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月刊OPTCOM(2013年12月号)

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月刊OPTCOM(2013年12月号)
協力の下、岩手大学
ミハル通信
でのエリア放送で採
●放送サービスの高度化、および強靭化
用されている。
ミハル通信は60年近くCATVインフ
防災システムとの
ラの発展に貢献してきた企業で、その
組み合わせ等で地方
技術を基にした製品を放送局や館内自
ミハル通信が展示をするOTT向けマルチスクリーンエンコーダ
自治体から問合せが
有るとのことなの
主放送向けにも提案している。永年に
わたって蓄積した技術により、他社に
可能にしているので、非常に使い勝手
で、そうした用途に興味が有る方も話
は無い珍しい製品や、コストパフォー
が良い。同社 統括営業部 マーケティ
を聞いてみると良いだろう。
マンスの優れた製品を開発しており、
ング企画部 マーケティング企画課 課
実績を伸ばしている。
長の渋谷重好氏は「12セグでサイネ
リアルタイムIP放送に最適なOTT向け
今回のイベントでは、放送サービス
ージを流して、1セグでライブ中継を
マルチスクリーンエンコーダ
の高度化、および強靭化を実現する
流すといったように、別々の放送を流
様々なソリューションを展示する。
すことも可能だ」と話す。
同社のOTT向けマルチスクリーン
エンコーダは、ハードウェア構成によ
エリア放送は2010年から実証実験
り安定した高画質エンコードを実現し
放送システム、OTT(Over The Top)
が行われ、昨年4月に制度化。この送
た製品。HDフォーマットを含む最大8
向けマルチスクリーンエンコーダ、ケ
出機は実証実験の段階から使用されて
プロファイルのエンコードが可能だ。
ーブル・プラットフォーム、館内デジ
いた信頼性の高い製品だ。採用事例は
24時間365日のサービスという放送業
タル自主放送システムを紹介。
次の4件。2011年の10月から、毎日放
界で培った同社のノウハウにより、多
放送サービスの強靭化では、緊急バ
送が茶屋町付近限定のエリア放送「茶
チャンネルかつリアルタイムの放送型
ックアップ装置・文字スーパー発生装
屋 町TV」 に て 同 送 出 機 を 採 用 し た
サービスに最適な製品となっている。
置、地上デジタル放送信号IP伝送シ
(2013年9月に放送終了)。2012年8月
渋谷氏は「サービスごとに多くのユニ
ステム、地デジ簡易測定・監視装置が
には福井テレビジョン放送がイベント
ットが必要になるので、縦型のスロッ
紹介される。
の生中継でエ
放送サービスの高度化では、エリア
リアワンセグ
エリア放送システムを1つの
およびエリア
ユニットで実現
フルセグを放
同社のエリア放送用送出機は、12
送した際に使
セグ+ワンセグエンコーダを内蔵した
わ れ た。 同 年
フルセグ型だ。このシステムは中継局
10月 に は、 石
等から最低限の放送を送出できること
川テレビ放送
を コ ン セ プ ト に 開 発 さ れ た も の で、
が金沢工業大
1Uのユニットに、通常の12セグ放送
学の学園祭に
+ワンセグ放送の送出に必要となる
て臨時のエリ
12セグ用MPEG 2エンコーダ、ワンセ
ア放送送信所
グ用H.264エンコーダ、TS多重、SI/
を構築した際
EPG生 成 の 各 機 能 を 内 蔵 し て い る。
に 使 用。 そ し
従来は複数の機器を組み合わせて構築
て 今 年10月 に
していたシステムを1つのユニットで
はテレビ岩手
ミハル通信が展示をする館内デジタル自主放送システム「MRシリーズ」
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モデルで、4つのチャンネルを1つの
モニタに表示させることが可能だ。
IP 機能付きOFDM 変調器「MR3300
X」はネットワークで配信された映像・
音声を地デジの信号に変換することが
ミハル通信が展示をする緊急バックアップ装置
できる製品。例えば、企業の本社と複
数の拠点間にて、会議や全社朝礼の映
トタイプでご提案している。保守性に
配慮し、ユニットは前面から交換する
館内デジタル自主放送システムのライン
像をマルチキャストでIP伝送すると
だけで復旧できる構造にしている」と
ナップを拡充
いった使い方が可能だ。TSからIPへ
ミハル通信の館内デジタル自主放送
の変換、およびIPからTSへの変換機
通常のハードウェア構成のエンコー
システム「MRシリーズ」は、業界で
能がこの1台に備わっているので、各
ダはサーバ型の1Uだが、この製品は
も先駆けて高性能化、小型化、低価格
拠点でこの機器を使うことができる。
3Uサブラックに最大10スロットとい
を実現した製品だ。必要な機能がワン
「MR5000X」は CSの信号を受けな
う高密度実装を可能としている。放送
パッケージになっているので、既存シ
がら、スカパー!プレミアムサービス
型のハードウェア構成のエンコーダと
ステムのデジタル化を容易に行うこと
の映像をホテル等の客室モニタに映像
しては業界最小クラス。チップも高性
ができる。
配信できるOFDM変調器。
話している。
能な製品が採用されている。
