、東京都は 50 平方メートルです。
自然系許可地域ですが、こちらは地域特性を考慮いたしまして、良好な環境を維持するため、
現行通りの基準としたいと考えております。
次に、壁面利用広告物の高さ基準についてご説明いたします。
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高さ基準の検討ですが、現行は人の視点に近い位置で案内を行うという考え方でしたが、施設
名・企業名・商標などは、建物の案内ですので、遠方からの視点も必要と考え、景観を阻害しな
い内容・掲出方法のものは、高さ基準の適用除外にすることを検討いたしました。
ただし、景観を阻害しない内容ということ、建築物・施設そのものの内容ということで、絵の
ような営業内容の案内等の適用除外はしないと考えております。
景観を阻害しない提出方法といたしまして、左の絵の様な箱文字、右のような切文字を検討い
たしました。
次は窓下基準の検討ですが、現行は自然系・住居系許可地域につきましては、2階窓下以下、
工業系・沿道系・商業系許可地域については、3階窓下以下となっております。開口部を覆わな
い趣旨でしたが、現在、全面ガラス張りの建築物も一般的なりました。
図の1のように、窓のある建物と窓のない建物で、掲出する高さが異なっております。次に、
図2をご覧ください。懸垂装置を利用した、壁面利用広告も屋上からの設置が一般的であり、遠
方からの視点を想定した広告ですので、実態に合ってない状態でございます。
このようなことから、窓下以下基準の撤廃をすることを検討しました。
見直し案でございますが、3つあります。
1つは、建築物・施設名称または商標表示そのものもので、箱文字・切文字は高さ基準を適用
しないという考えでございます。
2つ目は窓下基準を撤廃し、地上からの高さ基準のみとしたいと考えております。これにより、
窓の有無により高さが異なっていた状態がなくなることになります。
3つ目は、専用懸垂装置を設置して掲出する、壁面利用広告物は高さ基準の適用をしないとい
うことです。こちらは工業系・沿道系・商業系許可地域のみを考えております。専用懸垂装置は
屋上から掲出するものが多く、遠方から見ることを想定して掲出されるものですので、事業者か
らの要望も多いものでございます。
最後に今後のスケジュールをご説明いたします。本日の審議会の諮問を受けまして、来年1月
から2月に規則改正のパブリックコメントを実施し、3月ぐらいに規則改正、その後、周知期間
を十分とりまして、来年の平成 29 年 10 月に規則施行を予定しております。なお、後ほど、報告
事項としてご説明いたします、許可申請手数料の改正については薄いグレー部分でお示ししてお
ります。
以上で諮問事項の説明が終わります。
○山畑会長
ただいま事務局から諮問事項について説明がございましたが、ご意見等ございましたら、ご発
言願います。
○山畑会長
地域ごとの面積の考え方、高さの考え方、現状に則しつつ景観に配慮するという、改正案です
けれどもいかがでしょうか。はい、どうぞ。
○古谷委員
秦野市の古谷です。屋外広告物を含めた景観行政というのは、やはりにぎわいと守るべき景観、
こういったもののバランスが非常に難しいというように感じています。やはり締め付けは厳しす
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ぎるというのも、にぎわいがなくなったり、ゆるめすぎると守るべき景観、こういったものが、
崩れてしまうといった中では、今回の改正案はそのランドマーク的な大きな建物ができても、遠
くから見て何だかわからない、或いはその建物の大きさに対しての、掲出のバランスが非常に悪
いといったことを改正するといった中では、許可地域ごとに、きめ細やかに分けられているとい
う中では、実情に即したよりよい方向の改正ではないかというように思います。
○山畑会長
他にご意見ご質問ございますか。
○山畑会長
今回の改正案は最初に説明がありましたように、横浜のような都心や密集したところでもなく、
神奈川県の管轄する様々な地域ごとの、現状に則した提案・改善を示していただいているのかな
と思います。面積に関すること、高さに関すること、遠方からの視認性を、高さ制限はないけれ
ども、切文字・箱文字であれば、景観にも配慮できる広告になるのではないかというような、改
正案となっております。様々なご意見あろうかと思いますけれど。
○和久委員
はい、和久です。ご説明がありました、今回の見直しの背景ですね、これについては、理解が
できると、基本的に理解できるというように思います。
こうした背景に関わりまして、関係する広告業界、或いは実際に建物を管理する方々等から、
これまで要望とか反応ですね、こうしたものが従来の規制との関係で、どのように行われている
のか、そういうのがあったら教えていただきたいと思います。
●都市整備課長
今回の改正にあたりまして、地元の市町村、屋外広告行政をやっていただいております市町村、
県の方でも土木事務所が管轄しておりまして、そういった窓口の方に現状の話をお聞きしました。
まず、今回の審議案について聞きましたが、やはり昨今、大規模な建築物が増え、県の担当し
ている地域を見ますと、圏央道とか、そういった高速道路のネットワークが出来てきて、インタ
ー周りに大規模な流通施設が建ったり、それからロボット特区で研究所的なものでも大きいもの
とか、郊外型のショッピングセンターとかも大分増えてきている中で、先ほど提案させていただ
いた内容では、遠くからの視認性の必要性、表示でそれなりの大きさの面積割合規定を入れたら
いいのではないかという意見がございまして、今回提案させていただきました。
○和久委員
良好な景観を形成していくという上で、生活している住民の立場っていうのは非常に重要です
ね。日ごろ地域で生活していると、非常にそうした問題に積極的に、関わっている市民もおりま
すけれども、一般的にはどちらかっていうと、あたえられた環境というのが、あたりまえだと思
うのですけれど、あまりこう景観に積極的にかかわらないという印象はあります。
そういう点で良好な環境を作っていくためには、市民にこうした問題の重要性を、どのように
PRしていくかということがあるし、また一方ではこうしたこの状態では困るじゃないかと、そ
ういう景観に、決していいものではないのではないかというような、よい景観を作っていく立場
からの市民の意見ですね、両者があるかと思うんですが、この辺の状況は、地域の状態はどのよ
うにとらえていらっしゃるのでしょうか。
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●都市整備課長
景観行政につきましては、身近な市民の方がいらっしゃる、市町村で基本的にはやっていくよ
