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胃癌闘病記
「闘病」というほどではありませんが、人間ドックで胃癌が発見され、さらに便に潜血反応が認められたので、
これらの治療経過について書いてみました。
なお,切除した組織の検査の結果,胃癌は胃の表層にとどまっており,また腸のポリープは良性であることが
判明しました。したがって,外科手術を受けなくてすみました。
人間ドックから広島大学付属病院入院まで
毎年、人間ドックでは胃の内視鏡検査を受けていたのですが、今年(2010 年)5 月の人間ドックでは胃に癌が
見つかりました。胃の内視鏡検査をしてくださった東広島市にある本永病院の先生から直接電話が入り、「癌が
見つかりました。今後の治療についてご相談したいので病院に来てください。」とのことでした。このような連
絡を受けてもそれほどの衝撃はなく、「とうとう自分にも癌ができたのか。」という程度でした。
病院に行き説明を受けると、「早期の癌なので内視鏡手術で切除できますし、全く問題はありません。来週の
水曜日(6 月 2 日)に大学病院から先生が来られるのでその時に手術をしましょう。」と言われました。ところ
が、大学病院の先生に内視鏡で調べてもらったところ、その先生は「この癌は設備が整った大学病院で手術した
方がいいでしょう。」と判断されました。早速、大学病院の受診の予約を取ってもらいました。
予約した 6 月 11 日に大学病院に行きました。この日に精密検査をするのだと思い込み、食事を抜いて検査の
準備をしていったのですが、この日は検査をする日と入院の予約をしただけでした。検査は 6 月 16 日、入院は
未定とのことでした。ちなみに、その時もらった資料によると、入院する予定の消化器内科・代謝内科では常時
150~200 人の入院待ちがいて、毎日 5~7 人が入退院しているとのことです。単純に計算してみると入院するま
でには、入院申し込みをしておおよそ 1 か月待たなければいけないことになります。さらに後日看護師さんから
聞いたのですが、内視鏡検査をする人は多い時で1日 80 人にものぼるそうです。その日に行ってすぐに検査を
することは不可能だったのです。
入院の予約をしてから 1 か月と 3 日後の 7 月 14 日に大学病院から電話があり、
「明日から入院できますか?」
とのことでした。私はいつでも入院できるように、授業、定期試験、会議等の対応はしていましたので、「入院
できます。」と答えましたが、入院前日に電話があるとは驚きでした。胃癌が見つかったと周囲の人に伝えると、
皆さん同情心がわいてくるらしく、私が仕事の代役をお願いするとすべての方が快くお引き受け下さいました。
胃癌に関係なく、そもそもやさしい人が私の周りには多いようです。ただただ感謝です。
広島大学付属病院入院から退院まで
大学病院へは予定通り 7 月 15 日午前中に入院しました。大学病院はまだ新しい建物で、病室全体が明るく、4
人部屋でしたが部屋は十分に広いものでした。外は酷暑だったらしいのですが、病院内は快適な温度に保たれて
おり実に爽快でした。夜はエアコンが切れると聞いていたのですが、夜も寝苦しくなることはまったくありませ
んでした。シャワーは夜 9 時以降でなければ日中はいつでも使えるのでこれも助かりました。ただ、個室の値段
が高いのには驚きでした。1 泊 3,000 円か 5,000 円程度であれば個室に入ろうかと思っていたのですが、安い部
屋で約 10,000 円、高い部屋は約 20,000 円もしました。大学病院は庶民を主に相手にしているのでしょうから、
このような高い部屋を作る必要があったのか疑問に思いました。それともこの世の中、金持ちが多いのかもしれ
ません。20,000 円あれば、高級温泉旅館を 1 泊 2 食付きで利用することができます。
入院当日はレントゲン、心電図、血液検査があり翌日は胃の内視鏡検査でした。内視鏡検査は「時間がかかる