従来5機種だったラインナップに加
えて新しいモデルも参考展示される。
災害時緊急バックアップ装置と文字スー
コーダ市場ではソフトウェアエンコー
新モデルは、スカパー!の放送をTS
パー発生装置
ドが主流だが、IP放送のリアルタイ
で出力するモデルや、SDI出力にする
ミハル通信は、前述の12セグ+ワ
ム性というニーズは高まっているの
モデル、CATVの信号をOFDMに変調
ンセグエンコーダ内蔵OFDM変調器
で、信頼性の高いハードウェア構成の
するモデル等。従来モデルは次の通り。
を災害時緊急バックアップシステムと
エンコーダはチェックしておくのが良
HD/SD OFDM変調器「MR3000X」
しても提案している。この装置があれ
OTT向けのマルチスクリーンエン
いだろう。
は、館内デジタル自主放送を低コスト
ば、放送局の施設自体が大規模な自然
ケーブル・プラットフォーム
で導入できるモデル。HDだけではな
災害の被害を受けた場合でも、人々に
IPTV フォーラム技術仕様に対応し
くSDのインターフェイスも備えてい
災害情報を発信することができる。
たSI/EPG 送出装置やIPリニア放送
るので、従来のアナログのコンテンツ
フルサービスが可能な高いスペック
用H.264エンコーダの開発を行ってい
を地デジのネットワークの中で流すこ
を有しているので、災害時以外でも、
る。 各 ユ ニ ッ ト は 同 仕 様 に 準 拠 し、
とが可能だ。
例えば、マスターシステムでシステム
3Uサブラックに実装できるコンパク
放送局や競技場での使用に最適なの
ト設計となっている。H.264エンコー
が、高画質・高性
ダユニットは最大で10枚を実装でき
能モデルとなるハ
る。SI/EPG 送出ユニットは、外部
イ ス ペ ッ クHD
EPG供給会社より提供されたEPGフ
OFDM変 調 器
障害が起きた場合にも対応することが
。
ァイルを基にEITを生成し送出する。 「MR3100 X」
IP MUXユ ニ ッ ト は、 エ ン コ ー ダ、
「MR3200X は
SI/EPG送出ユニットから出力された
SDの 映 像 を4系
TSを多重し、IPTVフォーラム仕様の
統同時に配信す
TSとして送出できる。
ることができる
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ミハル通信が展示をする地デジ簡易測定・監視装置「見張るチャン」
OPTCOM December 2013
特集PART1
特集PART1
InterBEE
InterBEE 2013
2013 Preview
Preview
放送サービスの高度化を支える伝送機器
放送サービスの高度化を支える伝送機器
できる。放送局で制作される映像・デ
回線のバックアップ用途では、本回
ータ放送コンテンツの最終チェック用
線となるマイクロ波と異なるシステム
送信機としても活用が可能だ。渋谷氏
を構築することにより、気象状況の変
は「強靭化の一環として、マスターと
化時や自然災害時に全ての回線が同時
送信所の両方に備えて頂くケースも増
に停止するリスクを減らすメリットも
えている」と話している。
ある。
緊急バックアップ装置と組み合わせ
ることができる文字スーパー発生装置
地デジ信号の電界強度や電波の品質など
も参考展示される。画像を加工する必
を確認できる簡易測定・監視装置
要が無いため、簡単な操作で素早く文
字情報を送出することが可能だ。
日本テレビ放送網との共同開発であ
る「見張るチャン」は、地デジ信号の
電界強度や電波の品質などを簡易に確
認できる測定・監視装置。高額な測定
地上デジタル放送信号IP伝送システム
地上デジタル放送信号のIP伝送は、
回線のバックアップや、離島等、遠隔
器を用意することなく信号の中身を解
析することができる、他には無い珍し
い製品だ。
地への配信に有効なシステムだ。同社
地デジの電波をチャンネル単位で測
のシステムは、放送信号をRFのまま
定でき、トランスポートストリームの
受信して、一旦IPに変換し、伝送後
状況も監視できるので、障害解析等に
に再びRF信号に戻すという極めてシ
使うことが可能だ。電波監視モードと
ンプルなインターフェイスとなってい
いう機能が備わっており、送信所を正
るので、従来製品よりも扱い易く、コ
確に特定することもできる。測定結果
スト削減も実現している。渋谷氏は
「強
は、PC画面にてグラフィカルに表示
靭化の流れもあり、お問い合わせが増
されるので、状況を直感的に把握する
えているシステムだ」と話す。
ことができる。
同システムの機能面の特長として、
メインの使い方としては、放送局が
送信側のOFDMエラー訂正機能によ
日常的に行う受信調査となるが、エリ
り、受信点で品質劣化が発生しても、
ア放送の免許申請時における測定や、
IP受信側ではエラーフリーのOFDM
運用開始後の監視装置としても役立
信号出力が可能である点が挙げられ
つ。
る。また、付属コントローラにより送
受信装置を一対としたN+1の冗長構成
が可能だ。送信側で不要なデータを省
くことにより、IP回線の帯域圧縮も
実現できる。
日本は全国各地でIP伝送網が整備
されていることから、例えば難視聴地
域となる離島に海底ケーブルでIP伝
送するといった使い方ができる。
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