うに考えておりまして、その景観行政の枠の中で一部分を形成する屋外広告物も、そういった考
え方でやっていくことが必要と思っています。
先ほど申し上げましたが、屋外広告物の今回の見直しで、市町村の方々にもお聞きした中で、
このような改正案となりました。
一方で、屋外広告物に関して、大きく支障になる物件があるとか、大きな問題になっていると
いうのは、今回お聞きしておりません。今の県の基準につきましては、近県の状況から見ても、
比較的厳し目というところだと思います。そうした中で、今の屋外広告物を含めた景観が形成さ
れてきている、思った方向にいっていると思っています。その中で、少し現状と差異がでてきて
いる部分について、変更いたしたい。
また、5つの地域に分けておりますが、自然系許可地域については基本的に、現状のままとい
う形でやっていきたい、住居系の面積割合に関しましては、工業系とか商業系に比べて半分の大
きさにすることと、広告物の中でも壁面ではなくて、屋上につけるものがあるのですが、住居系
の中から、スカイラインとして見たとき屋上につけるのだったら、壁面のところにつけていただ
きたいというところで、今回、20 分の 1 の面積規定を入れる場合には、屋上につけなければ、そ
の基準が使えるということを、誘導するような方向も入れて、ある程度緩和する中で、住居系で
は、よりよい形にしていきたいということを、あらわした規制案にしております。
○和久委員
もう1点伺いたいのですが、屋外広告物の色ですね、色についてはこれはどういったことにな
るのでしょうか。もうひとつ、広告物そのものでなくて、建物ですね、建築物そのものの、その
色がですね、景観を損なうという側面もあるかと思いますが、これに関する考え方はどのように
なっているのでしょうか。
●都市整備課長
はい、県の屋外広告物条例の中では、色とか色彩について決めていません。
そちらについては景観の部門で、景観条例等を各市で色彩の部分というのは、決めております。
○和久委員
建物の色はそちらのほうですね。
○山畑会長
他にございますか。
○高橋委員
はい、ちょっと教えてください。この箱文字・切文字というのがですね、これから増えてくる
ような予感がするのですけれども、厚みとか、箱文字の場合のこの厚みとか、そういうのは何か
制限があるのですか。
●事務局
特に、箱文字・切文字につきましては、厚みについては、規制はありません。全国的にも規定
はありませんので、規制を考えておりませんが、あまり分厚いものですと、構造上落下の可能性
がありますので、設置の場合、我々もそういう場合は構造計算等ですね、建築基準法の規制がか
10
ってきますので、そっちの方でチェックしたいと考えておりますが、それほど分厚いものは重量
の関係もございますので、あまり大きいものはできないと思います。
○高橋委員
部材によってはですね、軽量でできるものもありましてね。イメージとして、今、すごく、自
動的にできる・・・
●都市整備課長
3Dプリンターですか。
○高橋委員
そう、3Dで色々な部材を使って、簡単にできることを考えると、結構なものが、できるかな
というふうに想像してしまうのですけれども。この厚みですね、これについても、どこかでやっ
ぱり考えておく必要があるかなと。突起体みたいなね、かなりインパクトを持たせる、例えば恐
竜を使ったものとか、どこかで拝見したことがあるのですけれども、今や3Dプリンターを使え
ば、いとも簡単にできてしまう時代ですので、考えることが必要かなと思ったんですけれど、ご
意見を伺っておければと思います。
●都市整備課長
今回、箱文字・切文字で対象としているのは、施設名、ビル名、企業名のところにしてござい
ます。今おっしゃられた奇抜な形とかは、それ自体が本来の緩和の趣旨にそぐわない形になると、
何のための改正かということになりますので、その辺の規制について、検討していきたいと思い
ます。
○山畑会長
他にございますか。
○井上委員
面積基準の中で自然系についてですが、近隣自治体の状況は、何分の1以下とする自治体が多
くあるということや、面積規定がない自治体もあるということでした。自然系だけをそのままに
したと、先ほど説明がありましたが、もう一度教えていただけますか。
●都市整備課長
自然系の許可地域はですね、国立公園とか、県立自然公園の普通地域、風致地域、近郊緑地保
全区域、歴史的風土保存区域、第一種低層住宅専用地域とか、かなり自然的な環境のところ、住
居系の中でも比較的低層な場所でございます。
こちらにつきましては、今の基準でやってきて、その中で緩和をしてほしいというようなご意
見も特にございませんし、今の地域特性から考えますと、今の基準をそのまま継続していくこと
が良いと考えております。
○高橋委員
1つだけ教えてください。この沿道系っていう定義を教えていただきたいですけれど、沿道っ
ていうのは、さっきおっしゃった縦貫道路ですとか、そういったものを想定した場合に、その縦
貫道路からどのぐらいの、何て言うんでしょうか、距離まで沿道系とみなすのか、もう少し離れ
ていくともう沿道系と言わない、自然系のところに位置するのか、この辺の相関がちょっとよく
わからないので教えてください。
11
●都市整備課長
沿道系許可地域につきましては、一般国道とか県道の両側の外側 30 メートル以内の準工業地
域、工業地域などや、第2種住居地域と準住居地域も沿道系という中に入れております。今お話
したのは、あらましのパンフレットで3ページ・4ページにございます、許可地域区分別の許可
基準というのがございまして、この中の3ページの3の1の上のところが自然系許可地域、先ほ
どご説明したもので、それから4ページの真ん中にありますのは沿道系許可地域ということです。
○高橋委員
それは理解していますが、要するに縦貫道路をイメージしまして、その 30 メートルという距
離感が。視認性ということからすると、もう少し遠方の方の視認性というかですね、30 メートル
という距離感じゃなくて、もっと遠方のところにイメージしていたものですから。そうすると、
沿道系というよりも、もっと自然系というか、遠くの方の自然系のところの位置する建物につい
ての視認性ということの、意味合いの方が広告物としての価値としては大きいのかなと、こんな
ふうに思うのですけど、あまりその 30 メートル幅のところに大きな広告物よりも、視認性とい
うことを考えると、自然系の方の、この許可基準の緩和っていうのは、考えなかったのでしょう
か。
●都市整備課長
沿道系の許可地域は 30 メートル以内で建てられたところの広告物等になりますので、それが
遠くから見えるということになります。あくまでも壁面の広告物を設置する建物はその 30 メー