ので麻酔をします。」と言われ、点滴に麻酔薬を入れているところまでは覚えているのですが、気が付いたら検
査は終わっていました。胃の内視鏡的粘膜下層剥離術の際も麻酔下で行ったので何も覚えていません。胃の検
査・手術ともに大変に楽でした。手術が終わった後、看護師さんが「今日の剥離術は完璧でしたよ。先生はここ
がいいから。
」と肘関節を曲げて自慢げに話をしてくれました。
右上のふくらみが胃癌(直径約 2cm)
色素注入
切除箇所のマーカー(直径約 4cm)
癌を切除した跡
大腸は盲腸まで検査をしましたが、途中で痛いこと痛いこと。思わず「ちょっと待ってください。」と声を出
したくなりました。先生に聞いたところ、痛みを感じる人と感じない人がいるとのことでした。私の場合、途中
で鋭い強烈な痛みがあった以外、その他のところではそれほど痛みは感じませんでした。大腸の内視鏡的粘膜下
層剥離術はポリープが肛門に近いところにあったせいもあり短時間で終わりました。テレビ画面で大腸の内部の
映像を見ながら担当の医師が説明をしてくださいました。ポリープ切除術を見るのは初めての経験ですし、しか
も自分の大腸手術なので大変興味深いものでした。
大腸ポリープ
大腸ポリープ下部に液を注入
電気メスで切除
切除した跡
7 月 28 日、入院からちょうど 2 週間目に退院しました。入院中、四六時中交代で看護してくださる看護師の
方々には大変お世話になりました。どなたもテキパキと仕事をされ、こちらの要求にもすぐに対応してください
ました。その対応は極めて懇切丁寧でしかもやさしく、入院生活が快適に無事送ることができたのも看護師皆様
のおかげだと深く感謝しております。また、担当医であった保田先生、研修医の村山先生には検査や手術結果を
詳しくご説明くださり、また毎日病状を確認していただきました。薬剤師の方にも細かい説明をしていただきま
した。さすが我が広島大学のスタッフです。これら皆様に深く御礼申し上げます。
8 月 11 日に摘出した組織の検査結果を聞くことになっています。胃も大腸も癌が粘膜下層まで達していた場
合は外科手術(おそらく開腹手術)になるそうです。癌が粘膜に限定されていることを願っているところです。
今回の内視鏡検査・手術の回数(合計8回)
本永病院
胃内視鏡検査(人間ドック)
本永病院
胃内視鏡検査(広島大学付属病院の先生による精密検査)
広大病院
胃内視鏡検査
広大病院
胃内視鏡検査(手術前)
広大病院
胃内視鏡手術
広大病院
胃内視鏡検査(手術後)
広大病院
大腸内視鏡検査(手術前)
広大病院
大腸内視鏡手術
絶食とお粥が多かったため、体重が約 4kg 減りました。下記の記録は一部不確かなところがあります。
7月15日(木)
16日(金)
17日(土)
18日(日)
19日(月)
20日(火)
21日(水)
22日(木)
23日(金)
昼
普通食
夕
普通食
朝
絶食
昼
普通食
夕
普通食
朝
普通食
昼
普通食(外泊)
夕
普通食(外泊)
朝
普通食(外泊)
昼
普通食(外泊)
夕
普通食(外泊)
朝
五分粥、スープ(錠剤下剤)
昼
五分粥、スープ(錠剤下剤)
夕
五分粥、スープ(錠剤下剤+250ml 下剤)
朝
絶食(1000ml 下剤)
昼
普通食
夕
普通食
朝
絶食
昼
絶食
夕
絶食
朝
絶食
昼
重湯、スープ
夕
重湯、スープ
朝
三分粥、スープ
昼
五分粥、スープ
夕
五分粥、スープ
胃内視鏡検査
腸内視鏡検査
胃内視鏡的粘膜下層剥離術
胃内視鏡検査
24日(土)
25日(日)
26日(月)
27日(火)
28日(水)
朝
五分粥、スープ
昼
五分粥、魚煮つけ
夕
五分粥、野菜煮つけ
朝
五分粥、スープ(錠剤下剤)
昼
五分粥、スープ(錠剤下剤)
夕
五分粥、スープ(錠剤下剤+250ml 下剤)
朝
絶食(1000ml 下剤)
昼
絶食
夕
絶食
朝
絶食
昼
絶食
夕
全粥、スープ、手作り餃子3個、マヨネーズサラダ
朝
全粥、味噌汁、大根信田煮、牛乳
退院
腸内視鏡的粘膜下層剥離術
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