トルのところに入っているというところでございますが、沿道の利用状況から考えて、そこに設
置する。その建てられたものは遠くから見ることはできます。
自然系のところは、そういう建物は建てられない、建てない形で誘導していく方向ですので、
そちらに設置するというところは、景観上のことを考えて、今までの状態を継続したいと思って
おります。
○山畑会長
他に意見ございますか。
○平井委員代理
はい。海老名市です。今回高さについて、ちょっとお伺いしたいのですけれども、今回、施設
等の切文字・箱文字については高さの制限をなくしますということで、あと高さに関してその窓
下の規定も今回はなくしますと。その他のお話の中で、他の自治体の事例としましては高さ制限
を設けてないところもあるというお話だったのですけれども、従前の 10 メートルの高さ制限を
そのまま残した、理由をお聞かせいただけるとありがたいのですが。
●都市整備課長
現状は規制を決めた平成 10 年度の基準で今までやってきたところ、それなりに機能し景観が
確保されているように感じています。
高さについては、他の自治体では全く高さの基準がないというところがいくつかございますけ
れども、神奈川県のこの地域としては、そういった形で、うまく形成できていると思います。や
はり屋外広告物とか景観というのは、地域特性とかが非常に大切なので、ある程度継続性が必要
と感じています。
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それから、こういった基準の変更をしましても、色々な建物が建って、変わってくるというの
は、ある程度時間がかかると思います。やはり急激な変化というのはどうかなと。今回、切文
字・箱文字については、高さ規制をなくして遠方から見える形にすると、実際どういう形に今後
なっていくのかといったものも、そこだけではなくて、もう少し他の高さも緩和したらいいのじ
ゃないかとか、そういったご意見ご要望、状況も見ながら、必要が出てくればそうしたものも検
討していくということで考えていきたいと思っています。
○山畑会長
それでは、色々とご意見、出尽くしたようですので、採決に移らせていただきますが、よろし
いでしょうか。
審議会規則第8条第3項の定めにより議事は、出席委員の半数以上の賛成で可決することにな
っております。本日の諮問事項、「壁面利用広告物の基準改正について」は、原案通り可決して
よろしいでしょうか。
○委員全員
異議なし。
○山畑会長
それでは異議なし、賛成するということで、本件、可決ということといたします。
●都市整備課長
ありがとうございました。本日のご審議を踏まえまして、規則改正案を作成し、今後パブリッ
クコメントを実施いたします。このパブリックコメントの結果を、まず会長に報告いたしまして、
その対応、方向性をご相談した上で、色々な意見が出てきて変更が出てきた場合とか含めまして
ご相談いたしまして、必要に応じて再度審議会にお諮りすることでよろしいでしょうか
○委員全員
異議なし。
○山畑会長
それでは続きまして、報告事項について説明を受けたいと思います。その後にご意見を伺いた
いと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、本日の報告事項1許可申請手数料及び許可期間の見直しについてでございますが、事務
局から説明お願いします。
●事務局
報告事項1の許可申請手数料及び許可期間の見直しについてご説明いたします。
まず1見直しの背景と目的、次に2見直し理由と方針・検討経緯、最後に3今後のスケジュー
ル予定についてご説明いたします。
まず、1見直しの背景と目的でございます。想定されていなかった建築物の増加や広告物素材
の耐久性の向上があること、さらに条例見直し規定に基づく点検により、実態を踏まえた規定の
検討が必要と考えました。
次に、2見直し理由と方針・検討経緯をご説明いたします。見直し項目としては3つございま
す。1つ目は許可申請手数料、これは条例改正に関わるものです。2つ目は、許可期間、3つ目
は、広告幕の区分について、これらは規則改正に関わるものです。
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許可申請手数料ですが、見直し理由は、現行手数料が許可事務に係る処理費用と乖離している
状態になっていることです。方針としましては、こちらの区分の手数料を見直す方針です。
手数料等は審査事務や許可手続きに要する費用です。具体的に申し上げますと、人件費と維持
管理費と消耗品費を合わせたものです。
手数料を改正することの影響を検証し、県内の市町村への説明他の都道府県の手数料との比較
などをいたしまして、総合的に検討した結果、許可申請手数料を改正することとなりました。手
数料は条例で規定されておりますので、議会に諮って改定する予定でございます。
2つ目の見直し項目は許可期間でございます。見直し理由は、素材が進歩したことで、広告物
の耐久性が向上していること、品質の実態と許可期間に相違があること、申請の回数を減らすこ
とで、申請者の負担を軽減することなどです。
素材の耐久性と安全性などを考慮して、こちらの品目を適正な許可期間にすることといたしま
した。次のスライドからこちらの品目毎の見直し案をご説明いたします。
電柱・街灯柱・標識柱こちらは耐久性、安全性ともに広告板と同等とみなせますので、許可期
間を1年から3年に見直しました。
立看板・のぼり旗、こちらは素材の耐久性が向上していること、掲出の実態と許可期間に相違
があること、1月ごとの申請は申請者の負担になることなどを考慮し、1月から3月に見直しま
した。
広告幕は素材の耐久性と設置方法の安全性によって、3つの区分に分けて許可期間を設定する
ことといたしました。
3つ目の広告幕の区分の見直しですが、先ほど区分を3つに分けてご説明いたしましたが、素
材の耐久性が向上していることや安全性の高い掲出方法の広告物が増えていることから、素材の
耐久性と設置方法によって区分することにいたしました。
1つ目は表示面が固定されていない広告幕、2つ目は専用懸垂装置を壁面に設置する広告幕、
3つ目は表示面が固定された広告幕です。
素材の耐久性についてご説明します。広告幕の製作技術が進歩し、耐用年数の長いものが出てき
ています。左の広告幕はポータリンという素材で耐用年数は3年から5年ほどです。厚手の素材
で4点を固定しまして、広告板のような使い方をされています。右の広告幕はポンジという素材
で耐用年数は3月ほどです。コンビニの入口などにキャンペーンの告知などで短期間つけられて
いる薄い素材のものです。
広告幕の1つ目の区分、建築物・工作物に表示面が固定されていない広告幕です。こちらの写
真のような日除け兼用の広告幕や、商店街・イベントなどのフラッグですが、こちらは耐用年数
が短い素材の広告が多いようです。
2つ目ですが、建築物の壁面に専用懸垂装置を設置し、掲出するものです。枠付きの専用装置
に掲出され、安全性は高く長期間の掲出が可能ですが、広告の性質上、短期間で変更することが
想定されるものです。
3つ目は、建築物工作物に表示面が固定された広告幕で広告板として使われているものです。
こちらは4点を固定されており、安全性が高く表示内容も長期間変更しないものです。現行は広
告板として運用しています。
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こちらの表が広告幕の区分・期間の見直し案です。1つ目の表示面が固定されていない広告幕
の期間は1月から3月に見直したいと考えています。2つ目の専用懸垂装置を設置して掲出する
広告幕の期間は1年に見直します。ただし、内容変更の多い性質のものですので、1年間の許可
期間中は変更申請不要としたいと考えています。現状広告板のうち、映画看板が変更申請不要と
なっておりますが、それと同様の扱いです。3つ目の表示面が固定された広告幕は広告板として
使用されているものですので、運用で広告幕と同様の扱いをしておりましたが、固定された広告
幕として明確に区分することとします。
次に、今後のスケジュールについてご説明いたします。手数料改正につきましては、条例改正
ですので、11 月の議会で議案提出、議会で可決されましたら、12 月に条例公布し、その後、周
知期間をとりまして、来年の平成 29 年 10 月に条例施行を予定しております。許可期間につきま
しては、規則改正ですので、来年の1月から2月にパブリックコメントを実施し、その後3月に
規則改正、その後、周知期間をとりまして、来年の平成 29 年 10 月に規則施行を予定しておりま
す。以上で報告事項1の説明を終わります。
○山畑会長
ただいま事務局からご説明がありました、報告事項1につきまして、ご意見等ございましたら
ご発言願います。
○小沼委員
はい、川崎市です。川崎市の財政局の方はですね、全庁的に手数料の見直しをしていまして、
その中では、見直しの必要が今のところはないということなんですが、県では前回の改定からど
のぐらい経ってらっしゃるのかなということと、資料の方では乖離率が 10%を超えるという、手
数料について見直しをするということだと思うのですが、最大でどのぐらい乖離があるのかなと
いうところをちょっとお聞きしたいなと思いまして、よろしくお願いします。
●都市整備課長
まず手数料の見直しですが、前回、昭和 50 年にございまして、それから大分たっているので、
今回見直しさせていただくということでございます。
二つ目の乖離でございますが、最大で、はり札が6倍、乖離しておりました。はり札は現行 50
円ですが、処理費用を考えた計算をしますと 300 円を超えておりました。
○小沼委員
6倍を一気に上げるのか、それとも激変緩和の措置をとられるのか、その辺の考えはどうなの
でしょうか。
●都市整備課長
額については、今後、条例の内容なので、まず議会に報告していくことになりますけれども、
ある程度大きくなってしまうものについては、例えば、今、100 枚当たりのものを 50 枚当たりに
するとか、期間をある程度延長することで、全体的に、ある程度緩やかな変化にするといった工
夫は併せて考えていきます。
○小沼委員
ありがとうございます。
○山畑会長
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他にございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、報告事項1に関しましては、これで終わらせていただきます。
次に報告事項2屋外広告物の安全性強化に向けた取り組みについてです。事務局からご説明お
願いいたします。
●事務局
報告事項2屋外広告物の安全性強化に向けた取組についてご説明いたします。
報告事項2の説明につきましては、1屋外広告物の安全性確保の現状に屋外広告物の安全性強
化に向けた新たな取り組みについて、3今後の取り組みについて、4今後のスケジュールの順に
ご説明いたします。
まず、1屋外広告物の安全性確保の現状ですが、神奈川県では、神奈川県屋外広告物条例第 12
条にて、設置者等に対する管理義務を規定しています。
また、条例第 13 条では大型広告物に対する有資格者の設置義務を規定しています。ここで大
型広告物というのは、規則にて屋上または地上4メートルを超えるものと規定しています。
また、資格については、国家資格である、屋外広告士や、全国各地で開催される屋外広告物の
講習会修了者など、屋外広告物に関する知識を保有することが前提となっております。
その他、要領での規定により、継続許可申請時に、広告物の点検結果について、報告者が自主
的に報告書を提出するよう指導しています。また、大型広告物に対して有資格者の確認を求めて
います。なお、点検者に対しては、記名をさせるものの、資格を求めておりません。
このような現状を踏まえ、本県では、継続申請書の添付資料による安全性の位置付けが不明瞭
である点が課題であると考えています。
報告書に関する課題を3点、承諾書等に関する課題を1点、計4点についてご説明いたします。
報告書に関する課題として、1点目は、要領は指導方針であり、現在全ての継続許可申請者か
ら報告書を受領しているものの、提出はあくまで申請者の自主性にゆだねられているという点で
す。2点目は、この報告書が、報告時点での内容を提出しているにとどまるため、設置者等に対
して管理義務を課してはいるものの、事故発生時の責任の所在については、不明瞭となっている
という点です。3点目は、点検者は資格不要となるため、点検結果の正確性・信頼性に欠けると
いう点です。
そして、承諾書等に関する課題として、継続申請時には他人の土地に設置する広告物について、
その所有者等の承諾書または許可証を不要としているため、継続許可後の契約状況が不透明とな
っているという点です。
これらの課題を解決し、本県の屋外広告物の安全性を向上させるために、報告書の義務化を図
り、報告者の責任を明確化する必要があると考えています。
屋外広告物の安全性向上については、国をはじめとする行政や業界団体と共同で対応してきて
おります。平成 26 年に官民が連携して、屋外広告物適正化委員会が発足し、平成 27 年2月に札
幌市で看板落下事故が発生した後に、全国の屋外広告行政担当者を対象として、全国屋外広告行
政協議会を発足させたほか、屋外広告物適正化委員会を中心に「オーナーさんのための看板の安
全管理ガイドブック」や、啓発冊子となる「まちとつながるサイン」を公表しました。
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また、国では、平成 28 年4月に屋外広告物の安全性の確保の徹底を図るため地方公共団体が、
屋外広告物条例を改正する際の一つの指標とされている屋外広告物ガイドライン(案)の一部改
正を実施しました。改正のポイントは、屋外広告物の所有者等に対して、良好な状態に保持する
責務があること、有資格者に点検させること、点検結果を報告させることを明記するようにした、
ということでございます。
こうした中、本県においても、札幌市の看板落下事故を受けて、緊急の安全点検を設置者等に
依頼したほか、広告主や広告業者向けに屋外広告物の安全性向上のための啓発チラシを作成し配
布いたしました。また、広告主へのより効果的な取組として、商店主向けの会報誌で安全性に関
する啓発記事を掲載しました。
業界団体と連携した取り組みとして、県内市町村等官民合同で勉強会を実施しました。さらに、
商店街を業界の方と歩き、実際に掲出される危険な看板について見て安全性の意識向上を図るた
めに、タウンミーティングを実施しました。
これらの啓発活動のほか、継続申請時の報告書を通した設置者等に対する安全性向上のための
着実な働きかけが必要であると考えています。
次に、屋外広告物の安全性強化に向けた新たな取組について報告いたします。
継続申請書の添付資料として、従来継続申請時に自主的に報告書を提出させていたものを、施
行規則上で報告者からの提出を義務化することとします。また、その他の提出する添付資料とし
て、「現況写真」「点検時の写真」、そして他人の土地に広告物を設置する際には、「所有者の
承諾書・許可証」を提出させる形とします。また、報告書についても、一部変更します。
主な変更点としては、次の2点となります。まず、大型広告物のみ有資格者の確認を受けるこ
ととしていましたが、公衆に被害をおよぼし得る広告物については、有資格者による点検を行い、
結果について誓約させるよう改めるようにします。なお、点検者は業務主任者等と同等の資格を
持つものとし点検結果について責任を持たせるよう改めます。その他、報告者に対しては、許可
期間中の管理の徹底を誓約させるよう追記します。
このように報告書の点検・提出を義務化し、報告者の責任を明確化させることで、広告物の安
全性を向上させたいと考えています。
次に、今後の取組についてご説明させていただきます。
今回の報告書の義務化等とともに、引き続き業界団体と連携し、屋外広告物のさらなる安全性
向上に向けて、多角的に取り組んでいきます。具体的には、タウンミーティングを通じた安全な
商店街の形成への寄与と、屋外広告物適正化旬間での屋外広告物の安全点検の一層の推進を図っ
ていく予定です。
最後に今後のスケジュールについてご説明させていただきます。本日の審議会での報告以降、
パブリックコメントを経て、今年度末には、規則改正の公布をしたく考えています。その後は周
知期間を経て、平成 29 年 10 月1日には、他の改正条例・改正施行規則等とともに施行する予定
です。
以上で報告事項2屋外広告物の安全性強化に向けた取組について説明を終わります。なお、お
手元に県で作成した広告主及び広告業者向けのチラシをご用意しておりますので、後ほどご覧く
ださい。
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○山畑会長
はい。それでは今事務局からご説明がありましたが、報告事項2について、ご意見等ございま
したらご発言願います。
○井上委員
今回のこの安全強化に向けたという内容ですが、かなり業者にとって負担が大きくなり、行政
側も色々書類を点検しなければいけないということがおきると思います。先ほど申請手数料のお
金の部分で説明があった人件費や管理費などについて、想定している事務負担の軽減や、業者へ
の負担など、お考えをお聞かせいただきたい。
●都市整備課長
点検の報告書につきましては、お願いしているものですけれども、任意でも、皆さん、安全性
の理解はして全て出していただいているということでございます。
今回、点検の報告書を作るにあたっては、基本的に点検をして、物自体を当然見ますので、そ
の内容をきちんと書いてもらって、点検の写真や現況の写真をつけて、よく分かるようにします。
現在も任意ではございますけれども、報告書はいただいているので、事務的にも、それほどの
大きな負担にならないと考えています。
また、点検者に対して、今回、有資格者を求めています。有資格者にしなくてはいけないとい
うことで、負担増の可能性はありますが、登録業者の場合、業務主任者と同等の資格としている
ので、過度な資格を求めているということではなくて、安全確保についての実効性のある規定で、
現状でそれほど対応が難しいということはないと考えております。
○井上委員
現在行っている事務作業の量が特段増えるわけではなく、規則上きちんと報告を義務付けるよ
う明確にするという考えですね。
●都市整備課長
点検報告書につきまして、今任意でやっておりますので、部分的には写真を加えてもらうとこ
ろはありますが、負担はそれほど多くないと思います。
点検の報告書につきましては、お配りしております資料に、屋外広告物自主点検報告書(案)
があります。比較的簡易な形で、これにきちんと点検している姿の写真をつけていただくという
ことと、点検結果について事実と相違がないこと、次回まで、しっかり管理していくことを書い
ていただくということです。
○山畑会長
この点検の内容は、先ほどご説明のありました、屋外広告物適正化委員会の中で、業者さん、
日広連ですね、それと自治体の方が中心になって大事な責任の所在をどうするかということ、契
約が色々な形であったりなかったりということをしっかりしなければ、まずいけないのではない
かということを検討しています。適正化委員会のワーキングの中でできたものは、日広連(日本
屋外広告業団体連合会)のホームページに参考資料として詳しいものが出ております。そこに出
ているものを全てできるかというかというと、それはマンパワーなど様々な問題もありますので、
その中で今回は、まず、実状に則した中で、より強化するというような感じになっているのだと
思うのです。
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やはり、できることとできないことということがありまして、ハードルあげてしまうと、結局
できなくなってしまうということもありますので、今回は、有資格者と義務付けということでの
改正の案という報告がなされたのだと思います。まあ、かなり難しい問題です、大事な問題では
あると思っています。
○岸部委員
すいません。よろしいですか。ちなみに今この点検の報告数と、これを点検する方々の数とい
うのは、どれくらいのレベル、つまり先ほど業務量が過多にならないようにというご配慮がある
ということでしたけども、今、この報告書を出さなければならない、屋外広告物の自主点検が必
要な数とこれを点検すべき人の数、業者さんの数とその点検士さんというのですか、屋外広告士
さんの数というものについては、充足されているのかどうか確認をさせてください。
●都市整備課長
まず、点検数ですけれども、今回点検の対象としようとしているのは、更新時です。更新は
色々なタイミングになるので、今、いくつと言うことはなかなか難しいと思っています。現在、
県の所管域で屋外広告物の許可件数は約 2 万 7500 件でございます。
大きな袖看板とか、簡単な立看板も全部含めた数ですので、短期間で終えてしまうもの、継続
するものもあって、実際更新の数が幾つになるのかということはわかりません。
●事務局
業者の数ですけれど、現在はその業者の登録数は 1,554 件という数でして、数としてはある程
度あるのかなというように思っております。あと点検の資格としては、業務主任者の資格と同等
になる屋外広告士の方の数であったり、あとは全国各地で行われている屋外広告物の講習会の修
了者というものをまずは想定をしているのですけれど、そうなってくると数というのは、ちょっ
と把握はしていないのですけれど、かなりな数、全国でも講習会を行っているぐらいで、本県で
やっても、毎年 100 名ぐらいの方が受講されているようなところもありますし、その講習会自体
も、昭和 50 年ぐらいから始まってきているようなところもございますので、ある程度の人数が、
点検をできる資格を有している方なのかというようには考えておりますので、点検者の数として
は、十分足りていると考えております。
○新堀委員
今の話で関連しますが、実は私も講習会の修了者なのです。ただ、講習を受けたのがもうおそ
らく 20 年ぐらい前で、ただそういう意味では数はすごく多いと思うのですけれど、実際に屋外
広告物の大型広告物は、やはりかなり危険度が増すものですから、それに関して、果たしてどの
程度ちゃんと管理できるのかなというのは、非常に、正直自分の立場をもう一度思い返してみて
も、ちょっと不安なところがあるなというのがありまして。
もう一つ、屋外広告士という資格があると思うのですけれど、この屋外広告士というのは、ど
ういうハードルを設けられて広告士の資格が取れるのか、ちょっと教えていただきたいのですが。
講習会というのは、私は受けたことがあるのですけれど、確か2日間、ずっと黙って講習を聞い
てればいいだけの話ですね。受けようと思えば、だれでも受けられてしまうというようなところ
がありますので。
●事務局
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屋外広告士に関しては国家資格になっていて、しっかりとした試験を受けていただく必要が
ございます。
○新堀委員
そうするとやはりある程度の規模のものに関しては、講習会修了者というよりは屋外広告士を
対象にした方がいいですね。
●事務局
本来はそうですね。そういった方のほうが、知識もございますし。
○新堀委員
聞いていてそういう気がいたしました。
●都市整備課長
ハードルが高い資格だけに限定すると、なかなか数も確保できないという難点もあります。
屋外広告物を、実際に設置し、管理している方が、色々と啓発活動の話をしましたけれども、
事故が起きたらどういう問題があるのか、安全性を確保することは大切だということをきちんと
認識していただくということが大切だと思っています。認識していただければ、うちの看板は大
型で、年数も経っているので、もう少し専門的な方に見てもらったほうがいいだろうとか、啓発
活動の中で、安全の必要性を感じていただいて、皆さんに判断していただければ、よりよい方向
になると思っております。
委員がおっしゃるように、レベルが高い資格の人を、皆さんが使って、全てやるのは大変だと
思いますので、その必要性を所有者の方に判断してもらって行うのが、いいと考えております。
○新堀委員
設置者の啓発というかね、そこの部分により一層力を入れてやって、あと屋上だと、確か一級
建築士でないとつけられないような規制があって、元々ハードルは高いはずですから、それぐら
いのものはできているというのがあるのでしょうけれど、やはり、資格者の点検というのは欠か
せないと思います。
今一度、設置者に対するきちっとした啓発を、今後より一層強化していただければ、というよ
うに思います。以上です。
○山畑会長
他にございますか。はい、どうぞ。
○末廣委員
今の話の中で、4月 28 日にガイドラインが施行されて、その時にまず、改正されたところは、
所有者という名前と屋外広告士という名称が入りました。
今私、そこの部分も国交省と一緒にやっているのですけれど、今後ですね、一応そこの点検の
部分の、新たに点検者の講習を進めるということで、今進めておりますので、おそらく来年ぐら
いには、点検をする人を今度育てるという形に改正というか、業界をあげてそういう形で今進め
ております。
○山畑会長
はい、それでは報告事項2に関しましても、意見が出尽くしたようですので、次の報告事項3
屋外広告業者に対する処分基準の設定について、事務局からご説明願います。
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●事務局
報告事項3屋外広告業者に対する処分基準の設定についてご説明いたします。
報告事項3の説明につきましては、1設定の背景と目的、2設定の方針、3今後のスケジュー
ルの順にご説明いたします。
まず、1設定の背景と目的ですが、平成 16 年の屋外広告物法改正により、屋外広告業に対し
て登録制度の導入が可能となりました。
登録制度の導入により、違反業者に対して登録取消や営業停止を課すことが可能となりました。
東京都では、平成 17 年に登録制に移行しており、本県でも4つある県内政令市、中核市との
間で、平成 19 年より検討を重ねて、平成 23 年に、県内の悪質な業者の排除と良質な業者の育成
を目的として、登録制を4市とともに、導入いたしました。
登録制度の導入に合わせて、違反業者に対する登録取消や営業停止について県条例 36 条にて
規定しておりますが、現時点では、処分事由ごとの処分内容が未決定であることが、運用上の課
題の一つでした。
本県では登録制導入に合わせて、片方みなし制度を導入しています。これは、屋外広告業者が、
県で登録すれば、各市に届け出ることで、市登録業者とみなす制度になります。
なお、各市でみなし業者の登録取消については規定されていないので、県が主体的に実施する
ことになります。
ただし、営業停止については、県条例違反業者は、県条例適用地域での営業が停止となるもの
の、根拠となる条例が異なるため、4市域での営業は、引き続き可能となってしまいます。
また、市条例違反業者については、当該市域での営業が停止となるものの、同様の理由で、県
条例適用地域及び他の3市域での営業は引き続き可能となってしまいます。このように、処分地
域が限定的で実効性が薄いことも課題でした。
次の表は、県内の屋外広告業者数を示していますが、一番右の列の通り、各市の登録業者数の
うち、みなし業者の占める割合が 95%以上となっていることを踏まえ、営業停止の実効性を高め
るため、処分の連携について4市から要望を受けて検討して参りました。この結果、本日審議委
員の皆様にご報告できる運びとなりましたので、設定の方針についてご説明いたします。
処分基準の基本的な方針ですが、現状では、処分事由ごとの処分内容が未決定でしたが、先行
して処分基準を設定している埼玉県や奈良県、兵庫県などの他団体等の他団体と同等の内容で決
定することとします。なお、これは本件登録業者の6割以上が、他県の業者であることを踏まえ
た上での対応となります。
また、処分地域が限定的で実効性が薄い状況については、5県市で、時期を調整の上、一斉に
処分することで、県内全域で営業停止とし、実効性を高めることとします。
処分事由とこれに応じた処分内容についての概要は、次の2枚のスライドでお示します。こち
らは登録取り消し処分となる処分事由です。続いてこちらは営業停止処分や過料処分となる処分
事由を示しています。これらの処分事由及び処分内容は、他団体と同等の内容で設定しておりま
す。また、県条例の規定で、「法に基づく条例またはこれに基づく処分に違反した時」、処分で
きるとしていることから、県条例以外の市独自条例に違反した屋外広告業者についても、県が処
分することとします。
21
こちらの図は、市条例違反業者に対する営業停止処分を課す場合の処分の流れの概要を示した
ものです。A市での処分方針の確定を受けて、先ほども申し上げた通り、県では独自に調査を実
施し、処分妥当と判断した際に、処分することとします。その後、各市で聴聞等実施し、処分時
期もそろえて一斉に処分いたします。
最後に、今後のスケジュールについてご説明させていただきます。本日の審議会での報告以降、
パブリックコメントを実施し、周知期間を経て、平成 29 年 10 月 1 日には、他の改正条例改正施
行規則等とともに、設定する予定です。
以上で報告事項3屋外広告業者に対する処分基準の設定について説明を終わります。
○山畑会長
はい、ただいまご説明いただきました報告事項3について、ご意見等ございますか。
○高橋委員
4市から要望を受けて検討してきて、このように歩調を合わせて、みなし条例も含めて対応し
ていくということで、非常にそれは時宜にかなっているかなという思いで、伺っていたのですけ
れど。
先ほどの報告事項2に戻って恐縮なのですが、この報告事項3で4市と県・政令市で、中核市
と歩調を合わせてやっていくということは、先ほど報告事項2につきましても、同様に歩調を合
わせてやっていくということでよろしいわけですね。安全性強化の取組についての、このスタン
ス、この考え方、合意形成についても、コンセンサスが取れているということでよろしいですね。
●都市整備課長
こちらの方も、色々と関連しておりまして、安全性点検については連携してやっていかないと
いけないと思っております。
事故が起こった後、調査につきましても、各市と調整し、連携して神奈川県全県で、やってい
るところでございます。
○和久委員
これまでの違反の事例とか、こちらの数ですね、どのような状況でしょうか。
●事務局
屋外広告業者を処分したという事例は、本県は平成 23 年 10 月に登録制度を導入しているので
すが、今のところ0件です。今後、違反業者が増える可能性もありますので、抑止するという意
味でも、処分基準の設定をしていこうと思っております。
○古谷委員
広告物業者の6割が、他県の業者であるという中で、県内についてはお互いに報告しあうこと
にしようということですが、県外であった時に神奈川県はどうやって知るのかとか、あるいは、
神奈川県であったときにそれをどうやって知らせるのか、その辺はどうなのでしょう。
●都市整備課長
県外の業者が6割ということで、我々の方において、仮に処分がでた場合には、近県に対して
も情報提供していきたいと思っています。こういった情報につきましては、国の方にも報告いた
しますので、この中でも、処分した情報が共有されると考えております。
○高橋委員
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特に、先ほどの安全性にこだわるわけではないのですけれど、非常にこの震災予測がされてい
まして、大型な広告物がもたらす危険度を、非常に危惧しているんですけれども、条例で言うと
ころの管理義務の徹底、こういったことを考えあわせますと、今お話がありました、他県の業者、
もっと言いますと、他県でありながらも実は法人格を失ってしまったようなところとか、もっと
言いますと、登記抹消されているところとか、いろんなケースがあると思うのですけれど、こう
いったときの対応が非常に難しさを伴ったところですけれど、その点で、将来的にどんな知見を
持ち合わせているのか伺っておきたいと思います。
●都市整備課長
登記につきましては、更新の際に確認することもございますけれども、登録若しくは更新時に
おいても、代表者が変わったとか屋外広告業を廃止する時には、きちんと報告することを、申し
ているところでございます。
○高橋委員
その更新のところに、スパンが生じるわけですよね。そこが非常に悩ましいところなのですけ
れど。
●都市整備課長
更新のタイミングもありますけれども、啓発活動の中で広報していきながら、皆さんの意識を
あげていくことだと思っています。その辺は今、国の方でも取り組みをやっているということと、
それから末廣委員からもお話がありましたけれども、屋外広告の設置者、屋外広告物業の方のレ
ベルを、講習を行って更に上げていくことや、今回の処分規定の中で、悪質な業者を排除してい
くことや、今回設定することによって、未然防止効果もねらっております。
○高橋委員
おそらく全国のオールジャパンの業者さんの団体ですね、組合さん含めてご協力いただかない
とできない話だと思いますので、ぜひその辺のところの皆さんのご意見を承りながら遺漏のない
ように取り組んでいただきたいと思います。
○山畑会長
他にございますか。
○新堀委員
今の話で、延長線上になるかもしれないのですけれども、基本的に県に登録されている業者さ
んは、ほとんどちゃんとした業者さんだと思うのですが、実際、それでは悪質な広告業者はどう
なのかというと、要するに下請けなのですよね。
ちゃんと登録をして、資格を持っている業者さんが直接手を下すケースというのは実はあまり
ないです。基本的にもちろん工事の規模にもよりますけれども、ほぼ下請けさんですね。これも
世の中の経済状況にもよるのですけれども、やはり厳しくなるとですね、どうしても金額叩かれ
るので、元請が。その下請けに出す時にも、その下請けのその質というのですか、やっぱり安か
ろう悪かろうというのはありますので、そういったところで、こういった問題がでてくるのかな
というように思っているので、先ほど設置者の啓発という話ですけれども、この話でいうと、そ
の登録業者さんがどのような下請けを使っていくのかっていうところは、少し何らかの規定を設
けるとかしたほうがいいのではないかなと、ちょっと今の話を聞いていて感じたことです。
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ただ実質、広告業界は大変厳しいところがありますね。僕は実は昔経験があるのですけれども、
やはり本当に小規模でやっている安い業者さんに頼んでやったときに、実際予算の中でやってみ
たら、粗悪な商品だったという経験はやっぱりありますので。
その辺の部分も、県としても視野に入れた中でね、登録業者さんに対して、下請けさんとの関
係性であったりする部分、きちんと対処できるような、形になればいいかなと思って聞いており
ましたので、ですから今の話でいうと登録業者さんがどれだけ下請け使っていくのかということ、
完璧なことはきりがないので、できないと思うのですけれど、そういった登録業者に対する啓発
というところかなとちょっと感じました。意見をいわせていただきました、質問ではないのです
けれどね。
●都市整備課長
お話にありましたように、屋外広告物の安全性を確保するためには、設置管理者とともに、屋
外広告物業の方々のレベルアップと、責任と自覚が必要だということであります。そうしたとこ
ろはきちんと啓発していきながら、皆さんの安全性に対する意識を高めていくことが大切だと思
っております。
○新堀委員
よろしくお願いします。
○岸部委員
安全性の強化のところでの確認になるのですけれども、事業を継続されている方は、申請をす
るので、その時に安全性のチェックをされるのですけれども、廃業されていたり、そのまま、今、
私たち地元からご相談を受けるのは、店を閉められたあと、そのままこういった広告物が撤去さ
れない場合の安全性について、ご相談を受けることがあるのですけれど、本来的には、設置者が
責任をもって撤去すべきことだとは私は思うのですけれど、ただそれがされずに残っている場合
の点検はされないわけですよね。
そういった部分の指導っていうのは、これは市町村の部分になるのか、色々な部分で地域から
撤去依頼が出たときに、どうなっているのかという確認をさせていただきたいのですけれど。
●都市整備課長
屋外広告物の場合は、ほとんどの場合が民地に立っていて、設置されている物も、民間の物で
ございますので、自らの土地に自らの物を設置している責務というものは、所有者の方にきちん
と果していただかなければいけないと思っています。それを残してしまった場合に、多くの方々
に危険なことがあることも含めて、設置する際には、考えていただくということです。安全につ
いての啓発の中で、その辺のところを感じとっていただければと思っております。
○岸部委員
行政指導的な規定みたいなものはあるのですか。設置者は必ず責任持って撤去のことみたいな、
最初の設置するときに、そういった規定みたいなものは書かれているのですか。
●事務局
あります。看板の掲出にあたっては、許可申請を出していただくわけなのですけれど、その許
可申請の期間の満了した場合には、そこから撤去を、一定の日にち以内にその看板を撤去してく
ださいというような形の規定がまずあります。それに応じて撤去していただくのが、ベストなわ
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けですけども、なかなか撤去ができていないような状況もあるというのは、確かにその通りかと
は思っております。指導は実際に看板を出されている方に対して、行っていくわけではあります
けれども、最終的なところで、一応その行政代執行というのが、委員が最初におっしゃられた通
りで、設置した方が最終的に撤去すべきだっていう話の通りで、行政代執行という形ではやらせ
ていただくのですけれど、最終的なその処分の費用に関しては回収していくというような形です。
○山畑会長
他にありますでしょうか。
ないようでしたら、報告事項3については、これまでとしたいと思いますが、本日の諮問事項
と報告事項、全体を通して何かご意見があればご発言願います。
それでは、お時間もなくなってきましたので、このあたりでよいでしょうか。
以上をもちまして、本日の審議会を終了したいと存じます。
なお、本日の審議会の会議記録の公開につきましては、当審議会の公開及び傍聴に関する取扱
要領第 14 条に基づき、会長及び職務代理者に一任されておりますので、ご了承願います。内容
につきましては、全委員の皆様方にご確認いただきますので、意見がある場合は事務局へ連絡を
お願いいたします。
本日の議事進行にご協力いただきありがとうございました。
●事務局
山畑会長、ありがとうございました。
最後に、次回以降、何かありました時のために、私どもの審議会規則第6条2項により会長の
職務代理者の選任を、あらかじめ指名することとなっておりますので、会長に任命いただきたい
と思うのですがいかがでしょうか。
○山畑会長
はい。それでは、前回も会長職務代理者をお願いいたしました、倉田委員にお願いしたいと思
います。
○倉田委員
了承いたしました。
●事務局
それでは最後に、都市整備課長の川崎よりご挨拶申し上げます。
●都市整備課長
本日は長時間にわたり、ご熱心にご討議いただき、誠にありがとうございます。
本日は皆様からいただきました、貴重なご意見につきましては、今後の屋外広告物行政に役立
てていきたいと考えております。
委員の皆様におかれましては、引き続きご指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
●事務局
以上をもちまして、第 70 回神奈川県屋外広告物審議会を終了いたします。
本日は誠にありがとうございました。
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